説明

無線センシング装置

【課題】電池の交換を行うことなく、恒常的に動作をさせることが可能な無線センシング装置の提供を課題とする。
【解決手段】無線センシング装置に充電式のバッテリーを付加し、無線にて該バッテリーに充電を行うものとする。アンテナ回路にて受信された電波が電気エネルギーに変換されると、バッテリーはその電気エネルギーを蓄える。センサー回路はバッテリーに蓄えられた電気エネルギーを用いて駆動し、情報の取得を行う。そして取得された情報を含む信号をアンテナ回路において電波に変換することで、無線で読み出すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信など非接触手段により情報を読み取ることができる、所謂センシング機能を有した無線センシング装置に関する。特に、生体内部に埋め込まれた状態、生体内部に飲み込まれた状態、または生体外部に貼り付けられた状態において用いられる、無線センシング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現代において、IT技術の発達によって、様々な情報の処理がおこなわれるようになった。人々の健康に対する情報管理などもその一つである。たとえば企業や学校などにおいては定期的に健康診断がおこなわれ、1年または半年に一度は個人に対してその人の健康状態が通知され、異常があった場合には該当者に通知がおこなわれ、病院などで処置がおこなわれるようなしくみが作られている。
【0003】
また、家庭においても、簡単に健康状態の確認ができるように簡易的な健康状態の測定器具が開発されている。近年携帯用の測定器具も普及しつつあり、病気の早期発見に貢献している。
【0004】
このような健康状態測定器具の例として例えば下記特許文献1などがある。
【0005】
特許文献1で示したのは、携帯型の血圧測定器であり、このような測定器の活用によって健康状態を簡単に知ることができる。
【0006】
しかし特許文献1に記載された従来の健康測定器具は、以下のような問題がある。まず健康測定器具が小さくなったといっても、ある程度の大きさはあり、どこにでも携帯可能な程には小型化されていない。また、測定によって情報を得てもそれをすぐに専門医が診るわけではないので、体調に異変があっても本人がそれに気がつかず、病気が進行してしまうというような問題がある。
【0007】
そのため、人体に無線機能を有するセンシング装置をはりつけ、無線にて身体情報を得る機能を持つ半導体装置が考案されている。具体的な例としては、特許文献2などがある。この例では特に、医療機関などの手を借りなくても、専用の無線読み取り機があれば身体情報を得ることができる。
【特許文献1】特開2004−121632号公報
【特許文献2】特開2006−99757号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記特許文献2に記載の無線センシング装置はパッシブ型であり、外部より無線にて信号を供給している時のみ動作している。外部より無線にて信号の供給ができない時にはこの無線センシング装置は動作できない。したがって、恒常的に身体情報を得るという観点からは不備がある。
【0009】
また無線センシング装置をアクティブ型とし、電池を内蔵すれば上記の問題は解消される。しかし無線センシング装置を体内に埋め込む場合、または飲み込む場合、簡単に電池交換はできない。そして電池が消耗するとともに、無線センシング装置も非動作になるという問題があった。
【0010】
上述した問題に鑑み、本発明は電池の交換を行うことなく、恒常的に動作をさせることが可能な無線センシング装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そこで本発明は、無線センシング装置に充電式のバッテリーを付加し、無線にて該バッテリーに充電を行うものとする。具体的に本発明の無線センシング装置は、電波の授受を行うためのアンテナ回路と、前記電波から得られた電気エネルギーを蓄えるバッテリーと、情報の取得(センシング)を行うためのセンサー回路とを有する。
【0012】
アンテナ回路にて受信された電波が電気エネルギーに変換されると、バッテリーはその電気エネルギーを蓄える。センサー回路はバッテリーに蓄えられた電気エネルギーを用いて駆動し、情報の取得を行う。そして取得された情報を含む信号をアンテナ回路において電波に変換することで、無線で読み出すことができる。
【0013】
なおメモリ回路を用い、取得された情報を一旦メモリに格納しておいても良い。この場合、メモリ回路に格納された情報を、アンテナ回路において電波に変換することで、無線で読み出すことができる。
【0014】
本発明の無線センシング装置を生体内において用いる場合、体外から伝わってきた電波をアンテナ回路において電気エネルギーに変換し、バッテリーに蓄える。センサー回路はバッテリーに蓄えられた電気エネルギーを用いて駆動し、身体情報の取得を行う。身体情報とは、生体の健康状態を把握するための指標となる情報を意味し、例えば血圧、心拍数、体温、呼吸数、血中ガス量、心電図または脳波などの活動電流値、血糖値、体内の映像などが挙げられる。
【0015】
センサー回路で用いられるセンサーは、取得する身体情報に合わせて選択すれば良い。また無線センシング装置に複数のセンサー回路を用いることで、複数の種類の身体情報を取得させることが出来る。
【0016】
そして取得された身体情報はメモリ回路に格納される。メモリ回路に格納された身体情報は、アンテナ回路において電波に変換することで、無線で読み出すことができる。
【0017】
また、本発明の無線センシング装置は生体内における身体情報の取得に限らず、接触して情報を得ることが困難なエリアから恒常的に情報を取得するため装置として活用することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上に述べたように、本発明では非接触にて無線センシング装置への電気エネルギーの供給が可能であるので、電池の交換の手間を省くことができる。
【0019】
また無線センシング装置を生体内において用いる場合、生体内に無線センシング装置を取り込んだ状態のまま、生体を傷つけることなく非接触にてバッテリーの充電を行うことができる。そして当該バッテリーに蓄えられた電力を用いることで、本発明の無線センシング装置は恒常的に身体情報を取得することができる。
【0020】
また無線センシング装置において取得された身体情報を、無線にて発信することが出来るので、その身体情報をIT技術によって管理し、病気の早期発見、治療などに役立てることが可能になる。
【0021】
また本発明の無線センシング装置は、生体内においての使用のみならず、接触して情報を得ることが困難なエリアから、恒常的に情報を取得するための装置として広く活用することができる。例えば放射線管理区域内のセンシングのように、人間が近づきにくい区域内でのセンシングなどに活用することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の態様について、図面を参照して説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に示す図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0023】
(実施の形態1)
本発明の第1の実施の形態を図1に示す。図1は本発明のブロック図を示すものである。無線センシング装置100はアンテナ回路101、発振回路102、変調回路103、復調回路104、論理回路105、AD変換回路106、センサー回路107、メモリ回路108、整流回路109、充電回路110、バッテリー111、安定化電源回路112を有する。
【0024】
磁界を用いて通信を行う場合、アンテナ回路101は図3(A)に示すようにコイル状のアンテナ301、同調容量302を有する。整流回路109は図3(B)に示すように、ダイオード303、ダイオード304及び平滑容量305を有する。アンテナ回路101及び整流回路109はこの構成に限定されず他の構成を用いても良い。通信を磁界でなく電界を用いて行う場合にはアンテナはコイル状である必要はない。
【0025】
本実施の形態の無線センシング装置100の動作を以下に説明する。アンテナ回路101で受信した交流信号はダイオード303、ダイオード304によって半波整流され、平滑容量305によって平滑される。この平滑された電圧を用いて、充電回路110は動作し、バッテリー111に充電を行う。バッテリー111は二次電池や大容量のコンデンサを用いることができる。
【0026】
バッテリー111の出力電圧は安定化電源回路112で安定化され、安定化された後の電圧を発振回路102、変調回路103、復調回路104、論理回路105、AD変換回路106、センサー回路107、メモリ回路108に供給する。
【0027】
外部と通信を行うための信号は、キャリア(搬送波)を変調することで伝送される。従って本発明の無線センシング装置は変調された信号を復調する必要がある。キャリアの周波数としては、125kHz、13.56MHz、950MHzなど様々な周波数があり得るが、特に限定されるものではない。変調の方式も振幅変調、周波数変調、位相変調など様々な方式があるが、これも特に限定はされない。
【0028】
センサー回路107の駆動を要求する信号が外部から電波で送られてくると、アンテナ回路101に入力された該信号は復調回路104で復調される。復調された信号は論理回路105で演算される。信号に何らかの暗号処理がされていれば、論理回路105においてデコードされる。外部の送信機が信号を変形ミラー符号、NRZ−L符号などでエンコードして送信していれば、それを論理回路105はデコードする。デコードされたデータはAD変換回路106、センサー回路107に送られ、それに従いAD変換回路106、センサー回路107は動作する。
【0029】
センサー回路107が動作することによって、無線センシング装置100は外部情報を検出することができる。ここで外部情報とは圧力、光、匂い、音声などであるが、これには限定されない。センサー回路107はそれらの外部情報を電気信号に変換する役割を持つ。センサー回路107の出力はAD変換回路106によって、デジタル信号に変換される。AD変換回路106の出力信号は論理回路105で演算される。エンコードが必要な場合は論理回路105でエンコードされる。論理回路105の出力は変調回路103で変調されアンテナ回路101に入力される。変調回路103は発振回路102の出力と論理回路105の出力をミキシングすることによって変調を行う。アンテナ回路101に入力された信号は、電波として放出される。
【0030】
センサー回路107は圧力センサー、光センサー、匂いセンサー、音声センサーなどを用いることが出来るが、これらに限定はされない。メモリ回路108はセンシングした情報を蓄えておくためのものであり、不揮発性メモリであることが望ましいがそれには限定されない。電源が確保されれば、揮発性メモリであっても不揮発性メモリと同様の機能を果たす。メモリ回路108はSRAM、DRAM、フラッシュメモリ、EEPROM、FeRAMなどであっても良い。
【0031】
本発明の無線センシング装置を用いた身体情報収集システムの概要について図2を用いて説明する。図2は人間の身体情報を非接触で得ることを目的とした身体情報収集システムの概要を示す図である。無線センシング装置100は、生体内において取り込まれた状態である。具体的には生体内に埋め込まれた状態であっても良いし、飲み込むなどして消化器官内に取り込まれた状態であっても良い。本発明の無線センシング装置は、生体内に取り込まれた状態であっても、電波を用いて非接触でバッテリーに電気エネルギーを蓄えることが出来る。
【0032】
なお本発明の無線センシング装置は、センシングする時にのみバッテリーへの充電を行うのではなく、センシングする時以外の期間においても常にバッテリーへの充電を行うようにしても良い。上記構成により、弱い電波の下においても、1回のセンシングにおいて消費される電力をバッテリーにおいて十分確保することが可能となる。
【0033】
また本発明の無線センシング装置は、生体内に取り込まれた状態での使用に限定されない。本発明の無線センシング装置を生体の表面に貼り付けた状態で用いることも可能である。
【0034】
無線センシング装置100に対して質問器200より電波が発信される。その電波を受けると無線センシング装置100はその無線センシング装置100が持っているセンサー回路107で得られた身体情報を質問器200に対して送り返す。質問器200は情報システム(図示せず)に接続され、該情報システムにおいて得られた身体情報の解析を行う。このようにして、人の身体情報をわずらわしい測定器具を運搬することなく得ることが可能となる。また、情報が自動的に解析されるため、通知遅れによって病気が進行することを防ぐことができる。
【0035】
(実施の形態2)
