説明

災害情報処理装置

【課題】自然災害、事故や事件などの種々の災害が発生した際に、移動端末を所持するユーザの状況を特定してユーザをより安全に避難誘導するための情報を生成する災害情報処理システムを提供する。
【解決手段】災害情報処理装置は、移動端末から受信した回答情報に基づいてユーザの現在の状態情報を特定するユーザ状態情報特定部と、回答情報に対応する移動端末の現在の位置情報の危険度を判定し、災害エリアに対応する危険度マップを作成する危険度マップ作成部と、ユーザが所有する移動端末の現在の位置情報、危険度マップ、ユーザの現在の状態情報に基づいて、ユーザが移動すべき目的地と現在位置から目的地までの経路に関する誘導ルート情報を特定するルート特定部と、ルート特定部により特定された誘導ルート情報をユーザの移動端末に送信するルート送信部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動端末を介して災害発生時における各種情報をユーザに通知する災害情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが所有する携帯電話端末やカーナビゲーション装置、その他の移動端末において、たとえば、GPS(Global Positioning System)などの測位システムにより現在の位置情報を取得するものがある。
【0003】
地震や火災、その他の災害が発生した場合に、移動端末によって災害情報を受信し、この災害情報と現在の位置情報とに基づいて、避難場所への経路を表示してユーザを安全な場所に誘導することが提案されている(たとえば、特許文献1)。
【0004】
この場合、移動端末では、通常の地図情報に加えて、各道路に対して災害発生時の安全性を評価した安全ランクテーブルを備えており、災害発生時にこの安全ランクテーブルを参照して避難場所への経路を決定し表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−292402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述したような移動端末では、予め記憶手段に記憶された安全ランクテーブルに基づいて、避難場所への経路を決定している。したがって、災害による被害状況や現在の道路状況などが反映されておらず、移動端末が決定した経路が必ずしも確実に安全である保証がない。
【0007】
また、移動端末は、ユーザがどのような状況であるかに関わらず、取得した現在の位置情報や地図情報に基づいて経路を決定していることから、たとえば、ユーザが怪我をして動けないような場合に適切な行動を指示することができない。
【0008】
本発明では、地震や火災、洪水、津波、その他の自然災害、事故や事件などの種々の災害が発生した際に、移動端末を所持するユーザの状況を特定してユーザをより安全に避難誘導するための情報を生成する災害情報処理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
災害情報処理装置は、災害が発生した旨の災害情報を受信する災害情報受信部と、災害情報に基づいて災害エリアを特定する災害エリア特定部と、移動端末の現在の位置情報を受信する端末位置情報受信部と、災害エリア特定部により特定された災害エリアと、移動端末の現在の位置情報に基づいて、災害エリア内に存在する移動端末のユーザを被災者として特定する被災者特定部と、ユーザが所有する移動端末に対して、安否確認のための質問情報を送信する確認情報送信部と、安否確認のための質問情報に対する返信としてユーザの移動端末から回答情報を受信する回答情報受信部と、回答情報受信部により受信した回答情報に基づいてユーザの現在の状態情報を特定するユーザ状態情報特定部と、回答情報に対応する移動端末の現在の位置情報の危険度を判定し、災害エリアに対応する危険度マップを作成する危険度マップ作成部と、ユーザが所有する移動端末の現在の位置情報、危険度マップ、ユーザの現在の状態情報に基づいて、ユーザが移動すべき目的地と現在位置から目的地までの経路に関する誘導ルート情報を特定するルート特定部と、ルート特定部により特定された誘導ルート情報をユーザの移動端末に送信するルート送信部とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、災害情報処理装置が、移動端末からの位置情報及び質問情報に対して返信された回答情報に基づいて移動端末を所有しているユーザの安否を判断し、ユーザが危険度の高いエリアを回避して安全に避難できるような誘導ルートを通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、災害情報処理装置におけるデータの入出力状態を示す構成図である。
【図2】図2は、災害情報処理装置の基本構成を示す機能ブロック図である。
【図3】図3は、災害情報処理装置100の処理を示すフローチャートである。
【図4】図4は、危険度マップの一例を示す説明図である。
【図5】図5は、移動端末に送信された誘導ルート情報の表示画面例を示す説明図である。
【図6】図6は、災害情報処理装置の第2実施形態の機能ブロック図である。
【図7】図7は、災害情報記憶部に記憶されるデータテーブルの説明図である。
【図8】図8は、個人情報記憶部に記憶されるデータテーブルの説明図である。
【図9】図9は、災害/事故/事件テーブルの一例を示す説明図である。
【図10】図10は、マップ情報テーブルの一例を示す説明図である。
【図11】図11は、避難所テーブルの一例を示す説明図である。
【図12】図12は、危険度テーブルの一例を示す説明図である。
【図13】図13は、道情報テーブルの一例を示す説明図である。
【図14】図14は、道組み合わせテーブルの一例を示す説明図である。
【図15】図15は、個人情報テーブルの一例を示す説明図である。
【図16】図16は、ユーザ状態テーブルの一例を示す説明図である。
【図17】図17は、通知者情報テーブルの一例を示す説明図である。
【図18】図18は、第2実施形態の災害情報処理装置の処理フローチャートである。
【図19】図19は、第2実施形態の災害情報処理装置の処理フローチャートである。
【図20】図20は、第2実施形態の災害情報処理装置の処理フローチャートである。
【図21】図21は、第2実施形態の災害情報処理装置の処理フローチャートである。
【図22】図22は、第2実施形態の災害情報処理装置の処理フローチャートである。
【図23】図23は、安否確認のための質問情報を記述したメールの表示画面の一例である。
【図24】図24は、質問情報に対する回答情報を記述したメールの表示画面の一例である。
【図25】図25は、道組み合わせテーブルに格納された情報に基づいて特定した誘導ルートの説明図である。
【図26】図26は、誘導ルートの表示画面の一例を示す説明図である。
【図27】図27は、誘導ルートの表示画面の他の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
災害情報処理装置の実施形態について、添付した図面に基づいて説明する。
【0013】
〈第1実施形態〉
図1は、災害情報処理装置におけるデータの入出力状態を示す構成図である。
【0014】
災害情報処理装置100は、ユーザ200が所有する移動端末201、災害や事件、事故の情報を提供する外部機関300、救急、警察、病院などの救援活動を実施する所定機関400、ユーザが安否情報の通知先として登録した家族や友人500などが所有する移動端末501などと通信可能なセンターサーバで構成されている。
【0015】
外部機関300は、地震、水害、その他の自然災害が発生した場合に災害発生場所やその規模に関する災害情報を送信する機関(たとえば、気象庁)、火災や爆発事故などが発生した場合に事故発生場所やその規模に関する情報を送信する機関(たとえば、消防署)、殺傷事件やその他の事件が発生した場合に事件発生場所やその規模に関する情報を送信する機関(たとえば、警察署)のような各種機関を含み、それぞれネットワークを介して災害情報(災害/事故/事件の情報を含むものとする)を送信するコンピュータ端末を備えるものとする。
【0016】
ユーザ200や家族・友人500は、災害情報処理装置100との通信が可能な移動端末を携帯しているものであって、移動端末の一例として携帯電話やPDAなどを挙げることができる。
【0017】
災害情報処理装置100は、災害発生時に外部機関300から送信される災害情報S1を受信する。
【0018】
災害情報処理装置100では、受信した災害情報S1に基づいて既存のマップ情報を参照して災害エリアを特定する。
【0019】
ユーザ200が所有する移動端末201から送信される現在の位置情報S4を所定時間間隔で受信している。移動端末201は、GPSによる測位機能を備えるものであって、たとえば、30分間隔で現在の位置情報をGPSにより取得して災害情報処理装置100に送信しているものとする。
【0020】
災害情報処理装置100は、外部機関300から災害情報S1を受信すると、ユーザ200が所有する移動端末201から送信されてくる現在の位置情報に基づいて、災害エリア内に存在するユーザを被災者として特定する。
【0021】
災害情報処理装置100は、被災者と特定したユーザ200の所有する移動端末201に対して、安否確認のための質問情報S2を送信する。
【0022】
災害情報処理装置100は、質問情報S2に対する返信として移動端末201から送信される回答情報S3を受信する。
【0023】
災害情報処理装置100は、ユーザ200の移動端末201からの回答情報S3を受信して、ユーザ200の目的地までの安全なルートを特定して誘導ルート情報をユーザ200の移動端末201に送信するとともに、ユーザ200の通知先として登録されている家族・友人500の移動端末501にユーザ200の現在の状態や目的地に無事に到達した旨の安否情報S5を送信する。
【0024】
ユーザ200の家族・友人500が移動端末501を通じて、ユーザの状態情報に関して参照要求S6を送信してきた場合には、ユーザ200の情報開示のプライバシーポリシーに応じて現在の状態情報を送信する。
【0025】
災害情報処理装置100は、ユーザ200の移動端末201から送信されてくる現在の位置情報や回答情報などに応じて、ユーザの危険度が高いと判断した場合には、救急、警察、病院などの救援関係の所定機関400に、ユーザ200の位置情報と救助依頼情報S7を送信する。
【0026】
また、災害情報処理装置100は、救援関係の所定機関400からユーザ200の状態に関する情報要求S8があった場合には、ユーザ200の現在の状態情報を送信する。
【0027】
図2は、災害情報処理装置の基本構成を示す機能ブロック図である。
【0028】
