説明

樹脂パネル及びその製造方法

【課題】 外観見栄えが良く、かつ軽量でありながら剛性を確保できる樹脂パネルを提供する。
【解決手段】 パッケージトレイ厚み方向に沿う側面部15及び側面部15と略直交する平面部17にソリッド層からなるスキン層19を形成するとともに、成形時に成形型のキャビティ容積の拡大により熱可塑性樹脂を膨張させることでスキン層19で囲まれる内部に多数の空隙を有する膨張層21を形成する。平面部17に沿って延び長手方向全長に亘って内部に中空部23aを有するソリッド層からなる中空リブ23を両端が側面部15のスキン層19に連続するように膨張層21内に形成する。中空リブ23の中空部23aに連通する開口部19aをスキン層19に貫通形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表面にスキン層が形成されるとともに、多数の空隙を有する膨張層が内部に形成された樹脂パネル及びその製造方法の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、内部に中空部を有する樹脂パネルをブロー成形することで軽量化を図る技術が開示されている。また、この樹脂パネルでは、ブロー成形時にパリソンを合わせ型で両側から押さえることでパネル対向面を互いに変形させて筒状の支持部を形成し、該支持部に金属パイプを圧入して剛性を確保している。
【特許文献1】実登第2538513号公報(第2頁、図1,3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記の特許文献1の樹脂パネルでは、金属パイプを圧入支持する支持部の外形が凹みとして外部に露出しているため、外観見栄えを損なう。また、金属パイプが圧入されている分だけ重量が嵩み、軽量化の妨げとなる。さらに、内部が多数の空隙を有する膨張層のない空洞になっているため、表面に「そり」等の変形があり外観見栄えが悪化するという問題がある。
【0004】
この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、外観見栄えが良く、かつ軽量でありながら剛性を確保することができる樹脂パネルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、この発明は、ブロー成形に代えて膨張成形を採用したことを特徴とする。
【0006】
具体的には、この発明は、パネル厚み方向に沿う側面部及び該側面部と略直交する平面部にソリッド層からなるスキン層が形成されているとともに、成形時に成形型のキャビティ容積の拡大により熱可塑性樹脂を膨張させることで上記スキン層で囲まれる内部に多数の空隙を有する膨張層が形成されてなる樹脂パネル及びその製造方法を対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0007】
すなわち、請求項1乃至8に記載の発明は、前者の樹脂パネルに関するものであり、そのうち、請求項1に記載の発明は、上記膨張層内には、上記平面部に沿って延び長手方向全長に亘って内部に中空部を有するソリッド層からなる中空リブが少なくとも一端を上記側面部のスキン層に連続させるように形成され、当該スキン層には上記中空リブの中空部に連通する開口部が貫通形成されていることをことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、中空リブは熱可塑性樹脂の反膨張方向側に偏在していることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、中空リブはパネル厚み方向略中央に位置していることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、中空リブは熱可塑性樹脂の反膨張方向側における平面部のスキン層に連続していることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、中空リブは板状をなし、熱可塑性樹脂の膨張方向側における平面部のスキン層に連続していることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、熱可塑性樹脂の膨張方向側における中空リブは平面部のスキン層から突出して突条部を構成していることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項4又は5に記載の発明において、パネル成形時に中空リブ形成用のコアピンを保持する型保持部によって形成された貫通孔が上記コアピンの中空部に連通するように平面部にスポット的に形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、複数本の中空リブが熱可塑性樹脂の膨張方向側及び反膨張方向側にそれぞれ偏在して各々偏在側において平面部のスキン層に連続し、かつ対向する平面部の中空リブが平面部に沿って交互に配置されていることを特徴とする。
【0015】
請求項9乃至12に記載の発明は、後者の樹脂パネルの製造方法に関するものであり、そのうち、請求項9に記載の発明は、請求項1に記載の樹脂パネルの製造方法であって、成形型を型閉じするとともに中空リブ形成用のコアピンをキャビティ内に進出させた状態で該キャビティ内に熱可塑性樹脂を射出充填し、キャビティ内で熱可塑性樹脂が固化する過程でキャビティ容積を拡大させて熱可塑性樹脂を膨張させ、次いで、上記コアピンをキャビティから後退させることを特徴とする。
【0016】
請求項10に記載の発明は、請求項5に記載の樹脂パネルの製造方法であって、成形型を型閉じするとともに容積の拡大したキャビティ幅よりも僅かに短い板状コアピンをキャビティ内に進出させた状態で該キャビティ内に熱可塑性樹脂を射出充填し、キャビティ内で熱可塑性樹脂が固化する過程でキャビティ容積を拡大させて熱可塑性樹脂を膨張させ、次いで、上記コアピンをキャビティから後退させることを特徴とする。
