説明

油相含有量が高く強力なクレンジング効果のある水中油型エマルジョン、その調製及び使用

【課題】貯蔵安定性があり、適用時に皮膚をケアする油脂を放出することができ、水で洗浄した際に、容易にきれいに洗い落とすことができ、かつ、しっとりとしてべたつきのない皮膚感触を残すことができるエマルジョンであって、パーソナルケア製品及び化粧品に幅広く使用することができる水中油型エマルジョンを得る。
【解決手段】本発明は、エマルジョンの全重量を基準として、油相45〜90重量%、水相5〜45重量%、各単一乳化剤が8〜18のHLB値を有し、かつ、全乳化剤成分の組合せによるHLB値が10〜15である乳化剤成分3〜10重量%、18超のHLB値を有する洗浄剤成分2〜20重量%を含む、油相含有量が高くクレンジング効果のある水中油型エマルジョンに関する。さらに、本発明は又、上述した乳化剤を調製する方法及びそれらの使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油相含有量が高く強力なクレンジング効果のある水中油型エマルジョン、前記エマルジョンを調製するための方法及びその使用に関する。このようなエマルジョンは、化粧品産業において幅広く使用することができる。
【背景技術】
【0002】
皮膚のメークアップの除去及びクレンジングのための市販製品は、一般に、3つのカテゴリー:石けん又は他の界面活性剤ベースの主要成分を有する界面活性剤タイプ;主として油性成分、湿潤剤、エタノール、水などをベースとする溶剤タイプ;及び前述の二タイプの中間的な性質を有する水中油型エマルジョンタイプに分類される。界面活性剤タイプは強力な脱脂能力を有し、溶剤タイプは包装材料に関して高度な条件を要求し、かつ、水中油型エマルジョンタイプはクリームのような外観を有し、それにより使い勝手がよく、水中油型エマルジョンは、適用されると速やかに油脂を放出することができ、したがってカラーメークアップ等を除去するために使用することができる。しかし、水中油型エマルジョンタイプは、通常、油含有量が比較的低く、その結果メークアップ除去効果は限定される。第二の溶剤タイプ又は第三の水中油型エマルジョンタイプをカラーメークアップの除去に使用した後には、多量の油脂が残存するため、皮膚から油脂残滓を除去するために追加的なクレンジング用製品がさらに必要となる。しかしながら、迅速なメークアップの除去及びクレンジングを行う製品が必要であり、かつ、メークアップ除去、マッサージ及びクレンジングの三工程を1つに組み合わせることができることは望ましいであろうし、かつ、このことは、経済的でもあり又時間節約にもつながることになり、該製品は、さらに商品の貯蔵安定性に関する要件をも満たすべきである。先行技術において溶剤タイプの製品がいくつか存在するが、それらは水で洗浄した後にエマルジョン化現象を起こすことになり、そのクレンジング効果は皮膚上の汚染物質を溶解するための溶剤として油性成分を使用することによってのみ達成され、したがってこれら製品は汚染除去能力に乏しく、さらには、溶剤タイプの製品は比較的高い包装コストを必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
先行技術において存在する前述の問題を目指して、本発明の目的は、使用時に解乳化して油相を放出し、水で洗浄された後に再び再乳化され、かつ、クレンジング効果を有する水中油型エマルジョン製品を提供することである。このような水中油型エマルジョンは:1)内相の油相含有量が非常に高く、系の全重量の45〜90重量%までであり、かつメークアップ除去効果が良好であること;2)水相が乳化剤及び洗浄剤を含み、クレンジング及び洗浄効果が顕著であること;3)特別な調製方法及び配合を使用することにより得られる良好な安定性を有するものであること、を特徴とする。追加的な着色剤がないとき、本発明の水中油型エマルジョンは、乳白色でクリームのような外観を有し、かつ、要求に応じて透明又は半透明のゲル様外観に変化させることもまた可能である。本発明の水中油型エマルジョンは、貯蔵安定性があり、かつ、適用時に皮膚をケアする油脂を放出することができ、かつ、水で洗浄した際に、再乳化されて、容易にきれいに洗い落とすことができ、かつ、しっとりとしてべたつきのない皮膚感触を残すことができるエマルジョンになる。
【0004】
本発明のもう一つの要素は、本発明の水中油型エマルジョンを調製するための方法である。本発明のさらにもう一つの要素は、本発明の水中油型エマルジョンのメークアップクレンジング調製物、マッサージ用調製物、ベビーケア製品、及びサンクリーム調製物における使用を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、本発明の第一の態様は、エマルジョンの全重量を基準として、油相45〜90重量%、水相5〜45重量%、各単一乳化剤が8〜18のHLB値を有し、かつ、全乳化剤成分の組合せによるHLB値が10〜15である乳化剤成分3〜10重量%、及び18超のHLB値を有する洗浄剤成分2〜10重量%、ここで、前記水相含有量は、乳化剤成分及び洗浄剤成分を含まない、を含む水中油型エマルジョンを提供する。
