液晶表示装置
【課題】高精細画面の液晶表示装置において、画素の面積が小さくなっても、透過率が大きく低下することを防止する。
【解決手段】ゲート線101とドレイン線104で囲まれた領域に画素電極106が形成されている。ゲート線101の下には、上面と斜面を有する台形状の突起10が形成されている。TFTは台形状の突起10の上に形成され、チャンネル部1031は台形状の突起10の上面と斜面に渡って形成されているので、チャンネル幅は平面に形成した場合よりも大きくすることが出来る。画素電極106は、台形状の突起10の斜面において、ソース電極106と接触する。この構成によれば、TFTも画素電極106とソース電極105とのコンタクトも台形状の突起10の部分に形成できるので、画素の透過率を上げることが出来る。
【解決手段】ゲート線101とドレイン線104で囲まれた領域に画素電極106が形成されている。ゲート線101の下には、上面と斜面を有する台形状の突起10が形成されている。TFTは台形状の突起10の上に形成され、チャンネル部1031は台形状の突起10の上面と斜面に渡って形成されているので、チャンネル幅は平面に形成した場合よりも大きくすることが出来る。画素電極106は、台形状の突起10の斜面において、ソース電極106と接触する。この構成によれば、TFTも画素電極106とソース電極105とのコンタクトも台形状の突起10の部分に形成できるので、画素の透過率を上げることが出来る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に係り、特に画面が高精細になり、画素サイズが小さくなっても明るさを維持することが出来る液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置では画素電極および薄膜トランジスタ(TFT)等を有する画素がマトリクス状に形成されたTFT基板と、TFT基板に対向して、TFT基板の画素電極と対応する場所にカラーフィルタ等が形成された対向基板が配置され、TFT基板と対向基板の間に液晶が挟持されている。そして液晶分子による光の透過率を画素毎に制御することによって画像を形成している。
【0003】
液晶表示装置はフラットで軽量であることから、色々な分野で用途が広がっている。携帯電話やDSC(Digital Still Camera)等には、小型の液晶表示装置が広く使用されている。小型の液晶表示装置において、画面の精細度を保つためには画素が小さくなる。各画素には画素電極の他、TFT、TFTと画素電極を接続するスルーホール等が形成されている。画素が小さくなっても、TFT、スルーホールのサイズを比例して縮小することは、困難なので、画素電極の面積が小さくなる。この結果液晶表示パネルの透過率が減少して液晶表示装置の輝度が小さくなる。
【0004】
一方、液晶表示装置では視野角特性が問題である。視野角特性は、画面を正面から見た場合と、斜め方向から見た場合に、輝度が変化したり、色度が変化したりする現象である。視野角特性は、液晶分子を水平方向の電界によって動作させるIPS(In Plane Switching)方式が優れた特性を有している。
【0005】
IPSでは、TFT基板側に画素電極と対向電極を形成するので、透過率の問題はより深刻である。IPS方式も種々存在するが、例えば、対向電極を平面ベタで形成し、その上に、絶縁膜を挟んで櫛歯状の画素電極を配置し、画素電極と対向電極の間に発生する電界によって液晶分子を回転させる方式が透過率を大きくすることが出来るので、現在主流となっている。このような方式の液晶表示装置を記載したものとして、「特許文献1」が挙げられる。なお、画素電極を平面ベタで形成し、その上に、絶縁膜を挟んで櫛歯状の対向電極を配置する場合も同様である。
【0006】
一方、IPS方式の他の構成として、「特許文献2」には、ゲート電極と同じ層に対向電極を形成し、ゲート絶縁膜および、保護絶縁膜を挟んで櫛歯状の画素電極を形成する構成が記載されている。「特許文献2」によれば、TFT基板における層数を低減することが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−328210号公報
【特許文献2】特開2009−168878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
最近は、小型の液晶表示装置においても、VGA(Vudeo Graphics Array、640×480ドット)のような高精細画面が要求されている。ここで、ドットとは、赤画素、緑画素、青画素の3ピクセルがセットになったものであるから、ピクセル数でいうと1920×480になる。3インチの画面でVGAを可能にするには、ピクセル(画素)の短径は32μmというように、非常に小さなものになる。
【0009】
画素が小さくなっても、所定の透過率を維持するためには、小さな面積にTFT、スルーホール等を配置し、画素電極面積が占める割合を出来るだけ大きくする必要がある。しかし、画素面積に比例してTFT、TFTのソース電極と画素電極を接続するスルーホールを小さくすることは、液晶表示装置の性能、製造プロセスの裕度等から限界がある。「特許文献2」の構成によれば、該スルーホールは、無機パッシベーション膜1層のみに形成すればよいので、スルーホールの面積を小さくでき、透過率を向上させることが出来る。しかし、十分ではない。
【0010】
本発明の課題は、画素が小さくなっても、TFTの性能を低下させず、かつ、プロセスの裕度を確保して、画素内における画素電極の面積の割合を大きくして、液晶表示装置の輝度を維持することが出来る液晶表示装置を実現することである。なお、従来技術の問題点として、IPS方式の液晶表示装置について述べたが、本質的には、TN(Twisted Nematic)方式、VA(Vertical Alignment)方式でも同様の問題点を有している。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記問題を克服するものであり、主な手段は次のとおりである。
【0012】
(1)第1の方向に延在し、第2の方向に配列したゲート線と、前記第2の方向に延在し、前記第1の方向に配列したドレイン線とによって囲まれた領域に画素電極が形成されたTFT基板を有する液晶表示装置であって、前記ゲート線の下には、前記第1の方向に離散的に台形状の突起が形成され、前記台形状の突起は、前記第1の方向と直角な面で切断した断面において、上面と斜面を有し、前記ゲート線の上にはゲート絶縁膜が形成され、前記ゲート絶縁膜の上には半導体層が形成され、前記半導体層の上には、前記ドレイン線によってドレイン電極が形成され、かつ、前記ドレイン電極とチャンネル部を挟んで対向するソース電極が存在し、前記チャンネル部は前記台形状の突起の前記上面と前記斜面を覆って形成されており、前記台形状の突起の前記斜面において、前記画素電極と前記ソース電極が接触していることを特徴とする液晶表示装置である。
【0013】
(2)ソース電極と画素電極の間に無機パッシベーション膜を介する場合は、前記台形状の突起の上面において無機パッシベーション膜にスルーホールを形成しソース電極と画素電極の導通を取る。
【0014】
(3)ゲート線の下に離散的に形成された台形状の突起の代わりに、ゲート線の下に、連続的なバンクを形成し、バンク上にTFTを形成し、バンクの斜面において、ソース電極と画素電極の導通を取る。
【0015】
(4)ゲート線の下に離散的に形成された台形状の突起の代わりに、ゲート線の下に、連続的なバンクを形成し、バンク上にTFTを形成する場合、ソース電極と画素電極の間に無機パッシベーション膜を介するときは、前記バンクの上面において無機パッシベーション膜にスルーホールを形成しソース電極と画素電極の導通を取る。
【0016】
(5)以上の構成はIPS方式でもTN方式でもVA方式でも適用することが出来る。
【発明の効果】
【0017】
手段(1)によれば、TFTを台形状の突起に形成し、かつ、スルーホールを用いないので、画素領域を殆ど画素電極とすることが出来、液晶表示パネルの透過率を向上させることが出来る。
【0018】
手段(2)によれば、TFTのソース電極と画素電極を無機パッシベーション膜に形成されたスルーホールを介して導通する場合であっても、スルーホールは台形状の突起の上面に形成するので、画素領域を殆ど画素電極とすることが出来、液晶表示パネルの透過率を向上させることが出来る。
【0019】
手段(3)によれば、連続的なバンクにTFTを形成し、かつ、スルーホールを用いないので、画素領域を殆ど画素電極とすることが出来、液晶表示パネルの透過率を向上させることが出来る。
【0020】
手段(4)によれば、TFTのソース電極と画素電極を無機パッシベーション膜に形成されたスルーホールを介して導通する場合であっても、スルーホールはバンクの上面に形成するので、画素領域を殆ど画素電極とすることが出来、液晶表示パネルの透過率を向上させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施例1のTFT基板の斜視図である。
【図2】実施例1のA−A断面に対応する液晶表示パネルの断面図である。
【図3】TFTのチャンネル部の断面図である。
【図4】台形部の斜視図である。
【図5】台形部を覆ってゲート線を形成した斜視図である。
【図6】台形部の表面に半導体層を形成した斜視図である。
【図7】台形部の表面にドレイン電極とソース電極を形成した斜視図である。
