説明

無線システムにおけるオーディオおよびビデオデータ送信を最適化するシステムおよび方法

無線通信システムにおいてテレビ会議中に通信している無線デバイス間でビデオおよびオーディオ情報を送信するシステムおよび方法。全参加者からのオーディオ情報は、サーバによって受信され、サーバは、参加者の中から話者を選択する。話者のオーディオおよびビデオデータは、所定の基準にしたがって、全参加者へ送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概ね、無線遠隔通信、より具体的には、無線ネットワークにおけるテレビ/電話会議(video/audio conference)中のビデオ(video)およびオーディオ(audio)データの送信を最適化するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
技術が進歩して、移動電話または無線通信デバイスは、ほぼ全ての人にとって廉価で、手頃になった。無線電話が、より大きな処理能力および記憶装置を備えて製造されるのにしたがって、それらは、さらに加えて、より多用途になり、実時間のテレビおよび電話会議を支援する能力を含む多くの特徴(feature)を組み込んでいる。無線電話は、常駐のビデオカメラを装備し、無線ネットワーク上でカメラから他のデバイスへ画像を表示する。テレビ会議中に、ユーザは、参加者の画像を見て、同時に、同じ参加者からの音声(audio)を聞くことができる。
【0003】
テレビ会議中に、話者のオーディオおよびビデオデータは、話者の無線デバイスからサーバへ送信され、次に、サーバから全ての参加している無線電話へ送信される。聞き手(listener)(非話者)からのビデオおよびオーディオデータも、それぞれの無線デバイスからサーバへ送信され、次に、参加者へ送信され得る。しかしながら、帯域幅の制限のために、全てのデバイス間における媒体の流れは維持するのが難しく、結果のビデオ品質は、しばしば不良(poor)であり、音声は、しばしば中断される。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
無線通信ネットワークにおける帯域幅は、無線信号が移動しなければならない環境および技術によって制限される。本発明にしたがうシステムおよび方法は、無線ネットワークにおけるテレビ会議中のビデオおよびオーディオ情報の送信を最適化する。テレビ会議中に、話者のビデオおよびオーディオデータは、話者から受信され、全ての非話者(聞き手)に送信される。話者のオーディオおよびビデオデータは、所定の基準にしたがって送信される。例えば、オーディオデータは、ビデオデータと比較して、より高い優先順位を与えられる。聞き手のオーディオデータは、サーバにおいて受信され、新しい話者を割り当てるかどうかを判断するのに使用される。このやり方では、使用可能な資源が、より重要な話者のデータが会議において維持されることを保証するように使用される。新しい話者は、各メンバが優先順位を予め割り当てられている優先順位リストによっても判断され得る。
【0005】
1つの実施形態において、本発明は、無線遠隔通信ネットワークを介してテレビ会議中にサーバから複数の無線デバイスへオーディオおよびビデオ情報を送信する方法である。方法は、複数の無線デバイスからの複数のビデオを、サーバにおいて受信するステップと、複数の無線デバイスからの複数のオーディオデータを、サーバにおいて受信するステップと、複数の無線デバイスから話者を選択するステップと、話者のビデオおよびオーディオデータを、話者の無線デバイスを除く、複数の無線デバイスへ送信するステップとを含む。各オーディオおよびビデオデータは、無線デバイスと関係付けられ、各オーディオデータは、音量とも関係付けられる。話者のオーディオおよびビデオデータは、所定の基準にしたがって送信される。
【0006】
別の実施形態において、本発明は、テレビ会議中に、無線デバイスにおいてビデオおよびオーディオ情報を送信し、受信する方法も含み、無線デバイスは、オーディオデバイスおよびディスプレイデバイスをもつ。方法は、無線デバイスが話者として割り当てられているときは、ビデオおよびオーディオ情報を遠隔のサーバへ送信するステップと、無線デバイスが話者として割り当てられていないときは、オーディオ情報を遠隔のサーバへ送信するステップとを含む。方法は、話者のビデオおよびオーディオ情報を遠隔のサーバから受信するステップと、遠隔のサーバから受信したオーディオ情報を、オーディオデバイス上で再生するステップと、遠隔のサーバから受信したビデオ情報を、ディスプレイデバイス上で表示するステップとをさらに含む。
【0007】
