説明

水処理装置

【課題】送信された操作信号を処理装置本体において常時確実に受信することで、処理装置本体の設置場所の制約が少なくかつ使い勝手のよい水処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
原水を処理する装置本体3を備える。装置本体3から離れた任意の位置に設置される吐水スタンド2を備える。吐水スタンド2は、設置面に設置されるベース部31を備える。また連絡管20を介して装置本体3に接続されて装置本体3で生成した処理水を吐水する吐水部21を備える。また装置本体3を遠隔操作するための操作部32を備える。また操作部32が操作された際に操作信号を装置本体3に設けた受信部30aに無線送信する送信部29a、29bを複数備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水道水のような原水を処理する水処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に示す従来の水処理装置は、原水を供給する水栓に付設される切替ユニットと、切替ユニットから給水管を介して供給された原水を処理する装置本体を備えている。装置本体は台所の流し台上のスペースにおいて切替ユニットから離れた位置に設置されるものであり、装置本体で生成した処理水を切替ユニットに設けた処理水吐水口から吐出できるようになっている。切替ユニットは装置本体を操作するための操作部と、該操作部が操作された際に操作信号を装置本体の受信部に無線送信する送信部を備え、操作部を操作することで装置本体を遠隔操作して処理水吐水口から吐出される処理水の水質を変更するものである。
【0003】
ところで流し台上のスペースは限られたものであり、流し台上に食器や、調理器具、調味料や洗剤のボトル等が置かれることが多く、また切替えユニットは水栓に設けられていることから、使用者の都合により様々な向きに変更されることがある。
【0004】
ここで上記特許文献1に示す水処理装置は操作部が操作された際に操作信号を無線送信するための送信部を一個だけ設けたものであるので、切替ユニットと処理装置本体との間に上記流し台上に置かれた物や水栓が通信にとっての障害物となる場合があり、この場合、切替ユニットから送信された操作信号を処理装置本体で受信することできない。そしてこの場合、操作部で選択された水質の処理水を処理装置本体より供給することができなくなったり、また水処理装置の設置場所が制約を受けたりすることで、水処理装置や台所の使い勝手を悪化させることにつながっていた。
【特許文献1】特開平11−277046号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、送信された操作信号を処理装置本体において確実に受信することで、処理装置本体の設置場所の制約が少なくかつ使い勝手のよい水処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明の請求項1に係る水処理装置は、原水を処理する装置本体3と、装置本体3から離れた任意の位置に設置される吐水スタンド2を備え、吐水スタンド2は、設置面に設置されるベース部31と、連絡管20を介して装置本体3に接続されて装置本体3で生成した処理水を吐水する吐水部21と、装置本体3を遠隔操作するための操作部32と、該操作部32が操作された際に操作信号を装置本体3に設けた受信部30aに無線送信する送信部29a、29bを備え、該吐水スタンド2は前記送信部29a、29bを複数備えて成ることを特徴とする。上記のように水処理装置を装置本体3と、別体の吐水スタンド2で構成することで、処理水を吐水する吐水スタンド2を装置本体3から離れた所望の位置に配置でき、また吐水スタンド2に設けた操作部32で装置本体3を遠隔操作できる。また特に吐水スタンド2に送信部29a、29bを複数設けたので、複数ある送信部29a、29bのうちいずれかの送信部の送信方向に小物や吐水スタンド2の吐水部21等の通信を阻害する障害物が位置したとしても、他の送信部によって受信部30aとの通信を確保できる。
【0007】
また請求項2は請求項1において、前記操作部32による操作信号を各送信部29a、29bから天井50に向けて送信し、該操作信号を天井50に反射させて装置本体3の受信部30aで受信する水処理装置であって、吐水部21を、ベース部31から立ち上げた縦管部33と、縦管部33の上端部から横方向に伸びて先端部に処理水を吐水する吐水口部35を設けた横管部34とからなる吐水管36で構成し、該吐水管36の横管部34を縦軸回りに回動自在とし、前記送信部29a、29bを平面視で横管部34の回動方向に間隔を介して複数設けて成ることを特徴とする。操作部32による操作信号を各送信部29a、29bから天井50に向けて送信し、該操作信号を天井50に反射させて装置本体3の受信部30aで受信するので、装置本体3や吐水スタンド2が設置される流し台24等の設置面上に小物等の通信を阻害する障害物が置かれたとしても、この障害物をかわして操作信号を受信部30aで受信することができる。また送信部29a、29bを平面視で横管部34の回動方向に間隔を介して複数設けたので、複数ある送信部29a、29bのうちいずれかの送信部の送信方向に回動自在となった吐水管36の横管部34が位置して通信が阻害されたとしても、他の送信部によって受信部30aとの通信を確保できる。
【0008】