【図8】画素領域および台形部の斜面に画素電極を形成した状態を示す斜視図である。
【図9】実施例1におけるドレイン電極、ソース電極、チャンネル部、画素電極の関係を表示した斜視図である。
【図10】台形部に形成されたTFT部の平面図である。
【図11】図10のB−B断面図である。
【図12】図10のC−C断面図である。
【図13】実施例2液晶表示パネルの断面図である。
【図14】実施例2の画素電極の形成領域および無機パッシベーション膜に形成されたスルーホールを示す斜視図である。
【図15】実施例2におけるドレイン電極、ソース電極、チャンネル部、画素電極、スルーホールの関係を表示した斜視図である。
【図16】実施例2における、台形部に形成されたTFT部の平面図である。
【図17】図16のD−D断面図である。
【図18】図16のE−E断面図である。
【図19】図16のF−F断面図である。
【図20】実施例3のTFT基板の斜視図である。
【図21】図20のG−G断面図である。
【図22】実施例4のTFT基板の斜視図である。
【図23】図22のH−H断面図である。
【図24】実施例5液晶表示パネルの断面図である。
【図25】実施例6液晶表示パネルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、実施例にしたがって、本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0023】
図1は、本実施例における液晶表示パネルにおけるTFT基板100の斜視図である。図1は、TFT基板100の画素電極106までの構成の斜視図である。図2は、図1におけるA−A断面に対応した液晶表示パネルの断面図である。図3は、図1のTFTにおいて、チャンネル部1031に沿った断面図である。
【0024】
図1において、ゲート線101が横方向に延在し、ドレイン線104が縦方向に延在し、ゲート線101とドレイン線104で囲まれた領域に画素電極106が存在している。図1の構成では画素電極106は平面ベタで形成されている。ゲート線101の下には台形状の突起が形成されている。以後台形状の突起を台形部10という。台形部10にTFTが形成されている。
【0025】
図1において、台形部10の左側にはドレイン線104が存在し、これがドレイン電極104となっている。また、台形部10の右側には、ソース電極105が形成されている。ドレイン電極104とソース電極105の間がTFTのチャンネル部1031となっているが、チャンネル部1031は台形部10の上面と斜面に延在して形成されている。
【0026】
図1において、画素電極106は、台形部10の斜面において、スルーホール110を介さず、ソース電極105と直接接続している。したがって、画素電極106は、ゲート線101とドレイン線104で囲まれた領域のほぼ全てに形成することが出来るので、液晶表示パネルの透過率を従来に比べて大幅に向上させることが出来る。
【0027】
図2は、図1のA−A断面に沿って液晶表示パネルを切断した断面となっている。図2において、TFT基板100の上に台形部10が形成されている。台形部10の表面には、ゲート線101が形成されている。ゲート線101を含むTFT基板100全体を覆ってゲート絶縁膜102が形成されている。ゲート絶縁膜102の上に半導体層103がa−Siによって形成されている。半導体層103を覆ってソース電極105が形成されている。
【0028】
台形部10の斜面において、画素電極106とソース電極105が直接接触している。したがって、本実施例においては、TFTのソース電極105と画素電極106を接続するためのスルーホール110は存在しない。しかも、ソース電極105と画素電極106との接続は、台形部10の斜面で行われるので、接続部による透過率の低下は無い。
【0029】
ソース電極105および画素電極106を覆って層間絶縁膜120が形成されている。層間絶縁膜120の上には、櫛歯状の対向電極130が形成されている。櫛歯状の対向電極130と下部に平面ベタで形成された画素電極106との間に発生する電気力線によって液晶分子を回転させ、液晶層150を透過する光を制御して画像を形成する。
【0030】
図2において、TFT基板100と対向電極130との間に液晶層150が挟持されている。図2では、液晶を初期配向させるための配向膜は記載を省略している。図2に示すように、本実施例では、画素領域にはTFTおよびスルーホールは存在していないので、画素の透過率を大幅に向上させることが出来る。
【0031】
図3は、台形部10に形成されたTFTのチャンネル部1031の断面図である。本実施例では、TFTをゲート線101上に形成する必要があるが、TFTのチャンネル部1031の幅が小さいと、ON電流を十分にとれず、スイッチングスピードが遅くなる。これを対策するために、本発明では、台形部10の上面および斜面をチャンネル部1031として使用することによって必要なチャンネル幅を確保している。
【0032】
図3において、台形部10を覆ってゲート線101が形成され、その上にゲート絶縁膜102が形成されている。ゲート絶縁膜102の上で、台形部10の上面および斜面を覆って半導体層103が形成されている。したがって、台形部10の表面全てをチャンネル部1031として使用している。
【0033】
図3における台形部10の断面で、高さHが2μm、上底TWが4μm、下底BWが6μmとした場合、図3におけるTは1μmである。台形の表面全体にチャンネル部1031を形成した場合、チャンネル部1031の幅は、4+2√5=8.47μmとなる。台形部10を形成しない場合、ゲート線101全部をチャンネル部1031として使用しても6μmであるので、本発明によって。チャンネル部1031を40%以上大きくすることが出来、その分TFTのON電流を大きくすることが出来る。
【0034】
図4〜図9は本発明の要部を形成するためのプロセスである。まず、図4に示すように、TFT基板100上に台形部10を形成する。台形部10はゲート線101が形成される場所に形成される。台形部10が形成されるときは、まだゲート線101は形成されていないが、図4においては、ゲート線101の位置が点線で記載されている。
【0035】
台形部10は例えば、感光性のアクリル樹脂、あるいは、フェノール樹脂等によって形成することが出来る。台形部10の形状は、例えば、高さが2μm、下面BW×BLが6μm×10μm、上面TW×TLが4×8μmである。
【0036】
図5はゲート線101を形成した状態である。ゲート線101の幅と台形部10の下面の幅は同じである。したがって、台形部10の表面は全てゲート線101によって覆われている。その後、図示しないSiNのスパッタリングによって形成されるゲート絶縁膜102によってTFT基板100全面を覆う。
【0037】
図6において、ゲート絶縁膜102の上に、TFTのチャンネル部1031となる半導体層103を形成する。半導体層103は、所定の幅をもって、台形部10の上面および2つの斜面に形成される。図7は、半導体層103の上にチャンネル部1031を残してドレイン線104とソース電極105を形成した状態を示している。TFTのドレイン電極104はドレイン線104が兼用している。図7に示すように、TFTのチャンネル部1031は台形部10の上面と斜面に形成されているので、チャンネル幅を大きくすることが出来、ON電流を大きくすることが出来る。
【0038】
図8は画素電極106を形成した状態を示すものである。画素電極106は、ソース電極105が形成されている台形部10の斜面で、ソース電極105と一部オーバーラップして形成される。したがって、本実施例においては、TFTのドレイン電極104と画素電極106を接続するためのスルーホールは必要無い。
【0039】
図9は、ドレイン線104とソース電極105と画素電極106を斜線で示したものである。台形部10の斜面において、画素電極106とソース電極105がオーバーラップして形成されていることを示している。図9に示すように、ゲート線101とドレイン線104で囲まれた領域にはTFTおよびスルーホール110は形成されていないので、殆どの領域を画素電極106として形成することが出来るので、液晶表示パネルの透過率を向上させることが出来る。
【0040】
図10は、ゲート線101とドレイン線104の交点付近で、TFTが形成されている台形部10の平面図である。台形部10の左側にドレイン線104が形成され、右側にソース電極105が形成され、ドレイン線104とソース電極105の間がTFTのチャンネル部1031となっている。図10において、画素電極106が台形部10の斜面にも延在して形成され、ソース電極105と接続を取っている、
図11は図10のB−B断面図である。図11において、台形部10の表面を覆ってゲート線101が形成され、ゲート線101を覆ってゲート絶縁膜102が形成されている。台形部10の上面で、ゲート絶縁膜102の上に半導体層103が形成され、半導体層103のチャンネル部1031を挟んで右側にドレイン線104、左側にソース電極105が形成されている。そして、全体をSiNで形成された層間絶縁膜120で覆っている。
【0041】
図12は図10のC−C断面図である。図12において、台形部10の表面を覆ってゲート線101が形成され、ゲート線101を覆ってゲート絶縁膜102が形成されている。台形部10の上面と斜面を覆ってゲート絶縁膜102の上に半導体層103が形成されている。このように、半導体層103が台形部10の上面と斜面を覆って形成されているので、TFTのチャンネル部1031の幅を大きく形成することが出来る。
