説明

検査方法および装置、リソグラフィ装置、リソグラフィ処理セルおよびデバイス製造方法

【課題】構造で回折したビームの位相差および振幅を、既知の位相変調器を使用することなく、また、過剰な追加ハードウェアを組み込むことなく、複数の波長レンジで測定することができるよう、スキャトロメータにエリプソメトリック機能を提供する。
【解決手段】システムは、基板の特性を決定するために、基板で回折する際に個々に偏光される2つのビームを測定するように構成されている。2つの直交偏光放射ビームのうちの一方の位相をもう一方のビームに対して変化させるために、円偏光源または楕円偏光源が固定位相リターダを介して引き渡される。2つの放射ビームの相対位相およびディテクタで測定されるビームの他のフィーチャによって基板表面の特性が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、たとえばリソグラフィ技法によるデバイスの製造に有用な検査の方法、およびリソグラフィ技法を使用してデバイスを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] リソグラフィ装置は、基板の上、一般的には基板のターゲット部分に所望のパターンを付与するマシンである。リソグラフィ装置は、たとえば集積回路(IC)の製造に使用することができる。その場合、マスクまたはレチクルとも呼ばれているパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層に形成すべき回路パターンが生成される。生成されたパターンが、基板(たとえばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(たとえば1つまたは複数のダイの一部が含まれている)に転送される。パターンの転送は、通常、基板の上に提供されている放射感応性材料(レジスト)の層へのイメージングを介して実施される。通常、1枚の基板には、順次パターニングされる隣接するターゲット部分の回路網が含まれている。知られているリソグラフィ装置には、パターン全体を1回でターゲット部分に露光することによってターゲット部分の各々が照射されるいわゆるステッパと、パターンを放射ビームで所与の方向(「スキャンニング」方向)にスキャンし、かつ、基板をこの方向に平行または非平行に同期スキャンすることによってターゲット部分の各々が照射されるいわゆるスキャナがある。パターンを基板に転写することによってパターニングデバイスから基板へパターンを転送することも可能である。
【0003】
[0003] リソグラフィプロセスをモニタするためには、パターニングされた基板のパラメータ、たとえば基板の中または基板の上に形成された連続する層と層の間のオーバーレイエラーを測定することが望ましい。リソグラフィプロセスで形成される微視的構造を測定するための技法には、走査電子顕微鏡および様々な専用ツールの使用を始めとする様々な技法がある。専用インスペクションツールの形態の1つは、放射のビームが基板の表面のターゲット上に導かれ、散乱または反射したビームの特性が測定されるスキャトロメータである。基板で反射または散乱する前のビームの特性と、基板で反射または散乱した後のビームの特性とを比較することにより、基板の特性を決定することができる。この比較は、たとえば、反射したビームと、既知の基板特性に関連する既知の測値のライブラリに記憶されているデータとを比較することによって実施することができる。主として2つのタイプのスキャトロメータが知られている。分光スキャトロメータは、広帯域放射ビームを基板の上に導き、特定の狭い角度範囲に散乱する放射のスペクトル(波長を関数とした強度)を測定する。角度分解スキャトロメータは、単色放射ビームを使用して、角度を関数とした散乱放射の強度を測定する。
【0004】
[0004] スキャトロメトリは、表面を解析するための比較的迅速な形態であるが、測定しているのが散乱放射の強度のみであり、したがって異なる方向に偏光される放射の異なる挙動を考慮することができないため、最も正確な測定とはいえない。たとえば、測定中の基板対象の形態が、1つの偏光方向に整列している格子の形態である場合、その方向に偏光する放射は、直交方向に偏光する放射とは全く異なる方法で散乱することになる。偏光方向を考慮するために、直交偏光したビームの特定のパラメータを測定することができるエリプソメトリックシステムが想定されている。
【0005】
[0005] 図4は、上記を考慮するために想定されたエリプソメトリックセンサ(すなわちエリプソメータ)の一例を示したものである。放射源Pからのイルミネーション放射は、基板Wのターゲット部分の構造30で反射し、基板から戻る途中で、センサ内に存在している3つのビームスプリッタの2つの固有偏光のうちの1つに沿って直線偏光される(固有偏光は、図4に示されているx方向またはy方向に対して測定されている)。第1のビームスプリッタN−PBSは、2つの他のビームスプリッタに向けてイルミネーションの一部を反射する。そのうちの1つであるビームスプリッタ80は、イルミネーションの一部をイメージング分岐へ送り、もう1つのビームスプリッタ82は、イルミネーションの一部を焦点分岐へ送る。第1のビームスプリッタN−PBSは、残りのビームをカメラCCDに向けて導く非偏光ビームスプリッタである。非偏光ビームスプリッタN−PBSを通過した偏光ビームは、その常光線軸および異常光軸がx方向およびy方向に対して45°で配置された位相変調器90を通過する。次に、ビームがウォラストンプリズム50を使用してその対応するx偏光配向およびy偏光配向に分割され、カメラCCDに衝突する。偏光ビームの相対強度を使用して、そのビームの異なる部分の相対偏光配向が決定される。この相対偏光配向から、全体としてのビームに対する構造30の影響を決定することができる。構造30が有しているビームに対する影響から、その構造自体の特性を決定することができる。
【0006】
[0006] また、US 5,880,838(Marxら)に、エリプソメトリを使用した基板上の構造の測定が記述されており、それによれば、測定システムは偏光直交位相測定(PQM)と呼ばれている。この文書には、光の偏光ビーム(TE(transverse electric)およびTM(transverse magnetic)を使用した)の構造上への集束が記述されている。TM磁界およびTE電界は、その構造での回折によって別様に影響を受ける。TE電界は、TM磁界中における位相および振幅の変化を解析するための基準として使用することができる。TE電界とTM磁界の位相と振幅の間の関係は、その構造の構造パラメータ(たとえば孔の深さまたは格子バーの高さあるいは格子のピッチ)によって決まる。したがって、この関係を測定することによって構造パラメータを決定することができる。
【0007】
[0007] 一般に、エリプソメトリは、単にイルミネーションビーム中の強度変化を測定するだけではなく、どちらかと言えば散乱した光の偏光状態を測定している。エリプソメトリは、別様に偏光された2つのビームの間の位相差(Δ)および2つの偏光ビームの振幅比(tanΨ)の2つのパラメータを測定している。これらの2つのパラメータを使用して、純粋に偏光されたビームのあらゆる偏光状態を記述することができる。
【0008】
[0008] 特に、入射するビームがs偏光とp偏光の両方を有している場合、反射するビームは、反射率係数RおよびRを有することになる。Δ(デルタ)は、反射率係数RとRの間の位相差であり、以下の式(1)で与えられる。
【0009】
[0009] 受け取られるビームの強度は、振幅の合計に比例しており、それらの相対偏光の角度が考慮されている。たとえば、RおよびRの両方の偏光が同じ配向で整列している場合、受け取られるビームの強度は最大強度である。2つの振幅の配向が直交している場合、それらは互いに相殺しあい、したがって強度は最小強度である。2つの偏光方向(つまり配向)の間の角度はΨであり、したがってΨとRおよびRの間の関係は、次の式(2)の通りである。
Δ=arg(R−R) (1)
tanΨ=R/R (2)
【0010】
[0010] 図8は、これらの2つのパラメータの間の関係を示したものである。詳細には、図8は、図4の位相変調器90によって強制されるsとpの間の位相差を関数とした1つのピクセル内の強度変化を示したものである。Iはビームの強度であり、Pは、RおよびRの総合偏光である。2つの振幅が同じである(つまりR=RおよびΨ=45°)と仮定すると、偏光方向が互いに相殺しあうため、点xにおける総合ビームの強度は最小強度である。点yの強度は最大強度であり、偏光方向が整列していることを示している。
【0011】
[0011] 図8に示されている総合強度は変調されており、振幅(同じである)が多少とも互いに相殺しあい、したがって2つのビームの相対位相を、それに応じて変化するものとしてモニタすることができることを示している(位相変調器90によって指定される)。
【0012】
[0012] 図4に示されているような、位相変調器90(すなわち位相シフタ)を組み込んだシステムは、次のような特定のフィーチャを有している。
【0013】
[0013] 1.これらの位相シフトのあらゆる不正確性は、場合によってはΔにも同じ不正確性が生じる原因になるため、場合によっては光に適用される位相シフトを正確に知る必要がある。構造を正確に決定するためには、強度と位相の間の関係を知ることが望ましい。
【0014】
[0014] 2.位相変調器が波長依存型であり、これは、場合によっては位相変調器を使用波長毎に再較正しなければならないことを意味している。
【0015】
[0015] 3.位相変調器の場合、複数の位相シフトが光の個々のビームに特定の波長で適用される。別様にシフトされたビームの強度を場合によっては位相毎に再測定しなければならず、著しく時間を要することになる。
【0016】
[0016] 4.位相シフタを使用して基板上の対象を解析することは、場合によっては位相が変化する毎にその対象のイメージを記録しなければならず、データ収集ステップが徒らに長くなることになることを意味している。これは、たとえばアライメントエラーが検出された場合に、そのエラーを速やかに解析し、後続する基板を修正することができるようにするためには望ましいことではない。
【0017】
