説明

機能液タンク、液滴吐出装置の機能液置換方法および液滴吐出装置

【課題】新旧機能液の置換を適切に効率良く行うことができる機能液タンク、液滴吐出装置の機能液置換方法および液滴吐出装置を提供することである。
【解決手段】本発明のサブタンク48は、メインタンク50から機能液の供給を受けると共に、インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッド14に機能液を供給するサブタンク48であって、サブタンク本体81と、サブタンク本体81に添設した液柱パイプ83と、液柱パイプ83に臨み、サブタンク本体81の上限液位を検出する上限検出センサー91および下限液位を検出する下限検出センサー93と、サブタンク本体81に収容され、サブタンク本体81の内壁に微小間隙を存して配設された蓋体フロート82と、液位の下降に伴って下降する蓋体フロート82の下降端位置を、規制するフロート規制部材(85,103,105,107)と、を備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能液供給源から機能液の供給を受けると共に、インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドに機能液を供給する機能液タンク、液滴吐出装置の機能液置換方法および液滴吐出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、液滴吐出装置の機能液置換方法ではないが、送液と吸引とを併用して液滴吐出ヘッドのヘッド内流路に機能液の充填を行う液滴吐出ヘッドの機能液充填方法が知られている(特許文献1参照)。この機能液充填方法は、主に液滴吐出ヘッドの交換時に実施するものであり、密閉式の給液サブタンクに圧縮エアーを供給して、給液サブタンク内の機能液を液滴吐出ヘッドに送液し、液滴吐出ヘッドのヘッド内流路に機能液を充填する加圧送液工程と、加圧送液工程の後、吸引ユニットを駆動し、液滴吐出ヘッドのノズルから機能液を吸引する吸引工程と、を備えている。このように、液滴吐出ヘッドに対し、機能液の送液による充填動作と、続く機能液の吸引動作とを実施することにより、初期充填を可能とすると共にヘッド内流路に気泡が残留するのを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−188410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、機能液滴吐出ヘッドに機能液を供給する機能液供給装置に、異なる機能液を導入しようとする場合、上記従来技術の機能液充填方法に倣えば、その時点で機能液供給装置の充填流路(全流路)に充填されている旧機能液を全て液抜きし、その後、新機能液を上記の充填動作と吸引動作とを用いて充填することになる。しかし、経験則上、全流路に充填されている機能液をいったん全て液抜きしてしまうことによって、充填後の機能液滴吐出ヘッドの吐出特性が悪化することが知られている。そこで、サブタンクを空にしない程度に旧機能液の吸引および新機能液の充填を同時に繰り返し行うことによって、機能液を流路内において徐々に置換してゆく機能液置換方法が考えられる。
一方、上記のサブタンクには、上限となる機能液の液位を検出する上限検出センサおよび下限となる機能液の液位を検出する下限検出センサーが設けられているため、これらを利用し、サブタンク内に貯留する旧機能液の液面が下限検出センサにセンシングされるまで液抜きを行う抜取り工程と、サブタンク内に新機能液の送液を行う送液工程とを、交互に繰り返すことにより機能液を置換することが考えられる。しかし、このようにすると、下限検出センサより下側には多くの旧機能液が残留するため、サブタンク内が新機能液に完全に置換されるまでに多くの機能液を消費することになる。
係る場合に、下限検出センサにより液位を検出したあと、タイマー制御して一定時間経過後、抜取り工程を終了する方法が考えられる。しかし、下限検出センサより下側に残留する機能液がある程度ないと、機能液の粘度が異なる場合には、圧力損失の相違により液位の下降する速度が区々となり、十分な液抜きができなかったり、液抜きが過剰となり機能液滴吐出ヘッド側にサブタンク内の気体が流出する等の問題が生ずる。
【0005】
本発明は、新旧機能液の置換を適切に効率良く行うことができる機能液タンク、液滴吐出装置の機能液置換方法および液滴吐出装置を提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の機能液タンクは、機能液供給源から機能液の供給を受けると共に、インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドに機能液を供給する機能液タンクであって、タンク本体と、タンク本体に添設した液柱パイプと、液柱パイプに臨み、タンク本体の上限液位を検出する上限液位検出手段および下限液位を検出する下限液位検出手段と、タンク本体に収容され、タンク本体の内壁に微小間隙を存して配設されたフロートと、液位の下降に伴って下降するフロートの下降端位置を規制するフロート規制部材と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、例えば、機能液タンクあるいは機能液滴吐出ヘッドの交換時において、機能液滴吐出ヘッドを介して機能液タンクからの機能液の液抜き作業を行うと、タンク本体内の機能液の液位およびフロートは降下してゆく。