また請求項3は請求項1又は請求項2において、前記操作部32による操作信号を各送信部29a、29bから天井50に向けて送信し、該操作信号を天井50に反射させて装置本体3の受信部30aで受信する水処理装置であって、各送信部29a、29bからの操作信号の送信方向を異ならせて成ることを特徴とする。操作部32による操作信号を各送信部29a、29bから天井50に向けて送信し、該操作信号を天井50に反射させて装置本体3の受信部30aで受信するので、装置本体3や吐水スタンド2が設置される流し台24等の設置面上に小物等の通信を阻害する障害物が置かれたとしても、この障害物をかわして操作信号を受信部30aで受信することができ、より確実な通信を実現できる。また各送信部29a、29bからの操作信号の送信方向を異ならせることで、広域に操作信号を送信でき、送受信可能範囲を拡大できる。
【0009】
また請求項4は請求項1乃至3のいずれか1項において、前記操作部32を構成する操作釦32a〜32cが押し操作された際には、各送信部29a、29bは出力時間t2の同一の操作信号を所定の送信時間間隔t1で繰り返し送信し、且つ異なる送信部29a、29bから送信される操作信号が重複しないように位相をずらして送信するものあって、受信部30aで操作信号を受信した後、該操作信号の終端から所定時間T(ここで所定時間Tは、t1<T<t1+t2、t1:前記送信時間間隔、t2:前記操作信号の出力時間)が経過するまでカウントし、該カウント時に操作信号を受信した場合に該カウント時に受信した操作信号の終端から前記所定時間Tが経過するまで新たにカウントし、以下、カウント時に操作信号を受信しなくなるまで前記制御を継続して行い、前記カウント時において操作信号を受信しなかった場合に当該カウント前に受信した前記操作信号に基づいて装置本体3の動作を制御することを特徴とする。上記制御により、操作釦32a〜32cの押し操作が解除された際には、最後に受信した操作信号の終端から所定時間Tが経過した時点で前記操作釦32a〜32cの押し操作の解除を検知でき、これにより速やかに装置本体3の動作を制御することができる。また特にこの場合、吐水スタンド2が装置本体3から左右方向に離れた位置に設置される等して受信される操作信号に歯抜け状態が生じたとしても、受信部30aで受信した操作信号とこの次に受信した操作信号との間で装置本体3の動作の制御がなされることを防止できる。
【0010】
また本発明の請求項5に係る水処理装置は、原水を供給する水栓25に付設されると共に原水吐水口を設けた切替ユニット47と、切替ユニット47とは離れた位置に設置されて切替ユニット47から給水管23を介して供給された原水を処理して処理水を生成する装置本体3と、装置本体3で生成した処理水を吐出する処理水吐出部45を備え、切替ユニット47は、水栓25から供給された原水を前記原水吐水口から吐出するか、又は水栓25から供給された原水を前記給水管23を介して装置本体3に供給するかを切替える切替手段と、装置本体3を操作するための操作部32と、該操作部32が操作された際に操作信号を装置本体3に設けた受信部30aに無線送信する送信部29a、29bを備え、該切替ユニット47は前記送信部29a、29bを複数備えて成ることを特徴とする。上記のように水処理装置を装置本体3と水栓25に付設される切替ユニット47で構成することで、装置本体3を切替ユニット47から離れた所望の位置に配置でき、またこの切替ユニット47に設けた操作部32で装置本体3を遠隔操作でき、使い勝手が良い。また特に切替ユニット47に送信部29a、29bを複数設けたので、複数ある送信部29a、29bのうちいずれかの送信部の送信方向に小物や水栓25等の通信を阻害する障害物が位置したとしても、他の送信部によって受信部30aとの通信を確保でき、水処理装置を構成する装置本体3を障害物を考慮することなく自由な位置に設置できる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明では、水処理装置を装置本体と別体の吐水スタンドで構成することで、処理水を吐出する吐水スタンドを装置本体から離れた所望の位置に配置でき、またこの吐水スタンドに設けた操作部で装置本体を遠隔操作でき、使い勝手が良い。また特に吐水スタンドに送信部を複数設けたので、複数ある送信部のうちいずれかの送信部の送信方向に小物や吐水スタンドの吐水部等の通信を阻害する障害物が位置したとしても、他の送信部によって受信部との通信を確保でき、水処理装置を構成する装置本体や吐水スタンドを障害物を考慮することなく自由な位置に設置できる。
【0012】
また請求項2に係る発明では、請求項1に係る発明の効果に加えて、操作信号を天井に反射させて受信するので、装置本体や吐水スタンドが設置される流し台24等の設置面上に小物等の通信を阻害する障害物が置かれたとしても、この障害物をかわして操作信号を受信部で受信することができ、より確実な通信を実現できる。また複数ある送信部のうちいずれかの送信部の送信方向に回動自在となった吐水管の横管部が位置して通信が阻害されたとしても、他の送信部によって受信部との通信を確保でき、この点でも確実な通信を実現できる。
【0013】
また請求項3に係る発明では、請求項1又は請求項2に係る発明の効果に加えて、操作信号を天井に反射させて受信するので、装置本体や吐水スタンドが設置される流し台24等の設置面上に小物等の通信を阻害する障害物が置かれたとしても、この障害物をかわして操作信号を受信部で受信することができ、より確実な通信を実現できる。また各送信部からの操作信号の送信方向を異ならせることで、広域に操作信号を送信でき、送受信可能範囲を拡大できる。
【0014】
また請求項4に係る発明では、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に係る発明の効果に加えて、操作釦の押し操作が解除された際には、最後に受信した操作信号の終端から所定時間が経過した時点で操作釦の押し操作の解除を検知でき、これにより速やかに装置本体の動作を制御することができる。また特にこの場合、吐水スタンドが装置本体から左右方向に離れた位置に設置される等して受信される操作信号に歯抜け状態が生じたとしても、受信部で受信した操作信号とこの次に受信した操作信号との間で装置本体の動作の制御がなされることを防止できる。
