説明

横型構成電気光学デバイス

【課題】エレクトロルミネセンスデバイスの光出力や光起電力デバイスの電流出力を増大させる。
【解決手段】表面を有する基板100と、第1のタイプの半導体材料の第1の半導体層102と、第2のタイプの半導体材料の第2の半導体層108と、第1の電極114と、第2の電極116とを有する、横型構成電気光学デバイス。第1の半導体層の下面は、基板の表面の一部分に結合されている。第2の半導体層の下面は、第1の半導体層の上面に結合されて接合を形成する。第1の電極は、第1の半導体層の一方の側面106に直接電気的に結合され、第2の電極は、第2の半導体層の反対側の側面112に直接電気的に結合されている。これらの電極は、第1の半導体層の下面および/または第2の半導体層の上面がこれらによって実質的に塞がれないように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極がデバイスの半導体材料を塞がないように、横型に構成された電気光学デバイスに関する。これらの横型構成電気光学デバイスは、より効率的な電気光学デバイスの製造を可能にし得る。特にエレクトロルミネセンスデバイスの光出力や光起電力デバイスの電流出力を増大し得る。
【背景技術】
【0002】
現在の発光ダイオードおよび/または光起電力デバイスは、典型的には基板上に縦に形成される。すなわち、層(カソード、アノード、半導体)が、互いの上に製造されることにより、基板に対して法線方向に積層される。これは、このようにすると大きなPN接合領域の製造が容易になるため行われる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、この構成において、電気光学デバイス内における短絡を実質的に回避するために、半導体材料の層は典型的には比較的厚く、典型的には>>100nmである。これは、薄すぎる半導体層における空隙が、半導体層(単数または複数)の上に形成された電極が半導体層(単数または複数)の下に形成された電極に接触することを許してしまう可能性があるためである。これらの厚い半導体層のため、典型的な電気光学デバイスの効率は、電極により遮られる光のために減少する。また、光起電力(PV)デバイスにおいては、半導体の過剰な厚さは、電荷が接合によって分離される以前の電荷再結合による有意な損失につながり得、またエレクトロルミネセンス(EL)デバイスにおいては、厚い半導体材料層(単数または複数)を横切る前に光子が再吸収されてしまい得る。さらに、積層された構造が電荷発生層(電極)を含む場合、この層は、処理の困難性を引き起こし得、および/または入射または出射光を遮り得る。
【0004】
本発明の実施形態例は、電気光学デバイスの製造に関連するこれらおよびその他の課題を克服する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態例は、表面を有する基板と、第1のタイプの半導体材料の第1の半導体層と、第1のタイプの半導体材料と異なる第2のタイプの半導体材料から形成された第2の半導体層と、第1の半導体層に電気的に結合された第1の電極と、第2の半導体層に電気的に結合された第2の電極とを有する、横型構成電気光学デバイスである。各半導体層は、第1の側面、第2の側面、上面、および下面を有する。第1の半導体層の下面は、基板の表面の一部分に結合される。第2の半導体層の下面は、第1の半導体層の上面に結合されて接合を形成する。各半導体層の第1の側面は互いに隣接し、第2の側面も互いに隣接する。第1の電極は、第1の半導体層の第1の側面に直接電気的に結合され、第2の電極は、第2の半導体層の第2の側面に直接電気的に結合される。これらの電極は、第1の半導体層の下面または第2の半導体層の上面の少なくとも一方が、これらによって実質的に塞がれていないように構成される。
【0006】
