説明

殺虫および殺線虫性ジフルオロアルケン誘導体

無脊椎有害生物を防除するために有用である、式I
【化1】


[式中、
QはQ−1またはQ−2であり;
【化2】


YはH、F、ClまたはCHであり;
AはCN、C−Cアルキル、OR1a、SR1a、NR1a2aまたはCONR1b2bであり;
ZはO、SまたはNRであり;
WはNまたはCRであり;そして
、J、R1a、R2a、R1b、R2b、R、R、R10およびnは本開示に定義された通りである]の化合物、そのN−オキシド、またはその適する塩が開示される。また、無脊椎有害生物またはその環境を式(I)の化合物、そのN−オキシドまたはその化合物の適する塩(例えば、本明細書に記載の組成物のような)の生物学的に有効な量と接触させることを含んでなる、無脊椎有害生物の防除方法も開示される。また本発明は、式(I)の化合物、そのN−オキシドまたはその化合物の適する塩の生物学的に有効な量と、界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤よりなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分とを含んでなる、無脊椎有害生物の防除のための組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、以下に記載されるそれらの使用を含む農業的および非農業的使用に適する特定のフルオロブテニル化合物、それらのN−オキシド、塩および組成物、ならびに農業的および非農業的環境の両方における無脊椎有害生物の防除のためのそれらの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高い作物効率を達成するために、無脊椎有害生物の防除は極めて重要である。成長中の農作物および貯蔵された農作物に及ぼす無脊椎有害生物による損害は、生産性の著しい減少を引き起こす可能性があり、それによって消費者に費用増加をもたらす可能性がある。林業、温室作物、装飾物、苗作物、貯蔵食品、繊維製品、家畜、家庭用品、芝生、木材製品、ならびに公衆衛生および動物の健康においても無脊椎有害生物の防除は重要である。これらの目的のための多くの製品が市販品として入手可能であるが、より有効であり、費用が低く、毒性が低く、環境的に安全であるか、または異なる作用形態を有する新規化合物に対する必要性が存続している。
【0003】
(特許文献1)は、除草剤または殺線虫剤としての式iのトリフルオロブテニルチオ尿素を開示する。
【0004】
【化1】

【0005】
[式中、特に、Xはフェニルイミノ、クロロフェニルイミノまたはC−Cアルキルイミノであり;そしてRはC−C10アルキルアミノ、C−C20ジアルキルアミノまたはアルキルチオである]
【0006】
PCT特許公報(特許文献2)は、殺線虫活性および駆虫活性を示す式iiのトリフルオロブテニルチオ炭酸エステルを開示する。
【0007】
【化2】

【0008】
[式中、特に、XはNRまたはSであり;YはSRまたはNRであり;Rはアルキルまたはハロアルキルであり;Rはアルキルまたはシアノであり;RはHまたはアルキルであり;そしてRはフェニルまたはピリジニルである]
【0009】
(特許文献3)は、殺線虫剤、殺虫剤、殺ダニ剤または殺菌・殺カビ剤としての式iiiのジフルオロブテニルピリミジンを開示する。
【0010】
【化3】

【0011】
[式中、特に、R、RおよびRはそれぞれ独立してH、ハロゲン、アルキル、場合により置換されていてもよいアリールである]
【0012】
【特許文献1】米国特許第3,510,503号明細書
【特許文献2】国際公開第88/00183号パンフレット
【特許文献3】国際公開第94/06777号パンフレット
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、全ての幾何異性体および立体異性体を含む式Iの化合物、それらのN−オキシド、それらの農業的もしくは非農業的に適する塩、それらを含有する農業用および非農業用組成物ならびに無脊椎有害生物を防除するためのそれらの使用に関する。
【0014】
【化4】

【0015】
[式中、
QはQ−1またはQ−2であり;
【0016】
【化5】

【0017】
YはH、F、ClまたはCHであり;
AはCN、C−Cアルキル、OR1a、SR1a、NR1a2aまたはCONR1b2bであり;
ZはO、SまたはNRであり;
WはNまたはCRであり;
およびJはそれぞれ場合により1個のGによって置換されていてもよく且つそれぞれ場合により1個もしくはそれ以上のRによって置換されていてもよいC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルアルキル、C−Cアルコキシ、C−CアルコキシカルボニルまたはC−Cアルキルカルボニルであるか;あるいは
およびJはG、NO、CN、OH、NR、CONR、OCONR、C−Cアルキルスルホニル、C(O)GまたはS(O)Gであり;
各Gは独立して各環または環系が場合により1〜5個のRによって置換されていてもよいフェニル環、ナフチル環系、5員もしくは6員の芳香族複素環または芳香族8員、9員もしくは10員の縮合ヘテロビシクロ環系であり;
1aおよびR1bはH;G;CN;またはそれぞれ場合によりG、ハロゲン、CN、NO、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、C−Cアルキルスルフィニル、C−Cアルキルスルホニル、C−Cアルコキシカルボニル、C−Cアルキルアミノ、C−CジアルキルアミノおよびC−Cシクロアルキルアミノよりなる群から選択される1個もしくはそれ以上の置換基によって置換されていてもよいC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキルアルキルであり;
2aおよびR2bはH;またはそれぞれ場合によりハロゲン、CN、NO、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、C−Cアルキルスルフィニル、C−Cアルキルスルホニル、C−Cアルコキシカルボニル、C−Cアルキルアミノ、C−CジアルキルアミノおよびC−Cシクロアルキルアミノよりなる群から選択される1個もしくはそれ以上の置換基によって置換されていてもよいC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキルアルキルであるか;あるいは
1aおよびR2aまたはR1bおよびR2bはそれらが結合している窒素と一緒になって、2〜5個の炭素原子を含有し且つ場合により窒素、硫黄もしくは酸素のうちの1個の追加の原子を含有していてもよい環を形成し、該環は場合により1〜2個のRによって置換されていてもよく;
はH、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキルアルキルであり;
はH、C−CアルキルまたはCNであるか;あるいは
は場合により1〜5個のRによって置換されていてもよいフェニル環であり;
各Rは独立してハロゲン、CN、NO、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cハロアルケニル、C−Cハロアルキニル、C−Cハロシクロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、C−Cアルキルチオ、C−Cアルキルスルフィニル、C−Cアルキルスルホニル、C−Cハロアルキルチオ、C−Cハロアルキルスルフィニル、C−Cハロアルキルスルホニル、C−Cアルキルアミノ、C−Cジアルキルアミノ、C−Cシクロアルキルアミノ、C−CアルキルカルボニルまたはC−Cアルコキシカルボニルであり;
およびRはそれぞれ独立してH;またはそれぞれ場合によりハロゲンによって置換されていてもよいC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−CアルキルカルボニルまたはC−Cアルコキシカルボニルであるか;あるいは
およびRはそれらが結合している窒素と一緒になって、2〜5個の炭素原子を含有し且つ場合により窒素、硫黄もしくは酸素のうちの1個の追加の原子を含有していてもよい環を形成し、該環は場合によりハロゲンによって置換されていてもよく;
各Rは独立してハロゲン、CN、NO、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cハロアルケニル、C−Cハロアルキニル、C−Cハロシクロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、C−Cアルキルチオ、C−Cアルキルスルフィニル、C−Cアルキルスルホニル、C−Cハロアルキルチオ、C−Cハロアルキルスルフィニル、C−Cハロアルキルスルホニル、C−Cアルキルアミノ、C−Cジアルキルアミノ、C−Cシクロアルキルアミノ、C−CアルキルカルボニルまたはC−Cアルコキシカルボニルであるか;あるいは
各Rは独立して各環が場合により1〜5個のRによって置換されていてもよいフェノキシ環またはフェニル環であり;
10はH;またはそれぞれ場合によりハロゲン、CN、NO、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、C−Cアルキルスルフィニル、C−Cアルキルスルホニル、C−Cアルコキシカルボニル、C−Cアルキルアミノ、C−CジアルキルアミノおよびC−Cシクロアルキルアミノよりなる群から選択される1個もしくはそれ以上の置換基によって置換されていてもよいC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキルアルキルであるか;あるいは
10はC−Cアルキルチオ、CN、CO12、CONR1213または場合により1〜5個のR11によって置換されていてもよいフェニルであり;
各R11は独立してハロゲン、CN、NO、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cハロアルケニル、C−Cハロアルキニル、C−Cハロシクロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、C−Cアルキルチオ、C−Cアルキルスルフィニル、C−Cアルキルスルホニル、C−Cハロアルキルチオ、C−Cハロアルキルスルフィニル、C−Cハロアルキルスルホニル、C−Cアルキルアミノ、C−Cジアルキルアミノ、C−Cシクロアルキルアミノ、C−CアルキルカルボニルまたはC−Cアルコキシカルボニルであり;
12およびR13はそれぞれ独立してHまたはC−Cアルキルであり;そして
nは1、3または5であり;
ただし
(1)YがFであり、ZがSであり、nが1であり、AがSR1a、NR1a2aであり、そしてWがNである場合、Jはアルキル、G、CNまたはシクロアルキル以外であり;
(2)Jは3−(4−トリフルオロメチル)ピリジニルカルボニルまたはそのN−オキシド以外であり;
(3)R10がH、メチル、エチル、フェニルまたは4−フルオロフェニルであり、そしてJがRによって置換されたフェニルである場合、Rは2−フルオロエトキシ以外であり;
(4)ZがNHであり、WがNであり、そしてAがSR1aである場合、Jは2位および6位でアルキルまたはシクロアルキルによって置換されたフェニル以外であり;そして
(5)ZがNRであり、WがNまたはCHであり、AがNR1a2aであり、そしてR1aまたはR2aがHまたはアルキルである場合、JはCNまたはNO以外である]
【0018】
また本発明は、生物学的に有効な量の式Iの化合物、そのN−オキシド、またはその農業的もしくは非農業的に適する塩と、界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤よりなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分とを含んでなる、無脊椎有害生物を防除するための組成物であって、場合により、有効量の少なくとも1種の追加の生物学的に活性な化合物または薬剤をさらに含んでなっていてもよい組成物も提供する。
【0019】
また本発明は、無脊椎有害生物またはその環境を生物学的に有効な量の式Iの化合物、そのN−オキシド、またはその農業的もしくは非農業的に適する塩と、あるいは生物学的に有効な量の式Iの化合物、そのN−オキシド、またはその農業的もしくは非農業的に適する塩、ならびに界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤よりなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分を含んでなる組成物であって、場合により、有効量の少なくとも1種の追加の生物学的に活性な化合物または薬剤をさらに含んでなっていてもよい組成物と接触させることを含んでなる、無脊椎有害生物の防除方法も提供する。
【0020】
さらに本発明は、式Iの化合物、そのN−オキシド、またはその農業的もしくは非農業的に適する塩、あるいは上記組成物および噴射剤を含んでなる噴霧組成物を提供する。また本発明は、式Iの化合物、そのN−オキシド、またはその適する塩、1種もしくはそれ以上の食物材料、場合により誘引剤、および場合により保湿剤を含んでなる餌料組成物も提供する。さらに本発明は、該餌料組成物と、該餌料組成物を受け取るように構成されたハウジングとを含んでなる、無脊椎有害生物の防除装置を提供する。ここで、ハウジングは、ハウジングの外側の位置から無脊椎有害生物が該餌料組成物に接近することができるように、無脊椎有害生物が開口を通過可能であるサイズに作られた少なくとも1個の開口を有し、そしてハウジングは、無脊椎有害生物の潜在的もしくは既知の活性位置に、またはその付近に配置されるようにさらに構成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本明細書に使用される場合、用語「含んでなる」、「含んでなっている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」、「含有する」もしくは「含有している」またはそれらの他のいずれかの変形は、非排他的包含を包括するように意図される。例えば、要素のリストを含んでなる組成物、混合物、プロセス、方法、物品または装置はそれらの要素のみに必ず限定されるのではなく、明白に記載されていないか、またはかかる組成物、混合物、プロセス、方法、物品もしくは装置に固有である他の要素を含んでもよい。さらに、それとは反対の記載が明白にされない限り、「あるいは、または、もしくは」は包含的論理和を指し、そして排他的論理和を指さない。例えば、条件AまたはBは以下のいずれか1つによって満たされる:Aが真であり(または存在する)、そしてBが偽である(または存在しない)。Aが偽であり(または存在しない)、そしてBが真である(または存在する)。ならびにAおよびBの両方が真である(または存在する)。
【0022】
また本発明の要素または構成成分を先行する不定冠詞「a」および「an」は、要素または構成成分の実例の数(すなわち、発生数)に関して非限定的であるように意図される。従って、「a」または「an」は1または少なくとも1を含むように読解されるべきであり、そして数が明らかに単数を意味しない限り、要素または構成成分の単数形は複数も含む。例えば、本発明の組成物は生物学的に有効な量の式Iの化合物を含んでなり、これは、組成物が1種もしくは少なくとも1種の式Iの化合物を含むことと読解される。
【0023】
上記において、単独または「アルキルチオ」もしくは「ハロアルキル」のような組み合わせられた単語のいずれかで使用される用語「アルキル」としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピルまたは種々のブチル、ペンチルもしくはヘキシル異性体のような直鎖または分枝鎖アルキルが挙げられる。「アルケニル」としては、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、ならびに種々のブテニル、ペンテニルおよびヘキセニル異性体のような直鎖または分枝鎖アルケンが挙げられる。「アルケニル」としては、1,2−プロパジエニルおよび2,4−ヘキサジエニルのようなポリエンも挙げられる。「アルキニル」としては、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、ならびに種々のブチニル、ペンチニルおよびヘキシニル異性体のような直鎖または分枝鎖アルキンが挙げられる。「アルキニル」としては、2,5−ヘキサジイニルのような複数の三重結合から構成される部分も挙げることができる。「アルコキシ」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ならびに種々のブトキシ、ペントキシおよびヘキシルオキシ異性体が挙げられる。「アルキルチオ」としては、メチルチオ、エチルチオ、ならびに種々のプロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオおよびヘキシルチオ異性体のような分枝鎖または直鎖アルキルチオ部分が挙げられる。「アルキルスルフィニル」としては、アルキルスルフィニル基の両エナンチオマーが挙げられる。「アルキルスルフィニル」の例としては、CHS(O)、CHCHS(O)、CHCHCHS(O)、(CHCHS(O)ならびに種々のブチルスルフィニル、ペンチルスルフィニルおよびヘキシルスルフィニル異性体が挙げられる。「アルキルスルホニル」の例としては、CHS(O)、CHCHS(O)、CHCHCHS(O)、(CHCHS(O)ならびに種々のブチルスルホニル、ペンチルスルホニルおよびヘキシルスルホニル異性体が挙げられる。「アルキルアミノ」、「ジアルキルアミノ」等は上記例と同様に定義される。「シクロアルキル」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。「シクロアルキルアルキル」の例としては、シクロプロピルメチル、シクロペンチルエチルおよび直鎖または分枝鎖アルキル基に結合された他のシクロアルキル部分が挙げられる。用語「シクロアルキルアミノ」としては、シクロペンチルアミノおよびシクロヘキシルアミノのような窒素原子を通して連結されたシクロアルキル基が挙げられる。
【0024】
「アルキルカルボニル」の例としては、CHC(O)、CHCHCHC(O)および(CHCHC(O)が挙げられる。「アルコキシカルボニル」の例としては、CHOC(=O)、CHCHOC(=O)、CHCHCHOC(=O)、(CHCHOC(=O)および種々のブトキシ−またはペントキシカルボニル異性体が挙げられる。
【0025】
用語「芳香族複素環」は、少なくとも1個の環原子が炭素以外であり、そして窒素、酸素および硫黄よりなる群から独立して選択されるヘテロ原子を1〜4個含んでなるが、ただし各複素環が4個以下の窒素、2個以下の酸素および2個以下の硫黄を含有する完全芳香族複素環を意味する(芳香族とは、ヒュッケル則(Hueckel rule)に従うことを示す)。用語「芳香族多環系」は、炭素環および複素環を含んでなり、多環系の少なくとも1個の環が芳香族である多環系を意味する(芳香族とは、ヒュッケル則(Hueckel rule)に従うことを示す)。用語「芳香族ヘテロビシクロ環系」は、少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、そしてビシクロ環系の少なくとも1個の環が芳香族であるビシクロ環を意味する(芳香族とは、ヒュッケル則(Hueckel rule)に従うことを示す)。芳香族複素環または芳香族ビシクロ環系は、利用可能な炭素または窒素上の水素の置換によって炭素または窒素を通して結合可能である。
【0026】
用語「ハロゲン」としては、単独または「ハロアルキル」のような組み合わせられた単語のいずれかで、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素が挙げられる。さらに「ハロアルキル」のような組み合わせられた単語で使用される場合、前記アルキルは、同一であっても、または異なっていてもよいハロゲン原子により部分的または完全に置換されていてよい。「ハロアルキル」の例としては、FC、ClCH、CFCHおよびCFCClが挙げられる。用語「ハロアルケニル」、「ハロアルキニル」、「ハロアルコキシ」、「ハロアルキルチオ」等は、用語「ハロアルキル」と同様に定義される。「ハロアルケニル」の例としては、(Cl)C=CHCHおよびCFCHCH=CHCHが挙げられる。「ハロアルキニル」の例としては、HC≡CCHCl、CFC≡C、CClC≡CおよびFCHC≡CCHが挙げられる。「ハロアルコキシ」の例としては、CFO、CClCHO、HCFCHCHOおよびCFCHOが挙げられる。「ハロアルキルチオ」の例としては、CClS、CFS、CClCHSおよびClCHCHCHSが挙げられる。「ハロアルキルスルフィニル」の例としては、CFS(O)、CClS(O)、CFCHS(O)およびCFCFS(O)が挙げられる。「ハロアルキルスルホニル」の例としては、CFS(O)、CClS(O)、CFCHS(O)およびCFCFS(O)が挙げられる。
【0027】
置換基中の全炭素原子数を接頭辞「C−C」で表し、ここで、iおよびjは1〜8の数である。例えば、C−Cアルキルスルホニルはメチルスルホニルからブチルスルホニルを示し;Cシクロアルキルアルキルはシクロプロピルメチルを示し;Cシクロアルキルアルキルは、例えばシクロプロピルエチルまたはシクロブチルメチルを示し;そしてCシクロアルキルアルキルは、総数6個の炭素原子を含有するアルキル基によって置換された種々の環サイズのシクロアルキル基を示し、例としてはシクロペンチルメチル、1−シクロブチルエチル、2−シクロブチルエチルおよび2−シクロプロピルプロピルが挙げられる。上記において、式Iの化合物が1個もしくはそれ以上の複素環から構成される場合、いずれかの利用可能な炭素または窒素を通して、前記炭素または窒素上の水素を置換することによって全ての置換基がこれらの環に結合されている。
【0028】
例えば、RまたはRに関して、水素であり得る置換基を基が含有する場合、この置換基は水素として取られ、これは未置換である前記基に等しいことが認識される。
【0029】
窒素はオキシドへの酸化に利用可能な孤立電子対を必要とすることから、全ての窒素含有複素環がN−オキシドを形成し得ないことを当業者は認識し、N−オキシドを形成できるそれらの窒素含有複素環を当業者は認識するだろう。第三級アミンがN−オキシドを形成し得ることも当業者は認識するだろう。複素環および第三級アミンのN−オキシドの製造に関する合成法は当業者に周知であり、過酢酸およびm−クロロ過安息香酸(MCPBA)のようなペルオキシ酸、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシドのようなアルキルヒドロペルオキシド、過ホウ酸ナトリウム、ならびにジメチルジオキシランのようなジオキシランによる複素環および第三級アミンの酸化を含む。これらのN−オキシドの製造方法は文献に広く記載されており、概説されている。例えば、T.L.ギルクリスト(T.L.Gilchrist)著、コンプリヘンシブ オーガニック シンテシス(Comprehensive Organic Synthesis)、第7巻、第748〜750頁、S.V.レイ(S.V.Ley)編、ペルガモン プレス(Pergamon Press);M.ティスラー(M.Tisler)およびB.スタノウニコ(B.Stanovnik)著、コンプリヘンシブ ヘテロサイクリック ケミストリー(Comprehensive Heterocyclic Chemistry)、第3巻、第18〜20頁、A.J.ボウルトン(A.J.Boulton)およびA.マクキロップ(A.McKillop)編、ペルガモン プレス(Pergamon Press);M.R.グリムメット(M.R.Grimmett)およびB.R.T.ケーン(B.R.T.Keene)著、アドバンシス イン ヘテロサイクリック ケミストリー(Advances in Heterocyclic Chemistry)、第43巻、第149〜161頁、A.R.カトリッキー(A.R.Katritzky)編、アカデミック プレス(Academic Press);M.ティスラー(M.Tisler)およびB.スタノウニコ(B.Stanovnik)著、アドバンシス イン ヘテロサイクリック ケミストリー(Advances in Heterocyclic Chemistry)、第9巻、第285〜291頁、A.R.カトリッキー(A.R.Katritzky)およびA.J.ボウルトン(A.J.Boulton)編、アカデミック プレス(Academic Press);ならびにG.W.H.チーズマン(G.W.H.Cheeseman)およびE.S.G.ウェルスティク(E.S.G.Werstiuk)著、アドバンシス イン ヘテロサイクリック ケミストリー(Advances in Heterocyclic Chemistry)、第22巻、第390〜392頁、A.R.カトリッキー(A.R.Katritzky)およびA.J.ボウルトン(A.J.Boulton)編、アカデミック プレス(Academic Press)を参照のこと。
【0030】
本発明の化合物は、1個もしくはそれ以上の立体異性体として存在することも可能である。様々な立体異性体としては、エナンチオマー、ジアステレオマー、アトロプ異性体および幾何異性体が挙げられる。他の立体異性体に関して濃縮された場合、または他の立体異性体から分離された場合、1種の立体異性体がより活性であり得、そして/または有利な効果を示し得ることを当業者は認識するだろう。加えて、当業者は、前記立体異性体をいかにして分離するか、濃縮するか、そして/または選択的に製造するかを知っている。従って、本発明は、式Iから選択される化合物、それらのN−オキシドおよび農業的もしくは非農業的に適する塩を含んでなる。本発明の化合物は、立体異性体の混合物として、個々の立体異性体として、または光学的に活性な形態として存在してもよい。
【0031】
本発明の化合物の農業的および非農業的に適する塩としては、臭化水素酸、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、酢酸、酪酸、フマル酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、オキサル酸、プロピオン酸、サリチル酸、酒石酸、4−トルエンスルホン酸または吉草酸のような無機または有機酸による酸付加塩が挙げられる。化合物がカルボン酸のような酸基またはフェノールを含む場合、本発明の化合物の農業的および非農業的に適する塩としては、有機塩基(例えば、ピリジンまたはトリエチルアミン)あるいは無機塩基(例えば、アンモニア、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムまたはバリウムの水素化物、水酸化物または炭酸塩)により形成されたものも挙げられる。
【0032】
用語「場合により置換されていてもよい」は、J、J、G、R1a、R1b、R2a、R2b、R、R、R、R、R10基に関連して、未置換であるか、または未置換の類似体が有する無脊椎有害生物の防除活性を失活させない水素以外の置換基を少なくとも1個有する基を指す。1個もしくはそれ以上の置換基によって置換された基は、基上の1個もしくはそれ以上の水素が置換基によって置換可能であることを意味する。従って、基の水素数は限定されるため、可能な置換基の数は限定される。
【0033】
場合により1個もしくはそれ以上のRによって置換されていてもよいフェニルの例は提示1においてU−1として説明される環であり、ここではRはHまたはRであり、そしてrは1〜5の整数である。場合により1〜5個のRによって置換されていてもよいナフチル基の例は提示1においてU−85として説明される環であり、ここではRはHまたはRであり、そしてrは1〜5の整数である。場合によりRによって置換されていてもよい5員もしくは6員の芳香族複素環の例としては提示1に説明される環U−2〜U−53が挙げられ、ここではRはHまたはRであり、そしてrは環上の水素数によって限定された1〜5の整数である。場合により1〜5個のRによって置換されていてもよい芳香族8員、9員もしくは10員の縮合ヘテロビシクロ環系の例としては提示1に説明される環U−54〜U−84が挙げられ、置換可能な水素数が5より大きく、ここではRはHまたはRであり、そしてRの数はrの定義によって限定され、そしてrは1〜5の整数である。
【0034】
構造U−1〜U−85においてR基が示されるが、それらは任意の置換基であるため、存在する必要はないことは注目されるべきである。原子への結合時にRがHである場合、これは前記原子が未置換であることと同一であることは注目されるべきである。それらの原子価を充填するために置換を必要とする窒素原子は、HまたはRによって置換される。ここで注目すべき点は、いくつかのU基は、4未満のR基によってのみ置換され得ることである(例えば、U−14、U−15、U−18〜U−21およびU−32〜U−34は、1個のRによってのみ置換され得る)。ここで注目すべき点は、(RとU基との間の結合点が固定されていない状態で図示される場合、(RはU基のいずれかの利用可能な炭素原子に結合可能であることである。ここで注目すべき点は、U基上の結合点が固定されていない状態で図示される場合、U基のいずれかの利用可能な炭素を通して、水素原子を置換することにより、U基は式Iの残りの部分に結合可能であることである。
【0035】
【化6】

