説明

海上構造物付近の海上移動体監視システム、及び海上構造物付近の海上移動体監視方法

【課題】高い信頼性で、海上移動体の一部が海上構造物に接近するか否かを監視し得るシステム及び方法を提供する。
【解決手段】AISの規格の装置からTDMA方式等により無線送信されるMMSI番号と、海上移動体の現在位置、現在の移動方向や速度を受信するAIS受信装置2と、MMSI番号と海上移動体の海上移動体平面占有領域関連値を対応づけて格納し検索可能なデータベース装置3と、受信したMMSI番号からデータベース装置3により海上移動体平面占有領域関連値を検索し、海上移動体の現在位置と移動方向及び速度から当該海上移動体の将来位置を予測演算し、海上構造物を含む構造物平面占有領域に海上移動体平面占有領域が接近するか否かを判別するコントローラ1を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海上構造物の近傍に設置され、海上構造物の付近を航行中のいずれかの海上移動体の一部が海上構造物に接近するか否かを監視するシステム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
港内等の沿岸域において、人的要因(見張り不十分、居眠り運航、操船不適切)による船舶等の海上移動体の海上における構造物への衝突事故が多発している。このような状況で、船舶側では、船舶を主体として船舶自体の安全性を確保するための衝突回避のシステム及び方法は様々に検討されているにもかかわらず、海上構造物を主体として、海上構造物の側から海上移動体を監視して、接触を予防させるためのシステム及び方法は存在していない。
【0003】
海上移動体と他の物体との接触防止に関する技術としては、特許文献1に開示されているものが知られている。しかしながら、これは、レーダにより海上移動体の位置を監視するとともに、レーダと同期して水平方向に発射されるレーザビームにより海上移動体の高度を監視し、空港に進出入する航空機に対する支障の有無を判定する装置であり、海上移動体の一部と海上構造物との接触の防止に関する技術ではない。このほかには、従来、海上移動体と他の物体との接触防止に関する技術は知られていない。
【特許文献1】特開2004−264212号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、本発明の解決しようとする課題は、海上構造物と付近の海上移動体航路が交差する場合に、高い信頼性で、海上移動体の一部が海上構造物に接近するか否かを監視し得るシステム及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る海上構造物付近の海上移動体監視システムは、
海上構造物の近傍に設置される海上移動体監視システムであって、
国際海事機関IMOにより制定された船舶自動識別システムAISの国際規格に適合する仕様を有し海上移動体に搭載されたAIS海上移動体側搭載装置からVHF帯の電波によりTDMA(時分割多元接続)方式又はDSC(デジタル選択呼出)方式により送信される情報であって、送信側海上移動体無線局を特定する番号であるMMSI番号と、送信側海上移動体の現在位置と、送信側海上移動体の現在の移動方向と、送信側海上移動体の現在の移動速度を含むAIS情報を受信するAIS受信手段と、
電子計算機からなり、前記MMSI番号のデータ集合と、前記MMSI番号により特定される海上移動体の平面占有領域に関連する海上移動体平面占有領域関連値のデータ集合とを対応づけて格納する海上移動体平面占有領域データ格納部と、検索用入力として前記MMSI番号を入力した場合に前記海上移動体平面占有領域データ格納部から対応する海上移動体平面占有領域関連値を検索して出力するデータ検索部を有する海上移動体平面占有領域データベース手段と、
電子計算機からなる判別手段を備え、
前記海上移動体平面占有領域データ格納部には、前記海上移動体の海上移動体平面占有領域関連値として、前記海上移動体の船体長と、前記海上移動体の船体幅と、前記海上移動体のアンテナ位置の値が格納され、
前記判別手段は、海上構造物付近の海域に存在する海上移動体からの電波から受信した前記AIS情報に含まれる前記MMSI番号を前記検索用入力として前記海上移動体平面占有領域データベース手段に入力し、前記海上移動体平面占有領域データベース手段が検索して出力した海上移動体平面占有領域関連値から、当該海上移動体の平面形状を包含する領域である海上移動体平面占有領域の4つの隅角部の平面座標値を演算し、当該海上移動体の現在の位置と移動方向と移動速度から当該海上移動体の将来の位置を予測演算し、前記海上構造物の平面形状を包含する領域である構造物平面占有領域にいずれかの海上移動体の海上移動体平面占有領域が接近するか否かを判別すること
を特徴とする。
【0006】
また、本発明の請求項2に係る海上構造物付近の海上移動体監視システムは、
海上構造物の近傍に設置される海上移動体監視システムであって、
国際海事機関IMOにより制定された船舶自動識別システムAISの国際規格に適合する仕様を有し海上移動体に搭載されたAIS海上移動体側搭載装置からVHF帯の電波によりTDMA(時分割多元接続)方式又はDSC(デジタル選択呼出)方式により送信される情報であって、送信側海上移動体を特定する番号であるIMO番号と、送信側海上移動体の現在位置と、送信側海上移動体の現在の移動方向と、送信側海上移動体の現在の移動速度を含むAIS情報を受信するAIS受信手段と、
電子計算機からなり、前記IMO番号のデータ集合と、前記IMO番号により特定される海上移動体の平面占有領域に関連する海上移動体平面占有領域関連値のデータ集合とを対応づけて格納する海上移動体平面占有領域データ格納部と、検索用入力として前記IMO番号を入力した場合に前記海上移動体平面占有領域データ格納部から対応する海上移動体平面占有領域関連値を検索して出力するデータ検索部を有する海上移動体平面占有領域データベース手段と、
電子計算機からなる判別手段を備え、
前記海上移動体平面占有領域データ格納部には、前記海上移動体の海上移動体平面占有領域関連値として、前記海上移動体の船体長と、前記海上移動体の船体幅と、前記海上移動体のアンテナ位置の値が格納され、
前記判別手段は、海上構造物付近の海域に存在する海上移動体からの電波から受信した前記AIS情報に含まれる前記IMO番号を前記検索用入力として前記海上移動体平面占有領域データベース手段に入力し、前記海上移動体平面占有領域データベース手段が検索して出力した海上移動体平面占有領域関連値から、当該海上移動体の平面形状を包含する領域である海上移動体平面占有領域の4つの隅角部の平面座標値を演算し、当該海上移動体の現在の位置と移動方向と移動速度から当該海上移動体の将来の位置を予測演算し、前記海上構造物の平面形状を包含する領域である構造物平面占有領域にいずれかの海上移動体の海上移動体平面占有領域が接近するか否かを判別すること
を特徴とする。
【0007】
また、本発明の請求項3に係る海上構造物付近の海上移動体監視システムは、
海上構造物の近傍に設置される海上移動体監視システムであって、
国際海事機関IMOにより制定された船舶自動識別システムAISの国際規格に適合する仕様を有し海上移動体に搭載されたAIS海上移動体側搭載装置からVHF帯の電波によりTDMA(時分割多元接続)方式又はDSC(デジタル選択呼出)方式により送信される情報であって、送信側海上移動体無線局を特定する番号であるMMSI番号と、送信側海上移動体の現在位置と、送信側海上移動体の現在の移動方向と、送信側海上移動体の現在の移動速度を含むAIS情報を受信するAIS受信手段と、
電子計算機からなり、前記MMSI番号のデータ集合と、前記MMSI番号により特定される海上移動体の平面占有領域に関連する海上移動体平面占有領域関連値のデータ集合とを対応づけて格納する海上移動体平面占有領域データ格納部と、検索用入力として前記MMSI番号を入力した場合に前記海上移動体平面占有領域データ格納部から対応する海上移動体平面占有領域関連値を検索して出力するデータ検索部を有する海上移動体平面占有領域データベース手段と、
電子計算機からなる判別手段を備え、
前記海上移動体平面占有領域データ格納部には、前記海上移動体の海上移動体平面占有領域関連値として、前記海上移動体の平面形状を包含する領域である海上移動体平面占有領域の4つの隅角部の平面座標値が格納され、
前記判別手段は、海上構造物付近の海域に存在する海上移動体からの電波から受信した前記AIS情報に含まれる前記MMSI番号を前記検索用入力として前記海上移動体平面占有領域データベース手段に入力し、前記海上移動体平面占有領域データベース手段が検索して出力した海上移動体平面占有領域関連値を海上移動体平面占有領域として採用し、当該海上移動体の現在の位置と移動方向と移動速度から当該海上移動体の将来の位置を予測演算し、前記海上構造物の平面形状を包含する領域である構造物平面占有領域にいずれかの海上移動体の海上移動体平面占有領域が接近するか否かを判別すること
を特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項4に係る海上構造物付近の海上移動体監視システムは、
海上構造物の近傍に設置される海上移動体監視システムであって、
国際海事機関IMOにより制定された船舶自動識別システムAISの国際規格に適合する仕様を有し海上移動体に搭載されたAIS海上移動体側搭載装置からVHF帯の電波によりTDMA(時分割多元接続)方式又はDSC(デジタル選択呼出)方式により送信される情報であって、送信側海上移動体を特定する番号であるIMO番号と、送信側海上移動体の現在位置と、送信側海上移動体の現在の移動方向と、送信側海上移動体の現在の移動速度を含むAIS情報を受信するAIS受信手段と、
