説明

水素ガスセンサ

【課題】 本発明の目的は、水素ガスを選択的且つ容易に検出可能で、小型且つ安価で高信頼性の水素ガスセンサを提供することにある。
【解決手段】 水素吸蔵により物性値が変化するアモルファス合金をセンサ素子12とし、該センサ素子12の物性値変化および/またはセンサ素子12での発熱を計測することにより、水素ガスの有無および/または水素ガス濃度を検出することを特徴とする水素ガスセンサ10。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素ガスセンサ、特に水素吸蔵性アモルファス合金の水素吸蔵による物性値変化を利用した水素ガスセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
水素ガスはクリーンな次世代エネルギーとして最も期待されているものの一つであり、特に自動車業界では、水素ガスを燃料とする研究が盛んに行われている。水素ガスは空気中で非常に燃えやすく、比較的低濃度でも爆発の危険性があるため、水素ガスの漏れを選択的に且つ高感度に検知できる水素ガスセンサの開発が必要不可欠である。また、水素ガスセンサは小型でかつ安価なものが望ましい。
【0003】
水素センサは、主に次のような技術的要件によって、様々な用途に使い分けられている。
(1)検知可能な水素濃度範囲
(2)測定精度(分解能)
(3)応答速度
(4)水素選択性
(5)耐久性
【0004】
近年、燃料電池向けの水素センサへのニーズが急速に高まっており、自動車用、家庭用など民生用の水素センサには特に低価格で危険察知に適したものが求められる。水素センサの検出方式としては、接触燃焼式、半導体式、気体熱伝導式、電気化学式、熱電変換式、水素吸蔵合金式、光学式、等がある。通常のガス分析には熱伝導方式が採用されているが、この方式はガスの熱伝導率の差を利用してガス濃度を測定するため、水素ガスを選択的に測定することはできない。また、接触燃焼式は、PdやPtなどの触媒が可燃性ガスと接触して燃焼することにより温度が上昇し、電気抵抗値が変化することを利用するものであるが、この場合も水素以外の可燃性ガスに反応性がある。また、現在最も汎用されている金属酸化物半導体式水素センサは酸化スズ(SnO)の吸着を利用したもの(例えば、特許文献1)であるが、水素以外に一酸化炭素やメタン等の炭化水素に反応するため選択性が低いこと、動作温度が450℃と高く、エネルギー消費が大きいこと、また校正のための信号処理、動作温度の確保、クリーニングなどを含めたシステムが高価となること、などの問題点がある。
【0005】
また、多くの水素センサはセンサ要素として第VIIIB族金属元素(Ni、Pd、Pt)を利用しており、熱負荷が水素測定のパラメーターとなる。このような“ホットワイヤ”タイプのセンサーは、アルコ−ル及び炭化水素などのその他の簡単に酸化する物質に対するクロス感度を有するため間違ってアラ−ム発生が頻繁に起きることがある。ホットワイヤセンサーの電流発生は酸化還元反応で動作するため不活性ガス流内、若しくは酸素欠乏環境に存在する場合には水素を検知することができず、ホットワイヤセンサーの深刻な欠陥である。
また、金属絶縁体半導体(MIS)若しくは金属酸化物半導体(MOS)のコンデンサ−及び電界効果トランジスタ−、並びに白金ゲ−トダイオ−ドなどのセンサーは、一般的には水素の検知濃度領域が低濃度領域に限定される。
【0006】
こうした背景から、従来水素の選択性に対して満足するものはなく、水素選択性の高いセンサへのニーズは極めて高くなっている。例えば、燃料電池用途においても家庭用燃料電池周辺のセンサの場合には、水素と他の可燃性ガスとの分別検知能力はあまり要求されないが、燃料電池自動車用水素センサの場合には水素と他のガス、特にガソリン車の排気ガスに含まれる炭化水素や一酸化炭素との識別を行う必要性があることから、水素選択性がきわめて重要な項目となる。
【0007】
最近、水素選択性を改良したセンサが相次いで報告されている。例えば触媒金属と水素の反応熱を熱電素子で検出する熱電変換型水素センサは、100℃においてエタノールの20倍以上の選択性を特徴としている。このセンサは水素に対する白金の触媒作用の選択性の高さを利用しているため、従来の吸着式に比べ選択性は高い。また金属水素化物薄膜フィルムを利用したMEMSモジュールなども製品化されている。しかしながら、水素の選択性が高くなったとは言え水素以外の他のガスも触媒金属と反応するため、使用環境の制約を受ける。
また、その他の水素ガスセンサとしては、ガラス等の基板上にPd−Ag合金層を蒸着し、水素吸蔵によるPd−Ag合金層の膨張を基板の歪として検出するバイメタル方式のものなどがある(特許文献2)。しかし、PdやAgは希少金属であり、また、高濃度の水素存在下では水素脆性のために繰り返し検出に対する信頼性は十分とはいえない。
【特許文献1】特開平5−288702号公報