災害情報処理装置100は、災害情報受信部101、災害エリア特定部102、端末位置情報受信部103、被災者特定部104、確認情報受信部105、回答情報受信部106、ユーザ状態情報特定部107、危険度マップ作成部108、ルート特定部109、ルート送信部110を含んでいる。
【0029】
災害情報受信部101は、外部機関300から災害が発生した旨の災害情報を受信する。前述したように、災害情報には、自然災害に関する災害情報、事故発生に関する事故情報、事件発生に関する事件情報などが含まれるものとし、災害情報受信部101は、気象庁、消防署、警察署、地方自治体、その他の機関から送信される災害情報を受信するものとする。
【0030】
災害エリア特定部102は、受信した災害情報に基づいて災害エリアを特定する。
【0031】
災害情報処理装置100は、既存のマップ情報を有しており、災害情報受信部101で受信した災害情報と既存のマップ情報に基づいて、発生した災害によってユーザに影響が出ると見込まれる地域を災害エリアに特定する。既存のマップ情報は、単純な地図情報を用いることも可能であり、また、災害が発生した際の各地域の危険度が設定されたハザードマップを用いることも可能である。
【0032】
災害情報受信101において受信された災害情報は、災害エリア特定部102で特定された災害エリア情報とともに、災害情報記憶120に記憶される。
【0033】
端末位置情報受信部103は、移動端末201の現在の位置情報を受信する。
【0034】
移動端末201は、所定時間間隔でGPSなどの測位システムを用いて現在の位置情報を取得し、これを災害情報処理装置100に送信するものであって、たとえば、30分間隔で現在の位置情報を送信するものとする。また、移動端末201が現在の位置情報を送信する時間間隔は、災害発生時には5〜10分などの短い時間間隔にすることで、ユーザの現在位置および移動経路を逐次監視するようにしてもよい。さらに、移動端末201のバッテリ残量を考慮して、バッテリ残量が少ない場合には、現在の位置情報の送信間隔を長くすることも可能である。
【0035】
端末位置情報受信部103は、移動端末201から送信されてくる現在の位置情報を受信して、これを個人情報記憶部130に記憶する。
【0036】
被災者特定部104は、災害エリア特定部102により特定された災害エリアと、移動端末201の現在の位置情報に基づいて、災害エリア内に存在する移動端末201のユーザ200を被災者として特定する。
【0037】
たとえば、被災者特定部104は、個人情報記憶部130に記憶されている移動端末201の位置情報が、災害情報記憶部120に記憶されている災害エリア内にあると判断した場合には、その移動端末201を所有するユーザ200を被災者として特定する。
【0038】
確認情報送信部105は、被災者として特定されたユーザ200が所有する移動端末201に対して、安否確認のための質問情報を送信する。
【0039】
確認情報送信部105は、移動端末201に対して、たとえば、安否状態を確認するための簡単な質問と、その質問に対する回答を要求する旨を記述したメールを送信する。また、
所定のJava(登録商標)アプリケーションを起動するための指示や、安否状態確認のためのWeb画面のURLをメールに添付して送信することも可能である。
【0040】
回答情報受信部106は、安否確認のための質問情報に対する返信としてユーザ200の移動端末201から回答情報を受信する。
【0041】
ユーザ状態情報特定部107は、ユーザ200が所有する移動端末201からの回答情報に基づいてユーザ200の現在の状態情報を特定する。
【0042】
ユーザ状態情報特定部107は、回答情報に含まれるユーザ200の状態情報に応じて、個人情報記憶部130に記憶されているユーザ200の状態情報を更新する。
【0043】
危険度マップ作成部108は、回答情報受信部106により受信した回答情報に基づいて、回答情報に対応する移動端末201の現在の位置情報の危険度を判定し、災害エリアに対応する危険度マップを作成する。
【0044】
危険度マップ作成部108は、回答情報にユーザ200が安全である旨の情報が含まれている場合には、その移動端末201の位置情報を安全地域であるとし、ユーザ200がSOSを求める情報を含む場合には、その移動端末201の位置情報を危険地域であるとして、災害情報記憶部120に格納されている危険度テーブルを更新する。
【0045】
危険度マップ作成部108は、この危険度テーブルを既存のマップ情報に対応させることによって、危険度マップを作成する。
【0046】
ルート特定部109は、ユーザ200が所有する移動端末201の現在の位置情報、危険度マップ、ユーザ200の現在の状態情報に基づいて、ユーザ200が移動すべき目的地と現在位置から目的地までの経路に関する誘導ルート情報を特定する。
【0047】
ルート特定部109は、個人情報記憶部130に記憶されたユーザ200の個人情報に基づいて、自宅(もしくは家族・友人宅)を目的地とするか、あるいは、最短距離にある安全な避難場所を目的地とするかを特定し、危険度マップに基づいて目的地までの安全な誘導ルートを特定する。
【0048】
ルート特定部109は、ユーザ200の個人情報を取得して、現在の位置情報と危険度マップに基づいて自宅(もしくは家族・友人宅)に安全に移動することが可能であるか否かを判断し、可能であれば目的地を自宅に特定する。また、ルート特定部109は、ユーザの現在の位置情報と危険度マップに基づいて自宅(もしくは家族・友人宅)に安全に移動することが好ましくないと判断した場合には、最短距離で到達可能な安全な避難所を目的地として特定する。
【0049】
ルート特定部109は、危険度マップを既存のマップ情報と重ね合わせて、特定された目的地に安全に到達できるルートを検索する。安全に通過できる経路が複数存在する場合には、ルート特定部109は、その全て、または安全が高い順に所定数の経路を選択する。
【0050】
この時、ルート特定部109は、個人情報記憶部130に記憶されているユーザ200の現在の状態情報に基づいて、ルートを特定することができる。たとえば、ユーザ200が車椅子を使用している場合に、ルート特定部109は、階段や急な上り坂を避けるなどのルート選択を行う。
【0051】
ルート送信部110は、ルート特定部109により特定された誘導ルート情報をユーザ200の移動端末201に送信する。ルート送信部110は、誘導ルート情報に関する地図情報をメールに添付して送信することが可能であり、また、Java(登録商標)アプリケーションにより該当する地図情報が移動端末201の画面上に表示されるようにすることも可能であり、また該当する地図情報のURLを送信して移動端末201のWebブラウザ上に表示させることも可能である。
【0052】
図3は、災害情報処理装置100の処理を示すフローチャートである。
【0053】
ステップS301において、災害情報処理装置100は、外部機関300から送信される災害情報を受信したか否かを判別する。
【0054】
災害情報受信部101が、災害情報を受信したと判断した場合には、ステップS303に移行する。
【0055】
ステップS303において、災害情報処置装置100は、受信した災害情報に基づいて災害エリアを特定する。
【0056】
災害エリア特定部102は、受信した災害情報に含まれる災害発生場所やその規模に関する情報に基づいて、既存のマップ情報を参照し災害エリアを特定する。
【0057】
ステップS305において、災害情報処理装置100は、ユーザ200が所有する移動端末201から送信される端末位置情報を受信する。
【0058】
移動端末201は、所定時間間隔でGPS機能を用いて現在の位置情報を取得して、この位置情報を災害情報処理装置100に送信している。端末位置情報受信部103が、移動端末103から現在の位置情報を受信すると、これに基づいて個人情報記憶部130に記憶されているユーザ位置情報を更新する。後述するように、個人情報記憶部130には、ユーザ位置情報を含むユーザ状態テーブルが記憶されており、端末位置情報受信部103は受信した移動端末の位置情報に基づいて、ユーザ位置情報が更新される。
【0059】
ステップS307において、災害情報処理装置100は、災害エリアとユーザ位置情報とに基づいて、被災者を特定する。
【0060】
被災者特定部104は、個人情報記憶部130に記憶されているユーザ位置情報が、災害エリア特定部102によって特定された災害エリア内に含まれると判断した場合に、該当するユーザ200を被災者として特定する。
【0061】
ステップS309において、災害情報処理装置100は、被災者として特定されたユーザ200の移動端末201に対して、安否を確認するための質問情報を送信する。前述したように、確認情報送信部105は、安否状態を確認するための簡単な質問と、その質問に対する回答を要求する旨を記述したメールを、被災者として特定されたユーザ200の移動端末201に送信する。
【0062】
ステップS311において、災害情報処理装置100は、ユーザ200の移動端末201から送信される回答情報を受信する。回答情報受信部106は、確認情報送信部105から送信された質問情報の返信として送信されてくる回答情報を受信する。
【0063】
ステップS313において、災害情報処理装置100は、受信した回答情報に基づいて、該当するユーザ200の状態情報を特定するとともに、移動端末の位置情報の危険度を判定して危険度マップを作成する。
【0064】
前述したように、ユーザ状態情報特定部107は、受信した回答情報に基づいてユーザ200の現在の状態情報を特定し、個人情報記憶部130のユーザ状態情報を更新する。
【0065】
また、危険度マップ作成部108は、受信した回答情報に基づいて、ユーザの現在位置の危険度を判定し、危険度マップを作成する。
【0066】
図4は、危険度マップの一例を示す説明図である。
【0067】
図4に示すように、災害エリア40を4×4の小エリアに分割し、複数のユーザ200が所有する移動端末201から得られた回答情報に基づいて、安全であることを示す回答情報が多かった小エリア(図4において、A-3、A-4、B-4、C-1、C-4、D-1、D-2、D-4)は安全地帯(○)、危険であることを示す回答情報が多かった小エリア(図4において、B-1、B-2、B-3)は危険地帯(×)、安全であることを示す回答情報と危険であることを示す回答情報が混在する小エリア(図4において、A-1、A-2、C-2、C-3、D-3)は注意エリア(△)として危険度マップを作成する。
【0068】
ステップS315において、災害情報処理装置100は、ユーザ200が所有する移動端末201の現在の位置情報、危険度マップ、ユーザ200の現在の状態情報に基づいて、ユーザ200が移動すべき目的地と現在位置から目的地までの経路に関する誘導ルート情報を特定する。
【0069】
