説明

樹脂組成物、及びそれを用いた定着用部材

【課題】 機械特性、および表面離型性に優れた樹脂組成物の提供。
【解決手段】 樹脂表面に特定の形状、大きさの空孔を有し、層内部の多孔質構造が制御されている多孔質材料、該多孔質材料に機能性樹脂材料を積層したことからなる複合材料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、断熱材、軽量構造材、吸着材、吸音材、触媒担体等に用いられる樹脂組成物に関する。特に、複写機やプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置において未定着トナー像を加熱・加圧することにより定着画像を得るためのベルト部材及び前記ベルト部材を有する画像定着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真装置における省エネ技術の一つとして、加熱ローラの代わりに、ヒータにより熱せられたフィルム状のエンドレスベルトを利用して、記録媒体上のトナーを局所的に加熱するベルト定着方法が提案されている(例えば特許文献1)。この定着方法は、薄いフィルム状の定着用ベルトを直接加熱するため、加熱部は短時間で所定の温度に達し、電源投入後から印刷までの待ち時間を短くすることができる。また、必要部分のみを加熱するので、電力消費も少ないという利点がある。
【0003】
通常定着用ベルトは、加熱した領域以外に伝熱しないように、断熱性のある部材が設けられており、特許文献1には断熱基材が耐熱性発泡シートで構成されていることが開示されている。
【0004】
また、ベルトや転写体へのトナーの付着を防ぐ目的で離型層を設ける構成も知られている。特許文献2には、中間転写体として多孔質ポリイミド層が用いられ、離型層としてフッ素樹脂層が積層されている構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−52201号公報
【特許文献2】特開2006−133704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
フッ素樹脂は表面自由エネルギーが小さいため、発泡シート及び多孔質層との界面で接着剥離が起こりやすい。特に、ベルト状の定着部材や中間転写体は、駆動ローラとテンションローラとの間に張架されてループ状の移動経路を形成するため、駆動中に機械的強度(特に耐屈曲性)が低下し、場合によっては剥離してしまうという課題があった。
【0007】
従って、本発明の目的は、多孔質樹脂層とフッ素樹脂化合物層とが高い接着性を有し、これにより耐久性およびトナー等の離型性に優れた樹脂組成物、及び電子写真用定着部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、以下の手段により解決される。
即ち、本発明の樹脂組成物は、多孔質表面を有するエンジニアリングプラスチック樹脂の第1層と、該多孔質表面に密着して積層されたフッ素樹脂化合物の第2層と、
を有する樹脂組成物であって、前記第1層の多孔質表面が、平均孔径が0.1μm以上10μm以下の複数の独立孔を有しており、前記第2層のフッ素樹脂化合物が前記多孔質表面の独立孔中に含浸して積層されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、樹脂基材とフッ素樹脂化合物とが高い接着性を有し、機械的強度を損なうことなくトナー等に対する離型性に優れた樹脂組成物を提供できる。これにより、好適な電子写真用転写部材または定着部材を提供することができる。また、本発明によれば、多孔質樹脂層上に良好な表面性を有する薄膜フッ素樹脂化合物層を形成することができるため、耐熱性、機械的強度を損なうことなく、表層加熱定着方式において低消費電力の電子写真用定着部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の樹脂組成物の一例(a)と従来の樹脂組成物(b)を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係るフッ素樹脂化合物(PFA)の膜厚と熱伝導率の関係を示す図である。
【図3】本発明の電子写真用定着部材を備える定着装置の一例を示す概略構成図である。
【図4】本発明の電子写真用定着部材を備える定着装置の他の一例を示す概略構成図である。
【図5】本発明のフッ素樹脂化合物を積層した多孔質樹脂の断面図の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明の樹脂組成物と共に、その製造方法についても説明する。
【0012】