【特許文献2】2001−296238号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、水素ガスを選択的且つ容易に検出可能で、小型且つ安価で高信頼性の水素ガスセンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明者等が鋭意検討を行った結果、水素吸蔵性を有するアモルファス合金をセンサ素子として用い、水素吸蔵によるセンサ素子の物性値の変化、または触媒作用によるセンサ素子での発熱、を検出することにより、水素ガスを選択的且つ容易に検知可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の水素ガスセンサは、水素との侵入型化合物の形成および/または水素の吸着により、水素を吸蔵し、物性値が変化するアモルファス合金をセンサ素子とし、該センサ素子の物性値変化および/またはセンサ素子での発熱を計測することにより、水素ガスの有無および/または水素ガス濃度を検出することを特徴とする。また、前記センサ素子として用いられるアモルファス合金が耐酸化性を有する金属ガラスであることが好適である。
ここで、「物性値の変化を計測する」とは、物性値そのものの値を直接計測する場合だけでなく、物性値の変化に伴う現象の変化(例えば、電気抵抗値の変化による電流値、電圧値の変化)を計測することも意味する。
【0010】
上記のセンサにおいて、前記センサ素子の電磁気的物性値の変化を計測することにより、水素ガスの有無および/または水素ガス濃度を好適に検出することができる。ここで、電磁気的物性値とは物質の電磁気的現象に対する物性値のことを意味し、例えば、電気抵抗値、インピーダンス、誘電率、透磁率等のことを指す。電磁気的物性値として電気抵抗値、インピーダンスの変化を計測することが特に好適である。
上記のセンサにおいて、前記センサ素子の力学的物性値の変化を計測することにより、水素ガスの有無および/または水素ガス濃度を好適に検出することができる。ここで、力学的物性値とは物質の力学的な現象に対する物性値のことを意味し、例えば、長さ、面積、体積、質量、密度、弾性率、粘性率、等のことを意味する。
上記のセンサにおいて、前記センサ素子の光学的物性値変化を計測することにより、水素ガスの有無および/または水素ガス濃度を好適に検出することができる。ここで、光学的物性値とは物質の光学的な現象に対する物性値のことを意味し、例えば、光の反射率、吸収率、屈折率等のことを意味する。
また、上記のセンサにおいて、少なくとも水素ガス検出時にセンサ素子が加温されることが好適である。
【0011】
また、本発明の水素ガス検出器は、上記の水素ガスセンサを含むセンサ手段と、前記センサ素子の物性値の変化を計測する計測手段と、を備えることを特徴とする。また、該水素ガス検出器において、前記計測手段が前記センサ素子の異なる複数の物性値変化を計測することも好適である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の水素ガスセンサは、水素吸蔵性アモルファス合金をセンサ素子材料として用い、水素吸蔵によるセンサ素子の物性値変化により、水素ガスを選択的且つ容易に検出可能で、小型且つ安価なセンサとすることができるので、濃度測定用、あるいは漏れ検知用の水素ガスセンサとして好適に使用できる。特に、アモルファス合金として金属ガラスを用いれば、水素脆性が少なく耐久性や信頼性の高いセンサとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明にかかる水素ガスセンサは、水素吸蔵性アモルファス合金をセンサ素子として使用することを特徴としている。アモルファス合金の水素吸蔵によるセンサ素子の様々な物性値の変化やセンサ素子での発熱を計測することで、水素ガスの有無および/または水素ガスの濃度を検出する。つまり、アモルファス合金へ水素が侵入し、水素化合物を形成したり、水素がアモルファス合金表面に吸着することによって生じる、アモルファス合金の物性値の変化を利用している。水素吸蔵性アモルファス合金は、水素のみを選択的に吸蔵し、また平衡水素圧(水素ガス濃度)と水素吸蔵量とが可逆的にリニアな関係を示すため、本発明の水素ガスセンサは優れた水素選択性、リニア特性を有する。
また、アモルファス合金が金属ガラスであることが好適である。金属ガラスは繰り返し加熱に対しても脆化が起こりにくく、長期間に亘り安定な水素吸蔵特性を示す。さらに、金属ガラスは耐酸化性を有するものであることが望ましい。具体的な組成としてはFe43Cr16Mo161015−x(原子%:0<x<15)が挙げられる。耐酸化性を有する金属ガラスを用いることで、より耐久性、信頼性の高いセンサとすることができる。
【0014】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明をする。