【0006】
本発明の水中油型エマルジョンは、良好なメークアップ除去効果、顕著な再乳化能力ならびに良好な洗浄性及び安定性を有し、かつ、水中油型調製物タイプであるために包装に関する要求が低い。
【0007】
好ましい一実施形態において、本発明の水中油型エマルジョンは、エマルジョンの全重量を基準として、油相55〜85重量%、水相10〜40重量%、各単一乳化剤が8〜18のHLB値を有し、かつ、全乳化剤成分の組合せによるHLB値が10〜15である乳化剤成分3〜7重量%、及び18超のHLB値を有する洗浄剤成分2〜5重量%、ここで、前記水相含有量は、乳化剤成分及び洗浄剤成分を含まない、を含む。
【0008】
本発明の水中油型エマルジョンにおいて、使用される洗浄剤成分は、18超のHLB値を有する洗浄剤成分であり、好ましくは洗浄剤成分のHLB値は22以上である。洗浄剤成分は、両性界面活性剤、アニオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤であってよい。洗浄剤として使用される好ましい両性界面活性剤は、コカミドプロピルベタイン(例えばTEGO(登録商標)Betain F50など)、オクチル/デシルアミドプロピルベタイン(例えばTEGO(登録商標)Betain 810など)、N−コカミドエチル−N−ヒドロキシルエチルアミノ酢酸ナトリウム(例えば REWOTERIC(登録商標)AMCなど)及び/又はN−コカミドエチル−N−ヒドロキシルエチルアミノ二酢酸二ナトリウム(例えばREWOTERIC(登録商標)AM 2C NMなど)である。洗浄剤として使用されるのが好ましいアニオン界面活性剤は、金属スルホコハク酸塩、より好ましくはドデシルスルホコハク酸二ナトリウム(例えばREWOPOL SB F 12 Pなど)である。洗浄剤として使用されるのが好ましい非イオン界面活性剤は、PEG−PPG−PEGブロックコポリマー界面活性剤、より好ましくは20〜22の間のHLB値を有するPEG−PPG−PEGブロックコポリマーのSynperonic(登録商標)PE Fシリーズ及び/又はPluronic(登録商標)Fシリーズ、より好ましくはSynperonic(登録商標)PE F 127及び/又はPluronic(登録商標)F 127である。
【0009】
本発明の水中油型エマルジョンにおいて、使用される洗浄剤成分の量は、一般に、水中油型エマルジョンの全重量を基準として、2〜10重量%、好ましくは2〜5重量%である。
【0010】
本発明の水中油型エマルジョンにおいて、水中油型乳化剤成分が使用される。本発明の乳化剤成分として、単一の乳化剤が使用される場合、この乳化剤のHLB値は、8〜18であるべきであり、本発明の乳化剤成分として、2つ又は2つを超える乳化剤が使用される場合には、これら乳化剤成分の組合せとしてのHLB値が10〜15であるべきである。組合せとしてのHLB値の算出方法は、Griffin法又はDavies法を参照することができる(Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、Part 9、Emulsion、2005年;Surfactant Application Encyclopedia、Liu Cheng、Beijing industry Press、1997年)。
【0011】
本発明の水中油型エマルジョンにおいて使用することができる乳化剤は、非イオン乳化剤、アニオン界面活性剤、カチオン乳化剤又はこれらの任意の混合物である。
【0012】
本発明において使用することができる非イオン乳化剤としては、例えばエトキシル化脂肪酸エステル、エトキシル化脂肪族アルコールエーテル、脂肪酸のポリグリセリンエステル、脂肪酸の糖エステル(例えば脂肪酸のグルコースエステル及び脂肪酸のショ糖エステルなど)、及び/又はエトキシル化ジメチルシロキサンであってよい。本発明において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(Tween)、ジステアリン酸ポリグリセリル−3メチルグルコース(例えばTEGO(登録商標)CARE 450など)、ヘキサデシル/オクタデシルポリオキシエチレン(15)エーテル及びステアリン酸グリセリル(例えばTEGO(登録商標)Care 215など)、及びヘキサデシル/オクタデシルグルコシド(例えばTEGO(登録商標)Care CG 90など)の群から選択される1つ又は複数が好ましい。
【0013】
本発明において使用することができるアニオン乳化剤としては、例えば、けん化グリセリル脂肪酸(saponatus glyceryl fatty acid)、アルキルホスフェート又はこれらの塩及びこれらの混合物、好ましくは、クエン酸ステアリン酸グリセリル(例えばAXOL(登録商標)C 62など)であってよい。
【0014】
本発明において使用することができるカチオン乳化剤としては、例えば塩化ジステアリルジメチルアンモニウム(例えばVARISOFT TA100など)であってよい。
【0015】
本発明の水中油型エマルジョンにおいて、使用される乳化剤成分の量は、一般に、水中油型エマルジョンの全重量を基準として、3〜10重量%、好ましくは3〜7重量%である。