本発明の別の実施形態は、第1のタイプの半導体材料の第1の半導体シートと、第1のタイプの半導体材料と異なる第2のタイプの半導体材料から形成された第2の半導体シートと、第1の半導体シートに電気的に結合された第1の電極と、第2の半導体シートに電気的に結合された第2の電極とを有する、横型構成電気光学デバイスである。各半導体シートは、第1の面、第1の面に対向する第2の面、第1の面に実質的に垂直な第1のエッジ、および第1のエッジに対向し第1の面に実質的に垂直な第2のエッジを有する。半導体シートは、第1の面または第2の半導体シートが第1の半導体シートの第2の面に結合して接合を形成し、半導体シートの第1の側面が互いに隣接し、第2の側面も互いに隣接するように構成されている。第1の電極は、第1の半導体シートの第1の側面に直接電気的に結合され、第2の電極は、第2の半導体シートの第2の側面に直接電気的に結合される。これらの電極は、第1の半導体シートの下面または第2の半導体シートの上面の少なくとも一方が、これらによって実質的に塞がれていないように構成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、以下の詳細な説明を添付の図面とともに読んだときもっともよく理解される。一般に行われるように、図面の様々な要素は縮尺通りではないことを強調しておく。逆に、明瞭さのために様々な要素の寸法を任意に拡大または縮小している。図面には以下の図が含まれる。
【0008】
本発明の実施形態例は、横型構成電気光学デバイス例を包含する。これらの技術例は、薄い半導体層と、電極によって塞がれない大面積PN接合とを有する、光起電力(PV)およびエレクトロルミネセンス(EL)デバイスの製造を可能にする。
【0009】
本発明によるPVデバイス例は、エネルギー発生用の太陽電池として用いられ得る。または、これらのPVデバイス例は、ディスプレイなどのELデバイスへのフィードバックとしてを含む、光センサ用途として用いられ得る。本発明によるELデバイス例は、照明、ディスプレイその他などの用途において用いられ得る。これらのデバイス例の1つの利点は、本発明の横型構成例を用いることにより、より薄型のデバイスを製造することが可能になり得ることである。PVデバイス例において、より薄い層は、入射光のより多くが電荷発生層(半導体)に入射し、再結合する前により多くの電荷キャリアを集めることを可能にし得る。ELデバイス例においては、より薄い層は、生成された光のより多くを出射させることを可能にし得る。本発明の電気光学デバイス構成例はまた、PVまたはEL用途のいずれにおいても、高い面積効率を維持しながらデバイスを積層することを可能にする。また、これらの構造例は、セルを調整することを可能にするためのゲートと、特に親和性があり得る。
【0010】
図1は、本発明の実施形態例を示す。この実施形態例は、基板100と、第1の半導体層102と、第2の半導体層108と、電極114および116とを備える、横型構成電気光学デバイスである。本発明の実施形態例において、第1の半導体層102、第2の半導体層108、第1の電極114および第2の電極116は、第1の電極114および第2の電極116が第2の半導体層108の上面を塞がないように構成されることにより、電気光学デバイス例への放射および/または電気光学デバイス例からの放射の改善された伝播を可能にする。本発明の他の実施形態例においては、第1の半導体層102、第2の半導体層108、第1の電極114および第2の電極116は、第1の電極114および第2の電極116が第1の半導体層102の下面を塞がないように構成されることにより、基板100を通した電気光学デバイス例への放射および/または電気光学デバイス例からの放射の改善された伝播を可能にする。
【0011】
第1の半導体層102は、第1の側面(第1の電極114に隣接)、第2の側面(第2の電極116に隣接)、上面(第2の半導体層108とともに接合を形成する)、および下面(基板100に結合されている)を有する。第2の半導体層108は、第1の側面(第1の電極114に隣接)、第2の側面(第2の電極116に隣接)、上面、および下面(第1の半導体層102とともに接合を形成する)を有する。
【0012】
基板100は望ましくは、第1の半導体層102が基板100の最上面に接着し得るように選択された材料から形成され得、例えば、第1の半導体層が有機半導体性材料から形成される場合にはアクリル基板が望ましく、シリコンの第1の半導体層に対しては真性シリコン基板がより望ましくあり得る。基板100を通って放射がデバイス例に結合および/またはデバイス例から結合されるように設計された本発明の電気光学デバイス例においては、基板100が放射に対して実質的に透過性であることがまた望ましい。さらに、第1の半導体層102が結晶性材料から形成されている場合は、基板100の最上面が、第1の半導体層に実質的に格子整合していることが望ましくあり得る。
【0013】