前述したように、ルート特定部109は、個人情報記憶部130に記憶されたユーザ200の個人情報に基づいて、自宅(もしくは家族・友人宅)を目的地とするか、あるいは、最短距離にある安全な避難場所を目的地とするかを特定し、危険度マップに基づいて目的地までの安全な誘導ルートを特定する。
【0070】
ステップS317において、災害情報処理装置100は、特定した誘導ルート情報をユーザ200の移動端末201に送信する。
【0071】
図5は、ユーザ200の移動端末201に送信された誘導ルート情報の表示画面例を示す説明図である。
【0072】
誘導ルート表示画面50は、避難所52を目的地として、ユーザ200の現在位置51から避難所52までの安全ルートを表示している。
【0073】
誘導ルート表示画面50は、危険度マップに基づいて、危険地帯53、54を避けて3つの誘導ルートR1〜R3を表示している。
【0074】
また、誘導ルート表示画面50は、病院55などの医療支援を得ることが可能なポイント、水の補給が可能なポイント56,57などを上に表示している。
【0075】
誘導ルート表示画面50は、その欄外に、各誘導ルートR1〜R3に対して、それぞれ目的地までの距離、目的地まで時間、ルート上の最大危険度、水の補給や医療支援を得ることが可能なポイントなどを表示している。
【0076】
さらに、移動端末201の現在の位置情報が、誘導ルート上の位置に一致する場合には、該当する誘導ルートを太線で示すとともに、現在のユーザ200の位置を誘導ルート表示画面50上に表示する。
【0077】
このように、災害情報処理装置100は、ユーザ200が所有する移動端末201から送信されてくる位置情報と、安否確認に対する回答情報に基づいて危険度マップを作成し、ユーザ200に対して安全に目的地に到達できる誘導ルートを送信する。
【0078】
したがって、ユーザ200の安否情報を逐次得ることが可能であるとともに、災害エリア内の安全地帯及び危険地帯に関する詳細な情報を得ることができ、ユーザ200を安全に誘導するルートを特定することが可能となる。
【0079】
第1実施形態による災害情報処理装置100では、ユーザ200の移動端末201から得られる現在の位置情報に基づいて、ユーザ200の現在の状態情報や災害エリア内の各地の危険度を判定しており、これにより状況に応じた対応が可能となる。特に、災害情報処理装置100は、災害エリア内にいるユーザ200に対して、安全な場所まで誘導するためのルートを特定して提供することが可能となる。
【0080】
〈第2実施形態〉
図6は、災害情報処理装置の第2実施形態の機能ブロック図である。
【0081】
第1実施形態で示した災害情報処理装置100では、移動端末201の現在の位置情報と、移動端末201から送信された回答情報に含まれるユーザ200の状態情報に基づいて、危険度マップを作成し、目的地までの誘導ルートを移動端末201に送信する機能までを示している。
【0082】
第2実施形態では、前述したような機能に加えて、ユーザ200の状態情報に応じて、所定機関に対して救助依頼情報を送信する機能、ユーザ200の家族・友人などに対して安否情報を通知する機能などを追加している。
【0083】
図6に示す災害情報処理装置100は、災害情報受信部101、災害エリア特定部102、端末位置情報受信部103、被災者特定部104、確認情報受信部105、回答情報受信部106、ユーザ状態情報特定部107、危険度マップ作成部108、ルート特定部109、ルート送信部110、救助依頼情報送信部111、安否情報送信部112を含んでいる。
【0084】
災害情報受信部101は、外部機関300から災害が発生した旨の災害情報を受信する。
【0085】
前述したように、災害情報受信部101は、気象庁、消防署、警察署、地方自治体、その他の機関から送信される災害情報を受信し、災害情報記憶部120に記憶させる。
【0086】
災害エリア特定部102は、受信した災害情報に基づいて災害エリアを特定する。
【0087】
災害エリア特定部102は、災害情報受信部101で受信した災害情報と既存のマップ情報に基づいて、発生した災害によってユーザに影響が出ると見込まれる地域を災害エリアに特定する。
【0088】
端末位置情報受信部103は、移動端末201の現在の位置情報を受信する。
【0089】
端末位置情報受信部103は、移動端末201から送信されてくる現在の位置情報を受信して、これを個人情報記憶部130に記憶する。
【0090】
被災者特定部104は、災害エリア特定部102により特定された災害エリアと、移動端末201の現在の位置情報に基づいて、災害エリア内に存在する移動端末201のユーザ200を被災者として特定する。
【0091】
確認情報送信部105は、被災者として特定されたユーザ200が所有する移動端末201に対して、安否確認のための質問情報を送信する。
【0092】
回答情報受信部106は、安否確認のための質問情報に対する返信としてユーザ200の移動端末201から回答情報を受信する。
【0093】
ユーザ状態情報特定部107は、ユーザ200が所有する移動端末201からの回答情報に基づいてユーザ200の現在の状態情報を特定する。
【0094】
ユーザ状態情報特定部107は、回答情報に含まれるユーザ200の状態情報に応じて、個人情報記憶部130に記憶されているユーザ200の状態情報を更新する。
【0095】
危険度マップ作成部108は、回答情報受信部106により受信した回答情報に基づいて、回答情報に対応する移動端末201の現在の位置情報の危険度を判定し、災害エリアに対応する危険度マップを作成する。
【0096】
ルート特定部109は、ユーザ200が所有する移動端末201の現在の位置情報、危険度マップ、ユーザ200の現在の状態情報に基づいて、ユーザ200が移動すべき目的地と現在位置から目的地までの経路に関する誘導ルート情報を特定する。
【0097】
ルート送信部110は、ルート特定部109により特定された誘導ルート情報をユーザ200の移動端末201に送信する。
【0098】
救助依頼情報送信部111は、ユーザ200の状態情報に基づいて所定機関400に救助依頼情報を送信する。
【0099】
救助依頼情報送信部111は、ルート送信部110から誘導ルート情報を送信した後、端末位置情報受信部103により受信する移動端末201の現在の位置情報が所定時間経過しても変化しない場合、または移動端末201の現在の位置情報が目的地の位置情報と一致する前に移動端末201からの現在の位置情報が受信できなくなった場合に、移動端末201の位置情報と救助依頼情報とを所定機関400に送信する。
【0100】
ここで、所定機関400は、救急、警察、病院などの救助活動を実施する機関などである。
【0101】
安否情報送信部112は、ユーザ200が所有する移動端末201の現在の位置情報及びユーザの状態情報を、ユーザ200の個人情報テーブルに登録された通知先500に送信する。
【0102】
図7は、災害情報記憶部120に記憶されるデータテーブルの説明図である。
【0103】
災害情報記憶部120は、災害情報処理装置100を構成するコンピュータに内蔵されるハードディスクドライブ、または外付けで接続されたハードディスクドライブ、ネットワークを介して接続された記憶装置、その他の記憶媒体を用いることができる。
【0104】
災害情報記憶部120に記憶される各種データは、災害/事故/事件テーブル121、マップ情報テーブル122、避難所テーブル123、危険度テーブル124、道情報テーブル125、道組み合わせテーブル126などの各テーブルのデータ項目により関連付けられて記憶されている。
【0105】
図8は、個人情報記憶部130に記憶されるデータテーブルの説明図である。
【0106】
個人情報記憶部130は、災害情報記憶部120と同様に、災害情報処理装置100を構成するコンピュータに内蔵されるハードディスクドライブ、または外付けで接続されたハードディスクドライブ、ネットワークを介して接続された記憶装置、その他の記憶媒体を用いることができる。
【0107】
個人情報記憶部130に記憶される各種データは、個人情報テーブル131、ユーザ情報テーブル132、通知者情報テーブル133などの各テーブルのデータ項目により関連付けられて記憶されている。
【0108】
災害情報記憶部120及び個人情報記憶部130に格納されるデータテーブルを以下に説明する。
【0109】
図9は、災害/事故/事件テーブル121の一例を示す説明図である。
【0110】
災害/事故/事件テーブル121は、外部機関300から送信されてくる災害情報に基づいて発生した災害の各種情報に関するデータ項目を備えており、少なくとも事象ID項目、種別項目、事象情報項目、事象発生地項目、事象発生時刻項目、事象レベル項目を備えている。
【0111】
事象ID項目は、発生した災害事象を識別するために設定された固有の識別番号または識別記号を示す事象IDが格納される。事象IDは、外部機関300から送信されてきた災害情報に対して、災害情報処理装置100が固有の識別番号又は識別記号を付与することも可能であり、また外部機関300から送信されてきた災害情報に既に付与された識別番号または識別記号を流用することも可能である。
【0112】
種別項目は、発生した災害事象を災害、事故、事件のいずれかに分類するためのデータ項目であり、外部機関300のうちのどの機関から送信されてきた災害情報であるのか、及び/または送信されてきた災害情報の内容に基づいて、いずれかの種別データが格納される。
【0113】
事象情報項目は、発生した災害事象の詳細な情報を示すデータ項目であって、たとえば、自然災害の場合には、地震、洪水、津波などの詳細な事象についてデータが格納される。
【0114】
事象発生地項目は、災害事象の発生地を示すデータ項目であって、たとえば、発生した災害が地震である場合には、揺れが観測された場所とこれにより特定される震源地などから災害エリアを特定し、特定した災害エリアの地理的位置データを格納する。
【0115】
事象レベル項目は、災害事象の災害程度を示すデータ項目であって、たとえば、軽微な災害から大規模な災害までを事象レベル1〜3の3段階に分類することとし、受信した災害情報の内容からそれぞれ事象レベルを決定して、事象レベル項目に事象レベルデータを格納することができる。一例として、地震の場合には、震度1〜3の地震を事象レベル1とし、震度4〜5の地震を事象レベル2とし、震度5を超える地震を事象レベル3とすることができる。
【0116】
図10は、マップ情報テーブル122の一例を示す説明図である。
【0117】
マップ情報テーブル122は、既存のマップ情報項目を備えており、どのマップ情報を用いるのかを設定することができる。既存のマップ情報は、地形や設備・建物などの地理空間情報を数値化したものが提供されており、この他、断層などの地層の特徴、災害時における危険度を地理空間情報に含めたハザードマップが提供されており、発生した災害に応じて適切なマップ情報を使用することが可能である。
