説明

無線伝送システム

【課題】全ての無線機を連動させることができ、しかも低消費化を図ることができる無線伝送システムを提供することにある。
【解決手段】無線伝送システムは、無線信号を送受信する送受信部2と、火災の発生を検知する火災感知部4と、火災感知部4で火災を検知したときに火災の発生を通知するための通知メッセージを含む無線信号を送受信部2から送信させる制御部1とを具備した複数の無線機TR1,TR2を備え、無線機TR1を親器、残りの無線機TR2を子器とし、親器TR1は、複数の子器TR2全ての無線信号の送信範囲が重複する領域に配置され、親器TR1の送受信部2は、複数の子器TR2全てを無線信号の送信範囲内に含み、親器TR1の制御部1は、送受信部2で通知メッセージを含む無線信号を受信すると通知メッセージを含む無線信号を送受信部2から送信させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の無線機間で無線信号を伝送する無線伝送システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
我が国で使用する無線局については、占有周波数帯幅や隣接チャンネル漏洩電力などの使用電波の特性(RF特性)が電波法の規定を満たしていなくてはならない。また、電波法では使用目的ごとに異なる規格(通信規格)が規定されている。例えば、電波法施行規則第6条に規定される「特定小電力無線局」には、電波を利用して遠隔地点における測定機の測定結果を自動的に表示し、又は記録するためのテレメータ用、電波を利用して遠隔地点における装置の機能を始動、変更又は終止させることを目的とする信号の伝送を行うテレコントロール用、及び主として機械によって処理される情報の伝送又は処理された情報の伝送を行うデータ伝送用無線設備について規定された「特定小電力無線局テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備 標準規格(社団法人電波産業会 標準規格ARIB STD−T67)」、あるいは、主として火災、盗難その他異常の通報又はこれに付随する制御を行う小電力セキュリティシステムの無線設備について規定された「小電力セキュリティシステムの無線局の無線設備標準規格(社団法人電波産業会 標準規格RCR STD−30)」などがある。
【0003】
一方、上記特定小電力無線局を備えた無線伝送システムとしては、例えば、特許文献1に記載されているような火災報知システムがある。この種の火災報知システムとしては、多箇所に設置された複数台の火災感知器(無線機)がそれぞれに火災を感知する機能と警報音を鳴動する機能を有するものが提案されており、このような火災報知システムでは、何れかの火災感知器が火災を感知すると、当該火災感知器が警報音を鳴動するとともに火災感知を知らせる情報(火災感知情報)を無線信号で他の火災感知器に伝送することにより、火元の火災感知器だけではなく複数台の火災感知器が連動して一斉に警報音を鳴動することにより、火災の発生を迅速かつ確実に知らせることができる。
【特許文献1】特開2006−349−18735号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の火災報知システムでは、複数台の火災感知器の全てを連動させることが好ましいが、火災感知器の配置位置によっては、火災を感知した火災感知器が送信する無線信号を受信できない火災感知器(通信エリア外の無線機である隠れ端末)が存在する場合がある。
【0005】
上記のような隠れ端末をなくして全ての火災感知器を連動させるためには、火災を感知した火災感知器だけではなく、無線信号により火災感知情報を受信した火災感知器からも、火災感知情報を無線信号で送信させる(つまり無線信号を中継する)ことが考えられる。
【0006】
ところで、上記のような火災感知器は、火災感知情報を無線信号で伝送するという特性を活かすために電源として電池が使用されることが多く、しかも、通常は室内の天井のようにメンテナンス(電池交換)のし難い場所に設置されることから、例えば数年といった長期間にわたってメンテナンス無しに使用できるように、消費電力は低いほうが好ましい。
【0007】
しかしながら、上述したように火災感知器が無線信号を中継するものでは、全ての火災感知器を連動させることが可能となるものの、最終的には全ての火災感知器から無線信号が送信されることになるため、無線伝送システム全体として消費電力が増えてしまう。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、全ての無線機を連動させることができ、しかも低消費化を図ることができる無線伝送システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するために、請求項1の発明では、無線信号を送信する送信手段と、無線信号を受信する受信手段と、所定のイベントの発生を検知する検知手段と、検知手段でイベントを検知したときに当該イベントの発生を通知するための通知メッセージを含む無線信号を送信手段から送信させる制御手段とを具備した複数の無線機を備え、複数の無線機のうちの一つを親器、残りの無線機を子器とし、親器は、複数の子器全ての無線信号の送信範囲が重複する領域に配置され、親器の送信手段は、複数の子器全てを無線信号の送信範囲内に含み、親器の制御手段は、受信手段で通知メッセージを含む無線信号を受信すると通知メッセージを含む無線信号を送信手段から送信させることを特徴とする。