【0017】
請求項11に記載の発明は、請求項7に記載の樹脂パネルの製造方法であって、成形型を型閉じするとともに中空リブ形成用のコアピンがキャビティ内に突出する成形型の型保持部で保持されるように該コアピンをキャビティ内に進出させた状態で該キャビティ内に熱可塑性樹脂を射出充填し、キャビティ内で熱可塑性樹脂が固化する過程でキャビティ容積を拡大させて熱可塑性樹脂を膨張させ、次いで、上記コアピンをキャビティから後退させ、上記型保持部によって形成された貫通孔が中空リブの中空部に連通するように平面部にスポット的に形成された樹脂パネルを得ることを特徴とする。
【0018】
請求項12に記載の発明は、請求項8に記載の樹脂パネルの製造方法であって、成形型を型閉じするとともに中空リブ形成用の複数本のコアピンがキャビティ内で熱可塑性樹脂の膨張方向側及び反膨張方向側にそれぞれ偏在し、かつ膨張方向側のコアピンと反膨張方向側のコアピンとが平面部に沿って交互に配列されるように上記コアピンをキャビティ内に進出させた後、上記キャビティ内に熱可塑性樹脂を射出充填し、キャビティ内で熱可塑性樹脂が固化する過程でキャビティ容積を拡大させて熱可塑性樹脂を膨張させ、次いで、上記コアピンをキャビティから後退させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に係る発明によれば、スキン層で囲まれる内部に多数の空隙を有する膨張層が形成され、樹脂パネルの軽量化を図ることができる。また、上記膨張層があり、しかも、膨張層内に少なくとも一端が側面部のスキン層に連続するように中空リブがあることにより、内部が空洞である特許文献1に比べて樹脂パネルの剛性を確保することができる。さらに、上記中空リブは膨張層内にあって樹脂パネルの平面部の外表面に影響を及ぼさず、また、膨張層が多数の空隙を有するものであることから、樹脂パネルの平面部の外観見栄えを向上させることができる。
【0020】
請求項2に係る発明によれば、反膨張方向側の平面部の剛性を高めることができる。
【0021】
請求項3に係る発明によれば、中空リブがパネル厚み方向略中央に位置しているため、樹脂パネルの剛性が全体に亘ってバランス良く均一化できる。
【0022】
請求項4に係る発明によれば、反膨張方向側の平面部の剛性を一層高めることができる。
【0023】
請求項5に係る発明によれば、対向する平面部を中空リブで橋絡(連続)しているため、樹脂パネル全体の剛性をさらに高めることができる。特に、中空リブが橋絡(連続)している両側平面部の剛性を高めることができる。
【0024】
請求項6に係る発明によれば、平面部のスキン層から突出する突条部を形成することによって中空リブ形成部分の樹脂パネル平面部の外観悪化を招来することがなくなる。
【0025】
請求項7に係る発明によれば、中空リブを位置ずれすることなく正規の状態に形成することができるため、樹脂パネルの剛性を正規通りに確保することができる。
【0026】
請求項8に係る発明によれば、対向する両平面部の各平面部に、当該平面部のスキン層に連続する中空リブを偏在して形成したため、樹脂パネルの剛性を全体に亘って高めることができる。
【0027】
請求項9に係る発明によれば、キャビティ容積を拡大させた後、コアピンをキャビティから後退させるだけで、外観見栄えが良く、かつ軽量でありながら剛性を確保できる請求項1に係る樹脂パネルを簡単な成形型を用いて容易に製造することができる。
【0028】
請求項10に係る発明によれば、請求項5に係る樹脂パネルを簡単な成形型を用いて容易に製造することができる。
【0029】
請求項11に係る発明によれば、成形時にコアピンを型保持部で保持しているので、中空リブが位置ずれすることなく正規の状態に形成された請求項7に係る樹脂パネルを容易に製造することができる。
【0030】
請求項12に係る発明によれば、対向する両平面部の各平面部に、当該平面部のスキン層に連続する中空リブが偏在して形成された請求項8に係る樹脂パネルを簡単な成形型を用いて容易に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0032】
(実施形態1)
図5はハッチバック車1のバックドア3を上方に開けて車体5後部の荷室7を開放した状態を示す。この荷室7の車幅方向両側にはトランクサイドトリム9がそれぞれ配置され、該トランクサイドトリム9にそれぞれ形成された受け部11にこの発明の対象である樹脂パネルとしての略矩形のパッケージトレイ13が着脱自在に載置されて上記荷室7を上下に区分するようになっている。
【0033】
この発明の実施形態1に係るパッケージトレイ13は、図1及び図2に示すように、パネル厚み方向に沿う側面部15及び該側面部15と略直交する平面部17にソリッド層からなるスキン層19が形成されているとともに、成形時に成形型のキャビティ容積の拡大により熱可塑性樹脂R(図3参照)を膨張させることで上記スキン層19で囲まれる内部に多数の空隙(図示せず)を有する膨張層21が形成されている。この熱可塑性樹脂Rにはガラス繊維等の繊維が混入されているが、図面には示していない。
【0034】
上記膨張層21内には、上記平面部17に沿って延び長手方向全長に亘って内部に中空部23aを有するソリッド層からなる3本の丸パイプ状の中空リブ23が両端を互いに対向する側面部15のスキン層19に一体に連続させるように形成され、当該スキン層19には上記各中空リブ23の中空部23aに連通する開口部19aがそれぞれ貫通形成されている。また、上記各中空リブ23は、製造方法のところで説明するが、熱可塑性樹脂Rの反膨張方向側(図1及び図2で下側)に偏在している。
【0035】
このように、スキン層19で囲まれる内部に多数の空隙を有する膨張層21を形成することで、パッケージトレイ13の軽量化を図ることができる。また、上記膨張層21内に両端が側面部15のスキン層19に連続するように中空リブ23があることにより、内部が空洞である特許文献1に比べてパッケージトレイ13の剛性を確保することができる。しかも、膨張層21があることにより、パッケージトレイ13の表面に「そり」等の変形がなく、その外観見栄えが良い。さらに、上記中空リブ23は膨張層21内にあってパッケージトレイ13の外表面に影響を及ぼさず、パッケージトレイ13の外観見栄えを悪化させない。
