説明

残骨灰処理システムおよび残骨灰処理方法

【課題】 より少ない人員にて効率良く残骨灰中に含まれる金属や貴金属や生石灰を、固相状態にて大量の残骨灰から分離することのできる残骨灰処理システムを提供すること。
【解決手段】 残骨灰を一次粉砕する一次粉砕手段1と、一次粉砕手段1にて一次粉砕された残骨灰を所定の一次分離粒径以上の残骨灰と一次分離粒径未満の残骨灰とに分離する一次分離手段1と、一次分離手段1にて分離された一次分離粒径未満の残骨灰中に含まれる着磁可能な金属を磁石により吸着して残骨灰から分離する着磁可能金属分離手段2と、一次分離手段1にて分離された一次分離粒径未満の残骨灰中に含まれる生石灰を主に含む粉体を分離する生石灰分離手段3と、を備えることを特徴とする残骨灰処理システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火葬場にて焼却された焼骨の残骨や、焼却された副葬品や棺桶等の焼却灰を含む残骨灰を処理するための残骨灰処理システムおよび残骨灰処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、これらの残骨灰は、各地方自治体等が運営する火葬場から処理業者に対して処理の委託がなされて処理されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらの処理は、処理業者に対して有料にて委託されるものであるが、これら残骨灰を未処理にて埋め立て処理するとなると、埋め立て処理されるものが人骨を含むものであるために、行政の許可が必要となるとともに、その用地を取得したり周囲の住人の了承を得ることが難しく、その処理費用が大きくなってしまうという問題があるばかりか、これら残骨灰中には火葬時に使用される生石灰等を含むことから、これら生石灰等を含んだ状態で残骨灰を放置したりすると、固化してしまい、これら固化したものが人骨を含む産業廃棄物となってしまい、処理が非常に困難となってしまうという問題があった。
【0004】
このため、近年にあっては残骨灰の処理コストを抑えるために、これら残骨灰を水に投入して粉砕、分散し、これら残骨灰を含む水を不当に廃棄する業者が出現し、環境を汚染の原因となる等の問題が顕現化してきており、これら水処理に依らない固相状態での処理が求められている。
【0005】
また、これら残骨灰の処理コストを抑えるためには、残骨灰中に含まれる金属や貴金属を極力回収して資源化し、これら資源化した金属や貴金属の代金を処理コストと相殺するとともに、産業廃棄物化の原因となる生石灰等を分離して再使用したり有効活用することで残骨灰を資源化したり、更に残骨灰に含まれる人骨を分離して寺院にて供養することが望ましいが、この場合には、現状において残骨灰中に含まれる金属や貴金属等の分離を人手により実施しているため、人骨を扱うことによる作業者の心理的な負担が大きく、多くの人員を集めることが非常に困難であり、より少ない人員にて効率良く残骨灰中に含まれる金属や貴金属や生石灰を、固相状態にて大量の残骨灰から分離することのできる方法やシステムが切望されていた。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、より少ない人員にて効率良く残骨灰中に含まれる金属や貴金属や生石灰を、固相状態にて大量の残骨灰から分離することのできる残骨灰処理システムおよび残骨灰処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の残骨灰処理システムは、
残骨灰を一次粉砕する一次粉砕手段と、
前記一次粉砕手段にて一次粉砕された残骨灰を所定の一次分離粒径以上の残骨灰と該一次分離粒径未満の残骨灰とに分離する一次分離手段と、
前記一次分離手段にて分離された一次分離粒径未満の残骨灰中に含まれる少なくとも着磁可能な金属を磁石により吸着して残骨灰から分離する着磁可能金属分離手段と、
前記一次分離手段にて分離された一次分離粒径未満の残骨灰中に含まれる生石灰を主に含む粉体を分離する生石灰分離手段と、
を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、残骨灰中に含まれる焼骨は、一次粉砕手段にて金属や貴金属よりも容易に粉砕されて一次分離粒径未満の残骨灰とされる一方、人工関節や眼鏡や副葬品等の金属や貴金属は容易には粉砕されずに、良好に粉砕されなかった一部の焼骨とともに一次分離粒径以上の残骨灰として分離されることで、金属や貴金属を分離する対象となる残骨灰の量を大幅に減量できることから、より少ない人員にて効率良く残骨灰中に含まれる金属や貴金属を固相状態にて大量の残骨灰から分離することのできるようになるとともに、分離された一次分離粒径未満の残骨灰中に含まれる釘等の着磁可能な金属が着磁可能金属分離手段により残骨灰から分離されるとともに、生石灰分離手段により生石灰を主に含む粉体が残骨灰から分離されることで、これら分離された生石灰を資源として再使用したり有効活用することができる。
【0008】
本発明の請求項2に記載の残骨灰処理システムは、請求項1に記載の残骨灰処理システムであって、
前記生石灰分離手段が、前記着磁可能金属分離手段にて着磁可能な金属が取り除かれた前記一次分離手段にて分離された一次分離粒径未満の残骨灰を、前記一次分離粒径よりも小さな粒径である二次分離粒径以上の残骨灰と該二次分離粒径未満の生石灰を主に含む残骨灰とに分離する二次分離手段にて形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、生石灰は細かな粉体であるので、これらの生石灰の固相の分離を簡素な構成で良好に実施することができるとともに、釘等の金属が取り除かれた状態で、二次分離粒径以上の残骨灰と二次分離粒径未満の残骨灰との分離を行なえるので、釘等の金属が二次分離手段に詰まるようなことがなくなり、効率的に生石灰の分離を行なうことができる。
【0009】
本発明の請求項3に記載の残骨灰処理システムは、請求項2に記載の残骨灰処理システムであって、
前記二次分離粒径の大きさが、0.8〜4mmの範囲であることを特徴としている。
この特徴によれば、二次分離粒径の大きさを0.8〜4mmの範囲とすることで、過度に粉砕された残骨灰等が生石灰に混ざることなく、良好に生石灰を分離することができる。
【0010】
本発明の請求項4に記載の残骨灰処理システムは、請求項1〜3のいずれかに記載の残骨灰処理システムであって、
前記生石灰分離手段にて生石灰を主に含む粉体が取り除かれた前記一次分離粒径未満の残骨灰を二次粉砕する二次粉砕手段を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、生石灰を主に含む粉体が取り除かれた一次分離粒径未満の残骨灰、つまりは、金属や貴金属や生石灰が取り除かれることで、主に焼骨を含む残骨灰を二次粉砕することで、これら主に焼骨を含むことで寺院に納骨される残骨灰の体積を減量化することができ、寺院における保管場所の確保を容易とすることができる。
【0011】
本発明の請求項5に記載の残骨灰処理システムは、請求項4に記載の残骨灰処理システムであって、
前記二次粉砕手段が、回動可能に一方端側に傾斜配置され、両端に開口を有する円筒状のドラム体と、該ドラム体内に可動可能に内封された球体と、前記ドラム体を回動させるための駆動部と、前記傾斜配置されたドラム体内に該ドラム体の上方端側から前記一次分離粒径未満の残骨灰を供給する供給部と、前記ドラム体の下方端側の開口を閉塞する閉塞部と、該閉塞部とドラム体との間隙より流出する二次粉砕済みの残骨灰を回収する回収部を備えるボールミル装置にて形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、ボールミル装置を用いることで、機器の損耗が大きくなることなしに残骨灰を良好に粉砕することができるとともに、粉砕時における残骨灰の飛散による作業環境の悪化も低減することができる。
【0012】
本発明の請求項6に記載の残骨灰処理システムは、請求項4または5に記載の残骨灰処理システムであって、
