説明

波長変換素子およびその製造方法

【課題】リッジ型光導波路中の周期分極反転構造を利用して高調波を発生させる素子において、素子の波長許容幅を広げることである。
【解決手段】波長変換素子1は、強誘電性材料からなり、基本波Aを波長変換光Bへと変換する波長変換部Pを有している波長変換用基板2、基板2の表面2a側に形成されているリッジ型光導波路4、光導波路4の両側に形成されている一対の溝3A、3B、および波長変換部Pの全長にわたって光導波路4中に形成されている周期分極反転構造9を備えている。波長変換部Pの入射側端部7における光導波路4の幅WIが、波長変換部Pの出射側端部8における光導波路4の幅WOよりも大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波長変換素子およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光情報処理技術全般において、高密度光記録を実現するために、波長400−430nm程度の青色光を30mW以上の出力で安定的に発振する青色光レーザが要望されており、開発競争が行われている。青色光光源としては、赤色光を基本波として発振するレーザと、擬似位相整合方式の第二高調波発生素子とを組み合わせた光導波路型の波長変換素子が期待されている。
【0003】
ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウム単結晶のような非線形光学結晶は二次の非線形光学定数が高く、これら結晶に周期的な分極反転構造を形成することで、疑似位相整合(Quasi-Phase-Matched :QPM)方式の第二高調波発生(Second-Harmonic-Generation:SHG)デバイスを実現できる。また、この周期分極反転構造内に導波路を形成することで、高効率なSHGデバイスが実現でき、光通信用、医学用、光化学用、各種光計測用等の幅広い応用が可能である。
【0004】
本出願人は、酸化物単結晶からなる基材にレーザー光を照射することでリッジ型光導波路を形成する方法を開示した(特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−372641
【0005】
また、特許文献2によれば、周期分極反転構造を用いた擬似位相整合方式の波長変換素子において、光導波路中に周期分極反転構造を形成することによって波長変換部を形成して高調波を得ている。これと共に、光導波路の出射側には周期分極反転構造を設けず、光
光導波路の幅を出射側で変更している。これによって、光導波路の出射側において、高調波をシングルモード伝搬させている。
【特許文献2】特開2001−311974
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
周期分極反転構造を利用した疑似位相整合方式においては、波長許容幅が狭いことが問題になっている。つまり、極めて狭い波長の基本波しか高調波に変換できないという問題である。波長許容幅は,例えば0.1nmといった極めて狭い範囲になっている。このため、基本波を発振する固体レーザー光源の発振波長のバラツキに対応することが難しく、素子の波長許容幅を広くすることが必要である。
【0007】
本発明の課題は、リッジ型光導波路中の周期分極反転構造を利用して高調波を発生させる素子において、素子の波長許容幅を広げることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、
強誘電性材料からなる基板、
この基板の表面側に形成されているリッジ型光導波路、
このリッジ型光導波路の両側に形成されている一対の溝、および
リッジ型光導波路中に形成されている周期分極反転構造を備えており、この周期分極反転構造によってリッジ型光導波路中に波長変換部を構成している波長変換素子であって、
波長変換部の入射側端部におけるリッジ型光導波路の幅が、波長変換部の出射側端部におけるリッジ型光導波路の幅よりも大きいことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、
強誘電性材料からなる基板、
この基板の表面側に形成されているリッジ型光導波路、
このリッジ型光導波路の両側に形成されている一対の溝、および