電子計算機からなり、前記IMO番号のデータ集合と、前記IMO番号により特定される海上移動体の平面占有領域に関連する海上移動体平面占有領域関連値のデータ集合とを対応づけて格納する海上移動体平面占有領域データ格納部と、検索用入力として前記IMO番号を入力した場合に前記海上移動体平面占有領域データ格納部から対応する海上移動体平面占有領域関連値を検索して出力するデータ検索部を有する海上移動体平面占有領域データベース手段と、
電子計算機からなる判別手段を備え、
前記海上移動体平面占有領域データ格納部には、前記海上移動体の海上移動体平面占有領域関連値として、前記海上移動体の平面形状を包含する領域である海上移動体平面占有領域の4つの隅角部の平面座標値が格納され、
前記判別手段は、海上構造物付近の海域に存在する海上移動体からの電波から受信した前記AIS情報に含まれる前記IMO番号を前記検索用入力として前記海上移動体平面占有領域データベース手段に入力し、前記海上移動体平面占有領域データベース手段が検索して出力した海上移動体平面占有領域関連値を海上移動体平面占有領域として採用し、当該海上移動体の現在の位置と移動方向と移動速度から当該海上移動体の将来の位置を予測演算し、前記海上構造物の平面形状を包含する領域である構造物平面占有領域にいずれかの海上移動体の海上移動体平面占有領域が接近するか否かを判別すること
を特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項5に係る海上構造物付近の海上移動体監視方法は、
海上構造物の近傍に設置される海上移動体監視方法であって、
国際海事機関IMOにより制定された船舶自動識別システムAISの国際規格に適合する仕様を有し海上移動体に搭載されたAIS海上移動体側搭載装置からVHF帯の電波によりTDMA(時分割多元接続)方式又はDSC(デジタル選択呼出)方式により送信される情報であって、送信側海上移動体無線局を特定する番号であるMMSI番号と、送信側海上移動体の現在位置と、送信側海上移動体の現在の移動方向と、送信側海上移動体の現在の移動速度を含むAIS情報を受信するAIS受信手段と、
電子計算機からなり、前記MMSI番号のデータ集合と、前記MMSI番号により特定される海上移動体の平面占有領域に関連する海上移動体平面占有領域関連値のデータ集合とを対応づけて格納する海上移動体平面占有領域データ格納部と、検索用入力として前記MMSI番号を入力した場合に前記海上移動体平面占有領域データ格納部から対応する海上移動体平面占有領域関連値を検索して出力するデータ検索部を有する海上移動体平面占有領域データベース手段と、
電子計算機からなる判別手段を用い、
前記海上移動体平面占有領域データ格納部には、前記海上移動体の海上移動体平面占有領域関連値として、前記海上移動体の船体長と、前記海上移動体の船体幅と、前記海上移動体のアンテナ位置の値が格納され、
前記判別手段は、海上構造物付近の海域に存在する海上移動体からの電波から受信した前記AIS情報に含まれる前記MMSI番号を前記検索用入力として前記海上移動体平面占有領域データベース手段に入力し、前記海上移動体平面占有領域データベース手段が検索して出力した海上移動体平面占有領域関連値から、当該海上移動体の平面形状を包含する領域である海上移動体平面占有領域の4つの隅角部の平面座標値を演算し、当該海上移動体の現在の位置と移動方向と移動速度から当該海上移動体の将来の位置を予測演算し、前記海上構造物の平面形状を包含する領域である構造物平面占有領域にいずれかの海上移動体の海上移動体平面占有領域が接近するか否かを判別すること
を特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項6に係る海上構造物付近の海上移動体監視方法は、
海上構造物の近傍に設置される海上移動体監視方法であって、
国際海事機関IMOにより制定された船舶自動識別システムAISの国際規格に適合する仕様を有し海上移動体に搭載されたAIS海上移動体側搭載装置からVHF帯の電波によりTDMA(時分割多元接続)方式又はDSC(デジタル選択呼出)方式により送信される情報であって、送信側海上移動体を特定する番号であるIMO番号と、送信側海上移動体の現在位置と、送信側海上移動体の現在の移動方向と、送信側海上移動体の現在の移動速度を含むAIS情報を受信するAIS受信手段と、
電子計算機からなり、前記IMO番号のデータ集合と、前記IMO番号により特定される海上移動体の平面占有領域に関連する海上移動体平面占有領域関連値のデータ集合とを対応づけて格納する海上移動体平面占有領域データ格納部と、検索用入力として前記IMO番号を入力した場合に前記海上移動体平面占有領域データ格納部から対応する海上移動体平面占有領域関連値を検索して出力するデータ検索部を有する海上移動体平面占有領域データベース手段と、
電子計算機からなる判別手段を用い、
前記海上移動体平面占有領域データ格納部には、前記海上移動体の海上移動体平面占有領域関連値として、前記海上移動体の船体長と、前記海上移動体の船体幅と、前記海上移動体のアンテナ位置の値が格納され、
前記判別手段は、海上構造物付近の海域に存在する海上移動体からの電波から受信した前記AIS情報に含まれる前記IMO番号を前記検索用入力として前記海上移動体平面占有領域データベース手段に入力し、前記海上移動体平面占有領域データベース手段が検索して出力した海上移動体平面占有領域関連値から、当該海上移動体の平面形状を包含する領域である海上移動体平面占有領域の4つの隅角部の平面座標値を演算し、当該海上移動体の現在の位置と移動方向と移動速度から当該海上移動体の将来の位置を予測演算し、前記海上構造物の平面形状を包含する領域である構造物平面占有領域にいずれかの海上移動体の海上移動体平面占有領域が接近するか否かを判別すること
を特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項7に係る海上構造物付近の海上移動体監視方法は、
海上構造物の近傍に設置される海上移動体監視方法であって、
国際海事機関IMOにより制定された船舶自動識別システムAISの国際規格に適合する仕様を有し海上移動体に搭載されたAIS海上移動体側搭載装置からVHF帯の電波によりTDMA(時分割多元接続)方式又はDSC(デジタル選択呼出)方式により送信される情報であって、送信側海上移動体無線局を特定する番号であるMMSI番号と、送信側海上移動体の現在位置と、送信側海上移動体の現在の移動方向と、送信側海上移動体の現在の移動速度を含むAIS情報を受信するAIS受信手段と、
電子計算機からなり、前記MMSI番号のデータ集合と、前記MMSI番号により特定される海上移動体の平面占有領域に関連する海上移動体平面占有領域関連値のデータ集合とを対応づけて格納する海上移動体平面占有領域データ格納部と、検索用入力として前記MMSI番号を入力した場合に前記海上移動体平面占有領域データ格納部から対応する海上移動体平面占有領域関連値を検索して出力するデータ検索部を有する海上移動体平面占有領域データベース手段と、
電子計算機からなる判別手段を用い、
前記海上移動体平面占有領域データ格納部には、前記海上移動体の海上移動体平面占有領域関連値として、前記海上移動体の平面形状を包含する領域である海上移動体平面占有領域の4つの隅角部の平面座標値が格納され、
前記判別手段は、海上構造物付近の海域に存在する海上移動体からの電波から受信した前記AIS情報に含まれる前記MMSI番号を前記検索用入力として前記海上移動体平面占有領域データベース手段に入力し、前記海上移動体平面占有領域データベース手段が検索して出力した海上移動体平面占有領域関連値を海上移動体平面占有領域として採用し、当該海上移動体の現在の位置と移動方向と移動速度から当該海上移動体の将来の位置を予測演算し、前記海上構造物の平面形状を包含する領域である構造物平面占有領域にいずれかの海上移動体の海上移動体平面占有領域が接近するか否かを判別すること
を特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項8に係る海上構造物付近の海上移動体監視方法は、
海上構造物の近傍に設置される海上移動体監視方法であって、
国際海事機関IMOにより制定された船舶自動識別システムAISの国際規格に適合する仕様を有し海上移動体に搭載されたAIS海上移動体側搭載装置からVHF帯の電波によりTDMA(時分割多元接続)方式又はDSC(デジタル選択呼出)方式により送信される情報であって、送信側海上移動体を特定する番号であるIMO番号と、送信側海上移動体の現在位置と、送信側海上移動体の現在の移動方向と、送信側海上移動体の現在の移動速度を含むAIS情報を受信するAIS受信手段と、
電子計算機からなり、前記IMO番号のデータ集合と、前記IMO番号により特定される海上移動体の平面占有領域に関連する海上移動体平面占有領域関連値のデータ集合とを対応づけて格納する海上移動体平面占有領域データ格納部と、検索用入力として前記IMO番号を入力した場合に前記海上移動体平面占有領域データ格納部から対応する海上移動体平面占有領域関連値を検索して出力するデータ検索部を有する海上移動体平面占有領域データベース手段と、
電子計算機からなる判別手段を用い、
前記海上移動体平面占有領域データ格納部には、前記海上移動体の海上移動体平面占有領域関連値として、前記海上移動体の平面形状を包含する領域である海上移動体平面占有領域の4つの隅角部の平面座標値が格納され、
前記判別手段は、海上構造物付近の海域に存在する海上移動体からの電波から受信した前記AIS情報に含まれる前記IMO番号を前記検索用入力として前記海上移動体平面占有領域データベース手段に入力し、前記海上移動体平面占有領域データベース手段が検索して出力した海上移動体平面占有領域関連値を海上移動体平面占有領域として採用し、当該海上移動体の現在の位置と移動方向と移動速度から当該海上移動体の将来の位置を予測演算し、前記海上構造物の平面形状を包含する領域である構造物平面占有領域にいずれかの海上移動体の海上移動体平面占有領域が接近するか否かを判別すること