【0036】
次に、上述の如きパッケージトレイ13の製造方法について説明する。
【0037】
製造に際し、図3及び図4に示すように、凹部25aを有する固定型25と、該固定型25の凹部25aに対して進退可能に収容配置された可動型27とを備えた成形型29を用意する。上記固定型25の凹部25a底面寄りの対向する一方の側壁25bには、3個(図では1個のみ現れる)の貫通孔25cがパッケージトレイ13の車体前後方向(図1の左右方向)かつ平面部17に沿って間隔をあけてそれぞれ貫通形成されている。一方、他方の側壁25bには、3個(図では1個のみ現れる)の係止穴25dが上記貫通孔25cと対向するように間隔をあけてそれぞれ凹設され、上記各貫通孔25cには中実の断面円形の棒材からなる3本の中空リブ形成用のコアピン31が1本ずつ挿入されて先端を上記係止穴25dに係止させるようになっている。上記3本のコアピン31の基端は図示しない流体圧シリンダに連結部材33を介して連結され、これらコアピン31は、型閉じ状態で上記固定型25と可動型27との間に形成されたキャビティ35内を流体圧シリンダの伸縮作動により進退するようになっている。この実施形態1では、上記各コアピン31と固定型25の凹部25a底面との間隔は、両者間に膨張層21が僅かに形成される程度に設定されている。また、上記固定型25にはキャビティ35内に図示しない射出機から熱可塑性樹脂Rを射出するための樹脂通路25eが形成されている。なお、図3及び図4では、便宜上、固定型25の対向する側壁25b間の寸法を図2のパッケージトレイ13の長手方向の寸法に対して短く設定している。以下に説明する各実施形態においても同様である。
【0038】
<製造方法>
まず、図3に示すように、可動型27を進出させて成形型29を型閉じする。この型閉じの前又は後において、3本のコアピン31を流体圧シリンダ(図示せず)の伸長作動によりキャビティ35内に進出させ、その先端を側壁25bの係止穴25dに係止させる。
【0039】
次いで、射出機(図示せず)からガラス繊維等の繊維入り熱可塑性樹脂R(例えば繊維入りポリプロピレン樹脂)を樹脂通路25eを経てキャビティ35内に射出充填する。
【0040】
その後、成形型29のキャビティ35内で熱可塑性樹脂Rが固化する過程で、すなわち、キャビティ35における成形型29の成形面近傍の上記熱可塑性樹脂Rにスキン層19が生成された時点で、可動型27を型開き方向Aに後退させ、図4に示すように、キャビティ容積を拡大させて熱可塑性樹脂Rを膨張させる。
【0041】
これにより、熱可塑性樹脂Rは、成形型29の成形面と接触する部分が型温の影響により早期に冷却されて樹脂密度の高いソリッド層からなるスキン層19が側面部15及び平面部17に形成される。また、コアピン31外表面と接触する部分にも同様に樹脂密度の高いソリッド層からなる中空リブ23が形成される。一方、熱可塑性樹脂Rの内側部分は型温の影響を受け難く、粘度の高いゲル状態になっている。したがって、キャビティ容積の拡大により、それまで成形型29で圧縮されている繊維(図示せず)が該圧縮から解放されて弾性的に復元し、この弾性復元力(スプリングバック現象)、すなわち膨張圧で上記熱可塑性樹脂Rが膨張して上記スキン層19で囲まれる内側に多数の空隙を有し上記スキン層19に比べて樹脂密度の低い膨張層21が形成されたパッケージトレイ13が得られる。このようにして成形されたパッケージトレイ13の膨張層21内には、平面部17に沿って延び長手方向全長に亘って内部に中空部23aを有するソリッド層からなる3本の中空リブ23が両端を側面部15のスキン層19に一体に連続するように形成され、当該両側の側面部15のスキン層19には上記各中空リブ23の中空部23aに連通する開口部19aが貫通形成されている。また、各中空リブ23は熱可塑性樹脂Rの反膨張方向側(図1及び図4(a),(b)下側)に偏在している。
【0042】
そして、成形型29のキャビティ35内でパッケージトレイ13が十分に固化した段階で、図4(a)仮想線のように、上記各コアピン31を流体圧シリンダの収縮作動によりキャビティ35から後退させて各中空リブ23の中空部23aから引き抜き、その後、可動型27をさらに後退させてパッケージトレイ13を脱型する。
【0043】
このように、可動型27を後退させてキャビティ容積を拡大させた後、各コアピン31をキャビティ35から後退させるだけで、外観見栄えが良く、かつ軽量でありながら剛性を確保できるパッケージトレイ13を容易に製造することができる。
【0044】
(実施形態2)
図6及び図7は実施形態2に係るパッケージトレイ13を、図8及び図9はその製造工程の成形型をそれぞれ示す。この実施形態2では、3本の中空リブ23がパネル厚み方向略中央に位置している点でのみ実施形態1と異なるので、同じ構成箇所には同じ符号を付してパッケージトレイ13の構成の説明を省略する。
【0045】
また、成形型29としては、実施形態1で用いた固定型25を上側部分と下側部分とに上下に分割して下側部分を固定型37とするとともに、上側部分を第1可動型39とし、実施形態1で用いた可動型27を第2可動型41としている。上記固定型37上端には凸部37aが形成され、一方、上記第1可動型39には上記第2可動型41が進退可能に挿入された挿入孔39aが形成され、上記固定型37の凸部37aを上記第1可動型39の挿入孔39a下端に移動可能に挿入させている。なお、37bは樹脂通路、39bはコアピン31が挿入される貫通孔、39cはコアピン31先端を係止させる係止穴である。
【0046】
