液晶表示用バックライト装置
【課題】熱陰極型の蛍光ランプを点灯状態と調光状態に切り換えながら高周波点灯させる液晶表示用バックライト装置において、調光状態から点灯状態への切替時に生じる過渡電圧を抑制し素子へのストレスを低減すると共に、点灯状態から調光状態への切替時の立ち消えを抑制する。
【解決手段】熱陰極型の蛍光ランプLaに高周波のランプ電流を流すインバータ回路1と、蛍光ランプLaの一対のフィラメントに予熱電流を流す予熱回路2と、インバータ回路1の動作周波数を制御する制御回路3とを備え、制御回路3は、液晶パネルの表示更新周期に合わせてランプ電流を高/低に切り替える調光信号Sdを受けてランプ電流を切り替えるときに、インバータ回路1の動作周波数をランプ電流がゼロでない低出力となる第1の周波数f1と第1の周波数f1より低くランプ電流が高出力となる第2の周波数f2の間で時間の経過と共に連続的に変化させる。
【解決手段】熱陰極型の蛍光ランプLaに高周波のランプ電流を流すインバータ回路1と、蛍光ランプLaの一対のフィラメントに予熱電流を流す予熱回路2と、インバータ回路1の動作周波数を制御する制御回路3とを備え、制御回路3は、液晶パネルの表示更新周期に合わせてランプ電流を高/低に切り替える調光信号Sdを受けてランプ電流を切り替えるときに、インバータ回路1の動作周波数をランプ電流がゼロでない低出力となる第1の周波数f1と第1の周波数f1より低くランプ電流が高出力となる第2の周波数f2の間で時間の経過と共に連続的に変化させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は熱陰極型の蛍光ランプを高周波点灯させる放電灯点灯装置を用いた液晶表示用バックライト装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示装置のバックライト装置として、液晶パネルの背面に水平走査線と略平行に複数本の蛍光ランプを並設し、映像信号に合わせて各蛍光ランプを順次点灯させることで、表示品位を改善する技術が知られている。
【0003】
また、蛍光ランプの点灯/消灯を切り替えるのではなく、点灯状態と調光状態を切り換えることが提案されている(特許文献1)。これにより、消灯状態から点灯状態に移行するときに発生していた過渡電圧が低減されて回路素子のストレスを抑制でき、ランプ寿命も長くできる。また、消灯状態では電極温度が低くなるが、調光状態とすることで電極温度を維持できる。
【特許文献1】特開2001−312241号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術によれば、消灯状態から点灯状態への切り替えに比べると過渡電圧は低減されるが、調光状態から点灯状態への切り替えを瞬時に実施しているので、切替時には、やはり過渡電圧が発生しやすい。すなわち、ランプ電流が少ない状態から多い状態への切替の瞬間に、ランプ・インピーダンスが急激な変化に対応できず、始動電圧までいかないまでも、過渡電圧が発生しやすかった(図15、図16参照)。
【0005】
また、特許文献1の技術によれば、点灯状態から調光状態への切り替えも瞬時に実施しているので、ランプ電流が多い状態から少ない状態への切替の瞬間に、ランプ・インピーダンスが急激な変化に対応できず、ランプが立消えしやすいという問題があった。
【0006】
さらに、特許文献1の技術では、蛍光ランプとして冷陰極型のものが例示されており、熱陰極型を用いた場合に必要となる電極温度の制御については示唆されていない。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、熱陰極型の蛍光ランプを点灯状態と調光状態に切り換えながら高周波点灯させる液晶表示用バックライト装置において、調光状態から点灯状態への切替時に生じる過渡電圧を抑制し素子へのストレスを低減すると共に、点灯状態から調光状態への切替時の立ち消えを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、上記の課題を解決するために、図1または図2に示すように、熱陰極型の蛍光ランプLaに高周波のランプ電流を流すインバータ回路1と、前記蛍光ランプLaの一対のフィラメントに予熱電流を流す予熱回路2と、前記インバータ回路1の動作周波数をランプ電流がゼロでない低出力となる第1の周波数f1と第1の周波数f1より低くランプ電流が高出力となる第2の周波数f2の間で変化させる制御回路3とを備える液晶表示用バックライト装置であって、前記制御回路3は、液晶パネルの表示更新周期に合わせてランプ電流を高/低に切り替える調光信号Sdを受けて、図3に示すように、ランプ電流を低出力から高出力に切り替えるときにインバータ回路1の動作周波数を第1の周波数f1から第2の周波数f2へ時間の経過と共に連続的に低下させると共に、ランプ電流を高出力から低出力に切り替えるときにインバータ回路1の動作周波数を第2の周波数f2から第1の周波数f1へ時間の経過と共に連続的に増加させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ランプ電流を低出力から高出力に切り替えるときにインバータ回路の動作周波数を第1の周波数から第2の周波数へ時間の経過と共に連続的に低下させるものであるから、出力増加時のランプ・インピーダンスの急激な変化を防止でき、これにより過渡電圧を抑制し、スイッチング素子へのストレスを低減できる効果がある。また、ランプ電流を高出力から低出力に切り替えるときにインバータ回路の動作周波数を第2の周波数から第1の周波数へ時間の経過と共に連続的に増加させるものであるから、出力低下時のランプ・インピーダンスの急激な変化を防止でき、これにより放電灯の立ち消えを抑制できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の基本構成を示す回路図である。直流電源Vdcには、スイッチング素子Q1、Q2の直列回路が並列に接続されている。スイッチング素子Q2の両端にインダクタL、コンデンサC1の直列回路が並列に接続されている。コンデンサC1と並列に、コンデンサC2と熱陰極蛍光ランプLaの直列回路が接続されている。以上の回路により、インバータ回路1が構成されている。
【0011】
また、直流電源Vdcには、スイッチング素子Q3、Q4の直列回路が並列に接続されている。スイッチング素子Q4の両端にコンデンサC3と予熱用トランスTの直列回路が並列に接続されている。予熱用トランスTの2次側に設けられた2つの巻線は、各々コンデンサC5、C6を介して熱陰極蛍光ランプLaのフィラメントに接続されている。以上の回路により、予熱回路2が構成されている。
【0012】
また、インバータ回路1のスイッチング素子Q1、Q2と予熱回路2のスイッチング素子Q3、Q4を駆動する制御回路3が設けられており、この制御回路3には外部から調光信号Sdが入力されている。
【0013】
図1の基本回路を簡略化した回路を図2に示す。図1と異なる点は、スイッチング素子Q3、Q4が省略されており、これらに対する制御回路3からの駆動信号線が削除され、コンデンサC3と予熱用トランスTの直列回路がスイッチング素子Q2の両端に並列に接続されている点である。この図2の構成は、図1におけるスイッチング素子Q3、Q4を各々スイッチング素子Q1、Q2で兼用し、部品点数を少なくした構成である。この図2のように簡略化された構成であっても、図1の基本構成を用いた場合と略同等の効果を期待できる。なお、図1または図2のインバータ回路1の負荷が接続される箇所に昇圧トランスの1次巻線を接続し、この昇圧トランスの2次巻線から負荷へ電力を供給するトランス式であっても良い。