を特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る海上構造物付近の海上移動体監視システム及び監視方法は、国際海事機関IMOにより制定された船舶自動識別システムAISの国際規格に適合する仕様を有し海上移動体に搭載されたAIS海上移動体側搭載装置からVHF帯の電波によりTDMA(時分割多元接続)方式又はDSC(デジタル選択呼出)方式により送信される情報であって、送信側海上移動体無線局を特定する番号であるMMSI番号又は送信側海上移動体を特定する番号であるIMO番号と、送信側海上移動体の現在位置と、送信側海上移動体の現在の移動方向と、送信側海上移動体の現在の移動速度を含むAIS情報を受信するAIS受信手段と、電子計算機からなり、前記MMSI番号又はIMO番号のデータ集合と、前記MMSI番号又はIMO番号により特定される海上移動体の平面占有領域に関連する海上移動体平面占有領域関連値のデータ集合とを対応づけて格納する海上移動体平面占有領域データ格納部と、検索用入力として前記MMSI番号又はIMO番号を入力した場合に前記海上移動体平面占有領域データ格納部から対応する海上移動体平面占有領域関連値を検索して出力するデータ検索部を有する海上移動体平面占有領域データベース手段と、電子計算機からなる判別手段を備え、前記海上移動体平面占有領域データ格納部には、前記海上移動体の海上移動体平面占有領域関連値として、前記海上移動体の船体長と、前記海上移動体の船体幅と、前記海上移動体のアンテナ位置の値か、または、前記海上移動体の平面形状を包含する領域である海上移動体平面占有領域の4つの隅角部の平面座標値が格納されるように構成したため、判別手段により、海上構造物付近の海域に存在する海上移動体からの電波から受信した前記AIS情報に含まれる前記MMSI番号又はIMO番号を前記検索用入力として前記海上移動体平面占有領域データベース手段に入力し、前記海上移動体平面占有領域データベース手段が検索して出力した海上移動体平面占有領域関連値から、当該海上移動体の平面形状を包含する領域である海上移動体平面占有領域の4つの隅角部の平面座標値を演算し、当該海上移動体の現在の位置と移動方向と移動速度から当該海上移動体の将来の位置を予測演算し、前記海上構造物の平面形状を包含する領域である構造物平面占有領域にいずれかの海上移動体の海上移動体平面占有領域が接近するか否かを判別することができる、という利点を有している。特に、近年における船舶等の海上移動体の大型化、高速化に対応するために、本発明に係る海上構造物付近の海上移動体監視システム及び監視方法は重要である。さらに、このシステム及び方法は、ニューヨークで発生した航空機による陸上構造物へのテロ行為と同様に、船舶等の海上移動体による海上構造物へのテロ行為を監視・予防するための保安対策としても有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に説明する実施例は、海上構造物の近傍に設置される海上移動体監視システムであって、国際海事機関IMOにより制定された船舶自動識別システムAISの国際規格に適合する仕様を有し海上移動体に搭載されたAIS海上移動体側搭載装置からVHF帯の電波によりTDMA(時分割多元接続)方式又はDSC(デジタル選択呼出)方式により送信される情報であって、送信側海上移動体無線局を特定する番号であるMMSI番号又は送信側海上移動体を特定する番号であるIMO番号と、送信側海上移動体の現在位置と、送信側海上移動体の現在の移動方向と、送信側海上移動体の現在の移動速度を含むAIS情報を受信するAIS受信手段と、電子計算機からなり、前記MMSI番号又はIMO番号のデータ集合と、前記MMSI番号又はIMO番号により特定される海上移動体の平面占有領域に関連する海上移動体平面占有領域関連値のデータ集合とを対応づけて格納する海上移動体平面占有領域データ格納部と、検索用入力として前記MMSI番号又はIMO番号を入力した場合に前記海上移動体平面占有領域データ格納部から対応する海上移動体平面占有領域関連値を検索して出力するデータ検索部を有する海上移動体平面占有領域データベース手段と、電子計算機からなる判別手段を備え、前記海上移動体平面占有領域データ格納部には、前記海上移動体の海上移動体平面占有領域関連値として、前記海上移動体の船体長と、前記海上移動体の船体幅と、前記海上移動体のアンテナ位置の値か、または、前記海上移動体の平面形状を包含する領域である海上移動体平面占有領域の4つの隅角部の平面座標値が格納されるように構成したため、判別手段により、海上構造物付近の海域に存在する海上移動体からの電波から受信した前記AIS情報に含まれる前記MMSI番号又はIMO番号を前記検索用入力として前記海上移動体平面占有領域データベース手段に入力し、前記海上移動体平面占有領域データベース手段が検索して出力した海上移動体平面占有領域関連値から、当該海上移動体の平面形状を包含する領域である海上移動体平面占有領域の4つの隅角部の平面座標値を演算し、当該海上移動体の現在の位置と移動方向と移動速度から当該海上移動体の将来の位置を予測演算し、前記海上構造物の平面形状を包含する領域である構造物平面占有領域にいずれかの海上移動体の海上移動体平面占有領域が接近するか否かを判別することができ、本発明を実現するための構成として最良の形態である。
【実施例1】
【0015】
以下、本発明の第1実施例について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施例である海上移動体監視システムの構成を示すブロック図である。
【0016】
この海上移動体監視システム101は、海上構造物の近傍、例えば海上構造物の近傍の海域での海上移動体の監視や管制を行う部署などに設置されている。海上構造物としては、埋立地、防波堤や係留施設等の港湾施設、海上空港、シーバース、海上櫓、橋脚、桟橋、浮標等の浮体構造物、人工島などを含む。図1に示すように、海上移動体監視システム101は、コントローラ1と、AIS受信装置2と、海上移動体平面占有領域データベース装置3と、操作部11と、表示部12を備えて構成されている。
【0017】
上記の各構成要素のうち、コントローラ1は、その内部構成は図示はしていないが、入出力インタフェイスと、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)と、ROM(Read Only Memory:読出し専用メモリ)と、RAM(Random Access Memory:随時書込み読出しメモリ)等を有している。このような構成により、コントローラ1は、全体としてコンピュータ(電子計算機)を構成している。
【0018】
コントローラ1の上記の構成要素のうち、入出力インタフェイスは、CPU外部からCPUへ送られる信号等が入力される部分であり、かつ、CPUからの信号を外部へ出力するための部分である。また、CPUは、各種演算やプログラム実行等の処理を行い、各部に制御信号を送って制御する部分である。また、ROMは、CPUを制御するための制御プログラムや、CPUが用いる各種データ等を格納している部分である。ROMとしては、半導体メモリなどが用いられる。RAMは、CPUにより演算された途中のデータ等を一時記憶する部分である。RAMとしては、半導体メモリなどが用いられる。
【0019】
また、操作部11は、各種スイッチ、又は操作ボタン、又は操作ダイヤル、又はキーボード、又はポインティング・デバイス等、若しくはこれらの適宜の組合せを有しており、コントローラ1への操作指令やデータの入力等を行う部分である。ポインティング・デバイスとは、表示部12の画面上に、矢印状の図形(ポインタ)が表示され、操作によってポインタを移動することができ、かつ画面の任意の位置をクリック等によって選択可能な装置であり、マウスのほか、パッド状のもの、回転可能なボール状のものなどがある。操作部11に入力された操作指令やデータは、入出力インタフェイスを経て、コントローラ1内のCPUへ送られる。
【0020】
また、表示部12は、ブラウン管や液晶表示器又はプラズマディスプレイ等からなり、コントローラ1内のCPUから入出力インタフェイスを経て出力された画像や文字等のデータが、画像や文字等として画面に表示される。なお、出力されたデータは、さらにプリンタ(図示せず)により紙に印刷されて出力されることも可能となっている。
【0021】
次に、AIS受信装置2の構成と作用の説明に先立ち、AISについて詳細に説明を行う。
【0022】
AISとは、国際連合の一機関である国際海事機関(IMO:International Maritime Organization)により制定された船舶自動識別システム(Automatic Identification System)の略称である。AISは、船舶の識別(例えば船舶相互の識別)を支援すること、海上移動体との情報交換を簡易化することなどを目的としてスウェーデンで開発されたシステムである。AISは、IMOの「海上における人命の安全のための国際条約(SOLAS条約)」により、SOLAS条約で規定されるすべての旅客船、国際航海を行う300トン以上の海上移動体、国内航海を行う500トン以上の貨物船への搭載が義務づけられている。
【0023】
AISは、図3に示すような国際規格に適合する仕様を有するAIS海上移動体側搭載装置201を各海上移動体に搭載し、各海上移動体の間で無線通信を行うシステムである。使用する電波の周波数帯域は、150MHz帯のVHFとなっている。従来の海上移動体用レーダでは、使用周波数が高いため、霧や雨、島影では電波が減衰し、探知能力が低下して安全性に問題があったことから、AISでは、レーダよりも周波数が低いVHF帯電波を使用することにした。VHF帯電波を使用したことにより、霧や雨による電波の減衰はほとんど無く、島影であっても電波が屈折することにより到達することができる。このようなことから、AISでは、20〜30海里(40〜55km)程度の距離でも通信が可能となっている。
【0024】