さらに、基板100は、多数の層を含むように形成されてもよい。例えば、図2は、実質的に反射性である層204が基板100の一部として(またはその上部に)形成された、電気光学デバイス例を示している。実質的に反射性である層204は、電気光学デバイス例を短絡させることを防止するために絶縁層によって覆われた反射性金属層で形成されてもよく、あるいは積層誘電体ミラーであってもよい。実質的に反射性である層204は、図2に示すように、電気光学デバイス例の面積に実質的に合致するようにパターニングされてもよく、あるいは、基板100の最上面全体を覆っていてもよい。
【0014】
あるいは、横型構成電気光学デバイスが形成された後に、薄ウェハ化またはピールオフプロセスを用いて基板が除去された、本発明の実施形態例が想定される。この電気光学デバイス例は、後述する様々な実施形態例における特徴を含み得る。得られる電気光学デバイス例は、基板を有している同様な電気光学デバイス例よりも薄くなり得、また、デバイスの両面を通しての、デバイス例および/またはデバイス例からの放射の改善された伝播を可能にし得る。
【0015】
図1にもどって、第1の半導体層102は第1のタイプの半導体材料から形成され、第2の半導体層108は第1のタイプの半導体材料とは異なる第2のタイプの半導体材料から形成されることにより、接合を形成する。半導体層例102および108は、n型有機半導体材料、p型有機半導体材料、バイポーラ有機半導体材料、n型(電子ドナー)無機半導体材料、p型(電子アクセプター)無機半導体材料、および真性無機半導体材料を含む、様々な異なる半導体材料を含み得る。これらの半導体層例は、選択される材料や用いられる製造方法に応じて、歪みを有していても歪みを有していなくてもよい。第1および第2のタイプの半導体材料は、同様なベース材料から形成されてもよい。例として、第1の半導体層102は、N型シリコンから形成されてもよく、第2の半導体層108はシリコンから形成されてもよい。あるいは、第1の半導体層102がP型GaAsから形成され、第2の半導体層108がN型AlGaAsから形成されてもよい。ただし、半導体材料が同様である必要ではない。すなわち、ホモ接合デバイスのみならず、ヘテロ接合電気光学デバイス例をも想定している。これらのヘテロ接合電気光学デバイス例は、無機/無機、有機/有機、および/または有機/無機半導体接合を有するデバイスを含み得る。また、第1の半導体層102および/または第2の半導体層108は、多数のサブ層を含み得る。
【0016】
図1において、第1の半導体層102および第2の半導体層108がおよそ同じ厚さを有するように示しているが、図3および4に示すように、これは必須ではないことに留意されたい。これらの層の厚さは、横型構成電気光学デバイス例の所望の特性に基づいて選択され得る。例えば、半導体層102および108の選択される厚さは、これらの層の所望の電流密度、コンタクト抵抗、および移動度に基づき得る。
【0017】
本横型構成例のため、短絡の懸念なく、第1の半導体層102および第2の半導体層108を非常に薄く、可能性として100nmあるいはそれ以下に薄く形成され得ることにさらに留意されたい。これは、電極がデバイス例の側面上に形成されており、そのため、たとえ製造に際して欠陥があり、第1の半導体層102が基板100の下の表面のすべてを覆わないか、第2の半導体層108が第1の半導体層102全体を覆わないかであっても、デバイス例を短絡させ得ないからである。ただしこの横型構成は、低移動度半導体材料において、キャリアの横拡散、すなわちドリフトの課題を有し得る。これらの横拡散課題は、電極114および116間の最大の望ましい距離を制限し得るが、電気光学デバイス例を長い直線状、あるいはジグザグ、スパイラル、またはその他のパターンで形成することにより、依然として大面積接合を得ることが可能である。
【0018】
横型構成電気光学デバイス例がELデバイスである場合、第1の半導体層102と第2の半導体層108の接合の近傍におけるキャリア再結合によって、出力放射が生成される。第1のタイプの半導体材料または第2のタイプの半導体材料のうち少なくとも一方は、望ましくはEL材料である。このEL材料は、半導体材料中に、色素または蛍光材料を含み得る。第1の半導体層1082の厚さ(約100nm未満であり得る)は、生成された放射がその下面を通って効率的に透過することを可能にするように望ましくは選択され得、および/または第2の半導体層108の厚さ(やはり約100nm未満であり得る)は、生成された放射がその上面を通って効率的に透過することを可能にするように望ましくは選択され得る。
【0019】