【0118】
図11は、避難所テーブル123の一例を示す説明図である。
【0119】
避難所テーブル123は、避難所位置項目、支援・救助マップ情報項目を含む。
【0120】
避難所位置項目は、危険を回避するために一時的に避難する場所として指定された一時避難場所、地方自治体などにより指定される広域避難場所の所在地を示すものであり、これら避難場所に指定された公園、学校などの地理的データが格納される。
【0121】
支援・救助マップ情報項目は、病院などの医療支援を受けることが可能なポイント、消防署、警察署・派出所などの救助支援を受けることが可能なポイント、飲料水や食料の補給が可能なポイントなどの所在地を示すものであって、各ポイントの地理的データが格納される。
【0122】
図12は、危険度テーブル124の一例を示す説明図である。
【0123】
危険度テーブル124は、危険度マップ作成部108によって危険度マップが作成される際に、ユーザ200の移動端末201から送信されてくる位置情報とユーザの状態情報から、ユーザ200の現在位置に関する危険度を判定して更新されるものであって、その一例として、少なくともGPS情報項目、携帯アンテナID項目、危険度項目、危険度理由項目、詳細項目などを含む。
【0124】
GPS情報項目は、ユーザ200の移動端末201から送信されてくる位置情報を示すものであって、移動端末201が所定の時間間隔でGPS機能により測位した現在の位置情報を格納する。GPS情報項目に格納される位置情報は、図12に例示しているように、移動端末201の位置情報を経緯度で示したデータとすることができる。
【0125】
携帯アンテナID項目は、ユーザ200の移動端末201とのデータ送受信を行った基地局の識別子である。この場合、移動端末201を携帯電話とした場合の携帯電話基地局のアンテナIDであって、その他の無線通信の場合も同様に移動端末201との通信を行った基地局の識別子データを格納することができる。
【0126】
危険度項目は、ユーザ200の状態情報及び回答情報に基づいて決定されたGPS情報に対応する位置の危険度を示す。危険度は、たとえば、最大値を10とする11段階評価で表すことができる。外部機関300から送信されてくる災害情報に、位置情報と関連付けて危険度を示す情報が含まれている場合には、これを危険度項目に格納するようにし、同一の位置情報または近傍の位置情報を備える移動端末201の位置情報に、危険度に関連する情報が含まれている場合には、危険度を再計算して危険度項目に格納されているデータの更新を行うことができる。
【0127】
危険度理由項目は、GPS情報項目で示される位置情報における危険度が高い場合に、どのような理由で危険であるのかを示すものであり、たとえば、図12に例示しているように、「土砂崩れ」、「活断層」などの危険度理由データが格納される。
【0128】
予めマップ情報テーブル122でハザードマップが設定されている場合には、ハザードマップ上で示された危険度及び危険度理由により、危険度項目及び危険度理由項目に格納されるデータを特定することができ、移動端末201から送信されてくる情報に基づいて当該位置における危険度及び危険度理由を更新することも可能である。
【0129】
詳細項目は、危険度に関連する詳細情報を示すものであり、たとえば、移動端末201から送信されるデータに基づいてその位置における詳細情報が得られるような場合に、この詳細情報を格納することができる。
【0130】
図13は、道情報テーブル125の一例を示す説明図である。
【0131】
道情報テーブル124は、マップ情報中に存在する道にそれぞれ識別子を付与し、各道の両端の経度項目、両端の緯度項目、距離項目、道利用者数項目などを含んでいる。
【0132】
各道の一端をSTARTとし、他端をENDとする時、緯度項目は、START項目及びEND項目を含み、START項目及びEND項目にはそれぞれ該当する道のスタート地点および最終地点の緯度情報が格納される。同様に、経度情報にも、START項目及びEND項目を含み、START項目及びEND項目にそれぞれ該当する道のスタート地点及び最終地点の経度情報が格納される。
【0133】
距離項目は、該当する道の距離情報を示すものであって、緯度項目及び経度項目に格納されたスタート地点と最終地点の経緯度情報に基づいて、地図上の縦方向及び横方向の距離情報を格納している。スタート地点から最終地点までの道に沿って計測される距離情報が判明している場合には、距離項目にはこの実際の距離情報を格納することも可能である。
【0134】
道利用者数項目は、災害発生時からこの道を利用した人の人数を示すものであって、たとえば、災害発生時からの累積人数項目と過去30分の人数項目を備えている。たとえば、移動端末201が所定の時間間隔で送信してくる位置情報に基づいて、道情報テーブル125の各道の経緯度情報に一致する位置情報を有するユーザ200をカウントして、累積人数項目及び過去30分の人数項目のデータを更新する。
【0135】
図14は、道組み合わせテーブル126の一例を示す説明図である。
【0136】
道組み合わせテーブル126は、道組み合わせ項目、利用可否項目を含んでいる。
【0137】
道組み合わせ項目は、連続する道の組み合わせ情報を示すものであって、たとえば、道情報テーブル125に格納されている道のスタート地点及び最終地点の経緯度情報から接続する複数の道の組み合わせ情報が格納される。
【0138】
利用可否項目は、道組み合わせ項目で指定される複数の道の組み合わせの利用可否情報を示すものであって、道組み合わせ項目で指定される複数の道の組み合わせを通過する際に危険度が低いか否かを判断し、危険度の低い場合には利用可能であり、危険度が高い場合には利用不可である旨の可否情報を格納する。
【0139】
図15は、個人情報テーブル131の一例を示す説明図である。
【0140】
個人情報テーブル131は、ユーザID項目、ユーザ名項目、郵便番号項目、住所項目、端末ID項目、電話番号項目、職業項目、出身地項目、出身校項目、生年月日項目、家族構成項目、身体状態項目、目的地項目を備えている。
【0141】
ユーザID項目は、ユーザ200を識別するための識別番号または識別記号を示すものであって、ユーザ200に対して一義的に付与した識別情報が格納される。
【0142】
ユーザ名項目、郵便番号項目、住所項目、職業項目、出身地項目、出身校項目、生年月日項目、家族構成項目は、ユーザの個人情報を示すものであって、移動端末201のユーザとして登録する際に提示された情報が格納される。これらの項目に格納されるデータは、ユーザからの変更要求に応じて、適宜更新される。
【0143】
端末ID項目、電話番号項目は、移動端末201に固有の情報を示すものであって、移動端末201に設定された識別情報、移動端末201が携帯電話である場合の電話番号がそれぞれ格納される。
【0144】
身体情報項目は、ユーザ200の身体特徴を示すものであって、たとえば、車いすを使用していることや視聴覚障害があることなどの身体情報が格納される。
【0145】
目的地項目は、緊急時の行き先となる目的地情報を示すものであって、たとえば、ユーザ200が緊急時の行き先として予め指定する場所に関する地理的データが格納される。
【0146】
図16は、ユーザ状態テーブル132の一例を示す説明図である。
【0147】
ユーザ状態テーブル132は、ユーザID項目、ユーザ位置項目、ユーザ安否状態項目、ユーザ回答状態項目、電池残量項目、SOS受取設定項目を含む。
【0148】
ユーザID項目は、個人情報テーブル131においてユーザID項目として設定されているユーザ200の識別情報が格納される。
【0149】
ユーザ位置項目は、ユーザ200の現在位置を示すものであって、ユーザ200が所有する移動端末201から送信されてくる現在の位置情報に基づいて更新される。たとえば、移動端末201が10分間隔でGPS機能を用いて現在の位置情報を取得して、これを災害情報処理装置100に送信する場合には、ユーザ位置項目に格納されるユーザ200の現在の位置情報は、10分間隔で更新される。
【0150】
ユーザ安否状態項目は、ユーザ200の安否状態を示すものであって、移動端末201から送信された位置情報と回答情報に基づいて、ユーザ200の現在の状態を判別して、ユーザの状態情報として格納される。
【0151】
ユーザ回答状態項目は、ユーザ200の移動端末201からの応答状態を示すものであって、災害情報処理装置100から送信した質問情報に対する回答情報が得られたか否か、回答情報に含まれるユーザ200の状態情報などの回答状態情報が格納される。
【0152】
電池残量項目は、ユーザ200が所有する移動端末201のバッテリ残量を示す。移動端末201は、所定の時間間隔で送信する現在の位置情報とともに、バッテリの充電量に関して現在の残量を検出し、このバッテリ残量情報を送信することができる。災害情報処理装置100では、移動端末201から送信されたバッテリ残量情報をユーザ状態テーブル132のバッテリ残量項目に格納する。
【0153】
SOS受取設定項目は、ユーザ200の近くにいる他のユーザの移動端末201がSOSサインを発信している場合に、このユーザの位置情報を受け取るか否かを示す。このSOS受取設定項目のデータは、「受け取る」か「否」で設定されるものであり、災害情報処理装置100から移動端末201にSOS受取設定に関する質問を送信して、これに対する回答情報に応じてデータを更新することができる。また、ユーザ200の状態情報に応じて、自動的に設定することも可能であり、たとえば、自身がSOSサインを発信しているユーザについては、SOSサインを発信している他のユーザが近くにいても対応できないと判断して、SOS受取設定項目のデータを「否」に設定する。
【0154】
図17は、通知者情報テーブル133の一例を示す説明図である。
【0155】
通知者情報テーブル133は、ユーザID項目と複数の通知メンバーグループ項目とを備える。
【0156】
ユーザID項目は、個人情報テーブル131においてユーザID項目として設定されているユーザ200の識別情報が格納される。
【0157】
複数の通知メンバーグループ項目は、ユーザ200が個人情報の公開に関するプライバシーポリシーに応じて公開レベルが設定されており、たとえば、情報公開レベルが最も高い第1通知メンバーグループ項目から情報公開レベルが比較的低い第3通知メンバーグループまで設定できるようにする。各通知メンバーグループの情報公開レベルは、予めユーザ200により設定することが可能であり、たとえば、家族については情報公開レベルが最も高い第1通知メンバーグループとし、友人や会社関係者は情報公開レベルが2番目に高い第2通知メンバーグループとすることができる。
【0158】