【0016】
本発明の油中水型エマルジョンにおいて、油相は、油中水型エマルジョンに通常含まれる油相であり、油相における個々の油相成分の選択に特別な制限はなく、化粧品に使用することができる全ての油相成分を使用することができる。油相成分は、例えば、伝統的に使用されている植物油、鉱油、シリコン油及び合成油から選択される少なくとも1つの油脂であってよく、かつ、伝統的に使用されている種々のワックスであってもまたよい。本発明のエマルジョンの油相成分としては、例えば、シロキサン化合物、脂肪族炭化水素、脂肪族アルコール、脂肪族アルコールエーテル、脂肪族カルボキシレート及びカルボネート、又はこれらの任意の混合物であってよい。シロキサン化合物としては、環状メチルシロキサン、ジメチルシロキサン、シロキサンエラストマー、又はこれらの任意の混合物が好ましい。本発明のエマルジョンの油相成分としては、下記の、パルミチン酸エチルヘキシル(例えばTEGO(登録商標)SOFT OPなど)、炭酸ジエチルヘキシル(例えばTEGO(登録商標)SOFT DECなど)、オクチルドデカノール、PPG−14ブチルエーテル及びトリイソステアリン酸グリセリルの群から選択される1つ又は複数が好ましい。特に好ましくは、油相は、パルミチン酸エチルヘキシルと炭酸ジエチルヘキシルの組合せを含む。
【0017】
本発明の水中油型エマルジョンにおいて、使用される油相の量は、一般に、水中油型エマルジョンの全重量を基準として、45〜90重量%、好ましくは55〜85重量%である。
【0018】
本発明の水中油型エマルジョンにおいて、水中油型エマルジョンは水相を含み、この水相が水中油型エマルジョンの連続相を形成し、その一方で油相はその中で水中油型エマルジョンの分散相を形成する。水相において、水相は、水のみを含むか、またはそうでなければ、水に溶解可能な他の物質を含む。そのような物質は、パーソナルケア又はメークアップ用調製物の油中水型エマルジョンに関して、通常、水相に含まれる物質であってよい。それは特に、エタノール及び/又は2つ又は2つを超えるヒドロキシル基(例えば3つのヒドロキシル基)を含むC〜Cポリオールを含み、後者は好ましくは、グリセリン、プロパンジオール、1,3−ブタンジオール又はこれらの任意の混合物、特にグリセリンを含む。
【0019】
さらに、水相には、本発明のエマルジョンの安定性にとって有益な水溶性ポリマーがさらに含まれていてもよく、かつ水溶性ポリマーは、好ましくは、カルボポール樹脂、キサンタンガム、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリル酸、及び置換ポリアクリル酸、例えば主鎖上にアルキル置換基を有するポリアクリル酸(TEGO(登録商標)Carbomer 341 ER)などの群から選択される1つ又は複数の水溶性ポリマーである。水溶性ポリマーは、特に、キサンタンガムである。本発明の水中油型エマルジョンは、特別な調製方法及び配合を使用することにより、良好な安定性を獲得し、かつ、水相の粘度を増大する前述の水溶性ポリマーは、任意選択であり、不可欠な成分ではない。
【0020】
本発明の水中油型エマルジョンにおいて、一般的に言えば、使用される水相の量は、水相が乳化剤成分及び洗浄剤成分を含むことなく、水中油型エマルジョンの全重量を基準として、5〜45重量%、好ましくは10〜40重量%である。
【0021】
当然ながら、本発明の油中水型エマルジョンにおいては、前述の成分以外にも他の補助的成分、例えば湿潤剤、エモリエント剤、フリーラジカル捕捉剤、キレート剤、抗酸化剤、エッセンス、防腐剤(例えば2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-プロパンジオール、クロロアセトアミドなど)、皮膜形成剤、安定化剤(例えば塩化ナトリウム、塩化マグネシウム及び硫酸マグネシウムなど)、などをも含んでよいことを、当業者なら理解するであろう。
【0022】
本発明の第二の態様によれば、本発明は、下記の工程:
(a)均一な水相混合物を得るために、水相、乳化剤成分、及び洗浄剤成分を混合する工程;及び
(b)液体状態の油相を撹拌しながら、工程(a)で得られた水相混合物に加える工程であって、好ましくは撹拌することにより、添加プロセスの間中、系全体を均一なエマルジョン状態に保ちながら、添加速度が、乳化剤の全重量を基準として、1分当たり2〜30重量%の油相を加える、好ましくは1分当たり2〜20重量%の油相を加える、より好ましくは1分当たり5〜20重量%の油相を加えることである工程
を含む本発明の水中油型エマルジョンを調製するための方法を提供する。
【0023】
本発明における調製方法の好ましい一実施形態においては、工程(b)に続く工程(c):
(c)水中油型エマルジョンを得るために、工程(b)への油相の添加完了後に、撹拌速度の増加によりそれをホモジナイズする工程、
を含む。
【0024】
本発明の調製方法において、乳化剤成分及び/又は洗浄剤成分が常温で液体でない場合、水相全体を加熱して成分を溶解するか、あるいは成分を加熱して融解し、次いでそれを水相に混合する必要がある。
【0025】
