説明

炎症性障害を治療する方法および試薬

本発明は、三環化合物、および任意でコルチコステロイドまたは他の化合物を、免疫炎症性障害と診断された、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に投与することによって、前記患者を治療する方法を特徴とする。また、本発明は、免疫炎症性障害の治療または予防のための、三環化合物、およびコルチコステロイドまたは他の化合物を含有する薬学的組成物も特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免疫炎症性障害の治療に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
免疫炎症性障害は、身体の免疫防御の不適切な活性化によって特徴付けられる。感染性侵入体を標的化するよりはむしろ、免疫応答は身体自身の組織または移植された組織を標的化し、それを損傷する。免疫系によって標的化された組織は障害で変化する。例えば、多発性硬化症においては、免疫応答はニューロン組織に向けられ、他方、クローン病においては消化管が標的化される。免疫炎症性障害は何百万人の個体に影響し、それは、喘息、アレルギー性眼内炎症性疾患、関節炎、アトピー性皮膚炎、アトピー性湿疹、糖尿病、溶血性貧血、炎症性皮膚病、炎症性腸または胃腸障害(例えば、クローン病および潰瘍性結腸炎)、多発性硬化症、重症筋無力症、掻痒/炎症、乾癬、慢性関節リウマチ、肝硬変、および全身性エリテマトーデスなどを含む。
【0003】
免疫炎症性障害のための現行の治療方法は、典型的には、免疫抑制剤に頼っている。これらの剤の有効性は変化しかねず、それらの使用はしばしば有害な副作用が伴っている。従って、免疫炎症性障害の治療のための改良された治療剤および方法が必要とされる。
【発明の開示】
【0004】
発明の概要
一つの局面において、本発明は、一緒になってそれを必要とする患者において免疫炎症性障害を治療するのに十分な量にて、三環化合物およびコルチコステロイドを含む組成物を特徴とする。所望であれば、前記組成物は一つまたは複数のさらなる化合物(例えば、グルココルチコイド受容体モジュレーター、NSAID、COX-2阻害剤、DMARD、バイオロジック、小分子免疫モジュレーター、キサンチン、抗コリン作動性化合物、β受容体アゴニスト、気管支拡張剤、非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤、ビタミンDアナログ、ソラレン、レチノイド、または5-アミノサリチル酸)を含むことができる。前記組成物は、例えば、局所投与または全身投与のために処方することができる。
【0005】
もう1つの局面において、本発明は、患者を治療するのに十分な量の三環化合物およびコルチコステロイドを同時に、または互いに14日以内に患者に投与することによって、免疫炎症性障害と診断されたか、または免疫炎症性障害を発症する危険性があると診断された患者を治療する方法を特徴とする。
【0006】
関連する局面において、本発明は、患者における免疫応答を変調するのに十分な量の三環化合物およびコルチコステロイドを同時に、または互いに14日以内に患者に投与することによって、患者において(例えば、炎症誘発性サイトカインの分泌または生産を減少させることによって、あるいは接着、遺伝子発現、ケモカイン分泌、MHC複合体の提示、共刺激シグナルの提示、または他のメディエーターの細胞表面発現を変調することによって)免疫応答を変調する方法を特徴とする。
【0007】
前記方法のいずれかにおいて、患者は一つまたは複数のさらなる化合物(例えば、グルココルチコイド受容体モジュレーター、NSAID、COX-2阻害剤、DMARD、バイオロジック、小分子免疫モジュレーター、キサンチン、抗コリン作動性化合物、β受容体アゴニスト、気管支拡張剤、非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤、ビタミンDアナログ、プロラレン、レチノイド、または5-アミノサリチル酸)を投与することもできる。
【0008】
所望であれば、三環化合物および/またはコルチコステロイドは低用量または高用量で投与することができる。薬剤は、望ましくは、相互から10日以内に、より望ましくは相互から5日以内に、なおより望ましくは相互から24時間以内に、または同時にさえ(すなわち、一緒に)投与することができる。
【0009】
関連する局面において、本発明は、一緒になって、三環化合物の非存在下におけるコルチコステロイドの投与よりも免疫炎症性障害を治療するのにより効果的な量にて、三環化合物およびコルチコステロイドを患者に同時に投与することによってそれを必要とする患者において免疫炎症性障害を治療する方法を特徴とする。
【0010】
さらにもう一つの関連する局面において、本発明は、コルチコステロイドの非存在下における三環化合物の投与よりも免疫炎症性障害を治療するのに一緒になってより効果的な量にて、三環化合物およびコルチコステロイドを患者に同時に投与することによってそれを必要とする患者において免疫炎症性障害を治療する方法を特徴とする。
【0011】
さらにもう一つの関連する局面において、本発明は、患者にコルチコステロイドを投与し;次いで、患者に三環化合物を投与することによってそれを必要とする患者において免疫炎症性障害を治療する方法を特徴とし;(i)前記コルチコステロイドおよび三環化合物は一緒に投与され、および(ii)患者に投与されるコルチコステロイドおよび三環化合物の各量は、三環化合物の非存在下におけるコルチコステロイドの投与、またはコルチコステロイドの非存在下における三環化合物の投与と比較して、免疫炎症性障害を治療するにおいてより効果的である。
【0012】
また、本発明は単位用量形態の薬学的組成物を特徴とし、前記組成物はコルチコステロイド;および三環化合物を含み、前記コルチコステロイドおよび前記三環化合物の量は、前記患者に投与した場合に、三環化合物の非存在下におけるコルチコステロイドの投与、またはコルチコステロイドの非存在下における三環化合物の投与と比較して免疫炎症性障害を治療するのにより効果的なものである。
【0013】
また、本発明は、(i)三環化合物およびコルチコステロイドを含む組成物;および(ii)免疫炎症性障害と診断された患者に前記組成物を投与するための指示書を含むキットを特徴とする。
【0014】
関連する局面において、本発明は(i)三環化合物;(ii)コルチコステロイド;および(iii)免疫炎症性障害と診断された患者に三環化合物およびコルチコステロイドを投与するための指示書を含むキットを特徴とする。
【0015】
本発明はまた、(i)三環化合物;ならびに(ii)免疫炎症性障害と診断されたか、または免疫炎症性障害を発症する危険性があると診断された患者に三環化合物およびコルチコステロイドを投与するための指示書を含むキットを特徴とする。
【0016】
所望ならば、前記コルチコステロイドは、本発明の方法、組成物およびキットにおいて、グルココルチコイド受容体モジュレーターまたは他のステロイド受容体モジュレーターと置き換えることができる。
【0017】
従って、もう一つの局面において、本発明は、一緒になって、それを必要とする患者において免疫炎症性障害を治療するのに十分な量で、三環化合物およびグルココルチコイド受容体モジュレーターを含む組成物を特徴とする。所望であれば、前記組成物は一つまたは複数のさらなる化合物を含むことができる。前記組成物は、例えば、局所投与または全身投与のために処方することができる。
【0018】
関連する局面において、本発明は、免疫炎症性障害と診断された、または免疫炎症性障害を発症する危険性があると診断された患者を治療するのに十分な量で、三環化合物およびグルココルチコイド受容体モジュレーターを同時または相互から14日以内に前記患者に投与することによって、前記患者を治療する方法を特徴とする。薬物は、望ましくは、相互から10日以内に、より望ましくは相互から5日以内に、なおより望ましくは相互から24時間以内に、または同時に(または一緒に)さえ投与される。
【0019】
もう1つの局面において、本発明は、患者において免疫応答を変調するのに十分な量の三環化合物およびグルココルチコイド受容体モジュレーターを同時に、または互いに14日以内に患者に投与することによって、患者において(例えば、炎症誘発性サイトカインの分泌または生産を減少させることによって、あるいは接着、遺伝子発現、ケモカイン分泌、MHC複合体の提示、共刺激シグナルの提示、または他のメディエーターの細胞表面発現を変調することによって)免疫応答を変調する方法を特徴とする。
【0020】
関連する局面において、本発明は、一緒になって、三環化合物の非存在下におけるグルココルチコイド受容体モジュレーターの投与よりも免疫炎症性障害を治療するにおいてより効果的な量で、三環化合物およびグルココルチコイド受容体モジュレーターをそれを必要とする患者に同時に投与することによって、前記患者において免疫炎症性障害を治療する方法を特徴とする。
【0021】
さらにもう一つの関連する局面において、本発明は、一緒になって、グルココルチコイド受容体モジュレーターの非存在下における三環化合物の投与よりも免疫炎症性障害を治療するにおいてより効果的な量で、三環化合物およびグルココルチコイド受容体モジュレーターをそれを必要とする患者に同時に投与することによって、前記患者において免疫炎症性障害を治療する方法を特徴とする。
【0022】
さらにもう一つの関連する局面において、本発明は、それを必要とする患者にグルココルチコイド受容体モジュレーターを投与し;次いで、三環化合物を患者に投与することによって、前記患者において免疫炎症性障害を治療する方法を特徴とし;(i)グルココルチコイド受容体モジュレーターおよび三環化合物は同時に投与され、(ii)患者に投与されるグルココルチコイド受容体モジュレーターおよび三環化合物の各量は、三環化合物の非存在下におけるグルココルチコイド受容体モジュレーターの投与、またはグルココルチコイド受容体モジュレーターの非存在下における三環化合物の投与と比較して、免疫炎症性障害を治療するにおいてより効果的である。
【0023】
また、本発明は単位用量形態の薬学的組成物を特徴とし、前記組成物はグルココルチコイド受容体モジュレーター;および三環化合物を含み、グルココルチコイド受容体モジュレーターおよび三環化合物の量は、患者に投与された場合に、三環化合物の非存在下におけるグルココルチコイド受容体モジュレーターの投与、またはグルココルチコイド受容体モジュレーターの非存在下における三環化合物の投与と比較して、免疫炎症性障害を治療するにおいてより効果的である。
【0024】
また、本発明は(i)三環化合物およびグルココルチコイド受容体モジュレーターを含む組成物;および(ii)免疫炎症性障害と診断された患者に前記組成物を投与するための指示書を含むキットを特徴とする。
【0025】
関連する局面において、本発明は、(i)三環化合物;(ii)グルココルチコイド受容体モジュレーター;および(iii)免疫炎症性障害と診断された患者に三環化合物およびグルココルチコイド受容体モジュレーターを投与するための指示書を含むキットを特徴とする。
【0026】
関連する局面において、本発明は、(i)三環化合物;および(ii)免疫炎症性障害と診断されたか、または免疫炎症性障害を発症する危険性があると診断された患者に、前記三環化合物、およびグルココルチコイド受容体モジュレーター、小分子免疫モジュレーター、キサンチン、抗コリン作動性化合物、バイオロジック、NSAID、DMARD、COX-2阻害剤、β受容体アゴニスト、気管支拡張剤、非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤、ビタミンDアナログ、プソラレン、レチノイド、および5-アミノサリチル酸からなる群より選択される第二の化合物を投与するための指示書を含むキットを特徴とする。
【0027】
本明細書中で記載するように、三環化合物は、コルチコステロイドの非存在下においては、抗炎症活性を有する。従って、本発明は、患者において炎症誘発性サイトカインの分泌を抑制し、またはそうでなければ免疫応答を変調するのに十分な量の三環化合物を患者に投与することによって、それを必要とする患者において、一つまたは複数の炎症誘発性サイトカインの分泌を抑制し、またはそうでなければ(接着、遺伝子発現、ケモカイン分泌、MHC複合体の提示、共刺激シグナルの提示、または他のメディエーターの細胞表面発現のような)免疫応答を変調する方法も特徴とする。
【0028】
関連する局面において、本発明は、免疫炎症性障害と判断された患者を治療するのに十分な量および持続にて、患者に三環化合物を投与することによって前記患者を治療する方法を特徴とする。
【0029】
また、本発明は、(i)三環化合物および(ii)免疫炎症性障害と診断された患者に三環化合物を投与するための指示書を含むキットを特徴とする。
【0030】
もう一つの局面において、本発明は、三環化合物、ならびにグルココルチコイド受容体モジュレーター、NSAID、COX-2阻害剤、DMARD、バイオロジック、小分子免疫モジュレーター、キサンチン、抗コリン作動性化合物、β受容体アゴニスト、気管支拡張剤、非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤、ビタミンDアナログ、プソアレン、レチノイド、および5-アミノサルチル酸からなる群より選択される第2の化合物を含む薬学的組成物を特徴とする。
【0031】
本発明は、(i)コルチコステロイド;および(ii)免疫炎症性障害と診断されたか、または免疫炎症性障害を発症する危険性があると診断された患者に前記コルチコステロイドおよび三環化合物を投与するための指示書を含むもう1つのキットを特徴とする。
【0032】
また、本発明は、(例えば、炎症誘発性サイトカインの分泌または生産を減少させることによって、あるいは接着、遺伝子発現、ケモカイン分泌、MHC複合体の提示、共刺激シグナルの提示、または他のメディエーターの細胞表面発現を変調することによって)免疫応答を変調するのに有用であり得る化合物または化合物の組合せを同定する方法を特徴とする。1つのそのような方法は、(a)インビトロにて細胞を三環化合物および候補化合物と接触させ;次いで(b)前記三環化合物および前記候補化合物の組合せが、前記三環化合物と接触したが、前記候補化合物と接触していない細胞、あるいは前記候補化合物と接触したが、前記三環化合物とは接触していない細胞に対して、炎症誘発性サイトカイン分泌を低下させるか否かを判断する工程を含む。炎症誘発性サイトカインの分泌または生産、接着、遺伝子発現、ケモカイン分泌、MHC複合体の提示、共刺激シグナルの提示、または他のメディエーターの細胞表面発現の変調は、そのような治療を必要とする患者を治療するのに有用である組合せとして前記組合せを同定する。
【0033】
本発明のもう1つの方法は、(a)インビトロにて細胞をコルチコステロイドおよび候補化合物と接触させ;次いで、(b)前記コルチコステロイドおよび前記候補化合物の組合せが、前記コルチコステロイドに接触したが、前記候補化合物には接触しない細胞の免疫応答に対して、免疫応答を変調するか否かを判断する工程を含む。上記のように、免疫応答の変調は、免疫炎症性障害の治療に有用であり得る組合せとして前記組合せを同定する。
【0034】
もう1つの局面において、本発明は、(a)免疫応答を変調する化合物を同定し;(b)インビトロにて増殖する細胞を三環化合物および工程(a)で同定された前記化合物と接触させ;次いで、(c)前記三環化合物および工程(a)で同定された前記化合物の組合せが、前記三環化合物に接触したが、工程(a)で同定された前記化合物には接触しない、あるいは工程(a)で同定された前記化合物に接触したが、前記三環化合物に接触しない細胞の免疫応答に対して、免疫応答を変調するか否かを判断することによって、免疫炎症性障害の治療に有用であり得る組合せを同定する方法を特徴とする。免疫応答の変調(例えば、炎症誘発性サイトカインの生産または分泌の低下)は、免疫炎症性障害の治療に有用であり得る組合せとして前記組合せを同定する。
【0035】
また、本発明は、(a)インビトロで細胞を三環化合物および候補化合物と接触させ;次いで、(b)三環化合物および候補化合物の組合せが、三環化合物と接触したが、候補化合物とは接触していない細胞、または候補化合物と接触したが、三環化合物とは接触していない細胞に対して、サイトカインを分泌するよう刺激された血液細胞においてサイトカインレベルを低下させるか否かを判断することによって、それを必要とする患者において炎症性サイトカインの分泌を抑制するのに有用な化合物の組合せを同定する方法を特徴とし、サイトカインレベルの低下は、そのような治療を必要とする患者を治療するのに有用な組合せとして前記組合せを同定する。
【0036】
本発明で有用な化合物は、本明細書中に記載の化合物のジアステレオマーおよびエナンチオマー、塩、エステル、溶媒和物、およびその多形ならびにラセミ混合物および純粋な異性体のような異性体を含む、その薬学的に許容される形態のいずれかの本明細書中に記載のものを含む。
【0037】
「三環化合物」とは、式(I)、(II)、(III)または(IV):