そして、フロートがフロート規制部材に達すると、液位が降下してもフロートの降下は、途中で位置規制されるため、液抜きに際し、タンク本体の下限液位より下側の機能液量がある程度確保される。これにより、下限液位検出手段をトリガーとして、タイマー制御により液抜きを行った場合であっても、機能液タンクを完全に空にすることがなく、すなわち機能液タンクに僅かに機能液を残して、その1回の液抜きを行うことができる。また、フロートの位置規制により、タンク本体とフロートとの微小間隙に残留する機能液を、容易に液抜きすることができる。したがって、機能液タンク内に残留した旧機能液と、新たに送液された新機能液との混合を少量に抑えることができ、機能液の置換効率を高めることができる。
【0008】
この場合、フロート規制部材は、フロートを下限液位検出手段と液柱パイプの下部接続口との間の位置に規制することが、好ましい。
【0009】
この構成によれば、フロートの規制位置が下限液位検出手段の位置より下側であれば、液位が下限液位検出手段の位置より下がったときに、上部空間の気体と機能液が接して、気体が機能液に溶け込み易い状態になるのを回避することができる。また、液柱パイプの下部接続口の位置より上側であれば、液抜きの際に液柱パイプ内の機能液を容易に液抜きすることができる。
【0010】
この場合、フロート規制部材は、タンク本体の下部内面に突設した張出し突起で、構成されていること、タンク本体の底面に立設した突当て突起で、構成されていること、タンク本体の底面に沈めた浸漬部材で、構成されていること、更にはフロートの下面に吊下した吊下突起で、構成されていることが、好ましい。
【0011】
これらの構成によれば、簡単な構造で、且つ確実にフロートの下降端位置を規制することができる。
【0012】
本発明の液滴吐出装置の機能液置換方法は、上記した機能液タンクと、機能液タンクに機能液を供給する機能液供給源と、機能液タンクから機能液の供給を受けるインクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドと、を備えた液滴吐出装置に対し、 機能液供給源から機能液滴吐出ヘッドに至る全流路の機能液を新旧置換する液滴吐出装置の機能液置換方法であって、全流路に機能液を充填した状態で、機能液供給源を旧機能液から新機能液のものにシフトすると共に、機能液滴吐出ヘッドの吐出ノズルから機能液を吸引し、下限液位検出手段が液位を検出した後、所定時間のタイマー制御により、液位が流出ポートに達する直前まで機能液タンクから機能液を抜き取る抜取り工程と、上限液位検出手段が液位を検出するまで機能液供給源から機能液タンクに機能液を送液する送液工程と、から成る部分置換工程を所定回数繰り返して機能液を新旧置換し、フロート規制部材は、タイマー制御開始時のタンク本体の機能液容量が、使用する複数種の機能液の粘性によるタイマー制御のばらつきを吸収可能となるように、フロートを位置規制することを特徴とする。
【0013】
同様に、本発明の液滴吐出装置は、機能液供給源から機能液タンクを経てインクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドに至る全流路の機能液を新旧置換するようにした液滴吐出装置であって、新機能液の機能液供給源および旧機能液の機能液供給源となる2つのメインタンクと、2つのメインタンクのタンク流路を切り替える流路切替え手段と、流路切替え手段と機能液滴吐出ヘッドとを接続する機能液流路と、機能液流路に介設した上記の機能液タンクと、機能液流路を介して、各メインタンクの機能液を機能液タンクに送液する送液手段と、機能液滴吐出ヘッドのノズル面に離接自在に密接し、機能液滴吐出ヘッドの吐出ノズルから機能液を吸引する吸引手段と、流路切替え手段、送液手段および吸引手段を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、流路切替え手段を切り替えて、メインタンクを旧機能液のものから新機能液のものにシフトすると共に、吸引手段を駆動し、下限液位検出手段が液位を検出した後、所定時間のタイマー制御により、液位が流出ポートに達する直前まで機能液タンクから機能液を抜き取る抜取り動作と、上限液位検出手段が液位を検出するまで機能液供給源から機能液タンクに機能液を送液する送液動作と、から成る部分置換動作を所定回数繰り返して機能液を新旧置換し、フロート規制部材は、タイマー制御開始時のタンク本体の機能液容量が、使用する複数種の機能液の粘性によるタイマー制御のばらつきを吸収可能となるように、フロートを位置規制することを特徴とする。
【0014】
