説明

液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、シリコン製基板の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、及び液滴吐出装置の製造方法

【課題】振動板の厚みばらつきが低減されて厚みが高精度化され、さらに共通電極を容易に取り出すことができる液滴吐出ヘッド等を提供する。
【解決手段】複数の積層された基板1、2、3に、少なくとも、液滴を吐出する複数のノズル孔30と、各ノズル孔30のそれぞれに連通する吐出室13と、吐出室13の底壁に形成された振動板12と、各吐出室13と連通され吐出室13に液体を供給するリザーバ14と、振動板12と対向配置されて振動板12を駆動する個別電極21とが形成され、積層された基板1、2、3のうちの一の基板1がシリコン製の基板であって、少なくとも吐出室13を形成した基材と、この基材の底面に接合した振動板12とを備え、基材が(110)面方位のシリコン単結晶基材10からなり、振動板12が(111)面方位のシリコン単結晶基材11からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、シリコン製基板の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、及び液滴吐出装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
静電駆動方式の液滴吐出ヘッドにおいては、振動板厚みが吐出性能に大きく影響するので、振動板厚みのばらつきを低減すること、すなわち厚みを高精度に制御することが望まれている。
【0003】
従来のインクジェットヘッドに、ボロンドープ層が形成されているシリコン基材を水酸化カリウム溶液でボロンドープ層に達するまでエッチングしてエッチングストップさせ、振動板を形成する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、従来のインクジェットヘッドに、水酸化カリウム溶液によってベース基板のエッチングを行い、熱酸化膜に達するとエッチングはストップし、SOI(Silicon on Insulator)基板の活性層基板からなる振動板を形成する方法がある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平11−129473号公報(第4頁、図5)
【特許文献2】特開2002−67307号公報(第5頁、図6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1記載の技術によれば、シリコン基板ごと、または製造ロットごとにボロンドープ層の深さばらつきが大きくなり、振動板厚みの管理が難しい。
【0007】
また、特許文献2記載の技術によれば、振動板とベース基板とを電気的に接続すること、すなわち共通電極の取り出しが困難である。
【0008】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、振動板の厚みばらつきが低減されて厚みが高精度化され、さらに共通電極を容易に取り出すことができる液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、シリコン製基板の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、及び液滴吐出装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る液滴吐出ヘッドは、複数の積層された基板に、少なくとも、液滴を吐出する複数のノズル孔と、各ノズル孔のそれぞれに連通する吐出室と、吐出室の底壁に形成された振動板と、各吐出室と連通され吐出室に液体を供給するリザーバと、振動板と対向配置されて振動板を駆動する個別電極とが形成され、
積層された基板のうちの一の基板がシリコン製の基板であって、少なくとも吐出室を形成した基材と、この基材の底面に接合した振動板とを備え、
前記基材が(110)面方位のシリコン単結晶基材からなり、前記振動板が(111)面方位のシリコン単結晶基材からなるものである。
【0010】
一の基板は、(110)面方位の基材と(111)面方位の基材とを接合することにより形成され、(110)面方位の基材に少なくとも吐出口を形成し、(111)面方位の基材を振動板として機能させるようにしたので、振動板の厚みばらつきを低減して厚みの高精度化をはかることができ、吐出特性を安定化させることができる。
【0011】
本発明に係る液滴吐出装置は、上記の液滴吐出ヘッドを搭載したものである。
吐出特性が安定した液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置を得ることができる。
【0012】
本発明に係るシリコン製基板の製造方法は、
(110)面方位のシリコン単結晶基材と、(111)面方位のシリコン単結晶基材とを貼り合わせて接合基材を形成する工程と、
前記(111)面方位のシリコン単結晶基材の表面を研削して薄板化する工程と、
前記(110)面方位のシリコン単結晶基材をウェットエッチングし、前記(111)面方位のシリコン単結晶基材によりエッチングストップして、前記(110)面方位のシリコン単結晶基材に少なくとも吐出室を形成すると共に、前記(111)面方位のシリコン単結晶基材を振動板とする工程と、
を含むものである。
【0013】
(110)面方位のシリコン単結晶基材をウェットエッチングし、エッチング液が(111)面方位のシリコン単結晶基材に達したときにエッチングレートが極端に低下するために、(111)面方位のシリコン単結晶基材の厚みのばらつきを低減することができ、振動板厚みを高精度化することができる。
