説明

椅子

関節動作可能な支持部(12,18,20)と内蔵型の昇降システムを有する椅子(10)は、1つの駆動制御装置(538)が複数の支持部(514,516)を駆動する場合もある、機械的に連結している支持部(514,516,518)を有することもできる。椅子(10)は、椅子(10)の使用者を快適にするための構成変更可能な付属品(94,106,112,314,114,116)を含む。支持部(514,516,518)は支持部(514,516,518)面の硬さを調節するための空気室(58,60,91)を含む場合もある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭で使用するための関節動作する椅子に関する。さらに詳細には、本発明は、椅子の使用者によって使用される付属機能を有するリクライニング昇降椅子に関する。付属機能に含まれるものは、例えば一体化された照明、音声、マッサージなどである。
【背景技術】
【0002】
動くことが困難となっている年配者は、介護施設などの管理された介護環境においてベッドに寝たきりになることが多い。もっと最近では、介護施設には入所せず自宅で又は例えば子供などの介護者の家に留まることを選択する人々もいる。ところが大抵の家庭用家具は、動くことができなくなり手足が不自由になった人に向けた構成となっていない、又は十分に適した構成となっていない。よって、動くことができなくなった人の快適さや利便性が損なわれることになっている。
【0003】
介護施設や病院用のベッドが家庭で使用されることがある。また、標準的なベッドが家庭の生活スペースで使用されることもある。家庭用の関節動作するベッドが知られているが、これは寝室などの就寝スペースでの使用が意図されたものである。リクライニング式の椅子は関節動作するベッドと同様の機能を有するが、移動制約者が、必要に応じて着席し脱出するのを容易にする構成にはなっていない。人を持ち上げて椅子から脱出するのを補助する持ち上げシステムを有する椅子があるが、これは各支持部の関節動作機能が限定されている。
【0004】
《関連出願》
本出願は、米国の35U.S.C.§119(e)に従って、2004年8月16日に出願された米国仮特許出願第60/601924号明細書と、2004年9月20日に出願された米国仮特許出願第60/611407号明細書と、2005年1月12日に出願された米国仮特許出願第60/643321号明細書と、2005年3月8日に出願された米国仮特許出願第60/659540号明細書とに基づく優先権を主張するものであり、また、これらの出願のそれぞれの内容を参照によって本願明細書に援用する。
【発明の開示】
【課題を解決するために手段】
【0005】
本発明は、添付の特許請求の範囲に記載の特徴および/または下記の態様を1つ以上備え、単独または任意の組み合わせにより、特許性のある対象を構成する。
【0006】
本発明は、移動制約者が椅子と睡眠用装置の両方として利用するための、概ね起立体勢からかなりの傾斜体勢まで関節動作するように構成されている椅子を含む。椅子は、互いに対して関節動作する複数の支持部を有する。これらの複数の支持部が関節動作するに従って、各部の相対的な位置が変わり、起立体勢では1つ以上の間隔を挟んで離れることもある部分が睡眠に適した連続支持面をつくるべく、関節動作して仰臥体勢では間隔を無くすように隣接する。さらに椅子は、椅子の上に座っている使用者を椅子からの退出を助けるべく持ち上げて援助するような構成となっている。椅子の使用者の快適性を向上させるべく付属品を付加することができる。実施形態によって、椅子は完全な仰臥体勢まで傾斜できる場合もある。
【0007】
具体的に、椅子はフレームと、フレームを支持しているベース部、フレームに枢結した背部、および、一端で背部に枢結し他端でフレームに枢結した背部支持部を含むことができる。ベースはキャスタで支持されてもよい。椅子はフレームに枢結した足部と、一端で足部に枢結し、他端でフレームに枢結した足支持部とをさらに備える場合がある。椅子はフレームに枢結し、フレームに対して関節動作可能な座部を備える場合がある。実施形態によっては、フレームはベースに対して傾斜する場合がある。フレームの傾斜は、例えば、リニアアクチュエータ等の動作制御部で調節できる場合がある。
【0008】
椅子は起立体勢から傾斜体勢まで関節動作するように構成されている場合がある。座部と足部の関節は、背部の関節に結合することもでき、これにより背部の関節動作を座部および/または足部で関節動作させる。支持面がフレームに対して動作可能となるよう両背部および足部はそれぞれ2部構成となっていてもよい。例えば、背部の起立体勢から仰臥体勢への関節動作時に背部面が背部フレームに対して摺動するよう、背部支持面を背部フレームに結合した摺動部上に取付けることもできる。同様に、椅子の起立体勢から仰臥体勢への関節動作時に足部面が足部フレームに対して摺動するよう、足部支持面を足部フレームに結合した摺動部上に取付けることもできる。背および足部面は、それぞれのフレームに対して自由に動作することもできる。しかし、背および足部面は、各面を特定の位置へ付勢するばねで各面とフレームとを結合することにより、フレームに向けて動くように強いられる場合もある。一方、各面は、例えば、連結部材、モータまたはアクチュエータ等の別の関節動作制御部材を用いてフレームに対して駆動することもできる。
【0009】
椅子は、背部に取付けることのできる慰安部をさらに備える場合もある。慰安部は、椅子の使用者に向けて明かりを提供するように構成されている照明を含む場合もある。慰安部は、椅子の使用者に向けて温度調節した風を送るように構成されている通気孔を含む場合もある。慰安部は、椅子の使用者に向けて音声を出力するスピーカをも含む場合もある。慰安部は、音声源、例えば、ステレオ、ラジオ、テレビ、家庭用コンピュータ等から入力を受信して、音声を慰安部を通して椅子の使用者へ転送するような構成となっている場合もある。さらに、慰安部から出る光あるいは風の向きを変えられるよう、慰安部は椅子の背部に枢結して枢動できこともある。また、慰安部は、椅子の使用者に対して調節可能となっている伸張可能な部分と固定部分をさらに含むこともできる。慰安部は、実施形態によっては1つ以上の照明、スピーカ、通気孔、あるいは他の快適機器を含む場合もある。
【0010】
慰安部は、実施形態によっては、例えば、グースネック等の可撓性部材を備え、その第1の端部を背部に結合して、可撓性部材から照明、音声、あるいは風を方向付けることもできる。光を特定の方向に方向付け可能な可撓性部材の第2の端部に照明を結合することもできる。実施形態によって、可撓性部材は、可撓性部材を通して椅子の使用者に、あるいはその周辺に向けて風を送るために使用することもできる。しかし、快適品を支持するために可撓性部材構造をいくつでも採用でき、グースネック可撓性部材はこのような構造の一例でしかない。
【0011】
椅子の背部、座部および足部は、フォーム性の芯を覆う布製カバーを備えることもできる。しかし、特許出願番号PCT/US2005/___号明細書(attorney docket number 7043-78468)、に開示され、その内容の全体を参照によって本願明細書に援用する、動的身体支持室面等のように、椅子の使用者を支持するためにフォームの一部あるいは全部を取り除いて1つ以上の空気袋を備えている支持面で置き換えることもできる。動的身体支持室面があれば、動的身体支持室面は、個々の袋を交互および連続的に急速に膨張および収縮することにより椅子の使用者にマッサージ治療を行うような構成とすることもできる。さらに、動的身体支持室面は、使用者に浮いているような感覚を与えるために、動的身体支持室面全体の圧力を交互に変えるような構成とすることもできる。動的身体支持室面は、使用者に調節された熱を与えるような構成とすることもできる。
【0012】
椅子は、椅子の使用者の手足を温めるための局所暖め機器をさらに備える場合がある。例えば足部は、使用者が足をカバー内に入れるような構成となっている一体化カバーを含むこともでき、また、使用者の足に放射熱を与えるための暖房装置を含むこともできる。カバーは、使用者の足の温度を維持する保温効果をもたらすこともできる。実施形態によってカバーは、使用者が足を自由に動かせるようにカバーの足部端が開いている場合もある。暖房装置は、電流を流すと熱を放射する加熱要素を備えることもできる。別の実施形態では、足部を流れる気流を加熱することにより暖めることもできる。さらに別の実施形態では、加熱要素を足部から離れて設置し、使用者の足の下にある動的身体支持室面へ流す気流を加熱することにより暖めることもできる。
【0013】
使用者の手を、椅子の肘掛けに設けられた類似の構造で温めることもできる。肘掛けは、カバーと使用者の手を温めるための暖房装置を肘掛け内に含むこともできる。使用者は、肘掛けに結合し、暖房装置の上に設置されたカバー内に手を滑りこませることもできる。カバーは、使用者の手の温度を維持するようカバー内に設けた暖房装置の発生する熱をカバー内に維持するために、保温特性を有することもできる。暖房装置は上述の通り、抵抗性加熱要素、局所温風暖房あるいは離間した温風暖房機を備えることもできる。
【0014】
暖房機能がある場合、椅子は必ず接触面での温度を感知するため、使用者の手足の適切な温度に保つための制御システムと結合しているセンサを備えることもできる。椅子は、使用者に暖房装置からの熱の温度を変更可能にする、暖房装置に結合した選択的サーモスタットをも備えることもできる。使用者の好みにより、椅子の各領域の温度を異なる程度に制御すべく、異なるサーモスタットを椅子全体に配置されている種々の暖房装置に結合してもよい。
【0015】
実施形態によっては、各部が温められるように椅子のさまざまな支持部が暖房装置を有することもできる。例えば、局所暖房ができるように座部または背部に暖房装置が含まれる場合もある。
【0016】
椅子は、椅子のフレームおよび/またはベースに結合した横モジュールをさらに備えることもできる。横モジュールは、椅子に座っている者あるいは使用者によって椅子が異なる構成となるよう、取外し可能に結合されてもよい。椅子は横モジュールに枢結し、使用位置と避けた位置との間で枢動可能な肘掛けをさらに備えることもできる。肘掛けを避けた位置に枢動させると椅子の使用者は、椅子に隣接した、例えば、車椅子等の個人用移動手段へ乗り移るために椅子から横方向に退出することもできる。横移動に用いる複合的な在宅介護設備に関しては、PCT特許出願番号PCT/US2005/___号明細書(attorney docket number 7043-78467)、に開示されており、その内容の全体を参照によって本願明細書に援用する。
【0017】
椅子は、背部、座部または足部の関節動作をさせるように構成されている1つ以上のモータあるいはアクチュエータを有することもできる。また、実施形態によっては、背部、座部または足部の高さを変更できるよう、支持フレームをベースに対して昇降させるように構成されている、支持フレームとベースフレームの間に取付けられたモータまたはアクチュエータを有することもできる。さらに座部は、椅子に座っている使用者を立ち姿勢まで持ち上げる、互いに対して関節動作するさまざまな部分を含むこともできる。例えば、後座部が座部から外側上方向および前方向に関節動作すると同時に、前座部がほぼ水平な向きからほぼ垂直な向きに枢動することもできる。各座部の関節動作は椅子の他の構造の関節動作と無関係であってもよく、この上昇モードでの種々の座部の関節動作が、他の部分、例えば、背部または足部が固定されたままで、あるいは、座部が種々の位置にあって動作することもできる。さらに、椅子からの出入りの際、使用者との間隔を一定に保つべく、肘掛が後座部と共に関節動作するよう、肘掛けを後座部に結合してもよい。種々の実施例で、肘掛けはフレーム、座部、背部あるいは横モジュールと結合してもよい。
【0018】
実施形態によっては、椅子の各支持部が、ベースフレームに枢動可能に連結された支持フレーム上に取り付けられていてもよい。さらに、伸張して及び引っ込んで、これにより支持フレームをベースフレームに対して枢動させるように構成されているアクチュエータが、ベースフレームと支持フレームとに連結されていてもよい。支持フレームの枢動によって、各支持部の床に対する勾配が変更されて、椅子の使用者のためにさらなる調整を提供してもよい。背部、座部、足部の関節動作が支持部それぞれと支持フレームに連結されたアクチュエータによって駆動されて、これにより関節動作が支持フレームに対して行われるようになっていてもよい。関節動作には、背部の関節動作、足部の関節動作、そして座部持ち上げ関節動作が含まれていてもよい。
【0019】
実施形態によっては、椅子が、フレームに対して脚を伸張させて又は引っ込ませて、これにより椅子の床に対する長手方向及び/又は横方向の傾きを変更することによって椅子の高さを調節するために、フレームと一つ以上の脚に連結されたアクチュエータをさらに備えていてもよい。例えば、頭側端部が足側端部よりも下がるように椅子の傾きを変更するために、足側端部の脚が伸張されて頭側端部の脚が引き込まれてもよい。同様に、椅子の横方向の傾きを変更してこれにより使用者を椅子の左側に向かって転がすために、椅子の左側の脚が引き込まれて、椅子の右側の脚が伸張されてもよい。椅子の様々な体勢のいずれも達成できるように、各脚が、様々な位置のいずれにも調節可能となっていてもよい。
【0020】
脚のフレームに対する伸張及び引き込みを達成するのに、例えば電気機械アクチュエータ、空気圧シリンダ、油圧又は液圧シリンダなどの様々なアクチュエータのいずれを使用してもよい。
【0021】
椅子の脇に取り付けられる側方モジュールが、閉鎖位置と開放位置との間で椅子に対して枢動可能となっている蓋を有していてもよい。開放位置では側方モジュール内の穴部が露わにされて、その穴部によって、椅子の使用者のための各種の付属物の収納スペースが提供されるようになっていてもよい。例えば、テーブルが側方モジュール内に収納されて、椅子の使用者の膝の上方に配置される使用位置へと移動可能になっていてもよい。
