説明

有機トランジスタおよびその製造方法

本発明は、導電性粒子と有機半導体高分子とが互いに化学結合している物質を含む有機半導体層を含む有機トランジスタおよびその製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機トランジスタおよびその製造方法に関する。本出願は2007年2月13日に韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2007−0014882号の出願日の利益を主張し、その内容の全てを参照により本明細書に組み込む。
【背景技術】
【0002】
薄膜形態の電界効果トランジスタ(field−effect transistor;FET)はマイクロ電子工学分野において基本となる構造体である。このようなFETは、3つの電極、すなわち、ソース電極、ドレイン電極、およびゲート電極と、絶縁層および半導体層を有する。FETは、半導体層が上記2つの電極、つまり、ソース電極とドレイン電極との間の導電性チャネルである場合には、キャパシタとしての働きをする。このチャネルにおける電荷キャリアの濃度は、ゲート電極を介して印加される電圧によって調節され、その結果、ソース電極とドレイン電極との間の電気電荷の流れは、ゲート電極を介して印加される電圧によって調節され得る。
【0003】
最近、有機半導体性物質を用いるFETに対する関心が高まっている。有機半導体性物質を用いる場合、スクリーン印刷(screen−printing)、インクジェット印刷(ink−jet printing)またはマイクロコンタクト印刷(micro−contact printing)などの印刷方法によって電子素子を製造することができる。また、このような物質を用いる場合は、従来の通常の無機半導体性物質を用いる場合に比べ、遥かに低い基板温度および真空がほぼ必要ない状態でも工程が行われ得る。したがって、FETを含めて有機半導体性物質を用いる電子素子は、無機半導体性物質を用いる場合に比べて、その製造条件が非常に柔軟であり且つ費用を低減することができる。
【0004】
1980年代以後から、低分子、高分子およびオリゴマーなどの有機物質を、FETにおける有機半導体性物質として用いるための研究が行われてきた。この分野における研究の結果、FETにおいて、電荷キャリアの移動性(charge carrier mobility)の観点からみて、有機FETの性能(performance)が10−5cm/Vsから1cm/Vsまで向上した(J.M.Shaw,P.F.Seidler,IBM J.Res.&Dev.,Vol.45,3(2001))。有機トランジスタの性能は現行のアモルファスシリコントランジスタ(amorphous silicon transistor)の性能に匹敵するほどであり、その結果、このような有機トランジスタは、電子ペーパー(E−paper)、スマートカード(smart card)、またはディスプレイ装置などに適用することができる。
【0005】
有機FETの性能を向上させるために、導電性粒子と半導体有機物とを混合して用いる試みが行われた。日本AISTの科学者らにより、P3HTとAgナノ粒子とを混合して半導体層を形成させると、オフ電流(off current)が減少する、すなわち、Agナノ粒子が酸化防止剤としての役割をするとの実験結果が発表された。しかし、この結果では、導電性粒子は導電性チャネルに存在するのではなく、P3HTのアルキル基の間に存在するため、電荷移動性(mobility)の向上がもたらされない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】J.M.Shaw,P.F.Seidler,IBM J.Res.&Dev.,Vol.45,3(2001)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らは、有機半導体層材料として導電性粒子と有機半導体高分子とが化学結合している物質を用いると、有機トランジスタを湿式工程により製造できるだけでなく、製造された有機トランジスタの性能を向上させることができるという事実を明らかにした。
【0008】
そこで、本発明は、導電性粒子と有機半導体高分子とが化学結合している物質を含む有機半導体層を用いた有機トランジスタおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するために、本発明は、導電性粒子と有機半導体高分子とが化学結合している物質を含む有機半導体層を含む有機トランジスタを提供する。
【0010】
さらに、本発明は、基板上に、絶縁層、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極および有機半導体層をそれぞれ積層する工程を含む有機トランジスタの製造方法であって、前記有機半導体層を、導電性粒子と有機半導体高分子とが化学結合している物質を用いて形成させることを特徴とする有機トランジスタの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る有機トランジスタは、導電性粒子と有機半導体高分子とが化学結合している物質を含む有機半導体層を用いることを特徴とし、これにより、性能に優れ、湿式工程により容易に製造できる有機トランジスタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、基板8、絶縁層9、ゲート電極10、ソース電極11、ドレイン電極12、有機半導体層13からなる下部接触方式(bottom contact type)の有機薄膜トランジスタ素子の例を示す図である。
【図2】図2は、実施例2で製造された物質の透過型顕微鏡写真である。
【図3】図3は、実施例3で製造された物質の透過型顕微鏡写真である。
【図4】図4は、試験実験例1で製造された有機トランジスタの特性曲線である。
【図5】図5は、試験実験例1で製造された有機トランジスタの特性曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明に係る有機トランジスタは、導電性粒子と有機半導体高分子とが化学結合している物質を含む有機半導体層を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明において、導電性粒子としては、貴金属(noble metal)粒子、例えば、Au、Ag、およびPt粒子、または金属酸化物粒子、例えば、ITO、IZO、およびZnOが挙げられる。この導電性粒子の粒径は5nm以上1μm以下であることが好ましい。粒径が5nm未満である粒子は、合成および粒径の制御が難しく、粒径が1μmより大きな粒子は、有機トランジスタのチャネル内の粒子数を統計的に管理し難いために素子間の偏差が大きくなり得る。
【0015】
本発明において、有機半導体高分子は下記化学式1で示すことができる:
【化1】