(式中、各Xは、独立して、H、Cl、F、Br、I、CH3、CF3、OH、OCH3、CH2CH3またはOCH2CH3であり;YはCH2、O、NH、S(O)0-2、(CH23、(CH)2、CH2O、CH2NH、CHNまたはCH2Sであり;ZはCまたはSであり;Aは、包括的に、3〜6の間の炭素を有する分岐または非分岐、飽和またはモノ飽和炭化水素鎖であり;各Bは、独立して、H、Cl、F、Br、I、CX3、CH2CH3、OCX3またはOCX2CX3であり;およびDはCH2、O、NH、またはS(O)0-2である)の1つを有する化合物を意味する。好ましい態様において、各Xは、独立して、H、ClまたはFであり;Yは(CH22であり、ZはCであり;Aは(CH23であり;および各Bは、独立して、H、ClまたはFである。他の三環化合物は以下に記載する。三環化合物はアモキサピン、8-ヒドロキシアモキサピン、7-ヒドロキシアモキサピン、ロキサピン(例えば、ロキサピンコハク酸、ロキサピン塩酸)、8-ヒドロキシロキサピン、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドキセピン、イミプラミン、トリミプラミン、デシプラミン、ノルトリプチリン、およびプロトリプチリンなどの三環抗鬱剤を含むが、化合物は本発明の三環化合物と考えられる抗鬱活性を有する必要はない。
【0038】
「コルチコステロイド」とは、水素化しクロペンタノペルヒドロフェナントレン環系によって特徴付けられ、かつ免疫抑制および/または抗炎症活性を有するいずれかの天然に生じる、または合成化合物を意味する。天然に生じるコルチコステロイドは、一般に、副腎皮質によって生産される。合成コルチコステロイドはハロゲン化することができる。例示的コルチコステロイドは本明細書中に提供する。
【0039】
「非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤」または「NsIDI」とは、炎症性サイトカインの生産または分泌を減少させ、イムノフィリンに結合し、炎症性反応の下方調節を引き起こすいずれの非ステロイド剤も意味する。NsIDIはサイクロスポリン、タクロリムス、アスコマイシン、ピメクロリムス、ならびにカルシネウリンのホスファターゼ活性を阻害する他の剤(ペプチド、ペプチド断片、化学的に修飾されたペプチド、またはペプチドミメティックス)のようなカルシネウリン阻害剤を含む。また、NsIDIは、FK506-結合タンパク質、FKBP-12に結合し、白血球細胞およびサイトカイン分泌の抗原誘導増殖をブロックするラパマイシン(シロリムス)およびエベロリムスも含む。
【0040】
「小分子免疫モジュレーター」とは、炎症誘発性サイトカインの生産または分泌を減少させ、プロ炎症反応のダウンレギュレーションを引き起こし、あるいはそうでなければイムノフィリン-依存的に免疫系を変調する非ステロイド、非NsIDI化合物を意味する。例示的な小分子免疫モジュレーターはVX 702(Vertex Pharmaceuticals)、SCIO 469(Scios)、ドラマピモド(Boehringer Ingelheim)、RO 30201195(Roche)、およびSCIO 323(Scios)のようなp38 MAPキナーゼ阻害剤、DPC 333(Bristol Myers Squibb)のようなTACE阻害剤、プラナルカサン(Vertex Pharmaceuticals)のようなICE阻害剤、およびマイコフェノレート(Roche)およびメリメポジブ(Vertex Pharmaceuticals)のようなIMPDH阻害剤である。
【0041】
「低用量」は、いずれかのヒト病気または疾患の治療用の所与の投与経路のために、処方された特定の化合物の最低標準推奨用量よりも少なくとも5%低い(例えば、少なくとも10%、20%、50%、80%、90%、または95%さえ)を意味する。例えば、吸入による投与用に処方されたコルチコステロイドの低用量は、経口投与用に処方されたコルチコステロイドの低用量とは異なるであろう。
【0042】
「高用量」とは、いずれかのヒト病気または疾患の治療用の特定の化合物の最高標準推奨用量よりも少なくとも5%(例えば、少なくとも10%、20%、50%、100%、200%または300%さえ)より多いことを意味する。
【0043】
「中程度の用量」とは、低用量および高用量の間の用量を意味する。
【0044】
「プレドニソロン用量と同等な用量」とは、三環化合物の所与の用量と組み合わせて、その用量と組み合わせたプレドニソロンの用量と患者において同一の抗炎症効果を生じるコルチコステロイドの用量を意味する。
【0045】
「治療する」とは、免疫炎症性病の治療または予防のための薬学的組成物を投与すること、または処方することを意味する。
【0046】
「患者」はいずれかの動物(例えば、ヒト)を意味する。本発明の方法、組成物、およびキットを用いて治療することができる他の動物はウマ、イヌ、ネコ、ブタ、ヤギ、ウサギ、ハムスター、サル、モルモット、ラット、マウス、トカゲ、ヘビ、ヒツジ、ブタ、サカナおよび鳥類を含む。本発明の一つの態様において、本明細書中に記載の治療に供する患者は臨床的抑圧、不安または恐慌障害、閉塞性/強制的障害、アルコール依存症、食事障害、注意-欠陥障害、ボーダーラインの個人の障害、睡眠障害、頭痛、月経前症候群、不規則な心拍、精神分裂症、チューレット症候群または恐怖症を有さない。
【0047】
「十分な量」とは、臨床的に関連する方法で免疫炎症病を治療または予防するのに必要な、本発明の組合せにおける、化合物の量を意味する。免疫炎症病によって引き起こされた、またはそれに寄与する疾患の治療的処置のための本発明を実施するのに用いられる活性化合物の十分な量は、投与の方法、患者の年齢、体重、および一般的健康に依存して変化する。最終的には、処方者は適当な量および用量方法を決定するであろう。
【0048】
「より効果的」とは、方法、組成物、またはキットが、それと比較されるもう一つの方法、組成物、またはキットよりも大きな効率を呈し、毒性が低く、より安全であり、より簡便であり、より耐久性があり、もしくはより価格が低いことを意味し、またはより満足のいく治療を提供する。効率は、所与の症状に適したいずれかの標準的方法を用いて技量のある実行者によって測定され得る。
【0049】
用語「免疫炎症性障害」は、自己免疫疾患、増殖性皮膚病および炎症性皮膚病を含む種々の疾患を含む。免疫炎症性障害は炎症プロセルによる健康な組織の破壊、免疫系の調節不全、および細胞の望まない増殖をもたらす。免疫炎症性障害の例は尋常性ザ瘡;急性呼吸逼迫症候群;アジソン病;副腎皮質機能不全;副腎性器症候群;アレルギー性結膜炎;アレルギー性鼻炎;アレルギー性眼内炎症病、ANCA関連小血管血管炎;血管性水腫;剛直性脊髄炎;アフタ性口内炎;関節炎、喘息;アテローム性動脈硬化症;アトピー性皮膚炎;自己免疫疾患;自己免疫溶血性貧血;自己免疫肝炎;ベーチェット病;ベル麻痺;ベリリウム中毒症;気管支喘息;水疱性ヘルペス状皮膚炎;水疱性類天疱瘡; 心臓炎;セリアック病;脳虚血症;慢性閉塞性肺病;肝硬変;コガン症候群;接触皮膚炎;COPD;クローン病;クッシング症候群;皮膚筋炎;真性糖尿病;円盤状エリテマトーデス;好酸球性筋膜炎;上顆炎;結節性紅斑;剥奪性皮膚炎;線維筋肉痛;病巣糸球体硬化症;巨細胞関節炎;痛風;痛風性関節炎;移植片対宿主病;手湿疹;ヘーノホ-シェーンライン紫斑病;陰部疱疹;多毛症;過敏性薬物反応;特発性セラト強膜炎;特発性肺線維症;特発性血栓性血小板減少性紫斑病;炎症性腸または胃腸障害、炎症性皮膚病;若年性慢性関節リウマチ;喉頭水腫;扁平苔癬;レフラー症候群;紅斑腎炎;尋常性狼瘡;リンパ腫気管支炎;斑状水疱;多発性硬化症;骨格筋および結合組織疾患;重症筋無力症;筋炎;閉塞性肺疾患;眼炎症;器官移植拒絶反応;骨関節炎;膵炎;類天疱瘡ゲスタシオニス;尋常性天疱瘡;結節性多発性動脈炎;リウマチ性多発性筋痛;原発性副腎皮質機能不全;原発性胆汁性肝硬変;陰嚢掻痒;乾癬掻痒/炎症;乾癬性関節炎;ライター病;再発性多発性軟骨炎;リウマチ性心臓炎;リウマチ熱;リウマチ性関節炎;サルコイドーシスによって引き起こされた酒さ;強皮症によって引き起こされた酒さ;スウィート症候群によって引き起こされた酒さ;全身エリテマトーデスによって引き起こされた酒さ;蕁麻疹によって引き起こされた酒さ;帯状疱疹関連疼痛によって引き起こされた酒さ;サルコイドーシス;強皮症;分節状糸球体硬化症;敗血症ショック症候群;血清疾患;肩腱炎または滑液包炎;シェーグレン症候群;スティル病;発作誘導脳細胞死滅;スウィート病;全身性皮膚筋炎;全身エリテマトーデス;全身硬化症;高安動脈炎;一時的動脈炎;甲状腺炎;毒性表皮壊死症;結核;1型糖尿病;潰瘍性結腸炎;ブドウ膜炎;血管炎;およびヴェゲナー肉芽腫症である。
【0050】
「非皮膚炎症障害」は、例えば、慢性関節リウマチ、炎症性腸疾患、喘息、および慢性閉塞性肺病を含む。
【0051】
「皮膚炎症障害」または「炎症性皮膚病」とは、例えば、乾癬、急性発熱性皮膚病、湿疹(例えば、皮脂欠乏湿疹、異汗性湿疹、小胞パルモプランタール湿疹)、ゾーン亀頭炎、亀頭包皮炎、ベーチェット病、遠心性環状紅斑、色素異常性固定性紅斑、多形性紅斑、環状肉芽腫、光沢苔癬、扁平苔癬、硬化性萎縮性苔癬、慢性単純苔癬、棘状苔癬、貨幣状皮膚炎、壊疽性膿皮症、サルコイドーシス、角層下膿疱病、蕁麻疹、および一過性棘融解皮膚病を含む。
【0052】
「増殖性皮膚病」とは、表皮または真皮における加速された細胞分裂によって特徴付けられる良性または悪性の病気を意味する。増殖性皮膚病の例は、乾癬、アトピー性皮膚炎、非特異的皮膚炎、一次刺激性接触皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、皮膚の基底および扁平細胞癌腫、葉状魚鱗癬、表皮剥離角質増殖、前悪性角化症、アクネ、および脂漏性皮膚炎である。
【0053】
当業者に認識されているように、特定の病気、障害、または病態は増殖性皮膚病および炎症性皮膚病双方であると特徴付けることができる。そのような病気の例は乾癬である。
【0054】
「徐放」または「制御放出」とは、成分の治療上有益な血中レベル(但し、毒性レベル未満)が、例えば、約12〜約24時間の範囲の延長された期間にわたって維持され、従って、例えば、12時間または24時間の投与形態を提供するような制御速度にて、治療上活性な成分が処方から放出されることを意味する。
【0055】
用語「薬学的に許容される塩」は、健全な医療判断の範囲内で、不必要な毒性、刺激、アレルギー性応答などのないヒトおよび下等動物の組織と接触させて用いるのに適し、合理的な利益/危険性比率に相応しい塩を表す。薬学的に許容される塩は当技術分野において周知である。前記塩は本発明の化合物の最終単離および精製の間にインサイチューにて、または遊離塩基機能を適当な有機酸と反応させることによって別々に調製することができる。代表的な塩はアセテート、アジペート、アルギネート、アスコルベート、アスパルテート、ベンゼンスルホネート、ベンゾエート、ビスルフェート、ボレート、ブチレート、カンフォレート、カンフェルスルホネート、シトレート、シクロペンタンプロピオネート、ジグルコネート、ドデシルスルフェート、エタンスルホネート、フマレート、グルコヘプトネート、グリセロホスフェート、ヘミスルフェート、ヘプトネート、ヘキサノエート、ハイドロブロマイド、ハイドロクロライド、ハイドロイオダイド、2-ヒドロキシ-エタンスルホネート、イセチオネート、ラクトビオネート、ラクテート、ラウレート、ラウリルスルフェート、マレート、マレエート、マロネート、メシレート、メタンスルホネート、2-ナフタレンスルホネート、ニコチネート、ニトレート、オレエート、オキサレート、パルミテート、パモエート、ペクチネート、ペルスルフェート、3-フェニルプロピオネート、ホスフェート、ピクレート、ピバレート、プロピオネート、ステアレート、スクシネート、スルフェート、タルトレート、チオシアネート、トルエンスルホネート、ウンデカノエート、バレレート塩などを含む。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩はナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど、ならびに非毒性アンモニア、第四級アンモニウム、およびアミンカチオンを含むが、限定されるものではないが、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどを含む。
【0056】
本発明で有用な化合物は、本明細書中に記載の化合物のジアステレオマーおよびエナンチオマー、塩、エステル、アミド、チオエステル、溶媒和物、およびその多形、ならびにラセミ混合物および純粋な異性体のような異性体を含む、いずれのその薬学的に許容される形態の本明細書中に記載されたものを含む。その例として、「ロクサピン」は、遊離塩基、ならびにそのいずれかの薬学的に許容される塩(例えば、ロクサピン塩酸塩、ロクサピンコハク酸)を意味する。
【0057】
本発明の他の特徴および利点は以下の詳細な記載、および請求の範囲から明らかであろう。
【0058】
詳細な説明
本発明は、免疫炎症性障害を治療するための、単独で、またはコルチコステロイドまたは他の化合物と組み合わせた、有効量の三環化合物の投与のための方法、組成物およびキットを特徴とする。
【0059】
本発明の一つの態様において、免疫炎症性障害の治療は三環化合物およびコルチコステロイドをそのような治療を必要とする患者に投与することによって行われる。
【0060】
本発明を以下により詳細に記載する。
【0061】
三環化合物
本発明の方法、組成物およびキットで用いることができる三環化合物はアミトリプチリン、アモキサピン、クロミプラミン、デシプラミン、ドチエピン、ドキセピン、イミプラミン、ロフェプラミン、マプロチリン、ミアンセリン、ミルタザピン、ノルトリプチリン、オクトリプチリン、オキサプロチリン、プロトリプチリン、トリミプラミン、10-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリド(4,3-b)(1,4)ベンゾチアゼピン;11-(4-メチル-1-ピペラジニル)-5H-ジベンゾ(b,e)(1,4)ジアゼピン;5,10-ジヒドロ-7-クロロ-10-(2-(モルホリノ)エチル)-11H-ジベンゾ(b,e)(1,4)ジアゼピン-11-オン;2-(2-(7-ヒドロキシ-4-ジベンゾ(b,f)(1,4)チアゼピン-11-イル-1-ピペラジニル)エトキシ)エタノール;2-クロロ-11-(4-メチル-1-ピペラジニル)-5H-ジベンゾ(b,e)(1,4)ジアゼピン;4-(11H-ジベンズ(b,e)アゼピン-6-イル)ピペラジン;8-クロロ-11-(4-メチル-1-ピペラジニル)-5H-ジベンゾ(b,e)(1,4)ジアゼピン-2-オール;8-クロロ-11-(4-メチル-1-ピペラジニル)-5H-ジベンゾ(b,e)(1,4)ジアゼピン一塩酸;(Z)-2-ブテンジオエート5H-ジベンゾ(b,e)(1,4)ジアゼピン;アジナゾラム;アミネプチン;アミトリプチリノキシド;ブトリプチリン;クロチアピン;クロザピン;デメキシブチリン;11-(4-メチル-1-ピペラジニル)-ジベンズ(b,f)(1,4)オキサゼピン;11-(4-メチル-1-ピペラジニル)-2-ニトロ-ジベンズ(b,f)(1,4)オキサゼピン;2-クロロ-11-(4-メチル-1-ピペラジニル)-ジベンズ(b,f)(1,4)オキサゼピン一塩酸;ジベンゼピン;11-(4-メチル-1-ピペラジニル)-ジベンゾ(b,f)(1,4)チアゼピン;ジメタクリン;フルアシジン;フルペルラピン;イミプラミンN-オキサイド;イプリンドール;ロフェプラミン;メリトラセン;メタプラミン;メチアピン;メトラリンドール;ミアンセリン;ミルタザピン;8-クロロ-6-(4-メチル-1-ピペラジニル)-モルファンチリジン;N-アセチルアモキサピン;ノミフェンシン;ノルクロミプラミン;ノルクロザピン;ノキシプチリン;オピプラモール;オキサプロチリン;ペルラピン;ピゾチリン;プロピゼピン;ケチアピン;キヌプラミン;チアネプチン;トモキセチン;フルペンチキソール;クロペンチキソール;ピフルチキソール;クロルプロチキセン;およびチオチキセンを含む。他の三環化合物は、例えば、米国特許第2,554,736号;第3,046,283号;第3,310,553号;第3,177,209号;第3,205,264号;第3,244,748号;第3,271,451号;第3,272,826号;第3,282,942号;第3,299,139号;第3,312,689号;第3,389,139号;第3,399,201号;第3,409,640号;第3,419,547号;第3,438,981号;第3,454,554号;第3,467,650号;第3,505,321号;第3,527,766号;第3,534,041号;第3,539,573号;第3,574,852号;第3,622,565号;第3,637,660号;第3,663,696号;第3,758,528号;第3,922,305号;第3,963,778号;第3,978,121号;第3,981,917号;第4,017,542号;第4,017,621号;第4,020,096号;第4,045,560号;第4,045,580号;第4,048,223号;第4,062,848号;第4,088,647号;第4,128,641号;第4,148,919号;第4,153,629号;第4,224,321号;第4,224,344号;第4,250,094号;第4,284,559号;第4,333,935号;第4,358,620号;第4,548,933号;第4,691,040号;第4,879,288号;第5,238,959号;第5,266,570号;第5,399,568号;第5,464,840号;第5,455,246号;第5,512,575号;第5,550,136号;第5,574,173号;第5,681,840号;第5,688,805号;第5,916,889号;第6,545,057号;および第6,600,065号に記載されており、および米国特許出願第10/617,424号または第60/504,310号の式(I)にフィットするフェノチアジン化合物がある。
【0062】
いつくかの三環抗鬱剤についての標準推奨用量を以下の表1に提供する。他の標準用量は、例えば、Merck Manual of Diagnosis & Therapy(17th Ed.MH Beers et al.,Merck & Co.)およびPhysicians' Desk Reference 2003(57th Ed.Medical Economics Staff et al.,Medical Economics Co.,2002)に提供されている。
【0063】
(表1)

【0064】
コルチコステロイド
所望ならば、一つまたは複数のコルチコステロイドを本発明の方法で投与することができるか、あるいは本発明の組成物において、三環化合物で処方することができる。適当なコルチコステロイドは11-α,17-α,21-トリヒドロキシプレグナ-4-エン-3,20-ジオン;11-β,16-α,17,21-テトラヒドロキシプレグナ-4-エン-3,20-ジオン;11-β,16-α,17,21-テトラヒドロキシプレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン;11-β,17-α,21-トリヒドロキシ-6-α-メチルプレグナ-4-エン-3,20-ジオン;11-デヒドロコルチコステロン;11-デオキシコルチゾル;11-ヒドロキシ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオン;11-ケトテストステロン;14-ヒドロキシアンドロスタ-4-エン-3,6,17-トリオン;15,17-ジヒドロキシプロゲステロン;16-メチルヒドロコルチゾン;17,21-ジヒドロキシ-16-α-メチルプレグナ-1,4,9(11)-トリエン-3,20-ジオン;17-α-ヒドロキシプレグナ-4-エン-3,20-ジオン;17-α-ヒドロキシプレグネノロン;17-ヒドロキシ-16-β-メチル-5-β-プレグナ-9(11)-エン-3,20-ジオン;17-ヒドロキシ-4,6,8(14)-プレグナトリエン-3,20-ジオン;17-ヒドロキシプレグナ-4,9(11)-ジエン-3,20-ジオン;18-ヒドロキシコルチコステロン;18-ヒドロキシコルチゾン;18-オキソコルチゾル;21-アセトキシプレグネノロン;21-デオキシアルドステロン;21-デオキシコルチゾン;2-デオキシエクジソン;2-メチルコルチゾン;3-デヒドロエクジソン;4-プレグネン-17-α,20-β,21-トリオール-3,11-ジオン;6,17,20-トリヒドロキシプレグナ-4-エン-3-オン;6-α-ヒドロキシコルチゾル;6-α-フルオロプレドニソロン、6-α-メチルプレドニソロン、6-α-メチルプレドニソロン21-アセテート、6-α-メチルプレドニソロン21-ヘミスクシネートナトリウム塩、6-β-ヒドロキシコルチゾル、6-α,9-α-ジフルオロプレドニソロン21-アセテート17-ブチレート、6-ヒドロキシコルチコステロン;6-ヒドロキシデキサメタゾン;6-ヒドロキシプレドニソロン;9-フルオロコルチゾン;アルクロメタゾンジプロピオネート;アルドステロン;アルゲストン;アルファデルム;アマジノン;アムシノナイド;アナゲストン;アンドロステンジオン;アネコルタブアセテート;ベクロメタゾン;ベクロメタゾンジプロピオネート;ベタメタゾン17-バレレート;ベタメタゾンナトリウムアセテート;ベタメタゾンナトリウムホスフェート;ベタメタゾンバレレート;ボラステロン;ブデソナイド;カルステロン;クロルマジノン;クロロプレドニゾン;クロロプレドニゾンアセテート;コレステロール;シクレソニド(ciclesonide)クロベタゾール;クロベタゾールプロピオネート;クロベタゾン;クロコルトロン;クロコルトロンピバレート;クロゲストン;クロプレドノール;コルチコステロン;コルチゾール;コルチゾールアセテート;コルチゾールブチレート;コルチゾールシピオネート;コルチゾールオクタノエート;コルチゾールナトリウムホスフェート;コルチゾールナトリウムスクシネート;コルチゾールバレレート;コルチゾン;コルチゾンアセテート;コルチバゾル;コルトドキソン;ダトゥラオロン;デフラザコルト、21-デオキシコルチゾール、デヒドロエピアンドロステロン;デルマディノン;デオキシコルチコステロン;デプロドン;デスシノロン;デソナイド;デソキシメタゾン;デキサフェン;デキサメタゾン;デキサメタゾン21-アセテート;デキサメタゾンアセテート;デキサメタゾンナトリウムホスフェート;ジクロリソン;ジフロラソン;ジフロラソンジアセテート;ジフルコルトロン;ジフルプレドナート;ジヒドロエラテリシンa;ドモプレドネート;ドキシベタゾール;エクジソン;エクジステロン;エモキソロン(emoxolone);エンドリソン;エノキソロン;フルアザコート(fluazacort);フロシノロン;フルクロロニド(flucloronide);フルドロコルチゾン;フルドロコルチゾンアセテート;フルゲストン;フルメタゾン;フルメタゾンピバレート;フルモキソナイド;フルニソリド;フルオシノロン;フルオシノロンアセトニド;フルオシノナイド;フルオコルチンブチル;9-フルオロコルチゾン;フルオコルトロン;フルオロヒドロキシアンドロステンジオン;フルオロメトロン;フルオロメトロンアセテート;フルオキシメステロン;フルペロロンアセテート;フルプレドニデン;フルプレドニソロン;フルランドレノライド;フルチカゾン;フルチカゾンプロピオネート;フォルメボロン;フォルメスタン;フォルモコルタル;ゲストノロン;グリデリニン;ハルチノナイド;ハロベタソール(halobetasol)プロピナート;ハロメタゾン;ハロプレドン;ハロプロゲステロン;ヒドロコルタメート(hydrocortamate);ヒドロコルチゾンシピオネート;ヒドロコルチゾン;ヒドロコルチゾン21-ブチレート;ヒドロコルチゾンアセポネート;ヒドロコルチゾンアセテート;ヒドロコルチゾンブテプレート;ヒドロコルチゾンブチレート;ヒドロコルチゾンシピオネート;ヒドロコルチゾンヘミスクシネート;ヒドロコルチゾンプロブテート;ヒドロコルチゾンナトリウムホスフェート;ヒドロコルチゾンナトリウムスクシネート;ヒドロコルチゾンバレレート;ヒドロキシプロゲステロン;イノコステロン;イソフルプレドン;イソフルプレドンアセテート;イソプレドニデン;ロテプレドノルエタボナート(loteprednol etabonato);メクロリソン;メコルトロン;メドロゲストン;メドロキシプロゲステロン;メドリソン;メゲステロール;メゲステロールアセテート;メレンゲストロール;メプレドニゾン;メタンドロステノロン;メチルプレドニソロン;メチルプレドニソロンアセポネート;メチルプレドニソロンアセテート;メチルプレドニソロンヘミスクシネート;メチルプレドニソロンナトリウムスクシネート;メチルテストステロン;メトリボロン;モメタソン;モメタソンフロエート;モメタソンフロエート一水和物;ニソン;ノネゲストロール;ノルゲストメート;ノルビニステロン;オキシメステロン;パラメタゾン;パラメタゾンアセテート;ポナステロン;プレドニカルバート;プレドニソラメート;プレドニソロン;プレドニソロン21-ジエチルアミノアセテート;プレドニソロン21-ヘミスクシネート;プレドニソロンアセテート;プレドニソロンファルネシレート;プレドニソロンヘミスクシネート;プレドニソロン-21(β-D-グルクロニド);プレドニソロンメタスルフォベンゾエート;プレドニソロンナトリウムホスフェート;プレドニソロンステアグレート;プレドニソロンテブテート;プレドニソロンテトラヒドロフタレート;プレドニゾン;プレドニバル;プレドニリデン;プレグネノロン;プロシノナイド;トラロナイド;プロゲステロン;プロメゲストン;ラポンティステロン;リメキソロン;ロキシボロン;ルブロステロン;スティゾフィリン;ティクソコルトル;トプテロン;トリアムシノロン;トリアムシノロンアセトニド;トリアムシノロンアセトニド21-パルミテート;トリアムシノロンベネトニド;トリアムシノロンジアセテート;トリアムシノロンヘキサアセトニド;トリメゲストン;トュルケステロン;およびウォルマンニンを含む。
【0065】
種々のステロイド/病気組合せについての標準推奨用量を以下の表2に提供する。
【0066】
(表2)標準推奨コルチコステロイド用量

