説明

活性又は官能性有機化合物用可溶化剤

活性又は官能性有機化合物は、溶媒、共溶媒又は添加剤として、極性又は分極性官能基を有するジアリール有機化合物中で可溶化され、組成物を形成する。代表的な活性又は官能性有機化合物としては、パーソナルケア製品中に存在するものが挙げられ、、例えば、アボベンゾン、ベンゾフェノン-3及び4-メチルベンジリデンカンファー等のUVA/UVB吸収化合物を含有する日焼け止め剤が挙げられる。また、かかる組成物は、増大したSPF、UVA/UVB吸光度比及び臨界波長性能の特性を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可溶化を必要とする活性又は官能性有機化合物を含有する組成物に関し、特に溶媒、共溶媒又は添加剤として、極性又は分極性官能基を含有するジアリール有機化合物の添加により効果的に可溶化された、かような組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多くの商品、例えばパーソナルケア(例えば、日焼け止め剤又はUV-フィルター)、医薬品、農業及び工業の組成物は、水性又は非水の形態において溶液、乳濁液又は分散液の状態で可溶化を必要とする活性又は官能性物質を含有する。例えば、活性UVA/UVB吸収成分としてアボベンゾン(エスカロール(Escalol)(登録商標)517)及び/又はベンゾフェノン-3(エスカロール(登録商標)567)等の芳香族化合物を含有する日焼け止め製剤は、それらを乳濁液の状態で保つため、即ち、結晶化を防止するために、可溶化剤を必要とする。数種のかような可溶化剤は、例えば、安息香酸エチル又は安息香酸C12〜C15アルキルが知られているが、前者の化合物は強い刺激物であり、後者はアボベンゾン及びベンゾフェノン-3用のただ平凡な溶媒にすぎない。
【0003】
日焼け止め剤組成物は、一般に、皮膚の熱傷性紅斑を起こし得る波長280〜320nmのUV-B照射を吸収する活性成分を含有する。また、かかる組成物は、波長320〜400nmのUV-A照射を吸収する活性成分を含有することができる。それらの薬剤は、有害な影響から敏感な皮膚を保護する。それらの活性日焼け止め剤化合物(及びそれらの活性な量)は、一般に、望ましい太陽光線保護指数(SPF)を与えるために選択される。このSPFの等級は、UV遮断剤の不在において紅斑形成域に達するのに必要な照射時間に対するUV遮断剤が存在する場合の紅斑形成域に達するのに必要な照射時間の比により数学的に示される。
【0004】
UV-B範囲の照射を吸収する活性日焼け止め剤は、一般に、日焼け止め剤組成物にSPF等級をかなり貢献する。従って、高SPF値は、通常、その中に大量のUV-B吸収日焼け止め剤化合物、例えば、ケイ皮酸オクチルメトキシ及びベンゾフェノン-3を組み込むことで得られる。しかしながら、このように大量のかかる化合物の添加は、その製剤の費用を増大するばかりでなく、皮膚刺激の原因となる場合がある。
【0005】
制汗剤組成物は、当技術分野においてよく知られている。例えば、米国特許第4,985,238号明細書;第5,302,381号明細書;第5,376,362号明細書;第5,417,963号明細書;第5,482,702号明細書及び第5,486,355号明細書を参照。かかる組成物中の活性制汗剤成分は、通常、無機化合物であり、例えば、グリシンとのアルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレート錯体等のアルミニウム、ジルコニウム又は亜鉛の塩である。
【0006】
多くの固体制汗剤組成物が、化学及び化粧品の文献に記載されている。それらの組成物は、一般に、二つの分類;乳化スティック及び懸濁質スティックの内の一つに分類される傾向がある。乳化スティックは、乳濁液を経てスティックに組み込んだ制汗剤活性成分の溶液を含有する。乳化スティックは、ある点において望ましい場合があるが、それらは、不安定で、美的に好ましくなく(例えば、過度に硬く、油っぽく又は粘り気があり)、そして使用後の皮膚の上に目に見える残留物を残す。懸濁質スティックは、水又は乳濁液の使用なしに該スティックに懸濁した粉末制汗剤活性成分を含有する。懸濁質のものは、安定である傾向があるが、それらは硬くて脆い場合があり、更に重要なことには、それらは、塗布後の皮膚の上に見苦しい白色の粉を吹いたような残留物を残す傾向がある。この残留物は、使用者に対し美的に不快にするだけでなく、被服を変色する場合がある。現在、水分のない懸濁質制汗剤スティック組成物の中に特定のジアリール有機化合物を組み込む場合、それらが、優れた制汗剤の効果と、審美的な魅力を示す一方で、使用者の皮膚の上に低減された目に見える残留物を残すことが見出された。
【0007】
パーソナルケア製品は、髪及び皮膚等の高分子基質に重量感、保持又は色彩等の所望の性質を与えるために使用される。しかしながら、かかる製品が髪又は皮膚に光沢又は艶(ラスター)を与えることも望ましい。例えば、髪定着剤組成物は、処置された髪にラスターを加えることが可能であるべきであり、口紅等のカラー化粧品は、使用者の唇に光沢を与えるべきである。
【0008】
革、模造皮革及び他のプラスチックは、しばしば高い光沢が望ましい外観であることが分かる。
【0009】
ジアリール有機エステル、例えば、安息香酸2-フェニルエチルの以前の合成は、毒性溶媒又は爆発性もしくは高価な試薬を有する。例えば、2-フェニルエタノール及び安息香酸を、N,N,N,N-テトラメチルウレア、塩化オキサリル及びピリジンから現場で調製された化学量論のN,N,N,N-テトラメチルクロロホルムアミジウムクロリド試薬の助けによりアセトニトリル溶媒中で縮合していた(フジサワら,Chem. Lett. 1982,1891-1894)。(塩化オキサリルは、毒性の液体であり、一酸化炭素、有毒ガスを形成し;ピリジンは、吐き気を覚える臭いと健康への悪影響を有する。)同様に、2-フェニルエタノール及び安息香酸を化学量論の3-メチルベンゾチアゾール-2-セロン/アゾジカルボン酸ジエチル/N,N-ジメチルアニリン試薬(ミツノブら,Chem. Lett. 1984, 855-858)又は化学量論のトリフェニルホスフィン/S-ベンジル-S-フェニル-N-p-トシルスルフィルイミン試薬(アイダら,Chem. Lett. 1975, 29-32)の助けによりテトラヒドロフラン溶媒中で縮合していた。(セレンやリンの副生成物は、有毒廃棄物の問題を生み出し、そしてテトラヒドロフランは、パーソナルケア用途において受け入れられない。)また、それらを、トルエン及びスルホン酸から現場で調製された触媒量(約7.3mol%)のトルエンスルホン酸を用いてトルエン中で縮合していた(ザルデッキ(Zardecki)ら,Polish Patent,PL 55230,1968/05/15発行)。(私たちの強酸の手段は、低分子量を有し小さい廃棄物の流れを形成するメタンスルホン酸の低濃度、0.47mol%を特徴とする。)
【0010】
また、安息香酸2-フェニルエチルは、触媒としてアルカリ金属又はアルカリ土類金属の過塩素酸塩を用い(カクラボルチ(Chakraborti)ら,Tetrahedron 2003,7661-7668)、触媒としてバナジウム塩を用いたジクロロメタン溶媒中で(チェン,米国特許第6,541,659号明細書,2003/04/01発行)、又はトリス(トリフルオロメタンスルホン酸)ビスマス触媒を用いて(オリタら,Angew. Chem. Int. Ed. 2000,2877-2879)、2-フェニルエタノール及び安息香酸無水物から調製されていた。(過塩素酸塩は爆発の危険があり、ジクロロメタンはパーソナルケア用途において受け入れられない。)また、等モルの1,1,3,3-テトラメチルグアニジンを用いてN,N-ジメチルホルムアミド中で2-フェニルエタノール及び安息香酸無水物から調製されていた(キムら,Bull. Korean Chem. Soc. 1984,205-206)。(N,N-ジメチルホルムアミドは、パーソナルケア用途において受け入れられない。)
【0011】
最後に、安息香酸2-フェニルエチルは、ZnCb試薬を用いてアセトニトリル溶媒中で(キムら,Synth. Commun. 1986,659-666)、又はピリジン塩基を用いてニートで(トンミラ,Ann. Acad. Sci. Fenn.,Ser. A,1942,59巻,2-34)、2-フェニルエタノール及び塩化ベンゾイルから調製されていた。(Znは、廃棄物処理の問題を有し、アセトニトリル及びピリジンは有毒である。)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、本発明の目的は、溶媒、共溶媒又は添加剤として安全で有効な有機化合物により可溶化した、活性又は官能性有機化合物を含む組成物を提供することにある。
【0013】
他の目的は、可溶化した固体の活性又は官能性有機化合物を含む、パーソナルケア、例えば、日焼け止め剤、化粧品、医薬品、農業又は工業の組成物を提供することにある。
【0014】
本発明の更なる目的は、本発明の可溶化剤を用いて、少なくとも10%、好ましくは20%、最も好ましくは30%(w/w)以上の活性成分を可溶化することにある。
【0015】
本発明の特定の目的は、有効な有機溶媒により可溶化した、活性UVA及び/又はUVB化合物を含有する日焼け止め剤組成物を提供することにある。
【0016】
本発明の目的は、組成物のSPF等級を高める添加剤成分を含有する日焼け止め剤組成物を提供することにある。
【0017】
本発明の他の目的は、組成物についての所望のSPF等級に達するために、少ないUV-B化合物を必要とする日焼け止め剤組成物を提供することにある。
【0018】
本発明の更なる目的は、使用者の皮膚の上に低減された目に見える残留物を残す制汗剤組成物を提供することにある。
【0019】
本発明の他の目的は、好ましくは、使用後に形成された白色で粉を吹いたような残留物の屈折率に実質的に合わせた屈折率を有し、それによって、使用者の皮膚の上の目に見える白色で粉を吹いたような残留物の出現を有意に低減させる添加剤を含有する制汗剤組成物を提供することにある。
【0020】
本発明のなお一層の目的は、髪もしくは皮膚等の高分子基質、革、模造皮革又は他のプラスチックに高い光沢、艶又はラスターを与えるための方法及び組成物を提供することにある。
【0021】
本発明の更に他の目的は、弱い色彩で弱い臭いの製品が経済的に得られて、低い環境影響で危険性(例えば、毒性又は爆発性)がない試薬又は副生成物を有する可溶化剤化合物の合成方法を提供することにある。
【0022】
本発明のこれらの目的及び特徴、並びに他の目的及び特徴は、下記の記述から明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本願に記載されたものは、極性又は分極性官能基を含有するジアリール有機化合物中で可溶化された活性又は官能性有機化合物の組成物である。
【0024】
本発明の可溶化剤化合物についての一般式を下記に示す。
【化1】