本発明の樹脂組成物は、図1(a)に示すように表面に独立孔の多孔質構造を有する第1層の樹脂層表面に、第2層のフッ素樹脂化合物層が密着して設けられている。
【0013】
ここでいう独立孔とは、空隙部分が曲面の樹脂壁に囲まれて構成されており、単独の孔、すなわち隣接する孔と接触して連なった構造を有さない孔を意味する。
【0014】
独立孔になっていることにより、樹脂層の厚み方向に対して空孔による連通がないため、上記のフッ素樹脂化合物や画像形成プロセスにおいて発生した不純物等が多孔質層の内部に侵入するのを低減し、材料劣化、物性変化の発現を抑制することができる。
【0015】
すなわち、第1の樹脂層が有する高弾性、断熱性を維持したまま、フッ素樹脂化合物を表面に積層することが可能となる。また、本実施形態における多孔質構造において、独立孔が全孔の80%以上を占めることが好ましい。また、樹脂基材内部においても独立孔を形成することで、樹脂自体が保持する弾性率のみでなく、孔中の気圧の効果により、連続孔に比べ、樹脂組成物全体として高弾性率を発現することも期待される。
【0016】
更に、この樹脂層表面に多数の独立した細孔を存在させることで、フッ素樹脂化合物積層時に密着性が飛躍的に向上する。特に、樹脂層表面の独立細孔内部にフッ素樹脂化合物層が含浸することで、密着性及び接触面積が大きくなるため、所謂アンカー効果を得ることができる。
【0017】
このため、本発明の樹脂組成物は、樹脂層とフッ素樹脂化合物層との高い密着性を有し、特に耐屈曲性に優れたものとなる。
【0018】
これに対して、従来の連続孔で形成される多孔質膜では、図1(b)に示すように、樹脂基材の表面は内部へ続く連続孔を多数有しているため、フッ素樹脂化合物層が孔の中へ侵入してしまう。このため、樹脂基材の特性が損なわれ、械的強度も低下する。特に薄膜のフッ素樹脂化合物層を形成する場合には良好な表面性を得ることが困難となる。
【0019】
以下、各層の構成を詳細に説明する。
多孔質樹脂層は、フッ素樹脂化合物層が形成される表面近傍が独立孔よりなる多孔質構造を有している。その範囲は表面から膜厚方向に沿って、膜厚の10%以上の厚さ領域を占める範囲であると好ましい。表面には独立した孔を有し、孔の真円度r(=b/a,a:孔の短軸径、b=孔の長軸径)が1以上5以下であるとよい。所望とする密着性を得る点から、0.1μm以上10μm以下であり、平均表面粗さ(Rz)は0.5μm以上5μm以下である。細孔の大きさが0.1μmより小さい場合及び表面粗さが0.5μm未満であると、所望とするアンカー効果が得られない。一方、細孔の大きさが10μmより大きい場合及び表面粗さが5μmより大きいと、フッ素樹脂化合物層自体の表面粗さが粗く、フッ素樹脂化合物層の薄膜化が困難になる。
【0020】
また、多孔質樹脂表面積に占める孔面積の割合が30%以上60%以下であることが好ましい。30%以上であることにより、充分なアンカー効果が得られる。また、60%以下であると積層したフッ素樹脂化合物層の表面粗さも低減することができる。
【0021】
また、本発明の樹脂組成物をトナー転写性と定着性を兼ね備えたハイブリッド式の電子写真用定着部材として用いる場合には、多孔質樹脂組成物に導電性カーボン、カーボンナノチューブやITO、酸化亜鉛、酸化錫に代表される導電性酸化物よりなる導電性フィラーを混入させて、体積抵抗率が10以上1011Ωcm以下に制御すれば良い。
【0022】
樹脂層を構成する材料としては、所望とする用途によって異なるが、例えば、後述する定着部材用途に用いる場合、一般にエンジニアリングプラスチックと呼ばれている耐熱性を有する材料が好適である。このような耐熱性を有する材料としては、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等が挙げられる。耐熱性の観点からポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンの一つ又はそれらの組み合わせを使用するのが望ましく、特に機械強度の観点から熱硬化性のポリイミドがより好ましい。
【0023】
以下、ポリイミドの多孔膜を製造する方法について詳述するが、他のエンジニアリングプラスチックを用いても同様に製造可能である。
【0024】
ポリイミドの多孔膜化は相分離法を用いて行うとよい。具体的には、ポリアミック酸の溶液を基材にキャストした後、凝固溶剤に浸漬することにより多孔化される。凝固溶剤に浸漬することによって膜の状態に変化(相転移)が生じる。ここでいう相転移とは、溶液系を凝固溶剤(貧溶媒)に浸漬することにより、樹脂が固体として析出することをいう。
【0025】
多孔化後に、イミド化することによって多孔質ポリイミド膜を得ることができる。
【0026】