本発明の第2の実施の形態を図4に示す。図4は本発明のブロック図を示すものである。無線センシング装置400はアンテナ回路401、402、発振回路102、変調回路103、復調回路104、論理回路105、AD変換回路106、センサー回路107、メモリ回路108、整流回路109、充電回路110、バッテリー111、安定化電源回路112を有する。
【0036】
本実施の形態においては、前述した第1の実施の形態と異なり、電力を受信するアンテナ回路401と信号を受信するアンテナ回路402とを有している。このように機能によってアンテナ回路を使い分けることによって、電力を送るための電波の周波数と、信号を送るための電波の周波数とを分けることができる。たとえば電力を送るための電波の周波数を13.56MHzとして磁界を用いて伝送し、信号を送るための電波の周波数を950MHzとして、電界を用いて伝送することができる。周波数及び磁界、電界を使い分けることによって、電力伝送は近距離のみの通信とし、信号伝送は遠距離も可能なものとすることができる。950MHzで電力を送った場合、遠方まで大電力が伝送され、他の無線機器の受信妨害を起こす可能性がある。そのため、近距離で済む場合には周波数を下げ、磁界を使用した伝送をおこなった方がよい。
【0037】
本実施の形態の無線センシング装置400の動作を以下に説明する。アンテナ回路401で受信した交流信号は、図3(B)に示すダイオード303、304によって半波整流され、平滑容量305によって平滑される。この平滑された電圧を用いて、充電回路110は動作し、バッテリー111に充電を行う。バッテリー111は二次電池や大容量のコンデンサを用いることができる。
【0038】
バッテリー111の出力電圧は安定化電源回路112で安定化され、安定化された後の電圧を発振回路102、変調回路103、復調回路104、論理回路105、AD変換回路106、センサー回路107、メモリ回路108に供給する。
【0039】
外部と通信を行う信号はキャリア(搬送波)を変調して、伝送される。従って本発明の無線センシング装置は変調された信号を復調する必要がある。キャリアの周波数としては、125kHz、13.56MHz、950MHzなど様々な周波数があり得るが、特に限定されるものではない。変調の方式も振幅変調、周波数変調、位相変調など様々な方式があるが、これも特に限定はされない。
【0040】
アンテナ回路402に入力された信号は復調回路104で復調される。復調された信号は論理回路105で演算される。信号に何らかの暗号処理がされていれば、論理回路105においてデコードされる。外部の送信機が信号を変形ミラー符号、NRZ−L符号などでエンコードして送信していれば、それを論理回路105はデコードする。デコードされたデータはAD変換回路106、センサー回路107に送られ、それに従いAD変換回路106、センサー回路107は動作する。
【0041】
センサー回路107が動作することによって、無線センシング装置400は外部情報を検出することができる。ここで外部情報とは圧力、光、匂い、音声などであるが、これには限定されない。センサー回路107はそれらの外部情報を電気信号に変換する役割を持つ。センサー回路107の出力はAD変換回路106によって、デジタル信号に変換される。AD変換回路106の出力信号は論理回路105で演算される。エンコードが必要な場合は論理回路105でエンコードされる。論理回路105の出力は変調回路103で変調され、アンテナ回路402より電波として放出される。変調回路103は発振回路102の出力と論理回路105の出力をミキシングすることによって変調を行う。
【0042】
センサー回路107は圧力センサー、光センサー、匂いセンサー、音声センサーなどを用いることが出来るが、これらに限定はされない。メモリ回路108はセンシングした情報を蓄えておくためのものであり、不揮発性メモリであることが望ましいがそれには限定されない。電源が確保されれば、揮発性メモリであっても不揮発性メモリと同様の機能を果たす。メモリ回路108はSRAM、DRAM、フラッシュメモリ、EEPROM、FeRAMなどであっても良い。
【0043】
(実施の形態3)
本発明の第3の実施の形態を図5に示す。図5は本発明のブロック図を示すものである。無線センシング装置500はアンテナ回路101、発振回路102、変調回路103、復調回路104、論理回路105、AD変換回路106、メモリ回路108、整流回路109、充電回路110、バッテリー111、安定化電源回路112、CCD501、LED502を有する。
【0044】
本実施の形態は無線センシング装置500内部にLED502とCCD501を有し、LED502からの発光によって体内を照らし、CCD501によって照らされた照射物を撮像することを目的とする。発光はLEDに限らず他の発光体、例えばEL素子などを用いても良い。撮像もCCDに限らず他の撮像素子、例えばCMOSセンサーなどを用いても良い。
【0045】
磁界を用いて通信を行う場合、アンテナ回路101は図3(A)に示すようにコイル状のアンテナ301、同調容量302を有する。整流回路109は図3(B)に示すように、ダイオード303、304及び平滑容量305を有する。アンテナ回路101及び整流回路109はこの構成に限定されず他の構成を用いても良い。通信を磁界でなく電界を用いて行う場合にはアンテナはコイル状である必要はない。
【0046】
本実施の形態の無線センシング装置500の動作を以下に説明する。アンテナ回路101で受信した交流信号はダイオード303、304によって半波整流され、平滑容量305によって平滑される。この平滑された電圧を用いて、充電回路110は動作し、バッテリー111に充電を行う。バッテリー111は二次電池や大容量のコンデンサを用いることができる。
【0047】
バッテリー111の出力電圧は安定化電源回路112で安定化され、安定化された後の電圧を発振回路102、変調回路103、復調回路104、論理回路105、AD変換回路106、メモリ回路108、CCD501、LED502に供給する。
【0048】
外部と通信を行う信号は、キャリア(搬送波)を変調することで伝送される。従って本発明の無線センシング装置は変調された信号を復調する必要がある。キャリアの周波数としては、125kHz、13.56MHz、950MHzなど様々な周波数があり得るが、特に限定されるものではない。変調の方式も振幅変調、周波数変調、位相変調など様々な方式があるが、これも特に限定はされない。
【0049】
アンテナ回路101に入力された信号は復調回路104で復調される。復調された信号は論理回路105で演算される。信号に何らかの暗号処理がされていれば、論理回路105において、デコードされる。外部の送信機が信号を変形ミラー符号、NRZ−L符号などでエンコードして送信していれば、それを論理回路105はデコードする。デコードされたデータはAD変換回路106、CCD501に送られ、それに従いAD変換回路106、CCD501は動作する。
【0050】
CCD501が動作することによって、無線センシング装置500は外部映像を撮影することができる。CCD501が撮像している間、LED502は点灯している。CCD501の出力は、AD変換回路106によってデジタル信号に変換される。AD変換回路106の出力信号は論理回路105で演算される。エンコードが必要な場合は論理回路105でエンコードされる。論理回路105の出力は変調回路103で変調されアンテナ回路101より出力される。変調回路103は発振回路102の出力と論理回路105の出力をミキシングすることによって変調を行う。メモリ回路108はセンシングした情報を蓄えておくためのものであり、不揮発性メモリであることが望ましいがそれには限定されない。電源が確保されれば、揮発性メモリであっても不揮発性メモリと同様の機能を果たす。メモリ回路108はSRAM、DRAM、フラッシュメモリ、EEPROM、FeRAMなどであっても良い。
【0051】
このように本実施の形態の無線センシング装置ではCCDなどの撮像素子を用いることによって、体内の画像を撮像することができる。体内の異常を早く検出することが可能になり、健康確保に多大な貢献が可能になる。
【実施例1】
【0052】
本発明の第1の実施例を図6に示す。図6は本発明の無線センシング装置の断面を示したものである。図6に示す無線センシング装置は基板601、アンテナ602、フェライト603、二次電池604、フレキシブルプリント基板605、パッケージ606を有する。基板601は前述した整流回路、復調回路、論理回路、変調回路、発振回路などを形成した基板である。基板の材質は単結晶シリコン基板、ガラス基板、プラスチック基板などが望ましいがこれには限定されない。
【0053】
アンテナ602は基板601上に形成しているが、アンテナ602を形成する位置はこれに限定されない。アンテナ602専用の基板を設けても良い。フェライト603は必ずしも必要ではない。しかしフェライト603を用いることで、磁束を用いた通信を行う場合において、磁束の回り込みを良くして、感度を上げることができる。二次電池604はリチウムイオンボタン型二次電池などが適しているが、リチウムイオンに限定されない。形状もボタン型に限定するものではない。また、二次電池ではなく、電気二重層コンデンサのような大容量コンデンサを用いても良い。フレキシブルプリント基板605は基板601と二次電池604を電気的に接続するためのものである。
【0054】
パッケージ606は体内に埋め込まれる場合を想定し、気密性の高いものである必要がある。また、生体に悪影響を及ぼさない材質のものである必要がある。ボタン型二次電池を使用した場合、パッケージは1cm程度にすることが可能であり、人間が飲み込むことも可能である。
【0055】
このように気密性の高いパッケージでは、頻繁に開封することはできない。したがって、電池を充電ができない一次電池を用いると、電池が消耗した場合、センシング装置が使用不可能になってしまう。本発明のように二次電池に対して、無線で充電が可能であれば、電池の消耗を考えずに使用することができる。また、生体の中にあるときでも、生体の外部から、充電を行うことが可能である。
【0056】
本発明の無線センシング装置を用いることで、このように身体情報を無線通信で取り出すことが可能となる。
【実施例2】
【0057】
本発明の第2の実施例を図7に示す。図7は本発明の無線センシング装置の断面を示したものである。図7に示す無線センシング装置は基板601、アンテナ602、フェライト603、二次電池604、フレキシブルプリント基板605、パッケージ606、LED607、CCD608、レンズ609を有する。基板601は前述した整流回路、復調回路、論理回路、変調回路、発振回路などを形成した基板である。基板の材質は単結晶シリコン基板、ガラス基板、プラスチック基板などが望ましいが、これには限定されない。
【0058】
アンテナ602は基板601上に形成しているが、アンテナ602を形成する位置はこれに限定されない。アンテナ602専用の基板を設けても良い。フェライト603は必ずしも必要ではない。しかしフェライト603を用いることで、磁束を用いた通信を行う場合において、磁束の回り込みを良くして、感度を上げることができる。二次電池604はリチウムイオンボタン型二次電池などが適しているが、リチウムイオンに限定されない。形状もボタン型に限定するものではない。また、二次電池ではなく、電気二重層コンデンサのような大容量コンデンサを用いても良い。フレキシブルプリント基板605は基板601と二次電池604、CCD608、LED607を電気的に接続するためのものである。
【0059】
本実施例の無線センシング装置では、LED607を点灯させ、その光で体内を照らし、レンズ609を介して、CCD608で撮像を行う。撮像されたデータはフレキシブルプリント基板605を介して、基板601に送られ、演算処理された後、無線によって、体外に送られる。
【0060】
パッケージ606は体内に埋め込まれる場合を想定し、気密性の高いものである必要がある。撮像を行うため、LED607及びレンズ609の周囲のパッケージは透明である必要がある。また、パッケージは生体に悪影響を及ぼさない材質のものである必要がある。ボタン型二次電池を使用した場合、パッケージは1cm程度にすることが可能であり、人間が飲み込むことも可能である。
【0061】
このように、気密性の高いものでは、頻繁に開封することはできない。したがって、電池を充電ができない一次電池を用いると、電池が消耗した場合、センシング装置が使用不可能になってしまう。本発明のように二次電池に対して、無線で充電が可能であれば、電池の消耗を考えずに使用することができる。また、生体の中にあるときでも、生体の外部から、充電を行うことが可能である。特にLEDのように消費電力の大きなものを搭載する場合にはその効果は大きい。
【0062】
このようにして本発明の無線センシング装置を用いることで、身体情報を無線通信で読み出すことができる。
【0063】
また本実施例は、実施の形態1乃至実施の形態3、実施例1と組み合わせて実施することが可能である。
【実施例3】
【0064】