【0010】
請求項1の発明によれば、親器が複数の子器全ての無線信号の送信範囲が重複する領域に配置されているので、いずれかの子器でイベントを検知した場合には、当該子器が送信する通知メッセージを含む無線信号は確実に親器で受信されて当該通知メッセージを受信した親器からは当該通知メッセージを含む無線信号が送信され、また親器でイベントが検知された場合には親器からは通知メッセージを含む無線信号が送信され、このとき、親器の送信手段は複数の子器全てを無線信号の送信範囲内に含んでいるので、通知メッセージを複数の子器全てに送信することができるから、隠れ端末(通信エリア外の無線機)を無くして、全ての無線機を連動させることができ、しかも、全ての子器および親器が通知メッセージを含む無線信号を送信するのではなく、親器でイベントを検知した場合には親器が、いずれかの子器がイベントを検知した場合には当該子器と親器との2つのみが無線信号を送信するから、システム全体の低消費化を図ることができる。
【0011】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、上記無線機は、上記イベントの発生を報知する報知手段を具備し、上記親器の制御手段は、上記検知手段でイベントの発生を検知したとき、または上記受信手段で上記通知メッセージを含む無線信号を受信したときに、上記報知手段を駆動し、上記子器の制御手段は、上記検知手段でイベントの発生を検知したとき、あるいは上記受信手段で上記親器または別の子器が送信した上記通知メッセージを含む無線信号を受信したときに、上記報知手段を駆動することを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明によれば、検知手段でイベントの発生を検知した子器と通信可能な子器においては、親器からの通知メッセージを含む無線信号の受信を待つことなく、報知手段によりイベントの発生を報知することができるから、連動を迅速に行えるようになる。また、親器が故障などで通信不能な場合でも、イベントの発生を検知した子器と通信可能な子器は連動可能となるから、全く連動できないという事態を防止することができて、他の子器への報知を確実に行うことが可能となる。
【0013】
請求項3の発明では、請求項1または2の発明において、上記子器の制御手段は、上記子器が正常に動作しているか否かの確認用の確認メッセージを含む無線信号よりなる確認信号を当該子器の受信手段で受信すると、当該子器に固有の識別符号および応答メッセージを含む無線信号よりなる応答信号を当該子器の送信手段から送信させ、上記親器の制御手段は、定期的に上記確認信号を当該親器の送信手段から送信させ、当該親器の受信手段で上記応答信号を受信した上記子器については正常であると判定することを特徴とする。
【0014】
請求項3の発明によれば、親器が複数の子器全ての無線信号の送信範囲が重複する領域に配置されるとともに、親器の送信手段が複数の子器全てを無線信号の送信範囲内に含んでいるので、親器により全ての子器に確認信号を送信することができるとともに、全ての子器から応答信号を受信することができるから、全ての無線機を連動させるために、全ての無線機(全ての子器と親器)から自分以外の全ての無線機(全ての子器と親器)に確認信号を送信させる必要がなくなって、定期監視(生死確認)に必要な消費電力を低減することができる。
【0015】
請求項4の発明では、請求項3の発明において、上記親器の制御手段は、上記親器の受信手段で上記応答信号が得られなかった上記子器に対して、上記確認信号を上記親器の送信手段から再送させ、上記確認信号を所定回数再送しても上記親器の受信手段で上記応答信号を受信しなければ、異常であると判定することを特徴とする。
【0016】
請求項4の発明によれば、応答信号が得られかった子器をすぐに異常であると判定せずに、確認信号を所定回数再送しても応答信号が得られなかった際に異常であると判定するから、無線信号の送受信の失敗などを子器の異常であると判定してしまうといった誤判定を抑制することができ、定期監視の信頼性を向上することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、隠れ端末(通信エリア外の無線機)を無くして、全ての無線機を連動させることができ、しかも、親器でイベントを検知した場合には親器が、いずれかの子器がイベントを検知した場合には当該子器と親器との2つのみが無線信号を送信するから、システム全体の低消費化を図ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の一実施形態の無線伝送システムは、図1および図2に示すように、複数(図示例では5つ)の無線機TRを備える。
【0019】
