説明

検出装置および方法、プログラム、記録媒体、並びにシミュレーションシステム

【課題】どのようなボールであっても、正確に回転を検出することができるようにする。
【解決手段】特徴点抽出部91は、第1画像および第2画像において、エッジを検出し、検出された複数のエッジを、それぞれ第1画像または第2画像の特徴点群として記憶する。簡易回転部92は、第1画像の特徴点群の3次元空間内での座標位置を特定し、その特徴点群の座標位置を所定のオイラー角だけ回転させ、最隣接特徴点間距離が最小となるオイラー角を特定する。特徴点対応制御部93は、最小の最隣接特徴点間距離のオイラー角の分だけ第1画像を回転させ、第1画像と、第2画像との間で演算された相関値に基づいて、第1画像と第2画像において、それぞれ2つの特徴点の対応付けを行う。回転数検出制御部94は、対応付けられた特徴点に基づいて、単位時間当たりのゴルフボールの回転量と回転方向を特定し、回転数などに関する情報を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出装置および方法、プログラム、記録媒体、並びにシミュレーションシステムに関し、特に、どのようなボールであっても、正確に回転を検出することができるようにする検出装置および方法、プログラム、記録媒体、並びにシミュレーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スポーツクラブなどにおいて、ゴルフやテニスなどのレッスンの需要が増加している。なかでもゴルフの練習は、広大な敷地が必要となり、例えば都会でゴルフのレッスンを行うことは困難であった。
【0003】
そこで、例えば、ゴルフクラブでショットした瞬間のゴルフボールをカメラで撮像し、撮像された画像データから得られたゴルフボールの速度等の各種データを用いてゴルフボールの弾道軌道や飛距離を計算してスクリーンにゴルフボールの弾道を表示するシミュレーションシステムが開発されている。
【0004】
また、空力特性を考慮した弾道、飛距離などを計算するシミュレーション装置も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
さらに、近年、ゴルフクラブでショットした瞬間のゴルフボールの画像からゴルフボールの回転の方向、回転数などを検出し、フックやスライスなどの弾道を計算するシミュレーションシステムも開発されている。
【0006】
【特許文献1】特開2003−24493号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の技術によりゴルフボールの回転の方向、回転数などを検出するためには、画像の中でのボールの回転方向、回転した角度など特定するために、予め定められたマークや模様の付されたゴルフボールを用いる必要があった。
【0008】
このため、例えば、ユーザが気に入っているボールなどを自由に使って、シミュレーションシステムを利用することができないという課題があった。
【0009】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、どのようなボールであっても、正確に回転を検出することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の側面は、移動するゴルフボールを撮像した画像に基づいて、前記ゴルフボールの回転を検出する検出装置であって、前記ゴルフボールを第1の時刻に撮像した第1画像、および前記ゴルフボールを前記第1の時刻より後の第2時刻に撮像した第2画像のそれぞれにおいて、エッジとなる画素を検出することで、前記ゴルフボールの表面の画像の一部を構成する複数の特徴点を抽出する特徴点抽出手段と、前記第1画像において前記抽出された複数の特徴点の3次元座標位置と、前記第2画像において前記抽出された複数の特徴点の3次元座標位置のそれぞれとの距離に基づいて、前記第1画像と前記第2画像の位置関係を表すオイラー角を特定するオイラー角特定手段と、前記特定されたオイラー角の分だけ前記第1の画像を回転させ、前記回転された第1画像において前記抽出された複数の特徴点のうちの所定の特徴点と、前記第2画像において前記抽出された複数の特徴点のうちの所定の特徴点との相関値を、画像相関法により演算する相関演算手段と、前記演算された相関値に基づいて、前記第1の画像の特徴点と前記第2の画像の特徴点との対応付けを行う対応付け手段とを備え、前記対応付けられた前記第1の画像の特徴点と前記第2の画像の特徴点に基づいて、前記ゴルフボールの回転量と回転方向を検出する検出装置である。
【0011】
前記第1の時刻において発光する第1のストロボと、前記第2の時刻において発光する第2のストロボと、前記第1の時刻および第2の時刻において前記ゴルフボールを被写体として撮像する1つのカメラとをさらに備え、前記第1画像に対応する前記ゴルフボールの画像および前記第1画像に対応する前記ゴルフボールの画像が、前記1つのカメラにより撮像されるようにすることができる。
【0012】
前記オイラー角特定手段は、与えられたパラメータに基づいて、前記第1画像において前記抽出された複数の特徴点の3次元座標位置のそれぞれを、前記パラメータに対応するオイラー角の分だけ回転させて前記第2の画像上にプロットする特徴点回転手段と、前記与えられたパラメータのうち、前記回転された前記第1画像において前記抽出された複数の特徴点の3次元座標位置のそれぞれと、前記第2画像において前記抽出された複数の特徴点の3次元座標位置のそれぞれとの距離に基づいて計算される評価値が最も高くなる前記パラメータを特定するパラメータ特定手段とを備えるようにすることができる。
【0013】
本発明の第1の側面は、移動するゴルフボールを撮像した画像に基づいて、前記ゴルフボールの回転を検出する検出装置の検出方法であって、前記ゴルフボールを第1の時刻に撮像した第1画像、および前記ゴルフボールを前記第1の時刻より後の第2時刻に撮像した第2画像のそれぞれにおいて、エッジとなる画素を検出することで、前記ゴルフボールの表面の画像の一部を構成する複数の特徴点を抽出し、前記第1画像において前記抽出された複数の特徴点の3次元座標位置と、前記第2画像において前記抽出された複数の特徴点の3次元座標位置のそれぞれとの距離に基づいて、前記第1画像と前記第2画像の位置関係を表すオイラー角を特定し、前記特定されたオイラー角の分だけ前記第1の画像を回転させ、前記回転された第1画像において前記抽出された複数の特徴点のうちの所定の特徴点と、前記第2画像において前記抽出された複数の特徴点のうちの所定の特徴点との相関値を、画像相関法により演算し、前記演算された相関値に基づいて、前記第1の画像の特徴点と前記第2の画像の特徴点との対応付けを行うステップを含み、前記対応付けられた前記第1の画像の特徴点と前記第2の画像の特徴点に基づいて、前記ゴルフボールの回転量と回転方向を検出する検出方法である。
【0014】
本発明の一側面は、コンピュータを、移動するゴルフボールを撮像した画像に基づいて、前記ゴルフボールの回転を検出する検出装置であって、前記ゴルフボールを第1の時刻に撮像した第1画像、および前記ゴルフボールを前記第1の時刻より後の第2時刻に撮像した第2画像のそれぞれにおいて、エッジとなる画素を検出することで、前記ゴルフボールの表面の画像の一部を構成する複数の特徴点を抽出する特徴点抽出手段と、前記第1画像において前記抽出された複数の特徴点の3次元座標位置と、前記第2画像において前記抽出された複数の特徴点の3次元座標位置のそれぞれとの距離に基づいて、前記第1画像と前記第2画像の位置関係を表すオイラー角を特定するオイラー角特定手段と、前記特定されたオイラー角の分だけ前記第1の画像を回転させ、前記回転された第1画像において前記抽出された複数の特徴点のうちの所定の特徴点と、前記第2画像において前記抽出された複数の特徴点のうちの所定の特徴点との相関値を、画像相関法により演算する相関演算手段と、前記演算された相関値に基づいて、前記第1の画像の特徴点と前記第2の画像の特徴点との対応付けを行う対応付け手段とを備え、前記対応付けられた前記第1の画像の特徴点と前記第2の画像の特徴点に基づいて、前記ゴルフボールの回転量と回転方向を検出する検出装置として機能させるプログラムである。
【0015】