図1に本発明の一実施形態にかかる水素ガスセンサの概略構成図を示す。本実施形態はアモルファス合金の電気的物性値の変化を計測することにより、水素ガスの検出を行うものである。すなわち、本実施形態にかかる水素ガスセンサ10は、水素吸蔵性を有するアモルファス合金板よりなるセンサ素子12と、該センサ素子12の同一面上に設けられた2つの電極14a及び14bと、を備えている。なお、電極の個数は特に限定されず、電気的物性値の計測方法に応じて、2つ以上の電極をセンサ素子に設けるような構成としてもよい。
【0015】
また、図1においては、センサ素子12のアモルファス合金板の裏側面、すなわち、センサ電極14a、14bが配設された表面と対向する表面上に、センサ素子12とは電気的に絶縁した状態でヒータ16が設けられており、該ヒータ16の両端に接続してヒータ電極18a、18bが設けられている。ヒータ16に外部から通電することにより、センサ素子12のアモルファス合金板を一定温度に維持することができる。なお、ヒータ16は、センサ素子12の表面に一体化せず、センサ素子12の近傍に別に設置してもよい。また、ヒータの構成としては上記のように外部からの通電によるものだけでなく、その他の構成、例えばガスの触媒燃焼を利用する構成等も考えられる。被験雰囲気中の温度変化が少なく、且つセンサ素子12を構成するアモルファス合金の水素吸蔵能等に問題がない場合には、ヒータ16は省略することもできる。
【0016】
本実施形態にかかる水素ガスセンサは、概略以上のように構成することができ、その作用は次の通りである。
まず、センサ素子12を被験雰囲気中に露出し、ヒータ16によりセンサ素子12のアモルファス合金板が一定温度になるよう加温しておく。この場合、アモルファス合金板は温度及び被験雰囲気中の水素ガス濃度に依存した水素吸蔵状態となり、且つ、アモルファス合金からの水素ガスの吸蔵と放出とが平衡状態となる。
アモルファス合金板は、その水素吸蔵量、すなわち被験雰囲気中の水素ガス濃度が高くなるほど、その電気抵抗値は一般に高くなる。従って、センサ素子12に通電しておき、センサ素子12の電気抵抗値の変化を検出することで、水素ガス濃度を検知することができる。ここで、電気抵抗値変化の計測の形態は特に限定されず、例えば、センサ素子に印加する電圧を一定にしてセンサ素子に流れる電流値の変化を計測する、センサ素子に流れる電流値を一定にしてセンサ素子に加わる電圧値の変化を計測する、もしくは電流値、電圧値を共に計測し、それらの値から電気抵抗値を求めてその変化を計測する、等のいずれの形態でもよい。
【0017】
このように、本発明の水素ガスセンサは構造が簡単で、被験雰囲気中の水素ガスのみを選択的に検出してその濃度を容易に測定することができ、小型且つ安価に製造可能であるので、濃度測定用、あるいは漏れ検知用の水素ガスセンサとして好適である。
本実施形態の水素センサの特徴として、
(1)水素のみに反応する。
(2)計測範囲が広い。
(3)ガス濃度とセンサ感度との間のリニア特性が優れている。
(4)FETとの組合せによって集積化が容易である。
などが挙げられる。特に、応答性の点では、気体熱伝導式、光学式とともに数秒以内の応答が可能である。
【0018】
本実施形態のセンサを用いた水素ガス検出器の一例を図2に示す。図2に示す実施形態の水素ガス検出器20は、センサ手段22と、加温手段24と、計測手段26と、を備える。ここでセンサ手段22としては前記図1のセンサ10を用いた。
加温手段24は、センサ素子12のアモルファス合金板裏面に設けられたヒータ16にヒータ電極18a、18bを介して加熱電流を供給する加熱電源28を有し、センサ素子12のアモルファス合金板を一定温度に維持する。センサ素子を一定温度に維持することで、被験雰囲気温度による影響を小さくすることができる。
また、計測手段26は、安定化電源30と、導通計32とを、前記センサ手段22を構成するセンサ素子12にセンサ電極14a、14bを介して直列に接続してなり、センサ素子12の電気抵抗値の変化を電流の変化として導通計32により検知することができる。この検知信号により、警報、点灯等の報知や、回路保護、回路遮断など、必要に応じた措置が行われるようにすることができる。例えば、通常は非作動状態にある他の系を作動させるような作動器、あるいは通常は作動状態にある他の系を遮断するような遮断器にも使用可能である。
【0019】
上記の実施形態では安定化電源として直流電源を使用し、電気抵抗値の変化を電流の変化として検知する例を示したが、これに限定されず、センサ素子12の電磁気的物性値(電気抵抗、インピーダンス等)の変化を検出するその他の機構でもかまわない。例えば、交流電源を使用し、センサ電極14a,14b間の電位差および/または電流値を計測し、インピーダンス変化を検知するようにしてもよい。