各通知メンバーグループには、緊急時等における通知先となるメールアドレスや電話番号などが登録されるものであって、各情報公開レベルに基づく通知メンバーグループのデータとして該当する通知先のメールアドレス、電話番号などが登録される。
【0159】
図18〜図22は、第2実施形態の災害情報処理装置100の処理フローチャートである。
【0160】
災害、事故、事件などが発生した場合に、災害の発生場所とその内容、規模などに関する災害情報を外部機関300が送信する。外部機関300は、ネットワークに接続可能な通信機能を備えるコンピュータ端末を備えており、ネットワークを介して、発生した災害に関する情報を送信する。
【0161】
外部機関300が送信する災害情報としては、たとえば、災害の種別(自然災害、事故、事件)、災害の詳細な事象に関する事象情報、災害が発生した場所に関する事象発生地、災害が発生した時刻に関する事象発生時刻、災害の規模に関する事象レベルなどの情報を含む。
【0162】
ステップS1801において、災害情報処理装置100は、外部機関300から送信される災害情報を受信する。災害情報受信部101は、外部機関300から災害情報を受信して、災害情報記憶部120の災害/事故/事件テーブルの各情報項目に対応する情報を格納する。
【0163】
このとき、災害情報受信部101は、該当する災害情報の識別情報を決定し、災害/事故/事件テーブルの事象ID項目に決定した災害情報の識別情報を格納する。
【0164】
災害エリア特定部102は、災害情報受信部101が受信した災害情報に基づいて、災害エリアを特定し、災害/事故/事件テーブル121の事象発生地項目のデータを更新する。
【0165】
端末位置情報受信部103は、移動端末201から送信される位置情報に基づいてユーザ状態テーブル132の各項目に対応するデータを更新する。端末位置情報受信部103は、災害発生時から所定時間間隔で移動端末201からの位置情報を受信することができ、その時間間隔は、たとえば、30分間隔とすることができ、ユーザ200の状態情報に応じてその間隔を変更することもできる。
【0166】
ステップS1803において、災害情報処理装置100は、災害発生エリア内にユーザ200が存在するか否かの位置のマッチング処理を実行する。被災者特定部104は、ユーザ状態テーブル132のユーザ位置項目に格納されている位置情報と、災害/事故/事件テーブル121の事象発生地項目に格納されている位置情報とを比較して、事象発生地付近に存在する移動端末201があるか否かを特定する。被災者特定部104が、事象発生地近傍に存在するユーザ200の位置情報がないと判断すると、この処理を終了する。
【0167】
被災者特定部104は、事象発生地の近傍に位置するユーザ200の位置情報があれば、該当するユーザ200を被災者と特定し、ステップS1805に移行する。
【0168】
ステップS1805において、災害情報処理装置100は事象発生地の近傍に位置するユーザ200の移動端末201に対して、安否確認のための質問情報を送信する。安否確認のための質問情報は、たとえば、移動端末201に対するメールで送信することが可能であり、確認情報送信部105は、たとえば、安否状態を確認するためのメールである点、安否状態に該当する回答情報を返信することを促す点を記述したメールを送信する。確認情報送信部105は、Webブラウザ上で安否確認の画面を表示させるようにURL情報を移動端末201に送信し、この安否確認の画面上で回答情報を入力させることも可能である。
【0169】
図23は、安否確認のための質問情報を記述したメールの表示画面の一例である。
【0170】
安否確認メール画面2300は、送信先となるユーザ名と、このメールが現在の安否確認を行うためのものである点、安全か否かについて1文字を選択的に送信することを促す内容を記述したものとなっている。図示した安否確認メールは、SOSを要求する状態である場合には「あ」とだけ送信すればよく、安全であれば「か」、軽症である場合には「さ」を送信することを促す内容となっている。
【0171】
災害の現場に所在するユーザ200は、広域的な情報を得ることができない状態である場合も想定されることから、安否確認のための質問情報に災害に関する情報を付加して送信することで情報提供を行うようにしてもよい。
【0172】
ステップS1807において、災害情報処理装置100は、安否確認のための質問情報を送信したユーザ200の安否確認処理を実行する。
【0173】
ユーザ200の移動端末201から送信されてくる回答情報を回答情報受信部106により受信し、この回答情報に基づいてユーザ状態情報特定部107が現在のユーザ200の安否状態を特定する。
【0174】
移動端末201を介して安否確認のための質問情報を受信したユーザ200は、自身の現在の状態に応じて、回答情報を返信する。
【0175】
図24は、質問情報に対する回答情報を記述したメールの表示画面の一例である。
【0176】
回答情報メール画面2400は、安否確認メールに対する返信として、SOSを要請する旨の「あ」を本文に記述した回答情報であることを示している。
【0177】
前述したように、ユーザ200が移動端末201を介して、SOSを要請する状態である場合には「あ」、安全であれば「か」、軽症である場合には「さ」を送信することを促す内容の安否確認メールを受け取ったとする。ユーザ200は、怪我により動けない状態であるような場合には、SOSを要請するために、「あ」を送信すればよい。
【0178】
したがって、図24に示すように、安否確認のメールに対する返信として、本文中に「あ」の1文字を記述することで、ユーザ200が危険な状態であり、SOSを要請することを知らせることができる。
【0179】
ステップS1807において、災害情報処理装置100は、安否確認のための質問情報を送信してから、所定時間経過しても回答情報を受信しなかったと判断した場合には、ステップS1809に移行する。
【0180】
ステップS1809において、確認情報送信部105が安否確認のための質問情報を送信した後、所定時間経過しても回答情報受信部106が移動端末201からの回答情報を受信しなかった場合には、ユーザ状態情報特定部107は、該当するユーザ200のユーザ状態を危険状態に特定する。
【0181】
たとえば、確認情報送信部105が質問情報を送信した後、30分時間経過しても回答情報受信部106が移動端末201からの回答情報を受信しなかった場合には、ユーザ状態情報特定部107は、該当するユーザ200の安否状態をSOS(危険)状態に特定する。
【0182】
ステップS1811において、災害情報処理装置100は、SOSサイン発動処理を実行する。
【0183】
SOSサイン発動処理では、災害情報処理装置100は、所定時間回答情報を送信してこなかった移動端末201に対して、物理的なSOSサインの発信を指示する情報を送信する。物理的なSOSサインとしては、たとえば、音、光、または匂いなどによりSOSを伝達するものであって、救助隊や救助犬などに所在を知らせるための信号であればよい。この後、災害情報処理装置100は、ステップS1815の処理に移行する。
【0184】
また、ステップS1807において、災害情報処理装置100は、安否確認のための質問情報に対する回答情報中に安全である旨の記述があると判断した場合には、ユーザ状態情報特定部107によりユーザ200の安否状態を安全であると特定し、ステップS1815に移行する。
【0185】
さらに、ステップS1807において、災害情報処理装置100は、安否確認のための質問情報に対する回答情報中に救助を要請する旨の記述があると判断した場合には、ユーザ状態情報特定部107によりユーザ200の安否状態を危険であると特定し、ステップS1813に移行する。
【0186】
ステップS1813では、災害情報処理装置100は、SOSサイン発動処理を実行する。
【0187】
ステップS1811のSOSサイン発動処理と同様にして、ステップS1813においても、災害情報処理装置100は、所定時間回答情報を送信してこなかった移動端末201に対して、物理的なSOSサインの発信を指示する情報を送信する。物理的なSOSサインとしては、音、光、または匂いなどによりSOSを伝達するものが採用できる点も前述と同様である。この後、災害情報処理装置100は、ステップS1815の処理に移行する。
【0188】
ステップS1815において、災害情報処理装置100は、個人情報記憶部130に記憶されたユーザの状態情報を更新する。ユーザ状態情報特定部107は、特定されたユーザの状態情報に基づいて、ユーザ状態テーブル132のユーザ安否情報項目に格納された該当するユーザデータを更新する。
【0189】
ステップS1817において、災害情報処理装置100は、更新されたユーザ状態テーブル132のユーザ状態情報を家族・友人などの通知先に対して送信する。
【0190】
安否情報送信部112は、個人情報記憶部130の通知者情報テーブル133を参照し、該当するユーザIDの通知メンバーグループに格納された通知先を抽出して、ユーザ安否状態を送信する。
【0191】
通知者情報テーブル133の通知メンバーグループ項目に格納されている通知先が、家族・友人500が所有する携帯電話501のメールアドレスである場合には、ユーザ安否状態を記述したメールを作成して該当するメールアドレスに送信する。
【0192】
ステップS1901において、災害情報処理装置100は、災害情報記憶部120に格納されているマップ情報、個人情報記憶部130に格納されているユーザ状態情報に基づいて、危険度マップを作成する。
【0193】
危険度マップ作成部108は、マップ情報テーブル122の既存のマップ情報項目、ユーザ状態テーブルのユーザ位置項目、ユーザ安否情報を参照して、安全地帯及び危険地帯を地理的情報と関連付けた危険度マップを作成する。
【0194】
危険度マップ作成部108は、移動端末201から送信されてきた位置情報と回答情報に基づいて、位置情報に危険度を対応させた危険度テーブル124のデータを更新する。さらに、このような危険度テーブル124のデータと、既存のマップデータとを重ね合わせて、図4に示すような小エリア毎の危険度を分類し、さらに詳細な地理的情報と危険度とを対応付けた危険度マップを作成する。
【0195】
ステップS1903において、災害情報処理装置100は、危険度マップとマップ情報に基づいて、道組み合わせテーブルを更新する。
【0196】
危険度マップ作成部108は、危険度テーブル124と道情報テーブル125とを参照し、道組み合わせテーブル126の道組み合わせ項目に格納されたデータに対して、安全であるか危険であるかを特定する。危険度マップ作成部108は、危険度が低い道組み合わせに対しては「○」、危険度が高いものには「×」を利用可否項目のデータとして格納する。
【0197】
ステップS1905において、災害情報処理装置100は、ユーザ200のユーザ情報を取得する。