【0042】
図12において、半導体層103を覆ってソース電極105が形成されている。台形部10の一方の斜面において、ソース電極105と画素電極106がオーバーラップしてTFTのソース電極105と画素電極106の導通を取っている。そして全体を覆って層間絶縁膜120が形成されている。なお、図2、図9図、図12等では、画素電極106とソース電極105とは台形部10の斜面において直接接触しているとしたが、これに加え、台形部10の上面においても接触していてもよい。
【0043】
このように、本実施例によれば、TFTはゲート線101の上に形成した台形部10に形成することが出来、かつ、TFTと画素電極106を接続するためのスルーホール110を形成する必要が無いので、従来の構成に比べて、TFTの性能を低下させることなく、液晶表示パネルの透過率を上昇させることが出来る。
【実施例2】
【0044】
図13は図1において、A−A断面に対応し、台形部10で、半導体層103が形成されていないが、図1では図示しないスルーホール110が形成された部分の断面に対応する図である。実施例1では、画素電極106とTFTのソース電極105とを台形部10の斜面において直接オーバーラップさせることによって導通を取っている。しかし、ソース電極105の材料、フォトリソグラフィにおけるエッチング液、現像液の材料等の制約から実施例1の構成をとることが困難な場合がある。このような場合は、ソース電極105の上に無機パッシベーション膜107を形成し、その上に平面ベタで画素電極106を形成する。この場合、画素電極106の上に層間絶縁膜120を形成し、層間絶縁膜120の上に櫛歯状の対向電極を形成する。
【0045】
図13において、ソース電極105と画素電極106との導通はスルーホール110を介して行われる。図13におけるその他の動作は実施例1の図2で説明したのと同様である。
【0046】
図14は実施例2におけるプロセスの一部を示したものである。台形部10の上にゲート線101、ゲート絶縁膜102、半導体層103、ドレイン線104、ソース電極105を形成するまでは実施例1と同様である。本実施例はその後、無機パッシベーション膜107をSiNによって形成する。無機パッシベーション膜107には台形部10の上面において、スルーホール110を形成する。
【0047】
図14に示すように、画素電極106を形成する。図14において、画素電極106が台形部10の上面にまで形成されている。これによって台形部10の上面に形成されている無機パッシベーション膜107のスルーホール110を通して、画素電極106とソース電極105の導通をとることが出来る。
【0048】
図15はこの状態を示すものである。図15において、ドレイン線104、ソース電極105、および、画素電極106に斜線が施されている。画素電極106とソース電極105の間には無機パッシベーション膜107が形成されているが、画素電極106は台形部10の上面において、スルーホール110を介してソース電極105と導通している。
【0049】
図16は、ゲート線101とドレイン線104の交点付近で、TFTが形成されている台形部10の平面図である。台形部10の左側にドレイン線104が形成され、右側にソース電極105が形成され、ドレイン線104とソース電極105の間がTFTのチャンネル部1031となっていることは実施例1と同様である。図16において、画素電極106が台形部10の斜面と上面に延在して形成され、図示しない無機パッシベーション膜に形成されたスルーホール110を介してソース電極105と接続を取っている、
図17は図16のD−D断面図である。図17において、台形部10の表面を覆ってゲート線101が形成され、ゲート線101を覆ってゲート絶縁膜102が形成されている。台形部10の上面で、ゲート絶縁膜102の上に半導体層103が形成され、半導体層103のチャンネル部1031を挟んで右側にドレイン線104、左側にソース電極105が形成されている。そして、全体をSiNで形成された無機パッシベーション膜107で覆っている。無機パッシベーション膜107には、台形部10の上面において、スルーホール110が形成され、この部分において、画素電極106とソース電極105とが導通を取っている。
【0050】
図18は図16のE−E断面図である。図18において、台形部10の表面を覆ってゲート線101が形成され、ゲート線101を覆ってゲート絶縁膜102が形成されている。台形部10の上面と斜面を覆ってゲート絶縁膜102の上に半導体層103が形成されている。このように、半導体層103が台形部10の上面と斜面を覆って形成されているので、TFTのチャンネル部1031の幅を大きく形成することが出来る。
【0051】
図18において、半導体層103を覆ってソース電極105が形成されている。ソース電極105を覆って無機パッシベーション膜107が形成されている。無機パッシベーション膜107の上に画素電極106が台形部10の上面にまで形成されている。画素電極106は他の部分においてソース電極105と導通を取っている。
【0052】
図19は、図16のF−F断面図である。図19に示す断面においては半導体層103は形成されておらず、ゲート絶縁膜102の上にソース電極105が形成さている。ソース電極105を覆って無機パッシベーション膜107が形成され、台形部10の上面において、無機パッシベーション膜107にスルーホール110が形成されている。画素領域から画素電極106が台形部10の上面にまで延在し、スルーホール110を介してソース電極105と導通している。
【0053】
なお、TFTのチャンネル部1031における断面構造は、実施例1の図3で説明したのと同様である。したがって、本実施例においても、ゲート線101上の台形部10にTFTを形成し、画素領域にTFTを形成しなくて済むので、液晶表示パネルの透過率を向上させることが出来る。また、画素電極106とソース電極105を導通するためのスルーホール110も台形部10の上面に形成し、画素領域に形成しないので、スルーホール110によって液晶表示パネルの透過率を低下させることが無い。
【実施例3】
【0054】
図20は本発明の第3の実施例を示すTFT基板100の斜視図である。本実施例が実施例1と異なる点は、実施例1では、ゲート線101の下には、台形部10が形成されていたのに対し、本実施例では、ゲート線101の下は、連続したバンク20が形成されているということである。本実施例では、台形状の突起ではなく、連続したバンク20なので、ゲート線101は多数の凹凸を経なくてよいので、実施例1に比較してゲート線101が断線しにくいという利点がある。
【0055】
図20において、ドレイン線104が縦方向にバンク20を乗り越えながら延在している。横方向には、連続したバンク20を覆ってゲート線101が延在している。ドレイン線104とゲート線101で囲まれた領域に画素電極106が形成されている。バンク20の上面と斜面にTFTが形成されている。バンク20上において、ドレイン線104がドレイン電極104を兼ねており、チャンネル部1031を挟んで右側にはソース電極105が形成されている。TFTのチャンネル部1031はバンク20の上面と斜面に形成されているので、チャンネル幅を大きくとることが出来ることは実施例1と同様である。
【0056】
図20において、画素電極106は、バンク20の斜面にまで延在し、この部分においてソース電極105と導通を取っている。したがって、本実施例においても画素電極106とソース電極105の導通のためのスルーホール110は必要無い。図21は図20のG−G断面図である。図21において、バンク20の上にゲート線101が形成され、その上にゲート絶縁膜102が形成されている。ゲート絶縁膜102の上に半導体層103が形成され、半導体層103の左側にドレイン電極104を兼ねるドレイン線104が、チャンネル部1031を挟んで半導体層103の右側にはソース電極105が形成されている。TFTを覆って層間絶縁膜120が形成されている。
【0057】
本実施例においても、TFTおよびスルーホール110を画素領域に形成しなくとも良いので、TFTの性能を低下させることなく、液晶表示パネルの透過率を向上させることが出来る。
【実施例4】
【0058】
図22は本発明の第4の実施例を示すTFT基板100の斜視図である。本実施例が実施例2と異なる点は、実施例2では、ゲート線101の下には、台形部10が形成されていたのに対し、本実施例では、ゲート線101の下は、連続したバンク20が形成されているということである。本実施例では、台形状の突起ではなく、連続したバンク20であり、ゲート線101は多数の凹凸を経なくてよいので、実施例2に比較してゲート線101が断線しにくいという利点がある。
【0059】
図22に示す構成はバンク20の上面に層間絶縁膜120に形成されたスルーホール110を介して画素電極106とソース電極105が導通している他は実施例3で説明した図20の構成と同様なので、詳しい説明は省略する。本実施例においても、TFTのチャンネル部1031はバンク20の上面と斜面に形成されているので、チャンネル幅を大きくとることが出来る。
【0060】
図22において、画素電極106は、バンク20の上面にまで延在し、この部分において無機パッシベーション膜107に形成されたスルーホール110を介してソース電極105と導通を取っている。したがって、スルーホール110は画素領域には形成されていない。
【0061】