無線機TRは、アンテナ3から電波を媒体とした無線信号を送信するとともに無線信号をアンテナ3で受信する送受信部2と、火災感知部4から火災感知が通知されたときに他の無線機TRに対して火災感知を通知するための通知メッセージを含む無線信号(通知信号)を送受信部2より自分以外の無線機TRに向けて送信(いわゆる同報送信)させる制御部1と、火災を感知したときに火災感知を制御部1に通知する火災感知部4と、火災感知部4から制御部1に対して火災の感知が通知されたことを報知する報知部5と、乾電池などの電池を電源として各部に動作電源を供給する電池電源部6と、これらを収納するとともに住戸の天井などに設置される器体(図示せず)とを具備した火災感知器である。なお、無線機TRには固有の識別符号が割り当てられており、当該識別符号によって無線信号の宛先並びに送信元の無線機TRを特定することができる。ここで、無線伝送システムを設置した後は、無線機TRに固有の識別符号を所定の識別番号と関連付けて登録するようにし、この登録を行った後は、識別符号の代わりに、無線機TRを識別可能な番号を用いて無線信号の送受信を行うようにしてもよく、このようにすれば、無線信号により送信するデータ(電文)の短縮化が図れる。
【0020】
ところで、本実施形態の無線伝送システムでは、5つの無線機TRのうちの1つを親器、残りの4つの無線機TRを子器として使用する。そこで、以下の説明では、5つの無線機TRのうち親器として使用する無線機TRを必要に応じて符号TR1で表し、子器として使用する無線機TRを必要に応じて符号TR2で表す。また、必要に応じて無線機TR1を親器TR1と表記し、無線機TR2を子器TR2と表記し、さらに、複数(図示例では4つ)の子器TR2を区別するために、必要に応じて符号TR2A〜TR2Dで表す。
【0021】
親器TR1と複数の子器TR2とは、図2に示すように配置されている。すなわち、親器TR1の無線信号の送信範囲(通信エリア)S1には全ての子器TR2が存在し、子器TR2Aの無線信号の送信範囲S2(S2A)には親器TR1と子器TR2Bが存在し、子器TR2Bの無線信号の送信範囲S2(S2B)には親器TR1と子器TR2Aが存在し、子器TR2Cの無線信号の送信範囲S2(S2C)および子器TR2Dの無線信号の送信範囲S2(S2D)それぞれには親器TR1のみが存在している。したがって、親器TR1は全ての子器TR2と通信可能であるが、子器TR2Aは親器TR1および子器TR2Bと、子器TR2Bは親器TR1および子器TR2Aと、子器TR2C,TR2Dは親器TR1のみと通信可能である。
【0022】
つまり、本実施形態の無線伝送システムでは、親器TR1は、複数の子器TR2全ての無線信号の送信範囲S2が重複する領域Aに配置され、親器TR1の送受信部2は、複数の子器TR2全てを無線信号の送信範囲S1内に含んでいる。
【0023】
送受信部2は、電波法施行規則第6条に規定される「特定小電力無線局」に準拠して電波を媒体とする無線信号を送受信するものである。本実施形態では、無線送受信部2が無線信号を送信する送信手段および無線信号を受信する受信手段を構成する。
【0024】
火災感知部4は、例えば、火災に伴って発生する煙や熱、炎などを検出することで火災を感知するものである。すなわち、本実施形態では、火災感知部4が、所定のイベントとして火災の発生を検知する検知手段を構成する。なお、火災感知部4の詳細な構成については、従来周知であるから詳細な説明は省略する。
【0025】
制御部1は、メモリに格納されたプログラムをマイコンで実行することによって各種の機能(主として火災報知機能、定期監視機能、および電波チェック機能)を実現する制御手段となるものである。ただし、親器TR1と子器TR2とでは制御部1のメモリに格納されたプログラムの内容が一部異なっている(つまり、制御部1は、親器TR1と子器TR2とに共通する機能と、親器TR1と子器TR2とで異なる機能とを有している)から、以下の説明では、親器TR1の制御部1と子器TR2の制御部1とを区別するために、必要に応じて、親器TR1の制御部1を親器側制御部と称して符号1Aで表し、子器TR2の制御部1を子器側制御部と称して符号1Bで表す。
【0026】
制御部1は、火災感知部4で火災の発生を検知したときには、報知部5に備えるスピーカ(図示せず)を駆動して報知音(警報音)を所定周期(例えば4秒毎)で鳴動させることで火災発生を報知するとともに、他の無線機TRにおいても火災発生の報知音を鳴動させるため、火災感知を通知する上記通知信号を送受信部2から送信させる。一方、制御部1は、送受信部2で上記通知信号を受信したときには、報知部5に備えるスピーカを駆動し、火災発生を報知する。
【0027】
そして、上記通知信号を送受信部2で受信したときは、親器側制御部1Aは、上記通知信号を送信した子器TR以外の全ての子器TR(例えば上記通知信号を送信したのが子器TR2Aである場合には、子器TR2A以外の全ての子器TR2B〜TR2D)においても報知部5を駆動するために、上記通知信号を送受信部2より送信させる。
【0028】
ここで、親器TR1の無線信号の送信範囲S1には全ての子器TR2が含まれているが、親器TR1が故障などして、親器TR1から上記通知信号が送信されなかった場合には、火災を検知した子器TR2のみで報知が行われることになるので、子器TR2は、親器TR1だけではなく自分以外の全ての子器TR2、すなわち自分以外の全ての無線機TRに対して上記通知信号を送信(いわゆる同報送信)する。そのため、親器TR1が故障などした場合であっても、少なくとも火災を検知した子器TR2と、当該子器TR2の無線信号の送信範囲S2内の子器TR2とにおいては、報知を行うことができる。
【0029】