また、(110)面方位のシリコン単結晶基材と(111)面方位のシリコン単結晶基材とは直接接しており、電気的にも接続されているため、これらの基材から共通電極を容易に取り出すことができる。
【0014】
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、
上記のシリコン製基板の製造方法を適用して、液滴吐出ヘッドのシリコン製基板部分を製造するものである。
(111)面方位のシリコン単結晶基材の厚みのばらつきを低減させ、振動板厚みを高精度化したシリコン製基板を備えた、吐出特性が安定した液滴吐出ヘッドを得ることができる。
【0015】
本発明に係る液滴吐出装置の製造方法は、
上記の液滴吐出ヘッドの製造方法を適用して液滴吐出装置の液滴吐出ヘッド部分を製造するものである。
吐出特性が安定した液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る液滴吐出ヘッドの分解斜視図、図2は図1の液滴吐出ヘッドを組み立てた状態の縦断面図である。なお、本実施の形態1では、液滴を基板の面部に設けたノズル孔から吐出させるフェイス型のインクジェットヘッドの場合を示している。
図1、図2に示すように、液滴吐出ヘッドは、振動板を有するキャビティ基板1と、電極部を有するガラス基板2と、ノズル孔を有するノズル基板3とが積層された3層構造になっている。
【0017】
中間に位置するキャビティ基板1は、例えば厚み180μmの、(110)を面方位とするシリコン(Si)単結晶基材(以下、(110)基材、あるいは流路基材ともいう)10と、厚さ約2μmの(111)を面方位とするシリコン(Si)単結晶基材(以下、(111)基材、あるいは振動板基材ともいう)11とが、直接接合や表面活性化接合によって接合されている。
このキャビティ基板1は、接合された基材のうち、(111)基材11を研磨により薄板化し、さらに(110)基材10に異方性ウェットエッチングを施して形成したもので、底壁が振動板12となる吐出室13、及び各ノズル孔30に共通して吐出するための液体を溜めておくリザーバ14を有する。
【0018】
振動板12は、薄板化した(111)基材11により形成されているので、アルカリ性水溶液で(110)基材10に異方性ウェットエッチングを行った場合、(111)基材11では、(110)基材10や、(100)面方位のシリコン単結晶基材((100)基材ともいう)と比較してエッチングレートが極端に小さくなるため、振動板12の厚みや、吐出室13の体積を高精度に制御することができる。
【0019】
キャビティ基板1の下面(図2の下側面)には、絶縁膜15となるTEOS(Tetraethyl orthosilicate Tetraethoxysilane:テトラエトキシシラン、珪酸エチル)膜0.1μmが形成されている。
なお、リザーバ14には液滴供給孔16が設けられている。また、キャビティ基板1上には共通電極の端子部17が形成されている。
【0020】
キャビティ基板1の下面に陽極接合されたガラス基板2は、厚み約1mmであり、ホウ珪酸系の耐熱硬質ガラスよりなる。ガラス基板2には、キャビティ基板1に形成されている各吐出室13に合わせて、エッチングにより深さ約0.2μmの個別電極凹部(溝部)20が設けられており、その内部には、個別電極21、リード部22及び端子部23(以下、これらを合わせて個別電極部という)を設けているので、個別電極凹部20のパターン形状は個別電極部の形状よりも少し大きめに作製してある。
【0021】
個別電極凹部20に設ける個別電極部の材料としては、酸化錫を不純物としてドープした透明のITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)を用い、例えば0.1μmの厚さにスパッタ法を用いて成膜する。
したがって、振動板12と個別電極21との間で形成されるギャップGは、個別電極凹部20の深さ、個別電極21の厚みにより決まることになる。このギャップGは吐出特性に大きく影響する。
ここで、個別電極部の材料はITOに限定するものではなく、クロム等の金属等を材料に用いてもよい。
液滴供給穴24はサンドブラスト加工または切削加工により形成されており、キャビティ基板1のリザーバ14に設けられた液滴供給孔16と連通する。
なお、ガラス基板2上に形成した個別電極部の端子部23は、キャビティ基板1上に形成した共通電極の端子部17とともに、発振回路40に接続されている。
【0022】
キャビティ基板1の上面(図2の上側面)に接合されたノズル基板3は、例えば厚み約180μmのシリコン基板からなり、ガラス基板2とは反対の面でキャビティ基板1に接合している。ノズル基板3には、吐出室13と連通するノズル孔30が形成されており、下面にはオリフィス31が設けられ、吐出室13とリザーバ14とを連通させている。リザーバ14と接する部分には、リザーバ14のコンプライアンスを高め、インクジェット駆動時のクロストークを吸収するため、ダイヤフラム32が形成されている。
ここではノズル孔30を有するノズル基板3を上面とし、ガラス基板2を下面として説明しているが、実際に用いられる場合には、ノズル基板3の方が下面になることが多い。
【0023】
上記のように構成した液滴吐出ヘッドの動作を説明する。
図2に示すように、吐出室13にはノズル孔30から吐出する吐出液体を溜めておく。そして、吐出室13の底壁である振動板12を撓ませ、吐出室13内の圧力を高め、ノズル孔30から液滴を吐出させる。