前記二次粉砕後の残骨灰を前記一次分離粒径よりも小さな粒径である納骨粒径以上の残骨灰と該納骨粒径未満の残骨灰とに分離する三次分離手段と、該三次分離手段にて分離された納骨粒径以上の残骨灰を、前記二次粉砕手段に戻して再度二次粉砕する環流手段を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、納骨粒径以上の残骨灰が繰返し二次粉砕手段にて二次粉砕されるので、寺院に納骨される残骨灰の粒径が納骨粒径未満となり、納骨される残骨灰の品位を向上できる。
【0013】
本発明の請求項7に記載の残骨灰処理システムは、請求項6に記載の残骨灰処理システムであって、
前記納骨粒径の大きさが、0.8〜4mmの範囲であることを特徴としている。
この特徴によれば、納骨される残骨灰の体積を、二次粉砕において大きな処理負荷をかけることなく低減することができる。
【0014】
本発明の請求項8に記載の残骨灰処理システムは、請求項1〜7のいずれかに記載の残骨灰処理システムであって、
前記一次粉砕手段並びに一次分離手段が、回動可能に一方端側に傾斜配置され、両端に開口を有するとともにその外周に一次分離粒径の孔が穿設された円筒状のドラム体と、該ドラム体内に可動可能に内封された球体と、前記ドラム体を回動させるための駆動部と、前記傾斜配置されたドラム体内に該ドラム体の上方端側から残骨灰を供給する供給部と、該一次分離粒径の孔からドラム体外に排出された一次分離粒径未満の残骨灰を収集する収集部と、前記ドラム体を通過して傾斜配置されたドラム体の下方端側からドラム体外に排出される一次分離粒径以上の残骨灰を回収する回収部とを備える一次処理装置にて形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、一次処理装置にて一次粉砕を実施しながら一次分離が行なわれるようになるので、一次粉砕と一次分離の処理効率を大幅に向上できるばかりか、ドラム体内に可動可能に内封された球体により供給された残骨灰が粉砕されるので、機器の損耗が大きくなることなしに残骨灰を良好に粉砕することができるとともに、粉砕時における残骨灰の飛散による作業環境の悪化も低減することができる。
【0015】
本発明の請求項9に記載の残骨灰処理システムは、請求項1〜8のいずれかに記載の残骨灰処理システムであって、
前記一次分離粒径の大きさが10〜30mmの範囲であることを特徴としている。
この特徴によれば、一次分離粒径の大きさを10mm未満とすると、一次分離を完了するまでの時間が非常に長くなり効率が低下してしまうし、一次分離粒径の大きさを30mmよりも大きくすると、分離対象とする金属や貴金属が分離されずに一次分離粒径未満の残骨灰に含まれてしまうようになるので、一次分離粒径の大きさが10〜30mmの範囲とすることで、効率を悪化させることなく良好な一次分離を実施することができる。
【0016】
本発明の請求項10に記載の残骨灰処理方法は、
残骨灰を一次粉砕する一次粉砕工程と、
前記一次粉砕工程にて一次粉砕された残骨灰を所定の一次分離粒径以上の残骨灰と該一次分離粒径未満の残骨灰とに分離する一次分離工程と、
前記一次分離工程にて分離された一次分離粒径未満の残骨灰中に含まれる少なくとも着磁可能な金属を磁石により吸着して残骨灰から分離する着磁可能金属分離工程と、
前記一次分離工程にて分離された一次分離粒径未満の残骨灰中に含まれる生石灰を主に含む粉体を分離する生石灰分離工程と、
を含むことを特徴としている。
この特徴によれば、残骨灰中に含まれる焼骨は、一次粉砕工程にて金属や貴金属よりも容易に粉砕されて一次分離粒径未満の残骨灰とされる一方、人工関節や眼鏡や副葬品等の金属や貴金属は容易には粉砕されずに、良好に粉砕されなかった一部の焼骨とともに一次分離粒径以上の残骨灰として分離されることで、金属や貴金属を分離する対象となる残骨灰の量を大幅に減量できることから、より少ない人員にて効率良く残骨灰中に含まれる金属や貴金属を固相状態にて大量の残骨灰から分離することのできるようになるとともに、分離された一次分離粒径未満の残骨灰中に含まれる釘等の着磁可能な金属が着磁可能金属分離工程により残骨灰から分離されるとともに、生石灰分離工程により生石灰を主に含む粉体が残骨灰から分離されることで、これら分離された生石灰を資源として再使用したり有効活用することができる。
【0017】
本発明の請求項11に記載の残骨灰処理方法は、請求項10に記載の残骨灰処理方法であって、
前記生石灰分離工程が、前記着磁可能金属分離工程にて着磁可能な金属が取り除かれた前記一次分離工程にて分離された一次分離粒径未満の残骨灰を、前記一次分離粒径よりも小さな粒径である二次分離粒径以上の残骨灰と該二次分離粒径未満の生石灰を主に含む残骨灰とに分離する二次分離工程にて形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、生石灰は細かな粉体であるので、これらの生石灰の固相の分離を簡素な構成で良好に実施することができるとともに、釘等の金属が取り除かれた状態で、二次分離粒径以上の残骨灰と二次分離粒径未満の残骨灰との分離を行なえるので、釘等の金属が二次分離工程で詰まるようなことがなくなり、効率的に生石灰の分離を行なうことができる。
【0018】
本発明の請求項12に記載の残骨灰処理方法は、請求項11に記載の残骨灰処理方法であって、
前記二次分離粒径の大きさが、0.8〜4mmの範囲であることを特徴としている。
この特徴によれば、二次分離粒径の大きさを0.8〜4mmの範囲とすることで、過度に粉砕された残骨灰等が生石灰に混ざることなく、良好に生石灰を分離することができる。
【0019】
本発明の請求項13に記載の残骨灰処理方法は、請求項10〜12のいずれかに記載の残骨灰処理方法であって、
前記生石灰分離工程にて生石灰を主に含む粉体が取り除かれた前記一次分離粒径未満の残骨灰を二次粉砕する二次粉砕工程を含むことを特徴としている。
この特徴によれば、生石灰を主に含む粉体が取り除かれた一次分離粒径未満の残骨灰、つまりは、金属や貴金属や生石灰が取り除かれることで、主に焼骨を含む残骨灰を二次粉砕することで、これら主に焼骨を含むことで寺院に納骨される残骨灰の体積を減量化することができ、寺院における保管場所の確保を容易とすることができる。
【0020】
本発明の請求項14に記載の残骨灰処理方法は、請求項13に記載の残骨灰処理方法であって、
前記二次粉砕後の残骨灰を前記一次分離粒径よりも小さな粒径である納骨粒径以上の残骨灰と該納骨粒径未満の残骨灰とに分離する三次分離工程と、該三次分離工程にて分離された納骨粒径以上の残骨灰を前記二次粉砕工程に戻して再度二次粉砕することを特徴としている。
この特徴によれば、納骨粒径以上の残骨灰が繰返し二次粉砕工程にて二次粉砕されるので、寺院に納骨される残骨灰の粒径が納骨粒径未満となり、納骨される残骨灰の品位を向上できる。
【0021】
本発明の請求項15に記載の残骨灰処理方法は、請求項14に記載の残骨灰処理方法であって、
前記納骨粒径の大きさが、0.8〜4mmの範囲であることを特徴としている。
この特徴によれば、納骨される残骨灰の体積を、二次粉砕において大きな処理負荷をかけることなく低減することができる。
【0022】
本発明の請求項16に記載の残骨灰処理方法は、請求項10〜15のいずれかに記載の残骨灰処理方法であって、
前記一次分離粒径の大きさが10〜30mmの範囲であることを特徴としている。
この特徴によれば、一次分離粒径の大きさを10mm未満とすると、一次分離を完了するまでの時間が非常に長くなり効率が低下してしまうし、一次分離粒径の大きさを30mmよりも大きくすると、分離対象とする金属や貴金属が分離されずに一次分離粒径未満の残骨灰に含まれてしまうようになるので、一次分離粒径の大きさが10〜30mmの範囲とすることで、効率を悪化させることなく良好な一次分離を実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例】
【0024】
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、先ず図1は、本実施例の残骨灰処理システムを示すシステムブロック図であり、図2は、本実施例に用いたトロンメルを示す縦断正面図であり、図3は、図2におけるトロンメルを示すIII−III縦断側面図であり、図4は、図2における本実施例に用いたマグネティックセパレータを示すIV−IV縦断側面図であり、図5は、本実施例に用いたスクリーントラフを示す縦断正面図であり、図6は、本実施例に用いたボールミルを示す縦断正面図であり、図7は、本実施例に用いた振動ふるい機を示す縦断正面図であり、図8は、本実施例の残骨灰処理システムにおける処理内容を示すフローチャートである。
