説明

映像信号処理方法、映像信号処理方法のプログラム、映像信号処理方法のプログラムを記録した記録媒体及び映像信号処理装置

【課題】本発明は、映像信号処理方法、映像信号処理方法のプログラム、映像信号処理方法のプログラムを記録した記録媒体及び映像信号処理装置に関し、例えば映像信号中のノイズを除去するノイズフィルタに適用して、従来に比して一段と精度良くノイズレベルを計測する。
【解決手段】本発明は、ノイズレベルの計測に適していない特徴量を除外してヒストグラムを作成し、このヒストグラムの分析によりノイズレベルS7を計測する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像信号処理方法、映像信号処理方法のプログラム、映像信号処理方法のプログラムを記録した記録媒体及び映像信号処理装置に関し、例えば映像信号中のノイズを除去するノイズフィルタに適用することができる。本発明は、ノイズレベルの計測に適していない特徴量を除外してヒストグラムを作成し、このヒストグラムを分析してノイズレベルを計測することにより、従来に比して一段と精度良くノイズレベルを計測する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種映像信号処理装置では、入力映像信号のノイズレベルを計測し、この計測結果に基づいて入力映像信号のノイズを抑圧する方法等が採用されており、このノイズレベルの計測方法に関してヒストグラムを使用する種々の手法が提案されている。
【0003】
すなわち特開平8−201464号公報には、ヒストグラムからピーク値、平均値等の統計値を複数求め、値の小さな統計量をノイズレベルに設定する方法が開示されている。また特開平10−262160号公報には、画面内信号を計測対象とする2次元処理の計測値と、フィールド間又はフレーム間の差分信号を計測対象とする3次元処理の計測値とから値の小さな側を選択し、この選択した側の計測値を用いたヒストグラムのピーク値からノイズレベルを求める方法が提案されている。また特開2005−229166号公報には、前後のフレームとの間で相関性の高い画像領域を検出し、この画像領域間の差分値の平均値、差分値の中央値、差分値より作成したヒストグラムのピーク値等によりノイズレベルを求める方法が提案されている。
【0004】
しかしながらこれらに開示の手法においては、計測対象となる信号に含まれる動き差分成分、エッジ、テクスチャ等の非平坦信号成分の影響により、高精度にノイズレベルを計測できない問題がある。
【特許文献1】特開平8−201464号公報
【特許文献2】特開平10−262160号公報
【特許文献3】特開2005−229166号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、従来に比して一段と精度良くノイズレベルを計測することができる映像信号処理方法、映像信号処理方法のプログラム、映像信号処理方法のプログラムを記録した記録媒体及び映像信号処理装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため請求項1の発明は、入力映像信号のノイズレベルを計測する映像信号処理方法に適用して、前記入力映像信号に複数の領域を設定し、前記領域毎に、前記入力映像信号のノイズレベルの指標である特徴量を抽出する特徴量抽出ステップと、前記複数の領域の前記特徴量からノイズレベルの計測に適した特徴量を検出する計測有効特徴量検出ステップと、前記計測有効特徴量検出ステップによりノイズレベルの計測に適しているとされた特徴量を用いてヒストグラムを作成し、前記ヒストグラムを分析して前記ノイズレベルを検出するノイズレベル計測ステップとを有するようにする。
【0007】
また請求項17の発明は、入力映像信号のノイズレベルを計測する映像信号処理方法のプログラムに適用して、前記入力映像信号に複数の領域を設定し、前記領域毎に、前記入力映像信号のノイズレベルの指標である特徴量を抽出する特徴量抽出ステップと、前記複数の領域の前記特徴量からノイズレベルの計測に適した特徴量を検出する計測有効特徴量検出ステップと、前記計測有効特徴量検出ステップによりノイズレベルの計測に適しているとされた特徴量を用いてヒストグラムを作成し、前記ヒストグラムを分析して前記ノイズレベルを検出するノイズレベル計測ステップとを有するようにする。
【0008】
また請求項18の発明は、入力映像信号のノイズレベルを計測する映像信号処理方法のプログラムを記録した記録媒体に適用して、前記プログラムは、前記入力映像信号に複数の領域を設定し、前記領域毎に、前記入力映像信号のノイズレベルの指標である特徴量を抽出する特徴量抽出ステップと、前記複数の領域の前記特徴量からノイズレベルの計測に適した特徴量を検出する計測有効特徴量検出ステップと、前記計測有効特徴量検出ステップによりノイズレベルの計測に適しているとされた特徴量を用いてヒストグラムを作成し、前記ヒストグラムを分析して前記ノイズレベルを検出するノイズレベル計測ステップとを有するようにする。
【0009】
また請求項19の発明は、入力映像信号のノイズレベルを計測する映像信号処理装置に適用して、前記入力映像信号に複数の領域を設定し、前記領域毎に、前記入力映像信号のノイズレベルの指標である特徴量を抽出する特徴量抽出部と、前記複数の領域の前記特徴量からノイズレベルの計測に適した特徴量を検出する計測有効特徴量検出部と、前記計測有効特徴量検出部によりノイズレベルの計測に適しているとされた特徴量を用いてヒストグラムを作成し、前記ヒストグラムを分析して前記ノイズレベルを検出するノイズレベル計測部とを有するようにする。
【0010】
請求項1、請求項17、請求項18、又は請求項19の構成によれば、ノイズ計測に適した領域の特徴量のみを用いてノイズレベルを計測することができ、これにより従来に比して一段と精度良くノイズレベルを計測することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、従来に比して一段と精度良くノイズレベルを計測することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施例を詳述する。
【実施例1】
【0013】
(1)実施例の構成
図1は、本発明の映像信号処理装置に適用されるノイズフィルタを示すブロック図である。このノイズフィルタ1は、時間巡回型のノイズフィルタであり、連続するフィールド間又はフレーム間の相関を有効に利用して、入力映像信号S1のノイズを除去し、出力映像信号S2を出力する。
【0014】
なおこの実施例において、ノイズフィルタ1は、所定のプログラムの実行により入力映像信号S1を処理するプロセッサにより構成され、この実施例ではこのプログラムが事前にインストールされて提供されるものの、これに代えて光ディスク、磁気ディスク、メモリカード等の記録媒体に記録して提供するようにしてもよく、インターネット等のネットワークを介したダウンロードにより提供するようにしてもよい。
【0015】
ここで遅延信号生成部2は、出力映像信号S2を遅延してノイズ成分抽出用の遅延信号S3を出力する。なおここで遅延信号S3は、出力映像信号S2を動き補正して生成するようにしてもよい。減算回路3は、入力映像信号S1から遅延映像信号S3を減算してノイズ信号成分S4を生成する。信号レベル補正回路4は、このノイズ信号成分S4を所定の利得で増幅することにより、ノイズ信号成分S4の信号レベルを補正して補正用信号S5を生成する。減算回路5は、この補正用信号S5を入力映像信号S1から減算して出力映像信号S2を生成する。
【0016】
計測部6は、入力映像信号S1からノイズ信号成分の信号レベルを計測して計測結果S7を出力し、またこの計測結果S7の信頼度を示す計測信頼度D7を出力する。信号レベル補正回路4は、この計測結果S7に応じて信号レベル補正回路4の利得を可変し、これにより補正用信号S5の信号レベルを補正する。計測部6は、直前フレームで設定した利得の値と、当該フィールドで計測結果S7から求められる利得の値との加重平均値により、信号レベル補正回路4の利得を設定し、この加重平均に供する重み付け係数を計測信頼度D7に応じて可変する。これによりノイズフィルタ1は、計測信頼度D7に応じて、計測結果S7の信頼性が低い場合には、従前の補正量を反映させるようにしてノイズレベルを補正する。
【0017】
図2は、この計測部6を示すブロック図である。この計測部6において、参照映像信号生成部11は、入力映像信号S1を1フィールド又は1フレームの期間だけ遅延させて参照映像信号S11を出力する。より具体的に、参照映像信号生成部11は、入力映像信号S1を動き補正して参照映像信号S11を生成する。
【0018】
ここで図3は、参照映像信号生成部11を示すブロック図である。この参照映像信号生成部11において、遅延信号生成部12は、入力映像信号S1を1フィールド又は1フレームの期間だけ遅延させて遅延映像信号S12を生成する。動きベクトル検出部13は、この遅延映像信号S12を基準にして入力映像信号S1から動きベクトルMVを検出する。なおここでこの動きベクトルMVの検出は、ブロックマッチング法、勾配法等、種々の動きベクトル検出手法を適用することができる。また動きベクトルMVの精度は、整数画素精度、小数画素精度のいずれでもよい。
【0019】
動き補正映像信号生成部14は、この動きベクトルMVを用いて遅延映像信号S12を動き補正して参照映像信号S11を出力する。なおここでこの参照映像信号S11は、実用上十分な特性を確保できる場合には、図4に示すように、遅延信号生成部12で、単に、入力映像信号S1を1フィールド又は1フレームの期間だけ遅延させて生成してもよい。
【0020】
差分信号生成部16は(図2)、図5に示すように、減算回路17で、入力映像信号S1から参照映像信号S11を減算し、フィールド間差分又はフレーム間差分である差分信号S16を出力する。
【0021】
計測有効面内特徴量検出部18(図2)は、入力映像信号S1の1画面に複数の領域を設定し、領域毎に、入力映像信号S1のノイズレベルの指標である特徴量を検出する。具体的に、計測有効面内特徴量検出部18は、領域毎に、それぞれ入力映像信号S1、参照映像信号S11、差分信号S16における画素値のばらつきを示す面内の特徴量(以下、アクティビティと呼ぶ)S1A、S11A、S16Aを求めて出力する。また計測有効面内特徴量検出部18は、入力映像信号S1、参照映像信号S11、差分信号S16のアクティビティS1A、S11A、S16Aがノイズ計測に適しているか否かを示す計測有効識別フラグS1F、S11F、S16Fを領域毎に出力する。また後段のノイズレベル計測部19におけるヒストグラムを使用した統計処理のために、このヒストグラムを作成する範囲を定義する下限閾値THL、上限閾値THHを計算して出力する。なお実用上十分な精度によりノイズレベルを検出できる場合には、入力映像信号S1、参照映像信号S11、差分信号S16の何れか1つのみ、または2つのみでアクティビティを生成してもよい。