[0017] 位相変調器を使用するための可能な解決法が提案されている。それらはいずれも、単一の入射ビームから4つの別様に偏光された反射サブビームを獲得し、個々のサブビームの測定強度から4つの既知の偏光の振幅および位相の差を測定することをそれらの目的として有している。第1の可能解決法は、放射ビームが2つの直交偏光サブビームに分割され、引き続いてこれらの偏光サブビームの各々が90°の角度で互いに直交する偏光サブ・サブビームに分割されるよう、反射したビームに互いに90°で配置された少なくとも2つの偏光ビームスプリッタを通過させることによってこの目的を達成している。したがって4つのすべてのサブビームの偏光角は、0°、90°、180°および270°である(互いに対して)。また、ウォラストンプリズム等々を使用してビームがサブビームに分割され、個々のビームが異なる角度で偏光される。提案されている代替解決法は、ビームに、4つのクオードラントを有する単一の偏光デバイスを通過させることであり、個々のクオードラントは、1つのビームが、事実上、それぞれ異なる方向(たとえば0°、45°、135°および180°)に偏光される4つのクオードラントに分割されるよう、異なる偏光角を有する偏光子を備えている。上記解決法の場合、いずれも、異なる偏光の個別々のサブビームが同じまたは異なるカメラ上で比較され、また、基板に対する対象の影響が、異なる偏光角に対して比較される。カメラ上のイメージを解析することにより、放射ビームが反射した構造の特性が得られる。
【0018】
[0018] しかしながら上記解決法には、すべて、複数の異なるデバイスが組み込まれており、場合によってはそれらの各々を較正しなければならず、また、場合によっては、ビームがこれらのデバイスを通過する毎にそれらによって一定の量の放射ビームが吸収されることになる。さらに、直列の複数のデバイスは、たとえこれらの複数のデバイスのうちのたった1つのわずかなエラーであっても、一層悪化させることがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
[0019] 構造で回折したビームの位相差および振幅を、既知の位相変調器を使用することなく、また、過剰な追加ハードウェアを組み込むことなく、複数の波長レンジで測定することができるよう、スキャトロメータにエリプソメトリック機能が提供されることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0020】
[0020] 本発明の一態様によれば、検査装置、リソグラフィ装置および基板の特性を測定するように構成されたリソセルが提供され、検査装置は、放射ビームを供給するように構成された放射源と、放射ビームを一定の範囲の入射角およびアジマス角で基板の上に集束させて、放射ビームが基板で反射するように構成された光学エレメントと、放射ビームを2つの異なる偏光方向に偏光させるように構成された偏光デバイスと、第1の偏光方向を所定の量だけ遅延させて、反射した放射ビームに固定位相シフトを強制するように構成された位相シフタと、放射ビームの2つの偏光方向の角度分解スペクトルを同時に検出するように構成されたディテクタシステムとを備えている。
【0021】
[0021] 本発明の他の態様によれば、基板の特性を測定する方法であって、放射ビームに楕円偏光を提供するステップと、放射ビームを基板の表面で反射させるステップと、反射した放射ビームを第1および第2の直交偏光サブビームに分割するステップと、複数のサブビームのうちの1つの位相を第2のサブビームに対して固定の量だけシフトさせるステップと、両方のサブビームを同時に検出するステップとを含む方法が提供される。
【0022】
[0022] 以下、本発明の実施形態について、単なる実施例にすぎないが、添付の略図を参照して説明する。図において、対応する参照記号は対応する部品を表している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
[0037] 図1aは、リソグラフィ装置を略図で示したものである。この装置は、放射ビームB(たとえばUV放射またはEUV放射)を条件付けるように構成されたイルミネーションシステム(イルミネータ)IL、パターニングデバイス(たとえばマスク)MAを支持するように構築された、特定のパラメータに従って該パターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(たとえばマスクテーブル)MT、基板(たとえばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構築された、特定のパラメータに従って該基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(たとえばウェーハテーブル)WT、およびパターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(たとえば1つまたは複数のダイが含まれている)に投影するように構成された投影システム(たとえば屈折型投影レンズシステム)PLを備えている。
【0024】
[0038] イルミネーションシステムは、放射を導き、整形し、あるいは制御するための、屈折光学コンポーネント、反射光学コンポーネント、磁気光学コンポーネント、電磁光学コンポーネント、静電光学コンポーネントまたは他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組合せなどの様々なタイプの光学コンポーネントを備えることができる。
【0025】
[0039] 支持構造は、パターニングデバイスの配向、リソグラフィ装置の設計および他の条件、たとえばパターニングデバイスが真空環境中で保持されているか否か等に応じた方法でパターニングデバイスを支持している。支持構造には、パターニングデバイスを保持するための機械式クランプ技法、真空クランプ技法、静電クランプ技法または他のクランプ技法を使用することができる。支持構造は、たとえば必要に応じて固定または移動させることができるフレームまたはテーブルであってもよい。支持構造は、パターニングデバイスをたとえば投影システムに対して所望の位置に確実に配置することができる。本明細書における「レチクル」または「マスク」という用語の使用はすべて、より一般的な「パターニングデバイス」という用語の同義語と見なすことができる。
【0026】
[0040] 本明細書において使用されている「パターニングデバイス」という用語は、放射ビームの断面にパターンを付与し、それにより基板のターゲット部分にパターンを生成するべく使用することができる任意のデバイスを意味するものとして広義に解釈されたい。放射ビームに付与されるパターンは、たとえばそのパターンに移相シフトフィーチャまたはいわゆるアシストフィーチャが含まれている場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに必ずしも厳密に対応している必要はないことに留意されたい。放射ビームに付与されるパターンは、通常、ターゲット部分に生成されるデバイス、たとえば集積回路などのデバイス中の特定の機能層に対応している。
【0027】
[0041] パターニングデバイスは、透過型であってもあるいは反射型であってもよい。パターニングデバイスの実施例には、マスク、プログラマブルミラーアレイおよびプログラマブルLCDパネルがある。マスクについてはリソグラフィにおいては良く知られており、バイナリ、レベンソン型(alternating)位相シフトおよびハーフトーン型(attenuated)位相シフトなどのマスクタイプ、ならびに様々なハイブリッドマスクタイプが知られている。プログラマブルミラーアレイの実施例には、マトリックスに配列された、入射する放射ビームが異なる方向に反射するよう個々に傾斜させることができる微小ミラーが使用されている。この傾斜したミラーによって、ミラーマトリックスで反射する放射ビームにパターンが付与される。
【0028】
[0042] 本明細書において使用されている「投影システム」という用語は、たとえば使用する露光放射に適した、もしくは液浸液の使用または真空の使用などの他の要因に適した、屈折光学システム、反射光学システム、カタディオプトリック光学システム、磁気光学システム、電磁光学システムおよび静電光学システム、またはそれらの任意の組合せを始めとする任意のタイプの投影システムが包含されているものとして広義に解釈されたい。本明細書における「投影レンズ」という用語の使用はすべて、より一般的な「投影システム」という用語の同義語と見なすことができる。
【0029】
[0043] 図に示されているように、この装置は、透過型(たとえば透過型マスクを使用した)タイプの装置である。別法としては、この装置は、反射型(たとえば上で参照したタイプのプログラマブルミラーアレイを使用した、あるいは反射型マスクを使用した)タイプの装置であってもよい。
【0030】
[0044] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)以上の基板テーブル(および/または複数のマスクテーブル)を有するタイプの装置であってもよい。このような「マルチステージ」マシンの場合、追加テーブルを並列に使用することができ、あるいは1つまたは複数の他のテーブルを露光のために使用している間、1つまたは複数のテーブルに対して予備ステップを実行することができる。
【0031】
[0045] また、リソグラフィ装置は、基板の少なくとも一部が比較的屈折率が大きい液体、たとえば水で覆われ、それにより投影システムと基板の間の空間が充填されるタイプの装置であってもよい。また、リソグラフィ装置内の他の空間、たとえばマスクと投影システムの間の空間に液浸液を加えることも可能である。液浸技法は、当分野では、投影システムの開口数を大きくすることで良く知られている。本明細書において使用されている「液浸」という用語は、基板などの構造を液体中に浸さなければならないことを意味しているのではなく、単に、露光の間、投影システムと基板の間に液体が置かれることを意味しているにすぎない。
【0032】
[0046] 図1aを参照すると、イルミネータILは、放射源SOから放射ビームを受け取っている。放射源がたとえばエキシマレーザである場合、放射源およびリソグラフィ装置は、個別の構成要素にすることができる。このような場合、放射源は、リソグラフィ装置の一部を形成しているとは見なされず、放射ビームは、たとえば適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダを備えたビームデリバリシステムBDを使用して放射源SOからイルミネータILへ引き渡される。それ以外のたとえば放射源が水銀灯などの場合、放射源はリソグラフィ装置の一構成要素にすることができる。放射源SOおよびイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDと共に放射システムと呼ぶことができる。