【0036】
【化7】

【0037】
【化8】

【0038】
本発明の実施形態としては以下が挙げられる。
実施形態1.QがQ−1である式Iの化合物。
【0039】
実施形態2.QがQ−2である式Iの化合物。
【0040】
実施形態3.Jが、それぞれ場合により1個のGによって置換されていてもよく、そしてそれぞれ場合により1個もしくはそれ以上のRによって置換されていてもよいC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルアルキル、C−Cアルコキシ、C−CアルコキシカルボニルまたはC−Cアルキルカルボニルである式Iの化合物。
【0041】
実施形態4.Jが、それぞれ場合により1個もしくはそれ以上のRによって置換されていてもよいC−CアルコキシまたはC−Cアルコキシカルボニルである実施形態3の化合物。
【0042】
実施形態5.JがG、NO、CN、OH、NR、CONR、C−Cアルキルスルホニル、C(O)GまたはS(O)Gである式Iの化合物。
【0043】
実施形態6.JがCN、NO、OH、C−Cアルコキシまたは場合により1〜5個のRによって置換されていてもよいフェニルである式Iの化合物。
【0044】
実施形態6a.JがCN、NO、OHまたはC−Cアルコキシである実施形態6の化合物。
【0045】
実施形態6b.Jが場合により1〜5個のRによって置換されていてもよいフェニルである実施形態6の化合物。
【0046】
実施形態7.JがCNである実施形態6の化合物。
【0047】
実施形態8.JがNOである実施形態6の化合物。
【0048】
実施形態9.JがGまたはC(O)Gである実施形態5の化合物。
【0049】
実施形態10.Jが、各環が場合により1〜5個のRによって置換されていてもよいフェニル環または5員または6員の芳香族複素環である実施形態9の化合物。
【0050】
実施形態11.Jが場合により1〜4個のRによって置換されていてもよいピリジニルである実施形態10の化合物。
【0051】
実施形態12.JがC−Cアルキルまたは場合により1〜5個のRによって置換されていてもよいフェニルである式Iの化合物。
【0052】
実施形態13.JがC−Cアルキルである実施形態12の化合物。
【0053】
実施形態14.JがG、CONR、C−Cアルキルスルホニル、C(O)GまたはS(O)Gである式Iの化合物。
【0054】
実施形態15.Jが、それぞれ場合により1〜4個のRによって置換されていてもよいフェニルまたはピリジニルである実施形態14の化合物。
【0055】
実施形態16.YがHまたはFである式Iの化合物。
【0056】
実施形態17.YがHである実施形態16の化合物。
【0057】
実施形態18.YがFである実施形態16の化合物。
【0058】
実施形態18a.YがHまたはCHである式Iの化合物。
【0059】
実施形態19.AがCN、C−Cアルキル、OR1a、SR1aまたはNR1a2aである式Iの化合物。
【0060】
実施形態20.AがCN、C−Cアルキル、OR1aまたはNR1a2aである実施形態19の化合物。
【0061】
実施形態21.AがCNである実施形態20の化合物。
【0062】
実施形態22.AがC−Cアルキルである実施形態20の化合物。
【0063】
実施形態23.AがOR1a、SR1aまたはNR1a2aである実施形態19の化合物。
【0064】
実施形態24.AがOR1aである実施形態23の化合物。
【0065】
実施形態25.AがSR1aである実施形態23の化合物。
【0066】
実施形態26.AがNR1a2aである実施形態23の化合物。
【0067】
実施形態27.ZがSまたはNRである式Iの化合物。
【0068】
実施形態28.ZがSである実施形態27の化合物。
【0069】
実施形態29.ZがNRである実施形態27の化合物。
【0070】
実施形態30.WがNまたはCHである式Iの化合物。
【0071】
実施形態31.WがNである実施形態30の化合物。
【0072】
実施形態32.WがCHである実施形態30の化合物。
【0073】
実施形態33.R1aがH;またはそれぞれ場合によりハロゲンもしくはC−Cアルコキシカルボニルによって置換されていてもよいC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキルアルキルである式Iの化合物。
【0074】
実施形態34.R1aがH;またはそれぞれ場合により1〜3個のハロゲンによって置換されていてもよいC−Cアルキル、C−CアルケニルまたはC−Cアルキニルである実施形態33の化合物。
【0075】
実施形態35.R1aがH、C−Cアルキル、C−CアルケニルまたはC−Cアルキニルである実施形態34の化合物。
【0076】
実施形態35a.R1aがHまたはC−Cアルキルである実施形態34の化合物。
【0077】
実施形態35b.R1aがC−Cアルキルである実施形態34の化合物。
【0078】
実施形態36.R2aがH;またはそれぞれ場合によりハロゲンもしくはC−Cアルコキシカルボニルによって置換されていてもよいC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキルアルキルである式Iの化合物。
【0079】
実施形態37.R2aがH;またはそれぞれ場合により1〜3個のハロゲンによって置換されていてもよいC−Cアルキル、C−CアルケニルまたはC−Cアルキニルである実施形態36の化合物。
【0080】
実施形態38.R2aがH、C−Cアルキル、C−CアルケニルまたはC−Cアルキニルである実施形態37の化合物。
【0081】
実施形態39.R2aがHまたはC−Cアルキルである実施形態37の化合物。
【0082】
実施形態40.R1aおよびR2aがそれらが結合している窒素と一緒になって、2〜5個の炭素原子を含有し且つ場合により窒素、硫黄もしくは酸素のうちの1個の追加の原子を含有していてもよい環を形成し、該環が場合により1〜2個のRによって置換されていてもよい式Iの化合物。
【0083】
実施形態41.RがHまたはC−Cアルキルである式Iの化合物。
【0084】
実施形態42.RがHである実施形態41の化合物。
【0085】
実施形態43.Rがハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、CN、NO、CFまたはOCFである式Iの化合物。
【0086】
実施形態44.Rがハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、CN、NO、CFまたはOCFである式Iの化合物。
【0087】
実施形態45.R10がH、C−Cアルキル、C−Cアルキルチオ、CONR1213、CNまたは場合により1〜5個のR11によって置換されていてもよいフェニルである式Iの化合物。
【0088】
実施形態45a.R10がH、C−Cアルキル、C−Cアルキルチオ、CONR1213または場合により1〜5個のR11によって置換されていてもよいフェニルである式Iの化合物。
【0089】
実施形態46.nが1、3または5である式Iの化合物。
【0090】
実施形態47.nが1または3である実施形態46の化合物。
【0091】
実施形態48.nが1である実施形態47の化合物。
【0092】
実施形態49.JがC(O)Gである場合、Gが任意に置換されていてもよい3−ピリジニル以外である式Iの化合物。
【0093】
実施形態50.JがC(O)Gである場合、Gが任意に置換されていてもよいピリジニル以外である式Iの化合物。
【0094】
実施形態51.JがRによって置換されたフェニルである場合、Rがフルオロアルコキシ以外である式Iの化合物。
【0095】
実施形態52.JがRによって置換されたフェニルである場合、Rがハロアルコキシ以外である式Iの化合物。
【0096】
実施形態53.JがRによって置換されたフェニルである場合、Rがハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、ハロアルキルスルフィニルまたはハロアルキルスルホニル以外である式Iの化合物。
【0097】
実施形態54.ZがNHであり、WがNであり、そしてAがSR1aである場合、Jが2位および6位および任意に他の位置で置換されたフェニル以外である式Iの化合物。
【0098】
実施形態55.ZがNHであり、WがNであり、そしてAがSR1aである場合、Jが任意に置換されていてもよいフェニル以外である式Iの化合物。
【0099】
実施形態56.ZがNRであり、WがNまたはCHであり、JがCNまたはNOである場合、AがNR1a2a以外である式Iの化合物。
【0100】
実施形態1〜56の組み合わせを以下に説明する。
実施形態A.
QがQ−1であり;
がGであり;またはそれぞれ場合により1個のGによって置換されていてもよく、そしてそれぞれ場合により1個もしくはそれ以上のRによって置換されていてもよいC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルアルキル、C−Cアルコキシ、C−CアルコキシカルボニルまたはC−Cアルキルカルボニルである式Iの化合物。
【0101】
実施形態B.
YがHまたはFであり;
AがCN、C−Cアルキル、OR1aまたはNR1a2aであり;
ZがSであり;
WがNであり;
1aおよびR2aがそれぞれ独立してH、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニルであり;そして
およびRがそれぞれ独立してハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、CN、NO、CFまたはOCFである実施形態Aの化合物。
【0102】
実施形態C.
QがQ−1であり;
がG、NO、CN、OH、NR、CONR、C−Cアルキルスルホニル、C(O)GまたはS(O)Gである式Iの化合物。
【0103】
実施形態D.
YがHまたはFであり;
AがOR1a、SR1aまたはNR1a2aであり;
WがNまたはCHであり;
1aおよびR2aがそれぞれ独立してH、それぞれ場合により1〜3個のハロゲンによって置換されていてもよいC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキルアルキルであり;
1aおよびR2aはそれらが結合している窒素と一緒になって、2〜5個の炭素原子を含有し且つ場合により窒素、硫黄もしくは酸素のうちの1個の追加の原子を含有していてもよい環を形成し、該環は場合により1〜2個のRによって置換されていてもよく;
がHまたはC−Cアルキルであり;
およびRがそれぞれ独立してハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、CN、NO、CFまたはOCFであり;そして
nが1または3である実施形態Cの化合物。
【0104】
実施形態E.
QがQ−1であり;
YがHであり;
ZがSであり;
WがNであり;AがNR1a2aであり;Jが場合により1〜5個のRによって置換されていてもよいフェニルであり;
1aおよびR2aがそれぞれ独立してHまたはC−Cアルキルであり;そして
nが1または3である式Iの化合物。
【0105】
実施形態F.
QがQ−2であり;
YがHであり;
がC−Cアルキルまたは場合により1〜5個のRによって置換されていてもよいフェニルであり;
10がH、C−Cアルキル、C−Cチオアルキル、CONR1213または場合により1〜5個のR11によって置換されていてもよいフェニルであり;そして
nが1または3である式Iの化合物。
【0106】
実施形態G.
QがQ−2であり;
YがFであり;
がC−Cアルキルまたは場合により1〜5個のRによって置換されていてもよいフェニルであり;
10がH、C−Cアルキル、C−Cアルキルチオ、CONR1213または場合により1〜5個のR11によって置換されていてもよいフェニルであり;そして
nが1または3である式Iの化合物。
【0107】
実施形態H.
QがQ−1であり;
YがHであり;
ZがSであり;
AがSR1aであり;
WがNであり;
がCN、NO、OH、C−Cアルコキシまたは場合により1〜5個のRによって置換されていてもよいフェニルであり;
1aがC−Cアルキルであり;そして
nが1または3である式Iの化合物。
【0108】
実施形態I.
QがQ−1であり;
YがHまたはCHであり;
ZがSであり;
AがOR1aまたはSR1aであり;
WがNであり;そして
がCNである式Iの化合物。
【0109】
また生物学的に有効な量の前記実施形態のいずれかの化合物と、界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤よりなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分とを含んでなり、場合により生物学的に有効な量の少なくとも1種の追加の生物学的に活性な化合物または薬剤をさらに含んでなる無脊椎有害生物を防除するための組成物も本発明の実施形態として注目に値する。本発明の実施形態は、無脊椎有害生物またはその環境を生物学的に有効な量の前記実施形態のいずれかの化合物と接触させることを含んでなる無脊椎有害生物の防除方法をさらに含む(例えば、本明細書に記載の組成物として)。
【0110】
本発明の実施形態は、土壌ドレンチ液体製剤の形態で、前記実施形態のいずれかの化合物を含んでなる組成物も含む。本発明の実施形態は、土壌を、生物学的に有効な量の前記実施形態のいずれかの化合物を含んでなる土壌ドレンチとして液体組成物と接触させることを含んでなる無脊椎有害生物の防除方法をさらに含む。
【0111】
本発明の実施形態は、生物学的に有効な量の前記実施形態のいずれかの化合物および噴射剤を含んでなる無脊椎有害生物を防除するための噴霧組成物も含む。本発明の実施形態は、生物学的に有効な量の前記実施形態のいずれかの化合物、1種もしくはそれ以上の食物材料、場合により誘引剤、および場合により湿潤剤を含んでなる無脊椎有害生物を防除するための餌料組成物をさらに含む。本発明の実施形態は、前記餌料組成物と、前記餌料組成物を受け取るように構成されたハウジングとを含んでなる無脊椎有害生物の防除装置も含む。ここで、ハウジングは、ハウジングの外側の位置から無脊椎有害生物が前記餌料組成物へと接近することができるように、無脊椎有害生物が開口を通過可能であるサイズに作られた少なくとも1個の開口を有し、そしてハウジングは、無脊椎有害生物の潜在的もしくは既知の活性位置に、またはその付近に配置されるようにさらに構成される。
【0112】
1つもしくはそれ以上の以下のスキーム1〜17に記載の方法および変法により、式Iの化合物を製造することができる。以下の式Ia〜Ijおよび式2〜25の化合物におけるJ、J、R1a、R2a、R、n、Q、Q−1およびQ−2の定義は、上記発明の要約において定義された通りである。式Ia〜Ijの化合物は式Iの化合物の様々なサブセットであり、そして式Ia〜Ijに関する全ての置換基は上記式Iで定義された通りである。
【0113】
スキーム1で概説されるように、官能化1,1−ジフルオロアルケン2と式3の置換された中間体との一般的な反応方法によって式Iの化合物を製造することができる。置換基Xaは、求核置換を伴う確立されたカップリング反応において適切な有機官能基を表す。XaがCl、BrまたはIのような脱離基である反応に関して、Qaは硫黄、窒素または酸素のような求核基を含有する。逆にXaが硫黄、窒素または酸素のような求核基を含有する場合、Qaはハロゲン、アルコキシ、アルキルチオ等のような脱離基を含有する。これらの反応は、塩基、溶媒および条件の広範囲の組み合わせを使用する。以下のスキームは、式Iの化合物の製造に関して有用な様々な手順の例を提供することを意図する。
【0114】
【化9】