[式中、G=極性又は分極性官能基(例えば、エステル、アミド、カーボネート、カルバメート、ウレア、カルビニル、オキサ、オキソ、アルキリデン、シリル、スルホニル、スルホキシル、ホスホニル、ホスフィニル等、又はそれらのチオ誘導体)。Xc,Yd=G又はヘテロ原子及び任意の結合基(例えば、O,S又はNRq等)。Aa,Bb=H、F、アルキル基もしくはフルオラルキル基、CN、CO2r又はヘテロ基(例えば、OH、ORs、O2CRt、NRuv、NO2、F、Cl、SiRwxy、SO3z等)。Ri〜Rz=H、F、アルキル基もしくはフルオラルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基等又はそれらのフルオロ類似体)又はアルコキシ基OR(R=Ri〜Rz)。a,b=1〜5、c,d=0〜2、e〜z=0〜4。]
【0025】
化合物の好適な分類は、ジアリールエステル、即ち、一つのアリールアルコールの一つのアリールカルボン酸エステルである。
【化2】

[式中、A、B、X、Y及びRは、上記の通り定義される]
【0026】
適した化合物は、次式:
【化3】

[式中、A、B、Y及びRは、上記の通り定義される]を有する安息香酸アリールを含む。
【0027】
好適な化合物は、次式:
【化4】

[式中、A及びYは、上記にて定義した通りであり、g=1〜3]を有する。
【0028】
本発明の好適な形態においては、エステルが、安息香酸2-フェニルエチル、安息香酸ベンジル又は安息香酸置換ベンジルであり、活性又は官能性有機化合物が、固体有機化合物、例えば、パーソナルケア、化粧品、日焼け止め剤(UVフィルター)、医薬品、農業又は工業の化合物であり;活性日焼け止め剤成分、例えば、日焼け止め剤組成物は、UVA及び/又はUVB化学化合物、例えば、アボベンゾン及び/又はベンゾフェノン-3を含有することが最も好ましい。一般に、日焼け止め剤組成物は、増大したSPF、UVA/UVB吸光度比及び臨界波長を示す。
【0029】
また、本願に記載のものは、(b)極性又は分極性官能基を含有するジアリール有機化合物中で可溶化された、(a)活性制汗剤成分を含む制汗剤組成物であって、使用者の皮膚の上に低減された目に見える白色の粉を吹いたような残留物を残すものである。
【0030】
代表的なジアリール有機化合物としては、安息香酸2-フェニルエチル、トルイル酸2-フェニルエチル、フタル酸ジ-2-フェニルエチル、安息香酸1-フェニルエチル又は安息香酸ベンジル等のフェニルエチルエステルが挙げられ、安息香酸2-フェニルエチルが好ましい。
【0031】
活性成分は、本発明の可溶化剤によって少なくとも10%、好ましくは20%、最も好ましくは30%w/w以上の量で可溶化される。
【0032】
本発明の他の特徴は、下記に記載するように、上記エステル誘導体の製造方法の提供である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明の化合物について最も一般的な式は、下記に示すものである。
【化5】

[式中、G=極性又は分極性官能基(例えば、エステル、アミド、カーボネート、カルバメート、ウレア、カルビニル、オキサ、オキソ、アルキリデン、シリル、スルホニル、スルホキシル、ホスホニル、ホスフィニル等、又はそれらの誘導体)。Xc,Yd=G又はヘテロ原子及び任意の結合基(例えば、O、S又はNRq等)。Aa,Bb=H、F、アルキル基もしくはフルオラルキル基、好ましくは1〜8個、更に好ましくは1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基もしくはフルオラルキル基、CN、CO2r、又はヘテロ基(例えば、OH、ORs、O2CRt、NRuv、NO2、F、Cl、SiRwxy、SO3z等)。Ri〜Rz=H、F、アルキル基もしくはフルオラルキル基、好ましくは1〜8個、更に好ましくは1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基もしくはフルオラルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基等又はそれらのフルオロ類似体)又はアルコキシ基OR(R=Ri〜Rz)。a,bは独立して1〜5であり、c,dは独立して0〜2であり、e〜zは独立して0〜4である。]
【0034】
化合物の好適な分類は、ジアリールエステル、即ち、一つのアリールアルコールの一つのアリールカルボン酸エステルである。
【化6】

[式中、A、B、X、Y及びRは、上記の通り定義される]
【0035】
適した化合物は、次式:
【化7】

[式中、A、B、Y及びRは、上記の通り定義される]を有する安息香酸アリールを含む。
【0036】
好適な化合物は、次式:
【化8】

[式中、A及びYは、上記にて定義した通りであり、g=1〜3]を有する。
【0037】
本発明の代表的な化合物は、チャート1に示すように命名された式を有する。
【化9】