【0022】
実施形態によっては、椅子の肘掛けが、利用可能な着席領域の幅を変更してこれにより小柄な使用者でも支持できるように、調節可能となっていてもよい。例えば、実施形態によっては、椅子は、フレーム又は側方モジュールに連結された固定部と、固定部の穴部内の収納位置と展開位置との間を移動可能となっている動作部とを有する二部構成の肘掛けを有していてもよい。実施形態によっては、動作部は、固定部に対して椅子の着席領域へと枢動して、これにより着席領域の幅を狭小させるようになっていてもよい。また、動作部は、固定部から椅子の着席領域へと滑動的に伸張してもよい。実施形態によっては、肘掛けが、椅子の前側から椅子の後ろ側にかけて幅が広くなっていてもよいし、肘掛けの前側付近の垂直軸を軸に椅子のフレームに対して枢動してもよい。椅子のフレームに対する肘掛けの枢動によって、椅子の背部付近で2つの肘掛けの間の間隔が変更されるようになって、これにより座部の幅が変更されるようになっていてもよい。各実施形態において、肘掛けの動作部が最大となる構成と最小となる構成との間の様々な位置に配置され、その位置は、摩擦、又はその他のロック機構、例えばラチェット機構、クランプ、解除可能なラップスプリングなどによって保持されてもよい。
【0023】
実施形態によっては、肘掛けが椅子の背部に連結されて、座部に対する背部の枢動軸に平行な水平軸と垂直軸を軸に枢動可能となっていてもよい。垂直軸を軸とする枢動によって、前述の通り着席領域の幅の狭小化が可能となり、また、肘掛けを邪魔にならないように枢動させて使用者が椅子の側方から脱出できるようになっていてもよい。水平軸を軸とする枢動によって、肘掛けが背部と共に動作して、これにより、背部が関節動作するときに、背部と肘掛けとの間の間隔が広がることを防ぐことができる。
【0024】
実施形態によっては、椅子が、椅子のフレームに連結された動力式スイベルを備えていてもよい。動力式スイベルは、椅子を新しい方向に旋回させることが可能なように、椅子の脚を持ち上げて床から離すように構成されていてもよい。例えば、動力式スイベルは、椅子のフレームに連結された上部分と、ベアリングによって前記上部分に枢動可能に連結された下部分とを備えていてもよい。動力式スイベルは、床に接するように展開されて、これにより椅子の脚を床から持ち上げて椅子を動力式スイベルの上で回転させることが可能になるように選択的に作動されてもよい。新しい向きへの旋回が達成されると、動力式スイベルは引っ込められて、脚又はキャスタが存在する場合は、脚又はキャスタの上に椅子を戻すようになっていてもよい。動力式スイベルの展開は、例えば電気機械アクチュエータ、空気圧シリンダ、油圧又は液圧シリンダなどのリニアアクチュエータによって達成されてもよい。実施形態によっては、動力式スイベルは、椅子の床に対する旋回に動力を供給するためのアクチュエータをさらに備えていてもよい。例えば、アクチュエータは、前記下部分と椅子のフレームに連結されて、動力式スイベルが展開されると床に対して椅子を回転させるように構成されていてもよい。実施形態によっては、動力式スイベルが、座部をフレームに対して回転させるためにフレームと座部とに連結されていてもよい。動力式スイベルは、座部とフレームに連結されている場合は、座部は回転させるが椅子全体は回転させないように機能できる。また、座部の回転と椅子全体の回転をそれぞれ個別に実行できるように、複数の動力式スイベルが含まれていてもよい。
【0025】
椅子の関節動作は、椅子の使用者が例えばペンダントなどの使用者装置に入力することによって制御されてもよい。ペンダントは、スイッチ、マイクロフォン、ジョイスティック、ボタン、ダイヤル、及び/又はスライドなどの各種の使用者入力装置を有していてもよい。スライドが採用されている場合は、スライドが、椅子の関節動作された各種の体勢に対応している複数の位置へと移動可能となっていてもよい。ペンダントのスライドがある位置から別な位置へ移動することによって、椅子が第一の示された体勢から第二の示された体勢へと関節動作するようになっていてもよい。各種の使用者入力装置が、椅子の関節動作、スピーカからの出力、通気孔からの出力、照明などを制御してもよい。
【0026】
ペンダントは、コードを介して電気的に椅子に接続されていてもよい。コードは、慰安部、肘掛け、又は椅子のその他の部分から延在していてもよい。実施形態によっては、コードは、ペンダントの不使用時は椅子の一部へ引っ込められてもよい。さらに、ペンダントは、例えば赤外線又はラジオ周波数信号などによって、無線で椅子に接続されていてもよい。ペンダントは、椅子の肘掛けに連結された部材上に保持されていてもよいし、側方モジュール内から延在していてもよいし、肘掛けに形成された穴部に収納されてもよい。また、使用者がペンダントを直ぐに利用できるように、椅子の使用者が首に掛けるストラップに無線ペンダントを取り付けることも考えられる。
【0027】
制御部は、ボタンが作動された位置で保持されているときは椅子を複数の体勢へと順次関節動作させるような一つのボタンを備えていてもよい。例えば、ボタンの作動によって、背部、座部、足部を、お互いに対する各自の動作の範囲に渡って動かして、これにより各部がほぼ同時にそれぞれの限界の体勢に到達するようになっていてもよい。制御部は、使用者が選択したあらかじめ決定された快適な体勢へと椅子を動かすように、使用者によってプログラムされるボタンを有していてもよい。制御部は、複数の使用者入力部を備えており、この使用者入力部のそれぞれは椅子の特定の機能の関節動作専用となっていてもよい。
【0028】
椅子の足部が複数の部位から成る構成であって、足部の第一部は、足部の第二部に対して関節動作可能となっており足部の第一部が椅子の使用者の足置きとして機能するような位置へと調節可能となっていてもよい。さらに、足部の第二部は、椅子が起立体勢であるときの下降位置と、椅子が仰臥体勢であるときの上昇位置との間で関節動作可能となっていてもよい。足部の第一部は、椅子が例えば仰臥体勢などの関節動作された体勢にあるときに足部を延長するために足部の第二部から延在するように関節動作可能となっていてもよい。
【0029】
実施形態によっては、足部の関節動作はアクチュエータによって駆動されてもよい。例えば、足部は伸張可能となっており、固定部と、動作部と、アクチュエータと、足部を伸張又は縮小させるために動作部を固定部から動かすように動きをアクチュエータから動作部に伝達するリンケージと、を備えていてもよい。リンケージは、はさみ型リンケージを備えていてもよい。足部の長さは、動作部が完全に固定部内に引っ込められるような第一位置と、動作部が固定部から完全に伸張されるような第二位置との間で、複数の位置に調節可能となっていてもよい。はさみ型リンケージは、固定枢点と、はさみ型リンケージを動作部に連結させる滑動部とを有していてもよい。はさみ型リンケージが作動されると、一つの連結部材が固定枢点を軸に枢動し、一方で第二の連結部材が動作部に対して滑動してもよい。はさみの伸張は、別の連結部材をさらに別の連結部材に対して動かすようにアクチュエータを作動させることによって達成される。固定部とアクチュエータとに連結されたはさみ型リンケージの第一端部を、動作部に連結されたはさみ型リンケージの第二端部に連結する一つ以上のはさみ部が存在していてもよい。
【0030】
実施形態によっては、使用者に一連のリラックス関連機能を提供するためにあらかじめ設定された一連の機能作動を実行するように、椅子の各種機能がプログラム可能であってもよい。例えば、慰安部が、あらかじめ設定された一連の音声及び照明の強さを提供するようにプログラムされている一方で、各面は、音声及び照明に合わせてマッサージ及び暖房を提供するようにプログラムされていてもよい。同様に、椅子が、一連の体勢に渡る関節動作をその他の機能と平行して実行するようにプログラムされており、これにより使用者にリラックス及び休息しやすくなるようにあらかじめ設定された感覚的経験を提供してもよい。
【0031】
椅子の各機能の動作が、制御システムによって円滑に実行されるようになっていてもよい。制御システムは、椅子の様々な機能及び特徴のいずれでも同時に制御する制御部に基づくマイクロプロセッサを備えていてもよい。実施形態によっては、複数のマイクロプロセッサが利用されていてもよい。複数のマイクロプロセッサがネットワークで接続されており、このネットワークが、各種の機能的モジュールが存在するかしないかを認識して存在する各種の機能的モジュールに関連する信号を処理するように構成されていてもよい。
【0032】
さらに、制御システムは、各種機能を作動させて既定の感覚的経験を提供するように出力するプログラムを格納するメモリデバイスを備えていてもよい。メモリデバイスには、既定の感覚的経験を形成するために、あらかじめプログラムされた機能作動の順序が含まれていてもよい。さらに、制御システムは、使用者がその人に合わせた順序をプログラムできるように構成されていてもよい。
【0033】
さらなる特徴が、単独で、又は以上で列挙した特徴や特許請求の範囲で列挙した特徴などのその他のどの特徴との組み合わせでも、特許可能な対象を備えることができる。そしてこれらの特徴は、以降に示す例示的な実施形態についての詳細な説明を考慮して当業者には明らかとなるだろう。これらの実施形態は、現在理解されている本発明を実行する最良の形態を例示するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
《図面の詳細な説明》
移動制約者は、相当の時間を自分の家の中の一所で、例えば、椅子などの一つの家具を占有して過ごしがちである。本発明は、快適性を提供し、移動制約者の、例えば、椅子からの出入りなど日常的動作を支援するようになっている椅子の特徴を例示する実施形態をいくつか含む。
【0035】
図1に示す椅子10の一実施形態は、背部12、座部20、脚部16に支持されているベース14にさらに支持された脚部支持体18を備えている。椅子を図1に示す体勢から傾斜体勢へ動かすために、背部12および脚部支持体18はいずれも座部20に対して枢動する。背部12は、主要部分29、主要部分29に結合した左袖30および主要部分29に結合した右袖32をさらに含む。椅子10が傾斜体勢にある時、背部12の主要部分29は、椅子10の使用者の背中を支持し、同時に、袖30,32は使用者を横から支持する。
【0036】
背部12は座部20に枢結されて矢印44で示すほぼ水平な軸40の回りを枢動する。以下にさらに詳細に説明するように、背部12は、背部12と座部20の間で結合されている1つのリニアアクチュエータ(図1に示さず)で動かされる。これにより、背部12は単独で枢動可能となり、椅子10の使用者は、背部12と座部20間の角度を調節できる。
【0037】
さらに、背部12が傾斜体勢に枢動される間、肘掛け26,28は、ほぼ水平な向きを維持するように複数の軸回りを枢動可能に、また、椅子10の有効座面幅を調整できるように回転可能に、左肘掛け26および右肘掛け28が座部20に結合している。左肘掛け26は、矢印50で示すように座部20を横切るほぼ水平な軸40と、矢印52で示すようにほぼ水平な軸36の回りを枢動可能である。同様に、右肘掛け28は、矢印48で示すように軸40と、矢印46で示すようにほぼ水平な軸34の回りを枢動可能である。以下にさらに詳細に説明するように、肘掛け26,28の軸40回りの枢動は、肘掛け26,28を図1に示す水平な向きと、避けた垂直位置(図1に示さず)との間でも枢動可能にする。
【0038】
脚部支持体18は座部20に枢結しており、矢印42に示すようにほぼ水平な軸35の回りを枢動可能である。背部12と同様に、脚部支持体18は個別のリニアアクチュエータ(図1に示さず)で動かされ、これにより、脚部支持体18と背部12間の角度は図1に示す椅子の体勢と傾斜体勢との間で変更できる。図1に示す実施形態では、脚部支持体18および背部12は、それぞれ別個に調整でき、これにより、椅子10にもたれている使用者は、それぞれをあらゆる傾斜体勢および設定にできる。
【0039】
椅子10は、リクライニングチェアとしての動作に加え、使用者の座り姿勢と立ち姿勢間での動きを助ける昇降支援装置としても機能する。座部20は、前部22と後部24を備える。持ち上げ動作使用時に、後部22はベース14に対して上昇し、脚部支持体18に向けて前方に移動するとともに、前部22は使用者が立ち姿勢まで持ち上げられる際にほぼ水平な軸23回りを避けるように回転する。使用者がほぼ立ち姿勢のとき、使用者の臀部は後部24で支持されるため、椅子10からの退出を容易にする。座る際には、使用者は臀部で後部24によりかかり、前部22と後部24の動きが逆になって使用者を座り姿勢まで動かす。以下の種々の実施形態の説明において、昇降機構の機械的な動作に関してさらに説明する。
【0040】
図1に示す実施形態で、椅子10は、当技術分野において良く知られた方法で布54に覆われたフォーム支持部材(図示せず)を有する。図2に示す別の実施形態の椅子110は、布54に覆われた概ね気密な種々の空気室を備えている。図2に示す実施形態で、各空気室は、椅子110に座っている使用者の肌で感じる圧力を制御する、空気室内圧力を加減する強制空気源に配管されている。空気室面は、PCT特許出願番号PCT/US2005/___号明細書(attorney docket number 7043-78468)、に開示されており、その内容の全体を参照によって本願明細書に援用する。図示の椅子110は、背部12と座部20の全体に分散配置させたいくつかの小空気室58といくつかのより大なる空気室60を有する。椅子110の脚部支持体18は、布54に覆われたフォーム支持部材を備える。しかし、実施形態によっては、脚部支持体18は布54の下に複合的な空気室を支持部として備えることができる。実施形態によっては、座部20、脚部支持体18および背部12は、それぞれ空気室とフォーム支持部材の両方を備えることができる。
【0041】
