説明

木製板部材並びに机、椅子及び箱状物

【課題】 割れ、隙間、ねじれの発生などを効果的に防止して、木材特有の美観、剛性などの経時的な低下を阻止し、デザイン上の多様性に富み、本来木材が備え持つ良好な耐久性を維持して、屋外使用も最適である、木製板部材並びに机、椅子及び箱状物を提供する。
【解決手段】 木製駒部材15の頭部15aに、長手方向の一端から他端に延び、長方形の断面形状を有する案内溝15bを設け、任意の柱状木材12の接合面に、木製駒部材15の頭部15aと摺動可能な状態で嵌合する第一の嵌合凹部12bを設け、かつ木製支持部材14に、木製駒部材15の胴部と嵌合する第二の嵌合凹部を設け、木製駒部材15の頭部15aを第一の嵌合凹部12bに嵌合した後、木製ダボ13を介装し、隣接する柱状木材12,12を密着接合して、木製板材11を形成し、その後、木製駒部材15の胴部を第二の嵌合凹部に嵌合して固定した木製板部材10などにより、課題を達成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金具及び接着剤を一切用いず、木材が備え持つ良好な耐久性を維持した、複数の柱状木材を密着結合して形成される木製板部材並びにこの木製板部材を使用した机、椅子及び箱状物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、金具及び接着剤を一切使用しない木組み構造で成立する木工製品は、それだけで価値があり、日本人の感性に合致して、使用する場所により、付加価値が高くなったりする。
【0003】
木組み構造の木工製品としては、例えば、特許文献1に開示されているように、ダボ穴を開けた柱状木材にダボを打ち込み、隣接する柱状木材を密着接合して形成される木製構成部材を天板として使用した飾り台などが知られている。
【0004】
複数の柱状木材を密着接合した木製板材の反りを防止するために、木製板材の裏面において、密着接合した方向と垂直方向に支え板(支持部材)を固着することも一般的に行われている。例えば、密着接合した木製板材の裏面に蟻溝を設け、支え板の一方の先端部分に蟻溝と結合する蟻形状突起を形成し、蟻溝に蟻形状突起を結合して、木製板材に支え材を固着する伝統的な方法(蟻継)、接着剤を用いて、密着接合した木製板材の裏面に支え板を直接固着する方法、木ねじやボルト、L型金具、二面コーナー金具、フック係合金具などの金具を用いて、密着接合した木製板材の裏面に支え材を固着する方法などが用いられている。
【0005】
一方、硬質広葉樹を使用した木工製品は、特有の雰囲気があり、かつ非常に耐久性が良好で、野外使用も可能であるため、製品の魅力は、他の木材に比べ、一層高いといえる。
【0006】
ところが、硬質広葉樹を使用して木工製品を製造する場合には、製造後の環境の変化等に起因した、材料の伸縮や経時変化という困難な克服課題に直面する。即ち、木材は、室内外の湿気を吸脱着するため、季節、気温、湿気により伸縮する他、経年変化もするが、特に、硬質広葉樹の伸縮率や経年変化は、他の木材に比べ、桁違いに大きい。また、木材の伸縮率についても、縦(長さ)方向と、横(幅)方向と、高さ(厚さ)方向とでも異なるが、硬質広葉樹の縦方向と、横方向と、高さ方向の伸縮率の違いは、他の木材に比べ、著しく大きいため、材料を加工した後の狂いが桁違いに大きく、まるで暴れ馬のようである。
【0007】
それ故、複数の硬質広葉樹を密着接合した板材の裏面に支え材を固着した場合、板材と支え材の密着接合面には、他の木材に比べ、かなり強い応力が発生してしまうことになる。
【特許文献1】実用新案登録第3091880号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、接着剤を用いて直接固着した場合や木ねじを使って固く固定した場合には、密着結合面に発生する応力を逃がすことができないため、時間の経過と共に割れや隙間が発生し、その結果、例え使用が可能であっても、美観を損ね、見栄えが悪くなり、短期間で飽きることも多々あるだけでなく、ガタが出てきて、本来木材が備え持つ良好な耐久性を低下させてしまうという問題点があった。
【0009】
また、接着剤を用いて直接固着した場合には、屋外で雨にさらされると、比較的短期間で接着が劣化し、材料自体に剥がれが生じるという問題点もあった。
【0010】