【0025】
火葬場にて焼却された残骨灰(焼却灰)中には、故人の焼骨とともに、人工関節や眼鏡や棺桶等に使用される装飾用の飾り等の金属や、副葬品に使用される貴金属や、歯科治療に使用されるパラジウム等の稀少金属が含まれるとともに、火葬時に使用される生石灰が多く含まれている。
【0026】
これら火葬場から搬入される残骨灰中の有効資源を効率よく分別処理する本実施例における残骨灰処理システムは、図1に示すように、主に、本発明における一次粉砕手段及び一次分離手段としてのトロンメル1と、本発明における着磁可能金属分離手段としてのマグネティックセパレータ2と、本発明における生石灰分離手段及び二次分離手段としてのスクリーントラフ3と、本発明における二次粉砕手段としてのボールミル4と、本発明における三次分離手段としての振動ふるい機5によって構成されている。
【0027】
先ず、本実施例の残骨灰処理システムに使用されるトロンメル1及びマグネティックセパレータ2について図2から図4を用いて説明する。図2に示すように、本実施例に用いたトロンメル1は、鉄骨が矩形状に組み立てられた脚体6の上部に円筒形状をなすドラム体7(本実施例では直径約98cm)が配置されており、このドラム体7は円筒の軸心が左右方向を向き、一方端側が傾斜されて配置されている。図2中においては、ドラム体7の右方端側がドラム体7の左方端側よりも低くなるように傾斜されており、以下、ドラム体7の右方端側をドラム体7の下方端側とし、ドラム体7の左方端側をドラム体7の上方端側として説明する。
【0028】
図2におけるドラム体7の上方端側及び下方端側近傍の外周面には、ドラム体7を取り巻くようにレール部8が周設されており、このレール部8に係合できる凹状溝部を備える係合ローラ9が脚体6の上部に回動可能に複数(本実施例では1つのレール部8に対して2つ)設けられ、この係合ローラ9にレール部8が係合することによってドラム体7が回動可能に支持されている。ドラム体7を支持している上方端側及び下方端側の各々の係合ローラ9はシャフト10を介して互いに連結されており、このシャフト10の一端がチェーン11を介して本実施例における駆動部としての駆動モータ12と連結されている。駆動モータ12を駆動させると、シャフト10を介して係合ローラ9が回転し、係合ローラ9の回転に伴って、該係合ローラ9に支持されているドラム体7が回転する。
【0029】
図2に示すように、ドラム体7の上方端側は開口されて本実施例における供給部としての供給口13が形成されており、この供給口13には、火葬場から搬入された固相状態の残骨灰Wをドラム体7内部に、自重落下にて供給できるように、ドラム体7の上方位置に向けて広口とされた供給用ホッパー14が設けられている。
【0030】
ドラム体7の外周には、多数の小孔15が穿設されており、1つの小孔15は直径が15mmの円形状をなし、これら多数の小孔15はドラム体7の略中央部の所定範囲の円周に形成され、本発明における一次分離手段としてのパンチングメタル部16を構成している。
【0031】
これら、パンチングメタル部16に形成される小孔15の直径としては、この直径が10mmよりも小さいと、一次分離を完了するまでの時間が非常に長くなり効率が低下してしまうし、残骨灰Wに含まれる棺桶に用いられる釘の釘頭が小孔15に詰まりやすくなり、良好な運転に支障を来す場合があるし、30mmよりも大きいと人工関節の関節球(関節球の直径は一般的には約40mm)等の瓦礫類Rが小孔15を通過しやすくなり、これら瓦礫類Rが一次分離されることなく、後述する二次分離に運ばれてしまうことで、二次分離の効率が低下してしまうばかりか、後述する二次粉砕においてこれら瓦礫類Rは良好に粉砕されないことから、これら二次粉砕の効率が低下するばかりか、これら二次粉砕を実施する後述するボールミル4中に残存する瓦礫類Rを取り除く作業を、頻繁に実施する必要が生じるようになることから、10mm〜30mmの範囲とすることが好ましく、この範囲において、ドラム体7の長さや傾斜角度や回転速度に基づいて適宜に選択すれば良い。
【0032】
尚、本実施例では、パンチングメタル部16に形成される小孔15の孔径を全て同一のものとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら孔径を、例えば、ドラム体7の上方位置側では大きくして、いち早く細かい骨がドラム体7外に排出されるようにして、処理効率を向上できるようにしても良いし、或いは、単位面積における小孔15が占める面積を、より大きなものとするために、隣接する大きな小孔15の間隙に、小さな小孔15を形成して、一次分離の処理効率を向上させるようにしても良い。
【0033】
図2及び図3に示すように、ドラム体7の内部には、本実施例における球体としての複数の金属製のボール17が内封されているとともに、ドラム体7内部のボール17が配置されるパンチングメタル部16の下方端側には、ドラム体7の内径より小さい直径を有する円形状の仕切板19が、ドラム体7の内面に設けられた支持部材20に固着されており、仕切板19によってボール17が、仕切板19を越えてドラム体7の下方端側に移動しないようになっている。
【0034】
図3に示すように、仕切板19とドラム体7の内面との間には、ボール17の直径(本実施例では約150mm)よりも小さい所定幅(本実施例では約70mm)の間隙dが形成されており、この間隙dからボール17によって粉砕されない人工関節やその他の棺桶等に使用される金属類を含む瓦礫類Rがドラム体7の下方端側に移動するようになっている。尚、本実施例におけるボール17の直径は、80mm〜200mmの範囲内とすることが好ましい。
【0035】
そして、ドラム体7の下方端側近傍の外周面には、瓦礫類Rを排出させるために複数の排出口21が形成されており、排出口21の下方には、排出用ホッパー22が配置され、排出用ホッパー22によって瓦礫類Rが、本実施例における回収部としての回収箱23に案内されるようになっている。
【0036】
図2に示すように、仕切板19はドラム体7の内部に3枚設けられ、これらの仕切板19によってドラム体7内部は4つの区画に仕切られており、仕切板19の上方端側にある3つの区画には、複数のボール17が内封されている。尚、仕切板19によって仕切られるドラム体7内部の区画の数は、ドラム体7の長さや傾斜角度(本実施例では約2度)や回転速度(本実施例では1分間に20回転)に基づいて適宜に選択しても良い。尚、本実施例におけるドラム体7の傾斜角度は、1度〜5度の範囲内とすることが好ましく、ドラム体7の回転速度は、1分間に10回転〜35回転の範囲内とすることが好ましい。
【0037】
また、このドラム体7内部に形成される区画内に内封されるボール17の数やボール17の大きさも残骨灰W中に含まれる瓦礫類Rの状態などを考慮して適宜に選択するようにしても良い。更に、ドラム体7内部に複数の区画を形成した場合には、ドラム体7の上方端側にある区画には、直径の大きなボール17を複数内封し、下方端側の区画にゆくに従って、内封されるボール17の直径を小さくし、上方端側から下方端側に残骨灰Wが移動するに従って細かく粉砕されるようにしても良い。尚、同一の区画内に、大小様々な大きさのボール17を内封することで、粉砕効率を向上させることもできる。
【0038】
ドラム体7が回動されると、ボール17がドラム体7の内面で転がるようになっており、ドラム体7とドラム体7に内封されたボール17とで、本実施例における一次粉砕手段が構成されている。図2に示すように、供給用ホッパー14からドラム体7内に残骨灰Wを供給し、ドラム体7を回転させると、ボール17がドラム体7内で転がり、ドラム体7内部に供給された残骨灰Wが一次粉砕されるようになっている。
【0039】
つまり、ボール17がドラム体7内で転がることで、ボール17がドラム体7に衝突する際に、ボール17とドラム体7との間にある残骨灰Wが粉砕されるとともに、複数のボール17同士が互いに衝突する際に、ボール17同士の間にある残骨灰Wが粉砕されるようになっており、かつドラム体7内部が仕切板19によって複数の区画に仕切られていることで、繰り返し残骨灰Wが粉砕されるようになっている。