【0115】
スキーム2で概説されるように、式4のチオ尿素と、Xがハロゲン(例えば、Cl、Br、I)、OS(O)CH(メタンスルホネート)、OS(O)CF、OS(O)Ph−p−CH(p−トルエンスルホネート)等である式5のフルオロブテニル誘導体との反応によって式Iaの化合物を製造することができる。反応のための適切な塩基としては、アルカリまたはアルカリ土属金属(例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム)の水素化物、アルコキシド、炭酸塩、リン酸塩および水酸化物のような無機塩基、ならびにトリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンおよび1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンのような有機塩基が挙げられる。好ましい塩基は、炭酸カリウムおよび水酸化カリウムである。多種多様な溶媒が反応に適切であり、例えば、限定されないが、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、アセトン、アルコールおよび水、ならびにこれらの溶媒の混合物が挙げられる。約0℃と約120℃との間、好ましくは約0℃と30℃との間でこの反応を実行可能である。スキーム2の方法に関するさらなる手順の詳細については、実施例1および実施例2に示される。
【0116】
式5のジフルオロアルケニル化合物は当該分野で既知である。式5の化合物を製造するための文献手順に関して、PCT特許公報国際公開第94/6777号パンフレット、国際公開第95/4727号パンフレット、国際公開第97/09292号パンフレットおよび特に国際公開第99/52874号パンフレットを参照のこと。ジフルオロアルケニル化合物に関する他の文献に関して、ジャーナル オブ ザ アメリカン ケミカル ソサエティ(J.Am.Chem.Soc.)1983、195、4634−4639;ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(J.Org.Chem.)1991、56、1037−1041;およびジャーナル オブ ザ ケミカル ソサエティ パーキン トランスアクションズ 2(J.Chem.Soc.Perkin 2)、1998、219−231を参照のこと。
【0117】
【化10】

【0118】
式4のチオ尿素は文献において周知であり、そしてスキーム3に示されるように式6のイソチオシアネートと式7のモノ−およびジアルキルアミンとの反応によって容易に製造可能である。式6の化合物は既知の化合物であるか、またはアミンおよびチオホスゲンから製造可能である。反応は、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフランおよびジクロロメタンのような様々な適切な溶媒中で実行可能である。スキーム2および3の合成方法は、実施例1および実施例2により詳細に説明される。
【0119】
【化11】

【0120】
スキーム4で概説されるように、式9のオキシムと式5のフルオロブテニル化合物との反応によって式Ib(QがQ−2である式I)の化合物を製造可能であり、Xはハロゲン(例えば、Cl、Br、I)、OS(O)CH(メタンスルホネート)、OS(O)CF、OS(O)Ph−p−CH(p−トルエンスルホネート)等のような求核反応脱離基である。室温から溶媒の還流温度までの範囲の最適温度で、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、アセトンまたはアセトニトリルのような様々な溶媒中で反応を実行可能である。この反応のための適切な塩基としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水素化ナトリウムおよびカリウム第三級ブトキシドが挙げられる。スキーム4の方法は、実施例3および実施例4に説明される。
【0121】
【化12】

【0122】
式9のオキシムは文献において周知である。スキーム5に示されるように、これらの多くは、エタノール、水またはジオキサンのような適切な溶媒の中で、室温から溶媒の還流温度までの範囲の温度で、R10およびJが例えばH、アルキルまたはアリール基である式10のアルデヒドまたはケトンと、ヒドロキシルアミンヒドロクロリドとの反応によって容易に製造可能である。ヒドロキシルアミンをその塩から遊離するために塩基が必要とされる。反応のための適切な塩基としては、限定されないが、水酸化ナトリウム、重炭酸ナトリウムまたは炭酸ナトリウムが挙げられる。
【0123】
【化13】

【0124】
スキーム6に示されるように、塩基の存在下で、式11の化合物と式5のジフルオロアルケニル化合物との反応によって式Icの化合物を製造することができる。式Icの化合物の典型的なJの値としては、フェニル、5員もしくは6員の芳香族複素環、CN、アルキルカルボニルおよびアルコキシカルボニルが挙げられる。式5のジフルオロアルケニル化合物において、Xは、スキーム4で定義された脱離基である。反応のための適切な塩基としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムのようなアルカリまたはアルカリ土類金属の水素化物、アルコキシド、炭酸塩、リン酸塩および水酸化物のような無機塩基およびトリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンおよび1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンのような有機塩基が挙げられる。好ましい塩基は炭酸カリウムおよび水酸化カリウムである。塩基を使用する代わりに、式11の化合物の予め形成された塩も使用可能である。多種多様な溶媒が反応のために適切であり得、例えば、限定されないが、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、アセトン、アルコールおよび水、ならびに適切な溶媒の混合物が挙げられる。この反応は、約0℃〜約120℃、好ましくは約0℃と30℃との間で実行可能である。
【0125】
【化14】

【0126】
スキーム7に示されるように、塩基の存在下で、式12の化合物と式13のアルキル化剤との反応によって式Idの化合物を製造することができる。式13のアルキル化剤において、Xは、式5に関してスキーム4で定義された脱離基である。反応のための適切な塩基としては、スキーム6に関して上記されたような無機塩基および有機塩基が挙げられる。好ましい塩基は炭酸カリウムおよび水酸化カリウムである。塩基を使用する代わりに、式12の化合物の予め形成された塩も使用可能である。多種多様な溶媒が反応のために適切であり得、限定されないが、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、アセトン、アルコールおよび水、ならびにこれらの溶媒の混合物が挙げられる。この反応は、約0℃〜約120℃で実行可能である。この反応に関する追加的な詳細は実施例5に示される。
【0127】
【化15】

【0128】
スキーム8に示されるように、塩基の存在下で、式14のアミンと式15の化合物との反応によって式11の化合物を製造することができる。式15の化合物において、Lはハロゲン(例えば、Cl、Br、I)、スルホネート(例えば、OS(O)CH(メタンスルホネート)、OS(O)CF、OS(O)Ph−p−CH(p−トルエンスルホネート))またはアゾール(例えばイミダゾール、3,5−ジメチルピラゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、インダゾール、ピラゾールおよび1,2,4−トリアゾール)である。反応のための適切な塩基としては、前記のような無機塩基および有機塩基が挙げられる。好ましい塩基は、トリエチルアミンおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンのようなアミン塩基である。多種多様な溶媒が反応のために適切であり得、限定されないが、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、アセトン、アルコールおよび水、ならびにこれらの溶媒の混合物が挙げられる。この反応は、約0℃〜約120℃の間で実行可能である。
【0129】
【化16】

【0130】
スキーム9に示されるように、二硫化炭素と式14のアミンとの反応、それに続く式13のアルキル化剤との反応によって式11aのジチオカルバメートを製造することができる。ジチオカルバメートの化学的性質の総説に関して、アンゲヴァント ヒェミー インターナショナル エディション(Angewandte Chem.,Int.Ed.)、1967、6、281−293を参照のこと。反応のための適切な塩基としては、スキーム2に示される反応に関して前記されたような無機塩基および有機塩基が挙げられる。好ましい塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムである。多種多様な溶媒が反応のために適切であり得、限定されないが、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、アセトン、アルコールおよび水、ならびにこれらの溶媒の混合物が挙げられる。この反応は、約0℃〜約120℃で実行可能である。
【0131】
【化17】

【0132】
スキーム10に示されるように、式16の化合物と式14のアミンおよび適切な塩基との反応によって式12のジチオカルバメートを製造することができる。式16の化合物において、Lは式15の化合物において上記で定義された通りである。好ましい塩基は、トリエチルアミンおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンのようなアミン塩基である。多種多様な溶媒がこの反応のために適切であり得、限定されないが、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、アセトン、アルコールおよび水、ならびに適切な溶媒の混合物が挙げられる。この反応は、約0℃〜約120℃の間で実行可能である。
【0133】
【化18】

【0134】
スキーム11に示されるように、二硫化炭素と式14のアミンとの反応、それに続く式5のジフルオロアルケニル化合物との反応によっても式12のジチオカルバメートを製造することができる。ジチオカルバメートの化学的性質の総説に関して、アンゲヴァント ヒェミー インターナショナル エディション(Angewandte Chem.,Int.Ed.)、1967、6、281−293を参照のこと。好ましい塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムである。多種多様な溶媒がこの反応のために適切であり得、限定されないが、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、アセトン、アルコールおよび水、ならびに適切な溶媒の混合物が挙げられる。この反応は、約0℃〜約120℃の間で実行可能である。式12のジチオカルバメートの製造に関する先行文献として、テトラヘドロン レター(Tetrahedron Lett)、2001、42、2055−2058およびテトラヘドロン(Tetrahedron)、2002、58、3329−3347を参照のこと。
【0135】
【化19】

【0136】
スキーム12に示されるように、炭素二硫化物とアゾールとの反応、それに続く式5のジフルオロアルケニル化合物との反応によって式17のジチオカルボニルアゾール(Lがアゾールである式16)を製造することができる。適切なアゾールとしては、例えば、限定されないが、イミダゾール、3,5−ジメチルピラゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、インダゾール、ピラゾール、1,2,4−トリアゾールおよびN−アルキルイミダゾリウムが挙げられる。ジチオカルボニルアゾールの製造に関する先行文献として、テトラヘドロン(Tetrahedron)、2000、56、629-637、ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(J.Org.Chem.)、1978、43、337−339およびその中で引用される文献を参照のこと。
【0137】
【化20】

【0138】
スキーム13に示されるように、式18のイソチオシアネートと式19のアルコールとの反応によって式11bの中間体を合成することができる。多種多様な溶媒および温度で反応を実行可能である。式18および19の化合物が液体である場合、溶媒がなくてもよい。好ましい溶媒としては、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、アセトンまたはアセトニトリルが挙げられ、最適温度は室温から溶媒の還流温度までの範囲である。スキーム6で前記された方法によって、式11bの中間体を、式Iの化合物のサブセットである式Ieの化合物に変換することができる。
【0139】
【化21】

【0140】
スキーム14に示されるように、式18のイソチオシアネートを式20のアルコールと反応させて、式21の中間体を製造可能である。次いで、スキーム7で概説される方法によって、式21の化合物を式Ifの化合物に変換することができる。多種多様な溶媒および温度で、式20のアルコールとイソチオシアネートとの反応を実行してよい。溶媒が必要とされずに実行されてもよい。好ましい溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、アセトンまたはアセトニトリルが挙げられ、最適温度は室温から溶媒の還流温度までの範囲である。式20のアルコールは既知の化合物である。
【0141】
【化22】

【0142】
スキーム15に示されるように、式22のアミンと式18のイソチオシアネートとの反応によって、式23の化合物を製造することができる。多種多様な溶媒および温度で、式22のアミンとイソチオシアネートとの反応を実行することができる。式18および23の化合物が液体である場合、溶媒がなくてもよい。好ましい溶媒としては、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、アセトンまたはアセトニトリルが挙げられるが、最適温度は室温から溶媒の還流温度までの範囲である。スキーム15で概説されるように、式13のハロゲン化アルキルとの反応によって式23の化合物を式Igの化合物にさらに変換可能である。式22のアミンは既知の化合物である。
【0143】
【化23】

【0144】
スキーム16に示されるように、KCNと式18のイソチオシアネートとの反応によって、式24の化合物を製造することができる。様々な溶媒および温度で反応を実行することができる。スキーム6で概説されるように、式5のハロゲン化ジフルオロアルケニルとの反応によって式24の化合物を式Ihの化合物にさらに変換可能である。式Ihの化合物の製造手順に関するさらなる詳細は実施例11に提供される。
【0145】
【化24】

【0146】
式IiおよびIjの化合物の製造に関する有用な手順をスキーム17に示す。塩基の存在下での式14の化合物と二硫化炭素との反応、それに続いて、式Iiの化合物を与えるための2当量のジフルオロアルケニル化合物5の添加を含む2段階の合成において、化合物Iiを製造する。1当量のアミンまたはアルコール(式25)による選択的な置換によって、式Ijの化合物が得られる。実施例6、9および10は、この方法に関するさらなる詳細を提供する。
【0147】
【化25】