一方、伝統的な蟻継の場合には、応力を逃がすことは可能であるが、蟻溝が見えること等のデザイン上の多様性に欠ける問題点があり、木材の長手方向と幅方向との伸縮率の差により、蟻溝と蟻形状突起のそれぞれの角度が異なってくるため、時間の経過と共に、隙間が大きくなり、ガタも大きくなるという問題点もあった。
【0011】
また、金具を用いて固着した場合には、応力を逃がすことは容易であるが、雰囲気が悪くなること等により価値観が下がるだけでなく、屋外に置いておくと、数年で金属が錆びてネジ等が折れたり、木材と金属とが接触している部分の腐食が激しく進行してネジ等にガタが出たりすることで、剛性を保てなくなるという問題点もあり、木材同士を金属で固定した場合には、木材の変形により応力が生じ、全体がねじれたり、割れが発生したり、隙間ができたりして、本来木材が備え持つ良好な耐久性をさらに低下させてしまう要因となるという問題点もあった。
【0012】
本発明の目的とするところは、割れ、隙間、ねじれの発生などを効果的に防止して、木材特有の雰囲気、美観、剛性などの経時的な低下を十分阻止すると共に、デザイン上の多様性に富み、本来木材が備え持つ良好な耐久性を維持し、屋外使用にも最適である、木製板部材並びにこの木製板部材を使用した机、椅子及び箱状物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の発明者は、前記課題を解決するため、鋭意検討を重ねた結果、木製駒部材の頭部に、長手方向の一端から他端に延び、長方形の断面形状を有する案内溝を設け、任意の柱状木材の接合面に、木製駒部材の頭部と摺動可能な状態で嵌合する第一の嵌合凹部を設け、かつ木製支持部材に、木製駒部材の胴部と嵌合する第二の嵌合凹部を設け、木製駒部材の頭部を第一の嵌合凹部に嵌合した後、木製ダボを介装し、隣接する柱状木材を密着接合して、木製板材を形成し、その後、木製駒部材の胴部を第二の嵌合凹部に嵌合して固定し、木製板材と木製支持部材とを摺動可能な状態で係合させた木製板部材などが上記目的を達成することを見出し、本発明をするに至った。
【0014】
即ち、本発明の木製板部材は、複数の柱状木材を並べ、隣接する柱状木材に木製ダボを介装して密着接合した木製板材と、該木製板材を支持するための木製支持部材と、該木製板材と該木製支持部材を摺動可能な状態で係合するための木製駒部材とを備え、前記木製駒部材の頭部には、前記木製駒部材の長手方向の一端から他端に延び、長方形の断面形状を有する案内溝を設け、前記複数の柱状木材のうちの任意の柱状木材の接合面には、前記木製駒部材の頭部と摺動可能な状態で嵌合する第一の嵌合凹部を設け、かつ前記木製支持部材には、前記木製駒部材の胴部と嵌合して固定する第二の嵌合凹部を設け、前記木製駒部材の頭部を前記第一の嵌合凹部に嵌合した後、前記木製ダボを介装し、隣接した柱状木材を密着接合して、木製板材を形成し、その後、前記木製駒部材の胴部を前記第二の嵌合凹部に嵌合して固定し、前記木製板材と前記木製支持部材とを摺動可能な状態で係合させたことを特徴とする。なお、第一の嵌合凹部の長手方向の長さは、木製駒部材の頭部が摺動可能となるようにすべく、木製駒部材の長手方向の長さよりも長くなる。
【0015】
この発明の好適形態においては、前記柱状木材は、硬質広葉樹であり、前記案内溝は、前記木製駒部材の幅方向の両側面に形成される。
【0016】
本発明の机は、前記木製板部材を使用したことを特徴とする。
【0017】
本発明の椅子は、前記木製板部材を使用したことを特徴とする。
【0018】
本発明の箱状物は、前記木製板部材を使用したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の木製板部材は、木製駒部材の頭部に、長手方向の一端から他端に延び、長方形の断面形状を有する案内溝を設け、かつ柱状木材の接合面に、木製駒部材の頭部と摺動可能な状態で嵌合する第一の嵌合凹部を設けているため、柱状木材の接合面に発生する強い応力を木製駒部材の摺動により逃がすことができ、材料を加工した後の狂いが桁違いに大きい硬質広葉樹を柱状木材等に使用した場合には、特に、材料の変形を制御して、非常に長期間に渡り、割れ、隙間、ねじれの発生を非常に効果的に防止することができることから、材料の持つ特有な雰囲気を損なわず、美観や剛性の低下を十分抑制し、本来木材が備え持つ良好な耐久性をより長く維持することができるという利点がある。
【0020】