図3は図2の実施形態の水素ガス検出器の変形例であり、図2と対応する部材には符号100を加え説明を省略する。図3に示す実施形態においては、センサ素子のインピーダンス変化を四端子法にて計測することで、水素ガスの検出を行っている。本実施形態の計測手段126は、センサ手段122のセンサ素子に所定周波数の交流電圧を印加する電源部130と、センサ素子に流れる電流値を計測する電流計132と、センサ素子両端の電位差を計測する電圧計134と、電源部130の制御や、電流計132、電圧計134からの信号の処理を行う制御/処理部136と、を備える。制御/処理部136は電源部130を制御してセンサ素子に印加する交流電圧の周波数の変更を行ったり、電圧計134、電流計132からの信号を基にセンサ素子のインピーダンスの算出を行う。センサ素子は水素吸蔵量に応じてインピーダンスが変化するため、計測したインピーダンスから水素濃度の検出を行うことができる。ここで、センサ素子への電圧の印加は少なくとも水素ガス検出時に行えばよい。
【0020】
以下にアモルファス合金のその他の物性値変化を利用した水素ガスセンサの実施形態について説明する。なお、以下の実施形態においてもセンサ素子の温度を一定に保つことが好適である。温度を一定に保つことで被験雰囲気温度の影響を少なくすることができる。
まず、アモルファス合金の力学的物性値変化を計測して、水素ガスの検出を行う実施形態について説明する。図4は水素ガスセンサとしてQCM(Quartz Crystal Microbalance)を利用した水素ガス検出器の概略構成を示す。図4の水素ガス検出器200は、水素ガスセンサ(センサ手段)としての水晶振動子210と、水晶振動子の共振振動数もしくはインピーダンスの変化を検出する計測手段212とを備える。
水晶振動子210は、水晶等の圧電材料板214と、該圧電材料板の両面に形成された電極216a,216bと、該電極216a,216b上に形成されたセンサ素子膜218a,218bとで構成される。センサ素子膜218a,218bは、水素の吸蔵および放出を行うアモルファス合金によって形成されている。ここでは、センサ素子膜を水晶振動子210の両面に形成した例を示したが、片面のみに形成する構成としてもよい。
【0021】
計測手段212は、電極間216a,216bに電圧を印加して水晶振動子110を発振する発振回路、もしくは水晶振動子210のインピーダンスを計測するインピーダンス計測回路を含み、該水晶振動子210の共振周波数、もしくはインピーダンスを計測する。計測手段212の構成としては従来公知な構成を用いればよい。
水素の吸蔵および放出に伴うアモルフォス合金(センサ素子膜218a,218b)の力学的物性の変化(長さ変化、体積変化、質量変化、粘弾性変化等)に応じて、水晶振動子210の共振周波数もしくはインピーダンスが変化する。この水晶振動子の共振周波数もしくはインピーダンスの変化を計測手段212によって計測することで水素ガスの有無および/または水素ガス濃度を検出することができる。また、ナノグラムの質量変化に対して、1ヘルツ程度の周波数変化となるため低周波での計測が有用であり、シールドが重要である。
【0022】
図5は、表面弾性波(SAW:Surface Acoustic Wave)デバイスを用いて、水素吸蔵および放出に伴うアモルファス合金の力学的物性値の変化を検知する実施形態を示したものである。図5のガス検出器300は、水素ガスセンサとしてのSAWデバイス310(センサ手段)と、該SAWデバイス上に伝搬する表面弾性波の速度変化を計測することで水素ガスの検出を行う計測手段312と、を備える。
【0023】
SAWデバイス310は、弾性表面波を伝搬させる圧電体基板314と、該圧電体基板314表面上の一端に設けられ、弾性表面波を励振するための櫛型の励振電極316と、前記圧電体基板314表面上の他端に設けられ、励振電極316から圧電体基板314表面を伝搬してくる弾性表面波を受信する櫛型の受信電極318と、励振電極316と受信電極318との間の圧電基板314表面の少なくとも一部に設けられたアモルファス合金(センサ素子)膜320と、を備える。
【0024】
計測手段312は、励振電極316側に電気信号を入力し、基板上に弾性表面波を励起する入力部322と、受信電極318からの出力を受信し、基板上を伝搬してきた弾性表面波の周波数を解析する受信部324とを備える。入力部322により励振電極316に所定周波数の電気信号が入力されると、圧電効果により基板314表面に弾性表面波が励起される。励起された表面波はセンサ素子膜320が被覆された圧電基板314の表面を伝搬する。この弾性表面波は受信電極318にて受信され、圧電効果により電気信号へ変換される。受信部324ではこの電気信号の周波数等を解析して弾性表面波の伝搬速度の変化を検出する。
【0025】