【0016】
上記式において、Xは導電性高分子であり、B1およびB2は前記Xのエンドキャッピング(end capping)官能基であり、かつ、導電性粒子と化学結合をすることができる官能基である。
【0017】
本発明によれば、有機半導体高分子のXに付いている官能基B1およびB2を用いて金属または金属酸化物のような導電性粒子との化学結合を誘導することにより、有機半導体高分子と導電性粒子が化学結合した、溶液工程に用いることが可能な物質を製造することができ、これを用いて性能に優れた有機トランジスタを実現することができる。具体的には、エンドキャッピング(end capping)官能基であるB1およびB2を用いて化学結合によって導電性高分子と導電性粒子とを連結することにより、前記2つの物質の単純に混合した場合に比べて電荷移動時に生じ得る接触抵抗を最小化することができる。また、有機半導体高分子を用いることにより、溶液工程に必要な前記物質の溶解度を確保することができる。
【0018】
前記化学式1の有機半導体高分子と、金属または金属酸化物のような導電性粒子とを反応させることにより、導電性粒子と有機半導体高分子とが化学結合している物質を製造することができる。また、化学式1の有機半導体高分子に、金属または金属酸化物粒子前駆体(precursor)を混合した後、導電性粒子と有機半導体高分子とが化学結合している物質を製造することができる。ここで、金属または金属酸化物粒子の前駆体とは、金属イオンを有したイオン結合物を意味し、その例としてHAuCl、AgNO、硝酸銀(silver nitrate)などが挙げられる。例えば、AuまたはAg粒子が化学結合した物質を製造するために、化学式1の化合物において官能基B1およびB2が−SHである物質を用い、ここにAuまたはAg前駆体を混合した後、還元剤(reducing agent)を用いて、金属粒子と有機半導体高分子とが結合された物質を製造することができる。製造過程で溶媒を用いることができる。この時、溶媒としては、有機半導体高分子を溶解可能な溶媒であればよく、好ましくは、クロロベンゼン(chlorobenzene)、クロロホルム(chloroform)などの塩素(chlorine)を有する溶媒が挙げられる。
【0019】
本発明に係る有機トランジスタの有機半導体層中には、前記有機半導体高分子と導電性粒子とが、10:1〜1:10,000の重量比で含まれることが好ましく、10:1〜1:10の重量比で含まれることがより好ましい。10:1未満である場合には、導電性粒子の量が減少するために本発明の効果が小さくなり、1:10,000超である場合には、導電性粒子間の凝集(aggregation)によって溶液工程の実施が困難になる。
【0020】
本発明において、導電性粒子と有機半導体高分子とが化学結合している物質を含む有機半導体層は、厚さが10nm〜1μmであることが好ましい。
厚さが10nm未満である場合には、5nmまたはそれ以下の厚さに形成された電荷導電層が水分または酸素によって分解(degradation)され易く、1μm超過である場合には、オン/オフ比が小さくなる問題がある。
【0021】
本発明において、導電性高分子であるXは特に限定されず、チオフェン(thiophene)、アニリン(aniline)、ピロール(pyrrole)などを含む高分子を用いることができる。この導電性高分子は、有機トランジスタの有機半導体層の形成に用いる溶媒に0.1重量%以上の濃度で溶解可能なものが好ましく、1重量%以上の濃度で溶解可能なものがより好ましい。前記有機半導体層の形成に用いる溶媒としては、有機半導体層を形成させるための当技術分野に知られている溶媒を用いることができ、例えば、塩素を含む溶媒を用いることができるが、この例だけに限定されるものではない。
【0022】
導電性高分子は、分子量が3,000以上、好ましくは5,000以上でることが好ましい。分子量が3,000以上である導電性高分子を用いると、溶媒に対する好ましい溶解度(solubility)を得ることができ、これにより、工程が容易になる。
【0023】
前記B1とB2は、例えば、導電性粒子がAu、Agのような貴金属粒子である場合には−SHを含む基であってよく、導電性粒子が金属酸化物粒子、例えば、ITO、IZO、ZnOである場合にはリン酸(phosphate)基を含む基であってよい。
【0024】
前記化学式1において、Xは、具体的に、下記化学式2の構造単位を含んでいてよい:
【化2】