【0067】
コルチコステロイドについての他の標準推奨用量は、例えば、Merck Manual of Diagnosis & Therapy (17th Ed.MH Beers et al.,Merck & Co.)およびPhysicians’Desk Reference 2003 (57th Ed.Medical Economics Staff et al.,Medical Economics Co.,2002)に提供されている。一つの態様において、投与されるコルチコステロイドの用量は、本明細書中に定義されたプレドニソロンと同等の用量である。例えば、コルチコステロイドの低用量はプレドニソロンの低用量と同等の用量と考えられることができる。
【0068】
ステロイド受容体モジュレーター
ステロイド受容体モジュレーター(例えば、アンタゴニストおよびアゴニスト)は、本発明の方法、組成物およびキットにおけるコルチコステロイドの代わりの代替物として、あるいはコルチコステロイドに加えて用いることができる。従って、一つの態様において、本発明は、三環化合物およびグルココルチコイド受容体モジュレーターまたは他のステロイド受容体モジュレーターの組合せ、およびそれで免疫炎症性障害を治療する方法を特徴とする。
【0069】
本発明の方法、組成物、およびキットで用いることができるグルココルチコイド受容体モジュレーターは、その各々を参照として本明細書に組み入れられる米国特許第6,380,207、6,380,223、6,448,405、6,506,766、および6,570,020号、米国特許出願第20030176478、20030171585、20030120081、20030073703、2002015631、20020147336、20020107235、20020103217、および20010041802号、ならびにPCT 公開番号WO00/66522に記載された化合物を含む。他のステロイド受容体モジュレーターもまた本発明の方法、組成物およびキットで用いることができ、各々、参照として本明細書に組み入れられる米国特許第6,093,821、6,121,450、5,994,544、5,696,133、5,696,127、5,693,647、5,693,646、5,688,810、5,688,808、および5,696,130号に記載されている。
【0070】
他の化合物
本発明の方法、組成物およびキットにおけるコルチコステロイドの代替物として、またはそれに加えて用いることができる他の化合物A-348441(Karo Bio)、副腎皮質抽出物(GlaxoSmithKline)、アルサクチド(Aventis)、アメブコルト(Schering AG)、アメロメタゾン(Taisho)、ATSA(Pfizer)、ビトルテロール(Elan)、CBP-2011(InKine Pharmaceutical)、セバラセタム(Novartis)、CGP-13774(Kissei)、シクレソニド(Altana)、シクロメタゾン(Aventis)、クロベタゾンブチレート(GlaxoSmithKline)、クロプレドノール(Hoffmann-La Roche)、コリスマイシンA(Kirin)、ククルビタシンE(NIH)、デフラザコルト(Aventis)、デプロドンプロピオネート(SSP)、デキサメタゾンアセフレート(Schering-Plough)、デキサメタゾンリノレエート(GlaxoSmithKline)、デキサメタゾンバレレート(Abbott)、ジフルプレドネート(Pfizer)、ドモプレドネート(Hoffmann-La Roche)、エビラタイド(Aventis)、エティプレドノールジクロアセテート(IVAX)、フルアザコルト(Vicuron)、フルモキソナイド(Hoffmann-La Roche)、フルオコルチンブチル(Schering AG)、フルオコルトドン一水和物(Schering AG)、GR-250495X(GlaxoSmithKline)、ハロメタゾン(Novartis)、ハロプレドン(Dainippon)、HYC-141(Fidia)、イコメタゾンエンブテート(Hovione)、イトロシノナイド(AstraZeneca)、L-6485(Vicuron)、リポコルト(Draxis Health)、ロシコルトン(Aventis)、メクロリソン(Schering-Plough)、ナフロコルト(Bristol-Myers Squibb)、NCX-1015(NicOx)、NCX-1020(NicOx)、NCX-1022(NicOx)、ニココルトニド(Yamanouchi)、NIK-236(Nikken Chemicals)、NS-126(SSP)、Org-2766(Akzo Nobel)、Org-6632(Akzo Nobel)、P16CM、プロピルメステロロン(Schering AG)、RGH-1113(Gedeon Richter)、ロフレポニド(AstraZeneca)、ロフレポニドパルミテート(AstraZeneca)、RPR-106541(Aventis)、RU-26559(Aventis)、Sch-19457(Schering-Plough)、T25(Matrix Theraputics)、TBI-PAB(Sigma-Tau)、チカベソンプロピオネート(Hoffmann-La Roche)、チフルアドム(Solvay)、チモベソン(Hoffmann-La Roche)、TSC-5(Takeda)、およびZK-73634(Schering AG)。
【0071】
非ステロイド抗炎症薬物(NSAID)
所望であれば、本発明の三環化合物は、ナプロキセンナトリウム、ジクロフェナックナトリウム、ジクロフェナックカリウム、アスピリン、スリンダック、ジフルニザール、ピロキシカム、インドメタシン、イブプロフェン、ナブメトン、コリンマグネシウムトリサリシレート、サリチル酸ナトリウム、サリチルサリチル酸(サルサレート)、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、メクロフェナメートナトリウム、メロキシカム、オキサプロジン、スリンダックおよびトルメチンのような非ステロイド抗炎症薬物(NSAID)の一つまたは複数と組み合わせて投与することができる。
【0072】
三環化合物をアセチルサリチル酸と組み合わせて投与する場合、前記組合せは(TNFα、IL-1、IL-2またはIFN-γをインビトロで抑制する)免疫応答を変調するのに効果的であるのが望ましい。従って、アセチルサリチル酸およびそれらのアナログと組み合わせた三環化合物の組合せは、いずれかの剤単独よりも、免疫炎症性疾患、特に、TNFα、IL-1、IL-2またはIFN-γによって媒介されるものを治療するのにより効果的であり得る。
【0073】
商標名アスピリンによっても公知であるアセチルサリチル酸はサリチル酸のアセチル誘導体であって、以下の構造式:

を有する。
【0074】
アスピリンは頭痛および筋肉および関節痛の軽減に有用である。アスピリンは発熱、炎症および腫れを低下させるのにも効果的であり、従って、慢性関節リウマチ、関節性発熱および穏和な感染の治療で用いられてきた。従って、1つの局面において、三環化合物およびアセチルサリチル酸(アスピリン)またはそのアナログの組合せもまた、前記した病気の治療または予防を増強させるのに投与することができる。
【0075】
NSAIDは、本出願に記載の組合せのいずれか1つと組み合わせて投与することができる。例えば、免疫炎症性障害に罹った患者は、まず、三環化合物およびコルチコステロイドの組合せで治療することができ、次いで、前記の組合せと組み合わせた、アセチルサリチル酸のようなNSAIDで治療することができる。
【0076】
アセチルサリチル酸の投与量は当業者に公知であり、一般には、1日当たり約70mg〜約350mgの範囲である。アスピリンのより低いまたはより高用量が必要な場合、ジピリダモールおよびアスピリンを含有する製剤は0〜25mg、25〜50mg、50〜70mg、70〜75mg、75〜80mg、80〜85mg、85〜90mg、90〜95mg、95〜100mg、100〜150mg、150〜160mg、160〜250mg、250〜300mg、300〜350mg、または350〜1000mgのアスピリンを含有することができる。
【0077】
本発明の組合せをNSAIDとの組合せでの治療で用いる場合、個々の化合物の用量を、NSAID(例えば、アセチルサリチル酸)または三環化合物単独を投与することによって、あるいはNSAID(例えば、アセチルサリチル酸)および三環化合物の組合せを投与することによって、同一効果を達成するのに必要であろう用量未満の点まで実質的に低下させることができよう。
【0078】
1つの局面において、三環化合物およびNSAIDを含む組成物は、三環化合物またはNSAID単独を有する組成物と比較して、免疫炎症性障害に罹った患者、または罹る危険性がある患者の治療の増大した有効性、安全性、許容性または満足を有する。
【0079】
非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤
1つの態様において、本発明は、任意で、コルチコステロイドまたは本明細書中に記載された他の剤と共に、三環化合物および非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤(NsIDI)を使用する方法、組成物およびキットを特徴とする。
【0080】
健康な個体において、免疫系はB細胞およびT細胞のような細胞エフェクターを用いて、正常な細胞を無傷のまま残しつつ感染性微生物および異常な細胞型を標的とする。自己免疫疾患または移植器官を持つ個体においては、活性化されたT-細胞は健康な組織を害する。カルシニューリン阻害剤(例えば、サイクロスポリン、タクロリムス、ピメクロリムス)、およびラパマイシンはT-細胞を含む多くのタイプの免疫調節細胞を標的とし、器官移植および自己免疫疾患における免疫応答を抑制する。
【0081】
1つの態様において、NsIDIはサイクロスポリンであって、1日当たり1キログラムにつき0.05〜50ミリグラムの間の量にて(例えば、経口では、1日当たり1キログラムにつき0.1〜12ミリグラムの間の量にて)投与される。もう1つの態様において、NsIDIはタクロリムスであって、1日当たり1キログラムにつき0.0001〜20ミリグラムの間の量で(例えば、経口では、1日当たり1キログラムにつき0.01〜0.2ミリグラムの間の量で)投与される。もう1つの態様において、NsIDIはラパマイシンであって、1日当たり0.1〜502ミリグラムの間の量で(例えば、6mg/日の単一負荷用量、続いて、2mg/日の維持用量にて)投与される。もう1つの態様において、NsIDIはエベロリムスであって、0.75〜8mg/日の用量で投与される。なお他の態様において、NsIDIはピメクロリムスであって、1日当たり0.1〜200ミリグラムの間の量にて(例えば、アトピー性皮膚炎を治療するために1%クリーム/1日2回として、または乾癬の治療のために1日につき60mgとして)投与され、またはNsIDIは、患者を治療するのに十分な量および頻度で投与されるカルシニューリン-結合ペプチドである。2以上のNsIDIを同時に投与することができる。
【0082】
サイクロスポリン
サイクロスポリンは、免疫抑制剤として作用する環状オリゴペプチドのクラスを含む真菌代謝産物である。サイクロスポリンAは、11のアミノ酸からなる疎水性環状ポリペプチドである。それは細胞内受容体シクロフィリンに結合し、それと共に複合体を形成する。サイクロスポリン/シクロフィリン複合体はカルシネウリン、Ca2+-カルモジュリン依存性セリン-スレオニン-特異的プロテインホスファターゼに結合し、それを阻害する。カルシネウリンはT細胞活性化に必要なシグナル変換事象を媒介する(Schreiber et al.,Cell 70:365-368,1991にレビューされている)。サイクロスポリンおよびその機能的および構造的アナログは、抗原-トリガードシグナル変換を阻害することによってT細胞依存性免疫応答を抑制する。この抑制は、IL-2のような炎症性サイトカインの発現を減少させる。
【0083】
多くの異なるサイクロスポリン(例えば、サイクロスポリンA、B、C、D、E、F、G、HおよびI)は真菌によって生産される。サイクロスポリンAはNovartisから商品名NEORAL下で商業的に入手可能である。サイクロスポリンAの構造的および機能的アナログは一つまたは複数のフッ素化アミノ酸を有するサイクロスポリン(例えば、米国特許第5,227,467号に記載);修飾されたアミノ酸を有するサイクロスポリン(例えば、米国特許第5,122,511号および4,798,823号に記載);およびISAtx247のような重水素化サイクロスポリン(米国特許出願第2002/0132763号 A1に記載)を含む。さらなるサイクロスポリンアナログは米国特許第6,136,357、4,384,996、5,284,826、および5,709,797号に記載されている。サイクロスポリンアナログは、限定されるものではないが、Cruz et al.,(Antimicrob.Agents Chemother.44:143-149,2000)に記載されている、D-Sar(α-SMe)3Val2-DH-Cs(209-825)、アロ-Thr-2-Cs、ノルバリン-2-Cs、D-Ala(3-アセチルアミノ)-8-Cs、Thr-2-Cs、およびD-MeSer-3-Cs、D-Ser(O-CH2CH2-OH)-8-Cs、およびD-Ser-8-Csを含む。
【0084】
サイクロスポリンは高度に疎水性であって、(例えば、体液と接触して)水の存在下で容易に沈殿する。改良された生物学的利用性を持つサイクロスポリン処方を提供する方法は米国特許第4,388,307、6,468,968、5,051,402、5,342,625、5,977,066、および6,022,852号に記載されている。サイクロスポリンのミクロエマルジョン組成物は米国特許第5,866,159、5,916,589、5,962,014、5,962,017、6,007,840、および6,024,978号に記載されている。
【0085】
サイクロスポリンは静脈内または経口いずれかで投与することができるが、経口投与が好ましい。サイクロスポリンAの疎水性を克服するには、静脈内サイクロスポリンAは、投与に先立って希釈しなければならないエタノール-ポリオキシエチル化ひまし油溶剤中で提供し得る。サイクロスポリンAは、例えば、25mgまたは100mg錠剤、または100mg/ml経口溶液中のミクロエマルジョンとして提供することができる(NEORAL)。
【0086】
典型的には、経口サイクロスポリンの患者用量は患者の状態に従って変化するが、いくつかの標準推奨用量をここに提供する。器官移植を受ける患者は、典型的には、12および15mg/kg/日の間の量の経口サイクロスポリンAの初期用量を受ける。次いで、7〜12mg/kg/日維持用量に到達するまで、一週間当たり5%だけ用量を徐々に減少させる。静脈投与では、2〜6mg/kg/日がほとんどの患者で好ましい。クローン病または潰瘍性結腸炎を有すると診断された患者では、6〜8mg/kg/日の用量が一般に与えられる。全身性エリテマトーデスを有すると診断された患者では、2.2〜6.0mg/kg/日の用量が一般に与えられる。乾癬または慢性関節リウマチでは、0.5〜4mg/kg/日の用量が典型的である。示唆される投与スケジュールは表3に示される。他の有用な用量は0.5〜5mg/kg/日、5〜10mg/kg/日、10〜15mg/kg/日、15〜20mg/kg/日または20〜25mg/kg/日を含む。しばしば、サイクロスポリンはグルココルチコイドのような他の免疫抑制剤と組み合わせて投与される。
【0087】
(表3)