【0033】
[0047] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するためのアジャスタADを備えることができる。通常、イルミネータの瞳面内における強度分布の少なくとも外側および/または内側半径範囲(一般に、それぞれσ−outerおよびσ−innerと呼ばれている)は調整が可能である。また、イルミネータILは、インテグレータINおよびコンデンサCOなどの他の様々なコンポーネントを備えることができる。イルミネータを使用して放射ビームを条件付け、所望する一様な強度分布をその断面に持たせることができる。
【0034】
[0048] 支持構造(たとえばマスクテーブル)MTの上に保持されているパターニングデバイス(たとえばマスク)MAに放射ビームBが入射し、パターニングデバイスによってパターニングされる。パターニングデバイス(たとえばマスク)MAを透過した放射ビームBは、放射ビームを基板Wのターゲット部分Cに集束させる投影システムPLを通過する。基板テーブルWTは、第2のポジショナPWおよび位置センサIF(たとえば干渉計デバイス、リニアエンコーダ、二次元エンコーダまたは容量センサ)を使用して正確に移動させることができ、それによりたとえば異なるターゲット部分Cを放射ビームBの光路内に配置することができる。同様に、第1のポジショナPMおよびもう1つの位置センサ(図1aには明確に示されていない)を使用して、たとえばマスクライブラリから機械的に検索した後、またはスキャン中に、パターニングデバイス(たとえばマスク)MAを放射ビームBの光路に対して正確に配置することができる。通常、支持構造(たとえばマスクテーブル)MTの移動は、第1のポジショナPMの一部を形成しているロングストロークモジュール(粗動位置決め)およびショートストロークモジュール(微動位置決め)を使用して実現することができる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの一部を形成しているロングストロークモジュールおよびショートストロークモジュールを使用して実現することができる。ステッパの場合(スキャナではなく)、支持構造(たとえばマスクテーブル)MTは、ショートストロークアクチュエータのみに接続することができ、あるいは固定することも可能である。パターニングデバイス(たとえばマスク)MAおよび基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2および基板アライメントマークP1、P2を使用して整列させることができる。図には専用ターゲット部分を占有している基板アライメントマークが示されているが、基板アライメントマークは、ターゲット部分とターゲット部分の間の空間に配置することも可能である(このような基板アライメントマークは、スクライブレーンアライメントマークとして知られている)。同様に、複数のダイがパターニングデバイス(たとえばマスク)MA上に提供される場合、ダイとダイの間にマスクアライメントマークを配置することができる。
【0035】
[0049] 図に示されている装置は、以下に示すモードのうちの少なくとも1つのモードで使用することができる。
【0036】
[0050] 1.ステップモード:支持構造(たとえばマスクテーブル)MTおよび基板テーブルWTが基本的に静止状態に維持され、放射ビームに付与されたパターン全体がターゲット部分Cに1回で投影される(すなわち単一静止露光)。次に、基板テーブルWTがX方向および/またはY方向にシフトされ、異なるターゲット部分Cが露光される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静止露光で結像するターゲット部分Cのサイズが制限される。
【0037】
[0051] 2.スキャンモード:放射ビームに付与されたパターンがターゲット部分Cに投影されている間、支持構造(たとえばマスクテーブル)MTおよび基板テーブルWTが同期スキャンされる(すなわち単一動的露光)。支持構造(たとえばマスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度および方向は、投影システムPLの倍率(縮小率)および画像反転特性によって決まる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分の幅(非スキャン方向の幅)が制限され、また、スキャン運動の長さによってターゲット部分の高さ(スキャン方向の高さ)が決まる。
【0038】
[0052] 3.その他のモード:プログラマブルパターニングデバイスを保持するべく支持構造(たとえばマスクテーブル)MTが基本的に静止状態に維持され、放射ビームに付与されたパターンがターゲット部分Cに投影されている間、基板テーブルWTが移動またはスキャンされる。このモードでは、通常、パルス放射源が使用され、スキャン中、基板テーブルWTが移動する毎に、あるいは連続する放射パルスと放射パルスの間に、必要に応じてプログラマブルパターニングデバイスが更新される。この動作モードは、上で参照したタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを利用しているマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
【0039】
[0053] 上で説明した使用モードの組合せおよび/またはその変形形態、あるいは全く異なる使用モードを使用することも可能である。
【0040】
[0054] 図1bに示されているように、リソグラフィ装置LAは、リソセルまたはクラスタと呼ばれることもある、同じく基板に対する露光前プロセスおよび露光後プロセスを実行する装置を備えたリソグラフィセルLCの一部を形成している。従来、これらは、レジスト層を付着させるためのスピンコータSC、露光済みレジストを現像するためのディベロッパDE、チルプレートCHおよびベークプレートBKを備えている。基板ハンドラーすなわちロボットROは、入/出力ポートI/O1、I/O2から基板をピックアップし、異なる処理装置の間でそれらを移動させた後、リソグラフィ装置のローディングベイLBに引き渡す。これらのデバイスは、しばしば集合的にトラックと呼ばれているが、トラック制御ユニットTCUの制御下に置かれている。このトラック制御ユニットTCU自体は、リソグラフィ制御ユニットLACUを介して同じくリソグラフィ装置を制御している監視制御システムSCSによって制御されている。したがって、処理能力および処理効率を最大化するために異なる装置を動作させることができる。
【0041】
[0055] リソグラフィ装置によって露光される基板が、適切に、かつ、一様に露光されることを保証するためには、露光済みの基板を検査し、後続する層と層の間のオーバーレイエラー、線の厚さ、クリティカルディメンジョン(CD)、等々などの特性を測定することが望ましい。エラーが検出されると、後続する基板の露光を調整することができ、とりわけ、直ぐに、かつ、十分に高速で検査を実行することができる場合、同じバッチの他の基板を依然として露光することができる。また、既に露光済みの基板については、ストリップし、かつ、リワークを施して歩留りを改善することができ、あるいは廃棄して、不良になることが分かっている基板に対する露光の実行を回避することができる。基板の一部のターゲット部分のみが不良である場合、良好なターゲット部分のみに対する露光を続行することができる。
【0042】
[0056] 検査装置(インスペクション装置)を使用して、基板の特性、詳細には、異なる基板の特性または同じ基板の異なる層の特性が層によって如何に変化するかが決定される。検査装置は、リソグラフィ装置LAまたはリソセルLCの中に統合することができるが、独立型のデバイスであってもよい。最も迅速な測定を可能にするためには、検査装置は、露光直後の露光済みレジスト層中の特性を測定することが望ましい。しかしながら、レジスト中の潜像は、そのコントラストが極めて小さく、放射に露光されたレジスト部分と放射に露光されていないレジスト部分との間の屈折率の差はほとんどない。また、潜像を有効に測定するだけの十分な感度をすべての検査装置が有しているわけではない。したがって、露光後ベークステップ(PEB)の後に測定することができ、これは、習慣的に、露光済みの基板に対して実行される最初のステップであり、このステップによってレジストの露光部分と非露光部分の間のコントラストが大きくなる。この段階では、レジスト中のイメージを半潜像的と呼ぶことができる。また、レジストの露光部分または非露光部分のいずれかが除去された時点で、あるいはエッチングなどのパターン転送ステップの後に、現像済みのレジストイメージを測定することも可能である。後者の可能性は、不良基板のリワークの可能性を制限しているが、依然として有用な情報を提供することができる。
【0043】
[0057] 図2は、本発明の一実施形態に使用することができるスキャトロメータSM1を示したものである。スキャトロメータSM1は、基板Wの上に放射を投影する広帯域(白色光)放射プロジェクタ2を備えている。反射した放射は、鏡面反射放射のスペクトル10(波長を関数とした強度)を測定する分光計ディテクタ4へ向かって通過する。このデータから、処理ユニットPUによって、たとえばRigorous Coupled Wave Analysisおよび非線形回帰によって、あるいは図2の一番下に示されているような模擬スペクトルのライブラリとの比較によって、検出されたスペクトルをもたらした構造または輪郭を復元することができる。一般的には、復元に際して、その構造の一般的な形が分かっており、また、その構造が構築されたプロセスの知識からいくつかのパラメータが仮定されるため、スキャトロメトリデータから決定しなければならないその構造のパラメータは、ごくわずかにすぎない。このようなスキャトロメータは、垂直入射スキャトロメータまたは斜入射スキャトロメータとして構成することができる。
【0044】