なお、以下の説明では、親器TR1が送信する上記通知信号と子器TR2が送信する上記通信信号とを区別するために、親器TR1が送信する上記通知信号を必要に応じて連動命令信号と称し、子器TR2が送信する上記通信信号を連動要求信号と称する。
【0030】
子器側制御部1Bは、上記連動命令信号を送受信部2で受信すると、報知部5に備えるスピーカを駆動して報知音を鳴動させることで火災発生を報知する。さらに、子器側制御部1Bは、上記連動命令信号を送受信部2で受信すると、上記連動命令信号に対する応答メッセージを含む無線信号(連動応答信号)を送受信部2より送信させる。
【0031】
ここで、「特定小電力無線局テレメータ用、テレコントロール用およびデータ伝送用無線設備標準規格(社団法人電波産業会 標準規格ARIB STD−T67)」や、「小電力セキュリティシステムの無線局の無線設備標準規格(社団法人電波産業会標準規格RCR STD−30)」などでは、無線信号を連続して送信してもよい期間(送信期間)と、送信期間と送信期間の間に設けられた、無線信号を送信してはいけない期間(休止期間)とが定められている。例えば、標準規格ARIB STD−T67では送信期間が40秒以下且つ休止期間が2秒以上と規定され、標準規格RCR STD−30では送信期間が3秒以下且つ休止期間が2秒以上と規定されている。したがって、制御部1では、これらの規格に適合する送信期間に無線信号を送信させるとともに休止期間に送信を停止し且つ受信可能な状態としている(例えば、本実施形態では、送信期間を2.8秒、休止期間を2.5秒受信としている)。つまり、火災が発生していないときは、各無線機TRは間欠受信動作を行うため、各無線機TRは非同期で無線信号を伝送する。
【0032】
そして、親器側制御部1Aは、火災感知部4で火災を感知したことにより上記連動命令信号を送信した場合には、全ての子器TR2から上記連動応答信号を受信したとき、あるいは子器TR2から上記連動要求信号を受信したことにより上記連動命令信号を送信した場合には、火元の子器(つまり上記連動要求信号を送信した子器)TR2を除く全ての子器TR2から上記連動応答信号を受信したときに、送受信部2より一定周期で同期信号を送信させる。この同期信号は、無線機TR間で時分割多重伝送を行うために必要なタイムスロットを規定する信号であって、その1周期(サイクル)が複数(無線機TRの総数)のタイムスロットに分割される。そして、無線機TRそれぞれに互いに異なるタイムスロットが1つずつ割り当てられ、無線信号を送信する場合、各無線機TRの制御部1は自局に割り当てられているタイムスロットに格納して送信することで衝突を回避することができる。なお、無線機TRに対するタイムスロットの割当は固定であってもよいが、親器TR1から送信する同期信号によってタイムスロットの割当情報を各子器TR2に通知しても構わない。なお、このようなタイムスロットの割り当て方法については従来周知のものを採用できるから詳細な説明は省略する。
【0033】
このように本実施形態の無線伝送システムでは、何れの無線機TRでも火災が感知されていないときは各無線機TRが非同期で無線信号を伝送し、何れかの無線機TRで火災が感知されたときは、親器TR1が一定周期の同期信号を送信し、当該同期信号によって規定されるタイムスロットに各子器TR2が割り当てられて無線信号を時分割多重伝送するようになっており、これによって、火災が発生していないために無線信号を伝送する頻度が少ないときは非同期で無線信号を伝送することにより電力消費を抑えて電池寿命を延ばし、何れかの無線機TRで火災が感知されたとき、つまり、無線信号を伝送する頻度が相対的に高くなったときには無線信号を時分割多重伝送することで衝突を回避して情報伝送の遅延を減らすのである。
【0034】
なお、無線機TRの火災感知部4で火災が感知されなくなったり、報知部5による報知音の鳴動を停止させるための操作入力が受け付けられたことが通知されたりした場合には、各無線機TRにおいて報知部5による報知が終了する。この場合、親器TR1の親器側制御部1Aは同期信号の送信を停止し、これによって、無線機TRは通常の間欠受信動作に復帰する(非同期となる)。
【0035】
本実施形態の無線伝送システムでは、火災感知部4で火災を感知した場合には、上述したように各無線機TRの報知部5を連動して鳴動させる動作(火災報知動作)が行われるが、火災を感知していない通常時は、無線機TRの異常を検知するための定期監視が行われる。この定期監視を行うために、親器側制御部1Aは、子器TR2が正常に動作しているか否かの確認用の確認メッセージ(定期監視メッセージ)を含む無線信号よりなる確認信号(定期監視信号)を親器TR1の送受信部2から所定周期(例えば、25時間周期)で送信させる(つまり、確認信号を定期的に送信させる)。そして、親器側制御部1Aは、上記確認信号(定期確認信号)を送信してから応答待時間(例えば4時間)が経過する前に、送受信部2にて後述する応答信号の受信が確認できた子器TR2は正常であると判定し、これによって全ての子器TR2が正常であると判定した場合には、親器側制御部1Aは、上記定期確認信号の送信を再開させる。
【0036】
