説明

潤滑油用水分離性改良剤及びそれを用いた潤滑油組成物

【課題】潤滑油の水分離性を効果的に向上し得る新規な潤滑油用水分離性改良剤、及びこの水分離性改良剤を含み、水分離性が改善された潤滑油組成物を提供する。
【解決手段】一般式(I)
H−O−(R1O)b−(CH2CH2O)a−(R2O)c−H (I)
[式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数3〜8のアルカンジイル基、aは平均値で3〜80の数、b及びcは、それぞれ独立に平均値で7〜70の数を示す。]で表され、かつオキシエチレン基10モル%以上を含有する、重量平均分子量2,000〜8,000のトリブロック型ポリオキシアルキレングリコール共重合体からなる潤滑油用水分離性改良剤、及び鉱油及び/又は合成油からなる基油と、前記の潤滑油用水分離性改良剤1質量%以下を含む潤滑油組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑油用水分離性改良剤、及びそれを用いた潤滑油組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、油圧作動油などの潤滑油に用いられる、ポリオキシエチレン部分をAブロックとするB−A−B’型トリブロックポリオキシアルキレングリコール共重合体からなる水分離性改良剤、及びこのものを含み、水分離性が改善された潤滑油組成物、特に油圧作動油に関するものである。
【背景技術】
【0002】
油圧作動油は、油圧機器や装置などの油圧システムの動力伝達、力の制御、緩衝などの作動に用いられる動力伝達流体であり、摺動部分の潤滑の機能も果たしている。
このような油圧作動油に対しては、(1)油圧システムの運転条件下で良好な潤滑性能を発揮し、摺動部の摩耗が少ないこと、(2)適正粘度を有し、運転温度に対する粘度変化が小さいこと、(3)適正な作動特性を有すること、(4)せん断安定性及び酸化安定性を有し、長時間安定して使用できること、(5)金属に対する耐腐食性及び防錆性が良好であること、(6)シール材を硬化、膨張させないこと、(7)消泡性に優れていること、(8)水分離性が良好であることなど多くの性能が要求されている。油圧作動油として、このような要求を満たすには、鉱油や合成油の改良のみでは不可能であるため、従来、各種の添加剤、例えば摩耗防止剤、摩擦調整剤、酸化防止剤、防錆剤、粘度指数向上剤などを配合することによって、前記性能を付与している。
ところで、最近の油圧機器は小型化かつ高出力化が進んでおり、それに伴い、作動圧力は一段と高圧となり(例えば、従来14〜20MPaであったものが現在では30MPa以上となる。)、一方油タンクは小容量となってきている。このため、作動油が受ける熱負荷はこれまで以上に厳しくなり、早期劣化、スラッジ発生、異臭、シリンダーのビビリ現象、作動不良などが問題となってきた。
【0003】
従来、油圧作動油には、酸化防止性能と潤滑性能を合わせもつアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)が使用されてきた。しかしながら、このような油圧作動油においては、該ZnDTPが高圧化に伴って気泡の圧縮熱により生じる局部的高温部で熱分解し、その結果、スラッジの発生、このスラッジによる作動不良、あるいは異臭などを引き起こすという問題があった。
そこで、このような問題を解消するために、ZnDTP系から、長寿命型の非ZnDTP系へと移行してきたが、作動油の高性能化に伴い、作動油に多くの種類の添加剤が配合されるようになってきた。その結果、鉱油系基油は、本来水分離性は良好であるものの、高性能作動油ほど、多様の添加剤の影響により、水分離性が悪化する傾向がある。
一方、ISO 11158において、油圧作動油の規格化が行われ、VG10〜68グレードの作動油に対して、30分以内で水分離するといった規格が設定された。
油圧作動油には、水分離性を改善するために、通常種々の界面活性剤が水分離性改良剤として微量添加されるが、近年このような従来型の水分離性改良剤では、水分離性が不充分であることが多くなってきた。
【0004】
水分離に関する技術としては、例えば(1)潤滑油基油に、(A)硫黄系極圧剤、(B)リン酸エステル類又はそのアミン塩、及び(C)ポリアルキレングリコール誘導体を配合してなる摺動面用潤滑油組成物(例えば、特許文献1参照)、(2)潤滑油基油100重量部に対して、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体などの含酸素化合物0.005〜25重量部を配合してなる圧縮機用潤滑油組成物(例えば、特許文献2参照)、及び(3)基油と、(A)金属系清浄剤0.1〜80.0重量%、(B)無灰分散剤0.1〜15.0重量%、(C)ZnDTP0.5〜5.0重量%及び(D)ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体などの含酸素化合物0.005〜1.5重量%を含有する船用ディーゼルエンジン用潤滑油組成物(例えば、特許文献3参照)が開示されている。