【0148】
式Iの化合物を調製するための上記のいくつかの試薬および反応条件は、中間体に存在する特定の官能基には適合しないであろうことが認識される。これらの例において、合成系中に保護/脱保護配列または官能性の相互転換を組み入れることにより、所望の生成物を得ることが助けられるだろう。保護基の使用および選択は化学合成の当業者に明白であろう(例えば、グリーン,T.W.(Greene,T.W.);ワッツ・P.G.M.(Wuts,P.G.M.) プロテクティブ グループス イン オーガニック シンテシス(Protective Groups in Organic Synthesis)、第2版;ウィリー(Wiley):ニューヨーク(New York)、1991を参照のこと)。いくつかの場合、いずれかの個々のスキームに記述されたように与えられた試薬の導入後、式Iの化合物の合成を完了するために、詳細に記載されていない追加の慣例合成工程を実行する必要があることを当業者は認識するだろう。式Iの化合物を調製するために提案された特定の順序により示されるもの以外の順番で、上記スキームに図示された工程の組み合わせを実行する必要があることも当業者は認識するだろう。
【0149】
置換基を加えるため、または存在する置換基を変性するために、本明細書に記載の式Iの化合物および中間体に、様々な求電子、求核、ラジカル、有機金属、酸化および還元反応を受けさせることができることも当業者は認識するだろう。
【0150】
さらなる詳細がなくても、前記を使用する当業者は、本発明をその最も十分な範囲まで利用することができると考えられる。従って、本明細書に記載の材料および方法、ならびに以下の実施例は単なる実例として解釈され、かついずれかの様式に本開示を限定するものではない。クロマトグラフィー溶媒混合物を除いて、または特記されない限り、パーセントは重量によるものである。特記されない限り、クロマトグラフィー溶媒混合物に関する部およびパーセントは体積によるものである。H NMRスペクトルは、テトラメチルシランからのppm低磁場で報告され、sは一重項を意味し、dは二重項を意味し、tは三重項を意味し、qは四重項を意味し、mは多重項を意味し、ddは二重項の二重項を意味し、dtは三重項の二重項を意味し、bsは広域一重項を意味し、btは広域三重項を意味し、そしてbmは広域多重項を意味する。
【実施例】
【0151】
実施例1
4,4−ジフルオロ−3−ブテニル−N’−(2−フルオロフェニル)−N,N−ジメチルカルバミミドチオエートの製造
工程A:3−(2−フルオロフェニル)−1,1−ジメチルチオ尿素の製造
磁気撹拌器および窒素インレットを備えた100mL一口フラスコに、アセトニトリル30mLおよび2−フルオロフェニルイソチオシアネート2.0g(0.013モル)、それに続いてTHF中2Mジメチルアミン13.0mL(0.026モル)を加えた。18時間25℃で混合物を撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮し、黄色固体を得て、これをジエチルエーテル(150mL)中にスラリー化した。固体を濾過によって回収して、空気乾燥させ、表題の化合物(2.3g、収率89%)を淡黄色固体として得た。
H NMR(DMSO−d)δ8.89(s,1H),7.20(m,4H),3.28(s,6H)
【0152】
工程B:4,4−ジフルオロ−3−ブテニル−N’−(2−フルオロフェニル)−N,N−ジメチルカルバミミドチオエートの製造
磁気撹拌器および窒素インレットを備えた100mL一口フラスコに、アセトン30mLおよび3−(2−フルオロフェニル)−1,1−ジメチル−チオ尿素(すなわち、工程Aの生成物)1.15g(0.0058モル)を加えた。得られた混合物を4−ブロモ−1,1−ジフルオロ−1−ブテン1.75mL(0.0087モル)で、次いで炭酸カリウム1.2g(0.0087モル)で処理した。18時間25℃で混合物を撹拌した。得られた混合物を濾過および濃縮した。溶離剤として酢酸エチル/ヘキサンを使用してシリカゲル上で残渣を色層分析し、本発明の化合物である表題の化合物(0.594g、収率36%)を黄色油状物として得た。
H NMR(CDCl)δ7.0(bm,4H),4.0(dt,1H),3.1(s,6H),5(bt,2H),2.12(m,2H)
【0153】
実施例2
4,4−ジフルオロ−3−ブテニルN−(2,4−ジフルオロフェニル)−N’−メチルカルバミミドチオエートの製造
工程A:1−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−メチルチオ尿素の製造
磁気撹拌器および窒素インレットを備えた100mL一口フラスコに、アセトニトリル30mLおよび2,4−ジフルオロフェニルイソチオシアネート4.0g(0.024モル)、それに続いてエタノール中40重量%メチルアミン3.8g(0.048モル)を加えた。18時間25℃で混合物を撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮し、黄色固体を得て、これをジエチルエーテル(150mL)中にスラリー化した。固体を濾過によって回収し、空気乾燥させ、表題の化合物(3.7g、収率76%)を淡黄色固体として得た。
H NMR(DMSO−d)δ9.23(bs,1H),7.76(bs,1H),7.51(bs,1H),7.30(m,1H),7.08(m,1H),2.90(d,3H)
【0154】
工程B:4,4−ジフルオロ−3−ブテニルN−(2,4−ジフルオロフェニル)−N’−メチルカルバミミドチオエートの製造
磁気撹拌器および窒素インレットを備えた100mL一口フラスコに、アセトン30mLおよび1−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−メチル−チオ尿素(すなわち、工程Aの生成物)0.75g(0.004モル)を加えた。得られた混合物を4−ブロモ−1,1−ジフルオロ−1−ブテン0.95g(0.0056モル)で、次いで炭酸カリウム0.773g(0.005モル)で処理した。18時間25℃で混合物を撹拌した。得られた混合物を濾過および濃縮した。溶離剤として酢酸エチル/ヘキサンを使用してシリカゲル上で残渣を色層分析し、本発明の化合物である表題の化合物(0.255g、収率22%)を黄色油状物として得た。
H NMR(CDCl)δ6.84(m,3H),4.72(bs,1H),4.17(dt,1H),2.95(s,3H),2.77(bm,2H),2.29(bs,2H)
【0155】
実施例3
1−(2,4−ジクロロフェニル)エタノンO−(4,4−ジフルオロ−3−ブテニル)オキシムの製造
磁気撹拌器および窒素インレットを備えた100mL一口フラスコに、アセトン30mLおよび1−(2,4−ジクロロフェニル)エタノンオキシム0.5g(0.0024モル)、それに続いて炭酸カリウム0.55g(0.0037モル)および4−ブロモ−1,1−ジフルオロ−1−ブテン0.628g(0.0037モル)を加えた。18時間25℃で撹拌後、混合物を濾過し、そして濃縮し、本発明の化合物である表題の化合物(0.129g、収率18%)を琥珀色液体として得た。
H NMR(CDCl)δ7.4(m,1H),7.24(d,2H),4.24(dt,1H),4.17(t,2H),2.39(m,2H),2.19(s,3H)
【0156】
実施例4
メチルN−[(4,4−ジフルオロ−3−ブテニル)オキシ]−2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエタンイミドチオエートの製造
磁気撹拌器および窒素インレットを備えた100mL一口フラスコに、アセトン30mLおよびメチル2−ジメチルアミノ−N−ヒドロキシ−2−オキソエタンイミドチオネート1.0g(0.006モル)、それに続いて炭酸カリウム1.66g(0.012モル)および4−ブロモ−1,1−ジフルオロ−1−ブテン2.05g(0.012モル)を加えた。18時間25℃で撹拌後、混合物を濃縮した。溶離剤として酢酸エチル/ヘキサンを使用してシリカゲル上で残渣を色層分析し、本発明の化合物である表題の化合物(0.05g、収率3.3%)を琥珀色液体として得た。
H NMR(CDCl)δ4.23(dt,1H),4.15(t,2H),3.07(d,6H),2.36(m,2H),2.27(s,3H)
【0157】
実施例5
4,4−ジフルオロ−3−ブテニルメチルシアノカルボニミドジチオエートの製造
N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)中のシアニミドジチオ炭酸モノメチルエステルモノカリウム塩(0.5g)の溶液に、4−ブロモ−1,1−ジフルオロブテン(0.5g)を添加し、そして混合物を20時間23℃で撹拌した。反応混合物を水20mLと酢酸エチル(2×50mL)との間に分配した。組み合わせた有機層を水(4×20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、そして濃縮した。溶離剤として酢酸エチル/ヘキサン(勾配1:9〜1:1)を使用してシリカゲル上で残渣を色層分析し、本発明の化合物である表題の化合物(220mg)を黄色油状物として得た。
H NMR(CDCl)δ2.43(2H),2.66(3H),3.2(2H),4.2(1H)
【0158】
実施例6
ビス(4,4−ジフルオロ−3−ブテニル)[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]カルボニミドジチオエートの製造
無水N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)中、2−アミノ−3−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン(688mg、3.50ミリモル)、炭酸セシウム(1.1g、5.26ミリモル)およびテトラブチルアンモニウムヨージド(648mg、1.75ミリモル)の溶液に、0℃で二硫化炭素(316μL、5.26ミリモル)および4−ブロモ−1,1−ジフルオロブテン(300mg、1.75ミリモル)を連続的に添加した。反応混合物を室温まで加温し、そして5時間撹拌した。次いで反応混合物を水(3×30mL)と酢酸エチル(30mL)との間で分配した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、そして濃縮した。溶離剤として酢酸エチル/ヘキサンを使用してシリカゲル上で残渣を色層分析し、本発明の化合物である表題の化合物(120mg)を淡黄色油状物として得た。
H NMR(CDCl)δ8.57(s,1H),7.94(s,1H),4.25(m,2H),3.2(t,4H),2.45(m,4H)
【0159】
実施例7
ビス(4,4−ジフルオロ−3−ブテニル)シアノカルボニミドジチオエートの製造
工程A:シアノジチオイミド炭酸二カリウムの製造
氷塩浴で冷却されたシアナミド(21.2g、0.50モル)および二硫化炭素(42g、0.55モル)の撹拌溶液に、水酸化カリウム(56.2g、1.00モル、180mLの95%エタノール中)のアルコール溶液を2.5時間かけて滴下して添加した。反応温度を10℃未満に維持した。添加終了後、反応混合物を室温まで加温し、そして一晩撹拌した。不溶性の固体を濾過によって除去し、95%エタノールですすぎ、真空下で乾燥させ、75%の収率でシアノジチオイミド炭酸二カリウム(72g、0.37モル)を得た。
【0160】
工程B:ビス(4,4−ジフルオロ−3−ブテニル)シアノカルボニミドジチオエートの製造
メチルスルホキシド(20mL)中のシアノジチオイミド炭酸二カリウム(3.0g、15.5ミリモル)および4−ブロモ−1,1−ジフルオロ−ブト−1−エン(7.9g、46.2ミリモル)の混合物を一晩40℃で撹拌した。次いで反応混合物を室温まで冷却し、そしてエチルエーテルと水との間で分配した。組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして濃縮した。残渣を色層分析し、本発明の化合物である表題の化合物(4.0g、13.4ミリモル、収率87%)を淡黄色油状物として得た。
H NMR(CDCl):4.24(dt,2H),3.23(t,4H),2.44(q,4H)
【0161】
実施例8
S−(4,4−ジフルオロ−3−ブテニル)O−エチル(エトキシカルボニル)カルボニミドチオエートの製造
工程A:ジエチルチオイミドジカルボネートの製造
エトキシカルボニルイソチオシアネート2.00g(15.27ミリモル)にエタノール20mLを添加した。得られた溶液を一晩80℃で加熱した。真空下での揮発性有機物の除去によって、表題の化合物2.7gを得た。mp43〜45℃。
H NMR(CDCl):δ1.30(t,3H),1.43(t,3H),4.23(q,2H),4.61(q,2H),8.16(bs,1H)
【0162】
工程B:
S−(4,4−ジフルオロ−3−ブテニル)O−エチル(エトキシカルボニル)カルボニミドチオエートの製造
アセトン850mL中のジエチルチオイミドジカルボネート(すなわち、工程Aの生成物)47.00g(265.54ミリモル)および炭酸カリウム54.38g(394.03ミリモル)の混合物に、4−ブロモ−1,1−ジフルオロブト−1−エン49.95g(292.09ミリモル)を添加した。得られた混合物を3日間、室温で撹拌した。反応混合物をセライト(Celite)(登録商標)(珪藻土濾過助剤)を通して濾過し、最小のアセトンで洗浄し、そして減圧下で濃縮した。自動コレクタおよびヘキサンから90:10ヘキサン:酢酸エチルの勾配を使用して、粗製材料をシリカ上でフラッシュクロマトグラフィによって精製した。得られた材料をヘキサン100mLで倍散し、−78℃まで冷却し、そして濾過して本発明の化合物である表題の化合物52.0gを得た。mp37〜39℃。
H NMR(CDCl):δ1.31−1.4(m,6H);2.36(m,2H);2.95(t,2H);4.17−4.30(m,3H);4.42(q,2H)
【0163】
実施例9
S−(4,4−ジフルオロ−3−ブテニル)O−メチルシアノカルボニミドチオエートの製造
アセトニトリル(3mL)中、ビス(4,4−ジフルオロ−3−ブテニル)シアノカルボニミドジチオエート(すなわち、実施例7の生成物、286mg、0.96ミリモル)およびMeOH(192mg、4.5ミリモル)の撹拌混合物に痕跡量のナトリウムを添加した。室温で4.5時間撹拌後、反応混合物を濃縮し、そして残渣をカラムクロマトグラフィによって精製し、本発明の化合物であるS−(4,4−ジフルオロ−3−ブテニル)O−メチルシアノカルボニミドチオエート(17mg、0.083ミリモル、収率9%)を淡黄色油状物として得た。
H NMR(CDCl):4.23(dt,1H),4.04(s,3H),3.09(t,2H),2.39(q,2H)
【0164】
実施例10
4,4−ジフルオロ−3−ブテニルN'−シアノ−N,N−ジメチルカルバミミドチオエートの製造
アセトニトリル(2mL)中、ビス(4,4−ジフルオロ−3−ブテニル)シアノカルボニミドジチオエート(すなわち、実施例7の生成物、102mg、0.34ミリモル)およびジメチルアミン(0.34mL、0.68ミリモル、THF中2.0M)の混合物を室温で0.5時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、そして残渣をカラムクロマトグラフィによって精製し、本発明の化合物である4,4−ジフルオロ−3−ブテニルN’−シアノ−N,N−ジメチルカルバミミドチオエート(61mg、0.28ミリモル、収率81%)を淡黄色油状物として得た。
H NMR(CDCl):4.25(dt,1H),3.41(t,2H),3.26(s,6H),2.41(q,2H)
【0165】
実施例11
4,4−ジフルオロ−3−ブテニルフェニルカルボノシアニジミドチオエートの製造
アセトニトリル3mL中の1−シアノチオホルムアナリド(373mg、2.3ミリモル)、1,1−ジフルオロ−1−ブテニルブロミド(314μL、2.8ミリモル)および炭酸カリウム(981mg、7.0ミリモル)の混合物を2時間85℃で加熱した。次いで反応混合物を濾過し、そして真空下で濃縮した。溶離剤として酢酸エチル/ヘキサン(1:9混合物)を使用してシリカゲル上でクロマトグラフィによって粗製生成物を精製し、本発明の化合物である表題の生成物326mgを淡黄色油状物として得た。
H NMR(CDCl):7.40(m,2H),7.27(m,1H),7.06(m,2H),4.23(m,1H),3.25(t,2H),2.45(m,2H)
【0166】
当該分野で既知の方法と一緒に、本明細書に記載の手順によって、以下の表1〜8の化合物を製造することができる。表中、以下の略号を使用する:tは第三級を意味し、sは第二級を意味し、nはノルマルを意味し、iはイソを意味し、cはシクロを意味し、Meはメチルを意味し、Etはエチルを意味し、Prはプロピルを意味し、i−Prはイソプロピルを意味し、Buはブチルを意味し、Hexはヘキシルを意味し、Phはフェニルを意味し、SMeはメチルチオを意味し、SOMeはメチルスルホニルを意味し、SOEtはエチルスルホニルを意味し、SOPhはフェニルスルホニルを意味し、CNはシアノを意味し、NOはニトロを意味し、そして2−Cl−4−Fは2−シクロ−4−フルオロを意味し、そして他の置換基の略号は同様に定義される。
【0167】
【表1】

【0168】
【表2】

【0169】
【表3】

【0170】
【表4】

【0171】
【表5】

【0172】
【表6】

【0173】
【表7】

【0174】
【表8】

【0175】
【表9】

【0176】
【表10】

【0177】
【表11】

【0178】
【表12】

【0179】
【表13】

【0180】
【表14】

【0181】
【表15】

【0182】
【表16】

【0183】
【表17】

【0184】
【表18】

【0185】
【表19】

【0186】
【表20】

【0187】
【表21】

【0188】
【表22】

【0189】
【表23】

【0190】
【表24】

【0191】
【表25】

【0192】
【表26】

【0193】
【表27】

【0194】
【表28】

【0195】
【表29】

【0196】
【表30】

【0197】
【表31】

【0198】
【表32】

【0199】
【表33】

【0200】
【表34】

【0201】
【表35】

【0202】
【表36】

【0203】
【表37】

【0204】
【表38】

【0205】
【表39】

【0206】
【表40】

【0207】
【表41】

【0208】
【表42】

【0209】
【表43】

【0210】
【表44】

【0211】
【表45】

【0212】
【表46】

【0213】
【表47】

【0214】
【表48】

【0215】
【表49】

【0216】
【表50】

【0217】
【表51】

【0218】
【表52】

【0219】
【表53】

【0220】
【表54】

【0221】
【表55】

【0222】
【表56】

【0223】
【表57】

【0224】
【表58】

【0225】
【表59】

【0226】
【表60】

【0227】
製剤/効用
本発明の化合物は一般的に、少なくとも1つの液体希釈剤、固体希釈剤または界面活性剤を含んでなる農業的もしくは非農業的用途に適する担体とともに製剤または組成物として使用される。製剤または組成物成分は、活性成分の物性、適用形態、ならびに土壌タイプ、湿度および温度のような環境要因と調和するように選択される。有用な製剤は、場合によりゲルへと濃厚化されることが可能な、溶液(乳化可能な濃縮物を含む)、懸濁液、乳液(ミクロエマルジョンおよび/またはサスポエマルジョンを含む)等のような液体を含む。有用な製剤はさらに、水分散性(「水和」)または水溶性であり得る、ダスト、粉末、顆粒、ペレット、タブレット、フィルム(シード処理を含む)等のような固体を含む。活性成分を(マイクロ)カプセル化することができ、さらに懸濁液または固体製剤へと形成することができ、あるいは活性成分の全製剤をカプセル化(または「オーバーコート」)することができる。カプセル化により、活性成分放出を制御することができるか、または遅らせることができる。噴霧可能な製剤を適切な培地に施すことができ、1ヘクタールあたり約1〜数百リットルの噴霧量で使用することができる。さらなる製剤の中間体として、最初に高強度組成物を使用する。
【0228】
製剤は典型的に、以下の100重量%まで加算される適切な範囲内で、有効量の活性成分、希釈剤および界面活性剤を含有する。
【0229】
【表61】

【0230】
典型的な固体希釈剤は、ワトキンス(Watkins)ら、ハンドブック オブ インセクティサイド ダスト ディリューエンツ アンド キャリアズ(Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers)第2版、ドーランド ブックス(Dorland Books)、コールドウェル(Caldwell)、ニュージャージー(New Jersey)に記載されている。典型的な液体希釈剤は、マルスデン(Marsden)、ソルベンツ ガイド(Solvents Guide)第2版、インターサイエンス(Interscience)、ニューヨーク(New York)、1950に記載されている。マクカッチェオンズ デタージェンツ アンド エマルシフィアズ アニュアル(McCutcheon’s Detergents and Emulsifiers Annual)、アルレッド パブリッシング コーポレーション(Allured Publ.Corp.)、リッジウッド(Ridgewood)、ニュージャージー(New Jersey)およびシスレー(Sisely)およびウッド(Wood)、エンサイクロペディア オブ サーフェイス アクティブ エージェンツ(Encyclopedia of Surface Active Agents)、ケミカル パブリッシング カンパニー インコーポレイテッド(Chemical Publ.Co.,Inc.)、ニューヨーク(New York)、1964は界面活性剤および推奨される使用を記載している。全ての製剤は、発泡、ケーキング、腐食、微生物の増殖等を低下させるための添加剤、または粘度を増加させるための増粘剤を少量含み得る。
【0231】
界面活性剤としては、例えば、ポリエトキシル化アルコール、ポリエトキシル化アルキルフェノール、ポリエトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル、ジアルキルスルホスクシネート、アルキルスルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、オルガノシリコーン、N,N−ジアルキルタウレート、リグニンスルホネート、ナフタレンスルホネートホルムアルデヒド縮合物、ポリカルボキシレート、グリセロールエステル、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、および重合度(D.P.)と呼ばれるグルコース単位数が1〜3の範囲であり得、かつアルキル単位がC〜C14の範囲であり得るアルキルポリグリコシド(ピュア アンド アプライド ケミストリー(Pure and Applied Chemistry)72、1255−1264を参照のこと)が挙げられる。固体希釈剤としては、例えば、ベントナイト、モンモリロナイト、アタパルジャイトおよびカオリンのような粘土、澱粉、糖、シリカ、タルク、珪藻土、尿素、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムおよび重炭酸ナトリウム、ならびに硫酸ナトリウムが挙げられる。液体希釈剤としては、例えば、水、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−アルキルピロリドン、エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、パラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、グリセリン、トリアセチン、オリーブ油、ひまし油、亜麻仁油、桐油、ゴマ油、コーン油、ピーナッツ油、綿実油、大豆油、菜種油およびココナッツ油、脂肪酸エステル、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、イソホロンおよび4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンのようなケトン、酢酸エステル、ならびにメタノール、シクロヘキサノール、デカノールおよびテトラヒドロフルフリルアルコールのようなアルコールが挙げられる。
【0232】
本発明の有用な製剤は、消泡剤、フィルム成形要素および染料のような製剤補助剤として既知の材料を含み得、そして当業者に周知である。
【0233】
消泡剤としては、ロードーシル(Rhodorsil)(登録商標)416のようなポリオルガノシロキサンを含んでなる水分散性液体が挙げられる。フィルム形成要素としては、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマーおよびワックスが挙げられる。染料としては、プロ−イゼド(Pro−lzed)(登録商標)カーラント レッド(Colorant Red)のような水分散性液体の顔料組成物が挙げられる。これが製剤補助剤の完全リストでないことを当業者は認識するだろう。製剤補助剤の適切な例としては、本明細書に記載されるもの、ならびにMC パブリッシング カンパニー(MC Publishing Company)から出版されたマカッチャンズ(McCutcheon’s)2001、第2巻:ファンクショナル マテリアルズ(Functional materials)および国際公報第03/024222号パンフレットに記載されるものが挙げられる。
【0234】
成分を単純に混合することにより、乳化可能濃縮物を含む溶液を製造することができる。ブレンドおよび通常、ハンマーミルまたは流体エネルギーミルにおいて粉砕することにより、ダストおよび粉末を製造することができる。懸濁液は通常、湿式粉砕により製造される。例えば、米国特許第3,060,084号明細書を参照のこと。予備形成された顆粒担体上に活性材料を噴霧することにより、または凝集技術により、顆粒およびペレットを製造することができる。ブローニング(Browning)、「アグロメレーション(Agglomeration)」、ケミカル エンジニアリング(Chemical Engineering)、1967年12月4日、第147〜48頁、ペリーズ ケミカル エンジニアズ ハンドブック(Perry’s Chemical Engineer’s Handbook)、第4版、マクグロウ−ヒル(McGraw−Hill)、ニューヨーク(New York)、1963、第8〜57頁以下および国際公開第91/13546号パンフレットを参照のこと。米国特許第4,172,714号明細書に記載されるようにペレットを製造することができる。米国特許第4,144,050号明細書、米国特許第3,920,442号明細書およびDE3,246,493号に教示されるように水分散性および水溶性顆粒を製造することができる。米国特許第5,180,587号明細書、米国特許第5,232,701号明細書および米国特許第5,208,030号明細書に教示されるようにタブレットを製造することができる。GB2,095,558号および米国特許第3,299,566号明細書に教示されるようにフィルムを製造することができる。
【0235】
製剤の分野に関するさらなる情報に関しては、米国特許第3,235,361号明細書、第6欄、第16行〜第7欄、第19行および実施例10〜41;米国特許第3,309,192号明細書、第5欄、第43行〜第7欄、第62行および実施例8、12、15、39、41、52、53、58、132、138〜140、162〜164、166、167および169〜182;米国特許第2,891,855号明細書、第3欄、第66行〜第5欄、第17行および実施例1〜4;クリングマン(Klingman)、ウィード コントロール アズ ア サイエンス(Weed Control as a Science)、ジョン ウィリー アンド サンズ インコーポレイテッド(John Wiley and Sons,Inc)、ニューヨーク(New York)、1961、第81〜96頁;ならびにハンス(Hance)ら、ウィード コントロール ハンドブック(Weed Control Handbook)、第8版、ブラックウェル サイエンティフィック パブリケーションズ(Blackwell Scientific Publications)、オックスフォード(Oxford)、1989;デベロップメンツ イン フォーミュレーション テクノロジー(Developments in formulation technology)、PJB パブリケーションズ(PJB Publications)、英国、リッチモンド(Richmond、UK)、2000を参照のこと。
【0236】
以下の実施例において、全てのパーセントは重量によるものであり、全ての製剤は従来法で製造される。化合物の番号は、索引表A〜Jの化合物を参照する。
【0237】
【表62】