チャート1.本発明の代表的な化合物
【0038】
本発明の可溶化剤の作製方法
本発明の典型的な可溶化剤の作製方法を、下記の実施例により説明する。従って、安息香酸2-フェニルエチル可溶化剤は、触媒、例えば、約180℃を超える温度、好ましくは約190〜220℃でシュウ酸スズ(FASCAT 2001(登録商標))等のルイス酸触媒、又は好ましくは約150〜170℃でメタンスルホン酸等のブレンステッド(‘強’)酸触媒の存在下において、2-フェニルエタノール(フェネチルアルコール)及び安息香酸を反応させることにより調製される。亜リン酸トリイソデシル(TDP)及び次亜リン酸(HPA)等の添加剤は、生成物の色彩を改良することができる。精製は、過剰な2-フェニルエタノールの蒸留又は炭酸ナトリウム水溶液での過剰な安息香酸の抽出と、活性炭での処理を含む。代わりに、生成物のほとんどを高真空下での蒸留により精製することができる。
【0039】
また、酸塩化物、酸無水物及びエステルは、有用な出発物質である。本発明の代表的な化合物は、チャート1に集約されており、それらの調製は、下記の実施例に記載されている。
【0040】
発明の組成物
活性UVA及びUVB化合物、例えば、アボベンゼン、ベンゾフェノン-3及び4-メチルベンジリデンカンファーを含有する日焼け止め剤組成物等の製剤は、安息香酸2-フェニルエチル又は本発明の他の化合物中で効果的に可溶化された。UVB部分に比べてそれらの吸収スペクトルのUVA成分の増大、SPFの上昇、及び増大した臨界波長が、一般に観測された。
【0041】
本発明の組成物に用い得る(そして安息香酸2-フェニルエチル、p-トルイル酸2-フェニル、安息香酸ベンジル等の中で可溶化され得る)他のUVフィルター活性成分としては、p-アミノ安息香酸(PABA)、カンファーベンザルコニウムメトサルフェート、ホモサレート、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、テレフタリデンジカンファースルホン酸、ベンジリデンカンファースルホン酸、オクトクリレン、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、PEG-25 PABA、p-メトキシケイ皮酸イソアミル、エチルヘキシルトリアゾン、ドロメトリゾールトリシロキサン、ジエチルヘキシルブトアミドトリアゾン、3-ベンジリデンカンファー、サリチル酸エチルヘキシル、エチルヘキシルジメチルPABA、ベンゾフェノン-4、ベンゾフェノン-5、メチレンビス-ベンズトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、フェニルジベンズイミダゾールテトラスルホン酸ニナトリウム、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェノールトリアジン、ポリシリコーン-15が挙げられる。かかる組成物は、アボベンゾン、ベンゾフェノン-3及び4-メチルベンジリデンカンファー(MBC)を含む一種以上の上記UVフィルター活性成分を含むことができる。
【0042】
パーソナルケア、化粧品、医薬品、農業又は工業の化合物等の他の活性成分は、本発明の化合物により効果的に可溶化されるものであり、抗菌性及び除草性、例えば殺藻性の化合物等の活性成分が挙げられ、特に乳濁液から結晶化又は沈殿せずに、そして大量の溶媒の使用を必要とすることなく、乳濁液の形態で維持される。かかる医薬品の組成物の例としては、フロセミド、ロバスタチン、クラリスロマイシン、ジクロフェナク、ファモチジン、カルバマセピン、ジピリダモール、クロロチアジド、スピロノラクトン、ジランチン、イミプラミン、メフロキン、シクロスポリン、グリブリド及びニモジピンの一種以上を含む。また、本発明の組成物は、例えば、医薬品(一種以上)及びUVフィルター活性成分(同様に一種以上)等の活性成分又は官能性有機化合物の組み合わせを含むことができる。
【0043】
本発明に従い配合することができる日焼け止め剤は、一般に化学吸収体を備えるが、物理的ブロッカーを備えることもできる。本発明の組成物中に配合することができる例示的な日焼け止め剤は、p-アミノ安息香酸誘導体、アントラニレート、ベンゾフェノン、カンファー誘導体、ケイ皮酸誘導体、ジベンゾイルメタン、β,β-ジフェニルアクリレート誘導体、サリチル酸誘導体、トリアジン誘導体、ベンズイミダゾール化合物、ビス-ベンゾアゾリル誘導体、メチレンビス-(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)化合物、日焼け止め剤ポリマー及びシリコーン、又はそれらの混合物等の化学吸収体である。米国特許第2,463,264号明細書、第4,367,390号明細書、第5,166,355号明細書及び第5,237,071号明細書、並びにEP-0,863,145号明細書、EP-0,517,104号明細書、EP-0,570,838号明細書、EP-0,796,851号明細書、EP-0,775,698号明細書、EP-0,878,469号明細書、EP-0,933,376号明細書、EP-0,893,119号明細書、EP-0,669,323号明細書、GB-2,303,549号明細書、DE-1,972,184号明細書及びWO-93/04665号明細書にさまざまに記載されており、また、明示的に参照されることにより援用される。また、本発明の組成物中に配合することができる例示的な日焼け止め剤は、酸化セリウム、酸化クロム、酸化コバルト、酸化鉄、赤色ワセリン、シリコーン処理した二酸化チタン、二酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化ジルコニウム、又はそれらの混合物等の物理的ブロッカーである。
【0044】
多種多様の日焼け止め剤が、1992年2月11日にハフェイ(Haffey)らに発行された米国特許第5,087,445号明細書;1991年12月17日にターナー(Turner)らに発行された米国特許第5,073,372号明細書;「化粧品の科学と技術(Cosmetics, Science and Technology)」第8章(セガリン(Segarin)ら、189頁以下参照、1957年)に記載されており、全ての内容が、完全に参照することにより本願に援用される。
【0045】
本発明の組成物に配合することができるこれらの日焼け止め剤の中でも好適なものは、アミノ安息香酸、アミルジメチルPABA、シノキサート、p-メトキシケイ皮酸ジエタノールアミン、トリオレイン酸ジガロイル、ジオキシベンゾン、p-メトキシケイ皮酸2-エトキシエチル、4-ビス(ヒドロキシプロピル)アミノ安息香酸エチル、2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリル酸2-エチルヘキシル、p-メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、サリチル酸2-エチルヘキシル、アミノ安息香酸グリセリル、サリチル酸ホモメチル、ホモサレート、3-イミダゾール-4-イルアクリル酸及びそのエチルエステル、アントラニル酸メチル、オクチルジメチルPABA、2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸及びその塩、赤色ワセリン、スリソベンゾン、二酸化チタン、サリチル酸トリエタノールアミン、N,N,N-トリメチル-4-(2-オキソボルン-3-イリデンメチル)アニリニウムメチルサルフェート、並びにそれらの混合物の中から選択されるものである。
【0046】
同様に、UV-A及び/又はUV-B範囲の好適な日焼け止め剤活性成分としては、p-アミノ安息香酸、p-アミノ安息香酸ポリオキシエチレン、p-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、N-オキシプロピレンp-アミノ安息香酸エチル、グリセロールp-アミノベンゾエート、サリチル酸4-イソプロピルベンジル、4-メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、ジイソプロピルケイ皮酸メチル、4-メトキシケイ皮酸イソアミル、4-メトキシケイ皮酸ジエタノールアミン、メチル硫酸3-(4-トリメチルアンモニウム)-ベンジリデン-ボルナン-2-オン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホネート、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2,4,4-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2-ジヒドロキシ-4,4-ジメトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクチルオキシベンゾフェノン、α-(2-オキソボルン-3-イリデン)-トリル-4-スルホン酸及びその可溶性塩、3-(4-スルホ)ベンジリデン-ボルナン-2-オン及びその可溶性塩、3-(4-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー、ベンゼン1,4-ブタンジオール-ジ(3-メチリデン-10-カンホスルホン酸)及びその塩、テレフタリリデン-3,3-ジカンファー-10,10-ジスルホン酸、2,4,6-トリス[p-(2-エチルヘキシル-1-オキシカルボニル)-アニリノ]-1,3,5-トリアジン、2-[p-(tert-ブチルアミド)アニリノ]-4,6-ビス-[p-(2-エチルヘキシル-1-オキシカルボニル)アニリン]-1,2,5-トリアジン、2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)]-2-ヒドロキシ-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(チバ製“TINOSORB S”)、N-(2及び4)-[(2-オキソボルン-3-イリデン)メチルベンジル]-アクリルアミドの重合体、1,4-ブタンジオール-ビスベンズイミダゾリル-フェニレン-3,3,5,5-テトラスルホン酸及びその塩、ベンザルマロネート置換ポリオルガノシロキサン、ベンゾトリアゾール置換ポリオルガノシロキサン(例えば、ドロメトリゾールトリシロキサン)、フェアマウントケミカル社にて商標“MIXXIM BB/100”で市販されているもの等の分散した2,2-メチレン-ビス-[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]、又はチバ-ガイギー社にて商標“TINOSORB M”で市販されているもの等のその分散した形態で微粉末化されたもの、及びフェアマウントケミカル社にて商標“MIXXIM BB/200”で市販されているもの等の可溶化した2,2-メチレン-ビス-[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(メチル)フェノール]が挙げられる。
【0047】
対象となる日焼け止め剤のうち典型的に好適なものは、サリチル酸オクチル、オクトクリレン及びオキシベンゾンの一種以上である。それら日焼け止め剤の一種以上の組み合わせが、同様に好適である。
【0048】
また、アボベンゾン以外のジベンゾイルメタン誘導体は、本発明に従う好適な日焼け止め剤である。例えば、FR-2,326,405号明細書、FR-2,440,933号明細書及びEP-0,114,607号明細書に記載されており、これによって明確に参照することにより援用される。
【0049】
更に好適なジベンゾイルメタン日焼け止め剤としては、(単独でも任意の組み合わせでも)2-メチルジベンゾイルメタン、4-メチルジベンゾイルメタン、4-イソプロピルジベンゾイルメタン、4-tert-ブチルジベンゾイルメタン、2,4-ジメチルジベンゾイルメタン、2,5-ジメチルジベンゾイルメタン、4,4-ジイソプロピルジベンゾイルメタン、4,4-ジメトキシジベンゾイルメタン、2-メチル-5-イソプロピル-4-メトキシジベンゾイルメタン、2-メチル-5-tert-ブチル-4-メトキシジベンゾイルメタン、2,4-ジメチル-4-メトキシジベンゾイルメタン、2,6-ジメチル-4-tert-ブチル-4-メトキシジベンゾイルメタンが挙げられる。
【0050】
対象となるUV-A及び/又はUV-B日焼け止め剤の少なくとも一種は、本発明の組成物中に約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約1重量%〜約6重量%の範囲の量で、有利に配合される。もちろん、特定の製剤の性質に応じて、より高い量やより低い量が適している場合がある。
【0051】
本発明の組成物を、クリーム、分散液、乳濁液(例えば、水中油、油中水、水中油中水、シリコーン中水中油)、ゲル、軟膏、ローション、乳液、ムース、スプレー、トニック及び同類のものを含めた、多種多様の製品の種類に配合することができる。
【0052】
本発明の局所的な化粧品組成物は、一般にキャリヤー(ビヒクル又は希釈剤)又はキャリヤーの混合物を含む。キャリヤーは、美容的及び/又は薬学的に許容されるべきであり、該キャリヤーが皮膚への局所的な塗布に適していることを示し、良好な美的特性を有し、本発明の共重合体やあらゆる他の成分と適合し、そして、安全性又は毒性に関するあらゆる問題を引き起こすことにはならない。かかる製品に配合するのに用いるキャリヤー及び追加の成分は、製品の種類によって変わり、当業者によって日常的に選択され得る。次に示すものは、それらキャリヤー及び追加成分の一部の記載である。
【0053】
本発明の組成物は、人間の皮膚への局所的な塗布に適した、キャリヤー又は該キャリヤーの混合物を含むことができる。キャリヤーは、一般に組成物の約0.5重量%〜約99.5重量%、好ましくは約5.0重量%〜約99.5重量%、更に好ましくは約10.0重量%〜約98.0重量%を構成する。本願で使用されるように、“人間の皮膚への局所的な塗布に適した”の語句は、キャリヤーが人間の皮膚の美意識にダメージ又は悪影響を与えることがなく、或いは人間の皮膚に刺激を引き起こすことがないことを示す。
【0054】
本発明と共に使用することに適したキャリヤーとしては、例えば、クリーム、分散液、乳濁液、ゲル、ローション、乳液、ムース、スプレー及びトニックを含めた、多種多様な製品の種類の配合に使用されるものが挙げられる。
【0055】