表脚注
CsA=サイクロスポリンA
RA=慢性関節リウマチ
UC=潰瘍性結腸炎
SLE=全身性エリテマトーデス
【0088】
タクロリムス
タクロリムス(FK506)は、T細胞の細胞内シグナル変換経路を標的化する免疫抑制剤である。タクロリムスは、シクロフィリンに構造的に関連しない細胞内タンパク質FK506結合タンパク質(FKBP-12)に結合する(Harding et al.,Nature 341:758-7601,1989; Siekienka et al.,Nature 341:755-757,1989;およびSoltoff et al.,J.Biol.Chem.267:17472-17477,1992)。前記FKBP/FK506複合体はカルシネウリンに結合し、カルシネウリンのホスファターゼ活性を阻害する。この阻害は活性T細胞核因子(NFAT)、炎症誘発性サイトカイン(例えば、IL-2、ガンマインターフェロン)の生産およびT細胞活性化に必要な遺伝子転写を開始する核成分の脱リン酸化および核トランスローケーションを妨げる。従って、タクロリムスはT細胞の活性化を阻害する。
【0089】
タクロリムスは、ストレプトマイセスツクバネシス(Streptomyces tsukubaensis)によって生産されるマクロライド抗生物質である。それは免疫系を抑制し、移植された器官の生存を延長する。それは、現在、経口および注射処方で入手可能である。タクロリムスカプセルはゼラチンカプセル殻内に0.5mg、1mgまたは5mgの無水タクロリムスを含有する。注射処方は、注射に先立って9%塩化ナトリウムまたは5%デキストロースで希釈されるひまし油およびアルコール中の5mg無水タクロリムスを含有する。経口投与が好ましいが、経口カプセルを接種できない患者は注射タクロリムスを受けることができる。初期用量は、連続静脈内注入による移植後6時間以降に投与すべきである。
【0090】
タクロリムスおよびタクロリムスアナログはTanaka et al.,(J.Am.Chem.Soc.,109:5031,1987)および米国特許第4,894,366号、4,929,611号、および4,956,352号に記載されている。FR-900520、FR-900523およびFR-900525を含めたFK506関連化合物は米国特許第5,254,562号に記載されており;O-アリール、O-アルキル、O-アルケニルおよびO-アルキニルマクロライドは米国特許第5,250,678号、532,248号、5,693,648号に記載されており;アミノO-アリールマクロライドは米国特許第5,262,533号に記載されており;アルキリデンマクロライドは米国特許第5,284,840号に記載されており;N-ヘテロアリール、N-アルキルヘテロアリール、N-アルケニルヘテロアリール、およびN-アルキニルヘテロアリールマクロライドは米国特許第5,208,241号に記載されており;アミノマクロライドおよびその誘導体は米国特許第5,208,228号に記載されており;フルオロマクロライドは米国特許第5,189,042号に記載されており;アミノO-アルキル、O-アルケニル、およびO-アルキニルマクロライドは米国特許第5,162,334号に記載されており;およびハロマクロライドは米国特許第5,143,918号に記載されている。
【0091】
提案された用量は患者の状態で変化するが、標準推奨用量を以下に提供する。典型的に、クローン病または潰瘍性結腸炎を有すると診断された患者は0.1〜0.2mg/kg/日の経口タクロリムスを投与する。移植された器官を有する患者は、典型的には、0.1〜0.2mg/kg/日の経口タクロリムスの用量を受ける。慢性関節リウマチにつき治療されている患者は、典型的には、1〜3mg/日の経口タクロリムスを受ける。乾癬の治療では、0.01〜0.15mg/kg/日の経口タクロリムスを患者に投与する。アトピー性皮膚炎は、0.03〜0.1%タクロリムスを有するクリームを患部に塗布することによって1日2回処置することができる。経口タクロリムスカプセルを受ける患者は、典型的には、移植から6時間以上経って第一の用量を受けるか、静脈内タクロリムス注入から8〜12時間は継続しない。他の提案されたタクロリムス用量は0.005〜0.01mg/kg/日、0.01〜0.03mg/kg/日、0.03〜0.05mg/kg/日、0.05〜0.07mg/kg/日、0.07〜0.10mg/kg/日、0.10〜0.25mg/kg/日または0.25〜0.5mg/kg/日を含む。
【0092】
タクロリムスは、混合-機能オキシダーゼ系、特に、シトクロムP-450系によって広範に代謝される。重要な代謝メカニズムは脱メチル化およびヒドロキシル化である。種々のタクロリムス代謝産物が免疫抑制生物学的活性を呈するようであるが、13-デメチル代謝産物はタクロリムスと同一の活性を有すると報告されている。
【0093】
ピメクロリムス
ピメクロリムスはマクロラクタムアスコミインの33-エピ-クロロ誘導体である。ピメクロリムスの構造的および機能的アナログは米国特許第6,384,073号に記載されている。ピメクロリムスはアトピー性皮膚炎の治療で特に有用である。ピメクロリムスは、現在、1%クリームとして入手できる。ピメクロリムスについての提唱される投与スケジュールは表3に示される。個々の用量は患者の状態で変化するが、いくつかの標準推奨用量を以下に提供する。経口ピメクロリムスは、40〜60mg/日の量で乾癬または慢性関節リウマチの治療で投与することができる。クローン病または潰瘍性結腸炎の治療では、80〜160mg/日の量のピメクロリムスを投与することができる。器官移植を有する患者は160〜240mg/日のピメクロリムスを投与することができる。全身性エリテマトーデスを有すると診断された患者は40〜120mg/日のピメクロリムスを投与することができる。ピメクロリムスの他の有用な用量は0.5〜5mg/日、5〜10mg/日、10〜30mg/日、40〜80mg/日、80〜120mg/日、または120〜200mg/日でさえも含む。
【0094】
ラパマイシン
ラパマイシンはストレプトマイシスハイグロスコピカス(Streptomyces hygroscopicus)によって生産される環状ラクトンである。ラパマイシンはT細胞活性化および増殖を阻害する免疫抑制剤である。サイクロスポリンおよびタクロリムスのように、ラパマイシンはイムノフィリンFKBP-12とで複合体を形成するが、ラパマイシン-FKBP-12複合体はカルシネウリンホスファターゼ活性を阻害しない。ラパマイシン-イムノフィリン複合体はラパマイシンの哺乳動物キナーゼ標的(mTOR)に結合し、それを阻害する。mTORは細胞周期進行に必要なキナーゼである。mTORキナーゼ活性の阻害は、T細胞の活性化および炎症誘発性サイトカインの分泌をブロックする。
【0095】
ラパマイシンの構造的および機能的アナログはモノ-およびジアシル化ラパマイシン誘導体(米国特許第4,316,885号);ラパマイシン水溶性プロドラッグ(米国特許第4,650,803号);カルボン酸エステル(PCT公報WO 92/05179);カルバメート(米国特許第5,118,678号);アミドエステル(米国特許第5,118,678号);ビオチンエステル(米国特許第5,504,091号);フッ素化エステル(米国特許第5,100,883号);アセタール(米国特許第5,151,413号);シリルエーテル(米国特許第5,120,842号);二環性誘導体(米国特許第5,120,725号);ラパマイシンダイマー(米国特許第5,120,727号);O-アリール、O-アルキル、O-アルケニルおよびO-アルキニル誘導体(米国特許第5,258,389号);および重水素化ラパマイシン(米国特許第6,503,921号)を含む。さらなるラパマイシンアナログは米国特許第5,202,332号および5,169,851号に記載されている。
【0096】
ラパマイシンは、現在、液体および錠剤処方で経口投与用に入手できる。RAPAMUNE液体は、投与に先立って水またはオレンジジュースに希釈される1mg/mLラパマイシンを含有する。1または2mgのラパマイシンを含有する錠剤も入手可能である。ラパマイシンは、好ましくは、移植後できる限り早く毎日1回与える。それは経口投与後に迅速かつ完全に吸収される。典型的には、ラパマイシンの患者用量は患者の状態に従って変化するが、いくつかの標準推奨用量を以下に提供する。ラパマイシンのための初期負荷用量は6mgである。2mg/日の引き続いての維持用量が典型的である。別法として、3mg、5mg、10mg、15mg、20mgまたは25mgの負荷用量を、日維持用量当たり1mg、3mg、5mg、7mgまたは10mgと共に用いることができる。体重が40kg未満の患者では、ラパマイシンの用量は、典型的には、体表面積に従って調整される;一般に、3mg/m2/日負荷用量および1mg/m2/日維持用量が用いられる。
【0097】
ペプチド部位
カルシネウリン-媒介脱リン酸化およびNFATの核トランスロケーションを損なうペプチド、ペプチドミメティックス、ペプチド断片(天然、合成または化学的修飾いずれか)は、本発明の実行で用いるのに適している。NFAT活性化およびNFAT転写因子を阻害することによってカルシネウリン阻害剤として作用するペプチドの例は、例えば、Aramburu et al.,Science 285:2129-2133,1999およびAramburu et al.,Mol.Cell 1:627-637,1998に記載されている。カルシネウリン阻害剤のクラスとして、これらの剤は本発明の方法で有用である。
【0098】
療法
本発明が、免疫炎症性障害、増殖性皮膚病、器官移植拒絶、または移植片対宿主病を治療する手段として免疫応答を変調する方法を特徴とする。サイトカイン分泌の抑制は、任意で、一つまたは複数のステロイドと組み合わせて一つまたは複数の三環化合物を投与することによって達成される。実施例は単一の三環化合物および単一のステロイドを記載するが、複数の剤の組合せはしばしば望ましいことが理解される。例えば、メトトレキセート、ヒドロキシクロロキン、およびスルファサラジンは慢性関節リウマチの治療で通常に投与される。さらなる療法は以下に記載する。
【0099】
望ましくは、本発明の方法、組成物およびキットは他の方法、組成物およびキットよりも効果的である。「より効果的」とは、方法、組成物またはキットが、それと比較されるもう1つの方法、組成物またはキットよりも大きな効率を呈し、毒性はより低く、より安全で、より便宜で、より許容され、価格がより安く、あるいはより治療的満足を与えることを意味する。
【0100】
慢性閉塞性肺疾患
1つの態様において、本発明の方法、組成物およびキットは慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療で用いられる。所望であれば、典型的にはCOPDを治療するのに用いられる一つまたは複数の薬剤を、本発明の方法、組成物およびキットにおけるコルチコステロイドの代替物として、またはそれに加えて用いることができる。そのような薬剤はキサンチン(例えば、テオフィリン)、抗コリン作動性化合物(例えば、イプラトロピウム、チオトロピウム)、バイオロジック、小分子免疫モジュレーター、およびβ受容体アゴニスト/気管支拡張剤(例えば、イブテロール硫酸、ビトルテロールメシレート、エピネフリン、フォルモテロールフマル酸、イソプロテロノール、レバルブテロール塩酸、メタプロテレノール硫酸、ピルブテロールスケテート、サルメテロールキシナフォエート、およびテルブタリン)を含む。従って、1つの態様において、本発明は、三環化合物および気管支拡張剤の組合せ、およびそれでCOPDを治療する方法を特徴とする。
【0101】
乾癬
本発明の方法、組成物およびキットは乾癬の治療で用いることができる。所望であれば、典型的には乾癬を治療するのに用いられる一つまたは複数の抗乾癬剤を、本発明の方法、組成物およびキットにおけるコルチコステロイドの代替物として、またはそれに加えて用いることができる。そのような薬剤はバイオロジック(例えば、アレファセプト、インフリキシマブ、アデリムマブ、エファリズマブ、エタネルセプト、およびCDP-870)、小分子免疫モジュレーター(例えば、VX 702、SCIO 469、ドラマピモド、RO 30201195、SCIO 323、DPC 333、プラナルカサン、マイコフェノレート、およびメリネポジブ)、非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤(例えば、サイクロスポリン、タクロリムス、ピメクロリムス、およびISAtx247)、ビタミンDアナログ(例えば、カルシポトリエン、カルシポトリオール)、ソラレン(例えば、メトキサレン)、レチノイド(例えば、アシトレチン、タゾレテン)、DMARD(例えば、メトトレキセート)、およびアントラリンを含む。従って、1つの態様において、本発明は、三環化合物および抗乾癬剤の組合わせ、およびそれで乾癬を治療する方法を特徴とする。
【0102】
炎症性腸疾患
本発明の方法、組成物およびキットは炎症性腸疾患の治療で用いることができる。所望であれば、典型的には炎症性腸疾患を治療するのに用いることができる一つまたは複数の薬剤を、本発明の方法、組成物およびキットにおけるコルチコステロイドの代替物として、またはそれに加えて用いることができる。そのような薬剤はバイオロジック(例えば、インフリキシマブ、アデリムマブ、およびCDP-870)、小分子免疫モジュレーター(例えば、VX 702、SCIO 469、ドラマピモド、RO 30201195、SCIO 323、DPC 333、プラナルカザン、マイコフェノレート、およびメリメポジブ)、非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤(例えば、サイクロスポリン、タクロリムス、ピメクロリムス、およびISAtx247)、5-アミノサリチル酸(例えば、メサラミン、スルファサラジン、バルサラジド二ナトリウム、およびオルサラジンナトリウム)、DMARD(例えば、メトトレキセートおよびアザチオプリン)およびアロセトロンを含む。従って、1つの態様において、本発明は、三環化合物および前記薬剤のいずれかの組合せ、およびそれで炎症性腸疾患を治療する方法を特徴とする。
【0103】
慢性関節リウマチ
本発明の方法、組成物およびキットは慢性関節リウマチの治療で用いることができる。所望であれば、典型的には慢性関節リウマチを治療するのに用いられる一つまたは複数の薬剤を、本発明の方法、組成物およびキットにおけるコルチコステロイドの代替物として、またはそれに加えて用いることができる。そのような薬剤はNSAID(例えば、ナプロキセンナトリウム、ジクロフェナックナトリウム、ジクロフェナックカリウム、アスピリン、スリンダック、ジフルニサル、ピロキシカム、インドメタシン、イブプロフェン、ナブメトン、コリンマグネシウムトリサリシレート、サリチル酸ナトリウム、サリチルサリチル酸(サルサレート)、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、メクロフェナメートナトリウム、メロキシカム、オキサプロジン、スリンダック、およびトルメチン)、COX-2阻害剤(例えば、ロフェコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブ、およびルミラコキシブ)、バイオロジック(例えば、インフリキシマブ、アデリムマブ、エタネルセプト、CDP-870、リツキシマブ、およびアトリズマブ)、小分子免疫モジュレーター(例えば、VX 702、SCIO 469、ドラマピモド、RO 30201195、SCIO 323、DPC 333、プラナルカサン、マイコフェノレート、およびメリメポジブ)、非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤(例えば、サイクロスポリン、タクロリムス、ピメクロリムス、およびISAtx247)、5-アミノサリチル酸(例えば、メサラミン、スルファサラジン、バルサラジド二ナトリウム、およびオルサラジンナトリウム)、DMARD(例えば、メトトレキセート、レフルノミド、ミノシクリン、オーラノフィン、金ナトリウムチオマレート、オーロチオグルコースおよびアザチオプリン)、ヒドロキシクロロキン硫酸、およびペニシラミンを含む。従って、1つの態様において、本発明は前記薬剤のいずれかと三環化合物との組合せ、およびそれで慢性関節リウマチを治療する方法を特徴とする。
【0104】
喘息
本発明の方法、組成物およびキットは喘息の治療で用いることができる。所望であれば、典型的には喘息を治療するのに用いられる一つまたは複数の薬剤を、本発明の方法、組成物、およびキットにおけるコルチコステロイドの代替物として、またはそれに加えて用いることができる。そのような薬剤はβ2アゴニスト/気管支拡張剤/ロイコトリエンモディファイアー(例えば、ザフィルルカスト、モンテルカスト、およびジロートン)、バイオロジック(例えば、オマリズマブ)、小分子免疫モジュレーター、抗コリン作動性化合物、キサンチン、エフェドリン、クアイフェネシン、クロモリンナトリウム、ネドクロミルナトリウム、およびヨウ化カリウムを含む。従って、1つの態様において、本発明は三環化合物および前記薬剤のいずれかの組合せおよびそれで喘息を治療する方法を特徴とする。
【0105】
投与
本発明の方法のいずれかの特別な態様において、化合物は相互から10日以内に、相互から5日以内に、相互から24時間以内に、または同時に投与される。化合物は単一の組成物として一緒に処方することができるか、あるいは別々に処方し、投与することができる。一つのまたは双方の化合物は、その各々が本明細書中で定義される、低用量または高用量で投与することができる。コルチコステロイド、NSAID(例えば、ナプロキセンナトリウム、ジクロフェナックナトリウム、ジクロフェナックカリウム、アスピリン、スリンダック、ジフルニサル、ピロキシカム、インドメタシン、イブプロフェン、ナブメトン、コリンマグネシウムトリサリシレート、サリチル酸ナトリウム、サリシルサリチル酸、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、メクロフェナメートナトリウム、メロキシカム、オキサプロジン、スリンダック、およびトルメチン)、COX-2阻害剤(例えば、ロフェコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブおよびルビラコキシブ)、グルココルチコイド受容体モジュレーター、またはDMARDのような他の化合物を患者に投与するのが望ましいであろう。本発明の組合せ療法は、病気に肯定的に影響するよう免疫応答を変調する他の剤-バイオロジックまたは小分子いずれかと組み合わせての免疫炎症性障害の治療で特に有用である。そのような剤は鍵となる炎症細胞を枯渇させ、細胞接着に影響し、または免疫応答に関与するサイトカインに影響するものを含む。この最後のカテゴリーは、IL-10のような抗炎症誘発性サイトカインの作用を模倣し、またはそれを増加させる剤、ならびにIL-6、IL-1、IL-2、IL-12、IL-15またはTNFαのような炎症誘発性サイトカインの活性を抑制する剤と共に含む。TNFαを阻害する剤はエタネルセプト、アデリムマブ、インフリキシマブおよびCDP-870を含む。この例(TNFαの効果をブロックする剤のそれ)において、組合せ療法はサイトカインの生産を低下させ、エタネルセプトまたはインフリキシマブは炎症誘発性サイトカインの残りの部分に作用し、増強された治療を提供する。小分子免疫モジュレーターは、例えば、VX 702、SCIO 469、ドラマピモド、RO 30201195、SCIO 323のようなp38 MAPキナーゼ阻害剤、DPC 333のようなTACE阻害剤、プラナルカサンのようなICE阻害剤、およびマイコフェノレートおよびメリメポジブのようなIMPDH阻害剤を含む。
【0106】
本発明による療法は単独またはもう一つの療法と組み合わせて行うことができ、家、医師のオフィス、クリニック、病院の外来部門、または病院で供することができる。治療は、医師が療法の効果を近くで観察し、必要ないずれの調整もなす事ができるように任意に病院で開始するか、あるいはそれは外来ベースで開始することができる。療法の持続は治療すべき病気または障害のタイプ、患者の年齢および状態、患者の病気の段階およびタイプ、およびどのようにして患者が治療に応答するかに依存する。加えて、炎症病を発症するより大きな危険性を有する人(例えば、年齢関連ホルモン変化を受けつつある人)は、兆候の開始を阻害しまたは遅延させるための処置を受けることができる。
【0107】
種々の態様についての投与の経路は、限定されるものではないが、(静脈内、筋肉内、皮下、吸入、直腸、バッカル、膣、腹腔内、関節内、眼、耳、または経口投与のような)局所、経皮、経鼻、および全身投与を含む。本明細書で用いるように、「全身投与」は全ての非皮膚投与経路をいい、特に、局所および経皮投与経路を除く。
【0108】
組合せ療法において、組合せの各成分の投与の量および頻度は独立して制御することができる。例えば、一つの化合物を1日あたり3回投与することができ、他方、第2の化合物を1日あたり1回投与することができる。組合せ療法は、患者の体が未だ予想できない副作用としてのいずれかから回復するチャンスを有するように、残りの器官を含むオン-アンド-オフサイクルで与えることができる。また、化合物は、一つの投与が双方の化合物を送達するように一緒に処方することもできる。
【0109】
薬学的組成物の処方
本発明の組合せの投与は、標的領域において炎症性サイトカインレベルの抑制をもたらすいずれの適当な手段であってもよい。化合物はいずれかの適当な担体物質中にいずれかの適当な量で含有させることができ、一般に、組成物の合計重量の1〜95重量%で存在させる。組成物は、経口、非経口(例えば、静脈内、筋肉内)、関節内、直腸、皮下、鼻、膣、吸入剤、皮膚(パッチ)、耳、または眼投与経路に適した投与形態で供することができる。従って、組成物は、例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤、粉末、顆粒剤、懸濁液、エマルジョン、溶液、ヒドロゲルを含めたゲル、ペースト、軟膏、クリーム、プラスター、ドレンチ、浸透圧送達デバイス、座薬、浣腸、注射、インプラント、スプレイまたはエアロゾルの形態とすることができる。薬学的組成物は従来の医薬プラクティスに従って処方することができる(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th edition,2000,ed.A.R.Gennaro,Lippincott Williams & Wilkins,Philadelphia,and Encyclopedia of Pharmaceutical Technology,eds.J.Swarbrick and J.C.Boylan,1988-1999,Marcel Dekker,New York参照)。
【0110】
前記組合せの各化合物は、当技術分野において知られた種々の方法で処方することができる。例えば、第一および第二の剤を一緒に、または別々に処方することができる。望ましくは、第一および第二の剤は、剤の同時またはほぼ同時投与のために一緒に処方される。このような共-処方組成物は、同一の丸剤、カプセル剤、液剤等中に一緒に処方した三環化合物およびステロイドを含むことができる。「三環化合物/コルチコステロイド組合せ」の処方に言及する場合、使用される処方技術は前記組合せ、ならびに本発明の他の組合せ(例えば、三環化合物/グルココルチコイド受容体モジュレーター組合せ)の個々の剤の処方で有用である。異なる剤についての異なる処方戦略を用いることによって、各剤についての薬物動態学プロフィールを適切にマッチさせることができる。
【0111】
個々にまたは別々に処方された剤をキットとして一緒にパッケージングすることができる。非限定的例は、例えば、2つの丸剤、丸剤および粉末、座薬およびバイアル中の液体、2つの局所クリーム等を含有するキットを含む。前記キットは、粉末形態を復元するためのバイアル、注射用のシリンジ、慣用化IV送達システム、吸入器等のような、患者への単位用量の投与を助ける任意の構成要素を含むことができる。加えて、単位用量キットは組成物の調製および投与のための指示書を含むことができる。前記キットは一人の患者のための単一の使用単位用量、(一定用量にて、あるいは個々の化合物が療法が進行するに伴ってその能力を変化させることができる)特定の患者用の複数使用として製造することができ;あるいはキットは複数患者への投与に適した複数用量(「バルクパッケージング」)を含むことができる。キットの成分はカートン、ブリスタパック、ビン、チューブ等中に組み立てることができる。
【0112】
制御放出処方
活性剤の一方または双方が制御放出用に処方された本発明の組合せの投与は、三環化合物またはステロイドが、(i)狭い治療指数(例えば、有害な副作用または毒性反応に導く血漿中濃度と治療効果に導く血漿中濃度との差が小さい;一般に、治療指数TIはメジアン有効量(ED50)に対するメジアン致死量(LD50)の比率と定義される);(ii)胃腸管における狭い吸収ウインドウ;(iii)短い生物学的半減期;を有するか、あるいは(iv)各成分の薬物動態学的プロフィールが、一緒に使用する場合に、各剤の寄与を、サイトカイン抑制に治療的に効果的な量まで最大化するように修飾されていなければならない場合に有用である。従って、維持放出処方を用いて、治療レベルに双方の剤の血漿中レベルを維持するのに必要であり得る頻繁な投与を回避することができる。例えば、本発明の好ましい経口薬学的組成物において、本発明の組合せの一方の剤または双方の剤についての10〜20時間の半減期および平均滞留時間が観察される。
【0113】
放出速度が治療化合物の代謝の速度より大きい制御放出を得るために、多くの戦略を追求することができる。例えば、制御放出は、処方のパラメーターおよび成分(例えば、適当な制御放出組成物およびコーティング)の適切な選択によって得ることができる。その例は、単一または複数単位の錠剤またはカプセル組成物、油溶液、懸濁液、エマルジョン、マイクロカプセル、マイクロスフィア、ナノ粒子、パッチおよびリポソームを含む。放出メカニズムは、一つの特定の剤の初期放出が他の放出より好ましい場合、三環化合物および/またはステロイドが間隔を設けて放出され、前記放出が同時であり、あるいは組合せの剤の一方の遅延された放出が行うことができるように制御することができる。
【0114】
制御放出処方は分解可能または非分解可能ポリマー、ヒドロゲル、オルガノゲル、または剤の生体吸収、半減期または生分解を修飾する他の物理的構築を含むことができる。制御放出処方は、染色されるか、あるいは患部に内部または外部適用される物質であり得る。一つの例において、本発明は、対象となる部位に、またはその近くに外科的に挿入された(例えば、関節炎関節に対して基部側)生分解性ボーラスまたはインプラントを提供する。もう一つの例において、制御放出処方インプラントは、治療炎症性腸疾患用の下部腸におけるように、器官に挿入することができる。
【0115】
本発明の組合せ用の制御放出処方でヒドロゲルを用いることができる。このようなポリマーは、少なくとも一つの分解性領域によって分離された重合可能な非分解性領域を持つマクロマーから形成される。例えば、水溶性の非分解性領域はマクロマーの中心コアを形成することができ、分解に際して、非分解性領域(特に、重合化ゲル)が米国特許第5,626,863号に記載されたように分離されるように、コアに付着された少なくとも2つの分解性領域を有する。ヒドロゲルは、エオシン色素、紫外線または可視光のようないくつかの開始システムによって容易に重合することができるアクリレートを含むことができる。また、ヒドロゲルは高度に親水性であって、生体適合性であるポリエチレングリコール(PEG)を含むことができる。また、ヒドロゲルは、エステル結合のグリコール酸、非毒性代謝産物への加水分解によって容易に分解することができるポリ(α-ヒドロキシ酸)であるオリゴグリコール酸を含むこともできる。他の鎖延長はポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリオルトエステル、ポリアンヒドリドまたはポリペプチドを含むことができる。全ネットワークは生分解性ネットワークにゲル化することができ、これを用いて、制御速度での送達用の本発明の組合せを捕獲し、均一に分散させることができる。
【0116】
キトサン、およびキトサンとカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)との混合物は、Inouye et al.,Drug Design and Delivery 1:297-305,1987によって記載されているように、薬物の持続放出用の溶剤として用いられてきた。これらの化合物および本発明の組合せの剤の混合物は、200kg/cm2下で圧縮すると、それから活性剤が対象への投与に際してゆっくりと放出される錠剤を形成する。放出プロフィールは、キトサン、CMC-Na、および活性剤の比率を変化させることによって変更することができる。また、錠剤はラクトース、CaHPO4二水和物、スクロース、結晶性セルロース、またはクロスカルメロースナトリウムを含めた他の添加剤を含有することもできる。いくつかの例を表4に提供する。
【0117】
(表4)