本発明の方法の工程(b)において、油相の急速過ぎる添加は、解乳化をもたらすことがあり、その一方で遅速過ぎる添加は時間を消費することになり、したがって、系全体が良好なエマルジョン系を形成するように、油相の添加速度を制御すべきである。この理由から、本発明の方法の工程(b)において、撹拌しながら、液体状態の油相を工程(a)で得られた水相混合物に添加し、ここで添加速度は、添加プロセスの間中、系全体を均一なエマルジョン状態に保ちながら、1分当たり2〜30重量%の油相を加える、好ましくは1分当たり2〜20重量%の油相を加える、より好ましくは1分当たり5〜20重量%の油相を加えるというものである。均一に乳化された状態とは、系の外観が均一であり、かつ相分離が全く起こらないことに相当する。別段の指定がない限り、本発明において記述されるパーセンテージ含有量は全て、含まれる全ての成分の全重量を100重量%として計算される。工程(b)において使用される添加速度は、系のエマルジョン状態を破壊することなく、油相を水相混合物中に添加する、いかなる速度であってもよい。経済的観点から言って、系の均一なエマルジョン状態を破壊することがないまま、油相を水相混合物中に、できる限り迅速に添加することがより好ましい。当業者であれば、この速度を、油相の水相に対する比率、配合物全体の総量、スターラの撹拌モード及び回転速度に基づき、添加プロセスの間中、系全体が均一なエマルジョン状態を維持するように調節することができる。本発明のプロセスの好ましい一実施形態において、初期段階の間は、油相の水相に対する比率が3分の1未満である場合、添加速度は比較的ゆっくりであり、その一方で、添加速度は後になって、適切に加速してよい。例えば、実験室で配合される約100〜1000gの水中油型エマルジョンの配合に関して、一般に、全添加プロセスの間中、系全体を均一なエマルジョン状態に維持するように、油相を水相混合物中に徐々に添加するのに5〜15分かかる。工場における液槽中での生産に関して、一般に、全添加プロセスの間中、系全体を均一なエマルジョン状態に維持するように、油相を水相混合物中に徐々に添加するのに5〜30分かかる。
【0026】
本発明における方法の工程(c)において、油相の添加完了後に、水中油型エマルジョンを得るために、撹拌速度の増加により均一化を行う。工程(c)の目的は、工程(b)で得られた混合系を均一処理することであり、この均一化は通常、比較的高い撹拌速度及びせん断速度を必要とし、かつ、この合算速度は通常、工程(b)において使用される撹拌速度よりも速い。工程(b)における撹拌速度は通常、600〜1000rpm、好ましくは700〜1000rpmであり、一方、工程(c)においては、撹拌速度は通常、1000〜16000rpm、好ましくは1000〜13000rpmである。
【0027】
工程(b)において、均一なエマルジョン系が得られており、系全体は、工程(c)における均一化処理により、より均一になり、かつ得られる生成物の外観は、より明るい。
【0028】
工程(a)〜(c)において、各工程における所望の混合系をより迅速に得るために、あるいは各工程において所望されるより均一な混合系を得るために、あるいはこの2つの目的を同時に達成するために、あるいは他の目的を達成するために、工程(a)〜(c)は、加熱条件下で行ってよい。当然ながら、これらの工程を加熱せずに行うこともできる。
【0029】
本発明によって得られる配合物は、乳白色で、クリーム様の明るい外観を有するものであり、あるいは、要求に応じて透明なゲル様外観に変化させることもまた可能であり、エマルジョンは、適用直後に、皮膚をケアする油脂を放出し、カラーメークアップの除去、マッサージ、及び/又は保湿持続などの機能を有し、かつ、ベビーオイルの代替として使用することもできる。したがって、本発明において、油相含有量の高い水中油型エマルジョンは、種々のパーソナルケア製品及びメークアップ製品に幅広く使用することができる。
【0030】
したがって、本発明の他の態様は、本発明に基づく油相含有量の高い少なくとも1つの水中油型エマルジョンを含む化粧用調製物、好ましくはメークアップクレンジング用調製物、マッサージ用調製物、ベビーケア製品、及びサンクリーム調製物である。
【0031】
本発明のさらに他の態様は、化粧用調製物、好ましくはメークアップクレンジング用調製物、マッサージ用調製物、ベビーケア製品、及びサンクリーム調製物を調製するための、本発明に基づく油相含有量の高い水中油型エマルジョンの使用である。
【0032】
本発明を、実施形態として以下に説明するが、これら実施形態は、本発明の範囲を限定するものと解釈されることはない。
【発明を実施するための形態】
【0033】
特定の実施形態
実施形態1〜5
実施形態1〜5の配合を表1に示す。
【0034】
【表1】

【0035】
実施形態1〜5の水中油型エマルジョンを、下記の工程に基づき調製する:
1).グリセリン及びクロロアセトアミド防腐剤を水に加えて溶解して水相を形成し、次いで水中油型乳化剤(すなわち、ヘキサデシル/オクタデシルポリオキシエチレン(15)エーテル及びステアリン酸グリセリル)及び洗浄剤(すなわち、コカミドプロピルベタイン、オクチル/デシルアミドプロピルベタイン、又はドデシルスルホコハク酸二ナトリウム、N−コカミドエチル−N−ヒドロキシルエチルアミノ二酢酸二ナトリウム又はN−コカミドエチル−N−ヒドロキシルエチルアミノ酢酸ナトリウム)をそれぞれ、各配合から得られた水相全体に添加し、80℃に加熱して溶解した。このようにして均一な水相混合物、すなわちB相を得る工程;
2).パルミチン酸エチルヘキシル、及び炭酸エチルヘキシルを混合して、油相、すなわちA相を得、次いで、添加工程の間中、系全体を常に均一なエマルジョン状態に維持して、800rpmで5分間にわたり撹拌しながら、A相を工程1)で得たB相に添加した(すなわち、1分当たりエマルジョンの全量の14重量%に相当する油相を添加した)工程;
及び、
3).油相Aの添加完了後に、撹拌速度を1000rpmに増加させることにより、均一化を行った、このようにして水中油型エマルジョン生成物、すなわち生成物1〜5を得る工程。
【0036】
これら実施形態の工程2)において、均一なエマルジョンが得られており、工程3)における均一化処理により、エマルジョン全体がより均一になり、得られた生成物は外観がより明るい。
【0037】
実施形態1〜5から得られたエマルジョン生成物は、明るい外観で、均一な質感を有するクリームのような生成物であった。生成物1〜5の粘度は、25℃においてBrookfield粘度計(5番ロータ、回転速度10rpm)で測定して、それぞれ、12000cps、28000cps、20000cps、31000cps及び24000cpsであった。
【0038】
これら5つの生成物、すなわち生成物1〜5を、各々、室温における安定性試験、耐熱性試験及び凍結融解試験のそれぞれに供した。室温における安定性試験は、試料を20〜25℃の間の室温で3ヶ月間貯蔵したことを意味し、耐熱性試験は、試料を45℃で3ヶ月間貯蔵したことを意味し、凍結融解試験は、試料を−15℃/室温の冷/熱サイクルに3回曝したことを意味する。結果として、前記試験に供された後、これらの生成物は、それぞれ、外観上均一性を維持し、かつ、変色、層間剥離、解乳化などの兆候は発生しなかった。これにより、生成物1〜5は、油相高含有量の条件下において、依然として優れた貯蔵安定性を有していたことが分かる。
【0039】
本発明におけるエマルジョン生成物の油放出速度を特徴付けるために、0.1〜0.2gの生成物1〜5をそれぞれ採り、L’OREALの供給するLash Architect Maskaraを塗布した片手の甲に付けた。生成物は、時計回りに円を描いて均一な圧力を加えながら指で塗り、それぞれが油脂である内相を放出する速度を観察した。油放出速度は、5段階のスコアリングシステムにより評価することができ、サークルマッサージを20回超行った後に油相が現れなかった場合、評価スコアを0であるものとし、約20回を超えるサークルマッサージを行った後に油相が現れた場合、「緩徐である」と評価し、評価スコアを1であるものとし、15〜20回のサークルマッサージを行った後に油相が現れた場合に、評価スコアを2であるものとし、10〜14回のサークルマッサージを行った後に油相が現れた場合に、評価スコアを3であるものとし、5〜9回のサークルマッサージを行った後に油相が現れた場合に、評価スコアを4であるものとし、5回未満のサークルマッサージを行った後に油相が現れた場合に、「迅速である」と評価し、スコアを5であるものとした。
【0040】
その後、前記パラグラフで油放出速度を特徴付けるための試験において本発明のエマルジョン生成物を塗布した手の甲を、適切な量の水で洗浄し、時計回りに円を描く動きを付与し、乳化現象が再び観察され、すなわち、エマルジョンが白色になる現象(白色が出現し、すなわち、エマルジョンが再乳化を起こしたことを示した)が観察され、このことをエマルジョンの再乳化能力を特徴付けるのに使用した。再乳化能力は、5段階のスコアリングシステムを用いて評価することができ、洗浄及び動きの付与を行った後に全く白色化現象が起こらなかった場合、評価スコアを1であるものとし、洗浄及び動きの付与を行った後に顕著な白色化現象が起こった場合、評価スコアを5であるものとし、スコア5とスコア1との間の各段階は、発生した白色化現象の有意さの程度(白色の大きさ及び白さの程度を含む)をこれら2つの末端スコアの間で示した。スコアが高いほど、再乳化能力は良好である。
【0041】
次いで、適切な量の水による洗浄及び動きの付与を行った手の甲を、多量の水で15秒間、洗い流し、次いで被験者は、指で手の甲の皮膚上における油脂の残留度合いを確認した。残留度合いは、5段階のスコアリングシステムを用いて評価することができ、明瞭な油性感がある場合には1と評価するのに対し、全く油性感がない場合を5と評価し、スコア5とスコア1との間の各段階は、油性感がこれら2つの末端レベルの間であることを示し、スコアが小さいほど、油性感はより顕著である。
【0042】
油放出速度、再乳化能力及び残留度合いに関する生成物1〜5の5段階評価結果を下記の表に示す:
【0043】
【表2】

【0044】