本発明の第1の側面においては、前記ゴルフボールを第1の時刻に撮像した第1画像、および前記ゴルフボールを前記第1の時刻より後の第2時刻に撮像した第2画像のそれぞれにおいて、エッジとなる画素を検出することで、前記ゴルフボールの表面の画像の一部を構成する複数の特徴点が抽出され、前記第1画像において前記抽出された複数の特徴点の3次元座標位置と、前記第2画像において前記抽出された複数の特徴点の3次元座標位置のそれぞれとの距離に基づいて、前記第1画像と前記第2画像の位置関係を表すオイラー角が特定され、前記特定されたオイラー角の分だけ前記第1の画像を回転させ、前記回転された第1画像において前記抽出された複数の特徴点のうちの所定の特徴点と、前記第2画像において前記抽出された複数の特徴点のうちの所定の特徴点との相関値が、画像相関法により演算され、前記演算された相関値に基づいて、前記第1の画像の特徴点と前記第2の画像の特徴点との対応付けけが行われ、前記対応付けられた前記第1の画像の特徴点と前記第2の画像の特徴点に基づいて、前記ゴルフボールの回転量と回転方向が検出される。
【0016】
本発明の第2の側面は、打撃されたゴルフボールを第1の時刻に撮像した第1画像および前記ゴルフボールを前記第1の時刻より後の第2の時刻に撮像した第2画像に基づいて検出される前記ゴルフボールの速度と前記ゴルフボールの回転とに基づいて、前記打撃された後の前記ゴルフボールの軌跡を計算して前記軌跡に従って飛ぶゴルフボールの画像をスクリーンに表示するシミュレーション装置であって、前記第1画像および前記第2画像のそれぞれにおいて、エッジとなる画素を検出することで、前記ゴルフボールの表面の画像の一部を構成する複数の特徴点を抽出する特徴点抽出手段と、前記第1画像において前記抽出された複数の特徴点の3次元座標位置と、前記第2画像において前記抽出された複数の特徴点の3次元座標位置のそれぞれとの距離に基づいて、前記第1画像と前記第2画像の位置関係を表すオイラー角を特定するオイラー角特定手段と、前記特定されたオイラー角の分だけ前記第1の画像を回転させ、前記回転された第1画像において前記抽出された複数の特徴点のうちの所定の特徴点と、前記第2画像において前記抽出された複数の特徴点のうちの所定の特徴点との相関値を、画像相関法により演算する相関演算手段と、前記演算された相関値に基づいて、前記第1の画像の特徴点と前記第2の画像の特徴点との対応付けを行う対応付け手段とを備え、前記対応付けられた前記第1の画像の特徴点と前記第2の画像の特徴点に基づいて、前記ゴルフボールの回転量と回転方向を検出する検出装置を有するシミュレーションシステムである。
【0017】
本発明の第2の側面においては、前記第1画像および前記第2画像のそれぞれにおいて、エッジとなる画素を検出することで、前記ゴルフボールの表面の画像の一部を構成する複数の特徴点を抽出する特徴点抽出手段と、前記第1画像において前記抽出された複数の特徴点の3次元座標位置と、前記第2画像において前記抽出された複数の特徴点の3次元座標位置のそれぞれとの距離に基づいて、前記第1画像と前記第2画像の位置関係を表すオイラー角を特定するオイラー角特定手段と、前記特定されたオイラー角の分だけ前記第1の画像を回転させ、前記回転された第1画像において前記抽出された複数の特徴点のうちの所定の特徴点と、前記第2画像において前記抽出された複数の特徴点のうちの所定の特徴点との相関値を、画像相関法により演算する相関演算手段と、前記演算された相関値に基づいて、前記第1の画像の特徴点と前記第2の画像の特徴点との対応付けを行う対応付け手段とを備え、前記対応付けられた前記第1の画像の特徴点と前記第2の画像の特徴点に基づいて、前記ゴルフボールの回転量と回転方向を検出する検出装置によりゴルフボールの回転が検出される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、どのようなボールであっても、正確に回転を検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、明細書または図面に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、明細書または図面に記載されていることを確認するためのものである。従って、明細書または図面中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0020】
本発明の第1の側面の検出装置は、移動するゴルフボールを撮像した画像に基づいて、前記ゴルフボールの回転を検出する検出装置(例えば、図4の回転検出部72を有する図1のセンシングブロック22)であって、前記ゴルフボールを第1の時刻に撮像した第1画像、および前記ゴルフボールを前記第1の時刻より後の第2時刻に撮像した第2画像のそれぞれにおいて、エッジとなる画素を検出することで、前記ゴルフボールの表面の画像の一部を構成する複数の特徴点を抽出する特徴点抽出手段(例えば、図5の特徴点抽出部91)と、前記第1画像において前記抽出された複数の特徴点の3次元座標位置と、前記第2画像において前記抽出された複数の特徴点の3次元座標位置のそれぞれとの距離に基づいて、前記第1画像と前記第2画像の位置関係を表すオイラー角を特定するオイラー角特定手段(例えば、図5の簡易回転部92)と、前記特定されたオイラー角の分だけ前記第1の画像を回転させ、前記回転された第1画像において前記抽出された複数の特徴点のうちの所定の特徴点と、前記第2画像において前記抽出された複数の特徴点のうちの所定の特徴点との相関値を、画像相関法により演算する相関演算手段(例えば、図19のステップS91乃至S94の処理を実行する図5の特徴点対応制御部93)と、前記演算された相関値に基づいて、前記第1の画像の特徴点と前記第2の画像の特徴点との対応付けを行う対応付け手段(例えば、図19のステップS95の処理を実行する図5の特徴点対応制御部93)とを備え、前記対応付けられた前記第1の画像の特徴点と前記第2の画像の特徴点に基づいて、前記ゴルフボールの回転量と回転方向を検出する。
【0021】
移動するゴルフボールを撮像した画像に基づいて、前記ゴルフボールの回転を検出する検出装置(例えば、図4の回転検出部72を有する図1のセンシングブロック22)の検出方法であって、前記ゴルフボールを第1の時刻に撮像した第1画像、および前記ゴルフボールを前記第1の時刻より後の第2時刻に撮像した第2画像のそれぞれにおいて、エッジとなる画素を検出することで、前記ゴルフボールの表面の画像の一部を構成する複数の特徴点を抽出し(例えば、図16のステップS31の処理)、前記第1画像において前記抽出された複数の特徴点の3次元座標位置と、前記第2画像において前記抽出された複数の特徴点の3次元座標位置のそれぞれとの距離に基づいて、前記第1画像と前記第2画像の位置関係を表すオイラー角を特定し(例えば、図16のステップS32の処理)、前記特定されたオイラー角の分だけ前記第1の画像を回転させ、前記回転された第1画像において前記抽出された複数の特徴点のうちの所定の特徴点と、前記第2画像において前記抽出された複数の特徴点のうちの所定の特徴点との相関値を、画像相関法により演算し(例えば、図19のステップS91乃至S94の処理)、前記演算された相関値に基づいて、前記第1の画像の特徴点と前記第2の画像の特徴点との対応付けを行う(例えば、図19のステップS95の処理)ステップを含み、前記対応付けられた前記第1の画像の特徴点と前記第2の画像の特徴点に基づいて、前記ゴルフボールの回転量と回転方向を検出する。
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施の形態に係るシミュレーションシステム10の例を示す図である。シミュレーションシステム10は、例えば、ゴルフの練習に用いられるようになされており、スポーツクラブなどに設置される。
【0024】
シミュレーションシステム10においては、ユーザがゴルフクラブでショットした直後のゴルフボールの画像をセンシングブロック22により撮像して解析し、ゴルフボールの弾道を計算する。そして、例えば、ゴルフコースなどの画像などとともに、計算された弾道で飛ぶゴルフボールの画像をスクリーン21に表示するようになされている。
【0025】
