説明

油中水型乳化組成物

【課題】皮膚に対する保湿効果が高く、使用性と乳化安定性に優れた油中水型乳化組成物を提供する。
【解決手段】成分(A)モノオレイン酸グリセリン、成分(B)アルキル基に分岐鎖を有する界面活性剤、成分(C)水性成分、成分(D)油性成分を含み、下記の条件(1)及び(2)を満たすことを特徴とする油中水型乳化組成物。
(1)成分(C)の水性成分の質量を成分(C)の水性成分と成分(D)の油性成分の質量の和で除することで得られる内水相比が70%以上である。
(2)成分(D)の油性成分として配合される油分の一種として、または成分(A)の不純物として油相中に含まれるグリセリン脂肪酸ジエステルおよび/またはグリセリン脂肪酸トリエステルの含有割合が、成分(D)の油性成分の全質量に対し20%を超えない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は油中水型乳化組成物に関し、特に乳化安定性の向上、皮膚に対する保湿効果の向上、さらには使用性の向上に関する。
【背景技術】
【0002】
乳化組成物は水中油型(O/W)及び油中水型(W/O)に大別されており、さらには油中水中油型(O/W/O)、水中油中水型(W/O/W)等のマルチタイプも存在する。これらは従来、化粧品分野ではスキンケア用のクリーム、乳液、ヘアケア用クリーム等に活用され、医薬品分野では経皮用クリーム等として活用されている。
【0003】
その中でも油相を外相、水相を内相とした油中水型の乳化組成物は、油溶性の有効成分、例えばエモリエント油、油溶性の薬剤、紫外線吸収剤等を効率的に皮膚上に展開できることから、皮膚外用剤として適した剤型であり、この点において水中油型よりも優れている。
【0004】
内水相成分の量を全乳化組成物で除して得られる内水相比は、乳化物の性質、さらには乳化物を含む化粧料においては使用感に大きな影響を与える。具体的には、クリームなどに活用される油中水型乳化組成物において、内水相比を高めるとさっぱりとした良好な使用感を与えることができ、内水相比が低いとしっとりとした油っぽい感触となる。
【0005】
通常の油中水型乳化組成物は、内水相比を高めていった場合、60%付近で安定性を保持することが困難になってくる。これは、内水相の乳化粒子を構成する水分子がマイグレーションして他の乳化粒子に吸収されること(オストワルドライプニング)による乳化粒子の増大や、内水相比が高いために乳化粒子同士の衝突頻度が著しく増大することに起因する乳化粒子の合一などが起こるためである。従って、剛体球の細密充填率(74%)付近である70%を超えた内水相比で乳化物を安定化することは困難であった。また、乳化系は熱力学的に非平衡であるため、これを工業的に活用できるように安定化させるためには、乳化剤の量、内水相比、水性成分の種類及びその量、油分の種類及びその量、他の安定剤の種類及びその量などの使用に制限があった。
【0006】
すなわち、皮膚に対する保湿効果の高い油中水型乳化組成物を、使用性を高めるのに適した高内水相比のものとして、且つ安定性を良好に保ちながら提供することは困難であった。
【0007】
一方、乳化剤としてポリエーテル変性シリコーンを用いることにより、安定性が高く、かつ内水相比の高い油中水型乳化化粧料が開発されている(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。この方法では高分子量(30000以上)のポリエーテル変性シリコーンを使用することが推奨されている。しかしながらポリエーテル変性シリコーンは通常、高分子界面活性剤としての挙動を呈し、高分子鎖の絡み合いに起因する、べたついた使用感を与えることが問題であった。
【0008】
また、界面活性剤としてショ糖ポリエステルを主に用いることにより、内水相比の高い油中水型乳化組成物が開発されている(例えば特許文献3参照)。しかしながら、糖系界面活性剤を用いて調製された乳化化粧料は、全般的にべたついた使用感を与える傾向がある。特にショ糖脂肪酸ポリエステルを用いてエマルション調製を行うと、化粧料分野に頻繁に用いられるポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤に比べ、低濃度から液晶を形成し易いことからも明らかなように、水和力が強くべたつきがあり、さっぱりとした使用感が充分でなかった。
【0009】
また、部分的に親水化されたポリシロキサン架橋体を用いて内水相比の高い油中水型乳化組成物を得て化粧品へ応用する技術がある(例えば非特許文献1参照)。この方法でエマルションを調製する際に、乳化組成物が環状シリコーン以外の油分、非極性油、極性油、直鎖シリコーンなどの配合により容易に不安定化するという問題があった。特に非極性油分を配合することが困難であり、皮膚に有用な成分としての油分の配合に大きな制限があり、肌への効果、紫外線防御などの機能面や使用感の制約が存在した。