リッジ型光導波路中に形成されている周期分極反転構造を備えており、この周期分極反転構造によってリッジ型光導波路中に波長変換部を構成している波長変換素子を製造する方法であって、
強誘電性材料からなる基体の表面にレーザー光を照射することによって溝およびリッジ型光導波路を形成するのに際して、波長変換部の入射側端部から波長変換部の出射側端部へと向かってレーザー光の走査速度を遅くすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の素子によれば、波長変換部の入射側端部におけるリッジ型光導波路の幅を、波長変換部の出射側端部におけるリッジ型光導波路の幅よりも大きくする。これによって、入射側端部においては、リッジ型光導波路の幅が相対的に大きいので、光の感ずる実効屈折率も高くなり、位相整合波長が短くなる。一方、出射側端部においては、リッジ型光導波路の幅が相対的に小さいので、光の感ずる実効屈折率も低くなり、位相整合波長が長くなる。従って、リッジ型光導波路の全体としては波長許容幅を広げることができる。
【0011】
また、本発明の製法によれば、強誘電性材料からなる材料基板の表面にレーザー光を照射することによって溝およびリッジ型光導波路を形成するのに際して、波長変換部の入射側端部から出射側端部へと向かってレーザー光の走査速度を遅くする。これによって、入射側端部では、レーザー光の走査速度が相対的に速いことから、溝が相対的に浅くなり、溝幅が小さくなり、リッジ型光導波路の幅が相対的に大きくなる。一方、波長変換部の出射側端部においては、レーザー光の走査速度が相対的に遅いことから、溝が相対的に深くなり、溝幅が大きくなり、リッジ型光導波路の幅が相対的に小さくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係る光変換素子1を概略的に示す断面図であり、図2は、素子1を概略的に示す上面図である。
【0013】
強誘電性材料からなる波長変換用基板2は、リッジ型光導波路4、光導波路4の両側に設けられている溝形成部2a、2b、および各溝形成部の外側に設けられている延在部2c、2dを備えている。リッジ型光導波路4の両側にはそれぞれ溝3A、3Bが形成されている。リッジ型光導波路4は、リッジ型突起4aと、その直下の平板部分4bとからなる。基板2の上面には表面側バッファ層22が形成されており、背面側には背面側バッファ層5が形成されている。基板2は、バッファ層5、接着層6を介して支持基板20に対して接合されている。
【0014】
図2の上面図に示すように、基板2には、多数の分極反転部9aが形成されており、隣接する分極反転部の間に、非分極反転部9bが形成されている。これらの分極反転部および非分極反転部は一定周期で形成されており、周期分極反転構造9を構成する。
【0015】
リッジ型光導波路4が、基板2の入射側端面17および出射側端面18に対して露出しており、周期分極反転構造9は、リッジ型光導波路4の全長にわたって形成されている。リッジ型光導波路のうち、周期分極反転構造9が形成されている領域が波長変換部Pである。矢印Aのように基本波を入射させると,基本波は波長変換部Pで波長変換を受け、矢印Bのように出射する。
【0016】
本例では、リッジ型光導波路4のほぼ全長にわたって周期分極反転構造9を形成しているので、光導波路4が全長にわたって波長変換部Pを構成する。しかし、リッジ型光導波路4の一部だけに周期分極反転構造9を形成することもできる。この場合には、光導波路4のうち周期分極反転構造9を形成した領域のみが波長変換部となる。
【0017】
図3(a)は、波長変換部Pの入射側端部7におけるリッジ型光導波路4の形態を示す図であり、図3(b)は、波長変換部Pの出射端部8における光導波路4の形態を示す図である。
【0018】
本例では、図3(a)に示すように、波長変換部Pの入射側端部7における光導波路4の幅をWIとし、溝3A、3Bの深さをDIとする。また、波長変換部Pの出射側端部8における光導波路4の幅をWOとし、溝3A、3Bの深さをDOとする。また、図2に示す点線Sは一対の平行線であり、一対の点線Sの間隔は一定である。WIはSよりも大きく、WOはSよりも小さい。
【0019】
リッジ型光導波路の幅とは、リッジ型光導波路の表面の平坦な部分を、光の進行方向に見たときの幅である。溝の深さとは、リッジ型光導波路の表面の平坦な部分から溝の底面までの深さである。リッジ型光導波路の幅、溝の深さは、AFM(原子間力顕微鏡)によって測定する。