【0118】
Baichwalは、米国特許第6,245,356号において、アモルファス形態の治療上活性な医薬(例えば、本発明の三環化合物/コルチコステロイド組合せまたはその成分)、ゲル化剤、イオン化可能ゲル強度増強剤および不活性希釈剤の凝集した粒子を含む持続放出経口固体投与形態を記載している。前記ゲル化剤は、キサンタンガムおよび前記ガムを環境流体に暴露した場合にキサンタンガムと架橋することができるローカストビーンガムの混合物であり得る。好ましくは、前記イオン化可能ゲル増強剤は、キサンタンガムおよびローカストビーンガムの間の架橋の強度を増強させ、それにより、処方の医薬成分の放出を遅延させるように作用する。キサンタンガムおよびローカストビーンガムに加えて、やはり用いることができる許容されるゲル化剤は当技術分野においてよく知られたゲル化剤を含む。その例は、アルギン酸塩、カラギーナン、ペクチン、グアーガム、修飾された澱粉、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、および、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびヒドロキシプロピルセルロースのような他のセルロース物質またはポリマーなどの自然発生的または修飾された自然発生的ながれ、および前記の混合物を含む。
【0119】
本発明の組合せで有用なもう一つの処方において、BaichwalおよびStaniforthは、米国特許第5,135,757号において、水性溶液の存在下で(例えば、キサンタンガムまたはその誘導体のような)ヘテロ多糖および(例えば、ガラクトマンナン、最も好ましくはローカストビーンガムのような)ヘテロ多糖を架橋することができる多糖物質を含む約20〜約70重量パーセント以上の親水性物質、および(例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、キシリトール、フルクトースまたはその混合物のような)約30〜約80重量パーセントの不活性な医薬充填剤を含む医薬賦形剤として用いられる自由流動遅延放出造粒を記載している。賦形剤を本発明の三環化合物/コルチコステロイド組合せまたは組合せ剤と混合した後、前記混合物を錠剤のような固体投与形態に直接的に圧縮する。このように形成された錠剤は摂取し、胃液に暴露された場合に医薬をゆっくりと放出する。医薬に対する賦形剤の量を変化させることによって、遅延放出プロフィールを達成することができる。
【0120】
本発明の組合せで有用なもう一つの処方において、Shellは、米国特許第5,007,790号において、薬物の溶解度によって制御される速度で溶液中の薬物を放出する持続放出経口薬物投与形態を記載している。前記投与形態は、投与の寿命の間はその物理的一体性を維持するが、それ以降は急速に分解する、親水性で水-膨潤性の架橋ポリマーに(例えば、プレドニソロン、または本発明の組合せのいずれかの他の剤のような)限定された溶解度の薬物の分散液の複数の粒子を含む錠剤またはカプセル剤を含む。一旦摂取されれば、粒子は膨潤して、胃滞留を促進し、胃液が粒子に浸透し、薬物を溶解させ、それを粒子から取り出すようにし、薬物が、固体状態の薬物よりも胃に対して損傷性でない溶液状態で胃に到達することを確実とする。ポリマーのプログラムされた結果的に生じる溶解は、ポリマーの性質および架橋の程度に依存する。ポリマーは非フィブリルであって、その非架橋状態で実質的に水溶性であり、架橋の程度は、ポリマーが所望の期間、通常は少なくとも約4時間〜8時間、12時間まで不溶性のままであるのを可能とするのに十分であり、選択は配合される薬物および関連する医薬処置に依存する。本発明で用いることができる適当な架橋ポリマーの例はゼラチン、アルブミン、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、およびキチンである。ポリマーに依存して、架橋は、熱または放射線処理によって、あるいはアルデヒド、ポリアミノ酸、金属イオン等のような架橋剤の使用を介して達成することができる。
【0121】
本発明の組合せの処方で有用なpH-制御胃腸薬物送達のためのシリコーンマイクロスフィアは、Carelli et al.,Int.J.Pharmaceutics 179:73-83,1999によって記載されている。そのように記載されたマイクロスフィアは、500〜1000μmのサイズ範囲のシリコーンマイクロスフィアに配合される種々の割合のポリ(メタクリル酸-コ-メチルメタクリレート)(EudragitL100またはEudragitS100)および架橋されたポリエチレングリコール8000からなるpH-感受性の半相互貫入ポリマーヒドロゲルである。
【0122】
遅延放出処方は、容易に水溶性ではないが、水によって、ゆっくりと攻撃され、除去される、あるいは水がそれをゆっくりと浸透することができるコーティングを含むことができる。従って、例えば、本発明の組合せは、Kitamori et al.,米国特許第4,036,948号によって記載されているように、連続液化条件下でバインダーの溶液でスプレイ-コートすることができる。水溶性バインダーの例は予めゼラチン化された澱粉(例えば、予めゼラチン化されたコーンスターチ、予めゼラチン化されたホワイトポテトスターチ)、予めゼラチン化された修飾澱粉、水溶性セルロース(例えば、ヒドロキシプロピル-セルロース、ヒドロキシメチル-セルロース、ヒドロキシプロピルメチル-セルロース、カルボキシメチル-セルロース)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン、アラビアガムおよびゼラチン、セルロース誘導体(例えば、酢酸フタル酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース)のような有機溶媒-可溶性バインダーを含む。
【0123】
持続放出特性を持つ本発明の組合せ、またはその成分はスプレイ乾燥技術によって処方することもできる。一つの例において、Espositio et al.,Pharm.Dev.Technol.5:267-78,2000によって記載されているように、Mini Spray Dryer、モデル190(Buchi,Laboratorium Technik AG,Flawil,Germany)を用いて、プレドニソロンをメチルアクリレートマイクロ粒子(EudragitRS)にカプセル化した。マイクロ粒子の形成のための最適な条件は、10mLアセトニトリル中に50mgプレドニソロンを含有する溶液の0.5mL/分の供給(ポンプ)速度、600L/hrの霧化空気の流速、80℃で加熱する乾燥空気温度、および28m3/hrの吸引乾燥空気の流速であることが判明した。
【0124】
持続放出組合せのさらにもう一つの形態は、ミクロ透析セルとして作用する膜中に組合せ剤の粒子をマイクロカプセル化することによって調製することができる。このような処方において、胃液はマイクロカプセルの壁に浸透し、マイクロカプセルを膨潤させ、活性剤を透析させる(例えば、Tsuei et al.,米国特許第5,589,194号参照)。この種の一つの商業的に入手可能な持続放出系は、アカシアガム/ゼラチン/エチルアルコールの膜を有するマイクロカプセルからなる。この製品は、商品名Diffucaps(商標)下でEurand Limited(France)から入手可能である。そのように処方されたマイクロカプセルは、従来のゼラチンカプセルに担持させるか、あるいは錠剤化することができよう。
【0125】
コルチコステロイドで有用な持続-放出処方もまた米国特許第5,792,476号に記載されており、そこでは、処方はグルココルチコイドの少なくとも90重量%が約40〜80分の間に放出され、グルココルチコイドの患者の小腸への侵入から約1〜3時間後に開始するように、調節された持続-放出を持つ活性物質としての2.5〜7mgのグルココルチコイドを含む。これらの活性物質の低用量レベルを可能とするためには、活性物質、すなわち、プレドニソロンまたはプレドニゾンのようなグルココルチコイドをミクロン化し、澱粉およびラクトースのような公知の希釈剤と適当に混合し、PVP(ポリビニルピロリドン)とで顆粒化する。さらに、顆粒を、pH6.8に耐性の持続放出内部層およびpH1.0に耐性の持続放出外部層とで積層する。内部層はEudragit(登録商標)RL(低含有量の第4級アンモニウム基を持つアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルのコポリマー)よりなり、外部層はEudragit(登録商標)L(メタクリル酸およびメタクリル酸メチルエステルから合成されたアニオンポリマー)からなる。
【0126】
二層錠剤は、本発明の組合せのために製剤化することができ、前記組合せの各剤のための異なる慣用的造粒をなし、2つの剤を二層プレスで圧縮して、単一の錠剤を形成する。例えば、8〜12時間のアモキサピン半減期(t1/2)および投与から10〜16時間後の平均滞留時間(MRT)をもたらす制御放出用に製剤化された100mgのアモキサピンは、t1/2およびMRTがアモキサピンのそれ(すなわち、各々、8〜12時間および10〜16時間)に近似するように製剤化される3mgのプレドニゾロンを含む同一錠剤と組み合わせることができる。インビボでプレドニゾロン放出の速度を制御するのに加えて、腸溶または遅延放出コートを含めることができ、それは、プレドニゾロンのTmaxがアモキサピンのそれと近似するように薬物放出の開始を遅延させる。
【0127】
シクロデキストリンは、α-(1,4)結合での天然に生じるD(+)-グルコピラノースユニットを含有する環状多糖である。各々、6、7または8つのグルコピラノースユニットを含有するα-、β-およびγ-シクロデキストリンは最も一般に用いられ、適当な例はPCT公開番号WO 91/11172、WO 94/02518およびWO 98/55148に記載されている。構造的には、シクロデキストリンの環状性質は内部の無極性または疎水性キャビティ、シクロデキストリントーラスの一方側に位置する第二級ヒドロキシル基および他方に位置する第一級ヒドロキシル基を有するトーラスまたはドーナツ-様形状を形成する。第二級ヒドロキシル基が位置する側は、第一級ヒドロキシル基が位置する側よりも広い直径を有する。シクロデキストリン内部キャビティの疎水性は種々の化合物の包接を可能とする(Comprehensive Supramolecular Chemistry,Volume 3,J.L.Atwood et al., eds.,Pergamon Press (1996); Cserhati,Analytical Biochemistry 225:328-32,1995; Husain et al.,Applied Spectroscopy 46:652-8,1992)。シクロデキストリンは、シクロデキストリンの疎水性キャビティーに適合できる種々の薬物とで包接複合体を形成することによって、または他の生物学的に活性な分子とで非共有結合複合体を形成することによって、種々の治療化合物の送達溶剤として用いられてきた。米国特許第4,727,064号は、実質的に低い水溶解度を持つ薬物およびアモルファスの水溶性シクロデキストリン-ベースの混合物よりなり、ここで、前記薬物は混合物のシクロデキストリンとで包接複合体を形成する医薬製剤を記載している。
【0128】
薬物-シクロデキストリン複合体の処方は、薬物の溶解度、溶解速度、生物学的利用性、および/または安定性特性を修飾することができる。例えば、シクロデキストリンは、Uekama et al.,J.Pharm Dyn.6:124-7,1983によって記載されているように、プレドニソロンの生物学的利用性を改良するために記載されている。β-シクロデキストリン/プレドニソロン複合体は、双方の成分を水に添加し、25℃において7日間攪拌することによって調製することができる。回収された得られた沈殿は1:2プレドニソロン/シクロデキストリン複合体である。
【0129】
スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン(CyDex,Inc,Overland Park,KA,USAから商業的に入手可能であり、CAPTISOL(登録商標)として販売されているSBE-β-CD)もまた、本発明の組合せの剤の持続-放出処方の調製で助剤として用いることができる。例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースマトリックス中に圧縮されたプレドニソロンおよびSBE-β-CDを含む持続-放出錠剤が調製されている(Rao et al.,J.Pharm.Sci.90:807-16,2001参照)。
【0130】
また、米国特許出願第2003/0017972号および2003/0008818号に記載されているように、ポリマーシクロデキストリンも調製されている。そのように形成されたシクロデキストリンポリマーは、本発明の組合せの処方剤で有用であり得る。これらの多機能ポリマーシクロデキストリンはInsert Therapeutics,Inc.,Pasadena,CA,USAから商業的に入手可能である。
【0131】
剤との複合化を指令する代替法として、シクロデキストリンを補助的添加剤として、例えば、担体、希釈剤または可溶化剤として用いることができる。シクロデキストリンおよび本発明の組合せの他の剤(すなわち、三環化合物および/またはステロイド)を含む処方は、本明細書中に記載されたシクロデキストリン処方の調製と同様な方法によって調製することができる。
【0132】
リポソーム処方
本発明の組合せの一方または双方の成分、または2つの成分を一緒にした混合物を投与用のリポソーム担体に一体化させることができる。リポソーム担体は3つの一般的タイプの小胞形成脂質成分から構成される。第一のものは、リポソーム中に小胞構造のバルクを形成する小胞形成脂質を含む。一般に、これらの小胞形成脂質は疎水性および極性頭部基部位を有するいずれかの両親媒性脂質を含み、これは(a)リン脂質によって例示されるように、水中の二層小胞に自然に形成できるか、あるいは(b)脂質二層に安定に一体化され、その疎水性部位は二層膜の内部疎水性領域と接触し、その極性頭部基部位は膜の外部の極性表面に向かう。
【0133】
このタイプの小胞形成脂質は、好ましくは、2つの炭化水素鎖、典型的にはアシル鎖および極性頭部基を有するものである。このクラスには、ホスファチジルコリン(PC)、PE、ホスファチジン酸(PA)、ホスファチジルイノシトール(PI)およびスフィンゴミエリン(SM)のようなリン脂質が含まれ、ここで、2つの炭化水素鎖は、典型的には、長さが約14〜22炭素原子の間にあり、種々の程度の不飽和を有する。そのアシル鎖が種々の程度の飽和を有する前記脂質およびリン脂質は商業的に入手できるか、あるいは公表された方法に従って調製することができる。本発明に含むことができる他の脂質は糖脂質、およびコレステロールのようなステロールである。
【0134】
第二の一般的な成分は、組成物中にポリマー層を形成するポリマー鎖で誘導体化される小胞形成脂質を含む。第二の一般的な小胞形成脂質成分として用いることができる小胞形成脂質は、第一の一般的小胞形成脂質成分につき記載されたもののいずれかである。リン脂質のようなジアシル鎖を持つ小胞形成脂質が好ましい。一つの例示的なリン脂質はホスファチジルエタノールアミン(PE)であり、これは、活性化されたポリマーにカップリングさせるのに便利な反応性アミノ基を提供する。例示的PEはジステアリルPE(DSPE)である。
【0135】
誘導体化脂質中の好ましいポリマーはポリエチレングリコール(PEG)、好ましくは1,000〜15,000ダルトンの間、より好ましくは2,000および10,000ダルトンの間、最も好ましくは2,000および5,000ダルトンの間の分子量を有するPEG鎖である。適当であり得る他の親水性ポリマーはポリビニルピロリドン、ポリメチルオキサゾリン、ポリエチルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド、ポリメチルアクリルアミドおよびポリジメチルアクリルアミド、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、およびヒドロキシメチルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロースのような誘導体化セルロースを含む。
【0136】
加えて、特にPEGセグメントを含めた、これらのポリマーのブロックコポリマーまたはランダムコポリマーが適当である。PEGのような親水性ポリマーで誘導体化された脂質を調製する方法は、例えば、米国特許第5,013,556号に記載されたように周知である。
【0137】
任意である第三の一般的な小胞形成脂質成分は、脂質アンカーであり、これにより、標的化部位が前記アンカー中のポリマー鎖を介してリポソームに係留される。加えて、標的化基は、標的化部位の生物学的活性が失われないように、ポリマー鎖の末端に位置する。脂質アンカーは、リポソーム二層表面の外側層における脂質、ポリマーの内部末端がそれに共有結合した極性頭部基、および標的化部位への共有結合カップリングのために活性化されるまたは活性化できる遊離(外部)ポリマー末端を係留するように働く疎水性部位を有する。このタイプの脂質アンカー分子を調製する方法は以下に記載する。
【0138】
リポソームを形成するのに用いられる脂質成分は、好ましくは、約70〜90パーセントの小胞形成脂質、1〜25パーセントのポリマー誘導体化脂質、および0.1〜5パーセントの脂質アンカーのモル比で存在する。一つの例示的処方は50〜70モルパーセントの未誘導体化PE、20〜40モル%のコレステロール、0.1〜1モル%の、標的化部位へのカップリングのためのその遊離末端に化学的反応性の基を含むPE-PEG(3500)ポリマー、5〜10モル%の、PEG3500ポリマー鎖で誘導体化されたPE、および1モル%のアルファ-トコフェロールを含む。
【0139】
リポソームは、好ましくは、典型的には、約0.03〜0.5ミクロンの間の選択されたサイズ範囲の実質的に均一なサイズを有するように調製される。REVおよびMLVのための一つの効果的なサイジング方法は、リポソームの水性懸濁液を、0.03〜0.2ミクロン、典型的には0.05、0.08、0.1または0.2ミクロンの範囲の選択された均一なポアサイズを有する一連のポリカーボネート膜を通じて押し出すことを含む。膜のポアサイズは、特に、前記調製が同一膜を通じて2回以上押し出される場合、その膜を通じての押し出しによって生産される最大サイズのリポソームにおおよそ対応する。また、均一化方法は100nm以下のサイズまでリポソームをサイズダウンするのに有用である。
【0140】
本発明のリポソーム処方は少なくとも一つの表面活性剤を含む。本明細書中で記載される組合せの処方で有用な適当な表面活性剤は以下のクラスに属する化合物を含む:ポリエトキシル化脂肪酸、PEG-脂肪酸ジエステル、PEG-脂肪酸のモノエステルおよびジエステル混合物、ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル、アルコール-油エステル交換産物、ポリグリセル化脂肪酸、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールエステルおよびグリセロールエステルの混合物、モノ-およびジグリセリド、ステロールおよびステロール誘導体、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、糖エステル、ポリエチレングリコールアルキルフェノール、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、低級アルコール脂肪酸エステル、およびイオン性界面活性剤。賦形剤の各クラスについての商業的に入手可能な例を以下に提供する。
【0141】
ポリエトキシル化脂肪酸は、本明細書中に記載の組合せの処方のための賦形剤として用いることができる。商業的に入手可能なポリエトキシル化脂肪酸モノエステル界面活性剤の例は:PEG 4-100モノラウレート(Crodet Lシリーズ,Croda)、PEG 4-100モノオレエート(Crodet Oシリーズ,Croda)、PEG 4-100モノステアレート(Crodet Sシリーズ,CrodaおよびMyrjシリーズ,Atlas/ICI)、PEG400ジステアレート(Cithrol 4DSシリーズ,Croda)、PEG100、200、または300モノラウレート(Cithrol MLシリーズ,Croda)、PEG 100、200または300モノオレエート(Cithrol MOシリーズ,Croda)、PEG 400ジオレエート(Cithrol 4DOシリーズ,Croda)、PEG400-1000モノステアレート(Cithrol MSシリーズ,Croda)、PEG-1ステアレート(Nikkol MYS-1EX,NikkoおよびCoster K1,Condea)、PEG-2ステアレート(Nikkol MYS-2,Nikko)、PEG-2オレエート(Nikkol MYO-2,Nikko)、PEG-4ラウレート(Mapeg(登録商標)200ML,PPG)、PEG-4オレエート(Mapeg(登録商標)200MO,PPG)、PEG-4ステアレート(Kessco(登録商標)PEG 200MS,Stepan)、PEG-5ステアレート(Nikkol TMGS-5,Nikko)、PEG-5オレエート(Nikkol TMGO-5,Nikko)、PEG-6オレエート(Algon OL 60,Auschem SpA)、PEG-7オレエート(Algon OL 70,Auschem SpA)、PEG-6ラウレート(Kessco(登録商標)PEG300 ML,Stepan)、PEG-7ラウレート(Lauridac 7,Condea)、PEG-6ステアレート(Kessco(登録商標)PEG300 MS,Stepan)、PEG-8ラウレート(Mapeg (登録商標)400 ML,PPG)、PEG-8オレエート(Mapeg(登録商標)400MO,PPG)、PEG-8ステアレート(Mapeg(登録商標)400MS,PPG)、PEG-9オレエート(Emulgante A9,Condea)、PEG-9ステアレート(Cremophor S9,BASF)、PEG-10ラウレート(Nikkol MYL-10,Nikko)、PEG-10オレエート(Nikkol MYO-10,Nikko)、PEG-12ステアレート(Nikkol MYS-10,Nikko)、PEG-12ラウレート(Kessco(登録商標)PEG 600 ML,Stepan)、PEG-12オレエート(Kessco(登録商標)PEG 600 MO,Stepan)、PEG-12リシノレエート(CAS# 9004-97-1)、PEG-12ステアレート(Mapeg(登録商標)600 MS,PPG)、PEG-15ステアレート(Nikkol TMGS-15,Nikko)、PEG-15オレエート(Nikkol TMGO-15,Nikko)、PEG-20ラウレート(Kessco(登録商標)PEG 1000 ML,Stepan)、PEG-20オレエート(Kessco(登録商標)PEG 1000 MO,Stepan)、PEG-20ステアレート(Mapeg(登録商標)1000 MS,PPG)、PEG-25ステアレート(Nikkol MYS-25,Nikko)、PEG-32ラウレート(Kessco(登録商標)PEG 1540 ML,Stepan)、PEG-32オレエート(Kessco(登録商標)PEG 1540 MO,Stepan)、PEG-32ステアレート(Kessco(登録商標)PEG 1540 MS,Stepan)、PEG-30ステアレート(Myrj 51)、PEG-40ラウレート(Crodet L40,Croda)、PEG-40オレエート(Crodet O40,Croda)、PEG-40ステアレート(Emerest(登録商標)2715,Henkel)、PEG-45ステアレート(Nikkol MYS-45,Nikko)、PEG-50ステアレート(Myrj 53)、PEG-55ステアレート(Nikkol MYS-55,Nikko)、PEG-100オレエート(Crodet O-100,Croda)、PEG-100ステアレート(Ariacel 165,ICI)、PEG-200オレエート(Albunol 200 MO,Taiwan Surf.)、PEG-400オレエート(LACTOMUL,Henkel)、およびPEG-600オレエート(Albunol 600 MO,Taiwan Surf.)を含む。本発明による組合せの一方または双方の成分の処方は一つまたは複数の前記ポリエトキシル化脂肪酸を含むことができる。
【0142】
ポリエチレングリコール脂肪酸ジエステルは、本明細書中に記載の組合せ用の賦形剤として用いることもできる。商業的に入手可能なポリエチレングリコール脂肪酸ジエステルの例は:PEG-4ジラウレート(Mapeg(登録商標)200 DL,PPG)、PEG-4ジオレエート(Mapeg(登録商標)200 DO,PPG)、PEG-4ジステアレート(Kessco(登録商標)200DS,Stepan)、PEG-6ジラウレート(Kessco(登録商標)PEG 300 DL,Stepan)、PEG-6ジオレエート(Kessco(登録商標)PEG 300 DO,Stepan)、PEG-6ジステアレート(Kessco(登録商標)PEG 300 DS,Stepan)、PEG-8ジラウレート(Mapeg(登録商標)400 DL,PPG)、PEG-8ジオレエート(Mapeg(登録商標)400 DO,PPG)、PEG-8ジステアレート(Mapeg(登録商標)400 DS,PPG)、PEG-10ジパルミテート(Polyaldo 2PKFG)、PEG-12ジラウレート(Kessco(登録商標)PEG 600 DL,Stepan)、PEG-12ジステアレート(Kessco(登録商標)PEG 600 DS,Stepan)、PEG-12ジオレエート(Mapeg(登録商標)600 DO,PPG)、PEG-20ジラウレート(Kessco(登録商標)PEG 1000 DL,Stepan)、PEG-20ジオレエート(Kessco(登録商標)PEG 1000 DO,Stepan)、PEG-20ジステアレート(Kessco(登録商標)PEG 1000 DS,Stepan)、PEG-32ジラウレート(Kessco(登録商標)PEG 1540 DL,Stepan)、PEG-32ジオレエート(Kessco(登録商標)PEG 1540 DO,Stepan)、PEG-32ジステアレート(Kessco(登録商標)PEG 1540 DS,Stepan)、PEG-400ジオレエート(Cithrol4DOシリーズ,Croda)、およびPEG-400ジステアレート(Cithrol4DSシリーズ,Croda)を含む。本発明による組合せの処方は、前記したポリエチレングリコール脂肪酸の一つまたは複数を含むことができる。
【0143】
PEG-脂肪酸モノ-およびジ-エステル混合物は、本明細書中に記載の組合せの処方用の賦形剤として用いることができる。商業的に入手可能なPEG-脂肪酸モノ-およびジ-エステル混合物の例は:PEG 4-150モノ、ジラウレート(Kessco(登録商標)PEG 200-6000mono,Dilaurate,Stepan)、PEG 4-150モノ、ジオレエート(Kessco(登録商標)PEG 200-6000 mono,Dioleate,Stepan)、およびPEG 4-150モノ、ジステアレート(Kessco(登録商標)200-6000 mono,Distearate,Stepan)を含む。本発明による組合せの処方は、前記したPEG-脂肪酸モノ-およびジ-エステル混合物の一つまたは複数を含むことができる。
【0144】
加えて、ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステルは、本明細書中に記載の組合せの処方用の賦形剤として用いることができる。商業的に入手可能なポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステルの例は:PEG-20グリセリルラウレート(Tagat(登録商標)L,Goldschmidt)、PEG-30グリセリルラウレート(Tagat(登録商標)L2,Goldschmidt)、PEG-15グリセリルラウレート(Glycerox Lシリーズ,Croda)、PEG-40グリセリルラウレート(Glycerox Lシリーズ,Croda)、PEG-20グリセリルステアレート(Capmul(登録商標)EMG,ABITEC)、およびAldo(登録商標)MS-20 KFG,Lonza)、PEG-20グリセリルオレエート(Tagat(登録商標)O,Goldschmidt)、およびPEG-30グリセリルオレエート(Tagat(登録商標)O2,Goldschmidt)を含む。本発明による組合せの処方は、前記したポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステルの一つまたは複数を含むことができる。
【0145】
また、アルコール-油エステル交換産物は、本明細書中に記載の組合せの処方用の賦形剤として用いることもできる。商業的に入手可能なアルコール-油エステル交換産物の例は:PEG-3ヒマシ油(Nikkol CO-3,Nikko)、PEG-5、9および16ヒマシ油(ACCONON CAシリーズ,ABITEC)、PEG-20ヒマシ油(Emalex C-20,Nihon Emulsion)、PEG-23ヒマシ油(Emulgante EL23)、PEG-30ヒマシ油(Incrocas 30,Croda)、PEG-35ヒマシ油(Incrocas-35,Croda)、PEG-38ヒマシ油(Emulgante EL 65,Condea),PEG-40ヒマシ油(Emalex C-40,Nihon Emulsion)、PEG-50ヒマシ油(Emalex C-50,Nihon Emulsion)、PEG-56ヒマシ油(Eumulgin(登録商標)PRT56,Pulcra SA)、PEG-60ヒマシ油(Nikkol CO-60TX,Nikko)、PEG-100ヒマシ油、PEG-200ヒマシ油(Eumulgin(登録商標)PRT200,Pulcra SA)、PEG-5硬化ヒマシ油(Nikkol HCO-5,Nikko)、PEG-7硬化ヒマシ油(Cremophor WO7,BASF)、PEG-10硬化ヒマシ油(Nikkol HCO-10,Nikko)、PEG-20硬化ヒマシ油(Nikkol HCO-20,Nikko)、PEG-25硬化ヒマシ油(Simulsol(登録商標)1292,Seppic)、PEG-30硬化ヒマシ油(Nikkol HCO-30,Nikko)、PEG-40硬化ヒマシ油(Cremophor RH 40,BASF)、PEG-45硬化ヒマシ油(Cerex ELS 450,Auschem Spa)、PEG-50硬化ヒマシ油(Emalex HC-50,Nihon Emulsion)、PEG-60硬化ヒマシ油(Nikkol HCO-60,Nikko)、PEG-80硬化ヒマシ油(Nikkol HCO-80,Nikko)、PEG-100硬化ヒマシ油(Nikkol HCO-100,Nikko)、PEG-6トウモロコシ油(Labrafil(登録商標)M 2125 CS,Gattefosse)、PEG-6アーモンド油(Labrafil(登録商標)M 1966 CS,Gattefosse)、PEG-6アプリコット核油(Labrafil(登録商標)M 1944 CS,Gattefosse)、PEG-6オリーブ油(Labrafil(登録商標)M 1980 CS,Gattefosse)、PEG-6落花生油(Labrafil(登録商標)M 1969 CS,Gattefosse)、PEG-6硬化パーム核油(Labrafil(登録商標)M 2130 BS,Gattefosse)、PEG-6パーム核油(Labrafil(登録商標)M 2130 CS,Gattefosse)、PEG-6トリオレイン(Labrafil(登録商標)M 2735 CS,Gattefosse)、PEG-8トウモロコシ油(Labrafil(登録商標)WL 2609 BS,Gattefosse)、PEG-20トウモロコシグリセリド(Crovol M40,Croda)、PEG-20アーモンドグリセリド(Crovol A40,Croda)、PEG-25トリオレエート(TAGAT(登録商標)TO,Gondschmidt)、PEG-40パーム核油(Crovol PK-70)、PEG-60トウモロコシグリセリド(Crovol M70,Croda)、PEG-60アーモンドグリセリド(Crovol A70,Croda)、PEG-4カプリル/カプリントリグリセリド(Labrafac(登録商標)Hydro,Gattefosse)、PEG-8カプリル/カプリングリセリド(Labrasol,Gattefosse)、PEG-6カプリル/カプリングリセリド(SOFTIGEN(登録商標)767,Huls)、ラウロイルマクロゴル-32グリセリド(GELUCIRE 44/14,Gattefosse)、ステアロイルマクロゴルグリセリド(GELUCIRE 50/13,Gattefosse)、植物油およびソルビトールのモノ、ジ、トリ、テトラエステル(SorbitoGlyceride,Gattefosse)、ペンタエリスリチルテトライソステアレート(Crodamol PTIS,Croda)、ペンタエリスリチルジステアレート(Albunol DS,Taiwan Surf.)、ペンタエリスリチルテトラオレエート(Liponate PO-4,Lipo Chem.)、ペンタエリスリチルテトラステアレート(Liponate PS-4,Lipo Chem.)、ペンタエリスリチルテトラカプリレートテトラカプレート(Liponate PE-810,Lipo Chem.)、およびペンタエリスリチルテトラオクタノエート(Nikkol Pentarate 408,Nikko)を含む。また、油として、界面活性剤のこのカテゴリーには、ビタミンA、D、E、K等のような油溶性ビタミンが含まれる。従って、トコフェリルPEG-1000スクシネート(TPGS,Eastmanから入手可能)のようなこれらのビタミンの誘導体も適当な界面活性剤である。本発明による組合せの処方は、前記したアルコール-油エステル交換産物の一つまたは複数を含むことができる。
【0146】
ポリグリセリド化脂肪酸は、本明細書中に記載された組合せの処方用の賦形剤として用いることもできる。商業的に入手可能なポリグリセリド化脂肪酸の例は:ポリグリセリル-2ステアレート(Nikkol DGMS,Nikko)、ポリグリセリル-2オレエート(Nikkol DGMO,Nikko)、ポリグリセリル-2イソステアレート(Nikkol DGMIS,Nikko)、ポリグリセリル-3オレエート(Caprol(登録商標)3GO,ABITEC)、ポリグリセリル-4オレエート(Nikkol Tetraglyn 1-O,Nikko)、ポリグリセリル-4ステアレート(Nikkol Tetraglyn 1-S,Nikko)、ポリグリセリル-6オレエート(Drewpol 6-1-O,Stepan)、ポリグリセリル-10ラウレート(Nikkol Decaglyn 1-L,Nikko),ポリグリセリル-10オレエート(Nikkol Decaglyn 1-O,Nikko)、ポリグリセリル-10ステアレート(Nikkol Decaglyn 1-S,Nikko)、ポリグリセリル-6リシノレエート(Nikkol Hexaglyn PR-15,Nikko)、ポリグリセリル-10リノレエート(Nikkol Decaglyn 1-LN,Nikko)、ポリグリセリル-6ペンタオレエート(Nikkol Hexaglyn 5-O,Nikko)、ポリグリセリル-3ジオレエート(Cremophor GO32,BASF)、ポリグリセリル-3ジステアレート(Cremophor GS32,BASF)、ポリグリセリル-4ペンタオレエート(Nikkol Tetraglyn 5-O,Nikko)、ポリグリセリル-6ジオレエート(Caprol(登録商標)6G20,ABITEC)、ポリグリセリル-2ジオレエート(Nikkol DGDO,Nikko)、ポリグリセリル-10トリオレエート(Nikkol Decaglyn 3-O,Nikko)、ポリグリセリル-10ペンタオレエート(Nikkol Decaglyn 5-O,Nikko)、ポリグリセリル-10セプタオレエート(Nikkol Decaglyn 7-O,Nikko)、ポリグリセリル-10テトラオレエート(Caprol(登録商標)10G4O,ABITEC)、ポリグリセリル-10デカイソステアレート(Nikkol Decaglyn 10-IS,Nikko)、ポリグリセリル-101デカオレエート(Drewpol 10-10-O,Stepan)、ポリグリセリル-10モノ、ジオレエート(Caprol(登録商標)PGE860,ABITEC)、およびポリグリセリルポリリシノレエート(Polymuls,Henkel)を含む。本発明による組合せの処方は、前記ポリグリセリド化脂肪酸の一つまたは複数を含むことができる。
【0147】
加えて、プロピレングリコール脂肪酸エステルは、本明細書中に記載の組合せの処方用の賦形剤として用いることができる。商業的に入手可能なプロピレングリコール脂肪酸エステルの例は:プロピレングリコールモノカプリレート(Capryol 90,Gattefosse)、プロピレングリコールモノラウレート(Lauroglycol 90,Gattefosse)、プロピレングリコールオレエート(Lutrol OP2000,BASF)、プロピレングリコールミリステート(Mirpyl)、プロピレングリコールモノステアレート(LIPO PGMS,Lipo Chem.)、プロピレングリコールヒドロキシステアレート、プロピレングリコールリシノレエート(PROPYMULS,Henkel)、プロピレングリコールイソステアレート、プロピレングリコールモノオレエート(Myverol P-O6,Eastman)、プロピレングリコールジカプリレートジカプレート(Captex(登録商標)200,ABITEC)、プロピレングリコールジオクタノエート(Captex(登録商標)800,ABITEC)、プロピレングリコールカプリレートカプレート(LABRAFAC PG,Gattefosse)、プロピレングリコールジラウレート、プロピレングリコールジステアレート(Kessco(登録商標)PGDS,Stepan)、プロピレングリコールジカプリレート(Nikkol Sefsol 228,Nikko)、およびプロピレングリコールジカプレート(Nikkol PDD,Nikko)を含む。本発明による組合せの処方は前記したプロピレングリコール脂肪酸エステルの一つまたは複数を含むことができる。
【0148】
また、プロピレングリコールエステルおよびグリセロールエステルの混合物も、本明細書中に記載の組合せの処方用の賦形剤として用いることができる。一つの好ましい混合物はプロピレングリコールおよびグリセロールのオレイン酸エステルから構成される(Arlacel 186)。これらの界面活性剤の例は:オレイン酸(ATMOS 300,ARLACEL 186,ICI)、およびステアリン酸(ATMOS 150)を含む。本発明による組合せの処方は、前記したプロピレングリコールエステルおよびグリセロールエステルの混合物の一つまたは複数を含むことができる。
【0149】
さらに、モノ-およびジグリセリドを、本明細書中に記載の組合せの処方用の賦形剤として用いることができる。商業的に入手可能なモノ-およびジグリセリドの例は:モノパルミトレイン(C16:1)(Larodan)、モノエライジン(C18:1)(Larodan)、モノカプロイン(C6)(Larodan)、モノカプリリン(Larodan)、モノカプリン(Larodan)、モノラウリン(Larodan)、グリセリルモノミリステート(C14)(Nikkol MGM,Nikko)、グリセリルモノオレエート(C18:1)、(PECEOL,Gattefosse)、グリセリルモノオレエート(Myverol,Eastman)、グリセロールモノオレエート/リノレエート(OLICINE,Gattefosse)、グリセロールモノリノレエート(Maisine,Gattefosse)、グリセリルリシノレエート(Softigen(登録商標)701,Huls)、グリセリルモノラウレート(ALDO(登録商標)MLD,Lonza)、グリセロールモノパルミテート(Emalex GMS-P,Nihon)、グリセロールモノステアレート(Capmul(登録商標)GMS,ABITEC)、グリセリルモノ-およびジオレエート(Capmul(登録商標)GMO-K,ABITEC)、グリセリルパルミチック/ステアリック(CUTINA MD-A,ESTAGEL-G18)、グリセリルアセテート(Lamegin(登録商標)EE,Grunau GmbH)、グリセリルラウレート(Imwitor(登録商標)312,Huls)、グリセリルシトレート/ラクテート/オレエート/リノレエート(Imwitor(登録商標)375,Huls)、グリセリルカプリレート(Imwitor(登録商標)308,Huls)、グリセリルカプリレート/カプレート(Capmul(登録商標)MCM,ABITEC)、カプリル酸モノ-およびジグリセリド(Imwitor(登録商標)988,Huls)、カプリリック/カプリックグリセリド(Imwitor(登録商標)742,Huls)、モノ-およびジアセチル化モノグリセリド(Myvacet(登録商標)9-45,Eastman)、グリセリルモノステアレート(Aldo(登録商標)MS,Arlacel 129,ICI)、モノおよびジグリセリドの乳酸エステル(LAMEGIN GLP,Henkel)、ジカプロイン(C6)(Larodan)、ジカプリン(C10)(Larodan)、ジオクタノイン(C8)(Larodan)、ジミリスチン(C14)(Larodan)、ジパルミチン(C16)(Larodan)、ジステアリン(Larodan)、グリセリルジラウレート(C12)(Capmul(登録商標)GDL,ABITEC)、グリセリルジオレエート(Capmul(登録商標)GDO,ABITEC)、脂肪酸のグリセロールエステル(GELUCIRE 39/01,Gattefosse)、ジパルミトレイン(C16:1)(Larodan)、1,2および1,3-ジオレイン(C18:1)(Larodan)、ジエライジン(C18:1)(Larodan)、およびジリノレイン(C18:2)(Larodan)を含む。本発明による組合せの処方は、前記したモノ-およびジグリセリドの一つまたは複数を含むことができる。
【0150】
ステロールおよびステロール誘導体もまた、本明細書中に記載の組合せの処方用の賦形剤として用いることができる。商業的に入手可能なステロールおよびステロール誘導体の例は:コレステロール、シトステロール、ラノステロール、PEG-24コレステロールエーテル(Solulan C-24,Amerchol)、PEG-30コレスタノール(Phytosterol GENEROLシリーズ,Henkel)、PEG-25フィトステロール(Nikkol BPSH-25,Nikko)、PEG-5ソヤステロール(Nikkol BPS-5,Nikko)、PEG-10ソヤステロール(Nikkol BPS-10,Nikko)、PEG-20ソヤステロール(Nikkol BPS-20,Nikko)、およびPEG-30ソヤステロール(Nikkol BPS-30,Nikko)を含む。本発明による組合せの処方は、前記ステロールおよびステロール誘導体の一つまたは複数を含むことができる。
【0151】
また、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルを、本明細書中に記載の組合せの処方用の賦形剤として用いることができる。商業的に入手可能なポリエチレングリコール脂肪酸エステルの例は:PEG-10ソルビタンラウレート(Liposorb L-10,Lipo Chem.)、PEG-20ソルビタンモノラウレート(Tween(登録商標)20,Atlas/ICI)、PEG-4ソルビタンモノラウレート(Tween(登録商標)21,Atlas/ICI)、PEG-80ソルビタンモノラウレート(Hodag PSML-80,Calgene)、PEG-6ソルビタンモノラウレート(Nikkol GL-1,Nikko)、PEG-20ソルビタンモノパルミテート(Tween(登録商標)40,Atlas/ICI)、PEG-20ソルビタンモノステアレート(Tween(登録商標)60,Atlas/ICI)、PEG-4ソルビタンモノステアレート(Tween(登録商標)61,Atlas/ICI)、PEG-8ソルビタンモノステアレート(DACOL MSS,Condea)、PEG-6ソルビタンモノステアレート(Nikkol TS106,Nikko)、PEG-20ソルビタントリステアレート(Tween(登録商標)65,Atlas/ICI)、PEG-6ソルビタンテトラステアレート(Nikkol GS-6,Nikko)、PEG-60ソルビタンテトラステアレート(Nikkol GS-460,Nikko)、PEG-5ソルビタンモノオレエート(Tween(登録商標)81,Atlas/ICI)、PEG-6ソルビタンモノオレエート(Nikkol TO-106,Nikko)、PEG-20ソルビタンモノオレエート(Tween(登録商標)80,Atlas/ICI)、PEG-40ソルビタンオレエート(Emalex ET 8040,Nihon Emulsion)、PEG-20ソルビタントリオレエート(Tween(登録商標)85,Atlas/ICI)、PEG-6ソルビタンテトラオレエート(Nikkol GO-4,Nikko)、PEG-30ソルビタンテトラオレエート(Nikkol GO-430,Nikko)、PEG-40ソルビタンテトラオレエート(Nikkol GO-440,Nikko)、PEG-20ソルビタンモノイソステアレート(Tween(登録商標)120,Atlas/ICI)、PEGソルビトールヘキサオレエート(Atlas G-1086,ICI)、ポリソルベート80(Tween(登録商標)80,Pharma)、ポリソルベート85(Tween(登録商標)85,Pharma)、ポリソルベート20(Tween(登録商標)20,Pharma)、ポリソルベート40(Tween(登録商標)40,Pharma)、ポリソルベート60(Tween(登録商標)60,Pharma)、およびPEG-6ソルビトールヘキサステアレート(Nikkol GS-6,Nikko)を含む。本発明による組合せの処方は、前記ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルの一つまたは複数を含むことができる。
【0152】
加えて、ポリエチレングリコールアルキルエーテルは、本明細書中に記載の組合せの処方用の賦形剤として用いることができる。商業的に入手可能なポリエチレングリコールアルキルエーテルの例は:PEG-2オレイルエーテル、オレス-2(Brij 92/93,Atlas/ICI)、PEG-3オレイルエーテル、オレス-3(Volpo 3,Croda)、PEG-5オレイルエーテル、オレス-5(Volpo 5,Croda)、PEG-10オレイルエーテル、オレス-10(Volpo 10,Croda)、PEG-20オレイルエーテル、オレス-20(Volpo 20,Croda)、PEG-4ラウリルエーテル、ラウレス-4(Brij 30,Atlas/ICI)、PEG-9ラウリルエーテル、PEG-23ラウリルエーテル、ラウレス-23(Brij 35,Atlas/ICI)、PEG-2セチルエーテル(Brij 52,ICI)、PEG-10セチルエーテル(Brij 56,ICI)、PEG-20セチルエーテル(BriJ 58,ICI)、PEG-2ステアリルエーテル(Brij 72,ICI)、PEG-10ステアリルエーテル(Brij 76,ICI)、PEG-20ステアリルエーテル(Brij 78,ICI)、およびPEG-100ステアリルエーテル(Brij 700,ICI)を含む。本発明による組合せの処方は、前記したポリエチレングリコールアルキルエーテルの一つまたは複数を含むことができる。
【0153】
糖エステルもまた、本明細書中に記載の組合せの処方用の賦形剤として用いることができる。商業的に入手可能な糖エステルの例は:スクロースジステアレート(SUCRO ESTER 7,Gattefosse)、スクロースジステアレート/モノステアレート(SUCRO ESTER 11,Gattefosse)、スクロースジパルミテート、スクロースモノステアレート(Crodesta F-160,Croda)、スクロースモノパルミテート(SUCRO ESTER 15,Gattefosse)、およびスクロースモノラウレート(Saccharose monolaurate 1695,Mitsubisbi-Kasei)を含む。本発明による組合せの処方は、前記糖エステルの一つまたは複数を含むことができる。
【0154】
また、ポリエチレングリコールアルキルフェノールを、本明細書中に記載の組合せの処方用の賦形剤として有用である。商業的に入手可能なポリエチレングリコールアルキルフェノールの例は:PEG-10-100ノニルフェノールシリーズ(Triton Xシリーズ,Rohm & Haas)およびPEG-15-100オクチルフェノールエーテルシリーズ(Triton N-シリーズ,Rohm & Haas)を含む。本発明によるSSIR/ステロイド組合せの処方は、前記ポリエチレングリコールアルキルフェノールの一つまたは複数を含むことができる。
【0155】
また、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマーを、本明細書中に記載の組合せの処方用の賦形剤として用いることもできる。これらの界面活性剤はSynperonic PEシリーズ(ICI)、Pluronic(登録商標)シリーズ(BASF)、Lutrol(BASF)、Supronic、Monolan、PluracareおよびPlurodacの一つまたは複数を含めた種々の商品名下で入手可能である。これらのコポリマーについての一般的用語は「ポロキサマー」である(CAS 9003-11-6)。これらのポリマーは式(X):