この実施形態2におけるコアピン31のキャビティ35に対する位置関係は、膨張成形前の型閉じ状態では実施形態1と同じである(図3及び図8参照)が、膨張成形に際しては、第1可動型39及び第2可動型41を共に型開き方向A1,A2に後退させ(図9参照)、キャビティ容積を拡大させて熱可塑性樹脂Rを膨張させる。この際、コアピン31がキャビティ容積拡大方向の略中央に位置するように第2可動型41を第1可動型39よりも大きく後退させる。第1可動型39及び第2可動型41の作動タイミングは、同時でもよく、いずれか一方を他方に優先して作動させてもよい。その他の製造工程は実施形態1と同様であるので説明を省略する。
【0047】
製造されたパッケージトレイ13は、3本の中空リブ23がパネル厚み方向略中央に位置しているので、中空リブ23のパネル厚み方向両側における膨張層21の厚みがほぼ等しく、パッケージトレイ13の剛性が全体に亘ってバランス良く均一化できる。その他の作用効果は実施形態1と同じである。
【0048】
(実施形態3)
図10及び図11は実施形態3に係るパッケージトレイ13を、図12及び図13はその製造工程の成形型をそれぞれ示す。この実施形態3では、中空リブ23が角パイプ状をしている点と、中空リブ23が熱可塑性樹脂Rの反膨張方向側(図10下側)における平面部17のスキン層19に一体に連続している点と、コアピン31が断面矩形板状である点とで実施形態1と異なる。他の構成は実施形態1と同じに構成されているので、同じ構成箇所には同じ符号を付して説明を省略する。コアピン31をキャビティ35内に進出させた状態では、コアピン31と固定型25の凹部25a底面との間隔は、両者間に膨張層21が形成されない程度(スキン層19の厚み)に設定されている。製造方法も実施形態1と同じであるので説明を省略する。
【0049】
したがって、実施形態3では、実施形態1の作用効果に加えて、中空リブ23で橋絡(連続)している側の剛性を高めることができ、これにより、パッケージトレイ13全体に剛性をさらに高めることができる。
【0050】
(実施形態4)
図14及び図15は実施形態4に係るパッケージトレイ13を、図16乃至図18はその製造工程の成形型をそれぞれ示す。この実施形態4では、2本の角パイプ状の中空リブ23を熱可塑性樹脂Rの反膨張方向側(図14下側)における平面部17のスキン層19に車体前後方向に間隔をあけて一体に連続させるとともに、3本の中空リブ23を熱可塑性樹脂Rの膨張方向側(図14上側)における平面部17のスキン層19にも車体前後方向に間隔をあけて一体に連続させ、かつ対向する平面部17の中空リブ23を上下で交互に配置させている。また、中空リブ23の熱可塑性樹脂Rの膨張方向側(図14上側)におけるスキン層19を平面部17のスキン層19から突出させて突条部19bを構成している。したがって、図14上側の中空リブ23は突条部19bの突出分だけ膨張層21内への突出量が図14下側の中空リブ23に比べて短くなっている。
【0051】
また、成形型29としては、実施形態1の可動型27の成形面に3個の矩形凹部27aを形成している。また、3本のコアピン31をキャビティ35内で熱可塑性樹脂Rの膨張方向側に各矩形凹条部27a内に隙間をあけて納まるように偏在させるとともに、2本のコアピン31をキャビティ35内で熱可塑性樹脂Rの反膨張方向側に偏在させ、膨張方向側のコアピン31と反膨張方向側のコアピン31とを平面部17に沿って交互に配列させている。そして、製造に際しては、可動型27の成形面を膨張成形時に図16(b)の状態から図17(b)の状態のように膨張方向側のコアピン31上端まで後退させる。これにより、膨張方向側のコアピン31上端側に可動型27の上記後退前に形成されていたスキン層19(このスキン層19は成形後、パッケージトレイ13の突条部19bとなる)は、可動型27が図17のように後退した後、熱可塑性樹脂Rが膨張し、この膨張圧が上記スキン層19に向けて作用しても、当該スキン層19が可動型27の凹条部27a内に位置付けられ、かつ上記凹条部27aの開放側にコアピン31が存在しているため、上記膨張圧の影響を受けず、正規の形状を確保して形成され、中空リブ形成部分の平面部17の外観を良好に形成することができる。それ以外は実施形態1と同じ製法であるので説明を省略する。
【0052】
したがって、実施形態4では、実施形態1の作用効果に加えて、中空リブ23が一体に連続して形成されているパッケージトレイ13の上下の平面部17の剛性がさらに高められ、これによりパッケージトレイ13全体の剛性を高めることができる。また、平面部17のスキン層19から突出する突条部19bを形成することによって中空リブ形成部分の平面部17の外観悪化をなくすことができるとともに、このような外観悪化のないパッケージトレイ13を可動型27の後退量をコントロールするだけで容易に製造することができる。
【0053】
(実施形態5)
図19及び図20は実施形態5に係るパッケージトレイ13を、図21及び図22はその製造工程の成形型をそれぞれ示す。この実施形態5では、3本の角パイプ状の中空リブ23を実施形態3よりも側面部15に沿ってパッケージトレイ厚み方向に長くし、熱可塑性樹脂Rの膨張方向側(図19上側)及び反膨張方向側(図19下側)における平面部17のスキン層19に一体に連続させているとともに、熱可塑性樹脂Rの膨張方向側の平面部17における中空リブ23対応部分に平面部17から突出する突条部19bを実施形態4のように形成せずに、該平面部17が全体に亘って平坦になっている。
【0054】
また、成形型29としては、可動型27の成形面に形成した3個の矩形凹条部27aの深さを中空リブ23のパッケージトレイ厚み方向の長さに合わせて実施形態4よりも深くしている。また、3本のコアピン31のパッケージトレイ厚み方向の長さも中空リブ23の中空部23aに合わせて実施形態3よりもパッケージトレイ厚み方向に長くなっており、型閉じ状態では、図21に示すように、コアピン31の略上半分が矩形凹条部27aに隙間をあけて納まるとともに、略下半分がキャビティ35内に突出し、可動型27を後退させた膨張成形時には、図22に示すように、全体がキャビティ35内に納まるように容積の拡大したキャビティ幅(図22のキャビティ35の上下方向の長さ)よりも僅かに短く設定されている。そして、製造に際しては、可動型27の成形面を膨張成形時に図21の状態から図22の状態のように膨張方向側のコアピン31上端よりもスキン層23の厚みに相当する分だけ上方に、つまり図21における凹条部27a底面の位置まで後退させる。それ以外は実施形態1と同じ製法であるので説明を省略する。