本発明の第3の実施例を図8に示す。図8は本発明の無線センシング装置の断面を示したものである。図8に示す無線センシング装置は基板601、アンテナ602、フェライト603、薄膜二次電池801、フレキシブルプリント基板605、パッケージ606を有する。基板601は前述した整流回路、復調回路、論理回路、変調回路、発振回路などを形成した基板である。基板の材質は単結晶シリコン基板、ガラス基板、プラスチック基板などが望ましいが、これには限定されない。
【0065】
アンテナ602は基板601上に形成しているが、これには限定されずアンテナ602専用の基板を設けても良い。フェライト603は必ずしも必要ではない。しかしフェライト603を用いることで、磁束を用いた通信を行う場合において、磁束の回り込みを良くして、感度を上げることができる。薄膜二次電池801は薄膜リチウムイオン二次電池を使用している。薄膜リチウムイオン電池を用いることによって、二次電池の厚さを1mm以下にすることが可能である。フレキシブルプリント基板605は基板601と薄膜二次電池801を電気的に接続するためのものである。本実施例の無線センシング装置では全体の厚さを2mm以下にすることも可能であり、人体の皮膚の下に埋め込むことも可能である。
【0066】
パッケージ606は体内に埋め込まれる場合を想定し、気密性の高いものである必要がある。このように、気密性の高いものでは、頻繁に開封することはできない。したがって、電池を充電ができない一次電池を用いると、電池が消耗した場合、センシング装置が使用不可能になってしまう。本発明のように二次電池に対して、無線で充電が可能であれば、電池の消耗を考えずに使用することができる。また、人体の中にあるときでも、人体の外部から、充電を行うことが可能である。
【0067】
本発明の無線センシング装置を用いることで、このように、無線通信を用いて身体情報を取り出すことが可能となる。
【0068】
また本実施例は、実施の形態1乃至実施の形態3、実施例1、実施例2と組み合わせて実施することが可能である。
【実施例4】
【0069】
本発明の第4の実施例を図9に示す。図9に示すのは回路を設けた基板の上面図である。基板601は、単結晶シリコン基板、ガラス基板、プラスチック基板などを用いることが出来るが、これらに限定するものではない。
【0070】
回路901、回路902、回路903、回路904、回路905、回路906は基板601上に形成された回路を示している。回路901〜回路906には、例えば図1に示した発振回路、変調回路、復調回路、論理回路、AD変換回路、センサー回路、メモリ回路、整流回路、充電回路または安定化電源回路などが含まれる。回路901〜回路906上にアンテナ602が形成されている。そして、二次電池または電気二重層コンデンサなどのバッテリーと接続するためのフレキシブルプリント基板605が、基板601上の回路901、回路902、回路903、回路904、回路905、回路906に電気的に接続されている。
【0071】
また本実施例は、実施の形態1乃至実施の形態3、実施例1乃至実施例3と組み合わせて実施することが可能である。
【実施例5】
【0072】
本発明の第5の実施例を図12に示す。図12は薄膜二次電池の断面図を示したものである。以下、実施例3に用いた薄膜二次電池について説明を行う。二次電池としてはニッカド電池、リチウムイオン二次電池、鉛電池などがあるが、メモリ効果がない、電流量が大きく取れるなどの利点からリチウムイオン電池が広く用いられている。
【0073】
また、リチウムイオン電池は近年、薄膜化の研究がおこなわれており、厚さ1μm〜数μmのものも作られつつある。このような薄膜二次電池はフレキシブルな二次電池として活用できる。
【0074】
基板7101上に電極となる集電体薄膜7102を成膜する。集電体薄膜7102は、負極活物質層7103と密着性が高いこと、また抵抗が小さいことが求められる。具体的に集電体薄膜7102として、アルミニウム、銅、ニッケル、バナジウムなどを用いることができる。
【0075】
集電体薄膜7102上に負極活物質層7103を成膜する。一般に負極活物質層7103は酸化バナジウムなどが用いられる。その上に固体電解質層7104を成膜する。一般に固体電解質層7104はリン酸リチウムなどが用いられる。その上に正極活物質層7105を成膜する。一般に正極活物質層7105はマンガン酸リチウムなどが用いられる。コバルト酸リチウムやニッケル酸リチウムを用いても良い。その上に電極となる集電体薄膜7106を成膜する。集電体薄膜7106は正極活物質層7105と密着性がよく、抵抗が小さいことが求められ、アルミニウム、銅、ニッケル、バナジウムなどを用いることができる。これらの各薄膜層はスパッタ技術を用いて形成しても良いし、蒸着技術を用いても良い。それぞれの厚さは0.1um〜3umが望ましい。
【0076】
次に以下に充電時、放電時の動作を説明する。充電時には、正極活物質層7105からリチウムがイオンとなって離脱する。そのリチウムイオンは固体電解質層7104を介して負極活物質層7103に吸収される。このときに、正極活物質層7105から外部へ電子が放出される。放電時には、負極活物質層7103からリチウムがイオンとなって離脱する。そのリチウムイオンは固体電解質層7104を介して、正極活物質層7105に吸収される。このとき負極活物質層7103から外部に電子が放出される。この様にして薄膜二次電池は動作する。このような薄膜二次電池を使用することにより、小型、軽量なバッテリーを構成することができる。
【0077】
また本実施例は、実施の形態1乃至実施の形態3、実施例1乃至実施例4と組み合わせて実施することが可能である。
【実施例6】
【0078】
本発明の第6の実施例を図10、図11に示す。本実施例は電気二重層コンデンサについて説明を行うものである。電気二重層コンデンサの構造を図10(A)に示す。
【0079】
電解液1004中に陽極1001、陰極1002の2つの電極をいれ、該電極間に電圧を印加する。陽極1001と陰極1002の間には、電解液中で短絡しないようにセパレータ1003を配置する。電解液1004の種類にもよるが、一般的には1V付近を超えると電気分解が始まり、電極間に電流が流れる。しかし、電極間電圧が低い場合は、電気分解はおこらない。このとき、図10(A)に示すように電極の周囲には分極したイオン1005の層ができる。この分極したイオン1005の層を電気二重層と呼び、図10(B)に示すように、この層をコンデンサ1006として用いることができる。電気二重層を用いたコンデンサには以下の特徴がある。
【0080】
分極したイオン層は非常に薄いため、電極の表面積を大きく取れれば容量値の大きなコンデンサを作ることができる。最も薄い電気二重層は分子1個分の厚さである。
【0081】
電極の表面積を大きくするため、図11(A)に示すように活性炭1101を陽極1001及び陰極1002の表面に貼り付けて、活性炭表面も電極として用いる。活性炭1101は表面積が大きいため、大面積の電気二重層を形成するためには都合が良い。図11(B)に活性炭1101の拡大図を示す。活性炭1101の表面に分極したイオン1005が形成され、これらがコンデンサ1006として機能する。電気分解がおきる電圧よりも低い電圧でのみコンデンサとしての機能が確保できるため、耐圧は低いという短所があるが、このような電気二重層コンデンサを用いることによって、小体積で、容量値の大きなコンデンサを得ることができる。具体的には0.1F以上のコンデンサをコイン程度の大きさで実現することが可能である。
【0082】
また本実施例は、実施の形態1乃至実施の形態3、実施例1乃至実施例5と組み合わせて実施することが可能である。
【実施例7】
【0083】
本発明の第7の実施例を図13に示す。図13は光センサーの具体例である。
【0084】
図13(A)に光センサーの断面図を示す。本実施例の光センサーはPINダイオードを用いたものである。基板1301上に透明導電膜1302を成膜する。次にP型アモルファスシリコン1303、I型アモルファスシリコン1304、N型アモルファスシリコン1305、電極1306を成膜し、所定の形状に加工(パターニング)する。続いて層間膜1309を成膜し、透明導電膜1302の一部及び電極1306の一部が露出するように層間膜1309にコンタクトホールを形成する。そして、コンタクトホールにおいて透明導電膜1302に接続された電極1308、同じくコンタクトホールにおいて電極1306に接続された電極1307を形成する。
【0085】
図13(B)は、センサー回路内における光センサーと他の素子との接続関係を示したものである。PINダイオード1310に抵抗1311を接続し、電源1312よりPINダイオード1310に逆バイアスの電圧を印加する。PINダイオード1310に光が照射されると、PINダイオード1310に光電流が流れ、抵抗1311の端子間に電圧Vrが発生する。この電圧Vrを読み取ることによって、光の量が検出できる。
【0086】
また本実施例は、実施の形態1乃至実施の形態3、実施例1乃至実施例6と組み合わせて実施することが可能である。
【実施例8】
【0087】
本発明の第8の実施例を図14に示す。図14は圧力センサーの実施例である。本実施例の圧力センサーは、半導体を用いて形成された抵抗(半導体抵抗)1401〜1404、差動アンプ1405、電源端子1406、1407、出力端子1408を有する。
【0088】
抵抗1401と抵抗1402は、電源端子1406と電源端子1407の間に直列に接続されている。また抵抗1403と抵抗1404も、電源端子1406と電源端子1407の間に直列に接続されている。そして抵抗1401及び抵抗1402と、抵抗1403及び抵抗1404とは並列に接続されている。また抵抗1401と抵抗1402は、抵抗1401と抵抗1402間の電位が差動アンプ1405の非反転入力端子(+)に与えられるように、差動アンプ1405と接続されている。また抵抗1403と抵抗1404は、抵抗1403と抵抗1404間の電位が差動アンプ1405の反転入力端子(−)に与えられるように、差動アンプ1405と接続されている。
【0089】
一般的に半導体抵抗は、応力を受けるとピエゾ効果によってその抵抗値が変化する。本実施例の圧力センサーでは、圧力センサーに圧力が加わると、抵抗1401〜1404のそれぞれに異なる圧力が加わるようにする。圧力が加わると差動アンプの反転入力端子(−)と非反転入力端子(+)に与えられる電位が変化し、その電位差を増幅することによって、圧力の有無を検出することが可能となる。この圧力センサーを前述した無線センシング装置に用いることによって、センサー回路で得られた情報を無線で発信することができる。
【0090】
尚、本発明において用いられる圧力センサーは本実施例で示した構成に限定されず、他の構成を有する回路であっても良い。
【0091】
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、センシングされた情報を発信する無線センシング装置として適用することが可能である。また本実施例は、実施の形態1乃至実施の形態3、実施例1乃至実施例7と組み合わせて実施することが可能である。
【実施例9】
【0092】
次に、本発明の無線センシング装置の作製方法について詳しく述べる。なお本実施例では薄膜トランジスタ(TFT)を半導体素子の一例として示すが、本発明の無線センシング装置に用いられる半導体素子はこれに限定されない。例えばTFTの他に、記憶素子、ダイオード、抵抗、コイル、容量、インダクタなどを用いることができる。
【0093】
なお本実施例ではバッテリーとして実施例5に示した薄膜二次電池を用い、アンテナとバッテリーと半導体素子とを全て同じ基板上に形成する例について説明する。アンテナ、バッテリー及び半導体素子を全て同じ基板上に形成することで、無線センシング装置を小型化することが出来る。なお本発明はこの構成に限定されず、アンテナまたはバッテリーと半導体素子とを別途形成した後、電気的に接続するようにしても良い。
【0094】
まず図15(A)に示すように、耐熱性を有する基板700上に、絶縁膜701、剥離層702、下地膜として機能する絶縁膜703と、半導体膜704とを順に形成する。絶縁膜701、剥離層702、絶縁膜703及び半導体膜704は連続して形成することが可能である。
【0095】
基板700として、例えばバリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板、セラミック基板等を用いることができる。また、ステンレス基板を含む金属基板、またはシリコン基板等の半導体基板を用いても良い。プラスチック等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板は、一般的に上記基板と比較して耐熱温度は低い傾向にあるが、作製工程における処理温度に耐え得るのであれば用いることが可能である。
【0096】