(式中、「a」および「b」は、各々、ポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレン単位の数を示す)
を有する。これらのコポリマーは1000〜15000ダルトンの範囲の分子量にて入手可能であり、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドの比率は重量で表して0.1および0.8の間である。本発明による組合せの処方は、前記ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマーの一つまたは複数を含むことができる。
【0156】
PEG300、PEG400、およびPEG600のようなポリオキシエチレンは、本明細書中に記載の組合せの処方用の賦形剤として用いることができる。
【0157】
また、ソルビタン脂肪酸エステルを、本明細書中に記載の組合せの処方用の賦形剤として用いることができる。商業的に入手可能なソルビタン脂肪酸エステルの例は:ソルビタンモノラウレート(Span-20,Atlas/ICI)、ソルビタンモノパルミテート(Span-40,Atlas/ICI)、ソルビタンモノラウレート(Span-80,Atlas/ICI)、ソルビタンモノステアレート(Span-60,Atlas/ICI)、ソルビタントリオレエート(Span-85,Atlas/ICI)、ソルビタンセスキオレエート(Arlacel-C,ICI)、ソルビタントリステアレート(Span-65,Atlas/ICI)、ソルビタンモノイソステアレート(Crill 6,Croda)、およびソルビタンセスキイソステアレート(Nikkol SS-15,Nikko)を含む。本発明による組合せの処方は、前記ソルビタン脂肪酸エステルの一つまたは複数を含むことができる。
【0158】
低級アルコール(C2〜C4)および脂肪酸(C8〜C18)のエステルは、本発明で用いるのに適した界面活性剤である。これらの界面活性剤の例は:エチルオレエート(Crodamol EO,Croda)、イソプロピルミリステート(Crodamol IPM,Croda)、イソプロピルパルミテート(Crodamol IPP,Croda)、エチルリノレート(Nikkol VF-E,Nikko)、およびイソプロピルリノレート(Nikkol VF-IP,Nikko)を含む。本発明による組合せの処方は、前記低級アルコール脂肪酸エステルの一つまたは複数を含むことができる。
【0159】
加えて、イオン性界面活性剤を、本明細書中に記載の組合せの処方用の賦形剤として用いることができる。有用なイオン性界面活性剤の例は:ナトリウムカプロエート、ナトリウムカプリレート、ナトリウムカプレート、ナトリウムラウレート、ナトリウムミリステート、ナトリウムミリストレート、ナトリウムパルミテート、ナトリウムパルミトレート、ナトリウムオレエート、ナトリウムリシノレエート、ナトリウムリノレート、ナトリウムリノレネート、ナトリウムステアレート、ナトリウムラウリルスルフェート(ドデシル)、ナトリウムテトラデシルスルフェート、ナトリウムラウリルサルコシネート、ナトリウムジオクチルスルホスクシネート、ナトリウムコレート、ナトリウムタウロコレート、ナトリウムグリココレート、ナトリウムデオキシコレート、ナトリウムタウロデオキシコレート、ナトリウムグリコデオキシコレート、ナトリウムウルソデオキシコレート、ナトリウムケノデオキシコレート、ナトリウムタウロケノデオキシコレート、ナトリウムグリコケノデオキシコレート、ナトリウムコリルサルコシネート、ナトリウムN-メチルタウロコレート、卵黄ホスファチド、硬化大豆レシチン、ジミリストイルレシチン、レシチン、ヒドロキシル化レシチン、リソホスファチジルコリン、カルジオリピン、スフィンゴミエリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジン酸、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルセリン、ジエタノールアミン、リン脂質、ポリオキシエチレン-10オレイルエーテルホスフェート、脂肪アルコールまたは脂肪アルコールエトキシレートとリン酸または無水物とのエステル化生成物、(脂肪アルコールエトキシレートの末端OH基の酸化による)エーテルカルボキシレート、スクシニル化モノグリセリド、ナトリウムステアリルフマレート、ステアロイルプロピレングリコール水素スクシネート、モノ-およびジグリセリドのモノ/ジアセチル化酒石酸エステル、モノ-、ジグリセリドのクエン酸エステル、脂肪酸のグリセリル-ラクトエステル、アシルラクチレート、脂肪酸のラクチリックエステル、ナトリウムステアロイル-2-ラクチレート、ナトリウムステアロイルラクチレート、アルジネート塩、プロピレングリコールアルジネート、エトキシル化アルキルスルフェート、アルキルベンゼンスルホン、α-オレフィンスルホネート、アシルイセチオネート、アシルタウレート、アルキルグリセリルエーテルスルホネート、ナトリウムオクチルスルホスクシネート、ナトリウムウンデシレンアミデオ-MEA-スルホスクシネート、ヘキサデシルトリアンモニウムブロマイド、臭化デシルトリメチルアンモニウム、臭化デシルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ドデシルアンモニウム、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、ジイソブチルフェノキシエトキシジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、ベタイン(トリアルキルグリシン)、ラウリルベタイン(N-ラウリル,N,N-ジメチルグリシン)、およびエトキシル化アミン(ポリオキシエチレン-15ココナッツアミン)を含む。簡単にするために、典型的な対イオンを前記に提供する。しかしながら、いずれの生物的に許容される対イオンも用いることができるのは当業者によって理解されるであろう。例えば、脂肪酸はナトリウム塩として示されるが、例えば、アルカリ金属カチオンまたはアンモニウムのような他のカチオン対イオンも用いることができる。本発明による組合せの処方は、前記イオン性界面活性剤の一つまたは複数を含むことができる。
【0160】
本発明の処方に存在する賦形剤は、担体が、リポソーム内に隔離された三環化合物、コルチコステロイド、または組合せの透明または不透明な水性分散液を形成するような量で存在する。リポソームまたは固体液体ナノ粒子処方の調製に必要な表面活性賦形剤の相対的な量は、公知の方法を用いて決定される。例えば、リポソームは、種々の技術によって調製することができる。多層小胞(MLV)は、単純な脂質-フイルム水和技術によって形成することができる。この手法において、適当な有機溶媒に溶解させた前記で詳細に記載したタイプのリポソーム-形成脂質の混合物を容器中で蒸発させて薄膜を形成し、次いで、これを水性媒体によって被覆する。脂質フィルムは水和して、典型的には、約0.1〜10ミクロンの間のサイズを持つMLVを形成する。
【0161】
他の確立されたリポソーム処方技術を、必要に応じて、適用することできる。例えば、細胞摂取を容易とするためのリポソームの使用は米国特許第4,897,355号および4,394,448号に記載されている。
【0162】
用量
主張される組合せの各化合物の用量は、投与方法、治療すべき病気、病気の重症度、病気を治療すべきかまたは予防すべきか、および治療すべき個人の年齢、体重および健康を含むいくつかの因子に依存する。加えて、特定の患者についてのファルマコゲノミック(ファルマコキネティックに対する遺伝子型の効果、薬物動態学、または治療剤の効率プロフィール)情報は用いる用量に影響するであろう。
【0163】
本発明の組合せでの連続的毎日の投与は必要ないかもしれない。治療計画法は、その時間の間に、薬物を投与せず、または急性炎症の期間の間に必要なベースとして療法を提供することができるサイクルを必要とするであろう。
【0164】
前述のように、問題の化合物は錠剤、カプセル剤、エリキシル剤またはシロップの形態で経口投与することができ、または坐薬の形態で直腸投与することができる。化合物の非経口投与は、例えば、食塩水の形態で、またはリポソームに取り込まれた化合物にて、適切に行われる。化合物自体が溶解させるのに十分に可溶性でない場合、エタノールのような溶解補助剤を適用することができる。
【0165】
以下に、例示的目的で、アモキサピンおよびプレドニゾロンに対する用量を記載する。当業者であれば、他の三環化合物およびコルチコステロイドについての適当な用量を容易に確認することができるであろう。例えば、三環化合物は以下に提供するアモキサピンの用量と同等の用量で与えることができ、コルチコステロイドは以下に提供するプレドニゾロンの用量と同等の用量で与えることができる。1つの態様において、コルチコステロイドは低用量のコルチコステロイドである。
【0166】
経口投与
全身用途での経口投与に適合したアモキサピンでは、合計日用量は、通常、約1〜600mg(0.01〜8.5mg/kg)、好ましくは約25〜400mg(0.35〜5.7mg/kg)、より好ましくは約200〜300mg(1.4〜4.2mg/kg)の合計日用量である。投与は1日〜1年の間毎日1〜3回とすることができ、患者の一生の間とさえすることができる。慢性の長期投与は多くの場合に示されるであろう。600mgまでの日用量が必要であり得る。
【0167】
全身用途での経口投与に適合したプレドニゾロンでは、日用量は、通常、約0.05〜200mg(0.7〜2800mcg/kg)、好ましくは約0.1〜60mg(1〜850mcg/kg)、より好ましくは約0.1〜5mg(4〜70mcg/kg)である。プレドニゾロンの抗炎症活性に対するアモキサピンによって呈される増強効果のため、プレドニゾロンの低用量(例えば、0.2、0.4、0.6、0.8、1、2、3、4または5mg/日)は、三環化合物と組み合わせると、炎症を治療するにおいて効果的であり得る。毎日1〜4回の投与が望ましい。アモキサピンのように、プレドニゾロンは1日〜1年間投与することができ、患者の一生の間さえ投与することができる。1日当たり200mgまでの用量が必要であり得る。
【0168】
直腸投与
病気を予防するための直腸使用に適合した組成物では、化合物の幾分より高い量が通常好ましい。従って、アモキサピンの合計日用量は、通常は、約1〜600mg(0.01〜8.5mg/kg)である。アモキサピンの直腸投与は、通常、毎日1〜3回である。プレドニゾロンの合計日用量は約0.1〜100mg(1〜1420mcg/kg)である。プレドニゾロンの直腸投与は、通常、毎日1〜4回である。
【0169】
静脈内投与
アモキサピンの静脈内投与では、合計日用量は約1〜400mg(0.014〜5.7mg/kg)、好ましくは約10〜200mg(0.14〜2.8mg/kg)、より好ましくは約25〜100mg(0.35〜1.4mg/kg)である。アモキサピンの静脈内投与は、通常、毎日1〜4回であるが、連続的に注入することができる。
【0170】
プレドニゾロンの静脈内投与では、合計日用量は約0.05〜200mg(0.0007〜2.8mg/kg)、好ましくは約0.1〜60mg(0.001〜0.85mg/kg)、より好ましくは約0.1〜5mg(4〜70mcg/kg)である。前記したプレドニゾロンの低用量は最も好ましい。プレドニゾロンの静脈内投与は、通常、毎日1〜4回であるが、アモキサピンのように、連続的に注入することができる。
【0171】
投与のさらなる経路
アモキサピンの筋肉内、皮下、吸入、局所、膣または目投与では、合計日用量は約1〜400mg(0.014〜5.7mg/kg)、好ましくは約10〜200mg(0.14〜2.8mg/kg)、より好ましくは約25〜100mg(0.35〜1.4mg/kg)であり、プレドニゾロンの合計日用量は約0.1〜100mg(0.0014〜1.42mg/kg)である。これらの経路によって、アモキサピンおよびプレドニゾロンの各々の投与は、独立して、毎日1〜4回である。
【0172】
さらなる適用
本発明の化合物を免疫変調またはメカニズムアッセイで使用して、他の組合せ、または単一の剤が、その例を本明細書に記載の当技術分野において一般的に知られているアッセイを用いて、炎症性サイトカインの分泌または生産を阻害する際の、または免疫応答を変調する際の組合せと同程度に効果的であるか否かを決定することができる。例えば、候補化合物を三環化合物またはコルチコステロイドと組み合せ、刺激されたPBMCに適応することができる。適当な時間の後、細胞をサイトカインの分泌または生産、あるいは他の適当な免疫応答について調べる。組合せvs相互、およびvs単一の剤の相対的効果を比較し、効果的な化合物および組合せを同定する。
【0173】
本発明の組合せは、炎症に関与する生物学的経路についてのメカニズム情報の解明において有用なツールでもある。そのような情報は、炎症性サイトカインによって引き起こされた炎症を阻害するための新しい組合せまたは単一の剤の開発につながり得る。生物学的経路を決定するための当技術分野において知られた方法を用いて、炎症性サイトカインを生産するために刺激された細胞を本発明の化合物と接触させることによって影響された経路、または経路のネットワークを決定することができる。そのような方法は、未処理の陽性または陰性対照化合物および/または新しい単一の剤および組合せと比較した、本発明の化合物との接触の後に発現されるか、または抑制される細胞構成要素を分析し、あるいは酵素活性、栄養摂取および増殖のような細胞のいくつかの他の代謝活性を分析することを含むことができる。分析した細胞構成要素は遺伝子転写体およびタンパク質発現を含むことができる。適当な方法は標準的な生化学技術、本発明の化合物の放射性標識(例えば、14Cまたは3H標識)、および例えば、2Dゲル、遺伝子発現プロフィーリングを用いてタンパク質に結合する化合物を観察することを含むことができる。一旦同定されれば、このような化合物をインビボモデルで用いて、ツールをさらに有効化し、または新しい抗炎症剤を開発することができる。
【0174】
以下の実施例は本発明を説明するものである。それらは断じて本発明を限定することを意図していない。
【0175】
実施例
方法
TNFα分泌アッセイ
TNFα分泌に対するテスト化合物組合せの効果は、LPSまたはフォルボール12-ミリステート13-アセテート(PMA)およびイオノマイシンで刺激したヒトバフィーコートからの白血球細胞において以下のようにアッセイした。
【0176】
LSP
最終濃度2μg/mLリポ多糖(Sigma,L-4130)での処理によって、ポリスチレン384ウェルプレート(NalgeNunc)の各ウェル内に含有された希釈ヒト白血球細胞の100μL懸濁液を刺激して、TNFαを分泌させた。種々の濃度の各テスト化合物を刺激の時点で添加した。湿潤化インキュベーター中での37℃におけるインキュベーションの16〜18時間後に、プレートを遠心し、上澄を、抗-TNFα抗体(PharMingen,#551220)でコートした白色不透明ポリスチレン384ウェルプレート(NalgeNunc,Maxisorb)に移した。2時間のインキュベーションの後に、プレートを、0.1%Tween20を含有するPBSで洗浄し(Tecan Power Washer 384)、ビオチン標識したもう一つの抗-TNFα抗体(PharMingen,#554511)と、ストレプトアビジンにカップリングさせたHRP(PharMingen,#13047E)と共にさらに1時間インキュベートした。プレートを0.1%Tween20/PBSで洗浄した後、HRP-発光基質を各ウェルに添加し、LJL Analystプレートルミノメーターを用いて光の強度を測定した。
【0177】
PMA/イオノマイシン
ポリスチレン384ウェルプレート(NalgeNunc)の各ウェル内に含有された希釈ヒト白血球細胞の100μL懸濁液を、最終濃度10ng/mLのフォルボール12-ミリステート13-アセテート(Sigma,P-1585)および750ng/mLイオノマイシン(Sigma,I-0634)での処理によって、刺激してTNFαを分泌させた。種々の濃度の各テスト化合物を刺激の時点で添加した。湿潤化インキュベーター中の37℃におけるインキュベーションの16〜18時間後に、プレートを遠心し、抗-TNFα抗体(PharMingen,#551220)でコートされた白色不透明ポリスチレン384ウェルプレート(NalgeNunc,Maxisorb)に上澄を移した。2時間のインキュベーションの後に、プレートを、0.1%Tween20を含有するPBSで洗浄し(Tecan Power Washer 384)、ビオチン標識したもう一つの抗-TNFα抗体(PharMingen,#554511)と、ストレプトアビジンにカップリングさせたHRP(PharMingen,#13047E)と共にさらに1時間インキュベートした。プレートを0.1%Tween 20/PBSで洗浄した後、HRP-発光基質を各ウェルに添加し、LJL Analystプレートルミノメーターを用いて光の強度を測定した。
【0178】
結果
LPS刺激血液からのTNFα分泌を阻害する三環化合物/コルチコステロイド組合せの能力を表5〜13に示す。剤単独、および組合せでの効果は、未処理対照に対するTNFα分泌のパーセント阻害として示す。
【0179】
(表5)