図23は図22のH−H断面図である。図22において、ドレイン線104、ソース電極105の形成までは、実施例3の図21と同様である。図23において、ドレイン線104およびソース電極105の上に無機パッシベーション膜107が形成されている。図21では層間絶縁膜120であるが、無機パッシベーション膜107も層間絶縁膜120もSiNをスパッタリングすることによって形成される。
【0062】
図23においてバンク20の上面において、無機パッシベーション膜107にスルーホール110を形成し、スルーホール110を介してソース電極105とバンク20の上面まで延在してきた画素電極106との導通を取る。その後、画素電極106を覆って、図示しない層間絶縁膜120を形成する。
【0063】
本実施例においては、スルーホール110を形成するが、このスルーホール110はバンク20の上面に形成し、画素領域には形成しないので、画素領域の透過率を低下させることはない。また、TFTをON電流性能を低下させることなく、バンク20上に形成することが出来るので、液晶表示パネルの透過率を向上させることが出来る。
【実施例5】
【0064】
以上の実施例では、IPS方式の液晶表示装置について説明した。しかし、画素の面積が小さくなると、TFTあるいはスルーホール110の相対的な面積が大きくなって透過率が低下することはTN方式あるいはVA方式の液晶表示装置についても同様である。したがって以上で説明した本発明はTN方式あるいはVA方式についても同様に適用することが出来る。
【0065】
図1はTFT基板100の斜視図であるが、図1の構成は、TNあるいはVAのTFT基板100について同様に適用することが出来る。図24は、TN方式の液晶表示装置の場合の、図1のA−A断面に対応する液晶表示パネルの断面図である。図24において、TFT基板100の上に台形部10が形成され、台形部10を覆ってゲート線101が形成され、その上にゲート絶縁膜102が形成され、その上に半導体層103が形成されている。半導体層103を覆ってソース電極105が形成されている。台形部10の斜面において、画素領域から延在してきた画素電極106とソース電極105が直接接触して導通を取っている。
【0066】
ソース電極105を覆って無機パッシベーション膜107が形成されている。無機パッシベーション膜107は他の部分に形成されているTFTのチャンネル部1031を保護するためである。対向基板200には対向電極130が形成され、対向基板200とTFT基板100との間に液晶層150が挟持されている。このように、実施例1で説明したと同様構成をTFT基板100に形成し、画素部における透過率を向上させることが出来る。以上は実施例1に即して説明したが、ゲート線101の下に、台形部10ではなく、実施例3で説明したバンク20を形成する場合も同様にして適用することが出来る。
【実施例6】
【0067】
図25は図1において、A−A断面に対応し、台形部10で、半導体層103が形成されていないが、図1では図示しないスルーホール110が形成された部分の断面に対応する図である。すなわち、実施例2の図13に対応する図である。図25において、台形部10の上にゲート線101が形成され、その上のゲート絶縁膜102が形成され、その上のソース電極105が形成されている。図25において、半導体層103は別な断面に存在しているので、記載されていない。
【0068】
ソース電極105を覆って無機パッシベーション膜107が形成され、台形部10の上面において、無機パッシベーション膜107に形成されたスルーホール110を介して画素電極106がソース電極105と接続している。対向基板200には対向電極130が形成され、対向基板200とTFT基板100との間に液晶層150が挟持されている。
【0069】
このように、実施例2で説明したと同様の構成をTFT基板100に形成し、画素部における透過率を向上させることが出来る。以上は実施例2に即して説明したが、ゲート線101の下に、台形部10ではなく、実施例4で説明したバンク20を形成する場合も同様にして適用することが出来る。
【0070】
実施例5および実施例6では、TN方式を例にとって説明したが、この説明はVA方式の液晶表示装置についても同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0071】
10…台形部、 20…バンク、 100…TFT基板、 101…ゲート線、 102…ゲート絶縁膜、 103…半導体層、 104…ドレイン線、 105…ソース電極、 106…画素電極、 107…無機パッシベーション膜、 110…スルーホール、 120…層間絶縁膜、 130…対向電極、 150…液晶層、 200…対向基板、 1031…チャンネル部。
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に係り、特に画面が高精細になり、画素サイズが小さくなっても明るさを維持することが出来る液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置では画素電極および薄膜トランジスタ(TFT)等を有する画素がマトリクス状に形成されたTFT基板と、TFT基板に対向して、TFT基板の画素電極と対応する場所にカラーフィルタ等が形成された対向基板が配置され、TFT基板と対向基板の間に液晶が挟持されている。そして液晶分子による光の透過率を画素毎に制御することによって画像を形成している。
【0003】
液晶表示装置はフラットで軽量であることから、色々な分野で用途が広がっている。携帯電話やDSC(Digital Still Camera)等には、小型の液晶表示装置が広く使用されている。小型の液晶表示装置において、画面の精細度を保つためには画素が小さくなる。各画素には画素電極の他、TFT、TFTと画素電極を接続するスルーホール等が形成されている。画素が小さくなっても、TFT、スルーホールのサイズを比例して縮小することは、困難なので、画素電極の面積が小さくなる。この結果液晶表示パネルの透過率が減少して液晶表示装置の輝度が小さくなる。
【0004】
一方、液晶表示装置では視野角特性が問題である。視野角特性は、画面を正面から見た場合と、斜め方向から見た場合に、輝度が変化したり、色度が変化したりする現象である。視野角特性は、液晶分子を水平方向の電界によって動作させるIPS(In Plane Switching)方式が優れた特性を有している。
【0005】
IPSでは、TFT基板側に画素電極と対向電極を形成するので、透過率の問題はより深刻である。IPS方式も種々存在するが、例えば、対向電極を平面ベタで形成し、その上に、絶縁膜を挟んで櫛歯状の画素電極を配置し、画素電極と対向電極の間に発生する電界によって液晶分子を回転させる方式が透過率を大きくすることが出来るので、現在主流となっている。このような方式の液晶表示装置を記載したものとして、「特許文献1」が挙げられる。なお、画素電極を平面ベタで形成し、その上に、絶縁膜を挟んで櫛歯状の対向電極を配置する場合も同様である。
【0006】
一方、IPS方式の他の構成として、「特許文献2」には、ゲート電極と同じ層に対向電極を形成し、ゲート絶縁膜および、保護絶縁膜を挟んで櫛歯状の画素電極を形成する構成が記載されている。「特許文献2」によれば、TFT基板における層数を低減することが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−328210号公報
【特許文献2】特開2009−168878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
最近は、小型の液晶表示装置においても、VGA(Vudeo Graphics Array、640×480ドット)のような高精細画面が要求されている。ここで、ドットとは、赤画素、緑画素、青画素の3ピクセルがセットになったものであるから、ピクセル数でいうと1920×480になる。3インチの画面でVGAを可能にするには、ピクセル(画素)の短径は32μmというように、非常に小さなものになる。
【0009】
画素が小さくなっても、所定の透過率を維持するためには、小さな面積にTFT、スルーホール等を配置し、画素電極面積が占める割合を出来るだけ大きくする必要がある。しかし、画素面積に比例してTFT、TFTのソース電極と画素電極を接続するスルーホールを小さくすることは、液晶表示装置の性能、製造プロセスの裕度等から限界がある。「特許文献2」の構成によれば、該スルーホールは、無機パッシベーション膜1層のみに形成すればよいので、スルーホールの面積を小さくでき、透過率を向上させることが出来る。しかし、十分ではない。
【0010】
本発明の課題は、画素が小さくなっても、TFTの性能を低下させず、かつ、プロセスの裕度を確保して、画素内における画素電極の面積の割合を大きくして、液晶表示装置の輝度を維持することが出来る液晶表示装置を実現することである。なお、従来技術の問題点として、IPS方式の液晶表示装置について述べたが、本質的には、TN(Twisted Nematic)方式、VA(Vertical Alignment)方式でも同様の問題点を有している。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記問題を克服するものであり、主な手段は次のとおりである。
【0012】