本願で使用されるキャリヤーは、化粧品/外皮用組成物に通常使用される広範な成分を含むことができる。キャリヤーは、重合体を溶解又は分散させるための溶媒を含有することができる。また、キャリヤーは、制限されないが、エステル(ミリスチン酸イソプロピル等)、ハロゲン化炭化水素(フレオン等)、炭化水素(デセン、ヘキサン及びイソブテン等)、リナロール、及び揮発性ケイ素誘導体(特に、フェニルペンタメチルジシロキサン、メトキシプロピルヘプタメチルシクロテトラシロキサン、クロロプロピルペンタメチルジシロキサン、ヒドロキシプロピルペンタメチルジシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、シクロメチコン、ジメチコン等のシロキサン)、並びにそれらの混合物を含めた、広範な追加の物質を含有することができる。
【0056】
また、ムース及びエアゾールスプレーは、ムースの場合はフォームとして又はエアゾールスプレーの場合は細かく均一なスプレーとして、物質を送達するための任意の通常のプロペラントを含む。適したプロペラントの例としては、ヒドロフッ素化化合物、ジクロロジフルオロメタン、ジフルオロエタン、ジメチルエーテル、イソブテン、n-ブタン、プロパン又はトリクロロフルオロメタン等の物質が挙げられる。更に、低い粘性を有するトニック又はスプレー製品は、乳化剤を含むことができる。適した乳化剤の例は、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、及びそれらの混合物である。フルオロ界面活性剤は、特に製品が好適なスプレー組成物である場合、最も特にそれが相対的に低いレベルのアルコール等の揮発性有機溶媒と相対的に高いレベルの水(即ち、約10重量%超過)を有するスプレー組成物である場合、とりわけ好適である。かかる乳化剤が含まれる場合、組成物の約0.01重量%〜約7.5重量%のレベルで存在するのが好ましい。プロペラントのレベルを、要求通りに調整することができるが、一般に、ムース組成物の約3重量%〜約30重量%で、エアゾールスプレー組成物の約15重量%〜約50重量%である。
【0057】
適したスプレー組成物が、当技術分野においてよく知られており、通常の、非エアゾールポンプスプレー、即ち“噴霧器”、上記したプロペラントを有するエアゾール容器又は缶、更には、プロペラントとして圧縮空気を利用するポンプエアゾール容器が挙げられる。ポンプエアゾール容器は、例えば、米国特許第4,077,441号明細書及び米国特許第4,850,517号明細書に記載されている。
【0058】
本願の局所的な化粧品/外皮用組成物においては、多種多様の追加の成分を用いることができる。本発明の組成物は、安全で有効な量の医薬品の添加剤又は補助剤を含むことができる。“安全で有効な”の語句は、取り扱うための条件を実質的又は明確に変更するのに十分に多い活性剤の量であるが、健全な医学的判断の範囲内で(妥当な利点/危険の比で)深刻な副作用を避けるのに十分に少ない活性剤の量を暗示する。医薬品活性剤の安全で有効な量は、特定の活性成分の種類、適用すべき組成物の能力、取り扱われる特定の条件、治療される患者の年齢及び健康状態、該状態の重症度、治療の期間、併用療法の性質、及び同種の要因によって変わることになる。
【0059】
対象となる化粧品/外皮用組成物は、乳濁液として配合される場合、種々の乳化剤を含有することができる。それら乳化剤は、本願の組成物の種々のキャリヤー成分を乳化するのに有用である。適した乳化剤は、先の特許及び他の参考文献に記載された、多種多様の非イオン、陽イオン、陰イオン及び双性イオンの乳化剤のいずれも含むことができる。マカッチャン著、「洗剤及び乳化剤(Detergents and Emulsifiers)」、北米版(1986年)、アルレッドパブリッシングコーポレーション(Allured Publishing Corporation)発行;米国特許第5,011,681号明細書、米国特許第4,421,769号明細書及び米国特許第3,755,560号明細書を参照。
【0060】
適した乳化剤の種類としては、乳酸アシル、リン酸アルキル、カルボン酸共重合体、グルコースのエステル及びエーテル、グリセリンのエステル、プロピレングリコールのエステル、ソルビタン酸無水物のエステル、ソルビトールのエステル、エトキシ化エーテル、エトキシ化アルコール、脂肪酸アミド、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコールの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エーテルホスフェイト、石鹸、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0061】
好適な乳化剤としては、制限されるものではないが、セテアレス-20、セテス-10、リン酸セチル、ジエタノールアミンセチルホスフェート、ステアリン酸グリセリル、PEG-100ステアレート、ポリエチレングリコール20ソルビタンモノラウレート、ポリエチレングリコール5大豆ステロール、ポリソルベート60、ポリソルベート80、リン酸セチルカリウム、PPG-2メチルグルコースエーテルジステアレート、ステアレス-20及びそれらの混合物を挙げることができる。
【0062】
本発明の組成物に有用なそれら乳化剤の内の典型的に好適なものは、(米国特許第4,559,226号明細書に記載の)PPG-2イソセテス-20アセテートである。
【0063】
また、対象となる化粧品/外皮用組成物は、種々の皮膚軟化薬を含有することができる。適した皮膚軟化薬の例としては、制限されるものではないが、高度に分岐した炭化水素、非極性のカルボン酸とアルコールのエステル、揮発性及び非揮発性のシリコーンオイル、並びにそれらの混合物が挙げられる。米国特許第4,919,934号明細書を参照。
【0064】
本発明の組成物に有用なそれら皮膚軟化薬の内の典型的に好適なものは、ネオペンタン酸オクチルドデシル及びプロピレングリコールイソセテス-3アセテートの一種以上である。
【0065】
対象となる化粧品/外皮用組成物に、種々の追加の成分を組み込むことができる。それら追加の成分の限定されない例としては、陽イオン重合体及び増粘剤、キレート化剤、ガム及び増粘剤、低pH増粘剤、並びに皮膜形成を促進するための重合体が挙げられる。
【0066】
要約すれば、活性UV-A及びUV-B化合物、例えば、アボベンゾン(UV-A)及びベンゾフェノン-3(UV-B)を含有する日焼け止め剤組成物が、本発明において使用される。本発明の組成物に用いることができる他のUV-フィルター活性成分としては、p-アミノ安息香酸(PABA)、カンファーベンザルコニウムメトサルフェート、ホモサレート、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、テレフタリデンジカンファースルホン酸、ベンジリデンカンファースルホン酸、オクトクリレン、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、PEG-25 PABA、p-メトキシケイ皮酸イソアミル、エチルヘキシルトリアゾン、ドロメトリゾールトリシロキサン、ジエチルヘキシルブトアミドトリアゾン、4-メチルベンジリデンカンファー、3-ベンジリデンカンファー、サリチル酸エチルヘキシル、エチルヘキシルジメチルPABA、ベンゾフェノン-4、ベンゾフェノン-5、メチレンビス-ベンズトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、フェニルジベンズイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェノールトリアジン、ポリシリコーン-15が挙げられる。
【0067】
本発明によれば、添加剤として特定のジアリール有機化合物を含む制汗剤組成物が、該組成物の使用後に形成される見苦しい白色の粉を吹いたような残留物の白化作用をマスクできることを見出した。従って、使用者は、皮膚の上に低減された目に見える残留物又は非白化の残留物を経験し、そのことは、消費者にとって審美的に喜ばしいものである。
【0068】
本発明の制汗剤組成物に添加剤として用いる好適なジアリール有機化合物としては、フェニルエチルアルコールのアリールカルボン酸エステル、例えば、安息香酸2-フェニルエチル、トルイル酸2-フェニルエチル又はフタル酸ジ-2-フェニルエチルが挙げられる。それらの化合物は、白色の粉を吹いたような残留物の屈折率に実質的に合わせた、約1.5の比較的高い屈折率を有する。この屈折率の合わせは、それ自体が残留物への照明効果として現れるので、事実上、使用者は、白色の残留物が見えない。
【0069】
本発明は、制汗剤スティック組成物に重点を置いて本願に記載されることになるが、同様にローション、クリーム、ロールオン、溶液及びエアゾールを用いることができることが理解されることになる。
【0070】
一般に、制汗剤スティック組成物は、(a)制汗剤活性成分、(b)揮発性シリコーンオイル、(c)水不溶性の皮膚軟化剤、(d)低融点ワックス、(e)カップリング剤、及び(f)界面活性剤を含む。
【0071】
本発明の制汗剤組成物は、制汗剤スティック、ローション、クリーム、ロールオン、溶液又はエアゾールの形態をとることができる。
【0072】
適した活性制汗剤成分としては、無機塩もしくは有機化合物、好ましくは、アルミニウム、ジルコニウムもしくは亜鉛の塩、又はそれらの混合物が挙げられる。
【0073】
上記制汗剤成分は、アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレートとグリシンの配位錯体であることが最も好ましい。
【0074】
本発明の特徴としては、本願の組成物中のジアリール有機化合物の屈折率が、制汗剤の使用後に形成される白色の粉を吹いたような残留物の屈折率と実質的に合っており、それによって、使用者の皮膚の上に形成され得る目に見える白色の粉を吹いたような残留物を低減する。
【0075】
適切には、ジアリール有機化合物添加剤が、本発明の制汗剤組成物に、該組成物中約1〜10重量%、好ましくは約2〜7重量%の量で使用される。
【0076】
また、本願に記載されたものは、髪もしくは皮膚等の高分子基質、革又はプラスチックに高い光沢を与える方法であり、該方法は、それらに特定のジアリール有機化合物を塗布する工程を含む。本発明は、特に、髪又は皮膚に所望の高い光沢、艶又はラスターを与えるための組成物を含む。
【0077】
適したジアリール有機化合物としては、フェニルエチル、ベンジル又は置換ベンジルのエステルが挙げられ、それらは、2-フェニルエチルアルコール、1-フェニルエチルアルコール、1-フェニルエチルアルコール、ベンジルアルコール又は置換ベンジルアルコールのアリールカルボン酸エステルである。代表的なエステルとしては、安息香酸2-フェニルエチル、トルイル酸2-フェニルエチル、フタル酸ジ-2-フェニルエチル、安息香酸1-フェニルエチル、安息香酸ベンジル及び安息香酸置換ベンジルが挙げられる。好適なフェニルエチルエステルは、安息香酸2-フェニルエチル(X-Tend(登録商標)226,ISP)である。エステルの屈折率は約1.5であることが最も好ましい。
【0078】
本発明において、髪もしくは皮膚、又は天然もしくは合成の革、もしくはプラスチックについての光のスペクトル反射率は、それらの上のフェニルエチルエステルの存在により実質的に高まる。
【0079】
典型的なパーソナルケア製剤は、カラー化粧品、口紅又はヘアケア製品である。
【0080】
本発明によれば、特定のジアリール有機化合物が、好ましくは髪定着剤組成物又は口紅を用いて、髪もしくは皮膚等の高分子基質、又は革もしくは模造皮革、及び他のプラスチックへの該化合物の塗布により、それらの基材に光沢、艶及びラスターを与えることができる。それらの特性が、該化合物の比較的高い反射率のために達成されると信じられている。例えば、X-Tend(登録商標)226の屈折率は、約1.5である。
【0081】
適切には、ジアリール有機化合物が、基質、例えば、髪又は皮膚に所望の光沢を与えるのに十分な量、一般には組成物の約0.1〜25重量%、好ましくは1〜10重量%の量で組成物中に存在する。
【0082】
本発明は現在、とりわけ下記に示す例により説明されることになる。
【実施例】
【0083】
例1
安息香酸2-フェニルエチルの製造(ルイス酸触媒)
温度計、機械攪拌機、窒素注入管、及びリービッヒ冷却器/受けフラスコを取り付けた、2Lで四つ首の丸底フラスコに、安息香酸671.7g(5.50mol,1.00当量)、2-フェニルエタノール739.1g(6.05mol,1.10当量)及びFascat2001(登録商標)2.5g(0.2%w/w)を装填した。その系を、全ての安息香酸が溶解するまで、緩徐な攪拌(<50rpm)と共に穏やかに加熱した。機械的真空ポンプ(50〜100torr)を用いる真空排気/窒素充填の3回のサイクルで空気を除去した。攪拌速度を約200rpmまで上昇させ、窒素の散布を0.2scfhに設定し、反応混合物を180℃まで加熱した。1時間保持した後、留出物38.3gを集めた。アルコール(9.1g)を分離し、反応混合物に戻した。温度を190℃まで上昇させ、1時間保持し、更に留出物45.2gを集めた。アルコール(16.0g)を分離し、戻した。温度を200℃まで上昇させ、1時間保持し、更に留出物33.5gを集めた。アルコール(8.2g)を分離し、戻した。最後に、温度を210℃まで上昇させ、窒素の散布を0.5scfhまで上昇させた。1時間保持した後、留出物21.2gを集め、アルコール8.0gを分離したが、戻さなかった。反応混合物を室温まで冷却し、分析用に採取した。酸価は4.04mgKOH/g(転化率98.3%)であり、APHA色相は29であった。過剰の2-フェニルエタノール(GLCにより4.4%)を175〜180℃(20torr, 窒素掃引0.5scfh)で2時間の減圧蒸留により除去した。APHA色相は40であった。活性炭(37.1g,3%w/w)を加えて、その混合物を真空(50〜70torr)下で1時間75〜80℃にて加熱した。混合物を室温まで冷却し、セライト(登録商標)によってろ過し、安息香酸2-フェニルエチル1074g(86%)を得た(GLCによる純度99.6%):残留アルコール<0.05%(GLC);APHA色相12;酸価0.98mgKOH/g;けん化価244mgKOH/g。
【0084】
例2
安息香酸2-フェニルエチルの製造(ブレンステッド酸触媒)