シミュレーションシステム10においては、実際のゴルフのプレイに用いられるゴルフクラブと、ゴルフボールが使用され、ユーザは、実際にゴルフ場でゴルフのプレイをするように、ゴルフクラブでゴルフボールをショットする。すなわち、シミュレーションシステム10を利用することで、例えば、限られた空間であっても、ユーザは、あたかもゴルフ場でプレイしているような体験をすることが可能となる。
【0026】
なお、シミュレーションシステム10において用いられるゴルフボールは、特別なマーク、模様、着色などが付されたボールである必要はなく、広く一般に販売されているゴルフボールなどとされる。
【0027】
図2は、センシングブロック22の構成例を示すブロック図である。同図に示されるように、センシングブロック22は、CCDカメラなどを備えたセンサ部41が、データ処理部42に接続されて構成されている。
【0028】
センサ部41は、例えば、2台のCCDカメラであって、第1カメラと第2カメラとを有する構成とされ、同図の例では、第1カメラのレンズ51と第2カメラのレンズ52が示されている。第1カメラは、例えば、シミュレーションシステム10の打席に組み込まれたティー(tee)などに接続されたセンサから出力される信号などに基づいて、ゴルフボールがゴルフクラブでショットされた時のゴルフボールの画像を撮像するようになされている。第2カメラは、第1カメラによる撮像がなされた後、所定の時間(例えば、数ミリ秒)だけ後のゴルフボールの画像を撮像するようになされている。
【0029】
センサ部41の第1のカメラで撮像された画像のデータと、第2のカメラで撮像された画像のデータは、データ処理部42に供給されるようになされている。
【0030】
データ処理部42は、例えば、プロセッサ、メモリなどを有する構成とされた、予め記憶されているプログラムなどのソフトウェアに対応する処理を実行するようになされている。データ処理部42は、第1のカメラで撮像された画像のデータと、第2のカメラで撮像された画像のデータとに基づいて、ゴルフボールの速度、並びに単位時間当たりのゴルフボールの回転数および回転方向を算出し、ゴルフボールの速度、並びに単位時間当たりのゴルフボールの回転数および回転方向に基づいて、弾道を計算してスクリーン21に表示すべき画像データを生成するようになされている。
【0031】
図3は、データ処理部42のプログラムなどのソフトウェアの機能的構成例を示すブロック図である。
【0032】
同図の撮像制御部61は、センサ部41によるゴルフボールの撮像を制御するようになされており、センサ部41の第1カメラにより、ゴルフクラブでショットされた時のゴルフボールの画像である第1画像を撮像させ、第2カメラにより、第1カメラによる撮像がなされた後、所定の時間だけ後のゴルフボールの画像である第2画像を撮像させる。
【0033】
撮像制御部61は、センサ部41により撮影された第1画像のデータと第2画像のデータを画像解析部62に出力する。
【0034】
画像解析部62は、第1画像のデータと、第2画像のデータとに基づいて、後述するように、ゴルフボールの速度、並びに単位時間当たりのゴルフボールの回転数および回転方向を算出するようになされている。そして、画像解析部62は、ゴルフボールの速度、並びに単位時間当たりのゴルフボールの回転数および回転方向に基づいて、ゴルフボールの動きを特定し、時間の経過に伴うゴルフボールの位置を、例えば、座標値として演算するようになされている。
【0035】
シミュレーション画像生成部63は、画像解析部62により演算された時間の経過に伴うゴルフボールの位置に基づいて、弾道を特定し、その弾道に対応するゴルフボールの画像の表示データを生成する。そして、シミュレーション画像生成部63は、ゴルフボールの画像を、ゴルフコースの画像などと合成し、スクリーン21に表示すべき画像データを生成するようになされている。
【0036】
すなわち、画像解析部62により、ショットされた後、実際にゴルフボールが飛んでいく軌跡が予測され、シミュレーション画像生成部63により、その軌跡に従って飛ぶボールの画像が生成されてスクリーンに表示されることになる。
【0037】
図4は、画像解析部62の詳細な構成例を示すブロック図である。同図に示されるように、画像解析部62は、速度検出部71、回転検出部72、および動き演算部73により構成されている。
【0038】
速度検出部71は、例えば、第1画像と第2画像とに基づいて、単位時間当たりのゴルフボールの移動距離を特定し、ゴルフクラブでショットされたゴルフボールの速度を算出(検出)する機能ブロックとされる。なお、速度検出部71は、例えば、従来のゴルフのシミュレーションシステムなどに用いられているものと同様のものを利用することが可能である。
【0039】
回転検出部72は、第1画像と第2画像とに基づいて、単位時間当たりのゴルフボールの回転量と回転方向を特定し、ゴルフクラブでショットされたゴルフボールの単位時間当たりの回転数、および回転方向を表す数値などを含む回転に関する情報を検出するための機能ブロックとされる。なお、回転検出部72の詳細については、図5を参照して後述する。
【0040】
動き演算部73は、速度検出部71により検出されたゴルフボールの速度、および回転検出部72により検出されたゴルフボールの回転に関する情報に基づいて、例えば、ショットされたゴルフボールが飛んでいく軌跡(弾道)を計算する。動き演算部73は、例えば、所定の時刻におけるゴルフボールの位置を座標値として特定するなどして時間の経過に伴うゴルフボールの位置を予測してゴルフボールの弾道を計算するようになされている。なお、動き演算部73は、例えば、従来のゴルフのシミュレーションシステムなどに用いられているものと同様のものを利用することが可能である。
【0041】
図5は、回転検出部72の詳細な構成例を示すブロック図である。同図に示されるように、回転検出部72は、特徴点抽出部91、簡易回転部92、特徴点対応制御部93、および回転数検出制御部94により構成されている。
【0042】
特徴点抽出部91は、第1画像および第2画像において、エッジを検出する。ここで、エッジは、例えば、画像の中で画素の輝度値の変化が予め設定された閾値より大きい領域とされる。特徴点抽出部91は、第1画像において検出された複数のエッジを、それぞれ第1画像の特徴点として記憶し、第2画像において検出された複数のエッジを、それぞれ第2画像の特徴点として記憶するようになされている。
【0043】
図6は、ゴルフボールの画像の例であり、ゴルフボールの画像から検出される特徴点の例を説明するための図である。同図に示されるゴルフボールには、黒い2つの三角形と黒い1つの四角形により構成されるマークであって、アルファベット「F」の文字を図形化したマーク(以下、単にマークと称する)が付されている。図6の画像を特徴点抽出部91により解析させると、マークの輪郭を構成する画素を含む領域がエッジとして検出され、これらのエッジであって、例えば、図中の小さい矩形で示される領域のそれぞれが特徴点として記憶されることになる。
【0044】
図7は、特徴点が検出された第1画像の例であり、図8は、特徴点が検出された第2画像の例を示している。同図に示されるように、第1画像と第2画像のそれぞれにおいて、マークの輪郭を構成する画素を含む領域(この例では矩形の領域)のそれぞれが特徴点として検出されている。
【0045】
また、図7の第1画像より時間的に後で撮像された図8の第2画像においては、ゴルフクラブでショットされたゴルフボールが回転したことにより、マークの位置が図中右上方向に移動している。
【0046】
なお、ここでは、説明を簡単にするため、黒い2つの三角形と黒い1つの四角形により構成されるマークの例を各図に示しているが、実際には、広く一般に販売されているゴルフボールに付されたブランド名、メーカ名などを表示する文字列、模様などからなる標章などの輪郭がエッジとして検出され、特徴点となる。また、当然のことながら、本発明では、ゴルフボールの色、ゴルフボールに付された標章の色などの如何により特徴点の検出に不具合が生じることもない。要は、撮像された画像において、エッジとして検出される部分がゴルフボールの表面の一部に存在していればよいのである。
【0047】
すなわち、本発明においては、任意の形状、色彩、模様などにより構成されたゴルフボールの表面の一部分を特徴点として検出することが可能である。
【0048】