椅子110の使用者をマッサージできるように、空気室58,60を選択的にまた急速に膨張および収縮させてもよい。また、椅子110の使用者の体の各部をさまざまな段階で支持できるように、小空気室58を大空気室60と交えることもでる。また椅子110は、椅子110の使用者の脚部下側をマッサージするため脚部マッサージ機66をも備える。脚部マッサージ機66は、前座部22上に支持されている使用者の脚部を振動マッサージするよう、マッサージローラ64に軌道上を回転動させるモータ62を備える。
【0042】
図4の別の実施形態では、背部12、座部20および脚部支持体18に分散配置させた円筒形空気室91を利用した椅子210を示す。空気室91は、フォーム部材88に支持されているベース90に結合している。空気室91は、難燃材料でできた、実施形態によっては低摩擦布でもよい、保持用仕切86で覆われている。保持用仕切86は、布54で覆われた波状の布84で覆われている。波状の布84は、布54を保持用仕切86から分離し、湿気が溜まる可能性を減らし、また椅子の使用者の肌からの熱伝達を助けるためにその間に空隙を設ける。椅子の使用者をマッサージできるように、空気室91を選択的にまた急速に膨張および収縮させてもよい。
【0043】
図5から図7には、図5に示す起立体勢から図7に示す仰臥体勢に関節動作させると使用者を支持できる表面積が増えるように構成されている椅子410を示す。支持面積の増加は、関節動作の際に背部418が起立体勢から下向きに枢動すると、背部418で隠れていた椅子412の一部が露出するために生じる。
【0044】
一般に椅子410の座部412は一端に固定された枢点を有し、椅子410が起立体勢から仰臥体勢まで関節動作に従って、背部418の関節動作によって他端が揺れ動く。参考のため、図5の点線は椅子410が起立体勢にあるときの背部418および座部412表面の相対的な位置を示す。図5で、椅子410は起立姿勢からわずかに傾斜した体勢にあり、椅子410をさらに傾斜させた体勢を続く図30および図31に示す。
【0045】
椅子410は、下の床で椅子410を直接支持する、または、例えば、ベースフレーム等の別のフレームで支持する、あるいは、フレーム420の下部に取り付けられたキャスタを有することもできるフレーム420を含む。動作時のフレーム420に対する椅子410の関節動作は4つのリンケージ群、関節動作制御リンケージ422、背部リンケージ424、座部リンケージ426および空動きリンケージ428で容易になる。
【0046】
関節動作制御リンケージ422は、フレーム420と他のリンケージ群424,426,428のいずれかに結合した伸縮自在な部材を備える。図示の実施形態で関節動作制御リンケージは、フレーム420および背部リンケージ424のフランジ423に結合したリニアアクチュエータ430を備える。ブラケットフランジ432は、フレーム420の背面近くでフレーム420に結合している。リニアアクチュエータ430は、枢動ピン436を介してブラケットフランジ432の第1の端部に枢結している。第2のブラケットフランジ432は、背部リンケージ424の固定背部フレーム434に結合し、リニアアクチュエータ430は枢動ピン436を介して背部フレーム434のブラケットフランジ432に枢結している。リニアアクチュエータ430は関節動作制御部材として作用し、リニアアクチュエータ430の伸縮は枢点464を中心に背部リンケージ424の背部418に関節動作させる。リニアアクチュエータ430が完全に伸びた状態のとき、背部418は点線438に対応する完全な起立体勢にある。リニアアクチュエータ430の収縮により、背部418は90度関節動作して、図7に示す仰臥体勢と対応する位置にくる。
【0047】
背部リンケージ424は、枢点464で背部枢動ブラケット26に枢結した背部枢動板440を備え、背部枢動ブラケット26、従ってフレーム420に対して自由に枢動できる。背部418は、可動背部フレーム442を介して背部枢動板440、および、2つの留め具444を介して板440に結合されている固定背部フレーム434に結合している。可動背部フレーム442は、固定背部フレーム434に摺動可能に結合しており、固定背部フレーム434に対して動作可能である。背部418を背部枢動板440に結合することにより、背部418を背部枢動ブラケット440、従ってフレーム420に対して枢動可能にする。
【0048】
背部リンケージ424は、背部枢動板440に結合したカム駆動部446をさらに備える。例示のカム駆動部446は枢動ピン448で背部枢動板440に回転可能に結合したローラであり、カム駆動部446は枢動ピン448回りを自由に回転できる。別の実施形態で、カム駆動部は非回転摺動部であってもよい。カム駆動部446の外径表面450は、座部リンケージ426のカム板454の輪郭452と係合する。
【0049】
座部リンケージ426は、座部フレーム496に支持された座部412をさらに備える。座部フレーム496は、座部クッション458、部材456に固定された伸張式フレーム部材498、部材498に固定され、フレーム420の前枢動ブラケット472に枢結された座部枢動板500、および、フレーム部材498に固定されたカム板454を支持するクッション支持部材456を含む。これにより、座部リンケージ426はカム板454を介してカム駆動部446に支持されている座部412を含む。背部リンケージ424の背部枢動板440が枢点464回りを枢動すると、カム駆動部446はカム板454の輪郭52に沿って動く。座部枢動板500は、座部412が枢点414に対して枢動するように、枢点414で前枢動ブラケット472に結合している。椅子30が関節動作するに従って座部リンケージ426の座部412の揺れは、座部リンケージ426のカム板454と背部リンケージ424のカム駆動部446の相互作用によって設定される。
【0050】
図5に示すリクライニングチェア410の一実施形態によれば、椅子410の起立体勢から仰臥体勢までの関節動作の第1部では、座部412は矢印416で示す第1の方向に枢点414回りを枢動して座部412の後部を降下させ、これにより背部418が座部412を越えて枢動すべく間隔をあける。図30に示すように、カム板420の形状により、座部412は中間位置に到達した後に持ち上げられ始め、ついに椅子410は図31に示す仰臥体勢となり座部412は水平位置に戻される。これは結果として、椅子410が起立体勢にあるときは隠れていた座部412の一部を露出させ、起立体勢から仰臥体勢までの関節動作の際に座部412と背部418によってつくられる支持表面積を増大させる。可動背部フレーム442は、固定背部フレーム434に対して自由に動作できるため、仰臥体勢への関節動作は、関節動作中に使用者のずれによる力で背部418を座部412から押し退ける効果がある。
【0051】
図5〜図7に示す実施形態において、可動背部フレーム442は固定背部フレーム434に対して自由に動作できる。しかし、可動背部フレーム442を延出位置に動かすべく付勢するために、ばねで可動背部フレーム442を固定背部フレーム434に接続する場合がある。図7に示すように、背部枢動板440の枢動により可動背部フレーム442を座部412から押し退けるように、可動背部フレーム442をフレーム420に結合してもよい。図8には、第1の端部で枢動ピン436を介して背部枢動ブラケット462に枢結し、第2の端部で別の枢動ピン436を介して可動背部フレーム442に枢結した別の背部摺動結合部460を示す。背部摺動連結部材460と枢動ブラケット462間の枢動可能な結合部は、枢点464の垂直上方向にある。背部枢動板440が起立体勢から枢動すると、背部摺動連結部材460は可動背部フレーム442を従って背部418を座部412に向けて引っ張る。同様に、背部枢動板440が仰臥体勢から枢点464回りを枢動すると、背部摺動連結部材460は可動背部フレーム442を、従って背部418を押し退け、これにより背部面466と座部412の間に間隔を開けるべく支援する。背部リンケージ424は、固定背部フレーム434の枢点464回りの枢動および可動背部フレーム442の固定背部フレーム434に対する摺動を含む。実施形態によってリニアアクチュエータは、可動背部フレーム442を固定背部フレーム434に対して動かす場合がある。
【0052】
再び図5を参照すると、椅子410は、図5に示す第1の位置と図7に示す第2の位置の間で関節動作可能な足部468をも含む。足部468は、前枢動ブラケット472に枢点414で枢結し、前枢動ブラケット472、従ってフレーム420に対して枢点414回りを枢動可能な足部枢動板470に結合したフレーム(図示せず)に結合している。このため、座部412および足部468は、フレーム420に対して同じ枢点414の枢軸回りを枢動する。足部枢動板470は、空動きリンケージ428で背部枢動板440に結合している。空動きリンケージ428は、枢動ピン436で背部枢動板440に枢結している枢結部材476に結合した管474を備える。空動きリンケージ428は、管474に入れ子式に受容されているロッド478をさらに備える。ロッド478は、枢動ピン480で足部枢動板470に枢結した部材482に結合している。
【0053】
管474は、ロッド478を受容する円筒形盲穴484を有する。椅子410が図7に示す仰臥体勢にあるとき、端部478はその先端486が管474の盲穴484内の止め部に接するまで、盲穴484内に可能な限り引っ込まれる。このとき、足部468は管474によって持ち上げられた位置で支持されている。椅子410が起立体勢まで関節動作すると、背部枢動板440の動きが空動きリンケージ428を移動させて、管474を足部468から離すように働く。足部468の重みおよびその上に載せられた荷重は、図5に示すように、足部468の収縮位置に向けて、足部468に下向きに枢動させがちである。しかし実施形態によっては、足部468およびフレーム420にばねを結合して足部468が収縮するように付勢させてもよい。
【0054】
足部468は、椅子410がだいたい図5に示す位置にあるとき、完全に収縮した位置に到達する。この時、座部412および背部418は、背部418が点線438で示す位置に到達し、また、座部412が点線486で示す位置に到達するような、さらなる動作範囲を有する。足部468が完全収縮位置にあるとき、フレーム420の上で停止する。背部枢動板440が残りの関節動作を行う際、端部478の先端486は、盲穴484内の止め部から離れて、管474から入れ子型に延出する。このようにして足部468が静止したまま、背部418および座部412は関節動作を続ける。同様に、椅子410が点線438および486で示す完全な起立体勢からいくらか、例えば、約15度、関節動作している間、足部468は静止したままである。椅子410が続けて関節動作すると、ついには椅子410の端部478が盲穴484の末端に接し、足部468は背部418および座部412の動きに追従する。従って空動きリンケージ428は、背部418と足部468間に空動作接続を設ける。
【0055】
図7に示すように足部468は、可動背部フレーム442が関節動作する際の動作方法と同様の方法で、足部468が関節動作する際に足部468が摺動部488,490に沿って動くことを可能にする摺動部488,490を介して足部枢動板470の上に取り付けられている。固定摺動部488は足部枢動板470と結合している。可動摺動部490は摺動部488と一体化されており、足部面492は可動摺動部490と連結している。足部468が上方向に関節動作すると、使用者の脚部と足部面492の間で生じる摩擦は、足部面492に座部412から離れるように摺動させる。これは、関節動作時の使用者の脚部に生じる摩擦を減らすことを助ける。可動摺動部490は、足部468を収縮位置へ付勢するようにばね(図示せず)を介してフレーム420に連結してもよい。また、足部枢動板470の関節動作が足部面184を足部枢動板470に対して動くよう、足部面492または可動摺動部490をフレーム420に連結してもよい。
【0056】
図34から図36に示す、椅子910の足部918の別の実施形態では、足部918は、枢点926で椅子910のフレーム14に枢結した第1の部分920と枢点924で第1の部分に枢結した第2の部分922の2つの部分を備える。足部918は、椅子910に支持された使用者の脚部を支持するために、図7の足部468と同様の方法で動作する。さらに脚部918は、別の支持形態を提供すべく関節動作できる。足部918が下降位置にあるとき、第2の部分922は、椅子910に支持された使用者の足を支持するよう、図34に示す位置まで枢点924回りを枢動することもできる。第2の部分922は、第1の部分920の枢点926回りの枢動とは無関係に、枢点924回りを枢動する。従って第2の部分922は、椅子910の使用者を支持するために、あらゆる位置に枢動できる。例えば図35は、椅子910の使用者の足を支持するために、第1の部分920を完全な仰臥体勢に枢動すると同時に、第2の部分922が第1の部分920と傾斜角をなすべく枢動した状態を示す。これに対し図36では、第2の部分922を枢点924回りに約180度枢動させて、椅子910の使用者により長い支持面を提供する拡張構造となっているものを示す。
【0057】
拡張足部1160の別の実施形態を図42に示す。足部1160は、主要部1100および、拡張位置と収縮位置との間で主要部1100に対して動く可動部1102を備える。足部1160は、リンケージアセンブリ1148の拡張および収縮を駆動し、ひいては可動部1102を主要部1100に対して駆動する、駆動ねじ1136を駆動するモータ1144をさらに備える。
【0058】
モータ1144は主要部1100と連結し、駆動ナット1130が駆動ねじ1136に沿って駆動するよう、駆動ねじ1136を回転させる構成となっている。駆動ねじ1136は、枢点924を介して主要部1100に結合したブッシュ1134内に支持されている。ブラケット1150はブッシュ1134に枢結し、矢印1126に示すようにピン1124回りを枢動できる。ブラケット1150に対する駆動ねじ1130の動きは、結果としてリンケージ1148を動かす。
【0059】