図3に示すように、AIS海上移動体側搭載装置201は、AISトランスポンダ56と、操作部61と、表示部62と、ジャイロコンパス63と、第2GPS受信部64と、GPSアンテナA13を備えて構成されている。なお、AISトランスポンダ56と、操作部61と、表示部62は、一つのケースに内蔵された一つの装置として構成されてもよい。
【0025】
また、AISトランスポンダ56は、VHFアンテナA11と、GPSアンテナA12と、アンテナ切換部50と、AIS受信部51と、AIS送信部55と、AIS制御部52と、第1GPS受信部53を有している。
【0026】
上記において、AIS制御部52は、その内部構成は図示はしていないが、入出力インタフェイスと、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)と、ROM(Read Only Memory:読出し専用メモリ)と、RAM(Random Access Memory:随時書込み読出しメモリ)等を有している。このような構成により、AIS制御部52は、全体としてコンピュータ(電子計算機)を構成している。
【0027】
また、AIS制御部52の上記の構成要素のうち、入出力インタフェイスは、CPU外部からCPUへ送られる信号等が入力される部分であり、かつ、CPUからの信号を外部へ出力するための部分である。また、CPUは、各種演算やプログラム実行等の処理を行い、各部に制御信号を送って制御する部分である。また、ROMは、CPUを制御するための制御プログラムや、CPUが用いる各種データ等を格納している部分である。ROMとしては、半導体メモリなどが用いられる。RAMは、CPUにより演算された途中のデータ等を一時記憶する部分である。RAMとしては、半導体メモリなどが用いられる。
【0028】
また、操作部61は、各種スイッチ、又は操作ボタン等を有しており、コントローラ1への操作指令やデータの入力等を行う部分である。操作部61に入力された操作指令やデータは、入出力インタフェイスを経て、AIS制御部52内のCPUへ送られる。
【0029】
また、表示部62は、ブラウン管や液晶表示器又はプラズマディスプレイ等からなり、コントローラ1内のCPUから入出力インタフェイスを経て出力された画像や文字等のデータが、画像や文字等として画面に表示される。なお、出力されたデータは、さらにプリンタ(図示せず)により紙に印刷されて出力されることも可能となっている。
【0030】
上記のAIS海上移動体側搭載装置201において、送信を行う場合には、送信する情報がAIS制御部52からAIS送信部55へ送られ、アンテナ切換部50が送信側に切り換えられ、VHFアンテナA11から電波となって送信される。また、上記のAIS海上移動体側搭載装置201において、受信を行う場合には、アンテナ切換部50が受信側に切り換えられたときに、VHFアンテナA11でとらえられた電波がAIS受信部51で受信され抽出された情報がAIS制御部52に送られる。
【0031】
上記のAIS海上移動体側搭載装置201における無線通信の送受信方式としては、2種類の方式が使用される。一つは、時分割多元接続(TDMA:Time Multiple Access)方式であり、これには161.975MHzの専用チャンネル(CH87B)と、162.025MHzの専用チャンネルの2つの専用チャンネル(CH88B)が使用されている。もう一つは、デジタル選択呼出(DSC:Digital Selective Calling)方式であり、これには156.525MHzの専用チャンネル(CH70)が使用されている。
【0032】
次に、TDMA(時分割多元接続)方式について、図4を参照しながら詳細に説明する。AISで用いられるTDMA方式は、SOTDMA(Self Organized TDMA:自己管理形TDMA)というプロトコルが使われる。この方式は、まず、1分間を2250個のスロットに分割する。図4において、上部に図示した一つの四角形は、一つのスロットを表現している。時間は、図4の左から右へ流れるものとする。
【0033】
図4に示すように、海上移動体501は、無線電波W1により、情報をスロット511Aとして送信する。このスロット511Aには、自船情報(後述する自船501のMMSI番号、自船位置等の情報など)と、次のスロット(次回に送信を行うスロット)511Bを予約するための予約情報を、1パケットにして送信する。この電波W1は、他の海上移動体502及び503によって受信される。
【0034】
次に、海上移動体502は、海上移動体501が予約した予約スロット511Bの時刻を避けて重複しないようにし、無線電波W2により、情報をスロット512Aとして送信する。このスロット512Aには、自船情報(後述する自船502のMMSI番号、自船位置等の情報など)と、次のスロット(次回に送信を行うスロット)512Bを予約するための予約情報を、1パケットにして送信する。この電波W2は、他の海上移動体501及び503によって受信される。
【0035】
また、海上移動体503は、海上移動体501が予約した予約スロット511Bと、海上移動体502が予約した予約スロット512Bの両方を避けて重複しないようにし、無線電波W3により、情報をスロット513Aとして送信する。このスロット513Aには、自船情報(後述する自船503のMMSI番号、自船位置等の情報など)と、次のスロット(次回に送信を行うスロット)513Bを予約するための予約情報を、1パケットにして送信する。この電波W3は、他の海上移動体501及び502によって受信される。
【0036】
このような手順を次々に繰り返すことにより、スロットが重複しないように回避しながら通信を行う方式が、SOTDMA(Self Organized TDMA:自己管理形TDMA)というプロトコルである。
【0037】
他の通信方式であるデジタル選択呼出(DSC:Digital Selective Calling)方式については、図示はしていないが、上記と同様に時間を分割し、自局に割り当てられた時間帯内でバースト(断続的な情報信号)を送るようにするものである。
【0038】
1分間が2250に分割された各スロットは、256ビットで構成されており、このうち168ビットが情報(データ)用に用いられる。以下、この情報(データ)を、「AIS情報」という。AIS情報は、静的情報と、動的情報と、航行関連情報と、その他情報を有している。
【0039】
静的情報は、IMO番号(送信側船舶を特定する国際的な識別番号)、MMSI番号、海上移動体の名称、海上移動体の種類、船体長さ、船体幅などの情報を含んでいる。ここに、MMSI番号とは、Maritime Mobile Service Identitiesの略語であり、送信側海上移動体の無線局(海上移動無線局)に対してITU(International Telecommunication Union:国際電気通信連合)が割り当てた個別の識別番号をいい、このMMSI番号により、送信側海上移動体無線局が特定される。我が国の電波法では、「海上移動業務識別のための番号」という。あるいは、「海上移動サービス識別記号」とも呼ばれる。このMMSI番号は、海上移動体無線局のVHF無線機、GDMSS(全世界的海上遭難・安全システム)の通信機器などにも使用される。海上移動体に設置される無線局(海上移動無線局)は、当該海上移動体について1局のみであるから、MMSI番号は、送信側海上移動体無線局を特定することにより、MMSI番号により、その海上移動体無線局(海上移動無線局)が搭載されている海上移動体が1対1に特定されることになる。
【0040】
また、動的情報は、自船位置(緯度、経度)、世界標準時の時刻、対地針路、対地速度(移動速度)、船首方位、回頭率、航海ステータス(航行中、停泊中などの状態など)の情報を含んでいる。また、航行関連情報は、喫水、積載物、目的地などの情報を含んでいる。その他情報は、安全関連通信文などの情報である。
【0041】
また、これらの情報の更新時間は、静的情報については、6分ごと、あるいは要求された場合となっている。また、動的情報については、船速が0〜14ノット(約0〜26km/時)のときは10秒ごと、船速が14〜23ノット(約26〜43km/時)のときは6秒ごと、船速が23ノット(約43km/時)以上のときは2秒ごと、などとなっている。
【0042】
図3に示すAIS海上移動体側搭載装置201においては、AISトランスポンダ56内の第1GPS受信部53は、GPSアンテナA12がとらえたGPS人工衛星からの電波から、世界標準時の現在時刻を検出する。GPS人工衛星は、地球の周囲の静止軌道上に存在する複数の人工衛星であり、世界標準時、地球三次元位置座標に関するデータを送信している。第1GPS受信部53により検出された世界標準時の現在時刻の情報は、AIS制御部52に送られる。AIS制御部52は、この世界標準時の現在時刻の情報を、上記のTDMAの時刻基準信号に用いるとともに、上記したAIS情報の動的情報の世界標準時の時刻として用いる。
【0043】
また、AISトランスポンダ56外の第2GPS受信部64は、GPSアンテナA13がとらえたGPS人工衛星からの電波から、地球三次元位置座標に関するデータを検出する。第2GPS受信部64により検出された地球三次元位置座標に関するデータの情報は、AIS制御部52に送られる。AIS制御部52は、この地球三次元位置座標に関するデータの情報により、上記したAIS情報の動的情報の自船位置(緯度、経度)、自船の対地針路、自船の対地速度(移動速度)の情報を生成する。
【0044】
また、ジャイロコンパス63は、慣性力、角速度を検出するセンサーであり、検出した慣性力、角速度をAIS制御部52に送る。AIS制御部52は、この慣性力、角速度のデータにより、上記したAIS情報の動的情報の船首方位、回頭率の情報を生成する。AIS制御部52は、船首方位のデータと、上記した対地針路のデータから、自船の移動方向を検出する。
【0045】