[0058] 図3は、本発明の一実施形態に使用することができるもう1つのスキャトロメータSM2を示したものである。このデバイスの場合、放射源2によって放出された放射は、レンズシステム12を使用して、干渉フィルタ13および偏光子17を介して集束され、部分反射表面16で反射して、少なくとも0.9であることが好ましく、少なくとも0.95であることがより好ましい大きい開口数(NA)を有する顕微鏡対物レンズ15を介して、基板W上の構造30に集束する。液浸スキャトロメータは、1を超える開口数を備えたレンズを有することさえ可能である。反射した放射は、次に、散乱スペクトルを検出させるために、部分反射表面16を透過してディテクタ18に入射する。このスペクトルは、処理ユニットPUによって処理することができる。ディテクタは、レンズシステム15の焦点距離に位置している後方投影瞳面11に配置することができるが、補助光学(図示せず)を使用してディテクタ上に瞳面を再結像させることも可能である。瞳面は、放射の半径位置が入射角を画定し、また、角度位置が放射のアジマス角を画定する平面である。ディテクタは、基板ターゲットの二次元角散乱スペクトルを測定することができるよう、二次元ディテクタであることが好ましい。ディテクタ18は、たとえば複数のCCDまたはCMOSセンサのアレイであってもよく、また、ディテクタ18は、たとえばフレーム当たり40ミリ秒の積分時間を使用することができる。
【0045】
[0059] たとえば入射する放射の強度を測定するために、しばしば参照光が使用される。そのために、ビームスプリッタ16に放射ビームが入射すると、その一部が参照光として参照ミラー14に向かってビームスプリッタを透過する。次に、同じディテクタ18の異なる部分にこの参照光が投影される。
【0046】
[0060] 一組の干渉フィルタ13を利用して、たとえば約405〜790nmの範囲、さらにはもっと短いたとえば約200〜300nmの範囲の重要な波長を選択することができる。干渉フィルタは、一組の異なるフィルタを備えた構造のフィルタではなく、同調可能なフィルタであってもよい。干渉フィルタの代わりに回折格子を使用することも可能である。
【0047】
[0061] ディテクタ18は、単一波長(または狭い波長範囲)の散乱光の強度を測定することができ、複数の波長で個々に強度を測定することができ、あるいは一定の波長範囲にわたって積分された強度を測定することができる。さらに、ディテクタは、横方向磁界偏光および横方向電界偏光の強度および/または横方向磁界偏光と横方向電界偏光の間の位相差を個別に測定することができる。
【0048】
[0062] 広帯域光源(すなわち光の周波数つまり波長の範囲が広い光源、延いては色の範囲が広い光源)を使用することが可能であり、それにより大きなエテンデュが得られ、複数の波長を混合することができる。広帯域内における複数の波長は、それぞれ、δλの帯域幅および少なくとも2δλ(つまり波長の2倍)の間隔を有していることが好ましい。いくつかの放射「源」は、ファイババンドルを使用して分割された拡張型放射源の異なる部分であってもよい。この方法によれば、角度分解散乱スペクトルを複数の波長で並列に測定することができる。二次元スペクトルより多くの情報を含んだ三次元スペクトル(波長および2つの異なる角度)を測定することができる。三次元スペクトルを測定することにより、より多くの情報を測定することができ、したがってメトロロジープロセスの頑丈性が向上する。これについては、EP1,628,164Aに、より詳細に記載されている。
【0049】
[0063] 基板W上のターゲットは、現像後のバーが実レジスト線になるようにプリントされる(たとえば上で説明したリソグラフィシステムを使用して)回折格子であってもよい。別法としては、基板の中にこれらのバーをエッチングすることも可能である。このパターンは、リソグラフィ投影装置、とりわけ投影システムPL内における色収差に敏感であり、また、イルミネーションの対称性およびこのような収差の存在は、プリントされる回折格子が変化することをそれら自らが証明していることになる。したがって、プリントされた回折格子のスキャトロメトリデータを使用して回折格子が復元される(したがって、ターゲット中における変化として自らを証明しているエラーがリソセルの何らかの部分に存在しているかどうか、あるいはこのようなエラーがリソセルに対する基板の整列に存在しているどうかが決定される)。処理ユニットPUによって実行される復元プロセスに、線幅および形状などの回折格子のパラメータをプリンティングステップおよび/または他のスキャトロメトリプロセスの知識から入力することができる。
【0050】
[0064] 上で説明したように、単純なスキャトロメータから開発されたものがエリプソメータであり、このエリプソメータを使用することにより、反射した光のわずかに異なるパラメータを使用して基板上の構造の形状および他の特性を決定することができる。これが実施される方法は、図4に示されているように、入射するビームが基板Wで反射することであり、この入射するビームがターゲット構造30で反射することである。反射したビームは、顕微鏡対物鏡24を通過し、非偏光ビームスプリッタN−PBSを通り、かつ、集束レンズ(または他の光学)を通ってカメラCCDに入射する。
【0051】
[0065] 上で説明した、既に想定されている実施形態では、もう1つのビームスプリッタ50によってビームが分割され、カメラCCDの方に向かって導かれる。この時点では、ビームは、TM(横方向磁界)偏光ビームまたはTE(横方向電界)偏光ビームのいずれかである。図4には、顕微鏡対物鏡24の瞳面PPが示されている。基板Wの表面で反射し、かつ、散乱した放射を顕微鏡対物鏡が集束させるのはこの瞳面PPである。この瞳面PPに生成されるイメージは、引き続いて、得られるイメージに可能な最大量の情報が含まれるよう、複数のレンズまたは他の光学を使用してカメラCCDの上に再生成される(つまり、カメラCCDの開口の外側の放射の鮮鋭度の損失または放射の散乱が存在しないため)。
【0052】
[0066] 図4には、さらに、非偏光ビームスプリッタN−PBSと、偏光ビームがカメラCCDに向かって透過する前にこれらの偏光ビームを分離させるビームスプリッタ50との間に配置された位相変調器90が示されている。また、図4には、位相変調器90の異常光軸および常光線軸に沿って配向されたeo座標系が円で示されている。このeo座標系は、座標系のy軸およびx軸に対して比較された異常光軸および常光線軸の相対位置を示している。EおよびEは、それぞれe方向およびo方向に沿って散乱したフィールドの未知の複素振幅である。本発明の目的のために、反射率R(したがってRおよびRまたはRおよびR)を取り扱っている複素振幅の実数部のみが取り扱われている。このシステムの場合、変化した、位相変調器によって予め定義される位相と比較されるのはこの反射率であり、システムによる構造30のパラメータの決定を可能にしている。
【0053】
[0067] 位相変調器90を除去するために、単一の入射ビームから4つの異なる偏光反射サブビームを獲得し、個々のサブビームの測定強度から、4つの既知の偏光の振幅(Δ)および位相(Ψ)の差を測定することができる。放射ビームに対する構造30の影響は偏光方向毎に異なるため、偏光方向が異なる個々のサブビームの特性を測定することによって構造30を復元することができる。しかしながら、基板の表面で反射した後の放射ビームを操作すると、測定に誤差が生じる危険が伴うことになる。
【0054】
[0068] 一方、本発明の一実施形態では、ビームは、他のデバイスを使用してサブビームに分割されない。また、一実施形態では、システムは、位相シフタ(すなわち変調器)の問題を抱えていない。本発明の一実施形態には、図4に示されている基本装置が使用されているが、位相シフタ90を使用する代わりに、位相シフト(すなわちリターデーションδ)が固定されている。所与の波長に対して、位相シフトは未知であってもよいが、後で説明するように、完全な瞳結果のデータ解析から位相シフトを決定することができる。
【0055】
[0069] 図5は、本発明の一実施形態による装置を示したものである。放射源Pからの、既知の偏光状態pを有する固定波長の光すなわち放射は、調査すべき基板Wの表面のターゲット30で反射する。較正を目的とする場合、ターゲット30は、単純に基板の平らな表面であってもよい。固定波長の光すなわち放射は、複数の入射角(たとえばθ=0〜80°)で、かつ、あらゆるアジマス角(A=0〜360°)で反射する。これらの範囲内の範囲(さらには挙げられている入射角の範囲以外の範囲)から、利用可能な処理能力に応じて、較正および他の目的のための範囲を選択することも可能である。反射する光ビームすなわち放射ビーム(入射する光ビームとして)は、偏光状態が異なる光線の全利用可能範囲からなっている。反射した光すなわち放射を顕微鏡対物鏡24が受け取り、瞳面PPに集束させる。瞳面PPに集束した光すなわち放射は、図4に関連して上で説明した理由と同じ理由でカメラCCDに再生される。
【0056】
[0070] 上で示したように、エリプソメトリは、p偏光成分の反射率とs偏光成分の反射率を比較する。直線偏光を0°および90°のアジマス角(A)で使用する場合、他の偏光角からの情報は失われることになり、したがって偏光成分に対して一定の角度をなし、これらの成分を相殺しないA=45°および135°のアジマス角でエリプソメトリが最良になることが分かる。
【0057】
[0071] 測定される放射ビームの半径位置は、入射するビームの入射角に比例する。そのアジマス角Aは、入射するビームのアジマス角にAiのラベルが振られている図5の一番下および図6に示されているように、正のx軸から計算される。較正ステップの間、すべての入射角およびすべてのアジマス角で放射ビームが検出され、かつ、記録される。また、較正ステップの間、放射ビームは、ビームの偏光状態が絶対に影響を受けないよう、平らな表面で反射する。光ビームがその入射角およびアジマス角に応じてどのように見えるかを知ることにより、反射した光ビームをCCDカメラで測定するために有用な極座標の中で光ビームを記述することができる。光ビームの「記述」には、図9に示されているようなイメージの形態を取ることができる。図9に示されているメージの中心は、基板に対して直角の法線N(すなわち図6のz軸z)に沿って反射する放射の強度を示しており、また、イメージの外側の周囲は、法線Nから最大の角度(たとえば80°)で反射する放射の強度を示している。
【0058】