具体的に、連結部材1108は枢点1128を介して駆動ねじ1130に枢結し、第2の連結部材1109は枢点1122を介してブラケット1150に結合している。連結部材1108および1109は、枢結ピン1120を介して枢結されている。連結部材1108は、別の枢結ピン1120を介して別の連結部材1111に連結している。連結部材1108,1109,1111および1113ははさみ形の連結を形成するよう、連結部材1109は、さらに別の枢結ピン1120を介してさらに別の連結部材1113に連結し、連結部材1111および1113はさらなる枢結ピン1120を介して枢結している。
【0060】
連結部材1111は枢点1106を介して伴板1115に枢結し、連結部材1113は枢点1118を介してブラケット1114に枢結している。ブラケット1114は別の枢点1116を介して可動部1102に枢結している。駆動ナット1130が駆動ねじ1136に沿ってブッシュ1134方向に動かされるに従って、伴板1115は案内1104に沿って摺動する。さらに、ブラケット1150は枢点1124で、連結部材1109は枢点1122で、そしてブラケット1114は枢点1116でそれぞれ枢動する。これにより可動部1102は足部1160を拡張すべく主要部1100に対して関節動作する。同様の方法で、駆動ナット1130のブッシュ1134から離れる方向への動きにより機構1148を引込ませ、結果として足部1160を格納する。
【0061】
図37には、一体化された暖房装置932およびカバー934を備える足部930を示す。使用者936は、足部930内に収容された状態で示す暖房装置930の発生する熱を保持するカバー934内に脚部を入れる。図37に示す実施形態で、鎖線で示す使用者936の脚部を覆うカバー934は囲いを形成すべく閉じた端部を有する。別の実施形態では、使用者の足が自由に動くようにカバー934は開いている場合がある。図示の実施形態の暖房装置932は、電気が通ると発熱する複数の抵抗加熱要素を備える。実施形態によっては、温風源から足部930の空気室に送られた温風で熱を伝えることもできる。さらに別の実施形態で、暖房装置932は、足部930の空気室へ送る空気を温める内蔵型発熱体を備えることもできる。
【0062】
足置き930と同様に、暖房装置940とカバー938を備えた肘掛け1028を図38に示す。使用者936は、肘掛け1028内に収容された状態で示す暖房装置940によって発生する熱を保つカバー938内に手を入れる。図56および図57に示す実施形態で、鎖線で示す使用者936の手を覆うカバー938は囲いを形成すべく閉じた端部を有する。別の実施形態では、使用者の手が自由に動くようにカバー938の両端が開いている場合がある。図示の実施形態の暖房装置940は、電気が通ると発熱する複数の抵抗加熱要素を備える。実施形態によっては、温風源から空気室に送られた温風で熱を伝えることもできる。さらに別の実施形態で、暖房装置940は、肘掛け1028支持面へ送られた空気を温める内蔵型発熱体を備えることもできる。
【0063】
図8から図11に示す別の実施形態で、椅子610は傾斜機能を含むリクライニングチェアおよび昇降椅子として動作する。椅子610は、枢点616で枢動フレーム614を支持しているフレーム612を備える。枢動フレーム614は枢点620で連結部材618に結合し、矢印622で示すように枢点616回りを枢動できる。図8の枢動フレーム614は、座部624の背部628より前部626がフレーム612に対して高く、椅子624が水平面から約5度となっている定位置にある。フレーム612に対する枢動フレーム614の矢印622方向への枢動は、椅子610のいずれの部材も関節動作することなく椅子を傾斜体勢にする。
【0064】
枢動フレーム614は、枢点634および枢点636を介して横部材632を支持する。枢点636は、連結部材618を横部材632に結合し、また、連結部材618は枢動フレーム614に結合し、横部材632の枢動フレーム614に対する動きを調整すべく伴板として機能する。枢点634は横部材を、駆動部642の駆動端640に結合している連結部材638に結合する。駆動部642は、枢動フレーム614に結合して駆動部642を支持する部材644に結合している。駆動部642は、矢印646で示すように駆動端640を回転させる。
【0065】
駆動部642によって動く駆動連結部材638の関節動作は、結果として横部材632を枢動フレーム614に対して動かす。この動きは、横部材632が枢動フレーム614に対して持ち上がって矢印648で示す前方向に動くように、伴部材618で制御されている。伴部材618が枢点620回りを枢動するに従って前座部650が枢点620回りを枢動すべく、前座部650は伴部材618に連結している。駆動連結部材638および伴部材618によって働く、横部材632の枢動フレーム614に対する動きの複合操作は、結果として前座部650の表面654を図8に示す上向きから図10に示す前向きへと回転させる。椅子610の使用者は、立ち姿勢から退出姿勢へ動かされる。立ち姿勢の時、使用者の臀部および腿部はだいたい、横部材632上に支持および結合された後座部652で支持されている。立ち姿勢のとき、使用者の下腿は前座部650上に支持されている。横部材632がモータ642で持ち上げられると、下腿の支持は離れる方向に動き、臀部および大腿上方は矢印648で示す方向に動かされる。さらに、座部624上の使用者を完全な立ち姿勢から、使用者の臀部が後座部652上に支持されたまま傾斜姿勢まで動かすように、後座部652は持ち上げられる。これにより、使用者が椅子610から退出するときの労力を減らす。前座部650の枢動は、椅子から退出する際に前座部650との干渉を無くす。
【0066】
上述の前座部650および後座部652の関節動作に加え、椅子610は関節動作でき、横部材632従って後座部652に対して関節動作する背部630をも含む。後座部652に対する背部630の動きは、2つの案内656および658の形状による複合動作である。上方案内656は、軸660を中心とした円弧状である。下方案内658は、2つの円弧の上方へ進むに従って上方案内656から離れるような形を有する楕円の円弧状である。
【0067】
背部630は、フレーム662、フレーム662に結合した背部枢動板664、およびフレーム662に結合した支持部682を備える。第1のローラ676は、背部枢動板664に枢結し、背部630が関節動作する際に上方案内656の面684に沿って転がるように上方案内656と係合している。第2のローラ678は、背部枢動板664に枢結し、背部630が関節動作する際に下方案内658の面686に沿って転がるように下方案内658と係合している。
【0068】
背部630の関節動作は、モータ669、外管670、およびモータ669で駆動されると管670に対して入れ子式に動くロッド672を含むリニアアクチュエータ668によって駆動される。取付けブラケット666は背部枢動板664と結合し、リニアアクチュエータ668は枢点680を介して取付けブラケット666に枢結している。リニアアクチュエータのロッド672は枢点674を介して横部材632と枢結している。ロッド672が延出するに従って、背部630は横部材632に対して関節動作し、同時にローラ676および678は案内656および658の面684および686に沿って回転する。案内656および658が末広がりの形状を有するため、使用者がほぼ立ち姿勢からほぼ仰臥姿勢まで動く際の使用者の臀部に対する背中の動きをおおよそ一致させて、椅子610の背部630を傾斜させる際に椅子に座っている使用者が経験するずれを低減するような、背部630は回転的および並進的な態様を両方含む複合動作で関節動作する。
【0069】
図8に示すほぼ起立体勢において、椅子610に座っている使用者がわずかに傾斜した姿勢となるように、背部630は矢印688で示す角度が約95度となるような位置にある。背部630は、座部624と背部630のなす角が約170度と、座部624および背部と水平面のなす角がそれぞれ約5度となるよう、約80度の動作範囲で関節動作する。相対的な動きを図9の第2の位置に代表例として示し、ローラ676および678の相対位置は広がって、支持部682の下端690が座部624の背部628近くに動いていることがわかる。下端690の背部628に対する相対的な動作は、座部624に対する背部630の複合動作の結果である。
【0070】
椅子610の別の動きは、枢動フレーム614がフレーム612に対して枢点616周りに枢動することによってなされる。座部部材632は枢動フレーム614で支持され、また、フレーム612に対する枢動フレーム614の全ての枢動が結果として座部624と背部630を一致させたまま傾斜すべく座部624と背部630を支持する。枢動フレーム614のフレーム612に対する枢動は、枢点692でフレーム612に枢結し、枢点696で枢動フレーム624と枢結しているリニアアクチュエータ694(図10に示す)で駆動されている。リニアアクチュエータ694は、モータ702、1つの外管700、および外管700に対して入れ子式に動作すべくモータ702で駆動されているロッド698を備える。ロッド698の外管700内への引込みは、結果として、座部624と背部630を図8に示す定位置に対して傾斜体勢となるように、枢動フレーム614を枢点616回りに枢動させる。
【0071】
椅子610は、肘掛け704をさらに含む。肘掛け704が下げた位置にあるとき、肘掛け704の下面706が前座部650および後座部652のそれぞれ面654および655と接するような位置にくる。肘掛け704が面654および655と常に一定の関係を維持すべく座部624に対する背部630の複合動作を一致させるために、肘掛け704は連結部材708を介して背部枢動板664に結合している。空動き連結部材708は、枢点714で肘掛け704の主要体712に枢結した主要連結部材710を備える。主要連結部材710は枢点718で支持板716に結合している。主要体712内の空所720は、背部630の座部624に対する関節動作の際に、主要連結部材710が主要体712内で動くことを可能にする遊びを与える。背部630が図8に示す起立体勢から傾斜体勢まで関節動作すると、主要連結部材710は矢印722(図10参照)で示す方向に枢点718回りを枢動する。これにより、背部630の関節動作の際に下面706が面654および655と接したまま、肘掛け704は座部624に対して矢印649に示す後ろ方向に移動する。
【0072】
空動きに加え、主要連結部材710は支持板716との連係により肘掛け704を支持して図10に示す使用位置から図11の退けた位置へ枢動できる場合がある。支持板716は、3つの留め具726で背部枢動板664に結合している。枢結ピン728は支持板716に結合し、さらに支持板716から外方向に延出する。主要連結部材710は、枢点718を中心とした円弧状を有し、その中に枢結ピン728を受容する大きさとなっている案内730を備える。図10の使用位置にあるとき、主要連結部材710は、案内730の第1の端部732で枢結ピン728上に支持されて、主要連結部材710は中心上の位置まで枢動される。肘掛け704を図11に示す退けた位置へ枢動させたとき、主要連結部材710は、案内730の第2の端部734で枢結ピン728上に支持されている。退けた位置にあるとき、椅子610の使用者が椅子610から椅子610に隣接した支持装置へ、横方向に移動することを可能にする。
【0073】
昇降する座部を有する椅子510の別の実施形態を図12〜図14に示す。この実施形態は、前部514と、後部516と、固定部518とを有する座部512を有している。固定部518は、部材522に連結されているフレーム520上で支持されている。部材522は、座部枢動板(不図示)とカム板(不図示)に連結されている。各部514、516、518が図12に示す構成にあるとき、椅子510は前述した椅子410の座部412と実質的に同様に機能する。後述する持ち上げ機能を構成するリンケージ及び部材の全ては部材522に連結されており、図14に示す上昇位置を達成するような関節動作は、背部530の関節動作と、故に椅子410の例示的な実施形態のカム板454の位置とは独立して動作し、同様に足部532とも独立して動作するようになっている。よって、図12〜図14の持ち上げシステムが操作されても、背部530と足部532は、図5の例示的な実施形態のフレーム420に相当するフレーム534に対して静止状態を保つ。
【0074】
再度図12を参照すると、モータ取り付けブラケット536が部材522に連結されており、モータ538を支持している。モータ538は、その第一端部にて、モータ取り付けブラケット536に枢点540を介して枢動可能に連結されている。モータ538は、駆動されるとヨーク542を介して線形の動力を出力する。ヨーク542は、モータ538の第二端部を形成しており、また、各ヨークアームの間で主要連結部材544の一部を受容している。モータ538は別の枢点546で主要連結部材544に連結されている。枢点546は、主要連結部材544のスロット548に受容されるピンを備えている。主要連結部材544は、その第一端部にて、ブラケット550にまた別の枢点552を介して枢動可能に連結されている。ブラケット550は、主要連結部材544がブラケット550に対して枢動すると、主要連結部材544は部材522に対しても同様に枢動するようになるように、部材522に連結されている。これにより、持ち上げ補助動作を実行する間の各部514及び516の動作の全ては主要連結部材544を駆動するモータ538から生じるようになる。
【0075】
