説明

無線通信システム、情報処理センター及び無線通信方法

【課題】文字入力用や画面表示用のユーザーインターフェースを有しない通信機器に対しても、認証を行った後に無線通信を開始することが可能な無線通信システム、情報処理センター及び無線通信方法を提供する。
【解決手段】本実施形態では、Bluetoothのように互いの認証後に無線通信を開始する車載無線通信端末10及び携帯電話端末20間の無線通信において、サーバ30の無線通信部31が、無線通信端末10と携帯電話端末20との間の無線通信の認証に必要な認証キーを携帯電話端末20から受信し、受信した認証キーを車載無線通信端末10に送信する。これにより、車載無線通信端末10が認証キーを表示する表示装置や認証キーを入力する入力装置が無くとも、サーバ30を介して車載無線通信端末10に認証キーが送信され、無線通信端末10及び携帯電話端末20が互いに認証を行ない、無線通信を確立できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システム、情報処理センター及び無線通信方法に関し、特に、互いに認証を行った後に無線通信を開始する無線通信機器のための無線通信システム、情報処理センター及び無線通信方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、Bleutooth(登録商標)といった規格の近距離無線通信によって、携帯電話機、デジタルカメラ、オーディオ機器、車載のナビゲーションシステム及び車載のオーディオ機器同士を接続することが行われている。例えば、特許文献1には、Bluetooth通信部を備え、通信相手となる携帯電話機との間でBluetooth通信部を介して無線通信リンクを確立する際に、携帯電話機との間で暗証コード(認証キー)を交換して認証処理を実行するハンズフリー通話装置が開示されている。このハンズフリー通話装置では、暗証コードを生成するランダム暗証コード生成部と、ランダム暗証コード生成部が生成した暗証コードを表示する表示部とを備え、表示部によって表示された暗証コードを携帯電話機に基づいて認証処理を実行する。この場合、当該暗証コードをユーザが携帯電話機に入力すると、ハンズフリー通話装置のBluetooth通信部と携帯電話機とが暗証コードを交換し、認証処理が行われ、ハンズフリー通話装置と携帯電話機との関連付け(ペアリング)が行われる。これにより、文字入力用のユーザーインターフェースを有しない電子機器であっても、セキュリティの高い認証を実現可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−85423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、携帯電話網やIP通信網などの無線通信サービスの広エリア化、広帯域化が進んでおり、無線通信での常時接続が可能な環境が整いつつある。自動車においても、無線通信システム(テレマティクス)を搭載した車両が普及し、緊急通報システム、交通情報の探索、オペレータとの通話及びインターネットへのアクセスといったサービスが提供されている。自動車のナビゲーションシステム等と上記サービスを提供する情報処理センターとを接続する方法として、車両に備え付けられた無線通信機を利用して情報処理センターと接続する方法と、ユーザの携帯電話機を利用して情報処理センターと接続する方法とがある。携帯電話機を利用して情報処理センターと自動車のナビゲーションシステムとを接続する場合には、携帯電話機と自動車のナビゲーションシステム等との接続には、現在、上記のBluetoothを利用することが多い。
【0005】
ここで、携帯電話機と自動車のナビゲーションシステム等とをBluetoothにより接続(ペアリング)するためには、自動車の文字入力用のユーザーインターフェースに、認証キーを入力する必要がある。上記特許文献1のように、文字入力用のユーザーインターフェースを自動車側に必要としないシステムであっても、自動車側に認証キーを画面表示する表示装置が必要となる。そのため、文字入力用や画面表示用のユーザーインターフェースを有しない低価格の自動車においては、上記のようなサービスを普及させることができず問題となる。
【0006】