【0020】
ここで、本発明に従い、波長変換部Pの入射側端部7における光導波路4の幅WIが、波長変換部Pの出射側端部8における光導波路4の幅WOよりも大きい。また、本例では、波長変換部Pの入射側端部7における溝3A、3Bの深さDIが、波長変換部Pの出射側端面8における溝3A、3Bの深さDOよりも小さい。
【0021】
これによって、入射側端部7においては、光導波路4の幅WIが相対的に大きいので、光の感ずる実効屈折率も高くなり、位相整合波長が短くなる。一方、出射側端部8においては、光導波路4の幅WOが相対的に小さいので、光の感ずる実効屈折率も低くなり、位相整合波長が長くなる。従って、光導波路4の全体としては波長許容幅を広げることができる。
【0022】
この観点からは、光導波路4の幅WIのWOに対する比率(WI/WO)は、1.05以上であることが好ましく、1.1以上であることが更に好ましい。ただし、光導波路4の幅WIのWOに対する比率(WI/WO)が大きくなり過ぎると、全体の波長変換効率が低下する傾向がある。このため、波長変換効率を高く保持するという観点からは、光導波路4の幅WIのWOに対する比率(WI/WO)は、2.0以下であることが好ましく、1.5以下であることが更に好ましい。
【0023】
また、本例では、波長変換部Pの入射側端部7における溝3A、3Bの深さDIが、波長変換部Pの出射側端面8における溝3A、3Bの深さDOよりも小さい。これも上記した原理によって波長許容幅の拡大に寄与する。この観点からは、DIのDOに対する比率(DI/DO)は、0.95以下であることが好ましく、0.8以下であることが更に好ましい。しかし、DIのDOに対する比率(DI/DO)が小さくなりすぎると、全体の波長変換効率が低下する傾向がある。このため、波長変換効率を高く保持するという観点からは、DIのDOに対する比率(DI/DO)は、0.3以上であることが好ましく、 0.5以上であることが更に好ましい。
【0024】
また、好適な実施形態においては、リッジ型光導波路の幅が、入射側端部から出射側端部へと向かって単調減少する。これによって、波長許容幅を特に大きく広げることができ、かつ波長変換効率の低下も抑制しやすい。この際、リッジ光導波路の幅は、波長変換部の全長にわたって1次関数的に単調減少することが好ましいが,これには限定されない。
【0025】
光導波路4の幅WI、WOは、特に限定されないが、一般的には、3.0〜7.0μmとすることができる。
溝の深さDI、DOは特に限定されないが、一般的には、0.5〜3.0μmとすることができる。
【0026】
光変換用基板を構成する材質は、光の変調が可能であれば特に限定されないが、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体、ニオブ酸カリウムリチウム、KTP、GaAs及び水晶などを例示することができる。
【0027】
強誘電体単結晶中には、光導波路の耐光損傷性を更に向上させるために、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、スカンジウム(Sc)及びインジウム(In)からなる群より選ばれる1種以上の金属元素を含有させることができ、マグネシウムが特に好ましい。強誘電体単結晶中には、ドープ成分として、希土類元素を含有させることができる。この希土類元素は、レーザー発振用の添加元素として作用する。この希土類元素としては、特にNd、Er、Tm、Ho、Dy、Prが好ましい。
【0028】
表面側バッファ層、背面側バッファ層の材質は、酸化シリコン、弗化マグネシウム、窒化珪素、及びアルミナ、五酸化タンタルを例示できる。
【0029】
接合層の材質は、無機接着剤であってよく、有機接着剤であってよく、無機接着剤と有機接着剤との組み合わせであってよい。
【0030】
支持基体20の具体的材質は特に限定されず,ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、石英ガラスなどのガラスや水晶、Siなどを例示することができる。この場合、熱膨張差の観点では、強誘電体層と支持基板とを同じ材質とすることが好ましく、ニオブ酸リチウム単結晶が特に好ましい。