簡易回転部92は、第1画像において検出された特徴点のそれぞれを、第2画像において検出された特徴点に近づけるように回転させる。このとき、第1画像において検出された特徴点のそれぞれは、3次元空間において回転させられるようになされている。
【0049】
例えば、図9に示されるように、第1画像において、複数の特徴点からなる特徴点群111が検出されたものとし、図10に示されるように、第2画像において、複数の特徴点からなる特徴点群112が検出されたものとする。なお、図9において特徴点群111は、一点鎖線で示されており、図10において特徴点群112は、点線で示されている。
【0050】
簡易回転部92は、例えば、特徴点群111の3次元空間内での座標位置を特定し、その特徴点群111の座標位置を所定のオイラー角だけ回転させる。勿論、第1画像と第2画像は、それぞれ2次元の画像であるが、ゴルフボールは、ほぼ真球に近い形状であると考えられるので、2次元の画像の座標位置から、3次元空間内での座標位置を特定することができるのである。
【0051】
簡易回転部92は、例えば、図11に示されるように、ゴルフボールの画像の中心点(cx,cy)と半径rを特定し、図中の点線の矢印で示されるように、与えられたオイラー角に対応する位置に、特徴点群111の3次元空間内での座標位置を移動させる。なお、ここでのオイラー角は、α、β、γの3つのパラメータにより特定されるものとする。例えば、オイラー角が、α=30,β=31,γ=32の場合、z軸周りに30°回転させた後、x軸周りに31°回転させ(このとき回転したz軸をz’軸とする)、さらにz’軸周りに32°回転させることを意味するものとする。なお、ここでは画面に垂直な軸をz軸とし、画面後方から前方向きを正方向とする。
【0052】
簡易回転部92は、所定のオイラー角だけ回転させた特徴点群111の3次元空間内での座標位置を、例えば、図12に示されるように、第2画像上にプロットする。そして、第2画像上にプロットされた特徴点群111を構成する特徴点のそれぞれと最も近い位置にある特徴点群112を構成する特徴点との距離を算出する。
【0053】
なお、このとき算出される距離は、それぞれの特徴点の3次元座標位置に基づいて演算されるものとする。
【0054】
例えば、第2画像上にプロットされた特徴点群111を構成する特徴点111aと最も近い位置にある特徴点群112を構成する特徴点が、特徴点112aであった場合、特徴点111aと特徴点112aとの距離をd1が算出される。また、第2画像上にプロットされた特徴点群111を構成する特徴点111bと最も近い位置にある特徴点群112を構成する特徴点が、特徴点112cであった場合、特徴点111bと特徴点112cとの距離をd2が算出される。さらに、第2画像上にプロットされた特徴点群111を構成する特徴点111cと最も近い位置にある特徴点群112を構成する特徴点が、特徴点112aであった場合、特徴点111cと特徴点112aとの距離をd3が算出される。
【0055】
このように、例えば、特徴点群111を構成する特徴点がn個ある場合、距離d1、d2、d3、・・・dnが算出されることになる。
【0056】
そして、簡易回転部92は、算出された距離d1、d2、d3、・・・dnの総和を、さらに算出する。ここで算出される距離d1乃至距離dnの総和を最隣接特徴点間距離と称することにする。
【0057】
簡易回転部92は、与えられたオイラー角に対応する位置に、特徴点群111の3次元空間内での座標位置を移動させて第2画像上にプロットする都度、最隣接特徴点間距離を算出するようになされている。例えば、上述したパラメータα、β、γをそれぞれ、予め設定された所定の範囲内で所定の間隔で変化させて、K通りの位置に特徴点群111を移動(回転)させたものとする。この場合、簡易回転部92は、K個の最隣接特徴点間距離を算出することになる。
【0058】
さらに、簡易回転部92は、算出されたK個の最隣接特徴点間距離のうち、最小となるものを特定するとともに、その最小となった最隣接特徴点間距離に対応するオイラー角を特定する。
【0059】
このようにして、最小の最隣接特徴点間距離のオイラー角を特定し、そのオイラー角に対応する位置に、特徴点群111の3次元空間内での座標位置を移動させて第2画像上にプロットすると、図13に示されるようになる。図13においては、最小の最隣接特徴点間距離のオイラー角の分だけ回転させられた特徴点群111が、図中の小さい矩形で示されている。同図においては、回転させられた特徴点群111が、第2画像のマークとほぼ一致する位置にプロットされている。
【0060】
このように、最小の最隣接特徴点間距離のオイラー角を特定することで、第1画像の時刻から第2画像の時刻に至るまでの、ゴルフボールの回転量を概ね推定することは可能である。しかしながら、この時点では、特徴点群111を構成する特徴点のそれぞれが、特徴点群112を構成する特徴点のうち、どの特徴点に対応するものであるのかが、未だ特定されていない。ゴルフボールの回転量を正確に検出するためには、特徴点群111を構成する特徴点と特徴点群112を構成する特徴点との対応付けが必要となる。この対応付けの処理が、特徴点対応制御部93により、後述するように行われる。
【0061】
特徴点対応制御部93は、簡易回転部92により特定された最小の最隣接特徴点間距離のオイラー角の分だけ第1画像を回転させる。簡易回転部92は、第1画像の特徴点群111だけを回転させたのに対して、特徴点対応制御部93は、第1画像そのものを回転させるのである。
【0062】
また、特徴点対応制御部93は、特徴点群111を構成する特徴点のうち、例えば、予め設定された閾値を超える特徴量を有する特徴点を抽出する。この特徴量は、例えば、特徴点の画素の輝度値、特徴点の画素と周辺の画素との輝度値の差分などとされる。
【0063】
特徴点対応制御部93は、閾値を超える特徴量を有する特徴点として抽出された特徴点の中から、互いに距離の離れた特徴点を予め設定された数(例えば、3個)だけさらに抽出する。例えば、特徴点群111を構成する特徴点のうち、閾値を超える特徴量を有する特徴点111a、111f、111m、111r、111tがそれぞれ抽出され、その中で最も特徴量が大きい特徴点111aがさらに抽出され、特徴点111aと最も距離が離れた111mが特定され、特徴点111aおよび特徴点111mのそれぞれから最も距離が離れた特徴点111tが特定されることで、互いに距離の離れた特徴点が3個(今の場合、特徴点111a、特徴点111m、および特徴点111t)さらに抽出されることになる。
【0064】
そして、特徴点対応制御部93は、互いに距離の離れた特徴点として抽出された特徴点群111を構成する(例えば、3個の)特徴点のそれぞれから距離の近い順に、(例えば、3個)特徴点群112を構成する特徴点を抽出する。例えば、特徴点111aと距離の近い特徴点112a、112b、112cが抽出され、特徴点111mと距離の近い特徴点112m、112n、112oが抽出され、特徴点111tと距離の近い特徴点112t、112s、112uが抽出される。なお、このとき特徴点111aと特徴点112aとの距離、特徴点111aと特徴点112aとの距離、・・・特徴点111tと特徴点112uとの距離は、第1画像を最小の最隣接特徴点間距離のオイラー角の分だけ回転させた状態で算出されることになる。
【0065】
さらに、特徴点対応制御部93は、例えば、特徴点111aを中心とする所定大きさの第1画像の領域A1を設定し、特徴点112a、112b、112cを中心とする所定の大きさの第2画像の領域B11、B12、B13を設定する。そして、特徴点対応制御部93は、画像相関法により領域A1と領域B11との相関値、領域A1と領域B12との相関値、領域A1と領域B13との相関値をそれぞれ演算する。このようにして演算された相関値に基づいて、最も高い相関値が得られた第2画像の領域に含まれる特徴点が、特徴点111aに対応する第2画像の特徴点であると推定できる。
【0066】
例えば、上述のように演算した3個の相関値の中で、領域A1と領域B12との相関値が最も高い場合、第1画像の特徴点111aに対応する第2画像の特徴点は、特徴点112bであると推定できる。
【0067】