これらの構成によれば、機能液タンクに対する抜取り工程(抜取り動作)および送液工程(送液動作)を繰り返すと、全流路を満たしている旧機能液は、機能液滴吐出ヘッドから徐々に抜き取られる一方、新機能液は、旧機能液と界面を接した状態で機能液供給源から機能液タンクに送られてゆく。機能液タンクでは、界面が消失して新機能液と旧機能液とが混合するが、部分置換工程(部分置換動作)を繰り返すことにより、徐々に新機能液に置換されてゆく。そして、所定の繰返し回数、部分置換工程(部分置換動作)を繰り返すと、最終的に機能液タンクは元より、機能液滴吐出ヘッドのヘッド内流路においても、旧機能液が新機能液に所定の置換率(完全置換に相当する置換率)まで置換される。このように、旧機能液の液抜きと新機能液の充填とが同時進行で実施されるため、新旧機能液の置換を短時間で行うことができる。さらに、新機能液は旧機能液に接し或いは混合した状態で、新旧機能液を置換することができ、新機能液の充填に際し、新機能液がエアーに接するのを極力阻止することができる。したがって、エアーによる新機能液の変質や機能液流路内への気泡(エアー)の残留を有効に防止することができる。また、抜取り工程(抜取り動作)において、機能液を極力抜取ることができるため、1回の液抜き工程によって吸引される機能液量が多く、機能液滴吐出ヘッドの吐出特性に影響を与えることなく、機能液の置換を効率良く行うことができる。
【0015】
この場合、新旧機能液が、成分の異なる描画用のインク同士であること、あるいは描画用のインクと洗浄液とであることが、好ましい。
【0016】
この構成によれば、新旧の描画インクの置換は元より、新旧描画インクの置換の間に洗浄工程を実施する場合にも、機能液タンクを空にすることなく、新描画インクをエアーに接触させずに充填することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】液滴吐出装置の斜視図である。
【図2】ヘッドユニットの平面摸式図である。
【図3】機能液滴吐出ヘッドの外観斜視図である。
【図4】機能液供給装置の配管系統図である。
【図5】吸引ユニットの側面図である。
【図6】第1実施形態に係るサブタンク廻りを模式的に表した断面図である。
【図7】機能液置換方法のフローチャートである。
【図8】第2実施形態に係るサブタンク廻りを模式的に表した断面図である。
【図9】第3実施形態に係るサブタンク廻りを模式的に表した断面図である。
【図10】第4実施形態に係るサブタンク廻りを模式的に表した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態に係る機能液置換方法を適用した液滴吐出装置について説明する。この液滴吐出装置は、フラットパネルディスプレイの製造ラインに組み込まれており、例えば、特殊なインクや発光性の樹脂液である機能液を導入した機能液滴吐出ヘッドを用い、液晶表示装置のカラーフィルタや有機EL装置の各画素となる発光素子等を形成するものである。
【0019】
図1に示すように、液滴吐出装置1は、石定盤に支持されたX軸支持ベース11上に配設され、主走査方向となるX軸方向に延在して、ワークをX軸方向に移動させるX軸テーブル2と、複数本の支柱12を介してX軸テーブル2を跨ぐように架け渡された1対のY軸支持ベース13上に配設され、副走査方向となるY軸方向に延在するY軸テーブル3と、複数の機能液滴吐出ヘッド14(図1では図示省略)が搭載された13個のキャリッジユニット4と、から成り、13個のキャリッジユニット4は、Y軸テーブル3に吊設されている。さらに、液滴吐出装置1は、これらの装置を温度および湿度が管理された雰囲気内に収容するチャンバー5と、チャンバー5を貫通して、チャンバー5の外部から内部の機能液滴吐出ヘッド14に機能液を供給する3組の機能液供給装置15(図4参照)を有した機能液供給ユニット6と、を備えている。X軸テーブル2およびY軸テーブル3の駆動と同期して機能液滴吐出ヘッド14を吐出駆動させることにより、機能液供給ユニット6から供給されたR・G・B3色の機能液滴を吐出させ、ワークに所定の描画パターンが描画される。
【0020】
また、液滴吐出装置1は、フラッシングユニット16、ワイピングユニット17、吐出性能検査ユニット18および後述する吸引ユニット19から成るメンテナンス装置8を備えており、これらユニットを機能液滴吐出ヘッド14の保守に供して、機能液滴吐出ヘッド14の機能維持・機能回復を図るようになっている。
【0021】
図2に示すように、各キャリッジユニット4は、12個の機能液滴吐出ヘッド14と、12個の機能液滴吐出ヘッド14を6個ずつ2群に分けて支持するキャリッジプレート21と、から成るヘッドユニット20を備えている。また、各キャリッジユニット4は、一対のY軸支持ベース13上に掛け渡されたブリッジプレート22に吊設されている。各キャリッジユニット4は、ブリッジプレート22上に配設されたサブタンク(機能液タンク)48から自然水頭を利用し、かつ圧力調整弁23を介して各機能液滴吐出ヘッド14に機能液が供給されるようになっている(図4参照)。なお、キャリッジユニット4の個数および各キャリッジユニット4に搭載される機能液滴吐出ヘッド14の個数は任意である。
【0022】
図3に示すように、機能液滴吐出ヘッド14は、いわゆる2連のインクジェットヘッドであり、2連の接続針34を有する機能液導入部31と、機能液導入部31の側方に連なる2連のヘッド基板32と、ヘッド基板32の下方に連なり、内部に機能液で満たされるヘッド本体33と、を備えている。接続針34は、機能液供給ユニット6に接続され、機能液導入部31に機能液を供給する。ヘッド本体33は、キャビティ(ピエゾ圧電素子)35と、多数の吐出ノズル38が開口したノズル面37を有するノズルプレート36と、で構成されている。機能液滴吐出ヘッド14を吐出駆動すると、キャビティ35のポンプ作用により、吐出ノズル38から機能液滴が吐出される。