プラスチック基板として、ポリエチレンテレフタレート(PET)に代表されるポリエステル、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリイミド、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂などが挙げられる。
【0097】
なお本実施例では、剥離層702を基板700上の全面に設けているが本発明はこの構成に限定されない。例えばフォトリソグラフィ法などを用いて、基板700上において剥離層702を部分的に形成する様にしても良い。
【0098】
絶縁膜701、絶縁膜703は、CVD法やスパッタリング法等を用いて、酸化珪素、窒化珪素(SiNx、Si等)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y>0)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y>0)等の絶縁性を有する材料を用いて形成する。
【0099】
絶縁膜701、絶縁膜703は、基板700中に含まれるNaなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属が半導体膜704中に拡散し、TFTなどの半導体素子の特性に悪影響を及ぼすのを防ぐために設ける。また絶縁膜703は、剥離層702に含まれる不純物元素が半導体膜704中に拡散するのも防ぎ、なおかつ後の半導体素子を剥離する工程において、半導体素子を保護する役目も有している。
【0100】
絶縁膜701、絶縁膜703は、単数の絶縁膜を用いたものであっても、複数の絶縁膜を積層して用いたものであっても良い。本実施例では、膜厚100nmの酸化窒化珪素膜、膜厚50nmの窒化酸化珪素膜、膜厚100nmの酸化窒化珪素膜を順に積層して絶縁膜703を形成するが、各膜の材質、膜厚、積層数は、これに限定されるものではない。例えば、下層の酸化窒化珪素膜に代えて、膜厚0.5〜3μmのシロキサン系樹脂をスピンコート法、スリットコーター法、液滴吐出法、印刷法などによって形成しても良い。また、中層の窒化酸化珪素膜に代えて、窒化珪素膜(SiNx、Si等)を用いてもよい。また、上層の酸化窒化珪素膜に代えて、酸化珪素膜を用いていても良い。また、それぞれの膜厚は、0.05〜3μmとするのが望ましく、その範囲から自由に選択することができる。
【0101】
或いは、剥離層702に最も近い、絶縁膜703の下層を酸化窒化珪素膜または酸化珪素膜で形成し、中層をシロキサン系樹脂で形成し、上層を酸化珪素膜で形成しても良い。
【0102】
なおシロキサン系樹脂とは、シロキサン系材料を出発材料として形成されたSi−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサン系樹脂は、置換基に水素の他、フッ素、アルキル基、または芳香族炭化水素のうち、少なくとも1種を有していても良い。
【0103】
酸化珪素膜は、SiH/O、TEOS(テトラエトキシシラン)/O等の混合ガスを用い、熱CVD、プラズマCVD、常圧CVD、バイアスECRCVD等の方法によって形成することができる。また、窒化珪素膜は、代表的には、SiH/NHの混合ガスを用い、プラズマCVDによって形成することができる。また、酸化窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜は、代表的には、SiH/NOの混合ガスを用い、プラズマCVDによって形成することができる。
【0104】
剥離層702は、金属膜、金属酸化膜、金属膜と金属酸化膜とを積層して形成される膜を用いることができる。金属膜と金属酸化膜は、単層であっても良いし、複数の層が積層された積層構造を有していても良い。また、金属膜や金属酸化膜の他に、金属窒化物や金属酸化窒化物を用いてもよい。剥離層702は、スパッタ法やプラズマCVD法等の各種CVD法等を用いて形成することができる。
【0105】
剥離層702に用いられる金属としては、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)またはイリジウム(Ir)等が挙げられる。剥離層702は、上記金属で形成された膜の他に、上記金属を主成分とする合金で形成された膜、或いは上記金属を含む化合物を用いて形成された膜を用いても良い。
【0106】
また剥離層702は珪素(Si)単体で形成された膜を用いても良いし、珪素(Si)を主成分とする化合物で形成された膜を用いても良い。或いは、珪素(Si)と上記金属とを含む合金で形成された膜を用いても良い。珪素を含む膜は、非晶質、微結晶、多結晶のいずれでもよい。
【0107】
剥離層702は、上述した膜を単層で用いても良いし、上述した複数の膜を積層して用いても良い。金属膜と金属酸化膜とが積層された剥離層702は、元となる金属膜を形成した後、該金属膜の表面を酸化または窒化させることで形成することができる。具体的には、酸素雰囲気中またはNO雰囲気中で元となる金属膜にプラズマ処理を行ったり、酸素雰囲気中またはNO雰囲気中で金属膜に加熱処理を行ったりすればよい。また元となる金属膜上に接するように、酸化珪素膜または酸化窒化珪素膜を形成することでも、酸化を行うことが出来る。また元となる金属膜上に接するように、酸化窒化珪素膜、窒化珪素膜を形成することで、窒化を行うことが出来る。
【0108】
金属膜の酸化または窒化を行うプラズマ処理として、プラズマ密度が1×1011cm−3以上、好ましくは1×1011cm−3から9×1015cm−3以下であり、マイクロ波(例えば周波数2.45GHz)などの高周波を用いた高密度プラズマ処理を行っても良い。
【0109】
なお元となる金属膜の表面を酸化することで、金属膜と金属酸化膜とが積層した剥離層702を形成するようにしても良いが、金属膜を形成した後に金属酸化膜を別途形成するようにしても良い。
【0110】
例えば金属としてタングステンを用いる場合、スパッタ法やCVD法等により元となる金属膜としてタングステン膜を形成した後、該タングステン膜にプラズマ処理を行う。これにより、金属膜に相当するタングステン膜と、該金属膜に接し、なおかつタングステンの酸化物で形成された金属酸化膜とを、形成することができる。
【0111】
なおタングステンの酸化物はWOxで表される。xは2以上3以下の範囲内にあり、xが2の場合(WO)、xが2.5の場合(W)、xが2.75の場合(W11)、xが3の場合(WO)となる。タングステンの酸化物を形成するにあたりxの値に特に制約はなく、エッチングレート等をもとにxの値を定めれば良い。
【0112】
半導体膜704は、絶縁膜703を形成した後、大気に曝さずに形成することが望ましい。半導体膜704の膜厚は20〜200nm(望ましくは40〜170nm、好ましくは50〜150nm)とする。なお半導体膜704は、非晶質半導体であっても良いし、多結晶半導体であっても良い。また半導体は珪素だけではなくシリコンゲルマニウムも用いることができる。シリコンゲルマニウムを用いる場合、ゲルマニウムの濃度は0.01〜4.5atomic%程度であることが好ましい。
【0113】
なお半導体膜704は、公知の技術により結晶化しても良い。公知の結晶化方法としては、レーザ光を用いたレーザ結晶化法、触媒元素を用いる結晶化法がある。或いは、触媒元素を用いる結晶化法とレーザ結晶化法とを組み合わせて用いることもできる。また、基板700として石英のような耐熱性に優れている基板を用いる場合、電熱炉を使用した熱結晶化方法、赤外光を用いたランプアニール結晶化法、触媒元素を用いる結晶化法と、950℃程度の高温アニールを組み合わせた結晶法を用いても良い。
【0114】
例えばレーザ結晶化を用いる場合、レーザ結晶化の前に、レーザに対する半導体膜704の耐性を高めるために、550℃、4時間の加熱処理を該半導体膜704に対して行なう。そして連続発振が可能な固体レーザを用い、基本波の第2高調波〜第4高調波のレーザ光を照射することで、大粒径の結晶を得ることができる。例えば、代表的には、Nd:YVOレーザ(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を用いるのが望ましい。具体的には、連続発振のYVOレーザから射出されたレーザ光を非線形光学素子により高調波に変換し、出力10Wのレーザ光を得る。そして、好ましくは光学系により照射面にて矩形状または楕円形状のレーザ光に成形して、半導体膜704に照射する。このときのエネルギー密度は0.01〜100MW/cm程度(好ましくは0.1〜10MW/cm)が必要である。そして、走査速度を10〜2000cm/sec程度とし、照射する。
【0115】
連続発振の気体レーザとして、Arレーザ、Krレーザなどを用いることが出来る。また連続発振の固体レーザとして、YAGレーザ、YVOレーザ、YLFレーザ、YAlOレーザ、フォルステライト(MgSiO)レーザ、GdVOレーザ、Yレーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザなどを用いることが出来る。
【0116】
またパルス発振のレーザとして、例えばArレーザ、Krレーザ、エキシマレーザ、COレーザ、YAGレーザ、Yレーザ、YVOレーザ、YLFレーザ、YAlOレーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザ、銅蒸気レーザまたは金蒸気レーザを用いることができる。
【0117】
また、パルス発振のレーザ光の発振周波数を10MHz以上とし、通常用いられている数十Hz〜数百Hzの周波数帯よりも著しく高い周波数帯を用いてレーザ結晶化を行なっても良い。パルス発振でレーザ光を半導体膜704に照射してから半導体膜704が完全に固化するまでの時間は数十nsec〜数百nsecと言われている。よって上記周波数を用いることで、半導体膜704がレーザ光によって溶融してから固化するまでに、次のパルスのレーザ光を照射できる。したがって、半導体膜704中において固液界面を連続的に移動させることができるので、走査方向に向かって連続的に成長した結晶粒を有する半導体膜704が形成される。具体的には、含まれる結晶粒の走査方向における幅が10〜30μm、走査方向に対して垂直な方向における幅が1〜5μm程度の結晶粒の集合を形成することができる。該走査方向に沿って連続的に成長した単結晶の結晶粒を形成することで、少なくともTFTのチャネル方向には結晶粒界のほとんど存在しない半導体膜704の形成が可能となる。
【0118】
なおレーザ結晶化は、連続発振の基本波のレーザ光と連続発振の高調波のレーザ光とを並行して照射するようにしても良いし、連続発振の基本波のレーザ光とパルス発振の高調波のレーザ光とを並行して照射するようにしても良い。
【0119】
なお、希ガスや窒素などの不活性ガス雰囲気中でレーザ光を照射するようにしても良い。これにより、レーザ光照射による半導体表面の荒れを抑えることができ、界面準位密度のばらつきによって生じるTFTの閾値電圧のばらつきを抑えることができる。
【0120】
上述したレーザ光の照射により、結晶性がより高められた半導体膜704が形成される。なお、予め半導体膜704に、スパッタ法、プラズマCVD法、熱CVD法などで形成した多結晶半導体を用いるようにしても良い。
【0121】
また本実施例では半導体膜704を結晶化しているが、結晶化せずに非晶質珪素膜または微結晶半導体膜のまま、後述のプロセスに進んでも良い。非晶質半導体、微結晶半導体を用いたTFTは、多結晶半導体を用いたTFTよりも作製工程が少ない分、コストを抑え、歩留まりを高くすることができるというメリットを有している。
【0122】
また、貼り合わせ法またはSIMOX(Separation by Implanted Oxygen)法で絶縁膜上に形成された単結晶の半導体膜(SOI:Silicon on Insulator)を、TFTの活性層として用いても良い。
【0123】
非晶質半導体は、珪素を含む気体をグロー放電分解することにより得ることができる。珪素を含む気体としては、SiH、Siが挙げられる。この珪素を含む気体を、水素、水素及びヘリウムで希釈して用いても良い。
【0124】
次に図15(B)に示すように、半導体膜704を所定の形状に加工(パターニング)し、島状の半導体膜705〜709を形成する。そして、島状の半導体膜705〜709を覆うように、ゲート絶縁膜710を形成する。ゲート絶縁膜710は、プラズマCVD法またはスパッタリング法などを用い、窒化珪素、酸化珪素、窒化酸化珪素または酸化窒化珪素を含む膜を、単層で、または積層させて形成することができる。積層する場合には、例えば、基板700側から酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化珪素膜の3層構造とするのが好ましい。
【0125】