同様に、特徴点対応制御部93は、特徴点111mを中心とする所定大きさの第1画像の領域A2を設定し、特徴点112m、112n、112oを中心とする所定の大きさの第2画像の領域B21、B22、B23を設定し、画像相関法により領域A2と領域B21との相関値、領域A2と領域B22との相関値、領域A2と領域B23との相関値をそれぞれ演算する。特徴点対応制御部93は、特徴点111tを中心とする所定大きさの第1画像の領域A3を設定し、特徴点112t、112s、112uを中心とする所定の大きさの第2画像の領域B31、B32、B33を設定し、画像相関法により領域A3と領域B31との相関値、領域A3と領域B32との相関値、領域A3と領域B33との相関値をそれぞれ演算する。このようにして演算された相関値に基づいて、最も高い相関値が得られた第2画像の領域に含まれる特徴点が、特徴点111mまたは特徴点111tに対応する第2画像の特徴点であると推定できる。
【0068】
これにより、例えば、図14に示されるように、特徴点群111を構成する3つの特徴点のそれぞれに対応する特徴点群112を構成する3つの特徴点が特定されることになる。同図の例では、図中の矢印により、特徴点群111を構成する3つの特徴点と特徴点群112を構成する3つの特徴点との対応付けが示されている。
【0069】
図5の回転数検出制御部94は、特徴点対応制御部93により対応付けられた第1画像の特徴点と第2画像の特徴点に基づいて、単位時間当たりのゴルフボールの回転量と回転方向を特定し、ゴルフクラブでショットされたゴルフボールの単位時間当たりの回転数、および回転方向を表す数値などを含む回転に関する情報を検出する。なお、回転数検出制御部94は、例えば、従来のゴルフのシミュレーションシステムなどに用いられているものと同様のものを利用することが可能である。
【0070】
次に、図15のフローチャートを参照して、図4の回転検出部72による回転検出処理について説明する。
【0071】
ステップS11において、特徴点抽出部91、簡易回転部92、および特徴点対応制御部93は、図16を参照して後述する特徴部分特定処理を実行する。これにより、例えば、第1画像と第2画像において、それぞれの特徴点の対応付けが行われる。
【0072】
ステップS12において、回転数検出制御部94は、ステップS11の処理により対応付けられた第1画像の特徴点と第2画像の特徴点に基づいて、第1画像が撮像された時刻から第2画像が撮像された時刻に至るまでの間に、ゴルフボールがどれだけ回転したか(回転量)を特定する。また、このとき、ゴルフボールの回転方向も特定される。
【0073】
ステップS13において、回転数検出制御部94は、ステップS12の処理で特定された回転量に基づいて、単位時間あたりのゴルフボールの回転数を演算する。
【0074】
このようにして、回転検出処理が実行される。
【0075】
次に、図16のフローチャートを参照して、図15のステップS11の特徴部分特定処理の詳細について説明する。
【0076】
ステップS31において、特徴点抽出部91は、特徴点検出処理を実行する。ここで、図17のフローチャートを参照して、図16のステップS31の特徴点検出処理の詳細について説明する。
【0077】
ステップS51において、特徴点抽出部91は、第1画像および第2画像において、エッジを検出する。上述したように、エッジは、例えば、画像の中で画素の輝度値の変化が予め設定された閾値より大きい領域とされる。
【0078】
ステップS52において、特徴点抽出部91は、ステップS51の処理により、第1画像において検出された複数のエッジを、それぞれ第1画像の特徴点として記憶し、第2画像において検出された複数のエッジを、それぞれ第2画像の特徴点として記憶する。これにより、例えば、図7と図8に示されるような図中の小さい矩形で示される領域(点)のそれぞれが特徴点として記憶されることになる。
【0079】
このようにして、特徴点検出処理が実行される。このようにすることで、上述したように、任意の形状、色彩、模様などにより構成されたゴルフボールの表面の一部分を特徴点として検出することが可能である。
【0080】
図16に戻って、ステップS31の処理の後、ステップS32において、簡易回転部92は、特徴点回転処理を実行する。ここで、図18のフローチャートを参照して、図16のステップS32の特徴点回転処理の詳細について説明する。
【0081】
ステップS71において、簡易回転部92は、所定のオイラー角を設定する。
【0082】
ステップS72において、簡易回転部92は、ステップS71の処理で設定されたオイラー角に対応する位置に、ステップS31の処理により第1画像から検出された特徴点で構成される第1画像の特徴点群を回転させる。
【0083】
このとき、上述したように、簡易回転部92が、例えば、図11に示されるように、ゴルフボールの画像の中心点(cx,cy)と半径rを特定し、図中の矢印で示されるように、与えられたオイラー角に対応する位置に、特徴点群111の3次元空間内での座標位置を移動させる。
【0084】
ステップS73において、簡易回転部92は、ステップS72の処理で回転させた特徴点群の3次元空間内での座標位置を、第2画像上にプロットする。このとき、例えば、図12に示されるように、回転させられた特徴点群111が第2画像上にプロットされる。
【0085】
ステップS74において、簡易回転部92は、最隣接特徴点間距離を演算する。上述したように、最隣接特徴点間距離は、第2画像上にプロットされた特徴点群111を構成する特徴点のそれぞれと最も近い位置にある特徴点群112を構成する特徴点との距離の総和とされる。
【0086】
ステップS75において、簡易回転部92は、ステップS74で演算された最隣接特徴点間距離の値を、ステップS71の処理で設定されたオイラー角と対応付けて記憶する。
【0087】
ステップS76において、簡易回転部92は、未設定のオイラー角があるか否かを判定し、未設定のオイラー角があると判定された場合、処理は、ステップS77に進む。
【0088】
ステップS77において、簡易回転部92は、オイラー角を変更する。上述したように、簡易回転部92は、例えば、上述したパラメータα、β、γをそれぞれ、予め設定された所定の範囲内で所定の間隔で変化させて、K通りの位置に特徴点群111を移動(回転)させるようになされている。ステップS76では、例えば、K通りのオイラー角が全て設定されるまで、未設定のオイラー角があると判定され、その都度、ステップS77において、パラメータα、β、γのいずれかが、予め設定された間隔で変化させられていくことになる。
【0089】
ステップS77の処理の後、処理は、ステップS72に戻り、それ以後の処理が繰り返し実行される。ただし、今の場合、ステップS72では、ステップS77の処理で設定(変更)されたオイラー角に対応する位置に、第1画像の特徴点群が回転させられ、ステップS75では、ステップS74で演算された最隣接特徴点間距離の値が、ステップS77の処理で設定されたオイラー角と対応付けて記憶されることになる。
【0090】
ステップS76において、未設定のオイラー角はないと判定された場合、処理は、ステップS78に進む。
【0091】
ステップS78において、ステップS75の処理で記憶された、例えばK個の最隣接特徴点間距離のうち、最小となるものを特定するとともに、その最小となった最隣接特徴点間距離に対応するオイラー角を特定する。
【0092】
このようにして、特徴点回転処理が実行される。このように、一旦、特徴点のみを回転させて、第1画像が撮像された時刻から第2画像が撮像された時刻に至るまでのゴルフボールの回転量を、概ね推定することが可能となる。このようにすることで、都度、画像を回転させる処理が不要となるので、処理を高速化することが可能となる。また、この後実行される特徴点対応付け処理において画像相関法による演算を行うにあたり、特徴点回転処理によって特定されたオイラー角を利用することで、正確かつ高速な特徴点の対応付けを実現することが可能となる。
【0093】
図16に戻って、ステップS32の処理の後、ステップS33において、特徴点対応制御部93は、特徴点対応付け処理を実行する。ここで、図19のフローチャートを参照して、図16のステップS33の特徴点対応付け処理の詳細について説明する。
【0094】
ステップS91において、特徴点対応制御部93は、第1画像の特徴点群111を構成する特徴点のうち、3つの特徴点を抽出する。このとき、上述したように、例えば、特徴点群111の閾値を超える特徴量を有する特徴点として抽出された特徴点の中から、互いに距離の離れた特徴点が3個さらに抽出される。