【0015】
また請求項5に係る発明では、水処理装置を装置本体と水栓に付設される切替ユニットで構成することで、装置本体を切替ユニットから離れた所望の位置に配置でき、またこの切替ユニットに設けた操作部で装置本体を遠隔操作でき、使い勝手が良い。また特に切替ユニットに送信部を複数設けたので、複数ある送信部のうちいずれかの送信部の送信方向に小物や水栓等の通信を阻害する障害物が位置したとしても、他の送信部によって受信部との通信を確保でき、水処理装置を構成する装置本体を障害物を考慮することなく自由な位置に設置できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。図1及び図2に示す本実施形態の一例の水処理装置は、原水からアルカリイオン水や酸性イオン水を生成したり、あるいは原水を浄水する電解水生成装置として利用されるものであって、水道水等の原水を処理する装置本体3と、装置本体3から離れた任意の位置に設置される吐水スタンド2を備え、装置本体3で処理された処理水を連絡管20を介して吐水スタンド2に供給し、吐水スタンド2に設けた吐水部21から吐水できるようになっている。
【0017】
装置本体3は例えば図1に示すように屈曲自在のホースからなる給水管23を介して流し台24に設けた水栓25に接続され、水栓25を介して水道等の原水管1に連通接続される。なお図中26は水栓25に設けた分岐水栓からなる切替部であり、該切替部26により水栓25に供給された原水を水栓25に設けた原水出口27からそのまま吐水するか又は給水管23を介して装置本体3に供給するかを切替可能としてある。
【0018】
装置本体3は箱型のハウジングで外郭を構成してあり、図1に示すように水栓25からやや離れた流し台24の上等に設置される。図2に示すように装置本体3内には、内部配管28及び浄水部4、カルシウム供給部5、電解槽7をはじめとする機器を収容している。内部配管28の上流側は給水管23に接続してあり、該内部配管28の途中には上流側から順に浄水部4、流量センサ6、カルシウム供給部5、電解槽7を配設している。
【0019】
浄水部4は原水管1より供給される原水中の残留塩素を吸収する活性炭及び一般細菌や不純物を取り除く中空紙膜を備えたカートリッジで構成してあり、装置本体3に対して着脱自在となっている。カルシウム供給部5は、グリセロリン酸カルシウムや乳酸カルシウム等のカルシウムイオンを原水中に投与するカルシウム添加筒からなり、原水の導電率を高める。
【0020】
電解槽7は隔膜8によって槽内が二分され電極室7a、7bが形成され、各電極室7a、7bには電解処理用の電極として電極板9、10を配設している。隔膜8は水中のイオン性物質は自由に通過するが液体の水自身の自由な往来を阻害する程度の微細な孔を有する。内部配管28は電解槽7よりも上流側で且つカルシウム供給部5よりも下流側で二流路に分岐し、一方は電解槽7の電極板9を設けた電極室7aの下端部に接続され、他方は電極板10を設けた電極室7bの下端部に接続される。
【0021】
電解槽7に設けた電極板9、10は後述の本体側制御部15を介して装置本体3に内蔵した電源部16に接続してあり、両電極板9、10に電源部16から直流電圧を印加することで、相対的に両電極板9、10のうち一方を陽極とすると共に他方を陰極とし、これにより電解槽7内に供給された水を電気分解して電解水を生成する。即ち両電極板9、10間に電圧を印加すれば、陽極には塩化物イオン等の陰イオンが引き寄せられ、逆に陰極にはマグネシウムイオンやカルシウムイオンなどの陽イオンが引き付けられ、この時両電極板9、10間に充分な電圧がかけられると水の電気分解が生じる。これにより陽極からは酸素ガスや塩素ガスが発生すると同時に水素イオンを水中に放出し、陰極からは水素ガスなどが発生すると同時に水酸化物イオンを水中に放出する。この結果、陽極側の水は酸性に片寄った塩化物イオン等の陰イオンが相対的に増加した水となり、陰極側の水はアルカリサイドに片寄ったナトリウムイオンやカルシウムイオン等の陽イオンが相対的に増加した水となる。この時の各電極の表面で起こる反応は以下のとおりである。

・陽極側 2HO → 4H +O+4e
2Cl → CL+2e
・陰極側 6HO+6e → 6OH+3H

また上記両電極板9、10の極性は本体側制御部15により切替可能にしてあり、電極板9を陽極とし且つ電極板10を陰極としたり、逆に電極板10を陽極とし且つ電極板9を陰極としたりできる。従って、電極板9、10の極性を切り替えることで、電解槽7の電極室7aではアルカリイオン水又は酸性イオン水のいずれかを生成可能となっている。
【0022】
装置本体3の電極室7aの上端部は屈曲自在なホースで構成した連絡管20を介して別体の吐水スタンド2に連通接続してあり、電極室7aにて生成される使用水(電極板9が陰極の場合はアルカリイオン水、陽極の場合は酸性イオン水、電極板9、10に電圧を印加しない場合は浄水)を連絡管20を介して吐水スタンド2側に供給できるようになっている。また他方の電極板10を備えた側の電極室7bには排水管13を連通接続してあり、排水管13に設けた排水用電磁弁11を開くことで、電極室7b側に流れた水を装置本体3の外部に排出できるようになっている。また、排水管13の排水用電磁弁11の上流側の部分には、内部配管の電解槽7の上流側の部分から分岐したバイパス管19が接続され、このバイパス管19に設けたバイパス弁19aを開くことで、バイパス弁19a及び排水管13を介して電解槽7内の滞留水等を排水できるようになっている。また排水管13には電解槽7で電解水を効率良く生成するため流量調整弁等からなる流量調節部12が設けてある。なおバイパス弁19aに替えてバイパス管19の流路面積を小さくした絞り部(図示せず)で構成しても良い。