別の実施形態において、無線通信ネットワークにおけるテレビ会議セッション中にビデオおよびオーディオ情報を送信し、表示するシステムは、無線通信ネットワークと通信しているサーバを含み、サーバは、ビデオおよびオーディオの送信基準を含み、複数の無線通信デバイスは、無線通信ネットワークを介してサーバと通信することができ、各無線通信デバイスは、ビデオおよびオーディオデータの送信基準にしたがって、サーバへオーディオおよびビデオ情報を送信し、受信することができる。
【0008】
システムは、無線遠隔通信ネットワークにおける無線遠隔通信デバイス上でビデオおよびオーディオ情報の送信および再生を可能にする装置も含む。装置は、遠隔のサーバとオーディオおよびビデオ情報を送受信するトランシーバと、オーディオおよびビデオ情報を記憶する記憶ユニットと、ビデオ情報をユーザへ表示するディスプレイユニットと、オーディオ情報をユーザへ再生するスピーカユニットと、ユーザからオーディオ情報を受信するユーザ インターフェイス ユニットと、ユーザから発言権(floor)の要求を受信するプッシュ トゥ トーク インターフェイスと、遠隔のサーバから受信した話者の情報に基づいて、ディスプレイユニットを制御する制御装置とを含む。
【0009】
したがって、本発明のシステムおよび方法は、無線通信ネットワークにおけるテレビ会議中のビデオおよびオーディオ情報の送信を最適化するので、好都合である。
【0010】
本発明の他の長所および特徴は、後述の図面の簡単な説明(Brief Description of the Drawing)、発明を実施するための最良の形態(Detailed Description of the Invention)、および特許請求の範囲(Claims)を検討した後で明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
この記述において、“通信デバイス(communication device)”、“無線デバイス(wireless device)”、“無線通信デバイス(wireless communication device)”、“無線ハンドセット(wireless handset)”、“ハンドヘルドデバイス(handheld device)”、および“ハンドセット(handset)”は、交換可能なように使用されており、本明細書において使用されている“アプリケーション(application)”という用語は、実行可能および非実行可能なソフトウェアファイル、生データ、集合体データ、パッチ、および他のコードセグメントを含むことを意図されている。さらに加えて、同じ数字は、幾つかの図面全体にわたって同じ要素を指し、冠詞“a”および“the”は、記載の中で指定されていない限り、複数の参照(plural references)を含む。
【0012】
図1は、本発明にしたがって使用されている通信ネットワーク100を示している。通信ネットワーク100は、1つ以上の通信塔106を含み、各通信塔106は、基地局(base station, BS)110に接続され、通信デバイス102をもつユーザにサービスする。通信デバイス102は、セルラ電話、ページャ、パーソナルディジタルアシスタント(personal digital assistant, PDA)、ラップトップ コンピュータ、あるいは他のハンドヘルド、静止、またはポータブル通信デバイスであって、プッシュ トゥ トーク(PTT)通信を支援するものであり得る。各ユーザによって入力されるコマンドおよびデータは、ディジタルデータとして通信塔106へ送信される。通信デバイス102を使用しているユーザと、通信塔106との間の通信は、種々の技術、例えば、符号分割多元接続(code division multiplexed access, CDMA)、時分割多元接続(time division multiplexed access, TDMA)、周波数分割多元接続(frequency division multiplexed access, FDMA)、グローバル システム フォー モバイル コミュニケーションズ(global system for mobile communications, GSM)、あるいは無線通信ネットワークまたはデータ通信ネットワークにおいて使用され得る他のプロトコルに基づくことができる。各ユーザからのデータは、通信塔106から基地局(BS)110へ送られ、移動交換局(mobile switching center, MSC)114へ転送される。MSC114は、公衆交換電話ネットワーク(pubic switched telephone network, PSTN)118とインターネット120とに接続され得る。MSC114は、サーバ116へ接続され、サーバ116は、通信ネットワーク100におけるテレビ会議の特徴(feature)を支援する。サーバ116は、ビデオおよびオーディオデータ送信に異なる優先順位を割り当てる所定の基準を記憶することのほかに、テレビ会議の特徴を支援するアプリケーションを含む。オプションで、サーバ116は、MSC114の一部であってもよい。