[0072] 図2または図3に示されているようなスキャトロメータの基本セットアップを使用することができる。顕微鏡対物鏡24は、基板Wの上に存在している構造30で反射したビームを受け取る。入射するビームは、構造30で反射する前に顕微鏡対物鏡を通過させることができ、あるいは他の手段を使用して集束させることができる。あらゆるアジマス角ならびにあらゆる入射角で反射するビームを測定することができるようにするために、入射するビームは、直線偏光以外の円(または楕円)偏光を有しており、あらゆる方向の偏光の測定を可能にし、かつ、反射中にビームの一部が損失する危険を小さくしている。1つの偏光状態からの情報が損失したとしても、依然として複数の偏光状態を測定することができるため、損失する危険が小さくなる。
【0059】
[0073] 測定毎の入射光は固定波長の光であり、偏光状態が分かっている。上で説明したように、同じ波長および同じ偏光状態が複数の入射角(0〜80°)で、かつ、あらゆるアジマス角(0〜360°)で調査される。戻る光ビームすなわち反射した光ビームは、事実上、偏光状態が異なる無限数の光線からなっている。
【0060】
[0074] 図5は、楕円偏光され、かつ、非偏光ビームスプリッタN−PBSに入射する結合光ビームすなわち放射ビームを示したもので、光すなわち放射の約50%が透過し、50%が反射することになる(ただし、本明細書においては、ビームスプリッタは、入射する放射を様々な割合で透過させ、かつ、反射させるように製造し、かつ、使用することができる)。透過するビームのx偏光成分Iおよびy偏光成分Iのエネルギーを偏光ビームスプリッタ50(たとえばウォラストンプリズム)を使用して分離することにより、透過するビームのエリプソメトリックデータが測定される。この測定によって直交偏光サブビームが得られる。構造で反射するビームの状態の全画像を得るために比較することができるようにするためには、偏光状態が異なるこれらのサブビームの相対位相を変化させなければならない(たとえば相対位相差を変化させる量によって測定するために、あるいはカメラによって有用なイメージが生成されるよう、再結合サブビームが円偏光または楕円偏光を生成するように)。
【0061】
[0075] しかしながら、図4に使用されているような可変位相シフタ90は使用されていないため、可変すなわち調整可能な位相シフトは存在していない。その代わりに、図7に示されているように、位相シフトすなわちe振幅とo振幅の間のリターデーションδを固定することができる。詳細には、図7には、第1の偏光方向が円で示されており、また、第2の偏光方向が、ビーム方向の両端間の線で示されている。リターデーションδは、これらの2つの代表的な記号の間の距離として示されている。リターデーションδは、90°または270°の領域に存在していることが好ましい。このリターデーションは、たとえば4分の1波長板によって生成することができる。正確なリターデーションが分からない場合、図9、10、11および12を参照して以下で説明するように、対角線外情報または全瞳情報の結果からリターデーションを引き出すことができる。
【0062】
[0076] 図6は、法線Nすなわちz軸zからの入射角θ、およびx軸からのアジマス角Aで入射する、強度Iのビームを示したものである。この入射ビームは、基板Wの表面で反射し、法線Nからの反射率角度θ、およびx軸からのアジマス角Aで反射したビームとして新しい方向へ送られる。反射したビームは、ビームスプリッタ50によって、強度がIおよびIの2つのサブビームに分割される。ビームスプリッタの動作方法のため、これらの2つのサブビームは、図7から分かるように異なる偏光状態を有している。入射するビームの2つの偏光状態の間に強制されるリターデーションすなわち位相シフトδは、反射し、かつ、分割されたサブビームの複素振幅と複素振幅の間の位相差Δになる。
【0063】
[0077] 楕円偏光されたビームは、固定位相シフタ100によって相対位相シフトδが固定されたビームの2つの測定強度であり、2つの別様に偏光されたビームの強度を表している2つの強度IおよびIを結合することによってカメラで復元することができる。
【0064】
[0078] 平均強度mは、次の式で与えられる。
[0079] m=I+I (3)
[0080] 強度の差dは、
[0081] d=I−I (4)
である。
【0065】
[0082] 回折格子構造のない表面の場合、p(R)およびs(R)の反射率は、本質的にアジマス角Aに無関係であり、これは、較正のために使用される最も空白の表面についても同様である。これは、2つの偏光サブビームRおよびR(およびそれらの組合せ)の反射率係数がAの関数ではないことを意味している。一方、強度Iは、Aならびに反射率Rに依存している。
【0066】
[0083] 平均強度mは、偏光サブビームの2つの強度を単に加え合わせたものにすぎず、したがってリターデーション(δ)に無関係であり、また、得られる単一の強度は、ディテクタによって容易に測定することができる。
m=I+I=Rp(C+C)+Rs(S+C
したがって (5)
m=0.5(Rp+Rs)+0.5C(2A)(Rp−Rs
上式で、
=cos(A)
=sin(A)
=cos(A)sin(A)
S=cos(A)sin(A) (6)
CS=cos(A)sin(A)
C(2A)=cos(2A)
【0067】
[0084] 入射するビームのアジマス角Aおよびディテクタの測値mを知ることにより、次の式を式(5)に使用してtanPを引き出すことができる。
【0068】
【数1】

【0069】
[0085] 一方、強度の差を考慮する場合、偏光状態が異なる2つのサブビームの間には位相差が存在するため、2つの状態の強度の差の決定には、その位相差が考慮される。さらに、2つのサブビームの間の強度の差は、適用される位相シフトすなわちリターデーションδおよび結果として生じる反射後の位相差Δの両方に依存している。したがって強度の差は、
d=I−I={Rp(C−C)+Rs(S−C)}cos(δ)+......RpRs{cos(Δ)cos(δ)4C+sin(Δ)sin(δ)2(CS+CS)} (9)
で与えられる。
【0070】
[0086] CosΔ(偏光状態と偏光状態の間の位相差)は、図9、10、11および12に関連して後で説明するように、δが分かっているかあるいは予測される場合、また、上の式(5)および(8)からRpおよびRsが決定される場合、容易に得られる。
【0071】
[0087] 較正中であれ、あるいは基板W上の構造の復元中であれ、楕円偏光されたビームは、既知の値のIおよびIに対して復元される。楕円偏光されたビームの強度の関係を個々の成分の振幅に適用することにより(図8に示されているように)、上の式(1)および(2)に入力することができる振幅が得られる。したがって、復元されたビームによって位相差(Δ)および相対振幅アライメント(tanΨ)が得られ、延いては構造30のパラメータが得られる。つまり、個々のピクセルで受け取った2つの強度の平均を測定し、また、リターデーションδが固定であり、かつ、既知である限り(あるいは以下で説明するように予測される限り)、図5のCCDカメラ上で測定されるピクセル毎の2つの強度の差を測定することにより、所望のパラメータΔおよびΨを決定することができる。
【0072】
[0088] 図9、10、11および12は、図5のカメラCCDが受け取るエリプソメトリックデータを示したものである。図9、10、11および12の軸上の番号は、CCDカメラからのピクセル番号であり、イメージは、基板の表面で反射し、かつ、散乱する放射をピックアップする顕微鏡対物鏡の瞳面のイメージと同じである。個々の図の中心点は瞳面の中心であり、法線上を移動する放射を表している。「ロット」すなわち基板Wの縁の像は瞳面の縁に形成されており、そのイメージのこの部分のピクセルは、最大の角度、たとえば法線に対して80°で反射した放射を示している。
【0073】
[0089] 詳細には、図9は、カメラCCDの個々のピクセルに衝突する放射ビームの反射角の範囲全体の平均強度mを示したものである。図9に示されている実施例には、550nmの波長の放射が使用された。
【0074】
[0090] 図10は、反射し、かつ、散乱した放射ビームの同じ領域に対する、同じくピクセル毎の強度の差dを示したものである。図9および10にそれぞれ示されている平均強度mおよび強度の差dからのΨおよびΔの評価は、上に挙げた式(5)および(9)を使用して実行される。
【0075】
[0091] 式(9)に関して、δの値を決定し、引き続いてΔの値を決定するために、反復プロセス(最適化アルゴリズムによって実行することができる)が実行される。最初に、δの値が予測される。4分の1波長板を使用した場合の良好な予測は、1.5ラジアン(つまり約B/2ラジアンすなわち90°)である。これは、4分の1波長板が1つの偏光方向を4分の1波長だけ遅延させ、事実上、総ビームの偏光をB/2ラジアンだけ回転させる(また、直線偏光を円偏光に回転させる)ことによるものである。したがって位相シフトδは、1.5ラジアンの領域に存在するものと考えられる。
【0076】
[0092] δのこの予測値は、上の式(9)の第1の部分に入力される。したがってピクセル毎にdの値が計算される。図10は、dのこれらの値を示したものである。δが正しく予測されると、関数
d−[Rp(C−CS)+Rs(S−CS)]cos(δ) (10)
は、対角線の周りに必ず対称になり、また、軸対称をなす成分を有することは絶対にない。上記関数が対角線の周りに対称にならず、また、軸対称をなす成分を有している場合、dのx軸の値およびy軸の値が対角線対称のみを示すまでδの予測値が繰返し変更される。
【0077】
[0093] 図11は、mの値の知識を使用して、カメラでのその検出および式(5)へのその挿入から引き出されたΨのピクセル値を示したものである。図11は、1.50ラジアンのリターデーションδを仮定したΨのイメージを示したものである。
【0078】
[0094] 図12は、Δのピクセル値を、図10からのdの値および式(9)から決定されたδの値と共に示したものである。図11および12には、放射ビームが偏向した表面の形状を引き出すために測定し、かつ、解釈することができるΨおよびΔの両方の変化が示されている。イメージの非対称性ならびにイメージの外側から中心までの陰の変化は、ディテクタが受け取った時点の放射ビームを復元するために使用することができ、したがって基板表面がその放射ビームに与えた影響を決定するために使用することができる測定可能なパラメータ変化をもたらしている。放射ビームに対する表面の影響は、表面のあらゆる対象の形状に直接リンクしており、したがってそれを引き出すことができる。