温度計、機械攪拌機、窒素注入管、及びリービッヒ冷却器/受けフラスコを取り付けた、2Lで四つ首の丸底フラスコに、安息香酸671.7g(5.50mol,1.00当量)、2-フェニルエタノール806.3g(6.60mol,1.20当量)、メタンスルホン酸(MSA)2.5g(0.2%w/w,0.47mol%)及び亜リン酸トリイソデシル(TDP)1.25g(0.1%w/w)を装填した。その系を、全ての安息香酸が溶解するまで、緩徐な攪拌(<50rpm)と共に穏やかに加熱した。機械的真空ポンプ(50〜100torr)を用いる真空排気/窒素充填の3回のサイクルで空気を除去した。攪拌速度を約200rpmまで上昇させ、窒素の散布を0.2scfhに設定し、反応混合物を150℃まで加熱した。1時間保持した後、温度を160℃まで上昇させ、窒素の散布を0.5scfhまで上昇させた。1時間保持した後、温度を170℃まで上昇させ、2時間保持した。反応混合物を室温まで冷却し、分析用に採取した。酸価は5.4mgKOH/g(MSAについて補正した安息香酸の転化率98.1%)であり、APHA色相は49であり、過剰の2-フェニルエタノールはGCにより8.6%であった。反応混合物を50℃まで加熱し、10%w/wの炭酸ナトリウム水溶液125gを加えた。そのバッチを50℃に保持し、15分間攪拌した。攪拌を停止し、該バッチを30分間安定させておいた。水(底)層を、ピペットを用いてフラスコから除去し、活性炭37.3g(0.3%w/w)を加えた。過剰の2-フェニルエタノールを0.5scfhの窒素掃引にて180〜185℃(20torr)で1時間の減圧蒸留により除去した。反応混合物を室温まで冷却し、セライト(登録商標)によってろ過し、安息香酸2-フェニルエチル1030g(83%)を得た(GLCによる純度98.7%):残留アルコール0.66%(GLC);APHA色相89;酸価0.11mgKOH/g;けん化価241mgKOH/g。
【0085】
例3
塩化ベンゾイルから安息香酸2-フェニルエチルの製造
温度計、機械攪拌機、窒素注入管、及びリービッヒ冷却器/受けフラスコを取り付けた、2Lで四つ首の丸底フラスコに、2-フェニルエタノール244.3g(2.00mol,1.00当量)、トリエチルアミン232.7g(2.30mol,1.15当量)及びトルエン376gを装填した。攪拌速度を約200rpmに設定し、窒素の散布を0.1scfhに設定して、温度を10〜15℃に維持しながら、塩化ベンゾイル286.8g(2.04mol,1.02当量)を1.5時間にわたって添加した。約10℃で更に0.5時間後に氷浴を除去し、反応混合物を室温(23℃)まで温めておいた。室温にて18時間後に、転化率は99%となり、水500gを加えた。50℃で30分間攪拌した後、その相を15分間分離させておいて、水層(底,pH9)をピペットで除去した。有機層を追加の水500gで洗浄し、トルエンを100〜105℃(100torr)でストリッピングした。残留物を170〜172℃(5torr)で蒸留し、安息香酸2-フェニルエチル410g(91%)を得た(GLCによる純度99.2%):残留アルコール0.08%(GLC);APHA色相66;酸価0.57mgKOH/g;けん化価247mgKOH/g;屈折率1.5576;比重1.096。
【0086】
上記方法をトルエン又は同様の溶媒を用いることなく行うことができるが、反応混合物は、アミン塩酸塩の沈殿のために、粘度が高まり、攪拌が困難になる傾向がある。また、溶媒は、水溶液で洗浄している間、相分離を助ける。
【0087】
例4
安息香酸無水物から安息香酸2-フェニルエチルの製造
温度計、機械攪拌機、窒素注入管、及びリービッヒ冷却器/受けフラスコを取り付けた、1Lで四つ首の丸底フラスコに、安息香酸無水物294.1g(1.30mol,1.00当量)、2-フェニルエタノール349.4g(2.86mol,2.20当量)及びFascat2001(登録商標)1.18gを装填した。その系を、全ての安息香酸無水物が溶解するまで、緩徐な攪拌(<50rpm)と共に穏やかに加熱した。機械的真空ポンプ(50〜100torr)を用いる真空排気/窒素充填の3回のサイクルで空気を除去した。攪拌速度を約200rpmまで上昇させ、窒素の散布を0.1scfhに設定し、反応混合物を210℃まで加熱した。210℃で1時間保持した後、留出物の量は24.4gであり、該留出物からアルコール9.5gを分離し、反応混合物に戻した。温度を1時間で220℃まで上昇させ、その間に更に留出物10.8gを集めた。アルコール(3.7g)を分離し、反応混合物に戻した。温度を230℃まで上昇させ、1時間保持した後、更に留出物1.8gを集めたが、アルコール(0.5g)を戻さなかった。酸価は2.15mgKOH/gであった。過剰のアルコールをストリッピングし、通常通り、生成物を活性炭で処理し、安息香酸2-フェニルエチル470g(80%)を得た(GLCによる純度99.4%)。残留アルコールは、GLCにより0.08%であり、APHA色相は426であった。生成物を例3と同様に蒸留し、安息香酸2-フェニルエチル430g(73%)を得た(GLCによる純度99.7%):残留アルコール0.03%(GLC);APHA色相10;酸価0.21mgKOH/g;けん化価244mgKOH/g;屈折率1.5575;比重1.095。
【0088】
例5
安息香酸2-フェニルエチルの製造(エステル交換)
温度計、機械攪拌機、窒素注入管、及び還流冷却器を取り付けた、1Lで四つ首の丸底フラスコに、安息香酸プロピル492.6g(3.00mol,1.50当量)、2-フェニルエタノール244.3g(2.00mol,1.00当量)、Fascat2001(登録商標)(シュウ酸スズ)2.3g及びFascat(登録商標)4201(ジブチルスズオキシド)2.3gを装填した。攪拌速度を約200rpmに設定し、窒素の散布を0.2scfhに設定し、還流を開始したらすぐに反応混合物を150〜160℃で1時間加熱した。還流冷却器をリービッヒ冷却器/受けフラスコと交換し、0.3scfhの窒素流れにて160℃で30分間、留出物を除去した。温度を170℃まで上昇させ、窒素流れを0.4schfまで上昇させ、蒸留(蒸気温度90〜95℃)を30分間続けた。温度が230℃(30分)になるまで30分毎に温度を10℃ずつ上昇させ、窒素の散布を0.1schfずつ上昇させて、合計119gの留出物を集めた(理論値120g)。過剰の安息香酸プロピルをストリッピングして、生成物を例3と同様に蒸留し、安息香酸2-フェニルエタノール390g(86%)を得た(GLCによる純度99.6%):残留2-フェニルエタノール<0.01%(GLC);残留安息香酸プロピル0.1%(GLC);APHA色相24;酸価0.20mgKOH/g;けん化価245mgKOH/g;屈折率1.5574;比重1.095。
【0089】
例6
安息香酸1-フェニルエチルの製造
例3の方法により、1-フェニルエタノール及び塩化ベンゾイルから生成物(GLCによる純度98.9%)を製造した:酸価1.44mgKOH/g;けん化価248mgKOH/g;屈折率1.5555;比重1.092。
【0090】
例7
安息香酸ベンジルの製造
例1の方法により、ベンジルアルコール及び安息香酸から生成物(GLCによる純度99.3%)を製造した:酸価0.37mgKOH/g;けん化価261mgKOH/g;屈折率1.5661;比重1.117。
【0091】
例8
安息香酸p-メチルベンジルの製造
例1の方法により、p-メチルベンジルアルコール及び安息香酸から生成物(GLCによる純度99.0%)を製造した:酸価0.10mgKOH/g;けん化価239mgKOH/g;屈折率1.5597;比重1.003。
【0092】
例9
安息香酸3-フェニルプロピルの製造
例1の方法により、3-フェニルプロパノール及び安息香酸から生成物(GLCによる純度99.7%)を製造した:酸価0.19mgKOH/g;けん化価232mgKOH/g;屈折率1.5515;比重1.078。
【0093】
例10
安息香酸2-フェノキシエチルの製造
例1の方法により、2-フェノキシエタノール及び安息香酸から生成物(GLCによる純度99.4%)を製造した:酸価0.25mgKOH/g;けん化価229mgKOH/g;屈折率1.5608;比重1.157。
【0094】
例11
安息香酸4-フェニルブチルの製造
例1の方法により、4-フェニルブタノール及び安息香酸から生成物(GLCによる純度99.7%)を製造した:酸価0.05mgKOH/g;けん化価220mgKOH/g;屈折率1.5467;比重1.063。
【0095】
例12
安息香酸1-フェニルプロピルの製造
例3の方法により、1-フェニルプロパノール及び塩化ベンゾイルから生成物(GLCによる純度98.4%)を製造した:酸価0.96mgKOH/g;けん化価233mgKOH/g;屈折率1.5494;比重1.074。
【0096】
例13
安息香酸2-(N-ベンジル-N-メチルアミノ)エチルの製造
例5の方法により、2-(N-ベンジル-N-メチルアミノ)エタノール及び安息香酸プロピルから生成物(GLCによる純度98.1%)を製造した:酸価0.65mgKOH/g;けん化価208mgKOH/g;屈折率1.5483;比重1.074。
【0097】
例14
プロピレングリコールジベンゾエートの製造
例1の方法により、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)及び安息香酸から生成物(GLCによる純度98.9%)を製造した:酸価3.31mgKOH/g;けん化価388mgKOH/g;屈折率1.5433;比重1.148。
【0098】
例15
o-アニス酸2-フェニルエチルの製造
例1の方法により、2-フェニルエタノール及びアニス酸から生成物(GLCによる純度97.0%)を製造した:酸価2.96mgKOH/g;けん化価218mgKOH/g;屈折率1.5646;比重1.139。
【0099】
例16
p-フルオロ安息香酸2-フェニルエチルの製造
例1の方法により、2-フェニルエタノール及びp-フルオロ安息香酸から生成物(GLCによる純度99.2%)を製造した:酸価0.27mgKOH/g;けん化価227mgKOH/g;屈折率1.5425;比重1.158。
【0100】
例17
o-トルイル酸2-フェニルエチルの製造
例1の方法により、2-フェニルエタノール及びo-トルイル酸から生成物(GLCによる純度97.2%)を製造した:酸価0.01mgKOH/g;けん化価225mgKOH/g;屈折率1.5556;比重1.082。
【0101】
例18
o-トルイル酸1-フェニルエチルの製造
例3の方法により、1-フェニルエタノール及びo-トルイル酸から生成物(GLCによる純度98.0%)を製造した:酸価0.12mgKOH/g;けん化価231mgKOH/g;屈折率1.5543;比重1.079。
【0102】
例19
p-トルイル酸2-フェニルエチルの製造
例1の方法により、2-フェニルエタノール及びp-トルイル酸から生成物(GLCによる純度96.1%)を製造した:酸価0.15mgKOH/g;けん化価228mgKOH/g;屈折率1.5547;比重1.074。
【0103】
例20
p-トルイル酸1-フェニルエチルの製造
例3の方法により、1-フェニルエタノール及びp-トルイル酸から生成物(GLCによる純度98.5%)を製造した:酸価1.50mgKOH/g;けん化価234mgKOH/g;屈折率1.5539;比重1.069。
【0104】
例21
フェニル酢酸2-フェニルエチルの製造
例1の方法により、2-フェニルエタノール及びフェニル酢酸から生成物(GLCによる純度98.6%)を製造した:酸価0.16mgKOH/g;けん化価231mgKOH/g;屈折率1.5472;比重1.081。
【0105】
例22
フェニル酢酸1-フェニルエチルの製造
例3の方法により、1-フェニルエタノール及び塩化フェニルアセチルから生成物(GLCによる純度98.6%)を製造した:酸価1.39mgKOH/g;けん化価228mgKOH/g;屈折率1.5434;比重1.073。
【0106】
例23
フェニル酢酸2-メチル-1-フェニル-2-プロピルの製造
例3の方法により、2-メチル-1-フェニル-2-プロパノール及びフェニル酢酸から生成物(GLCによる純度95.3%,異性体の混合物2:1)を製造した:酸価9.22mgKOH/g;けん化価173mgKOH/g;屈折率1.5438;比重1.053。
【0107】
例24
2-フェニル酪酸2-フェニルエチルの製造
例1の方法により、2-フェニルエタノール及び2-フェニル酪酸から生成物(GLCによる純度99.7%)を製造した:酸価0.26mgKOH/g;けん化価207mgKOH/g;屈折率1.5351;比重1.047。
【0108】
例25
α,α,α-トリフルオロ-m-トリル酢酸ベンジルの製造
例1の方法により、ベンジルアルコール及びα,α,α-トリフルオロ-m-トルイル酸から生成物(GLCによる純度99.4%)を製造した:酸価0.07mgKOH/g;けん化価189mgKOH/g;屈折率1.5054;比重1.233。
【0109】
例26
ヒドロケイ皮酸3-フェニルプロピルの製造
例1の方法により、3-フェニルプロパノール及びヒドロケイ皮酸から生成物(GLCによる純度99.6%)を製造した:酸価0.12mgKOH/g;けん化価206mgKOH/g;屈折率1.5379;比重1.052。
【0110】
例27
フェノキシ酢酸3-フェニルプロピルの製造
例1の方法により、3-フェニルプロパノール及びフェノキシ酢酸から生成物(GLCによる純度99.5%)を製造した:酸価0.05mgKOH/g;けん化価206mgKOH/g;屈折率1.5454;比重1.111。
【0111】
例28
マロン酸ジベンジルの製造
例5の方法により、ベンジルアルコール及びマロン酸ジメチルから生成物(GLCによる純度97.9%)を製造した:酸価0.43mgKOH/g;けん化価387mgKOH/g;屈折率1.5415;比重1.161。
【0112】
例29
種々の溶媒における固体有機日焼け止め剤の溶解度
所定の溶媒−日焼け止め剤の組み合わせを用いて、所定の溶液(w/w)を40〜50℃で調製した。溶液を恒温室に25℃で1週間置いておいた。最初に少量の種結晶を25℃で添加し、平衡化を促進させた。機器を較正するために標準溶液を用いて、GLCにより溶解度を測定した。下記の表1に示すように、本発明の可溶化剤は、少なくとも一種の日焼け止め剤の少なくとも10%、好ましくは20%、最も好ましくは30%以上(w/w)を可溶化するのに有効である。
【0113】
【表1】