【0198】
ルート特定部109は、災害エリアに所在するユーザ200が安全な場所まで移動する際の誘導ルートを特定して提供する。この場合に、ルート特定部109は、ユーザ200の家族構成や身体状態などに基づいて誘導ルートを特定することが好ましい。
【0199】
たとえば、ユーザ200が車いすを使用している場合には、ルート特定部109は、車いすが通過できない狭い道は回避するようにして誘導ルートを特定する。また、家族構成として幼児が含まれる場合には、ルート特定部109は、急峻な坂道を避けるなどの配慮をして、誘導ルートを特定する。
【0200】
このような誘導ルートを特定するために、ルート特定部109は、個人情報記憶部130の個人情報テーブル131を参照し、生年月日項目、家族構成項目、身体状態項目などの情報を取得する。
【0201】
ステップS1907において、災害情報処理装置100は、個人情報記憶部130を参照してユーザの目的地情報を取得する。
【0202】
ルート特定部109が誘導ルートを特定する際に、ユーザ200が緊急時の行き先として設定している目的地まで、安全に移動できるような誘導ルートを特定する。個人情報テーブル131の目的地項目に格納されて目的地情報は、たとえば、自宅や家族の家、最寄りの避難所のいずれかを指定して登録することが可能になっており、自宅や家族の家を指定した場合には「家族」、最寄りの避難所を指定した場合には「避難所」が目的地情報として格納されている。
【0203】
ルート特定部109は、個人情報テーブル132を参照し、目的地項目に格納されている目的地データを取得する。
【0204】
ステップS1909において、災害情報処理装置100は、ユーザ200の目的地を確認する。
【0205】
ルート特定部109は、個人情報テーブル132の目的地項目から取得した目的地データが「家族」であると判断した場合にはステップS1911に移行し、目的地データが「避難所」であると判断した場合にはステップS1915に移行する。
【0206】
ステップS1911において、災害情報処理装置100は、個人情報記憶部130を参照して通知者情報を取得する。
【0207】
ルート特定部109が特定した誘導ルートをユーザ200の家族にも通知するために、ルート特定部109は、通知者情報テーブル133の通知メンバーグループ項目に登録された通知先情報を取得する。
【0208】
ステップS1913において、災害情報処理装置100は、個人情報記憶部130を参照して、通知者情報として取得した家族がユーザとして登録されていれば、ユーザID毎の位置情報を取得する。
【0209】
ルート特定部109は、通知者情報テーブル133から取得した第1通知メンバーグループに含まれる情報に登録されたユーザが含まれる場合には、該当するユーザ名またはユーザIDに基づいてユーザ状態テーブル132を参照して、ユーザ位置項目に格納されている現在の位置情報を取得する。
【0210】
ステップS1915において、災害情報処理装置100は、災害情報記憶部120を参照して、ユーザ200の現在の位置から最寄りの避難所の情報を取得する。
【0211】
ルート特定部109は、避難所テーブル123の避難所位置項目を参照して、ユーザ200の現在の位置情報から安全に移動できる最も近い避難所を検出し、これを目的地に設定する。
【0212】
ステップS1917において、災害情報処理装置100は、ユーザ200の現在位置から目的地までの誘導ルートを特定する。
【0213】
ルート特定部109は、ユーザ状態テーブル132のユーザ位置項目に格納されている位置情報、目的地の位置情報、道組み合わせテーブル126の道組み合わせ項目に格納されている道組み合わせ情報とその利用可否情報などを参照して、ユーザ200の現在位置から目的地までの誘導ルートを特定する。この時、ルート特定部109は、複数の誘導ルートを特定することができ、たとえば、3つの誘導ルートを特定するようにする。
【0214】
なお、ルート特定部109は、後述するように、2回目以降のループにおいて、道情報テーブル125の道利用者数項目のデータに基づいて、利用者数の多い道をより安全なルートであると判断して、優先的に誘導ルートにすることができる。
【0215】
また、ステップS1913で取得したユーザ200の家族の位置情報に基づいて、家族が災害エリアに所在すると判断される場合には、家族の現在位置からユーザ200の目的地までの誘導ルートを特定する。
【0216】
図25は、ルート特定部109が、道組み合わせテーブル126に格納された情報に基づいて特定した誘導ルートの説明図である。
【0217】
ユーザ200の現在位置2501から、目的地である避難所2502までの間に、道(1)〜道(18)の番号が付与された道が存在するものとする。それぞれの道(1)〜(18)は、道情報テーブル125に経緯度データ、距離などのデータが格納されており、危険度テーブル124の危険度情報に基づいて、道組み合わせの利用可否情報が道組み合わせテーブル126に格納されている。
【0218】
道(2)が危険である場合には、道(1)から道(2)を通過するルートは利用可否情報が「×」に設定されている。また、道(1)から道(5)を通過するルートはその両方の道が安全であることから利用可否情報が「○」に設定されている。
【0219】
ルート特定部109は、道組み合わせテーブル126の利用可否情報に基づいて、ユーザ200の現在位置2501から目的地である避難所2502までの誘導ルートを特定する。たとえば、図25の例では、道(1)〜(5)〜(8)〜(11)〜(15)を通過する第1ルート、道(1)〜(5)〜(10)〜(14)〜(15)を通過する第2ルート、道(1)〜(10)〜(16)〜(20)を通過する第3ルートを安全に移動できる誘導ルートとする。
【0220】
前述したように、ユーザ200の個人情報テーブル131に、車いす使用者であることや家族構成に幼児が含まれるような場合には、ルート特定部109は、誘導ルートを特定する際にこのような条件を加味して道を選択する。
【0221】
ルート特定部109は、ユーザ200の現在位置から目的地までの誘導ルートを特定すると、各誘導ルートについてその距離を算出する。この場合、ルート特定部109は、GPSで地図の道路情報に基づいて誘導ルートの距離の算出を行い、実際の道路に沿った距離を算出することによって、正確な距離情報をユーザ200に提供することができる。
【0222】
ルート特定部109は、特定した誘導ルートについて、最も危険度の高い値を算出する。この場合、ルート特定部109は、危険度テーブル124を参照して、特定した誘導ルート上の危険度を加算し、最も高くなる危険度の値を算出する。
【0223】
ルート特定部109は、誘導ルート上にある支援・救援情報を検索する。この場合、ルート特定部109は、既存のマップ情報などから、病院や消防署などの医療支援を受けることが可能なポイント、水の補給が可能なポイントなどの情報を取得する。
【0224】
ルート特定部109は、1回目のループにおいて、ユーザ200の状態情報やハザードマップの情報などを用いて安全であると判断される誘導ルートを特定する。2回目以降のループにおいて、災害情報処理装置100から送信した誘導ルートにうち推奨度の最も高いルートとは異なるルートを利用するユーザ200が多い場合には、推奨度の高いルートを置き換えることができる。たとえば、道情報テーブル125の道利用者数項目に、累積人数項目、過去30分の通過人数項目のデータとしてカウントした利用者数を格納し、この道利用者数項目を参照して、安全であると推定されるルートを誘導ルートとして特定する。
【0225】
ステップS1919において、災害情報処理装置100は、特定した誘導ルートをユーザ200の移動端末201に送信する。
【0226】
ルート送信部110は、ルート特定部109によって特定された誘導ルートをユーザ200の移動端末201に送信する。ルート送信部110は、特定した誘導ルートの地図情報を、たとえば、メールに添付して送信することができ、また、Java(登録商標)アプリケーションにより該当する地図情報を送信することもでき、さらに、Webブラウザに対して該当するURLを送信してWeb画面を表示させることもできる。この時、ルート送信部110は、各誘導ルートの距離、所要時間、危険度、支援・救援情報などを同時に送信することができる。
【0227】
ルート送信部110が送信する誘導ルート情報は、図5に示した表示画面例と同様の構成とすることができる。
【0228】
ステップS2001において、災害情報処理装置100は、ユーザ200が目的地に到着したか否かを判別する。ユーザ状態情報特定部107は、移動端末201から送信されてくる現在の位置情報と目的地の位置情報とを比較して、一致しない場合には、ユーザ200がまだ目的地に到着していないと判断して、ステップS2003に移行する。
【0229】
ステップS2003において、災害情報処理装置100は、ユーザ200の移動端末201に対して情報を送信してから所定時間経過したか否かを判断する。たとえば、災害情報処理装置100は、質問情報、誘導ルート情報などをユーザ200の移動端末201に送信してから、5分経過したと判断した場合には、ステップS1803に移行し、以下の処理を繰り返し実行する。また、災害情報処理装置100は、質問情報、誘導ルート情報などをユーザ200の移動端末201に送信してから、5分経過していないと判断した場合には、ステップS2001に移行する。
【0230】
ステップS2001において、災害情報処理装置100は、誘導ルート情報をユーザ200の移動端末201に送信した後所定時間経過しても、移動端末201から送信される位置情報に変化がない場合、または移動端末201の現在の位置情報が目的地の位置情報と一致する前に移動端末201からの現在の位置情報が受信できなくなった場合には、ステップS2005に移行する。
【0231】
ステップS2005において、災害情報処理装置100は、ユーザ200が移動できない危険状態が発生したと判断して、ユーザ状態テーブル132を更新する。ユーザ状態情報特定部107は、誘導ルート情報をユーザ200の移動端末201に送信した後所定時間経過しても、移動端末201から送信される位置情報に変化がない場合、または移動端末201の現在の位置情報が目的地の位置情報と一致する前に移動端末201からの現在の位置情報が受信できなくなった場合に、ユーザ200が危険状態であると判断して、ユーザ状態テーブル132のユーザ安否状態項目を危険である旨のデータで更新する。
【0232】
ステップS2007において、災害情報処理装置100は、救助隊に対する救助依頼情報を送信する。救助依頼情報送信部111は、ユーザ200の状態情報に基づいて所定機関400に救助依頼情報を送信する。前述したように、所定機関400は、救急、警察、病院などの救助活動を実施する機関である。