横型構成電気光学デバイス例がPVデバイスである場合、第1のタイプの半導体材料または第2のタイプの半導体材料の少なくとも一方は、PV材料である。入射放射は、このPV材料中においてフォトキャリア(すなわち電子−正孔対)を生成する。PV材料から形成される半導体層(単数または複数)の厚さは、PV材料において生成された電子−正孔対を接合が効率的に分離し得るように選択される。この厚さは、約100nm未満であり得る。
【0020】
図1の実施形態例において、第1の半導体層102の第2の側面はドープ部106を有し、ドープ部106は第2の電極116とオーミックコンタクトを望ましくは形成し、第1の電極114と第1の半導体層102の第1の側面との間には絶縁層104が設けられている。第2の半導体層108の第1の側面は、比較的強くドープされたドープ部112を有し、ドープ部112は第1の電極114とオーミックコンタクトを望ましくは形成し、第2の電極116と第2の半導体層108の第2の側面との間には絶縁層110が設けられている。ドープ部106および112と絶縁層104および110とは共に、図1の電気光学デバイス例を通る1つの電気的経路を確立する。
【0021】
これらの強くドープされた要素がなくても、電流がデバイス例中を所望に流れ得る。図2は、第1の半導体層200と第2の半導体層202との間の接合が基板100の表面に対して所定の角度で形成された、横型構成電気光学デバイス例を示す。もし図2に示すようにこの所定の角度が第1の半導体層200の最大厚さをその幅で割った大きさのアークタンジェントとおよそ等しいか、またはそれ以上である場合には、各電極は半導体層のうち一方のみと接続される。
【0022】
図3および4は、本発明による電気光学デバイス例を通る電路を確立する、別の方法例を示す。この方法例において、電極114および116は、両半導体層102および108(または、図3の実施形態例の場合、6つの半導体層102、108、300、302、304、および306のすべて)に結合されている。EL実施形態例において、電子はN型層(単数または複数)に選択的に注入され、正孔はP型層(単数または複数)に選択的に注入される。したがって、ELデバイス例の接合を通って電流が駆動され、電子−正孔再結合ならびに発光の出射が起こる。PV実施形態例において、キャリアは望ましくは、接合のビルトイン電圧によって分離される。所望の電極へのキャリアドリフトを起こすために、小さなバイアス電圧を用いてもよい。
【0023】
あるいは、電極は、異なる仕事関数を有する異なる導電性材料から形成されてもよい。これらの仕事関数は望ましくは、1)第1のタイプのキャリアが第1の半導体層102と電極の一方(例えば第1の電極114)との間を流れるのが、第1のタイプのキャリアが第1の半導体層102と他方の電極(例えば第2の電極116)との間を流れるよりも容易であるように、かつ、第2のタイプのキャリアが第2の半導体層108と第2の電極116との間を流れるのが、第2のタイプのキャリアが第2の半導体層108と第1の電極114との間を流れるよりも容易であるように、選択される。例えば、銀、アルミニウム、および亜鉛はすべて比較的低い仕事関数を有し、一方で銅、ニッケル、および金はすべて比較的高い仕事関数を有する。このように、第1のキャリアタイプが電子であり第2のキャリアタイプが正孔であるPVデバイス例において、第1の電極114をアルミニウムで形成することにより、接合によって分離された光電子を第1の半導体層102から第1の電極114へと流れさせ、かつ第2の電極116を銅で形成することにより、接合によって分離された光正孔を第2の半導体層108から第2の電極116へと流れさせてもよい。
【0024】
図3はまた、積層横型構成電気光学デバイス例を示している。図3のデバイス例において、タイプ半導体材料が交互に替わる、等しい数の層群を示している。すなわち、半導体層102、300、および304が第1のタイプの半導体材料で形成され、半導体層108、302、および306が第2のタイプの半導体材料で形成される。各連続する層の対の間に接合が存在する。したがって、図3の実施形態例は5つの接合を有しており、EL用途においては電子−正孔再結合および発光の出射が起こり得、PV用途においては電子−正孔対が分離され得る。接合の数を増やしながら半導体層の厚さを減らすことにより、ELまたはPV用途のそれぞれにおいて、より効率的な光または光電流の生成が可能になり得る。
【0025】