【0180】
(表6)

【0181】
(表7)

【0182】
(表8)

【0183】
(表9)

【0184】
(表10)

【0185】
(表11)

【0186】
(表12)

【0187】
(表13)

【0188】
(表14)

【0189】
(表15)

【0190】
(表16)

【0191】
(表17)

【0192】
(表18)

【0193】
(表19)

【0194】
(表20)

【0195】
(表21)

【0196】
(表22)

【0197】
(表23)

【0198】
(表24)

【0199】
(表25)

【0200】
(表26)

【0201】
(表27)

【0202】
(表28)

【0203】
(表29)

【0204】
(表30)

【0205】
(表31)

【0206】
(表32)

【0207】
(表33)

【0208】
(表34)

【0209】
(表35)

【0210】
(表36)

【0211】
(表37)

【0212】
(表38)

【0213】
(表39)

【0214】
(表40)

【0215】
(表41)

【0216】
(表42)

【0217】
(表43)

【0218】
(表44)

【0219】
(表45)

【0220】
(表46)

【0221】
(表47)

【0222】
(表48)

【0223】
(表49)

【0224】
(表50)

【0225】
(表51)

【0226】
(表52)

【0227】
(表53)

【0228】
(表54)

【0229】
(表55)

【0230】
(表56)

【0231】
(表57)

【0232】
(表58)

【0233】
(表59)

【0234】
(表60)

【0235】
(表61)

【0236】
(表62)

【0237】
(表63)

【0238】
(表64)

【0239】
(表65)

【0240】
(表66)

【0241】
(表67)

【0242】
(表68)

【0243】
各三環化合物はインビトロでサイトカイン分泌を抑制するそれらの能力に関して試験される。データは未処理の対照と比較した阻害率として表69〜87に示される。
【0244】
(表69)アモキサピン