一方、上記応答待時間が経過しても上記応答信号の受信が確認できなかった子器TR2に対しては、親器側制御部1Aは、上記応答待時間経過時に再度、送受信部2より上記確認信号(第1臨時確認信号)を送信する。そして、親器側制御部1Aは上記確認信号を送信してから第1延長待時間(例えば4時間)が経過する前に、送受信部2にて上記応答信号の受信が確認できた場合、当該子器TR2は正常であると判定し、これによって全ての子器TR2が正常であると判定した場合には、上記定期確認信号の送信を再開させる。
【0037】
上記第1延長待時間が経過しても上記応答信号の受信が確認できなかった子器TR2に対しては、親器側制御部1Aは、上記第1延長待時間経過時に再度、送受信部2より上記確認信号(第2臨時確認信号)を送信する。そして、親器側制御部1Aは上記確認信号を送信してから第2延長待時間(例えば4時間)が経過する前に、送受信部2にて上記応答信号の受信が確認できた場合、当該子器TR2は正常であると判定し、これによって全ての子器TR2が正常であると判定した場合には、上記定期確認信号の送信を再開させる。
【0038】
そして、親器側制御部1Aは、上記第2延長待時間が経過しても上記応答信号の受信が確認できなかった子器TR2は異常であると判定する。子器TR2に異常があると判定すると、親器側制御部1Aは、例えば報知部5に備えたスピーカを鳴動させて、子器TR2が異常であることを報知する。子器TR2が異常であると判定した後には、親器側制御部1Aは、上記定期確認信号の送信を再開させるが、既に異常であると判定されている子器TR2より上記応答信号が得られなくても上記第1臨時確認信号の送信は行わせない。このような子器異常時の動作は、異常と判定した子器TR2全てから上記応答信号が得られた場合に解除される。なお、親器側制御部1Aは、子器TR2に異常があることを報知する異常メッセージを含む無線信号を送受信部2より外部機器(図示せず)に送信させ、当該外部機器にて子器TR2に異常がある旨の報知を行うようにしてもよい。
【0039】
一方、子器側制御部1Bは、子器TR2の送受信部2にて上記確認信号を受信すると、当該子器TR2に固有の識別符号および応答メッセージを含む無線信号よりなる前述の応答信号を子器TR2の送受信部2より送信させる。また、子器側制御部1Bは、送受信部2で上記定期監視信号を受信した後に、所定時間、例えば、上記所定周期の一周期に相応する時間と上記応答待時間と上記第1延長待時間との合計時間(本実施形態では33時間)が経過しても上記定期監視信号を受信しなければ、親器TR1が異常であると判定する。さらに、子器側制御部1Bは、送受信部2で上記第1臨時確認信号を受信した後に、所定時間、例えば、上記所定周期の一周期に相応する時間と上記応答待時間との合計時間(本実施形態では29時間)が経過しても上記定期監視信号を受信しなかったとき、あるいは、送受信部2で上記第2臨時確認信号を受信した後に、所定時間、例えば、上記所定周期の一周期に相応する時間(本実施形態では25時間)が経過しても上記定期確認信号を受信しなかったときにも、親器TR1が異常であると判定する。
【0040】
親器TR1に異常があると判定すると、子器側制御部1Bは、例えば報知部5に備えたスピーカを鳴動させて、親器TR1が異常であることを報知する。親器TR1が異常であると判定した後には、子器側制御部1Bは、親器TR1からの上記定期監視信号を待つ。このような親器異常時の動作は、親器1から上記定期監視信号が得られた場合に解除される。
【0041】
次に、図3,4のフローチャートを参照して、本実施形態の無線伝送システムの動作について簡単に説明する。
【0042】
親器TR1は、イベントが発生したか否かの判定(ステップS100)と、子器TR2より連動要求信号を受信したか否かの判定(ステップS106)とを行い、イベントの発生もなく、子器TR2の上記連動要求信号を受信していないときには定期監視を行う(ステップS110)。一方、子器TR2は、イベントが発生したか否かの判定(ステップS200)と、他の子器TR2より上記連動要求信号を受信したか否かの判定(ステップS206)と、親器TR1より上記連動命令信号を受信したか否かの判定(ステップS210)とを行い、イベントの発生もなく、他の子器TR2の上記連動要求信号と親器TR1の上記連動命令信号とのいずれも受信していないときには定期監視を行う(ステップS213)。つまり、イベントが発生していなければ、親器TR1および子器TR2は定期監視を行う。なお、本実施形態における上記イベントは、火災の発生であるが、これに限らず、連動テスト(火災感知時に連動して動作するか否かのテスト)を含めることができる。
【0043】
このように定期監視を行っている状態において、親器TR1の火災感知部4の感知範囲内で火災が発生した場合には、当該火災の発生が火災感知部4より親器側制御部1Aに通知され、親器TR1は、ステップS100よりステップS101に進み、報知部5により火災発生の報知を行う。さらに、親器TR1は、全ての子器TR2に向けて上記連動命令信号を送信する(ステップS102)。なお、ステップS102において、親器TR1の親器側制御部1Aは、送信期間内で送信可能なフレーム数だけ無線信号を連続して送信し、送信期間後の休止期間(受信期間)には送受信部2を受信状態に切り換える。ここで、親器TR1および子器TR2は非同期で間欠受信しているが、ある程度の回数(例えば、3回)の送信期間を繰り返せば、全ての子器TR2において上記連動命令信号を受信することができる。親器TR1の送信範囲S1には、全ての子器TR2が存在するため、親器TR1の上記連動命令信号は全ての子器TR2で受信される。