ゲート絶縁膜710は、高密度プラズマ処理を行うことにより島状の半導体膜705〜709の表面を酸化または窒化することで形成しても良い。高密度プラズマ処理は、例えばHe、Ar、Kr、Xeなどの希ガスと酸素、酸化窒素、アンモニア、窒素、水素などの混合ガスとを用いて行う。この場合プラズマの励起をマイクロ波の導入により行うことで、低電子温度で高密度のプラズマを生成することができる。このような高密度のプラズマで生成された酸素ラジカル(OHラジカルを含む場合もある)や窒素ラジカル(NHラジカルを含む場合もある)によって、半導体膜の表面を酸化または窒化することにより、1〜20nm、代表的には5〜10nmの絶縁膜が半導体膜に接するように形成される。この5〜10nmの絶縁膜をゲート絶縁膜710として用いる。
【0126】
上述した高密度プラズマ処理による半導体膜の酸化または窒化は固相反応で進むため、ゲート絶縁膜と半導体膜の界面準位密度をきわめて低くすることができる。また高密度プラズマ処理により半導体膜を直接酸化または窒化することで、形成される絶縁膜の厚さのばらつきを抑えることが出来る。また半導体膜が結晶性を有する場合、高密度プラズマ処理を用いて半導体膜の表面を固相反応で酸化させることにより、結晶粒界においてのみ酸化が速く進んでしまうのを抑え、均一性が良く、界面準位密度の低いゲート絶縁膜を形成することができる。高密度プラズマ処理により形成された絶縁膜を、ゲート絶縁膜の一部または全部に含んで形成されるトランジスタは、特性のばらつきを抑えることができる。
【0127】
次に図15(C)に示すように、ゲート絶縁膜710上に導電膜を形成した後、該導電膜を所定の形状に加工(パターニング)することで、島状の半導体膜705〜709の上方にゲート電極711を形成する。本実施例では積層された2つの導電膜をパターニングしてゲート電極711を形成する。導電膜は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等の金属を用いることが出来る。また上記金属を主成分とする合金を用いても良いし、上記金属を含む化合物を用いても良い。または、半導体膜に一導電型を付与するリン等の不純物元素をドーピングした、多結晶珪素などの半導体を用いて形成しても良い。
【0128】
本実施例では、1層目の導電膜として窒化タンタル膜またはタンタル(Ta)膜を、2層目の導電膜としてタングステン(W)膜を用いる。2つの導電膜の組み合わせとして、本実施例で示した例の他に、窒化タングステン膜とタングステン膜、窒化モリブデン膜とモリブデン膜、アルミニウム膜とタンタル膜、アルミニウム膜とチタン膜等が挙げられる。タングステンや窒化タンタルは、耐熱性が高いため、2層の導電膜を形成した後の行程において、熱活性化を目的とした加熱処理を行うことができる。また、他の2層の導電膜の組み合わせとして、例えば、n型を付与する不純物がドーピングされた珪素とニッケルシリサイド、n型を付与する不純物がドーピングされた珪素とタングステンシリサイド等も用いることが出来る。
【0129】
また、本実施例ではゲート電極711を積層された2つの導電膜で形成しているが、本発明はこの構成に限定されない。ゲート電極711は単層の導電膜で形成されていても良いし、3つ以上の導電膜を積層することで形成されていても良い。3つ以上の導電膜を積層する3層構造の場合は、モリブデン膜とアルミニウム膜とモリブデン膜の積層構造を採用するとよい。
【0130】
導電膜の形成にはCVD法、スパッタリング法等を用いることが出来る。本実施例では1層目の導電膜を20〜100nmの厚さで形成し、2層目の導電膜を100〜400nmの厚さで形成する。
【0131】
なおゲート電極711を形成する際に用いるマスクとして、レジストの代わりに酸化珪素、酸化窒化珪素等をマスクとして用いてもよい。この場合、パターニングして酸化珪素、酸化窒化珪素等のマスクを形成する工程が加わるが、エッチング時におけるマスクの膜減りがレジストよりも少ないため、所望の幅を有するゲート電極711を形成することができる。またマスクを用いずに、液滴吐出法を用いて選択的にゲート電極711を形成しても良い。
【0132】
なお液滴吐出法とは、所定の組成物を含む液滴を細孔から吐出または噴出することで所定のパターンを形成する方法を意味し、インクジェット法などがその範疇に含まれる。
【0133】
次に、ゲート電極711をマスクとして、島状の半導体膜705〜709に、n型を付与する不純物元素(代表的にはP(リン)またはAs(砒素))を低濃度にドープする(第1のドーピング工程)。第1のドーピング工程の条件は、ドーズ量:1×1015〜1×1019/cm、加速電圧:50〜70keVとしたが、これに限定されるものではない。この第1のドーピング工程によって、ゲート絶縁膜710を介してドーピングがなされ、島状の半導体膜705〜709に、一対のn型の低濃度不純物領域712がそれぞれ形成される。なお、第1のドーピング工程は、pチャネル型TFTとなる島状の半導体膜708をマスクで覆って行っても良い。
【0134】
次に図15(D)に示すように、nチャネル型TFTとなる島状の半導体膜705〜707、709を覆うように、マスク770を形成する。そしてマスク770に加えてゲート電極711をマスクとして用い、島状の半導体膜708に、p型を付与する不純物元素(代表的にはB(ホウ素))を高濃度にドープする(第2のドーピング工程)。第2のドーピング工程の条件は、ドーズ量:1×1019〜1×1020/cm、加速電圧:20〜40keVとして行なう。この第2のドーピング工程によって、ゲート絶縁膜710を介してドーピングがなされ、島状の半導体膜708に、一対のp型の高濃度不純物領域713が形成される。
【0135】
次に図16(A)に示すように、マスク770をアッシング等により除去した後、ゲート絶縁膜710及びゲート電極711を覆うように、絶縁膜を形成する。該絶縁膜は、プラズマCVD法やスパッタリング法等により、珪素膜、酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜または窒化酸化珪素膜や、有機樹脂などの有機材料を含む膜を、単層または積層して形成する。本実施例では、膜厚100nmの酸化珪素膜をプラズマCVD法によって形成する。
【0136】
そして、垂直方向を主体とした異方性エッチングにより、ゲート絶縁膜710及び該絶縁膜を部分的にエッチングする。上記異方性エッチングによりゲート絶縁膜710が部分的にエッチングされて、島状の半導体膜705〜709上に部分的に形成されたゲート絶縁膜714が形成される。また上記異方性エッチングにより絶縁膜が部分的にエッチングされて、ゲート電極711の側面に接するサイドウォール715が形成される。サイドウォール715は、LDD(Lightly Doped drain)領域を形成する際のドーピング用のマスクとして用いる。本実施例ではエッチングガスとしては、CHFとHeの混合ガスを用いる。なお、サイドウォール715を形成する工程は、これらに限定されるものではない。
【0137】
次にpチャネル型TFTとなる島状の半導体膜708を覆うようにマスクを形成する。そして、形成したマスクに加えてゲート電極711及びサイドウォール715をマスクとして用い、n型を付与する不純物元素(代表的にはPまたはAs)を高濃度にドープする(第3のドーピング工程)。第3のドーピング工程の条件は、ドーズ量:1×1019〜1×1020/cm、加速電圧:60〜100keVとして行なう。この第3のドーピング工程によって、島状の半導体膜705〜707、709に、一対のn型の高濃度不純物領域716がそれぞれ形成される。
【0138】
なおサイドウォール715は、後に高濃度のn型を付与する不純物をドーピングし、サイドウォール715の下部に低濃度不純物領域またはノンドープのオフセット領域を形成する際のマスクとして機能するものである。よって、低濃度不純物領域またはオフセット領域の幅を制御するには、サイドウォール715を形成する際の異方性エッチングの条件または絶縁膜の膜厚を適宜変更し、サイドウォール715のサイズを調整すればよい。
【0139】
次に、マスクをアッシング等により除去した後、不純物領域の加熱処理による活性化を行っても良い。例えば、50nmの酸化窒化珪素膜を形成した後、550℃、4時間、窒素雰囲気中において、加熱処理を行なえばよい。
【0140】
また、水素を含む窒化珪素膜を、100nmの膜厚に形成した後、410℃、1時間、窒素雰囲気中において加熱処理を行ない、島状の半導体膜705〜709を水素化する工程を行なっても良い。或いは、水素を含む雰囲気中で、300〜450℃で1〜12時間の加熱処理を行ない、島状の半導体膜705〜709を水素化する工程を行なっても良い。加熱処理には、熱アニール法、レーザーアニール法またはRTA法などを用いることが出来る。加熱処理により、水素化のみならず、半導体膜に添加された不純物元素の活性化も行うことが出来る。また、水素化の他の手段として、プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素を用いる)を行っても良い。この水素化の工程により、熱的に励起された水素によりダングリングボンドを終端することができる。
【0141】
上述した一連の工程により、nチャネル型TFT717〜720、pチャネル型TFT721が形成される。
【0142】
次に図16(B)に示すように、TFT717〜721を保護するためのパッシベーション膜として機能する絶縁膜722を形成する。絶縁膜722は必ずしも設ける必要はないが、絶縁膜722を形成することで、アルカリ金属やアルカリ土類金属などの不純物がTFT717〜721へ侵入するのを防ぐことが出来る。具体的に絶縁膜722として、窒化珪素、窒化酸化珪素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化窒化珪素膜などを用いるのが望ましい。本実施例では、膜厚600nm程度の酸化窒化珪素膜を、絶縁膜722として用いる。この場合、上記水素化の工程は、該酸化窒化珪素膜形成後に行っても良い。
【0143】
次に、TFT717〜721を覆うように、絶縁膜722上に絶縁膜723を形成する。絶縁膜723は、ポリイミド、アクリル、ベンゾシクロブテン、ポリアミド、エポキシ等の、耐熱性を有する有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)、シロキサン系樹脂、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)、アルミナ等を用いることができる。シロキサン系樹脂は、置換基に水素の他、フッ素、アルキル基、または芳香族炭化水素のうち少なくとも1種を有していても良い。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、絶縁膜723を形成しても良い。
【0144】
絶縁膜723の形成には、その材料に応じて、CVD法、スパッタ法、SOG法、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法、スクリーン印刷、オフセット印刷等)、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテンコーター、ナイフコーター等を用いることができる。
【0145】
次に島状の半導体膜705〜709がそれぞれ一部露出するように絶縁膜722及び絶縁膜723にコンタクトホールを形成する。そして、該コンタクトホールを介して島状の半導体膜705〜709に接するように、導電膜724〜733を形成する。コンタクトホール開口時のエッチングに用いられるガスは、CHFとHeの混合ガスを用いたが、これに限定されるものではない。
【0146】
導電膜724〜733は、CVD法やスパッタリング法等により形成することができる。具体的に導電膜724〜733として、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、ネオジウム(Nd)、炭素(C)、珪素(Si)等を用いることが出来る。また上記金属を主成分とする合金を用いても良いし、上記金属を含む化合物を用いても良い。導電膜724〜733は、上記金属が用いられた膜を単層または複数積層させて形成することが出来る。
【0147】
アルミニウムを主成分とする合金の例として、アルミニウムを主成分としニッケルを含むものが挙げられる。また、アルミニウムを主成分とし、ニッケルと、炭素または珪素の一方または両方とを含むものも例として挙げることが出来る。アルミニウムやアルミニウムシリコンは抵抗値が低く、安価であるため、導電膜724〜733を形成する材料として最適である。特にアルミニウムシリコン(Al−Si)膜は、導電膜724〜733をパターニングするとき、レジストベークにおけるヒロックの発生をアルミニウム膜に比べて防止することができる。また、珪素(Si)の代わりに、アルミニウム膜に0.5%程度のCuを混入させても良い。
【0148】