被験雰囲気中にセンサ素子320が露出されると、センサ素子320を構成するアモルファス合金は温度及び被験雰囲気中の水素ガス濃度に依存した水素吸蔵状態となる。水素濃度に応じてアモルファス合金の力学的物性値(長さ、体積、質量、弾性率など)が変化するため、圧電基板314表面を伝搬する弾性表面波の伝搬速度が変化する。そこで、受信部324にて受信される電気信号の周波数の変化を計測することにより、水素ガスの有無や濃度変化を検出することができる。
【0026】
次にアモルファス合金の水素の吸蔵および放出に伴う光学的物性変化を計測して、ガスを検出する実施形態について説明する。図6に示す水素ガス検出器400は、アモルファス合金膜をセンサ素子とする水素ガスセンサ410(センサ手段)と、前記アモルファス合金膜へ光を照射し、該アモルファス合金からの反射光および/または透過光を検知する計測手段412とを備える。計測手段412によりアモルファス合金の光学的物性値の変化を計測することで、水素ガスの有無および/または濃度の検出が行われる。
計測手段412は、センサ手段410のアモルファス合金膜へ光を照射する光照射部414と、アモルファス合金膜からの反射光を検知する光検知部416とを備える。光照射部414からの光は光ファイバ418を通り、センサ手段410のアモルファス合金膜へ照射される。該アモルファス合金膜からの反射光は光ファイバ420の端部で集光され、光検知部416へ送られる。光検知部416はこの反射光を検知することで、センサ素子の光学的変化(反射率、吸収率など)を計測する。
【0027】
センサ素子であるアモルファス合金の水素吸蔵状態に応じて光学的特性(例えば、アモルファス合金の表面での反射率)が変化するため、被験雰囲気中の水素の有無および/または水素濃度を検出することができる。また、光検知部416に分光器などを設けることで、アモルファス合金の表面の色相の変化を計測して水素ガスの検出を行う構成も可能である。
【0028】
次にアモルファス合金の触媒作用による水素の反応熱を検出して、水素ガスの検出を行う実施形態について説明する。図7のガス検出器500は、アモルファス合金(センサ素子)の発熱を熱電変換素子により起電力に変換するセンサ手段510と、センサ手段510で生じた起電力を計測し、ガスの検出を行う計測手段512とを備える。
センサ手段510は、基板514上に形成された熱電変換材料層516と、該熱電変換材料層516の両端位置に接続された電極518a、518bと、熱電変換材料層516上の一部に設けられたアモルファス合金層520(センサ素子)と、を備えている。アモルファス合金層520は熱電変換材料層516の電極518a側(図中左側)のみに設けられており、熱電変換材料層516の電極518b側(図中右側)には設けられていない。
水素の反応などによってアモルファス合金層520で熱が発生すると、熱電変換材料層516の電極518a側と電極518b側とに温度差が生じ、電極518aと電極518b間に起電力が発生する。この起電力を計測手段512によって計測することにより水素ガスを検出することができる。
【0029】
また、上記で述べたようなセンサ手段、計測手段を複数組み合わせ、異なる物性値変化を計測することで水素ガスの検出を行う構成も好適である。図8に示すガス検出器600は、複数のセンサ手段610−1〜610−mと、各センサ手段610−1〜610−mでの物性値変化を計測する複数の計測部612−1〜612−nを備えた計測手段612と、を備える。ここで、一つのセンサ手段に対して一つの計測部を対応させるだけでなく、一つのセンサ手段に複数の計測部を対応させ、一つのセンサ手段に対して異なる物性値を計測する構成としてもよい。本実施形態においては、複数の物性値変化を計測し、それらの結果を総合して水素ガスの有無/水素ガスの濃度の検出を行うため、より正確な水素ガスの検出が可能となる。
【0030】
以上幾つかの実施形態を述べたが、計測する物性値としては本発明の効果を果たし得る限り特に限定されず、上記で述べた以外の物性値を計測して水素ガスの検出を行ってもよい。また、センサ素子の物性値の変化を電気信号などに変化するトランデューサも上記のものに限定されず、その他の構成でもかまわない。
【0031】
本発明において特徴的なことは、センサ素子に水素吸蔵性のアモルファス合金を用いることである。つまり、アモルファス合金の水素吸蔵及び放出に伴う可逆的な物性値変化を利用している。水素吸蔵性アモルファス合金は、通常、水素を容易に吸収(反応)して安定な金属水素化物を生成する単体金属(Pd,Zr,Ti,U,その他の希土類金属など)と、Fe,Ni,Co,Al、Mn、Cuなどのほとんど水素を吸収しない(反応しない)その他の金属との合金として形成されている。本発明において用いる水素吸蔵性のアモルファス合金としては、本発明の目的を達成し得るものであれば特に限定されないが、長期安定性、感度、低温化が良好であることが好ましく、金属ガラスとしての性状を示すものが特に好ましい。
【0032】