【0010】
さらに、逆ミセルが充填したディスコンティニュアス逆ミセルキュービック液晶を外相とし、水を乳化滴として取り込んだ高内水相比の液晶中水型乳化組成物が開発されている(例えば非特許文献2参照)。しかしながらこの方法では界面活性剤や油の種類およびその量が著しく制限されており、実用性に乏しく、また保存安定性においても満足のいくものではなかった。
【特許文献1】特開2001−89356号公報
【特許文献2】特開2002−201355号公報
【特許文献3】特開平9−239259号公報
【非特許文献1】栗林さつき, オレオサイエンス Vol.1. No.3, 247-254(2001)
【非特許文献2】WATANABE et al., J.Oleo Sci., Vol.51, No.12, 771-779(2002)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前記従来の方法は、内水相比を高くするために使用する界面活性剤に工夫を加えた結果、べたつき感を伴い使用性で問題があったり、高内水相比を保持しながら安定性を保つためには、配合する油分の種類に制限があったり、化粧料としたときの品質において必ずしも満足のいくものではなかった。
本発明は前述の従来技術の課題に鑑み行われたものであり、皮膚に対する保湿効果の高い油中水型乳化組成物でありながら、使用性の良好な高内水相比のものであり、且つ乳化安定性が良好である油中水型乳化組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らが前述の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、(A)モノオレイン酸グリセリンと(B)アルキル基に分岐鎖を有する界面活性剤と(C)水性成分と(D)油性成分を含有する油中水型乳化組成物が、皮膚に対する保湿効果が高く、使用性の良好な高内水相比であり、且つ乳化安定性も良好であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
また、前記油中水型乳化組成物は成分(C)の水性成分の質量を、成分(C)の水性成分と成分(D)の油性成分の質量の和で除することで得られる内水相比が、70%以上であることを特徴とする。また、成分(D)の油性成分として配合される油分の一種として、または成分(A)の不純物として油相中に含まれるグリセリン脂肪酸ジエステルおよび/またはグリセリン脂肪酸トリエステルの含有割合が成分(D)の油性成分に対し20%を超えないことを特徴とする。
【0014】
また、前記油中水型乳化組成物は、成分(C)の水性成分と成分(A)のモノオレイン酸グリセリンおよび成分(B)のアルキル基に分岐鎖を有する界面活性剤を混合することで得られる相平衡状態がバイコンティニュアスキュービック液晶と水相、またはバイコンティニュアスキュービック液晶と他の相および水相が共存する多相状態であることを特徴とする。
【0015】
また、前記油中水型乳化組成物の成分(B)のアルキル基に分岐鎖を有する界面活性剤がテトラメチルトリヒドロキシヘキサデカン(商品名 フィタントリオール)、ポリオキシエチレンイソステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレングリセリルイソステアレートのいずれかから選ばれる一種または二種以上であることを特徴とする。さらに上記(B)成分のアルキル基に分岐鎖を有する界面活性剤のうち、ポリオキシエチレン構造を有するものを選択した場合、平均5〜15モルのポリオキシエチレン部分を分子構造中に有することを特徴とする。
【0016】
前記油中水型乳化組成物の成分(A)のモノオレイン酸グリセリンと成分(B)のアルキル基に分岐鎖を有する界面活性剤の質量比が1:1〜5:1であることを特徴とする。
【0017】
前記油中水型乳化組成物の成分(D)の油性成分として環状シリコーン油を含むことを特徴とする。
【0018】
前記油中水型乳化組成物の成分(A)のモノオレイン酸グリセリンと成分(B)のアルキル基に分岐鎖を有する界面活性剤の合計量は全組成物の質量に対して0.1〜3.0質量%であることを特徴とする。
【0019】
さらに、成分(A)モノオレイン酸グリセリンの不純物として油相中に含まれるグリセリン脂肪酸ジエステルおよび/またはグリセリン脂肪酸トリエステルが、成分(A)の25質量%未満であり、且つ成分(D)の油性成分中にグリセリン脂肪酸ジエステルおよび/またはグリセリン脂肪酸トリエステルが含まれないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明にかかる油中水型乳化組成物は成分(A)のモノオレイン酸グリセリンと成分(B)のアルキル基に分岐鎖を有する界面活性剤と成分(C)の水性成分と成分(D)の油性成分を混合することで得られる組成物であり、乳化安定性が良好で、皮膚に対する保湿効果が高く、良好な使用性である油中水型乳化組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明にかかる油中水型乳化組成物は(A)モノオレイン酸グリセリン、(B)アルキル基に分岐鎖を含む界面活性剤、(C)水性成分、(D)油性成分から構成されている。以下、各成分について詳述する。