上記方法により多孔膜を作製する際、10,000cP以上1,000,000cP以下の粘度を有する樹脂溶液を用い、相分離法によって作製されることが好ましい。樹脂の粘度が低いとマクロボイドの成長を抑制することができず、逆に樹脂の粘度が高いとキャスト法などによって基材上に流延することができず、製膜することが困難となる。
【0027】
ポリアミック酸溶液に無機塩を加えたり、また溶剤置換速度調節用の膜をキャスト膜に被せて凝固溶剤に浸漬することにより、相転移速度を制御することができる。樹脂溶液の粘度を高くすることにより、相転移時におけるマクロボイドの成長を制御することが可能となり、マクロボイドのないポリアミック酸の多孔膜を得ることができる。本発明の方法により、平均径が0.01μm〜10μmの独立孔を有する多孔質膜を、特に平均孔径が0.01μm〜1μmの独立孔を有するエンジニアリングプラスチックを形成することができる。
【0028】
ここで無機塩としては、塩化リチウム、臭化リチウム、シュウ酸リチウム等が好適に用いられる。無機塩を加えることで、ワニスの粘度が向上し、転相の際に発生するマクロボイドの成長を抑制することができる。
【0029】
また、溶剤置換調節材としては一定の空孔を有するシート状の高分子材料が用いられる。具体的には、ポリオレフィン、セルロース、フッ素系樹脂からなる不織布、多孔膜が好適に用いられる。転相の際、キャスト膜に上記膜を被せることで、ポリアミック酸の溶媒と凝固溶剤の置換速度が調整され、マクロボイドのない均一孔径を有する多孔膜を作製することができる。
【0030】
凝固溶剤としては、水、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール等)、炭化水素類(ヘキサン、シクロへキサン、へプタン等)、ケトン類(アセトン、ブタノン、2−ブタノン等)、エステル類(酢酸エチル等)が挙げられる。操作の簡便性、コストの面から水が好適に用いられる。
【0031】
ここで、転相する際にポリアミック酸の濃度、粘度等を制御し、海−島型、スピノーダル型などの相分離状態を変えることで、多孔質構造を変えることができる。本発明においても、相分離構造を制御し、独立孔を有する多孔膜を作製することができる。
【0032】
溶剤置換調節材以外にも、マクロボイドをなくし、孔径を制御することができる。具体的には、樹脂溶解に用いた溶剤を凝固溶剤に加えて転相を行う、凝固溶剤の温度を変えて転相を行う等の方法により、溶媒の置換速度を変え、溶剤置換調節材同様の効果を発現することができる。
【0033】
イミド化は熱イミド化処理もしくは酸無水物等を用いた化学イミド化処理により行うことができる。操作の簡便性より熱イミド化が好適に用いられる。
【0034】
熱処理は段階的もしくは一定速度で温度を上昇させてよいが、段階的に加熱温度を上げていくのが好ましい。具体的には、80℃〜120℃の間で10〜60分間、120〜200℃の間で10〜60分間、200〜350℃の間で10〜60分間のように温度を上昇させていくことができる。
【0035】
また、空孔率は、ポリアミック酸溶液における樹脂濃度を調整することにより、制御することができる。樹脂濃度を上げ、溶液中における溶剤濃度を下げることにより空孔率を適宜下げることができるし、樹脂濃度を下げ、溶液中における溶剤濃度を上げることにより空孔率を適宜上げることができる。
【0036】
また、表面の孔面積及び孔径も制御することができる。具体的には、溶媒置換調節材の組成やガーレー値、又凝固溶剤の組成、樹脂溶液の粘度を変えることにより、界面張力や、溶媒の置換速度を変え、転相時における表面孔の形態を変えることができる。
【0037】
次に、フッ素樹脂化合物層について説明する。
図2に本発明のフッ素樹脂化合物の一実施例としてPFAの膜厚と熱伝導率の関係を示す。
【0038】
熱伝導率は、熱拡散率測定装置(FTC−1,アルバック理工(株))を用いてPFAフィルムの熱拡散率を測定した後、この値に比熱容量と比重を掛け合わせて算出したものである。尚、比熱容量並びに比重は方向性を有さない物理定数であり、夫々1.05(J/g・K)と2.1(g/cm)である。フッ素樹脂化合物の膜厚が10μm以下であると、厚み方向の熱伝導率は一般的な値(0.25W/mK)に比べて半分以下の小さい値となった。この現象は以下のように考えられる。硬化時にフッ素樹脂化合物(PFA)の厚み方向の分子鎖が、面内方向の分子鎖に比べて発達していないため、薄膜としてみたときの厚み方向の熱伝導率が低下するものと考えられる。
【0039】
従って、後述するように本発明のフッ素樹脂化合物の膜厚が10μm以下であると、良好な断熱性能を得ることができるため、本発明の樹脂組成物を表層加熱定着方式に用いた場合、低消費電力の電子写真用定着部材が達成できる。