導電膜724〜733は、例えば、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜とバリア膜の積層構造、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜と窒化チタン膜とバリア膜の積層構造を採用するとよい。なお、バリア膜とは、例えば、チタン、チタンの窒化物、モリブデンまたはモリブデンの窒化物等を用いて形成された膜である。アルミニウムシリコン(Al−Si)膜を間に挟むようにバリア膜を形成すると、アルミニウムやアルミニウムシリコンのヒロックの発生をより防止することができる。また、還元性の高い元素であるチタンを用いてバリア膜を形成すると、島状の半導体膜705〜709上に薄い酸化膜ができていたとしても、バリア膜に含まれるチタンがこの酸化膜を還元し、導電膜724〜733と島状の半導体膜705〜709が良好なコンタクトをとることができる。またバリア膜を複数積層するようにして用いても良い。その場合、例えば、導電膜724〜733をチタン、窒化チタン、アルミニウムシリコン、チタン、窒化チタンの順に積層された5層構造とすることが出来る。
【0149】
なお、導電膜724、725はnチャネル型TFT717の高濃度不純物領域716に接続されている。導電膜726、727はnチャネル型TFT718の高濃度不純物領域716に接続されている。導電膜728、729はnチャネル型TFT719の高濃度不純物領域716に接続されている。導電膜730、731はpチャネル型TFT721の高濃度不純物領域713に接続されている。導電膜732、733はnチャネル型TFT720の高濃度不純物領域716に接続されている。
【0150】
次に図16(C)に示すように、導電膜724〜733を覆うように絶縁膜734を形成し、その後、導電膜724、726、728、733の一部がそれぞれ露出するように、該絶縁膜734にコンタクトホールを形成する。そして該コンタクトホールおいて導電膜724、726、728、733と接するように、導電膜735〜738を形成する。導電膜724〜733に用いることが出来る材料であるならば、導電膜735〜738の材料として使用することが出来る。
【0151】
絶縁膜734は、有機樹脂膜、無機絶縁膜またはシロキサン系絶縁膜を用いて形成することができる。有機樹脂膜ならば、例えばアクリル、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテンなどを用いることが出来る。無機絶縁膜ならば酸化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)に代表される炭素を含む膜などを用いることができる。なおフォトリソグラフィ法で開口部を形成するのに用いるマスクを、液滴吐出法または印刷法で形成することができる。また絶縁膜734はその材料に応じて、CVD法、スパッタ法、液滴吐出法または印刷法でなどで形成することが出来る。
【0152】
次にアンテナとして機能する導電膜739と、配線として機能する導電膜740〜742を、導電膜735〜738と接するように形成する。本実施例では、導電膜737と導電膜739が接している。また導電膜735と導電膜740が接している。また、導電膜736と導電膜741が接している。また、導電膜738と導電膜742が接している。
【0153】
導電膜739〜742は、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)などの金属を用いて形成することが出来る。導電膜739〜742は、上記金属で形成された膜の他に、上記金属を主成分とする合金で形成された膜、或いは上記金属を含む化合物を用いて形成された膜を用いても良い。導電膜739〜742は、上述した膜を単層で用いても良いし、上述した複数の膜を積層して用いても良い。
【0154】
導電膜739〜742は、CVD法、スパッタリング法、スクリーン印刷やグラビア印刷等の印刷法、液滴吐出法、ディスペンサ法、めっき法、フォトリソグラフィ法、蒸着法等を用いて形成することが出来る。
【0155】
例えばスクリーン印刷法を用いる場合、粒径が数nmから数十μmの導電性を有する粒子(導電体粒子)を有機樹脂に分散させた導電性のペーストを、絶縁膜734上に選択的に印刷することで導電膜739〜742を形成することができる。導電体粒子は、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、錫(Sn)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)またはチタン(Ti)等を用いて形成することが出来る。導電体粒子は上記金属で形成されたものの他に、上記金属を主成分とする合金で形成されていても良いし、上記金属を含む化合物を用いて形成されていても良い。またハロゲン化銀の微粒子または分散性ナノ粒子も用いることができる。また、導電性ペーストに含まれる有機樹脂として、ポリイミド、シロキサン系樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等を用いることが出来る。
【0156】
上記金属の合金の一例として、銀(Ag)とパラジウム(Pd)、銀(Ag)と白金(Pt)、金(Au)と白金(Pt)、金(Au)とパラジウム(Pd)、銀(Ag)と銅(Cu)の組み合わせが挙げられる。また例えば、銅(Cu)を銀(Ag)でコートした導電体粒子なども用いることが可能である。
【0157】
なお導電膜739〜742の形成にあたり、印刷法や液滴吐出法で導電性のペーストを押し出した後に焼成することが好ましい。例えば、導電性のペーストに、銀を主成分とする導電体粒子(例えば粒径1nm以上100nm以下)を用いる場合、150〜300℃の温度範囲で焼成することにより、導電膜739〜742を形成することができる。焼成は、赤外ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプなどを用いたランプアニールで行なっても良いし、電気炉を用いたファーネスアニールで行なっても良い。またエキシマレーザや、Nd:YAGレーザを用いたレーザーアニールで行なっても良い。また、半田や鉛フリーの半田を主成分とする微粒子を用いてもよく、この場合は粒径20μm以下の微粒子を用いることが好ましい。半田や鉛フリーの半田は、低コストであるといった利点を有している。
【0158】
印刷法、液滴吐出法を用いることで、露光用のマスクを用いずとも導電膜739〜742を形成することが可能になる。また、液滴吐出法、印刷法だと、フォトリソグラフィ法と異なり、エッチングにより除去されてしまうような材料の無駄がない。また高価な露光用のマスクを用いなくとも良いので、無線センシング装置の作製に費やされるコストを抑えることができる。
【0159】
次に図17(A)に示すように、導電膜739〜742を覆うように、絶縁膜734上に絶縁膜743を形成する。そして、配線として機能する導電膜740〜742の一部がそれぞれ露出するように、絶縁膜743にコンタクトホールを形成する。絶縁膜743は、有機樹脂膜、無機絶縁膜またはシロキサン系絶縁膜を用いて形成することができる。有機樹脂膜ならば、例えばアクリル、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテンなどを用いることが出来る。無機絶縁膜ならば酸化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)に代表される炭素を含む膜などを用いることができる。なおフォトリソグラフィ法で開口部を形成するのに用いるマスクを、液滴吐出法または印刷法で形成することができる。また絶縁膜743はその材料に応じて、CVD法、スパッタ法、液滴吐出法または印刷法でなどで形成することが出来る。
【0160】
次に図17(B)に示すように、絶縁膜703から絶縁膜743までの、TFTに代表される半導体素子と各種導電膜を含む層(以下、「素子形成層744」と記す)を、基板700から剥離する。本実施例では、第1のシート材745を素子形成層744の絶縁膜743側の面に貼り合わせ、物理的な力を用いて基板700から素子形成層744を剥離する。剥離層702は、全て除去せず一部が残存した状態であっても良い。
【0161】
また上記剥離は、剥離層702のエッチングを用いた方法で行っても良い。この場合、エッチングの際に露出した導電膜740〜742の一部を保護するために、導電膜740〜742を覆うように保護層を形成する。そして剥離層702が一部露出するように溝を形成する。溝は、ダイシング、スクライビング、UV光を含むレーザ光を用いた加工、フォトリソグラフィ法などにより形成する。溝は、剥離層702が露出する程度の深さを有していれば良い。
【0162】
保護層は、例えば、水またはアルコール類に可溶なエポキシ系、アクリレート系、シリコン系の樹脂などで形成することができる。例えば保護層は、スピンコート法で水溶性樹脂(東亜合成製:VL−WSHL10)を膜厚30μmとなるように塗布し、仮硬化させるために2分間の露光を行ったあと、紫外線を裏面から2.5分、表面から10分、合計12.5分の露光を行って本硬化させることで形成できる。なお、複数の有機樹脂を積層する場合、有機樹脂同士では使用している溶媒によって塗布または焼成時に一部溶解する、もしくは密着性が高くなりすぎる恐れがある。従って、絶縁膜743と保護層を共に同じ溶媒に可溶な有機樹脂を用いる場合、後の工程において保護層の除去がスムーズに行なわれるように、絶縁膜743を覆うように、無機絶縁膜(窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜、窒化アルミニウム膜、または窒化酸化アルミニウム膜)を形成しておくことが好ましい。そして保護層を形成した後、剥離層702をエッチングにより除去する。この場合、エッチングガスとしてフッ化ハロゲンを用い、該ガスを溝から導入する。本実施例では、例えばClF(三フッ化塩素)を用い、温度:350℃、流量:300sccm、気圧:6Torr、時間:3hの条件で行なう。また、ClFガスに窒素を混ぜたガスを用いても良い。ClF等のフッ化ハロゲンを用いることで、剥離層702が選択的にエッチングされ、基板700をTFT717〜721から剥離することができる。なおフッ化ハロゲンは、気体であっても液体であってもどちらでも良い。
【0163】
次に図18(A)に示すように、素子形成層744の上記剥離により露出した面に、第2のシート材746を貼り合わせた後、素子形成層744を第1のシート材745から剥離する。そしてコンタクトホールを介して導電膜740〜742とそれぞれ接続する導電膜747〜749を形成する。本実施例では、導電膜740と導電膜747が接している。また導電膜741と導電膜748が接している。また導電膜742と導電膜749が接している。
【0164】
導電膜747〜749は、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)などの金属を用いて形成することが出来る。導電膜747〜749は、上記金属で形成された膜の他に、上記金属を主成分とする合金で形成された膜、或いは上記金属を含む化合物を用いて形成された膜を用いても良い。導電膜747〜749は、上述した膜を単層で用いても良いし、上述した複数の膜を積層して用いても良い。
【0165】
導電膜747〜749は、CVD法、スパッタリング法、スクリーン印刷やグラビア印刷等の印刷法、液滴吐出法、ディスペンサ法、めっき法、フォトリソグラフィ法、蒸着法等を用いて形成することが出来る。
【0166】
なお本実施例では、基板700から素子形成層744を剥離した後に導電膜747〜749を形成する例を示しているが、導電膜747〜749を形成した後に基板700から素子形成層744の剥離を行ってもよい。
【0167】
なお基板700上に複数の無線センシング装置に対応する半導体素子を形成している場合には、素子形成層744を無線センシング装置ごとに分断する。分断は、レーザ照射装置、ダイシング装置、スクライブ装置等を用いることができる。本実施例では、レーザ光を照射することによって1枚の基板700に形成された複数の半導体素子を、対応する無線センシング装置ごとに分断する。
【0168】
次に、センサーを半導体素子に接続するための端子と、バッテリーとを有する基板751を用意する。本実施例では図18(B)に示すように、バッテリーとして上記実施例5で示した薄膜二次電池750を用いる例を示す。
【0169】
次に、図18(B)に示す薄膜二次電池750と、端子の構成について説明する。まず基板751上に導電膜752と導電膜753を形成する。導電膜752はセンサーを半導体素子に接続するための端子として機能する。そして基板751上に薄膜二次電池750が形成されている。具体的に薄膜二次電池750は、基板751側から順に積層された、導電膜753に接続された集電体薄膜754と、負極活物質層755と、固体電解質層756と、正極活物質層757、集電体薄膜758とを有している。
【0170】