【0022】
成分(A)のモノオレイン酸グリセリンは、種々の公知の合成法により提供され得るものである。通常の合成法によれば、モノオレイン酸グリセリン、ジオレイン酸グリセリン、トリオレイン酸グリセリンの混合物として生成される。本発明にかかる油中水型乳化組成物を構成する成分(A)のモノオレイン酸グリセリンは純度が高いことが望ましい。モノオレイン酸グリセリンの精製法として、通常分子蒸留法が用いられるが、これに限定されるものではない。
【0023】
成分(A)のモノオレイン酸グリセリンの不純物として含まれるグリセリン脂肪酸ジエステルおよび/またはグリセリン脂肪酸トリエステルが成分(A)の25%未満であることが好ましく、さらに好ましくは10%未満である。また、成分(D)の油性成分として配合される油分の一種として、また成分(A)の不純物として油相中に含まれるグリセリン脂肪酸ジエステルおよび/またはグリセリン脂肪酸トリエステルが成分(D)の油性成分の全質量に対して20%を超えないことが好ましく、さらに好ましくは10%を超えないことである。モノオレイン酸グリセリンが界面活性剤(乳化剤)としての機能を有するのに対し、ジオレイン酸グリセリンおよび/またはトリオレイン酸グリセリンは油分としての挙動を呈する。従って、モノレイン酸グリセリンの純度が低い場合には、乳化物は成分(D)の油性成分に加え、ジオレイン酸グリセリンおよび/またはトリオレイン酸グリセリンが油性成分として配合されたような挙動をとる。すなわち、モノオレイン酸グリセリンの純度が低く、成分(D)の油性成分として配合される油分の一種として、また成分(A)の不純物として含まれるグリセリン脂肪酸ジエステルおよび/またはグリセリン脂肪酸トリエステルが成分(D)の油性成分の全質量に対して10%を超えてしまうと、乳化物の安定性が損なわれる傾向がある。
【0024】
成分(B)のアルキル基に分岐鎖を有する界面活性剤がテトラメチルトリヒドロキシヘキサデカン(商品名:フィタントリオール)、ポリオキシエチレンイソステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレングリセリルイソステアレートのいずれかから選ばれる一種または二種以上であることが好ましい。テトラメチルトリヒドロキシヘキサデカンは分岐鎖を4個有している。また、ポリオキシエチレンイソステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、及びポリオキシエチレングリセリルイソステアレートはポリオキシエチレンを分子構造中に有するものである。これらの構造がエマルション生成の際にもたらす性質として、低温での結晶化防止が挙げられる。また、ポリオキシエチレン鎖の平均モル数は5〜15であることが好ましい。5未満では低温での安定性が充分でなく、15を超えると成分(A)のモノオレイン酸グリセリンと成分(B)の混合物の親水性が増し、油中水型乳化組成物の調製としては不適切である。
【0025】
成分(B)のアルキル基に分岐鎖を有する界面活性剤として、化粧品として通常用いられているものを一種または二種以上を安定性が損なわれない範囲で選ぶことができる。成分(A)のモノオレイン酸グリセリンと成分(B)のアルキル基に分岐鎖を有する界面活性剤の質量比は、好ましくは1:1〜5:1である。成分(B)のアルキル基に分岐鎖を有する界面活性剤を本発明乳化組成物に混合することは、成分(A)のモノオレイン酸グリセリンが低温で結晶化しやすいという性質を補って改善する効果をもたらす。成分(A)と成分(B)の混合比が1:1の範囲を外れて成分(B)が多く配合されると、高温での乳化安定性が充分でなくなり、逆に5:1の範囲を外れて成分(A)が多く配合されると、低温での結晶化が問題になり安定性が充分でなくなる。
【0026】
さらに、成分(A)と成分(B)の総量は少ないほどさっぱりした使用感を与え、成分(A)に含まれるモノオレイン酸グリセリンの純分と成分(B)の合計質量が全質量に対して0.1〜3.0質量%であることが好ましい。0.1質量%未満であると、乳化剤としての機能が十分発揮されず、安定な乳化状態を得ることができない。また3.0質量%を超えると、乳化組成物がべたつき感を有するようになる場合がある。
【0027】