【0238】
【表63】

【0239】
【表64】

【0240】
【表65】

【0241】
【表66】

【0242】
【表67】

【0243】
本発明の化合物は、都合のよい代謝および/または土壌残留パターンを持つことを特徴とし、農業と非農業の無脊椎有害生物のスペクトルを制御する活性を呈する。(本願開示内容の文脈において、「無脊椎有害生物の防除」とは、摂食(feeding)を大きく低下させる無脊椎有害生物の発育または有害生物によって引き起こされる他の損傷あるいは被害の阻害(死滅させることを含む)を意味し、関連の表現については同様に定義する。)本願開示で用いる場合、「無脊椎有害生物」という用語には、有害生物として経済的観点から重要である節足動物、腹足類および線虫を含む。「節足動物」という用語には、昆虫、ダニ、クモ、サソリ、ムカデ、ヤスデ、ダンゴムシ、コムカデを含む。「腹足類」という用語には、カタツムリ、ナメクジ、その他の柄眼目を含む。「線虫」という用語には、条虫(条虫綱)および吸虫(吸虫綱)を含む扁虫(扁形動物門);鉤頭虫(鉤頭動物門);ならびに鞭虫(エノプルス目)、フリーリビング ワーム(free−living worms)(ラブジチダ目)、鉤虫および肺虫(円虫目)、腸管内線虫(回虫目)、ギョウチュウ(蟯虫目)、糸状線虫(センビセンチュウ目)、および植物寄生性線虫(ハリセンチュウ目およびドリライムス目)を含む回虫(線虫綱)などのあらゆる蠕虫類を含む。すべての化合物があらゆる有害生物に同じように有効だとは限らないことは当業者であれば分かるであろう。本発明の化合物は、経済的に重要な農業的および非農業的有害生物に対して活性を示す。用語「農業的」は、食品および繊維のような農作物の生産を指し、禾穀類(例えば、小麦、オート麦、大麦、ライ麦、米、トウモロコシ)、大豆、野菜作物(例えば、レタス、キャベツ、トマト、豆)、ジャガイモ、サツマイモ、ブドウ、綿および果樹(例えば、梨状果、石果および柑橘類果物)の育成を含む。用語「非農業的」は、他の園芸作物(例えば森林、温室、苗床または原野で育成されない装飾用植物)、芝生(商業用、ゴルフ用、住宅用、レクレーション用等)、木材製品、公衆衛生(人間の健康)および動物の健康、家庭用および商業用建造体、家庭用品、ならびに貯蔵製品用途または有害生物を指す。無脊椎有害生物防除範囲および経済的重要性の理由のため、無脊椎有害生物防除による綿、トウモロコシ、大豆、米、野菜作物、ジャガイモ、サツマイモ、ブドウおよび果樹の農作物の保護(無脊椎有害生物により引き起こされる損害または傷害から)は、本発明の好ましい実施形態である。農業的および非農業的有害生物としては、ヤガ科のアーミーワーム、根切虫、ルーパー、タバコガ(ハスモンヨトウ(Spodoptera fugiperda J.E.スミス(Smith))、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua ヒュブネル(Huebner))、タマナヤガ(Agrotis ipsilon ハフナゲル(Hufnagel))、イラクサギンウワバ(Trichoplusia ni ヒュブネル(Huebner))、オオタバコガ(Heliothis virescens ファブリシウス(Fabricius))など);メイガ科の穿孔性害虫、繭を作る害虫、食葉に巣を作る群局性害虫、コーンワーム、アオムシ、葉脈を残して葉を食害する害虫(アワノメイガ(Ostrinia nubilalis ヒュブネル(Huebner))、ネーブルオレンジワーム(Amyelois transitella ウォーカー(Walker))、ウスギンツトガ(Crambus caliginosellus クレメンス(Clemens))、クロオビクロノメイガ(Herpetogramma licarsisalis ウォーカー(Walker))など);ハマキガ科のハマキムシ、芽を食害する害虫、種子を食害する害虫、果実を食害する害虫(コドリンガ(Cydia pomonella リンネ(Linnaeus))、グレープベリーモス(Endopiza viteana クレメンス(Clemens))、ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta ブスク(Busck))など);経済的観点から重要な他の多くの鱗翅目(コナガ(Plutella xylostella リンネ(Linnaeus))、ワタアカミムシ(Pectinophora gossypiella ソーンダズ(Saunders))、マイマイガ(Lymantria dispar) リンネ(Linnaeus)など)などの鱗翅目の幼虫;チャバネゴキブリ科およびゴキブリ科(トウヨウゴキブリ(Blatta orientalis リンネ(Linnaeus))、アジアゴキブリ(Blatella asahinai ミズクボ(Mizukubo))、チャバネゴキブリ(Blattella germanica リンネ(Linnaeus))、チャオビゴキブリ(Supella longipalpa ファブリシウス(Fabricius))、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana リンネ(Linnaeus))、トビイロゴキブリ(Periplaneta brunnea バーマイスター(Burmeister))、マデラゴキブリ(Leucophaea maderae ファブリシウス(Fabricius)))などのゴキブリをはじめとするゴキブリ目のニンフおよび成虫;ヒゲナガゾウムシ科、マメゾウムシ科、ゾウムシ科のゾウムシ(ワタミゾウムシ(Anthonomus grandis ボヘマン(Boheman))、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus クッシェル(Kuschel))、オサゾウムシ(Sitophilus granarius リンネ(Linnaeus))、ココクゾウムシ(Sitophilus oryzae) リンネ(Linnaeus));ハムシ科のノミハムシ、ウリハムシ、根食い線虫、ハムシ、イモハムシおよびハモグリムシ(コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata セイ(Say))、ウェスタンコーンルートワーム(Diabrotica virgifera virgifera ルコンテ(LeConte))など);コガネムシ科(Scaribaeidae)のコガネムシおよび他の甲虫(マメコガネ(Popillia japonica ニューマン(Newman))、ヨーロピアンコガネムシ(European chafer)(Rhizotrogus majalis ラゾウモブスキー(Razoumowsky))など);カツオブシムシ科のカツオブシムシ;コメツキムシ科のコメツキムシ;キクイムシ科のキクイムシ、ゴミムシダマシ科のコクヌストモドキをはじめとする鞘翅目の食葉性幼虫および成虫が挙げられる。また、農業的および非農業的有害生物としては、クギヌキハサミムシ科のハサミムシ(ヨーロッパクギヌキハサミムシ(Forficula auricularia) リンネ(Linnaeus)、ブラックイヤウィグ(black earwig)(Chelisoches morio ファブリシウス(Fabricius))など)をはじめとする革翅目の成虫および幼虫;カスミカメムシ科のカスミカメムシ、セミ科のセミ、ヨコバイ科のヨコバイ(カキノヒメヨコバイ(Empoasca)spp.など)、アワフキムシ科(Fulgoroidae)およびウンカ科のプラントホッパー、ツノゼミ科のツノゼミ、キジラミ科のキジラミ、コナジラミ科のコナジラミ、アブラムシ科のアブラムシ、ネアブラムシ科のネアブラムシ、コナカイガラムシ科のコナカイガラムシ、カタカイガラムシ科、マルカイガラムシ科およびワタフキカイガラムシ科のカイガラムシ、グンバイムシ科のグンバイムシ、カメムシ科のカメムシ、ナガカメムシ科のナガカメムシ(cinch bug)(Blissus spp.など)ならびに他のコバネナガカメムシ、コガシラアワフキ科のアワフキムシ、ヘリカメムシ科のヘリカメムシ、ホシカメムシ科のアカホシカメムシおよびホシカメムシなどの半翅目および同翅目の成虫およびニンフも挙げられる。さらに、ハダニ科のハダニおよびアカダニ(リンゴハダニ(Panonychus ulmi コッチ(Koch))、ナミハダニ(Tetranychus urticae コッチ(Koch))、マクダニエルダニ(Tetranychus mcdanieli マクレガー(McGregor))など)、ヒメハダニ科のヒメハダニ(カンキツヒメハダニ(Brevipalpus lewisi マクレガー(McGregor))など)、フシダニ科のサビダニおよびフシダニならびに他の食葉性ダニなどのコナダニ(ダニ)ならびに、人間および動物の健康にとって重要なダニすなわち、チリダニ科のヒョウダニ、ニキビダニ科のニキビダニ、ニクダニ科のムギコナダニ、マダニ科のマダニ(シカダニ(Ixodes scapularis セイ(Say))、オーストラリアマダニ(Ixodes holocyclus ニューマン(Neumann))、カクマダニ(Dermacentor variabilis セイ(Say))、ローンスターチック(lone star tick)(Amblyomma americanum リンネ(Linnaeus))、キュウセンダニ科、シラミダニ科、ヒゼンダニ科の疥癬や皮癬のダニの成虫および幼虫;バッタ、イナゴおよびコオロギ(クルマバッタ(Melanoplus sanguinipes ファブリシウス(Fabricius)、M.differentialis トーマス(Thomas))、アメリカイナゴ(Schistocerca americana ドルーリー(Drury)など)、サバクバッタ(Schistocerca gregaria フォースカル(Forskal))、トノサマバッタ(Locusta migratoria リンネ(Linnaeus))、ブッシュローカスト(bush locust)(Zonocerus spp.)、ヨーロッパイエコオロギ(Acheta domesticus リンネ(Linnaeus))、ケラ(Gryllotalpa spp.)など)をはじめとする直翅目の成虫および幼若虫;ハモグリムシ、ユスリカ、ミバエ(ミバエ科)、キモグリバエ(Oscinella frit リンネ(Linnaeus))、ウジバエ、イエバエ(Musca domestica リンネ(Linnaeus)など)、ヒメイエバエ(Fannia canicularis リンネ(Linnaeus)、F.femoralis ステイン(Stein)など)、サシバエ(Stomoxys calcitrans リンネ(Linnaeus))、イエバエの1種(face fly)、ノサシバエ、クロバエ(Chrysomya spp.、Phormia spp.)および他のイエバエ(muscoid)有害生物、アブ(Tabanus spp.など)、ウマバエ(Gastrophilus spp.、Oestrus spp.など)、ウシバエ(Hypoderma spp.など)、メクラアブ(Chrysops spp.)、ヒツジシラミバエ(Melophagus ovinus リンネ(Linnaeus)など)ならびに他の短角亜目、カ(Aedes spp.、Anopheles spp.、Culex spp.など)、ブユ(Prosimulium spp.、Simulium spp.など)、クロヌカカ、スナバエ、sciaridsおよび他の長角亜目をはじめとする双翅目の成虫および幼若虫;ネギアザミウマ(Thrips tabaci リンデマン(Lindeman))、フラワースリップス(flower thrips)(Frankliniella spp.)および他の食葉性アザミウマをはじめとする総翅目の成虫および幼若虫;アリ(アカオオアリ(Camponotus ferrugineus ファブリシウス(Fabricius))、クロオオアリ(Camponotus pennsylvanicus デ・ギーア(De Geer))、イエヒメアリ(Monomori
um pharaonis リンネ(Linnaeus))、チビヒアリ(Wasmannia auropunctata Roger)、アカカミアリ(Solenopsis geminata ファブリシウス(Fabricius))、ヒアリ(Solenopsis invicta ブレン(Buren))、アルゼンチンアリ(Iridomyrmex humilis メイル(Mayr))、アシナガキアリ(Paratrechina longicornis ラトレイル(Latreille))、トビイロシワアリ(Tetramorium caespitum リンネ(Linnaeus))、ヒメトビイロケアリ(Lasius alienus フォースター(Forster))、コヌカアリ(Tapinoma sessile セイ(Say)))、ハチ(クマバチを含む)、スズメバチ(hornet)、スズメバチ(yellow jacket)、大形のハチ(wasp)、ハバチ(sawflies)(Neodiprion spp.;Cephus spp.)をはじめとするハチ目の昆虫有害生物;ミゾガシラシロアリ(Reticulitermes flavipes コラー(Kollar))、セイヨウシロアリ(Reticulitermes hesperus バンクス(Banks))、イエシロアリ(Coptotermes formosanus シラキ(Shiraki))、ハワイシロアリ(Incisitermes immigrans シンダー(Snyder))および他の経済的観点から重要であるシロアリなどのシロアリ目の昆虫有害生物;セイヨウシミ(Lepisma saccharina リンネ(Linnaeus))、マダラシミ(Thermobia domestica パッカード(Packard))などのシミ目の昆虫有害生物;コロモジラミ(Pediculus humanus capitis デ・ギーア(De Geer))、アタマジラミ(Pediculus humanus humanus リンネ(Linnaeus))、ニワトリハジラミ(Menacanthus stramineus ニッツ(Nitszch))、イヌハジラミ(Trichodectes canis デ・ギーア(De Geer))、fluff louse(Goniocotes gallinae デ・ギーア(De Geer))、ヒツジハジラミ(Bovicola ovis シュランク(Schrank))、ウシジラミ(short−nosed cattle louse)(Haematopinus eurysternus ニッツ(Nitszch))、ウシジラミ(long−nosed cattle louse)(Linognathus vituli リンネ(Linnaeus))ならびに、人間や動物につく他の吸血シラミおよびハジラミを含むハジラミ目の昆虫有害生物;ケオプスネズミノミ(Xenopsylla cheopis ロッシュチャイルド(Rothschild))、ネコノミ(Ctenocephalides felis ブーシュ(Bouche))、イヌノミ(Ctenocephalides canis カーティス(Curtis))、ニワトリノミ(Ceratophyllus gallinae シュランク(Schrank))、ニワトリフトノミ(Echidnophaga gallinacea ウェストウッド(Westwood))、ヒトノミ(Pulex irritans リンネ(Linnaeus))および人間や鳥を悩ます他のノミを含むノミ目の昆虫有害生物が挙げられる。包含されるさらに他の節足動物有害生物として、ドクイトグモ(Loxosceles reclusa グレッチュおよびミュレイク(Gertsch & Mulaik))ならびにクロゴケグモ(Latrodectus mactans ファブリシウス(Fabricius))などのクモ目のクモ、イエムカデ(Scutigera coleoptrata リンネ(Linnaeus))などの唇脚綱ゲジ目のムカデが挙げられる。
【0244】
本発明の化合物は、条虫綱(条虫)および吸虫綱(吸虫)を含む扁形動物目(扁虫);ケモノコウトウチュウ目およびコウトウチュウ目を含む鉤頭動物門(鉤頭虫);ならびに双器綱(アファズミダイ(Aphasmidae))および双線綱(ファズミダイ(Phasmidae))を含む線虫綱(回虫)の寄生性蠕虫類にも活性を有する。本発明の化合物は、経済的観点から重要な農業有害生物(例えば、ネコブセンチュウ属の根こぶ線虫、ヘテロデラ(Heterodera)属のシスト線虫、ネグサレセンチュウ属の根ぐされ線虫、ジチレンチュス(Ditylenchus)族のステム線虫、アフェレンコイデス(Aphelenchoides)属のシードおよびリーフ線虫、ならびにキシフィネマ(Xiphinema)属のスティング線虫など);ならびに動物および人間の健康を害する有害生物(例えば、吸虫、条虫および回虫であり、ウマの普通円虫(Strangylus vulgaris)、イヌの犬回虫(Toxocara canis)、ヒツジの捻転胃虫(Haemonchus contortus)、イヌの犬糸状虫(Dirofilaria immitis)、ウマの葉状条虫(Anoplocephala perfoliata)および反芻動物の肝蛭虫(Fasciola hepatica )など)などであるがこれに限定されるものではない、エノプルス目、ドリライムス目、ラブジチダ目、円虫目、回虫目、蟯虫目、センビセンチュウ目、ハリセンチュウ目、ヨウセンチュウ目、ディプロガスタ目、ラブジアジダ(Rhabdiasida)目およびカマラヌス目の経済的観点から重要な虫類にも活性を有する。
【0245】
本発明の化合物は、エンドウヒゲナガアブラムシ(Acyrthisiphon pisum Harris)、マメアブラムシ(Aphis craccivora Koch)、マメクロアブラムシ(Aphis fabae Scopoli)、ワタアブラムシ(Aphis gossypii Glover)、リンゴアブラムシ(Aphis pomi De Geer)、ユキヤナギアブラムシ(Aphis spiraecola Patch)、ジャガイモヒゲナガアブラムシ(Aulacorthum solani Kaltenbach)、イチゴケナガアブラムシ(Chaetosiphon fragaefolii Cockerell)、ロシアコムギアブラムシ(Diuraphis noxia Kurdjumov/Mordvilko)、バラリンゴアブラムシ(Dysaphis plantaginea Paaserini)、リンゴワタムシ(Eriosoma lanigerum Hausmann)、モモコフキアブラムシ(Hyalopterus pruni Geoffroy)、ニセダイコンアブラムシ(Lipaphis erysimi Kaltenbach)、穀類につくアブラムシ(Metopolophium dirrhodum Walker)、チューリップヒゲナガアブラムシ(Macrosipum euphorbiae Thomas)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae Sulzer)、レタスアブラムシ)Nasonovia ribisnigri Mosley)、コブアブラムシ(Pemphigus spp.)、トウモロコシアブラムシ(Rhopalosiphum maidis Fitch)、ムギクビレアブラムシ(Rhopalosiphum padi Linnaeus)、ムギミドリアブラムシ(Schizaphis graminum Rondani)、ムギヒゲナガアブラムシ(Sitobion avenae Fabricius)、マダラアルファルファアブラムシ(Therioaphis maculata Buckton)、コミカンアブラムシ(Toxoptera aurantii Boyer de Fonscolombe)およびミカンクロアブラムシ(Toxoptera citricida Kirkaldy)、カサアブラムシ(Adelges spp.)、ペカンネアブラムシ(Phylloxera devastatrix Pergande)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci Gennadius)、シルバーリーフコナジラミ(Bemisia argentifolii Bellows & Perring)、ミカンコナジラミ(Dialeurodes citri Ashmead)およびオンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum Westwood)、ジャガイモヒメヨコバイ(Empoasca fabae Harris)、ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus Fallen)、フタテンヨコバイ(Macrolestes quadrilineatus Forbes)、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cinticeps Uhler)、クロスジツマグロヨコバイ(Nephotettix nigropictus Stal)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens Stal)、トウモロコシウンカ(Peregrinus maidis Ashmead)、セジロウンカ(Sogatella furcifera Horvath)、イネウンカ(Sogatodes orizicola Muir)、シロリンゴヨコバイ(Typhlocyba pomaria McAtee)、チマダラヒメヨコバイ(Erythroneoura spp.)、十七年ゼミ(Magicidada septendecim Linnaeus)、イセリヤカイガラムシ(Icerya purchasi Maskell)、サンホゼカイガラムシ(Quadraspidiotus perniciosus Comstock)、ミカンコナカイガラムシ(Planococcus citri Risso)、他のコナカイガラムシ(Pseudococcus spp.)、ヨーロッパナシキジラミ(Cacopsylla pyricola Foerster)、カキキジラミ(Trioza diospyri Ashmead)を含む同翅目の虫類の有害生物に対して特に高い活性を示す。
【0246】