【0022】
ここで図6は、計測有効面内特徴量検出部18を示すブロック図である。この計測有効面内特徴量検出部18において、部分領域信号分割部20は、図7に示すように、入力映像信号S1の1画面を水平方向及び垂直方向に分割して入力映像信号S1の1画面に複数の領域を設定する。また各領域に、入力映像信号S1、参照映像信号S11、差分信号S16をそれぞれ振り分け、領域毎に、これら入力映像信号S1、参照映像信号S11、差分信号S16をそれぞれまとめて出力する。なおこのように各領域に振り分けられて、領域毎に出力される入力映像信号S1、参照映像信号S11、差分信号S16を、適宜、部分入力映像信号S1P、部分参照映像信号S11P、部分差分信号S16Pと呼ぶ。なお図7との対比により図8に示すように、領域の設定は、隣接する領域が部分的に重なり合うようにしてもよい。
【0023】
画素領域特徴量抽出部21は、部分入力映像信号S1P、部分参照映像信号S11P、部分差分信号S16Pを入力して領域毎に処理し、領域毎に、それぞれ入力映像信号S1、参照映像信号S11、差分信号S16のアクティビティS1A、S11A、S16Aを検出する。なおこのアクティビティS1A、S11A、S16Aは、各領域における信号の分散値を適用してもよく、またこれに代えて画素値の2乗平均値、画素値の絶対値平均値、画素値の標準偏差値等を適用するようにしてもよい。また画素領域特徴量抽出部21は、領域毎に、それぞれ入力映像信号S1、参照映像信号S11の画素値の平均値S1PAve、S11PAveを計算して出力する。
【0024】
飽和領域検出部22は、画素領域特徴量抽出部21で計算した入力映像信号S1、参照映像信号S11の画素値の平均値S1PAve、S11PAveを所定の閾値S min Th、S max Thで判定することにより、入力映像信号S1、参照映像信号S11の画素値がダイナミックレンジの影響を受けてクリッピングしている可能性のある領域(以下、飽和領域と呼ぶ)を検出し、検出した飽和領域で対応する飽和領域検出フラグS1PAveF、S11PAveFを立ち上げる。なおここでクリッピングは、いわゆる白つぶれ、黒つぶれである。また閾値S min Th、S max Thはそれぞれ黒レベル側及び白レベル側の閾値である。従って飽和領域検出部22は、部分入力映像信号S1Pについて、次式の関係式が成立する場合、飽和領域と判定して入力映像信号S1の飽和領域検出フラグS1PAveFを立ち上げる。また部分参照映像信号S11Pについて、次式の関係式が成立する場合、飽和領域と判定して参照映像信号S11の飽和領域検出フラグS11PAveFを立ち上げる。なおここで(1)式のAveは、それぞれ画素領域特徴量抽出部21で計算した入力映像信号S1、参照映像信号S11の画素値の平均値S1PAve、S11PAveである。
【0025】
【数1】

【0026】
ここで映像信号の画素値がダイナミックレンジの影響を受けてクリッピングしている場合、この映像信号に重畳されたノイズもクリッピングされていることになる。従ってこのクリッピングされている領域では、ノイズレベルを正しく計測できないことになる。従って飽和領域検出部22は、領域毎に、入力映像信号S1、参照映像信号S11の平均値S1PAve、S11PAveを基準にしてノイズレベル検出に不適切な領域を検出し、検出結果を飽和領域検出フラグS1PAveF、S11PAveFにより出力する。
【0027】
ノイズフリー領域検出部23は、入力映像信号S1、参照映像信号S11、差分信号S16のアクティビティS1A、S11A、S16Aを入力し、それぞれノイズフリー領域を検出してノイズフリー領域検出フラグS1NFF、S11NFF、S16NFFを出力する。ここでノイズフリー領域は、当該領域が、テレビジョン受像機、光ディスクレコーダー等のグラフィカルユーザーインターフェースの領域、編集過程で挿入されたキャプション情報等を表示した領域であって、対象の信号にノイズがほとんど存在しないと見なすことができる領域である。
【0028】
ノイズフリー領域検出部23は、各領域における入力映像信号S1、参照映像信号S11のアクティビティS1A、S11Aの値Iactを、所定の閾値INF Thで判定し、次式の関係式が成立する場合、ノイズフリー領域であると判定してそれぞれ入力映像信号S1、参照映像信号S11のノイズフリー領域検出フラグS1NFF、S11NFFを立ち上げる。
【0029】
【数2】

【0030】
またノイズフリー領域検出部23は、各領域における差分信号S16のアクティビティS16Aの値Pactを対応する閾値PNF Thで判定し、次式の関係式が成立する場合、ノイズフリー領域であると判定して差分信号S16のノイズフリー領域検出フラグS16NFFを立ち上げる。
【0031】
【数3】

【0032】
計測有効判定部24は、飽和領域検出フラグS1PAveF、S11PAveF、ノイズフリー領域検出フラグS1NFF、S11NFF、S16NFFを処理して、ノイズに適した領域であるか否かを示す計測有効識別フラグS1F、S11F、S16Fを出力する。また下限閾値THL、上限閾値THHを生成して出力する。
【0033】
図9は、この計測有効判定部24を示すブロック図である。計測有効判定部24において、計測不能領域判定部27は、飽和領域検出フラグS1PAveF、S11PAveF、ノイズフリー領域検出フラグS1NFF、S11NFF、S16NFFを論理演算処理し、入力映像信号S1、参照映像信号S11、差分信号S16毎に、計測不能領域判定フラグS1NF、S11NF、S16NFを設定する。
【0034】
具体的に、計測不能領域判定部27は、入力映像信号S1の飽和領域検出フラグS1PAveF、ノイズフリー領域検出フラグS1NFFの何れかが立ち上がっている場合、当該領域の入力映像信号S1は、ノイズの計測に適していないと判定し、入力映像信号S1の計測不能領域判定フラグS1NFを立ち上げる。また参照映像信号S11の飽和領域検出フラグS11PAveF、ノイズフリー領域検出フラグS11NFFの何れかが立ち上がっている場合、当該領域における参照映像信号S11は、ノイズの計測に適していないと判定し、参照映像信号S11の計測不能領域判定フラグS11NFを立ち上げる。また差分信号S16のノイズフリー領域検出フラグS16NFF、入力映像信号S1の飽和領域検出フラグS1PAveF、参照映像信号S11の飽和領域検出フラグS11PAveFの何れかが立ち上がっている場合、当該領域における差分信号S16は、ノイズの計測に適していないと判定し、当該領域における差分信号S16の計測不能領域判定フラグS16NFを立ち上げる。
【0035】
増幅回路28は、入力映像信号S1のアクティビティS1A、参照映像信号S11のアクティビティS11Aに対応するように、差分信号S16のアクティビティS16Aを利得DKにより増幅して出力する。なおこの利得DKによる増幅は、差分信号S16のダイナミックレンジが入力映像信号S1、参照映像信号S11よりも大きくなる場合があることを考慮して、差分信号S16のアクティビティS16Aを補正するためのものである。
【0036】
代表特徴量設定部29は、入力映像信号S1のアクティビティS1A、参照映像信号S11のアクティビティS11A、増幅回路28から出力される差分信号S16のアクティビティS16Aから、対応する計測不能領域判定フラグS1NF、S11NF、16NFが立ち上がっていない場合、ノイズ検出に適していると判定されたアクティビティS1A、S11A、S16Aを選択する。また選択したアクティビティS1A、S11A、S16Aを統計的に処理し、検出した複数の特徴量を代表する代表特徴量Act を検出する。
【0037】
ここでこの統計的処理は、図10〜図14に示す構成の何れかを適用することができる。ここで図10は、最小値検出部29Aにより、選択したアクティビティS1A、S11A、S16Aからフィールド単位又はフレーム単位に最小値を検出して代表特徴量Act に設定する構成であり、動きの影響を受け難くして代表特徴量Act を設定することができるものの、安定性に欠ける欠点がある。また図11は、平均値検出部29Bにより、選択したアクティビティS1A、S11A、S16Aからフィールド単位又はフレーム単位に平均値を計算して代表特徴量Act に設定する構成である。また図12は、中間値検出部29Cにより、選択したアクティビティS1A、S11A、S16Aからフィールド単位又はフレーム単位に中間値のアクティビティを選択して代表特徴量Act に設定する構成である。図11及び図12の構成は、図10の構成に比して安定性を優先した構成である。
【0038】
これに対して図13は、ソーティング部29Dにより、選択したアクティビティS1A、S11A、S16Aをフィールド単位又はフレーム単位に昇順又は降順にソーティングして小アクティビティ代表値検出部29Eに入力し、小アクティビティ代表値検出部29Eにより値が小さい側から所定個数のアクティビティを平均値化して代表特徴量Act に設定する構成である。なおこの場合、値の小さい側から所定番目のアクティビティを選択して代表特徴量Act に設定するようにしてもよい。
【0039】
また図14は、選択したアクティビティS1A、S11A、S16Aから、フィールド単位又はフレーム単位に、最小値検出部29F、平均値検出部29G、中間値検出部29Hにより、それぞれ最小値、平均値、中間値を検出し、特徴量統合部29Iによりこれら最小値、平均値、中間値を加重平均して代表特徴量Act に設定する構成である。これら図13、図14は、安定性を向上しつつ、動きの影響を低減して代表特徴量Act を検出する構成である。なお代表特徴量には、分散値等を使用するようにしてもよい。
【0040】
代表特徴量時間平滑化部30は、代表特徴量設定部29から出力される代表特徴量Act
を平滑化して時間平滑化代表特徴量RepActを出力する。なおここで代表特徴量時間平滑化部30は、IIRフィルタ、FIRフィルタを適用することができる。またメディアンフィルタ等の順序統計フィルタを適用して、シーンチェンジによる突発的な時間変動、2−3プルダウン方式における同一コマの繰り返しによる突発的な時間変動等の影響を回避するようにしてもよい。また代表特徴量設定部29から出力される代表特徴量Act の変動を十分に許容できる場合、代表特徴量時間平滑化部30を省略するようにしてもよい。またこの平滑化の処理は、代表特徴量に代えて、後述する上限閾値THH、下限閾値THLに対して実行するようにしてもよい。
【0041】