成分(C)の水性成分は化粧品、医薬品などに通常使用可能なものを、乳化物の安定性を損なわない範囲で配合することができる。保湿剤としては、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、D-マンニット等が挙げられる。水溶性高分子としては、アラビアゴム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、デンプン、アルゲコロイド(褐藻エキス)等の植物系高分子、デキストラン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、ゼラチン等の動物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム等のアルギン酸系高分子、カルボキシビニルポリマー(CARBOPOLなど)等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト等の無機系水溶性高分子等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤、アントラミル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル等のサリチル酸系紫外線吸収剤、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ-2-エチルヘキサン酸グリセリル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ウロカニン酸、2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4-tert-ブチル-4'-メトキシベンゾイルメタン等が挙げられる。
金属イオン封鎖剤としては、エデト酸ナトリウム塩、メタリン酸ナトリウム、リン酸等が挙げられる。
酸化防止剤としては、アスコルビン酸、α-トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
薬剤としては、ビタミンA油、レチノール、パルミチン酸レチノール、イノシット、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸DL-α-トコフェロール、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸2-グルコシド、ビタミンD2(エルゴカシフェロール)、dl-α-トコフェロール2-Lアスコルビン酸リン酸ジエステルカリウム塩、dl-α-トコフェロール、酢酸dl-α-トコフェロール、パントテン酸、ビオチン等のビタミン類、アラントイン、アズレン等の坑炎症剤、アルブチン等の美白剤、酸化亜鉛、タンニン酸等の収斂剤、イオウ、塩化リゾチーム、塩酸ピリドキシン、γ−オリザノール等が挙げられる。
また、上記薬剤は遊離の状態で使用されるほか、造塩可能なものは酸または塩基の塩の型で、またカルボン酸基を有するものはそのエステルの形で使用することができる。
【0028】
成分(D)の油性成分としては、化粧品、医薬品に通常使用可能なものを、乳化物の安定性を損なわない範囲で使用することができる。好ましくはシリコーン油であり、さらに好ましくは環状シリコーン油である。シリコーン油としては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンなどに代表される鎖状シリコーン油、およびオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどに代表される環状シリコーン油等が挙げられる。
極性の油分については、乳化物の安定性を損なわない範囲で少量配合することが望ましい。極性油のうち、グリセリン脂肪酸ジエステルおよびグリセリン脂肪酸トリエステルは望ましくない。これら油相成分として配合されるグリセリン脂肪酸ジエステルおよびグリセリン脂肪酸トリエステルに成分(A)のモノオレイン酸グリセリンの不純物として含まれるグリセリン脂肪酸ジエステルおよびグリセリン脂肪酸トリエステルを加えた総量は少ないことが望ましい。具体的には、全油相成分中の20%を超えないことが好ましく、さらに好ましくは10%を超えないことである。20%を超えると、高温での乳化安定性が低下する傾向がある。
その他の極性油分としては、オクタン酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イロプロピル、イソパルミチン酸オクチル、オレイン酸イソデシル、コハク酸2−エチルヘキシル、セバシン酸ジエチルなどに代表されるエステル油等が挙げられる。
非極性油としては、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、パラフィン、イソパラフィン、セシレン等に代表される炭化水素油等が挙げられる。