【0014】
以下、図1の基本回路を用いた場合について、図3および図4の波形図を参照しながら具体的に動作を説明する。図3および図4の波形図において、(a)は調光信号、(b)は制御回路3におけるスイッチング素子Q1、Q2の駆動周波数、(c)は放電灯Laに流れるランプ電流波形、(d)は放電灯Laに印加されるランプ電圧波形、(e)は予熱用トランスTによって供給される予熱電流の波形である。横軸は時間の経過を意味する。
【0015】
調光信号のタイミングt1〜t4に分けて動作を説明する。
まず、t1の期間では、調光信号がLレベルからHレベルになり、制御回路3は駆動周波数をf1からf2に徐々に変化させる。この制御により、ランプ電流は徐々に増加する。また、ランプLaのインピーダンスは負特性を有するため、徐々にランプ電圧が減少する。スイッチング素子Q3、Q4の駆動信号については、図示しないが、例えば、一定周波数の高周波で交互にスイッチング素子Q3、Q4をオン・オフすることで、ランプLaのフィラメントに供給される予熱電流は一定になる。
【0016】
次に、t2の期間では、調光信号はHレベルのままであり、制御回路3は駆動周波数をf2で一定とする。この制御により、ランプ電流、ランプ電圧も一定となる。ここでも一定周波数の高周波で交互にスイッチング素子Q3、Q4をオン・オフすることで、ランプLaのフィラメントに供給される予熱電流は一定になる。
【0017】
次に、t3の期間では、調光信号がHレベルからLレベルになり、制御回路3は駆動周波数をf2からf1に徐々に変化させる。この制御により、ランプ電流は徐々に減少する。また、ランプLaのインピーダンスは負特性を有するため、徐々にランプ電圧が増加する。ここでも一定周波数の高周波で交互にスイッチング素子Q3、Q4をオン・オフすることで、ランプLaのフィラメントに供給される予熱電流は一定になる。
【0018】
次に、t4の期間では、調光信号はLレベルのままであり、制御回路3は駆動周波数をf1で一定とする。この制御により、ランプ電流、ランプ電圧も一定となる。ここでも一定周波数の高周波で交互にスイッチング素子Q3、Q4をオン・オフすることで、ランプLaのフィラメントに供給される予熱電流は一定になる。
その後、再びt1の期間から同じ動作が繰り返される。
【0019】
図3の制御において、特徴的なのは、調光信号に対して、周波数をf1からf2、あるいはf2からf1へ瞬時に切替えることなく、t1、t3の期間で徐々に変化させている点である。このようにt1、t3の期間を設けたため、ランプLaの出力を大きくする場合や小さくする場合に、回路中のLC共振系(図1のインダクタL、コンデンサC1)によって発生する過渡電圧を抑制することができる。そのため、t1の期間では始動に必要な高電圧が必要なく、また過渡電圧による過剰な電圧ストレスを抑制できる。また、t3の期間では、過渡電圧のアンダーシュートによるランプLaの立消えを抑制することができる。
【0020】
なお、予熱電流は、スイッチング素子Q3、Q4の制御により任意に設定できるため、常に最適な温度になるような電流を供給すれば良く、ランプ電流の大小によって生じるフィラメントの温度変化を抑制することができる。
【0021】
図1の基本構成に代えて、図2の簡略化された構成を用いた場合においても、予熱回路2の周波数依存性を適切に設計しておくことで、略同等の動作となる。
【0022】
図4の波形図は、図3の状態から調光を更に深くした状態を示す。図3と異なる点は、(a)の調光信号のHレベルの期間が短くなり、Lレベルの期間が長くなったことであり、それに対応してt2の期間を短く、t4の期間を長くしたことである。このように制御することにより、t1からt4の期間におけるランプ電流が流れる総面積部分が小さくなることで、調光が深くなる。
【0023】
この場合において、t1、t3の期間については、図3と同じ期間を設定することで、図3と同じく、t1の期間では始動に必要な高電圧が必要なく、また過渡電圧による過剰な電圧ストレスを抑制できる。また、t3の期間では、過渡電圧のアンダーシュートによるランプLaの立消えを抑制することができる。
【0024】
なお、t2の期間を短くすると、いずれt2=0となるが、更にそれ以下に調光したい場合には図5に示すようにt1の期間、t3の期間を短くしたり、あるいは、図6に示すように、f1からf2、f2からf1への変化の傾きはそのままで、中間値で折り返すなどして制御すればよい。なお、図5、図6における斜めの点線は図4におけるf1からf2への変化の傾きを示している。
【0025】
以上のように、本実施の形態によれば、調光点灯状態から全点灯状態への周波数切替時に生じる過渡電圧を抑制し、スイッチング素子へのストレスを低減できる効果がある。また、全点灯状態から調光点灯状態への周波数切替時の放電灯の立ち消えを抑制できる効果がある。さらに、予熱電流を常時供給するため、深い調光が可能となる効果がある。
【0026】
(実施の形態2)
図7は本発明の実施の形態2の動作を示す波形図である。回路構成については、図1または図2と同じである。図7の波形図において、(a)は制御回路3に与える調光信号、(b)は制御回路3によるスイッチング素子Q1、Q2の駆動周波数、(c)はランプLaに流れるランプ電流波形である。
【0027】
本実施の形態では、NTSC方式やPAL方式といった映像信号方式で用いる水平走査周波数との干渉を抑制した上で、実施の形態1に示すような調光制御を行う場合について説明する。日本や北米の場合、NTSC方式として、水平走査周波数約15.7KHzが用いられている。ヨーロッパや中国などでは、PAL方式として、水平走査周波数約15.6KHzが用いられている。また、最近では、ハイビジョンやスーパーハイビジョンとして、上記周波数より高い水平走査周波数が規格化されている。
【0028】
液晶パネルのバックライト装置の点灯回路において、スイッチング素子の駆動周波数として上記水平走査周波数やそれらの整数倍の周波数を用いると、バックライト装置と映像信号系との間で干渉を起こしやすくなり、映像が乱れるなどの不都合を生じやすくなる。したがって、スイッチング素子の駆動周波数としては当該周波数は回避するのが良い。
【0029】
ところが、実施の形態1の制御では、切替時の周波数を連続的に変化させるため、全点灯状態(図3(c)のI2レベル)と最もランプ電流の小さい調光状態(図3(c)のI1レベル)の中間に上記の水平走査周波数またはその整数倍の周波数が含まれる場合は、干渉の可能性が高くなる。
【0030】
そこで、図7に示すように、動作周波数に所定の禁止帯fs1〜fs2を設けて、上記干渉周波数を回避する。図中、f1は最小ランプ電流を流す周波数、f2は最大ランプ電流を流す周波数である。上記水平走査周波数あるいはその整数倍の周波数がfs1とfs2の間にあるものとする。
【0031】
t1の期間中にf1からf2へ周波数を変化させる際、fs1からfs2の部分は瞬時に周波数を切替えることにより、ランプ電流波形の包絡線は図7(c)の一点鎖線で示すように、点線Aのレベルで階段状に切替わることになる。また、反対にf2からf1へ周波数を変化させる際、fs2からfs1の部分は瞬時に周波数を切替えることにより、ランプ電流波形の包絡線は図7(c)の一点鎖線で示すように、点線Bのレベルで階段状に切替わることになる。調光については、実施の形態1と同じようにt2とt4の期間の割合を変えることで行う。
【0032】
本実施の形態によれば、インバータ回路の駆動周波数と映像信号の水平走査周波数の干渉を回避できる効果がある。
【0033】
(実施の形態3)