【0023】
図4に示すように、機能液供給ユニット6は、R・G・B3色に対応した3組の機能液供給装置15を備えている。また、機能液供給ユニット6は、メインタンク(機能液供給源)50およびサブタンク48等に制御用の圧縮窒素ガスを供給する窒素ガス供給設備41と、各種開閉弁の制御用の圧縮エアーを供給する圧縮エアー供給設備42と、各部からガス排気を行うためのガス排気設備43と、気泡除去ユニット45と、を備えている。3組の機能液供給装置15は、それぞれR・G・B3色に対応した機能液滴吐出ヘッド14に接続されており、これにより、各色の機能液滴吐出ヘッド14には対応する色の機能液が供給される。
【0024】
各機能液供給装置15は、機能液の供給源を構成する2つのメインタンク50,50を有するタンクユニット47と、各キャリッジユニット4に対応して設けた13個のサブタンク48と、タンクユニット47および各機能液滴吐出ヘッド14とを接続する機能液流路49と、を備えている。各メインタンク50内の機能液は、これに接続した窒素ガス供給設備41からの圧縮窒素ガスにより加圧され、機能液流路49を介して13個のサブタンク48に選択的に供給される。その際、圧縮エアー供給設備42からの圧縮エアーにより、各種開閉弁が開閉制御される。また同時に、各サブタンク48は、ガス排気設備43を介して大気開放され、必要量の機能液を受容する。各サブタンク48の機能液は、これに連なる機能液滴吐出ヘッド14の駆動により、所定の水頭圧を維持しながら、機能液流路49を介して機能液滴吐出ヘッド14に供給される。なお、上記のようなガス圧による送液の他、ポンプによる送液であってもよい。
【0025】
タンクユニット47は、機能液の供給源となる一対のメインタンク50,50と、一対のメインタンク50,50の重量をそれぞれ測定する一対の重量測定装置51,51と、機能液流路49への連通状態を一方のメインタンク50から他方のメインタンク50に切替える切替え機構(流路切替え手段)52と、を備えている。各メインタンク50には、機能液を圧送するための加圧制御および機能液を逆送するための負圧制御(大気開放に相当)を行うべく、窒素ガス供給設備41およびガス排気設備43が接続されている。
【0026】
切替え機構52は、一対のメインタンク50,50に接続した一対のタンク流路53,53と、上流側に一対のタンク流路53,53が接続されると共に、下流側に機能液流路49が接続されたタンク流路継手54と、各タンク流路53,53に介設されたタンク開閉弁55と、を備えている。一方のタンク開閉弁55を閉弁し、他方のタンク開閉弁55を開弁することにより、機能液流路49への接続が、一対のメインタンク50,50の間で交互に切替えが行われる。
【0027】
機能液流路49は、上流端がタンクユニット47に接続された主機能液流路56と、主機能液流路56の下流端に接続され、主機能液流路56を13分岐する13分岐流路57と、13分岐流路57および各機能液滴吐出ヘッド14を接続する個別機能液流路58と、から構成されている。主機能液流路56には、気体通過膜を介して機能液中のマイクロバルブを経時的に除去する気泡除去ユニット45が介設されている。
【0028】
個別機能液流路58は、上流端を13分岐流路57に接続したタンク側流路61と、上流側をサブタンク48に接続したヘッド側流路62と、上流側をヘッド側流路62に接続した4分岐流路63と、上流側を4分岐流路63に接続した複数の個別流路64と、により構成されている。これにより、機能液が各サブタンク48から4方に分岐して、それぞれの機能液滴吐出ヘッド14に接続されている。すなわち、機能液流路49の13分岐と、個別機能液流路58の4分岐により、13×4個の機能液滴吐出ヘッド14に機能液が供給されている。
【0029】
図5に示すように、吸引ユニット19は、12個の機能液滴吐出ヘッド14に対応する12個のヘッドキャップ74をキャッププレート75に配置した13台のキャップユニット71と、支持部材76を介して各キャップユニット71を昇降させる13台の昇降機構72と、各キャップユニット71に連なると共に機能液の吸引流路を有する13個の吸引流路系と、各吸引流路系に連なると共に2つの圧力水準に対応した2つの廃液タンクを有する吸引機構(共に図示省略)と、を備えている。また、図示は省略するが、吸引ユニット19は、圧力制御機構等に制御用の圧縮エアーを供給する圧縮エアー供給設備と、各部から排気を行うための排気設備と、廃液タンクに接続され、貯留された機能液を廃液する機能液廃液設備と、を備えている。
【0030】
キャップユニット71は、各色2個、計12個の機能液滴吐出ヘッド14に対応したヘッドキャップ74と、これらを搭載したキャッププレート75と、で構成されている。昇降機構72は、支持部材76を介してヘッドキャップ74を直接昇降させる昇降シリンダ77と、昇降シリンダ77による昇降をガイドする一対のリニアガイド78と、これらを支持するベース部79と、を有している。
【0031】