【0013】
図2は、無線ハンドセット102のブロック図200を示している。無線ハンドセット102は、制御装置202、記憶ユニット204、ディスプレイユニット206、外部インターフェイス ユニット208、ユーザ インターフェイス ユニット212、プッシュ トゥ トーク起動ユニット209、トランシーバ214、およびアンテナ216を含む。制御装置202は、ハードウェア、ソフトウェア、またはその組合せであり得る。ディスプレイユニット206は、グラフィック画像または他のディジタル情報を、ユーザへ表示し得る。外部インターフェイス ユニット208は、ユーザとの通信に使用されるスピーカ、マイクロホン、およびディスプレイユニットのようなハードウェアを制御する。ユーザ インターフェイス ユニット212は、キーパッドおよびプッシュ トゥ トーク起動ユニット209のようなハードウェアを制御する。プッシュ トゥ トーク起動ユニット209は、テレビ会議中に、発言権の要求を行う、すなわち、別のユーザが話している間に、話す機会を要求するのに使用され得る。トランシーバ214は、通信塔106から無線信号を受信し、そこへ送信する。制御装置202は、ユーザおよび通信ネットワーク100から受信したコマンドおよびデータを解釈する。
【0014】
テレビ会議中において、ユーザが発言権をもっていないとき、すなわち、ユーザが現在の話者でないとき、無線デバイス102は、遠隔のサーバから、話者のオーディオおよびビデオ情報を受信し、ビデオデータをスクリーン上で表示し、オーディオデータを電話(スピーカ)デバイス上で再生する。ユーザは、話したいときに、無線デバイスがPTTボタンを装備しているときは、プッシュ トゥ トーク ボタン209を押し得る。その代わりに、ユーザは、より大きい声で話してもよく、この音量の増大は、遠隔のサーバによって、話者になる要求として解釈されることになる。ユーザが話者でないときは、そのユーザのビデオ情報は、遠隔のサーバへ送信されず、それによって、帯域幅を取っておく。一般に、テレビ会議中に、オーディオ情報は、ビデオ情報よりも、より重要であると考えられ、したがって、無線デバイス102は、遠隔のサーバから、失われたビデオパケットではなく、失われたオーディオパケットの再送を要求し得る。
【0015】
図3は、テレビ会議中のサーバ(グループ通信サーバとしても知られている)とユーザデバイスとの間の対話を表す図300である。テレビ会議中に、ユーザは、話者として割り当てられ、ユーザは、“発言権”をもつ。話者302からのビデオおよびオーディオデータは、サーバ304へ送信され、サーバ304は、話者のビデオおよびオーディオデータを、テレビ会議における全非話者へ同報通信する。ビデオおよびオーディオデータを同報通信するとき、サーバ304は、より高い優先順位をオーディオ送信に、より低い優先順位をビデオ送信に割り当て得る。オーディオ送信は、ビデオ送信よりも、より大きい帯域幅をもち得る。この好ましい基準は、より良いオーディオ品質をもたらす。さらに加えて、サーバ304は、例えば、ビデオおよびオーディオデータを非話者へ送信するとき、帯域幅の60%をオーディオデータに、帯域幅の40%をビデオデータに割り当て得る。非話者からの画像は、サーバ304へ送信されず、したがって、帯域幅を取っておくことができる。非話者からのオーディオデータは、サーバ304から全参加ユーザへ送信されるわけではないが、非話者のオーディオデータは、サーバ304へ送信される。非話者のオーディオデータは、次の話者を判断するのに使用され得る。
【0016】
テレビ会議における新しい話者は、幾つかのやり方によって判断され得る。新しい話者を選択する1つのやり方は、全参加者から受信したオーディオの音量を比較することである。最高のオーディオ音量をもつ参加者が、新しい話者として割り当てられることになる。新しい話者を選択する別のやり方では、ユーザからの“発言権”の要求を待つ。ユーザは、PTTボタンを使用することによって、発言権を要求することができ、現在の話者が、所定の期間の間、アイドルであるときは、要求しているユーザが、新しい話者として割り当てられることになる。
【0017】
図4は、ビデオ画像をディスプレイスクリーン404上で表示し、オーディオメッセージをスピーカ402上で再生する無線通信デバイス400を示している。ユーザは、プッシュ トゥ トーク ボタン406を起動する(activate)ことによって、またはマイクロホン408へより大きい声で話すことによって、発言権を要求し得る。
【0018】