また、AIS受信部51は、TDMA方式の受信部を2系統(2チャンネル分)と、DSC方式の受信部を1系統(1チャンネル分)有している。このAIS受信部51は、VHFアンテナA11がとらえた他の海上移動体からのVHF電波から、AIS情報を検出し、その海上移動体のMMSI番号、その海上移動体の現在位置(緯度、経度)、その海上移動体の現在の移動方向、その海上移動体の現在の移動速度などを検出する。AIS受信部51により検出されたAIS情報は、AIS制御部52に送られる。
【0046】
また、AIS送信部55は、TDMA方式の送信部を2系統(2チャンネル分)と、DSC方式の送信部を1系統(1チャンネル分)有している。このAIS送信部55へは、AIS制御部52から、自船のMMSI番号、自船の現在位置(緯度、経度)、自船の現在の対地針路、自船の現在の対地速度などを含むAIS情報が送られる。AIS送信部55は、このAIS情報を、TDMA方式又はDSC方式で出力し、アンテナ切換部50が送信側に切り換えられ、VHFアンテナA11から電波となって他の海上移動体へ向けて送信される。
【0047】
このような構成と通信方式等により、図3に示すAIS海上移動体側搭載装置201を搭載した海上移動体は、相互間でVHF無線通信を行い、他の海上移動体について、MMSI番号、海上移動体の名称、自船位置(緯度、経度)、移動方向、移動速度などを数秒から数分の時間間隔で把握することができる。このため、夜間や悪天候時、島が多い海域などであっても、安全に航海を行うことができる。
【0048】
図1に示す海上移動体監視システム101におけるAIS受信装置2は、図3に示すAIS海上移動体側搭載装置201における受信用の部分のみを備えている。すなわち、AIS受信装置2は、VHFアンテナA1と、GPSアンテナA2及びA3と、AIS受信部21と、AIS制御部22と、第1GPS受信部23と、第2GPS受信部24を有している。
【0049】
ここに、VHFアンテナA1は、図3におけるVHFアンテナA11と同様な構成と作用を有している。また、GPSアンテナA2は、図3におけるGPSアンテナA12と同様な構成と作用を有している。また、GPSアンテナA3は、図3におけるGPSアンテナA13と同様な構成と作用を有している。また、AIS受信部21は、図3におけるAIS受信部51と同様な構成と作用を有している。また、第1GPS受信部23は、図3における第1GPS受信部53と同様な構成と作用を有している。また、第2GPS受信部24は、図3における第2GPS受信部64と同様な構成と作用を有している。また、AIS制御部22は、図3におけるAIS制御部52とほぼ同様な構成と作用を有している。なお、図3のAIS海上移動体側搭載装置201においては、操作部61からの信号の受け入れ、及び表示部62への画像信号の出力もAIS制御部52が行っていたが、図1の海上移動体監視システム101においては、操作部11からの信号の受け入れ、及び表示部12への画像信号の出力は、別のコンピュータであるコントローラ1が行う点が異なっている。
【0050】
したがって、海上移動体監視システム101のAIS受信装置2においては、第1GPS受信部23は、GPSアンテナA2がとらえたGPS人工衛星からの電波から、世界標準時の現在時刻を検出する。第1GPS受信部23により検出された世界標準時の現在時刻の情報は、AIS制御部22に送られる。AIS制御部22は、この世界標準時の現在時刻の情報を、上記のTDMAの時刻基準信号に用いるとともに、上記したAIS情報の動的情報の世界標準時の時刻として用いる。
【0051】
また、第2GPS受信部24は、GPSアンテナA3がとらえたGPS人工衛星からの電波から、地球三次元位置座標に関するデータを検出する。第2GPS受信部24により検出された地球三次元位置座標に関するデータの情報は、AIS制御部22に送られる。AIS制御部22は、この地球三次元位置座標に関するデータの情報により、この海上移動体監視システム101のAIS受信装置2が設置されている陸上局の自局位置(緯度、経度)の情報を生成し、コントローラ1に送る。
【0052】
また、AIS受信部21は、TDMA方式の受信部を2系統(2チャンネル分)と、DSC方式の受信部を1系統(1チャンネル分)有している。このAIS受信部21は、VHFアンテナA1がとらえた海上移動体からのVHF電波から、AIS情報を検出し、その海上移動体のMMSI番号、その海上移動体の現在位置(緯度、経度)、その海上移動体の現在の移動方向、その海上移動体の現在の移動速度を検出する。AIS受信部21により検出されたAIS情報は、AIS制御部22に送られる。AIS制御部22は、このAIS情報をコントローラ1に送る。ここに、AIS受信装置2は、特許請求の範囲におけるAIS受信手段に相当している。
【0053】
図1に示す海上移動体監視システム101には、海上移動体平面占有領域データベース装置3が設けられている。図1に示すように、海上移動体平面占有領域データベース装置3は、海上移動体平面占有領域データ格納部31と、データ検索部32を有している。海上移動体平面占有領域データ格納部31は、ハードディスク装置などにより構成されており、データを格納することができる。この海上移動体平面占有領域データ格納部31には、MMSI番号のK個のデータ集合(N1,N2,…NK)と、MMSI番号により特定される海上移動体の船体長L(図5参照)のK個のデータ集合(L1,L2,…LK)と、MMSI番号により特定される海上移動体の船体幅B(図5参照)のK個のデータ集合(B1,B2,…BK)と、MMSI番号により特定される海上移動体のGPSアンテナ位置Q5(図5参照)の平面座標(x,y)のK個のデータ集合とが対応づけて格納されている。ここに、Kは、1以上の整数である。ここに、海上移動体の船体長Lと、海上移動体の船体幅Bと、海上移動体のGPSアンテナ位置Q5の平面座標(x,y)は、特許請求の範囲における「海上移動体平面占有領域関連値」に相当している。
【0054】
これらのデータのうち、海上移動体無線局を特定する国際的な識別番号であるMMSI番号は、国際電気通信連合(ITU)の海上移動体無線局関係の資料から入手することができる。また、船舶を特定する国際的な識別番号であるIMO番号は、国際海事機関(IMO)の海上移動体関係資料から入手することができる。また、海上移動体の船体長Lと、海上移動体の船体幅Bは、公開されている各種の国際海上移動体関係のデータから入手することができる。海上移動体のGPSアンテナ位置Q5の平面座標(x,y)は、公開されているデータを活用することもできるし、海上移動体の船体長Lと船体幅Bを用いて、例えば中心位置として設定することもできる。これらを互いに対応させた「表」のデータとして格納することにより、上記のように、MMSI番号のデータ集合と、「海上移動体平面占有領域関連値」のデータ集合を関連づけたデータ集合を作成することができる。また、上記実施例とは異なり、データベース方式のみではなく、AIS受信情報をそのまま活用し、AIS受信情報の中に含まれる情報を使用してもよい。例えば、海上移動体の船体長Lと、海上移動体の船体幅Bと、海上移動体のGPSアンテナの位置Q5の平面座標(x,y)は、上記したAIS情報の静的情報として受信された情報を使用できるように構成してもよい。
【0055】
また、データ検索部32は、その内部構成は図示はしていないが、入出力インタフェイスと、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)と、ROM(Read Only Memory:読出し専用メモリ)と、RAM(Random Access Memory:随時書込み読出しメモリ)等を有している。このような構成により、データ検索部32は、全体としてコンピュータ(電子計算機)を構成している。
【0056】
データ検索部32の上記の構成要素のうち、入出力インタフェイスは、CPU外部からCPUへ送られる信号等が入力される部分であり、かつ、CPUからの信号を外部へ出力するための部分である。また、CPUは、各種演算やプログラム実行等の処理を行い、各部に制御信号を送って制御する部分である。また、ROMは、CPUを制御するための制御プログラムや、CPUが用いる各種データ等を格納している部分である。ROMとしては、半導体メモリなどが用いられる。RAMは、CPUにより演算された途中のデータ等を一時記憶する部分である。RAMとしては、半導体メモリなどが用いられる。
【0057】
データ検索部32のCPU(図示せず)は、コントローラ1のCPU(図示せず)から、検索用入力としてMMSI番号が入力された場合には、海上移動体平面占有領域データ格納部31のデータの中から、そのMMSI番号に対応する海上移動体平面占有領域を検索し、コントローラ1のCPU(図示せず)に出力する。ここに、海上移動体平面占有領域データベース装置3は、特許請求の範囲における海上移動体平面占有領域データベース手段に相当している。
【0058】
次に、図1、図2及び図5を参照しつつ、この海上移動体監視システム101の作用を説明する。図2は、海上構造物302付近を上空から見た平面図である。図2において、符号302は海上構造物を、P1及びP2は海上構造物の端部を、400は海域を、401〜403は付近を航行中の海上移動体を、それぞれ示している。
【0059】
この海上移動体監視システム101のコントローラ1のCPU(図示せず)は、AIS受信装置2から送られてくるAIS情報により、この海上移動体監視システム101の装置が設置されている箇所(海上構造物付近の陸上部)の近傍の海域400を航行する海上移動体401〜403について、そのMMSI番号、その海上移動体の現在位置(緯度、経度)、その海上移動体の現在の移動方向、その海上移動体の現在の移動速度V1〜V3を数秒から数分の時間間隔で検出する。これらの値は、上記したAIS情報の動的情報のうち、自船位置(緯度、経度)、世界標準時の時刻、対地針路、対地速度(移動速度)、船首方位、回頭率を用いて算出される。これにより、海上移動体監視システム101のコントローラ1のCPU(図示せず)は、各海上移動体401〜403の将来の位置、例えば5分後、10分後などの位置を予測計算により算出することができる。例えば、図2において、海上移動体監視システム101のコントローラ1のCPU(図示せず)は、海上移動体401が30分後に401aの位置、すなわち、海上構造物302の近接位置に到達することを検出する。