【0040】
また、本発明の樹脂組成物をトナー転写性と定着性を兼ね備えたハイブリッド式の電子写真用定着部材として用いる場合には、フッ素樹脂化合物に導電性カーボン、カーボンナノチューブやITO、酸化亜鉛、酸化錫に代表される導電性酸化物よりなる導電性フィラーを混入させて、体積抵抗率が10以上1011Ωcm以下に制御すれば良い。
【0041】
また、本発明のフッ素樹脂化合物の表面粗さ(Rz)が5μm以下であれば、電子写真用定着部材として良好な離型性が得られるため、記録媒体上に高品質のトナー画像を得ることができる。
【0042】
フッ素樹脂化合物は、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂、これらの樹脂の混合物、又は、これらの樹脂を耐熱性樹脂に分散させたもので構成されるが、好ましくは、フッ素樹脂又はフッ素樹脂を主体する樹脂で構成されている。前記フッ素樹脂は、好ましくは、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)である。このように、前記離型層が、フッ素樹脂又はフッ素樹脂を主体する樹脂で構成されていると、溶融トナーの定着ベルトに対する付着を防止することができるため、定着画像を高画質化することができる。
【0043】
前記フッ素樹脂化合物層の層厚は、好ましくは、10μm以下、さらに好ましくは、5μm以下である。このように、前記離型層の層厚が10μm以下であると、定着ベルト上のトナー像の離型性が担保されるとともに、定着ベルトに形成されたトナー像をトナー表面側から加熱する定着方式の場合、十分な断熱性能が確保される。
【0044】
また、離型層には、耐久性や静電オフセットの向上のために非導電性カーボン粉末が分散されていてもよい。離型層としてフッ素樹脂化合物層を形成するには、その水分散液を多孔質樹脂表面にスプレー装置等で塗布して、350℃〜400℃で焼き付け処理する方法が好ましい。
【0045】
本発明の樹脂組成物は、用途によりその形状は適宜選択されるが、例えば、定着部材などに用いる場合は、ベルト状であることが好適である。なお、円筒あるいは円柱状の基体に形成し、そのままで、定着ロール用途として使用することもできる。
【0046】
本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、基体上に多孔質樹脂層が設けられる。基体を設けることで、樹脂組成物自体の機械的強度を向上させることができる。基体は、定着部材用途として用いる場合、ポリイミド樹脂に代表される耐熱性を有する材料から構成されるのが好ましい。
【0047】
本発明の樹脂組成物は、定着部材用途として用いる場合、必要に応じて、さらに多孔質樹脂層と基材との間に弾性層を設けると良い。これらを設けることで、カラー定着時の画質を向上させ、さらにオフセットを防止することができる。弾性層は、定着部材用途として用いる場合は、耐熱性を有する材料から構成されるのが好ましい。
【0048】
弾性層としては、フッ素ゴムを主体とし、必要に応じてフッ素樹脂粒子やSiC、Al2O3等の無機粒子を混合した弾性層が挙げられる。フッ素ゴムとしては、フッ化ビニリデン(VdF)を主成分とするVdFとヘキサフルオロプロピレン(HFP)との共重合体、上記VdF−HFP共重合体とテトラフルオロエチレン(TFE)との3元共重合体、TFEとプロピレンとの交互共重合体等のフッ素系エラストマーが挙げられる。この他、VdF−クロロトリフルオロエチレン共重合体や、例えばシリコーンゴム,フルオロシリコーンゴム等とVdFを主成分とする混合物を用いることもできる。
【0049】
また、本発明の樹脂組成物をトナー転写性と定着性を兼ね備えたハイブリッド式の電子写真用定着部材として用いる場合には、基体や弾性層に導電性カーボン、カーボンナノチューブやITO、酸化亜鉛、酸化錫に代表される導電性酸化物よりなる導電性フィラーを混入させて、体積抵抗率が10以上1011Ωcm以下に制御すれば良い。
【0050】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図3は、本発明の一実施の形態を示す定着装置である。
【0051】
図3に示されているように、本形態の定着ベルト4は、基材4a、弾性層4b、多孔質樹脂層4c及び離型層4dを順次有している。そして、前記定着ベルト4は、定着ベルト全体の体積抵抗率が1010Ωcmになるように導電性カーボンを混入し、無端ベルト状に形成された耐熱性多孔質樹脂シートで構成されている。前記多孔質樹脂層4cの表面には、独立孔が存在するため、前記離型層4dとの密着性が良く、プライマー層を必要としない低コストの定着ベルトを提供することができる。更に、良好な表面性を有する薄膜離型層が形成できるので、従来の定着ベルトに比べて転写性能、高離型性及び断熱性能の3つを併せ持つ定着ベルトが提供できる。