吸引ユニット19による吸引動作は、昇降機構72によりキャップユニット71を上昇させ、各機能液滴吐出ヘッド14に対応するヘッドキャップ74を密接させた後、図外のエジェクターを駆動させることにより、機能液滴吐出ヘッド14の吐出ノズル38から機能液を吸引して行われる。
【0032】
ここで、図6を参照して、本実施形態に係るサブタンク(機能液タンク)48について詳細に説明する。サブタンク48は、機能液を貯留するサブタンク本体(タンク本体)81と、サブタンク本体81に落し蓋様に浮かした蓋体フロート(フロート)82と、サブタンク本体81に添設した透明な液柱パイプ83と、液柱パイプ83に臨み、貯留された機能液の液位を検出する液位検出機構84と、サブタンク本体81の下部に設けられて、蓋体フロート82の下降端位置を液柱パイプ83の下部接続口86上側に規制する浸漬部材(フロート規制部材)85と、を備えている。また、サブタンク48の下方には、サブタンク開閉弁87を介してタンク側流路61に接続される流入ポート88、およびヘッド側流路62に接続される流出ポート89が設けられている。このように、機能液は、サブタンク本体81の下方から流入し、下方から流出するように構成されている。また、サブタンク本体81の上部には、窒素ガス供給設備41およびガス排気設備43が接続されており(図4参照)、サブタンク本体81の内部を、メインタンク50からの送液の際の大気開放およびメインタンク50への加圧制御可能に構成されている。
【0033】
液位検出機構84は、液柱パイプ83に臨んでおり、上限となる機能液の液位を検出する上限検出センサー(上限液位検出手段)91と、上下中間位置に配設され、補給時の機能液の液位を検出する液位検出センサー92と、下限となる機能液の液位を検出する下限検出センサー(下限液位検出手段)93と、を備えている。上限検出センサー91は、サブタンク48のオーバーフローを防止すべく設けられており、上限検出センサー91が上限液位を検出した場合には、メインタンク50からの送液を停止させる。一方、下限検出センサー93は、サブタンク48が空になるのを防止すべく設けられており、下限検出センサー93が下限液位を検出した場合には、現時点のワークの描画が終了したところで液滴吐出装置1を停止させる。なお、下限検出センサー93は、後述する機能液置換法における機能液の液抜きの際にも用いられる。液抜きの際には、下限検出センサー93による液位の検出をトリガーとしてタイマー制御が行われる。
【0034】
液位検出センサー92は、機能液滴吐出ヘッド14の理想の水頭値を考慮した液位を検出するものであり、液位検出センサー92により機能液の液位が検出されると、制御装置との協働により、満液もしくは減液と判断される。すなわち、液位検出センサー92より上に液位がある状態から、吐出動作により機能液が減り、液位検出センサー92により液位が検出されることで減液と判断される。また、液位検出センサー92より下に液位がある状態から、補給動作により機能液が増え、液位検出センサー92により液位が検出された後、一定時間経過すると満液と判断される。このような液位検出センサー92により、サブタンク48内の機能液の液位が上下中間部位置に制御されている。
【0035】
ここで、機能液供給源であるメインタンク50からサブタンク48への機能液の補給動作について説明する。サブタンク48内の機能液が一定量減り、上述した液位検出機構84によって減液状態であると判断されると、サブタンク開閉弁87を開弁して、メインタンク50からサブタンク48に機能液を補給する。メインタンク50は加圧されているため、サブタンク開閉弁87を開弁し、サブタンク48内の大気を開放しておくことでメインタンク50の機能液が自動的にサブタンク48に送液される。サブタンク48内の機能液が一定量貯まり、液位検出機構84によってサブタンク48内が満液状態であると判断されると、サブタンク開閉弁87を閉弁して補給動作を終了する。
【0036】
一方、蓋体フロート82は、耐薬品性の金属材料により、内部を中空とする薄型直方体形状に形成されている。より具体的には、ステンレス板を箱状に加工したものであり、上面視サブタンク本体81の内面と微少間隙を有するように略相似形に形成されている。また、蓋体フロート82の直下に位置して、サブタンク本体81の底面に着座するように浸漬部材85が浸漬されている。
【0037】
浸漬部材85は、後述する機能液置換方法において一時的にサブタンク48内の機能液残量を極端に少なくする場合にのみに機能するものであり、板状の浸漬プレート101と、浸漬プレート101の中央に立設した浸漬突起102と、から構成されている。浸漬部材85は、浸漬時にその上端が、液柱パイプ83の下部接続口86の位置より上側の位置になるように形成されている。より具体的には、蓋体フロート82の下面が、上記の下限検出センサー93より低く且つ下部接続口86より高い位置となるように、蓋体フロート82の下降端位置を規制できるように配設されている。さらには、浸漬部材85は、サブタンク本体81の底面から液柱パイプ83の下部接続口86の上端までの高さとなるように形成されていることが好ましい。なお、浸漬部材85は、言うまでもないが、機能液より十分に比重の大きい耐薬品性(耐機能液)を有する金属で構成されているが、その形状は任意である。例えば、容積を小さくすべく網目状のもので構成し(例えばパンチングメタル)、これを所定の高さとなるように屈曲あるいは湾曲させて、機能液中に浸漬するようにしてもよい。