【0060】
次に、海上移動体監視システム101のコントローラ1のCPU(図示せず)は、すでにAIS受信装置2から受信したAIS情報の内容が送られてきており、コントローラ1のRAM(図示せず)などに一時記憶させておいた海上移動体401のMMSI番号(例えば「123456000」とする。)を読み出す。次に、海上移動体監視システム101のコントローラ1のCPU(図示せず)は、海上移動体平面占有領域データベース装置3の海上移動体平面占有領域データ格納部31のCPU(図示せず)にMMSI番号「123456000」を入力し、このMMSI番号「123456000」に対応する海上移動体の船体長Lと、海上移動体の船体幅Bと、海上移動体のGPSアンテナ位置Q5の平面座標(x,y)の値を、海上移動体平面占有領域データ格納部31に格納されたデータ集合の中から検索させる。これにより、海上移動体平面占有領域データベース装置3の海上移動体平面占有領域データ格納部31のCPU(図示せず)は、海上移動体平面占有領域データ格納部31のデータの中から検索を行い、MMSI番号「123456000」に対応する海上移動体の船体長Lと、海上移動体の船体幅Bと、海上移動体のGPSアンテナ位置Q5の平面座標(x,y)の値を検索し、コントローラ1のCPU(図示せず)に出力する。
【0061】
この際、海上移動体監視システム101のコントローラ1のCPU(図示せず)は、海上移動体平面占有領域データベース装置3から送られてきた海上移動体の船体長Lと、海上移動体の船体幅Bと、海上移動体のGPSアンテナ位置Q5の平面座標(x,y)の値から、図5における領域Z2(以下、「海上移動体平面占有領域」という。)の隅角部Q1、Q2、Q3、Q4の平面座標(x,y)を演算によって算出する。なお、海上移動体平面占有領域は、図5におけるZ2のように、実際の海上移動体を最小限包含するような領域だけでなく、領域Z2をx方向又はy方向若しくはx,y両方向に拡大した領域を採用してもよい。また、海上移動体平面占有領域のx方向又はy方向への拡大率は、それぞれ適宜の値に設定するようにしてもよい。例えば、海上移動体の進行方向の前側となる部分は、接近や接触の可能性が高いため、海上移動体の進行方向の前側となる部分の海上移動体平面占有領域を、海上移動体の他の部分の海上移動体平面占有領域よりも拡大する、などが考えられる。これは、いわゆる「安全率」の考え方からである。
【0062】
海上構造物302の位置、例えば、図2における点P1、P2の位置は、海面とは異なり不動の位置であり、三次元座標(x,y,z)の値は既知である。この海上構造物302の各位置の三次元座標(x,y,z)は、あらかじめ計算され、海上移動体監視システム101のコントローラ1のRAM(図示せず)又はROM(図示せず)に記憶されている。
【0063】
次に、海上移動体監視システム101のコントローラ1のCPU(図示せず)は、図2の401aの将来位置におけるこの海上移動体の海上移動体平面占有領域Z2の隅角部Q1、Q2、Q3、Q4の平面座標(x,y)を、計算によって求める。
【0064】
そして、海上移動体監視システム101のコントローラ1のCPU(図示せず)は、この海上構造物302の各位置の平面座標(x,y)と、図2の401aの将来位置におけるこの海上移動体の海上移動体平面占有領域Z2の隅角部Q1、Q2、Q3、Q4の平面座標(x,y)の両者を比較する。
【0065】
この結果、図2の401aの将来位置におけるこの海上移動体の海上移動体平面占有領域Z2の隅角部Q1、Q2、Q3、Q4の平面座標(x,y)のいずれかが、この海上構造物302の各位置の平面座標(x,y)により画定される領域(以下、「構造物平面占有領域」という。)の内側になるのであれば、将来位置401aでは、この海上移動体は海上構造物302に接触又は衝突することになる。このような場合には、コントローラ1のCPU(図示せず)は、表示部12に画像信号を送り、その危険性を画面に表示させ、この海上移動体監視システム101の運用者に報知する。海上移動体監視システム101の運用者は、他の通信回線等により、危険性を海上移動体側に連絡し、この海上移動体401の針路を変更させる命令を発する等の措置をとる。
【0066】
また、上記の比較の結果、海上移動体の海上移動体平面占有領域Z2が、海上構造物302の構造物平面占有領域よりも外側ではあるが接近するような場合には、コントローラ1のCPU(図示せず)は、表示部12に画像信号を送り、船底308が海上構造物302に接近しつつある旨を画面に表示させ、この海上移動体監視システム101の運用者に報知するようにしてもよい。海上移動体監視システム101の運用者は、他の通信回線等により、船底308が海上構造物302に接近していることを当該海上移動体の側等に連絡する。なお、構造物平面占有領域は、図2におけるZ1のように、実際の海上構造物自体の境界線からなり、海上構造物を最小限包含するような領域だけでなく、この領域をx方向又はy方向若しくはx,y両方向に拡大した領域、例えば図2に示す領域Z1を採用してもよい。また、構造物平面占有領域のx方向又はy方向への拡大率は、それぞれ適宜の値に設定するようにしてもよい。これは、いわゆる「安全率」の考え方からである。
【0067】
上記において、船舶自動識別システムAISにおける船舶には、AISを装備した船舶に限定されることなく、AISを装備した海上浮体構造物などを含む。海上移動体監視システム101のコントローラ1のCPU(図示せず)は、特許請求の範囲における判別手段に相当している。
【0068】
なお、本発明は、上記した実施例に限定されるものではない。上記した実施例は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0069】
また、上記した実施例とは異なり、GPSアンテナA3と第2GPS受信部24を設けない構成のAIS受信装置を有する海上移動体監視システムとしてもよい。この場合には、GPSアンテナA2がとらえたGPS人工衛星からの電波から、第1GPS受信部23が、地球三次元位置座標に関するデータを検出し、この地球三次元位置座標に関するデータの情報により、この海上移動体監視システムのAIS受信装置が設置されている陸上局の自局位置(緯度、経度)の情報を生成し、コントローラ1に送る。また、海上移動体監視システムのAIS受信装置が設置されている陸上局の自局位置(緯度、経度)の情報は、AIS受信装置の設置時に、他のGPS受信機等により検出し、自局位置(緯度、経度)データとして、コントローラ1内のROM等に記憶させておき、このデータを適宜使用するようにしてもよい。
【0070】
なお、上記実施例とは異なり、図1におけるコントローラ1と、海上移動体平面占有領域データベース装置3と、操作部11と、表示部12は、一つのコンピュータ、例えばパーソナル・コンピュータ、あるいはワーク・ステーション等として構成してもよい。その場合には、コントローラ1のCPUが、上記実施例における海上移動体平面占有領域データベース装置3内のデータ検索部32のCPUの機能を果たす。また、上記実施例における海上移動体平面占有領域データベース装置3内の海上移動体平面占有領域データ格納部31は、コントローラ1の中の記憶装置(例えばハードディスク装置)であってもよい。
【0071】
また、上記実施例とは異なり、海上移動体監視システム101には、外部市出力端子13を備え、コントローラ1からの出力を外部装置、例えば海上移動体への通信回線、海上移動体への管制装置などに出力できるように構成してもよい。
【0072】
また、上記実施例とは異なり、アンテナ位置が特定されない場合がある。その場合には、アンテナ位置のかわりに、海上移動体の中心位置の平面座標(x,y)の値から、図5における領域Z2(以下、「海上移動体平面占有領域」という。)の隅角部Q1、Q2、Q3、Q4の平面座標(x,y)を演算によって算出するようにしてもよい。
【0073】
また、上記実施例とは異なり、海上移動体平面占有領域データ格納部31には、あらかじめ海上移動体の船体長Lと、海上移動体の船体幅Bと、海上移動体のGPSアンテナ位置Q5の平面座標(x,y)の値から、図5における海上移動体平面占有領域Z2の隅角部Q1、Q2、Q3、Q4の平面座標(x,y)を求めておき、MMSI番号に対応させて記憶・格納するようにしてもよい。この場合には、あらかじめの演算により算出されて海上移動体平面占有領域データ格納部31に格納される海上移動体平面占有領域Z2の隅角部Q1、Q2、Q3、Q4の平面座標(x,y)の値は、特許請求の範囲における「海上移動体平面占有領域関連値」に相当している。
【0074】
また、さらに、海上移動体平面占有領域データ格納部31には、上記の海上移動体の船体長Lと、海上移動体の船体幅Bと、海上移動体のGPSアンテナ位置Q5の平面座標(x,y)の値を、海上移動体平面占有領域関連値として、IMO番号に対応させて記憶・格納するようにしてもよい。この場合には、IMO番号に対応させて海上移動体平面占有領域データ格納部31に格納される海上移動体の船体長Lと、海上移動体の船体幅Bと、海上移動体のGPSアンテナ位置Q5の平面座標(x,y)の値は、特許請求の範囲における「海上移動体平面占有領域関連値」に相当している。
【0075】
あるいは、あらかじめ海上移動体の船体長Lと、海上移動体の船体幅Bと、海上移動体のGPSアンテナ位置Q5の平面座標(x,y)の値から、図5における海上移動体平面占有領域Z2の隅角部Q1、Q2、Q3、Q4の平面座標(x,y)を求めておき、IMO番号に対応させて記憶・格納するようにしてもよい。この場合には、IMO番号に対応させて海上移動体平面占有領域データ格納部31に格納される海上移動体平面占有領域Z2の隅角部Q1、Q2、Q3、Q4の平面座標(x,y)の値は、特許請求の範囲における「海上移動体平面占有領域関連値」に相当している。