【0023】
また装置本体3には、浄水部4の有無を検出する浄水部検知センサ14、電極板9、10に流れる電流量を検出する電解電流検出部22、AC100Vの商用電源43に接続される電源投入用プラグ17、電源投入用プラグ17からの交流電源を直流電源に変換する電源部16、装置本体3の動作を制御する本体側制御部15を設けてあり、また装置本体3の上面には装置本体3の操作状態を表示するための表示部18a及び本体側操作部18bを備えた操作表示部18と、後述の吐水スタンド2に設けた送信手段29から送信された操作信号を受信するための受信手段30を設けている。
【0024】
一方、吐水スタンド2は装置本体3から離れた任意の位置に設置されるものであり、例えば図1に示すように流し台24上の任意の位置に設置される。吐水スタンド2は前記流し台24のような設置面上に設置されるベース部31と、連絡管20を介して装置本体3に接続されて装置本体3で生成した処理水を吐水する吐水部21と、装置本体3を遠隔操作するための操作部32と、該操作部32が操作された際に操作信号32を前記装置本体3に設けた受信手段30に無線送信する送信手段29を備えている。
【0025】
吐水部21は、ベース部31の後部から立ち上げた縦管部33と、縦管部33の上端部から横方向に伸びる横管部34とからなる吐水管36で構成してあり、横管部34の先端部には下方に開口して処理水を吐水する吐水口部35を設けている。吐水管36の縦管部33の下端部はベース部31に対して図3の矢印で示す方向に回動自在に接続してあり、これにより吐水管36の横管部34は縦軸回りに回動自在となっている。従って吐水管36の横管部34をベース部31に対して回動することで、平面視で横管部34の先端部に設けた吐水口部35の位置を変更できる。
【0026】
ベース部31の設置面側となる下面の後部には下方に開口する凹部37を形成してあり、該凹部37には吐水管36の縦管部33の下端に連通する接続口部38を設けている。接続口部38には前記屈曲自在なホースで構成した連絡管20の下流側端部を接続してあり、これにより吐水管36が連絡管20を介して電解槽7の電極室7aに連通している。接続口部38はベース部31に対して図5の矢印に示すように前後軸回りに回動自在に設けてあり、凹部37内において左右いずれかの方向に選択的に向けることが可能となっている。また凹部37の左右両側壁の接続口部38に対応する位置には下方に開口する連結管挿通用の切欠39を形成してあり、左右いずれかの方向に向けた接続口部38に接続した連絡管20を該接続口部38に対向する位置にある切欠39を介して側方に引き出せるようになっている。またベース部31の前部には電源となる電池52と、送信側制御部40とを内蔵している。またベース部31には図示しない磁石を内蔵してあり、流し台24等の設置面に鉄板等の磁性体を有する設置台(図示せず)を両面テープ等で固定し、該設置台に前記磁石の磁力を利用して吐水スタンド2のベース部31を固定できるようになっている。
【0027】
ベース部31の上面の前部には装置本体3を遠隔操作するための操作部32を設けている。図示例では操作部32を構成する操作釦として、アルカリイオン水釦32aと、酸性イオン水釦32bと、浄水釦32cを設けてあり、制御基板40a上の各操作釦32a〜32cに対応する位置には各操作釦32a〜32cの押し操作により切替えられるスイッチ部42を実装してあり、各スイッチ部42の切替状態から各操作釦32a〜32cが押し操作された状態にあるか否かを検出できるようになっている。
【0028】
そして吐水スタンド2のベース部31には前記送信側制御部40に電気的に接続した送信手段29を設けてあり、送信側制御部40は、前記アルカリイオン水釦32a、酸性イオン水釦32bと、浄水釦32cのいずれかが押し操作された場合には、送信手段29により運転モードの識別信号を構成する操作信号を装置本体3の受信手段30に無線送信し、該送信手段29から送信された操作信号を装置本体3の受信手段30で受信すると、装置本体3の本体側制御部15はその運転モードを操作された操作釦32a〜32cに対応するアルカリイオン水モード、酸性イオン水モード、浄水モードのいずれかの運転モードに切替える。
【0029】
上記水処理装置を利用する場合は、予め上述したように操作釦32a〜32cを操作して装置本体3の運転モードをアルカリイオン水モード、酸性イオン水モード、浄水モードのいずれかの運転モードに切り替えて確定した状態とし、この後、水栓25を開き、原水管1から水栓25及び給水管23を介して装置本体3の内部配管28に原水を供給する。これにより装置本体3に供給された原水は浄水部4、カルシウム供給部5、電解槽7の電極室7a又は7bを順に通過して処理され、この時、電解槽7の電極室7a内の処理水が連絡管20、吐水管36を通って吐水口部35から吐水される。
【0030】
ここで本体側制御部15は上記アルカリイオン水モード、酸性イオン水モード、浄水モードのいずれかに切り替えると以下のように装置本体3を制御する。
【0031】