【0052】
本形態の定着装置は、定着加圧ローラ10と、この定着加圧ローラ10に対指示向して設けられた駆動ローラ11と、前記駆動ローラ11と帯電ローラ12との間に回転可能に設けられた定着ベルト4と、前記帯電ローラ12に対指示向して設けられた感光ドラム8と、前記定着ベルト4の外周に設けられた加熱源9とを有している。前記加熱源は、輻射加熱源を有している。そして、この定着装置においては、感光ドラム8上に形成されたトナー像5を帯電ローラ12によって定着ベルト4上に転写し、加熱源9によって溶融したトナー像6を駆動ローラ11に定着ベルト4を介して当接するように設けられた加圧ローラ10とによって形成されたニップに、記録媒体13が矢印方向から導入されて定着トナー像7が形成される。
【0053】
従来のフルカラー複写機、レーザープリンタ等の画像形成装置においては、記録媒体上に形成したトナー像を加熱定着ローラと加圧ローラの表面で包み込むようにして、溶融させることが必要になる。このために、加熱定着部材の熱量の約8割が記録媒体及び大気中へ放散してしまい、トナー溶融に費やされる熱量は非常に少なく、膨大なエネルギーのロスを伴った。しかしながら、本形態の定着装置を用いれば、トナー表面からトナーを溶融させるだけの熱量を与えるだけで済むので、定着プロセスに関わる大幅な消費電力の低減が可能となる。
【0054】
図4は、本発明の一実施の形態を示す別の定着装置である。
図4に示されているように、本発明の定着ローラ4は、基材ローラ4a、弾性層4b、多孔質樹脂層4c及び離型層4dを順次有している。多孔質樹脂層4cの表面には、独立孔が存在するため、離型層4dとの密着性が良く、プライマー層を必要としない低コストの定着ローラを提供することができる。更に、良好な表面性を有する薄膜離型層が形成できるので、従来の定着ベルトに比べて、高離型性及び断熱性能の2つを併せ持つ定着ローラが達成できる。
【0055】
本形態の定着装置は、定着加圧ローラ10と、この定着加圧ローラ10に対指示向して設けられた定着ローラ4と、定着ローラ4の外周に設けられた加熱源9とを有している。加熱源は、熱ヒーター源14を有している。そして、この定着装置においては、加熱源9によって表面を加熱された定着ローラ4が加圧ローラ10とによって形成されたニップに、記録媒体13上に形成されたトナー像5が矢印方向から導入されて記録媒体上に定着される。
【0056】
本形態の定着装置の場合も、定着ローラ表面からトナーを溶融させるだけの熱量を与えるだけで済むので、定着プロセスに関わる大幅な消費電力の低減が可能となる。
【0057】
本発明は、上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、上記各実施の形態の中で示唆した以外にも、上記各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記各実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【0058】
また、本発明の樹脂組成物は、低誘電率を有する電子部品用基材、又、断熱性、吸音性、軽量性等を有する宇宙航空や輸送車両用材料に利用できる。
【実施例】
【0059】
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。
【0060】
(実施例1および比較例1)
ポリイミドシート(商品名カプトン、東レデュポン社製、膜厚125μm)上に、表1に示す孔形状、孔径及び表面粗さ(Rz)に調整して、厚さ100μmのポリイミド多孔質樹脂膜をそれぞれ作製した。
【0061】
ポリイミド多孔質膜は次のような方法により作製した。ポリイミド前駆体であるポリアミック酸のN−メチルピロリドン(NMP)溶液(商品名UワニスA、宇部興産(株)製、樹脂濃度20重量%)を用意した。コーターを用いて、上記ポリアミック酸ワニスを基材上にキャストした。キャスト膜に溶剤置換調節材(商品名ユーポア、宇部興産製)を被せ、凝固溶剤に浸漬することにより相転移を行った。凝固溶剤から取り出し、蒸留水で洗浄したのち、膜を乾燥炉に入れた。80℃で1時間乾燥したのち、10℃/分の昇温速度で、150℃まで温度が上昇するようにした。150℃で30分加熱後、10℃/分の昇温速度で、250℃まで温度が上昇するようにした。250℃で10分加熱し、イミド化を行った。
【0062】