図3において、各半導体タイプの層は同じ厚さを有するように示していることに留意されたい。ただし、各半導体層の厚さは、層の半導体材料(単数または複数)の特性に基づいて独立に決定され得ることが想定される。各層の半導体材料(単数または複数)および厚さは変わり得ることに留意されたい。異なるバンドギャップを有する異なる半導体材料を用いることにより、1個のELデバイス例が多波長において放射を出射する(可能性として「白色」光さえも)ことが可能になり得、あるいは1個のPVデバイス例がより効率的に広帯域の放射を光電流に変換することが可能になり得る。このような設計は望ましくは、短い方の波長用の出力面により近い接合と、長い方の波長用の出力面からより遠い接合とを有する。
【0026】
本発明による積層横型構成電気光学デバイス例はまた、積層半導体構造内の半導体層の組と組との間に形成された透光性絶縁層を有してもよい。例えば、図3のデバイス例は、第2の半導体層108と第3の半導体層300との間に1つの透光性絶縁層(不図示)、そして第4の半導体層302と第5の半導体層304との間にもう1つの透光性絶縁層(不図示)を有し得る。これらの透光性絶縁層を追加することにより、3対の半導体層が別々に動作することが可能になる。これにより、多波長デバイスの改善された色制御が可能になる。3つの半導体層毎の間、4つの半導体層毎の間といった具合に透光性絶縁層を形成し得ることが想定される。さらに、半導体層のタイプの順は、透光性絶縁層によって分離された層の組と組との間で変更され得ることが想定される。例えば、PN/絶縁体/NP構造を用いて電気光学デバイス例を形成し得る。
【0027】
透光性絶縁層は、誘電体材料の単一層から形成されてもよい。あるいは、透光性絶縁層を多数の誘電体層から形成することにより、誘電体フィルタを形成してもよい。そのような誘電体フィルタは、放射のある1つの所望のスペクトルを透過する一方で、別の所望のスペクトルを反射し得る。そのような誘電体フィルタを積層横型構成電気光学デバイス例の半導体層間に設けることにより、多波長横型構成PVデバイス例の感度および/または多波長横型構成ELデバイス例の色制御を改善し得る。
【0028】
図4は、本発明による別の横型構成電気光学デバイス例を示す。この実施形態例において、基板100は、ゲート電極400およびゲート絶縁体402を有する。ゲート絶縁体402は、基板100の表面の、第1の半導体層102が結合される部分を形成する。このゲート電極は、電気光学デバイス例をオンオフするために用いられ得る。あるいは、ELデバイス例の出力パワーを調整または出力波長をチューニングするため、もしくはPVデバイス例の感度を調整するために、ゲート電極400を用いてもよい。また、あるデバイス例をPVデバイスとして機能することからELデバイスとして機能すること、あるいはその逆に切り替えるためにも用い得る。
【0029】
本発明による横型構成電気光学デバイス例は、様々な幅広い用途において、多くの用法を見出し得る。EL用途は、多くの照明およびディスプレイ用途を包含する。PV用途は、画像センサや太陽電池などの個別のデバイスを包含し、またスチルカメラ、ビデオカメラ、およびコピー機などのシステムに組み込まれることも包含する。カメラ用途において、この電極が側面に構成された構成例は、ブルーミングドレインの必要性を無くすことが想定される。
【0030】
本発明は、横型構成電気光学デバイス例の多くの実施形態例を包含する。本明細書において具体的な実施形態について図示および説明したが、本発明は示された詳細に限定されるものではない。むしろ、請求項の均等物の範疇・範囲内において、本発明から逸脱することなく、詳細について様々な改変をなし得る。特に、様々な具体的に図示した実施形態の多くの特徴を混ぜ合わせることによって、やはり本発明によって実施される、追加的な電気光学デバイス例を形成し得ることを当業者は理解する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明による横型構成電気光学デバイス例を示す側面図である。
【図2】本発明による別の横型構成電気光学デバイス例を示す側面図である。
【図3】本発明による積層横型構成電気光学デバイス例を示す側面図である。
【図4】本発明による横型構成ゲート型電気光学デバイス例を示す側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面を有する基板と、
第1のタイプの半導体材料の第1の半導体層であって、前記第1の半導体層は第1の側面、第2の側面、上面、および下面を有しており、前記第1の半導体層の前記下面は前記基板の前記表面の一部分に結合されている、第1の半導体層と、