【0079】
[0095] したがって、図11および12に示されているエリプソメトリックデータからΨおよびΔの変化を決定することができる。上で説明した装置および方法の利点は、強度を同時に測定することができ、したがって測定時間が損失することがなく、また、測定が実際に基本スキャトロメータと同じ程度に迅速であることであるが、個々の偏光状態を個々に測定する利点も兼ね備えている。したがって、レーザなどのパルス光源を使用することができる。さらに、位相シフタは、リターデーションが約90°の単純な4分の1波長板であってもよい。これは、解析の深さをさらに深くすることができるようにするために既存のスキャトロメータに追加しなければならないハードウェアがより少ないことを意味している。詳細には、上で説明したエリプソメータによれば、アジマス角A=45°およびA=135°の対角線上だけではなく、測定の全瞳を解析することができる。従来、上記式(5)および(9)が示しているように、必ずしも反射率のすべての角度が利用可能であったわけではないため、この全瞳手法は、これまでは不可能であった。位相シフタによるリターデーションが未知の場合、上で説明したように、x/y軸に沿った対称性に関する対角線外情報または45°/135°対角線に沿った対称性からリターデーションδを得ることができる。リターデーションδのこの決定は、最適化アルゴリズムを使用し、かつ、敏速に追従するPおよびΔの値を使用して速やかに得ることができる。
【0080】
[0096] 上で説明した固定リターデーションエリプソメータを使用するもう1つの利点は、以下で説明するように、対物レンズの不規則性を容易に補償することができることである。
【0081】
[0097] 上で説明したように、エリプソメトリは、p偏光状態およびs偏光状態の両方の反射光の強度を測定するだけではなく、p偏光状態およびs偏光状態の両方の反射振幅(すなわち反射率係数)間(RpとRsの間)の相対位相差を測定する点でスキャトロメトリまたはリフレクトメトリと異なっている。詳細には、エリプソメトリは、s偏光状態に対してp偏光状態の相対位相差を使用して楕円偏光を復元している。
【0082】
[0098] 上で説明したエリプソメータの独自性は、あらゆる入射角に対して、また、あらゆるアジマス角に対して反射率を測定することができることである。
【0083】
[0099] エリプソメトリなどの従来のスキャトロメトリでは、極座標の場合、角度(たとえば対称の中心軸からラジアンの単位の角度)が、像が形成される回折格子のアジマス角に等しく、また、イメージの半径が、その構造(すなわち回折格子)に入射する光の入射角に等しいCCDカメラに円瞳イメージが記録される。しかしながら、従来のスキャトロメトリが抱えている問題は、イメージを生成するために使用されている測定が反射強度の直接測定のみであるため、入射角およびアジマス角の関数として記録される反射強度がレンズシステムの清浄度によって劣化することである。
【0084】
[00100] これまでに存在していた解決法は、鏡面反射マップを得るために最初にほぼ100%の反射アルミニウムミラー(すなわちパーフェクトミラー)から強度イメージを得なければならない一時的な解決法のみであった。この解決法の第2のステップは、回折格子または等価構造から類似したイメージを作成し、このイメージを点毎に鏡面反射マップに対して正規化することであった。あるイメージを他のイメージに対して正規化することにより、たとえばレンズの汚れによって生じる、したがって数学的に除去することが可能な何らかの差異が生じることになる。これが、とりわけパーフェクトミラーを維持することが困難であるために場合によっては極めて確実性に乏しい較正ステップである。
【0085】
[00101] スキャトロメトリの場合、Ψのほこりに対する感度は、パーフェクトミラーを使用した較正によってかなり鈍くすることができるが、Δに対してはそうはいかない。しかしながら、上で説明したエリプソメトリの場合、I−Iは、I−Iが2つの偏光状態の間の位相差に依存しており、この位相差は、反射率のような絶対値がほこりに影響される方法と同じ方法では影響されないため、光学エレメント上のほこり粒子の影響を受けない。
【0086】
[00102] 図13および14は、この利点を示したものである。図13は、伝統的なスキャトロメトリ手順を示したもので、汚れまたはほこり101の粒子が存在しているレンズLを介して偏光が照射されている。従来のスキャトロメトリの場合、較正ステップを使用して、s偏光状態およびp偏光状態の反射ビームRpおよびRsの各々に対する汚れ粒子101の影響が決定される。しかしながら、図14に示されているエリプソメトリの場合(とりわけ位相測定の場合)、較正ステップを省略することができる。エリプソメトリでは、既知の位相シフトを有する楕円偏光の使用が使用される。楕円偏光の場合、場合によっては最大10%の反射率のシフトをもたらすほこりまたは汚れ粒子101は、p偏光状態とs偏光状態の間のごくわずかな余分の位相差Δ’をもたらすことになるだけである。さらに、このシフトは、反射p偏光光線の場合と反射s偏光光線の場合とで同じになる。エリプソメトリの場合、位相差がΔに使用されるため、ほこり粒子によるこの些細な影響は相殺される。
【0087】
[00103] この効果は実験によって確認された。あらゆるアジマス角および入射角のためのスキャトロメータに組み込まれた従来の位相ステッピングエリプソメータを使用して、ミラー修正マップ(上で説明したアルミニウムミラーを使用した)を使用した修正を使用してΔおよびΨが測定され、また、このような修正を使用することなく測定された。測定は、純ケイ素、2000nmの酸化物を備えたケイ素および100nmの酸化物を備えたアルミニウムミラーに対して実施された。実験の結果、エリプソメトリを使用して計算されたΔは、影響を受けないことが分かった。
【0088】
[00104] 上で説明したエリプソメータのもう1つのタイプに関しては、類似しているが、エリプソメトリを使用して実現されたΔに対して実行され、極めて小さい差が観察された。
【0089】
[00105] 図15、16、17および18は、550nm波長放射におけるケイ素上のΨおよびΔの完全な瞳イメージのプロットを示したものである。図15は、Ψの未修正測定を示したものである。図16は、Δの未修正測定を示したものである。一方、図17は、極瞳座標におけるΨの修正済み測定を示したものであり、また、図18は、極瞳座標におけるΔの修正済み測定を示したものである。これらの図から分かるように、図16と18の間には差はほとんどなく、エリプソメトリック測定を使用する場合、修正は不要であることを示している。
【0090】
[00106] 図19、20、21、22、23および24は、他の実験結果を示したものである。
【0091】
[00107] 実験中、強度の合計m(A、RpおよびRsの関数としての合計)のイメージおよび強度の差d(A、Rp、Rs、δおよびΔの関数としての差)のイメージから、リターダ100によって誘導される位相δの既知の単一量に対して、Δのエリプソメトリック値を見出すことができることが分かった。
【0092】
[00108] これが実施される方法は、エリプソメトリックΔおよびΨとスキャトロメトリックRpおよびRsの両方がアジマス角Aに無関係である場合にフレネルの式を使用することができる多層基板に対する測定から来ている。1つの測定可能な単一の関数dから、既知のδを組み込むことによって、上記式(9)から引き出される式を使用してエリプソメトリックΔを見出すことができる。
d=p(A、Rp、Rs)cos(δ)+q(A、RpRs)cos(δ)cos(Δ)+r(A、RpRs)sin(δ)sin(Δ)
(11) (11)
【0093】
【数2】

【0094】
[00109] これと、上で説明した、可変位相シフタを使用したタイプの位相ステッパエリプソメータとを比較すると、固定δを使用する場合、記録されたフーリエ方式としての一組のd(δ)のプロットが不要であるため、利点は、数学の相対的な単純性にある。
【0095】
[00110] このエリプソメータを使用する秘訣は、固定位相値δを可能な限り正確に決定することである。本発明によれば、関数dの方位依存性の構造からその値を見出すことができる。詳細には、式(11)の関数dの副関数であるp(A、Rp、Rs)は、関数pがx軸およびy軸の周りに鏡面対称であり、また、qおよびrの両方の関数が対角線の周りに鏡面対称であるという意味で、dの副関数であるq(A、Rp、Rs)およびr(A、Rp、Rs)とは別様に挙動する。この特性の場合、式(11)および(12)の変数を簡単に分離することができ、したがってdを決定することができる。これについては、図19ないし24に関連して以下で説明する。
【0096】
[00111] 第1のステップは、d−pcos(δ)のみが対角線に沿って残される対称性を有するようにδの値(未知であるが変更可能な値)を最適化することである。
【0097】
[00112] 図19は、依然として未知の固定位相δに対する関数dのプロットを示したものである。図20および21は、関数p(A、Rp、Rs)の2つの成分を示したものである。これらの成分は、測定された関数dから控除される。対角線に沿った対称性のみが存在し、かつ、減算(d−pcos(δ))が実行されるようにδが適切に選択されると、図22に示されているように、対角線の周りにのみ対称のイメージが得られる。
【0098】
[00113] 図23および24は成分qおよびrを示したもので、これらの成分からdのイメージが構築される。図22の鏡面イメージを対角線に沿って取ることによってδを最適化することができる。次に、これを元の図22と比較して(つまり元の図22から控除することによって)対称性の差を決定することができる。この方法によれば、0.01ラジアンの精度でδを決定することができる。約1.52ラジアンすなわち0.25波長の位相シフトを使用して、最も信頼性の高いΔの値を引き出すことができる。
【0099】
[00114] 要約すると、楕円偏光された放射を生成するエリプソメータを使用する利点、詳細にはΔ出力データを使用する利点は、スキャトロメータの性能および精度を著しく改善することができることである。従来技術による計器に使用されている多くの較正ステップを省略することができ、また、これは、とりわけ鏡面反射マップに適用される。上で説明したエリプソメータの対物レンズに例えほこり粒子が付着していても、Δの測定に影響を及ぼすことは全くない。したがって、基板上の構造を復元するための総合的な方法が簡略化され、かつ、復元の最終的な精度が改善される。