この際、キャビティ基板1上に形成した共通電極の端子部17と、ガラス基板2上に形成した個別電極部の端子部23は、発振回路40に接続されており、個別電極21への電荷の供給及び停止を制御する。例えば、24kHzで発振し、個別電極21に0Vと30Vのパルス電位を印加して電荷供給を行う。
【0024】
個別電極21に電荷を供給して正に帯電させると、振動板12は負に帯電し、静電気力により個別電極21に引き寄せられて撓む。これにより吐出室13の体積は広がる。そして個別電極21への電荷供給を止めると振動板12は元に戻るが、そのときの吐出室13の体積も元に戻るため、その圧力により差分の液滴がノズル孔30から吐出し、例えば液滴がインクである場合は、記録対象となる記録紙に着弾することによって記録が行われる。
なお、このような方法は引き打ちと呼ばれるものであるが、バネ等を用いて液滴を吐出する押し打ちと呼ばれる方法もある。
【0025】
上記のように、キャビティ基板1は、(110)基材10と(111)基材11とを貼りあわせてあり、(110)基材10aに吐出室13などの流路を形成し、(111)基材を振動板16としたので、振動板16の厚みばらつきが低減され、厚みの高精度化がはかられるので、吐出特性を安定化させることができる。
【0026】
上記のように構成した液滴吐出ヘッドのキャビティ基板1の製造方法を、図3〜図5の製造工程図により説明する。実際には、シリコン基材から複数個分の液滴吐出ヘッドの部材を同時形成するが、図3〜図5ではその一部分だけを示している。
なお、以下の説明で記載した数値はその一例を示すもので、これに限定するものではない。
【0027】
(a) 図3(a)に示すように、(110)を面方位とする酸素濃度の低い、両面研磨した、厚み180μmのシリコン基材((110)基材)10と、(111)を面方位とする片面研磨した厚み525μmのシリコン基材((111)基材)11とを直接接合し、あるいは表面活性化接合して、(110)基材10と(111)基材11との接合体であるキャビティ基材100を作製する。
【0028】
(b) 図3(b)に示すように、(111)基材11を研削、研磨して、厚み2.5μmまで薄板化する。
【0029】
(c) 図3(c)に示すように、キャビティ基材100の両面に熱酸化によりSiO2 膜101を1μm形成する。
【0030】
(d) 図4(d)に示すように、キャビティ基材100の両面のSiO2 膜101にレジストを塗布し、(110)基材10側のSiO2 膜101に、吐出室13及びリザーバ14を形成するためのレジストパターニングを施し、フッ酸水溶液でエッチングして、SiO2 膜101をパターニングする。そしてレジストを剥離する。
【0031】
(e) 図4(e)に示すように、キャビティ基材100を35wt%の濃度の水酸化カリウム水溶液に浸し、(111)基材11の基材表面に達するまで、(110)基材10をエッチングする。(111)基材11の基材表面に達した時点でエッチングレートが極端に低下する。こうして、吐出室13、リザーバ14及び振動板12が形成される。
【0032】
(f) キャビティ基材100をフッ酸水溶液に浸し、図4(f)に示すように、キャビティ基材100の両面のSiO2 膜101を剥離する。
【0033】
(g) 図5(g)に示すように、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法により絶縁膜15を、成膜時の処理温度は360℃、高周波出力は250W、圧力は66.7Pa(0.5Torr)、ガス流量はTEOS流量100cm3/min(100sccm)、酸素流量1000cm3/min(1000sccm)の条件で、振動板14の表面に0.1μm成膜する。
【0034】
(h) 図5(h)に示すように、リザーバ14の底に、液滴供給孔16をピン等で突付いて貫通させる。
【0035】
上記のように、キャビティ基材100を(110)基材10と(111)基材11とを貼り合わせて形成し、(111)基材11を振動板の厚みまで研磨して薄くし、さらに吐出室13及びリザーバ14をエッチングする際に、(111)基材11の表面でエッチングストップするようにしたので、(111)基材11にエッチング液が達したときにエッチングレートが極端に低下して、振動板の厚みばらつきを低減させることができる。こうして、キャビティ基板1の振動板厚みの高精度化をはかることができる。
また、キャビティ基材100の(110)基材10と(111)基材11とは直接接しており、電気的にも接続されているため、共通電極の取り出しが容易である。
【0036】
次に、図3〜図5に示した工程によって製造されたキャビティ基板1を用いて液滴吐出ヘッドを製造する方法を、図6の製造工程図を用いて説明する。
なお、実際には、基材から複数個分の液滴吐出ヘッドの部材を同時形成するが、以下の説明ではその一部分だけを示している。
(a) 図6(a)に示すように、個別電極21、リード部22、端子部23、インク供給穴24を形成したガラス基板2を作製する。
【0037】
(b) 図3〜図5に示した製造工程によって製造されたシリコン製のキャビティ基板1と、図6(a)のようにして製造されたガラス基板2とを360℃に加熱した後、ガラス基板2に負極、キャビティ基板1に正極を接続し、800Vの電圧を印加して、図6(b)に示すように陽極接合する。
【0038】
(c) ギャップG内の水分除去及び疎水化処理を行った後、図6(c)に示すように、封止部にエポキシ系樹脂を盛り、封止材41を形成してギャップGの封止を行う。
【0039】
(d) 図6(d)に示すように、ノズル基板3をエポキシ系接着剤によりキャビティ基板1に接着する。
そして、ダイシングを行い、個々のヘッドに切断する。
こうして、液滴吐出ヘッドが完成する。
【0040】
実施の形態2.