(1)第1の方向に延在し、第2の方向に配列したゲート線と、前記第2の方向に延在し、前記第1の方向に配列したドレイン線とによって囲まれた領域に画素電極が形成されたTFT基板を有する液晶表示装置であって、前記ゲート線の下には、前記第1の方向に離散的に台形状の突起が形成され、前記台形状の突起は、前記第1の方向と直角な面で切断した断面において、上面と斜面を有し、前記ゲート線の上にはゲート絶縁膜が形成され、前記ゲート絶縁膜の上には半導体層が形成され、前記半導体層の上には、前記ドレイン線によってドレイン電極が形成され、かつ、前記ドレイン電極とチャンネル部を挟んで対向するソース電極が存在し、前記チャンネル部は前記台形状の突起の前記上面と前記斜面を覆って形成されており、前記台形状の突起の前記斜面において、前記画素電極と前記ソース電極が接触していることを特徴とする液晶表示装置である。
【0013】
(2)ソース電極と画素電極の間に無機パッシベーション膜を介する場合は、前記台形状の突起の上面において無機パッシベーション膜にスルーホールを形成しソース電極と画素電極の導通を取る。
【0014】
(3)ゲート線の下に離散的に形成された台形状の突起の代わりに、ゲート線の下に、連続的なバンクを形成し、バンク上にTFTを形成し、バンクの斜面において、ソース電極と画素電極の導通を取る。
【0015】
(4)ゲート線の下に離散的に形成された台形状の突起の代わりに、ゲート線の下に、連続的なバンクを形成し、バンク上にTFTを形成する場合、ソース電極と画素電極の間に無機パッシベーション膜を介するときは、前記バンクの上面において無機パッシベーション膜にスルーホールを形成しソース電極と画素電極の導通を取る。
【0016】
(5)以上の構成はIPS方式でもTN方式でもVA方式でも適用することが出来る。
【発明の効果】
【0017】
手段(1)によれば、TFTを台形状の突起に形成し、かつ、スルーホールを用いないので、画素領域を殆ど画素電極とすることが出来、液晶表示パネルの透過率を向上させることが出来る。
【0018】
手段(2)によれば、TFTのソース電極と画素電極を無機パッシベーション膜に形成されたスルーホールを介して導通する場合であっても、スルーホールは台形状の突起の上面に形成するので、画素領域を殆ど画素電極とすることが出来、液晶表示パネルの透過率を向上させることが出来る。
【0019】
手段(3)によれば、連続的なバンクにTFTを形成し、かつ、スルーホールを用いないので、画素領域を殆ど画素電極とすることが出来、液晶表示パネルの透過率を向上させることが出来る。
【0020】
手段(4)によれば、TFTのソース電極と画素電極を無機パッシベーション膜に形成されたスルーホールを介して導通する場合であっても、スルーホールはバンクの上面に形成するので、画素領域を殆ど画素電極とすることが出来、液晶表示パネルの透過率を向上させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施例1のTFT基板の斜視図である。
【図2】実施例1のA−A断面に対応する液晶表示パネルの断面図である。
【図3】TFTのチャンネル部の断面図である。
【図4】台形部の斜視図である。
【図5】台形部を覆ってゲート線を形成した斜視図である。
【図6】台形部の表面に半導体層を形成した斜視図である。
【図7】台形部の表面にドレイン電極とソース電極を形成した斜視図である。
【図8】画素領域および台形部の斜面に画素電極を形成した状態を示す斜視図である。
【図9】実施例1におけるドレイン電極、ソース電極、チャンネル部、画素電極の関係を表示した斜視図である。
【図10】台形部に形成されたTFT部の平面図である。
【図11】図10のB−B断面図である。
【図12】図10のC−C断面図である。
【図13】実施例2液晶表示パネルの断面図である。
【図14】実施例2の画素電極の形成領域および無機パッシベーション膜に形成されたスルーホールを示す斜視図である。
【図15】実施例2におけるドレイン電極、ソース電極、チャンネル部、画素電極、スルーホールの関係を表示した斜視図である。
【図16】実施例2における、台形部に形成されたTFT部の平面図である。
【図17】図16のD−D断面図である。
【図18】図16のE−E断面図である。
【図19】図16のF−F断面図である。
【図20】実施例3のTFT基板の斜視図である。
【図21】図20のG−G断面図である。
【図22】実施例4のTFT基板の斜視図である。
【図23】図22のH−H断面図である。
【図24】実施例5液晶表示パネルの断面図である。
【図25】実施例6液晶表示パネルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、実施例にしたがって、本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0023】
図1は、本実施例における液晶表示パネルにおけるTFT基板100の斜視図である。図1は、TFT基板100の画素電極106までの構成の斜視図である。図2は、図1におけるA−A断面に対応した液晶表示パネルの断面図である。図3は、図1のTFTにおいて、チャンネル部1031に沿った断面図である。
【0024】
図1において、ゲート線101が横方向に延在し、ドレイン線104が縦方向に延在し、ゲート線101とドレイン線104で囲まれた領域に画素電極106が存在している。図1の構成では画素電極106は平面ベタで形成されている。ゲート線101の下には台形状の突起が形成されている。以後台形状の突起を台形部10という。台形部10にTFTが形成されている。
【0025】
図1において、台形部10の左側にはドレイン線104が存在し、これがドレイン電極104となっている。また、台形部10の右側には、ソース電極105が形成されている。ドレイン電極104とソース電極105の間がTFTのチャンネル部1031となっているが、チャンネル部1031は台形部10の上面と斜面に延在して形成されている。
【0026】
図1において、画素電極106は、台形部10の斜面において、スルーホール110を介さず、ソース電極105と直接接続している。したがって、画素電極106は、ゲート線101とドレイン線104で囲まれた領域のほぼ全てに形成することが出来るので、液晶表示パネルの透過率を従来に比べて大幅に向上させることが出来る。
【0027】
図2は、図1のA−A断面に沿って液晶表示パネルを切断した断面となっている。図2において、TFT基板100の上に台形部10が形成されている。台形部10の表面には、ゲート線101が形成されている。ゲート線101を含むTFT基板100全体を覆ってゲート絶縁膜102が形成されている。ゲート絶縁膜102の上に半導体層103がa−Siによって形成されている。半導体層103を覆ってソース電極105が形成されている。
【0028】
台形部10の斜面において、画素電極106とソース電極105が直接接触している。したがって、本実施例においては、TFTのソース電極105と画素電極106を接続するためのスルーホール110は存在しない。しかも、ソース電極105と画素電極106との接続は、台形部10の斜面で行われるので、接続部による透過率の低下は無い。
【0029】
ソース電極105および画素電極106を覆って層間絶縁膜120が形成されている。層間絶縁膜120の上には、櫛歯状の対向電極130が形成されている。櫛歯状の対向電極130と下部に平面ベタで形成された画素電極106との間に発生する電気力線によって液晶分子を回転させ、液晶層150を透過する光を制御して画像を形成する。
【0030】
図2において、TFT基板100と対向電極130との間に液晶層150が挟持されている。図2では、液晶を初期配向させるための配向膜は記載を省略している。図2に示すように、本実施例では、画素領域にはTFTおよびスルーホールは存在していないので、画素の透過率を大幅に向上させることが出来る。
【0031】
図3は、台形部10に形成されたTFTのチャンネル部1031の断面図である。本実施例では、TFTをゲート線101上に形成する必要があるが、TFTのチャンネル部1031の幅が小さいと、ON電流を十分にとれず、スイッチングスピードが遅くなる。これを対策するために、本発明では、台形部10の上面および斜面をチャンネル部1031として使用することによって必要なチャンネル幅を確保している。
【0032】
図3において、台形部10を覆ってゲート線101が形成され、その上にゲート絶縁膜102が形成されている。ゲート絶縁膜102の上で、台形部10の上面および斜面を覆って半導体層103が形成されている。したがって、台形部10の表面全てをチャンネル部1031として使用している。
【0033】
図3における台形部10の断面で、高さHが2μm、上底TWが4μm、下底BWが6μmとした場合、図3におけるTは1μmである。台形の表面全体にチャンネル部1031を形成した場合、チャンネル部1031の幅は、4+2√5=8.47μmとなる。台形部10を形成しない場合、ゲート線101全部をチャンネル部1031として使用しても6μmであるので、本発明によって。チャンネル部1031を40%以上大きくすることが出来、その分TFTのON電流を大きくすることが出来る。
【0034】
図4〜図9は本発明の要部を形成するためのプロセスである。まず、図4に示すように、TFT基板100上に台形部10を形成する。台形部10はゲート線101が形成される場所に形成される。台形部10が形成されるときは、まだゲート線101は形成されていないが、図4においては、ゲート線101の位置が点線で記載されている。
【0035】