【0040】
このようにして、ドラム体7の上方端側から下方端側への移動に伴って、容易に粉砕される骨は、粉砕によりパンチングメタル部16の小孔15の大きさ(一次分離粒径)未満に粉砕されることで、パンチングメタル部16の小孔15からドラム体7の外部に排出される一方、粉砕され難い人工関節や副葬品等の金属を主とする瓦礫類Rや、小孔15の大きさ未満に良好に粉砕されなかった骨は、ドラム体7の下方端側近傍の排出口21から回収箱23に落下することで、主に瓦礫類Rを含む残骨灰Wが回収箱23に回収される。つまり、パンチングメタル部16によって一次分離粒径以上の残骨灰Wと、一次分離粒径未満の残骨灰Wとに分離する一次分離が行なわれるようになっている。
【0041】
図2に示すようなトロンメル1処理装置にて一次粉砕を実施しながら一次分離が行われることで、一次粉砕と一次分離の処理効率を大幅に向上できるばかりか、ドラム体7内に内封されたボール17により供給された残骨灰が粉砕されるので、トロンメル1が損耗し難く、かつ残骨灰Wを良好に一次粉砕することができるとともに、一次粉砕時における残骨灰Wの飛散も防ぐことができるようになっている。
【0042】
また、トロンメル1におけるドラム体7の回りには、カバー体18が設けられるとともに、このカバー体18に連結された集塵ダクト(図示略)を通してカバー体18内部の粉塵が、集塵装置(図示略)に取り込まれるようになっている。そのため残骨灰Wを粉砕する際に舞い上がる粉塵等の飛散が防止され、残骨灰処理システム周辺の作業環境の悪化も低減されるようになっている。
【0043】
尚、瓦礫類Rとともに回収箱23に回収された一次分離粒径以上の大きさの残骨灰Wは、作業人員による手作業によって残骨灰Wと瓦礫類Rとに分離され、該分離された残骨灰Wは、後述する二次粉砕手段となるボールミル4に投入して粉砕しても良いし、再びドラム体7内に供給用ホッパー14から供給しても良い。
【0044】
このように、火葬場から搬入された残骨灰Wを一次粉砕して、粉砕されやすい骨や粉状の生石灰と、粉砕され難い有効資源となる瓦礫類Rとを、パンチングメタル部16によって一次分離することで、分離作業の対象となる残骨灰Wの量を火葬場から搬入された残骨灰Wに比較して大幅に減らすことができ、結果として、より少ない人員で瓦礫類Rと残骨灰Wの分離作業が行なえるようになっている。
【0045】
また、図2及び図3に示すように、ドラム体7におけるパンチングメタル部16の下部には、ガイドカバー24が設けられており、そのガイドカバー24の下方には、本実施例における収集部としてのベルトコンベア25が配置されている。ドラム体7に投入された残骨灰W中の一次分離粒径未満の生石灰や焼骨を含む残骨灰W、並びにドラム体7内で一次粉砕されて一次分離粒径未満の大きさになった残骨灰Wは、パンチングメタル部16からドラム体7の外部に排出され、ガイドカバー24によって案内されながらベルトコンベア25上に落下するようになっている。
【0046】
このベルトコンベア25は、図2に示すように、トロンメル1の外部まで延設されているとともに、ベルトコンベア25の先端側(図2中における左端側)の上方には、磁力により残骨灰W中に含まれる釘等の着磁可能な金属類Mを分離するために、本実施例における着磁石可能金属分離手段としてのマグネティックセパレータ2(磁力選別機)が配置されている。一次分離粒径未満の残骨灰Wは、ベルトコンベア25によってマグネティックセパレータ2の下方まで搬送される。
【0047】
図4の縦断側面図に示すように、マグネティックセパレータ2は、永久磁石26の回りに無端状ベルト27が永久磁石26の下面に接しながら回動するようになっている。マグネティックセパレータ2に、ベルトコンベア25上の一次分離粒径未満の残骨灰Wが近づくと、磁力によって残骨灰W中に含まれる主に棺桶に使用される釘等の磁化可能な金属類Mが永久磁石26に当接している無端状ベルト27の表面に引き付けられることで、ベルトコンベア25上の一次分離粒径未満の残骨灰Wから分離される。
【0048】
このようにマグネティックセパレータ2をベルトコンベア25の上方に配置して磁化可能な金属類Mを分離することは、残骨灰Wがベルトコンベア25上で平坦化されている処理面積を多くとれる状況下において、残骨灰W中の磁化可能な金属類Mを効率良く磁化して分離できるようになるので好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら磁化可能な金属類Mの分離を、例えば一次分離粒径未満の残骨灰Wを貯留する貯留部内に棒状の磁石を投入して、該磁石を貯留部内を移動させて磁化可能な金属類Mを吸着するようにしても良い。
【0049】
これらベルトコンベア25上面とマグネティックセパレータ2の下面となる無端状ベルト27の表面との間隙は、例えば、ベルトコンベア25上の一次分離粒径未満の残骨灰W中に、残骨灰Wを火葬場から搬入する際に使用したビニール等のビニール片が含まれる場合に、これらビニール片も磁化可能な金属類Mとともに除去されるようになるので、支障がない限りベルトコンベア25上面に近づけて配置することが好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら間隙は、使用する永久磁石26の磁化能力等に応じて適宜に選択すれば良い。
【0050】
このようにして永久磁石26によって残骨灰W中から引き付けられて分離された金属類Mは、無端状ベルト27が回動することにより、永久磁石26の下面位置から離れた位置まで移動されて、該永久磁石26の磁力が弱まることで、マグネティックセパレータ2の下方に配置された回収箱28に落下するようになっている。
【0051】
尚、本実施例における着磁石可能金属分離手段は、マグネティックセパレータ2に限ることなく、渦電流非鉄金属選別装置などを用いてもよく、渦電流非鉄金属選別装置を用いることで、残骨灰W中に含まれる鉄以外の非鉄金属(アルミ、銅、銀、真鍮、鉛等)を分離するようにしても良い。また、マグネティックセパレータ2と渦電流非鉄金属選別装置を組み合わせて設置しても良く、マグネティックセパレータ2によって残骨灰W中から釘等の鉄金属を分離した後に、渦電流非鉄金属選別装置を用いて残骨灰W中に含まれる非鉄金属を分離するようにしても良い。更に、静電選別装置を用いることで、残骨灰W中の金属類Mを取り除くようにしても良いし、これらの選別装置類を残骨灰W中に含まれる金属類Mの状態に合わせて適宜に選択して使用するようにしても良い。
【0052】
マグネティックセパレータ2によって金属類Mが取り除かれた残骨灰Wは、バケットエレベータ29に供給されて上方に搬送され、バケットエレベータ29の上部に取り付けられたダクト30内を通りスクリーントラフ3に搬送される。バケットエレベータ29は狭い設置スペースにも設置でき、残骨灰処理システムの設置スペースを節約することができるとともに、パンチングメタル部16によって分離された一次分離粒径未満の細かな残骨灰Wを容易に上方に搬送することができることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらバケットエレベータ29以外の搬送路を使用しても良いことは言うまでもない。
【0053】
次に、本実施例の残骨灰処理システムに使用されるスクリーントラフ3について図5を用いて説明する。図2中の(A)からダクト30を通って搬送された残骨灰Wは、図5に示すように、本実施例における生石灰分離手段及び二次分離手段としてのスクリーントラフ3(振動ふるい機)の内部に供給される。
【0054】
図5に示すように、スクリーントラフ3は、脚体31の上部に、防振ばね32を介して支持された箱体33を有し、箱体33の右側上部には、残骨灰Wを供給するための供給口34が形成されている。また、箱体33の内部は、ふるい網35によって上下2段に仕切られており、箱体33の左側下部には、ふるい網35の上方の残骨灰Wを排出させるための上段排出口36と、ふるい網35の下方の残骨灰Wを排出させるための下段排出口37が形成されている。
【0055】