上記式2において、x、y、およびzは、各構造単位の比であり、xは0<x≦1の実数であり、yは0≦y<1の実数であり、zは0≦z<1の実数であり、かつ、x+y+z=1であり、
nは5〜1,000の整数であり、より好ましくは10〜1,000の整数であり、
ArおよびAr’は、互いに同じであるかまたは異なり、独立に、共役構造を有する2価の環状もしくは非環状の炭化水素基、または共役構造を有する2価の複素環基であり、
AおよびBは、互いに同じであるかまたは異なり、独立に、共役構造を有する2価の環状もしくは非環状の炭化水素基、共役構造を有する2価の複素環基、または下記非環式基(acyclicgroup)であり、
【化3】

上記式において、R’およびR’’は、互いに同じであるかまたは異なり、独立に、水素原子;ハロゲン原子;直鎖、分枝鎖、もしくは環状のアルキル基;直鎖、分枝鎖、もしくは環状のアルコキシ基;チオアルコキシ基;ニトリル基;ニトロ基;アミノ基;置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、点線部分は化学式2の主鎖との連結部分を示す。
【0025】
化学式2において、ArおよびAr’は共役構造を有するアリーレン基またはヘテロアリーレン基であってよい。
【0026】
化学式2において、AおよびBは芳香族基(Ar’’)であることが好ましい。
【0027】
AまたはBの例として、前記芳香族基(Ar’’)は、アリーレン基またはヘテロアリーレン基であり、好ましくは下記化学式で示される基である。
【化4】

【0028】
上記式中、XはO、S、Se、NR、SiRまたはCR基であり、ここで、RおよびRは、互いに同じであるかまたは異なり、独立に、水素原子;直鎖、分枝鎖、もしくは環状のアルキル基;またはアリール基であり、これらは互いに連結されて環を形成していてもよく、
およびRは、互いに同じであるかまたは異なり、独立に、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、エステル基、エーテル基、アミノ基、イミド基、シラン基、チオエステル基、炭素数1〜20の置換もしくは非置換の直鎖、分枝鎖、もしくは環状のアルキル基、炭素数1〜20の置換もしくは非置換の直鎖、分枝鎖、もしくは環状のアルコキシ基、炭素数1〜20の置換もしくは非置換の直鎖、分枝鎖、もしくは環状のチオアルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
および/またはRに含まれる互いに隣接しない2以上の炭素原子は、O、S、NH、−NR−、SiROO−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−S−CO−、−CO−S−、−CH=CH−、置換もしくは非置換のアリール基、または置換もしくは非置換のヘテロアリール基によって連結されていてもよく、ここで、RとROOは互いに同じであるか異なり、独立に、水素、アリール基、または炭素数1〜12のアルキル基であり、
とRは、互いに連結されて環を形成していてもよい。
【0029】
前記式において、RまたはRが炭素数1〜20の置換されたアルキル基、アルコキシ基、またはチオアルコキシ基である場合、これらに結合された水素原子は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素およびニトリル基のうちの1以上の置換基で置換されてもよい。
【0030】
前記式において、RまたはRが置換されたアリール基またはヘテロアリール基である場合、これらは、ハロゲン基、ニトリル基、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、ビニル基、アセチレン基、チオアルコキシ基、ニトロ基、アミド基、イミド基、エステル基、エーテル基、アミノ基およびシラン基のうちの1以上の置換基で置換されてもよい。
【0031】
前記化学式中の、Ar、Ar’、およびAr’’の例を下記に示す。但し、これらは単に本発明の理解を助けるためのものであって、これらだけに限定されるものではない。
【化5】

【0032】
前記化学式のうちのいずれの置換基も表示していない位置は、水素原子であってよく、1つ以上のハロゲン基、アルキル基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリール基、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、エステル基、エーテル基、アミド基、イミド基、ヘテロ基、ビニル基、アセチレン基、シラン基で置換されていてもよい。R、R’、R’’は互いに同じであるかまたは異なり、独立に、水素原子、アルキル基、またはアリール基であり、mは1〜10の整数であり、より好ましくは1〜6の整数である。
【0033】
上記化学式2は下記化学式3の構造単位を含むことができる。
【化6】