【0095】
ステップS92において特徴点対応制御部93は、ステップS78の処理で特定されたオイラー角の分だけ第1画像を回転させる。
【0096】
ステップS93において、特徴点対応制御部93は、ステップS91の処理で抽出された3つの特徴点のそれぞれと、距離が近い第2画像の特徴点を複数抽出する。このとき、上述したように、例えば、特徴点群111を構成する3個の特徴点のそれぞれから距離の近い順に、(例えば、3個)特徴点群112を構成する特徴点が抽出される。例えば、特徴点111aと距離の近い特徴点112a、112b、112cが抽出され、特徴点111mと距離の近い特徴点112m、112n、112oが抽出され、特徴点111tと距離の近い特徴点112t、112s、112uが抽出されることになる。
【0097】
ステップS94において、特徴点対応制御部93は、画像相関法により相関値を演算する。このとき、上述したように、特徴点対応制御部93が、例えば、特徴点111aを中心とする所定大きさの第1画像の領域A1を設定し、特徴点112a、112b、112cを中心とする所定の大きさの第2画像の領域B11、B12、B13を設定する。そして、特徴点対応制御部93は、画像相関法により領域A1と領域B11との相関値、領域A1と領域B12との相関値、領域A1と領域B13との相関値をそれぞれ演算する。
【0098】
同様に、特徴点対応制御部93は、特徴点111mを中心とする所定大きさの第1画像の領域A2を設定し、特徴点112m、112n、112oを中心とする所定の大きさの第2画像の領域B21、B22、B23を設定し、画像相関法により領域A2と領域B21との相関値、領域A2と領域B22との相関値、領域A2と領域B23との相関値をそれぞれ演算する。特徴点対応制御部93は、特徴点111tを中心とする所定大きさの第1画像の領域A3を設定し、特徴点112t、112s、112uを中心とする所定の大きさの第2画像の領域B31、B32、B33を設定し、画像相関法により領域A3と領域B31との相関値、領域A3と領域B32との相関値、領域A3と領域B33との相関値をそれぞれ演算する。
【0099】
ステップS95において、特徴点対応制御部93は、ステップS94の処理で得られた相関値のうち、最も高いもの第1画像の3つの特徴点に対応する第2画像の特徴点として特定する。これにより、例えば、図14に示されるように、特徴点群111を構成する3つの特徴点のそれぞれに対応する特徴点群112を構成する3つの特徴点が特定されることになる。
【0100】
このようにして、特徴点対応付け処理が実行される。特徴点対応付け処理は、例えば、特徴点回転処理によって回転された第1画像の特徴点のみの画像などに基づいて行われるものではなく、特徴点回転処理によって特定されたオイラー角を利用して、第1画像を回転させて画像相関法による演算を行うこととされている。このようにすることで、より正確かつ高速な特徴点の対応付けを実現することが可能となる。その結果、ゴルフボールの回転方向、回転数などを正確に検出することが可能となる。
【0101】
従来の技術によりゴルフボールの回転の方向、回転数などを検出するためには、画像の中でのボールの回転方向、回転した角度など特定するために、予め定められたマークや模様の付されたゴルフボールを用いる必要があった。このため、例えば、ユーザが気に入っているボールなどを自由に使って、シミュレーションシステムを利用することができないという課題があった。
【0102】
これに対して、本発明では、上述したように画像のエッジが検出されて、特徴点とされる。本発明では、特徴点の検出と、第1画像と第2画像の特徴点の対応付けが、ゴルフボールがショットされた後で行われるようにしたので、任意のボールを用いることが可能となる。
【0103】
また、上述したように、特徴点はエッジとして検出されるものであればよいので、本発明のシミュレーションシステム10において使用されるゴルフボールには、必ずしも鮮明な標章などが付されている必要はない。従って、本発明では、例えば、いわゆるロストボールなども利用することが可能となる。
【0104】
さらに、以上においては、シミュレーションシステム10に本発明を適用する例について説明したが、本発明は、必ずしもシミュレーションシステムに適用されるものとは限られない。例えば、ゴルフクラブの製造や微調整を行う場合など、ゴルフクラブでショットされたゴルフボールの回転方向、回転数などを検出する必要があるものには、やはり本発明を適用することができる。
【0105】
あるいはまた、本発明をゴルフボール以外の球体の回転方向、回転数などを検出に用いることも勿論可能である。
【0106】
ところで、図2を参照して上述した例においては、センシングブロック22のセンサ部41が、第1カメラと第2カメラの2台のカメラを有すると説明したが、センサ部41が1台のカメラを有する構成とされてもよい。
【0107】
図20は、1台(1つ)のカメラを有するセンサ部41の構成を示すブロック図である。同図において、ゴルフボールは、ティー160上にセットされ、ゴルフクラブによりショットされるものとする。なお、ショットされたゴルフボールは、図中の右側から左側へ飛ぶことになる。
【0108】
センサ155−1およびセンサ155−2は、それぞれ前方(図中上側)に存在する物体を検知するようになされている。ティー160上にセットされたゴルフボールをショットするために、ゴルフクラブのヘッドがセンサ155−1およびセンサ155−2の前方を通過したとき、センサ155−1およびセンサ155−2のそれぞれは、ゴルフクラブのヘッドを検知したタイミングで、検知信号を出力するようになされている。
【0109】
制御部156は、センサ155−1およびセンサ155−2からの検知信号に基づいて、カメラ151のシャッタ信号、並びにストロボ161およびストロボ162を発光させる発光信号を出力するようになされている。
【0110】
ストロボ161およびストロボ162は、例えば、棒状のストロボとして構成される。
【0111】
制御部156は、センサ155−1およびセンサ155−2のうち、ティー160に近いセンサ(いまの場合、センサ155−1)が検知信号を検出した後、予め設定された時間だけ後に、カメラ151のシャッタ信号における第1のパルス(電子シャッタ)を出力するとともに、ストロボ161を発光させる発光信号を出力するようになされている。
【0112】
また、制御部156は、カメラ151のシャッタ信号における第1のパルスを出力してから、所定の時間だけ後に、カメラ151のシャッタ信号における第2のパルス(電子シャッタ)を出力するとともに、ストロボ162を発光させる発光信号を出力するようになされている。ここで、所定の時間は、例えば、センサ155−2が検知信号を出力してからセンサ155−1が検知信号を出力するまでの時間などに基づいて求められるものとする。
【0113】
図21は、制御部156が出力する信号のタイミングチャートの例である。同図の例では、シャッタ信号181、ストロボ161の発光信号182、ストロボ162の発光信号183、および読み出し信号184の波形が示されている。なお、同図の横軸は時間とされ、縦軸は電圧値とされ、シャッタ信号181、および読み出し信号184は、図中下方向の凸型のパルスを形成する信号とされ、ストロボ161の発光信号182、およびストロボ162の発光信号183は、図中上方向の凸型のパルスを形成する信号とされている。
【0114】
シャッタ信号181のパルス幅であって時間T1の間、カメラ151の撮像素子であって、CCDなどの光電変換素子に電荷が蓄積されるようになされている。すなわち、シャッタ信号181のパルス幅であって時間T1の間、カメラ151のレンズにより集光された光が、撮像素子に入射して、撮像素子のそれぞれによってその光が電荷に変換されて蓄積されることになる。そして、読み出し信号184のパルスが供給されることで、1フレーム分の画像データを構成する信号として、各撮像素子に蓄積された電荷に対応する信号が出力されるようになされている。これによって、例えば、各撮像素子から出力された信号に基づいて画素値が設定されて、それらの画素により構成される1枚の画像が生成されることになる。
【0115】
また、ストロボ161の発光信号182、およびストロボ162の発光信号183においてパルスが出力されたタイミングで、それぞれストロボ161およびストロボ162が発光するようになされている。