図5は、サーバのプロセス500のフローチャートである。多くの参加者とのテレビ会議中に、ステップ502において、サーバ116は、オーディオデータを全ての当事者(party)から受信し、ステップ504において、それらの音量を比較する。より大きい声をもつ参加者が、新しい話者として割り当てられることになる。ステップ506において、サーバ116は、新しい話者が、前の話者と同じであるかどうかを検査する。新しい話者がいるときは、ステップ508において、新しい話者の識別が、サーバ116に記憶される。ステップ510において、サーバ116は、オーディオおよびビデオデータ送信のために、ビデオおよびオーディオの優先順位を計算する。ビデオおよびオーディオの優先順位は、前の話者のために設定されたものと同じであってもよく、または優先順位の新しい組であってもよい。ステップ512において、サーバ116は、新しい話者へのビデオおよびオーディオデータの送信を“フリーズ”し始める。サーバ116は、ビデオ情報を話者の無線ハンドセット102へ送信するのを止めると、サーバ116は、無線ハンドセット102に、その最後に表示された画像を“フリーズする”ように命令する特別のコマンドを送り得る。その代わりに、サーバ116は、話者自身の1つのピクチャ(picture)を、話者の無線ハンドセット102へ送り返してもよく、このピクチャは、話者へ表示され、自分自身を現在の話者として識別することになる。通常、話者は、自分へ再送された自分自身の画像を見る必要も、自分自身の声を聞く必要もない。ステップ514および516において、サーバ116は、話者のビデオおよびオーディオ情報を全非話者へ送り始める。サーバ116は、テレビ会議を、それが終了する(図示されていない)まで、監視し続ける。
【0019】
図6は、デバイスのプロセス600のフローチャートである。ステップ602において、無線デバイス102は、テレビ会議中に、サーバ116から、話者のオーディオおよびビデオ情報を受信し、ステップ604において、オーディオおよびビデオデータを無線デバイス102上で再生する。無線デバイス102は、現在の話者ではないので、ステップ606において、ユーザのオーディオデータのみをサーバ116へ送り、ビデオはサーバ116へ送らない。ユーザは、テレビ会議中に、自分の声を大きくすることによって、またはPTTボタンを起動することによって、発言権を要求し得る。新しい話者を割り当てる決定が下されると、ユーザのオーディオデータ、およびPTTボタンの起動に関係する信号が、サーバ116へ送られる。サーバ116は、無線デバイス102へ、それが現在の送話デバイス(speaking device)であることを知らせる信号またはメッセージ情報を送る。ステップ608において、無線デバイス102は、入来メッセージを検査して、自分が新しい話者として割り当てられているかどうかを確かめる。無線デバイス102が、新しい話者として割り当てられているときは、ステップ610において、無線デバイス102は、ユーザのビデオをサーバ116へ送り始め、ステップ612において、ビデオ表示をフリーズする。ステップ614において、無線デバイス102は、異なる新しい話者が割り当てられたかどうかを連続的に検査する。
【0020】
図7Aは、オーディオおよびビデオデータの送信基準の1つの実施形態である。話者として割り当てられている無線デバイスにおいて、インバウンドのビデオおよびオーディオデータは取扱われず、アウトバウンドのオーディオデータはより高い(higher, H)優先順位を与えられ、一方で、アウトバウンドのビデオはより低い(lower, L)優先順位を与えられる。無線デバイスが話者として割り当てられていないときは、そのアウトバウンドのビデオデータは、ディスエーブルにされ、アウトバウンドのオーディオデータは、低い優先順位で送信される。そのインバウンドのオーディオデータは、そのインバウンドのビデオよりも、より高い優先順位で届く。オーディオおよびビデオデータを取扱う別のやり方では、それらに異なる帯域幅を割り当ててもよく、図7Bは、このオーディオおよびビデオデータ送信基準の一例を示している。テレビ会議中は、オーディオデータによって、より多くの情報が送信され得るので、オーディオデータ送信に優先が与えられ得る。図7Bにおいて、オーディオデータは、帯域幅の60%を与えられ、ビデオデータは、帯域幅の40%を与えられるが、他の配分も可能である。同じ例において、無線デバイスが、現在の話者でないときは、そのアウトバウンドのビデオは、ディスエーブルにされ(0%)、そのアウトバウンドのオーディオデータは、少ない10%の帯域幅を与えられる。
【0021】
図8は、信号が発言権の要求を示すのに使用されるときの、別のサーバのプロセス800である。ユーザがテレビ会議中にPTTボタンを押した後で、発言権要求信号が、無線デバイスから送信され得る。ステップ802において、サーバ116は、発言権の要求が無線デバイス102の何れかから受信されているかどうかを検査する。発言権の要求が受信されているときは、ステップ806において、サーバ116は、現在の話者が“アイドル”であるかどうかどうかを検査する。所定の期間、例えば、2秒の間に、話者の無線デバイスからオーディオ情報が来ないときは、現在の話者はアイドルであり得る。サーバ116は、このアイドル期間を調節し得る。現在の話者がアイドルであるときは、ステップ808において、サーバ116は、要求している無線デバイスを、現在の話者として設定し、図5に既に記載したように、ビデオおよびオーディオの優先順位を計算し始め、オーディオおよびビデオ情報を送り出す。