【0034】
上記化学式3において、
〜Rは、互いに同じであるかまたは異なり、独立に、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、エステル基、エーテル基、アミノ基、イミド基、シラン基、チオエステル基、炭素数1〜20の置換もしくは非置換の直鎖、分枝鎖、もしくは環状のアルキル基、炭素数1〜20の置換もしくは非置換の直鎖、分枝鎖、もしくは環状のアルコキシ基、炭素数1〜20の置換もしくは非置換の直鎖、分枝鎖、もしくは環状のチオアルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
〜Rに含まれる互いに隣接しない2以上の炭素原子は、O、S、NH、−NR−、SiROO−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−S−CO−、−CO−S−、−CH=CH−、置換もしくは非置換のアリール基、または置換もしくは非置換のヘテロアリール基によって連結されていてもよく、ここで、RおよびROOは、互いに同じであるかまたは異なり、独立に、水素、アリール基、または炭素数1〜12のアルキル基であり、
およびRまたはRおよびRは、互いに連結されて環を形成していてもよく、
n、x、y、z、A、およびBは化学式2で定義した通りである。
【0035】
化学式3において、R〜Rのうちのいずれか1つ以上が置換されたアルキル基、アルコキシ基、またはチオアルコキシ基である場合、これらに置換された水素原子は、1つ以上のフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ニトリル基で置換されてもよい。
【0036】
化学式3において、R〜Rのいずれか1つ以上が置換されたアリール基またはヘテロアリール基である場合、これらは、1つ以上のハロゲン基、ニトリル基、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、ビニル基、アセチレン基、チオアルコキシ基、ニトロ基、アミド基、イミド基、エステル基、エーテル基、アミノ基、またはシラン基で置換されてもよい。
【0037】
本発明の好ましい実施状態において、化学式2の具体的な例として、下記化学式を提示する。これらの例は、単に本発明の理解を助けるためのものであって、本発明はこれらに限定されるものではない。
【化7A】

【化7B】

【化7C】

【化7D】

【化7E】

【化7F】

【化7G】

【化7H】

【化7I】

【化7J】

【化7K】

【0038】
前記化学式R−1〜R−5およびS−1〜S−41のR〜R’’’’’は、互いに同じであるかまたは異なり、独立に、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、エステル基、エーテル基、アミノ基、イミド基、シラン基、チオエステル基、炭素数1〜20の置換もしくは非置換の直鎖、分枝鎖、もしくは環状のアルキル基、炭素数1〜20の置換もしくは非置換の直鎖、分枝鎖、もしくは環状のアルコキシ基、炭素数1〜20の置換もしくは非置換の直鎖、分枝鎖、もしくは環状のチオアルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、または置換もしくは非置換のヘテロアリール基である。
これらは互いに連結されて環を形成してもよく、n、x、yは化学式2で定義した通りである。
【0039】
本発明の有機トランジスタにおいて、有機半導体層は、導電性粒子と有機半導体高分子とが化学結合している物質の溶液を準備した後、スクリーン印刷、インクジェット印刷、またはマイクロコンタクト印刷などの印刷方法を利用して製造することができる。
【0040】
本発明に係る有機トランジスタは、有機半導体層を前述した材料を用いて形成させることを除いては、当技術分野に知られている方法および材料を利用して製造することができる。
【0041】
例えば、本発明の有機トランジスタは、スパッタリングや電子ビーム蒸発などのPVD(Physical Vapor Deposition)方法を利用するかまたは溶液塗布法を利用して、基板8上に、絶縁層9、ゲート電極10、ソース電極11、ドレイン電極12、および有機半導体層13を積層して製造することができるが、これに本発明の範囲が限定されるものではない。ここで、上記有機半導体層は、単層または多層構造を有するように形成させることができる。
【実施例】
【0042】
以下に、実施例により本発明をより詳細に説明する。但し、以下の実施例は本発明を例示するためのものであって、本発明の範囲がこれらによって限定されるものではない。
【0043】
[実施例]
[製造例]
【化8】