【0116】
上述したように、シャッタ信号181における第1のパルス(図中左側のパルス)と同じタイミングで、ストロボ161を発光させる発光信号のパルスが生成されている。また、シャッタ信号181における第1のパルスが生成されてから、所定の時間だけ後に、シャッタ信号181における第2のパルス(図中右側のパルス)が生成され、それと同じタイミングでストロボ162を発光させる発光信号のパルスが生成されている。
【0117】
そして、シャッタ信号181における第2のパルスが生成されてから、予め設定された時間だけ後に、読み出し信号184におけるパルスが生成されている。
【0118】
カメラ151に、このように、シャッタ信号181、ストロボ161の発光信号182、ストロボ162の発光信号183、および読み出し信号184を供給することにより、1フレームの画像の中に、シャッタ信号181における第1のパルスに対応する時刻のゴルフボールの画像と、シャッタ信号181における第2のパルスに対応する時刻のゴルフボールの画像とが写しだされることになる。
【0119】
このようにすることで、1フレームの画像(1枚の画像)として、上述した第1画像に対応するゴルフボールの画像と、第2画像に対応するゴルフボールの画像とを得ることが可能となる。すなわち、センサ部41を図20に示されるように構成すれば、1台のカメラ151で、第1画像と第2画像に対応する1枚の画像を撮像することが可能となる。
【0120】
2台のカメラで第1画像と第2画像をそれぞれ撮像するのではなく、1台のカメラのみで、第1画像と第2画像に対応する画像を撮像する構成とすることで、例えば、装置をより小型化したり、装置の製造コストを抑制することが可能となる。
【0121】
図22は、カメラ151により撮像されたゴルフボールの画像200の例を示す図である。同図の画像200には、シャッタ信号181における第1のパルスに対応する時刻のゴルフボールの画像201と、シャッタ信号181における第2のパルスに対応する時刻のゴルフボールの画像202とが含まれている。
【0122】
例えば、ゴルフボールの画像201を第1画像とし、ゴルフボールの画像202を第2画像として、上述した15乃至19の処理を実行することにより、ゴルフボールの画像201とゴルフボールの画像202との間で特徴点の対応付けがなされ、ゴルフボールの回転方向、回転数などを正確に検出することが可能となる。
【0123】
本発明においては、図21のタイミングチャートに示されるように、シャッタ信号181のパルス幅(時間T1)を充分に短くし、シャッタ信号181のパルスのパルスと同じタイミングでストロボを発光させるようにしたことで、ゴルフボールの画像201とゴルフボールの画像202をそれぞれ鮮明に撮像することが可能となる。
【0124】
理論的には、例えば、シャッタ信号のパルス幅長く設定し、シャッタ信号においてパルスが形成されている間に、2回ストロボを発光させるようにすれば、1枚の画像として、上述した第1画像に対応するゴルフボールの画像と、第2画像に対応するゴルフボールの画像とを得ることが可能となる。しかし、このようにすると、カメラの露光時間が長く設定された画像と同様の画像が撮像されることになり、その結果、ゴルフボールの画像201とゴルフボールの画像202との間に残像などが写り、ゴルフボールの画像201とゴルフボールの画像202をそれぞれ鮮明に撮像することはできない。
【0125】
これに対して、本発明では、シャッタ信号181のパルス幅を充分に短くし、同じタイミングでストロボを発光させるようにしたので、ゴルフボールの画像201とゴルフボールの画像202との間に残像などが写ることが抑止され、かつ、ゴルフボールの画像201とゴルフボールの画像202をそれぞれ鮮明に撮像することが可能となる。
【0126】
なお、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば図23に示されるような汎用のパーソナルコンピュータ700などに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0127】
図23において、CPU(Central Processing Unit)701は、ROM(Read Only Memory)702に記憶されているプログラム、または記憶部708からRAM(Random Access Memory)703にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM703にはまた、CPU701が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0128】
CPU701、ROM702、およびRAM703は、バス704を介して相互に接続されている。このバス704にはまた、入出力インタフェース705も接続されている。
【0129】
入出力インタフェース705には、キーボード、マウスなどよりなる入力部706、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal display)などよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部707、ハードディスクなどより構成される記憶部708、モデム、LANカードなどのネットワークインタフェースカードなどより構成される通信部709が接続されている。通信部709は、インターネットを含むネットワークを介しての通信処理を行う。
【0130】
入出力インタフェース705にはまた、必要に応じてドライブ710が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア711が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部708にインストールされる。
【0131】
上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、インターネットなどのネットワークや、リムーバブルメディア711などからなる記録媒体からインストールされる。
【0132】
なお、この記録媒体は、図23に示される、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フロッピディスク(登録商標)を含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)(登録商標)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア711により構成されるものだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに配信される、プログラムが記録されているROM702や、記憶部708に含まれるハードディスクなどで構成されるものも含む。
【0133】
なお、本明細書において上述した一連の処理を実行するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本発明の一実施の形態に係るシミュレーションシステムの例を示す図である。
【図2】図1のセンシングブロックの構成例を示すブロック図である。
【図3】図2のデータ処理部のプログラムなどのソフトウェアの機能的構成例を示すブロック図である。
【図4】図3の画像解析部の構成例を示すブロック図である。
【図5】図4の回転検出部の構成例を示すブロック図である。
【図6】特徴点が検出されたゴルフボールの画像の例を示す図である。
【図7】第1画像の例を示す図である。
【図8】第2画像の例を示す図である。
【図9】第1画像の別の例を示す図である。
【図10】第2画像の別の例を示す図である。
【図11】特徴点の回転を説明する図である。
【図12】特徴点の回転を説明する図である。
【図13】第2画像においてプロットされた第1画像の特徴点群の例を示す図である。
【図14】特徴点の対応付けを説明する図である。
【図15】回転検出処理の例を説明するフローチャートである。
【図16】対応部分特定処理の例を説明するフローチャートである。
【図17】特徴点検出処理の例を説明するフローチャートである。