前記試験の測定結果より、生成物1〜5は全て、比較的ゆっくりした油放出速度を有し、完全にカラーメークアップを溶解することができ、黒色の睫毛用ポマードの痕跡を除去し、洗浄及び円を描く動きの付与の後に再び良好な再乳化能力を示し、多量の水で洗い流した後にカラーメークアップ及び水中油型エマルジョンを都合よく除去することができ、かつ、皮膚上への残留が比較的少なく、したがって清浄なべたつきのない感触が得られることが分かる。
【0045】
実施形態6
実施形態6の配合を表2に示す。
【0046】
【表3】

【0047】
実施形態6の水中油型エマルジョンを、下記の工程に基づき調製した:
1).グリセリン、キサンタンガム及びクロロアセトアミド防腐剤を水に加えて溶解して水相を形成し、次いで水中油型乳化剤及び洗浄剤をそれぞれ、得られた水相全体に添加し、溶解するために80℃に加熱した。このようにして均一な水相混合物、すなわちB相を得る工程;
2).パルミチン酸エチルヘキシル、及び炭酸エチルヘキシルを混合して、油相、すなわちA相を得、次いで、添加工程の間中、系全体を常に均一なエマルジョン状態に維持して、800rpmで3分間にわたり撹拌しながら、A相を工程1)で得たB相に添加した(すなわち、1分当たり、エマルジョンの全量の18重量%に相当する油相を添加した)工程;
及び、
3).油相Aの添加完了後に、撹拌速度を1000rpmに増加させることにより、均一化を行った、このようにして水中油型エマルジョン生成物、すなわち生成物6を得る工程。
【0048】
実施形態6より得られた生成物6は、スコア2の評価である比較的緩徐な油放出速度、スコア5の再乳化能力、及びスコア5の油脂残留度合いを有する。
【0049】
前記試験の測定結果より、生成物6は、比較的ゆっくりした油放出速度を有し、カラーメークアップを十分溶解することができ、黒色の睫毛用ポマードの痕跡を完全に除去し、洗浄及び円を描く動きの付与の後に再び良好な再乳化能力を示し、多量の水で洗い流した後にカラーメークアップ及び水中油型エマルジョンを都合よく除去することができ、かつ、皮膚上への残留が比較的少なく、したがって清浄なべたつきのない感触が得られることが分かる。
【0050】
実施形態7
実施形態7の配合を表3に示す。
【0051】
【表4】

【0052】
実施形態7の水中油型エマルジョンを、下記の工程に基づき調製した:
1).クロロアセトアミド防腐剤を水に加えて溶解して水相を形成し、次いで水中油型乳化剤及び洗浄剤をそれぞれ、得られた水相全体に添加し、溶解するために80℃に加熱した。このようにして均一な水相混合物、すなわちB相を得る工程;
2).パルミチン酸エチルヘキシル、及び炭酸エチルヘキシルを混合して、油相、すなわちA相を得、次いで、添加工程の間中、系全体を常に均一なエマルジョン状態に維持して、600rpmで15分間にわたり撹拌しながら、A相を工程1)で得たB相に添加した(すなわち、1分当たり、エマルジョンの全量の5.7重量%に相当する油相を添加した)工程;
及び、
3).油相Aの添加完了後に、ホモジナイザーの稼動を開始した。このようにして水中油型エマルジョン生成物、すなわち生成物7を得る工程。
【0053】
実施形態7より得られた生成物7は、スコア4の評価である比較的迅速な油放出速度、スコア3の再乳化能力、及びスコア4の評価の油脂残留度合いを有していた。
【0054】
前記試験の測定結果より、生成物7は、比較的迅速な油放出速度を有し、カラーメークアップを迅速に溶解することができ、黒色の睫毛用ポマードの痕跡を完全に除去し、洗浄及び円を描く適用の後に再び良好な再乳化能力を示し、多量の水で洗い流した後にカラーメークアップ及び水中油型エマルジョンを都合よく除去することができ、かつ、皮膚上への残留が比較的少なく、したがって清浄なべたつきのない感触が得られることが分かる。
【0055】
実施形態8〜10
実施形態8〜10の配合を表4に示す。
【0056】
【表5】

【0057】
実施形態8〜10の油中水型エマルジョンを、実施形態1において示される相A成分及び相B成分が表4において実施形態8〜10に関して示される対応する相A成分及び相B成分で置き換えられたことを除き、基本的に実施形態1の方法と同様の方法で調製した。これらの調製した生成物を、実施形態1と同一の方法で、油放出速度、再乳化能力及び残留度合い試験に供し、結果を下記の表に示した。
【0058】
【表6】

【0059】
前記試験の測定結果より、生成物8〜10は全て、比較的ゆっくりした油放出速度を有するが、カラーメークアップを溶解する効果は比較的良好であり、黒色の睫毛用ポマードの痕跡を全く残さず、洗浄及び円を描く動きの付与の後に再び良好な再乳化能力を示し、多量の水で洗い流した後にカラーメークアップ及び水中油型エマルジョンを都合よく除去することができ、かつ、皮膚上への残留が比較的少なく、したがって清浄なべたつきのない感触が得られることが分かる。
【0060】
これらの生成物6〜10を、それぞれ、室温における安定性試験、耐熱性試験及び凍結融解試験に供した。結果として、前記試験に供された後、これら生成物の外観は、例外なく、均一性を維持し、かつ、変色、層間剥離、解乳化などの兆候は発生しなかった。これにより、生成物6〜10は、油相高含有量の条件下において、依然として優れた貯蔵安定性を有していたことが分かる。