図8は本発明の実施の形態3の動作を示す波形図である。回路構成については、図1または図2と同じである。図8の波形図において、(a)は制御回路3に与える調光信号、(b)は制御回路3によるスイッチング素子Q1、Q2の駆動周波数である。
【0034】
本実施の形態では、これまで述べてきた制御のうち、f1からf2への推移時間とf2からf1への推移時間を略等しくした場合について説明する。図8(a)、(b)が図1(a)、(b)と異なる点は、t1とt3の期間を等しくした点である。f1からf2への推移時間と、f2からf1への推移時間を等しくすることで、図9に示すように、制御回路3を簡単に構成することできる。
【0035】
図9の回路では、ランプ電流を高/低に切り替える調光信号のHレベル/Lレベルを受けて制御電源Vccとグランド間に設けられたスイッチング素子SWをオン・オフさせている。スイッチング素子SWに並列に抵抗RcとコンデンサCcの直列回路を接続し、抵抗RcとコンデンサCcの接続点が電圧を周波数に変換するV/f変換回路4に接続されている。V/f変換回路4の出力でインバータ回路1のスイッチング素子Q1、Q2を駆動するものである。
【0036】
図10(a)は図9の制御回路3に与える調光信号、(b)は図9の制御回路3によるスイッチング素子Q1、Q2の駆動周波数である。
【0037】
調光信号がLレベルのとき、スイッチング素子SWがオフとなり、制御電源Vcc→抵抗Rc→コンデンサCcの経路でコンデンサCcを充電する。調光信号がHレベルのとき、スイッチング素子SWがオンとなり、コンデンサCc→抵抗Rc→グランドの経路でコンデンサCcが放電される。以下、調光信号がHレベル/Lレベルに交互に切り替わる毎に上記の動作が繰り返されることになる。
【0038】
本回路例では、同一のRC回路で充放電を繰返すため、t1、t3の期間は略等しくすることができる。更に言えば、RC回路の充放電を利用した場合、周波数切替動作の開始直後の周波数変化の割合が最も大きく、徐々にコンデンサCcの電圧変化の傾きが減少するため、周波数の変化は、実際には、図10(b)で示すような変化となる。このように構成した方が一定の傾きで周波数を変化させる場合よりも、より早くランプ電流をf1またはf2の値に近づけることができ、ランプ電流波形の応答性が良くなる。
【0039】
(実施の形態4)
図11は本発明の実施の形態4の動作を示す波形図である。上述の実施の形態1〜3においては、予熱電流は一定であるものとして説明してきたが、スイッチング素子Q1,Q2の駆動周波数に応じて変化させても良い。望ましくは、ランプ電流が大きい期間では、予熱電流は小さく、ランプ電流が小さい期間では予熱電流を大きくするのが良い。図11の波形図では、図3におけるランプ電流波形を(a)、予熱電流波形を(b)とした場合を示している。
【0040】
このように予熱電流をランプ電流に応じて変化させることで、電極温度を略一定に保つことができ、ランプ電流の減少に伴って、電極温度が低減するようなことがなくなるため、更に長寿命化が達成され、かつ、ランプ電流が十分流れている期間では、予熱電流を少なくできるため、回路の消費電力が少なくて済む。
【0041】
(実施の形態5)
図12は本発明の実施の形態5の動作説明図である。上述の各実施の形態では、f1、f2は調光比が変化しても一定であるものとして説明してきたが、図12に示すように調光デューティが小さくなるのに応じて、ランプ電流の下限値を設定している周波数f1を点Aから点Bに示すように低下させても良い。ここで言う「調光デューティ」とは、調光信号SdがHレベルである期間の割合=(t1+t2)/(t1+t2+t3+t4)である。このように制御すれば、調光デューティが小さくなったとき、ランプ電流の下限値(図3のI1レベル)を若干大きくすることができるため、立消えを抑制することができる。
【0042】
(実施の形態5’)
また、上述の各実施の形態では、周波数変化に要する時間t1、t3は調光比が変化しても一定であるものとして説明してきたが、調光デューティが小さくなるのに応じて、周波数変化に要する時間t1、t3を長くするように制御しても良い。このように制御すれば、後述の図20に示すように、調光デューティが小さくなったとき、ランプ電圧のピーク値が上昇することを防止できるため、スイッチング素子のストレスを低減することができる。
【0043】
(実施の形態6)
図13および図14は本発明の実施の形態6の動作波形図である。ここでは、4本のランプを液晶パネルの背面に水平走査方向と平行に並設し、各ランプを液晶パネルの表示更新周期に同期して順次調光制御するようにしたものであり、液晶パネルの表示が更新された領域の背後にある蛍光ランプのランプ電流が順次増加するようにインバータの動作周波数を制御するものである。各ランプに流れるランプ電流の波形を図13および図14に示した。
【0044】
図13の制御例では、例えば図1で示した放電灯点灯装置を4つ用いて各々のランプが全点灯状態となる期間を一定期間ずつ、ずらせた例である。全点灯状態となる期間を一定期間ずつずらす手段については図示しないが、液晶パネルの制御回路から各ランプの制御回路に対して供給される調光信号のタイミングを順次遅延させることで容易に実現できる。これにより、上述の各実施の形態で述べてきた点灯制御を用いて、複数本のランプの順次調光が可能となる。
【0045】
図14の制御例では、図13の動作からさらにデューティ調光を行って調光を深くした場合のランプ電流の波形である。
【0046】
本実施の形態によれば、液晶表示装置のバックライト装置の輝度調整機能を実現しつつ、表示品位も改善できる。また、周波数切替時のストレスが小さいため、部品コストを低減し、安価に構成できる。
【0047】
(実験結果)
本発明者らは実験により本発明の効果を確認した。以下、実際の波形図を参照しながら、本発明の効果について説明する。
【0048】
図15は周波数を瞬間的に切替えた場合(比較例)の各部の波形を測定した結果である。図中、(a)は調光デューティ(約50%)、(b)は予熱電流(=0(供給なし))、(c)はランプ電圧(350V/div)、(d)はランプ電流(500mA/div)である。横軸は時間軸(t=1ms/div)である。周波数が切り替わる瞬間にランプ電圧に過渡電圧が発生しており、ランプ電流にも過渡電流が発生しているのが分かる。
【0049】
図16は図15の時間軸を拡大したものであり、周波数fを切り替えた瞬間の波形図を示している。縦軸(a)〜(d)は図15と同じである。横軸は時間軸(t=100μs/div)である。
【0050】
図17は周波数を連続的に切替えた場合(本案)の各部の波形を測定した結果である。図中、(a)は調光デューティ(約50%)、(c)はランプ電圧(350V/div)、(d)はランプ電流(500mA/div)である。予熱電流は一定であるので図示していない。横軸は時間軸(t=1ms/div)である。周波数が連続的に変化する場合には、調光信号がLレベル(調光状態)からHレベル(全点灯状態)へ移行する時に前述のようなピークの高い電圧が発生していない。これは、調光状態から全点灯状態への移行時に、ランプインピーダンスの変化が図15の場合に比べ少なくて済むからであり、過渡的な振動電圧も周波数変化の期間を十分確保することで、回路にストレスを与えるようなピーク電圧は殆ど発生していない。
【0051】
図18は図17の時間軸を拡大したものであり、周波数fを連続的に変化させる期間の波形図を示している。縦軸は図17と同じである。横軸は時間軸(t=100μs/div)である。
【0052】