本発明の化合物は、ハリセンチュウ(Tylenchida)目およびドリライムス(Dorylaimida)目の線虫有害生物に対して特に高い活性を示す。これらとしては以下が挙げられる:ネコブセンチュウ属のルートゴール線虫、例えば、メロイドギン アクロネア(Meloidogyne acronea)(ソルガム 根こぶ線虫(sorghum root−knot nematode))、メロイドギン アレナリア(Meloidognye arenaria)(ピーナッツ 根こぶ線虫(peanut root−knot nematode))、メロイドギン ブレビコウダ(Meloidogyne brevicauda)(ティ 根こぶ線虫(tea root−knot nematode))、メロイドギン チトウッディ(Meloidogyne chitwoodi)(コロンビア 根こぶ線虫(Columbia root−knot nematode))、メロイドギン エキグア(Meloidogyne exigua)(ブラジリアン 根こぶ線虫(Brazilian root−knot nematode))、メロイドギン グラミニコラ(Meloidogyne graminicola)(ライス 根こぶ線虫(rice root−knot nematode))、メロイドギン ハプラ(Meloidogyne hapla)(ノーザン 根こぶ線虫(Northern root−knot nematode))、メロイドギン インコグニタ(Meloidogyne incognita)(サウザン 根こぶ線虫(Southern root−knot nematode))、メロイドギン インコグニタ アクリタ(Meloidogyne incognita acrita)(コットン 根こぶ線虫(cotton root−knot nematode))、メロイドギン インディカ(Meloidogyne indica)(シトラス 根こぶ線虫(citrus root−knot nematode))、メロイドギン ジャバニカ(Meloidogyne javanica)(ジャバニーズ 根こぶ線虫(Javanese root−knot nematode))およびメロイドギン マリ(Meloidogyne mali)(アップル 根こぶ線虫(apple root−knot nematode));ヘテロデラ(Heterodera)属のシスト線虫、例えば、ヘテロデラ アミグダリ(Heterodera amygdali)(アーモンド シスト線虫(almond cyst nematode))、ヘテロデラ アベネー(Heterodera avenae)(シリアル シスト線虫(cereal cyst nematode))、ヘテロデラ カロテー(Heterodera carotae)(キャロット シスト線虫(carrot cyst nematode))、ヘテロデラ クルシフェレー(Heterodera cruciferae)(ブラシカ ルート イールワーム(Brassica root eelworm))、ヘテロデラ エラチスタ(Heterodera elachista)(ジャパニーズ シスト線虫(Japanese cyst nematode))、ヘテロデラ フィシ(Heterodera fici)(イチジク シスト線虫(fig cyst nematode))、ヘテロデラ グリシンズ(Heterodera glycines)(ダイズ シスト線虫(soybean cyst nematode))、ヘテロデラ ゴエティンギアナ(Heterodera goettingiana)(エンドウマメ シスト線虫(pea cyst nematode))、ヘテロデラ オリゼー(Heterodera oryzae)(ライス シスト線虫(rice cyst nematode))、ヘテロデラ サッカリ(Heterodera sacchari)(シュガーコーン シスト線虫(sugar cane cyst nematode))、ヘテロデラ スカチティ(Heterodera schachtii)(シュガービート シスト線虫(sugar beet cyst nematode))およびヘテロデラ ジーエ(Heterodera zeae)(コーン シスト線虫(corn cyst nematode));グロボデラ(Globodera)属のシスト線虫、例えば、グロボデラ マリ(Globodera mali)(アップル シスト線虫(apple cyst nematode))、グロボデラ パリダ(Globodera pallida)(ポテト シスト線虫(potato cyst nematode))、グロボデラ ロストチエンシス(Globodera rostochiensis)(ゴールデン 線虫(golden nematode))およびグロボデラ タバコム(Globodera tabacum)(タバコ シスト線虫(tobacco cyst nematode));ネグサレセンチュウ属の根ぐされ線虫、例えば、プラチレンチュス ブラキュラス(Pratylenchus brachyurus)(ゴッドフリーズ 根ぐされ線虫(Godfrey’s root−lesion nematode))、プラチレンチュス コフェー(Pratylenchus coffeae)(バナナ 根ぐされ線虫(banana meadow nematode))、プラチレンチュス ムシコラ(Pratylenchus musicola)(バナナ 線虫(banana nematode))、プラチレンチュス ペネトランス(Pratylenchus penetrans)(コブズ 根ぐされ線虫(Cobb’s meadow nematode))、プラチレンチュス プラテンシス(Pratylenchus pratensis)(デマンズ 根ぐされ線虫(De Man’s root−lesion nematode))、プラチレンチュス スクリブネリ(Pratylenchus scribneri)(スクリブナーズ 根ぐされ線虫(Scribner’s lesion nematode))、プラチレンチュス トーネー(Pratylenchus thornei)(トーネズ 根ぐされ線虫(Thorne’s root−lesion nematode))、プラチレンチュス ブルヌス(Pratylenchus vulnus)(クルミ 根ぐされ線虫(walnut root−lesion nematode))およびプラチレンチュス ジーエ(Pratylenchus zeae)(コーン 根ぐされ線虫(corn root−lesion nematode));ジチレンチュス(Ditylenchus)族のステム線虫、例えば、ジチレンチュス アンガスタス(Ditylenchus angustus)(ライス ステム線虫(rice stem nematode))、ジチレンチュス デストラクター(Ditylenchus destructor)(ポテト ステム線虫(potato tuber nematode))、ジチレンチュス ディプサシ(Ditylenchus dipsaci)(ビート ステム線虫(beet stem nematode))およびジチレンチュス ミセリオファガス(Ditylenchus myceliophagus)(マッシュルーム ステム線虫(mushroom spawn nematode));キシフィネマ(Xiphinema)属のスティングまたはダガー線虫、例えば、キシフィネマ アメリカヌム(Xiphinema americanum)(アメリカン ガダー線虫(American dagger nematode))、キシフィネマ チャンバーシ(Xiphinema chambersi)(チャンバーズ ガダー線虫(Chamber’s dagger nematode))、キシフィネマ ディバーシコウダツム(Xiphinema diversicaudatum)(ヨーロピアン ガダー線虫(European dagger nematode))、キシフィネマ インデックス(Xiphinema index)(カリフォルニア ガダー線虫(California dagger nematode))およびキシフィネマ ラディシコラ(Xiphinema radicicola)(パシフィック ガダー線虫(Pacific dagger nematode));アフェレンコイデス(Aphelenchoides)属のシードおよびリーフ線虫、例えば、アフェレンコイデス ベシイ(Aphelenchoides besseyi)(ライス ホワイト−チップ 線虫(rice white−tip nematode))、アフェレンコイデス コンポスティコラ(Aphelenchoides composticola)(マッシュルーム 線虫((mushroom nematode))、アフェレンコイデス フラガリー(Aphelenchoides fragariae)(ストロベリー 線虫(strawberry nematode))、アフェレンコイデス オリゼー(Aphelenchoides oryzae)(ライス 線虫(rice nematode))およびアフェレンコイデス リッツエマボシ(Aphelenchoides ritzemabosi)(クリサンサマム 線虫(chrysanthemum nematode))。
【0247】
本発明の化合物の1種もしくはそれ以上を、「他の」生物学的に活性な化合物または薬剤の1種もしくはそれ以上と混合することもできる。「他の」生物学的に活性な化合物または薬剤は式Iの化合物を含まない。かかる「他の」生物学的に活性な化合物または薬剤としては殺虫剤、殺菌・殺カビ剤、殺線虫剤、殺バクテリア剤、殺ダニ剤、発根刺激剤のような成長調整剤、不妊化剤、信号化学物質、忌避剤、誘引剤、フェロモン、摂食刺激剤、他の生物学的に活性な化合物または昆虫病原性バクテリア、ウィルスまたは菌類が挙げられ、より広範囲の農業的効用を与える多成分有害生物防除剤が形成される。従って、本発明は、生物学的に有効な量の式Iの化合物、そのN−オキシド、またはその農業的もしくは非農業的に適する塩と、界面活性剤、固体希釈剤または液体希釈剤よりなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分とを含んでなり、そして場合により少なくとも1種の追加の生物学的に活性な化合物または薬剤をさらに含んでもよい組成物にも関する。本発明の化合物と配合することができるかかる生物学的に活性な化合物または薬剤の例は、アバメクチン、アセフェート、アセトアミプリド、アセトプロール、アミドフルメト(S−1955)、アベルメクチン、アザジラクチン、アジンホス−メチル、ビフェントリン、ビフェナゼート、ビストリフルロン、ブプロフェジン、カルボフラン、クロルフェナピル、クロルフルアズロン、クロルピリホス、クロルピリホス−メチル、クロムアフェノジド、クロチアニジン、シフルトリン、β−シフルトリン、シハロトリン、λ−シハロトリン、シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジアフェンチウロン、ジアジノン、ジフルベンズロン、ジメトエート、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、フェノチカルブ、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フィプロニル、フロニカミド、フルシトリネート、τ−フルバリネート、フルフェネリム(UR−50701)、フルフェノクロン、γ−カロトリン、ハロフェノジド、ヘキサフルムロン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、イソフェンホス、ルフェヌロン、マラチオン、メタルデヒド、メタミドホス、メチダチオン、メトミル、メトプレン、メトキシクロル、メトキシフェノジド、メトフルトリン、モノクロトホス、メトキシフェノジド、ノバルロン、ノビフルムロン(XDE−007)、オキサミル、パラチオン、パラチオン−メチル、ペルメトリン、ホレート、ホサロン、ホスメト、ホスファミドン、ピリミカルブ、プロフェノホス、プロフルトリン、プロトリフェンビュート、ピメトロジン、ピリダリル、ピリプロキシフェン、ロテノン、S1812(バレント)スピノサド、スピロメシフェン(BSN2060)、スルプロホス、テブフェノジド、テフルベンズロン、テフルトリン、テルブホス、テトラクロルビンホス、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタプ−ナトリウム、トルフェンピラド、トラロメトリン、トリクロルホンおよびトリフルムロンのような殺虫剤;アシベンゾラー、S−メチル、アゾキシストロビン、ベナラジー−M、ベンチアバリカルブ、ベノミル、ブラストサイジン−S、ボルドー混合物(三塩基性硫酸銅)、ボスカリド、ブロムコナゾール、ブチオベート、カルプロパミド、カプタホール、カプタン、カルベンダジム、クロロネブ、クロロタロニル、クロトリマゾール、酸塩化銅、銅塩、シモキサニル、シアゾファミド、シフルフェナミド、シプロコナゾール、シプロジニル、ジクロシメト、ジクロメジン、ジクロラン、ジフェノコナゾール、ジメトモルフ、ジモキシストロビン、ジニコナゾール、ジニコナゾール−M、ドジン、エジフェンホス、エポキシコナゾール、エタボキサム、ファモキサドン、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンへキサミド、フェノキサニル、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェンチンアセテート、フェンチンヒドロキシド、フルアジナム、フルジオキソニル、フルモルフ、フルオキサストロビン、フルキンコナゾール、フルシナゾール、フルトラニル、フルトリアホール、ホルペット、ホセチル−アルミニウム、フララキシル、フラメタピル、グアザチン、ヘキサコナゾール、ヒメキサゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジン、イプコナゾール、イプロベンホス、イプロジオン、イプロバリカルブ、イソコナゾール、イソプロチオラン、カスガマイシン、クレソキシム−メチル、マンコゼブ、マネブ、メフェノキサム、メパナピリム、メプロニル、メタラキシル、メトコナゾール、メトミノストロビン/フェノミノストロビン、メトラフェノン、ミコナゾール、ミクロブタニル、ネオ−アソジン(メタンアルソネート第二鉄)、ヌアリモル、オリザストロビン、オキサジキシル、オキシポコナゾール、ペンコナゾール、ペンシクロン、ピコベンズアミド、ピコキシストロビン、プロベナゾール、プロクロラズ、プロパモカルブ、プロピコナゾール、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、ピリメタニル、ピリフェノックス、ピロキロン、キノキシフェン、シルチオファム、シメコナゾール、シプコナゾール、スピロキサミン、イオウ、テブコナゾール、テトラコナゾール、チアジニル、チアベンダゾール、チフルズアミド、チオファナート−メチル、チラム、トリフルアニド、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアリモール、トリシクラゾール、トリフロキシストロビン、トリフルミゾール、トリホリン、トリチコナゾール、ユニコナゾール、バリダマイシン、ビンクロゾリンおよびゾキサミドのような殺菌・殺カビ剤;アルジカルブ、オキサミルおよびフェナミホスのような殺線虫剤;ストレプトマイシンのような殺バクテリア剤;アミトラズ、キノメチオナト、クロロベンジラート、シヘキサチン、ジコホル、ジエノクロル、エトキサゾール、フェナザキン、フェンブタチンオキシド、フェンプロパトリン、フェンピロキシメート、ヘキシチアゾクス、プロパルギット、ピリダベンおよびテブフェンピラドのような殺ダニ剤;ならびに昆虫病原性バクテリア(例えば、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)属アイザワイ(aizawai)およびバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)属クルスターキ(kurstaki))、昆虫病原性バクロウィルス(例えば、ヌクレオポリヘドロ ウイルス(nucleopolyhedro virus)(NPVs)、顆粒病ウイルス(granulosis virus)(GVs))、昆虫病原性菌(例えば、グリーン ムスカルジン 菌(green muscardine fungus))およびバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタエンドトキシンのような生物剤である。無脊椎有害生物に対してタンパク質毒性(例えば、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)毒素)を発現するように遺伝的に形質転換された植物に、本発明の化合物およびそれらの組成物を適用することができる。外因的に適用された本発明の無脊椎有害生物防除化合物の効果は、発現された毒素タンパク質と相乗的であり得る。
【0248】
これらの農業用保護剤に関する一般的参照は、ザ ペスティサイド マニュアル(The Pesticide Manual),第12版,C.D.S.トムリン(C.D.S.Tomlin)編,ブリティッシュ クロップ プロテクション カウンシル(British Crop Protection Council),英国、サリー州、ファーナム(Farnham,Surrey,U.K.),2000およびザ バイオペストサイド マニュアル(The BioPestcide Manual),第2版,L.G.コッピング(L.G.Copping)編,ブリティッシュ クロップ プロテクション カウンシル(British Crop Protection Council),英国、サリー州、ファーナム(Farnham,Surrey,U.K.),1998である。
【0249】
本発明の化合物と混合するための殺虫剤および殺ダニ剤の一実施形態としては、シペルメトリン、シハロトリン、シフルトリン、β−シフルトリン、エスフェンバレレート、フェンバレレートおよびトラロメトリンのようなピレスロイド;フェノチカルブ、メトミル、オキサミルおよびチオジカルブのようなカルバメート;アセタミプリド、クロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサムおよびチアクロプリドのようなネオニコチノイド;インドキサカルブのような神経細胞ナトリウムチャンネルブロッカー;スピノサド、アバメクチン、アベルメクチンおよびエマメクチンのような殺虫性大環状ラクトン;エンドスルファン、エチプロールおよびフィプロニルのようなγ−アミノ絡酸(GABA)拮抗剤;フルフェノクロンおよびトリフルムロンのような殺虫性尿素;ジオフェノランおよびピリプロキシフェンのような幼生ホルモン模倣品(mimic);ピメトロジン;ならびにアミトラズが挙げられる。本発明の化合物と混合するのに好ましい生物剤としては、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)およびバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)被包化デルタエンドトキシン、ならびにバクロウィルス科の構成員を含む天然由来および遺伝子改変ウィルス性殺虫剤、ならびに食虫性菌類が挙げられる。
【0250】
混合物のもう1つの実施形態としては、本発明の化合物とシハロトリンとの混合物、本発明の化合物とβ−シフルトリンとの混合物、本発明の化合物とエスフェンバレレートとの混合物、本発明の化合物とメトミルとの混合物、本発明の化合物とイミダクロプリドとの混合物、本発明の化合物とチアクロプリドとの混合物、本発明の化合物とインドキサカルブとの混合物、本発明の化合物とアバメクチンとの混合物、本発明の化合物とエンドスルファンとの混合物、本発明の化合物とエチプロールとの混合物、本発明の化合物とフィプロニルとの混合物、本発明の化合物とフルフェノクロンとの混合物、本発明の化合物とピリプロキシフェンとの混合物、本発明の化合物とピメトロジンとの混合物、本発明の化合物とアミトラズとの混合物、本発明の化合物とバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)アイザワイ(aizawai)またはバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)クルスターキ(kurstaki)との混合物、および本発明の化合物とバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)被包化デルタエンドトキシンとの混合物が挙げられる。
【0251】
特定の例において、同様の範囲の防除を有するが作用様式が異なる他の無脊椎有害生物防除化合物または薬剤との組み合わせは、抵抗処理に関して特に有利である。従って、本発明の組成物は、同様の範囲の防除を有するが作用様式が異なる少なくとも1つの追加の無脊椎有害生物防除化合物または薬剤の生物学的に有効な量をさらに含んでなり得る。植物保護化合物(例えば、タンパク質)を発現するように遺伝子改変された植物または植物の位置を本発明の化合物の生物学的に有効な量と接触させることによっても、より広い範囲の植物保護をもたらすこともでき、抵抗処理に有利となり得る。
【0252】
農業的および/または非農業的外寄生位置を含む有害生物環境に、保護されるべき領域に、または防除されるべき有害生物に直接、1つもしくはそれ以上の本発明の化合物を有効量で適用することにより、無脊椎有害生物は農業的および/または非農業的適用において防除される。従って、本発明は、無脊椎動物またはそれらの環境と、1つもしくはそれ以上の本発明の化合物の生物学的に有効な量と、あるいは少なくとも1つのかかる化合物を含んでなる組成物と、または少なくとも1つのかかる化合物および有効量の少なくとも1つの追加の生物学的に活性な化合物もしくは薬剤を含んでなる組成物とを接触させることを含んでなる、農業的および/または非農業的適用における無脊椎動物の防除方法をさらに含んでなる。本発明の化合物および少なくとも1つの追加の生物学的に活性な化合物または薬剤の有効量を含んでなる適切な組成物の例としては、追加の生物学的に活性な化合物が、本発明の化合物と同一顆粒上に、または本発明の化合物が存在する顆粒から分離された顆粒上に存在する顆粒組成物が挙げられる。
【0253】
接触方法の一実施形態は噴霧による。あるいは、本発明の化合物を含んでなる顆粒組成物を植物の葉面または土壌に適用することができる。本発明の化合物は、植物と、液体製剤の土壌水薬、土壌への顆粒製剤、苗床箱処理または移植浸透として適用される本発明の化合物を含んでなる組成物との接触による、植物の取り込みを介しても有効に運搬され得る。外寄生位置に、本発明の化合物を含んでなる組成物を局所適用することによっても、化合物は有効であり得る。他の接触方法としては、直接および残留噴霧、空気噴霧、ゲル、シードコート、マイクロカプセル化、浸透移行性取り込み、餌料、イヤータグ、ボーラス、霧発生器、燻蒸剤、エーロゾル、ダスト等による本発明の化合物または組成物の適用が挙げられる。無脊椎動物防除装置(例えば、昆虫網)を製作するために、本発明の化合物を材料中に含浸させてもよい。
【0254】
無脊椎有害動物によって消費されるか、またはトラップ、餌料ステーション等のような装置内に使用される餌料組成物中に、本発明の化合物を組み入れることができる。かかる餌料組成物は、(a)活性成分、すなわち、式Iの化合物、そのN−オキシド、またはその農業的もしくは非農業的に適する塩、(b)1つもしくはそれ以上の食物材料、場合により(c)誘引剤、および場合により(d)保湿剤を含んでなる、顆粒の形態であり得る。約0.001〜5%の間の活性成分、約40〜99%の食物材料および/または誘引剤、および場合により、約0.05〜10%の保湿剤を含んでなる、顆粒または餌料組成物は、非常に低い適用率で、特に直接接触よりも摂取による致死量である活性成分の適用量での土壌無脊椎有害生物の防除において有効であり得る。いくつかの食物材料は、食料源および誘引剤の両方として機能し得る。食物材料としては、炭水化物、タンパク質および脂質が挙げられる。食物材料の例は、植物粉、糖、澱粉、動物脂肪、植物油、酵母抽出物および乳固形分である。誘引剤の例は、果物もしくは植物抽出物、香料、または他の動物もしくは植物成分、フェロモン、または標的の無脊椎有害生物を誘引することが既知である他の薬剤のような着臭剤および風味剤である。保湿剤、すなわち、湿分を保持する薬剤の例は、グリコールおよび他のポリオール、グリセリンおよびソルビトールである。注目すべきは、アリ(ant)、シロアリ(termite)およびゴキブリ(cockroach)を個々または組み合わせで含む無脊椎有害生物を防除するために使用される餌料組成物(およびかかる餌料組成物を利用する方法)である。無脊椎有害生物の防除装置は、本発明の餌料組成物と、餌料組成物を受け取るように構成されたハウジングとを含んでなり得る。ここで、ハウジングは、ハウジングの外側の位置から無脊椎有害生物が餌料組成物へと接近することができるように、無脊椎有害生物が開口を通過可能であるサイズに作られた少なくとも1つの開口を有し、そしてハウジングは、無脊椎有害生物の潜在的もしくは既知の活性位置に、またはその付近に配置されるようにさらに構成される。
【0255】
本発明の化合物を純粋な状態で適用することができるが、最も頻繁な適用は、適切な担体、希釈剤および界面活性剤とともに、可能であれば期待される最終用途次第の食品と組み合わせて1つもしくはそれ以上の化合物を含んでなる製剤である。好ましい適用方法は、化合物の水分散系または精製された油溶液の噴霧を含む。噴霧油、噴霧油濃縮物、散布展着剤、アジュバント、他の溶媒およびピペロニルブトキシドのような協力剤との組み合わせも化合物効能を増加させ得る。非農業的使用に関して、缶、ボトルまたは他の容器のような噴霧容器から、ポンプの手段によって、または高圧容器、例えば、加圧エーロゾル噴霧缶からそれを放出することによって、かかる噴霧を適用することができる。かかる噴霧組成物は、様々な形態、例えば、噴霧、ミスト、泡、フェームまたはフォッグを取ることができる。従って、かかる噴霧組成物は、場合によっては、噴射剤、発泡剤等をさらに含み得る。注目すべきは、本発明の化合物または組成物および、噴射剤を含んでなる噴霧組成物である。代表的な噴射剤としては、限定されないが、メタン、エタン、プロパン、イソプロパン、ブタン、イソブタン、ブテン、ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ペンテン、ヒドロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、ジメチルエーテル、およびそれらの混合物が挙げられる。注目すべきは、カ(mosquito)、ブユ(black fly)、サシバエ(stable fly)、メクラアブ(deer fly)、アブ(horse fly)、大形のハチ(wasp)、スズメバチ(yellow jacket)、スズメバチ(hornet)、マダニ(tick)、クモ(spider)、アリ(ant)、ブヨ(gnat)等を個々または組み合わせで含む無脊椎有害生物を防除するために使用される噴霧組成物(および噴霧容器から分配されるかかる噴霧組成物を利用する方法)である。
【0256】
有効な防除に必要とされる適用率(すなわち、「生物学的に有効な量」)は、防除されるべき無脊椎動物の種類、有害生物の生命サイクル、生命段階、大きさ、位置、年齢、宿主作物または動物、摂食行動、交接行動、周囲湿度、温度等のような要因次第である。通常の環境下において、農業的生態系における有害生物を防除するために1ヘクタールあたり約0.01〜2kgの活性成分の適用率が十分であるが、0.0001kg/ヘクタール程度の少なさでも十分であり、または8kg/ヘクタール程度の多さが必要とされてもよい。非農業的適用に関して、有効な使用率は、約1.0〜50mg/平方メートルの範囲であり得るが、0.1mg/平方メートル程度の少なさでも十分であり得、または150mg/平方メートル程度の多さが必要とされ得る。所望のレベルの無脊椎有害生物防除に必要な生物学的に有効な量を当業者は容易に決定することができる。
【0257】
以下の試験は、特定の有害生物に対する本発明の化合物の防除効能を実証する。「防除効能」とは、著しく低下した摂食を引き起こす、節足動物発育の抑制(死亡を含む)を意味する。しかしながら、化合物により得られる有害生物防除保護はこれらの種類に制限されない。化合物の記述に関しては索引表A〜Kを参照のこと。索引表において以下の略号が使用される。tは第三級を意味し、sは第二級を意味し、nはノルマルを意味し、iはイソを意味し、cはシクロを意味し、Meはメチルを意味し、Etはエチルを意味し、Prはプロピルを意味し、i−Prはイソプロピルを意味し、c−ペンチルはシクロペンチルを意味し、Buはブチルを意味し、Phはフェニルを意味し、OMeはメトキシを意味し、OEtはエトキシを意味し、SMeはメチルチオを意味し、SEtはエチルチオを意味し、CNおよびNCの両方はシアノを意味し、PhSOはフェニルスルホニルを意味し、そしてNOはニトロを意味する。略号「Ex.」は「実施例」を表し、その後ろに化合物が調製される実施例を示す数字が続く。
【0258】
【表68】