結晶合金では、四面体あるいは八面体格子の空隙に水素が侵入して特定の水素化物を作ることで水素を吸蔵すると考えられている。このため、結晶合金では、P(水素平衡圧)−C(水素吸蔵量)−T(温度)曲線(PCT曲線)において、ある平衡水素圧(被験水素ガス濃度に相当)における水素吸蔵量に一定の幅、いわゆるプラトー領域が存在し、被験水素ガス濃度と水素吸蔵量との間に、リニアな関係が得られないことがある(図9参照)。特に、水素ガスの爆発下限界が約4%であることから、被験雰囲気中の水素ガス濃度が約0.05〜1%の範囲で検出できることが望まれるが、結晶合金では、このようなガス濃度範囲でプラトー領域が現れることが多い。
また、結晶合金は、アモルファス合金に比べて強度が弱く、水素吸蔵によって微粉化しやすく、耐久性に劣る
これに対して、アモルファス合金では、平衡水素圧(水素ガス濃度)と水素吸蔵量とが連続的に、且つ比較的リニアに変化する。さらに、アモルファス合金は、結晶合金に比べて硬くて強いので、耐久性にも優れている。
【0033】
本発明においては、センサ素子として、アモルファス合金の中でも特に金属ガラス(ガラス合金ともいう)を用いることが好ましい。アモルファス合金とは、「巨視的にはランダムな原子構造・配置をもち、結晶合金とは異なった物性を示す合金の総称」であるが、このうち、「明瞭なガラス遷移と広い過冷却液体領域とを示すアモルファス合金」は「金属ガラス」と呼ばれ、通常のアモルファス合金と区別されている。また、金属ガラスは最近ではナノクリスタルの集合体との見方もされている。
【0034】
金属ガラスの特徴の一つは、結晶化温度(Tx)より低温側にガラス遷移点(Tg)を有し、△Tx=Tx−Tgで示される過冷却液体領域が10〜130Kと大きく、この過冷却液体状態でも安定で、結晶化が抑えられた状態にあることである。通常のアモルファス合金では、過冷却液体領域はほとんどない。
このため、通常のアモルファス合金では、10〜10K/秒という急速冷却でしかアモルファス相が形成できないのに対し、金属ガラスでは、10―2〜10K/秒という非常に遅い冷却速度でもアモルファス相を形成することができる。従って、通常のアモルファス合金では合金物性に冷却速度が非常に大きく影響するが、金属ガラスでは冷却速度によらず非常に均一なアモルファス相を得ることができる。また、過冷却液体領域では粘性が低く、加工が容易であり、鋳造法などにより種々の形状のものを製造することができる。
金属ガラスを形成するための組成に関しては、(1)3成分以上の多元系であること、(2)主要3成分の原子径が互いに12%以上異なっていること、及び(3)主要3成分の混合熱が互いに負の値を有していること、が経験則として知られている(ガラス合金の発展経緯と合金系:機能材料、vol.22,No.6,p.5−9(2002))。これまで、例えば、Zr−Al−(Ni,Cu)−(Ti,Nb)、Zr−Ti−Ni−Cu−Beなど、種々の金属ガラス組成が報告されている。
【0035】
本発明における金属ガラスの組成としては、特に限定されないが、耐久性を考慮すると、耐酸化性を有した金属ガラスであることが好適である。そのような金属ガラスとしては、例えば、Fe基金属ガラスにPを添加したもの、具体的な組成としてはFe43Cr16Mo161015−x(原子%:0<x<15)、が挙げられる。これらの金属ガラスをセンサ素子として使用することで、長期間にわたり安定した水素検知能力を維持することが可能となる。
一方、従来の水素吸蔵結晶合金、例えばマグネシウム・ニッケル合金薄膜は、蒸着直後の膜は金属光沢を持ちよく光を反射する。この膜を水素へ暴露することにより水素化が起こり、電気抵抗が増大すると共に光学透過率が増大する。この時の抵抗変化もしくは透過率変化を測定することで水素の濃度に関する情報を得ることができる。しかしこれらの合金は酸化により長期安定性が十分ではない。
それに対し、本発明のように耐酸化性の金属ガラスをセンサ素子として使用した場合には、長期安定性を改善することが可能となる。
【0036】
水素吸蔵性のアモルファス合金や金属ガラスでは、通常、温度が高い程吸蔵量は小さくなる。一方、温度が低いと吸蔵量は大きくなるが、吸蔵速度が遅くなり、また、被験雰囲気中の水素ガス濃度による吸蔵量の差が小さくなる。従って、被験雰囲気温度による影響を小さくするため、センサ素子の温度が一定となるようにヒータ等を用いることができる。センサ素子温度としては、常温〜600℃、さらには400℃以下が好ましい。
センサ素子の温度を保つには、MEMS構造によるミクロホットプレートと結合させるといった構成もある。この結果センサーは応答速度、感度、安定性の点で飛躍的に高性能化できる。
【0037】
センサ素子として用いるアモルファス合金や金属ガラスの形状は、本発明の目的を達成できるものであれば特に制限されない。例えば、板状の他にも、ワイヤー状、リボン状、薄膜状、スプリング状、ダンベル状、ワッシャー状などが挙げられる。また、センサ素子のサイズは、設置場所や検出感度などに応じて適宜決定することができる。