前記第1のタイプの半導体材料と異なる第2のタイプの半導体材料から形成された第2の半導体層であって、前記第2の半導体層は、第1の側面、第2の側面、上面、および下面を有しており、これらは、
前記第2の半導体層の前記下面が前記第1の半導体層の前記上面に結合されて接合を形成し、
前記第2の半導体層の前記第1の側面が前記第1の半導体層の前記第1の側面に隣接し、
前記第2の半導体層の前記第2の側面が前記第1の半導体層の前記第2の側面に隣接するように構成されている、第2の半導体層と、
前記第1の半導体層の前記第1の側面に直接電気的に結合された、第1の電極と、
前記第2の半導体層の前記第2の側面に直接電気的に結合された、第2の電極と、を備え、
前記第1の電極および前記第2の電極は、前記第1の半導体層の前記下面または前記第2の半導体層の前記上面の少なくとも一方が、前記第1の電極および前記第2の電極によって実質的に塞がれていないように構成される、
横型構成電気光学デバイス。
【請求項2】
前記基板はゲート電極およびゲート絶縁体を有しており、前記ゲート絶縁体は、前記第1の半導体層が結合される前記基板の表面の前記部分を形成している、請求項1に記載の横型構成電気光学デバイス。
【請求項3】
前記第1の半導体層が結合される前記基板の表面の前記部分は実質的に反射性である、請求項1に記載の横型構成電気光学デバイス。
【請求項4】
前記第1のタイプの半導体材料は、
n型有機半導体材料、
p型有機半導体材料、
バイポーラ有機半導体材料、
n型無機半導体材料、
p型無機半導体材料、または
真性無機半導体材料のいずれか1つであり、
前記第2のタイプの半導体材料は、
n型有機半導体材料、
p型有機半導体材料、
バイポーラ有機半導体材料、
n型無機半導体材料、
p型無機半導体材料、または
真性無機半導体材料のいずれか1つである、
請求項1に記載の横型構成電気光学デバイス。
【請求項5】
前記横型構成電気光学デバイスはエレクトロルミネセンス(EL)デバイスであり、
前記第1のタイプの半導体材料または前記第2のタイプの半導体材料の少なくとも一方はEL材料である、
請求項1に記載の横型構成電気光学デバイス。
【請求項6】
前記放射は、前記第1の半導体層と前記第2の半導体層との間の前記接合の近傍のキャリア再結合によって生成され、
前記生成された放射の前記第1の半導体層の前記下面および前記基板を通しての効率的な透過のために、前記第1の半導体層の厚さが選択されるか、
前記生成された放射の前記第2の半導体層の前記上面を通しての効率的な透過のために、前記第2の半導体層の厚さが選択されるか、
の少なくとも一方である、請求項5に記載の横型構成電気光学デバイス。
【請求項7】
前記第1の半導体層または前記第2の半導体層の少なくとも一方の厚さは約100nm未満である、請求項6に記載の横型構成電気光学デバイス。
【請求項8】
前記横型構成電気光学デバイスは光起電力(PV)デバイスであり、
前記第1のタイプの半導体材料または前記第2のタイプの半導体材料の少なくとも一方はPV材料である、
請求項1に記載の横型構成電気光学デバイス。
【請求項9】
前記放射は、PV材料から形成されている前記前記第1の半導体層または前記第2の半導体層の少なくとも一方において電子−正孔対を生成し、
前記PV材料から形成されている前記第1の半導体層または前記第2の半導体層のそれぞれの厚さは、前記生成された電子−正孔対の、第1の半導体層と前記第2の半導体層との間の前記接合による効率的な分離のために選択されている、
請求項8に記載の横型構成電気光学デバイス。
【請求項10】
前記PV材料から形成されている前記第1の半導体層または前記第2の半導体層のそれぞれの厚さは約100nm未満である、請求項9に記載の横型構成電気光学デバイス。
【請求項11】
第1の半導体層と前記第2の半導体層との間の前記接合は、前記基板の表面に対して所定の角度で形成されている、請求項1に記載の横型構成電気光学デバイス。
【請求項12】
前記接合と前記基板の表面との間の前記所定の角度は、前記第1の半導体層の最大厚さを前記第1の半導体層の幅で割った大きさのアークタンジェントにおよそ等しい、請求項11に記載の横型構成電気光学デバイス。
【請求項13】
前記第1の半導体層の前記第1の側面は前記第1の電極とオーミックコンタクトを形成するドープ部を有するか、
前記第2の半導体層の前記第2の側面は前記第2の電極とオーミックコンタクトを形成するドープ部を有するか、
の少なくとも一方である、請求項1に記載の横型構成電気光学デバイス。
【請求項14】
前記第1の電極と前記第2の半導体層の前記第1の側面との間に設けられた絶縁層、または、