主要連結部材544は、その第二端部にて、枢動ブラケット554の第一端部にまた別の枢点556を介して枢動可能に連結されている。枢点556は、枢動ブラケット554のスロット558に受容されるピンを備えている。枢動ブラケット554は、その第二端部にて、後部フレーム560に枢動可能に連結されている。後部フレーム560は後部座面562を支持しており、この後部座面562が使用者の臀部を支持することになる。モータ538が図12に示す位置から図13に示す位置へと主要連結部材544を駆動するときは、主要連結部材544は、部材522に対して上方向に矢印564(図13に示す)の方向へ枢動し、これにより、図13に示すように枢動ブラケット554を駆動する。枢動ブラケット554の駆動によって、後部516が、垂直に僅かに前方に前部514に向かって矢印566の方向へ駆動されるようになる。後部516が連結部材544によって部材528から離れるように上方向へ持ち上げられても、固定部518は、部材528に対して固定位置に留まる。後部516は、以下で説明するさらに別のリンケージの制動によって、比較的水平の方向で維持される。
【0076】
後部フレーム560は、追随連結部材568と前部フレーム570との双方に枢動可能に連結されている。前部フレーム570は、前部座面572を支持している。後部フレーム560は、追随連結部材568の第一端部にまた別の枢点574を介して連結されており、追随連結部材568は、その第二端部にて、追随ブラケット576にまた別の枢点578を介して枢動可能に連結されている。追随ブラケット576は、追随連結部材568が部材528に対して枢動すると、追随連結部材568の第一端部が部材528に対して円弧を描くように追随連結部材568が制動されるようになり、そしてこれにより後部フレーム560の動作も同様に制御されるように、部材528に連結されている。
【0077】
後部フレーム560は、別の枢点580を介して前部フレーム570に枢動可能に連結されている。前部フレーム570は、枢点582において前部枢動ブラケット584に枢動可能に連結されている。前部枢動ブラケット584は、部材528に連結されている。よって、前部フレーム570は、部材528から離れて行くように動作することはなく、前部フレーム570は枢点582を軸として弧を描くように枢動するように制動される。これによって、後部フレーム560の第二端部は、枢点582に中心を置く画定された円弧を描くように動作するように制動されるようになる。
【0078】
前述したリンケージによって、図13及び図14で示すように関節動作の範囲に渡って比較的水平の方向で後部516を維持するような弧を描く動作を介して後部フレーム560を動かすように、後部フレーム560は、枢動ブラケット554を後部フレーム560に連結させている枢点586を軸とする枢動ブラケット554の回転を介して駆動されるようになる。関節動作が進行するにつれて、主要連結部材544を枢動ブラケット554に連結している枢点556は、スロット558に沿って移動する。これが、後部516が概ね水平方向で維持されることに一役買っている。前部514が枢点582を軸に約90度枢動して、後部516が完全に上昇された持ち上げ補助位置に到達すると、モータ538のヨーク542を主要連結部材544に連結している枢点546がスロット548の中で移動して、これにより枢動ブラケット554は、使用者が後部516から降りる又は後部516に着席することを容易にするために後部座面562を僅かに傾斜させるように駆動される。
【0079】
椅子510への着席は、使用者が後部516に腰を下ろした後に、リンケージが図14の位置から図12の位置へと動くようにモータ538を引き込ませることによって達成される。ここで説明した動きに加えて理解してもらいたいことは、椅子510のフレーム588は、床に固定されていてもよいし、キャスタ上に取り付けられていてもよいし、また、別のフレーム上に配置されていてもよい。フレーム588が別のフレーム上に配置されている場合は、フレーム588は、フレーム588が中間フレームとして機能し、別のフレームがベースフレーム(不図示)として機能する状態で、その追加のフレームに対して移動可能となっていてもよい。また、モータ(不図示)が各フレームの間に配置されており、フレーム588を、故にフレーム588の上に配置された支持面を昇降するように、フレーム588をベースフレームに対して動かすように構成されていてもよい。これは、仰臥の体勢の間は椅子510を下降させて、使用者が椅子510から落下した場合の傷害の危険性を低減するために、有用な構成となり得る。さらに、フレーム588は、椅子510の使用者にさらなる持ち上げ補助を提供するために、前部514と後部516の関節動作の間に同時に上昇されてもよい。
【0080】
前述した関節動作に加えて、前部514と後部516とはさらに、選択的に膨張させることが可能な一つ以上の空気袋を有していてもよい。使用者が持ち上げられて椅子から降りるサイクルの間、後部516の空気袋が、後部516の全体的な高さを高めるために膨張されて、一方で前部514の空気袋は、椅子510から降りることが容易になるように収縮されてもよい。空気袋の大きさの変更は、当該部分が固定された位置にあるときに達成されてもよいし、又は、椅子510から降りることをさらに容易にするために前述した関節動作と同時に起こってもよい。
【0081】
図43に示す椅子810の別の実施形態では、椅子は複数の持ち上げシステム990を有している。持ち上げシステム990は、フレーム14に連結されて、フレーム14を床に対して昇降するように機能できる。持ち上げシステム990は、モータ992と、外側チューブ994と、ロッド996とを備えている。ロッド996は、矢印998で示すように外側チューブ994の内側に入れ子式に伸縮動作するようにモータ992によって駆動される。ロッド996の入れ子式の伸張又は引っ込み動作によって、フレーム14の床に対する縦方向位置が変更される。実施形態によっては、持ち上げシステム990が椅子の4つの角部に配置されて、各角部が、椅子の座部を前側に又は後ろ側に傾斜させるように独立して調整されるようになっていてもよい。
【0082】
椅子の各種部材の関節動作に焦点を当てた前述の各種の椅子の実施形態に加えて、椅子はさらに、椅子を使用している人に快適さと補助を提供するための様々な改善点を備えていてもよい。椅子は、移動制約者によって一日に数時間もの間利用されることがあるので、椅子に着席している間に実行し得る活動を提供する必要がある場合もあると考えられる。以降の説明では、椅子810の一つの実施形態に、機能を向上させるための様々な態様を加えたものについて言及する。なお、以降で説明する実施形態のいずれも、前述した関節動作する実施形態のいずれとも組み合わせてよい。
【0083】
年配者又は移動制約者にとっては、幅を変更できる座部面の方がよいことがある。本開示は、座部面の幅を変更するために調節可能となっており、椅子に着席した人に横方向の支持を提供するような肘掛けを有している。例えば、椅子810の座部の幅を変更するために調節可能な肘掛けの実施形態を図39〜図41に示す。図39に示す第一実施形態では、肘掛け950が枢動部942を有している。枢動部942は、矢印946で示すように、概ね水平な軸948を軸として枢動する。枢動部942は、図39に示す展開位置と、枢動部942が肘掛け950の穴部944内に収容されるような格納位置との間で枢動する。展開位置にあるときは、面945が座部20と係合し、枢動部942が適所で保持される。別の曲面943は、軸948をその中心としており、椅子810に着席した人を横方向及び上方向の両方から支持する。実施形態によっては、枢動部942は、座部の両側にある各肘掛けに配置されていてもよい。図39の例示的な実施形態では、肘掛け952は枢動部942を有しているが、この枢動部942は格納位置にあるため図示されていない。
【0084】
調節可能な肘掛け958の別の実施形態を図40に示す。肘掛け958は、矢印962で示すように肘掛け958の穴部956から入れ子状に伸張する部分954を有している。この部分954は、図40に示す伸張位置と、部分954が穴部956内に収容される格納位置との間で、複数の位置に移動可能となっている。これにより、椅子810の着席領域の幅は、複数の幅へと調節可能となっている。
【0085】
図41に示すように、また別の実施形態では、椅子810は2つの調節可能な肘掛け964と966とを有している。肘掛け964、966はそれぞれ垂直軸972、974を軸に枢動し、矢印980で表す椅子810の着席領域が調節される。図41の例示的な実施形態では、椅子810がフレーム部976、978を有しており、肘掛け964、966はフレーム部976、978に枢動可能に連結されており、矢印970、968で示すように軸972、074を軸に枢動可能となっている。肘掛け964、966が図41にて実線で示すそれぞれの第一位置にあるときは、矢印980で表す着席領域は最大となる。肘掛け964、966は、実線で示す第一位置と想像線で示す第二位置との間の複数の位置へ独立して枢動可能となっている。
【0086】
図15に示す椅子810は、背部12に連結された慰安部104を有している。図15の例示的な実施形態では、慰安部104は、背部12の主要部29に連結された支持部102を有している。主要部101は、枢点100を介して支持部102に枢動可能に連結されており、矢印105で示すとおり軸103を軸に枢動可能となっている。慰安部104は、椅子810上に支持される人に向かって強制空気を送出する通気孔106を有している。図15の例示的な実施形態では、送出される空気は支持部102内に配置された制御部によって制御される温度となっており、柔軟な管路を通って通気孔106に送られる。前記の温度はヒーターによって制御される。実施形態によっては、この温度は、温度を制御する必要に応じて、クーラーによって制御されてもよいし、又はクーラーとヒーターの両方によって制御されてもよい。慰安部104はさらに、椅子810上に支持される人に明かりを照らす照明94を有している。照明94は、使用者が椅子810の肘掛けに配置された制御部を利用することによって、選択的に作動されてもよい。図15の例示的な実施形態では椅子810の肘掛けに配置された制御部を利用しているが、この制御部は、例えば椅子810のフレームの側面又はペンダントなどを含め、様々な場所のいずれに配置されていてもよい。
【0087】
椅子810の背部12の主要部29に連結されている慰安部108の別の実施形態を図16に示す。図16の例示的な実施形態では、スピーカ112が主要部101に配置されており、椅子810上に支持される人に向かって音を出すように配置されている。スピーカはテレビに連結されており、テレビから大音量の音を出す必要がないように椅子810上に支持される人に向かって音を出す。これによって、聴力が低下している人が、テレビからの音を聞くために、家庭の他のメンバーの邪魔をしなければならない可能性が少なくなる。図16の例示的な実施形態では、スピーカはテレビに連結されている。しかし、他の実施形態では、スピーカは、ラジオ受信機、CDプレイヤー、その他の音出力装置など、各種の出力装置のいずれに連結されていてもよい。実施形態によっては、慰安部108は、音楽を流す又はその他の音を出力するような音発生装置を有してもよい。マッサージ機能を有する装置と結びつけると、スピーカは、椅子810上に支持される人がリラックスし易くなるように音とマッサージのプロファイルを利用する椅子810におけるリラクゼーションシステムの一部となり得る。
【0088】
図17に示す慰安部92の別の実施形態は、主要部101に連結された照明94を備えている。主要部101は、図11の例示的な慰安部104と同様に軸103を軸に枢動する。主要部101の枢動によって、椅子810上に支持されている人に対して照明94の位置が調節され、これによりその人が受ける明かりの量が調節される。主要部101は、図17に実線で示す第一位置と想像線で示す第二位置との間の複数の位置に調節可能となっている。
【0089】
さらに別の実施形態では、慰安部300が、主要部29に連結された支持部302と、入れ子式伸縮部304とを有している。入れ子式伸縮部304は、支持部302の開口306に入れ子式に受容されており、矢印308で示すように支持部302に対して入れ子式に伸縮する。照明94は入れ子式伸縮部304に連結されており、椅子810上に支持される人に明かりを当てるように配置されている。入れ子式伸縮部304の入れ子式伸縮動作によって、椅子308上に支持される人に対して照明94の位置を調節できるようになり、これにより照明94は、適切な明るさが達成されるように使用者自身によって位置調節され得るようになる。別の実施形態では、照明94が省かれて、その代わりに通気孔、スピーカ、又は、椅子810上に支持される人が自身の快適さを向上させるように利用できるその他の装置を備えていてもよい。
【0090】
図19に示す慰安装置310のさらに別の実施形態によっても、照明の調節を容易に実行できるようになる。慰安装置310は、椅子810の背部12の主要部29に連結された支持部312を有している。2つの柔軟な部材314が支持部312に連結されている。ハウジング316が柔軟な部材314のそれぞれに、支持部312に連結された柔軟な部材の端部とは反対側の端部にて連結されている。照明94がハウジング316のそれぞれに連結されている。照明94の照明方向は、矢印318と矢印320で示す複数の方向に調節可能となっている。柔軟な部材314は、照明94の明かりが適宜な方向に当てられるように様々な方向のいずれにも再配置できるようになっている。図19の例示的な実施形態では照明94がハウジング316に連結されているが、別の実施形態では、これらの照明の一つ又は両方が省かれてその代わりに、例えばスピーカや通気孔など、本願明細書に開示したその他の慰安装置を備えていてもよい。さらに、別の実施形態では、必要に応じてこれより多い、又はこれより少ない柔軟な部材314を有していてもよい。さらに別の実施形態では、例示的な慰安装置310の各態様と他の慰安部とを組み合わせた慰安部を作成するために、柔軟な部材314が他の慰安装置の実施形態に加えられていてもよい。
【0091】
各種の慰安部によって提供される基本的な慰安もさることながら、椅子の制御部が、椅子を使用する人が届きやすい位置にあり、使用方法も簡単であることが重要である。椅子と、椅子の各種の付属機能と、椅子の周辺領域内にある周辺装置の運転を制御する使用者制御部として、様々な形態が使用できる。制御部及び制御支持装置の各種の例示的な実施形態を、例示的な椅子810の交換可能な部品として説明する。なお、各種の実施形態は、個別に使用してもよいし、特定の椅子のための特定の使用者入力システムを形成するために組み合わせて使用してもよい。