【0022】
図9は、各無線デバイスが優先順位を割り当てられるときの、さらに別のサーバのプロセス900である。優先順位は、サーバ116によって、またはテレビ会議を構成する当事者によって割り当てられ得る。テレビ会議のホストは、デフォルトによって、最高の優先順位を与えられ得る。ステップ902において、サーバ116は、発言権の要求が無線デバイス102の何れかから受信されているかどうかを検査する。発言権の要求が受信されているときは、ステップ904において、サーバ116は、要求している無線デバイスの優先順位を、現在の話者の優先順位と比較する。要求している無線デバイスが、より高い優先順位をもっているときは、サーバ116は、それを新しい話者として割り当てる。要求している無線デバイスが、より低い優先順位をもっているときは、サーバ116は、話者がアイドルになるまで待ち、その後で、要求している無線デバイスを新しい話者として割り当て得る。新しい話者がいるときは、サーバ116は、ステップ908において、要求している無線デバイスを現在の話者として設定し、図5において既に記載したように、ビデオおよびオーディオの優先順位を計算し始め、オーディオおよびビデオ情報を送り出す。
【0023】
次に、本発明の1つの実施形態にしたがって、1つの使用のシナリオを記載する。ユーザが、2人の提携者(associate)とテレビ会議をもちたいとき、ユーザは、自分のコンピュータを使用して、テレビ会議の要求を設定し得る。ユーザは、ホストとして、自分の無線デバイス情報を入力する。第2の参加者は、第2の無線通信デバイスを使用し、第3の参加者は、有線ベースのテレビ電話を使用し得る。ユーザは、最高順位を自分自身に、次の優先順位を第2の参加者に、最低の優先順位を有線ベースの参加者に割り当て得る。ユーザは、テレビ会議に先立って、自分の無線デバイスを使用することによって、または自分のコンピュータによって、割り当てを行い得る。テレビ会議中に、ユーザが発言権をもつとき、サーバは、ユーザのビデオおよびオーディオデータを、第2および第3の参加者へ送る。ビデオデータは、オーディオデータよりも、より低い優先順位で送られる。
【0024】
ユーザが発言権をもっている間に、第2の参加者は、PTTボタンを押して、発言権を要求し、その結果、第2の参加者はコメントを加えることができる。第2の参加者の無線デバイスは、要求をサーバへ送る。サーバは要求を受信し、第2の参加者の優先順位を検査する。第2の参加者は、現在の話者よりも、より低い優先順位をもっているので、サーバは、現在の話者を中断しない。その代わりに、サーバは、現在の話者がアイドルになるまで待ち、その後で、第2の参加者を新しい話者として割り当てる。第2の参加者は、話者になると、他の2人の参加者とピクチャ(picture)を共有することを望み得る。第2の参加者は、自分の画像(image)ではなく、自分の無線ハンドセットに記憶されているピクチャを、サーバへ送るように、自分のハンドセットに指示し得る。サーバは、そのピクチャを、第2の参加者からのオーディオデータと共に、他の参加者へ送る。第2の参加者は、他の2人の参加者と情報を共有したいときに、PTTボタンを押し、発言権の要求は、第2の参加者の無線デバイスからサーバへ送られる。
【0025】
無線サービスプロバイダのコンピュータデバイスまたは無線通信デバイス上で実行可能な方法を考慮すると、方法は、コンピュータ読出し可能媒体に常駐のプログラムによって行なわれることができ、プログラムは、コンピュータプラットフォームをもつサーバまたは他のコンピュータデバイスに、方法のステップを行うように指示する。コンピュータ読出し可能媒体は、サーバのメモリであってもよく、または接続性データベースであってもよい。さらに加えて、コンピュータ読出し可能媒体は、磁気ディスクまたはテープ、光ディスク、ハードディスク、フラッシュメモリ、あるいは当技術において知られている他の記憶媒体のような、無線通信デバイスのコンピュータプラットフォーム上へロード可能な二次記憶媒体であり得る。
【0026】