図5に示すスクリーントラフ3のふるい網35は、10メッシュ(目開き1.7mm)の細目用の平織網が用いられており、本実施例における生石灰分離手段及び二次分離手段を構成している。尚、本実施例では、10メッシュのふるい網35を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらふるい網35としては、ふるい網35の目開きによる二次分離粒径が0.8mm未満(21メッシュ以上)となると、ふるい網35に目詰まりが起こりやすくなり分離効率が低下することとなるし、逆に二次分離粒径が4mm以上(5メッシュ未満)となると、過度に粉砕された残骨灰W中の焼骨等が、細かな粉体である生石灰に多く混ざるようになることから、二次分離粒径の大きさを0.8mm〜4mmの範囲内とすることで、良好に生石灰を分離することができるようになっている。
【0056】
更に、ふるい網35は織網に限ることなく、小孔が複数形成されたパンチングメタル板部材などを用いてもよく、このパンチングメタル板部材の小孔の内径は、前述の二次分離粒径である0.8mm〜4mmの範囲内ならばいずれの大きさであっても良い。
【0057】
また、図5における箱体33の下方には翼板38が固着され、この翼板38に振動モータ39が固着されている。振動モータ39を振動させることにより、箱体33が振動されて箱体33内部に供給された残骨灰Wが、ふるい網35上を移動しながらふるいにかけられ、二次分離粒径以上の残骨灰Wは、ふるい網35上に残りスクリーントラフ3の上段排出口36から排出されるともに、二次分離粒径未満の生石灰を主に含む残骨灰Wは、ふるい網35の下方に落下し、二次分離粒径以上の残骨灰Wと、二次分離粒径未満の生石灰を主に含む残骨灰Wとが分離される二次分離が行なわれるようになっている。
【0058】
また、このようにふるい網35を用いることで生石灰の分離を簡素な構成で良好に実施することができるとともに、マグネティックセパレータ2によって釘等の金属類Mが取り除かれた状態で、二次分離粒径以上の残骨灰Wと、二次分離粒径未満の生石灰を主に含む残骨灰Wとの分離が行なえるので、釘等の金属がふるい網35に詰まるようなことがなくなり、効率的に生石灰を多く含む残骨灰Wの分離を行なうことができる。生石灰を主に含む残骨灰Wは、火葬場に搬送されて残骨灰W中に含まれる生石灰が再利用されたり、残骨灰W中に含まれる金属や貴金属が回収処理されて再利用され、有効活用することができるようになっている。
【0059】
尚、本実施例におけるスクリーントラフ3には、1枚のふるい網35によって箱体33の内部が上下2段に仕切られていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、目開きの幅が各々異なる複数枚のふるい網35を積層配置し、箱体33の内部を複数段に仕切ってもよく、かつ目の粗いふるい網35を上方に配置し、目の細かいふるい網35を下方に配置することによって、各々のふるい網35が目詰まりし難くしたり、二次分離の効率を向上させるようにしても良い。また、複数段に配置されるそれぞれのふるい網35に対応した排出口をスクリーントラフ3に設け、生石灰や焼骨や金属類Mや、不必要に含まれる瓦礫類Rの分離を、スクリーントラフ3において実施するようにしても良い。
【0060】
このようにしてスクリーントラフ3によって二次分離された後、二次分離粒径未満の生石灰を主に含む残骨灰Wは、スクリーントラフ3の下段排出口37よりダクト40を通ってスクリーントラフ3の下方に配置されている回収袋41に詰められるようになっている。また、二次分離粒径以上の大きさの残骨灰Wは、スクリーントラフ3の上段排出口36から排出されるようになっている。上段排出口36から排出された二次分離粒径以上の大きさの残骨灰Wは、ダクト42を通ってスクリーントラフ3に隣接して設置されているスクリューコンベア43に供給されて上方に搬送され、スクリューコンベア43の上部に取り付けられたダクト44内を通りボールミル4に搬送される。
【0061】
尚、図5に示すように、スクリーントラフ3とスクリューコンベア43の間に配置されているダクト42には、後述するように、残骨灰Wをダクト42内部に自重落下にて供給できるように、上方に向けて広口とされた本実施例における還流手段としての還流用ホッパー78が取り付けられている。
【0062】
次に、本実施例の残骨灰処理システムに使用されるボールミル4について図6を用いて説明する。図5中の(B)からダクト44を通って搬送された残骨灰Wは、図6に示すように、本実施例における二次粉砕手段としてのボールミル4の内部に供給される。
【0063】
図6に示すように、ボールミル4は、鉄骨が矩形状に組み立てられた脚体45の上部に円筒形状をなすドラム体46(本実施例では直径約120cm)が配置されており、このドラム体46は円筒の軸心が左右方向を向き、一方端側が傾斜されて配置されている。図6中においては、ドラム体46の左方端側がドラム体46の右方端側よりも低くなるように傾斜されており、以下、ドラム体46の左方端側をドラム体46の下方端側とし、ドラム体46の右方端側をドラム体46の上方端側として説明する。
【0064】
図6におけるドラム体46の上方端側及び下方端側近傍の外周面には、ドラム体46を取り巻くようにレール部47が周設されており、このレール部47に係合できる凹状溝部を備える係合ローラ48が脚体45の上部に回動可能に複数(本実施例では1つのレール部47に対して2つ)設けられ、この係合ローラ48にレール部47が係合することによってドラム体46が回動可能に支持されている。ドラム体46を支持している上方端側及び下方端側の各々の係合ローラ48はシャフト49を介して互いに連結されており、このシャフト49の一端がチェーン50を介して本実施例における駆動部としての駆動モータ51と連結されている。駆動モータ51を駆動させると、シャフト49を介して係合ローラ48が回転し、係合ローラ48の回転に伴って、該係合ローラ48に支持されているドラム体46が回転する。
【0065】
図6に示すように、ドラム体46の上方端側は開口されて本実施例における供給部としての供給口52が形成されており、この供給口52には、前述したスクリーントラフ3から搬送された二次分離粒径以上の残骨灰Wをドラム体46内部に、自重落下にて供給できるように、ドラム体46の上方位置に向けて広口とされた供給用ホッパー53が設けられている。
【0066】
更に図6に示すように、ドラム体46の内部には、本実施例における球体としての複数の大小様々な大きさの金属製のボール54(本実施例における直径は80mm〜200mm)が内封されており、ドラム体46が回動すると、ボール54がドラム体46の内面で転がるようになっており、ドラム体46とドラム体46に内封されたボール54とで、本実施例における二次粉砕手段が構成されている。ボール54がドラム体46内で転がることで、ドラム体46内部に供給された残骨灰Wが二次粉砕されるようになっている。
【0067】
また、大小様々な大きさのボール54をドラム体46の内部に内封することで、粉砕効率が向上されるようになっており、ドラム体46の内部に内封されるボール54の数や大きさは、ドラム体46の長さや傾斜角度(本実施例では約2度)や回転速度(本実施例では1分間に28回転)に基づいて適宜に選択しても良い。尚、本実施例におけるドラム体46の傾斜角度は、1度〜5度の範囲内とすることが好ましく、ドラム体46の回転速度は、1分間に10回転〜35回転の範囲内とすることが好ましい。
【0068】
尚、前述したトロンメル1のドラム体7内部に設けられていた仕切板19と同一構成の仕切板(図示略)をドラム体46の内部に設け、該仕切板(図示略)によってドラム体46の内部を複数の区画に仕切るようにしても良く、更に、ドラム体46内部に複数の区画を形成した場合には、ドラム体46の上方端側にある区画には、直径の大きなボール54を複数内封し、下方端側の区画にゆくに従って、内封されるボール54の直径を小さくし、上方端側から下方端側に残骨灰Wが移動するに従って細かく粉砕されるようにしても良い。
【0069】
二次粉砕手段にボールミル4を用いることで、機器の損耗が大きくなることなしに残骨灰Wを良好に二次粉砕することができるとともに、二次粉砕時における残骨灰Wの飛散も防ぐことができるようになっている。