【0092】
例えば、図20に示すペンダント116は、電気コードを介して椅子の制御システム(不図示)に接続されていてもよいし、又はラジオ周波数技術などを利用して無線で椅子に接続されていてもよい。ペンダント116は入力ボタン138を備えている。入力ボタン138は、例えばマッサージ機能などの椅子の機能を作動させるように入力するためのものである。ペンダント116はさらに、入力スライダ120を備えている。入力スライダ120は、ペンダント116のハウジング119にあるスロット118内で滑動する。入力スライダ120は三角形の形状をしており、椅子の体勢に対応するいくつかのインジケータの一つを指すように方向付けられている。例えば、起立体勢インジケータ122は、椅子の上体を起こした体勢に対応している。図20では、入力スライダ120は、起立体勢インジケータ122に対応する位置にある。椅子のその他の体勢に対応するさらに3つのインジケータが備えられている。例えば僅かな傾斜体勢インジケータ124などである。ペンダント116には、傾斜体勢インジケータ126及び仰臥体勢インジケータ128も備えられている。入力スライダ120がインジケータ122、124、126、128のいずれかに対応する位置へとスロット118内で滑動すると、椅子はその示された体勢へと関節動作する。これによって椅子の使用者は、椅子への入力によって所望の体勢に変えることができる。図20の例示的な実施形態での入力スライダ120は、ハウジング119内部の戻り止め部(不図示)によって、特定のインジケータ122、124、126、128に対応する位置で保持される。別の実施形態では、戻り止め部が省かれて、入力スライダ120を再配置することによって、起立体勢と仰臥体勢との間での椅子の体勢の連続的な変形が実行されるようになっていてもよい。
【0093】
ペンダント116はさらに、ポインタ134を有する入力ダイヤル130を備えている。入力ダイヤル130を、ハウジング119の目盛りインジケータ136が示すとおりに温度などの連続的な変数を入力するために使用してもよい。入力ダイヤル130及び目盛りインジケータ136によって使用者が、例えば図15の例示的な椅子810の通気孔106から送出される空気の温度の様々な値を入力できるようになっていてもよい。実施形態によっては、入力ダイヤル130は、マッサージのスピード又は空気室91の硬さを制御するようになっていてもよい。
【0094】
ここで図28を参照すると、ペンダント384の別の実施形態が、椅子810の慰安部378にコード382を介して連結されている。ペンダント384は、いくつかの使用者入力部386を有している。使用者入力部386は、椅子810の関節動作する部材の動作と、マッサージ、暖房、そして面の硬さなどの椅子810の付属機能の動作とを制御するためのものである。さらにペンダント384は、テレビ、オーディオシステム、照明など周囲にある別の各種装置も制御する。コード382は、ペンダント384の不使用時にはコード382を引き込む引き込み機構(不図示)に連結されている。ペンダント384は、不使用時には、慰安部378に位置する穴部380に収納される。実施形態によっては、ペンダント384及びコード382は椅子810の別の部材に連結されており、そしてペンダント384はその特定の部材の穴部分に収納される。また、コード382はペンダント384から各制御部へ制御信号を伝送する電気コードであるが、別の実施形態では、ペンダント384が各制御部と無線で通信を行っておりコード382が単にペンダント384を支持してつなぐためのものであってもよい。
【0095】
図31は、コード382を介して肘掛け28につながれた別のペンダント402を有する椅子810の別の実施形態を示している。肘掛け28には構造体400が連結されており、構造体400は、収納のためにペンダント402を受容する穴部398を形成している。ペンダント402は椅子810を関節動作させるためのものであり、椅子810のリクライニング機能を制御する使用者入力部404と、椅子810の持ち上げ機能を制御する使用者入力部406とを有している。
【0096】
実施形態によっては、椅子810の各制御部は椅子810に固定されていてもよい。例えば、図29に示す制御パネル390は、硬質の支持部388上で支持されている。支持部388は椅子810の肘掛け28に連結されている。支持部388は、椅子810上に支持される人の指先に近い利用しやすい位置に制御パネル390を配置するように構成されている。制御パネル390と支持部388の組み合わされた構造体は、使用位置と退避位置との間で肘掛け28と共に移動する。
【0097】
図30に示すシンプルな使用者入力部392は、第一側396と第二側394とを有するトグルスイッチであって、図30の例示的な実施形態では肘掛け26に連結されている。トグルスイッチ392は、椅子の持ち上げ関節動作部材を制御するように機能できる。第一側396を作動させると椅子の持ち上げ機構が上昇し、一方で第二側394を作動させると椅子の持ち上げ機構が下降する。
【0098】
図33は、肘掛け834内部に配置される制御部の別の実施形態を示している。肘掛け834は、下方部836に枢動可能に連結された上方部838を備えており、矢印846で示すとおり概ね水平な軸844を軸に枢動可能となっている。閉鎖位置(不図示)では、上方部838が下方部836上に支持されて、肘掛け834は例示的な肘掛け28と同様の一般的な肘掛けとして機能する。上方部838が図33に示す開放位置へと枢動されると、椅子、付属機能、そして周辺装置の動作を制御するための使用者入力部が露わになる。例えば、使用者入力部842は、椅子の持ち上げ機構の各態様を制御し、使用者入力部840は、椅子の関節動作する各部材と、マッサージ、暖房、面の硬さなどの付属機能と、テレビ、オーディオシステム、照明などの周囲にある別の各種装置との動作を制御する。図29と図30の例示的な実施形態と同様に、図33の使用者入力部840及び842は、図10と図11の例示的な肘掛け704と同様に関節動作する肘掛け834の関節動作と共に移動する。
【0099】
図26に示す肘掛け828の別の実施形態では、無線ペンダント又はリモートコントロールを収納するために収納室360が備えられている。肘掛け828はカバー356を有している。カバー356は、収納室360を閉じるためにヒンジ358を軸に枢動可能となっている。
【0100】
椅子に隣接した収納を備えることによって、椅子上に支持される人は、椅子上で過ごす間に必要となる様々な物を容易に取り出すことが可能になる。椅子に隣接して配置される収納システムのいくつかの態様が、名称が「HOME CARE EQUIPMENT SYSTEM(在宅介護装置システム)」でありシリアルナンバーが「PCT/US2005/______」であり代理人整理番号が7043−78467である2005年8月16日に出願されたPCT出願に開示されている。この開示の全内容をこれにより本願明細書に参照によって援用する。図21に示す別の実施形態では、収納モジュール114が、椅子810上に支持される人が容易に届くように椅子810のフレーム14に取り付け可能となっている。取り付けは各種の留め手段のいずれによってなされてもよい。図22に示すように、収納モジュール114はカバー330を有している。カバー330は、矢印334で示すように概ね水平な軸332を軸に枢動可能となっている。図25で最も良く示すように、カバーは収納モジュール114内部の穴部355が露わになるように開放される。図21〜図24の例示的な実施形態では、収納モジュール114が椅子810上で支持される人に収納スペースを提供している。
【0101】
ここで図23及び図24を参照されたい。例えば、人342が、椅子810に隣接して配置された個人用移動装置338の座部340から移ってくるとする。肘掛け28が、障害のない移動ルートが確保されるように、退避位置へと枢動する。移動の間は、人342は、収納モジュール114のカバー330の上と椅子810のフレーム14の上とで支持されることになる。
【0102】
収納モジュール114のさらに別の実施形態を図25に示す。収納モジュール114はテーブル344を備えている。テーブル344は、収納モジュール114の穴部355に収納される。3本の入れ子式の脚346がテーブル344を支持している。テーブル344は、図25に実線で示す第一位置と図25に想像線で示す第二位置との間で枢動可能となっている。テーブル344は、第一位置では、概ね水平であり椅子810に着席する使用者の膝の上方に配置されるようになっている。テーブル344は、第一位置では、食事を取る台又は種類は問わず様々な仕事を実行するための支持台として、椅子810の使用者が使用できる。テーブル344は、第二位置では、収納モジュール114の内側に収納されるように配置される。脚346を入れ子式に引き込んでいくことによって、カバー330を閉じることができるように、テーブル344を収納モジュール114の穴部355の内側に引き込ませることができる。
【0103】
図32に示す収納モジュール114のさらに別の実施形態では、ペンダント830が柔軟な部材832の一端に連結されている。部材832は、その第二端部にて、椅子810の収納モジュール114の穴部355内部に連結されている。柔軟な部材832は多数の位置に調節可能となっている。ペンダント830は、不使用時には穴部355に収納され、収納モジュール114を閉じて肘掛け28をその使用位置に枢動させることができるようにする。柔軟な部材832は、椅子810上に支持される人が最小限の力で配置させることができ、その人が再配置するまでその位置に保持され得るように構成されている。ペンダント830は、柔軟な部材832の中心を通過して収納モジュール114を通って椅子810のフレーム14に到達しているコード(不図示)によって、椅子810に電気的に連結されている。実施形態によっては、このようなコードは省かれて、ペンダント830と椅子810との間で無線通信が採用されていてもよい。
【0104】
図26の例示的な実施形態の収納室360や、図21及び図22の収納モジュール114のような収納領域はまた、椅子810と周辺装置との間のインタフェースを置く場所としても利用するようにしてよい。例えば、図27に示すインタフェースパネル376は、収納室360又は収納モジュール114の内側、又は椅子810の主要部29の後ろに配置されていてもよい。入力パネル376は、2つのオーディオ入力ジャック370、372と、ペンダント連結部374と、トグルスイッチ364とを有している。例示的なパネル376のオーディオジャック370、372は、例えば図16の例示的な実施形態のスピーカ112などの椅子810に連結されているスピーカによって出力される音声を入力するための接続口として機能する。ペンダント連結部374は、制御ペンダントの接続口として機能する。トグルスイッチ364は、椅子の持ち上げ機構を作動させる際に使用される2つのスイッチ366及び368を有している。
【0105】
ここに開示したいくつかの実施形態では、アクチュエータの使用が言及されている。アクチュエータという用語の指すものとしては、開示した各椅子の様々な部材及びリンケージを関節動作させる際に利用できる様々な作動装置のいずれでも当てはまる。例えば、電気機械リニアアクチュエータ、空気圧シリンダ、油圧又は液圧シリンダ、空気袋などは全て、一つ以上の前記実施形態に適用可能であると考えられる。さらに、アクチュエータは、上記で述べた椅子及び椅子の連結部材、リンケージ、フレーム、各種部材に、作動、運動、移動動作、関節動作、持ち上げ、下降、回転、伸張、引っ込み、その他の動作を行わせるために利用できる主要な発動部、連結部材、各種部材の別の組み合わせを有していてもよい。
【0106】
以上、特定の例示的な実施形態について詳細に説明してきたが、様々な改変や変更も本開示の範囲と趣旨に入るものとする。本開示の範囲と趣旨は、添付の特許請求の範囲に記載し定義するとおりである。詳細な説明は添付の図面を個々に参照する。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】関節動作式背部、関節動作式フット支持部および関節動作式座部を有する椅子を示す斜視図である。
【図2】その一部にマッサージ装置を、また、その各支持部全体に分散配置させた種々の大きさの空気室を有する椅子の、一部を切り取った状態の斜視図である。
【図3】取外し可能な吸湿体の一部とパッドを椅子に止めるためのたれぶちを有する椅子の座部用洗濯可能パッドを示す図である。
【図4】椅子の各支持部全体に円筒形空気室を分散配置させた別の椅子の斜視図である。
【図5】1つのリニアアクチュエータで動く関節動作部分を有する椅子の一部を切り取って示す側面図である。
【図6】部分的に傾斜した体勢にある図5の椅子の側面図である。
【図7】完全に倒した体勢にある図5の椅子の側面図である。
【図8】関節動作式背部および昇降式座部を有する別の実施形態による椅子の一部を切り取って示す側面図である。
【図9】背部を傾斜体勢にした図8の椅子の側面図である。
【図10】椅子の肘掛けと、椅子の座部を完全に持ち上げた状態の図8の椅子の側面図である。
【図11】肘掛けを関節動作させて避けた位置にした図8の椅子の側面図である。
【図12】椅子の各部が起立体勢のまま、椅子上の使用者を座り姿勢から立ち姿勢に持ち上げて退出を容易にすべく、関節動作する多数の部分を有する椅子の一部を切り取って示す側面図である。
【図13】座部が関節動作の途中位置にある図12の椅子の側面図である。
【図14】座部が上昇位置ある図12の椅子の側面図である。
【図15】図1の椅子の背部にさらに慰安部を結合して含む、椅子の一部を取り外して示す斜視図である。
【図16】図1の椅子の背部にさらに別の実施形態による慰安部を結合して含む、椅子の一部を取り外して示す斜視図である。