図5ないし9に関連して、方法は、例えば、無線通信デバイスまたはサーバのような、無線ネットワークの一部を動作することによって実施され、一連の機械読出し可能命令を実行し得る。命令は、種々のタイプの信号を保持する(signal-bearign)またはデータを記憶する一次、二次、または三次媒体内に存在することができる。媒体は、例えば、無線ネットワークの構成要素によってアクセス可能な、またはその中に存在するRAM(図示されていない)を含み得る。RAM、ディスケット、または他の二次記憶媒体内に含まれていても、いなくても、命令は、種々の機械読出し可能なデータ記憶媒体上に記憶され得る。種々の機械読出し可能なデータ記憶媒体は、例えば、DASD記憶装置(例えば、従来の“ハードドライブ”またはRAID配列)、磁気テープ、電子読出し専用メモリ(例えば、ROM、EPROM、またはEEPROM)、フラッシュ メモリ カード、光記憶デバイス(例えば、CD−ROM、WORM、DVD、ディジタル光テープ)、紙の“パンチ”カード、またはディジタルおよびアナログ送信媒体を含む他の適切なデータ記憶媒体である。
【0027】
本発明は、その好ましい実施形態に関連して詳しく示され、記載されたが、特許請求項に記載されている本発明の意図および範囲から逸脱することなく、形式および細部における種々の変更が行われ得ることが、当業者によって理解されるであろう。さらに加えて、本発明の要素は、単数で記載されるか、または権利を主張され得るが、単数に制限することが明示的に記載されていないならば、複数も意図される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】無線システムにおけるテレビ会議を支援する無線ネットワークアーキテクチャを示す図。
【図2】プッシュ トゥ トーク システムにおいて呼び出し音(alert tone)情報の送信を支援する無線デバイスのブロック図。
【図3】テレビ会議中のサーバと遠隔の無線デバイスとの間の対話を表す図。
【図4】テレビ会議中の話者のビデオを表示している無線デバイスを示す図。
【図5】ビデオおよびオーディオ情報を配信するサーバのプロセスのフローチャート。
【図6】オーディオおよびビデオ情報を受信し、送信するデバイスのプロセスのフローチャート。
【図7A】ビデオ/オーディオ送信基準の例を示す図。
【図7B】ビデオ/オーディオ送信基準の例を示す図。
【図8】別の実施形態にしたがうサーバのプロセスのフローチャート。
【図9】さらに別の実施形態にしたがうサーバのプロセスのフローチャート。
【符号の説明】
【0029】
100・・・通信ネットワーク、200・・・無線ハンドセットのブロック図、209・・・プッシュ トゥ トーク起動ユニット、216・・・アンテナ、300・・・サーバとユーザデバイスとの間の対話を表すダイアグラム、400・・・無線通信デバイス、402・・・スピーカ、404・・・ディスプレイスクリーン、406・・・プッシュ トゥ トーク ボタン、408・・・マイクロホン、500,800,900・・・サーバのプロセス、600・・・デバイスのプロセス、700,750・・・オーディオおよびビデオデータの送信基準。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線遠隔通信ネットワーク上でテレビ会議中にサーバから複数の無線デバイスへ話者の無線デバイスのオーディオおよびビデオ情報を送信する方法であって、
複数の無線デバイスからの複数のビデオデータを、サーバにおいて受信するステップであって、各ビデオデータが無線デバイスと関係付けられているステップと、
複数の無線デバイスからの複数のオーディオデータを、サーバにおいて受信するステップであって、各オーディオデータが、音量レベルをもち、無線デバイスと関係付けられているステップと、
複数の無線デバイスから話者を選択するステップと、
話者のビデオおよびオーディオデータを、話者の無線デバイスを除く、複数の無線デバイスへ送信するステップとを含み、
話者のビデオデータおよびオーディオデータが、所定の基準に基づいて送信され、話者のビデオおよびオーディオデータが、非話者のオーディオおよびビデオデータよりも上の優先順位をもつ方法。
【請求項2】
話者を選択するステップが、
受信した複数のオーディオデータの音量レベルを比較するステップと、
最高音量レベルをもつオーディオデータを選択するステップと、
選択されたオーディオデータと関係付けられた無線デバイスを、話者として割り当てるステップとをさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
話者を選択するステップが、
無線デバイスの1つから、話す要求を受信するステップと、
話す要求と関係付けられた無線デバイスを、話者として割り当てるステップとをさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項4】
話者を割り当てるステップが、話者からのオーディオデータが、所定の期間の間、無声であるときは、話す要求と関係付けられた無線デバイスを、話者として割り当てるステップをさらに含む請求項3記載の方法。
【請求項5】
話者を選択するステップが、