【0245】
(表70)マプロチリン

【0246】
(表71)ノルトリプチリン

【0247】
(表72)プロトリプチリン

【0248】
(表73)クロミプラミン

【0249】
(表74)デシプラミン

【0250】
(表75)トリミプラミン

【0251】
(表76)アミトリプチリン

【0252】
(表77)イミプラミン

(表78)ドキセピン

【0253】
(表79)ノルクロザピン

【0254】
(表80)オランザピン

【0255】
(表81)7-ヒドロキシアモキサピン

【0256】
(表82)8-メトキシロキサピン

【0257】
(表83)8-ヒドロキシロキサピン

【0258】
(表84)トモキセチン

【0259】
(表85)ジベンゼピン

【0260】
(表86)フルペルラピン

【0261】
(表87)ケチアピンフマル酸

【0262】
他の態様
本発明に記載された方法および組成物の種々の修飾および変形は、本発明の範囲および精神を逸脱することなく当業者に明らかであろう。本発明を特定の所望の態様の関連で記載してきたが、主張する発明はそのような特定の態様に不当に限定されるべきではないと理解すべきである。事実、医学、免疫学、薬理学、内分泌学の分野、または関連分野における当業者に明らかな本発明を実施するための記載された形態の種々の修飾は本発明の範囲内にあると意図される。
【0263】
本明細書中において引用した全ての刊行物は、本明細書に参照して、あたかも各独立した刊行物が具体的かつ個々に参照により組み入れられるのと同程度に組み入れられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に投与される場合、免疫炎症障害を治療するのに、合わせて十分な量の三環化合物およびコルチコステロイドを含む組成物。
【請求項2】
三環化合物がアミトリプチリン、アモキサピン、クロミプラミン、ドチエピン、ドキセピン、デシプラミン、イミプラミン、ロフェプラミン、ロキサピン、マプロチリン、ミアンセリン、ミルタザピン、オキサプロチリン、ノルトリプチリン、オクトリプチリン、プロトリプチリン、またはトリミプラミンである、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
コルチコステロイドが、プレドニソロン、コルチゾン、ブデソニド、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニソロン、フルチカソン、プレドニゾン、トリアムシノロン、またはジフロラゾンである、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
三環化合物がノルトリプチリンであって、コルチコステロイドがブデソニドである、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
三環化合物またはコルチコステロイドが低用量で組成物に存在する、請求項1記載の組成物。
【請求項6】
三環化合物またはコルチコステロイドが高用量で組成物に存在する、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
NSAID、COX-2阻害剤、バイオロジック、DMARD、小分子免疫モジュレーター、キサンチン、抗コリン作動性化合物、β受容体アゴニスト、気管支拡張剤、非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤、ビタミンDアナログ、プソラレン、レチノイド、または5-アミノサリチル酸をさらに含む、請求項1記載の組成物。
【請求項8】
NSAIDが、イブプロフェン、ジクロフェナック、またはナプロキセンである、請求項7記載の組成物。
【請求項9】
COX-2阻害剤が、ロフェコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブ、またはルミラコキシブである、請求項7記載の組成物。
【請求項10】
バイオロジックがアデリムマブ、エタネルセプト、インフリキシマブ、CDP-870、リツキシマブ、またはアトリズマブである、請求項7記載の組成物。
【請求項11】
DMARDがメトトレキセートまたはレフルノミドである、請求項7記載の組成物。
【請求項12】
キサンチンがテオフィリンである、請求項7記載の組成物。
【請求項13】
抗コリン作動性化合物がイプラトロピウムまたはチオトロピウムである、請求項7記載の組成物。
【請求項14】
β受容体アゴニストが、イブテロール硫酸、ビトルテロールメシレート、エピネフリン、フォルモテロールフマル酸、イソプロテロノール、レバルブテロール塩酸、メタプロテレノール硫酸、ピルブテロールスセテート(scetate)、サルメテロールキシナフォエート、またはテルブタリンである、請求項7記載の組成物。
【請求項15】
非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤がサイクロスポリン、タクロリムス、ピメクロリムス、またはISAtx247である、請求項7記載の組成物。
【請求項16】
ビタミンDアナログがカルシポトリエンまたはカルシポトリオールである、請求項7記載の組成物。
【請求項17】
ソラレンがメトキサレンである、請求項7記載の組成物。
【請求項18】
レチノイドがアシトレチンまたはタゾレテンである、請求項7記載の組成物。
【請求項19】
5-アミノサリチル酸がメサラミン、スルファサラジン、バルサラジドニナトリウム、またはオルサラジンナトリウムである、請求項7記載の組成物。
【請求項20】
小分子免疫モジュレーターがVX 702、SCIO 469、ドラマピモド、RO 30201195、SCIO 323、DPC 333、プラナルカサン、マイコフェノレート、またはメリメポジブである、請求項7記載の組成物。
【請求項21】
局所投与用に製剤化される、請求項1記載の組成物。
【請求項22】
全身投与用に製剤化される、請求項1記載の組成物。
【請求項23】
患者において炎症誘発性サイトカインの分泌または生産を減少させるのに十分な量の、三環化合物およびコルチコステロイドを同時または互いに14日以内に患者に投与する段階を含む、患者において炎症誘発性サイトカインの分泌または生産を減少させる方法。
【請求項24】
患者を治療するのに十分な量の三環化合物およびコルチコステロイドを同時または互いに14日以内に患者に投与する段階を含む、免疫炎症障害と診断されたか、または免疫炎症障害を発症する危険性があると診断された患者を治療する方法。
【請求項25】
免疫炎症障害が慢性関節リウマチ、クローン病、潰瘍性結腸炎、喘息、慢性閉塞性肺病、リウマチ性多発性筋痛、巨細胞動脈炎、全身エリテマトーデス、アトピー性皮膚炎、多発性硬化症、重症筋無力症、乾癬、強直性脊椎炎、または乾癬関節炎である、請求項24記載の方法。
【請求項26】
三環化合物がアミトリプチリン、アモキサピン、クロミプラミン、ドチエピン、ドキセピン、デシプラミン、イミプラミン、ロフェプラミン、ロキサピン、マプロチリン、ミアンセリン、ミルタザピン、オキサプロチリン、ノルトリプチリン、オクトリプチリン、プロトリプチリン、またはトリミプラミンである、請求項24記載の方法。
【請求項27】
コルチコステロイドがプレドニゾロン、ブデソニド、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、フルチカゾン、プレドニゾン、トリアムシノロン、またはジフルラゾンである、請求項24記載の方法。
【請求項28】
NSAID、COX-2阻害剤、バイオロジック、DMARD、小分子免疫モジュレーター、キサンチン、抗コリン作動性化合物、β受容体アゴニスト、気管支拡張剤、非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤、ビタミンDアナログ、プソラレン、レチノイド、または5-アミノサリチル酸を患者に投与する段階をさらに含む、請求項24記載の方法。
【請求項29】
NSAIDがイブプロフェン、ジクロフェナック、またはナプロキセンである、請求項28記載の方法。
【請求項30】
COX-2阻害剤がロフェコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブ、またはルミラコキシブである、請求項28記載の方法。
【請求項31】
バイオロジックがアデリムマブ、エタネルセプト、インフリキシマブ、CDP-870、リツキシマブ、またはアトリズマブである、請求項28記載の方法。
【請求項32】
小分子免疫モジュレーターがVX 702、SCIO 469、ドラマピモド、RO 30201195、SCIO 323、DPC 333、プラナルカサン、マイコフェノレート、またはメリメポジブである、請求項28記載の方法。
【請求項33】
DMARDがメトトレキセートまたはレフルノミドである、請求項28記載の方法。
【請求項34】
キサンチンがテオフィリンである、請求項28記載の方法。
【請求項35】
抗コリン作動性化合物がイプラトロピウムまたはチオトロピウムである、請求項28記載の方法。
【請求項36】
β受容体アゴニストがイブテロール硫酸、ビトルテロールメシレート、エピネフリン、フォルモテロールフマル酸、イソプロテロノール、レバルブテロール塩酸、メタプロテレノール硫酸、ピルブテロールスセテート、サルメテロールキシナフォエート、またはテルブタリンである、請求項28記載の方法。
【請求項37】
非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤がサイクロスポリン、タクロリムス、ピメクロリムス、またはISAtx247である、請求項28記載の方法。
【請求項38】
ビタミンDアナログがカルシポトリエンまたはカルシポトリオールである、請求項28記載の方法。
【請求項39】
プソラレンがメトキサレンである、請求項28記載の方法。
【請求項40】
レチノイドがアシトレチンまたはタゾレテンである、請求項28記載の方法。
【請求項41】
5-アミノサリチル酸がメサラミン、スルファサラジン、バルサラジドニナトリウム、またはオルサラジンナトリウムである、請求項28記載の方法。
【請求項42】
三環化合物またはコルチコステロイドが低用量で投与される、請求項24記載の方法。
【請求項43】
三環化合物またはコルチコステロイドが高用量で投与される、請求項24記載の方法。
【請求項44】
三環化合物およびコルチコステロイドが互いに10日以内に投与される、請求項24記載の方法。
【請求項45】
三環化合物およびコルチコステロイドが互いに5日以内に投与される、請求項44記載の方法。
【請求項46】
三環化合物およびコルチコステロイドが互いに24時間以内に投与される、請求項45記載の方法。
【請求項47】
三環化合物およびコルチコステロイドが同時に投与される、請求項46記載の方法。
【請求項48】
炎症誘発性サイトカインの分泌または生産を減少させるのに、合わせて十分な量の三環化合物およびグルココルチコイド受容体モジュレーターを含む組成物。
【請求項49】
三環化合物がアミトリプチリン、アモキサピン、クロミプラミン、ドチエピン、ドキセピン、デシプラミン、イミプラミン、ロフェプラミン、ロキサピン、マプロチリン、ミアンセリン、ミルタザピン、オキサプロチリン、ノルトリプチリン、オクトリプチリン、プロトリプチリン、またはトリミプラミンである、請求項48記載の組成物。
【請求項50】
NSAID、COX-2阻害剤、バイオロジック、DMARD、小分子免疫モジュレーター、キサンチン、抗コリン作動性化合物、β受容体アゴニスト、気管支拡張剤、非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤、ビタミンDアナログ、プソラレン、レチノイド、または5-アミノサリチル酸をさらに含む、請求項48記載の組成物。
【請求項51】
患者において炎症誘発性サイトカインの分泌または生産をインビボで減少させるのに十分な量の三環化合物およびグルココルチコイド受容体モジュレーターを同時にまたは互いに14日以内に患者に投与する段階を含む、患者において炎症誘発性サイトカインの分泌または生産を減少させる方法。
【請求項52】
患者を治療するのに十分な量の三環化合物およびグルココルチコイド受容体モジュレーターを同時にまたは互いに14日以内に患者に投与する段階を含む、免疫炎症性障害を発症したと診断されたか、または発症する危険性があると診断された患者を治療する方法。
【請求項53】
免疫炎症障害が慢性関節リウマチ、クローン病、潰瘍性結腸炎、喘息、慢性閉塞性肺病、リウマチ性多発性筋痛、巨細胞動脈炎、全身エリテマトーデス、アトピー性皮膚炎、多発性硬化症、重症筋無力症、乾癬、強直性脊椎炎、または乾癬関節炎である、請求項52記載の方法。
【請求項54】
三環化合物がアミトリプチリン、アモキサピン、クロミプラミン、ドチエピン、ドキセピン、デシプラミン、イミプラミン、ロフェプラミン、ロキサピン、マプロチリン、ミアンセリン、ミルタザピン、オキサプロチリン、ノルトリプチリン、オクトリプチリン、プロトリプチリン、またはトリミプラミンである、請求項52記載の方法。
【請求項55】
COX-2阻害剤、NSAID、コルチコステロイド、DMARD、バイオロジック、小分子免疫モジュレーター、キサンチン、抗コリン作動性化合物、β受容体アゴニスト、気管支拡張剤、非ステロイドイミュノフリン依存性免疫抑制剤、ビタミンDアナログ、プソラレン、レチノイド、または5-アミノサリチル酸を患者に投与する段階をさらに含む、請求項52記載の方法。
【請求項56】
三環化合物およびグルココルチコイド受容体モジュレーターが互いに10日以内に投与される、請求項52記載の方法。
【請求項57】
三環化合物およびグルココルチコイド受容体モジュレーターが互いに5日以内に投与される、請求項56記載の方法。
【請求項58】
三環化合物およびグルココルチコイド受容体モジュレーターが互いに24時間以内に投与される、請求項57記載の方法。
【請求項59】
三環化合物およびグルココルチコイド受容体モジュレーターが同時に投与される、請求項58記載の方法。
【請求項60】
(i)三環化合物および(ii)小分子免疫モジュレーター、キサンチン、抗コリン作動性化合物、β受容体アゴニスト、気管支拡張剤、バイオロジック、NSAID、DMARD、COX-2阻害剤、非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤、ビタミンDアナログ、プソラレン、レチノイド、および5-アミノサリチル酸からなる群より選択される第二の化合物を含む組成物。
【請求項61】
NSAIDがイブプロフェン、ジクロフェナック、またはナプロキセンである、請求項60記載の組成物。
【請求項62】
COX-2阻害剤がロフェコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブ、またはルミラコキシブである、請求項60記載の組成物。
【請求項63】
バイオロジックがアデリムマブ、エタネルセプト、インフリキシマブ、CDP-870、リツキシマブ、またはアトリズマブである、請求項60記載の組成物。
【請求項64】
小分子免疫モジュレーターがVX 702、SCIO 469、ドラマピモド、RO 30201195、SCIO 323、DPC 333、プラナルカサン、マイコフェノレート、またはメリメポジブである、請求項60記載の組成物。
【請求項65】
DMARDがメトトレキセートまたはレフルノミドである、請求項60記載の組成物。
【請求項66】
キサンチンがテオフィリンである、請求項60記載の組成物。
【請求項67】
抗コリン作動性化合物がイプラトロピウムまたはチオトロピウムである、請求項60記載の組成物。
【請求項68】
β受容体アゴニストがイブテロール硫酸、ビトルテロールメシレート、エピネフリン、フォルモテロールフマル酸、イソプロテロノール、レバルブテロール塩酸、メタプロテレノール硫酸、ピルブテロールスセテート、サルメテロールキシナフォエート、またはテルブタリンである、請求項60記載の組成物。
【請求項69】
非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤がサイクロスポリン、タクロリムス、ピメクロリムス、またはISAtx247である、請求項60記載の組成物。
【請求項70】
ビタミンDアナログがカルシポトリエンまたはカルシポトリオールである、請求項60記載の組成物。
【請求項71】
プソラレンがメトキサレンである、請求項60記載の組成物。
【請求項72】
レチノイドがアシトレチンまたはタゾレテンである、請求項60記載の組成物。
【請求項73】
患者において炎症誘発性サイトカインの分泌または生産を減少させるのに十分な量の、(i)三環化合物、ならびに(ii)小分子免疫モジュレーター、キサンチン、抗コリン作動性化合物、バイオロジック、NSAID、DMARD、COX-2阻害剤、β受容体アゴニスト、気管支拡張剤、非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤、ビタミンDアナログ、プソラレン、レチノイド、および5-アミノサリチル酸からなる群より選択される第二の化合物を患者に投与する段階を含む、それを必要とする患者において一つまたは複数の炎症誘発性サイトカインの分泌を抑制する方法。
【請求項74】
患者において炎症誘発性サイトカインの分泌を抑制するのに十分な量の三環化合物を患者に投与する段階を含む、それを必要とする患者において一つまたは複数の炎症誘発性サイトカインの分泌を抑制する方法。
【請求項75】
患者を治療するのに十分な量および期間で、三環化合物を患者に投与する段階を含む、免疫炎症性障害と診断された患者を治療する方法。
【請求項76】
(i)三環化合物およびコルチコステロイドを含む組成物;ならびに
(ii)免疫炎症性障害と診断されたか、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に該組成物を投与するための指示書;
を含むキット。
【請求項77】
(i)三環化合物;
(ii)コルチコステロイド;ならびに
(iii)免疫炎症性障害と診断されたか、またはそれを発症する危険性があると診断された患者に三環化合物およびコルチコステロイドを全身投与するための指示書;
を含むキット。
【請求項78】
(i)三環化合物、および(ii)免疫炎症性障害と診断された患者に三環化合物を投与するための指示書を含むキット。
【請求項79】
(i)三環化合物;
(ii)グルココルチコイド受容体モジュレーター、小分子免疫モジュレーター、キサンチン、抗コリン作動性化合物、バイオロジック、NSAID、DMARD、COX-2阻害剤、β受容体アゴニスト、気管支拡張剤、非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤、ビタミンDアナログ、プソラレン、レチノイド、および5-アミノサリチル酸からなる群より選択される第二の化合物;ならびに
(iii)免疫炎症性障害と診断されたか、または免疫炎症性障害を発症する危険性があると診断された患者に三環化合物および第二の化合物を投与するための指示書;
を含むキット。
【請求項80】
(i)三環化合物、ならびに(ii)免疫炎症性障害と診断されたか、または免疫炎症性障害を発症する危険性があると診断された患者に三環化合物およびコルチコステロイドを投与するための指示書を含むキット。
【請求項81】
(i)三環化合物、ならびに(ii)免疫炎症障害と診断されたか、または免疫炎症性障害を発症する危険性があると診断された患者に、三環化合物、およびグルココルチコイド受容体モジュレーター、小分子免疫モジュレーター、キサンチン、抗コリン作動性化合物、バイオロジック、NSAID、DMARD、COX-2阻害剤、β受容体アゴニスト、気管支拡張剤、非ステロイドイムノフィリン依存性免疫抑制剤、ビタミンDアナログ、プソラレン、レチノイド、および5-アミノサリチル酸からなる群より選択される第二の化合物を投与するための指示書を含むキット。
【請求項82】
(i)コルチコステロイド、ならびに(ii)免疫炎症性障害と診断されたか、または免疫炎症性障害を発症する危険性があると診断された患者にコルチコステロイドおよび三環化合物を投与するための指示書を含むキット。
【請求項83】
以下の工程を含む、そのような治療を必要とする患者において炎症誘発性サイトカインの分泌を抑制するのに有用な化合物の組合せを同定する方法:
(a)インビトロにて細胞を三環化合物および候補化合物と接触させる工程;ならびに、
(b)三環化合物および候補化合物の組合せが、三環化合物に接触したが、候補化合物には接触していない細胞、または候補化合物に接触したが、三環化合物に接触していない細胞に対して、サイトカインを分泌するように刺激された血液細胞中のサイトカインレベルを低下させるか否かを判断し、ここで、サイトカインレベルの低下が、そのような治療を必要とする患者を治療するのに有用である組合せとしての組合せを同定する工程。
【請求項84】
以下の工程を含む、免疫炎症性障害の治療に有用であり得る化合物の組合せを同定する方法:
(a)インビトロにて細胞を三環化合物および候補化合物と接触させる工程;ならびに、
(b)三環化合物および候補化合物の組合せが、三環化合物と接触したが、候補化合物とは接触していない細胞による分泌に対して、炎症誘発性サイトカインの分泌を低下させるか否かを判断し、
ここで、炎症誘発性サイトカイン分泌の低下は、免疫炎症性障害の治療に有用であり得る組合せとしての組合せを同定する工程。
【請求項85】
以下の工程を含む、免疫炎症性障害の治療に有用であり得る化合物の組合せを同定する方法:
(a)インビトロにて細胞をコルチコステロイドおよび候補化合物と接触させる工程;ならびに
(b)コルチコステロイドおよび候補化合物の組合せが、コルチコステロイドと接触したが、候補化合物と接触していない細胞による分泌に対して、炎症誘発性サイトカインの分泌を低下させるか否かを判断し、
ここで、炎症誘発性サイトカイン分泌の低下は、免疫炎症性障害の治療に有用であり得る組合せとしての組合せを同定する工程。
【請求項86】
以下の工程を含む、免疫炎症性障害の治療に有用であり得る組合せを同定する方法:
(a)炎症誘発性サイトカインの分泌を低下させる化合物を同定する工程;
(b)インビトロにて増殖する細胞を三環化合物および工程(a)で同定された化合物と接触させる工程;ならびに、
(c)三環化合物および工程(a)で同定された化合物の組合せが、三環化合物と接触したが、工程(a)で同定された化合物とは接触していない、または工程(a)で同定された化合物と接触したが、三環化合物と接触していない細胞による分泌に対して、炎症誘発性サイトカインの分泌を低下させるか否かを判断し、ここで、炎症誘発性分泌の低下が、免疫炎症性障害の治療に有用であり得る組合せとしての組合せを同定する工程。
【請求項87】
以下の工程を含む、免疫炎症性障害の治療に有用であり得る組合せを同定する方法:
(a)炎症誘発性サイトカインの分泌を低下させる化合物を同定する工程;
(b)インビトロにて増殖する細胞をコルチコステロイドおよび工程(a)で同定された化合物と接触させる工程;ならびに、
(c)コルチコステロイドおよび工程(a)で同定された化合物の組合せが、コルチコステロイドと接触したが、工程(a)で同定された化合物とは接触していない、または工程(a)で同定された化合物と接触したが、コルチコステロイドとは接触していない細胞による分泌に対して、炎症誘発性サイトカインの分泌を低下させるか否かを判断し、ここで、炎症誘発性分泌の低下は、免疫炎症性障害の治療に有用であり得る組合せとしての組合せを同定する工程。

【公表番号】特表2007−511521(P2007−511521A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539855(P2006−539855)
【出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/037638
【国際公開番号】WO2005/048927
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(501273808)コンビナトアールエックス インコーポレーティッド (21)
【Fターム(参考)】