金属の水素による物性変化は、金属表面に接触した水素ガスが金属表面の触媒作用によって原子状となり、金属に吸収されることによって生じると考えられているため、短時間に安定した物性変化を検出するには、吸収した原子状水素の拡散が均一且つ迅速に行われる必要がある。そのため、金属の水素原子の拡散方向の厚みは薄い方が好適であり、例えば、片面のみガスに暴露されるリボン状や薄膜状のものでは0.2mm以下、また、ワイヤー、スプリングなどの線状のものでは0.4mm以下が好適である。
【0038】
センサの作製方法としては、センサ素子がリボンやワイヤーなどの場合には、例えば、これに端子をロウ付けあるいは導電性接着剤で固定する方法が挙げられる。薄膜形成の場合には、成膜後にリボンやワイヤーの場合と同様に端子を固定する方法のほか、セラミック基板上にあらかじめ電極を印刷、その上にアモルファス合金を公知の方法により形成する方法などがある。この場合、金属ガラスの成膜方法として例えば溶射が挙げられる。金属ガラスの場合、均一なアモルファス相からなる緻密な膜を簡便に形成する方法として、溶射はきわめて有力な成膜法の一つである。
【0039】
アモルファス固体状態にある金属ガラスを加熱した場合、Tg以下の温度ではアモルファス固体状態のままであるが、Tg〜Txでは過冷却液体状態、Tx〜Tmでは結晶固体状態、Tm以上では液体となる。
過冷却液体領域では、金属ガラスは粘性流動を示し、粘性が低い。このため、過冷却液体状態にある金属ガラスが基材表面に衝突すると、瞬時に薄く潰れて基材表面に広がり、厚みが非常に薄い良好なスプラットを形成することができる。そして、このようなスプラットの堆積により、気孔が非常に少ない緻密な膜を形成することができる。
【0040】
また、スプラットは過冷却液体状態から冷却されるので、結晶相を生成せず、アモルファス相のみが得られる。すなわち、アモルファス固体状態と過冷却液体状態とは可逆的であるため、過冷却液体状態にある金属ガラスを冷却すれば、冷却速度によらずアモルファス固体状態の金属ガラスを得ることができる。これに対し、過冷却液体状態と結晶固体状態とは不可逆であるため、結晶固体状態の金属ガラスをそのまま室温まで冷却しても、結晶固体状態のままであり、Tm以上で融解して液体状態にある金属ガラスを冷却した場合には、冷却速度によっては結晶相が生成してしまう。
【0041】
さらに、大気中での溶射の場合、材料を溶融状態で衝突させる従来の溶射方法では、溶射材料の酸化物が皮膜中に含まれてしまい、皮膜の特性に悪影響を及ぼすが、過冷却液体状態で衝突させれば大気中で溶射したとしても酸化の影響がほとんどない。
従って、金属ガラス粒子を溶射によって過冷却状態で基材表面に衝突させることにより、均一な金属ガラスのアモルファス固体相からなり、且つ気孔がほとんどない緻密な金属皮膜を基材上に強固に形成することができる。
溶射方法としては、大気圧プラズマ溶射、減圧プラズマ溶射、フレーム溶射、高速フレーム溶射(HVOF)、アーク溶射などがあるが、高速フレーム溶射が簡便に高密度膜を得る上で特に優れている。
【0042】
なお、上述のごとく、金属の水素による物性変化は金属表面の触媒作用によるところが大きいため、金属表面の触媒作用を補足するために、本発明においてはアモルファス合金や金属ガラス表面にさらに金属微粒子やナノ粒子触媒などを担持させることも可能である。
【0043】
以下、金属ガラスとしてZr55AlNbCu30Niを用いた場合を例として、水素吸蔵量(質量%)と電気抵抗値との関係について説明する。
試験では、サンプル片として、「材料テクノロジー20 アモルファス材料(東京大学出版会)p.71〜72、単ロール法装置」に記載の方法に準じて作製したZr55AlNbCu30Ni金属ガラス板(幅約2mm、長さ約15mm、厚さ約20μm)を用いた。
サンプル片にPCT特性測定装置 PCT−2SD−2((株)鈴木商館)中で平衡状態となるまで水素を吸蔵させ、サンプル片中の水素吸蔵量を測定した(質量%)。サンプル片を測定機から取り出し、その電気抵抗値を測定した。
【0044】
PCT測定機の条件を変えて種々吸蔵量のサンプル片を得、水素吸蔵量と電気抵抗値との関係を調べた。結果を図10に示す。図10からわかるように、水素吸蔵量の増加に伴って、電気抵抗値は直線的に上昇した。
このように、金属ガラスの水素吸蔵量と、電気抵抗値との間には相関関係があり、水素吸蔵に伴う電気抵抗値の変化を利用して、水素ガス濃度を測定することが可能である。
センサ材料としては、Ni60Nb20Zr20(例えば、幅0.639mm×厚み0.022mm)、Zr55AlNbCu30Ni(例えば、幅0.673mm×厚み0.018mm)、Fe43Cr16Mo161510(例えば、幅1.807mm×厚み0.040mm)なども代表的な金属ガラスとして使用可能である。