本発明は、このような実情に考慮してなされたものであり、その目的は、文字入力用や画面表示用のユーザーインターフェースを有しない通信機器に対しても、認証を行った後に無線通信を開始することが可能な無線通信システム、情報処理センター及び無線通信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、互いに認証を行った後に無線通信を開始する第1の無線通信機器及び第2の無線通信機器と、第1の無線通信機器と第2の無線通信機器との間の無線通信の確立に必要な情報処理を行う情報処理センターとを備えた無線通信システムであって、情報処理センターは、第1の無線通信機器と第2の無線通信機器との間の無線通信の認証に必要な認証キーを第1の無線通信機器から受信する受信手段と、受信手段が受信した認証キーを第2の無線通信機器に送信する送信手段とを有する無線通信システムである。
【0008】
この構成によれば、Bluetoothのように互いに認証を行った後に無線通信を開始する第1の無線通信機器及び第2の無線通信機器の間の無線通信において、無線通信の確立に必要な情報処理を行う情報処理センターは、その受信手段が、第1の無線通信機器と第2の無線通信機器との間の無線通信の認証に必要な認証キーを第1の無線通信機器から受信し、その送信手段が、受信手段が受信した認証キーを第2の無線通信機器に送信する。これにより、第2の無線通信機器が認証キーを表示するため表示装置や認証キーを入力する入力装置が無くとも、情報処理センターを介して第2の無線通信機器に認証キーが送信され、第1の無線通信機器及び第2の無線通信機器が互いに認証を行ない、無線通信を確立することができる。
【0009】
この場合、第1の無線通信機器の識別情報と第2の無線通信機器の識別情報とを関連付けて記憶した記憶手段をさらに備え、受信手段は、第1の無線通信機器の識別情報と、第2の無線通信機器の識別情報とを第1の無線通信機器から受信し、送信手段は、記憶手段に関連付けて記憶された第1の無線通信機器の識別情報と第2の無線通信機器の識別情報と、受信手段が受信した第1の無線通信機器の識別情報と第2の無線通信機器の識別情報とが一致するときに、受信手段が受信した認証キーを第2の無線通信機器に送信することが好適である。
【0010】
この構成によれば、記憶手段が、第1の無線通信機器の識別情報と第2の無線通信機器の識別情報とを関連付けて記憶し、受信手段は、第1の無線通信機器の識別情報と、第2の無線通信機器の識別情報とを第1の無線通信機器から受信し、記憶手段に関連付けて記憶された第1の無線通信機器の識別情報と第2の無線通信機器の識別情報と、受信手段が受信した第1の無線通信機器の識別情報と第2の無線通信機器の識別情報とが一致するときに、受信手段が受信した認証キーを第2の無線通信機器に送信する。これにより、記憶手段に記憶された識別情報と、第1の無線通信手段から受信した識別情報が一致したときに、認証キーが第2の無線通信機器に送信されるため、不特定の機器や意図しない機器との通信ではなく、特定の機器同士の無線通信を確実に確立させることができる。
【0011】
また、本発明は、互いに認証を行った後に無線通信を開始する第1の無線通信機器と第2の無線通信機器との間の無線通信の確立に必要な情報処理を行う情報処理センターであって、第1の無線通信機器と第2の無線通信機器との間の無線通信の認証に必要な認証キーを第1の無線通信機器から受信する受信手段と、受信手段が受信した認証キーを第2の無線通信機器に送信する送信手段とを備えた情報処理センターである。
【0012】
この場合、第1の無線通信機器の識別情報と第2の無線通信機器の識別情報とを関連付けて記憶した記憶手段をさらに備え、受信手段は、第1の無線通信機器の識別情報と、第2の無線通信機器の識別情報とを第1の無線通信機器から受信し、送信手段は、記憶手段に関連付けて記憶された第1の無線通信機器の識別情報と第2の無線通信機器の識別情報と、受信手段が受信した第1の無線通信機器の識別情報と第2の無線通信機器の識別情報とが一致するときに、受信手段が受信した認証キーを第2の無線通信機器に送信することが好適である。
【0013】
また、本発明は、他の無線通信機器と互いに認証を行った後に無線通信を開始する無線通信機器であって、他の無線通信機器から送信された他の無線通信機器との間の無線通信の認証に必要な認証キーを情報処理センターを介して受信する受信手段を備えた無線通信機器である。
【0014】
この場合、他の無線通信機器から送信された前記認証キーは、他の無線通信機器から送信された他の無線通信機の識別情報と自己の識別情報と、情報処理センターに関連付けて記憶された他の無線通信機の識別情報と自己の識別情報とが一致するときに、情報処理センターから送信されたものであることが好適である。
【0015】