【0070】
また、ボールミル4におけるドラム体46の回りには、カバー体55が設けられるとともに、このカバー体55に連結された集塵ダクト(図示略)を通してカバー体55内部の粉塵が、集塵装置(図示略)に取り込まれるようになっている。そのため残骨灰Wを粉砕する際に舞い上がる粉塵等の飛散が防止され、残骨灰処理システム周辺の作業環境の悪化も低減されるようになっている。
【0071】
図6に示すように、ドラム体46の下方端側には、残骨灰Wを排出させるために排出口56が形成されており、この排出口56の外方側には、本実施例における閉塞部としての円盤状をなす閉塞板部材57が設けられ、この閉塞板部材57は、脚体45に固定された油圧式のアクチュエータ58により支持されている。アクチュエータ58を駆動させることで閉塞板部材57を可動させることができ、ドラム体46の排出口56を閉塞したり、開放したりすることができる。
【0072】
閉塞板部材57の外周縁にはテーパ面が形成されるとともに、ドラム体46の排出口56の外周縁にもテーパ面が形成されており、閉塞板部材57が、ドラム体46の排出口56に係合されることで、ドラム体46の排出口56が閉塞できる。また、アクチュエータ58の駆動させることで閉塞板部材57と排出口56との間に、ドラム体46に内封されたボール54の直径よりも小さな幅の間隙vを形成することができ、ドラム体46内部で残骨灰Wを二次粉砕しながら粉砕済の残骨灰Wが排出されるようになっている。
【0073】
図6に示す排出口56の下方には、本実施例における回収部としての排出用ホッパー59が配置されており、この排出用ホッパー59は、スクリューコンベア60に連結されている。二次粉砕された残骨灰Wは、排出口56からドラム体46の外部に排出され、排出用ホッパー59によってスクリューコンベア60に供給されて搬送される。スクリューコンベア60はボールミル4の外部まで延設されており、残骨灰Wはスクリューコンベア60の上部に取り付けられたダクト61内を通り振動ふるい機5に搬送される。
【0074】
次に、本実施例の残骨灰処理システムに使用される振動ふるい機5について図7を用いて説明する。図6中の(C)からダクト61を通って搬送された残骨灰Wは、図7に示すように、本実施例における三次分離手段としての振動ふるい機5の内部に供給される。
【0075】
図7に示すように、振動ふるい機5は、円筒形状の架台62の上部に、防振ばね63を介して支持された円筒形状の振動ベース体64を有し、振動ベース体64の上部には、残骨灰Wを供給するための供給口65が形成されている。また、振動ベース体64の内部には、残骨灰Wが供給されるチェンバー66が形成され、このチェンバー66は、ふるい網67によって上下2段に仕切られており、振動ベース体64の側部には、ふるい網67の上方の残骨灰Wを排出させるための上段排出口68と、ふるい網67の下方の残骨灰Wを排出させるための下段排出口69が形成されている。
【0076】
図7に示す振動ふるい機5のふるい網67は、10メッシュ(目開き1.7mm)の細目用の平織網が用いられており、本実施例における三次分離手段を構成している。尚、本実施例では、10メッシュのふるい網67を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらふるい網67としては、ふるい網67の目開きによる三次分離粒径が0.8mm未満(21メッシュ以上)となると、ふるい網67に目詰まりが起こりやすくなり分離効率が低下することとなるし、逆に三次分離粒径が4mm以上(5メッシュ未満)となると、残骨灰処理システムによって処理された寺院に納骨される残骨灰Wが大きな粒径となり、残骨灰Wの体積が増え、寺院における残骨灰Wの保管場所が確保し難くなることから、納骨粒径の大きさは、0.8mm〜4mmの範囲内とするのが好ましい。
【0077】
更に、ふるい網67は織網に限ることなく、小孔が複数形成されたパンチングメタル板部材などを用いてもよく、このパンチングメタル板部材の小孔の内径は、前述の三次分離粒径である0.8mm〜4mmの範囲内ならばいずれの大きさであっても良い。
【0078】
また、図7における振動ベース体64下方には振動体70が固着され、この振動体70の上方には上部ウエイト71が取り付けられるとともに、振動体70の下方には下部ウエイト72が取り付けられている。この振動体70が駆動ばね73を介して従動プーリー74と連結されており、従動プーリー74は、架台62の内部に配置された駆動モータ75に軸支された駆動プーリー76とベルト77を介して連結され、駆動モータ75を駆動させることにより、振動体70が振動されるようになっている。また、上部ウエイト71と下部ウエイト72との平面視における位相配置を変化させることで、ふるい網67の垂直振動及び水平振動の性質を変化させることができ、残骨灰Wに適した振動を与えることができる。
【0079】
駆動モータ75を駆動させて振動ベース体64を振動させることにより、チェンバー66内部に供給された残骨灰Wが、ふるい網67上を移動しながらふるいにかけられ、納骨粒径以上の残骨灰Wは、ふるい網67上に残り振動ベース体64の上段排出口68から排出されるともに、納骨粒径未満の残骨灰Wは、ふるい網67の下方に落下し、納骨粒径以上の残骨灰Wと、納骨粒径未満の残骨灰Wとが分離される三次分離が行なわれるようになっている。
【0080】
尚、本実施例における振動ふるい機5には、1枚のふるい網67によってチェンバー66の内部が上下2段に仕切られていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、目開きの幅が各々異なる複数枚のふるい網67を積層配置し、チェンバー66の内部を複数段に仕切ってもよく、かつ目の粗いふるい網67を上方に配置し、目の細かいふるい網67を下方に配置することによって、各々のふるい網67が目詰まりし難くしたり、三次分離の効率を向上させることができる。
【0081】
このようにして振動ふるい機5によって三次分離された後、納骨粒径未満の残骨灰Wは、振動ふるい機5の下段排出口69よりダクト(図示略)を通って回収袋(図示略)に詰められるようになっている。また、納骨粒径以上の大きさの残骨灰Wは、振動ベース体64の上段排出口68から排出されるようになっており(図7中(D)参照)、上段排出口68から排出された納骨粒径以上の残骨灰Wは、前述した図5に示す本実施例における還流手段としての還流用ホッパー78に供給され(図5中(D)参照)、スクリューコンベア43によって搬送されることで、再び二次粉砕手段であるボールミル4に供給でき、再度二次粉砕されるようになっている。
【0082】
尚、生石灰を分離する二次分離手段にスクリーントラフ3が用いられ、三次分離手段に振動ふるい機5が用いられており、このように各々の分離手段にそれぞれ異なる装置を用いることで、残骨灰Wの処理後において、処理された二次分離粒径未満の生石灰を主に含む残骨灰W中に、過度に粉砕された焼骨が混じり難くなるとともに、処理された納骨粒径未満の残骨灰W中に、多くの生石灰が混じり難くなっている。
【0083】
次に、前述した本実施例における残骨灰処理システムを用いて、残骨灰Wが処理される工程を図8に示すフローチャートに基づいて以下に説明する。
【0084】
先ず、火葬場から搬入された固相状態の残骨灰Wは、図2に示すように、一次粉砕手段としてのトロンメル1におけるドラム体7内部に供給される。トロンメル1の駆動モータ12を駆動させてドラム体7を回転させると、ドラム体7に内封されたボール17がドラム体7の内面で転がり、ドラム体7内部の残骨灰Wに、ボール17が衝突することよって残骨灰Wの一次粉砕が行なわれる(図8、S1)。
【0085】
また、残骨灰W中に含まれる焼骨は、一次粉砕にて金属や貴金属よりも容易に粉砕されて一次分離粒径未満の残骨灰Wとなり、一次分離粒径(10mm〜30mm)の小孔15が多数穿設された一次分離手段としてのパンチングメタル部16から一次分離粒径未満の大きさになった残骨灰Wがドラム体7の外部に排出され、残骨灰Wの一次分離が行なわれる(図8、S2)。
【0086】
一次粉砕工程で良好に粉砕されなかった一次分離粒径以上の大きさの残骨灰Wや、ボール17によって粉砕することができない人工関節やその他の棺桶等に使用される金属等を含む瓦礫類Rは、ドラム体7の下方端側の排出口21からドラム体7の外部に排出される。