上記操作において、溶剤置換調節材のガーレー値を変えることにより(200〜800sec/100cc)、表面孔の孔径や表面粗さを変化させた。また、凝固溶剤として水、メタノ−ル、アセトン及びこれらの等体積の混合溶剤を用いることによっても表面孔径及び表面粗さを変化させた。さらに、塩化リチウムを樹脂溶液に適宜加え(樹脂溶液に対して5〜20質量%)、相転移前の樹脂溶液の粘度を変えることによっても表面孔径及び表面粗さを変化させた。
【0063】
ここで細孔の大きさ及び樹脂表面積に占める孔面積は、多孔質ポリイミド樹脂層表面を走査型電子顕微鏡により観察し、画像処理装置(商品名LUZEX AP、ニレコ社製)を用いて円相当径(平均)及び面積率として算出した。また、全孔数に占める独立孔の割合は多孔質ポリイミド樹脂の断面について走査型電子顕微鏡による観察を行い、上記画像処理装置を用いて算出した。
【0064】
また、平均表面粗さ(Rz)は、表面粗さ測定器(商品名サーフコーダ SE3500、小坂研究所製)を用いて評価した。
【0065】
一方、フッ素樹脂化合物は、この多孔質ポリイミド層上に、厚さ8μmの四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂層(PFA)をスプレー塗布法により形成し、380℃で焼成製膜した。積層界面の組成分析はEPMA(日本電子社製)を用いて行った。
【0066】
またこれらの試料について、独立孔の孔径及び表面粗さ(Rz)を有する多孔質樹脂とフッ素樹脂化合物層の密着性の関係を調べるために、MIT試験耐揉疲労試験機(DA型、東洋精機社製)を用いて評価した。下記の条件でMIT試験を行った。
【0067】
(MIT試験条件)
荷重:1kgf
折り曲げ角度:135°
折り曲げ速度:175cpm
チャック曲率:φ2.0ミリ
チャック間距離:50ミリ
折り曲げ回数:10万回
評価方法は、上記のMIT試験を行った多孔質樹脂に対して、表面のPFAの状態と、PFAの平均表面粗さ(Rz)の測定結果から以下のように評価した。
×:PFA層の剥がれ、または多孔質ポリイミド層の一部の露出がある。
△:PFA層の若干の剥がれが確認された。
〇:PFA層の剥がれがなく、さらにPFA層の表面の平均表面粗さ(Rz)が4μm以上5μm以下。
◎:PFA層の剥がれがなく、さらにPFA層の表面の平均表面粗さ(Rz)が4μ未満。
【0068】
多孔質樹脂表面の物性値及びMIT試験の結果を表1及び表2に示す。表1は、多孔質樹脂の表面粗さ及び孔径を変えた、積層膜の耐屈曲性の関係を示している。いずれの試料も面積率は50%である。また、いずれの膜も、全孔に占める独立孔の割合が80%以上である。
【0069】
また、連続孔を有するポリイミド発泡シート(ユーピレックスフォーム BP021、宇部興産(株)製)を用意し、上記と同様の方法によりPFAを積層した。これを上記同様にMIT試験を行った結果も合わせて示す。
【0070】
【表1】

【0071】
表1より、多孔質樹脂とフッ素樹脂化合物間に好適な密着性を得るには、多孔質樹脂を独立孔とすること、特にその独立孔の大きさは、0.1μm以上10μm以下であることが重要であることが分かった。更に、多孔質樹脂の表面層の平均表面粗さ(Rz)が0.5μm以上5μm以下に調整することがより好ましいことが分かる。
【0072】
【表2】

【0073】
また表2には、多孔質樹脂表面積の割合を変えて、耐屈曲性の関係を評価した結果を示す。いずれの試料も独立孔であり、平均孔径は2.5μm、表面粗さは1μmのものを多孔質ポリイミドを使用した。表2より、多孔質樹脂とフッ素樹脂化合物間の良好な密着性を得るためには多孔質樹脂表面積に占める独立孔の孔面積の割合が30%以上60%以下が最適であることが解る。
【0074】
(実施例2〜5)
定着ベルト用の基材として、周長500mmの無端ベルト状に形成された125μm厚の導電性ポリイミドシートを用いた。このシート上に300μm厚の導電性シリコーンゴムを形成した。一方、120μm厚の導電性多孔質ポリイミドシート(孔径3μm,表面粗さ(Rz)2μm,孔面積の割合55%、熱伝導率0.072 W/mK)を準備した。この多孔質ポリイミドシート上に離型層として導電性四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)(510CL、三井デュポンフロロケミカル社製)を夫々5,8,10、20μm厚にスプレー塗装した。これらを380℃にて30分間焼成した後、炉から取り出し放冷して、円筒状シートとし、前記導電性シリコ−ンゴム上にプライマーを用いて貼り付け、実施例2〜5用の定着ベルトとした。また、PFA膜の表面粗さ(Rz)は、いずれも2.5μmであった。更に、これらの基材、弾性層、多孔質ポリイミドシート及びPFAの導電性は、導電性カーボン(デンカブラック、電化工業(株))を混入し、ベルト全体の体積抵抗率が7−1010Ωcmになるよう調整したものである。実施例2より作製したPFA5μm厚の膜をEPMA及びSEMで観察した写真を図5に示す。図5において、15はPFA層、16はPFAと多孔質樹脂の混合層、17は多孔質樹脂層である。PFAと多孔質樹脂層の混合層16が存在しており、この層では多孔質の独立孔内にPFAが含浸していることが分かった。