【0044】
[3−ドデシルチオフェン(3−Dodecylthiophene)の合成]
活性化させたマグネシウム(1.22g;50mmol)に無水エチルエーテル(40ml)を加え、1−ブロモドデカン(12.46g;50mmol)を加えて、グリニャール試薬(Grignard reagent)を製造した後、Ni(dppp)Cl(33mg)を添加し、10mlのエーテルに溶かした3−ブロモチオフェン(3−bromothiophene)(8g;49mmol)をゆっくりと滴下により添加した。
反応液を1日間還流させた後、2N HCl/氷の混合液(50ml)を加えて反応を終了させた。エチルエーテルで抽出した後、溶媒を減圧蒸留により除去し、残渣をDMF(50ml)に溶かした後、濾過して、残っているパラフィンを除去した。濾液を濃縮した後、残留物を減圧下で蒸留して、無色液体である3−ドデシルチオフェン(3−dodecylthiophene)(10.5g;85%)を得た。
【0045】
[2−ブロモ−3−ドデシルチオフェン(2−Bromo−3−dodecylthiophene)の合成]
N−ブロモスクシンイミド(N−bromosuccinimide;NBS)(48g;0.27mol)のDMF(160ml)溶液を、DMF(110ml)に溶かした3−ドデシルチオフェン(68g;0.27mol)の溶液に徐々に加えた。反応液を1日間攪拌した後、750mlの水を加えた。有機物をエチルエーテル(3x300ml)で抽出し、食塩水(brine)および水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで残留水分を除去した。溶媒を除去した後、残渣を125℃/約5mmHgで減圧蒸留して生成物(84.85g、収率94%)を得た。
【0046】
[3−ドデシルチオフェン−2−カルボアルデヒドの合成]
マグネシウム(0.63g;25.8mmol)および無水THF(25ml)をフラスコに加えた後、2−ブロモ−3−ドデシルチオフェン(2−bromo−3−dodecylthiophene)(7.78g;23.5mmol)を徐々に加えた。グリニャール反応が始まった後、この溶液をマグネシウムがほぼ無くなるまで還流させた。その後、精製DMF(3.65g;約4ml;50mmol)を反応液に徐々に滴加により添加した。
この反応液を1日間還流させた後、0℃に冷却し、5%HCl(100ml)を加えて反応を終了させた。有機層をエチルエーテルで抽出し、得られた有機層を、NaHCONaCl飽和水溶液、および水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで残存水分を除去した。溶媒を除去した後、残渣を、シリカゲルによるカラム分離(エチルアセテート/ヘキサン=1/9)にかけて、3−ドデシルチオフェン−2−カルボアルデヒド(3−dodecylthiophene−2−carboaldehyde)(3.6g;55%)を得た。
【0047】
[5,5’−ビス(3−ドデシル−2−チエニル)−チアゾロチアゾールの合成]
3−ドデシルチオフェン−2−カルボアルデヒド(3.9g;14mmol)およびジチオオキサミド(dithiooxamide)(0.8g;6.6mmol)をフラスコに加えた後、180℃で1時間加熱した。その後、常温に冷却し、クロロホルムを加えて攪拌した後、濾過した。得られた物質をヘキサンで3回再結晶し、アセトン/エチルアセテートでさらに再結晶して、純度99.57%(HPLCによる純度)の生成物(1.5g;35%)を得た。この物質の融点は60℃であった。
【0048】
[2,2’−ビス(ブロモ)−5,5’−ビス(3−ドデシル−2−チエニル)−チアゾロチアゾールの合成]
光を遮断した後、クロロホルム/酢酸の混合物(20/10ml)に溶かしたNBS(0.28g、1.57mmol)溶液を、CHCl/AcOH mixture(20/10ml)に溶かした5,5’−ビス(3−ドデシル−2−チエニル)−チアゾロチアゾール(0.5g、0.78mmol)に、0℃で徐々に滴下により添加した。この反応液を同じ温度で2時間攪拌した後、常温に温度を上げて1日間攪拌した。この反応液を、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで処理した後、アセトン/ヘキサン1:1溶媒で再結晶して、2,2’−ビス(ブロモ)−5,5’−ビス(3−ドデシル−2−チエニル)−チアゾロチアゾール(0.6g、96%収率)を得た。
【0049】
[5,5’−ビス(3−ドデシル)−2,2’−ジチオフェンの合成]
窒素雰囲気下で、マグネシウム(0.22g、9mmol)が分散された35mlのTHF溶液に、2−ブロモ−3−ドデシルチオフェン(6.0g、18mmol)を滴下により添加した。グリニャール試薬が形成された後、反応液を常温に冷却した。ここに、Pd(dppp)Cl〔(1,3−ビス[ジフェニルホスフィノ]プロパン)ジクロロニッケル(II)ビスジフェニルホスフィノエタンジクロロニッケル〕(0.2g、0.4mmol)および15mlの無水THFを添加した後、24時間還流させた。5%HCl水溶液で反応を終了させた後、エチルエーテルで希釈した後、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した。溶媒を除去した後、残渣を、シリカゲルおよびn−ヘキサンを用いるカラム精製にかけて、5,5’−ビス(3−ドデシル)−2,2’−ジチオフェン(2.5g;54%収率)を得た。
【0050】
[2,2’−ビス(トリメチルスタンニル)5,5’−ビス(3−ドデシル−2−チエニル)の合成]
5,5’−ビス(3−ドデシル)−2,2’−ジチオフェン(14.3g;28.4mmol)およびTMEDA(13ml;85.3mmol)を、無水ヘキサン350mlに溶かし、この溶液に−78℃で、2.5M n−BuLi(ヘキサン中2.5M)溶液(30ml;71mmol)を徐々に滴下した。反応液の温度を0℃まで上げ、1時間攪拌した後、再び−78℃に冷却した。ここに、ヘキサン30mlに希釈したトリメチルスズクロライド(17g;85.3mmol)を加え、反応液の温度を常温まで上げた後、1日間攪拌した。反応液をヘキサンで希釈した後、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した。減圧して溶媒を除去した後、残渣(約24g)をエタノール/アセトン(350ml/100ml)で再結晶し、エタノール(600ml)でさらに再結晶して、純粋な生成物(21.4g;収率:91%)を得た。
【0051】
[実施例1]
[チオフェノールでエンドキャッピングされたポリ(テトラ(ドデシルチオフェン)チアゾロチアゾール)(高分子1)の合成]
【化9】