【0100】
[00115] 本明細書においては、とりわけICの製造におけるリソグラフィ装置の使用が参照されているが、本明細書において説明したリソグラフィ装置は、集積光学システム、磁気ドメインメモリのための誘導および検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド、等々の製造などの他のアプリケーションを有することができることを理解されたい。このような代替アプリケーションのコンテキストにおいては、本明細書における「ウェーハ」または「ダイ」という用語の使用はすべて、それぞれより一般的な「基板」または「ターゲット部分」という用語の同義語と見なすことができることは当業者には理解されよう。本明細書において参照されている基板は、たとえばトラック(通常、基板にレジストの層を塗布し、かつ、露光済みのレジストを現像するツール)、メトロロジーツールおよび/またはインスペクションツール中で、露光前または露光後に処理することができる。適用可能である場合、本明細書における開示は、このような基板処理ツールおよび他の基板処理ツールに適用することができる。また、基板は、たとえば多層ICを生成するために複数回にわたって処理することができるため、本明細書において使用されている基板という用語は、処理済みの複数の層が既に含まれている基板を指している場合もある。
【0101】
[00116] また、本発明による実施形態の使用について、とりわけ光リソグラフィのコンテキストの中で参照されているが、本発明は、他のアプリケーション、たとえば転写リソグラフィに使用することができ、コンテキストが許容する場合、光リソグラフィに限定されないことは理解されよう。転写リソグラフィの場合、基板に生成されるパターンは、パターニングデバイスのトポグラフィによって画定される。パターニングデバイスのトポグラフィが、基板に供給されているレジストの層にプレスされ、次に、レジストを硬化させるべく、電磁放射、熱、圧力またはそれらの組合せが印加される。レジストが硬化すると、パターニングデバイスがレジストから除去され、後にパターンが残される。
【0102】
[00117] 本明細書において使用されている「放射」および「ビーム」ならびに「光」という用語には、紫外(UV)放射(たとえば365nm、355nm、248nm、193nm、157nmまたは126nmの波長あるいはその近辺の波長の放射)、および極端紫外(EUV)放射(たとえば波長の範囲が5〜20nmの放射)、ならびにイオンビームまたは電子ビームなどの粒子線を含むあらゆるタイプの電磁放射が包含されている。
【0103】
[00118] コンテキストが許容する場合、「レンズ」という用語は、屈折光学コンポーネント、反射光学コンポーネント、磁気光学コンポーネント、電磁光学コンポーネントおよび静電光学コンポーネントを始めとする様々なタイプの光学コンポーネントのうちの任意の1つまたは組合せを意味している。
【0104】
[00119] 以上、本発明の特定の実施形態について説明したが、説明した以外の方法で本発明を実践することができることは理解されよう。たとえば本発明は、上で開示した方法を記述した1つまたは複数の機械読取可能命令シーケンスを含んだコンピュータプログラムの形態を取ることができ、あるいはこのようなコンピュータプログラムを記憶したデータ記憶媒体(たとえば半導体記憶装置、磁気ディスクまたは光ディスク)の形態を取ることができる。
【0105】
[00120] たとえば、上で説明した検査方法(インスペクション方法)は、実行可能コードを始めとする、プログラミングを必要とするコンピュータシステムのソフトウェア機能を使用して実施することができる。ソフトウェアコードは、汎用コンピュータを使用して実行することができる。動作中、コードおよび場合によっては関連するデータレコードを汎用コンピュータプラットフォームに記憶させることができる。しかしながら、動作中以外は、他の場所にソフトウェアを保管し、および/または適切な汎用コンピュータシステムにロードするためにソフトウェアを移送することも可能である。したがって、上で説明した実施形態には、少なくとも1つの機械読取可能媒体によって運ばれるコードの1つまたは複数のモジュールの形態の1つまたは複数のソフトウェア製品が包含されている。コンピュータシステムのプロセッサがこのようなコードを実行することにより、プラットフォームは、本質的に、本明細書において説明され、かつ、実例で示されている実施形態の中で実行される方法でこれらの機能を実施することができる。
【0106】
[00121] 本明細書において使用されているように、コンピュータまたは機械「読取可能媒体」などの用語は、プロセッサが実行する命令の提供に関与しているあらゆる媒体を意味している。このような媒体は、それらに限定されないが、不揮発性媒体、揮発性媒体および伝送媒体を始めとする多くの形態を取ることができる。不揮発性媒体には、たとえば、上で説明したように動作する1つまたは複数の任意のコンピュータの中の任意の記憶装置などの光ディスクまたは磁気ディスクがある。揮発性媒体には、コンピュータシステムの主記憶装置などのダイナミックメモリがある。物理的な伝送媒体には、コンピュータシステム内のバスを備えた配線を始めとする、同軸ケーブル、銅線および光ファイバがある。搬送波伝送媒体は、電気信号または電磁信号の形態を取ることができ、あるいは無線周波数(RF)データ通信中および赤外線(IR)データ通信中に生成される音波または光波の形態を取ることができる。したがって、コンピュータ読取可能媒体の一般的な形態には、たとえば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他の任意の磁気媒体、CD−ROM、DVD、他の任意の光媒体、孔のパターンを備えたパンチカード、紙テープ、他の任意の物理的媒体などの、一般的にはあまり使用されない媒体、RAM、PROMおよびEPROM、FRASH−EPROM、他の任意のメモリチップまたはカートリッジ、搬送波輸送データまたは命令、このような搬送波を輸送するケーブルまたはリンク、またはコンピュータがプログラムコードおよび/またはデータを読み出すことができ、あるいは送信することができる他の任意の媒体がある。コンピュータ読取可能媒体のこれらの形態の多くは、場合によっては、プロセッサが実行する1つまたは複数の命令の1つまたは複数のシーケンスを運ぶ必要がある。
【0107】
[00122] 以上の説明は、実例による説明を意図したものであり、本発明を制限するものではない。したがって、特許請求の範囲に示されている各請求項の範囲を逸脱することなく、上で説明した本発明に修正を加えることができることは当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1a】[0023]本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を示す図である。
【図1b】[0024]本発明の一実施形態によるリソグラフィセルすなわちクラスタを示す図である。
【図2】[0025]本発明の一実施形態による第1のスキャトロメータを示す図である。
【図3】[0026]本発明の一実施形態による第2のスキャトロメータを示す図である。
【図4】[0027]検査装置を示す図である。
【図5】[0028]本発明の一実施形態による検査装置を示す図である。
【図6】[0029]本発明の一実施形態による放射ビームの挙動を示す図である。
【図7】[0030]放射ビームの偏光状態の挙動を示す図である。
【図8】[0031]構造で反射するビームの強度と偏光の間の関係を示すグラフである。
【図9】[0032]本発明の一実施形態によるエリプソメトリックデータの測定を示す図である。
【図10】[0032]本発明の一実施形態によるエリプソメトリックデータの測定を示す図である。
【図11】[0032]本発明の一実施形態によるエリプソメトリックデータの測定を示す図である。
【図12】[0032]本発明の一実施形態によるエリプソメトリックデータの測定を示す図である。
【図13】[0033]偏光が屈折するレンズの汚れの影響を示す図である。
【図14】[0033]偏光が屈折するレンズの汚れの影響を示す図である。
【図15】[0034]未修正エリプソメトリック測定を示す図である。
【図16】[0034]未修正エリプソメトリック測定を示す図である。
【図17】[0035]図15による修正済みエリプソメトリック測定を示す図である。
【図18】[0035]図16による修正済みエリプソメトリック測定を示す図である。
【図19】[0036]δを決定するために使用される実験測定を示す図である。
【図20】[0036]δを決定するために使用される実験測定を示す図である。
【図21】[0036]δを決定するために使用される実験測定を示す図である。
【図22】[0036]δを決定するために使用される実験測定を示す図である。
【図23】[0036]δを決定するために使用される実験測定を示す図である。
【図24】[0036]δを決定するために使用される実験測定を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の特性を測定するように構成された検査装置であって、
放射ビームを供給するように構成された放射源と、
一定の範囲の入射角およびアジマス角で前記放射ビームを基板の上に集束させて、前記放射ビームが前記基板で反射するように構成された光学エレメントと、
前記放射ビームを2つの異なる偏光方向に偏光させるように構成された偏光デバイスと、
第1の偏光方向を所定の量だけ遅延させて、反射した放射ビームに固定位相シフトを強制するように構成された固定位相シフタと、
前記放射ビームの前記2つの偏光方向の角度分解スペクトルを同時に検出するように構成されたディテクタシステムと
を備えた検査装置。
【請求項2】
前記一定の範囲の入射角が約0〜80°であり、前記一定の範囲のアジマス角が約0〜360°である、請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記固定位相シフトが約90〜270°である、請求項1に記載の検査装置。
【請求項4】
前記位相シフタが4分の1波長板を備えた、請求項1に記載の検査装置。
【請求項5】
