説明

有機遷移金属化合物、それを用いたオレフィン重合用触媒およびポリオレフィンの製造方法

【課題】長鎖分岐含有ポリオレフィン製造に有用な1分子中に2つの遷移金属原子を有する有機遷移金属化合物を提供すること、ならびに、それを用いたポリオレフィンの製造方法を提供する。
【解決手段】同一分子に持つ特定の構造を有する二核有機遷移金属化合物と、活性化助触媒を組み合わせて成るオレフィン重合用触媒を用いてオレフィンを重合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1分子中に2つの遷移金属原子を有する有機遷移金属化合物、それを構成成分として含むポリオレフィン重合用触媒、およびそれを用いたポリオレフィンの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シクロペンタジエニル誘導体を配位子として有する周期表第4族の有機遷移金属化合物(メタロセン)とアルミノキサンを組み合わせて用いた、いわゆるメタロセン触媒は、ポリオレフィンの製造に有用であることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
メタロセン触媒は、有機遷移金属化合物の構造を変化させることで、重合性能を調節できることが可能であるため、これまでに種々の構造を有する有機遷移金属化合物に関する検討が行われている(非特許文献1参照。)。
【0004】
中でも、近年では1分子中に2つ以上の遷移金属原子を有する多核錯体をオレフィン重合用触媒に用いた報告がなされている。
【0005】
例えば、オレフィン重合触媒の1成分として、1分子中に2つの遷移金属原子を有し、シクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基、またはそれらの誘導体を配位子とする遷移金属化合物が開示されている。(特許文献2参照。)
また、シクロペンタジエニル基が配位した2つの遷移金属原子を第15、16族原子を含む共有結合基で連結した錯体を含有するオレフィン重合用触媒が開示されている。(特許文献3参照。)
さらに、IVB族遷移金属の二金属メタロセンとアルモキサンからなる触媒系によるエチレン−α−オレフィン共重合体弾性体の製造法が開示されている。(特許文献4参照。)。
【0006】
しかし、上記に掲げた二核錯体はいずれも架橋部分において不斉軸を持ち、対称性を有しているため、活性中心である2つの金属原子における重合挙動に違いが生じておらず、長鎖分岐生成に関しても十分な成果は得られていない。
【0007】
一方、近年、少なくとも2種類の有機遷移金属化合物を触媒成分に持つ重合触媒を用いてエチレンとマクロモノマーの共重合を行うことで、長鎖分岐を有するポリエチレンを製造する方法が開示されている(例えば、特許文献5参照)。
【0008】
また、二核錯体を用いて長鎖分岐を有するポリオレフィンを製造する研究も活発に行われている。(非特許文献2参照。)。活性中心である2つの金属原子間距離を短く設計することで、マクロモノマーを効率よく長鎖分岐として取り込もうとしているが、錯体構造が対称であり、それぞれの活性中心における役割分担が行われておらず、長鎖分岐数は十分ではない。
【0009】
上記に示すように、生成ポリマーの長鎖分岐数の増加が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開昭58−19309号公報
【特許文献2】特開平04−091095号公報
【特許文献3】特開平09−176221号公報
【特許文献4】特開平06−345807号公報
【特許文献5】特開2006−321991号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Chem.Rev.,100,1205(2000).
【非特許文献2】Organometallics,23,5112(2004).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、長鎖分岐を有するポリオレフィン製造に有用な二核有機遷移金属化合物を提供すること、およびそれを用いた長鎖分岐含有ポリオレフィンの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記課題を解決するために、有機遷移金属化合物およびオレフィン重合用触媒について鋭意研究を続けてきた結果、マクロモノマーを製造する部位とオレフィンとマクロモノマーの共重合可能な部位とを同一分子に持つ二核有機遷移金属化合物と、活性化助触媒を組み合わせて成るオレフィン重合用触媒を用いることで、上記課題を解決するに至った。以下、本発明について詳細に説明する。
【0014】
本発明は、1つの分子内に2つの遷移金属原子を有することを特徴とする(a)二核有機遷移金属化合物をオレフィン重合触媒の構成成分とする。(a)二核有機遷移金属化合物は、下記一般式(1)で表され、
[A]−Q−[B] (1)
[A]は、下記一般式(2)で表され、
【0015】
【化1】

はチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子である。Xは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基または炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基である。ハロゲン原子としては具体的にはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基などを例示することができる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、ネオヘキシル基、2,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、4−メチル−2−ペンチル基、3,3−ジメチル−2−ブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,3−ジメチル−2−ブチル基などが挙げられ、シクロアルキル基の具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられ、アルケニル基の具体例としては、アリル基、2−メチルアリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などが挙げられ、アルキニル基の具体例としては、エチニル基、プロパルギル基などが挙げられ、アリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、ビフェニル基、ナフチル基などが挙げられ、アルキルアリール基の具体例としては、ベンジル基などが挙げられ、アリールアルキル基の具体例として、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基などが挙げられる。炭素数1〜20のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、2−メトキシエチル基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基などが挙げられる。炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基の具体例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジメチルアミノエチル基、ジメチルアミノプロピル基、ジメチルアミノフェニル基などが挙げられる。炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基の具体例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリメチルシリルメチル基、トリエチルシリルメチル基、3−トリメチルシリルプロピル基、3−トリエチルシリルプロピル基、8−トリメチルシリルオクチル基、8−トリエチルシリルオクチル基、4−トリメチルシリルフェニル基、4−トリエチルシリルフェニル基、(4−トリメチルシリルフェニル)メチル基、2−(4−トリメチルシリルフェニル)エチル基などが挙げられる。なお、Xは上記に例示した具体例に限定されるものではない。RおよびRは下記一般式(3)または(4)で表され、
【0016】
【化2】

は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基または炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基である。ハロゲン原子としては具体的にはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基などを例示することができる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、ネオヘキシル基、2,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、4−メチル−2−ペンチル基、3,3−ジメチル−2−ブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,3−ジメチル−2−ブチル基などが挙げられ、シクロアルキル基の具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられ、アルケニル基の具体例としては、アリル基、2−メチルアリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などが挙げられ、アルキニル基の具体例としては、エチニル基、プロパルギル基などが挙げられ、アリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、ビフェニル基、ナフチル基などが挙げられ、アルキルアリール基の具体例としては、ベンジル基などが挙げられ、アリールアルキル基の具体例として、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基などが挙げられる。炭素数1〜20のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、2−メトキシエチル基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基などが挙げられる。炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基の具体例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジメチルアミノエチル基、ジメチルアミノプロピル基、ジメチルアミノフェニル基などが挙げられる。炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基の具体例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリメチルシリルメチル基、トリエチルシリルメチル基、3−トリメチルシリルプロピル基、3−トリエチルシリルプロピル基、8−トリメチルシリルオクチル基、8−トリエチルシリルオクチル基、4−トリメチルシリルフェニル基、4−トリエチルシリルフェニル基、(4−トリメチルシリルフェニル)メチル基、2−(4−トリメチルシリルフェニル)エチル基などが挙げられる。また、RおよびRはMとともにサンドイッチ構造を形成している。Rは下記一般式(5)で表され、
【0017】
【化3】

は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基または炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基である。ハロゲン原子としては具体的にはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基などを例示することができる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、ネオヘキシル基、2,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、4−メチル−2−ペンチル基、3,3−ジメチル−2−ブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,3−ジメチル−2−ブチル基などが挙げられ、シクロアルキル基の具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられ、アルケニル基の具体例としては、アリル基、2−メチルアリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などが挙げられ、アルキニル基の具体例としては、エチニル基、プロパルギル基などが挙げられ、アリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、ビフェニル基、ナフチル基などが挙げられ、アルキルアリール基の具体例としては、ベンジル基などが挙げられ、アリールアルキル基の具体例として、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基などが挙げられる。炭素数1〜20のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、2−メトキシエチル基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基などが挙げられる。炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基の具体例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジメチルアミノエチル基、ジメチルアミノプロピル基、ジメチルアミノフェニル基などが挙げられる。炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基の具体例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリメチルシリルメチル基、トリエチルシリルメチル基、3−トリメチルシリルプロピル基、3−トリエチルシリルプロピル基、8−トリメチルシリルオクチル基、8−トリエチルシリルオクチル基、4−トリメチルシリルフェニル基、4−トリエチルシリルフェニル基、(4−トリメチルシリルフェニル)メチル基、2−(4−トリメチルシリルフェニル)エチル基などが挙げられる。Yは炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子または錫原子である。また、RはRおよびRを架橋するように作用しており、RまたはRの1つが架橋基Qとの結合部位を示す。lは1から5の整数である。
[B]は、下記一般式(6)で表され、
【0018】
【化4】

はチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子である。Xは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基または炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基である。ハロゲン原子としては具体的にはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基などを例示することができる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、ネオヘキシル基、2,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、4−メチル−2−ペンチル基、3,3−ジメチル−2−ブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,3−ジメチル−2−ブチル基などが挙げられ、シクロアルキル基の具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられ、アルケニル基の具体例としては、アリル基、2−メチルアリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などが挙げられ、アルキニル基の具体例としては、エチニル基、プロパルギル基などが挙げられ、アリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、ビフェニル基、ナフチル基などが挙げられ、アルキルアリール基の具体例としては、ベンジル基などが挙げられ、アリールアルキル基の具体例として、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基などが挙げられる。炭素数1〜20のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、2−メトキシエチル基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基などが挙げられる。炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基の具体例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジメチルアミノエチル基、ジメチルアミノプロピル基、ジメチルアミノフェニル基などが挙げられる。炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基の具体例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリメチルシリルメチル基、トリエチルシリルメチル基、3−トリメチルシリルプロピル基、3−トリエチルシリルプロピル基、8−トリメチルシリルオクチル基、8−トリエチルシリルオクチル基、4−トリメチルシリルフェニル基、4−トリエチルシリルフェニル基、(4−トリメチルシリルフェニル)メチル基、2−(4−トリメチルシリルフェニル)エチル基などが挙げられる。なお、Xは上記に例示した具体例に限定されるものではない。Rは下記一般式(7)または(8)で表され、
【0019】
【化5】

は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基または炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基である。ハロゲン原子としては具体的にはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基などを例示することができる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、ネオヘキシル基、2,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、4−メチル−2−ペンチル基、3,3−ジメチル−2−ブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,3−ジメチル−2−ブチル基などが挙げられ、シクロアルキル基の具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられ、アルケニル基の具体例としては、アリル基、2−メチルアリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などが挙げられ、アルキニル基の具体例としては、エチニル基、プロパルギル基などが挙げられ、アリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、ビフェニル基、ナフチル基などが挙げられ、アルキルアリール基の具体例としては、ベンジル基などが挙げられ、アリールアルキル基の具体例として、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基などが挙げられる。炭素数1〜20のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、2−メトキシエチル基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基などが挙げられる。炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基の具体例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジメチルアミノエチル基、ジメチルアミノプロピル基、ジメチルアミノフェニル基などが挙げられる。炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基の具体例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリメチルシリルメチル基、トリエチルシリルメチル基、3−トリメチルシリルプロピル基、3−トリエチルシリルプロピル基、8−トリメチルシリルオクチル基、8−トリエチルシリルオクチル基、4−トリメチルシリルフェニル基、4−トリエチルシリルフェニル基、(4−トリメチルシリルフェニル)メチル基、2−(4−トリメチルシリルフェニル)エチル基などが挙げられる。また、Rの1つが架橋基Qとの結合部位を示す。Rは下記一般式(9)で表され、
【0020】
【化6】

10は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基または炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基である。ハロゲン原子としては具体的にはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基などを例示することができる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、ネオヘキシル基、2,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、4−メチル−2−ペンチル基、3,3−ジメチル−2−ブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,3−ジメチル−2−ブチル基などが挙げられ、シクロアルキル基の具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられ、アルケニル基の具体例としては、アリル基、2−メチルアリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などが挙げられ、アルキニル基の具体例としては、エチニル基、プロパルギル基などが挙げられ、アリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、ビフェニル基、ナフチル基などが挙げられ、アルキルアリール基の具体例としては、ベンジル基などが挙げられ、アリールアルキル基の具体例として、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基などが挙げられる。炭素数1〜20のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、2−メトキシエチル基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基などが挙げられる。炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基の具体例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジメチルアミノエチル基、ジメチルアミノプロピル基、ジメチルアミノフェニル基などが挙げられる。炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基の具体例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリメチルシリルメチル基、トリエチルシリルメチル基、3−トリメチルシリルプロピル基、3−トリエチルシリルプロピル基、8−トリメチルシリルオクチル基、8−トリエチルシリルオクチル基、4−トリメチルシリルフェニル基、4−トリエチルシリルフェニル基、(4−トリメチルシリルフェニル)メチル基、2−(4−トリメチルシリルフェニル)エチル基などが挙げられる。Rは下記一般式(10)で表され、RおよびRを架橋するように作用している。
【0021】
【化7】