図7は実施の形態1に係る液滴吐出ヘッドを搭載した液滴吐出装置を示す斜視図である。図7に示す液滴吐出装置は、一般的なインクジェットプリンタである。
実施の形態1に示す液滴吐出ヘッドは、キャビティ基板1が、(110)基材10と(111)基材11とを貼りあわせてあり、(110)基材10に吐出室13などの流路を形成し、(111)基材11を振動板16としたので、振動板16の厚みばらつきが低減され、厚みの高精度化がはかられて、吐出特性を安定化させることができ、このような液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置は、高精度で信頼性が高い。
なお、実施の形態1に係る液滴吐出ヘッドは、図7に示すインクジェットプリンタの他に、液滴を種々変更することで、液晶ディスプレイのカラーフィルタの製造、有機EL表示装置の発光部分の形成、生体液体の吐出等にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施の形態1に係る液滴吐出ヘッドの分解斜視図。
【図2】図1の液滴吐出ヘッドを組み立てた状態の縦断面図。
【図3】実施の形態1に係る液滴吐出ヘッドのキャビティ基板の製造工程を示す断面図。
【図4】図3に続く液滴吐出ヘッドのキャビティ基板の製造工程を示す断面図。
【図5】図4に続く液滴吐出ヘッドのキャビティ基板の製造工程を示す断面図。
【図6】実施の形態1に係る液滴吐出ヘッドの製造工程を示す断面図。
【図7】本発明の実施の形態2に係る液滴吐出装置の斜視図。
【符号の説明】
【0042】
1 キャビティ基板、2 ガラス基板、3 ノズル基板、10 (110)面方位のシリコン単結晶基材((110)基材)、11 (111)面方位のシリコン単結晶基材((111)基材)、12 振動板、13 吐出室、14 リザーバ、15 絶縁膜、17 共通電極端子部、20 個別電極凹部(溝部)、21 個別電極、22 リード部、23 端子部、30 ノズル孔、31 オリフィス、32 ダイヤフラム、100 キャビティ基材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の積層された基板に、少なくとも、液滴を吐出する複数のノズル孔と、前記各ノズル孔のそれぞれに連通する吐出室と、前記吐出室の底壁に形成された振動板と、前記各吐出室と連通され前記吐出室に液体を供給するリザーバと、前記振動板と対向配置されて前記振動板を駆動する個別電極とが形成され、
前記積層された基板のうちの一の基板がシリコン製の基板であって、少なくとも前記吐出室を形成した基材と、この基材の底面に接合した振動板とを備え、
前記基材が(110)面方位のシリコン単結晶基材からなり、前記振動板が(111)面方位のシリコン単結晶基材からなることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項2】
請求項1記載の液滴吐出ヘッドを搭載したことを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項3】
(110)面方位のシリコン単結晶基材と、(111)面方位のシリコン単結晶基材とを貼り合わせて接合基材を形成する工程と、
前記(111)面方位のシリコン単結晶基材の表面を研削して薄板化する工程と、
前記(110)面方位のシリコン単結晶基材をウェットエッチングし、前記(111)面方位のシリコン単結晶基材によりエッチングストップして、前記(110)面方位のシリコン単結晶基材に少なくとも吐出室を形成すると共に、前記(111)面方位のシリコン単結晶基材を振動板とする工程と、
を含むことを特徴とするシリコン製基板の製造方法。
【請求項4】
請求項3記載のシリコン製基板の製造方法を適用して液滴吐出ヘッドのシリコン製基板部分を製造することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
【請求項5】
請求項4記載の液滴吐出ヘッドの製造方法を適用して液滴吐出装置の液滴吐出ヘッド部分を製造することを特徴とする液滴吐出装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−46847(P2010−46847A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−211480(P2008−211480)
【出願日】平成20年8月20日(2008.8.20)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】