閾値設定部31は、代表特徴量時間平滑化部30から出力される時間平滑化代表特徴量RepActを用いて、次式の演算処理を実行することにより、上限閾値THH(ActMaxTh)、下限閾値THL(ActMinTh)を設定する。但し、A sd、A meanは、図10〜図14について上述した代表特徴量設定部29の構成に対応して、代表特徴量の性質に応じて決まる定数である。またActTh FactorS、 ActTh FactorLは、ノイズの分布を考慮した定数である。
【0042】
【数4】

【0043】
【数5】

【0044】
【数6】

【0045】
【数7】

【0046】
閾値設定部31は、求めた上限閾値THH(ActMaxTh)、下限閾値THL(ActMinTh)を統計処理対象選別部32に出力し、またノイズレベル計測部19に出力する。なおこの場合に、必要に応じて上限閾値THH(ActMaxTh)、下限閾値THL(ActMinTh)を遅延させて出力するようにして、メモリの容量を小容量化し、さらにはノイズ計測のリアルタイム性を確保するようにしてもよい。なお以下においては、図10の構成により、最小値を代表特徴量に設定した場合について説明する。
【0047】
統計処理対象選別部32は、計測不能領域判定フラグS1NF、S11NF、S16NF、アクティビティS1A、S11A、S16Aに応じて、最終的に、各領域がノイズ計測に適しているか否かを示す計測有効識別フラグS1F、S11F、S16Fを入力映像信号S1、参照映像信号S11、差分信号S16毎に設定する。
【0048】
すなわち統計処理対象選別部32は、対応する計測不能領域判定フラグS1NF、S11NF、S16NFにより計測に適していないと判定される場合であって、かつアクティビティS1A、S11A、S16Aが上限閾値THH(ActMaxTh)、下限閾値THL(ActMinTh)の範囲に納まっていない場合、当該領域の対応する入力映像信号S1、参照映像信号S11、差分信号S16が計測に適していないと判定し、対応する計測有効識別フラグS1F、S11F、S16Fを立ち下げる。
【0049】
またこの条件が成立しない場合、すなわち対応する計測不能領域判定フラグS1NF、S11NF、S16NFが立ち下がっている場合、又はアクティビティS1A、S11A、S16Aが上限閾値THH(ActMaxTh)、下限閾値THL(ActMinTh)の範囲に納まっている場合、当該領域の対応する入力映像信号S1、参照映像信号S11、差分信号S16が計測に適していると判定し、対応する計測有効識別フラグS1F、S11F、S16Fを立ち上げる。
【0050】
なおこれに代えて、対応する計測不能領域判定フラグS1NF、S11NF、S16NFにより計測に適していないと判定される場合、又はアクティビティS1A、S11A、S16Aが上限閾値THH(ActMaxTh)、下限閾値THL(ActMinTh)の範囲に納まっていない場合、対応する入力映像信号S1、参照映像信号S11、差分信号S16が計測に適していないと判定し、対応する計測不能領域判定フラグS1NF、S11NF、S16NFにより計測に適していると判定され、かつアクティビティS1A、S11A、S16Aが上限閾値THH(ActMaxTh)、下限閾値THL(ActMinTh)の範囲に納まっている場合、計測に適していると判定し、これにより一段とノイズレベルの計測精度を向上してもよい。
【0051】
統計処理対象選別部32は、領域毎に、これら計測有効識別フラグS1F、S11F、S16Fを設定して出力し、また順次入力されるアクティビティS1A、S11A、S16Aを出力する。
【0052】
ノイズレベル計測部19(図2)は、計測有効識別フラグS1F、S11F、S16Fによりノイズレベルの計測に適しているとされたアクティビティS1A、S11A、S16Aを選択してヒストグラムを作成する。またこのヒストグラムを分析してノイズレベル計測結果S7、計測信頼度D7を検出し、これらノイズレベル計測結果S7、計測信頼度D7を出力する。
【0053】
ここで図15は、ノイズレベル計測部19を示すブロック図である。このノイズレベル計測部19において、面内特徴量統計処理部35は、計測有効識別フラグS1F、S11F、S16Fを用いてノイズレベルの計測に適しているとされたアクティビティS1A、S11A、S16Aを選択してヒストグラムを作成する。またこのヒストグラムの形状を特徴付ける各種パラメータを出力する。
【0054】
すなわち面内特徴量統計処理部35は、図16に示すように、ヒストグラム階級幅境界値算出部36に上限閾値THH、下限閾値THLを入力する。ヒストグラム階級幅境界値算出部36は、予め設定されている階級数により、この上限閾値THH、下限閾値THL間の値を分割してこれら上限閾値THH、下限閾値THL間に境界を設け、ヒストグラムの階級幅、境界値を計算する。ヒストグラム階級幅境界値算出部36は、この階級幅、境界値をヒストグラム生成部37に通知する。また階級幅D1をノイズレベル算出部39に通知する。これによりこの実施例では、特徴量であるアクティビティS1A、S11A、S16Aの変動幅が大きくなるに従って階級幅が大きくなるように、特徴量に応じて階級幅を可変してヒストグラムを作成する。
【0055】
ヒストグラム生成部37は、計測有効識別フラグS1F、S11F、S16Fにより計測に適していると判定されているアクティビティS1A、S11A、S16Aを選択的にヒストグラム生成対象に設定し、このヒストグラム生成対象のアクティビティS1A、S11A、S16Aをヒストグラム階級幅境界値算出部36から通知された階級幅、境界値で分類してヒストグラムを作成する。ヒストグラム生成部37は、フィールド単位又はフレーム単位でヒストグラムを作成し、作成したヒストグラムの各階級の度数をヒストグラムの分布情報D13によりノイズ分布特徴量算出部38に通知する。
【0056】
ノイズ分布特徴量算出部38は、このヒストグラム生成部37から通知される各階級の度数を分析してヒストグラム生成部37で生成したヒストグラムを分析し、ヒストグラムの形状を特徴付ける各種のパラメータを出力する。
【0057】
すなわち図17に示すように、ノイズ分布特徴量算出部38において、ピーク位置探索部40は、図18に示すように、ヒストグラム生成部37から通知される各階級の度数を分析して度数が最大となる階級である分布ピーク位置を探索し、この分布ピーク位置の階級、分布ピーク位置の度数を検出する。ピーク位置探索部40は、この分布ピーク位置の階級を分布ピーク位置D4により出力する。また分布ピーク位置の度数を、ピーク度数情報D14として出力する。
【0058】
ピーク近傍下側位置検出部41は、ピーク位置探索部40から出力されるピーク度数情報D14に基づいて、分布ピーク位置の度数に、値1以下の正の係数を乗算して下側位置検出用閾値D15を求める。また図18において矢印により示すように、分布ピーク位置から順次階級が小さくなる側に順次各階級の度数を下側位置検出用閾値D15で判定し、最初に度数が下側位置検出用閾値D15以下となる階級を検出する。ピーク近傍下側位置検出部41は、この検出した階級をピーク近傍下側位置D16として、下側位置検出用閾値D15と共に出力する。
【0059】
ピーク近傍上側位置検出部42は、図19において矢印により示すように、ピーク近傍下側位置検出部41とは逆に、分布ピーク位置から階級が大きくなる側に順次各階級の度数を下側位置検出用閾値D15で判定し、最初に度数が下側位置検出用閾値D15以下となる階級を検出する。ここで分布ピーク位置からピーク近傍下側位置までの階級数を値Lとすると、ピーク近傍上側位置検出部42は、この階級が大きくなる側の検出処理を、分布ピーク位置から階級数Lの範囲で実行して、図20に示すように、この階級数Lの範囲で、度数が下側位置検出用閾値D15以下となる階級を検出できない場合、分布ピーク位置から階級数Lだけ階級が大きくなる側の階級を検出する。ピーク近傍上側位置検出部42は、この検出した階級をピーク近傍上側位置D17として出力する。以下、これらピーク近傍下側位置検出部41、ピーク近傍上側位置検出部42で検出した階級をそれぞれピーク近傍下側位置及びピーク近傍上側位置と呼ぶ。
【0060】
ピーク近傍重心位置算出部43は、ヒストグラムの分布情報D13、ピーク近傍下側位置D16、ピーク近傍上側位置D17により、図21においてハッチングにより示すように、ピーク近傍下側位置とピーク近傍上側位置の間に存在する階級の値をそれぞれの度数で重み付け平均し、これらピーク近傍下側位置、ピーク近傍上側位置間におけるヒストグラムの分布重心位置の階級を求める。ピーク近傍重心位置算出部43は、この分布重心位置の階級をピーク近傍重心位置情報D18として出力する。ここでピーク近傍重心位置情報D18は、入力映像信号S1のノイズレベルを示していることになることから、以下、適宜、ノイズレベルを示す情報とも呼ぶ。
【0061】
分布急峻度算出部44は、ヒストグラムにおける分布の集中度を示す分布急峻度を検出する。すなわち分布急峻度算出部44は、図22に示すように、ピーク近傍下側位置検出部41、ピーク近傍上側位置検出部42等の処理結果に基づいて、ピーク近傍下側位置とピーク近傍上側位置D17との間に存在する階級の平均度数(以下、ピーク近傍平均度数と呼ぶ)を計算する。また分布急峻度算出部44は、分布重心位置の階級位置とピーク近傍上側位置との間の階級数である上側近傍距離L1を求め、この上側近傍距離L1に所定の係数を乗じた階級数L2を求める。分布急峻度算出部44は、ピーク近傍上側位置からこの階級数L2だけ階級の大きい側の位置を上側裾野上限位置に設定し、ピーク近傍上側位置から上側裾野上限位置までの範囲に存在する階級の平均度数(以下、上側裾野平均度数と呼ぶ)を計算する。
【0062】
分布急峻度算出部44は、ピーク近傍平均度数と上側裾野平均度数との比率を計算する。ここでヒストグラムのピークが急峻であればあるほど、上側裾野平均度数に対してピーク近傍平均度数が大きくなることから、ピーク近傍平均度数と上側裾野平均度数との比率は、ヒストグラムのピークの急峻度を表すことになる。分布急峻度算出部44は、この比率を分布急峻度D5として出力する。
【0063】
なお図22との対比により図23に示すように、分布重心位置の階級位置からピーク近傍上側位置との間の階級数L1に代えて、分布ピーク位置からピーク近傍上側位置までの階級数L1を適用して分布急峻度D5を計算してもよい。またピーク近傍平均度数に代えて分布ピーク位置の度数を適用して分布急峻度D5を計算してもよい。なおこの場合、図17との対比により図24に示すように、ピーク近傍平均度数を用いて分布急峻度D5を計算する分布急峻度算出部44Aを分布急峻度算出部44に代えて適用してノイズ分布特徴量算出部38Aを構成することになる。なお急峻度には、いわゆる尖度を適用するようにしてもよい。
【0064】