【0055】
したがって、実施形態5では、実施形態1の作用効果に加えて、対向する上下の平面部17を中空リブ23で一体に連続させて橋絡することで、パッケージトレイ13の剛性をより一層高めることができる。
【0056】
(実施形態6)
図23及び図24は実施形態6に係るパッケージトレイ13を、図25及び図26はその製造工程の成形型をそれぞれ示す。この実施形態6では、3本の角パイプ状の中空リブ23を熱可塑性樹脂Rの膨張方向側(図23上側)及び反膨張方向側(図23下側)における平面部17のスキン層19に一体に連続させている点は実施形態5と同じであるが、中空リブ23の中空部23aの一端が上記膨張方向側平面部17まで延び、当該平面部17における中空リブ23対応部分のスキン層19を実施形態4のように平面部17から突出させて突条部19bを形成している。成形型29の型構造は実施形態5と同じであるが、製造に際して、実施形態4と同様に、可動型27の成形面を膨張成形時に図25の状態から図26の状態のようにコアピン31上端まで後退させる。それ以外は実施形態1と同じ製法であるので説明を省略する。
【0057】
したがって、実施形態6では、実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
【0058】
また、実施形態6では、実施形態5と同様に、対向する上下の平面部17を中空リブ23で一体に連続して橋絡しているため、パッケージトレイ13の剛性が高まることに加えて、実施形態4と同様に、平面部17のスキン層19から突出する突条部19bを形成することによって中空リブ成形部分におけるパッケージトレイ13の平面部17の外観悪化をなくすことができるとともに、このような外観悪化のないパッケージトレイ13を可動型27の後退量をコントロールするだけで容易に製造することができる。
【0059】
(実施形態7)
図27及び図28は実施形態7に係るパッケージトレイ13を、図29及び図30はその製造工程の成形型をそれぞれ示す。この実施形態7では、3本の角パイプ状の中空リブ23を熱可塑性樹脂Rの膨張方向側(図27上側)及び反膨張方向側(図27下側)における平面部17のスキン層19に連続させている点、及び中空リブ23の熱可塑性樹脂Rの膨張方向側におけるスキン層19を平面部17のスキン層19から突出させず、該平面部17が全体に亘って平坦になっている点で実施形態5と同じである。しかし、可動型27の成形面に形成した3個の矩形凹条部27aの幅は、実施形態5,6と異なり、コアピン31がほとんど隙間なく納まる程度に狭く設定されていて、熱可塑性樹脂Rが矩形凹条部27a内に浸入しないようになっている。この型構造により、可動型27を後退させた膨張成形時に矩形凹条部27aとコアピン31上端との間にスキン層19の厚みに相当する隙間が形成され(図30(b)参照)、この隙間に未だ十分に固化していない熱可塑性樹脂Rが該樹脂の膨張圧により浸入するため、膨張成形後の可動型27側の平面部17と中空リブ23との角部に微小のV溝19cが形成されている。製造方法は実施形態1と同じであるので説明を省略する。
【0060】
したがって、実施形態7では、実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
【0061】
また、実施形態7では、実施形態5と同様に、対向する平面部17を中空リブ23で橋絡してパッケージトレイ13の剛性を高めることができる。
【0062】
さらに、実施形態7では、可動型27の矩形凹条部27aの幅が狭くて熱可塑性樹脂Rの矩形凹条部27a内への浸入を防止しているので、膨張成形後の膨張方向側(図27上側)における平面部17表面に外観を損なうスキン層19の盛り上がりを抑制することができる。
【0063】
(実施形態8)
図31及び図32は実施形態8に係るパッケージトレイ13を、図33及び図34はその製造工程の成形型をそれぞれ示す。この実施形態8では、膨張成形後の可動型27側の中空リブ23との角部には実施形態7のように微小のV溝19cが形成されていなく、膨張成形後の固定型25側の平面部17と中空リブ23との角部に微小のV溝19cが形成されている以外は実施形態7と同じである。このため、実施形態8では、固定型25に凸部25fを突設し、この凸部25fに可動型27が後退するまでコアピン31の略下半部が嵌入保持される矩形凹条部25gを凹設している。また、可動型27に上記凸部25fを挿入する凹部27bが形成され、この凹部27bと上記凸部25fとの間にキャビティ35を形成するようになっている。さらに、可動型27の一側壁にはコアピン31が進退可能に挿入される貫通孔27cが形成され、該貫通孔27cの対向壁側には上記コアピン31先端を係止させる係止穴27dが形成されている。そして、製造に際しては、膨張成形に際して可動型27を、コアピン31の下端が固定型25の成形面より固定型側平面部17のスキン層19の厚み分だけ隙間が生じるように後退させる(図34(b)参照)。それ以外は実施形態1と同じ製法であるので説明を省略する。
【0064】
したがって、実施形態8では、実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
【0065】
また、実施形態8では、実施形態5と同様に、対向する平面部17を中空リブ23で橋絡してパッケージトレイ13の剛性を高めることができる。
【0066】
さらに、実施形態8では、固定型25の矩形凹条部27aの幅が狭くて熱可塑性樹脂Rの矩形凹条部27a内への浸入を防止しているので、膨張成形後の反膨張方向側(図31下側)における平面部17表面に外観を損なうスキン層19の盛り上がりを抑制することができる。