【0076】
また、上記実施例とは異なり、海上移動体平面占有領域は、長方形状には限定されず、円形状、楕円形状等の適宜の平面形状としてもよい。また、海上構造物の境界線についても、直線状には限定されず、円弧、他の曲線状等の適宜の線形状としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、海上移動体監視装置や海上移動体管制装置を製造する電子機器、通信機器等の製造業において製造することができ、これらの産業で利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の第1実施例である海上移動体監視システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施例である海上移動体監視システムの作用を説明する図である。
【図3】船舶自動識別システムAISに用いられるAIS海上移動体側搭載装置の構成を示すブロック図である。
【図4】船舶自動識別システムAISの海上移動体側搭載装置における通信方式TDMAを説明する図である。
【図5】海上移動体平面占有領域の4つの隅角部とGPSアンテナ設置位置を示す図である。
【符号の説明】
【0079】
1 コントローラ
2 AIS受信装置
3 海上移動体平面占有領域データベース装置
11 操作部
12 表示部
13 外部出力端子
21 AIS受信部
22 AIS制御部
23 第1GPS受信部
24 第2GPS受信部
31 海上移動体平面占有領域データ格納部
32 データ検索部
50 アンテナ切換部
51 AIS受信部
52 AIS制御部
53 第1GPS受信部
55 AIS送信部
56 AISトランスポンダ
61 操作部
62 表示部
63 ジャイロコンパス
64 第2GPS受信部
101 海上移動体監視システム
201 AIS海上移動体側搭載装置
302 海上構造物
304 海上移動体
400 海域
401 海上移動体
401a 移動後の海上移動体予測位置
402、403 海上移動体
501〜503 海上移動体
511A〜513B スロット
A1 VHFアンテナ
A2、A3 GPSアンテナ
A11 VHFアンテナ
A12、A13 GPSアンテナ
B 船体幅
L 船体長
P1、P2 海上構造物端部位置
Q1〜Q4 海上移動体領域隅角部位置
Q5 GPSアンテナ設置位置
S 海面
S1 下降した海面
T AISトランスポンダ
V1〜V3 海上移動体移動速度
W1〜W3 電波
Z1 構造物平面占有領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
海上構造物の近傍に設置される海上移動体監視システムであって、
国際海事機関IMOにより制定された船舶自動識別システムAISの国際規格に適合する仕様を有し海上移動体に搭載されたAIS海上移動体側搭載装置からVHF帯の電波によりTDMA(時分割多元接続)方式又はDSC(デジタル選択呼出)方式により送信される情報であって、送信側海上移動体無線局を特定する番号であるMMSI番号と、送信側海上移動体の現在位置と、送信側海上移動体の現在の移動方向と、送信側海上移動体の現在の移動速度を含むAIS情報を受信するAIS受信手段と、
電子計算機からなり、前記MMSI番号のデータ集合と、前記MMSI番号により特定される海上移動体の平面占有領域に関連する海上移動体平面占有領域関連値のデータ集合とを対応づけて格納する海上移動体平面占有領域データ格納部と、検索用入力として前記MMSI番号を入力した場合に前記海上移動体平面占有領域データ格納部から対応する海上移動体平面占有領域関連値を検索して出力するデータ検索部を有する海上移動体平面占有領域データベース手段と、
電子計算機からなる判別手段を備え、
前記海上移動体平面占有領域データ格納部には、前記海上移動体の海上移動体平面占有領域関連値として、前記海上移動体の船体長と、前記海上移動体の船体幅と、前記海上移動体のアンテナ位置の値が格納され、
前記判別手段は、海上構造物付近の海域に存在する海上移動体からの電波から受信した前記AIS情報に含まれる前記MMSI番号を前記検索用入力として前記海上移動体平面占有領域データベース手段に入力し、前記海上移動体平面占有領域データベース手段が検索して出力した海上移動体平面占有領域関連値から、当該海上移動体の平面形状を包含する領域である海上移動体平面占有領域の4つの隅角部の平面座標値を演算し、当該海上移動体の現在の位置と移動方向と移動速度から当該海上移動体の将来の位置を予測演算し、前記海上構造物の平面形状を包含する領域である構造物平面占有領域にいずれかの海上移動体の海上移動体平面占有領域が接近するか否かを判別すること
を特徴とする海上構造物付近の海上移動体監視システム。
【請求項2】
海上構造物の近傍に設置される海上移動体監視システムであって、
国際海事機関IMOにより制定された船舶自動識別システムAISの国際規格に適合する仕様を有し海上移動体に搭載されたAIS海上移動体側搭載装置からVHF帯の電波によりTDMA(時分割多元接続)方式又はDSC(デジタル選択呼出)方式により送信される情報であって、送信側海上移動体を特定する番号であるIMO番号と、送信側海上移動体の現在位置と、送信側海上移動体の現在の移動方向と、送信側海上移動体の現在の移動速度を含むAIS情報を受信するAIS受信手段と、
電子計算機からなり、前記IMO番号のデータ集合と、前記IMO番号により特定される海上移動体の平面占有領域に関連する海上移動体平面占有領域関連値のデータ集合とを対応づけて格納する海上移動体平面占有領域データ格納部と、検索用入力として前記IMO番号を入力した場合に前記海上移動体平面占有領域データ格納部から対応する海上移動体平面占有領域関連値を検索して出力するデータ検索部を有する海上移動体平面占有領域データベース手段と、
電子計算機からなる判別手段を備え、
前記海上移動体平面占有領域データ格納部には、前記海上移動体の海上移動体平面占有領域関連値として、前記海上移動体の船体長と、前記海上移動体の船体幅と、前記海上移動体のアンテナ位置の値が格納され、
前記判別手段は、海上構造物付近の海域に存在する海上移動体からの電波から受信した前記AIS情報に含まれる前記IMO番号を前記検索用入力として前記海上移動体平面占有領域データベース手段に入力し、前記海上移動体平面占有領域データベース手段が検索して出力した海上移動体平面占有領域関連値から、当該海上移動体の平面形状を包含する領域である海上移動体平面占有領域の4つの隅角部の平面座標値を演算し、当該海上移動体の現在の位置と移動方向と移動速度から当該海上移動体の将来の位置を予測演算し、前記海上構造物の平面形状を包含する領域である構造物平面占有領域にいずれかの海上移動体の海上移動体平面占有領域が接近するか否かを判別すること
を特徴とする海上構造物付近の海上移動体監視システム。
【請求項3】
海上構造物の近傍に設置される海上移動体監視システムであって、
国際海事機関IMOにより制定された船舶自動識別システムAISの国際規格に適合する仕様を有し海上移動体に搭載されたAIS海上移動体側搭載装置からVHF帯の電波によりTDMA(時分割多元接続)方式又はDSC(デジタル選択呼出)方式により送信される情報であって、送信側海上移動体無線局を特定する番号であるMMSI番号と、送信側海上移動体の現在位置と、送信側海上移動体の現在の移動方向と、送信側海上移動体の現在の移動速度を含むAIS情報を受信するAIS受信手段と、
電子計算機からなり、前記MMSI番号のデータ集合と、前記MMSI番号により特定される海上移動体の平面占有領域に関連する海上移動体平面占有領域関連値のデータ集合とを対応づけて格納する海上移動体平面占有領域データ格納部と、検索用入力として前記MMSI番号を入力した場合に前記海上移動体平面占有領域データ格納部から対応する海上移動体平面占有領域関連値を検索して出力するデータ検索部を有する海上移動体平面占有領域データベース手段と、
電子計算機からなる判別手段を備え、
前記海上移動体平面占有領域データ格納部には、前記海上移動体の海上移動体平面占有領域関連値として、前記海上移動体の平面形状を包含する領域である海上移動体平面占有領域の4つの隅角部の平面座標値が格納され、
前記判別手段は、海上構造物付近の海域に存在する海上移動体からの電波から受信した前記AIS情報に含まれる前記MMSI番号を前記検索用入力として前記海上移動体平面占有領域データベース手段に入力し、前記海上移動体平面占有領域データベース手段が検索して出力した海上移動体平面占有領域関連値を海上移動体平面占有領域として採用し、当該海上移動体の現在の位置と移動方向と移動速度から当該海上移動体の将来の位置を予測演算し、前記海上構造物の平面形状を包含する領域である構造物平面占有領域にいずれかの海上移動体の海上移動体平面占有領域が接近するか否かを判別すること
を特徴とする海上構造物付近の海上移動体監視システム。
【請求項4】
海上構造物の近傍に設置される海上移動体監視システムであって、
国際海事機関IMOにより制定された船舶自動識別システムAISの国際規格に適合する仕様を有し海上移動体に搭載されたAIS海上移動体側搭載装置からVHF帯の電波によりTDMA(時分割多元接続)方式又はDSC(デジタル選択呼出)方式により送信される情報であって、送信側海上移動体を特定する番号であるIMO番号と、送信側海上移動体の現在位置と、送信側海上移動体の現在の移動方向と、送信側海上移動体の現在の移動速度を含むAIS情報を受信するAIS受信手段と、
電子計算機からなり、前記IMO番号のデータ集合と、前記IMO番号により特定される海上移動体の平面占有領域に関連する海上移動体平面占有領域関連値のデータ集合とを対応づけて格納する海上移動体平面占有領域データ格納部と、検索用入力として前記IMO番号を入力した場合に前記海上移動体平面占有領域データ格納部から対応する海上移動体平面占有領域関連値を検索して出力するデータ検索部を有する海上移動体平面占有領域データベース手段と、