しかしながら、前記(1)の技術において用いられるポリアルキレングリコール誘導体は、ポリオキシエチレンをAブロックとし、ポリオキシアルキレン(炭素数3〜6)をBブロックとするA−B型ジブロック共重合体であり、また、前記(2)及び(3)の技術において用いられるポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体は、ポリオキシプロピレンを中心のAブロックとし、ポリオキシエチレンをBブロックとするB−A−B型トリブロック共重合体であって、ポリオキシエチレンを中心のAブロックとし、ポリオキシアルキレン(炭素数3〜8)をBブロック及びB’ブロックとするB−A−B’型トリブロック共重合体とは化学構造が異なるものである。
【0005】
【特許文献1】特開平10−53783号公報
【特許文献2】特開昭59−15489号公報
【特許文献3】特開昭61−166892号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような状況下で、油圧作動油などの潤滑油に用いられ、該潤滑油の水分離性を効果的に向上し得る新規な潤滑油用水分離性改良剤、及びこの水分離性改良剤を含み、水分離性が改善された潤滑油組成物、特に油圧作動油を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、前記目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、ポリオキシエチレンを中心のAブロックとし、ポリオキシアルキレン(炭素数3〜8)をBブロック及びB’ブロックとするB−A−B’型トリブロックポリオキシアルキレングリコール共重合体が、水分離性改良剤として、その目的に適合し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)一般式(I)
H−O−(R1O)b−(CH2CH2O)a−(R2O)c−H ・・・(I)
[式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数3〜8のアルカンジイル基、aは平均値で3〜80の数、b及びcは、それぞれ独立に平均値で7〜70の数を示す。]
で表され、かつオキシエチレン基10モル%以上を含有する、重量平均分子量2,000〜8,000のトリブロック型ポリオキシアルキレングリコール共重合体からなる潤滑油用水分離性改良剤、
(2)トリブロック型ポリオキシアルキレングリコール共重合体におけるオキシエチレン基の含有量が、10〜50モル%である上記(1)項に記載の潤滑油用水分離性改良剤、
(3)トリブロック型ポリオキシアルキレングリコール共重合体におけるR1及びR2が、いずれもプロパン−1,2−ジイル基である上記(1)又は(2)項に記載の潤滑油用水分離性改良剤、
(4)鉱油及び/又は合成油からなる基油と、(A)上記(1)〜(3)項のいずれかに記載の潤滑油用水分離性改良剤1質量%以下を含むことを特徴とする潤滑油組成物、
(5)(A)成分の含有量が、0.005〜0.5質量%である上記(4)項に記載の潤滑油組成物、
(6)さらに、(B)清浄分散剤0.01〜0.8質量%を含む上記(4)又は(5)項に記載の潤滑油組成物、
(7)さらに、(C)潤滑性向上剤0.01〜2質量%及び/又は酸化防止剤0.05〜5質量%を含む上記(4)〜(6)項のいずれかに記載の潤滑油組成物、及び
(8)油圧作動油として用いられる上記(4)〜(7)項のいずれかに記載の潤滑油組成物、
を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、油圧作動油などの潤滑油に用いられる、ポリオキシエチレン部分をAブロックとするB−A−B’型トリブロックポリオキシアルキレングリコール共重合体からなる水分離性改良剤、及びこのものを含み、水分離性が改善された潤滑油組成物、特に油圧作動油を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
まず、本発明の潤滑油用水分離性改良剤(以下単に水分離性改良剤と称することがある。)について説明する。
本発明の水分離性改良剤は、一般式(I)
H−O−(R1O)b−(CH2CH2O)a−(R2O)c−H ・・・(I)
で表されるトリブロック型ポリオキシアルキレングリコール共重合体から構成されている。
前記一般式(I)において、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数3〜8のアルカンジイル基を示す。このアルカンジイル基は直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、例えばトリメチレン基、プロパン−1,2−ジイル基、テトラメチレン基、分岐を有する各種ブタンジイル基、ペンタメチレン基、分岐を有する各種ペンタンジイル基、ヘキサメチレン基、分岐を有する各種ヘキサンジイル基、ヘプタメチレン基、分岐を有する各種ヘプタンジイル基、オクタメチレン基及び分岐を有する各種オクタンジイル基を挙げることができる。