【0259】
【表69】

【0260】
【表70】

【0261】
【表71】

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【0278】
【表88】

【0279】
【表89】

【0280】
【表90】

【0281】
【表91】

【0282】
【表92】

【0283】
【表93】

【0284】
【表94】

【0285】
【表95】

【0286】
本発明の生物学的実施例
試験A
コナガ(Plutella xylostella)の防除を評価するために、12〜14日齢ラディッシュ植物を内部に含む小型開放容器で試験ユニットを構成した。スタンダード テスティング シーブ(Standard Testing Sieve)30番を通してふるいがけされ、そして40番シーブ上に保持された乾燥トウモロコシ穂軸のグリット中に混合された新生幼虫でこれを事前に外寄生させた。「バゾオカ(bazooka)」試料転送デバイスによって各試験ユニットに投与される量が50〜80個体の幼虫を含有するように、幼虫対グリットの比率を調整した。
【0287】
10%アセトン、90%水、ならびに300ppmのX−77(登録商標)スプレッダー ロー−フォーム フォーミュラ(Spreader Lo−Foam Formula)非イオン性界面活性剤(アルキルアリールポリオキシエチレン、遊離脂肪酸、グリコールおよびイソプロパノール含有)(米国、コロラド州、グリーリーのラブランド・インダストリーズ・インコーポレイテッド(Loveland Industries,Inc.Greeley,Colorado,USA))を含有する溶液を使用して、試験化合物を配合した。各試験ユニット上1.27cm(0.5インチ)上に位置する1/8JJカスタムボディーを有するSUJ2噴霧器ノズル(米国、イリノイ州、ホイートンのスプレーイング・システムス・カンパニー(Spraying Systems Co.Wheaton,Illinois,USA))を通して、配合された化合物を1mL液体で適用した。試験化合物を250ppmで噴霧し、三回繰り返した。配合された試験化合物の噴霧後、各試験ユニットを1時間乾燥させ、次いで黒色のスクリーンキャップを上部に置いた。25℃および70%相対湿度で育成チャンバー中に6日間、試験ユニットを保持した。次いで、消費された葉を基準にして、植物摂食損害を視覚的に評価した。
【0288】
試験された化合物の中で、以下のものが非常に良好なレベルから優れたレベルの植物保護(20%以下の範囲の摂食損害)をもたらした:A1、A2、A8、A15、A16、A23、A25、A28、A29、A31、A34、A36、A38、A42、A43、A45、A46、A47、C1、C2、C4、D1、D2、D3、D4、D5、E4、E18、E19、E20、E23、E27、E29、E47、E76、F5、F13、F31、F33、F36、F39、F58、F59、F61、F78、F79、G7、G8、G9、G11、G14、G17、G18、G20、G22、G23、G26、G27、G31、G32、G33、G34、G36、G44、H3、H6、I1、I2、I3、I4、I5、J2、J3、J5、J7、J8、J10。
【0289】
試験B
接触および/または浸透移行性手段によるコーンプラントホッパー(Peregrinus maidis)の防除を評価するために、3〜4日齢コーン(トウモロコシ)植物(穂)を内部に含む小型開放容器で試験ユニットを構成した。適用前に、土の上部に白砂を加えた。試験Aに記載された通り試験化合物を配合し、250ppmで噴霧し、そして適用を三回繰り返した。噴霧後、サンドシェーカーによって砂上にそれらを振り撒くことによって、10〜20個体のコーンプラントホッパー(18〜20日齢若虫)によってそれらを後外寄生させる前に、試験ユニットを1時間乾燥させた。黒色のスクリーンキャップをシリンダーの上部に置いた。19℃〜21℃および50%〜70%相対湿度で育成チャンバー中に6日間、試験ユニットを保持した。次いで、昆虫死亡率に関して各試験ユニットを視覚的に評価した。
【0290】
試験された化合物の中で、以下のものが少なくとも80%の死亡率をもたらした:A1、A2、A5、A7、A8、A9、A10、A12、A13、A14、A15、A18、A20、A21、A23、A28、A29、A31、A34、A43、A45、A46、B1、B3、B4、B5、B6、B8、C1、D1、D3、E1、E3、E4、E18、E23、E27、E29、E75、E77、E79、E80、E81、E82、F17、F20、F24、F25、F32、F36、F40、F58、F59、F78、F79、G7、G8、G11、G13、G14、G15、G16、G17、G18、G21、G22、G23、G26、G42、J3、J6。
【0291】
試験C
接触および/または浸透移行性手段によるモモアカアブラムシ(Myzus persicae)の防除を評価するために、12〜15日齢ラディッシュ植物を内部に含む小型開放容器で試験ユニットを構成した。培養植物から切除した葉の一片上の30〜40個体のアブラムシを試験植物の葉の上に置くことにより、これを事前に外寄生させた(カットリーフ法)。葉の一片が乾燥すると、幼虫は試験植物上へと移動した。事前外寄生後、試験ユニットの土を砂の層で覆った。試験Aに記載された通り試験化合物を配合し、250ppmで噴霧し、三回繰り返した。配合された試験化合物の噴霧後、各試験ユニットを1時間乾燥させ、次いで黒色のスクリーンキャップを上部に置いた。19℃〜21℃および50%〜70%相対湿度で育成チャンバー中に6日間、試験ユニットを保持した。次いで、昆虫死亡率に関して各試験ユニットを視覚的に評価した。
【0292】
試験された化合物の中で、以下のものが少なくとも80%の死亡率をもたらした:A1、A2、A3、A4、A5、A6、A8、A9、A12、A14、A15、A18、A20、A21、A23、A25、A28、A29、A31、A34、A36、A38、A42、A43、A45、A47、B1、B4、B5、B6、B9、C1、D1、D2、D3、D4、D5、E1、E2、E3、E18、E23、E27、E29、E37、E40、E41、E42、E45、E47、E48、E49、E51、E52、E57、E58、E59、E60、E61、E63、E64、E65、E66、E67、E69、E71、E72、E73、E74、E75、E77、E78、E80、E85、E86、E87、F4、F5、F6、F11、F12、F13、F16、F17、F18、F19、F20、F21、F22、F23、F25、F26、F27、F28、F29、F31、F32、F33、F34、F39、F40、F41、F42、F43、F44、F46、F47、F58、F58、F60、F61、F62、F64、F65、F66、F67、F77、F78、F79、G7、G8、G9、G11、G13、G14、G15、G16、G17、G18、G20、G21、G22、G23、G24、G25、G26、G27、G30、G31、G32、G33、G34、G35、G36、G42、G43、G44、H1、H6、I1、I2、I3、I4、I5、I6、I7、I9、I10、J2、J3、J5、J6、J7、J8、J9、J10。
【0293】
試験D
接触および/または浸透移行性手段による根こぶ線虫(Meloidogyne incognita)の防除を評価するために、7〜9日齢トマト植物を内部に含む小型開放容器で試験ユニットを構成した。試験Aに記載された通り試験化合物を配合し、250ppmで噴霧し、三回繰り返した。噴霧後、試験ユニットを1時間乾燥させ、約250個体の幼若期2(J2)の幼虫を土壌中にピペットで注入し、次いで黒色のスクリーンキャップを上部に置いた。25℃および65%〜70%相対湿度で6日間、試験ユニットを保持した。次いで、根の損傷に関して各試験ユニットを視覚的に評価した。
【0294】
試験された化合物の中で、以下のものが優れたレベルの植物保護(80%以下の範囲の根のゴーリング)をもたらした:A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A12、A13、A14、A15、A16、A18、A19、A21、A23、A25、A28、A29、A31、A34、A36、A38、A42、A43、A45、A46、A47、B1、B2、B4、B5、B6、B9、B10、C3、C5、C8、D1、D2、D3、D4、D5、E3、E4、E6、E10、E12、E13、E15、E16、E17、E18、E19、E20、E21、E22、E23、E27、E28、E29、E30、E31、E33、E37、E39、E40、E41、E42、E43、E44、E45、E46、E47、E48、E49、E50、E51、E52、E57、E61、E63、E64、E65、E66、E69、E70、E72、E74、E75、E77、E79、E80、E82、E83、E86、F1、F3、F4、F5、F12、F13、F14、F16、F17、F18、F19、F20、F20、F21、F22、F23、F24、F25、F26、F27、F28、F29、F31、F32、F33、F34、F39、F40、F41、F42、F43、F44、F46、F47、F58、F59、F60、F61、F62、F64、F65、F66、F77、F78、F79、G1、G2、G3、G4、G6、G7、G8、G9、G11、G13、G14、G15、G20、G21、G22、G23、G24、G25、G26、G27、G28、G30、G31、G32、G33、G34、G35、G36、G43、G44、H1、I1、I2、I3、I4、I5、I6、I7、I8、I9、I10、J1、J2、J3、J6、J7、J8、J9、J10。
【0295】
試験E
接触および/または浸透移行性手段によるジャガイモヒメヨコバイ(Empoasca fabae Harris)の防除を評価するために、5〜6日齢ロンジオビーン(Longio bean)植物(出現した初生葉)を内部に含む小型開放容器で試験ユニットを構成した。適用前に、土の上部に白砂を加え、そして初生葉の一枚を切除した。試験Aに記載された通り試験化合物を配合し、250ppmで噴霧し、そして適用を三回繰り返した。噴霧後、5個体のジャガイモヒメヨコバイ(18〜21日齢成虫)によってそれらを後外寄生させる前に、試験ユニットを1時間乾燥させた。黒色のスクリーンキャップをシリンダーの上部に置いた。19℃〜21℃および50%〜70%相対湿度で育成チャンバー中に6日間、試験ユニットを保持した。次いで、昆虫死亡率に関して各試験ユニットを視覚的に評価した。
【0296】
試験された化合物の中で、以下のものが少なくとも80%の死亡率をもたらした:A8、A10、A15、A16、A28、A31、A43、C1、D1、E10、E18、E19、E27、E29、F29、F36、F58、F59、F64、G7、G11、G13、G14、G20、G23、G24。
【0297】
試験F
接触および/または浸透移行性手段によるコットンメロンエイフィッド(Aphis gossypii)の防除を評価するために、6〜7日齢綿植物を内部に含む小型開放容器で試験ユニットを構成した。試験Cに記載されたカットリーフ法に従って、葉の一片上に30〜40個体で、これを事前に外寄生させ、そして試験ユニットの土を砂の層で覆った。
【0298】
試験Aに記載された通り試験化合物を配合し、250ppmで噴霧した。適用を三回繰り返した。噴霧後、試験ユニットを育成チャンバー中で保持し、次いで昆虫死亡率に関して視覚的に評価した。
【0299】
試験された化合物の中で、以下のものが少なくとも80%の死亡率をもたらした:A2、A8、A9、A12、A14、A15、A21、A28、A31、A42、A43、A45、A47、B5、C1、D1、D2、D3、D4、D5。
【0300】
試験G
接触および/または浸透移行性手段によるミカンキイロアザミウマ(Western Flower Thrip)(Frankliniella occidentalis)の防除を評価するために、5〜7日齢ロンジオビーン(Longio bean)植物を内部に含む小型開放容器で試験ユニットを構成した。
【0301】
試験Aに記載された通り試験化合物を配合し、250ppmで噴霧し、そして適用を三回繰り返した。噴霧後、試験ユニットを1時間乾燥させ、次いで22〜27個体の成虫アザミウマをユニットに加え、次いで黒色のスクリーンキャップを上部に置いた。25℃および45%〜55%相対湿度で7日間、試験ユニットを保持した。
【0302】
試験された化合物の中で、以下のものが優れたレベルの植物保護(20%以下の範囲の摂食損害)をもたらした:A1、A2、A5、A7、A8、A10、A11、A12、A14、A15、A16、A18、A23、A25、A28、A29、A31、A34、A36、A38、A42、A43、A45、A46、A47、B7、C1、C2、C4、C5、D1、D2、D3、D4、D5、E18、E23、E27、E29、E31、E51、E52、E71、E72、E75、E77、E78、E79、E82、F5、F13、F16、F18、F31、F32、F33、F34、F35、F36、F40、F58、F59、F61、F66、G1、G8、G9、G13、G14、G16、G21、G22、G27、G28、G30、G32、G33、G34、G35、G36、G38、G39、G40、G42、H3、H5、H6、I1、I3、J2、J6、J7、J8。
【0303】
試験H
接触および/または浸透移行性手段による成虫ナミハダニ(Tetranychus urticae)の防除を評価するために、7日齢ソリエルビーン(Soliel bean)植物を内部に含む小型開放容器で試験ユニットを構成した。試験植物の葉の上に25〜50個体の成虫ナミハダニを有する切除した葉を置くことにより、これらの試験植物を事前に外寄生させた。頭上蛍光灯を使用して、切除した葉から試験植物の葉の裏面へのダニの移動を誘導した。これは18時間かかった。試験Aに記載された通り試験化合物を配合し、250ppmで噴霧し、三回繰り返した。配合された試験化合物の噴霧後、各試験ユニットを1時間乾燥させ、次いで黒色のスクリーンキャップを上部に置いた。25℃および50%〜70%相対湿度で育成チャンバー中に6日間、試験ユニットを保持した。次いで、成虫ダニ死亡率に関して各試験ユニットを視覚的に評価した。
【0304】
試験された化合物の中で、以下のものが少なくとも80%の死亡率をもたらした:A2、A3、A4、A5、A7、A8、A9、A12、A13、A14、A15、A16、A17、A18、A20、A21、B4、B5、B6、B10、E1、E2、E3、E4、E79、E80、E83、G23、G28。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】