【0038】
そして、浸漬部材85によって位置規制された蓋体フロート82の下面から下方のサブタンク本体81の容量は、機能液の液抜きの際のタイマー制御に影響を与えない容量となるように設計されている。詳細は後述するが、実施形態の機能液置換方法では、流出ポート89の近傍まで液位を下降させるように液抜きを行い、一回の液抜き量を多くすると共に機能液滴吐出ヘッド14側に気体が流入しないように、精度良くタイマー制御を行うようにしている。一方、置換される機能液、すなわち使用する機能液には粘度の異なるものがあり、この粘度の異なる機能液でも、タイマー制御を安定に行うべく、タイマー制御に対象と機能液量をある程度確保するようにしている。
上記した吸引ユニット19では、一定圧力で機能液を吸引するように構成されているため、機能液の液抜きに際し、機能液量の容量が少ない場合、サブタンク48内の液位の下降速度が速くなり、粘度の異なる機能液を考慮するタイマー制御が不安定になる。このため、粘度の異なる機能液に対し、一定時間タイマー制御で液抜きを適切に行えるように、蓋体フロート82の下降端位置を規制し、タイマー制御の対象と機能液量をある程度確保するようにしている。
【0039】
次に、図7を参照して、機能液供給装置15(機能液供給ユニット6)の機能液置換方法について説明する。この機能液置換方法は、機能液供給装置15(の全流路)に充填されている機能液(旧機能液)を抜き取り(不完全抜取り)、これと成分の異なる機能液(新機能液)を充填するものであり、この抜取りと充填とを繰り返すものである。言うまでもないが、一方のメインタンク50には、旧機能液が残っており、新機能液を充填した他方のメインタンク50がセットされている状態から機能液置換のシーケンスがスタートする。そして、吸引ユニット19により機能液滴吐出ヘッド14の吐出ノズル38から機能液を吸引し、下限検出センサー93が液位を検出した後、所定時間のタイマー制御によりサブタンク48から所定量の機能液を抜き取る抜取り工程と、メインタンク50からサブタンク48に機能液を圧力送液する送液工程と、から成る部分置換工程を所定の回数繰り返すようにしている。
【0040】
まず、切替え機構52により、現在使用している旧機能液のメインタンク50から、新機能液が充填されているメインタンク50に流路切替えする。次に、吸引ユニット19を駆動して、サブタンク48の液抜きとなる抜取り工程(S1〜S5)を開始する。なお、メインタンク50からサブタンク48に至るまでの機能液流路49において、廃液タンクに接続された逆送配管パイプを設けることによって、流路内の旧機能液を押し出すようにメインタンク50から新機能液を送液し、逆送配管パイプを通じて旧機能液を廃液タンクに送るようにしてもよい。
【0041】
サブタンク48の液抜きがすすんで、下降する液位が下限検出センサー93の位置に達し、下限検出センサー93が機能液の液位を検出したら(S2:Yes)、この液抜きをタイマー制御に切替える(S3)。このタイマー制御では、機能液の残量と機能液の粘度から予め算出されたサブタンク48内の機能液を極力抜取るように時間設定される。これにより、液柱パイプ83内の機能液が存しなくなると共に、サブタンク48内には、ほぼ機能液が残留しなくなる。より具体的には、流出ポート89が液面上に現れない程度に、十分な液抜きが行われる。
【0042】
そして、サブタンク開閉弁87を開弁して、サブタンク48への送液工程(S6〜S9)を開始する。具体的には、第1のサブタンク48の上限検出センサー91が満液を検出するまで、サブタンク開閉弁87を開弁状態とし、第1のサブタンク48に機能液を補充する(S7:Yes)。この場合、サブタンク48と蓋体フロート82との間隙や液柱パイプ83内等の、新機能液と混ざり難い部分(微小間隙)に旧機能液が残っていないため、置換率が格段に向上する。特に、旧機能液に比して新機能液の比重が大きい場合でも、高い置換率が維持される。これらにより、第1のサブタンク48の1回目の部分置換工程(S1〜S9)が終了する。続いて、第2ないし第13のサブタンク48への部分置換工程を実施することで、一巡目の部分置換工程を終了する。一巡目の部分置換工程終了後、第1ないし第13のサブタンク48に対して、二巡目の部分置換工程を行う。そして、この部分置換工程を複数回(所定の回数)繰り返すことで、メインタンク50から機能液滴吐出ヘッド14までの流路全体の機能液置換を終了する。なお、この繰返し回数は、機能液滴吐出ヘッド14から吸引した機能液が、完全置換に相当する置換率(99.0%)になるための回数であり、この繰返し回数は、上記置換率になるように予め試験的に求めた回数を用いることが好ましい。
【0043】