これらの中で、製造の容易さなどの点から、R1及びR2がいずれもプロパン−1,2−ジイル基であることが好ましい。
aは平均値で3〜80の数を示し、好ましくは3〜60、より好ましくは5〜40である。b及びcはそれぞれ独立に平均値で7〜70の数を示し、好ましくは10〜50、より好ましくは20〜40である。また、b+cは14〜140が好ましく、40〜80がより好ましい。
【0010】
本発明においては、水分離性能などの観点から、前記一般式(I)で表されるトリブロック型ポリオキシアルキレングリコール共重合体は、オキシエチレン基の含有量が10モル%以上、好ましくは10〜50モル%であり、かつ重量平均分子量が2,000〜8,000、好ましくは2,000〜6,000である。したがって、前記のa、b、c及びb+cはこれらの要件を満たすように、前記範囲で選定される。
前記一般式(I)で表されるトリブロック型オキシアルキレングリコール共重合体の製造方法に特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができる。例えば、R1及びR2がいずれもプロパン−1,2−ジイル基である場合、ポリエチレングリコールの両末端水酸基に、プロピレンオキシドをそれぞれ付加させることにより、容易に製造することができる。
前記一般式(I)で表されるトリブロック型オキシアルキレングリコール共重合体からなる本発明の水分離性改良剤は、各種用途に用いられる潤滑油に配合することで、該潤滑油の水分離性を効果的に向上させることができる。特に油圧作動油用として好適である。
【0011】
次に、本発明の潤滑油組成物について説明する。
本発明の潤滑油組成物は、鉱油及び/又は合成油からなる基油と、(A)前述の一般式(I)表されるトリブロック型ポリオキシアルキレングリコール共重合体からなる潤滑油用水離性改良剤1質量%以下を含むことを特徴とする。
本発明の潤滑油組成物は、水分離性に優れることから、水分離性が要求される水の侵入が多い潤滑系分野に用いることができる。例えば油圧機器や装置などの油圧システムにおける動力伝達、力の制御、緩衝などの作動に用いられる動力伝達流体である油圧作動油、あるいは摺動面用潤滑油、産業機械の軸受油、ギヤ油、圧縮機、特に油冷式回転空気圧縮機用潤滑油、船用ディーゼルエンジン用潤滑油などとして用いられる。これらの中で、特に油圧作動油として好適である。
【0012】
本発明の潤滑油組成物における基油としては、鉱油及び/又は合成油が用いられる。
鉱油としては、溶剤精製、水素化分解、水添精製などの通常の精製法により得られたパラフィン基系鉱油、中間基系鉱油又はナフテン基系鉱油などが挙げられる。
また、合成油としては、例えば、ポリブテン、ポリオレフィン〔α−オレフィン(共)重合体〕〕、各種のエステル(例えば、ポリオールエステル、二塩基酸エステル、リン酸エステルなど)、各種のエーテル(例えば、ポリフェニルエーテルなど)、アルキルベンゼン、アルキルナフタレンなどが挙げられる。
本発明においては、基油として、上記鉱油を一種用いてもよく、二種以上組み合わせて用いてもよい。また、上記合成油を一種用いてもよく、二種以上組み合わせて用いてもよい。さらには、鉱油一種以上と合成油一種以上とを組み合わせて用いてもよい。
前記基油の粘度としては、40℃の動粘度で3〜300mm2/sの範囲が好ましく、5〜200mm2/sがより好ましく、10〜100mm2/sが特に好ましい。該動粘度が3mm2/s以上であれば火災の危険性を抑制することができると共に潤滑性能も良好であり、また300mm2以下であれば低温時の粘性抵抗がそれほど大きくならず、機械の作動不良をもたらすこともない。
【0013】
本発明の潤滑油組成物においては、(A)成分の水分離性改良剤の含有量が1質量%を超えると、潤滑油組成物の外観が濁ったり、水分離性の改善効果が十分に発揮されない。当該(A)成分の好ましい含有量は0.005〜0.5質量%であり、より好ましい含有量は0.008〜0.3質量%である。
本発明の潤滑油組成物においては、必要に応じさらに(B)成分として清浄分散剤0.01〜0.8質量%を含むことができる。
前記清浄分散剤としては、無灰清浄分散剤及び/又は金属系清浄剤を用いることができる。
ここで、無灰清浄分散剤としては、例えばコハク酸イミド類(ホウ素含有コハク酸イミド類を含む)、ベンジルアミン類(ホウ素含有ベンジルアミン類を含む)、コハク酸エステル類、脂肪酸あるいはコハク酸で代表される一価又は二価カルボン酸アミド類などが挙げられるが、これらの中で、コハク酸イミド類酸及びアミド類が好適である。