即ちアルカリイオン水釦32aを操作してアルカリイオン水モードを選択した状態で、上記内部配管28への原水の供給がなされた場合、流量センサ6にて内部配管28を流れる原水の流量レベルが一定量を越えたことが検知され、この状態を通水中と判断して、電極板9が陰極で電極板10が陽極となるように両電極板9、10間に電圧を印加し、これにより電極室7aでアルカリイオン水を生成して、吐水スタンド2の吐水管36からアルカリイオン水を吐水する。そしてこの後、利用者により水栓25が閉じられて止水がなされると、流量センサ6の検知に基づいて止水と判断し、前記両電極板9、10間への電圧印加を停止する。なおこのアルカリイオン水モードにおける通水時には排水用電磁弁11を開くように設定してあり、電極室7bにて生成された酸性イオン水が排水管13を介して装置本体3の外部に排出される。
【0032】
また酸性イオン水釦32bを操作して酸性イオン水モードを選択した状態で、流量センサ6にて上記同様通水中と判断すると、電極板9が陽極で電極板10が陰極となるように両電極板9、10間に電圧を印加し、これにより電極室7aでアルカリイオン水を生成して、吐水スタンド2の吐水管36から酸性イオン水を吐水する。そしてこの後、利用者により水栓25が閉じられて止水がなされると、流量センサ6の検知に基づいて止水と判断し、両電極板9、10間への電圧印加を停止する。なおこの酸性イオン水モードにおける通水時には排水用電磁弁11を開くように設定してあり、電極室7bにて生成されたアルカリイオン水が排水管13を介して装置本体3の外部に排出される。
【0033】
また浄水釦32cを操作して浄水モードを選択した場合には両電極板9、10に電圧が印加されないようになっている。従って水栓25を開いて内部配管28に原水が流れた場合には、浄水部4を通過して浄化された水が電解槽7の電極室7aを電解処理されることなく通過し、吐水スタンド2の吐水管36から浄水として吐水される。なお該浄水モードによる通水時には排水用電磁弁11を閉じるように設定してあり、排水管13からの排水は行われない。
【0034】
なお装置本体3には本体側操作部18bとして図示しないpH調節釦を設けてあり、pH調節釦を操作することで、電源部16から出力された直流電圧電流をパルス変調することで電解槽7の両電極9、10間に印加する平均電圧を変化させ、上記アルカリイオン水モード及び酸性イオン水モードにおいて電解槽7で生成されるアルカリイオン水又は酸性イオン水のpH濃度を調節できるようになっている。また本体側制御部15はアルカリイオン水モード及び酸性イオン水モードにおいては電解電流検出部22により電極板9、10に流れる電流を監視しており、電極板9、10に一定電流以上流れないよう上記電圧の印加時間を制御している。
【0035】
また本体側制御部15は流量センサ6の信号を読み取って通水量をカウントし総通水量が一定量に達した場合に浄水部4の交換時期であることを表示部18aで表示する。これにより利用者は浄水部4が目詰まりを起こしたことを認識でき、浄水部4の目詰まりによる電解性能を低下を防止できるようになっている。また原水の水質により通水量が一定量に達する前に目詰まりが進行することがあるが、これは流量センサ6の信号の変動を監視して、浄水部4の交換時期であることを表示部18aに表示することで防止されている。なお浄水部4が交換された際には浄水部検知センサ14によりこれを検知できるようになっており、これにより新しい浄水部4が装着された場合には、上記通水量のカウント及び通水量の変動の監視を初期状態とする。ここで前記通水量のカウント及び通水量の変動の監視を初期状態とするのは本体側操作部18bを操作することで行っても良い。
【0036】
ここで上記水処理装置にあっては、図7に示すように吐水スタンド2の送信手段29として複数の送信部29a、29bを設けてあり、また装置本体3には受信手段30として前記各送信部29a、29bから送信された操作信号を受信する受信部30aを1個だけ設けてあり、また操作部32の操作による操作信号を各送信部29a、29bから天井50に向けて送信し、該操作信号を天井50に反射させて装置本体3の受信部30aで受信するようになっている。
【0037】
各送信部29a、29bは赤外線を照射するLEDからなる光学式の送信素子で構成してある。各送信部29a、29bはベース部31に内蔵した送信側制御部40を構成する制御基板40a上に左右並べて実装してあり、ベース部31の前部において正面視で吐水管36の縦管部33を挟んだ左右両側の対称位置に配置されている。各送信部29a、29bは最大出力で送信可能となるその光軸方向を異ならせており、具体的には各送信部29a、29bを光軸が上方に行く程左右方向の外側(即ち他方の送信部から離れる方向)に位置して傾斜するように制御基板40aに傾けて実装し、これにより図7に示すように各送信部29aの送信方向(即ち光軸の方向)を鉛直方向に対して角度θa又は角度θbだけ左右方向に傾斜させている。またベース部31の上面部において各送信部29a、29bの先端側に位置する箇所には透過窓部41a、41bを設けてあり、各送信部29a、29bから送信された操作信号は対向する透過窓部41a、41bを透過して装置本体3の斜め上方に送信される。
【0038】
受信部30aは前記送信部29a、29bから送信される操作信号を受信可能な受信素子で構成してあり、図6(b)に示すように装置本体3の上面部下方の上端部に内蔵した本体側制御部15を構成する制御基板15a上に実装してある。制御基板15aは受信部30aを実装した面である上面が上斜め前方を向くように水平方向に対して角度θ傾斜しており、これにより受信部30aは制御基板15aに直交する方向、即ち前斜め上方からの操作信号を最も受信しやすい状態となっている。また装置本体3の上面部において受信部30aに対向する位置には透過窓部44を設けてあり、各送信部29a、29bから送信されて天井50を反射した操作信号は該透過窓部44を透過して受信部30aに至るようになっている。
【0039】