【0029】
本発明にかかる油中水型乳化組成物の内水相比は70%以上であることを特徴とする。70%未満であるとさっぱりとした使用感が得られない場合がある。さらに本発明においては、80%以上の高内水相比である油中水型乳化組成物の調製も可能であり、さっぱりとした使用感をもたせることも可能である。
【0030】
キュービック液晶は4種の構造が存在することが知られている。閉鎖集合体であるミセルあるいは逆ミセルが、それぞれ油あるいは水の連続層中で立方晶型に充填したディスコンティニュアスキュービック液晶や脂質二重層が三次元的に連なった曲面を形成し立方晶型に配列した両連続構造であるバイコンティニュアスキュービック液晶がある。バイコンティニュアスキュービック液晶にも、水と油の存在位置を逆転させた逆型が存在する。本発明における乳化組成物は、成分(C)の水性成分と成分(A)のモノレイン酸グリセリン及び成分(B)のアルキル基に分岐鎖を有する界面活性剤を混合することで得られる相平衡状態が、バイコンティニュアスキュービック液晶と水相、またはバイコンティニュアスキュービック液晶と他の相、および水相が共存する多相状態となるような成分(C)、成分(A)及び成分(B)の組み合わせから構成されることが好ましい。
【0031】
バイコンティニュアスキュービック液晶は界面活性剤が無限会合した2分子膜が立方晶型に配列したものである。外観は透明で光学的には等方性であり、高粘度のゲル状を呈する。バイコンティニュアスキュービック液晶の判別方法には、外観による判定、相平衡図の作成、電気伝導度測定、NMRによる自己拡散係数の測定、小角X線散乱、フリーズフラクチャー法を用いて調製したレプリカの電子顕微鏡観察等により決定される。
本発明における液晶構造の判別方法としては、以下の様な手法が考えられる。まず、(A)成分のモノオレイン酸グリセリン、(B)成分のアルキル基に分岐鎖を有する界面活性剤および(C)の水性成分を良く混合した後、遠心分離処理により共存する複数の相を分離する。通常の遠心分離装置を用いた場合には、数時間から数日の処理時間を要する場合がある。共存する相がなく1相の状態であれば全体が均一に透明な状態となる。逆型を含むバイコンティニュアスキュービック液晶は、外観は透明で光学的には等方性であり、高粘度のゲル状を呈する。光学的に等方性であることは、偏光板2枚を90度の位相差で組み合わせた間にサンプルを保持し、光の透過がないことから判別できる。外観が透明で光学的に等方性であり、高粘度のゲル状の相については、さらに小角X線散乱によって構造を同定することができる。逆型を含むバイコンティニュアスキュービック液晶の散乱パターンは、Pn3m と呼ばれる構造の場合には√2、√3、√4、√6、√8 、√9、またはIa3dと呼ばれる構造の場合には√6、√8、√14、√16、√20のピーク比となる。
小角X線散乱に代わる簡便な方法として、H.Kunieda et al., J.Oleo Sci. vol.52, 429-432(2003)に記載されているように、水溶性および油溶性の色素を用いて、その拡散時間から構造を推定する方法もある。
【0032】
また、本発明にかかる油中水型乳化組成物は、従来外皮に適用されている化粧料、医薬品、および医薬部外品に広く応用することが可能である。例えば、美白用美容液、乳液、クリーム、パック、ファンデーション、口紅、アイシャドー、アイライナー、マスカラ、洗顔料、スプレー、ムース、ヘアーリンス、シャンプー、皮膚科用軟膏等が挙げられる。
【実施例】
【0033】
本発明については、以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。配合量は特記しない限り、その成分が配合される系に対する質量%で示す。
【0034】
調製法
成分(A)のモノオレイン酸グリセリン、成分(B)のアルキル基に分岐鎖を有する界面活性剤、成分(D)の油性成分およびその他の油溶性成分を混合し、約40度に加熱して溶解する。成分(C)の水性成分およびその他の水溶性成分を混合、溶解する。油溶性成分のパーツを比較的強く攪拌しながら水溶性成分のパーツを徐添する。
また、成分(A)のモノオレイン酸グリセリンの純度は、ガスクロマトグラフィー(GC)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などの一般的な方法で測定することができる。
前記調製法で得られる油中水型乳化組成物の内水相比は、水および水溶性成分の質量を、水および水溶性成分と油および油溶性成分の合計質量で除することで計算される。
【0035】
油中水型乳化組成物の評価方法
下記表1〜表6に示す組成物について、以下の評価基準に基づいて、乳化安定性、皮膚に対する保湿効果、使用感、相平衡を評価した。
1.高温での乳化安定性
40℃で一ヶ月保存後に目視にて安定性を評価した。