前記偏光デバイスおよび位相シフタが、前記基板で反射する前記放射ビームを楕円偏光させるように構成された、請求項1に記載の検査装置。
【請求項6】
集束システムと、
前記集束システムの像平面に配置され、かつ、前記偏光方向に基づいて前記ビームを異なる方向に向けて個別の偏光反射放射サブビームが前記ディテクタシステム上の異なる位置に入射するように構成された光学くさびと
をさらに備えた、請求項1に記載の検査装置。
【請求項7】
前記放射ビームのアジマス角(A)を測定し、
前記偏光反射放射サブビームの平均強度(m)を検出し、
前記アジマス角(A)および前記平均強度(m)から前記偏光反射放射サブビームの反射率(Rp、Rs)を導き、
前記偏光反射放射サブビームの前記偏光方向と偏光方向の間の角度(Ψ)を評価し、
前記偏光反射放射サブビームの前記偏光方向と偏光方向の間の前記角度(Ψ)の所定のモデルからの変化の結果として生じる前記基板の表面の特性を決定する
ように構成されたプロセッサをさらに備えた、請求項6に記載の検査装置。
【請求項8】
前記偏光反射放射サブビームの前記反射率(Rp、Rs)が、式
m=0.5(Rp+Rs)+0.5cos(2A)(Rp−Rs
を使用して導かれる、請求項7に記載の検査装置。
【請求項9】
前記偏光反射放射サブビームの前記偏光方向と偏光方向の間の角度(P)が、式
tanΨ=Rp/Rs
を使用して評価される、請求項7に記載の検査装置。
【請求項10】
前記放射ビームのアジマス角(A)を測定し、
前記基板の表面で反射する前の前記偏光反射放射サブビームと偏光反射放射サブビームの間の前記位相シフト(δ)の値を決定し、
前記アジマス角(A)および前記位相シフト(δ)から前記偏光反射放射サブビームの強度の差(d)を計算し、
前記サブビームの前記強度の差(d)から、反射した後の前記偏光反射放射サブビームの前記偏光方向と偏光方向の間の位相差(Δ)を導き、
前記偏光反射放射サブビームの前記偏光方向と偏光方向の間の前記位相差(Δ)の所定のモデルからの変化の結果として生じる前記基板の表面の特性を決定する
ように構成されたプロセッサをさらに備えた、請求項6に記載の検査装置。
【請求項11】
前記偏光反射放射サブビームの前記強度の差(d)が、対角線対称を有する関数
d=I−I={Rp(cos(A)−cos(A)sin(S))+Rs(sin(A)−cos(A)sin(A))}cos(δ)
を使用して、前記アジマス角(A)および前記位相シフト(δ)から計算される、請求項10に記載の検査装置。
【請求項12】
反射した後の前記偏光反射放射サブビームの前記偏光方向と偏光方向の間の前記位相差(Δ)が、式
d=I−I={Rp(cos(A)−cos(A)sin(A))+Rs(sin(A)−cos(A)sin(A))}cos(δ)+......RpRs{cos(Δ)cos(δ)4cos(A)sin(A)+sin(Δ)sin(δ)2(cos(A)sin(A)+cos(A)sin(A))}
を使用して、前記サブビームの前記強度の差(d)から導かれる、請求項10に記載の検査装置。
【請求項13】
前記プロセッサが、
第1のサブビームの前記位相シフト(δ)の値を予測し、
前記2つのサブビームの前記反射率係数(Rp、Rs)の間の前記位相差(Δ)および前記予測位相シフト(δ)を使用して、検出された前記サブビームのイメージのピクセル毎に、個々のサブビーム間の強度(I)の前記差(d)を計算し、
dの前記計算値に基づいてδの正しい値を決定するための最適化計算を実行する
ことによって前記位相シフトδの値を決定するように構成された、請求項10に記載の検査装置。
【請求項14】
強度(I)の前記差(d)を計算するステップが、式
d=I−I={Rp(cos(A)−cos(A)sin(A))+Rs(sin(A)−cos(A)sin(A))}cos(δ)
を使用するステップを含む、請求項13に記載の検査装置。
【請求項15】
基板の特性を測定する方法であって、
放射ビームに楕円偏光を提供するステップと、
基板の表面で前記放射ビームを反射させるステップと、
反射した放射ビームを第1および第2の直交偏光サブビームに分割するステップと、
前記第1のサブビームの位相を前記第2のサブビームに対して固定の量だけシフトさせるステップと、
両方のサブビームを同時に検出するステップと
を含む方法。
【請求項16】
前記放射ビームのアジマス角(A)を測定するステップと、
前記第1および第2のサブビームの強度(m)を検出するステップと、
前記アジマス角(A)および前記強度(m)から前記第1および第2のサブビームの反射率(Rp、Rs)を導くステップと、
前記2つのサブビームの2つの偏光方向の間の角度(P)を評価するステップと、
前記2つのサブビームの前記2つの偏光方向の間の前記角度(P)の所定のモデルからの変化の結果として生じる前記基板の前記表面の特性を決定するステップと
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1および第2のサブビームの前記反射率(Rp、Rs)が、式
m=0.5(Rp+Rs)+0.5cos(2A)(Rp−Rs
を使用して導かれ、
前記2つのサブビームの前記2つの偏光方向の間の角度(Ψ)が、式
tanΨ=Rp/Rs
を使用して評価される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記放射ビームのアジマス角(A)を測定するステップと、
前記基板の表面で反射する前の前記2つのサブビームの間の前記位相シフト(δ)の値を決定するステップと、
前記2つのサブビームの前記強度の差(d)を計算するステップと、
反射した後の前記サブビームの前記偏光方向の間の位相差(Δ)を導くステップと、
前記2つのサブビームの前記2つの偏光方向の間の前記位相差(Δ)の所定のモデルからの変化の結果として生じる前記基板の表面の特性を決定するステップと
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記2つのサブビームの前記強度の差(d)が、式
d=I−I
を使用して計算され、かつ、
反射した後の前記サブビームの前記偏光方向の間の前記位相差(Δ)が、式
d=I−I={Rp(cos(A)−cos(A)sin(A))+Rs(sin(A)−cos(A)sin(A))}cos(δ)+......RpRs{cos(Δ)cos(δ)4cos(A)sin(A)+sin(Δ)sin(δ)2(cos(A)sin(A)+cos(A)sin(A))}
を使用して導かれる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記位相差(δ)の前記値を決定するステップが、
前記第1のサブビームの前記位相差(δ)の値を予測するステップと、
個々のサブビーム間の強度(I)の前記差(d)、前記2つのサブビームの前記反射率係数(Rp、Rs)間の前記位相差(Δ)および前記予測位相差(δ)から、検出された前記サブビームのイメージのピクセル毎にdの値を計算するステップと、
dの前記計算値に基づいてδの正しい値を決定するための最適化計算を実行するステップと
を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
dの前記値が、式
d=I−I
を使用して計算される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記最適化計算が、ピクセル毎のdの前記値で構成されているイメージが対角線上に非ゼロ値を備え、かつ、x軸およびy軸上にゼロを備えているかどうかを決定するステップと、
そうでない場合にδの前記値を再調整するステップと、
dの前記値を再計算するステップと、
dの前記値で構成されている前記イメージが対角線上に非ゼロ値を備え、かつ、x軸およびy軸上にゼロを備えるまでこの再調整ステップおよび再計算ステップを繰り返すステップと
を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記第1のサブビームの前記位相シフトの前記予測値が1.5ラジアンである、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
基板の特性を測定するように構成されたリソグラフィ装置であって、
放射ビームを供給するように構成された放射源と、
一定の範囲の入射角およびアジマス角で前記放射ビームを基板の上に集束させて、前記放射ビームが前記基板で反射するように構成された光学エレメントと、
前記放射ビームを2つの異なる偏光配向に偏光させるように構成された偏光デバイスと、
第1の偏光配向で反射した放射ビームの位相を所定の量だけシフトさせるように構成された固定位相シフトを備えた位相シフタと、
前記放射ビームの前記2つの偏光配向の角度分解スペクトルを同時に検出するように構成されたディテクタシステムと
を備えたリソグラフィ装置。
【請求項25】
基板の特性を測定するように構成されたリソグラフィセルであって、
放射ビームを供給するように構成された放射源と、
一定の範囲の入射角およびアジマス角で前記放射ビームを基板の上に集束させて、前記放射ビームが前記基板で反射するように構成された光学エレメントと、
前記放射ビームを2つの異なる偏光配向に偏光させるように構成された偏光デバイスと、
第1の偏光配向で反射した放射ビームの位相を所定の量だけシフトさせるように構成された固定位相シフトを備えた位相シフタと、
前記放射ビームの前記2つの偏光配向の角度分解スペクトルを同時に検出するように構成されたディテクタシステムと
を備えたリソグラフィセル。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図13】
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【図14】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2009−177134(P2009−177134A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−275692(P2008−275692)
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【出願人】(504151804)エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. (1,856)
【Fターム(参考)】