集電体薄膜754は、負極活物質層755と密着性が良く、さらに抵抗が小さいことが求められる。よって集電体薄膜754として、アルミニウム、銅、ニッケル、バナジウム、金などを用いるのが望ましい。また負極活物質層755として、酸化バナジウムなどが一般的に用いられる。また固体電解質層756として、リン酸リチウム、窒素が添加されたリン酸リチウムなどが一般的に用いられる。また正極活物質層757としてマンガン酸リチウムなどが一般的に用いられる。正極活物質層757としてコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウムを用いても良い。集電体薄膜758は正極活物質層757と密着性がよく、抵抗が小さいことが求められ、アルミニウム、銅、ニッケル、バナジウム、金などを用いることができる。またインジウムと錫の酸化物(ITO)などの透光性を有する導電性材料を用いて、集電体薄膜754または集電体薄膜758を形成しても良い。
【0171】
上述の負極活物質層755、固体電解質層756、正極活物質層757、集電体薄膜758の各薄膜層はスパッタ法を用いて形成しても良いし、蒸着法を用いても良い。それぞれの層の厚さは0.1μm〜3μmが望ましい。
【0172】
次に樹脂を用いて層間膜759を形成する。そして層間膜759をエッチングしコンタクトホールを形成する。層間膜759は樹脂には限定せず、CVD酸化膜など他の膜であっても良いが、平坦性の観点から樹脂であることが望ましい。また、感光性樹脂を用いて、エッチングを用いずに層間膜759にコンタクトホールを形成しても良い。次に層間膜759上に導電膜760〜762を形成する。導電膜760はコンタクトホールを介して導電膜752に接している。また導電膜761は、コンタクトホールを介して集電体薄膜758に接している。導電膜762を導電膜753と電気的に接続することにより、薄膜二次電池750の電気接続を確保することが出来る。
【0173】
また導電膜752は、基板751に形成されたコンタクトホールを介して、基板751の導電膜752が形成された面(第1の面)とは反対の面(第2の面)に形成された導電膜763と接続されている。基板751におけるコンタクトホールの形成は、エッチングを用いても良いし、レーザを用いて行っても良い。またコンタクトホールの形成を容易にするために、導電膜760〜762を形成した後、CMP法(Chemical−Mechanical Polishing)などを用いて研磨することで基板751を薄くしておいても良い。本実施例では導電膜763と、センサーに接続された配線764とを電気的に接続する。
【0174】
次に図19に示すように、素子形成層744に設けられた導電膜747〜749と、導電膜760〜762とをそれぞれ接続する。具体的には導電膜747と導電膜760とを電気的に接続する。また導電膜748と導電膜761とを電気的に接続する。また導電膜749と導電膜762とを電気的に接続する。
【0175】
ここで、導電膜747〜749と導電膜760〜762との接続は、異方導電性フィルム(ACF(Anisotropic Conductive Film))や異方導電性ペースト(ACP(Anisotropic Conductive Paste))等で圧着させることにより電気的に接続する場合を示している。本実施例では、接着性を有する樹脂765に含まれる導電性粒子766を用いて接続する例を示している。また、他にも、銀ペースト、銅ペーストまたはカーボンペースト等の導電性接着剤や半田接合等を用いて接続を行うことも可能である。
【0176】
なお、薄膜二次電池750が形成された基板751と、導電膜752において電気的に接続されたセンサーとを覆うように、第3のシート材を貼り合わせ、加熱処理と加圧処理の一方または両方を行って第2のシート材746と第3のシート材を貼り合わせる様にしても良い。第2のシート材746、第3のシート材として、ホットメルトフィルム等を用いることができる。
【0177】
また第2のシート材746、第3のシート材として、静電気等を防止する帯電防止対策を施したフィルム(以下、帯電防止フィルムと記す)を用いることもできる。帯電防止フィルムで封止を行うことによって、商品として取り扱う際に、外部からの静電気等によって半導体素子に悪影響が及ぶことを抑制することができる。
【0178】
帯電防止フィルムは、帯電を防ぐことが出来る材料(帯電防止剤)がフィルムに練り込まれたタイプ、フィルムそのものが帯電を防ぐ効果を有するタイプ、及び帯電防止剤をフィルムにコーティングしたタイプ等が挙げられる。帯電防止剤は、ノニオンポリマー系、アニオンポリマー系、カチオンポリマー系、ノニオン界面活性剤系、アニオン界面活性剤系、カチオン界面活性剤系、両性界面活性剤系を用いることが出来る。また金属、インジウムと錫の酸化物(ITO)等も帯電防止剤として用いることが出来る。また帯電を防ぐ効果を有するフィルムの材料として、オレフィン系樹脂、ABS樹脂、スチレン系樹脂、PMMA樹脂、ポリカーボネート系樹脂、PVCポリエステル系樹脂、ポリアミド樹脂、変性PPO樹脂などを用いることが出来る。
【0179】
なお本実施例では、別途用意したセンサーを素子形成層744に含まれる半導体素子と電気的に接続する例について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。センサーも半導体素子と同じ基板700上に形成しても良い。
【0180】
図23に、光電変換素子767が基板700形成された、本発明の無線センシング装置の構成を示す。なおセンサーは光電変換素子に限定されず、抵抗素子、容量結合素子、誘導結合素子、光起電力素子、熱起電力素子、トランジスタ、サーミスタまたはダイオードなどで形成することが出来る。
【0181】
なお、本実施例は、上記実施の形態1乃至実施の形態3及び実施例1乃至実施例8と組み合わせて実施することが出来る。
【実施例10】
【0182】
本実施例では、単結晶基板に形成されたトランジスタを用いて、本発明の無線センシング装置を作製する例について説明する。単結晶基板に形成されたトランジスタは特性のばらつきを抑えることが出来るので、無線センシング装置に用いるトランジスタの数を抑えることが出来る。また本実施例では、実施例5で説明した薄膜二次電池をバッテリーとして用いる例について説明する。
【0183】
まず図20(A)に示すように、半導体基板2300に、半導体素子を電気的に分離するための素子分離用絶縁膜2301を絶縁膜で形成する。素子分離用絶縁膜2301の形成により、トランジスタを形成するための領域(素子形成領域)2302と、素子形成領域2303とを電気的に分離することが出来る。
【0184】
半導体基板2300は、例えば、n型またはp型の導電型を有する単結晶シリコン基板、化合物半導体基板(GaAs基板、InP基板、GaN基板、SiC基板、サファイア基板、ZnSe基板等)等を用いることができる。
【0185】
素子分離用絶縁膜2301の形成には、選択酸化法(LOCOS(Local Oxidation of Silicon)法)またはトレンチ分離法等を用いることができる。
【0186】
また本実施例ではn型の導電型を有する単結晶シリコン基板を半導体基板2300として用い、素子形成領域2303にpウェル2304を形成した例を示している。半導体基板2300の素子形成領域2303に形成されたpウェル2304は、p型の導電型を付与する不純物元素を素子形成領域2303に選択的に導入することによって形成することができる。p型を付与する不純物元素としては、ボロン(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)等を用いることができる。また半導体基板2300としてp型の導電型を有する半導体基板を用いる場合、素子形成領域2302にn型を付与する不純物元素を選択的に導入し、nウェル領域を形成すれば良い。
【0187】
なお本実施例では、半導体基板2300としてn型の導電型を有する半導体基板を用いているため、素子形成領域2302には不純物元素の導入を行っていない。しかし、n型を付与する不純物元素を導入することにより素子形成領域2302にnウェル領域を形成してもよい。n型を付与する不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。
【0188】
次に図20(B)に示すように、素子形成領域2302、2303を覆うように絶縁膜2305、2306をそれぞれ形成する。本実施例では、半導体基板2300を熱酸化することで素子形成領域2302、2303に形成された酸化珪素膜を、絶縁膜2305、2306として用いる。また、熱酸化により酸化珪素膜を形成した後、窒化処理を行うことによって酸化珪素膜の表面を窒化させて酸窒化珪素膜を形成し、酸化珪素膜と酸窒化珪素膜とが積層された層を絶縁膜2305、2306として用いても良い。
【0189】
他にも、上述したように、プラズマ処理を用いて絶縁膜2305、2306を形成してもよい。例えば、高密度プラズマ処理により半導体基板2300の表面を酸化または窒化することで、素子形成領域2302、2303に、絶縁膜2305、2306として用いる酸化珪素膜または窒化珪素膜を形成することができる。
【0190】
次に図20(C)に示すように、絶縁膜2305、2306を覆うように導電膜を形成する。本実施例では、導電膜として、順に積層された導電膜2307と導電膜2308とを用いた例を示している。導電膜は、単層の導電膜を用いていても良いし、3層以上の導電膜が積層された構造を用いていても良い。
【0191】
導電膜2307、2308として、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等の金属を用いることが出来る。また導電膜2307、2308は、上記金属で形成された膜の他に、上記金属を主成分とする合金で形成された膜、或いは上記金属を含む化合物を用いて形成された膜を用いても良い。または、半導体膜に一導電型を付与するリン等の不純物元素をドーピングした、多結晶珪素などの半導体を用いて形成しても良い。本実施例では、窒化タンタルを用いて導電膜2307を形成し、タングステンを用いて導電膜2308を形成する。
【0192】
次に図21(A)に示すように、積層して設けられた導電膜2307、2308を所定の形状に加工(パターニング)することによって、絶縁膜2305、2306上にゲート電極2309、2310を形成する。
【0193】
次に図21(B)に示すように、素子形成領域2302を覆うように、レジストでマスク2311を選択的に形成する。そして、素子形成領域2303に不純物元素を導入する。マスク2311に加えてゲート電極2310もマスクとして機能するので、上記不純物元素の導入により、pウェル2304にソース領域またはドレイン領域として機能する不純物領域2312と、チャネル形成領域2313が形成される。不純物元素は、n型を付与する不純物元素またはp型を付与する不純物元素を用いる。n型を付与する不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。p型を付与する不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。本実施例では、不純物元素として、リン(P)を用いる。
【0194】
次にマスク2311を除去した後、図21(C)に示すように、素子形成領域2303を覆うようにレジストでマスク2314を選択的に形成する。そして素子形成領域2302に不純物元素を導入する。マスク2314に加えてゲート電極2309もマスクとして機能するので、上記不純物元素の導入により、素子形成領域2302内の半導体基板2300において、ソース領域またはドレイン領域として機能する不純物領域2315と、チャネル形成領域2316が形成される。不純物元素としては、n型を付与する不純物元素またはp型を付与する不純物元素を用いる。n型を付与する不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。p型を付与する不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。本実施例では、図21(B)で素子形成領域2303に導入した不純物元素と異なる導電型を有する不純物元素(例えば、ボロン(B))を導入する。
【0195】
次に図22(A)に示すように、絶縁膜2305、2306、ゲート電極2309、2310を覆うように絶縁膜2317を形成する。そして絶縁膜2317にコンタクトホールを形成し、不純物領域2312、2315を一部露出させる。次にコンタクトホールを介して不純物領域2312、2315と接続する導電膜2318を形成する。導電膜2318は、CVD法やスパッタリング法等により形成することができる。
【0196】
絶縁膜2317は、無機絶縁膜、有機樹脂膜またはシロキサン系絶縁膜を用いて形成することができる。無機絶縁膜ならば酸化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)に代表される炭素を含む膜などを用いることができる。有機樹脂膜ならば、例えばアクリル、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテンなどを用いることが出来る。また絶縁膜2317はその材料に応じて、CVD法、スパッタ法、液滴吐出法または印刷法でなどで形成することが出来る。