分布占有度算出部45(図17)は、図25においてハッチングにより示すように、ピーク近傍上側位置以下の全ての階級の総度数をカウントし、カウント値が増大するに従って値が増大するように、分布占有度D6を設定する。ここで入力映像信号S1に動き差分成分、非平坦信号成分(エッジ、テクスチャ)、飽和領域成分等が含まれている場合、図26に示すように、これらの成分は上限閾値THH、下限閾値THLの範囲外となってヒストグラムに含まれないことになる。しかしながらこれらの成分でも、上限閾値THH、下限閾値THLの範囲内となってヒストグラムを構成する場合があり、この場合このような成分は、ピーク近傍上側位置より外側の階級に分類されることが多く、これによりこの場合分布占有度D6が小さくなる。これにより分布占有度算出部45は、ヒストグラムにおける度数の集中程度を検出して分布占有度D6を出力する。
【0065】
ノイズ分布特徴量算出部38(図16)は、分布ピーク位置D4、分布急峻度D5、分布占有度D6をヒストグラムの形状を特徴付けるパラメータとして出力する。ノイズレベル算出部39は、ピーク近傍重心位置情報D18に基づいて、分布ピーク位置の近傍で把握される分布中心の階級をノイズ成分の標準偏差相当の値に変換してノイズレベルD3を算出し、このノイズレベルD3を出力する。この処理において、ノイズレベル算出部39は、下限閾値THL、階級幅D11、アクティビティとして使用した指標に応じて、ノイズレベルD3を補正して出力する
分布信頼度設定部51(図15)は、分布ピーク位置D4、分布急峻度D5、分布占有度D6により、ノイズレベルD3の確からしさを示す信頼度D8を計算する。図27は、この分布信頼度設定部51を示すブロック図である。この分布信頼度設定部51において、ピーク位置信頼度設定部52は、ヒストグラムの分布ピーク位置の階級が増大するに従って値が小さくなるように、分布ピーク位置によりノイズレベルD3の確からしさを示す信頼度D41を生成する。すなわち分布ピーク位置が、過度に大きい階級側にずれている場合、そのピークは、動き差分成分、エッジ、テクスチャ等の非平坦信号成分の影響を大きく受けているものと判断することができる。これによりピーク位置信頼度設定部52は、図28に示すように、値の大きい側及び小さい側でそれぞれ飽和した特性となって値0及び値1となり、分布ピーク位置D4に応じて値が減少するように、信頼度D41を生成する。
【0066】
分布急峻信頼度設定部53は、急峻度が増大してヒストグラムにおける分布が分布ピーク位置に集中するに従って値が大きくなるように、急峻度によりノイズレベルD3の確からしさを示す信頼度D51を生成する。すなわちこの場合、図29に示すように、分布急峻信頼度設定部53は、値の大きい側及び小さい側でそれぞれ飽和した特性となって値1及び値0となり、急峻度D5に応じて値が増大するように、信頼度D51を生成する。
【0067】
分布占有信頼度設定部54は、ピーク近傍上側位置以下の総度数により把握される分布占有度D6によりノイズレベルD3の確からしさを示す信頼度D61を生成する。すなわちこの場合、図30に示すように、分布占有信頼度設定部54は、値の大きい側及び小さい側でそれぞれ飽和した特性となって値1及び値0となり、分布占有度D6に応じて値が増大するように、信頼度D61を生成する。
【0068】
乗算回路55は、これらの信頼度D41、D51、D61を乗算して総合の信頼度D8を出力する。なおこの総合の信頼度D8の算出方法は、信頼度D41、D51、D61の加重平均、信頼度D41、D51、D61を入力とする所定関数による演算等、種々の統合方法を適用することができる。なおこれによりこの実施例では、急峻度、分布占有度で表されるヒストグラムの形状、分布ピーク位置に応じて、ノイズレベルを示すノイズレベルD3の確からしさを示す信頼度D8を生成することになるが、信頼度にあっては、急峻度、分布占有度以外のヒストグラムの分布の形状を表す各種パラメータ、総度数、重心位置等に基づいても設定することができ、またこれらの何れか、又はこれらの組み合わせにより設定することもできる。
【0069】
時間平滑化部59は、面内特徴量統計処理部35から出力されるノイズレベルD3を信頼度D8により処理して平滑化処理し、ノイズ計測結果S7を算出して出力する。また信頼度D8を平滑化処理して信頼度D7を算出し、この信頼度D7を出力する。この平滑化の処理において、時間平滑化部59は、信頼度D7が低減するに従って通過帯域が低減するように、ノイズ計測結果S7、信頼度D7の平滑化処理に係るフィルタの特性を制御する。
【0070】
ここで図31は、FIRのローパスフィルタで構成した場合の時間平滑化部59を示すブロック図である。この時間平滑化部59は、遅延回路DD11〜DD41によりノイズレベルD3を順次遅延させ、ノイズレベルD3、遅延回路DD11〜DD41の出力を乗算回路M01〜M41、加算回路AD11〜AD41により重み付け加算してノイズレベルD3を平滑化処理する。またフィルタ係数設定部60により、遅延回路DD11〜DD41の重み付け係数を制御し、ノイズレベルD3を乗算する乗算回路M01の重み付け係数を、他の乗算回路M11〜M41の重み付け係数に対して、信頼度D8が増大するに従って増大させる。
【0071】
また遅延回路DD12〜DD42により信頼度D8を順次遅延させ、信頼度D8、遅延回路DD12〜DD42の出力を乗算回路M02〜M42、加算回路AD12〜AD42により重み付け加算して信頼度D8を平滑化する。またフィルタ係数設定部60により、ノイズレベルD3の処理と同様に、乗算回路M02〜M42の重み付け係数を制御する。
【0072】
これに対して図32は、巡回型のIIRのローパスフィルタで構成した場合の時間平滑化部59を示すブロック図である。この時間平滑化部59は、計測結果S7を遅延回路DA1で遅延させ、この遅延させた計測結果S7と順次入力されるノイズレベルD3とを、乗算回路MA1、MB1、加算回路AD1で重み付け加算する。また帰還率設定部60Aにより、信頼度D8が増大するに従って、ノイズレベルD3側の重み付け係数を増大させて帰還率を低減させる。
【0073】
またこの時間平滑化部59から出力する信頼度D7を遅延回路DA2で遅延させ、この遅延させた信頼度D7と順次入力される信頼度D8とを、乗算回路MA2、MB2、加算回路AD2で重み付け加算する。また帰還率設定部60Aにより、ノイズレベルD3の処理と同様に、信頼度D8が増大するに従って、信頼度D8側の重み付け係数を増大させる。
【0074】
なおこれらによりこの実施例では、ヒストグラムの重心位置の階級をノイズレベル計測結果S7とすることになるが、必要に応じて、これに代えてヒストグラムの中間値、平均値、ピーク値等をノイズレベル計測結果S7としてもよい。
【0075】
(2)実施例の動作
以上の構成において、入力映像信号S1(図1)は、出力映像信号S2の遅延信号S3との間で差分信号が生成されてノイズ信号成分S4が検出され、このノイズ信号成分S4の信号レベルが計測部6によるノイズ計測結果S7により補正されて補正用信号S5が生成される。入力映像信号S1は、この補正用信号S5が減算されてノイズレベルが抑圧され、出力映像信号S2により出力される。これによりこのノイズフィルタ1では、計測部6により精度良くノイズレベルを計測して、ノイズを抑圧することができ、計測部6によるノイズ計測結果S7の精度が低い場合には、十分にノイズを抑圧することが困難になる。
【0076】
そこでこの実施例では(図2)、計測部6の計測有効面内特徴量検出部18において、入力映像信号S1の1画面に複数の領域を設定し、領域毎に、ノイズレベルの指標である特徴量がアクティビティS1Aにより検出される。またこのアクティビティS1Aによりノイズレベル計測部19において、ヒストグラムが作成され、このヒストグラムの分析によりノイズレベルS7が検出される。
【0077】
しかしながらこのようにして検出される特徴量には、ノイズレベルの計測に適していない部位から検出されたものも含まれ、これによりノイズレベルS7の精度が劣化する。そこでこの実施例では、計測有効面内特徴量検出部18において、検出した特徴量からノイズレベルの計測に適した特徴量が検出され、ノイズレベルの計測に適しているとされた特徴量を用いてヒストグラムを作成する。
【0078】
これによりこのノイズフィルタ1では、入力映像信号に含まれる動き差分成分、エッジ、テクスチャ等の非平坦信号成分の計測結果への影響が低減され、従来に比して一段と精度良くノイズレベルを計測することができる。
【0079】
すなわち図33に示すように、何ら制限することなく全ての特徴量を用いてヒストグラムを作成した場合、動き成分、非平坦信号成分等が混入することになり、これらの成分によりヒストグラムを分析して得られるノイズレベル計測結果の精度が劣化することになる。しかしながらノイズレベルの計測に適した特徴量を検出し、このノイズレベルの計測に適した特徴量を用いてヒストグラムを作成すれば、測定精度の劣化を来す成分については、ヒストグラムの範囲外としてヒストグラムの作成に使用しないようにすることができ、これにより動き差分成分、エッジ、テクスチャ等の非平坦信号成分等の計測結果への影響を低減し、従来に比して一段と精度良くノイズレベルを計測することができる。
【0080】
これによりこのノイズフィルタ1において、入力映像信号S1は、参照映像信号生成部11において、1フィールド又は1フレームの期間だけ遅延されて参照映像信号S11が生成され(図3、図4)、差分信号生成部16において、この参照映像信号S11との間で差分信号S16が生成される(図5)。また計測有効面内特徴量検出部18の部分領域信号分割部20(図6)において、入力映像信号S1に設定された領域毎に、これら入力映像信号S1、参照映像信号S11、差分信号S16が分割された後(図7)、続く画素領域特徴量抽出部21において、領域毎に、これら入力映像信号S1、参照映像信号S11、差分信号S16の特徴量であるアクティビティS1A、S11A、S16Aがそれぞれ検出される。
【0081】
これによりこのノイズフィルタ1では、領域毎に、入力映像信号S1、参照映像信号S11、差分信号S16を生成元とした3種類の特徴量が検出され、この3種類の特徴量からノイズ計測に適した特徴量が選択されてヒストグラムが作成され、面内方向と時間軸方向との双方についてのノイズレベルを総合的に検出して、ノイズレベルの検出精度を向上することができる。またノイズの検出に適していない特徴量を除いてヒストグラムを作成する場合でも、ヒストグラムの作成に使用する特徴量数を十分に確保することができ、これによっても精度良くノイズレベルを検出することができる。
【0082】
ノイズフィルタ1では、画素領域特徴量抽出部21において、領域毎に、入力映像信号S1、参照映像信号S11における画素値の平均値S1PAve、S11PAveが求められ、飽和領域検出部22において、この平均値S1PAve、S11PAveが閾値S
min Th、S max Thで判定されて飽和領域が検出される。またこの検出結果により、飽和領域とされた特徴量をヒストグラムの作成対象から除外するように、計測有効判定部24により計測有効識別フラグS1F、S11F、S16Fが設定される。これによりノイズフィルタ1では、画素値の飽和によりノイズレベルを正しく計測困難となっている領域については、ヒストグラムの作成対象から除外して、精度良くノイズレベルを検出することができる。