【0233】
ステップS2009において、災害情報処理装置100は、該当するユーザ200の通知先に対して、ユーザ200の安否状態及び現在の位置情報を送信する。安否情報送信部112は、通知者情報テーブル133の通知メンバーグループ項目に格納されている通知先がメールアドレスであれば、当該メールアドレスにユーザ200の安否情報を送信するためのメールを送信する。安否情報送信部112は、ユーザ状態テーブル132のユーザ安否状態項目に格納されている安否状態情報、ユーザ200が目的地に無事に到着した旨の情報、ユーザ200の現在位置情報などを含むメールを作成し、通知先のメールアドレスに送信する。
【0234】
通知先として電話番号が登録されている場合には、オペレータ端末(図示せず)に当該電話番号に通知を行う旨の指示情報を送信することができ、また、音声自動応答システムに用いて当該電話番号に対する発信を行うことも可能である。さらに、安否情報送信部112は、Webブラウザに所定のWeb画面を表示させるために該当するURLを送信することもできる。 このようにして、災害情報処理装置100は、たとえば、5分間隔で安否確認用の質問情報を送信し、受信した回答情報に基づいて、ユーザ200の状態情報を特定するとともに、ユーザ200の所在位置における危険度を特定し、ユーザ200への誘導ルートを提供している。
【0235】
災害情報処理装置100は、ユーザ200の目的地に集まっている人数、目的地までの距離、所要時間などをGPS情報に基づいて算出して、これを送信することができる。また、災害情報処理装置100は、ユーザ200に誘導ルートに関する情報を所定時間間隔で提供する際に、同時に、家族・友人の移動端末501から送信されてくるメッセージやその位置情報などを送信することができ、さらに、家族・友人の移動端末501にユーザ200の位置情報を逐次送信することも可能である。
【0236】
この場合、災害エリアに存在しているユーザ200が、災害情報処理装置100からの災害情報や避難場所に関する情報を得ることが可能であるとともに、家族・友人などの情報を逐次得ることが可能となり、不安を解消できる。また、災害エリアに所在するユーザ200の家族・友人に対しても、ユーザ200が安全に避難しているか否についての情報を得ることが可能であり、安心を提供することができる。 1回目のループ中において災害情報処理装置100が送信する誘導ルートは、最も安全であると推定されるルートであるが、ユーザ200が所在する現場においては必ずしもそのルートが最も安全であるとは限らない。現場において、複数のユーザ200が視覚や直感に基づいて安全であると判断して選択した道の情報を集約することによって、より安全な誘導ルートを特定することができる可能性がある。
【0237】
このような点に基づいて、2回目以降のループにおいては、複数のユーザ200の位置情報から道情報テーブル125に格納された道の安全度(危険度)に関する情報に反映させて、これを用いて誘導ルートの特定をすることができる。ユーザ200の位置情報に基づいて、道情報テーブル125のデータを更新する点について、図21に基づいて説明する。
【0238】
ステップS2101において、災害情報処理装置100は、ユーザ200の移動端末201の位置情報を取得する。この場合、危険度マップ作成部108は、移動端末201から送信されてくる回答情報から現在の位置情報を取得するか、あるいは個人情報記憶部130に格納されている現在の位置情報を取得する。
【0239】
ステップS2103において、災害情報処理装置100は、ユーザ200の現在位置が道情報テーブル125内にある道であるか否かを判別する。危険度マップ作成部108は、道情報テーブル125を参照して、ユーザ200の現在の位置情報と、道情報テーブル125の経緯度項目に格納された情報に基づいて、ユーザ200の現在位置に対応している道があるか否かを判別する。
【0240】
危険度マップ作成部108は、ユーザ200の現在位置が道情報テーブル125内にある道であると判断した場合にはステップS2105に移行し、そうでない場合にはステップS1917に移行する。
【0241】
ステップS2105において、災害情報処理装置100は、ユーザ200が位置する道の利用者数をカウントする。
【0242】
危険度マップ作成部108は、ユーザ200の現在位置に該当する道の情報が道情報テーブル125にある場合、ユーザ状態テーブル132を参照して、該当する道の経緯度情報と一致するユーザ位置情報を有するユーザ数をカウントし、道情報テーブル125の道利用者数項目のデータを更新する。
【0243】
災害発生当初、災害情報処理装置100は、安全であると判断した道(1)を含む誘導ルートをユーザ200の移動端末201に送信した結果、道(1)の利用者の累計が多くなったものの、その後の現場において、道(2)を利用した方が安全であると判断するユーザ200が増えたことに起因すると推測できる。
【0244】
このように、複数のユーザの移動状況に応じて、当初安全であると見なして推奨していたルートより安全なルートをあると判断できるような場合には、危険度マップ作成部108は危険度テーブル124の危険度項目、道情報テーブル125の道利用者項目、道組み合わせテーブル126の利用可否項目などのデータを適宜更新し、ルート特定部109がより安全なルートを選択できるようにする。
【0245】
図26は、誘導ルートの表示画面の一例を示す説明図である。
【0246】
誘導ルート表示画面2600では、ユーザ200の現在位置2601から目的地までのルートの途中で、道(1)と道(2)に分岐する分岐点が存在する。ルート特定部109は、ユーザ200の現在位置2601から最短距離で目的地に到達できるルートとして、この分岐点から北に進む道(1)を選択したとする。
【0247】
その後の道利用者数累計により、図13の道情報テーブル125に示すように、災害発生当初から現在に至る道(1)の累計利用者数が、道(2)の累計利用者数よりも多く、過去30分間の人数項目では、道(2)の利用者数の方が道(1)の利用者数を上回っている。
【0248】
この場合、ユーザ200の移動端末201に送信する誘導ルート情報には、各道の累計利用者数と過去30分の利用者数を送信することができる。
【0249】
図26に示すように、誘導ルート表示画面2600には、道(1)について、最短距離である旨、累計利用者が30名である旨、過去30分の利用者数が5名である旨の表示がされている。また、誘導ルート表示画面2600には、道(2)について、累計利用者が25名である旨、過去30分の利用者数が23名である旨の表示がされている。
【0250】
このように、誘導ルート中の道毎に過去の利用者数を表示することで、ユーザ200が安全なルートを判断して選択することが可能となる。
【0251】
ルート特定部109は、当初、最も推奨度の高い誘導ルートとして道(1)を含むルートとしており、その後の道利用者数データに基づいて、道(2)を含むルートを最も推奨度の高い誘導ルートに置き換えるようにしてもよい。
【0252】
図27は、誘導ルートの表示画面の他の例を示す説明図である。
【0253】
災害情報処理装置100が、当初、図5に示すような誘導ルートを特定して、この誘導ルート情報を移動端末201に送信したとする。その後、移動端末201から送信される端末位置情報及び回答情報に基づいて、道情報テーブル125の道利用者数項目のデータを更新した結果、提示した誘導ルート以外により利用者の多いルートが存在することが判明したとする。
【0254】
この場合には、災害情報処理装置100は、現場における複数のユーザ200が、視覚的、直感的に安全なルートを選択して移動しているものと考えて、最初に提示した誘導ルートに加えて、利用者数の多いルートを誘導ルート表示画面に表示することができる。
【0255】
たとえば、図27に示すように、誘導ルート表示画面2700には、ユーザ200の現在位置51から目的地52まで安全に移動できる誘導ルートR1〜R3を表示している。この誘導ルート表示画面2700に表示されている誘導ルートR1〜R3は、ルート特定部109が最初に特定した誘導ルートに基づくものであって、図5の誘導ルート表示画面50に表示された誘導ルートR1〜R3と同様である。
【0256】
その後の道利用者数データに基づいて、より多くのユーザが移動するルートが存在することが判明した場合に、ルート特定部109は該当するルートを誘導ルートの一つに追加し、ルート送信部110を介して送信する。
【0257】
このことから、図27に示すように、誘導ルート表示画面2700には、当初の誘導ルートR1〜R3に加えて、第4の誘導ルートR4が表示される。ルート特定部109は、道情報テーブル125、の経緯度項目、危険度テーブル124の危険度項目、マップ情報などを参照して、新たに追加された誘導ルートR4の距離、所要時間、危険度、経路上の情報を取得して、ルート送信部110を介して送信することもできる。
【0258】
また、誘導ルート表示画面2700上で、新たに追加された誘導ルートR4が他の誘導ルートR1〜R3と区別できるように、異なる色で表示することもでき、道毎の利用者数を表示することも可能である。
【0259】
ステップS1811、ステップS1813において、災害情報処理装置100は、ユーザ200の移動端末201に対して、SOSサインを発信するように指示する。移動端末201が所定の指示コマンドを受信することで、光や音、匂いなどの物理的なSOSサインを発生させるような遠隔操作機能を備えていることを前提としている。これと同時に、災害情報処理装置100は、救急、警察、病院などの救助活動を実施する所定機関に対する救助依頼情報を送信し、該当するユーザ200の近傍にほかのユーザがいる場合にはユーザ200の位置情報を送信して支援を依頼する。このSOSサイン発信時における処理を図22のフローチャートに基づいて説明する。
【0260】
ステップS2201において、災害情報処理装置100は、個人情報記憶部130に格納されているユーザ状態情報を危険に設定する。ここでは、移動端末201から送信された回答情報にユーザ200からのSOS情報が含まれている場合、安否を確認するための質問情報に対する回答情報が所定時間経過しても受信できなかった場合に、ユーザ状態情報特定部107は、ユーザ200の状態が危険であると判断して、ユーザ状態テーブル132のユーザ安否状態項目のデータを「危険」に設定する。
【0261】
ステップS2203において、災害情報処理装置100は、救助隊に対する救助依頼情報を送信する。救助依頼情報送信部111は、ユーザ200の状態情報に基づいて、移動端末201から最後に受信した位置情報を含む救助依頼情報を送信する。前述したように、所定機関400は、救急、警察、病院などの救助活動を実施する機関である。
【0262】