コハク酸イミド類としては、ポリアルケニルコハク酸イミドが好適であり、例えば一般式(II)
【0014】
【化1】

(式中、R3はオレフィンのオリゴマー残基、R4は炭素数2〜4のアルキレン基、mは1〜10の整数を示す。)
【0015】
で表されるモノポリアルケニルコハク酸イミド、及び一般式(III)
【化2】

(式中、R5及びR6は、それぞれ独立にオレフィンのオリゴマー残基、R7及びR8は、それぞれ独立に炭素数2〜4のアルキレン基、nは0〜10の整数を示す。)
【0016】
で表されるビスポリアルケニルコハク酸イミドなどを挙げることができる。
これらのポリアルケニルコハク酸イミドは、通常ポリオレフィンと無水マレイン酸との反応で得られるポリアルケニルコハク酸無水物を、ポリアルキレンポリアミンと反応させることによって製造することができる。この際、該ポリアルケニルコハク酸無水物とポリアルキレンポリアミンとの反応比率を変えることにより、モノポリアルケニルコハク酸イミド又はビスポリアルケニルコハク酸イミドあるいはそれらの混合物が得られる。
【0017】
該ポリアルケニルコハク酸イミドの製造において、原料として用いられるポリオレフィンとしては、炭素数2〜6のオレフィンを重合して得られるものが用いられる。このポリオレフィンを形成するオレフィンとしては、例えばエチレン、プロピレン、ブテン(イソブチレン、1−ブテン)、1−ヘキセン、2−メチルペンテン−1、1−オクテンなどの炭素数2〜8のα−オレフィンが挙げられるが、本発明においては好ましいポリオレフィンとして、平均分子量が1,500〜2,000のポリブテンを挙げることができる。
【0018】
一方、ポリアルキレンポリアミンとしては、一般式(IV)又は一般式(V)
2 N−(R4NH)m −H (IV)
2 N−(R7NH)n −R8−NH2 (V)
(式中、R4、R7、R8、m及びnは前記と同じである。)
で表されるものが用いられる。
このようなポリアルキレンポリアミンとしては、例えばポリエチレンポリアミン、ポリプロピレンポリアミン、ポリブチレンポリアミンなどが挙げられるが、これらの中でポリエチレンポリアミンが好適である。
本発明においては、ポリアルケニルコハク酸イミドとして、モノ体又はビス体のいずれも用いることができ、また、これらの混合物も用いることができる。
【0019】
また、酸アミド類としては、炭素数12〜20の飽和、不飽和、直鎖又は分岐アルキルの脂肪酸、あるいはコハク酸で代表される二価カルボンと前記ポリアルキレンポリアミンとの反応によって得られる酸アミドが用いられる。
【0020】
一方、金属系清浄剤としては、例えば中性金属スルホネート、中性金属フェネート、中性金属サリチレート、中性金属ホスホネート、塩基性スルホネート、塩基性フェネート、塩基性サリチレート、過塩基性スルホネート、過塩基性サリチレート、過塩基性ホスホネートなどが挙げられる。これらの金属系清浄剤は1種用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の潤滑油組成物において、必要に応じ配合される(B)成分として、前記の無灰清浄分散剤を用いてもよいし、金属系清浄剤を用いてもよく、またこの無灰清浄分散剤と金属系清浄剤を組み合わせて用いてもよい。
当該(B)成分の含有量は、組成物全量基準で、通常0.01〜0.8質量%、好ましくは0.02〜0.5質量%である。この含有量が0.01質量%以上であればスラッジの分散性が発揮され、また0.8質量%以下であれば水分離性も良好である。
従来の水分離性改良剤では、潤滑油組成物に清浄分散剤が前記範囲で配合されていると、水分離性が悪化する傾向が見られるが、本発明の水分離性改良剤を用いることにより水分離性の悪化は見られない。
【0021】
本発明の潤滑油組成物においては、必要に応じさらに(C)成分として、潤滑性向上剤0.01〜2質量%及び/又は酸化防止剤0.05〜2質量%を含むことができる。
ここで、潤滑性向上剤としては、リン酸エステル系化合物、亜リン酸エステル系化合物、有機金属系化合物、流黄系極圧剤、油性剤などを用いることができる。
リン酸エステル系化合物としては、リン酸エステル、ジチオリン酸エステル、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルアミン塩などが挙げられ、亜リン酸エステル系化合物としては、亜リン酸エステル、酸性亜リン酸エステル及び酸性亜リン酸エステルアミン塩などを挙げることができる。