【0083】
また入力映像信号S1は、ノイズフリー領域検出部23において、入力映像信号S1、参照映像信号S11、差分信号S16のアクティビティS1A、S11A、S16Aが所定の閾値INF Th、PNF Thで判定され、これによりテレビジョン受像機、光ディスクレコーダー等のグラフィカルユーザーインターフェースの領域、編集過程で挿入されたキャプション情報等を表示した領域であって、対象の信号にノイズがほとんど存在しないと見なすことができるノイズフリー領域が検出される。またこの検出結果により、ノイズフリー領域とされた特徴量をヒストグラムの作成対象から除外するように、計測有効判定部24により計測有効識別フラグS1F、S11F、S16Fが設定される。これによりノイズフィルタ1では、キャプション情報等の挿入によりノイズレベルを正しく計測困難となっている領域については、ヒストグラムの作成対象から除外して、これによっても精度良くノイズレベルを検出することができる。
【0084】
またさらにノイズフィルタ1では、計測有効判定部24の計測不能領域判定部27(図9)において、飽和領域、ノイズフリー領域以外を除くように計測不能領域判定フラグS1NF、S11NF、S16NFが設定され、代表特徴量設定部29において、この計測不能領域判定フラグS1NF、S11NF、S16NFに基づいて、飽和領域、ノイズフリー領域以外のアクティビティS1A、S11A、S16Aが領域毎に統計処理されて、各領域を代表する代表特徴量Act が検出される。
【0085】
また閾値設定部31において、この代表特徴量Act により上限及び下限の閾値THH及びTHLが設定され、統計処理対象選別部32において、この閾値THH及びTHLによりアクティビティS1A、S11A、S16Aが判定されて、上限及び下限の閾値THH及びTHLの範囲外のものを、ヒストグラム作成対象から除外するように計測有効識別フラグS1F、S11F、S16Fが設定される。これによりノイズフィルタ1では、動き差分成分、非平坦信号成分の混入を極力防止してヒストグラムを作成することができ、ノイズレベルの検出精度を向上することができる。
【0086】
また代表特徴量時間平滑化部30は、代表特徴量設定部29から出力される代表特徴量Act を平滑化して閾値THH及びTHLを設定することにより、又は閾値THH及びTHLを平滑化してアクティビティS1A、S11A、S16Aを判定することにより、閾値THH及びTHLの変動による検出精度の劣化を防止することができる。これにより映像信号処理装置は、シーンチェンジによる突発的な時間変動を有効に回避してノイズレベルの検出精度を向上することができる。特に、この平滑化処理を、メディアンフィルタ等の順序統計フィルタを適用することにより、例えば最小値を出力しないようにして、2−3プルダウン方式における入力映像信号S1の処理において、同一コマの繰り返しによる突発的な時間変動を有効に回避してノイズレベルの検出精度を向上することができる。
【0087】
このノイズフィルタ1では、この代表特徴量Act が、入力映像信号S1、参照映像信号S11、差分信号S16による複数種類の特徴量であるアクティビティS1A、S11A、S16Aのフィールド単位又はフレーム単位の最小値(図10)、平均値(図11)、中間値(図12)、又は分散値、若しくはこれらの合成値(図13)により生成され、これにより必要に応じて所望の特性によりノイズレベルを検出することができる。
【0088】
ノイズフィルタ1では、ノイズレベル計測部19の面内特徴量統計処理部35において(図2、図15)、計測有効識別フラグS1F、S11F、S16Fに基づいて、ノイズフリー領域、飽和領域、上限及び下限の閾値THH及びTHLの範囲外のものを除くようにして、アクティビティS1A、S11A、S16Aからヒストグラムが作成され、このヒストグラムの分析によりノイズレベルS7が計測される。
【0089】
すなわち面内特徴量統計処理部35のヒストグラム生成部37において(図2、図16)、ノイズフリー領域、飽和領域、上限及び下限の閾値THH及びTHLの範囲外のものを除くようにして、アクティビティS1A、S11A、S16Aからヒストグラムが作成され、続くノイズ分布特徴量算出部38において、このヒストグラムが分析されてノイズレベルを示すピーク近傍重心位置情報D18が検出される。このノイズフィルタ1では、このノイズレベルを示す情報D18が、ヒストグラムの重心値により検出され、又はヒストグラムの中間値、平均値、ピーク値等により検出され、これによりノイズレベルの検出精度を従来に比して向上することができる。
【0090】
特に、ヒストグラムの重心値によりノイズレベルを示す情報D18を検出する場合には、ピークの時間変動によるノイズレベル計測結果の変動を防止しつつ、動き成分の検出結果への影響を有効に回避することができ、これにより安定にノイズレベルを検出して精度を向上することができる。
【0091】
このノイズレベルを示す情報D18の検出においては(図17)、始めにピーク位置探索部40において、ヒストグラムのピーク位置が検出される(図18)。またピーク近傍下側位置検出部41において、このピーク位置の度数を基準にして下側位置検出用閾値D15が設定され、ヒストグラムのピーク位置より階級が低下する方向に、この下側位置検出用閾値D15以下となる最初の階級が検出されてピーク近傍下側位置D16が検出される(図18)。またピーク近傍上側位置検出部42において、分布ピーク位置からピーク近傍下側位置D16までの階級の距離Lと等しい範囲で、分布ピーク位置から階級が増加する方向に、この下側位置検出用閾値D15以下となる最初の階級が検出されてピーク近傍上側位置D17が検出される(図19及び図20)。
【0092】
ノイズフィルタ1では、このピーク近傍下側位置D16からピーク近傍上側位置D17までの範囲の、ピーク位置近傍の分布より、ノイズレベルを示す情報D18が検出される(図21)。これによりノイズフィルタ1では、ヒストグラムの形状により検出範囲を設定してノイズレベルを示す情報D18が検出され、さらに一段と動き差分成分、非平坦信号成分の混入を極力防止してヒストグラムを作成することができ、ノイズレベルの検出精度を向上することができる。
【0093】
またこのようにしてヒストグラムを作成してノイズレベルを検出するにつき、入力映像信号S1は、ヒストグラム階級幅境界値算出部36において、上限閾値THH、下限閾値THLの範囲を予め設定されている階級数で等分割するようにして階級幅、境界値が設定される。これによりこのノイズフィルタ1では、図34及び図35に示すように、特徴量のダイナミックレンジである特徴量の変動幅が大きくなるに従って、階級幅が大きくなるようにしてヒストグラムが作成される。これによりこの映像信号処理装置では、人間の視覚特性に対応するように、ノイズレベルに応じて階級幅を可変してノイズレベルを計測して、簡易な構成により検出精度を向上することができる。
【0094】
すなわち人間のノイズの知覚特性は、S/N比のdB表示に適用されるLogスケールの特性に近い。これによりこの実施例のように、ノイズレベルに応じて階級幅を可変すれば、図34に示すようにノイズレベルが小さいほど、階級幅を小さくして、ノイズ計測結果の特性をLogスケールの特性に近づけることができる。従って人間が画面を見て知覚するノイズレベルを適切に反映するようにしてノイズレベル計測結果を検出することができる。
【0095】
またこのようなヒストグラムの分析によるノイズレベルの検出では、ヒストグラムの階級幅の大きさで計測精度が決定される。従って検出精度の向上のために階級幅を小さくすると、階級数が著しく増大し、これにより処理が煩雑になり、さらには構成が複雑になる問題がある。またこれとは逆に、構成、処理を簡略化するために、階級幅を大きくしたり、処理対象データの範囲を小さくすると、ノイズレベルの検出精度が劣化する。しかしながらこの実施例のように、ノイズレベルに応じて階級幅を可変すれば、簡易な構成により検出精度を確保することができる。
【0096】
入力映像信号S1は、ピーク位置信頼度設定部52(図27)において、分布ピーク位置の階級が増大するに従って値が減少する信頼度D41が検出される(図28)。また分布急峻度算出部44、分布占有度算出部45において、ヒストグラムの急峻度、占有度が検出され(図17、図22、図23、図25、図26)、分布急峻信頼度設定部53、分布占有度信頼度設定部54において(図27)、それぞれ急峻度、占有度が増大するに従って値が増大する信頼度D51、D61が検出される(図29、図30)。またこれら信頼度D41、D51、D61が乗算回路55で統合されて総合の信頼度D8が検出される。
【0097】
入力映像信号S1は、ノイズレベル算出部39において、ノイズレベルを示す情報D18がノイズレベルD3に変換される(図16)。これによりこのノイズフィルタ1では、ノイズレベルD3と共に、このノイズレベルD3の信頼度D7を検出することができ、ノイズレベルD3によりノイズ抑圧処理等の各種映像信号処理を実行する場合に、この信頼度D7の情報により信頼度の高い場合と低い場合とで処理を切り換えて、誤ったノイズレベル測定結果による誤った映像信号処理を有効に回避することができ、適切に映像信号を処理することができる。
【0098】
すなわちこのノイズフィルタ1では、このノイズレベルD3が時間平滑化部59により平滑化されてノイズレベルの測定結果S7が得られ(図15)、この測定結果S7に応じてノイズ抑圧処理における帰還率が可変される。この処理において、ノイズレベルD3を時間平滑化部59により平滑化して出力することにより、測定結果S7の変動を防止して安定に入力映像信号S1を処理することができる。
【0099】
またこの平滑化の処理においては、信頼度D7に応じて、信頼度が低い場合程、従前のノイズレベルD3又は測定結果S7を測定結果S7に反映させるようにして平滑度を増大させ(図31、図32)、これにより安定にノイズレベルを計測しつつ、十分にノイズレベルの変動を検出することができ、信頼度の高い計測結果を得ることができる。
【0100】
またノイズフィルタ1では、このノイズレベルの平滑化処理を連動して、信頼度D7についても平滑化して出力し、これにより信頼度D8に応じて信頼度の高い場合と低い場合とでノイズ抑圧処理等を実行する場合に、誤った映像信号処理を有効に回避することができる。
【0101】
具体的に、ノイズフィルタ1では(図1)、ノイズレベルの測定結果S7に応じてノイズ抑圧処理における帰還率を可変するようにして、信頼度D8に応じて、この帰還率を可変し、これにより誤った映像信号処理を有効に回避することができ、適切に映像信号を処理することができる。
【0102】