11は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基または炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基である。ハロゲン原子としては具体的にはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基などを例示することができる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、ネオヘキシル基、2,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、4−メチル−2−ペンチル基、3,3−ジメチル−2−ブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,3−ジメチル−2−ブチル基などが挙げられ、シクロアルキル基の具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられ、アルケニル基の具体例としては、アリル基、2−メチルアリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などが挙げられ、アルキニル基の具体例としては、エチニル基、プロパルギル基などが挙げられ、アリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、ビフェニル基、ナフチル基などが挙げられ、アルキルアリール基の具体例としては、ベンジル基などが挙げられ、アリールアルキル基の具体例として、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基などが挙げられる。炭素数1〜20のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、2−メトキシエチル基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基などが挙げられる。炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基の具体例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジメチルアミノエチル基、ジメチルアミノプロピル基、ジメチルアミノフェニル基などが挙げられる。炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基の具体例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリメチルシリルメチル基、トリエチルシリルメチル基、3−トリメチルシリルプロピル基、3−トリエチルシリルプロピル基、8−トリメチルシリルオクチル基、8−トリエチルシリルオクチル基、4−トリメチルシリルフェニル基、4−トリエチルシリルフェニル基、(4−トリメチルシリルフェニル)メチル基、2−(4−トリメチルシリルフェニル)エチル基などが挙げられる。Yは炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子または錫原子である。mは1から5の整数である。Qは、炭素数1〜20の炭化水素基、または炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基であり、炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えばアルキレン基であり、具体的にはメチレン基、メチルメチレン基、エチルメチレン基、プロピルメチレン基、イソプロピルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチルメチルメチレン基、エチレン基、1−メチルエチレン基、1−エチルエチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、2−メチルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、2,2−ジメチルエチレン基、2−エチルエチレン基、トリメチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、テトラメチレン基等の炭化水素基を例示することができる。炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基の具体例としては、ジメチルシリルメチル基、ジメチルシリルエチル基、ジメチルシリルプロピル基、ジメチルシリルブチル基、ジメチルシリルペンチル基、ジメチルシリルヘキシル基、ジメチルシリルヘプチル基、ジメチルシリルオクチル基、メチレンビス(ジメチルシリル)基、エチレンビス(ジメチルシリル)基、プロペンビス(ジメチルシリル)基、ブチレンビス(ジメチルシリル)基、ペンテンビス(ジメチルシリル)基、ヘキセンビス(ジメチルシリル)基、ヘプテンビス(ジメチルシリル)基、オクテンビス(ジメチルシリル)基、ジエチルシリルメチル基、ジプロピルシリルメチル基、ジフェニルシリルメチル基、メチルフェニルシリルメチル基を例示することができる。Qは[A]と[B]を架橋する基であり、具体的には[A]とQを架橋した後に[A]−Qと[B]を架橋する。もしくは、[B]とQを架橋した後に[B]−Qと[A]を架橋する。
【0022】
具体的な化合物としては、下記一般式(11)、(12)で表される二核有機遷移金属化合物が挙げられる。
【0023】
【化8】

【0024】
【化9】

本発明の一般式(1)で表される二核有機遷移金属化合物は、例えば下記経路(25)、(26)に示すように合成することが可能である。
【0025】
【化10】

Si−H結合を有する有機遷移金属化合物[A]と、末端二重結合基を有する有機遷移金属化合物[B]とを触媒存在下でヒドロシリル化反応を行うことにより、[A]と[B]がケイ素を含む炭化水素基で架橋された二核有機遷移金属化合物を容易に合成することが可能である。
【0026】
また、末端二重結合基を有する有機遷移金属化合物[A]とSi−H結合を有する有機遷移金属化合物[B]を用いてヒドロシリル化反応を行っても、[A]と[B]がケイ素を含む炭化水素基で架橋された二核有機遷移金属化合物を容易に合成することが可能である。
【0027】
上記ヒドロシリル化反応に用いる触媒として、HPtCl(speier触媒)、O[SiMe(CH=CH)]Pt(Karstedt触媒)などの白金触媒、[Rh(cod)]BF、[Rh(nbd)Cl]、Rh(PPhCl(Wilkinson触媒)などのロジウム触媒、[Ru(benzene)Cl、[Ru(p−cymene)Clなどのルテニウム触媒が有効であるが、好ましくはHPtCl(speier触媒)、O[SiMe(CH=CH)]Pt(Karstedt触媒)などの白金触媒を用いることが望まれる。
【0028】
Si−H結合を有する有機遷移金属化合物[A]としては、ジメチルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−エチルメチルシリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ジエチルシリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−メチルプロピルシリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−エチルプロピルシリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ジプロピルシリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ジイソプロピルシリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−メチルフェニルシリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(3−ジフェニルシリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(3−(1−ジメチルシリルメチル)シクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(3−(2−ジメチルシリルエチル)シクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(3−(3−ジメチルシリルプロピル)シクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(3−(4−ジメチルシリルブチル)シクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(3−(p−ジメチルシリルフェニル)シクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(2−メチル−4−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(2−エチル−4−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(2−プロピル−4−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(2−イソプロピル−4−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(2−ブチル−4−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(2−tert−ブチル−4−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(2−エチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(2−プロピルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(2−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(2−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(2−トリルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(2−メトキシインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(2−エトキシインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(2−ジメチルアミノインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−エチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−プロピルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−トリルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(2−フェニル−4,7−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−7−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4,7−ジフェニルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(2,4,7−トリフェニルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(3,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(2,3,4,7−テトラメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、メチルエチルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジシクロヘキシルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチルフェニルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチルフェニルメチレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、フェニルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド等のジクロロ体および、上記有機遷移金属化合物の金属に結合しているクロロ原子を他のハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシ基等に変えた有機遷移金属化合物を例示することができる。また、上記遷移金属化合物と同等の構造を有し、中心金属がチタン原子に置き換わったチタニウム化合物、ハフニウム原子に置き換わったハフニウム化合物を例示することができる。
【0029】
末端二重結合基を有する有機遷移金属化合物[A]としては、ジメチルシリレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−(1−メチルアリル)シクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−(1−エチルアリル)シクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−(1−プロピルアリル)シクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−(1−イソプロピルアリル)シクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−(1,1−ジメチルアリル)シクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−(1−エチル−1−メチルアリル)シクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ブテニルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−(1−メチルブテニル)シクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−(1−エチルブテニル)シクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−(1,1−ジメチルブテニル)シクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−(2−メチルブテニル)シクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−(1,2−ジメチルブテニル)シクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−(2,2−ジメチルブテニル)シクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−(2−エチルブテニル)シクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ペンテニルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−(1−メチルペンテニル)シクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−(2−メチルペンテニル)シクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−(3−メチルペンテニル)シクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ヘキセニルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(2−メチル−4−アリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(2−エチル−4−アリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(2−プロピル−4−アリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(2−イソプロピル−4−アリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(2−ブチル−4−アリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(2−tert−ブチル−4−アリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(2−エチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(2−プロピルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(2−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(2−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(2−トリルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(2−メトキシインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(2−エトキシインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(2−ジメチルアミノインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(2−エチル−4−メチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−プロピルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−トリルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(2−フェニル−4,7−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−7−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4,7−ジフェニルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(3,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(2,3,4,7−テトラメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、メチルビニルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチルアリルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチルビニルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチルアリルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド等のジクロロ体および、上記有機遷移金属化合物の金属に結合しているクロロ原子を他のハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシ基等に変えた有機遷移金属化合物を例示することができる。また、上記遷移金属化合物と同等の構造を有し、中心金属がチタン原子に置き換わったチタニウム化合物、ハフニウム原子に置き換わったハフニウム化合物を例示することができる。有機遷移金属化合物[A]は、上記の例示化合物に限定されるものではない。
【0030】
Si−H結合を有する有機遷移金属化合物[B]としては、ジメチルメチレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−エチルメチルシリルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−ジエチルシリルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−メチルプロピルシリルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−エチルプロピルシリルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−ジプロピルシリルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−メチルフェニルシリルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−ジフェニルシリルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−(1−ジメチルシリルメチル)シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−(2−ジメチルシリルエチル)シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−(3−ジメチルシリルプロピル)シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−(4−ジメチルシリルブチル)シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−(p−ジメチルシリルフェニル)シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(2−メチル−4−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(2−エチル−4−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(2−プロピル−4−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(2−イソプロピル−4−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(2−ブチル−4−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(2−tert−ブチル−4−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(2,7−ジ−tert−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルメチレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド等のジクロロ体および、上記遷移金属化合物の金属に結合しているクロロ原子を他のハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシ基等に変えた有機遷移金属化合物を例示することができる。また、上記有機遷移金属化合物と同等の構造を有し、中心金属がチタン原子に置き換わったチタニウム化合物、ハフニウム原子に置き換わったハフニウム化合物を例示することができる。
【0031】
末端二重結合基を有する有機遷移金属化合物[B]としては、ジメチルメチレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−(1−メチルアリル)シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−(1−エチルアリル)シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−(1−プロピルアリル)シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−(1−イソプロピルアリル)シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−(1,1−ジメチルアリル)シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−(1−エチル−1−メチルアリル)シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−ブテニルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−(1−メチルブテニル)シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−(1−エチルブテニル)シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−(1,1−ジメチルブテニル)シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−(2−メチルブテニル)シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−(1,2−ジメチルブテニル)シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−(2,2−ジメチルブテニル)シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−(2−エチルブテニル)シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−ペンテニルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−(1−メチルペンテニル)シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−(2−メチルペンテニル)シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−(3−メチルペンテニル)シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−ヘキセニルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(2−メチル−4−アリルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(2−エチル−4−アリルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(2−プロピル−4−アリルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(2−イソプロピル−4−アリルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(2−ブチル−4−アリルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(2−tert−ブチル−4−アリルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(2,7−ジ−tert−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルメチレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシリレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド等のジクロロ体および、上記遷移金属化合物の金属に結合しているクロロ原子を他のハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシ基等に変えた有機遷移金属化合物を例示することができる。また、上記有機遷移金属化合物と同等の構造を有し、中心金属がチタン原子に置き換わったチタニウム化合物、ハフニウム原子に置き換わったハフニウム化合物を例示することができる。有機遷移金属化合物[B]は、上記の例示化合物に限定されるものではない。
【0032】
前記一般式(11)で表されることを特徴とする二核有機遷移金属化合物は、有機遷移金属化合物[A]のシクロペンタジエニル環にSi−H結合を有する置換基、有機遷移金属化合物[B]のシクロペンタジエニル環に末端二重結合基を有していれば反応経路(25)に従って合成が可能である。また、有機遷移金属化合物[A]のシクロペンタジエニル環に末端二重結合基を有する置換基、有機遷移金属化合物[B]のシクロペンタジエニル環にSi−H結合を有していれば反応経路(26)に従って合成することができる。
【0033】
前記一般式(12)で表されることを特徴とする二核有機遷移金属化合物は、有機遷移金属化合物[A]の配位子架橋部位にSi−H結合を有する置換基、有機遷移金属化合物[B]のシクロペンタジエニル環に末端二重結合基を有していれば反応経路(25)に従って合成が可能である。また、有機遷移金属化合物[A]の配位子架橋部位に末端二重結合基、有機遷移金属化合物[B]のシクロペンタジエニル環にSi−H結合を有する置換基を有していれば反応経路(26)に従って合成が可能である。
【0034】
(a)二核有機遷移金属化合物としては、
【0035】
【化11】