【0044】
上記連動命令信号を受信した子器TR2は、ステップS210よりステップS211に進み、報知部5により火災発生の報知を行うとともに、間欠受信動作から連続受信動作に移行する。さらに、子器TR2は、上記連動応答信号を所定のタイミングで送信する(ステップS212)。
【0045】
親器TR1において上記連動命令信号を送信した後には、親器TR1は全ての子器TR2より上記連動応答信号を受信したか否かの判定を行う(ステップS103)。そして、全ての子器TR2より上記連動応答信号を受信したと判定すると、親器TR1は、各子器TR2に対してタイムスロットの割当情報を含む同期信号を一定の周期で送信し(ステップS104)、以降、無線機TR間(親器TR1および複数の子器TR2〜TR5間)で無線信号を時分割多重伝送する。
【0046】
そして、親器TR1の火災感知部4で火災が感知されなくなったり、報知部5による報知音の鳴動を停止させるための操作入力が受け付けられたことが通知されたりした場合には、各無線機TRにおいて報知部5による報知が終了する。また、親器TR1の親器側制御部1Aは同期信号の送信を停止し、これによって無線機TRは通常の間欠受信動作に復帰する(ステップS105,S205)。
【0047】
このように、親器TR1の火災感知部4で火災の発生が検知されたときには、親器TR1の送受信部2より上記連動命令信号が送信され、親器TR1の送信範囲S1には全ての子器TR2が含まれているから、親器TR1より送信された上記連動命令信号は全ての子器TR2の送受信部2で受信され、その結果、全ての無線機TRにおいて報知部5が駆動され、火災発生の報知が行われる。
【0048】
一方、子器TR2(例えば子器TR2A)の火災感知部4の感知範囲内で火災が発生した場合には、当該火災の発生が火災感知部4より子器側制御部1Bに通知され、火災を感知した子器(つまり火元の子器)TR2Aは、ステップS200よりステップS201に進み、報知部5により火災発生の報知を行う。さらに、火元の子器TR2Aは、自分以外の全ての無線機TR(本実施形態の場合、親器TR1および子器TR2B〜TR2D)に向けて上記連動要求信号を送信する(ステップS202)。なお、ステップS202において、子器TR2Aの子器側制御部1Bは、送信期間内で送信可能なフレーム数だけ無線信号を連続して送信し、送信期間後の休止期間(受信期間)には送受信部2を受信状態に切り換える。ここで、親器TR1および子器TR2は非同期で間欠受信しているが、ある程度の回数(例えば、3回)の送信期間を繰り返せば、送信範囲S2A内の親器TR1または子器TR2Bにおいては上記連動要求信号を受信することができる。なお、子器TR2C,TR2Dは、送信範囲S2A内に存在しないので、上記連動要求信号を受信することはできない。
【0049】
上記連動要求信号を受信した親器TR1は、ステップS106よりステップS107に進み、報知部5により火災発生の報知を行う。また、親器TR1は、全ての子器TR2に対して上記連動命令信号の送信を開始する(ステップS108)。親器TR1の無線信号の送信範囲S1には、全ての子器TR2が存在するため、上記連動命令信号は全ての子器TR2で受信される。
【0050】
火元の子器TR2Aは、ステップS202において上記連動要求信号を送信した後は、上記連動命令信号の受信を待ち(ステップS203)、上記連動命令信号を受信すると、ステップS204に進み、上記連動要求信号の送信を停止するとともに間欠受信動作から連続受信動作に移行する(ステップS204)。
【0051】
子器TR2Bは、上記連動命令信号より先に、火元の子器TR2Aより上記連動要求信号を受信した場合には、ステップS206からステップS207に進み、報知部5により火災発生の報知を行うとともに、間欠受信動作から連続受信動作に移行し、上記連動命令信号の受信を待つ(ステップS208)。この後に、上記連動命令信号を受信すると、ステップS208よりステップS209に進み、子器TR2Bは上記連動応答信号を所定のタイミングで送信する。なお、子器TR2Bが、火元の子器TR2Aの上記連動要求信号より先に親器TR1の上記連動命令信号を受信した場合には、ステップS210よりステップS211、ステップS212へと進む。
【0052】
子器TR2C,TR2Dは、火元の子器TR2Aより上記連動要求信号を受信することなく親器TR1より上記連動命令信号を受信するため、ステップS210よりステップS211、ステップS212へと進む。
【0053】
親器TR1は、ステップS108において上記連動命令信号を送信した後には、火元の子器TR2A以外の全ての子器TR2(TR2B〜TR2D)より上記連動応答信号を受信したか否かの判定を行う(ステップS109)。そして、火元の子器TR2A以外の全ての子器TR2より上記連動応答信号を受信したと判定すると、親器TR1は、ステップS109よりステップS104に進む。
【0054】
そして、親器TR1の火災感知部4で火災が感知されなくなったり、報知部5による報知音の鳴動を停止させるための操作入力が受け付けられたことが通知されたりした場合には、各無線機TRにおいて報知部5による報知が終了する。また、親器TR1の親器側制御部1Aは同期信号の送信を停止し、これによって無線機TRは通常の間欠受信動作に復帰する(ステップS105,S205)。