リン酸エステルとしては、例えばトリアリールホスフェート、トリアルキルホスフェート、トリアルキルアリールホスフェート、トリアリールアルキルホスフェート、トリアルケニルホスフェートなどがあり、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ベンジルジフェニルホスフェート、エチルジフェニルホスフェート、トリブチルホスフェート、エチルジブチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、エチルフェニルジフェニルホスフェート、ジ(エチルフェニル)フェニルホスフェート、プロピルフェニルジフェニルホスフェート、ジ(プロピルフェニル)フェニルホスフェート、トリエチルフェニルホスフェート、トリプロピルフェニルホスフェート、ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ジ(ブチルフェニル)フェニルホスフェート、トリブチルフェニルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリデシルホスフェート、トリラウリルホスフェート、トリミリスチルホスフェート、トリパルミチルホスフェート、トリステアリルホスフェート、トリオレイルホスフェートなどを挙げることができる。
【0022】
ジチオリン酸エステルの例としては、ビス(ドデシル)メチルジチオホスフェート、ビス(テトラデシル)メチルジチオホスフェート、ビス(オクタデシル)メチルジチオホスフェート、ビス(オレイル)メチルジチオホスフェートなどを挙げることができる。
酸性リン酸エステルとしては、例えばモノ又はジ−2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、モノ又はジ−デシルアシッドホスフェート、モノ又はジ−ドデシルアシッドホスフェート(モノ又はジ−ラウリルアシッドホスフェート)、モノ又はジ−トリデシルアシッドホスフェート、モノ又はジ−オクタデシルアシッドホスフェート(モノ又はジ−ステアリルアシッドホスフェート)、モノ又はジ−9−オクタデセニルアシッドホスフェート(モノ又はジオレイルアシッドホスフェート)などが挙げられる。また亜リン酸エステルとしては、例えば、トリエチルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト、トリ(ノニルフェニル)ホスファイト、トリ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリステアリルホスファイト、トリオレイルホスファイトなどを挙げることができる。
【0023】
酸性亜リン酸エステルとしては、例えばジ−2−エチルヘキシルハイドロジェンホスファイト、ジデシルハイドロジェンホスファイト、ジドデシルハイドロジェンホスファイト(ジラウリルハイドロジェンホスファイト)、ジオクタデハイドロジェンホスファイト(ジステアリルハイドロジェンホスファイト)、ジ−9−オクタデセニルハイドロジェンホスファイト(ジオレイルハイドロジェンホスファイト)、ジフェニルハイドロジェンホスファイトなどが挙げられる。
酸性リン酸エステルアミン塩及び酸性亜リン酸エステルアミン塩としては、前述の酸性リン酸エステル及び酸性亜リン酸エステルそれぞれと下記のアミン類との塩を挙げることができる。アミン類としては、モノ置換アミン、ジ置換アミン又はトリ置換アミンが用いられる。
【0024】
モノ置換アミンの例としては、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ベンジルアミンなどを挙げることができ、ジ置換アミンの例としては、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジラウリルアミン、ジステアリルアミン、ジオレイルアミン、ジベンジルアミン、ステアリル・モノエタノールアミン、デシル・モノエタノールアミン、ヘキシル・プロパノールアミン、ベンジル・モノエタノールアミン、フェニル・モノエタノールアミン、トリル・モノプロパノールアミンなどを挙げることができ、トリ置換アミンの例としては、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリラウリルアミン、トリステアリルアミン、トリオレイルアミン、トリベンジルアミン、ジオレイル・モノエタノールアミン、ジラウリル・モノプロパノールアミン、ジオクチル・モノエタノールアミン、ジヘキシル・モノプロパノールアミン、ジブチル・プロパノールアミン、オレイル・ジエタノールアミン、ステアリル・ジプロパノールアミン、ラウリル・ジエタノールアミン、オクチル・ジプロパノールアミン、ブチル・ジエタノールアミン、ベンジル・ジエタノールアミン、フェニル・ジエタノールアミン、トリル・ジプロパノールアミン、キシリル・ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミンなどを挙げることができる。
【0025】
また、酸性リン酸エステルアミン塩として、モノ又はジ−メチルアシッドホスフェート、モノ又はジ−エチルアシッドホスフェート、モノ又はジ−プロピルアシッドホスフェート、モノ又はジ−ブチルアシッドホスフェート、モノ又はジ−−2−エチルヘキシルアシッドホスフェートなどの酸性リン酸エステルと前述のアミン類との塩を用いることもできる。