さらに、本発明は、互いに認証を行った後に無線通信を開始する第1の無線通信機器及び第2の無線通信機器と、第1の無線通信機器と第2の無線通信機器との間の無線通信の確立に必要な情報処理を行う情報処理センターとによる無線通信方法であって、情報処理センターが、第1の無線通信機器と第2の無線通信機器との間の無線通信の認証に必要な認証キーを第1の無線通信機器から受信する受信工程と、受信工程で受信した認証キーを第2の無線通信機器に送信する送信工程とを含む無線通信方法である。
【0016】
この場合、情報処理センターが予め第1の無線通信機器の識別情報と第2の無線通信機器の識別情報とを関連付けて記憶する記憶工程をさらに含み、受信工程は、第1の無線通信機器の識別情報と、第2の無線通信機器の識別情報とを第1の無線通信機器から受信し、送信工程は、記憶工程で関連付けて記憶された第1の無線通信機器の識別情報と第2の無線通信機器の識別情報と、受信工程で受信した第1の無線通信機器の識別情報と第2の無線通信機器の識別情報とが一致するときに、受信手段が受信した認証キーを第2の無線通信機器に送信することが好適である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の無線通信システム、情報処理センター及び無線通信方法によれば、文字入力用や画面表示用のユーザーインターフェースを有しない通信機器に対しても、認証を行った後に無線通信を開始することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】サーバの個人・車両情報DBに記憶された個人情報と車両情報とを示す図である。
【図3】図1の無線通信システムの動作のシーケンスを示す図である。
【図4】図1の携帯電話端末の個人情報の設定画面を示す図である。
【図5】図1の携帯電話端末の車両情報の設定画面を示す図である。
【図6】図1の携帯電話端末の近距離無線通信の設定画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る無線通信システム、情報処理センター及び無線通信方法について説明する。図1に示すように、本実施形態の無線通信システムは、車載無線通信端末10及び携帯電話端末20からなる無線通信表示・操作システム1と、サーバ30とを備える。本実施形態の無線通信システムは、サーバ30を利用して、車載無線通信端末10とユーザの携帯電話端末20とをBluetooth等の規格の近距離無線通信により接続(ペアリング)する。
【0020】
車載無線通信端末10は、例えば、自動車のナビゲーションシステム等と接続されている。本実施形態では、自動車側の機器には、ペアリングのための認証キーとなるPIN(Personal Identification Number)を手入力可能な文字入力用のユーザーインターフェースや、PINを表示可能な画面表示用のユーザーインターフェースを有していないものとする。車載無線通信端末10は、無線通信部11と近距離無線通信部12とを有する。
【0021】
無線通信部11は、サーバ30との無線通信を行うためのものである。近距離無線通信部12は、携帯電話端末20とBluetooth等の近距離無線通信を行うためのものである。この近距離無線通信は、通信リンクを確立するために車載無線通信端末10と携帯電話端末20との間で互いに認証を行う必要があり、互いの機器が認証キーを得ている必要がある。
【0022】
携帯電話端末20は、無線通信部21、表示部22、操作部23及び近距離無線通信部24を有する。無線通信部21は、サーバ30のインターネット上におけるURL(Uniform Resource Locator)を指定することにより、サーバ30との無線通信を行うためのものである。なお、本実施形態では、携帯電話端末20のユーザが車載無線通信端末10を搭載した車両を購入した時に、購入者専用のサーバ30のURLが添付されたものを購入しているものとする。無線通信部21は、車載無線通信端末10との近距離無線通信の通信リンクを確立する際には、認証に必要な携帯電話端末20の所持者であるユーザの個人情報と、車載無線通信端末10が搭載された車両の車両情報と、認証キーをサーバ30に送信する。
【0023】
表示部22は、具体的には液晶ディスプレイであり、ユーザに対して各種の情報を画面表示するためのユーザーインターフェースである。操作部23は、具体的には、操作キー等であり、ユーザが各種情報を手入力するためのユーザーインターフェースである。あるいは操作部23はバーコード等を読取ることにより、所定の情報を入力されるものでも良い。近距離無線通信部24は、車載無線通信端末10とBluetooth等の規格の近距離無線通信を行うためのものである。
【0024】