前記第2の電極と前記第1の半導体層の前記第2の側面との間に設けられた絶縁層、
の少なくとも一方をさらに備える、請求項1に記載の横型構成電気光学デバイス。
【請求項15】
前記第1の電極は、第1の仕事関数を有する第1の導電性材料から形成され、
前記第2の電極は、第2の仕事関数を有する第2の導電性材料から形成され、
前記第1の仕事関数および前記第2の仕事関数は、
前記第1のタイプのキャリアが前記第1の半導体層と前記第1の電極との間を流れるのが、前記第1のタイプのキャリアが前記第1の半導体層と前記第2の電極との間を流れるよりも容易であり、
前記第2のタイプのキャリアが前記第2の半導体層と前記第2の電極との間を流れるのが、前記第2のタイプのキャリアが前記第2の半導体層と前記第1の電極との間を流れるよりも容易である、
ように選択されている、請求項1に記載の横型構成電気光学デバイス。
【請求項16】
前記第1のタイプの半導体材料から形成された第3の半導体層であって、前記第3の半導体層は、第1の側面、第2の側面、上面、および下面を有しており、これらは、
前記第3の半導体層の前記下面が前記第2の半導体層の前記上面に結合されて別の接合を形成し、
前記第3の半導体層の前記第1の側面が前記第2の半導体層の前記第1の側面に隣接し、前記第1の電極に直接電気的に結合されており、
前記第3の半導体層の前記第2の側面が前記第2の半導体層の前記第2の側面に隣接するように構成されている、第3の半導体層、
をさらに備える請求項1に記載の横型構成電気光学デバイス。
【請求項17】
前記第2のタイプの半導体材料から形成される第4の半導体層であって、前記第4の半導体層は、第1の側面、第2の側面、上面、および下面を有しており、これらは、
前記第4の半導体層の前記下面が前記第3の半導体層の前記上面に結合されてさらなる接合を形成し、
前記第4の半導体層の前記第1の側面が前記第3の半導体層の前記第1の側面に隣接し、
前記第4の半導体層の前記第2の側面が前記第3の半導体層の前記第2の側面に隣接し、前記第2の電極に直接電気的に結合されるように構成されている、第4の半導体層、
をさらに備える請求項16に記載の横型構成電気光学デバイス。
【請求項18】
第1の側面、第2の側面、上面、および下面を有する透光性絶縁層であって、これらは、前記透光性絶縁層の前記下面が前記第3の半導体層の前記上面に結合されるように構成されている、透光性絶縁層と、
前記第1のタイプの半導体材料から形成された第4の半導体層であって、前記第4の半導体層は、第1の側面、第2の側面、上面、および下面を有しており、これらは、
前記第4の半導体層の前記下面は前記透光性絶縁層の前記上面に結合され、
前記第4の半導体層の前記第1の側面は前記透光性絶縁層の前記第1の側面に隣接し、前記第1の電極に直接電気的に結合されており、
前記第4の半導体層の前記第2の側面は前記透光性絶縁層の前記第2の側面に隣接するように構成されている、第4の半導体層と、
前記第2のタイプの半導体材料から形成された第5の半導体層であって、前記第5の半導体層は、第1の側面、第2の側面、上面、および下面を有しており、これらは、
前記第5の半導体層の前記下面が前記第4の半導体層の前記上面と結合されてさらなる接合を形成し、
前記第5の半導体層の前記第1の側面は前記第4の半導体層の前記第1の側面に隣接し、
前記第5の半導体層の前記第2の側面は前記第4の半導体層の前記第2の側面に隣接し、前記第2の電極に直接電気的に結合されるように構成されている、第5の半導体層と、
前記第1のタイプの半導体材料から形成された第6の半導体層であって、前記第6の半導体層は、第1の側面、第2の側面、上面、および下面を有しており、これらは、
前記第6の半導体層の前記下面は前記第5の半導体層の前記上面に結合され、
前記第6の半導体層の前記第1の側面は前記第5の半導体層の前記第1の側面に隣接し、前記第1の電極に直接電気的に結合されており、
前記第6の半導体層の前記第2の側面は前記第5の半導体層の前記第2の側面に隣接するように構成されている、第6の半導体層と、
をさらに備える、請求項16に記載の横型構成電気光学デバイス。
【請求項19】
前記透光性絶縁層は複数の誘電体層を含むことにより誘電体フィルタを形成している、請求項18に記載の横型構成電気光学デバイス。
【請求項20】
第1の側面、第2の側面、上面、下面を有する透光性絶縁層であって、これらは、前記透光性絶縁層の前記下面が前記第2の半導体層の前記上面に結合されるように構成されている、透光性絶縁層と、