以上説明したように本例の水処理装置は、装置本体3と、別体の吐水スタンド2で構成してあるので、処理水を吐出する吐水スタンド2を装置本体3から離れた所望の位置に配置でき、またこの吐水スタンド2に設けた操作部32で装置本体3を遠隔操作でき、使い勝手が良い。また特に吐水スタンド2に送信部29a、29bを複数設けたので、複数ある送信部29a、29bのうちいずれかの送信部の送信方向に小物や吐水部21(吐水管36)等の通信を阻害する障害物が位置したとしても、他の送信部によって受信部30aとの通信を確保でき、水処理装置を構成する装置本体3や吐水スタンド2を障害物を考慮することなく自由な位置に設置することができる。
【0040】
また本例では操作部32による操作信号を各送信部29a、29bから天井50に向けて送信し、該操作信号を天井50に反射させて装置本体3の受信部30aで受信するので、装置本体3や吐水スタンド2が設置される流し台24等の設置面上に小物等の通信を阻害する障害物が置かれたとしても、この障害物をかわして操作信号を受信部30aで受信することができ、より確実に通信を確保できる。
【0041】
また本例では吐水部21を、ベース部31から立ち上げた縦管部33と、縦管部33の上端部から横方向に伸びて先端部に処理水を吐水する吐水口部35を設けた横管部34とからなる吐水管36で構成し、該吐水管36の横管部34を縦軸回りに回動自在としてあり、加えて図3の透過窓部41a、41bの位置からもわかるように送信部29a、29bを平面視で横管部34の回動方向に間隔を介して複数設けてあるので、複数ある送信部29a、29bのうちいずれかの送信部の送信方向に回動自在となった吐水管36の横管部34が位置して通信が阻害されたとしても、他の送信部によって受信部30aとの通信を確保することができる。
【0042】
また本例では図7に示すように各送信部29a、29bからの操作信号の送信方向を異ならせてあり、且つ各送信部29a、29bの送信方向を反対方向に傾斜させているので、広域に操作信号を送信でき、送受信可能範囲を拡大できる。またこの場合、各送信部29a、29bの送信方向は鉛直方向に対して傾斜しているので、図9に示すように装置本体3が吐水スタンド2から比較的離れた位置に設置されたとしても、図10に示す比較例のように送信方向を鉛直方向としたものと比較して出力の強い操作信号を受信部30aで受信でき、受信精度が向上する。さらに本例では図6(b)に示すように受信部30aを実装した制御基板15aを傾斜させることで、受信部30aを前斜め上方からの操作信号を最も受信しやすい状態としたので、図8に示すように装置本体3の前方の比較的離れた位置に吐水スタンド2を設置したとしても、出力の強い操作信号を受信部30aで受信でき、受信精度が向上する。
【0043】
ここで図11(a)及び図11(b)に本例の受信部30aで受信した操作信号のうち一方の送信部からの操作信号を上段に、他方の送信部からの操作信号を下段に示したタイムチャートを示す。また比較例として図12(a)及び図12(b)に、受信部30aで受信した操作信号のうち一方の送信部からの操作信号を上段に、他方の送信部からの操作信号を下段に示したタイムチャートを示す。ここで図11(a)及び図12(a)は各送信部29a、29bからの操作信号を受信部30aにて正常に受信した場合であり、図11(b)及び図12(b)は一方の送信部からの操作信号を受信部30aにて正常に受信できなかった場合である。なお図11(a)、(b)及び図12(a)、(b)では図11(a)及び図12(a)において受信部30aにて最初に受信される操作信号をフレーム1と記載し、2番目以降に受信される操作信号をフレーム2、フレーム3、・・・と記載する。
【0044】
上記各送信部29a、29bから送信される操作信号はリーダ部及びデータ部等を図11(a)に示すように所定時間t2で一つのフレームとしてフレーム化したフレーム信号で構成される。そして送信側制御部40は、吐水スタンド2に設けた操作部32を構成する操作釦32a〜32cが押し操作された状態では、各送信部29a、29bは前記操作された操作釦32aに対応する出力時間t2の同一の操作信号を所定の送信時間間隔t1で繰り返し送信し、且つ異なる送信部29a、29bから送信される操作信号が重複しないように位相をずらして送信する。即ち本例では送信部を2個設けたものであるので、各送信部29a、29bから交互に操作信号が送信される。
【0045】
装置本体3の本体側制御部15は、受信部30aで図11のフレーム1で示す最初の操作信号を受信した後、該最初の操作信号の終端から所定時間T′(ここで所定時間T′は、t1<T′<t1+t2の関係を満たす、t1:前記送信時間間隔、t2:前記操作信号の出力時間)が経過するまでカウントし、該カウント時に2番目の操作信号を受信しなかった場合には前記最初に受信した操作信号をキャンセルする。また前記最初のカウント時に最初の操作信号と同一の2番目の操作信号(図11(a)ではフレーム2で示す操作信号であり、図11(b)ではフレーム3で示す操作信号)を受信した場合には該操作信号が装置本体3の運転モードを切替える操作信号として確定することとなり、以下、当該2番目の操作信号の終端から所定時間T(ここで所定時間Tは前述の所定時間T′と同じ時間であり、t1<T<t1+t2の関係を満たす)が経過するまでカウントし、当該カウント時に受信した2番目の操作信号の終端から前記所定時間Tが経過するまで新たにカウントし、以下、最初のカウントを除く2回目以降のカウント時に操作信号を受信しなくなるまで前記制御を継続して行い、2回目以降のカウント時において操作信号を受信しなかった場合に当該カウント前に受信した前記操作信号(即ち前記確定した操作信号)に基づいて装置本体3の運転モードを切替える。
【0046】