サーバ30は、無線通信部31、個人・車両情報DB32、照合判定部33及び近距離無線通信設定部34とを有する。無線通信部31は、車載無線通信端末10及び携帯電話端末20との無線通信を行うためのものである。具体的には、無線通信部31は、認証に必要な携帯電話端末20の所持者であるユーザの個人情報と、車載無線通信端末10が搭載された車両の車両情報と、認証キーを携帯電話端末20から受信する。また、無線通信部31は、認証キーを車載無線通信端末10に送信する。
【0025】
個人・車両情報DB32は、携帯電話端末20の所持者であるユーザの個人情報と、車載無線通信端末10が搭載された車両の車両情報とが関連付けて記憶されている。図2の例に示すように、個人・車両情報DB32には、個人情報としてユーザの氏名、住所及び電話番号と、車両情報として車両No、車名及びグレードとが関連付けて記憶されている。この他にも、個人・車両情報DB32には、携帯電話端末20を直接特定する携帯電話端末20の製造番号等と、車載無線通信端末20を直接特定する車載無線通信端末10の製造番号等とが関連付けて記憶されていても良い。これらの情報は、携帯電話端末20のユーザが車載無線通信端末20を搭載した車両を購入した時に登録されるものとできる。
【0026】
照合判定部33は、個人・車両情報DB32に記憶された個人情報及び車両情報と、無線通信部31が携帯電話端末20から受信した個人情報及び車両情報とが一致するか否か照合判定を行うためのものである。近距離無線設定部34は、照合判定部33が、個人・車両情報DB32に記憶された個人情報及び車両情報と、無線通信部31が携帯電話端末20から受信した個人情報及び車両情報とが一致すると判定したときに、暗号方式を設定し、携帯電話端末20から受信した認証キーを無線通信部31を介して車載無線通信端末10に送信するためのものである。
【0027】
以下、本実施形態の無線通信システムの動作について説明する。図3に示すように、携帯電話端末20は、ユーザにより購入者専用のURLを操作部23に入力される(S11)。携帯電話端末20の無線通信部21は、サーバ30に対して購入者専用のURLのWebページのデータを送信するように要求する(S12)。サーバ30の無線通信部31は、携帯電話端末20に対して購入者専用のURLのWebページのデータを送信する(S13)。この場合、ユーザがバーコード等を操作部23にかざすことにより、サーバ30に接続されるようにしても良い。
【0028】
携帯電話端末20の表示部22には、サーバ30から受信したデータによって図4に示すような表示画面220が表示される(S14)。携帯電話端末20は、ユーザにより、個人情報としてユーザの氏名、住所及び電話番号を操作部23に入力される(S15)。次に、携帯電話端末20の表示部22は図5に示すような表示画面220を表示し、ユーザにより、車両情報として車両No、車名及びグレードを操作部23に入力される(S16)。次に、携帯電話端末20の表示部22は図6に示すような表示画面220を表示し、ユーザにより、暗号方式と認証キーとが入力される(S17)。
【0029】
この場合の認証キーはユーザが任意に設定可能である。本実施形態では、セキュリティ面からサーバ30を経由して認証キーを変更することが可能であるため、有用である。さらに、認証キーはサーバ30のいずれにも記憶されないため、セキュリティ強度を高めることが可能となる。
【0030】
携帯電話端末20の無線通信部21は、ユーザにより操作部23に入力された個人情報、車両情報、暗号方式及び認証キーといった情報をサーバ30に送信する(S18)。サーバ30の照合判定部33は、無線通信部31を介して携帯電話端末20から受信した個人情報に関連付けられた車両情報を個人・車両情報DB32から読み出す(S19)。携帯電話端末20の無線通信部21は、個人・車両情報DB32に記憶された個人情報及び車両情報と、無線通信部31が携帯電話端末20から受信した個人情報及び車両情報とが一致するか否か照合判定を行う(S20)。
【0031】
近距離無線通信設定部34は、照合判定部33が、個人・車両情報DB32に記憶された個人情報及び車両情報と、無線通信部31が携帯電話端末20から受信した個人情報及び車両情報とが一致すると判定したときは、暗号方式を設定し、携帯電話端末20から受信した暗号方式及び認証キーを近距離無線通信情報として無線通信部31を介して車載無線通信端末10に送信する(S21)。なお、照合判定部33が、個人・車両情報DB32に記憶された個人情報及び車両情報と、無線通信部31が携帯電話端末20から受信した個人情報及び車両情報とが一致しないと判定したときは、サーバ30の照合判定部33は無線通信部31に携帯電話端末20に対してエラーメッセージを送信する。