台形部10は例えば、感光性のアクリル樹脂、あるいは、フェノール樹脂等によって形成することが出来る。台形部10の形状は、例えば、高さが2μm、下面BW×BLが6μm×10μm、上面TW×TLが4×8μmである。
【0036】
図5はゲート線101を形成した状態である。ゲート線101の幅と台形部10の下面の幅は同じである。したがって、台形部10の表面は全てゲート線101によって覆われている。その後、図示しないSiNのスパッタリングによって形成されるゲート絶縁膜102によってTFT基板100全面を覆う。
【0037】
図6において、ゲート絶縁膜102の上に、TFTのチャンネル部1031となる半導体層103を形成する。半導体層103は、所定の幅をもって、台形部10の上面および2つの斜面に形成される。図7は、半導体層103の上にチャンネル部1031を残してドレイン線104とソース電極105を形成した状態を示している。TFTのドレイン電極104はドレイン線104が兼用している。図7に示すように、TFTのチャンネル部1031は台形部10の上面と斜面に形成されているので、チャンネル幅を大きくすることが出来、ON電流を大きくすることが出来る。
【0038】
図8は画素電極106を形成した状態を示すものである。画素電極106は、ソース電極105が形成されている台形部10の斜面で、ソース電極105と一部オーバーラップして形成される。したがって、本実施例においては、TFTのドレイン電極104と画素電極106を接続するためのスルーホールは必要無い。
【0039】
図9は、ドレイン線104とソース電極105と画素電極106を斜線で示したものである。台形部10の斜面において、画素電極106とソース電極105がオーバーラップして形成されていることを示している。図9に示すように、ゲート線101とドレイン線104で囲まれた領域にはTFTおよびスルーホール110は形成されていないので、殆どの領域を画素電極106として形成することが出来るので、液晶表示パネルの透過率を向上させることが出来る。
【0040】
図10は、ゲート線101とドレイン線104の交点付近で、TFTが形成されている台形部10の平面図である。台形部10の左側にドレイン線104が形成され、右側にソース電極105が形成され、ドレイン線104とソース電極105の間がTFTのチャンネル部1031となっている。図10において、画素電極106が台形部10の斜面にも延在して形成され、ソース電極105と接続を取っている、
図11は図10のB−B断面図である。図11において、台形部10の表面を覆ってゲート線101が形成され、ゲート線101を覆ってゲート絶縁膜102が形成されている。台形部10の上面で、ゲート絶縁膜102の上に半導体層103が形成され、半導体層103のチャンネル部1031を挟んで右側にドレイン線104、左側にソース電極105が形成されている。そして、全体をSiNで形成された層間絶縁膜120で覆っている。
【0041】
図12は図10のC−C断面図である。図12において、台形部10の表面を覆ってゲート線101が形成され、ゲート線101を覆ってゲート絶縁膜102が形成されている。台形部10の上面と斜面を覆ってゲート絶縁膜102の上に半導体層103が形成されている。このように、半導体層103が台形部10の上面と斜面を覆って形成されているので、TFTのチャンネル部1031の幅を大きく形成することが出来る。
【0042】
図12において、半導体層103を覆ってソース電極105が形成されている。台形部10の一方の斜面において、ソース電極105と画素電極106がオーバーラップしてTFTのソース電極105と画素電極106の導通を取っている。そして全体を覆って層間絶縁膜120が形成されている。なお、図2、図9図、図12等では、画素電極106とソース電極105とは台形部10の斜面において直接接触しているとしたが、これに加え、台形部10の上面においても接触していてもよい。
【0043】
このように、本実施例によれば、TFTはゲート線101の上に形成した台形部10に形成することが出来、かつ、TFTと画素電極106を接続するためのスルーホール110を形成する必要が無いので、従来の構成に比べて、TFTの性能を低下させることなく、液晶表示パネルの透過率を上昇させることが出来る。
【実施例2】
【0044】
図13は図1において、A−A断面に対応し、台形部10で、半導体層103が形成されていないが、図1では図示しないスルーホール110が形成された部分の断面に対応する図である。実施例1では、画素電極106とTFTのソース電極105とを台形部10の斜面において直接オーバーラップさせることによって導通を取っている。しかし、ソース電極105の材料、フォトリソグラフィにおけるエッチング液、現像液の材料等の制約から実施例1の構成をとることが困難な場合がある。このような場合は、ソース電極105の上に無機パッシベーション膜107を形成し、その上に平面ベタで画素電極106を形成する。この場合、画素電極106の上に層間絶縁膜120を形成し、層間絶縁膜120の上に櫛歯状の対向電極を形成する。
【0045】
図13において、ソース電極105と画素電極106との導通はスルーホール110を介して行われる。図13におけるその他の動作は実施例1の図2で説明したのと同様である。
【0046】
図14は実施例2におけるプロセスの一部を示したものである。台形部10の上にゲート線101、ゲート絶縁膜102、半導体層103、ドレイン線104、ソース電極105を形成するまでは実施例1と同様である。本実施例はその後、無機パッシベーション膜107をSiNによって形成する。無機パッシベーション膜107には台形部10の上面において、スルーホール110を形成する。
【0047】
図14に示すように、画素電極106を形成する。図14において、画素電極106が台形部10の上面にまで形成されている。これによって台形部10の上面に形成されている無機パッシベーション膜107のスルーホール110を通して、画素電極106とソース電極105の導通をとることが出来る。
【0048】
図15はこの状態を示すものである。図15において、ドレイン線104、ソース電極105、および、画素電極106に斜線が施されている。画素電極106とソース電極105の間には無機パッシベーション膜107が形成されているが、画素電極106は台形部10の上面において、スルーホール110を介してソース電極105と導通している。
【0049】
図16は、ゲート線101とドレイン線104の交点付近で、TFTが形成されている台形部10の平面図である。台形部10の左側にドレイン線104が形成され、右側にソース電極105が形成され、ドレイン線104とソース電極105の間がTFTのチャンネル部1031となっていることは実施例1と同様である。図16において、画素電極106が台形部10の斜面と上面に延在して形成され、図示しない無機パッシベーション膜に形成されたスルーホール110を介してソース電極105と接続を取っている、
図17は図16のD−D断面図である。図17において、台形部10の表面を覆ってゲート線101が形成され、ゲート線101を覆ってゲート絶縁膜102が形成されている。台形部10の上面で、ゲート絶縁膜102の上に半導体層103が形成され、半導体層103のチャンネル部1031を挟んで右側にドレイン線104、左側にソース電極105が形成されている。そして、全体をSiNで形成された無機パッシベーション膜107で覆っている。無機パッシベーション膜107には、台形部10の上面において、スルーホール110が形成され、この部分において、画素電極106とソース電極105とが導通を取っている。
【0050】
図18は図16のE−E断面図である。図18において、台形部10の表面を覆ってゲート線101が形成され、ゲート線101を覆ってゲート絶縁膜102が形成されている。台形部10の上面と斜面を覆ってゲート絶縁膜102の上に半導体層103が形成されている。このように、半導体層103が台形部10の上面と斜面を覆って形成されているので、TFTのチャンネル部1031の幅を大きく形成することが出来る。
【0051】
図18において、半導体層103を覆ってソース電極105が形成されている。ソース電極105を覆って無機パッシベーション膜107が形成されている。無機パッシベーション膜107の上に画素電極106が台形部10の上面にまで形成されている。画素電極106は他の部分においてソース電極105と導通を取っている。
【0052】
図19は、図16のF−F断面図である。図19に示す断面においては半導体層103は形成されておらず、ゲート絶縁膜102の上にソース電極105が形成さている。ソース電極105を覆って無機パッシベーション膜107が形成され、台形部10の上面において、無機パッシベーション膜107にスルーホール110が形成されている。画素領域から画素電極106が台形部10の上面にまで延在し、スルーホール110を介してソース電極105と導通している。
【0053】
なお、TFTのチャンネル部1031における断面構造は、実施例1の図3で説明したのと同様である。したがって、本実施例においても、ゲート線101上の台形部10にTFTを形成し、画素領域にTFTを形成しなくて済むので、液晶表示パネルの透過率を向上させることが出来る。また、画素電極106とソース電極105を導通するためのスルーホール110も台形部10の上面に形成し、画素領域に形成しないので、スルーホール110によって液晶表示パネルの透過率を低下させることが無い。
【実施例3】
【0054】