次に、図8を参照して、本発明の第2実施形態に係るサブタンク48について説明する。なお、重複した記載を避けるべく、異なる部分を主として説明する。このサブタンク48には、フロート規制部材として、サブタンク本体81の下部内面にステンレスや樹脂で構成された張出し突起103が突設されている。張出し突起103は、サブタンク本体81の四方の内壁に同じ高さになるようにそれぞれ設けられた4個の個別突起104から構成されており、液柱パイプ83の下部接続口86の上側に位置するように配設されている。より具体的には、張出し突起103は、蓋体フロート82の下面が、上記の下限検出センサー93より低く、且つ下部接続口86より高い位置で下降端位置を規制できるように配設されている。さらには、張出し突起103は、液柱パイプ83の下部接続口86の上端の高さに配設されていることが好ましい。また、この場合も、張出し突起103によって位置規制された蓋体フロート82の下面から下方のサブタンク本体81の容量は、機能液の液抜きの際のタイマー制御に影響を与えない容量となるように設計されている。
【0044】
次に、図9を参照して、本発明の第3実施形態に係るサブタンク48について説明する。このサブタンク48には、フロート規制部材として、サブタンク本体81の底面にステンレスや樹脂で構成された突当て突起105が立設されている。突当て突起105は、複数の個別突当て突起106から構成されており、それぞれの上端が液柱パイプ83の下部接続口86の上側に位置するように形成されている。より具体的には、突当て突起105は、蓋体フロート82の下面が、上記の下限検出センサー93より低く、且つ下部接続口86より高い位置で下降端位置を規制できるように形成されている。さらには、突当て突起105は、サブタンク本体81から液柱パイプ83の下部接続口86の上端までの高さとなるように形成されていることが好ましい。そして、この場合も、突当て突起105によって位置規制された蓋体フロート82の下面から下方のサブタンク本体81の容量は、機能液の液抜きの際のタイマー制御に影響を与えない容量となるように設計されている。
【0045】
次に、図10を参照して、本発明の第4実施形態に係るサブタンク48について説明する。このサブタンク48には、フロート規制部材として、蓋体フロート82の下面にステンレスや樹脂で構成された吊下突起(フロート規制部材)107が吊下されている。吊下突起107は、蓋体フロート82の下面に取付けられた取付プレート108と、取付プレート108の中央に突設した規制突起109と、から構成されている。規制突起109は、棒状或いは板状に形成されており、取付プレート108の中央部に下向きに凸となるように設けられている。また、吊下突起107は、サブタンク本体81の底面から液柱パイプ83の下部接続口86の上側までの高さを有するように形成されている。より具体的には、吊下突起107は、蓋体フロート82の下面が、上記の下限検出センサー93より低く、且つ下部接続口86より高い位置で下降端位置を規制できるように形成されている。さらには、吊下突起107は、サブタンク本体81から液柱パイプ83の下部接続口86の上端までの高さとなるように形成されていることが好ましい。そして、この場合も、吊下突起107によって位置規制された蓋体フロート82の下面から下方のサブタンク本体81の容量は、機能液の液抜きの際のタイマー制御に影響を与えない容量となるように設計されている。
【0046】
以上の構成によれば、機能液の液抜きにおいて、蓋体フロート82の下降は、下限検出センサー93より低く、且つ下部接続口86より高い位置で規制され、蓋体フロート82より下の機能液量がある程度確保される。このため、タイマー制御により液抜きを行った場合であっても、サブタンク48に僅かに機能液を残して、その1回の液抜きを行うことができる。また、蓋体フロート82の位置規制により、液柱パイプ83内やサブタンク本体81と蓋体フロート82との微小間隙に残留する機能液を、容易に液抜きすることができる。したがって、機能液供給装置15における新旧機能液の置換を短時間に効率よく行うことができる。
【0047】
なお、本実施形態では、1のサブタンク48を置換単位として機能液置換を行っているが、2以上のサブタンク48を置換単位として機能液置換を行ってもよい。また、フロート規制部材の形態は、上記実施形態に限定されるものではなく、所定の位置に蓋体フロート82を位置規制できるものであればよく、例えば蓋体フロート82をサブタンク48の天面から吊る紐状のものであってもよい。
【0048】
一方、新機能液がメインタンク50から機能液滴吐出ヘッド14に至る流路全体を洗浄する洗浄液であってもよい。この場合、洗浄液として機能液の溶媒を用いれば、上記の繰返し回数を極端に少なくすることができる。
【符号の説明】
【0049】
1…液滴吐出装置 14…機能液滴吐出ヘッド 15…機能液供給装置 19…吸引ユニット 48…サブタンク 49…機能液流路 50…メインタンク 52…切替え機構 81…サブタンク本体 82…蓋体フロート 83…液柱パイプ 85…浸漬部材 86…下部接続口 89…流出ポート 91…上限検出センサー 93…下限検出センサー 103…張出し突起 105…突当て突起 107…吊下突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能液供給源から機能液の供給を受けると共に、インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドに機能液を供給する機能液タンクであって、
タンク本体と、
前記タンク本体に添設した液柱パイプと、
前記液柱パイプに臨み、前記タンク本体の上限液位を検出する上限液位検出手段および下限液位を検出する下限液位検出手段と、