【0061】
比較例1
比較例1の配合を下記の表5に示す。
【0062】
【表7】

【0063】
比較例1の油中水型エマルジョンを、実施形態7において示される相A成分及び相B成分が表5において比較例1に関して示される対応する相A成分及び相B成分で置き換えられたことを除き、比較生成物1を調製するために、基本的に実施形態7の方法と同様の方法で調製した。調製した比較生成物1を、実施形態1と同一の方法で、油放出速度、再乳化能力及び残留度合い試験に供した。
【0064】
この配合で調製した比較生成物1は、スコア5の評価である比較的迅速な油放出速度、スコア2の評価の非顕著な再乳化能力、及びスコア1の評価の油脂残留度合いを有し、かつ、多量の水で洗い流した後も依然として、皮膚表面への油脂残留がかなり多量であった。さらに、生成物の安定性が良好でなく、かつ、45℃で2ヶ月間放置した後に観察すると、層間剥離現象が発生していた。
【0065】
比較例2
比較例2の配合を下記の表6に示す。
【0066】
【表8】

【0067】
比較例2の水中油型エマルジョンを、下記の工程に基づき調製した:
1).グリセリン及びクロロアセトアミド防腐剤を水に加えて溶解して水相を形成し、次いで水中油型乳化剤及び洗浄剤をそれぞれ、得られた水相全体に添加し、溶解するために80℃に加熱した。このようにして均一な水相混合物、すなわちB相を得る工程;
2).パルミチン酸エチルヘキシル、及び炭酸エチルヘキシルを混合して、油相、すなわちA相を得、次いで、添加工程の間中、系全体を常に均一なエマルジョン状態に維持して、800rpmで4分間にわたり撹拌しながら、A相を工程1)で得たB相に添加した(すなわち、1分当たり、エマルジョンの全量の15重量%に相当する油相を添加した)工程;
及び、
3).油相Aの添加完了後に、撹拌速度を1000rpmに増加させることにより、均一化を行った、このようにして水中油型エマルジョン生成物、すなわち比較生成物2を得る工程。
【0068】
調製した比較生成物2を、実施形態2と同一の方法で、油放出速度、再乳化能力及び残留度合い試験に供した。
【0069】
この配合で調製した比較生成物2は、ほとんど油相を放出することができず、評価はスコア0であり、再乳化能力はスコア4の評価であり、かつ、油脂残留度合いはスコア5の評価である。この生成物に使用された乳化剤の量は多すぎて、コストの上昇をもたらし、遊離の油脂がほとんどないために、結果としてメークアップ除去効果は良好ではなく、かつ、円を描くマッサージを行い、洗浄し、かつ多量の水で洗い流した後も、黒色の睫毛用ポマードの一部分が依然として残留していた。
【0070】
比較例3
比較例3の配合を下記の表7に示す。
【0071】
【表9】

【0072】
比較例3の水中油型エマルジョンを、下記の工程に基づき調製した:
1).グリセリン及びクロロアセトアミド防腐剤を水に加えて溶解して水相を形成し、次いで水中油型乳化剤を、得られた水相全体に添加し、溶解するために80℃に加熱した。このようにして均一な水相混合物、すなわちB相を得る工程;
2).パルミチン酸エチルヘキシル、及び炭酸エチルヘキシルを混合して、油相、すなわちA相を得、次いで、添加工程の間中、系全体を常に均一なエマルジョン状態に維持して、600rpmで15分間にわたり撹拌しながら、A相を工程1)で得たB相に添加した(すなわち、1分当たり、エマルジョンの全量の4.7重量%に相当する油相を添加した)工程;
及び、
3).油相Aの添加完了後に、撹拌速度を1200rpmに増加させることにより、均一化を行った、このようにして水中油型エマルジョン生成物、すなわち比較生成物3を得る工程。
【0073】
調製した比較生成物3を、実施形態1と同一の方法で、油放出速度、再乳化能力及び残留度合い試験に供した。
【0074】
この配合で調製した比較生成物3は、比較的ゆっくりした油放出速度を有し、スコア1の評価であり、黒色の睫毛用ポマードの残留はほとんどなく、スコア2の評価の再乳化能力を有し、かつ、スコア1の評価の油脂残留度合いを有している。多量の水で洗い流した後も、依然として皮膚表面への油脂の残留がかなり多量であり、これによりべたつき感がもたらされ、クレンジング効果及びべたつきのない感触を得るために、洗浄を行うための追加的洗浄剤が必要であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エマルジョンの全重量を基準として、
油相45〜90重量%、
水相5〜45重量%、
各単一乳化剤が8〜18のHLB値を有し、かつ、全乳化剤成分の組合せによるHLB値が10〜15である乳化剤成分3〜10重量%、及び
18超、好ましくは22以上のHLB値を有する洗浄剤成分2〜10重量%、
を含む水中油型エマルジョンであって、ここで、前記水相含有量は、乳化剤成分及び洗浄剤成分を含まないエマルジョン。
【請求項2】
エマルジョンの全重量を基準として、
油相55〜85重量%、
水相10〜40重量%、
乳化剤成分3〜7重量%、及び
洗浄剤成分2〜5重量%
を含む、請求項1に記載の水中油型エマルジョン。
【請求項3】
洗浄剤成分が、