上記のように本例の水処理装置は、操作部32を構成する操作釦32a〜32cが押し操作された際に、各送信部29a、29bは出力時間t2の同一の操作信号を所定の送信時間間隔t1で繰り返し送信し、且つ異なる送信部から送信される操作信号が重複しないように位相をずらして送信するものであって、受信部30aで操作信号(本例では2番目の操作信号)を受信した後、該操作信号の終端から前記所定時間Tが経過するまでカウントし、該カウント時に操作信号を受信した場合に該カウント時に受信した操作信号の終端から前記所定時間Tが経過するまで新たにカウントし、以下、カウント時に操作信号を受信しなくなるまで前記制御を継続して行い、前記カウント時において操作信号を受信しなかった場合に当該カウント前に受信した前記操作信号に基づいて運転モードを切替えるという装置本体3の動作を制御するものであるので、操作釦32a〜32cの押し操作が解除された際には、最後に受信した操作信号の終端から所定時間Tが経過した時点で前記操作釦32a〜32cの押し操作の解除を検知でき、これにより速やかに装置本体3の運転モードを切替えるという動作を実行できる。また特にこの場合、吐水スタンド2が装置本体3から左右方向に離れた位置に設置されたり、いずれかの送信部の送信方向に障害物が位置するなどして、図11(b)に示すように受信部30aで受信される操作信号に歯抜け状態が生じたとしても、受信部30aで受信した操作信号と次に受信した操作信号との間で前記運転モードを切替えるという装置本体3の動作がなされることを防止できる。即ち例えば図12(a)のように各送信部29a、29bからの操作信号が受信部30aで確実に受信できるものとして、前記所定時間Tを図12のTaに設定した場合には、図12(b)のように受信部30aで受信される操作信号に歯抜け状態が生じた場合に、受信部30aで受信した各操作信号の終端から時間Taが経過した時点でその都度操作信号の確定がなされ、装置本体3の動作が制御されてしまうが、本例では上記制御によりこれを防止できる。
【0047】
なお本例では上記所定時間Tのカウントを2番目の操作信号を受信した時に行い、以下既述のように制御したが、最初の操作信号を受信した時に当該最初の操作信号の終端の時点から所定時間Tのカウントを行っても良いし、また3番目以降の操作信号を受信した時に前記所定時間Tのカウントを行っても良いものとする。
【0048】
次に上記一例とは異なる他例の水処理装置について説明する。なお以下の説明では上記一例の水処理装置と同一の構成については同一の番号を付与し、重複する説明は省略する。
【0049】
図13及び図14に示すように本例の水処理装置は、上記吐水スタンド2を備えておらず、原水を供給する水栓25に付設されると共に図示しない原水吐水口を設けた切替ユニット47と、切替ユニット47とは離れた位置に設置されて切替ユニット47から給水管23を介して供給された原水を処理して処理水を生成する装置本体3と、装置本体3で生成した処理水を吐出する処理水吐出部45を備えている。
【0050】
装置本体3の基本的構成は上記一例の水処理装置の装置本体3と同じであり、一例の水処理装置の連絡管20に替えて、処理水吐出部45を構成する吐出管45aを電解槽7の電極室7aに連通接続した点が異なり、電極室7aにて生成される使用水を吐出管45aの先端に設けた吐出口部46から吐水できるようになっている。
【0051】
切替ユニット47は上面部の後部を水栓25の原水出口27と連通接続してあり、水栓25から供給された原水を自身の原水吐水口から吐出するか、又は水栓25から供給された原水を給水管23を介して装置本体3に供給するかを切替える切替手段として切替レバー48を設けている。切替レバー48には上記一例において吐水スタンド2に設けた装置本体3を遠隔操作するための操作部32(即ち図示は省略するがアルカリイオン水釦32aと、酸性イオン水釦32bと、浄水釦32c)と、該操作部32が操作された際に操作信号32を装置本体3に設けた受信手段30に無線送信する送信手段29と、送信側制御部40と、電源となる電池52を設けてある。ここで操作部32は切替ユニット47の上面に設けてあり、また送信手段29、送信側制御部40、電池52は切替ユニット47に内蔵してある。
【0052】
そして送信手段29として上記一例と同様の送信部29a、29bを切替ユニット47の前部両側の夫々に内蔵してあり、切替ユニット47の上面部において各送信部29a、29bの先端側に位置する箇所には透過窓部41a、41bを設けてある。
【0053】
このように水処理装置を装置本体3と水栓25に付設される切替ユニット47で構成することで、装置本体3を切替ユニット47から離れた所望の位置に配置でき、またこの切替ユニット47に設けた操作部32で装置本体3を遠隔操作でき、使い勝手が良い。また特に切替ユニット47に送信部29a、29bを複数設けたので、複数ある送信部29a、29bのうちいずれかの送信部の送信方向に小物や水栓25のレバー等の通信を阻害する障害物が位置したとしても、他の送信部によって受信部30aとの通信を確保でき、水処理装置を構成する装置本体3を障害物を考慮することなく自由な位置に設置できる。
【0054】
なお本例では装置本体3に処理水吐出部45を構成する吐出管45aを設けて該吐出管45aから装置本体3で処理された処理水を吐水するようにしたが、切替ユニット47に処理水吐出部45を構成する吐出口(図示せず)を設けると共に、該吐出口をホース等で構成した復管により装置本体3の電解槽7の電極室7aに連通接続し、これにより切替ユニット47に設けた吐出口から処理水を吐水するようにしても良い。また上記一例及び他例の水処理装置にあっては、吐水スタンド2又は切替ユニットに送信部を2個設けたが、3個以上設けても良いものとする。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施の形態の一例の水処理装置を示し、装置本体及び吐水スタンドを流し台に設置した状態を示す斜視図である。