【0036】
【化12】

【0037】
【化13】

等のジクロロ体および、上記有機遷移金属化合物の金属に結合しているクロロ原子を炭化水素基、アルコキシ基等に変えた有機遷移金属化合物を例示することができる。また、上記有機遷移金属化合物と同等の構造を有し、中心金属がチタン原子に置き換わったチタニウム化合物、ハフニウム原子に置き換わったハフニウム化合物を例示することができる。ただし、本発明の(a)二核有機遷移金属化合物は、上記の例示化合物に限定されるものではなく、一般式(1)の要件を満たす全ての化合物を包含するものである。
【0038】
本発明の(a)二核有機遷移金属化合物は、オレフィン重合用触媒の1成分として用いることができる。
【0039】
本願発明のオレフィン重合用触媒は、(a)二核有機遷移金属化合物、(a)二核有機遷移金属化合物、(b)活性化助触媒、及び必要に応じて(c)下記一般式(24)
20Al (24)
(式中、R20は炭素数1〜20の炭化水素基である。)
で表される有機アルミニウム化合物からなるものである
本発明のオレフィン重合用触媒の構成成分の1つである(b)活性化助触媒とは、本発明の触媒系の主触媒である(a)二核有機遷移金属化合物、または(a)二核有機遷移金属化合物と(c)有機アルミニウム化合物との反応混合物と作用もしくは反応することによりオレフィン重合可能な活性種を形成することができる化合物を示している。さらに、これらの化合物は、該有機遷移金属化合物の重合活性種を形成した後、生成した活性種に対して弱く配位または相互作用するものの、該活性種とは反応しない化合物である。
【0040】
(b)活性化助触媒としては、有機化合物で処理された変性粘土鉱物、有機アルミニウムオキシ化合物、有機遷移金属化合物とイオン対を形成することができる化合物等があげられる。
【0041】
上記に提示した(b)活性化助触媒のうち、変性粘土鉱物について説明する。変性粘土鉱物として、粘土鉱物の層間にカチオンを導入可能な塩類(有機化合物、無機化合物)で処理した変性粘土鉱物であれば特に限定はないが、特定の構造を有する有機化合物で処理した変性粘土鉱物を用いることが好ましい。
【0042】
用いられる粘土鉱物は、微結晶状のケイ酸塩を主成分とする微粒子である。粘土鉱物の大部分は、その構造上の特色として層状構造を成しており、層の中に種々の大きさの負電荷を有することが挙げられる。この点で、シリカやアルミナのような三次元構造を持つ金属酸化物と大きく異なる。これらの粘土鉱物は、一般に層電荷の大きさで、パイロフィライト、カオリナイト、ディッカイトおよびタルク群(化学式当たりの負電荷がおよそ0)、スメクタイト群(化学式当たりの負電荷がおよそ0.25〜0.6)、バーミキュライト群(化学式当たりの負電荷がおよそ0.6〜0.9)、雲母群(化学式当たりの負電荷がおよそ1)、脆雲母群(化学式当たりの負電荷がおよそ2)に分類されている。ここで示した各群には、それぞれ種々の粘土鉱物が含まれるが、スメクタイト群に属する粘土鉱物としては、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト等が挙げられる。また、これらの粘土鉱物は天然に存在するが、人工合成により不純物の少ないものを得ることができる。本発明においては、ここに示した天然の粘土鉱物および人工合成により得られる粘土鉱物のすべてが使用可能であり、また、上記に例示がないものでも粘土鉱物の定義に属するものはすべて用いることができる。さらに、上記粘土鉱物は複数混合して用いることもできる。
【0043】
本発明の成分(b)活性化助触媒における有機化合物処理された変性粘土鉱物は、粘土鉱物層間に有機イオンを導入し、イオン複合体を形成する。有機化合物処理で用いられる有機化合物としては、下記一般式(17)で表される化合物を挙げることができる。
【0044】
[R1718y−1H][A] (17)
一般式(17)中、[R1718y−1H]はカチオンであり、Hはプロトンであり、Mは周期表の第15族または第16族から選ばれる元素であり、R17は炭素数1〜30の炭化水素基であり、R18は各々独立して水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基であり、yは、Mが第15族元素のときy=3であり、Mが第16族元素のときy=2であり、[A]はアニオンであり、例えばフッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、過塩素酸イオン、シュウ酸イオン、クエン酸イオン、コハク酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオンまたはヘキサフルオロリン酸イオンを用いることができるが、これらに限定されるものではない。さらに、aおよびbは電荷が釣り合うように選ばれた整数である。
【0045】
式(17)中のMは、窒素原子、酸素原子、硫黄原子またはリン原子を例示することができる。R17およびR18の炭素数1〜30の炭化水素基として、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基などを例示することができ、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、アリル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、ネオヘキシル基、2,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、4−メチル−2−ペンチル、3,3−ジメチル−2−ブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,3−ジメチル−2−ブチル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、シクロヘプチル基、2−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、n−オクチル基、イソオクチル基、1,5−ジメチルヘキシル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、tert−オクチル基、2,3−ジメチルシクロヘキシル基、2−(1−シクロヘキセニル)エチル基、n−ノニル基、n−デシル基、イソデシル基、ゲラニル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、シクロドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、n−ヘンエイコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、オレイル基、ベヘニル基、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、2−tert−ブチルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−sec−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−イソプロピル−6−メチルフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、3−エトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−フルオレニル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基、4−フルオレニル基、2,3−ジヒドロインデン−5−イル基、2−ビフェニル基、4−ビフェニル基、p−トリメチルシリルフェニル基を例示することができる。また、R17とR18は互いに結合していても良い。
【0046】
式(17)で表される化合物のうち、Mが窒素原子であるものとしては、メチルアミン塩酸塩、エチルアミン塩酸塩、n−プロピルアミン塩酸塩、イソプロピルアミン塩酸塩、n−ブチルアミン塩酸塩、イソブチルアミン塩酸塩、tert−ブチルアミン塩酸塩、n−ペンチルアミン塩酸塩、イソペンチルアミン塩酸塩、2−メチルブチルアミン塩酸塩、ネオペンチルアミン塩酸塩、tert−ペンチルアミン塩酸塩、n−ヘキシルアミン塩酸塩、イソヘキシルアミン塩酸塩、n−ヘプチルアミン塩酸塩、n−オクチルアミン塩酸塩、n−ノニルアミン塩酸塩、n−デシルアミン塩酸塩、n−ウンデシルアミン塩酸塩、n−ドデシルアミン塩酸塩、n−テトラデシルアミン塩酸塩、n−ヘキサデシルアミン塩酸塩、n−オクタデシルアミン塩酸塩、アリルアミン塩酸塩、シクロペンチルアミン塩酸塩、ジメチルアミン塩酸塩、ジエチルアミン塩酸塩、ジアリルアミン塩酸塩、トリメチルアミン塩酸塩、トリ−n−ブチルアミン塩酸塩、トリアリルアミン塩酸塩、ヘキシルアミン塩酸塩、2−アミノヘプタン塩酸塩、3−アミノヘプタン塩酸塩、n−ヘプチルアミン塩酸塩、1,5−ジメチルヘキシルアミン塩酸塩、1−メチルヘプチルアミン塩酸塩、n−オクチルアミン塩酸塩、tert−オクチルアミン塩酸塩、ノニルアミン塩酸塩、デシルアミン塩酸塩、ウンデシルアミン塩酸塩、ドデシルアミン塩酸塩、トリデシルアミン塩酸塩、テトラデシルアミン塩酸塩、ペンタデシルアミン塩酸塩、ヘキサデシルアミン塩酸塩、ヘプタデシルアミン塩酸塩、オクタデシルアミン塩酸塩、ノナデシルアミン塩酸塩、シクロヘキシルアミン塩酸塩、シクロヘプチルアミン塩酸塩、2−メチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、3−メチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、4−メチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、2,3−ジメチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、シクロドデシルアミン塩酸塩、2−(1−シクロヘキセニル)エチルアミン塩酸塩、ゲラニルアミン塩酸塩、N−メチルヘキシルアミン塩酸塩、ジヘキシルアミン塩酸塩、ビス(2−エチルヘキシル)アミン塩酸塩、ジオクチルアミン塩酸塩、ジデシルアミン塩酸塩、N−メチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、N−エチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、N−イソプロピルシクロヘキシルアミン塩酸塩、N−tert−ブチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、N−アリルシクロヘキシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルオクチルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルウンデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルドデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−テトラデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−ヘキサデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−エイコシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−ドコシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルオレイルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルベヘニルアミン塩酸塩、トリヘキシルアミン塩酸塩、トリイソオクチルアミン塩酸塩、トリオクチルアミン塩酸塩、トリイソデシルアミン塩酸塩、トリドデシルアミン塩酸塩、N−メチル−N−オクタデシル−1−オクタデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルシクロヘキシルメチルアミン塩酸塩、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルラウリルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルミリスチルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルパルミチルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルステアリルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルベヘニルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルココアルキルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル牛脂アルキルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル硬化牛脂アルキルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルオレイルアミン塩酸塩、N−メチルジドデシルアミン塩酸塩、N−メチルジココアルキルアミン塩酸塩、N−メチル硬化牛脂アルキルアミン塩酸塩、N−メチルジオレイルアミン塩酸塩、ピロリジン塩酸塩、ピペリジン塩酸塩、2,5−ジメチルピロリジン塩酸塩、2−メチルピペリジン塩酸塩、3−メチルピペリジン塩酸塩、4−メチルピペリジン塩酸塩、2,6−ジメチルピペリジン塩酸塩、3,3−ジメチルピペリジン塩酸塩、3,5−ジメチルピペリジン塩酸塩、2−エチルピペリジン塩酸塩、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン塩酸塩、1−メチルピロリジン塩酸塩、1−メチルピペリジン塩酸塩、1−エチルピペリジン塩酸塩、1−ブチルピロリジン塩酸塩、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン塩酸塩等の脂肪族アミンの塩酸塩、アニリン塩酸塩、N−メチルアニリン塩酸塩、N−エチルアニリン塩酸塩、N−アリルアニリン塩酸塩、o−トルイジン塩酸塩、m−トルイジン塩酸塩、p−トルイジン塩酸塩、N,N−ジメチルアニリン塩酸塩、N−メチル−o−トルイジン塩酸塩、N−メチル−m−トルイジン塩酸塩、N−メチル−p−トルイジン塩酸塩、N−エチル−o−トルイジン塩酸塩、N−エチル−m−トルイジン塩酸塩、N−エチル−p−トルイジン塩酸塩、N−アリル−o−トルイジン塩酸塩、N−アリル−m−トルイジン塩酸塩、N−アリル−p−トルイジン塩酸塩、N−プロピル−o−トルイジン塩酸塩、N−プロピル−m−トルイジン塩酸塩、N−プロピル−p−トルイジン塩酸塩、2,3−ジメチルアニリン塩酸塩、2,4−ジメチルアニリン塩酸塩、2,5−ジメチルアニリン塩酸塩、2,6−ジメチルアニリン塩酸塩、3,4−ジメチルアニリン塩酸塩、3,5−ジメチルアニリン塩酸塩、2−エチルアニリン塩酸塩、3−エチルアニリン塩酸塩、4−エチルアニリン塩酸塩、N,N−ジエチルアニリン塩酸塩、2−イソプロピルアニリン塩酸塩、4−イソプロピルアニリン塩酸塩、2−tert−ブチルアニリン塩酸塩、4−n−ブチルアニリン塩酸塩、4−sec−ブチルアニリン塩酸塩、4−tert−ブチルアニリン塩酸塩、2,6−ジエチルアニリン塩酸塩、2−イソプロピル−6−メチルアニリン塩酸塩、2−クロロアニリン塩酸塩、3−クロロアニリン塩酸塩、4−クロロアニリン塩酸塩、2−ブロモアニリン塩酸塩、3−ブロモアニリン塩酸塩、4−ブロモアニリン塩酸塩、o−アニシジン塩酸塩、m−アニシジン塩酸塩、p−アニシジン塩酸塩、o−フェネチジン塩酸塩、m−フェネチジン塩酸塩、p−フェネチジン塩酸塩、1−アミノナフタレン塩酸塩、2−アミノナフタレン塩酸塩、1−アミノフルオレン塩酸塩、2−アミノフルオレン塩酸塩、3−アミノフルオレン塩酸塩、4−アミノフルオレン塩酸塩、5−アミノインダン塩酸塩、2−アミノビフェニル塩酸塩、4−アミノビフェニル塩酸塩、N,2,3−トリメチルアニリン塩酸塩、N,2,4−トリメチルアニリン塩酸塩、N,2,5−トリメチルアニリン塩酸塩、N,2,6−トリメチルアニリン塩酸塩、N,3,4−トリメチルアニリン塩酸塩、N,3,5−トリメチルアニリン塩酸塩、N−メチル−2−エチルアニリン塩酸塩、N−メチル−3−エチルアニリン塩酸塩、N−メチル−4−エチルアニリン塩酸塩、N−メチル−6−エチル−o−トルイジン塩酸塩、N−メチル−2−イソプロピルアニリン塩酸塩、N−メチル−4−イソプロピルアニリン塩酸塩、N−メチル−2−tert−ブチルアニリン塩酸塩、N−メチル−4−n−ブチルアニリン塩酸塩、N−メチル−4−sec−ブチルアニリン塩酸塩、N−メチル−4−tert−ブチルアニリン塩酸塩、N−メチル−2,6−ジエチルアニリン塩酸塩、N−メチル−2−イソプロピル−6−メチルアニリン塩酸塩、N−メチル−p−アニシジン塩酸塩、N−エチル−2,3−アニシジン塩酸塩、N,N−ジメチル−o−トルイジン塩酸塩、N,N−ジメチル−m−トルイジン塩酸塩、N,N−ジメチル−p−トルイジン塩酸塩、N,N,2,3−テトラメチルアニリン塩酸塩、N,N,2,4−テトラメチルアニリン塩酸塩、N,N,2,5−テトラメチルアニリン塩酸塩、N,N,2,6−テトラメチルアニリン塩酸塩、N,N,3,4−テトラメチルアニリン塩酸塩、N,N,3,5−テトラメチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−エチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−3−エチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−4−エチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−6−エチル−o−トルイジン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−イソプロピルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−4−イソプロピルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−tert−ブチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−4−n−ブチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−4−sec−ブチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−4−tert−ブチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−2,6−ジエチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−イソプロピル−6−メチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−クロロアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−3−クロロアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−4−クロロアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−ブロモアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−3−ブロモアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−4−ブロモアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−o−アニシジン塩酸塩、N,N−ジメチル−m−アニシジン塩酸塩、N,N−ジメチル−p−アニシジン塩酸塩、N,N−ジメチル−o−フェネチジン塩酸塩、N,N−ジメチル−m−フェネチジン塩酸塩、N,N−ジメチル−p−フェネチジン塩酸塩、N,N−ジメチル−1−アミノナフタレン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−アミノナフタレン塩酸塩、N,N−ジメチル−1−アミノフルオレン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−アミノフルオレン塩酸塩、N,N−ジメチル−3−アミノフルオレン塩酸塩、N,N−ジメチル−4−アミノフルオレン塩酸塩、N,N−ジメチル−5−アミノインダン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−アミノビフェニル塩酸塩、N,N−ジメチル−4−アミノビフェニル塩酸塩、N,N−ジメチル−p−トリメチルシリルアニリン塩酸塩等の芳香族アミンの塩酸塩および上記化合物の塩酸塩をフッ化水素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩または硫酸塩に置き換えた化合物を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0047】
式(17)で表される化合物のうち、Mが酸素原子であるものとしては、メチルエーテル塩酸塩、エチルエーテル塩酸塩、n−ブチルエーテル塩酸塩、テトラヒドロフラン塩酸塩、フェニルエーテル塩酸塩等の化合物および上記化合物の塩酸塩をフッ化水素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩または硫酸塩に置き換えた化合物を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0048】
式(17)で表される化合物のうち、Mが硫黄原子であるものとしては、フッ化ジエチルスルホニウム、塩化ジエチルスルホニウム、臭化ジエチルスルホニウム、ヨウ化ジエチルスルホニウム、フッ化ジメチルスルホニウム、塩化ジメチルスルホニウム、臭化ジメチルスルホニウム、ヨウ化ジメチルスルホニウムを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0049】
式(17)で表される化合物のうち、Mがリン原子であるものとしては、トリフェニルホスフィン塩酸塩、トリ(o−トリル)ホスフィン塩酸塩、トリ(p−トリル)ホスフィン塩酸塩、トリメシチルホスフィン塩酸塩等の化合物および上記化合物の塩酸塩をフッ化水素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩または硫酸塩に置き換えた化合物を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0050】
有機化合物処理においては、粘土鉱物の濃度は0.1〜30重量%、処理温度は0〜150℃の条件を選択して処理を行うことが好ましい。また、有機化合物は固体として調製して溶媒に溶解させて使用しても良いし、溶媒中での化学反応により有機化合物の溶液を調製してそのまま使用しても良い。粘土鉱物と有機化合物の反応量比については、粘土鉱物の交換可能なカチオンに対して当量以上の有機化合物を用いることが好ましい。処理溶媒としては、ペンタン、ヘキサンもしくはヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼンもしくはトルエン等の芳香族炭化水素類、エチルアルコールもしくはメチルアルコール等のアルコール類、エチルエーテルもしくはn−ブチルエーテル等のエーテル類、塩化メチレンもしくはクロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、アセトン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランまたは水等を用いることができるが、好ましくは、アルコール類または水を単独もしくは溶媒の1成分として用いることである。
【0051】
(b)活性化助触媒のうち、有機アルミニウムオキシ化合物について説明する。
有機アルミニウムオキシ化合物は、アルミニウムと酸素の結合を有する化合物であり、一般式(18)および/または(19)で表される。これらは、1種でもよいし、2種以上を組合わせて用いてもよい。
【0052】
【化14】