(3)実施例の効果
以上の構成によれば、ノイズレベルの計測に適していない特徴量を除外してヒストグラムを作成し、このヒストグラムの分析によりノイズレベルを計測することにより、従来に比して一段と精度良くノイズレベルを計測することができる。
【0103】
また入力映像信号、入力映像信号の遅延信号、入力映像信号及び遅延信号の差分信号の少なくとも1つから特徴量を検出することにより、具体的に入力映像信号のノイズレベルの指標である特徴量を検出することができる。
【0104】
また入力映像信号の信号レベルの判定により、ノイズレベルの計測に適していない飽和領域を検出し、特徴量の判定により、ノイズレベルの計測に適していないノイズフリー領域を検出し、これら飽和領域の特徴量、ノイズフリー領域の特徴量を除外してノイズレベルの計測に適した特徴量を検出することにより、ノイズレベルの計測に適していない特徴量による検出精度の低下を防止することができる。
【0105】
また検出した複数の特徴量から各領域を代表する代表特徴量を設定し、この代表特徴量を基準にして上限及び又は下限の閾値を設定するようにして、この上限の閾値以上の値の特徴量及び又は下限の閾値以下の値の特徴量を除外して、ノイズレベルの計測に適した特徴量を検出することにより、動き差分成分、非平坦信号成分の混入を極力防止してヒストグラムを作成することができ、ノイズレベルの検出精度を向上することができる。
【0106】
またこの代表特徴量、若しくは上限、下限の閾値を平滑化することにより、閾値の変動による検出精度の劣化を防止して、安定にノイズレベルを検出することができる。
【0107】
またこの平滑化処理を、メディアンフィルタ等の順序統計フィルタにより実行することにより、2−3プルダウン方式による入力映像信号の処理等において、同一コマの繰り返しによる突発的な時間変動を有効に回避してノイズレベルの検出精度を向上することができる。
【0108】
またこの代表特徴量を、最小値、平均値、中間値又は分散値、若しくはこれらのうちの2つ以上の合成値により設定することにより、具体的に代表特徴量を検出して検出精度を向上することができる。
【0109】
またヒストグラムの中間値、平均値、ピーク値、又は重心値を検出して前記ノイズレベルに設定することにより、具体的にヒストグラムを分析してノイズレベルを計測することができる。
【0110】
またヒストグラムの形状により検出範囲を設定することにより、一段と確実に動き差分成分、非平坦信号成分の混入を防止してヒストグラムを作成することができ、ノイズレベルの検出精度を向上することができる。
【0111】
また特徴量の変動幅が大きくなるに従って階級幅が大きくなるように設定してヒストグラムを作成することにより、簡易な構成により検出精度を向上することができる。また人間の知覚特性に対応するようにノイズレベルを計測することができる。
【0112】
またヒストグラムを解析して、ノイズレベルの信頼度を検出することにより、ノイズレベルの計測結果を用いて各種の映像信号処理を実行する場合に、この信頼度により映像信号処理を切り換えて、適切に映像信号処理を実行することができる。
【0113】
具体的に、ヒストグラムの分布の形状、総度数、分布ピーク位置、及び又は重心位置に基づいてノイズレベルの信頼度を検出することができる。
【0114】
また信頼度に応じて平滑度を可変して、ノイズレベルを平滑化することにより、信頼度の高い計測結果を得ることができる。
【実施例2】
【0115】
図36は、本発明の実施例2の映像信号処理装置に適用されるノイズ分布特徴量算出部の構成を示すブロック図である。この実施例2の映像信号処理装置は、ノイズ分布特徴量算出部38(図16及び図24)に代えてこのノイズ分布特徴量算出部68が適用される点、分布信頼度設定部51(図15及び図27)に代えて後述する分布信頼度設定部81が適用される点を除いて、実施例1のノイズフィルタ1と同一に構成される。
【0116】
ここでこのノイズ分布特徴量算出部68において、ピーク近傍範囲設定部71は、ピーク近傍下側位置検出部41、ピーク近傍上側位置検出部42に代えて設けられ、ピーク近傍下側位置、ピーク近傍上側位置を設定する。具体的にピーク近傍範囲設定部71は、図37に示すように、分布ピーク位置の上下に、所定階級数Lだけ分布ピーク位置から変位した階級をピーク近傍下側位置D16、ピーク近傍上側位置D17に設定する。
【0117】
分布対称度算出部72は、ピーク近傍下側位置、ピーク近傍上側位置の範囲で、分布ピーク位置の上下の分布の対称性を計算して分布対称度D31により出力する。具体的に、分布対称度算出部72は、ピーク近傍下側位置D16から分布ピーク位置D4までの度数の和と分布ピーク位置D4から近傍上側位置D17までの度数の和を求める。分布対称度算出部72は、これら度数の和の差分値の絶対値が小さくなるに従って値が増大するように分布対称度D31を設定する。なおこれに代えて、これらの和の比を求め、比が値1に近づくに従って値が増大するように分布対称度D31を設定してもよい。なお分布の歪度等、他の指標を用いて分布対称度D31を設定してもよい。
【0118】
ピーク重心一致度算出部73は、ピーク近傍重心位置情報D18と分布ピーク位置D4との差分の階級数を計算し、この差分の階級数が大きくなるに従って値が低下するように、ピーク重心一致度D32を設定する。
【0119】
この実施例のノイズ分布特徴量算出部68は、ヒストグラムの形状を特徴付けるパラメータとして分布ピーク位置D4、分布急峻度D5、分布占有度D6に加えて、分布対称度D31、ピーク重心一致度D32を出力する。
【0120】
図38は、この実施例2の映像信号処理装置に適用される分布信頼度設定部81を示すブロック図である。この分布信頼度設定部81において、図27について上述した実施例1の分布信頼度設定部51と同一の構成は、対応する符号を付して示し、重複した説明は省略する。この分布信頼度設定部81において、分布対称信頼度設定部82は、図39に示すように、値の大きい側及び小さい側でそれぞれ飽和した特性となって値1及び値0となり、分布対称度D31に応じて値が増大するように、分布対称度信頼度D33を生成する。ピーク重心一致信頼度設定部83は、図40に示すように、値の大きい側及び小さい側でそれぞれ飽和した特性となって値1及び値0となり、ピーク重心一致度D32に応じて値が増大するように、ピーク重心一致信頼度D34を生成する。
【0121】
信頼度統合部84は、これら信頼度D41、D51、D61、D33、D34を統合して総合の信頼度D8を検出する。なおこの統合は、全ての信頼度を乗算して信頼度D8としてもよく、また全ての信頼度の加重平均、全ての信頼度を入力とする所定関数による演算結果等を適用することができる。
【0122】
この実施例では、分布ピーク位置の上下に、所定階級数だけ分布ピーク位置から変位した階級をピーク近傍下側位置、ピーク近傍上側位置に設定することにより、実施例1の構成に比して簡易な構成により実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0123】
またピーク重心一致度、分布対称度を加味して総合の信頼度を計算することにより、一段と測定精度、信頼度を向上することができる。
【実施例3】
【0124】
図41は、本発明の実施例3の映像信号処理装置に適用される計測部96を示すブロック図である。この実施例の映像信号処理装置は、計測ノイズレベル遅延部99が設けられた点、計測有効面内特徴量検出部18に代えて、計測有効面内特徴量検出部98が設けられた点を除いて、実施例1のノイズフィルタ1と同一に構成される。
【0125】
ここで計測ノイズレベル遅延部99は、ノイズレベル計測部19から出力される計測結果S7を1フィールド又は1フレームの期間、遅延させて出力する。
【0126】
計測有効面内特徴量検出部98は、計測有効判定部24に代えて、図42に示す計測有効判定部104が設けられた点を除いて、図6について上述した計測有効面内特徴量検出部18と同一に構成される。また計測有効判定部104は、代表特徴量設定部29及び代表特徴量時間平滑化部30に代えて、代表特徴量設定部109が設けられた点を除いて、図9について上述した計測有効判定部24と同一に構成される。
【0127】
ここで代表特徴量設定部109は、計測不能領域判定部27から出力される計測不能領域判定フラグS1NF、S11NF、S16NFとアクティビティS1A、S11A、S16Aに代えて、計測ノイズレベル遅延部99から出力される1フィールド又は1フレーム前のノイズレベル計測結果S71に基づいて、代表特徴量RepActを計算して出力する。なおこれによりこのノイズフィルタ1では、動作開始時、標準的な設定値により代表特徴量RepActを出力する。
【0128】
以上の構成によれば、それまでのノイズ計測結果に基づいて代表特徴量を設定することにより、代表特徴量の検出に係る構成を簡略化することができる。
【実施例4】
【0129】
図43は、本発明の実施例4の映像信号処理装置に適用される計測有効判定部を示すブロック図である。この実施例の映像信号処理装置は、計測有効判定部24に代えて(図6及び図9)、この図43に示す計測有効判定部114が設けられる点、ノイズレベル計測部19に代えて後述するノイズレベル計測部129が設けられる点を除いて、上述の実施例と同一に構成される。
【0130】
この計測有効判定部114は、代表特徴量設定部29及び代表特徴量時間平滑化部30に代えて、代表特徴量設定部119が設けられ、この代表特徴量設定部119より代表特徴量Act を生成して直接、閾値設定部31に入力する。この計測有効判定部114は、この代表特徴量Act に関する構成が異なる点を除いて、上述の計測有効判定部24と同一に構成される。
【0131】
ここで代表特徴量設定部119は、入力映像信号S1、参照映像信号S11、差分信号S16のアクティビティS1A、S11A、S16Aによりヒストグラムを作成し、このヒストグラムの分析により代表特徴量Act を生成する。またこのヒストグラムから分布急峻度D5、分布占有度D6を検出してノイズレベル計測部129に出力する。
【0132】
すなわち図44に示すように、代表特徴量設定部119において、ヒストグラム生成部120は、計測有効識別フラグS1F、S11F、S16Fにより計測に適していると判定されているアクティビティS1A、S11A、S16Aを選択的にヒストグラム生成対象に設定し、このヒストグラム生成対象のアクティビティS1A、S11A、S16Aを用いてヒストグラムを作成する。ヒストグラム生成部120は、フィールド単位又はフレーム単位でヒストグラムを作成し、作成したヒストグラムの各階級の度数をノイズ分布特徴量算出部121に通知する。
【0133】