【図2】同上の概略構成図である。
【図3】同上の吐水スタンドの上側から見た斜視図である。
【図4】(a)は同上の吐水スタンドの側断面図であり、(b)は吐水スタンドの底面図である。
【図5】同上の吐水スタンドの下側から見た斜視図である。
【図6】(a)は受信部の位置を示した装置本体の前方から見た説明図であり、(b)は側方から見た説明図である。
【図7】制御基板に実装した送信部の前方から見た説明図である。
【図8】受信部を実装した制御基板を傾けた時の受信状態を示す説明図である。
【図9】送信部の送信方向を鉛直方向に対して傾けた時の受信状態を示す説明図である。
【図10】図9の比較例として送信部の送信方向を鉛直方向とした時の受信状態を示す説明図である。
【図11】(a)(b)は受信部で受信した操作信号のうち一方の送信部からの操作信号を上段に、他方の送信部からの操作信号を下段に示したタイムチャートであり、(a)は各送信部からの操作信号を受信部にて正常に受信した場合を示し、(b)は一方の送信部からの操作信号を受信部にて正常に受信できなかった場合を示す。
【図12】図11の比較例として、(a)(b)は受信部で受信した操作信号のうち一方の送信部からの操作信号を上段に、他方の送信部からの操作信号を下段に示したタイムチャートであり、(a)は各送信部からの操作信号を受信部にて正常に受信した場合を示し、(b)は一方の送信部からの操作信号を受信部にて正常に受信できなかった場合を示す。
【図13】他例の水処理装置の概略構成図である。
【図14】同上の切替ユニットを水栓に付設した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0056】
2 吐水スタンド
3 装置本体
20 連絡管
21 吐水部
23 給水管
29a 送信部
29b 送信部
30a 受信部
31 ベース部
32 操作部
33 縦管部
34 横管部
35 吐出口部
36 吐水管
45 処理水吐出部
47 切替ユニット
50 天井

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原水を処理する装置本体と、装置本体から離れた任意の位置に設置される吐水スタンドを備え、吐水スタンドは、設置面に設置されるベース部と、連絡管を介して装置本体に接続されて装置本体で生成した処理水を吐水する吐水部と、装置本体を遠隔操作するための操作部と、該操作部が操作された際に操作信号を装置本体に設けた受信部に無線送信する送信部を備え、該吐水スタンドは前記送信部を複数備えて成ることを特徴とする水処理装置。
【請求項2】
前記操作部による操作信号を各送信部から天井に向けて送信し、該操作信号を天井に反射させて装置本体の受信部で受信する水処理装置であって、吐水部を、ベース部から立ち上げた縦管部と、縦管部の上端部から横方向に伸びて先端部に処理水を吐水する吐水口部を設けた横管部とからなる吐水管で構成し、該吐水管の横管部を縦軸回りに回動自在とし、前記送信部を平面視で横管部の回動方向に間隔を介して複数設けて成ることを特徴とする請求項1に記載の水処理装置。
【請求項3】
前記操作部による操作信号を各送信部から天井に向けて送信し、該操作信号を天井に反射させて装置本体の受信部で受信する水処理装置であって、各送信部からの操作信号の送信方向を異ならせて成ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水処理装置。
【請求項4】
前記操作部を構成する操作釦が押し操作された際には、各送信部は出力時間t2の同一の操作信号を所定の送信時間間隔t1で繰り返し送信し、且つ異なる送信部から送信される操作信号が重複しないように位相をずらして送信するものあって、受信部で操作信号を受信した後、該操作信号の終端から所定時間T(ここで所定時間Tは、t1<T<t1+t2、t1:前記送信時間間隔、t2:前記操作信号の出力時間)が経過するまでカウントし、該カウント時に操作信号を受信した場合に該カウント時に受信した操作信号の終端から前記所定時間Tが経過するまで新たにカウントし、以下、カウント時に操作信号を受信しなくなるまで前記制御を継続して行い、前記カウント時において操作信号を受信しなかった場合に当該カウント前に受信した前記操作信号に基づいて装置本体の動作を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水処理装置。
【請求項5】
原水を供給する水栓に付設されると共に原水吐水口を設けた切替ユニットと、切替ユニットとは離れた位置に設置されて切替ユニットから給水管を介して供給された原水を処理して処理水を生成する装置本体と、装置本体で生成した処理水を吐出する処理水吐出部を備え、切替ユニットは、水栓から供給された原水を前記原水吐水口から吐出するか、又は水栓から供給された原水を前記給水管を介して装置本体に供給するかを切替える切替手段と、装置本体を操作するための操作部と、該操作部が操作された際に操作信号を装置本体に設けた受信部に無線送信する送信部を備え、該切替ユニットは前記送信部を複数備えて成ることを特徴とする水処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−168235(P2008−168235A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−5062(P2007−5062)
【出願日】平成19年1月12日(2007.1.12)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】