要求している無線デバイスから、話す要求を受信するステップと、
要求している無線デバイスと関係付けられた優先順位を得るステップと、
要求している無線デバイスの優先順位を、現在の無線デバイスの優先順位と比較するステップと、
要求している無線デバイスの優先順位が、現在の無線デバイスの優先順位よりも、より高いときは、要求している無線デバイスを、話者として割り当てるステップとをさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項6】
基準が、オーディオデータを高い優先順位で送信し、ビデオデータを低い優先順位で送信することをさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項7】
テレビ会議中に、無線デバイスにおいて、ビデオおよびオーディオ情報を送信し、受信する方法であって、無線デバイスが、オーディオデバイスおよびディスプレイデバイスをもち、
無線デバイスが、話者として割り当てられているときは、ビデオおよびオーディオ情報を遠隔のサーバへ送信するステップと、
無線デバイスが、話者として割り当てられていないときは、
オーディオ情報を遠隔のサーバへ送信し、
話者のビデオおよびオーディオ情報を、遠隔のサーバから受信するステップと、
遠隔のサーバから受信したオーディオ情報を、オーディオデバイス上で再生するステップと、
遠隔のサーバから受信したビデオ情報を、ディスプレイデバイス上で表示するステップとを含む方法。
【請求項8】
無線デバイスから発言権の要求を受信するステップと、
発言権の要求を遠隔のサーバへ送信するステップとをさらに含む請求項7記載の方法。
【請求項9】
遠隔のデバイスから話者の割り当てを受信するステップをさらに含む請求項7記載の方法。
【請求項10】
ビデオ情報を表示するステップが、無線デバイスが話者として割り当てられているときは、ビデオ情報をフリーズするステップをさらに含む請求項7記載の方法。
【請求項11】
無線遠隔通信ネットワークにおける無線遠隔通信デバイス上でビデオおよびオーディオ情報の送信および再生を可能にする装置であって、
遠隔のサーバとオーディオおよびビデオ情報を送受信するトランシーバと、
オーディオおよびビデオ情報を記憶する記憶ユニットと、
ビデオ情報を表示するディスプレイユニットと、
オーディオ情報を再生するスピーカユニットと、
オーディオ情報を受信するインターフェイスユニットと、
テレビ会議中の発言権の要求を受信するプッシュ トゥ トーク インターフェイスと、
遠隔のサーバから受信した話者情報に基づいて、ディスプレイユニットを制御する制御装置とを含む装置。
【請求項12】
無線遠隔通信ネットワークにおける無線遠隔通信デバイス上でビデオおよびオーディオ情報の送信および再生を可能にする装置であって、
遠隔のサーバとオーディオおよびビデオ情報を送受信する手段と、
オーディオおよびビデオ情報を記憶する手段と、
ビデオ情報を表示する手段と、
オーディオ情報を再生する手段と、
オーディオ情報を受信する手段と、
テレビ会議中の発言権の要求を受信する手段と、
遠隔のサーバから受信した話者情報に基づいて、ビデオ情報を表示する手段を制御する手段とを含む装置。
【請求項13】
無線遠隔通信ネットワーク上でテレビ会議中にサーバから複数の無線デバイスへ話者の無線デバイスのオーディオおよびビデオ情報を送信するコンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読出し可能媒体であって、コンピュータプログラムが、コンピュータによって実行されるときに、
複数の無線デバイスからの複数のビデオデータを、サーバにおいて受信するステップであって、各ビデオデータが無線デバイスと関係付けられているステップと、
複数の無線デバイスからの複数のオーディオデータを、サーバにおいて受信するステップであって、各オーディオデータが、音量レベルをもち、無線デバイスと関係付けられているステップと、
複数の無線デバイスから話者を選択するステップと、
話者のビデオおよびオーディオデータを、話者の無線デバイスを除く、複数の無線デバイスへ送信するステップとを行うコンピュータ命令を含み、
話者のビデオデータおよびオーディオデータが、所定の基準に基づいて送信され、話者のビデオおよびオーディオデータが、非話者のオーディオおよびビデオデータよりも上の優先順位をもつコンピュータ読出し可能媒体。
【請求項14】
話者を選択するステップが、
受信した複数のオーディオデータの音量レベルを比較するステップと、
最高音量レベルをもつオーディオデータを選択するステップと、
選択されたオーディオデータと関係付けられた無線デバイスを、話者として割り当てるステップとをさらに含む請求項13記載のコンピュータプログラム。
【請求項15】
話者を選択するステップが、
無線デバイスの1つから、話す要求を受信するステップと、