図20は本発明の第3の実施例を示すTFT基板100の斜視図である。本実施例が実施例1と異なる点は、実施例1では、ゲート線101の下には、台形部10が形成されていたのに対し、本実施例では、ゲート線101の下は、連続したバンク20が形成されているということである。本実施例では、台形状の突起ではなく、連続したバンク20なので、ゲート線101は多数の凹凸を経なくてよいので、実施例1に比較してゲート線101が断線しにくいという利点がある。
【0055】
図20において、ドレイン線104が縦方向にバンク20を乗り越えながら延在している。横方向には、連続したバンク20を覆ってゲート線101が延在している。ドレイン線104とゲート線101で囲まれた領域に画素電極106が形成されている。バンク20の上面と斜面にTFTが形成されている。バンク20上において、ドレイン線104がドレイン電極104を兼ねており、チャンネル部1031を挟んで右側にはソース電極105が形成されている。TFTのチャンネル部1031はバンク20の上面と斜面に形成されているので、チャンネル幅を大きくとることが出来ることは実施例1と同様である。
【0056】
図20において、画素電極106は、バンク20の斜面にまで延在し、この部分においてソース電極105と導通を取っている。したがって、本実施例においても画素電極106とソース電極105の導通のためのスルーホール110は必要無い。図21は図20のG−G断面図である。図21において、バンク20の上にゲート線101が形成され、その上にゲート絶縁膜102が形成されている。ゲート絶縁膜102の上に半導体層103が形成され、半導体層103の左側にドレイン電極104を兼ねるドレイン線104が、チャンネル部1031を挟んで半導体層103の右側にはソース電極105が形成されている。TFTを覆って層間絶縁膜120が形成されている。
【0057】
本実施例においても、TFTおよびスルーホール110を画素領域に形成しなくとも良いので、TFTの性能を低下させることなく、液晶表示パネルの透過率を向上させることが出来る。
【実施例4】
【0058】
図22は本発明の第4の実施例を示すTFT基板100の斜視図である。本実施例が実施例2と異なる点は、実施例2では、ゲート線101の下には、台形部10が形成されていたのに対し、本実施例では、ゲート線101の下は、連続したバンク20が形成されているということである。本実施例では、台形状の突起ではなく、連続したバンク20であり、ゲート線101は多数の凹凸を経なくてよいので、実施例2に比較してゲート線101が断線しにくいという利点がある。
【0059】
図22に示す構成はバンク20の上面に層間絶縁膜120に形成されたスルーホール110を介して画素電極106とソース電極105が導通している他は実施例3で説明した図20の構成と同様なので、詳しい説明は省略する。本実施例においても、TFTのチャンネル部1031はバンク20の上面と斜面に形成されているので、チャンネル幅を大きくとることが出来る。
【0060】
図22において、画素電極106は、バンク20の上面にまで延在し、この部分において無機パッシベーション膜107に形成されたスルーホール110を介してソース電極105と導通を取っている。したがって、スルーホール110は画素領域には形成されていない。
【0061】
図23は図22のH−H断面図である。図22において、ドレイン線104、ソース電極105の形成までは、実施例3の図21と同様である。図23において、ドレイン線104およびソース電極105の上に無機パッシベーション膜107が形成されている。図21では層間絶縁膜120であるが、無機パッシベーション膜107も層間絶縁膜120もSiNをスパッタリングすることによって形成される。
【0062】
図23においてバンク20の上面において、無機パッシベーション膜107にスルーホール110を形成し、スルーホール110を介してソース電極105とバンク20の上面まで延在してきた画素電極106との導通を取る。その後、画素電極106を覆って、図示しない層間絶縁膜120を形成する。
【0063】
本実施例においては、スルーホール110を形成するが、このスルーホール110はバンク20の上面に形成し、画素領域には形成しないので、画素領域の透過率を低下させることはない。また、TFTをON電流性能を低下させることなく、バンク20上に形成することが出来るので、液晶表示パネルの透過率を向上させることが出来る。
【実施例5】
【0064】
以上の実施例では、IPS方式の液晶表示装置について説明した。しかし、画素の面積が小さくなると、TFTあるいはスルーホール110の相対的な面積が大きくなって透過率が低下することはTN方式あるいはVA方式の液晶表示装置についても同様である。したがって以上で説明した本発明はTN方式あるいはVA方式についても同様に適用することが出来る。
【0065】
図1はTFT基板100の斜視図であるが、図1の構成は、TNあるいはVAのTFT基板100について同様に適用することが出来る。図24は、TN方式の液晶表示装置の場合の、図1のA−A断面に対応する液晶表示パネルの断面図である。図24において、TFT基板100の上に台形部10が形成され、台形部10を覆ってゲート線101が形成され、その上にゲート絶縁膜102が形成され、その上に半導体層103が形成されている。半導体層103を覆ってソース電極105が形成されている。台形部10の斜面において、画素領域から延在してきた画素電極106とソース電極105が直接接触して導通を取っている。
【0066】
ソース電極105を覆って無機パッシベーション膜107が形成されている。無機パッシベーション膜107は他の部分に形成されているTFTのチャンネル部1031を保護するためである。対向基板200には対向電極130が形成され、対向基板200とTFT基板100との間に液晶層150が挟持されている。このように、実施例1で説明したと同様構成をTFT基板100に形成し、画素部における透過率を向上させることが出来る。以上は実施例1に即して説明したが、ゲート線101の下に、台形部10ではなく、実施例3で説明したバンク20を形成する場合も同様にして適用することが出来る。
【実施例6】
【0067】
図25は図1において、A−A断面に対応し、台形部10で、半導体層103が形成されていないが、図1では図示しないスルーホール110が形成された部分の断面に対応する図である。すなわち、実施例2の図13に対応する図である。図25において、台形部10の上にゲート線101が形成され、その上のゲート絶縁膜102が形成され、その上のソース電極105が形成されている。図25において、半導体層103は別な断面に存在しているので、記載されていない。
【0068】
ソース電極105を覆って無機パッシベーション膜107が形成され、台形部10の上面において、無機パッシベーション膜107に形成されたスルーホール110を介して画素電極106がソース電極105と接続している。対向基板200には対向電極130が形成され、対向基板200とTFT基板100との間に液晶層150が挟持されている。
【0069】
このように、実施例2で説明したと同様の構成をTFT基板100に形成し、画素部における透過率を向上させることが出来る。以上は実施例2に即して説明したが、ゲート線101の下に、台形部10ではなく、実施例4で説明したバンク20を形成する場合も同様にして適用することが出来る。
【0070】
実施例5および実施例6では、TN方式を例にとって説明したが、この説明はVA方式の液晶表示装置についても同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0071】
10…台形部、 20…バンク、 100…TFT基板、 101…ゲート線、 102…ゲート絶縁膜、 103…半導体層、 104…ドレイン線、 105…ソース電極、 106…画素電極、 107…無機パッシベーション膜、 110…スルーホール、 120…層間絶縁膜、 130…対向電極、 150…液晶層、 200…対向基板、 1031…チャンネル部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に延在し、第2の方向に配列したゲート線と、前記第2の方向に延在し、前記第1の方向に配列したドレイン線とによって囲まれた領域に画素電極が形成されたTFT基板を有する液晶表示装置であって、
前記ゲート線の下には、前記第1の方向に離散的に台形状の突起が形成され、
前記台形状の突起は、前記第1の方向と直角な面で切断した断面において、上面と斜面を有し、
前記ゲート線の上にはゲート絶縁膜が形成され、前記ゲート絶縁膜の上には半導体層が形成され、前記半導体層の上には、前記ドレイン線によってドレイン電極が形成され、かつ、前記ドレイン電極とチャンネル部を挟んで対向するソース電極が存在し、
前記チャンネル部は前記台形状の突起の前記上面と前記斜面を覆って形成されており、
前記台形状の突起の前記斜面において、前記画素電極と前記ソース電極が接触していることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記ゲート線と前記ドレイン線に囲まれた領域において層間絶縁膜が形成され、前記層間絶縁膜の上に櫛歯状対向電極が形成されている液晶表示装置。
【請求項3】
前記TFT基板基板と液晶層を介して対向している対向基板を有し、前記対向基板には対向電極が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