【0031】
強誘電性材料にリッジ型の光導波路を形成するための加工方法は限定されないが、レーザー加工が好ましい。この場合には、強誘電性材料からなる材料基板の表面にレーザー光を照射することによって溝およびリッジ型光導波路を形成する。この際、波長変換部の入射側端部から波長変換部の出射側端面部へと向かってレーザー光の走査速度を遅くする。
走査速度が遅いと、溝が深くなり、リッジ型光導波路の幅が広くなる。走査速度が速いと、溝が浅くなり、リッジ型光導波路の幅が狭くなる。
【0032】
加工用のレーザー光については特に限定されず、加工すべき材質に応じて選択する。好適な実施形態においては、レーザー光のパルスの半値幅が10nsec以下である。また、レーザー光のパルスの半値幅の下限は特にないが、生産性良く基材を加工するという観点からは、0.5nsec以上が好ましい。
【0033】
レーザー加工用の光の波長は、350nm以下とすることが好ましく、300nm以下とすることが一層好ましい。ただし、実用的な観点からは、150nm以上とすることが好ましい。
【0034】
エキシマレーザーは、紫外線のパルス繰り返し発振レーザーであり、ArF(波長193nm)、KrF(波長248nm)、XeCl(波長308nm)などの気体状の化合物が発振する紫外光を、光共振機により方向性を揃えて取り出したものである。 現実の光源としては、エキシマレーザー光源の他に、YAGの四次高調波(例えばNd−YAGレーザーの第4次高調波)、エキシマランプが、現在のところ実用的である。
【0035】
レーザー加工用の光照射素子としては、いわゆる一括露光方式の素子と多重反射方式の素子とが含まれる。また、レーザー光の照射によって溝を形成する方法としては、次の二つの態様を挙げることができる。
(1)スポットスキャン加工
(2)スリットスキャン加工
【0036】
レーザー光の走査速度は、加工ステージの移動速度によって変更することができる。
【0037】
レーザー光の走査速度は、加工すべき材質に合わせて選択するが、例えば0.005mm/秒〜1.0mm/秒とすることができる。
【実施例】
【0038】
(実施例1)
図1〜図3に示した波長変換素子1を作製した。具体的には、厚さ0.5mmのMgO5%ドープニオブ酸リチウム5度オフカットY基板上に、周期5.06μmの櫛状周期電極をフォトリソグラフィ法によって形成した。この基板の裏面に全面に電極膜を形成した後、パルス電圧を印加し、周期分極反転構造9を形成した。次いで、厚さ0.4μmのSiOアンダークラッド5をスパッタ法によって成膜した。
【0039】
厚さ0.5mmのノンドープニオブ酸リチウム基板20に接着剤を塗布した後、前記のMgOドープニオブ酸リチウム基板と貼り合せ、MgOドープニオブ酸リチウム基板の表面を厚さ3.5μmとなるまで研削し、研磨した。
【0040】
次いで、レーザーアブレーション加工法により、基板2の表面側にリッジ型光導波路4を形成した。レーザー加工時の基板2表面でのビーム形状が、図4に示すような形状となるようにマスクを作製した。ビームの長さEは150μmであり、ビーム間隔Fは6μmである。このビームパターンを基板2の表面で走査させ、素子長9mmのリッジ型光導波路4を作製した。この際、走査速度を、入射側端部では0.25mm/秒とし、連続的に低下させ、出射側端部では0.15μm/とした。
【0041】
このようにリッジ型光導波路4および溝3A、3Bを形成した後、厚さ0.5μmのSiOオーバークラッド22をスパッタ法によって成膜した。ダイサーで長さ(L)9mm、幅1.0mmで素子を切断した後、端面を研磨した後、端面に反射防止膜を施した。
【0042】
なお、入射側端部7におけるリッジ型光導波路4の幅WIは5μmであり、溝3A、3Bの深さDIは1.5μmであった。
【0043】
この光導波路においてチタンサファイアレーザーを使用して光学特性を測定した。レーザーからの発振出力を100mWに調整し、その基本光をレンズで導波路端面に集光した結果、80mWを光導波路に結合できた。チタンサファイアレーザーの波長を可変させて位相整合する波長に調節した時に、最高7mWのSHG出力が得られた。その際の基本光の波長は976.2nmであった。またその際の位相整合波長許容幅は半値全幅の値で0.25nmであった。
【0044】
(比較例1)