【0055】
このように、いずれかの子器TR2の火災感知部4で火災の発生が検知されたときには、当該子器(つまり火元の子器)TR2の送受信部2から自分を除く全ての無線機TR2に向けて上記連動要求信号が送信され、親器TR1は全ての子器TR2の送信範囲S2が重複する領域Aに配置されているから、火元の子器TR2の上記連動要求信号は親器TR1の送受信部2で受信される。この場合、親器TR1の送受信部2から全ての子器TR2に向けて上記連動命令信号が送信され、親器TR1の送信範囲S1には全ての子器TR2が含まれているから、親器TR1より送信された上記連動命令信号は全ての子器TR2の送受信部2で受信され、その結果、全ての無線機TRにおいて報知部5が駆動され、火災発生の報知が行われる。
【0056】
さらに、本実施形態の無線伝送システムでは、電波チェックが行えるようになっている。この電波チェックは、無線機TRの施工時や設置場所の移動時に、安定的に送受信ができる環境、つまり親器TR1が複数の子器TR2全ての無線信号の送信範囲S2が重複する領域Aに配置されるとともに、親器TR1の無線信号の送信範囲S1に複数の子器TR2全てが配置されているかを確認するためのものである。
【0057】
この電波チェック時の動作について図5に示すフローチャートを参照して説明する。親器側制御部1Aは、器体に設置された電波チェック釦(図示せず)が操作されると、無線信号の送信範囲S1内に全ての子器TR2が配置されているか否かの確認用の返信要求メッセージを含む無線信号(返信要求信号)を送受信部2から送信させる(ステップS300)。ここで、子器側制御部1Bは、送受信部2で上記返信要求信号を受信すると、返信要求信号に対する返信メッセージを含む無線信号(返信信号)を送受信部2から送信させるようになっており、親器側制御部1Aは、上記返信要求信号を送信した後には、全ての子器TR2から上記返信信号が得られたか否かを判定する(ステップS301)。ここで、全ての子器TR2から上記返信信号が得られたときには、報知部5に備えるスピーカを駆動して電波チェックの結果が正常であることを報知する(ステップ302)。一方、上記返信信号が得られなかった子器TR2が存在する場合には、上記返信要求信号の送信回数が所定回数を越えたか否かの判定を行い(ステップS303)、所定回数を越えていなければ、ステップS30に戻って、再度、上記返信要求信号を送信する。一方、上記返信要求信号の送信回数が所定回数を越えている場合には、報知部5に備えるスピーカを駆動して電波チェックの結果が異常であることを報知する(ステップS304)。なお、電波チェックにおいては、単に上記返信信号を受信したか否かだけではなく、受信した上記返信信号の強度の大小に比例した直流電圧信号である受信信号強度表示信(Receiving Signal Strength Indication:RSSI信号)が所定の閾値(安定的な送受信が可能な信号レベル)未満である場合にも、上記返信信号を受信できなかったと判定する。
【0058】
以上述べたように、本実施形態の無線伝送システムは、無線信号を送受信する送受信部2と、火災の発生を検知する火災感知部4と、火災感知部4で火災を検知したときに火災の発生を通知するための通知メッセージを含む無線信号を送受信部2から送信させる制御部1とを具備した複数の無線機TR1,TR2を備え、無線機TR1を親器、残りの無線機TR2を子器として使用するものであって、親器TR1は、複数の子器TR2全ての無線信号の送信範囲が重複する領域に配置され、親器TR1の送受信部2は、複数の子器TR2全てを無線信号の送信範囲内に含み、親器TR1の制御部1は、送受信部2で通知メッセージを含む無線信号(連動要求信号)を受信すると通知メッセージを含む無線信号(連動命令信号)を送受信部2から送信させる。
【0059】
したがって、このような無線伝送システムによれば、親器TR1が複数の子器TR2全ての無線信号の送信範囲S2が重複する領域Aに配置されているので、いずれかの子器TR2でイベントを検知した場合には、当該子器TR2が送信する通知メッセージを含む無線信号(連動要求信号)は確実に親器TR1で受信されて当該通知メッセージを受信した親器TR1からは当該通知メッセージを含む無線信号(連動命令信号)が送信され、また親器TR1でイベントが検知された場合には親器TR1からは通知メッセージを含む無線信号(連動命令信号)が送信され、このとき、親器TR1の送受信部2は複数の子器TR2全てを無線信号の送信範囲S1内に含んでいるので、通知メッセージを複数の子器TR2全てに送信することができるから、隠れ端末(通信エリア外の無線機)を無くして、全ての無線機TRを連動させることができ、しかも、全ての無線機TRが通知メッセージを含む無線信号を送信するのではなく、親器TR1でイベントを検知した場合には親器TR1が、いずれかの子器TR2がイベントを検知した場合には当該子器TR2と親器TR1との2つのみが無線信号を送信するから、システム全体の低消費化を図ることができる。
【0060】