【図17】椅子の背部にさらに枢動式慰安部を結合した椅子の側面図である。
【図18】図1の椅子の背部にさらなる実施形態による慰安部を結合して含む、椅子の一部を取り外して示す斜視図である。
【図19】図1の椅子の背部にまたさらなる実施形態による慰安部を結合して含む、椅子の一部を取り外して示す斜視図である。
【図20】図1の椅子用ペンダントの正面図である。
【図21】収納モジュールを取り付けた椅子の斜視図である。
【図22】別の実施形態による、蓋を有する収納モジュールを取り付けて肘掛けをよけた位置に間接動作させた椅子の斜視図である。
【図23】使用者の椅子と個人用移動手段の間で水平移動を可能にすべく配置された、図22の椅子に隣接した個人用移動手段の斜視図である。
【図24】使用者が横移動している様子を示している図23の椅子と個人用移動手段の正面図である。
【図25】別の実施形態による、収納モジュールの空所から延出している格納式テーブルを有する図22の椅子の斜視図である。
【図26】収納室を含む椅子の肘掛けの一部を切り取って示す分解斜視図である。
【図27】図1の椅子の入力パネルを例示した斜視図である。
【図28】慰安部に取り付けられたコードを通じて椅子と結合したペンダントを保管するための空所を含む、椅子の背部に結合した慰安部を有する椅子の分解斜視図である。
【図29】その上に操作パネルを支持している、肘掛けに結合した操作支持部を有する椅子の一部の分解斜視図である。
【図30】椅子の関節動作を調節するための、肘掛けに結合したトグルスイッチを有する椅子の一部の分解斜視図である。
【図31】収納庫の肘掛けに取り付けられたコードを通じて椅子と結合したペンダントを保管するための空所を含む、肘掛けに結合した収納庫を有する椅子の一部の分解斜視図である。
【図32】収納庫の空所から延出しているペンダントを支持する弾性部材を有する図22の椅子の別の実施形態を示す斜視図である。
【図33】椅子の操作部を露出するよう枢動可能な肘掛け上部を備えた2部構成肘掛けを含む椅子の一部の分解斜視図である。
【図34】椅子に座っている使用者の脚部と足を支持すべく互いに対して枢動する多数の部分を備えた脚部支持体を有する椅子の分解側面図である。
【図35】椅子に座っている使用者の脚部と足を支持すべく互いに対して枢動する多数の部分を備えた脚部支持体を有する椅子の分解側面図である。
【図36】椅子に座っている使用者の脚部と足を支持すべく互いに対して枢動する多数の部分を備えた脚部支持体を有する椅子の分解側面図である。
【図37】椅子に座っている使用者の脚を温める加熱要素を含んでいる椅子の脚部支持体の分解斜視図である。
【図38】肘掛け内にある、使用者の手を温めるための加熱要素を含む椅子に座っている使用者を示す分解上面図である。
【図39】椅子の座面幅を狭めるべく駆動している肘掛けの枢動部を備えた2部構成肘掛けを有する椅子の斜視図である。
【図40】椅子の座面幅を狭めるために延出している肘掛けの入れ子部を備えた2部構成肘掛けを有する椅子の斜視図である。
【図41】椅子の座面幅を狭めるべく垂直軸回りに枢動する肘掛けを有する椅子の上面図である。
【図42】伸展可能な椅子の脚部支持体の下面図である。
【図43】椅子の高さを変えるための動力付き入れ子型脚部を有する椅子の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0108】
610 椅子
612 フレーム
632 座部支持板
656 第1の(円弧状)案内
658 第2の(円弧状)案内
676 第1のローラ
678 第2のローラ
664 背部支持板
668 動作制御部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
前記フレームに支持され、第一軸を中心とした第一円弧状案内と第二軸を中心とした第二円弧状案内とを含んでいる座部支持板と、
前記第一円弧状案内と係合している第一ローラと前記第二円弧状案内と係合している第二ローラとを含んでいる背部支持板と、
第一結合点で前記座部支持板に枢結し、第二結合点で前記背部支持板に枢結している動作制御部材と
を備え、
前記背部支持板が椅子を起立体勢にする位置にある伸張位置と、前記背部支持板が椅子を傾斜体勢にする位置にある収縮位置との間で前記動作制御部材が作動させる
椅子。
【請求項2】
座部フレームに支持されている座部をさらに備え、前記椅子が傾斜体勢にあるときに前記動作制御部材の収縮により前記座部の一部を露出し、結果として使用者を支持できる前記座部の領域を増やす請求項1に記載の椅子。
【請求項3】
前記第一円弧状案内が前記第二円弧状案内の垂直上方向に配置され、前記第一円弧状案内が一定の曲率半径を有し前記第二円弧状案内が楕円の曲率を有する請求項1に記載の椅子。
【請求項4】
前記動作制御部材がリニアアクチュエータである請求項1に記載の椅子。
【請求項5】
前記座部支持フレーム上に支持されている座部と、
前記座部内に分散配置されている複数の空気室と
をさらに備える請求項1に記載の椅子。
【請求項6】
前記複数の空気室がマッサージ動作するように個別におよび連続して急速に膨張および収縮する請求項5に記載の椅子。
【請求項7】
前記背部支持板に枢結したリンケージと、
前記リンケージに枢結した肘掛けと
をさらに備え
前記背部支持板が起立体勢と傾斜体勢の間で関節動作する際に前記肘掛けがほぼ一定の水平関係を維持する請求項1に記載の椅子。
【請求項8】
後座部フレームと、
支持フレームと、
前記支持フレームに結合し、前記後座部フレームに枢結した駆動連結部材と、
前記後座部フレームが上方向および前方向に関節動作するように前記駆動連結部材が関節動作する際に前記後座部フレームの動作を制御すべく前記支持フレームおよび前記後座部フレームに枢結した前座部フレームと
を備える昇降椅子
【請求項9】
前記駆動連結部材を駆動するためのリニアアクチュエータをさらに備える請求項8に記載の昇降椅子。
【請求項10】
前記駆動連結部材の関節動作の間、前記前座部フレームの表面がほぼ上向きとほぼ前向きの間で回転させられる請求項9に記載の昇降椅子。
【請求項11】
第一軸を中心とした第一円弧状案内と第二軸を中心とした第二円弧状案内とを含んでいる後座部フレームと、
支持フレームと、
前記支持フレームに連結し、前記後座部フレームに枢結した駆動連結部材と、
前記後座部フレームが上方向および前方向に関節動作するように前記駆動連結部材が関節動作する際に前記後座部フレームの動作を制御すべく前記支持フレームおよび前記後座部フレームと枢結した前座部フレームと、
前記第一円弧状案内と係合している第一ローラと前記第二円弧状案内と係合している第二ローラとを含んでいる背部支持板と、
第一結合点で前記後座部フレームに枢結し、第二結合点で前記背部支持板に枢結している動作制御部材と
を備え、
前記背部支持板が椅子を起立体勢にする位置にある伸張位置と、前記背部支持板が椅子を傾斜体勢にする位置にある収縮位置との間で前記動作制御部材が作動させる
昇降椅子。
【請求項12】
前記駆動連結部材を駆動するためのリニアアクチュエータをさらに備える請求項11に記載の椅子。
【請求項13】
前記駆動連結部材の関節動作の間、前記前座部フレームの面がほぼ上向きとほぼ前向きの間で回転させられる請求項11に記載の椅子。
【請求項14】
前記背部支持板に枢結したリンケージと、
前記リンケージに枢結した肘掛けと
をさらに備え
前記背部支持板が起立体勢と傾斜体勢の間で関節動作する際に前記肘掛けがほぼ一定の水平関係を維持する請求項13に記載の椅子。
【請求項15】
前記肘掛けが使用位置と退避位置との間で枢動可能である請求項14に記載の昇降椅子。
【請求項16】
前記座部支持フレーム上に支持されている座部と、
前記座部内に分散配置されている複数の空気室と
をさらに備える請求項11に記載の椅子。
【請求項17】
前記複数の空気室がマッサージ動作するように個別におよび連続して急速に膨張および収縮する請求項16に記載の椅子。
【請求項18】
枢点で前記支持フレームを支持しているベースフレームと、
前記ベースフレームおよび前記支持部に結合した動作制御装置と
をさらに備え、
前記支持フレームを定位置と傾斜位置との間で関節動作させるべく前記動作制御装置の長さが変わる請求項11に記載の椅子。
【請求項19】
前記動作制御装置がリニアアクチュエータである請求項18に記載の椅子。
【請求項20】
前記背部支持板に枢結したリンケージと、
前記リンケージに枢結した肘掛けと
をさらに備え
前記背部支持板が起立体勢と傾斜体勢の間で関節動作する際に前記肘掛けがほぼ一定の水平関係を維持する請求項19に記載の椅子。
【請求項21】
前記肘掛けが収納室を含む請求項20に記載の椅子。
【請求項22】
座部フレームと、
前記座部フレームに結合した前座部と、
前記座部フレームに結合した後座部と、
収縮状態と支持状態との間で選択的に膨張できる少なくとも1つの前座部袋と、
支持状態と退出状態との間で選択的に膨張できる少なくとも1つの後座部袋と
を備える椅子。
【請求項23】
少なくとも1つの後座部袋を支持状態から退出状態へ膨張させて、少なくとも1つの前座部袋を支持状態から収縮状態へ収縮させることを備える使用者の椅子からの退出を支援する方法。
【請求項24】
少なくとも1つの後座部袋を退出状態から支持状態へ収縮させ、少なくとも1つの前座部袋を収縮状態から支持状態へ膨張させることを備える使用者の椅子への着座を支援する方法。
【請求項25】
支持フレームと、
前記支持フレームに結合した座部と、
上昇位置と下降位置との間で前記支持フレームに対して枢動可能な背部と
を備え、
前記背部が上昇位置にあるとき前記背部が前記座部の一部に重なり、前記背部の上昇位置から下降位置への枢動の際に、前記座部の一部が露出して前記背部が下降位置にあるとき使用者を支持できる前記座部領域を増加させる
椅子。
【請求項26】
前記座部が、前記背部の前記起立体勢から前記仰臥体勢への関節動作の一部で元の位置から下方向に退き、前記背部が仰臥体勢にあるときに元の位置に向けて戻るように構成されている請求項25に記載の椅子。
【請求項27】
取付け穴を含んでいるフレームと、
前記フレームの前記取付け穴に受容されるように構成された取付けブラケットを含む側方モジュールと
を備え、
前記側方モジュールが前記フレームに着脱可能に結合している椅子。
【請求項28】
フレームと、
前記フレームに結合した少なくとも1つの支持面と、
前記少なくとも1つの支持面と結合し、少なくとも1つの慰安に関する出力を前記支持面周辺に向けて出力するように構成されている慰安部と
を備える椅子。
【請求項29】
前記少なくとも1つの慰安に関する出力が光である請求項28に記載の椅子。
【請求項30】
前記少なくとも1つの慰安に関する出力が可変速の空気である請求項28に記載の椅子。
【請求項31】
前記少なくとも1つの慰安に関する出力が温度調節された空気である請求項28に記載の椅子。
【請求項32】
前記少なくとも1つの慰安に関する出力が音声出力である請求項28に記載の椅子。
【請求項33】
前記慰安部が固定部と伸張可能部をさらに備える請求項28に記載の椅子。
【請求項34】
前記慰安に関する出力が前記伸縮可能部から発せられる請求項33に記載の椅子。
【請求項35】
フレームと、
前記フレームに結合した座部と、
前記フレームに枢結した第一部分と、前記第一部分に枢結した第二部分とを含んでいる足部と
を備え、
前記第二部分が、前記第一部分に隣接した第一位置から前記第一部分に対して大体垂直な第二位置へと枢動するように構成されている椅子。
【請求項36】
第一使用者支持面を有する第一座部部分と、前記第一座部部分の前にあり第二使用者支持面を有する第二座部部分とを含む座部と、
前記座部に対してほぼ上向きに延出している背部と、
前記座部に対してほぼ下向きに延出している足部と、
前記座部を第一位置と第二位置との間で動かすための持上げ部と
を備え、
前記座部が前記第一位置にあるとき、前記第一および第二使用者支持面が共にほぼ上を向き、使用者が着席できる座面を提供するように協働し、
前記持ち上げ部が、使用者の椅子からの退出を支援するために前記座部が前記第一位置と第二位置との間で動くに従って前記第一座部部分を持ち上げるように構成されており、
前記座部が前記第二位置にあるとき、前記第二座部部分が前記第二使用者支持面が前記背部から見て外方に向くような方向となっている
使用者を支持するための椅子。
【請求項37】
前記座部が前記第一位置と第二位置との間で移動する間前記背部が静止状態を保つ請求項36に記載の椅子。
【請求項38】
前記持ち上げ部が前記座部を前記第一位置から前記第二位置まで動かすのに従って、前記第一座部部分が前記背部から離れるように前方に動く請求項36に記載の椅子。
【請求項39】
前記座部が前記第二位置にあるとき前記第二座部部分が前記足部とほぼ整列する請求項36に記載の椅子。
【請求項40】
前記持ち上げ部が前記座部と結合したリンケージアセンブリと、前記リンケージを動かすためのアクチュエータを備える請求項36に記載の椅子。
【請求項41】
前記座部が座部フレームを備え、前記第二座部部分が軸回りを枢動するように前記座部フレームに枢結し、前記アクチュエータが前記座部フレームに枢結し、さらに前記アクチュエータが前記リンケージに枢結している請求項40に記載の椅子。
【請求項42】
前記足部が前記軸回りを枢動するように前記座部フレームに結合している請求項41に記載の椅子。
【請求項43】
ベースフレームをさらに備え、前記座部フレームが前記軸回りを枢動するように前記ベースフレームに結合している請求項41に記載の椅子。
【請求項44】
前記アクチュエータが電動リニアアクチュエータを備える請求項40に記載の椅子。
【請求項45】
前記座部が前記第一位置にあるとき、前記第一座部部分が前記足部と前記背部との間に画定される空間に配置されて、前記座部が前記第二位置にあるときに前記第一座部部分が前記足部の上に画定される空間に配置される請求項36に記載の椅子。
【請求項46】
前記座部が前記第一位置にあるとき前記第一使用者支持面が前記第二使用者支持面とほぼ平行となり、前記座部が前記第二位置にあるとき前記第一使用者支持面が前記第二使用者支持面に対してほぼ垂直となる請求項36に記載の椅子。