図19は調光デューティ(%)に対する周波数切替時に発生するランプ電圧のピーク値(V)の関係を示している。調光デューティが100(%)に近い側では、ランプ電圧のピーク値があまり上昇せず、調光が深くなるに従って、ピーク電圧が上昇する。これは、調光デューティが大きい期間(例えば90%)では、ランプ電流が流れる期間が長いため、予熱電流がなくても、ランプ電流によってフィラメント部分が十分に温められるので、フィラメントでの熱電子の放出が活発になり、比較的低い電圧でも再始動を行うことができるからである。
【0053】
ランプ電圧の振動周期は回路のLC共振系などで決まるが、ランプ電圧のピーク値はランプ固有の特性で変わるものであり、測定に使用したランプ(松下製FHT32(管径約13mm、放電長約800mm))の場合は、調光デューティが50(%)以下の区間では、常に約800V程度の始動電圧が必要であることが分かる。
【0054】
図20は調光デューティ(オン期間の割合)を10(%)、50(%)、90(%)と変化させた場合について、周波数の変化に要する時間(μs(マイクロ秒))とランプ電圧のピーク値(V)の関係を測定した結果である。図20から、周波数の変化に要する時間が長い程、ピーク電圧が低くなることが分かる。また、調光デューティが小さい(調光レベルが深い)ほど、ピーク電圧が高くなることが分かる。
【0055】
例えば、スイッチング素子Q1,Q2にMOSFETを用いる場合、耐圧が500〜600V程度を境にして、TO−220タイプからTO−3Pタイプに変更するなど、部品が大型化する場合がある。したがって、周波数変化の切替時間を常に200(μs)以上にしておけば、10(%)付近の深い調光レベルであっても、回路に一定以上の電圧を印加させずに済む。
【0056】
また、例えば調光が深くなるのに応じて、周波数切替に要する時間を長くすることで、ピーク電圧を略一定に保つことが可能であり、スイッチング素子などの部品に一定値以上の電圧が印加されることがない。例えば、図20の場合であれば、全点灯付近では、周波数切替に要する時間を約100(μs)に設定しておき、調光50(%)付近では150(μs)、調光10(%)付近では200(μs)としておけば、ピークの電圧は約600V以上にはならないため、回路のストレスを低減することができる。
【0057】
なお、上記周波数切替に要する時間の最大値としては、垂直走査周波数が60Hzの場合、調光信号の周期は1/60=16.7(ms)となるので、調光の最下限として、デューティ比を10(%)とすれば、1.67(ms)程度までとすれば、十分にピーク電圧を抑制することができるが、あまり時間を掛け過ぎると、光の立上り応答が悪くなるため、実質的には500(μs)程度までには周波数の変化を終了させるのが良い。周波数切替に要する時間の最小値としては、図20から分かるように、100(μs)以上であれば、ピーク電圧を常に800V以下に抑えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施の形態1の基本構成を示す回路図である。
【図2】本発明の実施の形態1の簡略化した構成を示す回路図である。
【図3】本発明の実施の形態1の基本動作を示す波形図である。
【図4】本発明の実施の形態1の調光を深くしたときの動作を示す波形図である。
【図5】本発明の実施の形態1の調光をさらに深くしたときの周波数制御の一例を示す波形図である。
【図6】本発明の実施の形態1の調光をさらに深くしたときの周波数制御の他の一例を示す波形図である。
【図7】本発明の実施の形態2の動作を示す波形図である。
【図8】本発明の実施の形態3の動作を示す波形図である。
【図9】本発明の実施の形態3の制御回路の要部構成を示す回路図である。
【図10】図9の制御回路を用いた場合の動作を示す波形図である。
【図11】本発明の実施の形態4の動作を示す波形図である。
【図12】本発明の実施の形態5の動作説明図である。
【図13】本発明の実施の形態6の動作を示す波形図である。
【図14】本発明の実施の形態6の調光を深くしたときの動作を示す波形図である。
【図15】周波数を瞬間的に切替えた場合の動作を示す波形図である。
【図16】図15の時間軸を拡大して示す波形図である。
【図17】周波数を連続的に変化させた場合の動作を示す波形図である。
【図18】図17の時間軸を拡大して示す波形図である。
【図19】調光デューティとランプ電圧のピーク値の関係を示す図である。
【図20】周波数の切替に要する時間とランプ電圧のピーク値の関係を示す図である。
【符号の説明】
【0059】
1 インバータ回路
2 予熱回路
3 制御回路
f1 第1の周波数
f2 第2の周波数
La 蛍光ランプ
【技術分野】
【0001】
本発明は熱陰極型の蛍光ランプを高周波点灯させる放電灯点灯装置を用いた液晶表示用バックライト装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示装置のバックライト装置として、液晶パネルの背面に水平走査線と略平行に複数本の蛍光ランプを並設し、映像信号に合わせて各蛍光ランプを順次点灯させることで、表示品位を改善する技術が知られている。
【0003】
また、蛍光ランプの点灯/消灯を切り替えるのではなく、点灯状態と調光状態を切り換えることが提案されている(特許文献1)。これにより、消灯状態から点灯状態に移行するときに発生していた過渡電圧が低減されて回路素子のストレスを抑制でき、ランプ寿命も長くできる。また、消灯状態では電極温度が低くなるが、調光状態とすることで電極温度を維持できる。
【特許文献1】特開2001−312241号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術によれば、消灯状態から点灯状態への切り替えに比べると過渡電圧は低減されるが、調光状態から点灯状態への切り替えを瞬時に実施しているので、切替時には、やはり過渡電圧が発生しやすい。すなわち、ランプ電流が少ない状態から多い状態への切替の瞬間に、ランプ・インピーダンスが急激な変化に対応できず、始動電圧までいかないまでも、過渡電圧が発生しやすかった(図15、図16参照)。
【0005】
また、特許文献1の技術によれば、点灯状態から調光状態への切り替えも瞬時に実施しているので、ランプ電流が多い状態から少ない状態への切替の瞬間に、ランプ・インピーダンスが急激な変化に対応できず、ランプが立消えしやすいという問題があった。
【0006】
さらに、特許文献1の技術では、蛍光ランプとして冷陰極型のものが例示されており、熱陰極型を用いた場合に必要となる電極温度の制御については示唆されていない。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、熱陰極型の蛍光ランプを点灯状態と調光状態に切り換えながら高周波点灯させる液晶表示用バックライト装置において、調光状態から点灯状態への切替時に生じる過渡電圧を抑制し素子へのストレスを低減すると共に、点灯状態から調光状態への切替時の立ち消えを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、上記の課題を解決するために、図1または図2に示すように、熱陰極型の蛍光ランプLaに高周波のランプ電流を流すインバータ回路1と、前記蛍光ランプLaの一対のフィラメントに予熱電流を流す予熱回路2と、前記インバータ回路1の動作周波数をランプ電流がゼロでない低出力となる第1の周波数f1と第1の周波数f1より低くランプ電流が高出力となる第2の周波数f2の間で変化させる制御回路3とを備える液晶表示用バックライト装置であって、前記制御回路3は、液晶パネルの表示更新周期に合わせてランプ電流を高/低に切り替える調光信号Sdを受けて、図3に示すように、ランプ電流を低出力から高出力に切り替えるときにインバータ回路1の動作周波数を第1の周波数f1から第2の周波数f2へ時間の経過と共に連続的に低下させると共に、ランプ電流を高出力から低出力に切り替えるときにインバータ回路1の動作周波数を第2の周波数f2から第1の周波数f1へ時間の経過と共に連続的に増加させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ランプ電流を低出力から高出力に切り替えるときにインバータ回路の動作周波数を第1の周波数から第2の周波数へ時間の経過と共に連続的に低下させるものであるから、出力増加時のランプ・インピーダンスの急激な変化を防止でき、これにより過渡電圧を抑制し、スイッチング素子へのストレスを低減できる効果がある。