マイクロ波反応用の硝子反応器に、マグネチックバー、2,2’−ビス(5−ブロモ−3−ドデシルチオ−チエニル)チアゾロチアゾール(0.80089g;1mmol)、2,2’−ビス(トリメチルスタンニル)−5,5’−ビス(3−ドデシル−2−チエニル)(0.92791g;1.12mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(4.6mg;0.5mol%)、トリ(o−トリル)ホスフィン(12.1g;4.5mol%)、およびo−ジクロロベンゼン(5ml)を加えた。これを、180℃で10分間反応させた後、50℃に冷却した。ここに、0.4mlのo−ジクロロベンゼンに溶かした4−ブロモチオフェノール(0.2g;1mmol)を加え、この反応液を再び180℃で120秒間反応させた。反応後、得られた反応液を50℃に冷却した後、メタノールと37%塩酸との(10:1)混合溶媒に加えて、生成物を得た。真空乾燥後、高分子およびN,N−ジエチルフェニルアゾチオホルムアミド(150mg)をクロロホルム(120ml)に溶かした後、窒素雰囲気下で2時間攪拌して金属を除去した。減圧して固体を得た後、最終的にメタノール、アセトン、ヘキサン、およびメチレンクロライドで順次ソックスレー(Soxhlet)精製して、生成物を得た。
【0052】
[実施例2]
[ポリ(テトラ(ドデシルチオフェン)チアゾロチアゾール)−金ナノ粒子の合成(高分子:Au=2:1)]
【化10】

ドライボックス中、クロロホルム(2ml)に溶かしたHAuCl(50mg)の溶液と、高分子1の溶液(100mgを20mlのクロロホルムに溶かしたもの)とを混合した。反応液を1時間常温で攪拌した後、リチウムトリエチルボロハイドライド(THF中1.0M)溶液を、気体が発生しなくなるまで加えた。反応液を、常温、アルゴン雰囲気下でさらに2時間激しく攪拌した後、この反応液をエタノールに沈殿させた。得られた固体を、アセトンを用いてソックスレー精製した後、真空乾燥して赤黒い色の生成物を得た。
【0053】
[実施例3]
[ポリ(テトラ(ドデシルチオフェン)チアゾロチアゾール)−金ナノ粒子の合成(高分子:Au=10:1)]
【化11】