【0045】
図11は、Fe43Cr16Mo161510からなる幅2mm×長さ30mm×厚み30μmのリボン状金属ガラスについて、水素の有無に対する可逆的な抵抗値の変化を四端子法で測定したものである。試験では、純度100%のNガスと、Hガスを1vol%含有するNガスとを10分間隔で切り替えた。雰囲気温度は400℃であった。
図11からわかるように、時定数は20秒未満であり、応答速度が比較的速く、薄膜化によりさらなる高感度化が可能である。また、H含有ガスのON/OFF繰り返しによって抵抗値が速やかに可逆的に変化し、そのセンシング性能にはほどんど変動がなく、非常に安定した検出を長期に亘って行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施形態にかかる水素ガスセンサの概略図
【図2】本発明の実施形態にかかる水素ガス検知器の概略図
【図3】本発明の実施形態にかかる水素ガス検知器(インピーダンス変化を利用したもの)の概略図
【図4】本発明の実施形態にかかる水素ガスセンサ、水素ガス検知器(QCMを利用したもの)の概略図
【図5】本発明の実施形態にかかる水素ガスセンサ、水素ガス検知器(SAWデバイスを利用したもの)の概略図
【図6】本発明の実施形態にかかる水素ガスセンサ、水素ガス検知器(光学的物性値の変化を利用したもの)の概略図
【図7】本発明の実施形態にかかる水素ガスセンサ、水素ガス検知器(センサ素子の発熱を検知するもの)の概略図
【図8】本発明の実施形態にかかる水素ガス検知器(複数の物性値の変化を計測するもの)の概略図
【図9】結晶合金(Zr50Ni50)と、アモルファス合金(Zr50Ni50)のPCT曲線を示したグラフ
【図10】金属ガラス板(Zr55AlNbCu0Ni)の水素吸蔵量と電気抵抗値との関係を示す図
【図11】金属ガラス(Fe43Cr16Mo161510)の雰囲気の違い(Nガス−1%H含有Nガス、400℃)による抵抗値変化を示す図
【符号の説明】
【0047】
10 水素ガスセンサ
12 センサ素子
14a,14b センサ電極
16 ヒータ
18a,18b ヒータ電極
20 水素ガス検知器
22 センサ手段(水素ガスセンサ10)
24 加温手段
26 計測手段
28 加温電源
30 安定化電源
32 導通計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素吸蔵により物性値が変化するアモルファス合金をセンサ素子とし、該センサ素子の物性値変化および/またはセンサ素子での発熱を計測することにより、水素ガスの有無および/または水素ガス濃度を検出することを特徴とする水素ガスセンサ。
【請求項2】
請求項1記載のセンサにおいて、
前記アモルファス合金が耐酸化性を有する金属ガラスであることを特徴とする水素ガスセンサ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のセンサにおいて、
前記センサ素子の電磁気的物性値の変化を計測することにより、水素ガスの有無および/または水素ガス濃度を検出することを特徴とする水素ガスセンサ。
【請求項4】
請求項3に記載のセンサにおいて、
前記電磁気的物性値の変化を電気抵抗値および/または交流インピーダンスの変化として計測することを特徴とする水素ガスセンサ。
【請求項5】
請求項1または2に記載のセンサにおいて、前記センサ素子の力学的物性値の変化を計測することにより、水素ガスの有無および/または水素ガス濃度を検出することを特徴とする水素センサ。
【請求項6】
請求項1または2に記載のセンサにおいて、前記センサ素子の光学的物性値変化を計測することにより、水素ガスの有無および/または水素ガス濃度を検出することを特徴とする水素センサ。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載のセンサにおいて、少なくとも水素ガス検出時にセンサ素子が加温されることを特徴とする水素ガスセンサ。
【請求項8】
請求項1から7に記載の水素ガスセンサを含むセンサ手段と、
前記センサ素子の物性値の変化を計測する計測手段と、
を備えることを特徴とする水素ガス検出器。
【請求項9】
請求項8に記載の水素ガス検出器において、前記計測手段が前記センサ素子の異なる複数の物性値変化を計測することを特徴とする水素ガス検出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−317196(P2006−317196A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−137919(P2005−137919)
【出願日】平成17年5月10日(2005.5.10)
【出願人】(591112625)
【出願人】(000110251)トピー工業株式会社 (255)
【Fターム(参考)】