これら一般式において、R19は各々同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基であり、R19の具体的な例として、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基などを例示することができ、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、フェニル基、トリル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。また、qは2〜50の整数である。
【0053】
有機アルミニウムオキシ化合物の具体例として、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、プロピルアルミノキサンなどが例示できる。
【0054】
本有機アルミニウムオキシ化合物は、無機酸化物を組み合わせて使用することが可能である。無機酸化物としては、例えばシリカ、アルミナ、マグネシア等の典型元素の無機酸化物;チタニア、ジルコニア等の遷移金属元素の無機酸化物およびシリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア等の混合物が例示できる。これらの無機酸化物には通常不純物としてNaO、KCO、BaSO等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の塩類が含まれている。上記の微粒子状の無機酸化物はこれらの不純物を含んだ状態で使用しても良いが、予めこれらの不純物を除去する操作を施した無機酸化物を使用するのが好ましい。有機アルミニウム化合物と無機酸化物の組み合わせた例として、例えば、メチルアルミノキサン/シリカを挙げることができる。
【0055】
(b)活性化助触媒のうち、有機遷移金属化合物とイオン対を形成することができる化合物について説明する。この化合物としては、次の一般式(20)ないし(23)で表される化合物が挙げられる。
【0056】
[HL][G(Ar)] (20)
[DL][G(Ar)] (21)
[E][G(Ar)] (22)
G(Ar) (23)
(ここで、Hはプロトンであり、Gはホウ素原子またはアルミニウム原子である。Lはルイス塩基、Lはルイス塩基またはシクロペンタジエニル基である。Dはリチウム、鉄または銀から選ばれる金属の陽イオンであり、Eはカルボニウムカチオンまたはトロピニウムカチオンである。Arは炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。mは0〜2の整数である。)
有機遷移金属化合物とイオン対を形成することができる化合物とは、該有機遷移金属化合物と作用もしくは反応することにより有機遷移金属化合物をカチオンに変換させることで、イオン性の錯体を形成することが可能な化合物のことを示している。さらに、これら化合物は該有機遷移金属化合物をカチオン性の化合物にした後、生成したカチオン種に対して弱く配位または相互作用するものの、該有機遷移金属カチオンとは反応しない対アニオンを提供する化合物である。
【0057】
一般式(20)で表されるプロトン酸の具体例として、ジエチルオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジメチルオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラメチレンオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ヒドロニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ−n−ブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジエチルオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、ジメチルオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、テトラメチレンオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、ヒドロニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、トリ−n−ブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0058】
一般式(21)で表されるイオン化イオン性化合物としては、具体的にはリチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート等のリチウム塩、またはそのエーテル錯体、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート等のフェロセニウム塩、シルバーテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、シルバーテトラキス(ペンタフルオレフェニル)アルミネート等の銀塩等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0059】
一般式(22)で表されるルイス酸としては、具体的にはトリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、トロピニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トロピニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0060】
一般式(23)で表されるルイス酸性化合物の具体的な例として、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4,5−テトラフェニルフェニル)ボラン、トリス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラン、フェニルビス(パーフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,4,5−トリフルオロフェニル)アルミニウム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0061】
本発明において、(a)二核有機遷移金属化合物、(b)活性化助触媒に加え、必要に応じて(c)有機アルミニウム化合物を添加することができる。この(c)有機アルミニウム化合物は下記一般式(24)
20Al (24)
(R20は各々同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、アルコキシド基または炭化水素基を示し、そのうち少なくとも1つは炭化水素基である。)
で表される化合物を挙げることができる。
【0062】
成分(c)のR20としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基などを例示することができ、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、ネオヘキシル基、2,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、4−メチル−2−ペンチル、3,3−ジメチル−2−ブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,3−ジメチル−2−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、フェニル基、シクロヘキシル基を例示することができる。
【0063】
成分(c)としては、トリメチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムヒドリド、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−tert−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリイソヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、トリイソオクチルアルミニウム等のアルミニウム化合物を例示することができる。
【0064】
成分(c)は成分(a)および成分(d)のM、M、Mにハロゲン原子が結合している場合に使用することが可能である。成分(c)を使用した場合には、成分(a)および成分(d)のアルキル化および、溶媒およびモノマー中に含まれている不純物を除去する効果がある。
【0065】
成分(a)と成分(b)のうち有機化合物で処理された変性粘土鉱物を用いた際の各成分の使用量は、成分(b)1gあたり成分(a)が0.0001mmol〜100mmol、好ましくは0.001mmol〜10mmolである。また、成分(c)を用いる場合の成分(c)の使用量は、成分(b)1gあたり成分(c)が0.001mmol〜10000mmol、好ましくは0.01mmol〜1000mmolである。また、成分(a)と成分(c)のモル比は、(a成分):(c成分)=10:1〜1:10000の範囲であり、好ましくは1:1〜1:1000の範囲である。
【0066】
成分(a)と成分(b)のうち有機アルミニウムオキシ化合物を用いた際の成分(a)と成分(b)の比は特に制限はないが、好ましくは成分(a)と成分(b)の金属原子当たりのモル比が(a成分):(b成分)=100:1〜1:1000000の範囲であり、特に好ましくは1:1〜1:100000の範囲である。本発明における成分(a)を主成分として含むポリオレフィン製造用触媒としては、成分(a)二核有機遷移金属化合物、(b)活性化助触媒、必要に応じて(c)有機アルミニウム化合物からなる触媒を例示することができる。
【0067】
成分(a)と成分(b)と成分(c)からなる触媒は、有機溶媒中、成分(a)と成分(b)と成分(c)を接触させることによって得られるが、成分(b)に成分(a)と成分(c)の接触生成物を添加する方法、成分(b)に成分(a)を添加した後、成分(c)を添加する方法、成分(b)に成分(c)を添加した後、成分(a)と成分(c)の接触生成物を添加する方法などを例示することができるが、これらに限定したものではない。
【0068】
成分(a)と成分(b)のうち有機遷移金属化合物とイオン対を生成することが可能な化合物を用いた場合、触媒調製の際の(a)と(b)の比も特に制限はなく、モル比は(a成分):(b成分)=10:1〜1:1000、特に好ましくは3:1〜1:100の範囲である。また、成分(c)を用いる場合(a)と(c)の比は特に制限はないが、好ましくは(a)と(c)の金属原子当たりのモル比が(a成分):(c成分)=100:1〜1:100000の範囲であり、特に好ましくは1:1〜1:10000の範囲である。
【0069】
本発明による有機遷移金属化合物を触媒成分として用いる際、2種類以上の遷移金属化合物を用いて重合を行うことも可能であり、例えば複数の種類の一般式(1)で表される(a)二核有機遷移金属化合物を同時に用いることが可能である。また、一般式(1)で表される(a)二核有機遷移金属化合物と、下記一般式(13)で表される(d)有機遷移金属化合物を組み合わせて用いることが可能である。
【0070】
【化15】