また、イベントの発生を検知した子器TR2と通信可能な子器TR2(イベントの発生を検知した子器TR2の無線信号の送信範囲S2内の子器TR2)においては、親器TR1からの通知メッセージを含む無線信号(連動命令信号)の受信を待つことなく、報知部5によりイベントの発生を報知することができるから、連動を迅速に行えるようになる。その上、親器TR1が故障などで通信不能な場合でも、イベントの発生を検知した子器TR2と通信可能な子器TR2は連動可能となるから、無線機TR間で全く連動できないという事態を防止することができて、イベントの発生を検知した子器TR2から他の子器TR2への報知を確実に行うことが可能となる。
【0061】
また、親器TR1が複数の子器TR2全ての無線信号の送信範囲S2が重複する領域に配置されるとともに、親器TR1の送受信部2が複数の子器TR2全てを無線信号の送信範囲S1内に含んでいるので、親器TR1により全ての子器TR2に確認信号を送信することができるとともに、全ての子器TR2から応答信号を受信することができるから、全ての無線機(全ての子器TR2と親器TR1)TRから自分以外の全ての無線機(全ての子器TR2と親器TR1)TRに確認信号を送信させる必要がなくなって、定期監視(生死確認)に必要な消費電力を低減することができる。さらに、応答信号が得られかった子器TR2をすぐに異常であると判定せずに、確認信号を所定回数再送しても応答信号が得られなかった際に異常であると判定するから、無線信号の送受信の失敗などを子器TR2の異常であると判定してしまうといった誤判定を抑制することができ、定期監視の信頼性を向上することができる。
【0062】
なお、本実施形態の無線伝送システムは、あくまでも本発明の一実施形態に過ぎないものであって、本発明の技術的範囲を本実施形態のものに限定する趣旨ではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変更は当然に行える。例えば、無線機TRは火災感知器に限定されるものではなく、侵入者を検知する人体検知器や、ガス漏れなどを検知するガス感知器など、防災、防犯機器など種々のものを採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の一実施形態の無線伝送システムのシステム構成図である。
【図2】同上の無線伝送システムにおける親器と子器との配置図である。
【図3】親器の動作説明用のフローチャートである。
【図4】子器の動作説明用のフローチャートである。
【図5】電波チェックのフローチャートである。
【符号の説明】
【0064】
1 制御部(制御手段)
2 送受信部(送信手段、受信手段)
4 火災感知部(イベント検知手段)
5 報知部(報知手段)
TR(TR1,TR2) 無線機(親器,子器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線信号を送信する送信手段と、無線信号を受信する受信手段と、所定のイベントの発生を検知する検知手段と、検知手段でイベントを検知したときに当該イベントの発生を通知するための通知メッセージを含む無線信号を送信手段から送信させる制御手段とを具備した複数の無線機を備え、
複数の無線機のうちの一つを親器、残りの無線機を子器とし、
親器は、複数の子器全ての無線信号の送信範囲が重複する領域に配置され、
親器の送信手段は、複数の子器全てを無線信号の送信範囲内に含み、
親器の制御手段は、受信手段で通知メッセージを含む無線信号を受信すると通知メッセージを含む無線信号を送信手段から送信させることを特徴とする無線伝送システム。
【請求項2】
上記無線機は、上記イベントの発生を報知する報知手段を具備し、
上記親器の制御手段は、上記検知手段でイベントの発生を検知したとき、または上記受信手段で上記通知メッセージを含む無線信号を受信したときに、上記報知手段を駆動し、
上記子器の制御手段は、上記検知手段でイベントの発生を検知したとき、あるいは上記受信手段で上記親器または別の子器が送信した上記通知メッセージを含む無線信号を受信したときに、上記報知手段を駆動することを特徴とする無線伝送システム。
【請求項3】
上記子器の制御手段は、上記子器が正常に動作しているか否かの確認用の確認メッセージを含む無線信号よりなる確認信号を当該子器の受信手段で受信すると、当該子器に固有の識別符号および応答メッセージを含む無線信号よりなる応答信号を当該子器の送信手段から送信させ、
上記親器の制御手段は、定期的に上記確認信号を当該親器の送信手段から送信させ、当該親器の受信手段にて上記応答信号の受信を確認できた上記子器は正常であると判定することを特徴とする請求項1または2記載の無線伝送システム。
【請求項4】
上記親器の制御手段は、上記親器の受信手段で上記応答信号が得られなかった上記子器に対して、上記確認信号を上記親器の送信手段から再送させ、上記確認信号を所定回数再送しても上記親器の受信手段にて上記応答信号の受信を確認できなければ、異常であると判定することを特徴とする請求項3記載の無線伝送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−171067(P2009−171067A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−5030(P2008−5030)
【出願日】平成20年1月11日(2008.1.11)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】