ドライボックス中、クロロホルム(2ml)に溶かしたHAuCl(10mg)溶液と、高分子1の溶液(100mgを20mlのクロロホルムに溶かしたもの)とを混合した。反応液を、1時間常温で攪拌した後、リチウムトリエチルボロハイドライド(THF中1.0M)溶液を、気体が発生しなくなるまで加えた。反応液を、常温、アルゴン雰囲気下でさらに2時間激しく攪拌した後、反応液をエタノールに沈殿させた。得られた固体を、アセトンを用いてソックスレー精製した後、真空乾燥して、赤黒い色の生成物(97mg;94%収率)を得た。
【0054】
前記実施例2と3の物質を、透過型電子顕微鏡(TEM)により観察した。その結果、図2および3に示すように、Auナノ粒子(nanoparticle)が10nm程度の大きさを有していることが分かる。また、Au前駆体(precursor)の量の低下にしたがって、粒子(particle)の数および大きさが制御されることが分かる。
【0055】
[試験実施例1]
図1に示した構造の有機トランジスタを製作した。n−ドーピングされたシリコンウェハを基板およびゲート電極として用い、その上に、熱処理によって成長させて形成させたシリコンオキシド(300nm)をゲート絶縁層として用いた。このゲート絶縁層上に、電子ビーム(e−beam)を利用して、金からなるソース電極およびドレイン電極を形成させた。こうして準備した基板をHMDS(ヘキサメチルジシラザン;hexamethyldisilazane)で処理した。このソース電極とドレイン電極が形成された基板上に、クロロベンゼンに実施例3で製造した物質を0.1w/v%で溶かした溶液を、500rpmの速度で30秒間スピンコーティングし、70℃でプレアニーリングした後、100℃で1時間熱処理して有機半導体層を形成させた。この時、有機トランジスタのチャネル幅および長さは、それぞれ、300μmおよび10μmであった。
【0056】
上記のトランジスタの結果を、図4および5に示す。その結果、トランジスタの飽和領域における電荷移動度は、3.5×10−4cm/V・秒であり、オン/オフ比は10であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性粒子と有機半導体高分子とが化学結合している物質を含む有機半導体層を含む有機トランジスタ。
【請求項2】
前記導電性粒子が、金属または金属酸化物粒子である、請求項1に記載の有機トランジスタ。
【請求項3】
前記導電性粒子が、Au、Ag、Pt、ITO、IZO、およびZnOのうちの1以上を含む、請求項2に記載の有機トランジスタ。
【請求項4】
前記導電性粒子の粒径が5nm〜1μmである、請求項1に記載の有機トランジスタ。
【請求項5】
前記有機半導体高分子が下記化学式1の物質である、請求項1に記載の有機トランジスタ:
【化1】

〔式中、Xは導電性高分子であり、B1およびB2は、前記Xのエンドキャッピング(end capping)官能基であり、かつ、導電性粒子と化学結合をすることができる官能基である〕。
【請求項6】
前記Xが、チオフェン(thiophene)、アニリン(aniline)、およびピロール(pyrrole)の1つ以上を含む導電性高分子である、請求項5に記載の有機トランジスタ。
【請求項7】
前記B1およびB2が、−SHまたはリン酸基を含む基である、請求項5に記載の有機トランジスタ。
【請求項8】
前記導電性高分子Xが、有機半導体層を形成させる際に用いられる溶媒に対して、0.1重量%以上の濃度に溶解可能である、請求項5に記載の有機トランジスタ。
【請求項9】
前記有機半導体高分子が、3,000以上の分子量を有する、請求項1に記載の有機トランジスタ。
【請求項10】
前記導電性高分子Xが、下記化学式2に示す構造単位を含む、請求項5に記載の有機トランジスタ:
【化2】

〔式中、x、y、およびzは、各構造単位の割合であって、xは0<x≦1の実数であり、yは0≦y<1の実数であり、zは0≦z<1の実数であり、かつ、x+y+z=1であり、
nは5〜1,000の整数であり、
ArおよびAr’は、互いに同じであるかまたは異なり、独立に、共役構造を有する2価の環状もしくは非環状の炭化水素、または共役構造を有する2価の複素環基であり、
AおよびBは、互いに同じであるかまたは異なり、独立に、共役構造を有する2価の環状もしくは非環状の炭化水素基、共役構造を有する2価の複素環基、または下記非環式基(acyclic group)であり、
【化3】

式中、R’およびR’’は、互いに同じであるかまたは異なり、独立に、水素原子;ハロゲン原子;直鎖、分枝鎖、もしくは環状のアルキル基;直鎖、分枝鎖、もしくは環状のアルコキシ基;チオアルコキシ基;ニトリル基;ニトロ基;アミノ基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、点線部分は化学式2の主鎖に結合する部分である〕。
【請求項11】
前記AおよびBが、下記の化学式で示す基から選択される、請求項10に記載の有機トランジスタ:
【化4】