【図18】特徴点回転処理の例を説明するフローチャートである。
【図19】特徴点対応付け処理の例を説明するフローチャートである。
【図20】図2のセンサ部の別の構成例を示す図である。
【図21】図20の制御部が出力する信号のタイミングチャートの例を示す図である。
【図22】図20のセンサ部により撮像された画像の例を示す図である。
【図23】パーソナルコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0135】
10 シミュレーションシステム, 21 スクリーン, 22 センシングブロック, 41 センサ部, 42 データ処理部, 61 撮像制御部, 62 画像解析部, 63 シミュレーション画像生成部, 71 速度検出部, 72 回転検出部, 73 動き演算部, 91 特徴点抽出部, 92 簡易回転部, 93 特徴点対応制御部, 94 回転数検出制御部, 151 カメラ, 156 制御部, 161 ストロボ, 162 ストロボ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動するゴルフボールを撮像した画像に基づいて、前記ゴルフボールの回転を検出する検出装置であって、
前記ゴルフボールを第1の時刻に撮像した第1画像、および前記ゴルフボールを前記第1の時刻より後の第2時刻に撮像した第2画像のそれぞれにおいて、エッジとなる画素を検出することで、前記ゴルフボールの表面の画像の一部を構成する複数の特徴点を抽出する特徴点抽出手段と、
前記第1画像において前記抽出された複数の特徴点の3次元座標位置と、前記第2画像において前記抽出された複数の特徴点の3次元座標位置のそれぞれとの距離に基づいて、前記第1画像と前記第2画像の位置関係を表すオイラー角を特定するオイラー角特定手段と、
前記特定されたオイラー角の分だけ前記第1の画像を回転させ、前記回転された第1画像において前記抽出された複数の特徴点のうちの所定の特徴点と、前記第2画像において前記抽出された複数の特徴点のうちの所定の特徴点との相関値を、画像相関法により演算する相関演算手段と、
前記演算された相関値に基づいて、前記第1の画像の特徴点と前記第2の画像の特徴点との対応付けを行う対応付け手段とを備え、
前記対応付けられた前記第1の画像の特徴点と前記第2の画像の特徴点に基づいて、前記ゴルフボールの回転量と回転方向を検出する
検出装置。
【請求項2】
前記第1の時刻において発光する第1のストロボと、
前記第2の時刻において発光する第2のストロボと、
前記第1の時刻および第2の時刻において前記ゴルフボールを被写体として撮像する1つのカメラとをさらに備え、
前記第1画像に対応する前記ゴルフボールの画像および前記第1画像に対応する前記ゴルフボールの画像が、前記1つのカメラにより撮像される
請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記オイラー角特定手段は、
与えられたパラメータに基づいて、前記第1画像において前記抽出された複数の特徴点の3次元座標位置のそれぞれを、前記パラメータに対応するオイラー角の分だけ回転させて前記第2の画像上にプロットする特徴点回転手段と、
前記与えられたパラメータのうち、前記回転された前記第1画像において前記抽出された複数の特徴点の3次元座標位置のそれぞれと、前記第2画像において前記抽出された複数の特徴点の3次元座標位置のそれぞれとの距離に基づいて計算される評価値が最も高くなる前記パラメータを特定するパラメータ特定手段と
を備える請求項2に記載の検出装置。
【請求項4】
移動するゴルフボールを撮像した画像に基づいて、前記ゴルフボールの回転を検出する検出装置の検出方法であって、
前記ゴルフボールを第1の時刻に撮像した第1画像、および前記ゴルフボールを前記第1の時刻より後の第2時刻に撮像した第2画像のそれぞれにおいて、エッジとなる画素を検出することで、前記ゴルフボールの表面の画像の一部を構成する複数の特徴点を抽出し、
前記第1画像において前記抽出された複数の特徴点の3次元座標位置と、前記第2画像において前記抽出された複数の特徴点の3次元座標位置のそれぞれとの距離に基づいて、前記第1画像と前記第2画像の位置関係を表すオイラー角を特定し、
前記特定されたオイラー角の分だけ前記第1の画像を回転させ、前記回転された第1画像において前記抽出された複数の特徴点のうちの所定の特徴点と、前記第2画像において前記抽出された複数の特徴点のうちの所定の特徴点との相関値を、画像相関法により演算し、
前記演算された相関値に基づいて、前記第1の画像の特徴点と前記第2の画像の特徴点との対応付けを行うステップを含み、
前記対応付けられた前記第1の画像の特徴点と前記第2の画像の特徴点に基づいて、前記ゴルフボールの回転量と回転方向を検出する
検出方法。
【請求項5】
コンピュータを、
移動するゴルフボールを撮像した画像に基づいて、前記ゴルフボールの回転を検出する検出装置であって、
前記ゴルフボールを第1の時刻に撮像した第1画像、および前記ゴルフボールを前記第1の時刻より後の第2時刻に撮像した第2画像のそれぞれにおいて、エッジとなる画素を検出することで、前記ゴルフボールの表面の画像の一部を構成する複数の特徴点を抽出する特徴点抽出手段と、
前記第1画像において前記抽出された複数の特徴点の3次元座標位置と、前記第2画像において前記抽出された複数の特徴点の3次元座標位置のそれぞれとの距離に基づいて、前記第1画像と前記第2画像の位置関係を表すオイラー角を特定するオイラー角特定手段と、
前記特定されたオイラー角の分だけ前記第1の画像を回転させ、前記回転された第1画像において前記抽出された複数の特徴点のうちの所定の特徴点と、前記第2画像において前記抽出された複数の特徴点のうちの所定の特徴点との相関値を、画像相関法により演算する相関演算手段と、
前記演算された相関値に基づいて、前記第1の画像の特徴点と前記第2の画像の特徴点との対応付けを行う対応付け手段とを備え、
前記対応付けられた前記第1の画像の特徴点と前記第2の画像の特徴点に基づいて、前記ゴルフボールの回転量と回転方向を検出する検出装置として機能させる
プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムが記録されている記録媒体。
【請求項7】
打撃されたゴルフボールを第1の時刻に撮像した第1画像および前記ゴルフボールを前記第1の時刻より後の第2の時刻に撮像した第2画像に基づいて検出される前記ゴルフボールの速度と前記ゴルフボールの回転とに基づいて、前記打撃された後の前記ゴルフボールの軌跡を計算して前記軌跡に従って飛ぶゴルフボールの画像をスクリーンに表示するシミュレーション装置であって、
前記第1画像および前記第2画像のそれぞれにおいて、エッジとなる画素を検出することで、前記ゴルフボールの表面の画像の一部を構成する複数の特徴点を抽出する特徴点抽出手段と、
前記第1画像において前記抽出された複数の特徴点の3次元座標位置と、前記第2画像において前記抽出された複数の特徴点の3次元座標位置のそれぞれとの距離に基づいて、前記第1画像と前記第2画像の位置関係を表すオイラー角を特定するオイラー角特定手段と、
前記特定されたオイラー角の分だけ前記第1の画像を回転させ、前記回転された第1画像において前記抽出された複数の特徴点のうちの所定の特徴点と、前記第2画像において前記抽出された複数の特徴点のうちの所定の特徴点との相関値を、画像相関法により演算する相関演算手段と、
前記演算された相関値に基づいて、前記第1の画像の特徴点と前記第2の画像の特徴点との対応付けを行う対応付け手段とを備え、
前記対応付けられた前記第1の画像の特徴点と前記第2の画像の特徴点に基づいて、前記ゴルフボールの回転量と回転方向を検出する検出装置を有する
シミュレーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2009−247642(P2009−247642A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−99994(P2008−99994)
【出願日】平成20年4月8日(2008.4.8)
【出願人】(391000896)株式会社フローベル (10)
【出願人】(592014104)ブリヂストンスポーツ株式会社 (652)
【Fターム(参考)】