両性界面活性剤、好ましくはコカミドプロピルベタイン、オクチル/デシルアミドプロピルベタイン、N−コカミドエチル−N−ヒドロキシルエチルアミノ二酢酸二ナトリウム及びN−コカミドエチル−N−ヒドロキシルエチルアミノ酢酸ナトリウム;
アニオン界面活性剤、好ましくはスルホコハク酸塩、より好ましくはドデシルスルホコハク酸二ナトリウム;及び
非イオン界面活性剤、好ましくはPEG−PPG−PEGブロックコポリマー界面活性剤、より好ましくはPEG−PPG−PEGブロックコポリマーであるSynperonic(登録商標)PE Fシリーズ及び/又はPluronic(登録商標)Fシリーズ、例えばSynperonic(登録商標)PE F 127 及び/又はPluronic(登録商標)F 127など
の群から選択される1つ又は複数である、請求項1又は2に記載のエマルジョン。
【請求項4】
前記油相が、シロキサン化合物、脂肪族炭化水素、脂肪族アルコール、脂肪族アルコールエーテル、脂肪族カルボキシレート及びカルボネート、の群から選択される1つ又は複数の油相成分を含み、前記シロキサン化合物が好ましくは、環状メチルシロキサン、ジメチルシロキサン、シロキサンエラストマー、又はこれらの任意の混合物から選択される、請求項1から3の少なくとも一項に記載のエマルジョン。
【請求項5】
前記油相が、パルミチン酸エチルヘキシル、炭酸ジエチルヘキシル、オクチルドデカノール、PPG−14ブチルエーテル及びトリイソステアリン酸グリセリルの群から選択される1つ又は複数の成分を含む、請求項1から4の少なくとも一項に記載のエマルジョン。
【請求項6】
前記乳化剤成分が、非イオン乳化剤、アニオン界面活性剤、カチオン乳化剤、又はこれらの任意の混合物であり、
前記非イオン乳化剤は好ましくは、エトキシル化脂肪酸エステル、エトキシル化脂肪族アルコールエーテル、脂肪酸ポリグリセリンエステル、脂肪酸の糖エステル、及びエトキシル化ジメチルシロキサンの群から選択される1つ又は複数であり、
前記非イオン乳化剤はより好ましくは、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ジステアリン酸ポリグリセリル−3メチルグルコース、ヘキサデシル/オクタデシルポリオキシエチレン(15)エーテル及びステアリン酸グリセリル、及びヘキサデシル/オクタデシルグルコシドの群から選択される1つ又は複数であり、
前記アニオン乳化剤は好ましくは、クエン酸ステアリン酸グリセリルであり、
前記カチオン乳化剤は好ましくは、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムである、
請求項1から5の少なくとも一項に記載のエマルジョン。
【請求項7】
前記水相が、水に加えて、エタノール及び/又は2つ以上のヒドロキシル基を有するC〜Cポリオール、後者は好ましくはグリセリン、プロパンジオール、1,3−ブタンジオール又はこれらの任意の混合物である、を任意選択によりさらに含む、請求項1から6の少なくとも一項に記載のエマルジョン。
【請求項8】
水相が、カルボポール樹脂、キサンタンガム、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリル酸、及び置換ポリアクリル酸の群から選択される1つ又は複数の水溶性ポリマーを含む、請求項1から7の少なくとも一項に記載のエマルジョン。
【請求項9】
下記の工程:
(a)均一な水相混合物を得るために、水相、乳化剤成分、及び洗浄剤成分を混合する工程;及び
(b)液体状態の油相を撹拌しながら、工程(a)で得られた水相混合物に加える工程であって、添加手順の間中、系全体が均一なエマルジョン状態を保ちながら、添加速度が、乳化剤の全重量を基準として、1分当たり2〜30重量%の油相を加える、好ましくは1分当たり2〜20重量%の油相を加える、より好ましくは1分当たり5〜20重量%の油相を加えることである工程
を含む、請求項1から8の少なくとも一項に記載の油中水型エマルジョンを調製するための方法。
【請求項10】
前記工程(b)に続く工程(c):
(c)水中油型エマルジョンを得るために、工程(b)における油相の添加完了後に、撹拌速度の増加によりそれを均一化する工程
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
請求項1から8の少なくとも一項に記載の少なくとも1つの水中油型エマルジョンを含む化粧用配合物。
【請求項12】
化粧用配合物、好ましくは、メークアップクレンジング用調製物、マッサージ用調製物、ベビーケア用製品、又はサンクリーム調製物を調製するための、請求項1から8の少なくとも一項に記載の少なくとも1つの水中油型エマルジョンの使用。

【公開番号】特開2010−285432(P2010−285432A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−132532(P2010−132532)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(507375465)エヴォニク ゴールドシュミット ゲーエムベーハー (100)
【Fターム(参考)】