〔式中、Xは、O、S、Se、NR、SiR、またはCR基であり、ここで、RおよびRは、互いに同じであるかまたは異なり、独立に、水素原子、直鎖、分枝鎖、もしくは環状のアルキル基、またはアリール基であり、これらは互いに結合して環を形成していてもよく、
およびRは、互いに同じであるかまたは異なり、独立に、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、エステル基、エーテル基、アミノ基、イミド基、シラン基、チオエステル基、炭素数1〜20の置換もしくは非置換の直鎖、分枝鎖、もしくは環状のアルキル基、炭素数1〜20の置換もしくは非置換の直鎖、分枝鎖、もしくは環状のアルコキシ基、炭素数1〜20の置換もしくは非置換の直鎖、分枝鎖、もしくは環状のチオアルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
および/またはRに含まれる互いに隣接しない2以上の炭素原子は、O、S、NH、−NR−、SiROO−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−S−CO−、−CO−S−、−CH=CH−、置換もしくは非置換のアリール基、または置換もしくは非置換のヘテロアリール基によって連結されていてもよく、ここで、RおよびROOは、互いに同じであるかまたは異なり、独立に、水素、アリール、または炭素数1〜12のアルキル基であり、
およびRは、互いに結合して環を形成してもよい〕。
【請求項12】
前記Ar、Ar’、A、およびBが、各々独立に下記化学式から選択されることを特徴とする、請求項10に記載の有機トランジスタ:
【化5】

〔式中、いずれの置換基も示していない位置は、水素原子であるか、ハロゲン基、アルキル基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリール基、アミノ基、ヘテロ基、ビニル基、アセチレン基、およびシラン基のうちから選択される置換基を有し、R、R’、R’’は、互いに同じであるかまたは異なり、独立に、水素原子、アルキル基、またはアリール基であり、mは1〜10の整数である〕。
【請求項13】
前記化学式2が下記化学式3で表される、請求項10に記載の有機トランジスタ:
【化6】

〔前記化学式3において、
〜Rは、互いに同じであるかまたは異なり、独立に、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、エステル基、エーテル基、アミノ基、イミド基、シラン基、チオエステル基、炭素数1〜20の置換もしくは非置換の直鎖、分枝鎖、もしくは環状のアルキル基、炭素数1〜20の置換もしくは非置換の直鎖、分枝鎖、もしくは環状のアルコキシ基、炭素数1〜20の置換もしくは非置換の直鎖、分枝鎖、もしくは環状のチオアルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
〜Rに含まれる互いに隣接しない2以上の炭素原子は、O、S、NH、−NR−、SiROO−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−S−CO−、−CO−S−、−CH=CH−、置換もしくは非置換のアリール基、または置換もしくは非置換のヘテロアリール基によって連結されていてもよく、ここで、RおよびROOは、互いに同じであるか異なり、独立に、水素、アリール、または炭素数1〜12のアルキル基であり、
およびRまたはRおよびRは、互いに結合して環を形成していてもよく、
n、x、y、z、A、およびBは化学式2で定義した通りである〕。
【請求項14】
前記化学式2が下記化学式R−1〜R−5、S−16〜S−31、およびS−34〜S−41から選択される、請求項10に記載の有機トランジスタ:
【化7A】

【化7B】

【化7C】

【化7D】

【化7E】

【化7F】

【化7G】

〔式中、R〜R’’’’’は、互いに同じであるかまたは異なり、独立に、水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、エステル基、エーテル基、アミノ基、イミド基、シラン基、チオエステル基、炭素数1〜20の置換もしくは非置換の直鎖、分枝鎖、もしくは環状のアルキル基、炭素数1〜20の置換もしくは非置換の直鎖、分枝鎖、もしくは環状のアルコキシ基、炭素数1〜20の置換もしくは非置換の直鎖、分枝鎖、もしくは環状のチオアルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、または置換もしくは非置換のヘテロアリール基である〕。
【請求項15】
前記有機半導体層中に、前記有機半導体高分子および導電性粒子が10:1〜1:10,000の重量比で含まれる、請求項1に記載の有機トランジスタ。
【請求項16】
基板上に、絶縁層、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極、および有機半導体層をそれぞれ積層させる工程を含む有機トランジスタの製造方法であって、前記有機半導体層を、導電性粒子と有機半導体高分子とが化学結合している物質を用いて形成させることを特徴とする、有機トランジスタの製造方法。
【請求項17】
前記有機半導体層を湿式方法によって形成させる、請求項16に記載の有機トランジスタの製造方法。
【請求項18】
前記湿式方法が、スクリーン印刷、インクジェット印刷、またはマイクロコンタクト印刷の方法である、請求項17に記載の有機トランジスタの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−518640(P2010−518640A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549522(P2009−549522)
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【国際出願番号】PCT/KR2008/000856
【国際公開番号】WO2008/100084
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】