[式中、
QはQ−1またはQ−2であり;
【化2】


YはH、F、ClまたはCHであり;
AはCN、C−Cアルキル、OR1a、SR1a、NR1a2aまたはCONR1b2bであり;
ZはO、SまたはNRであり;
WはNまたはCRであり;
およびJはそれぞれ場合により1個のGによって置換されていてもよく且つそれぞれ場合により1個もしくはそれ以上のRによって置換されていてもよいC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルアルキル、C−Cアルコキシ、C−CアルコキシカルボニルまたはC−Cアルキルカルボニルであるか;あるいは
およびJはG、NO、CN、OH、NR、CONR、OCONR、C−Cアルキルスルホニル、C(O)GまたはS(O)Gであり;
各Gは独立して各環または環系が場合により1〜5個のRによって置換されていてもよいフェニル環、ナフチル環系、5員もしくは6員の芳香族複素環または芳香族8員、9員もしくは10員の縮合ヘテロビシクロ環系であり;
1aおよびR1bはH;G;CN;またはそれぞれ場合によりG、ハロゲン、CN、NO、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、C−Cアルキルスルフィニル、C−Cアルキルスルホニル、C−Cアルコキシカルボニル、C−Cアルキルアミノ、C−CジアルキルアミノおよびC−Cシクロアルキルアミノよりなる群から選択される1個もしくはそれ以上の置換基によって置換されていてもよいC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキルアルキルであり;
2aおよびR2bはH;またはそれぞれ場合によりハロゲン、CN、NO、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、C−Cアルキルスルフィニル、C−Cアルキルスルホニル、C−Cアルコキシカルボニル、C−Cアルキルアミノ、C−CジアルキルアミノおよびC−Cシクロアルキルアミノよりなる群から選択される1個もしくはそれ以上の置換基によって置換されていてもよいC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキルアルキルであるか;あるいは
1aおよびR2aまたはR1bおよびR2bはそれらが結合している窒素と一緒になって、2〜5個の炭素原子を含有し且つ場合により窒素、硫黄もしくは酸素のうちの1個の追加の原子を含有していてもよい環を形成し、該環は場合により1〜2個のRによって置換されていてもよく;
はH、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキルアルキルであり;
はH、C−CアルキルまたはCNであるか;あるいは
は場合により1〜5個のRによって置換されていてもよいフェニル環であり;
各Rは独立してハロゲン、CN、NO、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cハロアルケニル、C−Cハロアルキニル、C−Cハロシクロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、C−Cアルキルチオ、C−Cアルキルスルフィニル、C−Cアルキルスルホニル、C−Cハロアルキルチオ、C−Cハロアルキルスルフィニル、C−Cハロアルキルスルホニル、C−Cアルキルアミノ、C−Cジアルキルアミノ、C−Cシクロアルキルアミノ、C−CアルキルカルボニルまたはC−Cアルコキシカルボニルであり;
およびRはそれぞれ独立してH;またはそれぞれ場合によりハロゲンによって置換されていてもよいC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−CアルキルカルボニルまたはC−Cアルコキシカルボニルであるか;あるいは
およびRはそれらが結合している窒素と一緒になって、2〜5個の炭素原子を含有し且つ場合により窒素、硫黄もしくは酸素のうちの1個の追加の原子を含有していてもよい環を形成し、該環は場合によりハロゲンによって置換されていてもよく;
各Rは独立してハロゲン、CN、NO、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cハロアルケニル、C−Cハロアルキニル、C−Cハロシクロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、C−Cアルキルチオ、C−Cアルキルスルフィニル、C−Cアルキルスルホニル、C−Cハロアルキルチオ、C−Cハロアルキルスルフィニル、C−Cハロアルキルスルホニル、C−Cアルキルアミノ、C−Cジアルキルアミノ、C−Cシクロアルキルアミノ、C−CアルキルカルボニルまたはC−Cアルコキシカルボニルであるか、あるいは
各Rは独立して各環が場合により1〜5個のRによって置換されていてもよいフェノキシ環またはフェニル環であり;
10はH;またはそれぞれ場合によりハロゲン、CN、NO、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、C−Cアルキルスルフィニル、C−Cアルキルスルホニル、C−Cアルコキシカルボニル、C−Cアルキルアミノ、C−CジアルキルアミノおよびC−Cシクロアルキルアミノよりなる群から選択される1個もしくはそれ以上の置換基によって置換されていてもよいC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキルアルキルであるか;あるいは
10はC−Cアルキルチオ、CN、CO12、CONR1213または場合により1〜5個のR11によって置換されていてもよいフェニルであり;
各R11は独立してハロゲン、CN、NO、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cハロアルケニル、C−Cハロアルキニル、C−Cハロシクロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、C−Cアルキルチオ、C−Cアルキルスルフィニル、C−Cアルキルスルホニル、C−Cハロアルキルチオ、C−Cハロアルキルスルフィニル、C−Cハロアルキルスルホニル、C−Cアルキルアミノ、C−Cジアルキルアミノ、C−Cシクロアルキルアミノ、C−CアルキルカルボニルまたはC−Cアルコキシカルボニルであり;
12およびR13はそれぞれ独立してHまたはC−Cアルキルであり;そして
nは1、3または5であり;
ただし
(1)YがFであり、ZがSであり、nが1であり、AがSR1a、NR1a2aであり、そしてWがNである場合、Jはアルキル、G、CNまたはシクロアルキル以外であり;
(2)Jは3−(4−トリフルオロメチル)ピリジニルカルボニルまたはそのN−オキシド以外であり;
(3)R10がH、メチル、エチル、フェニルまたは4−フルオロフェニルであり、そしてJがRによって置換されたフェニルである場合、Rは2−フルオロエトキシ以外であり;
(4)ZがNHであり、WがNであり、そしてAがSR1aである場合、Jは2位および6位でアルキルまたはシクロアルキルによって置換されたフェニル以外であり;そして
(5)ZがNRであり、WがNまたはCHであり、AがNR1a2aであり、そしてR1aまたはR2aがHまたはアルキルである場合、JはCNまたはNO以外である]
の化合物、そのN−オキシドまたはその農業的もしくは非農業的に適する塩。
【請求項2】
QがQ−1であり;そして
がG;またはそれぞれ場合により1個もしくはそれ以上のRによって置換されていてもよいC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルアルキル、C−Cアルコキシ、C−CアルコキシカルボニルまたはC−Cアルキルカルボニルである
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
YがHまたはFであり;
AがCN、C−Cアルキル、OR1aまたはNR1a2aであり;
ZがSであり;
WがNであり;
1aおよびR2aがそれぞれ独立してH、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニルであり;そして
およびRがそれぞれ独立してハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、CN、NO、CFまたはOCFである
請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
QがQ−1であり;そして
がG、NO、CN、OH、NR、CONR、C−Cアルキルスルホニル、C(O)GまたはS(O)Gである
請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
YがHまたはFであり;
AがOR1a、SR1aまたはNR1a2aであり;
WがNまたはCHであり;
1aおよびR2aがそれぞれ独立してH、それぞれ場合により1〜3個のハロゲンによって置換されていてもよいC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキルアルキルであり;
1aおよびR2aはそれらが結合している窒素と一緒になって、2〜5個の炭素原子を含有し且つ場合により窒素、硫黄もしくは酸素のうちの1個の追加の原子を含有していてもよい環を形成し、該環は場合により1〜2個のRによって置換されていてもよく;
がHまたはC−Cアルキルであり;
およびRがそれぞれ独立してハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、CN、NO、CFまたはOCFであり;そして
nが1または3である
請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
QがQ−1であり;
YがHであり;
ZがSであり;
WがNであり;
AがNR1a2aであり;
が場合により1〜5個のRによって置換されていてもよいフェニルであり;
1aおよびR2aがそれぞれ独立してHまたはC−Cアルキルであり;そして
nが1または3である
請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
QがQ−2であり;
YがHであり;
がC−Cアルキルまたは場合により1〜5個のRによって置換されていてもよいフェニルであり;
10がH、C−Cアルキル、C−Cアルキルチオ、CONR1213または場合により1〜5個のR11によって置換されていてもよいフェニルであり;そして
nが1または3である
請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
QがQ−2であり;
YがFであり;
がC−Cアルキルまたは場合により1〜5個のRによって置換されていてもよいフェニルであり;
10がH、C−Cアルキル、C−Cアルキルチオ、CONR1213または場合により1〜5個のR11によって置換されていてもよいフェニルであり;そして
nが1または3である
請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
QがQ−1であり;
YがHであり;
ZがSであり;
AがSR1aであり;
WがNであり;
がCN、NO、OH、C−Cアルコキシまたは場合により1〜5個のRによって置換されていてもよいフェニルであり;
1aがC−Cアルキルであり;そして
nが1または3である
請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
QがQ−1であり;
YがHまたはCHであり;
ZがSであり;
AがOR1aまたはSR1aであり;
WがNであり;そして
がCNである
請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
請求項1に記載の化合物の生物学的に有効な量、ならびに界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤よりなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分を含んでなり、場合により少なくとも1種の追加の生物学的に活性な化合物または薬剤の有効量をさらに含んでなっていてもよい無脊椎有害生物の防除のための組成物。
【請求項12】
少なくとも1種の追加の生物学的に活性な化合物または薬剤がピレスロイド、カルバメート、ネオニコチノイド、神経細胞ナトリウムチャンネルブロッカー、殺虫性大環状ラクトン、γ−アミノ酪酸(GABA)拮抗剤、殺虫性尿素、幼若ホルモン模倣品(mimic)、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)の一員、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタエンドトキシン、および天然由来または遺伝子改変ウイルス殺虫剤よりなる群の殺虫剤から選択される請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
少なくとも1種の追加の生物学的に活性な化合物または薬剤がアバメクチン、アセフェート、アセトアミプリド、アセトプロール、アミドフルメト(S−1955)、アベルメクチン、アザジラクチン、アジンホス−メチル、ビフェントリン、ビフェナゼート、ビストリフルロン、ブプロフェジン、カルボフラン、クロルフェナピル、クロルフルアズロン、クロルピリホス、クロルピリホス−メチル、クロムアフェノジド、クロチアニジン、シフルトリン、β−シフルトリン、シハロトリン、λ−シハロトリン、シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジアフェンチウロン、ジアジノン、ジフルベンズロン、ジメトエート、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、フェノチカルブ、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フィプロニル、フロニカミド、フルシトリネート、τ−フルバリネート、フルフェネリム(UR−50701)、フルフェノクロン、γ−カロトリン、ハロフェノジド、ヘキサフルムロン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、イソフェンホス、ルフェヌロン、マラチオン、メタルデヒド、メタミドホス、メチダチオン、メトミル、メトプレン、メトキシクロル、メトキシフェノジド、メトフルトリン、モノクロトホス、メトキシフェノジド、ノバルロン、ノビフルムロン(XDE−007)、オキサミル、パラチオン、パラチオン−メチル、ペルメトリン、ホレート、ホサロン、ホスメト、ホスファミドン、ピリミカルブ、プロフェノホス、プロフルトリン、プロトリフェンビュート、ピメトロジン、ピリダリル、ピリプロキシフェン、ロテノン、S1812(バレント)スピノサド、スピロメシフェン(BSN2060)、スルプロホス、テブフェノジド、テフルベンズロン、テフルトリン、テルブホス、テトラクロルビンホス、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタプ−ナトリウム、トルフェンピラド、トラロメトリン、トリクロルホン、トリフルムロン、アルジカルブ、フェナミホス、アミトラズ、チノメチオナト、クロロベンジレート、シヘキサチン、ジコホール、ジエノクロル、エトキサゾール、フェナザキン、フェンブタチンオキシド、フェンピロキシメート、ヘキシチアゾクス、プロパルギット、ピリダベン、テブフェンピラド、バチルス・チューリンゲンシス・アイザワイ(Bacillus thuringiensis aizawai)、バチルス・チューリンゲンシス・クルスターキ(Bacillus thuringiensis kurstaki)、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)被包化デルタエンドトキシン、バクロウィルス、昆虫病原性バクテリア、昆虫病原性ウィルスならびに昆虫病原性菌・カビ類よりなる群から選択される請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
少なくとも1種の追加の生物学的に活性な化合物または薬剤がシペルメトリン、シハロトリン、シフルトリンおよびβ−シフルトリン、エスフェンバレレート、フェンバレレート、トラロメトリン、フェノチカルブ、メトミル、オキサミル、チオジカルブ、アセトアミプリド、クロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサム、チアクロプリド、インドキサカルブ、スピノサド、アバメクチン、アベルメクチン、エマメクチン、エンドスルファン、エチプロール、フィプロニル、フルフェノクロン、トリフルムロン、ジオフェノラン、ピリプロキシフェン、ピメトロジン、アミトラズ、バチルス・チューリンゲンシス・アイザワイ(Bacillus thuringiensis aizawai)、バチルス・チューリンゲンシス・クルスターキ(Bacillus thuringiensis kurstaki)、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)被包化デルタエンドトキシンならびに食虫性菌・カビ類よりなる群から選択される請求項11に記載の組成物。
【請求項15】
無脊椎有害生物またはその環境を請求項1に記載の化合物の生物学的に有効な量と接触させることを含んでなる無脊椎有害生物の防除方法。
【請求項16】
無脊椎有害生物またはその環境を請求項11に記載の組成物の生物学的に有効な量と接触させることを含んでなる無脊椎有害生物の防除方法。
【請求項17】
無脊椎有害生物がゴキブリ、アリまたはシロアリであり、該生物が該化合物を含んでなる餌料組成物を消費することによって該化合物と接触する請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
無脊椎有害生物がカ、ブユ、サシバエ、メクラアブ、アブ、大形のハチ、スズメバチ(yellow jacket)、スズメバチ(hornet)、マダニ、クモ、アリまたはブヨであり、該生物を噴霧容器から分配される該化合物を含んでなる噴霧組成物に接触させる請求項15または16に記載の方法。
【請求項19】
(a)請求項1に記載の化合物、および
(b)噴射剤
を含んでなる噴霧組成物。
【請求項20】
(a)請求項1に記載の化合物、
(b)1種もしくはそれ以上の食物材料、
(c)場合により誘引剤、および
(d)場合により保湿剤
を含んでなる餌料組成物。
【請求項21】
(a)請求項20に記載の餌料組成物、および
(b)餌料組成物を受け取るように構成されたハウジングであって、ハウジングの外側の位置から無脊椎有害生物が餌料組成物に接近することができるように、無脊椎有害生物が開口を通過可能であるサイズに作られた少なくとも1つの開口を有し、且つ無脊椎有害生物の潜在的または既知の活性位置にまたはその付近に配置されるようにさらに構成されたハウジング
を含んでなる無脊椎有害生物の防除装置。

【公表番号】特表2007−524694(P2007−524694A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−554291(P2006−554291)
【出願日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【国際出願番号】PCT/US2005/005581
【国際公開番号】WO2005/080327
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】