◎:水および/または油の分離が全く認められない。
○:水および/または油の分離が極僅かに認められる。
×:水および/または油の分離が明らかに認められる。
2.低温での乳化安定性
0℃で一ヶ月保存後に光学顕微鏡観察を行い安定性を評価した。
○:結晶の析出が全く認められない。
△:結晶の析出が極僅かに認められる。
×:結晶の析出が明らかに認められる。
3.皮膚に対する保湿効果
上腕部の初期コンダクタンス値を測定した後、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム5%水溶液で上腕部の脱脂を行った。各組成物を1週間連用した後のコンダクタンス値を測定した。
◎:初期のコンダクタンス値の8割以上に回復
○:初期のコンダクタンス値の4割〜8割に回復。
×:初期のコンダクタンス値の4割未満。
4.使用感
専門パネル10名により使用感の評価を行った。
◎:10名中9名以上がみずみずしくさっぱりしていると評価。
○:10名中7ないし8名がみずみずしくさっぱりしていると評価。
△:10名中4ないし6名がみずみずしくさっぱりしていると評価。
×:10名中3名以下がみずみずしくさっぱりしていると評価。
5.成分(A),(B),(C)を混合したときの相平衡
各成分を充分に混合した後、遠心分離により各相を分離した。その後、偏光顕微鏡観察および小角X線散乱測定により相平衡を決定した。
◎:バイコンティニュアスキュービック液晶と水相が共存。
○:バイコンティニュアスキュービック液晶と他の相および水相が共存。
×:バイコンティニュアスキュービック液晶以外の相の組み合わせにより構成。
【0036】
【表1】

【0037】
前記表1に示す結果より明らかなように、イオン交換水が70%未満の場合(試験例1−1および1−2)では、HLBの低い界面活性剤を選択することにより、ある程度安定なW/O型乳化組成物を調製することができる。しかしながら、イオン交換水を70%以上とすると、従来、高内水相比の乳化組成物を提供するものとして知られている界面活性剤の選択及びそのHLBの調製では、十分に安定なW/O型乳化組成物を調製することができなかった(試験例1−3〜1−5)。
これに対し、モノオレイン酸グリセリン及びフィタントリオールを併用した試験例1−6においては、優れた安定性のW/O型乳化組成物が調製することができた。
そこで、本発明者らは、モノオレイン酸グリセリン及びフィタントリオールの組み合わせによる乳化組成物の向上機構について検討を行った。
【0038】
【表2】

【0039】
前記表2に示すように、試験例2−1〜2−7において、モノオレイン酸グリセリンとフィタントリオールとの合計配合量を1%とし、その配合比を9:1〜2:3に調整してそれぞれの乳化安定性を検討した。
その結果、両者が共存する場合には、それぞれ単独の場合と比較して乳化安定性が優れる傾向にあるが、特に1:1〜5:1において優れた安定性が得られることが分かった。
なお、モノオレイン酸グリセリンとフィタントリオールとの合計配合量を4%とすると(試験例2−8)、安定性に問題はないが、使用感が低下する傾向にあった。また同様に合計配合量を0.1%とすると(試験例2−9)、安定性が低下する傾向があった。
以上の結果から、モノオレイン酸グリセリンとフィタントリオールとの配合比は1:1〜5:1が好ましく、またその合計量は組成物中4%以下、特に0.1〜3.0質量%であることが好ましいことが理解される。
次に本発明者らは、高内水相比のW/O型乳化組成物の相状態と乳化安定性についてさらに検討を進めた。
【0040】
【表3】

【0041】
前記表3に示すように、モノオレイン酸グリセリンとフィタントリオールとの合計配合量を3%とし、モノオレイン酸グリセリンの純度を90%、75%、45%と調整して、その純度がW/O型乳化組成物の相状態と乳化安定性にもたらす影響について検討した。 その結果、モノオレイン酸グリセリンの純度が90%である場合(試験例3−1)、乳化安定性に優れた組成物であるが、その純度が75%になると(試験例3−2)、相平衡はバイコンティニュアスキュービック液晶と水以外の他の相が共存する状態となり、低温における乳化安定性が若干低下した。さらに純度が45%とまで下がると(試験例3−3)、相平衡はバイコンティニュアスキュービック液晶を含まないものとなり、乳化安定性もさらに低下する傾向にあった。
また、油性成分中に含まれるグリセリン脂肪酸ジエステル及びグリセリン脂肪酸トリエステルの含有量が乳化安定性にもたらす影響についても検討した。試験例3−4に示すように、純度が90%のモノオレイン酸グリセリンを用い、トリイソオクタン酸グリセリルの配合量を増やした場合、乳化安定性は劣るものとなった。この時の全油性成分の含有量に対するグリセリン脂肪酸ジエステル及びグリセリン脂肪酸トリエステルの割合は20%であった。さらに、純度が45%のモノオレイン酸グリセリンを用い、トリイソオクタン酸グリセリルの配合量を増やした場合、乳化安定性は益々低下する傾向にあった。この時、モノオレイン酸グリセリン中に含まれるグリセリン脂肪酸ジエステル及びグリセリン脂肪酸トリエステルと、その他の油分のトリイソオクタン酸グリセリルを合計した量が、全油性成分の含有量に対し24%であった。