【0114】
例30及び31は、X-Tend(登録商標)226が存在する典型的な日焼け止め製剤と、X-Tend(登録商標)226が存在しない典型的な日焼け止め製剤について説明する。X-Tend(登録商標)226の存在は、製剤のSPFの指数を増大させる結果を示す。
【0115】
例30
X-Tend(登録商標)226を有する無水油の日焼け止め剤組成物
【0116】
【表2】

【0117】
手順:A相の成分を組み合わせて、均一になるまで70℃で穏やかに攪拌しながら混合した。そのバッチを50℃まで冷却し、B相の成分を加え、それぞれを添加した後、透明になるまで混合した。40℃にて、C相の成分を加え、そのバッチを透明になるまで混合した。
SPF=22.8、これは対照の値と比べて有意に高い。
【0118】
無水油の日焼け止め剤組成物(対照)
【0119】
【表3】

【0120】
手順:A相の成分を組み合わせて、均一になるまで70℃で穏やかに攪拌しながら混合した。そのバッチを50℃まで冷却し、B相の成分を加え、それぞれを添加した後、透明になるまで混合した。40℃にて、C相の成分を加え、そのバッチを透明になるまで混合した。
SPF=12.0が測定された。
【0121】
例31
O/W 乳化日焼け止め剤組成物
【0122】
【表4】