【0067】
(実施形態9)
図35及び図36は実施形態9に係るパッケージトレイ13を、図37及び図38はその製造工程の成形型をそれぞれ示す。この実施形態9では、パッケージトレイ13成形時にコアピン31を保持する後述の型保持部27eによって形成された貫通孔17a,17bが中空リブ23の中空部23aに連通するように、対向する平面部17にスポット的に形成されている。つまり、1本の中空リブ23に貫通孔17a,17bがそれぞれ中空部23aに連通するように対向して貫通形成されている。上記貫通孔17a,17bのうち熱可塑性樹脂Rの反膨張方向側(図35下側)の貫通孔17aは上記型保持部27eの形状に対応した矩形に形成されているが、上記熱可塑性樹脂Rの膨張方向側(図35上側)の貫通孔17bは側面がテーパ形状に形成されている。これは、前者は膨張成形されたパッケージトレイ13を脱型するまで型保持部27eが嵌合しているからであり、これに対し、後者はスキン層19が完全に固化する前の膨張成形時に型保持部27eが外れて若干型崩れするからである。そのほかは実施形態5と同じである。
【0068】
また、成形型29としては、実施形態5で用いた可動型27の矩形凹条部27a及び固定型25にボス状の型保持部27eをキャビティ35内に突出するようにコアピン31の長手方向(図37(a)の左右方向)に離間して対向突設するとともに、該各型保持部27e先端にガイド溝27fを形成し、上下の型保持部27eのガイド溝27fにコアピン31を嵌合させて保持しながら進退させるようになっている。なお、上記型保持部27eは、固定型25及び可動型27のいずれか一方に形成するようにしてもよく、また、その個数もコアピン31の長さに応じて任意に設定してもよい。製造方法は実施形態1と同じであるので説明を省略する。
【0069】
したがって、実施形態9では、実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
【0070】
また、実施形態9では、実施形態5,8と同様に、対向する平面部17を中空リブ23で橋絡しているので、パッケージトレイ13の剛性を高めることができる。
【0071】
さらに、実施形態9では、コアピン31を型保持部27eで保持しながら進出させるとともに、コアピン31先端を固定型25の係止穴25dに係止させるので、コアピン31が進出時にぶれず、その先端を上記係止穴25dに容易に嵌入係止させることができるとともに、熱可塑性樹脂Rのキャビティ37への射出時にその射出圧によりコアピン31が位置ずれしたり変形するのを防止することができ、これにより中空リブ23を位置ずれすることなく正規の状態に簡単に形成することができるため、パッケージトレイ13の剛性を正規通りに確保することができる。
【0072】
(実施形態10)
図39及び図40は実施形態10に係るパッケージトレイ13を、図41及び図42はその製造工程の成形型をそれぞれ示す。この実施形態10では、パッケージトレイ13成形時にコアピン31を保持する型保持部27eによって形成された貫通孔17a,17bが中空部23aに連通するように、対向する平面部17にスポット的に形成されている点は実施形態9と同じであるが、中空リブ23の中空部23aが一方の側面部15、すなわちコアピン31の基部側に対応する側面部15のスキン層19にのみ開口していて、他方の側面部15側では閉塞されている。したがって、中空リブ23の中空部23aに連通する開口部19aは上記一方の側面部15にのみ貫通形成されている。そして、コアピン31の先端を係止する実施形態9の係止穴25dが、この実施形態10では固定型25の側壁25bに設けられていない。このため、実施形態10では、コアピン31の長さは実施形態9の場合に比べて短く、進出状態で固定型25の側壁25bとの間にスキン層19の厚みに相当する隙間が形成されている。製造方法は実施形態1と同じであるので説明を省略する。
【0073】
したがって、実施形態10では、実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
【0074】
また、実施形態10では、実施形態5,8,9と同様に、対向する平面部17を中空リブ23で橋絡しているので、パッケージトレイ13の剛性を高めることができる。
【0075】
さらに、実施形態10では、コアピン31は片持ち支持状態であるが、熱可塑性樹脂Rをキャビティ35内に射出する際にコアピン31を型保持部27eで保持しているので、コアピン31が射出圧でぶれず、中空リブ23を位置ずれすることなく正規の状態に簡単に形成することができる。
【0076】
なお、上記の実施形態1乃至9において、実施形態10のように、中空リブ23の両端を対向する2つの側面部15のスキン層19に連続させ、一方のスキン層19のみに中空リブ23の中空部23aに連通する開口部19aを貫通形成してもよい。
【0077】
また、上記の実施形態1及び2のコアピン31は、上記実施形態3乃至10のような板状あるいは断面三角形状等であってもよい。
【0078】
さらに、上記の各実施形態では、樹脂パネルがハッチバック車のパッケージトレイ13である場合を示したが、トランクボード、フロワ、インナサイドパネル等の自動車用パネルや、あるいは自動車以外の例えば電気製品等のパネルにも適用することができるものである。
【0079】
また、上記の各実施形態では、繊維のスプリングバック現象を利用して膨張層21を形成したが、繊維入り熱可塑性樹脂に発泡材を含有させれば、可動型27,39,41の後退移動を大きくして可動型の後退方向の肉厚を厚くした場合、スプリングバック現象における繊維の復元力(膨張圧)が不足しても、発泡材の発泡力(膨張圧)が繊維の復元力を補完して空隙を確実に形成することができて好ましい。また、繊維を混入せずに発泡材だけを混入した熱可塑性樹脂を用いて膨張層を形成することも用途目的によっては可能である。これらの場合、発泡材としては、化学反応によりガスを発生させる化学的発泡材や、二酸化炭素ガス及び窒素ガス等の不活性ガスを用いる物理的発泡材等がある。