第1の方向に延在し、第2の方向に配列したゲート線と、前記第2の方向に延在し、前記第1の方向に配列したドレイン線とによって囲まれた領域に画素電極が形成されたTFT基板を有する液晶表示装置であって、
前記ゲート線の下には、前記第1の方向に離散的に台形状の突起が形成され、
前記台形状の突起は、前記第1の方向と直角な面で切断した断面において、上面と斜面を有し、
前記ゲート線の上にはゲート絶縁膜が形成され、前記ゲート絶縁膜の上には半導体層が形成され、前記半導体層の上には、前記ドレイン線によってドレイン電極が形成され、かつ、前記ドレイン電極とチャンネル部を挟んで対向するソース電極が存在し、
前記チャンネル部は前記台形状の突起の前記上面と前記斜面を覆って形成されており、
前記ソース電極の上には無機パッシベーション膜が形成され、
前記画素電極は、前記台形状の突起の前記斜面および前記上面に形成され、
前記画素電極は前記台形状の突起の前記上面において、前記無機パッシベーション膜に形成されたスルーホールを介して前記ソース電極と接続していることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項5】
前記ゲート線と前記ドレイン線に囲まれた領域において層間絶縁膜が形成され、前記層間絶縁膜の上に櫛歯状対向電極が形成されている請求項4に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記TFT基板基板と液晶層を介して対向している対向基板を有し、前記対向基板には対向電極が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
第1の方向に延在し、第2の方向に配列したゲート線と、前記第2の方向に延在し、前記第1の方向に配列したドレイン線とによって囲まれた領域に画素電極が形成されたTFT基板を有する液晶表示装置であって、
前記ゲート線の下には、前記第1の方向に連続的に形成されたバンクが形成され、
前記バンクは、前記第1の方向と直角な面で切断した断面において、上面と斜面を有し、
前記ゲート線の上にはゲート絶縁膜が形成され、前記ゲート絶縁膜の上には半導体層が形成され、前記半導体層の上には、前記ドレイン線によってドレイン電極が形成され、かつ、前記ドレイン電極とチャンネル部を挟んで対向するソース電極が存在し、
前記チャンネル部は前記バンクの前記上面と前記斜面を覆って形成されており、
前記バンクの前記斜面において、前記画素電極と前記ソース電極が接触していることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項8】
第1の方向に延在し、第2の方向に配列したゲート線と、前記第2の方向に延在し、前記第1の方向に配列したドレイン線とによって囲まれた領域に画素電極が形成されたTFT基板を有する液晶表示装置であって、
前記ゲート線の下には、前記第1の方向に連続的にバンクが形成され、
前記バンクは、前記第1の方向と直角な面で切断した断面において、上面と斜面を有し、
前記ゲート線の上にはゲート絶縁膜が形成され、前記ゲート絶縁膜の上には半導体層が形成され、前記半導体層の上には、前記ドレイン線によってドレイン電極が形成され、かつ、前記ドレイン電極とチャンネル部を挟んで対向するソース電極が存在し、
前記チャンネル部は前記台形状の突起の前記上面と前記斜面を覆って形成されており、
前記ソース電極の上には無機パッシベーション膜が形成され、
前記画素電極は、前記台形状の突起の前記斜面および前記上面に形成され、
前記画素電極は前記バンクの前記上面において、前記無機パッシベーション膜に形成されたスルーホールを介して前記ソース電極と接続していることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項1】
第1の方向に延在し、第2の方向に配列したゲート線と、前記第2の方向に延在し、前記第1の方向に配列したドレイン線とによって囲まれた領域に画素電極が形成されたTFT基板を有する液晶表示装置であって、
前記ゲート線の下には、前記第1の方向に離散的に台形状の突起が形成され、
前記台形状の突起は、前記第1の方向と直角な面で切断した断面において、上面と斜面を有し、
前記ゲート線の上にはゲート絶縁膜が形成され、前記ゲート絶縁膜の上には半導体層が形成され、前記半導体層の上には、前記ドレイン線によってドレイン電極が形成され、かつ、前記ドレイン電極とチャンネル部を挟んで対向するソース電極が存在し、
前記チャンネル部は前記台形状の突起の前記上面と前記斜面を覆って形成されており、
前記台形状の突起の前記斜面において、前記画素電極と前記ソース電極が接触していることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記ゲート線と前記ドレイン線に囲まれた領域において層間絶縁膜が形成され、前記層間絶縁膜の上に櫛歯状対向電極が形成されている液晶表示装置。
【請求項3】
前記TFT基板基板と液晶層を介して対向している対向基板を有し、前記対向基板には対向電極が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
第1の方向に延在し、第2の方向に配列したゲート線と、前記第2の方向に延在し、前記第1の方向に配列したドレイン線とによって囲まれた領域に画素電極が形成されたTFT基板を有する液晶表示装置であって、
前記ゲート線の下には、前記第1の方向に離散的に台形状の突起が形成され、
前記台形状の突起は、前記第1の方向と直角な面で切断した断面において、上面と斜面を有し、
前記ゲート線の上にはゲート絶縁膜が形成され、前記ゲート絶縁膜の上には半導体層が形成され、前記半導体層の上には、前記ドレイン線によってドレイン電極が形成され、かつ、前記ドレイン電極とチャンネル部を挟んで対向するソース電極が存在し、
前記チャンネル部は前記台形状の突起の前記上面と前記斜面を覆って形成されており、
前記ソース電極の上には無機パッシベーション膜が形成され、
前記画素電極は、前記台形状の突起の前記斜面および前記上面に形成され、
前記画素電極は前記台形状の突起の前記上面において、前記無機パッシベーション膜に形成されたスルーホールを介して前記ソース電極と接続していることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項5】
前記ゲート線と前記ドレイン線に囲まれた領域において層間絶縁膜が形成され、前記層間絶縁膜の上に櫛歯状対向電極が形成されている請求項4に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記TFT基板基板と液晶層を介して対向している対向基板を有し、前記対向基板には対向電極が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
第1の方向に延在し、第2の方向に配列したゲート線と、前記第2の方向に延在し、前記第1の方向に配列したドレイン線とによって囲まれた領域に画素電極が形成されたTFT基板を有する液晶表示装置であって、
前記ゲート線の下には、前記第1の方向に連続的に形成されたバンクが形成され、
前記バンクは、前記第1の方向と直角な面で切断した断面において、上面と斜面を有し、
前記ゲート線の上にはゲート絶縁膜が形成され、前記ゲート絶縁膜の上には半導体層が形成され、前記半導体層の上には、前記ドレイン線によってドレイン電極が形成され、かつ、前記ドレイン電極とチャンネル部を挟んで対向するソース電極が存在し、
前記チャンネル部は前記バンクの前記上面と前記斜面を覆って形成されており、
前記バンクの前記斜面において、前記画素電極と前記ソース電極が接触していることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項8】
第1の方向に延在し、第2の方向に配列したゲート線と、前記第2の方向に延在し、前記第1の方向に配列したドレイン線とによって囲まれた領域に画素電極が形成されたTFT基板を有する液晶表示装置であって、
前記ゲート線の下には、前記第1の方向に連続的にバンクが形成され、
前記バンクは、前記第1の方向と直角な面で切断した断面において、上面と斜面を有し、
前記ゲート線の上にはゲート絶縁膜が形成され、前記ゲート絶縁膜の上には半導体層が形成され、前記半導体層の上には、前記ドレイン線によってドレイン電極が形成され、かつ、前記ドレイン電極とチャンネル部を挟んで対向するソース電極が存在し、
前記チャンネル部は前記台形状の突起の前記上面と前記斜面を覆って形成されており、
前記ソース電極の上には無機パッシベーション膜が形成され、
前記画素電極は、前記台形状の突起の前記斜面および前記上面に形成され、
前記画素電極は前記バンクの前記上面において、前記無機パッシベーション膜に形成されたスルーホールを介して前記ソース電極と接続していることを特徴とする液晶表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2012−98329(P2012−98329A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243411(P2010−243411)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】
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