ノイズ分布特徴量算出部121は、このヒストグラム生成部120で生成されたヒストグラムを分析して、代表特徴量Act 、分布急峻度D5、分布占有度D6を設定する。ここで図45は、ノイズ分布特徴量算出部121の構成を示すブロック図である。このノイズ分布特徴量算出部121は、処理対象のヒストグラムが異なる点、ピーク近傍重心位置算出部43が省略されている点を除いて、実施例1のノイズレベル計測部19に設けられるノイズ分布特徴量算出部38A(図15、図16、図24)と同一に構成される。従ってこの図45では、図24に示すノイズ分布特徴量算出部38Aに対応する構成に、同一の符号を付して示す。
【0134】
これによりノイズ分布特徴量算出部121は、このヒストグラムのピーク近傍上側位置を検出して代表特徴量Act を設定する。なおこれにより実施例1について上述したように、ピーク近傍上側位置に代えて、ヒストグラムの中間値、平均値、ピーク値等を代表特徴量に設定してもよい。
【0135】
図46は、実施例4の映像信号処理装置のノイズ計測部を示すブロック図である。このノイズレベル計測部129において、ノイズレベル計測部19(図15)と同一の構成は対応する符号を付して示し、重複した説明は省略する。このノイズレベル計測部129において、面内特徴量統計処理部130は、分布急峻度D5、分布占有度D6を生成、出力しない点を除いて、ノイズレベル計測部19の面内特徴量統計処理部35と同一に構成され、計測有効識別フラグS1F、S11F、S16Fに基づいてアクティビティS1A、S11A、S16Aを選択的に取得してヒストグラムを生成し、このヒストグラムを分析してノイズレベルD3を出力する。また、もちろん、面内特徴量統計処理部130でヒストグラムを生成しないで、計測有効識別フラグS1F、S11F、S16Fから計測有効と判定されたアクティビティS1A、S11A、S16Aの平均値、中間値などの統計値から直接にノイズレベルD3を求めて出力する構成でもよい。
【0136】
分布信頼度設定部131は、分布信頼度設定部51と同様に、分布急峻度D5、分布占有度D6を処理してそれぞれ信頼度を生成し、この信頼度を統合して総合の信頼度D8を出力する。
【0137】
この実施例によれば、ヒストグラムを作成して代表特徴量を算出するようにしても、実施例1と同様の効果を得ることができる。
【実施例5】
【0138】
図47は、図2との対比により本発明の実施例5の映像信号処理装置に係る計測部を示すブロック図である。この計測部146は、差分信号S16のみからアクティビティS16Aを生成し、このアクティビティS16Aを処理してノイズレベルS7、信頼度D7を検出する。これによりこの計測部146は、アクティビティの処理に関する構成である計測有効面内特徴量検出部18、ノイズレベル計測部19に代えて、計測有効面内特徴量検出部148、ノイズレベル計測部149が設けられる。
【0139】
ここで図48は、計測有効面内特徴量検出部148の構成を示すブロック図である。この計測有効面内特徴量検出部148は、画素領域特徴量抽出部21、ノイズフリー領域検出部23、計測有効判定部24に代えて、画素領域特徴量抽出部153、ノイズフリー領域検出部150、計測有効判定部151が設けられる点を除いて、計測有効面内特徴量検出部18(図6)と同一に構成される。ここでノイズフリー領域検出部150、計測有効判定部151は、それぞれ入力映像信号S1、参照映像信号S11のアクティビティS1A、S11Aの処理に関する構成が省略されている点を除いて、画素領域特徴量抽出部21、ノイズフリー領域検出部23、計測有効判定部24と同一に構成される。
【0140】
これにより計測有効面内特徴量検出部148は、差分信号S16のアクティビティS16Aのみから代表特徴量を設定して閾値THH、THLを設定し、また差分信号S16についてのみ計測有効識別フラグS16Fを生成して出力する。
【0141】
ノイズレベル計測部149は、これにより差分信号S16のアクティビティS16Aを計測有効識別フラグS16Fにより選択的に取得してヒストグラムを生成し、このヒストグラムを分析してノイズレベルS7、信頼度D7を検出する。
【0142】
この実施例のように、差分信号についての1種類だけ特徴量を検出してノイズレベルを計測する場合でも、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。またこの場合、原理的に連続するフィールド間、フレーム間で時間変動するノイズ成分のみを計測することができる。従って時間変動しない固定パターンノイズは、ノイズレベルとしては小さく計測される。これにより図1に示す構成により時間巡回型3D−NRと組み合わせて使用して、過大に帰還率を増大させることなく固定パターンノイズを除去することができ、その結果コントラストの低い動物体境界部で尾引きと呼ばれるボケの発生を防止することができる。
【実施例6】
【0143】
図49は、図2との対比により本発明の実施例6の映像信号処理装置に係る計測部を示すブロック図である。この計測部166は、入力映像信号S1のみからアクティビティS1Aを生成し、このアクティビティS1Aを処理してノイズレベルS7、信頼度D7を検出する。これによりこの計測部166は、参照映像信号S11、差分映像信号S16を生成する構成である参照映像信号生成部11、差分信号生成部16が省略される。また計測有効面内特徴量検出部18、ノイズレベル計測部19に代えて、入力映像信号S1のアクティビティS1Aのみを処理する差分計測有効面内特徴量検出部168、ノイズレベル計測部169が設けられる。
【0144】
ここで計測有効面内特徴量検出部168は、図50に示すように、部分領域信号分割部170において、入力映像信号S1を領域毎に分割して出力し、画素領域特徴量抽出部171は、部分領域信号分割部170の出力信号を処理して、領域毎に、入力映像信号S1のアクティビティS1A、平均値S1PAveを出力する。飽和領域検出部172は、この平均値S1PAveを検出して入力映像信号S1の飽和領域を検出し、ノイズフリー領域検出部173は、入力映像信号S1のアクティビティS1Aを処理して入力映像信号S1のノイズフリー領域を検出する。計測有効判定部174は、入力映像信号S1のアクティビティS1Aより代表値に設定して閾値THH、THL等を設定する。
【0145】
ノイズレベル計測部169は、これにより入力映像信号S1のアクティビティS1Aを計測有効識別フラグS1Fにより選択的に取得してヒストグラムを生成し、このヒストグラムを分析してノイズレベルS7、信頼度D7を検出する。
【0146】
この実施例のように、入力映像信号についての1種類だけ特徴量を検出してノイズレベルを計測する場合でも、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。またこの場合、参照映像信号、差分信号の生成に係る構成を省略することができることにより、全体構成を簡略化することができる。
【実施例7】
【0147】
なお上述の実施例においては、参照映像信号生成部で参照映像信号を生成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、遅延信号生成部2(図1)で生成した遅延信号を参照映像信号として使用するようにしてもよい。このようにすれば、参照映像信号生成部の構成を省略して全体構成を簡略化することができる。
【0148】
また上述の実施例においては、ノイズ計測結果をノイズ抑圧処理に利用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、種々の映像信号の処理、さらにはノイズ量の計測等に広く適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0149】
本発明は、映像信号中のノイズを除去するノイズフィルタに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1】本発明の実施例1の映像信号処理装置に適用されるノイズフィルタを示すブロック図である。
【図2】図1のノイズフィルタの計測部を示すブロック図である。
【図3】図2の計測部の参照映像信号生成部を示すブロック図である。
【図4】図3の参照映像信号生成部の他の例を示すブロック図である。
【図5】図1のノイズフィルタの差分信号生成部を示すブロック図である。
【図6】図2の計測部の計測有効面内特徴量検出部を示すブロック図である。
【図7】図6の計測有効面内特徴量検出部における部分領域信号分割部の動作の説明に供する平面図である。
【図8】図6の計測有効面内特徴量検出部における部分領域信号分割部の他の例による動作の説明に供する平面図である。
【図9】図6の計測有効面内特徴量検出部における計測有効判定部を示すブロック図である。
【図10】図9の計測有効判定部の代表特徴量設定部を示すブロック図である。
【図11】図10とは異なる例による代表特徴量設定部を示すブロック図である。
【図12】図10及び図11とは異なる例による代表特徴量設定部を示すブロック図である。
【図13】図10〜図12とは異なる例による代表特徴量設定部を示すブロック図である。
【図14】図10〜図13とは異なる例による代表特徴量設定部を示すブロック図である。
【図15】図2の計測部のノイズレベル計測部を示すブロック図である。
【図16】図15のノイズレベル計測部の面内特徴量統計処理部を示すブロック図である。
【図17】図16の面内特徴量統計処理部のノイズ分布特徴量算出部を示すブロック図である。
【図18】図17のノイズ分布特徴量算出部におけるピーク位置探索部の動作の説明に供する特性曲線図である。
【図19】図17のノイズ分布特徴量算出部におけるピーク近傍上側位置検出部の動作の説明に供する特性曲線図である。
【図20】ピーク近傍上側位置の説明に供する特性曲線図である。
【図21】図17のノイズ分布特徴量算出部におけるピーク近傍重心位置算出部の動作の説明に供する特性曲線図である。
【図22】図17のノイズ分布特徴量算出部における分布急峻度算出部の動作の説明に供する特性曲線図である。
【図23】分布急峻度の他の検出手法の説明に供する特性曲線図である。
【図24】図17のノイズ分布特徴量算出部の他の例を示すブロック図である。
【図25】図17のノイズ分布特徴量算出部における分布占有度算出部の動作の説明に供する特性曲線図である。
【図26】ヒストグラムに含まれない特徴量の説明に供する特性曲線図である。
【図27】図15のノイズレベル計測部の分布信頼度設定処理部の説明に供する特性曲線図である。
【図28】図27の分布信頼度設定処理部におけるピーク位置信頼度設定部の動作の説明に供する特性曲線図である。
【図29】図27の分布信頼度設定処理部における分布急峻信頼度設定部の動作の説明に供する特性曲線図である。
【図30】図27の分布信頼度設定処理部における分布占有信頼度設定部の動作の説明に供する特性曲線図である。
【図31】図15のノイズレベル計測部の時間平滑化部を示すブロック図である。