【0075】
(比較例2)
実施例2における導電性多孔質ポリイミドシートの替わりに孔径0.08μm,表面粗さ(Rz)0.4μm,孔面積の割合20%の導電性多孔質ポリイミドシート上に離型層としてPFAの膜厚が8μmになるよう調整した以外は実施例2と同様にして定着ベルトとした。
【0076】
以上、実施例2〜5及び比較例2で得た定着ベルトを図3に示す定着装置に組み付け、次に、この定着装置を搭載した画像形成装置を用いて、プロセス速度500mm/sで感光ドラムからトナー像を定着ベルト上へ転写した後、加熱輻射源を用いてトナーを180℃で溶融し、定着ニップまでの溶融トナー到達時間40ms(定着ニップ幅15mm)で100K枚通紙時(Kは1,000を示す)において以下の項目について評価した。
1)離型層接着剥離の有無
2)定着画像
3)定着ベルト上へのトナーの固着
「定着画像」及び「定着ベルト上へのトナーの固着」の評価は、ランク付けにて評価し、ランク1から5まで大きくなるに従い、より良好であることを示す。また、OKレベルはランク3以上である。この評価結果を、表3に示す。
【0077】
【表3】

【0078】
また、実施例2〜4の平均消費電力について、図3における外部加熱源の代わりに熱ヒーターを備えた加熱ローラを用いて定着を行った際の平均消費電力値と比較したところ、外部加熱源における定着系は熱ヒーターを用いた定着系に比べて、消費電力が約1/5であった。
【0079】
以上の結果から、多孔質樹脂表面の独立孔の平均孔径、表面粗さを適正値に制御した定着ベルトを用いることにより、多孔質樹脂層とフッ素樹脂化合物層との界面で発生していた接着剥離による不良を効果的に防止することができることがわかる。
【0080】
また、フッ素樹脂化合物層の膜厚を10μm以下にすることで、トナーの離型を確保し、且つトナーの固着による不良を低減すると共に、定着プロセスに関わる消費電力の大幅な低減化が達成できる。
【0081】
(実施例6)
定着ローラ用の基材としてφ50mmのアルミニウムローラ上に300μm厚のフッ素ゴム(商品名:SIFEL、信越化学(株))を形成した。次いで、150μm厚の多孔質ポリイミド樹脂層(孔径2.5μm,表面粗さ(Rz)1μm,孔面積の割合50%、熱伝導率0.068W/mK)を形成し、この多孔質ポリイミド樹脂層上に離型層としてポリテトラフルオロエチレン・四フッ化エチレン樹脂(PTFE)(商品名M−390、ダイキン工業)を6μm厚にスプレー塗装し、250℃にて20分間焼成した後、これを炉から取り出し放冷して、実施例6用の定着ローラとした。このPTFE層の表面粗さ(Rz)は、2μmであった。
【0082】
(実施例7)
定着ローラ用の基材としてφ50mmのアルミニウムローラ上に300μm厚のフッ素ゴムを形成した。次いで、150μm厚の多孔質ポリイミド樹脂層(孔径5μm,表面粗さ(Rz)3μm,孔面積の割合40%、熱伝導率0.082W/mK)を形成し、この多孔質ポリイミド樹脂層上に離型層としてテトラフルオロエチレン−エチレン共重合体・四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂(ETFE)(商品名ネオフロン、三井デュポンフロロケミカル社製)を8μm厚に積層し、250℃にて20分間焼成した後、これを炉から取り出し放冷して、実施例7用の定着ローラとした。このETFE層の表面粗さ(Rz)は、3.5μmであった。
【0083】
(実施例8)
実施例6におけるPTFEの膜厚が18μmになるよう調整した以外は実施例6と同様にして定着ローラを作製した。このETFE層の表面粗さ(Rz)は、3.5μmであった。
【0084】
(比較例3)
実施例6における多孔質ポリイミドシートの替わりに孔径0.08μm,表面粗さ(Rz)0.4μm,孔面積の割合20%の導電性多孔質ポリイミドシート上に離型層としてPFAの膜厚が8μmになるよう調整した以外は、実施例6と同様にして定着ローラを作製した。
【0085】
以上、実施例6〜8及び比較例3で得た定着ローラを図4に示す定着装置に組み付け、次に、この定着装置を搭載した画像形成装置を用いて、プロセス速度400mm/sで、ヒータを用いた外部加熱源を用いてトナーを180℃で溶融し、定着ニップまでの溶融トナー到達時間60ms(定着ニップ幅12mm)で120K枚通紙時において以下の項目について評価した。