【産業上の利用可能性】
【0080】
この発明は、表面にスキン層が形成されるとともに、多数の空隙を有する膨張層が内部に形成された樹脂パネル及びその製造方法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】図2のI−I線における断面図である。
【図2】実施形態1に係るパッケージトレイの斜視図である。
【図3】(a)は実施形態1に係るパッケージトレイの製造方法において成形型のキャビティ内に熱可塑性樹脂を射出充填した状態の製造工程の成形型断面図、(b)は図3(a)のIII −III 線における断面図である。
【図4】(a)は実施形態1に係るパッケージトレイの製造方法において可動型を後退させてパッケージトレイが成形された状態の製造工程の成形型断面図、(b)は図4(a)のIV−IV線における断面図である。
【図5】この発明をハッチバック車のパッケージトレイに適用した車体後部の荷室の斜視図である。
【図6】図7のVI−VI線における断面図である。
【図7】実施形態2に係るパッケージトレイの斜視図である。
【図8】(a)は実施形態2に係るパッケージトレイの製造方法において成形型のキャビティ内に熱可塑性樹脂を射出充填した状態の製造工程の成形型断面図、(b)は図8(a)のVIII−VIII線における断面図である。
【図9】(a)は実施形態2に係るパッケージトレイの製造方法において可動型及びスライド型を後退させてパッケージトレイが成形された状態の製造工程の成形型断面図、(b)は図9(a)のIX−IX線における断面図である。
【図10】図11のX−X線における断面図である。
【図11】実施形態3に係るパッケージトレイの斜視図である。
【図12】(a)は実施形態3に係るパッケージトレイの製造方法において成形型のキャビティ内に熱可塑性樹脂を射出充填した状態の製造工程の成形型断面図、(b)は図12(a)のXII −XII 線における断面図である。
【図13】(a)は実施形態3に係るパッケージトレイの製造方法において可動型を後退させてパッケージトレイが成形された状態の製造工程の成形型断面図、(b)は図13(a)のXIII−XIII線における断面図である。
【図14】図15のXIV −XIV 線における断面図である。
【図15】実施形態4に係るパッケージトレイの斜視図である。
【図16】(a)は実施形態4に係るパッケージトレイの製造方法において成形型のキャビティ内に熱可塑性樹脂を射出充填した状態の製造工程の成形型断面図、(b)は図16(a)のXVI −XVI 線における断面図である。
【図17】(a)は実施形態4に係るパッケージトレイの製造方法において可動型を後退させてパッケージトレイが成形された状態の製造工程の成形型断面図、(b)は図17(a)のXVII−XVII線における断面図である。
【図18】実施形態4に係るパッケージトレイの製造方法においてコアピンを中空リブの中空部から引き抜いた状態の製造工程の成形型断面図である。
【図19】図20のXIX −XIX 線における断面図である。
【図20】実施形態5に係るパッケージトレイの斜視図である。
【図21】(a)は実施形態5に係るパッケージトレイの製造方法において成形型のキャビティ内に熱可塑性樹脂を射出充填した状態の製造工程の成形型断面図、(b)は図21(a)のXXI −XXI 線における断面図である。
【図22】(a)は実施形態5に係るパッケージトレイの製造方法において可動型を後退させてパッケージトレイが成形された状態の製造工程の成形型断面図、(b)は図22(a)のXXII−XXII線における断面図である。
【図23】図24のXXIII −XXIII 線における断面図である。
【図24】実施形態6に係るパッケージトレイの斜視図である。
【図25】(a)は実施形態6に係るパッケージトレイの製造方法において成形型のキャビティ内に熱可塑性樹脂を射出充填した状態の製造工程の成形型断面図、(b)は図25(a)のXXV −XXV 線における断面図である。
【図26】(a)は実施形態6に係るパッケージトレイの製造方法において可動型を後退させてパッケージトレイが成形された状態の製造工程の成形型断面図、(b)は図26(a)のXXVI−XXVI線における断面図である。
【図27】図28のXXVII −XXVII 線における断面図である。
【図28】実施形態7に係るパッケージトレイの斜視図である。
【図29】(a)は実施形態7に係るパッケージトレイの製造方法において成形型のキャビティ内に熱可塑性樹脂を射出充填した状態の製造工程の成形型断面図、(b)は図29(a)のXXIX−XXIX線における断面図である。
【図30】(a)は実施形態7に係るパッケージトレイの製造方法において可動型を後退させてパッケージトレイが成形された状態の製造工程の成形型断面図、(b)は図30(a)のXXX −XXX 線における断面図である。
【図31】図32のXXXI−XXXI線における断面図である。
【図32】実施形態8に係るパッケージトレイの斜視図である。
【図33】(a)は実施形態8に係るパッケージトレイの製造方法において成形型のキャビティ内に熱可塑性樹脂を射出充填した状態の製造工程の成形型断面図、(b)は図33(a)のXXXIII−XXXIII線における断面図である。
【図34】(a)は実施形態8に係るパッケージトレイの製造方法において可動型を後退させてパッケージトレイが成形された状態の製造工程の成形型断面図、(b)は図34(a)のXXXIV −XXXIV 線における断面図である。
【図35】図36のXXXV−XXXV線における断面図である。
【図36】実施形態9に係るパッケージトレイの斜視図である。
【図37】(a)は実施形態9に係るパッケージトレイの製造方法において成形型のキャビティ内に熱可塑性樹脂を射出充填した状態の製造工程の成形型断面図、(b)は図37(a)のXXXVII−XXXVII線における断面図である。