本発明の木製板部材は、金具、接着剤、蟻継を用いることなく形成されるため、金属と木材との相性の悪さの問題が全く発生せず、屋外使用による接着性や剛性などの低下を十分抑制することができると共に、デザイン上の多様性に富み、木材のもつ特別な機械や工具も必要とせず、安価に作成でき、それに加え、長年の使用により、部分的に修理が必要になった場合であっても、部材を簡単に交換することにより修理が完了するという利点がある。
【0021】
本発明の木製板部材に用いる木製駒部材、第一の嵌合凹部は、完全に外側から見えないため、外見は、美観を損ねる金具もなく、接着剤を用いて接着したような感覚となり、非常に見栄えがよいという利点がある。
【0022】
本発明の木製板部材を使用した机、椅子及び箱状物は、上述した利点を享受することができるため、特別な高級家具に位置づけられ、気温や湿気の変化が激しい野外使用にも最適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。木製板部材10は、複数の柱状木材12,12,12,12を並べ、隣接する柱状木材12,12に木製ダボ13を介装して密着接合した木製板材11と、木製支持部材14と、木製駒部材15とを備える(図1等)。
【0024】
柱状木材12の材質は、一般的に木材と呼ばれているものであれば特に限定されず、例えば、南洋材、国産材、北米材、北欧材、ロシア材(木材の生育した地域による分類)、硬質材、軟質材(木材の硬さによる分類)、広葉樹、針葉樹(葉の形による分類)等が挙げられるが、柱状木材12の長手方向と幅方向の伸縮率の違いにより、柱状木材12の接合面12aに発生する強い応力を効果的に逃がすという発明の効果を十分に発揮するという点から、伸縮率が大きく、変形の程度が極めて高い、硬質広葉樹(特に無垢の状態)が好ましい。ここにいう硬質広葉樹は、平らに広がる葉をもつ樹木から得られる硬質木材で、高い強度を有し、表面の傷がつきにくく、減りも少ない。なお、柱状木材12の材質は、メンバトゥ、ケヤキ、チーク、スリアンバトゥ、カシノキ、マタウラット、アンカシア、ニャトー、紫檀、黒檀、鉄刀木、サペリ、アフリカンマホガニー、ブビンガ、アフロルモシア、アフリカンパドーク、モビンギー、オバンコール、ゼブラノ、ウエンジ、パオロサ、イロコ、マコレ、モアビ、マンソニア、ヨーロピアンオーク、ヨーロピアンビーチ、ヨーロピアンバーチ、ホワイトシカモア、レッドビーチ、台湾樟、ミズナラ、ヤチダモ、アオダモ、クリ、エノキ、エンジュ、コナラ、イヌエンジュ、センダン、ケンポナシ、マカンバ、ダケカンバ、ブナ、イタヤカエデ、ヤマザクラ、シウリザクラ、タブノキ、アサダ、カキノキ、イスノキ、シラカシ、アカガシ、ウォルナット、ヒッコリー、ホワイトオーク、レッドオーク、レッドエルム、ホワイトアッシュ、ハードメープル、ブラジリアンローズウッド、マホガニー、ペローバロサ、パープルハート、タタブ、クーバリル、ワマラなどがより好ましい。なお、柱状木材12の形状は、特に限定されない。
【0025】
木製ダボ13は、隣接した柱状木材12,12を密着接合するために用いる。木製ダボ13の材質は、一般的に用いられるものであれば特に限定されないが、経年変化を少なくすることができる点から、柱状木材12と同じ材質であるのが好ましい。
【0026】
隣接した柱状木材12,12が密着接合する際の接合面12aには、木製ダボ13を介装するためのダボ穴12cを設ける(図2、図4)。ダボ穴12cの形状及び深さは、木製ダボ13を介装するために必要かつ十分なものであればよい。1つの柱状木材12の接合面に設けられるダボ穴12cの個数及び位置は木製板材の強度などにより任意に決定することができる。
【0027】
木製板材11は、隣接する柱状木材12,12の接合面12aに設けられたダボ穴12c,12cに木製ダボ13を介装して、隣接する柱状木材12,12を密着接合することにより形成される(図1等)が、後述するように、柱状木材12に第一の嵌合凹部12bが設けられている場合には、木製駒部材15の案内溝15bを第一の嵌合凹部12bに嵌合した後、木製ダボ13を介装して隣接する柱状木材12,12を密着接合する必要がある(図3(b))。
【0028】
木製支持部材14は、木製板材11を支えるため、具体的には、木製板材11の反りなどを防止するために用いる。木製支持部材14の材質は、一般的に木材と呼ばれているものであれば特に限定されず、柱状木材12の材質と同じであっても異なっていてもよい。
【0029】