電子計算機からなる判別手段を備え、
前記海上移動体平面占有領域データ格納部には、前記海上移動体の海上移動体平面占有領域関連値として、前記海上移動体の平面形状を包含する領域である海上移動体平面占有領域の4つの隅角部の平面座標値が格納され、
前記判別手段は、海上構造物付近の海域に存在する海上移動体からの電波から受信した前記AIS情報に含まれる前記IMO番号を前記検索用入力として前記海上移動体平面占有領域データベース手段に入力し、前記海上移動体平面占有領域データベース手段が検索して出力した海上移動体平面占有領域関連値を海上移動体平面占有領域として採用し、当該海上移動体の現在の位置と移動方向と移動速度から当該海上移動体の将来の位置を予測演算し、前記海上構造物の平面形状を包含する領域である構造物平面占有領域にいずれかの海上移動体の海上移動体平面占有領域が接近するか否かを判別すること
を特徴とする海上構造物付近の海上移動体監視システム。
【請求項5】
海上構造物の近傍に設置される海上移動体監視方法であって、
国際海事機関IMOにより制定された船舶自動識別システムAISの国際規格に適合する仕様を有し海上移動体に搭載されたAIS海上移動体側搭載装置からVHF帯の電波によりTDMA(時分割多元接続)方式又はDSC(デジタル選択呼出)方式により送信される情報であって、送信側海上移動体無線局を特定する番号であるMMSI番号と、送信側海上移動体の現在位置と、送信側海上移動体の現在の移動方向と、送信側海上移動体の現在の移動速度を含むAIS情報を受信するAIS受信手段と、
電子計算機からなり、前記MMSI番号のデータ集合と、前記MMSI番号により特定される海上移動体の平面占有領域に関連する海上移動体平面占有領域関連値のデータ集合とを対応づけて格納する海上移動体平面占有領域データ格納部と、検索用入力として前記MMSI番号を入力した場合に前記海上移動体平面占有領域データ格納部から対応する海上移動体平面占有領域関連値を検索して出力するデータ検索部を有する海上移動体平面占有領域データベース手段と、
電子計算機からなる判別手段を用い、
前記海上移動体平面占有領域データ格納部には、前記海上移動体の海上移動体平面占有領域関連値として、前記海上移動体の船体長と、前記海上移動体の船体幅と、前記海上移動体のアンテナ位置の値が格納され、
前記判別手段は、海上構造物付近の海域に存在する海上移動体からの電波から受信した前記AIS情報に含まれる前記MMSI番号を前記検索用入力として前記海上移動体平面占有領域データベース手段に入力し、前記海上移動体平面占有領域データベース手段が検索して出力した海上移動体平面占有領域関連値から、当該海上移動体の平面形状を包含する領域である海上移動体平面占有領域の4つの隅角部の平面座標値を演算し、当該海上移動体の現在の位置と移動方向と移動速度から当該海上移動体の将来の位置を予測演算し、前記海上構造物の平面形状を包含する領域である構造物平面占有領域にいずれかの海上移動体の海上移動体平面占有領域が接近するか否かを判別すること
を特徴とする海上構造物付近の海上移動体監視方法。
【請求項6】
海上構造物の近傍に設置される海上移動体監視方法であって、
国際海事機関IMOにより制定された船舶自動識別システムAISの国際規格に適合する仕様を有し海上移動体に搭載されたAIS海上移動体側搭載装置からVHF帯の電波によりTDMA(時分割多元接続)方式又はDSC(デジタル選択呼出)方式により送信される情報であって、送信側海上移動体を特定する番号であるIMO番号と、送信側海上移動体の現在位置と、送信側海上移動体の現在の移動方向と、送信側海上移動体の現在の移動速度を含むAIS情報を受信するAIS受信手段と、
電子計算機からなり、前記IMO番号のデータ集合と、前記IMO番号により特定される海上移動体の平面占有領域に関連する海上移動体平面占有領域関連値のデータ集合とを対応づけて格納する海上移動体平面占有領域データ格納部と、検索用入力として前記IMO番号を入力した場合に前記海上移動体平面占有領域データ格納部から対応する海上移動体平面占有領域関連値を検索して出力するデータ検索部を有する海上移動体平面占有領域データベース手段と、
電子計算機からなる判別手段を用い、
前記海上移動体平面占有領域データ格納部には、前記海上移動体の海上移動体平面占有領域関連値として、前記海上移動体の船体長と、前記海上移動体の船体幅と、前記海上移動体のアンテナ位置の値が格納され、
前記判別手段は、海上構造物付近の海域に存在する海上移動体からの電波から受信した前記AIS情報に含まれる前記IMO番号を前記検索用入力として前記海上移動体平面占有領域データベース手段に入力し、前記海上移動体平面占有領域データベース手段が検索して出力した海上移動体平面占有領域関連値から、当該海上移動体の平面形状を包含する領域である海上移動体平面占有領域の4つの隅角部の平面座標値を演算し、当該海上移動体の現在の位置と移動方向と移動速度から当該海上移動体の将来の位置を予測演算し、前記海上構造物の平面形状を包含する領域である構造物平面占有領域にいずれかの海上移動体の海上移動体平面占有領域が接近するか否かを判別すること
を特徴とする海上構造物付近の海上移動体監視方法。
【請求項7】
海上構造物の近傍に設置される海上移動体監視方法であって、
国際海事機関IMOにより制定された船舶自動識別システムAISの国際規格に適合する仕様を有し海上移動体に搭載されたAIS海上移動体側搭載装置からVHF帯の電波によりTDMA(時分割多元接続)方式又はDSC(デジタル選択呼出)方式により送信される情報であって、送信側海上移動体無線局を特定する番号であるMMSI番号と、送信側海上移動体の現在位置と、送信側海上移動体の現在の移動方向と、送信側海上移動体の現在の移動速度を含むAIS情報を受信するAIS受信手段と、
電子計算機からなり、前記MMSI番号のデータ集合と、前記MMSI番号により特定される海上移動体の平面占有領域に関連する海上移動体平面占有領域関連値のデータ集合とを対応づけて格納する海上移動体平面占有領域データ格納部と、検索用入力として前記MMSI番号を入力した場合に前記海上移動体平面占有領域データ格納部から対応する海上移動体平面占有領域関連値を検索して出力するデータ検索部を有する海上移動体平面占有領域データベース手段と、
電子計算機からなる判別手段を用い、
前記海上移動体平面占有領域データ格納部には、前記海上移動体の海上移動体平面占有領域関連値として、前記海上移動体の平面形状を包含する領域である海上移動体平面占有領域の4つの隅角部の平面座標値が格納され、
前記判別手段は、海上構造物付近の海域に存在する海上移動体からの電波から受信した前記AIS情報に含まれる前記MMSI番号を前記検索用入力として前記海上移動体平面占有領域データベース手段に入力し、前記海上移動体平面占有領域データベース手段が検索して出力した海上移動体平面占有領域関連値を海上移動体平面占有領域として採用し、当該海上移動体の現在の位置と移動方向と移動速度から当該海上移動体の将来の位置を予測演算し、前記海上構造物の平面形状を包含する領域である構造物平面占有領域にいずれかの海上移動体の海上移動体平面占有領域が接近するか否かを判別すること
を特徴とする海上構造物付近の海上移動体監視方法。
【請求項8】
海上構造物の近傍に設置される海上移動体監視方法であって、
国際海事機関IMOにより制定された船舶自動識別システムAISの国際規格に適合する仕様を有し海上移動体に搭載されたAIS海上移動体側搭載装置からVHF帯の電波によりTDMA(時分割多元接続)方式又はDSC(デジタル選択呼出)方式により送信される情報であって、送信側海上移動体を特定する番号であるIMO番号と、送信側海上移動体の現在位置と、送信側海上移動体の現在の移動方向と、送信側海上移動体の現在の移動速度を含むAIS情報を受信するAIS受信手段と、
電子計算機からなり、前記IMO番号のデータ集合と、前記IMO番号により特定される海上移動体の平面占有領域に関連する海上移動体平面占有領域関連値のデータ集合とを対応づけて格納する海上移動体平面占有領域データ格納部と、検索用入力として前記IMO番号を入力した場合に前記海上移動体平面占有領域データ格納部から対応する海上移動体平面占有領域関連値を検索して出力するデータ検索部を有する海上移動体平面占有領域データベース手段と、
電子計算機からなる判別手段を用い、
前記海上移動体平面占有領域データ格納部には、前記海上移動体の海上移動体平面占有領域関連値として、前記海上移動体の平面形状を包含する領域である海上移動体平面占有領域の4つの隅角部の平面座標値が格納され、
前記判別手段は、海上構造物付近の海域に存在する海上移動体からの電波から受信した前記AIS情報に含まれる前記IMO番号を前記検索用入力として前記海上移動体平面占有領域データベース手段に入力し、前記海上移動体平面占有領域データベース手段が検索して出力した海上移動体平面占有領域関連値を海上移動体平面占有領域として採用し、当該海上移動体の現在の位置と移動方向と移動速度から当該海上移動体の将来の位置を予測演算し、前記海上構造物の平面形状を包含する領域である構造物平面占有領域にいずれかの海上移動体の海上移動体平面占有領域が接近するか否かを判別すること
を特徴とする海上構造物付近の海上移動体監視方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−207134(P2007−207134A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−27888(P2006−27888)
【出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【特許番号】特許第3851957号(P3851957)
【特許公報発行日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(501198039)国土交通省国土技術政策総合研究所長 (23)
【Fターム(参考)】