【0087】
パンチングメタル部16により一次分離された一次分離粒径未満の残骨灰Wは、図2に示すように、ドラム体7の下方のベルトコンベア25上に落下し、本実施例における着磁石可能金属分離手段としてのマグネティックセパレータ2の下方まで搬送される。マグネティックセパレータ2における永久磁石26の磁力によって残骨灰W中の金属類Mが分離され、残骨灰Wの着磁石可能金属分離が行なわれる(図8、S3)。
【0088】
図5に示すように、金属類Mが分離された残骨灰Wは、本実施例における生石灰分離手段及び二次分離手段としてのスクリーントラフ3に供給される。スクリーントラフ3に設けられた目開きが二次分離粒径(0.8mm〜4mm)のふるい網35によって、二次分離粒径以上の残骨灰Wと、二次分離粒径未満の生石灰を主に含む残骨灰Wとが分離され、残骨灰Wの生石灰分離及び二次分離が行なわれる(図8、S4)。
【0089】
図6に示すように、二次分離粒径以上の残骨灰Wは、本実施例における二次粉砕手段としてのボールミル4の内部に供給される。ボールミル4の駆動モータ51を駆動させてドラム体46を回転させると、ドラム体46に内封されたボール54がドラム体46の内面で転がり、ドラム体46内部の残骨灰Wに、ボール54が衝突することよって残骨灰Wの二次粉砕が行なわれる(図8、S5)。
【0090】
図7に示すように、ボールミル4によって二次粉砕された残骨灰Wは、本実施例における三次分離手段としての振動ふるい機5に供給される。振動ふるい機5に設けられた目開きが納骨粒径(0.8mm〜4mm)のふるい網67によって、納骨粒径以上の残骨灰Wと、納骨粒径未満の残骨灰Wとが分離され、残骨灰Wの三次分離が行なわれる(図8、S6)。
【0091】
納骨粒径未満の残骨灰Wは、寺院等に納骨されるようになっている。納骨粒径以上の残骨灰Wは、本実施例における還流手段としてのスクリューコンベア(図示略)に供給されて再びボールミル4に搬送され、再度二次粉砕されるようになっている。
【0092】
納骨粒径の大きさを0.8〜4mmの範囲とすることで、繰り返し二次粉砕するときに、納骨される残骨灰の体積を大きな処理負荷をかけることなく低減することができるとともに、納骨粒径以上の残骨灰Wが繰返しボールミル4にて二次粉砕されるので、寺院に納骨される残骨灰Wの粒径が納骨粒径未満となり、納骨される残骨灰Wの品位を向上でき、かつ納骨される残骨灰Wの体積を減量化することができ、寺院における保管場所の確保をすることができるようになっている。
【0093】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0094】
例えば、前記実施例では、生石灰を分離する二次分離手段にスクリーントラフ3が用いられ、三次分離手段に振動ふるい機5が用いられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、トロンメル1から搬送される一次分離粒径未満の残骨灰Wのスクリーントラフ3への供給を一時的に停止し、このときにボールミル4によって二次粉砕された残骨灰Wを、スクリーントラフ3に供給させて、スクリーントラフ3を三次分離手段としても使用することもでき、このように二次分離手段と三次分離手段に共通の装置を用いて兼用させることで、残骨灰処理システムに用いられる装置類の数を減らすようにしても良い。
【0095】
また、前記実施例では、一次粉砕手段と一次分離手段とを、単一の装置であるトロンメル1にて形成することで、一次粉砕と一次分離とを同時に実施できる構成とし、効率良く処理を実施できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、一次粉砕手段と一次分離手段とをそれぞれ別体の装置として形成しても良い。例えば、一次粉砕手段としてボールミル型の粉砕装置を用いるとともに、該一次粉砕手段のボールミル型の粉砕装置と別体として設けられたふるい機を一次分離手段として用いるようにし、火葬場から搬入された残骨灰Wを一次粉砕手段のボールミル型の粉砕装置にて一次粉砕を行なった後に、該一次粉砕後の残骨灰Wを一次分離手段のふるい機に供給して一次分離を実施するようにしても良い。このように一次粉砕と一次分離とを各々個別の装置にて実施することで、火葬場から搬入される残骨灰Wの状態に応じて、一次粉砕と一次分離にかかる各々の時間を変えるようにしても良いし、繰り返して一次粉砕を行なったり、繰り返して一次分離を行なったりしても良い。
【0096】
また、前記実施例では、一次粉砕手段としてボールミル型の粉砕装置と同一構成であるドラム体7及びボール17を備えるトロンメル1を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら一次粉砕手段としては、その他の粉砕方法に基づく装置、例えばロールミル型等の粉砕装置を単体、或いは前記ボールミル型の粉砕装置等を組み合わせて使用するようにしても良い。
【0097】
更に、前記実施例では、二次粉砕手段としてボールミル4を用いているが、これら二次粉砕手段も一次粉砕手段と同様に、ボールミル4以外のその他の粉砕方法に基づく装置、例えばロールミル型等の粉砕装置を単体、或いは前記ボールミル型の粉砕装置等を組み合わせて使用するようにしても良い。
【0098】
また、前記実施例では、一次分離手段として1つの分離装置であるトロンメル1(ドラム体7及びパンチングメタル部16)が用いられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の分離装置を用いて一次分離手段を構成しても良い。更に、生石灰分離手段及び二次分離手段として1つの分離装置であるスクリーントラフ3を用いていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の分離装置を用いて生石灰分離手段及び二次分離手段を構成しても良いし、1つの分離装置のみならず複数の分離装置を用いて生石灰分離手段及び二次分離手段を構成しても良い。尚、三次分離手段として1つの分離装置である振動ふるい機5を用いていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の分離装置を用いて三次分離手段を構成しても良いし、1つの分離装置のみならず複数の分離装置を用いて三次分離手段を構成しても良い。
【0099】
また、前記実施例では、生石灰分離手段及び二次分離手段としてふるい網35が設けられたスクリーントラフ3が用いられるとともに、三次分離手段としてふるい網67が設けられた振動ふるい機5が用いられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、生石灰分離手段や二次分離手段や三次分離手段として、風力を利用して大きさの異なる粉体を分離するサイクロン式の分離装置を用いても良いし、遠心力を用いた分離装置などのその他の分離装置を用いても良い。
【0100】
また、前記実施例では、個別の装置である、一次粉砕手段と一次分離手段を構成するトロンメル1と、着磁可能金属分離手段を構成するマグネティックセパレータ2と、生石灰分離手段及び二次分離手段を構成するスクリーントラフ3と、二次粉砕手段を構成するボールミル4と、三次分離手段を構成する振動ふるい機5とにより残骨灰処理システムを構築しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら複数の装置類における機構を単一の装置内に設け、残骨灰処理システムを構成する全ての手段を、1つの装置として構築しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】残骨灰処理システムを示すシステムブロック図である。
【図2】トロンメルを示す縦断正面図である。
【図3】図2におけるトロンメルを示すIII−III縦断側面図である。
【図4】図2におけるマグネティックセパレータを示すIV−IV縦断側面図である。
【図5】スクリーントラフを示す縦断正面図である。
【図6】ボールミルを示す縦断正面図である。
【図7】振動ふるい機を示す縦断正面図である。