また、ランプ電流を高出力から低出力に切り替えるときにインバータ回路の動作周波数を第2の周波数から第1の周波数へ時間の経過と共に連続的に増加させるものであるから、出力低下時のランプ・インピーダンスの急激な変化を防止でき、これにより放電灯の立ち消えを抑制できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の基本構成を示す回路図である。直流電源Vdcには、スイッチング素子Q1、Q2の直列回路が並列に接続されている。スイッチング素子Q2の両端にインダクタL、コンデンサC1の直列回路が並列に接続されている。コンデンサC1と並列に、コンデンサC2と熱陰極蛍光ランプLaの直列回路が接続されている。以上の回路により、インバータ回路1が構成されている。
【0011】
また、直流電源Vdcには、スイッチング素子Q3、Q4の直列回路が並列に接続されている。スイッチング素子Q4の両端にコンデンサC3と予熱用トランスTの直列回路が並列に接続されている。予熱用トランスTの2次側に設けられた2つの巻線は、各々コンデンサC5、C6を介して熱陰極蛍光ランプLaのフィラメントに接続されている。以上の回路により、予熱回路2が構成されている。
【0012】
また、インバータ回路1のスイッチング素子Q1、Q2と予熱回路2のスイッチング素子Q3、Q4を駆動する制御回路3が設けられており、この制御回路3には外部から調光信号Sdが入力されている。
【0013】
図1の基本回路を簡略化した回路を図2に示す。図1と異なる点は、スイッチング素子Q3、Q4が省略されており、これらに対する制御回路3からの駆動信号線が削除され、コンデンサC3と予熱用トランスTの直列回路がスイッチング素子Q2の両端に並列に接続されている点である。この図2の構成は、図1におけるスイッチング素子Q3、Q4を各々スイッチング素子Q1、Q2で兼用し、部品点数を少なくした構成である。この図2のように簡略化された構成であっても、図1の基本構成を用いた場合と略同等の効果を期待できる。なお、図1または図2のインバータ回路1の負荷が接続される箇所に昇圧トランスの1次巻線を接続し、この昇圧トランスの2次巻線から負荷へ電力を供給するトランス式であっても良い。
【0014】
以下、図1の基本回路を用いた場合について、図3および図4の波形図を参照しながら具体的に動作を説明する。図3および図4の波形図において、(a)は調光信号、(b)は制御回路3におけるスイッチング素子Q1、Q2の駆動周波数、(c)は放電灯Laに流れるランプ電流波形、(d)は放電灯Laに印加されるランプ電圧波形、(e)は予熱用トランスTによって供給される予熱電流の波形である。横軸は時間の経過を意味する。
【0015】
調光信号のタイミングt1〜t4に分けて動作を説明する。
まず、t1の期間では、調光信号がLレベルからHレベルになり、制御回路3は駆動周波数をf1からf2に徐々に変化させる。この制御により、ランプ電流は徐々に増加する。また、ランプLaのインピーダンスは負特性を有するため、徐々にランプ電圧が減少する。スイッチング素子Q3、Q4の駆動信号については、図示しないが、例えば、一定周波数の高周波で交互にスイッチング素子Q3、Q4をオン・オフすることで、ランプLaのフィラメントに供給される予熱電流は一定になる。
【0016】
次に、t2の期間では、調光信号はHレベルのままであり、制御回路3は駆動周波数をf2で一定とする。この制御により、ランプ電流、ランプ電圧も一定となる。ここでも一定周波数の高周波で交互にスイッチング素子Q3、Q4をオン・オフすることで、ランプLaのフィラメントに供給される予熱電流は一定になる。
【0017】
次に、t3の期間では、調光信号がHレベルからLレベルになり、制御回路3は駆動周波数をf2からf1に徐々に変化させる。この制御により、ランプ電流は徐々に減少する。また、ランプLaのインピーダンスは負特性を有するため、徐々にランプ電圧が増加する。ここでも一定周波数の高周波で交互にスイッチング素子Q3、Q4をオン・オフすることで、ランプLaのフィラメントに供給される予熱電流は一定になる。
【0018】
次に、t4の期間では、調光信号はLレベルのままであり、制御回路3は駆動周波数をf1で一定とする。この制御により、ランプ電流、ランプ電圧も一定となる。ここでも一定周波数の高周波で交互にスイッチング素子Q3、Q4をオン・オフすることで、ランプLaのフィラメントに供給される予熱電流は一定になる。
その後、再びt1の期間から同じ動作が繰り返される。
【0019】
図3の制御において、特徴的なのは、調光信号に対して、周波数をf1からf2、あるいはf2からf1へ瞬時に切替えることなく、t1、t3の期間で徐々に変化させている点である。このようにt1、t3の期間を設けたため、ランプLaの出力を大きくする場合や小さくする場合に、回路中のLC共振系(図1のインダクタL、コンデンサC1)によって発生する過渡電圧を抑制することができる。そのため、t1の期間では始動に必要な高電圧が必要なく、また過渡電圧による過剰な電圧ストレスを抑制できる。また、t3の期間では、過渡電圧のアンダーシュートによるランプLaの立消えを抑制することができる。
【0020】
なお、予熱電流は、スイッチング素子Q3、Q4の制御により任意に設定できるため、常に最適な温度になるような電流を供給すれば良く、ランプ電流の大小によって生じるフィラメントの温度変化を抑制することができる。
【0021】
図1の基本構成に代えて、図2の簡略化された構成を用いた場合においても、予熱回路2の周波数依存性を適切に設計しておくことで、略同等の動作となる。
【0022】
図4の波形図は、図3の状態から調光を更に深くした状態を示す。図3と異なる点は、(a)の調光信号のHレベルの期間が短くなり、Lレベルの期間が長くなったことであり、それに対応してt2の期間を短く、t4の期間を長くしたことである。このように制御することにより、t1からt4の期間におけるランプ電流が流れる総面積部分が小さくなることで、調光が深くなる。
【0023】
この場合において、t1、t3の期間については、図3と同じ期間を設定することで、図3と同じく、t1の期間では始動に必要な高電圧が必要なく、また過渡電圧による過剰な電圧ストレスを抑制できる。また、t3の期間では、過渡電圧のアンダーシュートによるランプLaの立消えを抑制することができる。
【0024】
なお、t2の期間を短くすると、いずれt2=0となるが、更にそれ以下に調光したい場合には図5に示すようにt1の期間、t3の期間を短くしたり、あるいは、図6に示すように、f1からf2、f2からf1への変化の傾きはそのままで、中間値で折り返すなどして制御すればよい。なお、図5、図6における斜めの点線は図4におけるf1からf2への変化の傾きを示している。
【0025】