木製駒部材15は、木製板材11と木製支持部材14とを摺動可能な状態で係合させるために用いる。木製駒部材15の材質は、高い強度を有する木材であれば特に限定されないが、伸縮率の大きい柱状木材を使用した場合であっても、発明の効果を十分発揮するようにするためには、ねばりがあって、割れにくく、硬い木材が好ましく、具体的には、例えば、メンバトゥ、ケヤキ、チーク、スリアンバトゥ、カシノキ、マタウラット、アンカシアなどが挙げられる。
【0030】
木製駒部材15は、第一の嵌合凹部12bに嵌合する頭部15aと、第二の嵌合凹部14aに嵌合し固定する胴部15cとに分けられる。
【0031】
木製駒部材15の頭部15aには、案内溝15bが設けられる。案内溝15bは、長方形の断面形状を有し、長手方向の一端から他端に延びるように形成される(図3(a)等)。図においては、案内溝15bは、木製駒部材15の頭部15aの幅方向の両側面に形成されているが、木製駒部材15の頭部15aの幅方向の一方の側面に形成されていてもよい。即ち、木製駒部材15の頭部15aの幅方向の断面形状は、略T型となっていてもよく、略L型となっていてもよい。
【0032】
第一の嵌合凹部12bは、任意の柱状木材12の接合面12aに設けられている(図3(a)等)。第一の嵌合凹部12bの断面形状は、木製駒部材15の頭部15aの幅方向の断面形状に支配され、略T型又は略L型となる。本発明において、第一の嵌合凹部12bの長手方向の長さは、木製駒部材15の頭部15aが摺動可能となるようにすべく、木製駒部材15の長手方向の長さよりも長くする必要がある(例えば、図1〜図4)が、木製駒部材15の長手方向の長さよりも長ければ、特に限定されず、接合面の一方から他方まで貫通していてもよい。なお、第一の嵌合凹部12bに木製駒部材15の頭部15aを嵌合した場合には、第一の嵌合凹部12bの長手方向の長さは、木製駒部材15の長手方向の長さよりも長いため、柱状木材12の裏面には溝形状12dが現れる(例えば、図2,図3(b))が、この溝形状12dは木製板材11と木製支持部材14を係合することにより隠れる(例えば、図1,図5)ため、外観上特に問題とならない。
【0033】
第二の嵌合凹部14aは、木製支持部材14に設けられる(図3(b)等)。第二の嵌合凹部14aの形状は木製駒部材15の胴部15cの形状に支配される。なお、木製駒部材15の胴部15cを木製支持部材14により強固に固定する目的で、例えば、木製駒部材15の胴部15cの側面にダボ穴15dを設け、木製ダボ部材16を挿入してもよい(例えば、図3,図4)。
【0034】
木製駒部材15の頭部15aが第一の嵌合凹部12bに嵌合し、木製駒部材15の胴部15cが第二の嵌合凹部14aに嵌合すると、木製板材11と木製支持部材14とが摺動可能な状態で係合され、木製駒部材15及び第一の嵌合凹部12bは、木製板材11と木製支持部材14の存在によって完全に外側から見えなくなる(例えば、図1,図5,図6,図7)。
【0035】
なお、木製駒部材15の案内溝15bは長方形の断面形状を有し、この案内溝15bに対応する木製板材11の第一の嵌合凹部12bの断面形状は略T型又は略L型であり、いずれも直角(90度)のみで形成されているため、蟻溝に蟻形状の突起を結合して固着する場合と異なり、材料の長手方向と幅方向の伸縮率の差によって直角状態が変化せず、時間の経過に伴う隙間の発生を効果的に防止することができ、ガタも発生しにくくなることに加え、柱状木材の接合面に発生する強い応力が木製駒部材の摺動により逃がされ、材料を加工した後の狂いが桁違いに大きい硬質広葉樹を柱状木材等に使用した場合には、特に材料の変形を制御して、非常に長期間に渡り、割れ、隙間、ねじれの発生を非常に効果的に防止することができ、材料の持つ特有な雰囲気を損なわず、美観や剛性の低下を十分抑制して、本来木材が備え持つ良好な耐久性をより長く維持することができるようになる。
【0036】
木製板部材10は、例えば、以下の方法により得られる。まず、柱状木材12に設けられた第一の嵌合凹部12bに木製駒部材15の案内溝15bを嵌め込んで、柱状木材12に木製駒部材15の頭部15aを嵌合する(図4)。次に、隣接する柱状木材12,12に設けられたダボ穴12b,12bに木製ダボ13を介装し、隣接する柱状木材12,12を密着接合して、木製板材11を形成する(図2)。その後、木製駒部材15の胴部15cを第二の嵌合凹部14aに嵌合し固定する(図3(b))。このようにして得られた木製板部材10は、木製板材11と木製支持部材14とが摺動可能な状態で係合され、柱状木材12の長さ方向と幅方向の伸縮率の違いにより柱状木材12の接合面に発生する強い応力を木製駒部材15の摺動により逃がすことができるため、非常に長期に渡り、割れや隙間の発生を効果的に防止できるようになる。