【0123】
手順:
水中で混合しながらスタビライズをまく。80℃にてA相を加熱する。混合しながら85℃で45分間維持する。45分後、A相に残りの成分を添加する。別に、B相の成分を合わせて、80℃に加熱し、融解するまで混合する。A相にプロペラで十分に混合しながらB相を添加する。均一になるまで混合する。そのバッチを冷まし始める。70℃でC相(10%NaOH溶液)を加える。40℃でD相成分を加え、十分に混合する。SPF=25.7。
【0124】
O/W 乳化日焼け止め剤組成物(対照)
【0125】
【表5】

【0126】
手順:
水中で混合しながらスタビライズをまく。80℃にてA相を加熱する。混合しながら85℃で45分間維持する。45分後、A相に残りの成分を添加する。別に、B相の成分を合わせて、80℃に加熱し、融解するまで混合する。A相にプロペラで十分に混合しながらB相を添加する。均一になるまで混合する。そのバッチを冷まし始める。70℃でC相(10%NaOH溶液)を加える。40℃でD相成分を加え、十分に混合する。SPF=22.6。
【0127】
例32
UVA吸収の増大
10mg分の日焼け止め剤を溶媒1Lに溶解し、紫外線可視分光光度計Cary 1Eを用いて該溶液のUVスペクトルを測定した。表2の結果は、組成物において、C12-15ベンゾエートの代わりに安息香酸2-フェニルエチルを用いる活性日焼け止め剤に大きなUVA防護を与えることを示す。
【0128】
【表6】

【0129】
例33
広域スペクトル UVA/UVB日焼け止め製剤
‘老化防止’製剤(表3)を、5回の凍結融解サイクルの後と、それから45℃で1月の保存の後にオプトメトリーズ(Optometries)SPF290分析器を用いて、UVA防護の尺度である臨界波長について検討した。臨界波長が高ければ高いほど、UVA防護は大きい。凍結融解と1月の保存条件の両方について明らかなように(表4)、X-Tend(登録商標)226(安息香酸2-フェニルエチル)を含有する製剤が、Finsolv(登録商標)TN、Eldew(登録商標)SL-205、Finsolv(登録商標)TPP及びElefac(登録商標)I-305を含有する他の製剤より優れていた。
【0130】
【表7】

【0131】
典型的な調製:A相では、ビーカーに水、ブチレングリコール及びEDTA二ナトリウムを装填した。混合を始めて、スタビリーゼ(登録商標)QMをその中に緩徐に篩い分けした。そのバッチを混合しながら80℃まで加熱し、45分間保持した。別のビーカーに、B相の成分を合わせて、混合し、75℃まで加熱した。C相を緩徐にA相に添加し、そのバッチを透明になるまで混合し、それからB相を加えた。そのバッチを混合しながら45℃まで冷却し、D相を加えた。十分に混合した後、E相を添加し、そのバッチを再度十分に混合した。水に関して減少した後、それを包装した。
【0132】
【表8】