有機金属系化合物としては、例えばジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)、ジチオカルバミン酸亜鉛(ZnDTC)、硫化オキシモリブデンオルガノホスホロジチオエート(MoDTP)、硫化オキシモリブデンジチオカルバメート(MoDTC)などの有機金属系化合物が挙げられる
【0026】
硫黄系極圧剤としては、例えば硫化油脂、硫化エステル、硫化オレフィン、ジヒドロカルビルポリサルファイド。チアジアゾ−ル化合物、アルキルチオカルバモイル化合物、トリアジン化合物、チオテルペン化合物、ジアルキルチオジプロピオネート化合物などが挙げられる。また、油性剤としては、例えばステアリン酸、オレイン酸などの脂肪族飽和及び不飽和モノカルボン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸などの重合脂肪酸、リシノレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などのヒドロキシ脂肪酸、ラウリルアルコール、オレイルアルコールなどの脂肪族飽和及び不飽和モノアルコール、ステアリルアミン、オレイルアミンなどの脂肪族飽和及び不飽和モノアミン、ラウリン酸アミド、オレイン酸アミドなどの脂肪族飽和及び不飽和モノカルボン酸アミドなどが挙げられる。
本発明においては、これらの潤滑性向上剤は1種を単独で用いてもよく,2種以上を組み合わせて用いてもよい。必要に応じて用いられる当該潤滑性向上剤の含有量は、組成物全量基準で,通常0.01〜2質量%、好ましくは0.1〜1質量%の範囲である。この潤滑性向上剤の含有量が0.01質量%以上であれば焼付防止や摩耗防止効果が発揮され、2質量%以下であれば水分離性の悪化を抑制することができる。
【0027】
一方、酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤やアミン系酸化防止剤を好ましく用いることができる。
前記フェノール系酸化防止剤としては、特に制限はなく、従来潤滑油の酸化防止剤として使用されている公知のフェノール系酸化防止剤の中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。このフェノール系酸化防止剤としては、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール;2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール;2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール;2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール;2,6−ジ−tert−ブチルフェノール;2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール;2,6−ジ−tert−ブチル−4−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール;2,6−ジ−tert−アミル−4−メチルフェノール;n−オクタデシル3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)プロピオネートなどの単環フェノール類、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール);4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール);4,4’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール);4,4’−ビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール);4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール);2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール);4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)などの多環フェノール類などが挙げられる。これらの中で、効果の点から単環フェノール類が好適である。
【0028】