話す要求と関係付けられた無線デバイスを、話者として割り当てるステップとをさらに含む請求項13記載のコンピュータプログラム。
【請求項16】
話者を割り当てるステップが、話者からのオーディオデータが、所定の期間の間、イナクティブであるときは、話す要求と関係付けられた無線デバイスを、話者として割り当てるステップをさらに含む請求項15記載のコンピュータプログラム。
【請求項17】
話者を選択するステップが、
要求している無線デバイスから、話す要求を受信するステップと、
要求している無線デバイスと関係付けられた優先順位を得るステップと、
要求している無線デバイスの優先順位を、現在の無線デバイスの優先順位と比較するステップと、
要求している無線デバイスの優先順位が、現在の無線デバイスの優先順位よりも、より高いときは、要求している無線デバイスを、話者として割り当てるステップとをさらに含む請求項13記載のコンピュータプログラム。
【請求項18】
基準が、オーディオデータを高い優先順位で送信し、ビデオデータを低い優先順位で送信することをさらに含む請求項13記載のコンピュータプログラム。
【請求項19】
テレビ会議中に、無線デバイスにおいて、ビデオおよびオーディオ情報を送信し、受信するコンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読出し可能媒体であって、無線デバイスがオーディオデバイスおよびディスプレイデバイスをもち、コンピュータプログラムが、コンピュータによって実行されるときに、
無線デバイスが、話者として割り当てられているときは、ビデオおよびオーディオ情報を遠隔のサーバへ送信するステップと、
無線デバイスが、話者として割り当てられていないときは、
オーディオ情報を遠隔のサーバへ送信し、
話者のビデオおよびオーディオ情報を、遠隔のサーバから受信するステップと、
遠隔のサーバから受信したオーディオ情報を、オーディオデバイス上で再生するステップと、
遠隔のサーバから受信したビデオ情報を、ディスプレイデバイス上で表示するステップとを行うコンピュータ命令を含むコンピュータ読出し可能媒体。
【請求項20】
発言権の要求を受信するステップと、
発言権の要求を遠隔のサーバへ送信するステップとをさらに含む請求項19記載のコンピュータプログラム。
【請求項21】
遠隔のデバイスから話者の割り当てを受信するステップをさらに含む請求項19記載のコンピュータプログラム。
【請求項22】
ビデオ情報を表示するステップが、無線デバイスが話者として割り当てられているときは、ビデオ情報をフリーズするステップをさらに含む請求項19記載のコンピュータプログラム。
【請求項23】
無線通信ネットワークにおいてテレビ会議セッションに関与している複数の無線デバイスにおいて優先のビデオおよびオーディオ情報を送信し、表示するシステムであって、
無線通信ネットワークと通信していて、ビデオおよびオーディオデータの送信優先基準を含むサーバであって、現在の話者の無線デバイスが、高い優先順位を与えられているサーバと、
無線通信ネットワークを介して、サーバと通信することができる複数の無線通信デバイスであって、各無線通信デバイスが、ビデオおよびオーディオデータの送信基準にしたがって、サーバへオーディオおよびビデオ情報を送信し、受信することができる、複数の無線通信デバイスとを含むシステム。
【請求項24】
サーバが、複数のエントリをもつ所定の優先順位テーブルをさらに含み、各エントリが、無線通信デバイスに割り当てられている請求項23記載のシステム。
【請求項25】
サーバが、所定の優先順位テーブルに基づいて、無線通信デバイスを現在の話者として割り当てる請求項24記載のシステム。
【請求項26】
ビデオおよびオーディオの送信基準が、現在の話者として割り当てられている無線通信デバイスからのオーディオ情報に高い優先順位を、ビデオ情報に低い優先順位を割り当てる請求項24記載のシステム。
【請求項27】
サーバが、複数の無線通信デバイスからオーディオを受信し、無線通信デバイスを現在の話者として割り当てる請求項23記載のシステム。
【請求項28】
サーバが、オーディオ情報と関係付けられた音量に基づいて、無線通信デバイスを現在の話者として割り当てる請求項27記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−511263(P2008−511263A)
【公表日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−530076(P2007−530076)
【出願日】平成17年8月24日(2005.8.24)
【国際出願番号】PCT/US2005/030077
【国際公開番号】WO2006/023961
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】