【0032】
車載無線通信端末10は、無線通信部11によりサーバ30から近距離無線通信情報を受信すると、近距離無線通信部12は受信した近距離無線通信情報の暗号方式及び認証キーに基づいて近距離無線通信設定を行う(S22)。無線通信部11は、近距離無線通信設定完了通知をサーバ30に送信する(S23)。サーバ30の無線通信部31は、車載無線通信端末10から受信した近距離無線通信設定完了通知を携帯電話端末20に転送する(S24)。
【0033】
携帯電話端末20は、無線通信部21よりサーバ30から近距離無線通信設定完了通知を受信すると、近距離無線通信部22はS17で入力された近距離無線通信情報に基づいて近距離無線通信設定を行う(S25)。携帯電話端末20の近距離無線通信部24は、設定された暗号方式により認証キーを車載無線通信端末10に直接送信する(S26)。携帯電話端末20から送信された認証キーを受信した車載無線通信端末10の近距離無線通信部12は、認証が完了した旨の近距離無線通信設定認証完了通知を返信する(S27)。以降は、車載無線通信端末10と携帯電話端末20との間で双方向通信である近距離無線通信が行われる(S28)。
【0034】
本実施形態では、Bluetoothのように互いに認証を行った後に無線通信を開始する車載無線通信端末10及び携帯電話端末20の間の無線通信において、無線通信の確立に必要な情報処理を行うサーバ30は、その無線通信部31が、無線通信端末10と携帯電話端末20との間の無線通信の認証に必要な認証キーを携帯電話端末20から受信し、受信した認証キーを車載無線通信端末10に送信する。これにより、車載無線通信端末10が認証キーを表示するため表示装置や認証キーを入力する入力装置が無くとも、サーバ30を介して車載無線通信端末10に認証キーが送信され、無線通信端末10及び携帯電話端末20が互いに認証を行ない、無線通信を確立することができる。
【0035】
特に本実施形態では、個人・車両情報DB32が、携帯電話端末20の所持者であるユーザの個人情報と、車載無線通信端末10が搭載された車両の車両情報とを関連付けて記憶し、無線通信部31は、個人情報と車両情報とを携帯電話端末20から受信し、個人・車両情報DB32に関連付けて記憶された個人情報及び車両情報と、無線通信部31が受信した個人情報及び車両情報とが一致するときに、受信した認証キーを車載無線通信端末10に送信する。これにより、個人・車両情報DB32に記憶された識別情報と、携帯電話端末20から受信した識別情報が一致したときに、認証キーが車載無線通信端末10に送信されるため、不特定の機器や意図しない機器との通信ではなく、特定の機器同士の無線通信を確実に確立させることができる。
【0036】
さらに、本実施形態では、ユーザが携帯電話端末20にバーコード等をかざすことにより、サーバ30に接続できるようにすることにより、ユーザの利便性はさらに高まる。加えて、Bluetooth等の規格の近距離無線通信での接続に対するユーザのディーラーへの問合せも減少し、ディーラーでの対応件数も低減させることができる。加えて、サーバ30側では、Bluetooth等の規格の近距離無線通信の使用状況を確認可能であるため、サーバ30側で今後のサービスの内容を検討することも可能となる。また、ペアリング完了後は、携帯電話端末20の表示部22を車載通信端末10のユーザインターフェースとしての画面として使用することで、車載通信端末10の状態の表示及び操作が可能となる。
【0037】
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。上記実施形態では、車載の装置を主に記載したが、本発明は車載機以外の他の互いに認証が必要な通信にも適用可能である。
【符号の説明】
【0038】
1…無線通信表示・操作システム、10…車載無線通信端末、11…無線通信部、12…近距離無線通信部、20…携帯電話端末、21…無線通信部、22…表示部、23…操作部、24…近距離無線通信部、30…サーバ、31…無線通信部、32…個人・車両情報DB、33…照合判定部、34…近距離無線通信設定部、220…設定画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに認証を行った後に無線通信を開始する第1の無線通信機器及び第2の無線通信機器と、
前記第1の無線通信機器と前記第2の無線通信機器との間の無線通信の確立に必要な情報処理を行う情報処理センターと、
を備えた無線通信システムであって、
前記情報処理センターは、