はチタニウム原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、Xは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基または炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基である。ハロゲン原子としては具体的にはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基などを例示することができる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、ネオヘキシル基、2,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、4−メチル−2−ペンチル基、3,3−ジメチル−2−ブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,3−ジメチル−2−ブチル基などが挙げられ、シクロアルキル基の具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられ、アルケニル基の具体例としては、アリル基、2−メチルアリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などが挙げられ、アルキニル基の具体例としては、エチニル基、プロパルギル基などが挙げられ、アリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、ビフェニル基、ナフチル基などが挙げられ、アルキルアリール基の具体例としては、ベンジル基などが挙げられ、アリールアルキル基の具体例として、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基などが挙げられる。炭素数1〜20のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、2−メトキシエチル基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基などが挙げられる。炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基の具体例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジメチルアミノエチル基、ジメチルアミノプロピル基、ジメチルアミノフェニル基などが挙げられる。炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基の具体例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリメチルシリルメチル基、トリエチルシリルメチル基、3−トリメチルシリルプロピル基、3−トリエチルシリルプロピル基、8−トリメチルシリルオクチル基、8−トリエチルシリルオクチル基、4−トリメチルシリルフェニル基、4−トリエチルシリルフェニル基、(4−トリメチルシリルフェニル)メチル基、2−(4−トリメチルシリルフェニル)エチル基などが挙げられる。なお、Xは上記に例示した具体例に限定されるものではない。R12、R13は各々独立して一般式(14)、(15)で示される配位子であり、R12およびR13はMとともにサンドイッチ構造を形成する。
【0071】
【化16】

15は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基または炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基である。ハロゲン原子としては具体的にはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基などを例示することができる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、ネオヘキシル基、2,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、4−メチル−2−ペンチル基、3,3−ジメチル−2−ブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,3−ジメチル−2−ブチル基などが挙げられ、シクロアルキル基の具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられ、アルケニル基の具体例としては、アリル基、2−メチルアリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などが挙げられ、アルキニル基の具体例としては、エチニル基、プロパルギル基などが挙げられ、アリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、ビフェニル基、ナフチル基などが挙げられ、アルキルアリール基の具体例としては、ベンジル基などが挙げられ、アリールアルキル基の具体例として、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基などが挙げられる。炭素数1〜20のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、2−メトキシエチル基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基などが挙げられる。炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基の具体例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジメチルアミノエチル基、ジメチルアミノプロピル基、ジメチルアミノフェニル基などが挙げられる。炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基の具体例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリメチルシリルメチル基、トリエチルシリルメチル基、3−トリメチルシリルプロピル基、3−トリエチルシリルプロピル基、8−トリメチルシリルオクチル基、8−トリエチルシリルオクチル基、4−トリメチルシリルフェニル基、4−トリエチルシリルフェニル基、(4−トリメチルシリルフェニル)メチル基、2−(4−トリメチルシリルフェニル)エチル基などが挙げられる。R14は下記一般式(16)で示され、R12およびR13を架橋するように作用する。
【0072】
【化17】