【図38】(a)は実施形態9に係るパッケージトレイの製造方法において可動型を後退させてパッケージトレイが成形された状態の製造工程の成形型断面図、(b)は図38(a)のXXXVIII −XXXVIII 線における断面図である。
【図39】図40のXXXIX −XXXIX 線における断面図である。
【図40】実施形態10に係るパッケージトレイの斜視図である。
【図41】(a)は実施形態10に係るパッケージトレイの製造方法において成形型のキャビティ内に熱可塑性樹脂を射出充填した状態の製造工程の成形型断面図、(b)は図41(a)のXXXXI −XXXXI 線における断面図である。
【図42】(a)は実施形態10に係るパッケージトレイの製造方法において可動型を後退させてパッケージトレイが成形された状態の製造工程の成形型断面図、(b)は図42(a)のXXXXII−XXXXII線における断面図である。
【符号の説明】
【0082】
13 パッケージトレイ(樹脂パネル)
15 側面部
17 平面部
17a,17b 貫通孔
19 スキン層
19a 開口部
19b 突条部
21 膨張層
23 中空リブ
23a 中空部
27e 型保持部
29 成形型
31 コアピン
35 キャビティ
R 熱可塑性樹脂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル厚み方向に沿う側面部及び該側面部と略直交する平面部にソリッド層からなるスキン層が形成されているとともに、成形時に成形型のキャビティ容積の拡大により熱可塑性樹脂を膨張させることで上記スキン層で囲まれる内部に多数の空隙を有する膨張層が形成されてなる樹脂パネルであって、
上記膨張層内には、上記平面部に沿って延び長手方向全長に亘って内部に中空部を有するソリッド層からなる中空リブが少なくとも一端を上記側面部のスキン層に連続させるように形成され、
当該スキン層には上記中空リブの中空部に連通する開口部が貫通形成されていることをことを特徴とする樹脂パネル。
【請求項2】
請求項1において、
中空リブは熱可塑性樹脂の反膨張方向側に偏在していることを特徴とする樹脂パネル。
【請求項3】
請求項1において、
中空リブはパネル厚み方向略中央に位置していることを特徴とする樹脂パネル。
【請求項4】
請求項1において、
中空リブは熱可塑性樹脂の反膨張方向側における平面部のスキン層に連続していることを特徴とする樹脂パネル。
【請求項5】
請求項4において、
中空リブは板状をなし、熱可塑性樹脂の膨張方向側における平面部のスキン層に連続していることを特徴とする樹脂パネル。
【請求項6】
請求項5において、
熱可塑性樹脂の膨張方向側における中空リブは平面部のスキン層から突出して突条部を構成していることを特徴とする樹脂パネル。
【請求項7】
請求項4又は5において、
パネル成形時に中空リブ形成用のコアピンを保持する型保持部によって形成された貫通孔が上記中空リブの中空部に連通するように平面部にスポット的に形成されていることを特徴とする樹脂パネル。
【請求項8】
請求項1において、
複数本の中空リブが熱可塑性樹脂の膨張方向側及び反膨張方向側にそれぞれ偏在して各々偏在側において平面部のスキン層に連続し、かつ対向する平面部の中空リブが平面部に沿って交互に配置されていることを特徴とする樹脂パネル。
【請求項9】
請求項1に記載の樹脂パネルの製造方法であって、
成形型を型閉じするとともに中空リブ形成用のコアピンをキャビティ内に進出させた状態で該キャビティ内に熱可塑性樹脂を射出充填し、キャビティ内で熱可塑性樹脂が固化する過程でキャビティ容積を拡大させて熱可塑性樹脂を膨張させ、
次いで、上記コアピンをキャビティから後退させることを特徴とする樹脂パネルの製造方法。
【請求項10】
請求項5に記載の樹脂パネルの製造方法であって、
成形型を型閉じするとともに容積の拡大したキャビティ幅よりも僅かに短い板状コアピンをキャビティ内に進出させた状態で該キャビティ内に熱可塑性樹脂を射出充填し、キャビティ内で熱可塑性樹脂が固化する過程でキャビティ容積を拡大させて熱可塑性樹脂を膨張させ、
次いで、上記コアピンをキャビティから後退させることを特徴とする樹脂パネルの製造方法。
【請求項11】
請求項7に記載の樹脂パネルの製造方法であって、
成形型を型閉じするとともに中空リブ形成用のコアピンがキャビティ内に突出する成形型の型保持部で保持されるように該コアピンをキャビティ内に進出させた状態で該キャビティ内に熱可塑性樹脂を射出充填し、キャビティ内で熱可塑性樹脂が固化する過程でキャビティ容積を拡大させて熱可塑性樹脂を膨張させ、
次いで、上記コアピンをキャビティから後退させ、上記型保持部によって形成された貫通孔が中空リブの中空部に連通するように平面部にスポット的に形成された樹脂パネルを得ることを特徴とする樹脂パネルの製造方法。
【請求項12】
請求項8に記載の樹脂パネルの製造方法であって、
成形型を型閉じするとともに中空リブ形成用の複数本のコアピンがキャビティ内で熱可塑性樹脂の膨張方向側及び反膨張方向側にそれぞれ偏在し、かつ膨張方向側のコアピンと反膨張方向側のコアピンとが平面部に沿って交互に配列されるように上記コアピンをキャビティ内に進出させた後、上記キャビティ内に熱可塑性樹脂を射出充填し、キャビティ内で熱可塑性樹脂が固化する過程でキャビティ容積を拡大させて熱可塑性樹脂を膨張させ、
次いで、上記コアピンをキャビティから後退させることを特徴とする樹脂パネルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【公開番号】特開2007−90535(P2007−90535A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−279212(P2005−279212)
【出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【出願人】(505142872)ダイキョーニシカワ株式会社 (79)
【Fターム(参考)】