前記タンク本体に収容され、前記タンク本体の内壁に微小間隙を存して配設されたフロートと、
液位の下降に伴って下降する前記フロートの下降端位置を規制するフロート規制部材と、を備えたことを特徴とする機能液タンク。
【請求項2】
前記フロート規制部材は、前記フロートを前記下限液位検出手段と前記液柱パイプの下部接続口との間の位置に規制することを特徴とする請求項1に記載の機能液タンク。
【請求項3】
前記フロート規制部材は、前記タンク本体の下部内面に突設した張出し突起で、構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の機能液タンク。
【請求項4】
前記フロート規制部材は、前記タンク本体の底面に立設した突当て突起で、構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の機能液タンク。
【請求項5】
前記フロート規制部材は、前記タンク本体の底面に沈めた浸漬部材で、構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の機能液タンク。
【請求項6】
前記フロート規制部材は、前記フロートの下面に吊下した吊下突起で、構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の機能液タンク。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の機能液タンクと、前記機能液タンクに機能液を供給する機能液供給源と、前記機能液タンクから機能液の供給を受けるインクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドと、を備えた液滴吐出装置に対し、
前記機能液供給源から前記機能液滴吐出ヘッドに至る全流路の機能液を新旧置換する液滴吐出装置の機能液置換方法であって、
前記全流路に機能液を充填した状態で、前記機能液供給源を旧機能液から新機能液のものにシフトすると共に、
前記機能液滴吐出ヘッドの吐出ノズルから機能液を吸引し、前記下限液位検出手段が液位を検出した後、所定時間のタイマー制御により、液位が流出ポートに達する直前まで前記機能液タンクから機能液を抜き取る抜取り工程と、前記上限液位検出手段が液位を検出するまで前記機能液供給源から前記機能液タンクに機能液を送液する送液工程と、から成る部分置換工程を所定回数繰り返して機能液を新旧置換し、
前記フロート規制部材は、前記タイマー制御開始時の前記タンク本体の機能液容量が、使用する複数種の機能液の粘性による前記タイマー制御のばらつきを吸収可能となるように、前記フロートを位置規制することを特徴とする液滴吐出装置の機能液置換方法。
【請求項8】
機能液供給源から機能液タンクを経てインクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドに至る全流路の機能液を新旧置換するようにした液滴吐出装置であって、
新機能液の機能液供給源および旧機能液の機能液供給源となる2つのメインタンクと、
前記2つのメインタンクのタンク流路を切り替える流路切替え手段と、
前記流路切替え手段と前記機能液滴吐出ヘッドとを接続する機能液流路と、
前記機能液流路に介設した請求項1ないし6のいずれかに記載の機能液タンクと、
前記機能液流路を介して、前記各メインタンクの機能液を前記機能液タンクに送液する送液手段と、
前記機能液滴吐出ヘッドのノズル面に離接自在に密接し、前記機能液滴吐出ヘッドの吐出ノズルから機能液を吸引する吸引手段と、
前記流路切替え手段、前記送液手段および前記吸引手段を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記流路切替え手段を切り替えて、前記メインタンクを旧機能液のものから新機能液のものにシフトすると共に、
前記吸引手段を駆動し、前記下限液位検出手段が液位を検出した後、所定時間のタイマー制御により、液位が流出ポートに達する直前まで前記機能液タンクから機能液を抜き取る抜取り動作と、前記上限液位検出手段が液位を検出するまで前記機能液供給源から前記機能液タンクに機能液を送液する送液動作と、から成る部分置換動作を所定回数繰り返して機能液を新旧置換し、
前記フロート規制部材は、前記タイマー制御開始時の前記タンク本体の機能液容量が、使用する複数種の機能液の粘性による前記タイマー制御のばらつきを吸収可能となるように、前記フロートを位置規制することを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項9】
前記新旧機能液が、成分の異なる描画用のインク同士であることを特徴とする請求項8に記載の液滴吐出装置。
【請求項10】
前記新旧機能液が、描画用のインクと洗浄液とであることを特徴とする請求項8に記載の液滴吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−221078(P2010−221078A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−68339(P2009−68339)
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】