以上の結果から、モノオレイン酸グリセリン中に含まれるグリセリン脂肪酸ジエステル及びグリセリン脂肪酸トリエステルの存在はバイコンティニュアスキュービック液晶の形成を妨げ、相状態に影響を与えること、及び、モノオレイン酸グリセリン中に含まれるグリセリン脂肪酸ジエステル及びグリセリン脂肪酸トリエステル、もしくはその他の成分として含まれるグリセリン脂肪酸ジエステル及びグリセリン脂肪酸トリエステルの含有量の増加は乳化安定性を低下させる要因となることが理解される。
次に本発明者らは、高内水相比のW/O型乳化組成物でありながら、良好な乳化安定性を保持するために使用する界面活性剤について、さらに検討を進めた。
【0042】
【表4】

【0043】
前記表4に示すように界面活性剤の1種をモノオレイン酸グリセリン(90%)に固定し、親水性の界面活性剤を変えた組成に調整して、それぞれの乳化安定性を検討した。
その結果、通常化粧料の乳化剤として汎用されている、ポリオキシエチレン構造を有する、適度なアルキル鎖長の界面活性剤を選択したところ、試験例4−1〜4−3のように乳化安定性に優れた組成物となることが分かった。しかし、同様のポリオキシエチレン構造及びアルキル鎖長であっても、アルキル基が分岐していない界面活性剤であると(試験例4−4,4−5)、低温での結晶化が問題となり乳化安定性が低下した。また、分岐鎖を有する同様のアルキル基であってもポリオキシエチレン構造を備えていないと(試験例4−6)、低温での乳化安定性が若干低下し、親水性の界面活性剤としての作用が低下するため、べとつき感が強くなり使用性も低下した。
以上の結果から、モノオレイン酸グリセリンと併用する界面活性剤としては、ポリオキシエチレン構造を有する、アルキル基に分岐構造を有するものを使用することが、高内水相比であり良好な安定性を保持したW/O型乳化組成物の調製のために好ましいことが理解される。また、この点に関して、バイコンティニュアスキュービック液晶と水との共相状態が乳化安定性の良否と相関関係があることが示唆された。
引き続き本発明者らは、モノオレイン酸グリセリンと併用する、ポリオキシエチレン構造を有するアルキル基に分岐構造を有する界面活性剤の検討を進めた。
【0044】
【表5】

【0045】
前記表5に示すように、界面活性剤の一種をモノオレイン酸グリセリン(90%)に固定し、親水性の界面活性剤に関しポリオキシエチレン部の鎖長を変えた組成に調整して、それぞれの乳化安定性を検討した。
その結果、POE鎖が5である試験例5−1はバイコンティニュアスキュービック液晶と水との相平衡であり乳化安定性に優れたものであった。一方、POEが18の試験例5−2、さらにはPOEが30の試験例5−3のようにPOE鎖が長くなるにつれ、相平衡がバイコンティニュアスキュービック液晶ではない他の相が占める割合が増し、乳化安定性も低下する傾向があることが理解される。特にPOEが30である試験例5−3、および5−4においては、併用するモノオレイン酸グリセリンと相補的に作用する、界面活性剤としての親水性が必要以上に増すため、W/O型乳化組成物としての調製には不向きな組み合わせとなってしまう。また、POE鎖を有さないと低温での乳化安定性が低下することは、前記表4の試験例4−6で示したとおりである。
以上のように、高内水相比でありながら、乳化安定性が優れるW/O型乳化組成物を得るためには、適度な親水性、および親油性である界面活性剤を組み合わせることが重要であり、モノオレイン酸グリセリンと組み合わせる界面活性剤としては、POE鎖が平均5〜15モルであるアルキル鎖に分岐構造を有するものが好ましいことが理解される。
さらに、本発明者らは、高内水相比であり乳化安定性に優れたW/O型乳化組成物を調製するにあたって配合する、他の油性成分について検討を進めた。
【0046】
【表6】

【0047】
前記表6に示すように、界面活性剤をモノオレイン酸グリセリンおよび、POE(8)グリセリルイソステアレートに固定し、その他の油性成分を変え、乳化安定性を検討した。
その結果、シリコーン油を含む試験例6−1及び6−2は安定性に優れており、この両者を比べると、環状シリコーン油を配合した試験例6−1が特に優れたものであることが理解される。一方、シリコーン油を含まない試験例6−6では極性油ほどではないが安定性が十分とはいえない。
さらに、シリコーン油以外の油性成分に着目すると、トリイソオクタン酸グリセリンを5%配合した試験例6−3は乳化安定性が低下した。なお、前記表3の試験例3−1ではトリイソオクタン酸グリセリンを含む組成ではあるものの、含有割合が2%と少量であったため乳化安定性を損なわなかったことから、配合量に依存するものと理解される。