以上のように、本実施の形態によれば、調光点灯状態から全点灯状態への周波数切替時に生じる過渡電圧を抑制し、スイッチング素子へのストレスを低減できる効果がある。また、全点灯状態から調光点灯状態への周波数切替時の放電灯の立ち消えを抑制できる効果がある。さらに、予熱電流を常時供給するため、深い調光が可能となる効果がある。
【0026】
(実施の形態2)
図7は本発明の実施の形態2の動作を示す波形図である。回路構成については、図1または図2と同じである。図7の波形図において、(a)は制御回路3に与える調光信号、(b)は制御回路3によるスイッチング素子Q1、Q2の駆動周波数、(c)はランプLaに流れるランプ電流波形である。
【0027】
本実施の形態では、NTSC方式やPAL方式といった映像信号方式で用いる水平走査周波数との干渉を抑制した上で、実施の形態1に示すような調光制御を行う場合について説明する。日本や北米の場合、NTSC方式として、水平走査周波数約15.7KHzが用いられている。ヨーロッパや中国などでは、PAL方式として、水平走査周波数約15.6KHzが用いられている。また、最近では、ハイビジョンやスーパーハイビジョンとして、上記周波数より高い水平走査周波数が規格化されている。
【0028】
液晶パネルのバックライト装置の点灯回路において、スイッチング素子の駆動周波数として上記水平走査周波数やそれらの整数倍の周波数を用いると、バックライト装置と映像信号系との間で干渉を起こしやすくなり、映像が乱れるなどの不都合を生じやすくなる。したがって、スイッチング素子の駆動周波数としては当該周波数は回避するのが良い。
【0029】
ところが、実施の形態1の制御では、切替時の周波数を連続的に変化させるため、全点灯状態(図3(c)のI2レベル)と最もランプ電流の小さい調光状態(図3(c)のI1レベル)の中間に上記の水平走査周波数またはその整数倍の周波数が含まれる場合は、干渉の可能性が高くなる。
【0030】
そこで、図7に示すように、動作周波数に所定の禁止帯fs1〜fs2を設けて、上記干渉周波数を回避する。図中、f1は最小ランプ電流を流す周波数、f2は最大ランプ電流を流す周波数である。上記水平走査周波数あるいはその整数倍の周波数がfs1とfs2の間にあるものとする。
【0031】
t1の期間中にf1からf2へ周波数を変化させる際、fs1からfs2の部分は瞬時に周波数を切替えることにより、ランプ電流波形の包絡線は図7(c)の一点鎖線で示すように、点線Aのレベルで階段状に切替わることになる。また、反対にf2からf1へ周波数を変化させる際、fs2からfs1の部分は瞬時に周波数を切替えることにより、ランプ電流波形の包絡線は図7(c)の一点鎖線で示すように、点線Bのレベルで階段状に切替わることになる。調光については、実施の形態1と同じようにt2とt4の期間の割合を変えることで行う。
【0032】
本実施の形態によれば、インバータ回路の駆動周波数と映像信号の水平走査周波数の干渉を回避できる効果がある。
【0033】
(実施の形態3)
図8は本発明の実施の形態3の動作を示す波形図である。回路構成については、図1または図2と同じである。図8の波形図において、(a)は制御回路3に与える調光信号、(b)は制御回路3によるスイッチング素子Q1、Q2の駆動周波数である。
【0034】
本実施の形態では、これまで述べてきた制御のうち、f1からf2への推移時間とf2からf1への推移時間を略等しくした場合について説明する。図8(a)、(b)が図1(a)、(b)と異なる点は、t1とt3の期間を等しくした点である。f1からf2への推移時間と、f2からf1への推移時間を等しくすることで、図9に示すように、制御回路3を簡単に構成することできる。
【0035】
図9の回路では、ランプ電流を高/低に切り替える調光信号のHレベル/Lレベルを受けて制御電源Vccとグランド間に設けられたスイッチング素子SWをオン・オフさせている。スイッチング素子SWに並列に抵抗RcとコンデンサCcの直列回路を接続し、抵抗RcとコンデンサCcの接続点が電圧を周波数に変換するV/f変換回路4に接続されている。V/f変換回路4の出力でインバータ回路1のスイッチング素子Q1、Q2を駆動するものである。
【0036】
図10(a)は図9の制御回路3に与える調光信号、(b)は図9の制御回路3によるスイッチング素子Q1、Q2の駆動周波数である。
【0037】
調光信号がLレベルのとき、スイッチング素子SWがオフとなり、制御電源Vcc→抵抗Rc→コンデンサCcの経路でコンデンサCcを充電する。調光信号がHレベルのとき、スイッチング素子SWがオンとなり、コンデンサCc→抵抗Rc→グランドの経路でコンデンサCcが放電される。以下、調光信号がHレベル/Lレベルに交互に切り替わる毎に上記の動作が繰り返されることになる。
【0038】
本回路例では、同一のRC回路で充放電を繰返すため、t1、t3の期間は略等しくすることができる。更に言えば、RC回路の充放電を利用した場合、周波数切替動作の開始直後の周波数変化の割合が最も大きく、徐々にコンデンサCcの電圧変化の傾きが減少するため、周波数の変化は、実際には、図10(b)で示すような変化となる。このように構成した方が一定の傾きで周波数を変化させる場合よりも、より早くランプ電流をf1またはf2の値に近づけることができ、ランプ電流波形の応答性が良くなる。
【0039】
(実施の形態4)
図11は本発明の実施の形態4の動作を示す波形図である。上述の実施の形態1〜3においては、予熱電流は一定であるものとして説明してきたが、スイッチング素子Q1,Q2の駆動周波数に応じて変化させても良い。望ましくは、ランプ電流が大きい期間では、予熱電流は小さく、ランプ電流が小さい期間では予熱電流を大きくするのが良い。図11の波形図では、図3におけるランプ電流波形を(a)、予熱電流波形を(b)とした場合を示している。
【0040】
このように予熱電流をランプ電流に応じて変化させることで、電極温度を略一定に保つことができ、ランプ電流の減少に伴って、電極温度が低減するようなことがなくなるため、更に長寿命化が達成され、かつ、ランプ電流が十分流れている期間では、予熱電流を少なくできるため、回路の消費電力が少なくて済む。
【0041】
(実施の形態5)
図12は本発明の実施の形態5の動作説明図である。上述の各実施の形態では、f1、f2は調光比が変化しても一定であるものとして説明してきたが、図12に示すように調光デューティが小さくなるのに応じて、ランプ電流の下限値を設定している周波数f1を点Aから点Bに示すように低下させても良い。ここで言う「調光デューティ」とは、調光信号SdがHレベルである期間の割合=(t1+t2)/(t1+t2+t3+t4)である。このように制御すれば、調光デューティが小さくなったとき、ランプ電流の下限値(図3のI1レベル)を若干大きくすることができるため、立消えを抑制することができる。
【0042】
(実施の形態5’)
また、上述の各実施の形態では、周波数変化に要する時間t1、t3は調光比が変化しても一定であるものとして説明してきたが、調光デューティが小さくなるのに応じて、周波数変化に要する時間t1、t3を長くするように制御しても良い。このように制御すれば、後述の図20に示すように、調光デューティが小さくなったとき、ランプ電圧のピーク値が上昇することを防止できるため、スイッチング素子のストレスを低減することができる。
【0043】
(実施の形態6)
図13および図14は本発明の実施の形態6の動作波形図である。ここでは、4本のランプを液晶パネルの背面に水平走査方向と平行に並設し、各ランプを液晶パネルの表示更新周期に同期して順次調光制御するようにしたものであり、液晶パネルの表示が更新された領域の背後にある蛍光ランプのランプ電流が順次増加するようにインバータの動作周波数を制御するものである。各ランプに流れるランプ電流の波形を図13および図14に示した。