1)離型層接着剥離の有無
2)定着画像
3)定着ベルト上へのトナーの固着
「定着画像」及び「定着ベルト上へのトナーの固着」の評価は、ランク付けにて評価し、ランク1から5まで大きくなるに従い、より良好であることを示す。また、OKレベルはランク3以上である。
【0086】
評価結果は、表4に示す。
【0087】
【表4】

【0088】
また、実施例6及び7の平均消費電力について、図4における定着ローラの多孔質樹脂層の代わりに前記樹脂層と同じ膜厚のフッ素ゴムを用いた定着ローラ装置と比較したところ、約1/10であった。
【0089】
表4から多孔質樹脂表面の独立孔の平均孔径、表面粗さを適正値に制御した定着ベルトを用いることにより、多孔質樹脂層とフッ素樹脂化合物層との界面で発生していた接着剥離による不良を効果的に防止することができる。また、フッ素樹脂化合物層の膜厚を10μm以下にすることで、トナーの離型を確保し、且つトナーの固着による不良を低減すると共に、定着プロセスに関わる消費電力の大幅な低減化が達成できる。
【符号の説明】
【0090】
1 空孔
2 フッ素樹脂化合物
3 多孔質樹脂
4 定着ベルト
4a 基材
4b 弾性層
4c 多孔質樹脂層
4d フッ素樹脂化合物層
5 トナー像
6 溶融トナー像
7 定着トナー像
8 感光ドラム
9 加熱源
10 加圧ローラ
11 駆動ローラ
12 帯電ローラ
13 記録媒体
14 ヒーター源
15 PFA層
16 PFAと多孔質樹脂の混合層
17 多孔質樹脂層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質表面を有するエンジニアリングプラスチック樹脂の第1層と、
該多孔質表面に密着して積層されたフッ素樹脂化合物の第2層と、
を有する樹脂組成物であって、
前記第1層の多孔質表面が、平均孔径が0.1μm以上10μm以下の複数の独立孔を有しており、前記第2層のフッ素樹脂化合物が前記多孔質表面の独立孔中に含浸して積層されている
ことを特徴とする樹脂組成物。
【請求項2】
前記多孔質表面における平均表面粗さ(Rz)が0.5μm以上5μm以下である請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記多孔質表面における表面積に占める孔面積の割合が30%以上60%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記フッ素樹脂化合物が四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン・四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体・四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体・四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド・フッ素ビニリデン樹脂(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン・三フッ化塩化エチレン樹脂(PCTFE)の少なくとも一つからなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記フッ素樹脂化合物の膜厚が10μm以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記フッ素樹脂化合物の表面粗さ(Rz)が5μm以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記樹脂基材が、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂の少なくとも一つからなること特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の樹脂組成物が基材上に積層されている電子写真用の転写部材。
【請求項9】
請求項1から7のいずれかに記載の樹脂組成物が、導電制御剤を重量パーセントで1%以上30%以下含むことを特徴とする電子写真用の加熱定着部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−795(P2011−795A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−145451(P2009−145451)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】