16は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基または炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基である。ハロゲン原子としては具体的にはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基などを例示することができる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、ネオヘキシル基、2,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、4−メチル−2−ペンチル基、3,3−ジメチル−2−ブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,3−ジメチル−2−ブチル基などが挙げられ、シクロアルキル基の具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられ、アルケニル基の具体例としては、アリル基、2−メチルアリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などが挙げられ、アルキニル基の具体例としては、エチニル基、プロパルギル基などが挙げられ、アリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、ビフェニル基、ナフチル基などが挙げられ、アルキルアリール基の具体例としては、ベンジル基などが挙げられ、アリールアルキル基の具体例として、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基などが挙げられる。炭素数1〜20のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、2−メトキシエチル基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基などが挙げられる。炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基の具体例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジメチルアミノエチル基、ジメチルアミノプロピル基、ジメチルアミノフェニル基などが挙げられる。炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基の具体例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリメチルシリルメチル基、トリエチルシリルメチル基、3−トリメチルシリルプロピル基、3−トリエチルシリルプロピル基、8−トリメチルシリルオクチル基、8−トリエチルシリルオクチル基、4−トリメチルシリルフェニル基、4−トリエチルシリルフェニル基、(4−トリメチルシリルフェニル)メチル基、2−(4−トリメチルシリルフェニル)エチル基などが挙げられる。Yは炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子または錫原子である。nは1から5の整数である。
【0073】
この際、一般式(13)で表される(d)有機遷移金属化合物を用いたオレフィン重合触媒から生成するマクロモノマーを、一般式(1)で表される(a)二核有機遷移金属化合物により、ポリマー中に取り込むことで、(a)二核有機遷移金属化合物により製造されるポリオレフィンよりもさらに多くの長鎖分岐構造を有するポリオレフィンを製造することが可能である。
【0074】
(d)有機遷移金属化合物の具体的な例として、メチレンビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、イソプロピリデンビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、(メチル)(フェニル)メチレンビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレンビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、エチレンビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、メチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、イソプロピリデンビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、(メチル)(フェニル)メチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、エチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、メチレン[(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)]チタニウムジクロライド、イソプロピリデン[(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)]チタニウムジクロライド、(メチル)(フェニル)メチレン[(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)]チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン[(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)]チタニウムジクロライド、エチレン[(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)]チタニウムジクロライド、メチレンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、イソプロピリデンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、(メチル)(フェニル)メチレンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、エチレンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、メチレン[(シクロペンタジエニル)(インデニル)]チタニウムジクロライド、イソプロピリデン[(シクロペンタジエニル)(インデニル)]チタニウムジクロライド、(メチル)(フェニル)メチレン[(シクロペンタジエニル)(インデニル)]チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン[(シクロペンタジエニル)(インデニル)]チタニウムジクロライド、エチレン[(シクロペンタジエニル)(インデニル)]チタニウムジクロライド、メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(メチル)(フェニル)メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(メチル)(フェニル)メチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチレン[(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)]ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン[(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)]ジルコニウムジクロライド、(メチル)(フェニル)メチレン[(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)]ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン[(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)]ジルコニウムジクロライド、エチレン[(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)]ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(メチル)(フェニル)メチレンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチレン[(シクロペンタジエニル)(インデニル)]ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン[(シクロペンタジエニル)(インデニル)]ジルコニウムジクロライド、(メチル)(フェニル)メチレン[(シクロペンタジエニル)(インデニル)]ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン[(シクロペンタジエニル)(インデニル)]ジルコニウムジクロライド、エチレン[(シクロペンタジエニル)(インデニル)]ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジ(n−プロピル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジイソプロピルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジシクロヘキシルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、(エチル)(メチル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、(メチル)(n−プロピル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、(メチル)(イソプロピル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、(シクロヘキシル)(メチル)ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、(メチル)(フェニル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジ(n−プロピル)シランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジイソプロピルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジシクロヘキシルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、(エチル)(メチル)シランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、(メチル)(n−プロピル)シランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、(メチル)(イソプロピル)シランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、(シクロヘキシル)(メチル)ビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、(メチル)(フェニル)シランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイル[(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)]チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイル[(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)]チタニウムジクロライド、ジ(n−プロピル)シランジイル[(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)]チタニウムジクロライド、ジイソプロピルシランジイル[(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)]チタニウムジクロライド、ジシクロヘキシルシランジイル[(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)]チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル[(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)]チタニウムジクロライド、(エチル)(メチル)シランジイル[(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)]チタニウムジクロライド、(メチル)(n−プロピル)シランジイル[(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)]チタニウムジクロライド、(メチル)(イソプロピル)シランジイル[(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)]チタニウムジクロライド、(シクロヘキシル)(メチル)[(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)]チタニウムジクロライド、(メチル)(フェニル)シランジイル[(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)]チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジ(n−プロピル)シランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジイソプロピルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジシクロヘキシルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、(エチル)(メチル)シランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、(メチル)(n−プロピル)シランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、(メチル)(イソプロピル)シランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、(シクロヘキシル)(メチル)ビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、(メチル)(フェニル)シランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイル[(シクロペンタジエニル)(インデニル)]チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイル[(シクロペンタジエニル)(インデニル)]チタニウムジクロライド、ジ(n−プロピル)シランジイル[(シクロペンタジエニル)(インデニル)]チタニウムジクロライド、ジイソプロピルシランジイル[(シクロペンタジエニル)(インデニル)]チタニウムジクロライド、ジシクロヘキシルシランジイル[(シクロペンタジエニル)(インデニル)]チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル[(シクロペンタジエニル)(インデニル)]チタニウムジクロライド、(エチル)(メチル)シランジイル[(シクロペンタジエニル)(インデニル)]チタニウムジクロライド、(メチル)(n−プロピル)シランジイル[(シクロペンタジエニル)(インデニル)]チタニウムジクロライド、(メチル)(イソプロピル)シランジイル[(シクロペンタジエニル)(インデニル)]チタニウムジクロライド、(シクロヘキシル)(メチル)[(シクロペンタジエニル)(インデニル)]チタニウムジクロライド、(メチル)(フェニル)シランジイル[(シクロペンタジエニル)(インデニル)]チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジ(n−プロピル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジイソプロピルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジシクロヘキシルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(エチル)(メチル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(メチル)(n−プロピル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(メチル)(イソプロピル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(シクロヘキシル)(メチル)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(メチル)(フェニル)シランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシ
ランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジ(n−プロピル)シランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジイソプロピルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジシクロヘキシルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(エチル)(メチル)シランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(メチル)(n−プロピル)シランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(メチル)(イソプロピル)シランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(シクロヘキシル)(メチル)ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(メチル)(フェニル)シランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル[(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)]ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイル[(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)]ジルコニウムジクロライド、ジ(n−プロピル)シランジイル[(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)]ジルコニウムジクロライド、ジイソプロピルシランジイル[(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)]ジルコニウムジクロライド、ジシクロヘキシルシランジイル[(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)]ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル[(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)]ジルコニウムジクロライド、(エチル)(メチル)シランジイル[(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)]ジルコニウムジクロライド、(メチル)(n−プロピル)シランジイル[(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)]ジルコニウムジクロライド、(メチル)(イソプロピル)シランジイル[(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)]ジルコニウムジクロライド、(シクロヘキシル)(メチル)[(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)]ジルコニウムジクロライド、(メチル)(フェニル)シランジイル[(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)]ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジ(n−プロピル)シランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジイソプロピルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジシクロヘキシルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(エチル)(メチル)シランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(メチル)(n−プロピル)シランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(メチル)(イソプロピル)シランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(シクロヘキシル)(メチル)ビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(メチル)(フェニル)シランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル[(シクロペンタジエニル)(インデニル)]ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイル[(シクロペンタジエニル)(インデニル)]ジルコニウムジクロライド、ジ(n−プロピル)シランジイル[(シクロペンタジエニル)(インデニル)]ジルコニウムジクロライド、ジイソプロピルシランジイル[(シクロペンタジエニル)(インデニル)]ジルコニウムジクロライド、ジシクロヘキシルシランジイル[(シクロペンタジエニル)(インデニル)]ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル[(シクロペンタジエニル)(インデニル)]ジルコニウムジクロライド、(エチル)(メチル)シランジイル[(シクロペンタジエニル)(インデニル)]ジルコニウムジクロライド、(メチル)(n−プロピル)シランジイル[(シクロペンタジエニル)(インデニル)]ジルコニウムジクロライド、(メチル)(イソプロピル)シランジイル[(シクロペンタジエニル)(インデニル)]ジルコニウムジクロライド、(シクロヘキシル)(メチル)シランジイル[(シクロペンタジエニル)(インデニル)]ジルコニウムジクロライド、(メチル)(フェニル)シランジイル[(シクロペンタジエニル)(インデニル)]ジルコニウムジクロライド等のジクロライドおよび上記遷移金属化合物のジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体を例示することができる。
【0075】
本発明のポリオレフィン製造用触媒における、成分(a)に対する成分(d)の量は、特に制限はなく、0.0001〜100倍モルであることが好ましく、特に好ましくは0.001〜10倍モルである。本発明における成分(a)および成分(d)を主成分として含むポリオレフィン製造用触媒としては、成分(a)、成分(d)、並びに(b)活性化助触媒、必要に応じて(c)有機アルミニウム化合物からなる触媒を例示することができる。
【0076】
成分(a)と成分(d)と成分(b)と成分(c)からなる触媒は、有機溶媒中、成分(a)と成分(d)と成分(b)と成分(c)を接触させることによって得られるが、成分(b)に成分(a)と成分(c)の接触生成物を添加した後、成分(d)を添加する方法、成分(b)に成分(a)を添加した後、成分(d)と成分(c)の接触生成物を添加する方法、成分(b)に成分(a)と成分(c)の接触生成物を添加した後、成分(d)と成分(c)の接触生成物を添加する方法、成分(b)と成分(c)の接触生成物に成分(a)を添加した後、成分(d)を添加する方法、成分(b)と成分(c)の接触生成物に成分(a)と成分(b)の接触生成物を添加した後、成分(d)を添加する方法、成分(b)と成分(c)の接触生成物に成分(a)を添加した後、成分(d)と成分(c)の接触生成物を添加する方法、成分(b)と成分(c)の接触生成物に成分(a)と成分(c)の接触生成物を添加した後、成分(d)と成分(c)の接触生成物を添加する方法、成分(a)と成分(c)の接触生成物に成分(d)を添加した後、成分(b)を添加する方法、成分(a)に成分(d)と成分(c)の接触生成物を添加した後、成分(b)を添加する方法、成分(a)と成分(c)の接触生成物に成分(d)と成分(c)の接触生成物を添加した後、成分(b)を添加する方法、成分(a)に成分(d)を添加した後、成分(b)と成分(c)の接触生成物を添加する方法、成分(a)と成分(c)の接触生成物に成分(d)を添加した後、成分(b)と成分(c)の接触生成物を添加する方法、成分(a)に成分(d)と成分(c)の接触生成物を添加した後、成分(b)と成分(c)の接触生成物を添加する方法、成分(a)と成分(c)の接触生成物に成分(d)と成分(c)の接触生成物を添加した後、成分(b)と成分(c)の接触生成物を添加する方法、成分(a)と成分(b)の接触生成物に成分(d)を添加した後、成分(c)を添加する方法、成分(d)と成分(b)の接触生成物に成分(a)を添加した後、成分(c)を添加する方法、成分(a)と成分(d)の接触生成物に成分(b)を添加した後、成分(c)を添加する方法、成分(b)に成分(a)と成分(d)の接触生成物を添加した後、成分(c)を添加する方法、成分(d)に成分(a)と成分(b)の接触生成物を添加した後、成分(c)を添加する方法、成分(a)に成分(d)と成分(b)の接触生成物を添加した後、成分(c)を添加する方法、成分(a)と成分(b)の接触生成物に成分(d)と成分(b)の接触生成物を添加した後、成分(c)を添加する方法を例示することができる。
【0077】
本発明において用いられる成分(c)の量は、成分(a)と成分(d)のモル数の和1モル当たり0.1〜10000モルが好ましく、特に好ましくは1〜1000モルである。
【0078】
上記に示したオレフィン重合用触媒を担体に担持させてなる固体触媒として用いて重合を行ってもよい。担持に使用する担体には、特に制限がないが、無機酸化物であることが好ましい。無機酸化物の具体的な例としては、マグネシア、カルシア等のアルカリ土金属の酸化物、アルミナ、シリカ等の典型元素の酸化物、酸化セリウム、酸化サマリウム等のランタニド系稀土類元素の酸化物、酸化アクチニウム、酸化トリウム等のアクチニド系稀土類の酸化物、チタニア、ジルコニア、酸化銅、酸化銀等の遷移金属元素の酸化物、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア等の複合酸化物が例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0079】
本発明のポリオレフィンの製造方法は、上記触媒を用いてオレフィンを重合することである。
【0080】
本発明における重合は、通常の重合方法、すなわちスラリー重合、気相重合、高圧重合、溶液重合、塊状重合のいずれにも使用できる。
【0081】
重合溶媒としては、一般に用いられる有機溶剤であればいずれでも良く、具体的には、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の炭素数3〜20の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭素数6〜20の芳香族炭化水素等を用いることができ、またはオレフィン自身を溶媒として用いることもできる。また、重合溶媒を用いない気相重合も可能である。
【0082】
本発明において重合に供されるオレフィンは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィン、ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等の共役ジエン、シクロブテン等の環状オレフィン等が挙げられ、さらにエチレンとプロピレン、エチレンと1−ブテン、エチレンと1−ヘキセンなどのように、2種類以上の成分を混合して重合することも可能である。
【0083】
本発明の方法を用いてポリオレフィンを製造する上で、重合温度、重合時間、重合圧力、モノマー濃度などの重合条件について特に制限はないが、重合温度は−100℃〜300℃、重合時間は10秒〜20時間、重合圧力は常圧〜300MPaの範囲で行うことが好ましい。また重合時に水素などを用いて分子量の調節を行うことも可能である。重合はバッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法でも行うことが可能である。重合条件を変えて、2段以上に分けて行うことも可能である。また、重合終了後に得られるポリオレフィンは、従来既知の方法により重合溶媒から分離し、乾燥してポリオレフィンを得ることができる。
【0084】
本発明の(a)二核有機遷移金属化合物成分は、ポリマーの末端に二重結合(ビニル末端)を有するポリマー(マクロモノマー)を合成し、かつ、そのマクロモノマーをポリマー鎖に取り込むことで長鎖分岐含有ポリマーを合成する。
【0085】
また、ポリマーのビニル末端数は、H−NMR、13C−NMRまたはFT−IR等で求められることは、当該技術者には広く知られており、例えば、FT−IRでは、ビニル末端(CH=CH)は908cm−1の吸収により、その存在および量が確認できる。
【0086】
さらに、オレフィン重合体の長鎖分岐数は、主鎖メチレン炭素(化学シフト:30ppm)1,000個当たりの個数として、α−炭素(34.6ppm)およびβ−炭素(27.3ppm)のピークの平均値から求めることが出来る。本発明で製造されるポリエチレンの長鎖分岐数は、13C−NMR測定で検出されるヘキシル基以上の分岐の数であり、1,000個の炭素原子当たり0.01個以上3個以下であり、好ましくは0.01個以上1個以下であり、さらに好ましくは0.01個以上0.2個未満である。
【発明の効果】
【0087】
本発明の特定の触媒系を用いたポリオレフィンの製造方法によれば、長鎖分岐数の多いポリオレフィンを効率良く製造することが可能である。特に、重合活性が高いため、工業的にも運用が可能である。
【実施例】
【0088】
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
【0089】
反応はすべて不活性ガス雰囲気下で行い、反応に用いた溶媒は、すべて予め公知の方法により精製、乾燥または脱酸素を行った。有機遷移金属化合物の同定には、H−NMR(日本電子社製 GSX−270型 NMR測定装置)を用いて行った。得られたオレフィン重合体の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。GPC装置としては東ソー(株)製 HLC−8121GPC/HTを用い、カラムとしては東ソー(株)製 TSKgel GMHHhr−H(20)HTを用い、カラム温度を140℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いて測定した。測定試料は1.0mg/mlの濃度で調製し、0.3ml注入して測定した。分子量の検量線は、ユニバーサルキャリブレーション法により、分子量既知のポリスチレン試料を用いて校正されている。なお、MwおよびMnは直鎖状ポリエチレン換算の値として求めた。メチル末端などのポリマーの末端構造は、FT−IR(PERKIN ELMER社製SPECTRUM ONE)によって測定した。C6鎖以上のポリマー分岐数(長鎖分岐数)は13C−NMR(Varian VNMRS−400)を用いて測定した。
【0090】
実施例1
[ジメチルシリレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドの合成]
窒素気流下、−78℃に冷却した臭化アリル(6.988g,57.76mmol)のTHF(240ml)溶液に、CpNaのTHF溶液(2.26M/48.13mmol)をゆっくり滴下した。室温まで自然昇温し、終夜撹拌した後、セライト濾過をし、再度−78℃まで冷却し、n−BuLiのヘキサン溶液(1.65M/57.76mmol)をゆっくり加えた。室温まで自然昇温し、終夜撹拌した後、溶媒留去を行い、ヘキサン洗浄を2回行った。得られた黄白色固体をTHFに溶解させ、−78℃まで冷却したジクロロジメチルシラン(31.06g,240.65mmol)のヘキサン溶液(300ml)に滴下した。室温まで自然昇温し、終夜撹拌した後、溶媒留去を行い、再度THFに溶解させ、再度−78℃まで冷却し、CpNaのTHF溶液(2.1M/57.76mmol)をゆっくり滴下した。室温まで自然昇温し、終夜撹拌した後、1Nの塩酸でクエンチし、ヘキサン抽出、飽和食塩水洗浄、硫酸マグネシウムによる乾燥後、溶媒を留去した。シリカゲルカラムで精製し、黄色オイル(5.823g,25.49mmol)として配位子を得た。
【0091】
上述の方法で得た配位子(4.44g,19.5mmol)のトルエン(200ml)溶液に、THF(15.9ml)を添加し、−78℃に冷却してn−BuLiのヘキサン溶液(1.65mol/42.8mmol)をゆっくり滴下した。室温で終夜撹拌した後、再度−78℃まで冷却し、四塩化ジルコニウム(4.53g,19.5mmol)のトルエン懸濁液(40ml)を加えた。反応液を室温まで自然昇温し、終夜撹拌した後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をトルエンで抽出し、セライトを用いて不溶物を濾過後、得られた溶液を減圧下で濃縮したところ橙色粘性オイルとなった。多量のヘキサンで抽出し、抽出液を溶媒留去後、ヘキサンで洗浄し、黄白色固体として目的とする化合物(3.23g,8.31mmol)を得た。
【0092】
H−NMR(重クロロホルム、δ(ppm)):0.69(3H)、0.72(3H)、3.42(2H)、5.03(1H)、5.08(1H)、5.54(1H)、5.83(1H)、5.92(2H)、5.98(1H)、6.60(1H)、6.94(1H)、7.03(1H).
[ジフェニルメチレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(2,7−tert−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドの合成]
窒素気流下、−80℃に冷却したジフェニルメチレン(シクロペンタジエン)(2,7−tert−ブチル−9−フルオレン)(5.48g,10.78mmol)のTHF(80ml)溶液に、n−BuLiのヘキサン溶液(11.85mmol)をゆっくり滴下した。−80℃で2時間撹拌した後、ジメチルクロロシラン(5.10g,53.9mmol)を加えた。この反応液を室温まで自然昇温し、終夜撹拌した後、溶媒留去を行った。メタノールで洗浄し、白色固体として配位子(4.91g,8.67mmol)を得た。
【0093】
上述の方法で得た配位子(4.91g,8.67mmol)のトルエン(130ml)溶液にTHF(11ml)を加えた後、−78℃下でn−BuLiのヘキサン溶液(19.07mmol)をゆっくり滴下した。この反応液を室温まで自然昇温し、終夜撹拌した後、再度−78℃下に冷却し、四塩化ジルコニウム(2.02g,8.67mmol)のトルエン懸濁液(20ml)を加えた。反応液を室温まで自然昇温し、終夜撹拌した後、溶媒留去した。塩化メチレンを加え、セライトを用いて不溶物を濾過した。得られた溶液を減圧下で濃縮し、さらにヘキサンで洗浄を行い、橙桃色固体として目的とする化合物(2.49g,3.43mmol)を得た。
【0094】
H−NMR(重クロロホルム、δ(ppm)):0.18−0.21(6H)、1.01(18H)、4.25(1H)、5.62(1H)、5.85(1H)、6.27(1H)、6.31(1H)、6.39(1H)、7.22−7.36(4H)、7.40−7.48(2H)、7.55−7.59(2H)、7.84−7.87(2H)、7.94−8.03(4H).
[二核有機遷移金属化合物(27)の合成]
【0095】
【化18】