【図8】残骨灰処理システムにおける処理内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0102】
1 トロンメル(一次粉砕手段、一次分離手段)
2 マグネティックセパレータ(着磁可能金属分離手段)
3 スクリーントラフ(生石灰分離手段、二次分離手段)
4 ボールミル(二次粉砕手段)
5 振動ふるい機(三次分離手段)
6 脚体
7 ドラム体(一次粉砕手段、一次分離手段)
8 レール部
9 係合ローラ
10 シャフト
11 チェーン
12 駆動モータ(駆動部)
13 供給口(供給部)
14 供給用ホッパー
15 小孔(一次分離手段)
16 パンチングメタル部(一次分離手段)
17 ボール(一次粉砕手段、球体)
18 カバー体
19 仕切板
20 支持部材
21 排出口
22 排出用ホッパー
23 回収箱(回収部)
24 ガイドカバー
25 ベルトコンベア(収集部)
26 永久磁石(着磁可能金属分離手段)
27 ベルト
28 回収箱
29 バケットエレベータ
30 ダクト
31 脚体
32 防振ばね
33 箱体
34 供給口
35 ふるい網(生石灰分離手段、二次分離手段)
36 上段排出口
37 下段排出口
38 翼板
39 振動モータ
40 ダクト
41 回収袋
42 ダクト
43 スクリューコンベア
44 ダクト
45 脚体
46 ドラム体(二次粉砕手段)
47 レール部
48 係合ローラ
49 シャフト
50 チェーン
51 駆動モータ(駆動部)
52 供給口(供給部)
53 供給用ホッパー
54 ボール(二次粉砕手段、球体)
55 カバー体
56 排出口
57 閉塞板部材(閉塞部)
58 アクチュエータ
59 排出用ホッパー(回収部)
60 スクリューコンベア
61 ダクト
62 架台
63 防振ばね
64 振動ベース体
65 供給口
66 チェンバー
67 ふるい網(三次分離手段)
68 上段排出口
69 下段排出口
70 振動体
71 上部ウエイト
72 下部ウエイト
73 駆動ばね
74 従動プーリー
75 駆動モータ
76 駆動プーリー
77 ベルト
78 還流用ホッパー(還流手段)
d、v 間隙
M 金属類
R 瓦礫類
W 残骨灰

【特許請求の範囲】
【請求項1】
残骨灰を一次粉砕する一次粉砕手段と、
前記一次粉砕手段にて一次粉砕された残骨灰を所定の一次分離粒径以上の残骨灰と該一次分離粒径未満の残骨灰とに分離する一次分離手段と、
前記一次分離手段にて分離された一次分離粒径未満の残骨灰中に含まれる少なくとも着磁可能な金属を磁石により吸着して残骨灰から分離する着磁可能金属分離手段と、
前記一次分離手段にて分離された一次分離粒径未満の残骨灰中に含まれる生石灰を主に含む粉体を分離する生石灰分離手段と、
を備えることを特徴とする残骨灰処理システム。
【請求項2】
前記生石灰分離手段が、前記着磁可能金属分離手段にて着磁可能な金属が取り除かれた前記一次分離手段にて分離された一次分離粒径未満の残骨灰を、前記一次分離粒径よりも小さな粒径である二次分離粒径以上の残骨灰と該二次分離粒径未満の生石灰を主に含む残骨灰とに分離する二次分離手段にて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の残骨灰処理システム。
【請求項3】
前記二次分離粒径の大きさが、0.8〜4mmの範囲であることを特徴とする請求項2に記載の残骨灰処理システム。
【請求項4】
前記生石灰分離手段にて生石灰を主に含む粉体が取り除かれた前記一次分離粒径未満の残骨灰を二次粉砕する二次粉砕手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の残骨灰処理システム。
【請求項5】
前記二次粉砕手段が、回動可能に一方端側に傾斜配置され、両端に開口を有する円筒状のドラム体と、該ドラム体内に可動可能に内封された球体と、前記ドラム体を回動させるための駆動部と、前記傾斜配置されたドラム体内に該ドラム体の上方端側から前記一次分離粒径未満の残骨灰を供給する供給部と、前記ドラム体の下方端側の開口を閉塞する閉塞部と、該閉塞部とドラム体との間隙より流出する二次粉砕済みの残骨灰を回収する回収部を備えるボールミル装置にて形成されていることを特徴とする請求項4に記載の残骨灰処理システム。
【請求項6】
前記二次粉砕後の残骨灰を前記一次分離粒径よりも小さな粒径である納骨粒径以上の残骨灰と該納骨粒径未満の残骨灰とに分離する三次分離手段と、該三次分離手段にて分離された納骨粒径以上の残骨灰を、前記二次粉砕手段に戻して再度二次粉砕する環流手段を備えることを特徴とする請求項4または5に記載の残骨灰処理システム。
【請求項7】
前記納骨粒径の大きさが、0.8〜4mmの範囲であることを特徴とする請求項6に記載の残骨灰処理システム。
【請求項8】
前記一次粉砕手段並びに一次分離手段が、回動可能に一方端側に傾斜配置され、両端に開口を有するとともにその外周に一次分離粒径の孔が穿設された円筒状のドラム体と、該ドラム体内に可動可能に内封された球体と、前記ドラム体を回動させるための駆動部と、前記傾斜配置されたドラム体内に該ドラム体の上方端側から残骨灰を供給する供給部と、該一次分離粒径の孔からドラム体外に排出された一次分離粒径未満の残骨灰を収集する収集部と、前記ドラム体を通過して傾斜配置されたドラム体の下方端側からドラム体外に排出される一次分離粒径以上の残骨灰を回収する回収部とを備える一次処理装置にて形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の残骨灰処理システム。
【請求項9】
前記一次分離粒径の大きさが10〜30mmの範囲であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の残骨灰処理システム。
【請求項10】
残骨灰を一次粉砕する一次粉砕工程と、
前記一次粉砕工程にて一次粉砕された残骨灰を所定の一次分離粒径以上の残骨灰と該一次分離粒径未満の残骨灰とに分離する一次分離工程と、
前記一次分離工程にて分離された一次分離粒径未満の残骨灰中に含まれる少なくとも着磁可能な金属を磁石により吸着して残骨灰から分離する着磁可能金属分離工程と、
前記一次分離工程にて分離された一次分離粒径未満の残骨灰中に含まれる生石灰を主に含む粉体を分離する生石灰分離工程と、
を含むことを特徴とする残骨灰処理方法。
【請求項11】
前記生石灰分離工程が、前記着磁可能金属分離工程にて着磁可能な金属が取り除かれた前記一次分離工程にて分離された一次分離粒径未満の残骨灰を、前記一次分離粒径よりも小さな粒径である二次分離粒径以上の残骨灰と該二次分離粒径未満の生石灰を主に含む残骨灰とに分離する二次分離工程にて形成されていることを特徴とする請求項10に記載の残骨灰処理方法。
【請求項12】
前記二次分離粒径の大きさが、0.8〜4mmの範囲であることを特徴とする請求項11に記載の残骨灰処理方法。
【請求項13】
前記生石灰分離工程にて生石灰を主に含む粉体が取り除かれた前記一次分離粒径未満の残骨灰を二次粉砕する二次粉砕工程を含むことを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の残骨灰処理方法。
【請求項14】
前記二次粉砕後の残骨灰を前記一次分離粒径よりも小さな粒径である納骨粒径以上の残骨灰と該納骨粒径未満の残骨灰とに分離する三次分離工程と、該三次分離工程にて分離された納骨粒径以上の残骨灰を前記二次粉砕工程に戻して再度二次粉砕することを特徴とする請求項13に記載の残骨灰処理方法。
【請求項15】
前記納骨粒径の大きさが、0.8〜4mmの範囲であることを特徴とする請求項14に記載の残骨灰処理方法。
【請求項16】
前記一次分離粒径の大きさが10〜30mmの範囲であることを特徴とする請求項10〜15のいずれかに記載の残骨灰処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−35074(P2006−35074A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−217816(P2004−217816)
【出願日】平成16年7月26日(2004.7.26)
【出願人】(504285578)
【Fターム(参考)】