【請求項47】
前記第一座部部分が前記持ち上げ部で持ち上げられるに従い、前記第二座部部分が前記第一座部部分に対して下方向に枢動する請求項36に記載の椅子。
【請求項48】
前記持ち上げ部が前記座部を前記第一位置と第二位置との間で動かすのに従い、前記第二座部部分が前記第一座部部分に対して約90度枢動する請求項47に記載の椅子。
【請求項49】
前記座部が前記第一位置から第二位置まで動くのに従い、前記第一座部部分と共に持ち上げられる少なくとも1つの肘掛けをさらに備える請求項36に記載の椅子。
【請求項50】
フレームと、
前記フレーム上に支持された肘掛けと、
前記フレームに結合した手用暖め器と
を備え、
前記手用暖め器が、加熱要素と、使用者の手を受容して前記加熱要素の上に前記手を位置付けするように構成されているポケットとを含んでいる
椅子。
【請求項51】
フレームと、
前記フレームに結合した足置きと、
前記足置きに結合した足用暖め器と
を備え、
前記足用暖め器が、加熱要素と使用者の足を受容して前記加熱要素の上に前記足を位置付けするように構成されているポケットとを含んでいる
椅子。
【請求項52】
フレームと、
前記フレームに連結された足置きと、
前記足置き上に支持されて、複数のデジタル式支持面を有するマッサージ面と
を備える椅子。
【請求項53】
前記複数のデジタル式支持面が、交互に繰り返し膨張及び収縮される空気袋を備える請求項52に記載の椅子。
【請求項54】
前記デジタル式支持面に温度制御要素をさらに備える請求項52に記載の椅子。
【請求項55】
フレームと、
前記フレーム上に配置された支持面と、
前記フレームと前記支持面とに連結されて、前記フレームに対して前記支持面を関節動作させるように構成されている駆動部と、
前記駆動部に連結された制御部と、
前記制御部に連結された使用者入力部と、
前記制御部に連結されて、使用者によって格納・保存される椅子ベッドの好適な体勢を格納するように構成されたメモリデバイスと
を備える椅子ベッド。
【請求項56】
前記使用者入力部が使用者からの入力を受け付けるように構成されており、
前記制御部が、前記椅子ベッドを次の好適な体勢へと関節動作させるように前記入力を処理するように構成されている
請求項55に記載の椅子ベッド。
【請求項57】
前記制御部が、前記使用者入力部からの入力を受け付けて、前記椅子ベッドを収納体勢へと関節動作させるように構成されている請求項55に記載の椅子ベッド。
【請求項58】
前記支持面がデジタル式支持面を備える請求項55に記載の椅子ベッド。
【請求項59】
前記支持面が温度制御要素をさらに備える請求項55又は請求項58に記載の椅子ベッド。
【請求項60】
前記椅子ベッドが、前記支持面に連結された慰安部をさらに備え、前記慰安部が慰安に関連した出力を提供するように構成されている請求項55又は請求項59に記載の椅子ベッド。
【請求項61】
前記使用者入力部が、使用者個人用データを前記メモリデバイスに入力するように構成されており、前記制御部が、前記使用者個人用データに従うように構成されている請求項60に記載の椅子ベッド。
【請求項62】
前記使用者個人用データによって、時間が経過すると椅子ベッドの出力が変更される請求項61に記載の椅子ベッド。
【請求項63】
時間が経過すると変更される前記椅子ベッドの出力に、体勢と、温度と、音声と、マッサージが含まれている請求項62に記載の椅子ベッド。
【請求項64】
前記制御部が複数のマイクロプロセッサを備える請求項55に記載の椅子ベッド。
【請求項65】
前記マイクロプロセッサがネットワークの中で結び付けられている請求項64に記載の椅子ベッド。
【請求項66】
一つのマイクロプロセッサが椅子ベッドの一つの機能の動作専用となっている請求項65に記載の椅子ベッド。
【請求項67】
前記制御部が制御部エリアネットワークを備える請求項66に記載の椅子ベッド。
【請求項68】
フレームと、
前記フレーム上に配置された支持面と
を備え、
前記支持面が複数の支持要素を有する椅子ベッド。
【請求項69】
前記支持要素が、前記椅子ベッドの使用者に浮いている感覚を提供するように選択的に伸張及び縮小される請求項68に記載の椅子ベッド。
【請求項70】
前記支持面がデジタル式支持面を備える請求項68に記載の椅子ベッド。
【請求項71】
前記デジタル式支持面が、使用者に浮いている感覚を提供するように構成されている請求項70に記載の椅子ベッド。
【請求項72】
フレームと、
前記フレーム上で支持されている支持面と、
前記支持面に隣接して前記フレームに連結された肘掛けと
を備え、
前記肘掛けが固定部と動作部とを有しており、前記動作部が、前記動作部が前記固定部によって実質的に包囲されるような位置と、前記動作部が前記支持面の上に延在するようになる位置との間で移動可能となっている椅子。
【請求項73】
前記動作部が、前記固定部に枢動可能に連結されている請求項72に記載の椅子。
【請求項74】
前記動作部が、前記固定部に滑動可能に連結されている請求項72に記載の椅子。
【請求項75】
フレームと、
前記フレーム上に支持されている支持面と、
前記フレームに枢動可能に連結された肘掛けと
を備え、
前記肘掛けは、前記肘掛けが前記支持面の一部を覆わないような位置と、前記肘掛けが前記支持面の一部を覆うような位置との間で枢動可能となっている椅子。
【請求項76】
前記肘掛けが、前記椅子の前側付近で前記フレームに枢動可能に連結されている請求項75に記載の椅子。
【請求項77】
前記肘掛けが前記フレームに連結されている位置から前記肘掛けが離れるにつれて、前記肘掛けの幅が広がっていく請求項75に記載の椅子。
【請求項78】
フレームと、
前記フレーム上で支持されている座部と、
前記フレームに枢動可能に連結された背部と、
前記背部に枢動可能に連結された肘掛けと
を備え、
前記肘掛けが2つの軸で枢動可能となっている椅子ベッド。
【請求項79】
前記肘掛けが、第一垂直軸と、前記背部が前記フレームに対して枢動する際に枢軸となる軸に平行な第二軸とで枢動可能となっている請求項78に記載の椅子ベッド。
【請求項80】
前記背部が直立位置と仰臥位置との間で関節動作するとき、前記肘掛けが水平体勢を維持する請求項79に記載の椅子ベッド。
【請求項81】
フレームと、
前記フレーム上で支持されている支持面と、
前記フレームに連結されたスイベル機構であって、前記スイベル機構が床に接しないような位置と、前記スイベル機構が前記フレームを持ち上げて床から離すように床に接する位置との間で移動可能となっているスイベル機構と
を備える椅子。
【請求項82】
動力付きのアクチュエータが前記スイベルを動かす請求項81に記載の椅子。
【請求項83】
前記スイベルは、床に接しているときに、前記椅子を回転させるように作動される請求項82に記載の椅子。
【請求項84】
フレームと、
前記フレーム上で支持されているスイベル機構と、
前記スイベル機構に連結された座部と
を備える椅子。
【請求項85】
前記座部が、前記スイベル機構が自由に旋回するような位置と、前記スイベル機構が旋回を制止されるような位置との間で移動可能となっている請求項84に記載の椅子。
【請求項86】
前記自由に旋回する位置と制止される位置との間の移動がアクチュエータによって作動される請求項84に記載の椅子。
【請求項87】
前記スイベル機構が、第一及び第二位置との間で座部を旋回させるように作動される請求項84に記載の椅子。
【請求項88】
フレームと、
前記フレーム上で支持されている支持面と、
前記フレームに連結された複数のアクチュエータと、
各アクチュエータに連結された床に接する脚と
を備える椅子。
【請求項89】
各アクチュエータが独立して作動可能となっている請求項88に記載の椅子。
【請求項90】
アクチュエータが、電気機械リニアアクチュエータ、空気圧シリンダ、油圧又は液圧シリンダ、空気袋、磁気アクチュエータのグループのうちの一つを備える請求項88に記載の椅子。
【請求項91】
前記アクチュエータが前記椅子の長手方向の傾きを制御する請求項89に記載の椅子。
【請求項92】
前記アクチュエータが前記椅子の横方向の傾きを制御する請求項89に記載の椅子。
【請求項93】
前記アクチュエータが前記椅子の長手方向及び横方向の傾きを制御する請求項89に記載の椅子。
【請求項94】
フレームと、
前記フレーム上で支持されている支持面と、
前記フレームに枢動可能に連結された背部と、
前記背部に枢動可能に連結された肘掛けと
を備え、
前記背部が傾斜体勢まで枢動するとき、前記肘掛けが前記支持面と平行の向きを維持する椅子。
【請求項95】
フレームと、
前記フレームに枢動可能に連結された背部フレームと、
前記背部フレームの前記フレームに対する枢動の間に前記背部フレームに対して滑動する動作面と
を備える椅子ベッド。
【請求項96】
前記動作面を前記フレームに連結する連結部材をさらに備える請求項95に記載の椅子ベッド。
【請求項97】
前記連結部材がばねである請求項96に記載の椅子ベッド。
【請求項98】
前記連結部材が、前記背部フレームが起立体勢から仰臥体勢へと枢動するときに前記動作面を前記フレームから離れるように押すアームである請求項96に記載の椅子ベッド。
【請求項99】
前記連結部材が、前記背部フレームが起立体勢から仰臥体勢へと枢動するときに前記動作面を前記フレームに向けて引っ張るアームである請求項96に記載の椅子ベッド。
【請求項100】
フレームと、
前記フレームに枢動可能に連結された背部と、
前記背部に連結されたカム駆動部と、
前記フレームに枢動可能に連結され前記背部に枢動可能に連結された関節動作制御部材であって、前記背部の前記フレームに対する関節動作の角度を制御するように長さが調節可能となっている関節動作制御部材と、
前記フレームに枢動可能に連結された座部であって、カムを形成するために曲線である部分を有し、前記カム駆動部と係合する前記カムを介して第二端部において支持されている座部と
を備える椅子ベッド。
【請求項101】
前記背部が関節動作するとき、前記座部の前記第二端部の高さが変化する請求項100に記載の椅子ベッド。
【請求項102】
前記関節動作制御部材がモータである請求項100に記載の椅子ベッド。
【請求項103】
前記関節動作制御部材が支柱である請求項100に記載の椅子ベッド。
【請求項104】
前記背部が、実質的に垂直である体勢と、実質的に水平である体勢との間で関節動作可能となっている請求項100に記載の椅子ベッド。
【請求項105】
前記背部が垂直体勢から傾斜するように関節動作するとき、前記座部の第二端部が、前記背部の面のための間隔を設け前記座部の面を露出させるように下降する請求項100に記載の椅子ベッド。
【請求項106】
前記背部の前記面が前記座部の前記面を露出させるのに十分な程度前記背部が関節動作した後、前記座部の下降した端部が最初の位置に戻る請求項100に記載の椅子ベッド。
【請求項107】
前記フレームに枢動可能に連結された足部であって、足部が水平になっている体勢と足部が垂直になっている体勢との間を枢動可能となっている足部をさらに備える請求項100に記載の椅子ベッド。
【請求項108】
前記背部の関節動作の内のある部分が前記足部に伝達されて前記足部が関節動作するようになるように、前記足部が前記背部に連結されている請求項107に記載の椅子ベッド。
【請求項109】
前記背部の垂直体勢からの関節動作の一部は前記足部の関節動作を引き起こさない請求項108に記載の椅子ベッド。
【請求項110】
支持フレームと、
前記支持フレーム上で支持されている座部フレームと、
前記座部フレームに枢動可能に連結された主要連結部材と、
前記主要連結部材に枢動可能に連結されて、前記座部フレームに枢動可能に連結された関節動作制御部材と、
前記支持フレームに枢動可能に連結された第一座部と、
前記第一座部に枢動可能に連結されて前記主要連結部材の第二端部に連結された第二座部と
を備える椅子ベッド。
【請求項111】
前記関節動作制御部材がリニアアクチュエータである請求項110に記載の椅子ベッド。
【請求項112】
前記リニアアクチュエータが、前記第一及び第二座部が実質的に一つの平面となっている座部面を形成するような第一位置と、前記第一座部が前記支持フレームに対して枢動して、前記第二座部が前記支持フレームの垂直上方に上昇されるような第二位置との間で、前記第二座部とそれ故前記第一座部とを駆動するように選択的に作動可能となっている請求項111に記載の椅子ベッド。
【請求項113】
前記第一座部に少なくても一つの袋と、前記第二座部に少なくても一つの袋とをさらに備え、前記各座部が前記第一位置から前記第二位置へと駆動されるときに前記第一座部の袋が収縮されて前記第二座部の袋が膨張される請求項112に記載の椅子ベッド。
【請求項114】
ベースフレームと、
前記ベースフレームに連結された関節動作制御部材と
をさらに備え、
前記支持フレームは、前記ベースフレームの垂直上方に配置されており、前記関節動作制御部材によって前記ベースフレームに対して垂直に関節動作される請求項110の記載の椅子ベッド。
【請求項115】
前記第一座部と前記第二座部とが背部に対して関節動作するように前記支持フレームに連結された背部をさらに備える請求項110に記載の椅子ベッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【公表番号】特表2008−509790(P2008−509790A)
【公表日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527917(P2007−527917)
【出願日】平成17年8月16日(2005.8.16)
【国際出願番号】PCT/US2005/028992
【国際公開番号】WO2006/023447
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(501453167)ヒル−ロム サービシーズ,インコーポレイティド (54)
【Fターム(参考)】