第3のタイプの半導体材料から形成された第3の半導体層であって、前記第3の半導体層は、第1の側面、第2の側面、上面、および下面を有しており、これらは、
前記第3の半導体層の前記下面は前記透光性絶縁層の前記上面に結合され、
前記第3の半導体層の前記第1の側面は前記第2の半導体層の前記第1の側面に隣接し、前記第1の電極に直接電気的に結合されており、
前記第3の半導体層の前記第2の側面は前記第2の半導体層の前記第2の側面に隣接するように構成されている、第3の半導体層と、
前記第3のタイプの半導体材料と異なる第4のタイプの半導体材料から形成された第4の半導体層であって、前記第4の半導体層は、第1の側面、第2の側面、上面、および下面を有しており、これらは、
前記第4の半導体層の前記下面が前記第3の半導体層の前記上面に結合されて別の接合を形成し、
前記第4の半導体層の前記第1の側面は前記第3の半導体層の前記第1の側面に隣接し、
前記第4の半導体層の前記第2の側面は前記第3の半導体層の前記第2の側面に隣接し、前記第2の電極に直接電気的に結合されるように構成されている、第4の半導体層と、
をさらに備える、請求項1に記載の横型構成電気光学デバイス。
【請求項21】
前記横型構成電気光学デバイスはエレクトロルミネセンス(EL)デバイスであり、
前記第1のタイプの半導体材料または前記第2のタイプの半導体材料の少なくとも一方は、第1のピーク波長を有する光を出射するように構成された第1のEL材料であり、
前記第3のタイプの半導体材料または前記第4のタイプの半導体材料の少なくとも一方は、第2のピーク波長を有する光を出射するように構成された第2のEL材料である、
請求項20に記載の横型構成電気光学デバイス。
【請求項22】
前記第3のタイプの半導体材料は前記第1のタイプの半導体材料であり、
前記第4のタイプの半導体材料は前記第2のタイプの半導体材料である、
請求項20に記載の横型構成電気光学デバイス。
【請求項23】
前記第3のタイプの半導体材料は前記第2のタイプの半導体材料であり、
前記第4のタイプの半導体材料は前記第1のタイプの半導体材料である、
請求項20に記載の横型構成電気光学デバイス。
【請求項24】
前記透光性絶縁層は複数の誘電体層を含むことにより誘電体フィルタを形成している、請求項20に記載の横型構成電気光学デバイス。
【請求項25】
第1の面、前記第1の面と対向する第2の面、前記第1の面に実質的に垂直な第1のエッジ、および前記第1のエッジに対向し前記第1の面に実質的に垂直な第2のエッジを有する、第1のタイプの半導体材料の第1の半導体シートと、
前記第1のタイプの半導体材料と異なる第2のタイプの半導体材料から形成された第2の半導体シートであって、前記第2の半導体シートは、第1の面、前記第1の面と対向する第2の面、前記第2の面に実質的に垂直な第1のエッジ、および前記第1のエッジに対向し前記第2の面に実質的に垂直な第2のエッジを有し、前記第1の半導体シートおよび前記第2の第1の半導体シートは、
前記第2の半導体シートの前記第1の面が前記第1の半導体シートの前記第2の面に結合されて接合を形成し、
前記第2の半導体シートの前記第1の側面は前記第1の半導体シートの前記第1の側面に隣接し、
前記第2の半導体シートの前記第2の側面は前記第1の半導体シートの前記第2の側面に隣接するように構成されている、第2の半導体シートと、
前記第1の半導体シートの前記第1の側面に直接電気的に結合された第1の電極と、
前記第2の半導体シートの前記第2の側面に直接電気的に結合された第2の電極と、を備え、
前記第1の電極および前記第2の電極は、前記第1の半導体シートの前記第1の面または前記第2の半導体シートの前記第2の面の少なくとも一方が、前記第1の電極および前記第2の電極によって実質的に塞がれていないように構成される、
横型構成電気光学デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−251524(P2008−251524A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−335641(P2007−335641)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【出願人】(592035453)コーネル・リサーチ・ファンデーション・インコーポレイテッド (39)
【氏名又は名称原語表記】CORNELL RESEARCH FOUNDATION, INCORPORATED
【Fターム(参考)】