【0197】
なお本発明の無線センシング装置に用いるトランジスタは、本実施例において図示した構造に限定されるものではない。例えば、逆スタガ構造であっても良い。
【0198】
次に図22(B)に示すように、薄膜二次電池2319を形成する。本実施例の薄膜二次電池2319は、集電体薄膜として用いる導電膜2318と、負極活物質層2320と、固体電解質層2321と、正極活物質層2322と、集電体薄膜2323とが順次積層された構成を有している。なお本実施例では導電膜2318の一部を集電体薄膜として用いるため、導電膜2318は負極活物質層2320との密着性が高く、抵抗が小さいことが求められる。導電膜2318は、アルミニウム、銅、ニッケル、バナジウム、金などを用いて形成することが望ましい。
【0199】
薄膜二次電池2319の構成について詳述する。薄膜二次電池2319は、導電膜2318上に負極活物質層2320が形成されている。一般的には、負極活物質層2320として酸化バナジウムなどが用いられる。次に負極活物質層2320上に固体電解質層2321を形成する。一般的にはリン酸リチウム、窒素が添加されたリン酸リチウムなどが用いられる。次に固体電解質層2321上に正極活物質層2322を形成する。一般的にはマンガン酸リチウムなどが用いられる。コバルト酸リチウムやニッケル酸リチウムを用いても良い。次に正極活物質層2322上に電極となる集電体薄膜2323を形成する。集電体薄膜2323は正極活物質層2322と密着性がよく、抵抗が小さいことが求められ、アルミニウム、銅、ニッケル、バナジウム、金などを用いることができる。
【0200】
またインジウムと錫の酸化物(ITO)などの透光性を有する導電性材料を用いて、導電膜2318または集電体薄膜2323を形成しても良い。
【0201】
上述の負極活物質層2320、固体電解質層2321、正極活物質層2322、集電体薄膜2323の各薄膜層はスパッタ法を用いて形成しても良いし、蒸着法を用いても良い。それぞれの層の厚さは0.1μm〜3μmが望ましい。
【0202】
次に樹脂を用いて層間膜2324を形成する。そして層間膜2324をエッチングしコンタクトホールを形成する。層間膜は樹脂には限定せず、CVD酸化膜など他の膜であっても良いが、平坦性の観点から樹脂であることが望ましい。また、感光性樹脂を用いて、エッチングを用いずにコンタクトホールを形成しても良い。次に層間膜上に配線層2325、配線層2326を形成する。そして配線層2325を導電膜2318と接続することにより、薄膜二次電池2319の電気接続を確保する。また配線層2326と導電膜2318とを接続することで、配線層2326にセンサーを電気的に接続することが出来る。
【0203】
なお本実施例では、別途用意したセンサーを配線層2326と電気的に接続する例について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。センサーも半導体基板2300と同じ基板上に形成しても良い。この場合センサーは抵抗素子、容量結合素子、誘導結合素子、光起電力素子、光電変換素子、熱起電力素子、トランジスタ、サーミスタ、ダイオードなどで形成することが出来る。
【0204】
上記作製方法を用いることで、本発明の無線センシング装置は、半導体基板にトランジスタを形成し、その上に薄膜二次電池を有する構成を取り得る。上記構成により、より極薄化、小型化された無線センシング装置を提供することができる。
【0205】
なお、本実施例は、上記実施の形態1乃至実施の形態3及び実施例1乃至実施例9と組み合わせて実施することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0206】
【図1】本発明の無線センシング装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の人体への応用を示す図。
【図3】本発明の無線センシング装置のアンテナ回路及び整流回路の構成を示すブロック図。
【図4】本発明の無線センシング装置の構成を示すブロック図。
【図5】本発明の無線センシング装置の構成を示すブロック図。
【図6】本発明の無線センシング装置の断面図を示す図。
【図7】本発明の無線センシング装置の断面図を示す図。
【図8】本発明の無線センシング装置の断面図を示す図。
【図9】本発明の無線センシング装置の基板の上面図を示す図。
【図10】電気二重層コンデンサを示す図。
【図11】電気二重層コンデンサを示す図。
【図12】薄膜二次電池の断面図を示す図。
【図13】光センサーの実施例を示す図。
【図14】圧力センサーの実施例を示す図。
【図15】本発明の無線センシング装置の作製方法を示す図。
【図16】本発明の無線センシング装置の作製方法を示す図。
【図17】本発明の無線センシング装置の作製方法を示す図。
【図18】本発明の無線センシング装置の作製方法を示す図。
【図19】本発明の無線センシング装置の作製方法を示す図。
【図20】本発明の無線センシング装置の作製方法を示す図。
【図21】本発明の無線センシング装置の作製方法を示す図。
【図22】本発明の無線センシング装置の作製方法を示す図。
【図23】本発明の無線センシング装置の構成を示す図。
【符号の説明】
【0207】
100 無線センシング装置
101 アンテナ回路
102 発振回路
103 変調回路
104 復調回路
105 論理回路
106 AD変換回路
107 センサー回路
108 メモリ回路
109 整流回路
110 充電回路
111 バッテリー
112 安定化電源回路
200 質問器
301 アンテナ
302 同調容量
303 ダイオード
304 ダイオード
305 平滑容量
400 無線センシング装置
401 アンテナ回路
402 アンテナ回路
500 無線センシング装置
501 CCD
502 LED
601 基板
602 アンテナ
602 アンテナ
603 フェライト
604 二次電池
605 フレキシブルプリント基板
606 パッケージ
607 LED
608 CCD
609 レンズ
700 基板
701 絶縁膜
702 剥離層
703 絶縁膜
704 半導体膜
705 島状の半導体膜
706 島状の半導体膜
707 島状の半導体膜
708 島状の半導体膜
709 島状の半導体膜
710 ゲート絶縁膜
711 ゲート電極
712 低濃度不純物領域
713 高濃度不純物領域
714 ゲート絶縁膜
715 サイドウォール
716 高濃度不純物領域
717 TFT
718 TFT
719 TFT
720 TFT
721 TFT
722 絶縁膜
723 絶縁膜
724 導電膜
725 導電膜
726 導電膜
727 導電膜
728 導電膜
729 導電膜
730 導電膜
731 導電膜
732 導電膜
733 導電膜
734 絶縁膜
735 導電膜
736 導電膜
737 導電膜
738 導電膜
739 導電膜
740 導電膜
741 導電膜
742 導電膜
743 絶縁膜
744 素子形成層
745 シート材
746 シート材
747 導電膜
748 導電膜
749 導電膜
750 薄膜二次電池
751 基板
752 導電膜
753 導電膜
754 集電体薄膜
755 負極活物質層
756 固体電解質層
757 正極活物質層
758 集電体薄膜
759 層間膜
760 導電膜
761 導電膜
762 導電膜
763 導電膜
764 配線
765 樹脂
766 導電性粒子
767 光電変換素子
770 マスク
801 薄膜二次電池
901 回路
902 回路
903 回路
904 回路
905 回路
906 回路
1001 陽極
1002 陰極
1003 セパレータ
1004 電解液
1004 電解液
1005 イオン
1006 コンデンサ
1101 活性炭
1301 基板
1302 透明導電膜
1303 P型アモルファスシリコン
1304 I型アモルファスシリコン
1305 N型アモルファスシリコン
1306 電極
1307 電極
1308 電極
1309 層間膜
1310 PINダイオード
1311 抵抗
1312 電源
1401 抵抗
1402 抵抗
1403 抵抗
1404 抵抗
1405 差動アンプ
1406 電源端子
1407 電源端子
1408 出力端子
2300 半導体基板
2301 素子分離用絶縁膜
2302 素子形成領域
2303 素子形成領域
2304 pウェル
2305 絶縁膜
2307 導電膜
2308 導電膜
2309 ゲート電極
2310 ゲート電極
2311 マスク
2312 不純物領域
2313 チャネル形成領域
2314 マスク
2315 不純物領域
2316 チャネル形成領域
2317 絶縁膜
2318 導電膜
2319 薄膜二次電池
2320 負極活物質層
2321 固体電解質層
2322 正極活物質層
2323 集電体薄膜
2324 層間膜
2325 配線層
2326 配線層
7101 基板
7102 集電体薄膜
7103 負極活物質層
7104 固体電解質層
7105 正極活物質層
7106 集電体薄膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波の授受を行うためのアンテナ回路と、
前記電波から得られた電気エネルギーを蓄えるバッテリーと、
前記電気エネルギーを用いて情報の取得を行うセンサー回路とを有することを特徴とする無線センシング装置。
【請求項2】
アンテナ回路と、バッテリーと、センサー回路とを有し、
前記アンテナ回路において電波が電気エネルギーに変換され、
前記バッテリーにおいて前記電気エネルギーが蓄えられ、
前記電気エネルギーを用いて前記センサー回路が情報の取得を行い、
前記取得された情報を含む電波が前記アンテナ回路より放出されることを特徴とする無線センシング装置。
【請求項3】
第1のアンテナ回路と、第2のアンテナ回路と、バッテリーと、センサー回路とを有し、
前記第1のアンテナ回路において電波が電気エネルギーに変換され、
前記バッテリーにおいて前記電気エネルギーが蓄えられ、
前記電気エネルギーを用いて前記センサー回路が情報の取得を行い、
前記取得された情報を含む電波が前記第2のアンテナ回路より放出されることを特徴とする無線センシング装置。
【請求項4】
電波の授受を行うためのアンテナ回路と、
前記電波から得られた電気エネルギーを蓄えるバッテリーと、
前記電気エネルギーを用いて情報の取得を行うセンサー回路と、
該情報を格納するためのメモリ回路とを有することを特徴とする無線センシング装置。
【請求項5】
アンテナ回路と、バッテリーと、センサー回路と、メモリ回路とを有し、
前記アンテナ回路において電波が電気エネルギーに変換され、
前記バッテリーにおいて前記電気エネルギーが蓄えられ、
前記電気エネルギーを用いて前記センサー回路が情報の取得を行い、
前記取得された情報は前記メモリ回路に格納され、
前記格納された情報を含む電波が前記アンテナ回路より放出されることを特徴とする無線センシング装置。
【請求項6】
第1のアンテナ回路と、第2のアンテナ回路と、バッテリーと、センサー回路と、メモリ回路とを有し、
前記第1のアンテナ回路において電波が電気エネルギーに変換され、
前記バッテリーにおいて前記電気エネルギーが蓄えられ、
前記電気エネルギーを用いて前記センサー回路が情報の取得を行い、
前記取得された情報は前記メモリ回路に格納され、
前記格納された情報を含む電波が前記第2のアンテナ回路より放出されることを特徴とする無線センシング装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項において、前記情報は血圧、心拍数、体温、呼吸数、血中ガス量、活動電流値、血糖値または体内の映像のいずれか1つであることを特徴とする無線センシング装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項において、生体内において用いられることを特徴とする無線センシング装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項において、
前記センサー回路はセンサーを有し、
前記センサーは光電変換素子、抵抗素子、容量結合素子、誘導結合素子、光起電力素子、熱起電力素子、トランジスタ、サーミスタまたはダイオードのいずれか1つであることを特徴とする無線センシング装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項において、前記バッテリーは薄膜二次電池であることを特徴とする無線センシング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2008−109847(P2008−109847A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−248336(P2007−248336)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】