アミン系酸化防止剤としては、特に制限はなく、従来潤滑油の酸化防止剤として使用されている公知のアミン系酸化防止剤の中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。このアミン系酸化防止剤としては、例えばジフェニルアミン系のもの、具体的にはジフェニルアミンやモノオクチルジフェニルアミン;モノノニルジフェニルアミン;4,4’−ジブチルジフェニルアミン;4,4’−ジヘキシルジフェニルアミン;4,4’−ジオクチルジフェニルアミン;4,4’−ジノニルジフェニルアミン;テトラブチルジフェニルアミン;テトラヘキシルジフェニルアミン;テトラオクチルジフェニルアミン:テトラノニルジフェニルアミンなどの炭素数3〜20のアルキル基を有するアルキル化ジフェニルアミンなど、及びナフチルアミン系のもの、具体的にはα−ナフチルアミン;フェニル−α−ナフチルアミン、さらにはブチルフェニル−α−ナフチルアミン;ヘキシルフェニル−α−ナフチルアミン;オクチルフェニル−α−ナフチルアミン;ノニルフェニル−α−ナフチルアミンなどの炭素数3〜20のアルキル置換フェニル−α−ナフチルアミンなどが挙げられる。これらの中で、ナフチルアミン系よりジフェニルアミン系の方が、効果の点から好ましく、特に炭素数3〜20のアルキル基を有するアルキル化ジフェニルアミン、とりわけ4,4’−ジ(C3〜C20アルキル)ジフェニルアミンが好適である。
【0029】
本発明においては、前記フェノール系酸化防止剤を1種用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記アミン系酸化防止剤を1種用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。さらには、フェノール系酸化防止剤1種以上とアミン系酸化防止剤1種以上とを組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、この酸化防止剤の含有量は、酸化安定性、水分離性及び経済性のバランスなどの点から、組成物全量基準で、通常0.05〜5質量%、好ましくは0.1〜1質量%である。
本発明の潤滑油組成物においては、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じ前記した添加剤以外の各種添加剤、例えば防錆剤、金属不活性化剤、流動点降下剤、消泡剤などの中から選ばれる少なくとも1種を含むことができる。
【0030】
防錆剤としては、金属系スルホネート、コハク酸エステルなどを挙げることができる。これら防錆剤の配合量は、配合効果及び水分散性などの点から、潤滑油組成物全量基準で、通常0.01〜5質量%程度であり、好ましくは0.03〜1質量%である。
金属不活性化剤としては、ベンゾトリアゾール、チアジアゾールなどを挙げることができる。これら金属不活性化剤の好ましい配合量は、配合効果及び水分離性などの点から、潤滑油組成物全量基準で、通常0.005〜1質量%程度であり、好ましくは0.007〜0.5質量%である。
流動点降下剤としては、重量平均分子量が5万〜15万程度のポリメタクリレートなどを用いることができる。配合効果及び水分離性などの点から、流動点降下剤の配合量は潤滑油組成物全量基準で、通常0.1〜5質量%,好ましくは0.2〜2質量%である。
消泡剤としては、高分子シリコーン系消泡剤が好ましく、この高分子シリコーン系消泡剤を含有させることにより、消泡性が効果的に発揮される。
前記高分子シリコーン系消泡剤としては、例えばオルガノポリシロキサンを挙げることができ、特にトリフルオロプロピルメチルシリコーン油などの含フッ素オルガノポリシロキサンが好適である。この高分子シリコーン系消泡剤は消泡効果、水分離性及び経済性のバランスの点から、組成物全量基準で、0.01〜0.5質量%程度含有させることが好ましく、0.05〜0.3質量%含有させることがより好ましい。
【0031】
本発明の潤滑油組成物は、清浄分散剤を含有していても水分離性が悪化することがないなど、水分離性に優れており、その用途に特に制限はなく、水分離性が要求されるいかなる用途にも用いることができる。特に高性能油圧作動油として好適である。
油圧作動油として用いる場合、多様な添加剤を配合しても、VG10〜68グレードに対して30分以内で水分離が生じ、ISO 11158における規格を満たすことができ、水分離性に優れかつ高性能の油圧作動油を提供することができる。
【実施例】
【0032】
次に本発明をさらに詳細に説明するが本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例における潤滑油組成物の水分離性試験は、以下に示す方法に従って行った。
<水分離性試験>
JIS K 2520に準拠し、温度54℃における水分離性試験を行った。
この試験において、30分以内で乳化層がなく、油層と水層が分離したものを合格とする。
また、水分離性試験において、例えば「a−b−c(30)」の数値は、30分経過後、油層がamL、水層がbmL、乳化層がcmLであったことを示す。
潤滑油組成物の調製に用いた各成分の種類は下記のとおりである。
(1)基油
・基油1:2段水素化精製鉱油、40℃動粘度31mm2/s
・基油2:2段水素化精製鉱油、40℃動粘度91mm2/s
(2)酸化防止剤