窒素気流下、上述の方法で得たジメチルシリレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド(0.44g、1.13mmol)をトルエン(20ml)に溶かし、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン白金(0)のキシレン溶液(〜2%白金)を5滴添加し、5分間室温で撹拌した。この溶液を上述の方法で得たジフェニルメチレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(2,7−tert−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(0.823g、1.13mmol)のトルエン溶液(40ml)に滴下し、100℃で29.5時間撹拌を行った。溶媒を留去し、ヘキサンで洗浄を行い、灰紫色固体として目的とする二核有機遷移金属化合物(27)(0.341g,0.34mmol)を得た。
【0096】
H−NMR(重クロロホルム、δ(ppm)):0.05(3H)、0.10(3H)、0.60−0.72(6H)、1.01(18H)、1.25(2H)、1.32(2H)、2.59−2.61(2H)、5.50(1H)、5.57(1H)、5.82(2H)、5.88(1H)、5.95(1H)、6.26−6.30(2H)、6.35(1H)、6.53(1H)、6.89(1H)、6.99(1H)、7.29−7.32(2H)、7.43−7.46(2H)、7.54−7.60(2H)、7.83−7.85(2H)、7.92−8.00(6H)
実施例2
[ジメチルシリレン(3−(5−ヘキセニル)−シクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドの合成]
窒素気流下、−78℃に冷却した6−ブロモ−1−ヘキセン(4.47g,27.42mmol)のTHF(270ml)溶液に、CpNaのTHF溶液(2.26M/32.90mmol)をゆっくり滴下した。室温まで自然昇温し、終夜撹拌した後、氷水(300ml)でクエンチし、ヘキサン抽出、飽和食塩水洗浄、硫酸マグネシウム乾燥後、溶媒を留去した。得られた黄色オイル(3.02g,20.36mmol)をTHF(70ml)に溶解させ、−78℃まで冷却し、n−BuLiのヘキサン溶液(1.65M/24.43mmol)をゆっくり加えた。室温まで自然昇温し、終夜撹拌した後、−78℃まで冷却したジメチルジクロロシラン(13.14g,101.8mmol)のヘキサン(200ml)溶液に滴下した。室温まで自然昇温し、終夜撹拌した後、溶媒留去を行い、再度THF(250ml)を加え、−78℃まで冷却し、CpNaのTHF溶液(2.26M/24.43mmol)をゆっくり滴下した。室温まで自然昇温し、終夜撹拌した後、1Nの塩酸でクエンチし、ヘキサン抽出、飽和食塩水洗浄、硫酸マグネシウムによる乾燥後、溶媒を留去した。シリカゲルカラムで精製し、黄色オイル(4.89g,18.08mmol)として配位子を得た。
【0097】
上述の方法で得た配位子(1.99g,7.37mmol)のトルエン(100ml)溶液に、THF(6.0ml)を添加し、−78℃に冷却してn−BuLiのヘキサン溶液(1.65mol/16.22mmol)をゆっくり滴下した。室温で終夜撹拌した後、再度−78℃まで冷却し、四塩化ジルコニウム(1.72g,7.37mmol)のトルエン懸濁液(45ml)を加えた。反応液を室温まで自然昇温し、終夜撹拌した後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をトルエンで抽出し、セライトを用いて不溶物を濾過後、得られた溶液を減圧下で濃縮したところ橙色粘性オイルとなった。ヘキサンで抽出し、白色固体として目的とする化合物(2.16g,5.02mmol)を得た。
【0098】
H−NMR(重クロロホルム、δ(ppm)):0.68(3H)、0.71(3H)、1.53(2H)、2.03(4H)、2.66(2H)、4.93(2H)、5.52(1H)、5.81(1H)、5.82(1H)、5.90(1H)、5.96(1H)、6.58(1H)、6.92(1H)、7.01(1H).
[二核有機遷移金属化合物(28)の合成]
【0099】
【化19】

窒素気流下、上述の方法で得たジメチルシリレン(3−(5−ヘキセニル)−シクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド(0.68g、1.58mmol)をトルエン(28ml)に溶かし、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン白金(0)のキシレン溶液(〜2%白金)を7滴添加し、5分間室温で撹拌した。この溶液を実施例1で得たジフェニルメチレン(3−ジメチルシリルシクロペンタジエニル)(2,7−tert−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(1.15g、1.58mmol)のトルエン溶液(56ml)に滴下し、100℃で24時間撹拌を行った。溶媒を留去し、ヘキサンで洗浄を行い、灰紫色固体として目的とする二核有機遷移金属化合物(28)(0.64g,0.61mmol)を得た。
【0100】
H−NMR(重クロロホルム、δ(ppm)):0.05−0.11(6H)、0.61−0.72(6H)、1.01(18H)、1.24(4H)、1.49−1.62(2H)、2.34(4H)、2.64(2H)、5.38−5.70(3H)、5.81−5.98(4H)、6.26−6.37(2H)、6.52−6.58(1H)、6.91(1H)、7.01(1H)、7.14−7.17(2H)、7.21−7.36(2H)、7.44(2H)、7.54−7.61(2H)、7.84−8.02(6H).
実施例3
[メチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドの合成]
窒素気流下、−78℃に冷却したシクロペンタジエン(7.67g,116.04mmol)のTHF(300ml)溶液に、n−BuLiのヘキサン溶液(127.64mmol)をゆっくり滴下した。室温まで自然昇温し、終夜撹拌した後、再度−78℃まで冷却し、メチルジクロロシラン(6.67g,58.02mmol)のTHF溶液(90ml)をゆっくり加えた。この反応液を室温まで自然昇温し、終夜撹拌した後、溶媒留去を行った。ヘキサンを加えセライト濾過し、溶媒を留去した。淡黄色オイルとして配位子(9.26g,53.14mmol)を得た。
【0101】
上述の方法で得た配位子(8.41g,48.25mmol)のTHF(420ml)溶液に、n−BuLiのヘキサン溶液(106.16mmol)を−78℃下でゆっくり滴下した。室温で終夜撹拌した後、溶媒を留去し、トルエン450mLを加え再度−78℃まで冷却し、四塩化ジルコニウム(11.24g,48.25mmol)のトルエン懸濁液(150ml)を加えた。反応液を室温まで自然昇温し、終夜撹拌した後、セライトを用いて不溶物を濾過した。得られた溶液を減圧下で濃縮し、さらにTHF/ヘキサン溶液で洗浄を行い、淡緑白色固体として目的とする化合物(2.18g,6.52mmol)を得た。
【0102】
H−NMR(重クロロホルム、δ(ppm)):0.74(3H)、5.07(1H)、5.92(2H)、5.98(2H)、6.87(4H).
[ジフェニルメチレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(2,7−tert−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドの合成]
窒素気流下、−80℃に冷却したジフェニルメチレン(シクロペンタジエン)(2,7−tert−ブチル−9−フルオレン)(3.51g,6.91mmol)のTHF(60ml)溶液に、n−BuLiのヘキサン溶液(7.60mmol)をゆっくり滴下した。室温まで自然昇温し、終夜撹拌した後、再度−80℃まで冷却し、臭化アリル(0.85g,7.02mmol)をゆっくり加えた。この反応液を室温まで自然昇温し、終夜撹拌した後、溶媒留去を行った。塩化メチレンで抽出し、メタノールで洗浄を行い、淡黄白色固体として配位子(3.24g,5.91mmol)を得た。
【0103】
上述の方法で得た配位子(3.24g,5.91mmol)のトルエン(100ml)溶液に、THF(2ml)を添加し、n−BuLiのヘキサン溶液(13.00mmol)を−40℃下でゆっくり滴下した。この反応液を室温まで自然昇温し、終夜撹拌した後、再度−40℃に冷却し、四塩化ジルコニウム(1.44g,6.18mmol)のトルエン懸濁液(60ml)を加えた。反応液を室温まで自然昇温し、終夜撹拌した後、溶媒留去した。塩化メチレンを加え、セライトを用いて不溶物を濾過した。得られた溶液を減圧下で濃縮し、さらにヘキサンで洗浄を行い、橙色固体として目的とする化合物(2.75g,3.61mmol)を得た。
【0104】
H−NMR(重クロロホルム、δ(ppm)):0.99(18H)、3.14(2H)、5.00−5.05(2H)、5.33(1H)、5.59(1H)、5.85(1H)、6.03(1H)、6.26−6.30(2H)、7.22−7.43(6H)、7.45−7.60(2H)、7.85−8.06(6H).
[二核有機遷移金属化合物(29)の合成]
【0105】
【化20】