ステップS2205において、災害情報処理装置100は、ユーザ200の位置情報に基づいて、近くにいる他のユーザがいるか否かの位置マッチング処理を実行する。
【0263】
救助依頼情報送信部111は、ユーザ状態テーブル132のユーザ位置項目のデータを参照して、ユーザ200の位置情報に近い位置情報を備えたユーザを検索する。たとえば、ユーザ200の半径300m以内の位置情報を備えるユーザがいる場合には、このユーザの個人情報テーブル131及びユーザ状態テーブル132の各データを取得する。
【0264】
さらに、救助依頼情報送信部111は、検索によりヒットしたユーザのユーザ状態テーブル132を参照して、SOS受取設定項目のデータが「受け取る」に設定されており、かつ、ユーザ安否状態項目のデータが「安全」になっている場合には、このユーザを支援要請対象に設定する。
【0265】
救助依頼情報送信部111は、支援要請依頼対象となるユーザがいないと判断した場合には、この処理を終了する。
【0266】
ステップS2207において、災害情報処理装置100は、支援要請対象となったユーザに対して、SOSサインを発信しているユーザ200の位置情報を送信する。
【0267】
救助依頼情報送信部111は、支援要請対象となったユーザの移動端末に対して、SOSサインを発信しているユーザ200の位置情報を含む支援要請メールを作成して送信する。
【0268】
第2実施形態による災害情報処理装置100は、ユーザ200の移動端末201から得られる位置情報に基づいて、適切な誘導ルートを提供することが可能である。
【0269】
また、家族・友人などのユーザ200の関係者に対して、ユーザ200の状態情報に応じた情報通知を行うことができ、特に、避難所などの目的地に向かっていることや目的地に到着したことを、設定された通知先500にメールなどの形態で通知することが可能である。
【0270】
さらに、ユーザ200の移動情報に基づいて、現場の状況を分析してより安全なルートを提示することが可能であり、特に、道の利用者数データに基づいて、最初に安全であると判断された誘導ルートの他に、より安全に移動可能なルートを提示することができる。
【0271】
危険状態になっているユーザ200については、救助活動を実行している所定機関400に対して救助依頼情報を送信するとともに、移動端末201に対してSOSサインの発信を指示し、近くにいるユーザを検索して支援要請情報を送信することで、迅速な対応を可能としている。
【0272】
また、災害情報処理装置100は、各ユーザが所有する移動端末201との情報の送受信に基づいて、避難所などの目的地52に既に集まっている人数、及び目的地52に向かって移動中であるユーザの人数を把握することが可能である。これに基づいて、災害情報処理装置100は、目的地52において必要となる食料や水、医薬品、衣料品などの支援物資の配布数を算出して、これを所定機関400に送信することができる。
【0273】
〈他の実施形態〉
ユーザ200が所有する移動端末201に地震の揺れを感知する振動センサを設け、この振動センサが地震の揺れを感知した際に、移動端末201が災害情報処理装置100に対して現在の位置情報と揺れの大きさを含む地震情報を送信することができる。
【0274】
この場合、所定のエリア内に存在する移動端末201が送信してくる地震情報に基づいて、複数の移動端末201からの地震情報があれば、そのエリアにおいて地震が発生したことを特定し、前述したような災害情報処理を起動することができる。
【0275】
このように、移動端末201から送信されてくる地震情報に対応して、地震の発生エリアを特定する場合、気象情報などの外部機関300からの情報送信がなくても災害情報処理を実行することができ、より迅速な処理が可能となる。
【0276】
地震の揺れの他にも、水害や火災などの災害を感知できるセンサ類を移動端末201にっ装備することによって、種々の災害に対応することが可能となる。
【符号の説明】
【0277】
100 災害情報処理装置
101 災害情報受信部
102 災害エリア特定部
103 端末位置情報受信部
104 被災者特定部
105 確認情報送信部
106 回答情報送信部
107 ユーザ状態情報特定部
108 危険度マップ作成部
109 ルート特定部
110 ルート送信部
120 災害情報記憶部
130 個人情報記憶部
201 移動端末
300 外部機関

【特許請求の範囲】
【請求項1】
災害が発生した旨の災害情報を受信する災害情報受信部と、
前記災害情報に基づいて災害エリアを特定する災害エリア特定部と、
移動端末の現在の位置情報を受信する端末位置情報受信部と、
前記災害エリア特定部により特定された災害エリアと、前記移動端末の現在の位置情報に基づいて、前記災害エリア内に存在する移動端末のユーザを被災者として特定する被災者特定部と、
前記ユーザが所有する移動端末に対して、安否確認のための質問情報を送信する確認情報送信部と、
前記安否確認のための質問情報に対する返信として前記ユーザの移動端末から回答情報を受信する回答情報受信部と、
前記回答情報受信部により受信した回答情報に基づいて前記ユーザの現在の状態情報を特定するユーザ状態情報特定部と、
前記回答情報に対応する移動端末の現在の位置情報の危険度を判定し、前記災害エリアに対応する危険度マップを作成する危険度マップ作成部と、
前記ユーザが所有する移動端末の現在の位置情報、前記危険度マップ、前記ユーザの現在の状態情報に基づいて、前記ユーザが移動すべき目的地と現在位置から前記目的地までの経路に関する誘導ルート情報を特定するルート特定部と、
前記ルート特定部により特定された誘導ルート情報を前記ユーザの移動端末に送信するルート送信部と、
を備える災害情報処理装置。
【請求項2】
前記端末位置情報受信部は、前記移動端末の現在の位置情報を所定時間間隔で受信し、
前記端末位置情報受信部が受信する移動端末の現在の位置情報が、前記危険度マップ上の危険度の高い領域であって、所定時間同一の位置情報である場合に、前記移動端末の現在の位置情報と救助依頼情報とを所定機関に送信する救助依頼情報送信部をさらに備える、請求項1に記載の災害情報処理装置。
【請求項3】
前記救助依頼情報送信部は、前記確認情報送信部が質問情報を送信してから所定時間経過しても前記回答情報受信部が該当する移動端末からの回答情報を受信しなかった場合に、前記移動端末の現在の位置情報と救助依頼情報とを所定機関に送信する、請求項2に記載の災害情報処理装置。
【請求項4】
前記救助依頼情報送信部は、前記回答情報受信部が受信した回答情報に前記ユーザが救助を要請する情報が含まれていた場合に、前記移動端末の現在の位置情報と救助依頼情報とを所定機関に送信する、請求項2または3に記載の災害情報処理装置。
【請求項5】
前記ルート送信部から誘導ルート情報を送信した後、前記端末位置情報受信部により受信する移動端末の現在の位置情報が所定時間経過しても変化しない場合、または前記移動端末の現在の位置情報が目的地の位置情報と一致する前に前記移動端末からの現在の位置情報が受信できなくなった場合に、前記救助依頼情報送信部が最後に受信した移動端末の位置情報と救助依頼情報とを所定機関に送信する、請求項2〜4のいずれかに記載の災害情報処理装置。
【請求項6】
前記移動端末を所有するユーザのユーザ情報と、前記安否情報の通知先となる通知先情報とが関連付けて登録される個人情報テーブルと、
前記ユーザが所有する移動端末の現在の位置情報及び前記ユーザの状態情報を、前記個人情報テーブルに登録された通知先に送信する安否情報送信部と、
をさらに備える、請求項1〜5のいずれかに記載の災害情報処理装置。
【請求項7】
前記安否情報送信部は、前記端末位置情報受信部が受信した移動端末の位置情報が、前記誘導ルート情報の目的地の位置情報と一致した場合に、前記ユーザが目的地に到着した旨の通知を送信する、請求項6に記載の災害情報処理装置。
【請求項8】
前記端末位置情報受信部は、複数の移動端末からの現在の位置情報を所定時間間隔で受信し、前記危険度マップ作成部は、前記端末位置情報受信部が受信した移動端末の位置情報から各移動端末の移動経路を判別し、複数の移動端末の移動経路を危険度の低いルートとして前記危険度マップを再構成する、請求項1〜7のいずれかに記載の災害情報処理装置。
【請求項9】
前記確認情報送信部は、前記ユーザの現在地が安全であるか否かを確認するための安全確認情報を前記移動端末に所定時間間隔で送信し、
前記回答情報受信部は、前記安全確認情報に対する返信として前記ユーザの移動端末から安全確認回答情報を受信し、
前記危険度マップ作成部は、前記移動端末から受信した安全確認回答情報に基づいて、前記危険度マップを再構成する、請求項1〜8のいずれかに記載の災害情報処理装置。
【請求項10】
前記端末位置情報受信部は、現在の位置情報が前記誘導ルート情報中に含まれる目的地の位置情報と一致する他のユーザが所有する移動端末から前記目的地の状態情報を受信し、前記誘導ルート情報を送信した移動端末に対して前記目的地の状態情報を所定時間間隔で送信する、請求項1〜9のいずれかに記載の災害情報処理装置。
【請求項11】
災害情報処理装置のプログラムであって、
災害が発生した旨の災害情報を受信する災害情報受信部と、
前記災害情報に基づいて災害エリアを特定する災害エリア特定部と、
移動端末の現在の位置情報を受信する端末位置情報受信部と、
前記災害エリア特定部により特定された災害エリアと、前記移動端末の現在の位置情報に基づいて、前記災害エリア内に存在する移動端末のユーザを被災者として特定する被災者特定部と、
前記ユーザが所有する移動端末に対して、安否確認のための質問情報を送信する確認情報送信部と、
前記安否確認のための質問情報に対する返信として前記ユーザの移動端末から回答情報を受信する回答情報受信部と、
前記前記回答情報受信部により受信した回答情報に基づいて前記ユーザの現在の状態情報を特定するユーザ状態情報特定部と、
前記回答情報に対応する移動端末の現在の位置情報の危険度を判定し、前記災害エリアに対応する危険度マップを作成する危険度マップ作成部と、
前記ユーザが所有する移動端末の現在の位置情報、前記危険度マップ、前記ユーザの現在の状態情報に基づいて、前記ユーザが移動すべき目的地と現在位置から前記目的地までの経路に関する誘導ルート情報を特定するルート特定部と、
前記ルート特定部により特定された誘導ルート情報を前記ユーザの移動端末に送信するルート送信部と、
を備える災害情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2011−210205(P2011−210205A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−79961(P2010−79961)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】