実施例1と同様にして、図1、2、3に示す波長変換素子1を作製した。ただし、図4に示すビームパターンを、基板表面で0.2mm/秒で走査し、光導波路および溝を形成した。レーザービームの走査速度は変更しなかった。
【0045】
この光導波路においてチタンサファイアレーザーを使用して光学特性を測定した。レーザーからの発振出力を100mWに調整し、その基本光をレンズで導波路端面に集光した結果、70mWが導波路に結合できた。チタンサファイアレーザーの波長を可変させて位相整合する波長に調節した時に、最高14mWのSHG出力が得られた。その際の基本光の波長は976.3nmであった。またその際の位相整合波長許容幅は半値全幅の値で0.12nmであった。
【0046】
なお、出射側端部8におけるリッジ型光導波路4の幅WOは4μmであり、溝3A、3Bの深さDOは2.0μmであった。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施形態に係る波長変換素子1を概略的に示す断面図である。
【図2】素子1を概略的に示す上面図である。
【図3】(a)は、波長変換部Pの入射側端部7における光導波路4および溝3A、3Bの形態を示す図であり、(b)は、波長変換部Pの出射側端部8における光導波路4および溝3A、3Bの形態を示す図である。
【図4】実施例におけるビームパターンを示す平面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 波長変換素子 2 波長変換用基板 2a、2b 溝形成部 2c、2d 延在部 3A、3B 溝 4 リッジ型光導波路 4a リッジ部 5,22 バッファ層 6 接合層 7 波長変換部Pの入射側端部 8 波長変換部Pの出射側端部 9 周期分極反転構造 9a 分極反転部 9b 非分極反転部 A 基本波 B 波長変換光 P 波長変換部 WI 波長変換部の入射側端部におけるリッジ型光導波路の幅 WO 波長変換部の出射側端部におけるリッジ型光導波路の幅 DI 波長変換部の入射側端部における溝の深さ DO 波長変換部の出射側端部における溝の深さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
強誘電性材料からなる基板、
この基板に形成されているリッジ型光導波路、
このリッジ型光導波路の両側に形成されている一対の溝、および
前記リッジ型光導波路中に形成されている周期分極反転構造を備えており、この周期分極反転構造によって前記リッジ型光導波路中に波長変換部を構成している波長変換素子であって、
前記波長変換部の入射側端部における前記リッジ型光導波路の幅が、前記波長変換部の出射側端部における前記リッジ型光導波路の幅よりも大きいことを特徴とする、波長変換素子。
【請求項2】
前記波長変換部の入射側端部における前記溝の深さが、前記波長変換部の出射側端部における前記溝の深さよりも小さいことを特徴とする、請求項1記載の波長変換素子。
【請求項3】
前記リッジ型光導波路の幅が、前記入射側端部から前記出射側端部へと向かって単調減少することを特徴とする、請求項1または2記載の波長変換素子。
【請求項4】
強誘電性材料からなる基板、
この基板の表面側に形成されているリッジ型光導波路、
このリッジ型光導波路の両側に形成されている一対の溝、および
前記リッジ型光導波路中に形成されている周期分極反転構造を備えており、この周期分極反転構造によって前記リッジ型光導波路中に波長変換部を構成している波長変換素子を製造する方法であって、
前記強誘電性材料からなる基体の表面にレーザー光を照射することによって前記溝および前記リッジ型光導波路を形成するのに際して、前記波長変換部の入射側端部から前記波長変換部の出射側端部へと向かって前記レーザー光の走査速度を遅くすることを特徴とする、波長変換素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−198651(P2009−198651A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−38553(P2008−38553)
【出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【出願人】(000004064)日本碍子株式会社 (2,325)
【Fターム(参考)】