【0044】
図13の制御例では、例えば図1で示した放電灯点灯装置を4つ用いて各々のランプが全点灯状態となる期間を一定期間ずつ、ずらせた例である。全点灯状態となる期間を一定期間ずつずらす手段については図示しないが、液晶パネルの制御回路から各ランプの制御回路に対して供給される調光信号のタイミングを順次遅延させることで容易に実現できる。これにより、上述の各実施の形態で述べてきた点灯制御を用いて、複数本のランプの順次調光が可能となる。
【0045】
図14の制御例では、図13の動作からさらにデューティ調光を行って調光を深くした場合のランプ電流の波形である。
【0046】
本実施の形態によれば、液晶表示装置のバックライト装置の輝度調整機能を実現しつつ、表示品位も改善できる。また、周波数切替時のストレスが小さいため、部品コストを低減し、安価に構成できる。
【0047】
(実験結果)
本発明者らは実験により本発明の効果を確認した。以下、実際の波形図を参照しながら、本発明の効果について説明する。
【0048】
図15は周波数を瞬間的に切替えた場合(比較例)の各部の波形を測定した結果である。図中、(a)は調光デューティ(約50%)、(b)は予熱電流(=0(供給なし))、(c)はランプ電圧(350V/div)、(d)はランプ電流(500mA/div)である。横軸は時間軸(t=1ms/div)である。周波数が切り替わる瞬間にランプ電圧に過渡電圧が発生しており、ランプ電流にも過渡電流が発生しているのが分かる。
【0049】
図16は図15の時間軸を拡大したものであり、周波数fを切り替えた瞬間の波形図を示している。縦軸(a)〜(d)は図15と同じである。横軸は時間軸(t=100μs/div)である。
【0050】
図17は周波数を連続的に切替えた場合(本案)の各部の波形を測定した結果である。図中、(a)は調光デューティ(約50%)、(c)はランプ電圧(350V/div)、(d)はランプ電流(500mA/div)である。予熱電流は一定であるので図示していない。横軸は時間軸(t=1ms/div)である。周波数が連続的に変化する場合には、調光信号がLレベル(調光状態)からHレベル(全点灯状態)へ移行する時に前述のようなピークの高い電圧が発生していない。これは、調光状態から全点灯状態への移行時に、ランプインピーダンスの変化が図15の場合に比べ少なくて済むからであり、過渡的な振動電圧も周波数変化の期間を十分確保することで、回路にストレスを与えるようなピーク電圧は殆ど発生していない。
【0051】
図18は図17の時間軸を拡大したものであり、周波数fを連続的に変化させる期間の波形図を示している。縦軸は図17と同じである。横軸は時間軸(t=100μs/div)である。
【0052】
図19は調光デューティ(%)に対する周波数切替時に発生するランプ電圧のピーク値(V)の関係を示している。調光デューティが100(%)に近い側では、ランプ電圧のピーク値があまり上昇せず、調光が深くなるに従って、ピーク電圧が上昇する。これは、調光デューティが大きい期間(例えば90%)では、ランプ電流が流れる期間が長いため、予熱電流がなくても、ランプ電流によってフィラメント部分が十分に温められるので、フィラメントでの熱電子の放出が活発になり、比較的低い電圧でも再始動を行うことができるからである。
【0053】
ランプ電圧の振動周期は回路のLC共振系などで決まるが、ランプ電圧のピーク値はランプ固有の特性で変わるものであり、測定に使用したランプ(松下製FHT32(管径約13mm、放電長約800mm))の場合は、調光デューティが50(%)以下の区間では、常に約800V程度の始動電圧が必要であることが分かる。
【0054】
図20は調光デューティ(オン期間の割合)を10(%)、50(%)、90(%)と変化させた場合について、周波数の変化に要する時間(μs(マイクロ秒))とランプ電圧のピーク値(V)の関係を測定した結果である。図20から、周波数の変化に要する時間が長い程、ピーク電圧が低くなることが分かる。また、調光デューティが小さい(調光レベルが深い)ほど、ピーク電圧が高くなることが分かる。
【0055】
例えば、スイッチング素子Q1,Q2にMOSFETを用いる場合、耐圧が500〜600V程度を境にして、TO−220タイプからTO−3Pタイプに変更するなど、部品が大型化する場合がある。したがって、周波数変化の切替時間を常に200(μs)以上にしておけば、10(%)付近の深い調光レベルであっても、回路に一定以上の電圧を印加させずに済む。
【0056】
また、例えば調光が深くなるのに応じて、周波数切替に要する時間を長くすることで、ピーク電圧を略一定に保つことが可能であり、スイッチング素子などの部品に一定値以上の電圧が印加されることがない。例えば、図20の場合であれば、全点灯付近では、周波数切替に要する時間を約100(μs)に設定しておき、調光50(%)付近では150(μs)、調光10(%)付近では200(μs)としておけば、ピークの電圧は約600V以上にはならないため、回路のストレスを低減することができる。
【0057】
なお、上記周波数切替に要する時間の最大値としては、垂直走査周波数が60Hzの場合、調光信号の周期は1/60=16.7(ms)となるので、調光の最下限として、デューティ比を10(%)とすれば、1.67(ms)程度までとすれば、十分にピーク電圧を抑制することができるが、あまり時間を掛け過ぎると、光の立上り応答が悪くなるため、実質的には500(μs)程度までには周波数の変化を終了させるのが良い。周波数切替に要する時間の最小値としては、図20から分かるように、100(μs)以上であれば、ピーク電圧を常に800V以下に抑えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施の形態1の基本構成を示す回路図である。
【図2】本発明の実施の形態1の簡略化した構成を示す回路図である。
【図3】本発明の実施の形態1の基本動作を示す波形図である。
【図4】本発明の実施の形態1の調光を深くしたときの動作を示す波形図である。
【図5】本発明の実施の形態1の調光をさらに深くしたときの周波数制御の一例を示す波形図である。
【図6】本発明の実施の形態1の調光をさらに深くしたときの周波数制御の他の一例を示す波形図である。
【図7】本発明の実施の形態2の動作を示す波形図である。
【図8】本発明の実施の形態3の動作を示す波形図である。
【図9】本発明の実施の形態3の制御回路の要部構成を示す回路図である。
【図10】図9の制御回路を用いた場合の動作を示す波形図である。
【図11】本発明の実施の形態4の動作を示す波形図である。
【図12】本発明の実施の形態5の動作説明図である。
【図13】本発明の実施の形態6の動作を示す波形図である。
【図14】本発明の実施の形態6の調光を深くしたときの動作を示す波形図である。
【図15】周波数を瞬間的に切替えた場合の動作を示す波形図である。
【図16】図15の時間軸を拡大して示す波形図である。
【図17】周波数を連続的に変化させた場合の動作を示す波形図である。
【図18】図17の時間軸を拡大して示す波形図である。
【図19】調光デューティとランプ電圧のピーク値の関係を示す図である。
【図20】周波数の切替に要する時間とランプ電圧のピーク値の関係を示す図である。
【符号の説明】
【0059】
1 インバータ回路
2 予熱回路
3 制御回路
f1 第1の周波数
f2 第2の周波数