また、エモリエント効果のあるオリーブ油のような天然油を配合した場合(試験例6−4)、および液状ラノリンのようなロウ類を配合した場合(試験例6−5)に乳化安定性が低下した。以上の結果より、前記表2の試験例2−3、2−4及び2−5に配合されているエステル油や、表6の試験例6−1に配合されている炭化水素油がその他の油性成分として配合されることが好ましいと理解される(図1を参照)。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明にかかる油中水型乳化組成物に含まれる油分として、デカメチルシクロペンタシロキサンと流動パラフィンとトリイソオクタン酸グリセリン系を用いた時の40℃で1ヶ月保存後の安定性を確保できる領域を示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)(B)(C)(D)を含み、さらに下記(1)及び(2)の条件を満たすことを特徴とする油中水型乳化組成物。
成分:(A)モノオレイン酸グリセリン
(B)アルキル基に分岐鎖を有する界面活性剤
(C)水性成分
(D)油性成分
条件:(1)成分(C)の水性成分の質量を成分(C)の水性成分と成分(D)の油性成分
の質量の和で除することで得られる内水相比が70%以上である。
(2)成分(D)の油性成分として配合される油分の一種として、または成分(A )の不純物として油相中に含まれるグリセリン脂肪酸ジエステルおよび/またはグ リセリン脂肪酸トリエステルの含有割合が、成分(D)の油性成分の全質量に対し、 20%を超えない。
【請求項2】
請求項1又は2に記載の組成物において、成分(C)と成分(A)および成分(B)を混合することで得られる相平衡状態がバイコンティニュアスキュービック液晶と水相、またはバイコンティニュアスキュービック液晶と他の相および水相が共存する多相状態であることを特徴とする油中水型乳化組成物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の組成物において、成分(B)のアルキル基に分岐鎖を有する界面活性剤がポリオキシエチレンイソステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレングリセリルイソステアレートからなる群から選ばれる一種または二種以上であることを特徴とする油中水型乳化組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の組成物において、成分(B)のアルキル基に分岐鎖を有する界面活性剤が平均5〜15モルのポリオキシエチレン部分を分子構造中に有することを特徴とする油中水型乳化組成物。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の組成物において、成分(B)のアルキル基に分岐鎖を有する界面活性剤がテトラメチルトリヒドロキシヘキサデカンである油中水型乳化組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の組成物において、成分(A)と成分(B)の質量比が1:1〜5:1であることを特徴とする油中水型乳化組成物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の組成物において、成分(A)と成分(B)を合わせた質量が全質量に対して0.1〜3.0質量%であることを特徴とする油中水型乳化組成物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の組成物において、成分(D)の油性成分として環状シリコーン油を含むことを特徴とする油中水型乳化組成物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の組成物において、成分(A)の不純物として含まれるグリセリン脂肪酸ジエステルおよび/またはグリセリン脂肪酸トリエステルが、成分(A)の25%未満であり、且つ成分(D)の油性成分中にグリセリン脂肪酸ジエステルおよび/またはグリセリン脂肪酸トリエステルを含まないことを特徴とする油中水型乳化組成物。


【図1】
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【公開番号】特開2007−153824(P2007−153824A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−353173(P2005−353173)
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】