窒素気流下、上述の方法で得たジフェニルメチレン(3−アリルシクロペンタジエニル)(2,7−tert−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(0.28g、0.40mmol)のトルエン溶液(5ml)に、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン白金(0)のキシレン溶液(〜2%白金)を2滴添加し、5分間室温で撹拌した。この溶液を上述の方法で得たメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド(0.134g、0.40mmol)のトルエン溶液(10ml)に滴下し、100℃で15時間撹拌を行った。溶媒を留去し、ヘキサンで洗浄を行い、肌色固体として目的とする二核有機遷移金属化合物(29)(0.169g,0.162mmol)を得た。
【0106】
H−NMR(重クロロホルム、δ(ppm)):0.67(3H)、1.01(18H)、1.26(2H)、1.85(2H)、2.56(2H)、5.31(1H)、5.63(1H)、5.93(4H)、6.06(1H)、6.27−6.31(2H)、6.91−6.94(5H)、7.29−7.41(4H)、7.56(3H)、7.86−−8.07(6H).
実施例4
[成分(b)(変性粘土鉱物)の調製]
水350mlにエタノール150mlと37%濃塩酸8.3mlを加えた後、得られた溶液にN,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン29.8g(0.1mol)を添加し、60℃に加熱することによって、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン塩酸塩溶液を調製した。この溶液にヘクトライト100gを加えた。この懸濁液を60℃で3時間撹拌し、上澄み液を除去した後、60℃の水1lで洗浄した。その後、60℃、10−3torrで24時間乾燥し、ジェットミルで粉砕することによって、平均粒径5.2μmの変性ヘクトライトを得た。
[触媒調製]
上記[成分(b)(変性粘土鉱物)の調製]で得た変性ヘクトライト2.0gに、ヘキサン10.0mlを添加し、室温で30分間攪拌することによって、成分(b)のヘキサン懸濁液を調製した。一方、実施例1[二核有機遷移金属化合物(27)の合成]で得た二核有機遷移金属化合物(27)40.1mg(40μmol)に、n−ヘキサン12.7mlとトリエチルアルミニウムのヘキサン溶液(1.2M)3.3mlを添加し、室温で30分間攪拌することによって、成分(a)と成分(c)の接触生成物を得た。前記成分(b)のヘキサン懸濁液全量に、上記成分(a)と成分(c)の接触生成物全量を添加し、60℃で3時間攪拌して、成分(a)と成分(b)と成分(c)の接触生成物を得た。得られた接触生成物をトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(1wt%)20mlで2回洗浄し、さらにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(5wt%)を添加し全量20mlの触媒スラリーを調製した。この触媒スラリー1mlをヘキサン9mlで希釈し、触媒スラリー(0.4μmolZr/ml)を得た。
[エチレン重合]
2lのオートクレーブに、ヘキサンを1200mlとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.34mol/l)1.0mlを導入し、オートクレーブの内温を85℃に昇温した。次に、上記[触媒調製]で調製した触媒スラリー3.0ml(Zr:1.2μmolに相当する)を添加し、エチレンを分圧が0.9MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、エチレン分圧が0.9MPaに保たれるように、エチレンを連続的に導入した。また、重合温度を85℃に制御した。重合開始90分後に、オートクレーブの内圧を0MPaまで脱圧した後、オートクレーブの内容物をろ過し、得られたポリエチレンを12時間乾燥した。結果として、161.5gのポリエチレンを得た。得られたポリマーのMFRは0.30g/10分であった。また、GPCより求めた数平均分子量(Mn)は19,200であり、分子量分布(Mw/Mn)は6.9であった。また、FT−IR測定により、メチル末端数は検出限界以下、ビニル末端数は0.15個/1000C、トランスビニレン数は0.20個/1000C、ビニリデン数は0.01個/1000Cであった。13C−NMRから求められる長鎖分岐数は0.10個/1000Cであった。
【0107】
実施例5
[触媒調製]
二核有機遷移金属化合物(27)の代わりに、実施例2[二核有機遷移金属化合物(28)の合成]で得た二核有機遷移金属化合物(28)を用いた以外は、実施例4の[触媒調製]と同様の方法で触媒スラリーの調製を行った。
[エチレン重合]
上述の[触媒調製]で調製したスラリー1.5ml(Zr:0.6μmolに相当する)を用いて、実施例4の[エチレン重合]と同様の方法でエチレン重合を行い、254.1gのポリエチレンを得た。得られたポリマーのMFRは0.33g/10分であった。また、GPCより求めた数平均分子量(Mn)は21,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は6.6であった。また、FT−IR測定により、メチル末端数は検出限界以下、ビニル末端数は0.13個/1000C、トランスビニレン数は0.20個/1000C、ビニリデン数は0.01個/1000Cであった。13C−NMRから求められる長鎖分岐数は0.10個/1000Cであった。
【0108】
実施例6
[触媒調製]
二核有機遷移金属化合物(27)の代わりに、実施例3[二核有機遷移金属化合物(29)の合成]で得た二核有機遷移金属化合物(29)を用い、触媒スラリー濃度を0.8μmolZr/mlとした以外は、実施例4の[触媒調製]と同様の方法で触媒スラリーの調製を行った。
[エチレン重合]
2lのオートクレーブに、ヘキサンを1200mlとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.34mol/l)1.0mlを導入し、オートクレーブの内温を70℃に昇温した。次に、上記[触媒調製]で調製した触媒スラリー3.0ml(Zr:2.4μmolに相当する)を添加し、エチレンを分圧が0.8MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、エチレン分圧が0.8MPaに保たれるように、エチレンを連続的に導入した。また、重合温度を70℃に制御した。重合開始90分後に、オートクレーブの内圧を0MPaまで脱圧した後、オートクレーブの内容物をろ過し、得られたポリエチレンを12時間乾燥した。結果として、50.0gのポリエチレンを得た。得られたポリマーのMFRは測定不可能であった。また、FT−IR測定により、メチル末端数は検出限界以下、ビニル末端数は検出限界以下、トランスビニレン数は0.05個/1000C、ビニリデン数は検出限界以下であった。
[エチレン/ブテン共重合]
2lのオートクレーブに、ヘキサンを1200mlとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.34mol/l)1.0mlを導入し、オートクレーブの内温を70℃に昇温した。次に、上記[触媒調製]で調製した触媒スラリー2.0ml(Zr:1.6μmolに相当する)を添加し、ブテン12.6gと水素濃度3100ppmのエチレンを分圧が0.8MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、エチレン分圧が0.8MPaに保たれるように、エチレンを連続的に導入した。また、重合温度を70℃に制御した。重合開始90分後に、オートクレーブの内圧を0MPaまで脱圧した後、オートクレーブの内容物をろ過し、得られたポリエチレンを12時間乾燥した。結果として、71.6gのポリエチレンを得た。得られたポリマーのMFRは1.2g/10分であった。また、13C−NMRから求められる長鎖分岐数は0.10個/1000Cであった。
【0109】
実施例7
[触媒調製]
実施例4の[成分(b)(変性粘土鉱物)の調製]で得た変性ヘクトライト2.0gに、ヘキサン10.0mlを添加し、室温で30分間攪拌することによって、成分(b)のヘキサン懸濁液を調製した。一方、公知の方法で合成した成分(d)であるジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド22.3mg(64μmol)に、n−ヘキサン20.3mlとトリエチルアルミニウムのヘキサン溶液(1.2M)5.3mlを添加し、室温で30分間攪拌することによって、成分(d)と成分(c)の接触生成物を得た。前記成分(b)のヘキサン懸濁液全量に、上記成分(d)と成分(c)の接触生成物全量を添加し、60℃で3時間攪拌して、成分(b)と成分(c)と成分(d)の接触生成物を得た。得られた接触生成物をトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(1wt%)20mlで2回洗浄し、さらにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(5wt%)を添加し全量20mlの触媒スラリーを調製した。
【0110】
さらに、成分(a)である、二核有機遷移金属化合物(27)8.0mg(8.0μmol)をヘキサン2.1mL、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.708M)1.1mLの混合溶液を触媒前駆スラリーに添加後、45℃で6時間撹拌して、成分(a)と成分(b)と成分(c)と成分(d)の接触生成物を得た。得られた接触生成物をトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(1wt%)20mlで2回洗浄し、さらにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(5wt%)を添加し全量20mlの触媒を調製した。この触媒スラリー1mlをヘキサン9mlで希釈し、触媒スラリー(0.4μmolZr/ml)を得た。
[エチレン重合]
2lのオートクレーブに、ヘキサンを1200mlとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.34mol/l)1.0mlを導入し、オートクレーブの内温を85℃に昇温した。次に、上記[触媒調製]で調製した触媒スラリー3.0ml(Zr:1.20μmolに相当する)を添加し、エチレンを分圧が0.9MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、エチレン分圧が0.9MPaに保たれるように、エチレンを連続的に導入した。また、重合温度を85℃に制御した。重合開始90分後に、オートクレーブの内圧を0MPaまで脱圧した後、オートクレーブの内容物をろ過し、得られたポリエチレンを12時間乾燥した。結果として、133.3gのポリエチレンを得た。得られたポリマーのMFRは37.4g/10分であった。また、GPCより求めた数平均分子量(Mn)は10,900であり、分子量分布(Mw/Mn)は7.5であった。また、FT−IR測定により、メチル末端数は2.70個/1000C、ビニル末端数は0.49個/1000C、トランスビニレン数は0.23個/1000C、ビニリデン数は0.02個/1000Cであった。13C−NMRから求められる長鎖分岐数は0.13個/1000Cであった。
【0111】
実施例8
[触媒調製]
実施例3の[成分(b)(変性粘土鉱物)の調製]で得た変性ヘクトライト2.0gに、ヘキサン10.0mlを添加し、室温で30分間攪拌することによって、成分(b)のヘキサン懸濁液を調製した。一方、成分(a)である二核有機遷移金属化合物(27)8.03mg(8μmol)と公知の方法で合成した成分(d)であるジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド22.3mg(64μmol)に、n−ヘキサン25.3mlとトリエチルアルミニウムのヘキサン溶液(1.2M)6.7mlを添加し、室温で30分間攪拌することによって、成分(a)と成分(d)と成分(c)の接触生成物を得た。前記成分(b)のヘキサン懸濁液全量に、上記成分(a)と成分(d)と成分(c)の接触生成物25.7mlを添加し、60℃で3時間攪拌して、成分(a)と成分(b)と成分(c)と成分(d)の接触生成物を得た。得られた接触生成物をトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(1wt%)20mlで2回洗浄し、さらにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(5wt%)を添加し全量20mlの触媒スラリーを調製した。この触媒スラリー1mlをヘキサン9mlで希釈し、触媒スラリー(0.4μmolZr/ml)を得た。
[エチレン重合]
2lのオートクレーブに、ヘキサンを1200mlとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.34mol/l)1.0mlを導入し、オートクレーブの内温を85℃に昇温した。次に、上記[触媒調製]で調製した触媒スラリー3.0ml(Zr:1.20μmolに相当する)を添加し、エチレンを分圧が0.9MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、エチレン分圧が0.9MPaに保たれるように、エチレンを連続的に導入した。また、重合温度を85℃に制御した。重合開始90分後に、オートクレーブの内圧を0MPaまで脱圧した後、オートクレーブの内容物をろ過し、得られたポリエチレンを12時間乾燥した。結果として、153.2gのポリエチレンを得た。得られたポリマーのMFRは7.2g/10分であった。また、GPCより求めた数平均分子量(Mn)は11,300であり、分子量分布(Mw/Mn)は7.8であった。また、FT−IR測定により、メチル末端数は2.38個/1000C、ビニル末端数は0.42個/1000C、トランスビニレン数は0.23個/1000C、ビニリデン数は0.02個/1000Cであった。13C−NMRから求められる長鎖分岐数は0.12個/1000Cであった。
【0112】
比較例1



[触媒調製]
上記変性ヘクトライト4.0gをヘキサン10mlに懸濁させ、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)17mlを添加し、60℃で1時間攪拌することによって、成分(b)と成分(c)の接触生成物を得た。一方、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド55.8mg(160μmol)をヘキサン4mLに懸濁させたものにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)6mlを添加し、その溶液を成分(b)と成分(c)の接触生成物へ添加した。60℃で3時間攪拌した後、静置して上澄み液を除去、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.03M)で洗浄した。さらにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.15M)を添加して触媒前駆体スラリー(100g/l)とした。
【0113】
上記で調製した触媒前駆体スラリーに、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドに対して5mol%の(2,7−ジ−tert−ブチル−9−フルオレニル)4.7mg(8.4μmol)をヘキサン7.2ml、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)1.2mlの溶液を添加して室温で6時間撹拌した。静置して上澄み液を除去、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.03M)で洗浄し、さらにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.15M)を添加して最終的に100g/lの触媒スラリーを得た。
[エチレン重合]
2lオートクレーブに、ヘキサン1,200mlとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)1.0mlを導入し、オートクレーブの内温を85℃に昇温した。このオートクレーブに、上記触媒スラリー0.4mlを添加し、エチレンを分圧が1.2MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、分圧が1.2MPaに保たれるようにエチレンを連続的に導入した。また、重合温度を85℃に制御した。重合開始90分後にオートクレーブの内圧を脱圧した後、内容物を吸引ろ過した。乾燥後、174gのポリエチレンを得た。得られたポリマーのMFRは1.63g/10分であった。また、GPCより求めた数平均分子量(Mn)は11,500であり、分子量分布(Mw/Mn)は10.7であった。13C−NMRから求められる長鎖分岐数は0.07個/1000Cであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)
[A]−Q−[B] (1)
(式中、[A]は、下記一般式(2)
【化1】

[ここで、Mはチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、Xは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基または炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基であり、RおよびRは下記一般式(3)または(4)
【化2】

(ここでRは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基または炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基である。)で示される配位子であり、RおよびRはMとともにサンドイッチ構造を形成し、Rは下記一般式(5)
【化3】

(ここでRは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基または炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基であり、Yは炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子または錫原子である。)で示され、RおよびRを架橋するように作用しており、RまたはRの1つが架橋基Qとの結合部位を示す。lは1から5の整数である。]で表されることを特徴とする有機遷移金属化合物を示し、[B]は、下記一般式(6)
【化4】

[ここで、Mはチタニウム原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、Xは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基または炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基であり、Rは下記一般式(7)または(8)
【化5】

(ここでRは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基または炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基であり、Rの1つが架橋基Qとの結合部位を示す。)
で示され、Rは下記一般式(9)
【化6】

(ここでR10は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基または炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基である。)
で示される配位子であり、RおよびRはMとともにサンドイッチ構造を形成し、Rは下記一般式(10)
【化7】

(ここでR11は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基または炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基であり、Yは炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子または錫原子である。)
で示され、RおよびRを架橋するように作用している。mは1から5の整数である。]
で表されることを特徴とする有機遷移金属化合物を示し、Qは、炭素数1〜20の炭化水素基、または炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基を示しており、[A]と[B]を架橋する基を示す。)で表されることを特徴とする二核有機遷移金属化合物。
【請求項2】
下記一般式(11)
【化8】

で表されることを特徴とする請求項1に記載の二核有機遷移金属化合物。
【請求項3】
下記一般式(12)
【化9】

で表されることを特徴とする請求項1に記載の二核有機遷移金属化合物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の(a)二核有機遷移金属化合物及び(b)活性化助触媒からなることを特徴とするオレフィン重合用触媒。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載の(a)二核有機遷移金属化合物、(b)活性化助触媒及び(c)下記一般式(24)
20Al (24)
(式中、R20は炭素数1〜20の炭化水素基である。)
で表される有機アルミニウム化合物からなることを特徴とするオレフィン重合用触媒。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれかに記載の(a)二核有機遷移金属化合物、(d)下記一般式(13)
【化10】

[ここで、Mはチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、Xは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基または炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基であり、R12およびR13は下記一般式(14)、(15)
【化11】

(ここでR15は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基または炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基である。)で示される配位子であり、R12およびR13はMとともにサンドイッチ構造を形成し、R14は下記一般式(16)
【化12】

(ここでR16は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基または炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基であり、Yは炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子または錫原子である。)で示され、R12およびR13を架橋するように作用しており、nは1から5の整数である。]で表される有機遷移金属化合物、(b)活性化助触媒、及び必要に応じて(c)下記一般式(24)
20Al (24)
(式中、R20は炭素数1〜20の炭化水素基である。)
で表される有機アルミニウム化合物からなるオレフィン重合用触媒。
【請求項7】
(b)活性化助触媒が変性粘土鉱物であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒
【請求項8】
(b)活性化助触媒が下記一般式(17)
[R1718y−1H][A] (17)
(式中、[R1718y−1H]はカチオンであり、Hはプロトンであり、Mは周期表の第15族または第16族から選ばれる元素であり、R17は炭素数1〜30の炭化水素基であり、R18は各々独立して水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基であり、yは、Mが第15族元素のときy=3であり、Mが第16族元素のときy=2であり、[A]はアニオンであり、aおよびbは電荷が釣り合うように選ばれた整数である。)
で表される有機化合物で処理された変性粘土鉱物であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒。
【請求項9】
(b)活性化助触媒が下記一般式(18)および/または(19)
【化13】

(但し、R19は互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基であり、qは2〜50の整数である。)
で表される有機アルミニウムオキシ化合物であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒。
【請求項10】
(b)活性化助触媒が下記一般式(20)ないし(23)
[HL][G(Ar)] (20)
[DL][G(Ar)] (21)
[E][G(Ar)] (22)
G(Ar) (23)
(式中、Hはプロトンであり、Gはホウ素原子またはアルミニウム原子である。Lはルイス塩基、Lはルイス塩基またはシクロペンタジエニル基である。Dはリチウム、鉄または銀から選ばれる金属の陽イオンであり、Eはカルボニウムカチオンまたはトロピニウムカチオンである。Arは炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。lは0〜2の整数である。)で表される化合物であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒。
【請求項11】
請求項4〜10のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒を用いてオレフィン重合を行うことを特徴とするポリオレフィンの製造方法。

【公開番号】特開2010−280590(P2010−280590A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−133801(P2009−133801)
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】