・フェノール系:2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール
・アミン系:モノブチルフェニルモノオクチルフェニルアミン
(3)清浄分散剤:脂肪酸アミド(テトラエチレンペンタミンのイソステアリン酸アミド)
(4)潤滑性向上剤
・酸性リン酸エステルアミン塩:モノメチルアシッドホスフェート及びジメチルアシッドホスフェートの混合物のドデシルアミン塩
・リン酸エステル:トリクレジルホスフェート
・硫黄系極圧剤:2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブタンジチオ)−1,3,4−チアジアゾール
(5)流動点降下剤:重量平均分子量6.2万のポリメタクリレート
(6)無灰系防錆剤:ドデセニルコハク酸ポリオキシプロピレンエステル
(7)金属不活性化剤:ベンゾトリアゾール
(8)消泡剤:シリコーン系(25℃動粘度12,800mm2/s)
【0033】
実施例1〜4及び比較例1〜10
第1表に示す種類と量の基油と、水分離性改良剤と、その他の添加剤を含む潤滑油組成物を調製し、水分離性試験を行った。結果を第1表に示す。
なお、その他の添加剤は、フェノール系酸化防止剤:0.40質量%、アミン系酸化防止剤:0.05質量%、清浄分散剤:0.05質量%、リン系極圧剤:0.02質量%、リン系摩耗防止剤:0.50質量%、硫黄系極圧剤:0.06質量%、流動点降下剤:0.50質量%、無灰系防錆剤:0.05質量%、金属不活性化剤:0.01質量%及びシリコーン系消泡剤(鉱油で100倍希釈):0.10質量%、計1.74質量%である。
【0034】
【表1】

(1)(PO)e−(EO)d−(PO)fにおけるe及びfは、ほぼ同じ値である。
(2)(EO)h−(PO)g−(EO)iにおけるh及びiは、ほぼ同じ値である。
(3)Mw:重量平均分子量
(4)実施例において、「x分で分離」とは、x分経過後に、乳化層がなくなり、油層と水層とが分離したことを示す。
【0035】
第1表から分かるように、本発明の潤滑油組成物(実施例1〜4)は、いずれも10〜15分で乳化層がなくなり、油層と水層とに分離する。これに対し、比較例の潤滑油組成物は、いずれも30分経過した時点で乳化層が残存している。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の潤滑油用水分離性改良剤は、ポリオキシエチレン部分をAブロックとするB−A−B’型トリブロックポリオキシアルキレングリコール共重合体からなるものであって、潤滑油に添加することにより、水分離性の向上した潤滑油を与えることができる。
前記水分離性改良剤を含む本発明の潤滑油組成物は、水分離性が要求される各種の用途、特に油圧作動油として好適に用いられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
H−O−(R1O)b−(CH2CH2O)a−(R2O)c−H ・・・(I)
[式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数3〜8のアルカンジイル基、aは平均値で3〜80の数、b及びcは、それぞれ独立に平均値で7〜70の数を示す。]
で表され、かつオキシエチレン基10モル%以上を含有する、重量平均分子量2,000〜8,000のトリブロック型ポリオキシアルキレングリコール共重合体からなる潤滑油用水分離性改良剤。
【請求項2】
トリブロック型ポリオキシアルキレングリコール共重合体におけるオキシエチレン基の含有量が、10〜50モル%である請求項1に記載の潤滑油用水分離性改良剤。
【請求項3】
トリブロック型ポリオキシアルキレングリコール共重合体におけるR1及び R2が、いずれもプロパン−1,2−ジイル基である請求項1又は2に記載の潤滑油用水分離性改良剤。
【請求項4】
鉱油及び/又は合成油からなる基油と、(A)請求項1〜3のいずれかに記載 の
潤滑油用水分離性改良剤1質量%以下を含むことを特徴とする潤滑油組成物。
【請求項5】
(A)成分の含有量が、0.005〜0.5質量%である請求項4に記載の潤滑油組成物。
【請求項6】
さらに、(B)清浄分散剤0.01〜0.8質量%を含む請求項4又は5に記載の潤滑油組成物。
【請求項7】
さらに、(C)潤滑性向上剤0.01〜2質量%及び/又は酸化防止剤0.05〜5質量%を含む請求項4〜6のいずれかに記載の潤滑油組成物。
【請求項8】
油圧作動油として用いられる請求項4〜7のいずれかに記載の潤滑油組成物。

【公開番号】特開2008−69277(P2008−69277A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−249537(P2006−249537)
【出願日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(000183646)出光興産株式会社 (2,069)
【Fターム(参考)】