【図32】図31とは異なる例による時間平滑化部を示すブロック図である。
【図33】図2のノイズ計測部の動作の説明に供する特性曲線図である。
【図34】特徴量の変動量が小さい場合のヒストグラムを示す特性曲線図である。
【図35】特徴量の変動量が大きい場合のヒストグラムを示す特性曲線図である。
【図36】本発明の実施例2の映像信号処理装置に適用されるノイズ分布特徴量算出部を示すブロック図である。
【図37】図36のノイズ分布特徴量算出部のピーク近傍範囲設定の動作の説明に供する特性曲線図である。
【図38】本発明の実施例2の映像信号処理装置に適用される分布信頼度設定部を示すブロック図である。
【図39】図38の分布信頼度設定部における分布対称信頼度設定部の動作の説明に供する特性曲線図である。
【図40】図38の分布信頼度設定部におけるピーク重心一致信頼度設定部の動作の説明に供する特性曲線図である。
【図41】本発明の実施例3の映像信号処理装置に適用される計測部を示すブロック図である。
【図42】図41の計測部に適用される計測有効判定部を示すブロック図である。
【図43】本発明の実施例4の映像信号処理装置に適用される計測有効判定部を示すブロック図である。
【図44】図43の計測有効判定部における代表特徴量設定部を示すブロック図である。
【図45】図43の代表特徴量設定部におけるノイズ分布特徴量算出部を示すブロック図である。
【図46】本発明の実施例4の映像信号処理装置に適用されるノイズ計測部を示すブロック図である。
【図47】本発明の実施例5の映像信号処理装置に係る計測部を示すブロック図である。
【図48】図47の計測部に適用される計測有効面内特徴量検出部を示すブロック図である。
【図49】本発明の実施例6の映像信号処理装置に係る計測部を示すブロック図である。
【図50】図49の計測部に適用される計測有効面内特徴量検出部を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0151】
1……ノイズフィルタ、6、96、146、166……計測部、11……参照映像信号生成部、16……差分信号生成部、18、98、148、168……計測有効面内特徴量検出部、19、129、149、169……ノイズレベル計測部、20、170……部分領域信号分割部、21、153、171……画素領域特徴量抽出部、22、171……飽和領域検出部、23、150、173……ノイズフリー領域検出部、24、104、114、151、174……計測有効判定部、27……計測不能領域判定部、29、109、119……代表特徴量設定部、30……代表特徴量時間平滑化部、31……閾値設定部、32……統計処理対対称選別部、35、130……面内特徴量統計処理部、36……ヒストグラム階級幅境界値算出部、37、120……ヒストグラム生成部、38、68、121……ノイズ分布特徴量算出部、39……ノイズレベル算出部、40……ピーク位置検索部、41……ピーク近傍下側位置検出部、42……ピーク近傍上側位置検出部、43……ピーク近傍重心位置算出部、44、44A……分布急峻度算出部、45……分布占有度算出部、51、81、131……分布信頼度設定部、59、50A……時間平滑化部、73……ピーク重心一致度算出部、99……計測ノイズレベル遅延部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力映像信号のノイズレベルを計測する映像信号処理方法において、
前記入力映像信号に複数の領域を設定し、前記領域毎に、前記入力映像信号のノイズレベルの指標である特徴量を抽出する特徴量抽出ステップと、
前記複数の領域の前記特徴量からノイズレベルの計測に適した特徴量を検出する計測有効特徴量検出ステップと、
前記計測有効特徴量検出ステップによりノイズレベルの計測に適しているとされた特徴量を用いてヒストグラムを作成し、前記ヒストグラムを分析して前記ノイズレベルを検出するノイズレベル計測ステップとを有する
ことを特徴とする映像信号処理方法。
【請求項2】
前記特徴量抽出ステップは、
前記入力映像信号、前記入力映像信号の遅延信号、前記入力映像信号及び前記遅延信号の差分信号の少なくとも1つから前記特徴量を抽出する
ことを特徴とする請求項1に記載の映像信号処理方法。
【請求項3】
前記遅延信号の遅延時間が、前記入力映像信号の1フィールド又は1フレームの期間である
ことを特徴とする請求項2に記載の映像信号処理方法。
【請求項4】
前記計測有効特徴量検出ステップは、
前記入力映像信号の信号レベルの判定により、ノイズレベルの計測に適していない飽和領域を検出する飽和領域検出ステップと、
前記特徴量の判定により、ノイズレベルの計測に適していないノイズフリー領域を検出するノイズフリー領域検出ステップとを有し、
前記飽和領域の特徴量及び前記ノイズフリー領域の特徴量以外の特徴量を前記ノイズレベルの計測に適した特徴量に設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の映像信号処理方法。
【請求項5】
前記計測有効特徴量検出ステップは、
検出した複数の前記特徴量を代表する代表特徴量を設定する代表特徴量設定ステップと、
前記代表特徴量を基準にして、前記特徴量の上限及び又は下限の閾値を設定する閾値設定ステップとを有し、
前記閾値設定ステップで設定された前記上限の閾値以上の値の前記特徴量及び又は前記閾値設定ステップで設定された前記下限の閾値以下の値の前記特徴量を除外して、前記ノイズレベルの計測に適した特徴量を設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の映像信号処理方法。
【請求項6】
前記計測有効特徴量検出ステップは、
前記代表特徴量、若しくは前記上限の閾値及び又は下限の閾値を平滑化する平滑化ステップを有する
ことを特徴とする請求項5に記載の映像信号処理方法。
【請求項7】
前記平滑化ステップによる平滑化の処理が、順序統計フィルタによる処理である
ことを特徴とする請求項6に記載の映像信号処理方法。
【請求項8】
前記代表特徴量設定ステップは、
複数の前記特徴量の最小値、平均値、中間値又は分散値、若しくはこれらのうちの2つ以上の合成値を前記代表特徴量に設定する
ことを特徴とする請求項5に記載の映像信号処理方法。
【請求項9】
前記ノイズレベル計測ステップは、
前記ヒストグラムの中間値、平均値、ピーク値、又は重心値を検出して前記ノイズレベルに設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の映像信号処理方法。
【請求項10】
前記ノイズレベル計測ステップは、
前記ヒストグラムの形状により、前記中間値、前記平均値、前記ピーク値、又は前記重心値の検出範囲を設定して、前記中間値、前記平均値、前記ピーク値、又は前記重心値を検出する
ことを特徴とする請求項9に記載の映像信号処理方法。
【請求項11】
前記ノイズレベル計測ステップは、
前記特徴量の変動幅が大きくなるに従って階級幅が大きくなるように、前記特徴量に応じて前記階級幅を可変して前記ヒストグラムを作成する
ことを特徴とする請求項1に記載の映像信号処理方法。
【請求項12】
前記ノイズレベル計測ステップは、
前記ヒストグラムを分析して、前記ノイズレベルの信頼度を検出する信頼度検出のステップを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の映像信号処理方法。
【請求項13】
前記信頼度検出のステップは、
前記ヒストグラムの分布の形状、総度数、ピーク位置、及び又は重心位置に基づいて、前記信頼度を検出する
ことを特徴とする請求項12に記載の映像信号処理方法。
【請求項14】
前記ノイズレベル計測ステップは、
前記信頼度に応じて平滑度を可変して、前記ノイズレベルを平滑化する平滑化ステップを有する
ことを特徴とする請求項12に記載の映像信号処理方法。
【請求項15】
前記代表特徴量設定ステップは、
前記ノイズレベル計測ステップで検出した前記ノイズレベルに基づいて、続いてノイズレベルを検出する期間の前記代表特徴量を設定する
ことを特徴とする請求項5に記載の映像信号処理方法。
【請求項16】
前記代表特徴量設定ステップは、
所定期間の前記特徴量を用いてヒストグラムを作成し、当該ヒストグラムを分析して前記代表特徴量を設定する
ことを特徴とする請求項5に記載の映像信号処理方法。
【請求項17】
入力映像信号のノイズレベルを計測する映像信号処理方法のプログラムにおいて、
前記入力映像信号に複数の領域を設定し、前記領域毎に、前記入力映像信号のノイズレベルの指標である特徴量を抽出する特徴量抽出ステップと、
前記複数の領域の前記特徴量からノイズレベルの計測に適した特徴量を検出する計測有効特徴量検出ステップと、
前記計測有効特徴量検出ステップによりノイズレベルの計測に適しているとされた特徴量を用いてヒストグラムを作成し、前記ヒストグラムを分析して前記ノイズレベルを検出するノイズレベル計測ステップとを有する
ことを特徴とする映像信号処理方法のプログラム。
【請求項18】
入力映像信号のノイズレベルを計測する映像信号処理方法のプログラムを記録した記録媒体において、
前記プログラムは、
前記入力映像信号に複数の領域を設定し、前記領域毎に、前記入力映像信号のノイズレベルの指標である特徴量を抽出する特徴量抽出ステップと、
前記複数の領域の前記特徴量からノイズレベルの計測に適した特徴量を検出する計測有効特徴量検出ステップと、
前記計測有効特徴量検出ステップによりノイズレベルの計測に適しているとされた特徴量を用いてヒストグラム作成し、前記ヒストグラムを分析して前記ノイズレベルを検出するノイズレベル計測ステップとを有する
ことを特徴とする映像信号処理方法のプログラムを記録した記録媒体。
【請求項19】
入力映像信号のノイズレベルを計測する映像信号処理装置において、
前記入力映像信号に複数の領域を設定し、前記領域毎に、前記入力映像信号のノイズレベルの指標である特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
前記複数の領域の前記特徴量からノイズレベルの計測に適した特徴量を検出する計測有効特徴量検出部と、
前記計測有効特徴量検出部によりノイズレベルの計測に適しているとされた特徴量を用いてヒストグラム作成し、前記ヒストグラムを分析して前記ノイズレベルを検出するノイズレベル計測部とを有する
ことを特徴とする映像信号処理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【公開番号】特開2008−294696(P2008−294696A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−137470(P2007−137470)
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】