前記第1の無線通信機器と前記第2の無線通信機器との間の無線通信の認証に必要な認証キーを前記第1の無線通信機器から受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記認証キーを前記第2の無線通信機器に送信する送信手段と、
を有する無線通信システム。
【請求項2】
前記第1の無線通信機器の識別情報と前記第2の無線通信機器の識別情報とを関連付けて記憶した記憶手段をさらに備え、
前記受信手段は、前記第1の無線通信機器の識別情報と、前記第2の無線通信機器の識別情報とを前記第1の無線通信機器から受信し、
前記送信手段は、前記記憶手段に関連付けて記憶された前記第1の無線通信機器の識別情報と前記第2の無線通信機器の識別情報と、前記受信手段が受信した前記第1の無線通信機器の識別情報と前記第2の無線通信機器の識別情報とが一致するときに、前記受信手段が受信した前記認証キーを前記第2の無線通信機器に送信する、請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
互いに認証を行った後に無線通信を開始する第1の無線通信機器と第2の無線通信機器との間の無線通信の確立に必要な情報処理を行う情報処理センターであって、
前記第1の無線通信機器と前記第2の無線通信機器との間の無線通信の認証に必要な認証キーを前記第1の無線通信機器から受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記認証キーを前記第2の無線通信機器に送信する送信手段と、
を備えた情報処理センター。
【請求項4】
前記第1の無線通信機器の識別情報と前記第2の無線通信機器の識別情報とを関連付けて記憶した記憶手段をさらに備え、
前記受信手段は、前記第1の無線通信機器の識別情報と、前記第2の無線通信機器の識別情報とを前記第1の無線通信機器から受信し、
前記送信手段は、前記記憶手段に関連付けて記憶された前記第1の無線通信機器の識別情報と前記第2の無線通信機器の識別情報と、前記受信手段が受信した前記第1の無線通信機器の識別情報と前記第2の無線通信機器の識別情報とが一致するときに、前記受信手段が受信した前記認証キーを前記第2の無線通信機器に送信する、請求項3に記載の情報処理センター。
【請求項5】
他の無線通信機器と互いに認証を行った後に無線通信を開始する無線通信機器であって、
前記他の無線通信機器から送信された前記他の無線通信機器との間の無線通信の認証に必要な認証キーを情報処理センターを介して受信する受信手段を備えた無線通信機器。
【請求項6】
前記他の無線通信機器から送信された前記認証キーは、前記他の無線通信機器から送信された前記他の無線通信機の識別情報と自己の識別情報と、前記情報処理センターに関連付けて記憶された前記他の無線通信機の識別情報と自己の識別情報とが一致するときに、前記情報処理センターから送信されたものである、請求項5に記載の無線通信機器。
【請求項7】
互いに認証を行った後に無線通信を開始する第1の無線通信機器及び第2の無線通信機器と、前記第1の無線通信機器と前記第2の無線通信機器との間の無線通信の確立に必要な情報処理を行う情報処理センターとによる無線通信方法であって、
前記情報処理センターが、前記第1の無線通信機器と前記第2の無線通信機器との間の無線通信の認証に必要な認証キーを前記第1の無線通信機器から受信する受信工程と、
前記受信工程で受信した前記認証キーを前記第2の無線通信機器に送信する送信工程と、
を含む無線通信方法。
【請求項8】
前記情報処理センターが予め前記第1の無線通信機器の識別情報と前記第2の無線通信機器の識別情報とを関連付けて記憶する記憶工程をさらに含み、
前記受信工程は、前記第1の無線通信機器の識別情報と、前記第2の無線通信機器の識別情報とを前記第1の無線通信機器から受信し、
前記送信工程は、前記記憶工程で関連付けて記憶された前記第1の無線通信機器の識別情報と前記第2の無線通信機器の識別情報と、前記受信工程で受信した前記第1の無線通信機器の識別情報と前記第2の無線通信機器の識別情報とが一致するときに、前記受信手段が受信した前記認証キーを前記第2の無線通信機器に送信する、請求項7に記載の情報処理センター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−164754(P2011−164754A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−24219(P2010−24219)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】