La 蛍光ランプ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱陰極型の蛍光ランプに高周波のランプ電流を流すインバータ回路と、前記蛍光ランプの一対のフィラメントに予熱電流を流す予熱回路と、前記インバータ回路の動作周波数をランプ電流がゼロでない低出力となる第1の周波数と第1の周波数より低くランプ電流が高出力となる第2の周波数の間で変化させる制御回路とを備える液晶表示用バックライト装置であって、前記制御回路は、液晶パネルの表示更新周期に合わせてランプ電流を高/低に切り替える調光信号を受けて、ランプ電流を低出力から高出力に切り替えるときにインバータ回路の動作周波数を第1の周波数から第2の周波数へ時間の経過と共に連続的に低下させると共に、ランプ電流を高出力から低出力に切り替えるときにインバータ回路の動作周波数を第2の周波数から第1の周波数へ時間の経過と共に連続的に増加させることを特徴とする液晶表示用バックライト装置。
【請求項2】
第1の周波数と第2の周波数の間に、周波数が不連続的に変化する禁止周波数帯を設けたことを特徴とする請求項1記載の液晶表示用バックライト装置。
【請求項3】
禁止周波数帯は、液晶パネルの水平走査周波数のn倍(nは1以上の整数)の周波数を含むことを特徴とする請求項2記載の液晶表示用バックライト装置。
【請求項4】
インバータ回路の動作周波数を第1の周波数から第2の周波数へ連続的に低下させる時間と、第2の周波数から第1の周波数へ連続的に増加させる時間とが略同一であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液晶表示用バックライト装置。
【請求項5】
第1の周波数と第2の周波数の間で周波数が変化するのに要する時間は液晶パネルの垂直同期周波数の逆数の0.1倍以下で100μs以上としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液晶表示用バックライト装置。
【請求項6】
時間の経過に対する周波数の変化幅が最大となるのは周波数の変化を開始した直後であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液晶表示用バックライト装置。
【請求項7】
前記制御回路は、調光信号におけるランプ電流を高出力とする期間が短くなるのに応じて、第1の周波数を低く設定することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の液晶表示用バックライト装置。
【請求項8】
前記制御回路は、調光信号におけるランプ電流を高出力とする期間が短くなるのに応じて、周波数が変化するのに要する時間を長く設定することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の液晶表示用バックライト装置。
【請求項9】
前記予熱回路は前記制御回路によるインバータ回路の動作周波数の制御と連動して予熱電流を制御されており、第1の周波数における予熱電流は、第2の周波数における予熱電流よりも大きいことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の液晶表示用バックライト装置。
【請求項10】
液晶パネルの背面に複数本の蛍光ランプを水平走査線と略平行に並設し、前記制御回路は、液晶パネルの表示が更新された領域の背後にある蛍光ランプのランプ電流が順次増加するようにインバータの動作周波数を制御することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の液晶表示用バックライト装置。
【請求項1】
熱陰極型の蛍光ランプに高周波のランプ電流を流すインバータ回路と、前記蛍光ランプの一対のフィラメントに予熱電流を流す予熱回路と、前記インバータ回路の動作周波数をランプ電流がゼロでない低出力となる第1の周波数と第1の周波数より低くランプ電流が高出力となる第2の周波数の間で変化させる制御回路とを備える液晶表示用バックライト装置であって、前記制御回路は、液晶パネルの表示更新周期に合わせてランプ電流を高/低に切り替える調光信号を受けて、ランプ電流を低出力から高出力に切り替えるときにインバータ回路の動作周波数を第1の周波数から第2の周波数へ時間の経過と共に連続的に低下させると共に、ランプ電流を高出力から低出力に切り替えるときにインバータ回路の動作周波数を第2の周波数から第1の周波数へ時間の経過と共に連続的に増加させることを特徴とする液晶表示用バックライト装置。
【請求項2】
第1の周波数と第2の周波数の間に、周波数が不連続的に変化する禁止周波数帯を設けたことを特徴とする請求項1記載の液晶表示用バックライト装置。
【請求項3】
禁止周波数帯は、液晶パネルの水平走査周波数のn倍(nは1以上の整数)の周波数を含むことを特徴とする請求項2記載の液晶表示用バックライト装置。
【請求項4】
インバータ回路の動作周波数を第1の周波数から第2の周波数へ連続的に低下させる時間と、第2の周波数から第1の周波数へ連続的に増加させる時間とが略同一であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液晶表示用バックライト装置。
【請求項5】
第1の周波数と第2の周波数の間で周波数が変化するのに要する時間は液晶パネルの垂直同期周波数の逆数の0.1倍以下で100μs以上としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液晶表示用バックライト装置。
【請求項6】
時間の経過に対する周波数の変化幅が最大となるのは周波数の変化を開始した直後であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液晶表示用バックライト装置。
【請求項7】
前記制御回路は、調光信号におけるランプ電流を高出力とする期間が短くなるのに応じて、第1の周波数を低く設定することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の液晶表示用バックライト装置。
【請求項8】
前記制御回路は、調光信号におけるランプ電流を高出力とする期間が短くなるのに応じて、周波数が変化するのに要する時間を長く設定することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の液晶表示用バックライト装置。
【請求項9】
前記予熱回路は前記制御回路によるインバータ回路の動作周波数の制御と連動して予熱電流を制御されており、第1の周波数における予熱電流は、第2の周波数における予熱電流よりも大きいことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の液晶表示用バックライト装置。
【請求項10】
液晶パネルの背面に複数本の蛍光ランプを水平走査線と略平行に並設し、前記制御回路は、液晶パネルの表示が更新された領域の背後にある蛍光ランプのランプ電流が順次増加するようにインバータの動作周波数を制御することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の液晶表示用バックライト装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2007−219322(P2007−219322A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−41648(P2006−41648)
【出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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