【0133】
例34
トリクロサンの溶解度
5-クロロ-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)フェノール(トリクロサン)は、静菌性を有しており、化粧品や洗浄剤において殺菌剤や防腐剤として使用される。GLCにより測定すると、安息香酸2-フェニルエチル中69%w/wまで溶解できる。
【0134】
トリクロサン8.002g及び安息香酸2-フェニルエチル2.009gから調製された80%w/w溶液は、25℃でかなりの量の固体を沈殿させた。浮遊物の試料23.3mgをクロロホルム1.00mLに溶解し、1.00μLを自動注射器によってGLC装置の中に注入した。安息香酸2-フェニルエチル及びトリクロサンのピーク領域は、それぞれ9381及び12953であった。混合物が均一になるまで70℃で加熱し、試料18.2mgを溶解して同様の方法で注入した。安息香酸2-フェニルエチルのピークは、3.6μgを表す4456ユニットの領域を有しており、トリクロサンのピークは、14.6μgを表す11240ユニットの領域を有した。(注入量は3.6μg+14.6μg=18.2μgであったことに注意。)従って、我々のGLC条件下での応答指数は、それぞれ1240ユニット/μg及び770ユニット/μgであった。次に、浮遊物中の各成分のそれぞれの量は、9381/1240=7.6μg及び12953/770=16.8μgであって、これは、69%w/wトリクロサンに相当する。
【0135】
例35
例35は、抗白化剤として安息香酸2-フェニルエチルを用い、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレックスGLYを有する典型的な制汗剤スティック組成物を以下に示す。
【0136】
本発明の制汗剤スティックは、A相に記載された成分を、75〜80℃に加熱し混合しながら、最初に組み合わせることにより調製された。冷却を開始し、B相を、添加の間十分に混合しながら、記載された順に加えた。C相を添加し、混合し続けた。得られた組成物を50〜53℃にて適したスティック容器に注ぎ、凝固させた。
【0137】
安息香酸2-フェニルエチル及びジルコニウム塩を有する制汗剤スティック
成分 %w/w
A相
SI−TEC(登録商標)CM040 42.00
パラフィン 6.50
ステアリルアルコール 15.00
X−Tend(登録商標)226 5.00
B相
ジルコニウム塩 25.00
タルク 5.75
C相
CK−1フレグランス 0.75
合計 100.00%
【0138】
例36
安息香酸2-フェニルエチル及びアルミニウムクロロヒドレートを
有する制汗剤スティック
成分 %w/w
A相
SI−TEC(登録商標)CM040 42.00
パラフィン 6.50
ステアリルアルコール 15.00
X−Tend(登録商標)226 5.00
B相
アルミニウムクロロヒドレート 25.00
タルク 5.75
C相
CK−1フレグランス 0.75
合計 100.00%
【0139】
対照
安息香酸2-フェニルエチルを有さず、ジルコニウム塩を有する制汗剤スティック
成分 %w/w
A相
SI−TEC(登録商標)CM040 47.00
パラフィン 6.50
ステアリルアルコール 15.00
B相
ジルコニウム塩 25.00
タルク 5.75
C相
CK−1フレグランス 0.75
合計 100.00%
【0140】
対照
安息香酸2-フェニルエチルを有さず、アルミニウムクロロヒドレート塩
を有する制汗剤スティック
成分 %w/w
A相
SI−TEC(登録商標)CM040 47.00
パラフィン 6.50
ステアリルアルコール 15.00
B相
アルミニウムクロロヒドレート 25.00
タルク 5.75
C相
CK−1フレグランス 0.75
合計 100.00%
【0141】
抗白化製品としての本発明の制汗剤スティック組成物の有効性は、黒色のカード上に打ちつけた後に生じる残留物を目視にて評価することにより決定された。結果は、本発明の制汗剤スティック(例35〜36)が、本発明の成分を有していない対照スティックと比較して、目に見える白色の残留物を実質的に低減したことを示す。
【0142】
例37
下記の製剤は、高屈折率の性質により光沢を与える安息香酸2-フェニルエチルの能力を目立たせる高い光沢の口紅である。この製剤は、最初に、混練前に着色配合物を添加した融解ガネックス(登録商標)WP-660について、ロールミルを用いて着色粉砕物を調製することにより作製された。A相の成分を均一になるまで90〜95℃に加熱して混合し、82〜85℃に冷やした。それから、B相を加えて、均一になるまで混合した。次に、C相の着色粉砕物を添加し、30分間混合した。最後に、D相の成分を添加し、均一になるまで混合した。その内容物を82〜85℃で口紅のモールド中に注ぎ、凝固させた。唇に塗布すると、鮮やかな光沢と艶のある外観が、使用者の唇から広がった。
【0143】
鮮やかな光沢と保湿効果のある口紅
成分 %w/w
A相
オゾケライト(白色オゾケライトワックス170) 10.50
ポリエチレン(Performaleneポリマー) 5.00
ステアリン酸オクチルドデシル(セラフィル(登録商標)ODS) 13.00
アジピン酸ジイソプロピル(セラフィル(登録商標)230) 2.00
ステアロイルステアリン酸オクチルドデシル 12.00
(セラフィル(登録商標)847)
安息香酸2−フェニルエチル(X−Tend(登録商標)226) 4.00
乳酸C12−15アルキル(セラフィル(登録商標)41) 11.00
乳酸ミリスチル(セラフィル(登録商標)50) 1.00
水素化ポリイソブテン 6.10
(Panalane L−14E)
VP/エイコセン共重合体(ガネックス(登録商標)V−220) 5.00
VP/ヘキサデセン共重合体(ガネックス(登録商標)V−216) 5.00
ジソジウムラウリミノジプロピオネート 0.20
トコフェリルホスフェイト(バイタル(VITAL)(登録商標)ET)
パルミチン酸レチニル(ビタミンAパルミテート) 0.10

B相
イソプロピルパラベン(及び)イソブチルパラベン(及び)
ブチルパラベン(リカパー(登録商標)オイル) 0.40

C相
ステアロイルステアリン酸イソセチル(セラフィル(登録商標)791) 3.28
トリコンタニルPVP(ガネックス(登録商標)WP−660) 0.07
赤色7号レーキ(C5507 D&C 赤色#7 CA LK) 2.35
酸化鉄(C33−5198 黒色酸化鉄) 0.75
青色1号レーキ(FD&C 青色#1 アルミニウムレーキ) 0.25

D相
マイカ(マイカUF) 8.00
オキシ塩化ビスマス(Pearl Glo UVR) 3.00
マイカ(及び)酸化鉄(Cloisonne Gold) 4.00
マイカ(及び)酸化鉄 3.00
(Cloisonne Super Rouge)
100.00%
【0144】
対照
製剤中に安息香酸2-フェニルエチルが含まれていない、例37の口紅製剤を調製した。それを使用者の唇に塗布すると、かなりくすんだ外観をもたらした。
【0145】
ヘアケア組成物において、光沢を高めるための上記フェニルエチルエステルの使用は、下記に示す例により説明される。
【0146】
例38
製剤は、スイープブレード攪拌を有する適した混合容器に水を装填することにより作製された。スタイリーゼ(登録商標)W-20及びリキッドジャーマル(登録商標)プラスを混合しながら加えて、混合を均一になるまで続けた。次に、安息香酸2-フェニルエチルを添加し、均一になるまで混合した。最後に、Rapi−Thix(登録商標)A-60を添加し、そのバッチを均一になるまで混合した(約15分)。
【0147】
例38のヘアケア組成物を濡れた髪と乾いた髪の両方に塗布した。両方の場合において髪に高い光沢をもつ外観をもたらした。
【0148】
高い光沢のヘアケア組成物
成分 Wt.%
水 91.55
ポリクオタニウム−55(スタイリーゼ(登録商標))(ISP) 1.25
ポリプロピレングリコール(及び)ジアゾリジニル尿素(及び) 0.50
ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピル
(リキッドジャーマル(登録商標)プラス)(ISP)
安息香酸2−フェニルエチル 5.00
(X−Tend(登録商標)226)(ISP)
ポリアクリル酸ナトリウム(及び)水素化ポリデセン(及び) 1.70
トリデセス−6(Rapi−Thix(登録商標)A−60)(ISP)
100.00%
【0149】
対照
また、安息香酸2-フェニルエチルを有しない例38の製剤を髪に塗布した。くすんだ外観をもたらした。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
極性又は分極性官能基を含有するジアリール有機化合物中で可溶化された活性又は官能性有機化合物の組成物。
【請求項2】
前記極性基が、エステルであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ジアリール有機化合物が、下記式:
【化1】

[式中、G=エステル、アミド、カーボネート、カルバメート、ウレア、カルビニル、オキサ、オキソ、アルキリデン、シリル、スルホニル、スルホキシル、ホスホニル、ホスフィニル及びチオから選択される極性又は分極性官能基;Xc,Yd=G、O、S又はNRq;Aa,Bb=H、F、アルキル、フルオラルキル、CN、CO2r、OH、ORs、O2CRt、NRuv、NO2、F、Cl、SiRwxy又はSO3z;Ri〜Rz=H、F、アルキル、フルオラルキル又はアルコキシ;a,bは独立して1〜5であり、c,dは独立して0〜2であり、e〜zは独立して0〜4である]を有することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記ジアリール有機化合物は、
【化2】

からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記活性又は官能性化合物は、パーソナルケア、化粧品、医薬品、農業又は工業の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が、増大したSPF及び/又はUVA/UVB吸光度比及び/又は臨界波長を示すことを特徴とした、UVA及び/又はUVB化学化合物を含有する請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記活性又は官能性有機化合物が、アボベンゾン、ベンゾフェノン-3、4-メチルベンジリデンカンファー、p-アミノ安息香酸(PABA)、カンファーベンザルコニウムメトサルフェート、ホモサレート、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、テレフタリデンジカンファースルホン酸、ベンジリデンカンファースルホン酸、オクトクリレン、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、PEG-25 PABA、p-メトキシケイ皮酸イソアミル、エチルヘキシルトリアゾン、ドロメトリゾールトリシロキサン、ジエチルヘキシルブトアミドトリアゾン、3-ベンジリデンカンファー、サリチル酸エチルヘキシル、エチルヘキシルジメチルPABA、ベンゾフェノン-4、ベンゾフェノン-5、メチレンビス-ベンズトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、フェニルジベンズイミダゾールテトラスルホン酸ニナトリウム、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェノールトリアジン、ポリシリコーン-15、フロセミド、ロバスタチン、クラリスロマイシン、ジクロフェナク、ファモチジン、カルバマセピン、ジピリダモール、クロロチアジド、スピロノラクトン、ジランチン、イミプラミン、メフロキン、シクロスポリン、グリブリド、ニモジピン及びそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
UV-フィルター、化粧品及び医薬品の化合物からなる群から選択される少なくとも2種の活性又は官能性有機化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記活性が、活性制汗剤成分であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記活性が、無機塩及び有機化合物からなる群から選択される活性制汗剤成分であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記活性が、アルミニウム、ジルコニウム又は亜鉛の塩、アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレートとグリシンの配位錯体、及びそれらの混合物からなる群から選択される活性制汗剤成分であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
極性又は分極性官能基を含有するジアリール有機化合物を備える高分子基質に、高い光沢、艶又はラスターを与えるための組成物。
【請求項13】
前記基質が、髪、皮膚、革、模造皮革又はプラスチックであることを特徴とする請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
パーソナルケア組成物、口紅又はヘアケア製品であることを特徴とする請求項12に記載の組成物。

【公表番号】特表2008−514697(P2008−514697A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−534560(P2007−534560)
【出願日】平成17年1月10日(2005.1.10)
【国際出願番号】PCT/US2005/000825
【国際公開番号】WO2006/041506
【国際公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願人】(596121138)アイエスピー インヴェストメンツ インコーポレイテッド (24)
【氏名又は名称原語表記】ISP INVESTMENTS INC.
【Fターム(参考)】