【0037】
木製板部材10は、上述したような優れた特性を有するため、机、椅子、飾り台等の天板、椅子の背もたれ、箱状物、座板、蓋、扉などの様々な箇所に使用することが望ましく、机や椅子の天板、椅子の背もたれ、箱状物に使用することが特に適している。
【0038】
本発明の椅子の一実施形態を図6に示し、本発明の机の一実施形態を図7に示す。椅子20及び机30において、木製駒部材15及び第一の嵌合凹部12bは、完全に外側から見えないため、椅子20及び机30は、外見上、接着剤を用いて接着したような感覚となるため、非常に見栄えがよく、特別な高級家具の位置づけとなり、柱状木材12として硬質広葉樹を使用した場合には、特に高級感が漂うものとなることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の木製板部材の一実施形態の一部の概略を示す斜視図。
【図2】本発明の木製板部材の他の一実施形態の一部を分解した斜視図。
【図3】(a)本発明の木製板部材に用いる木製駒部材の頭部を木製板材の第一の嵌合凹部に嵌合する前の一例を示す斜視図、(b)本発明の木製板部材に用いる木製駒部材の頭部を木製板材の第一の嵌合凹部に嵌合した後、木製駒部材の胴部を木製支持部材の第二の嵌合凹部に嵌合する前の一例を示す斜視図。
【図4】本発明の椅子の一実施形態の一部を分解し、左斜め後方から見た斜視図。
【図5】本発明の椅子の一実施形態を左斜め後方から見た斜視図。
【図6】本発明の椅子の一実施形態を右斜め前方から見た斜視図。
【図7】本発明の机の一実施形態を右斜め前方から見た斜視図。
【符号の説明】
【0040】
10 木製板部材
11 木製板材
12 柱状木材
12a 接合面
12b 第一の嵌合凹部
12c ダボ穴
12d 溝形状
13 木製ダボ
14 木製支持部材
14a 第二の嵌合凹部
15 木製駒部材
15a 頭部
15b 案内溝
15c 胴部
15d ダボ穴
16 木製ダボ部材
20 椅子
30 机

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の柱状木材を並べ、隣接する柱状木材に木製ダボを介装して密着接合した木製板材と、該木製板材を支持するための木製支持部材と、該木製板材と該木製支持部材を摺動可能な状態で係合するための木製駒部材とを備え、
前記木製駒部材の頭部には、前記木製駒部材の長手方向の一端から他端に延び、長方形の断面形状を有する案内溝を設け、前記複数の柱状木材のうちの任意の柱状木材の接合面には、前記木製駒部材の頭部と摺動可能な状態で嵌合する第一の嵌合凹部を設け、かつ前記木製支持部材には、前記木製駒部材の胴部と嵌合して固定する第二の嵌合凹部を設け、
前記木製駒部材の頭部を前記第一の嵌合凹部に嵌合した後、前記木製ダボを介装し、隣接した柱状木材を密着接合して、木製板材を形成し、その後、前記木製駒部材の胴部を前記第二の嵌合凹部に嵌合して固定し、前記木製板材と前記木製支持部材とを摺動可能な状態で係合させたことを特徴とする木製板部材。
【請求項2】
前記柱状木材は、硬質広葉樹であることを特徴とする請求項1に記載の木製板部材。
【請求項3】
前記案内溝は、前記木製駒部材の幅方向の両側面に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の木製板部材。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一つの項に記載の木製板部材を使用した机。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか一つの項に記載の木製板部材を使用した椅子。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれか一つの項に記載の木製板部材を使用した箱状物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−115910(P2008−115910A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−298071(P2006−298071)
【出願日】平成18年11月1日(2006.11.1)
【出願人】(506367652)アジア・ウッド・ジャパン株式会社 (1)
【Fターム(参考)】