説明

無線通信装置のアンテナをチューニングするシステム及び方法

【課題】
無線通信装置のアンテナをチューニングするシステム及び方法が提供される。
【解決手段】
無線通信装置の制御パスは、結合ポートと終端ポートとを有する無線周波数カプラを含む。該無線周波数カプラは、アンテナチューナに接続された伝送線の伝送電力の少なくとも一部を結合し、それにより、結合ポートが、アンテナチューナに接続されるアンテナに伝達される入射電力を表す第1の信号を担持し、且つ終端ポートが、アンテナによって反射される反射電力を表す第2の信号を担持するようにする。この制御パスはまた、少なくとも第1の信号及び第2の信号に基づいて、アンテナチューナのインピーダンスを制御するための1つ以上の制御信号をアンテナチューナに伝達する制御モジュールを含み得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、概して無線通信に関し、より具体的には無線通信装置のアンテナのチューニングに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムは、多様な遠隔通信システム、テレビジョン、ラジオ及びその他のメディアシステム、データ通信ネットワーク、並びにその他システムにて、無線送信機と無線受信機とを用いて遠隔地点間で情報を伝達するために使用されている。送信機は、通常はアンテナの助けを借りて、例えばラジオ信号、テレビジョン信号又はその他の遠隔通信信号などの電磁信号を伝える電子装置である。送信機は、データ信号を符号化し、それを無線周波数信号にアップコンバート(周波数情報変換)し、且つそれを信号増幅器に渡すデジタル信号処理回路を含むことが多い。信号増幅器は、この無線周波数信号を受信し、該信号を所定の利得で増幅し、且つ増幅された信号をアンテナを介して通信する。一方、受信機は、やはり通常はアンテナの助けを借りて、無線電磁信号の受信及び処理を行う電子装置である。一例において、送信機及び受信機は、送受信機(トランシーバ)と呼ばれる単一の装置に結合され得る。
【0003】
多くの無線送受信機、特に、携帯電話に統合される無線送受信機は、伝搬路特性の影響以外で無線特性を劣化させることがある。この問題は、ユーザの頭部、手又はその他の人体部位が送受信機のアンテナに近接した結果として発生し得る。アンテナに対するこのような人体部位の近接性は、例えば実効的な負荷抵抗、負荷キャパシタンス又は負荷インダクタンスにおける変化など、アンテナの電気特性に変化を生じさせ得る。これらの電気特性変化は、アンテナに伝達される入射電力と反射電力との比を変動させ、ひいては、送信信号の性能劣化をもたらし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この開示に係る実施形態により、無線通信装置のアンテナをチューニングするシステム及び方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この開示に係る一部の実施形態によれば、無線通信装置の制御パスは、結合ポートと終端ポートとを有する無線周波数カプラを含む。該無線周波数カプラは、アンテナチューナに接続された伝送線の伝送電力の少なくとも一部を結合し、それにより、結合ポートが、アンテナチューナに接続されるアンテナに伝達される入射電力を表す第1の信号を担持し、且つ終端ポートが、アンテナによって反射される反射電力を表す第2の信号を担持するようにする。この制御パスはまた、少なくとも第1の信号及び第2の信号に基づいて、アンテナチューナのインピーダンスを制御するための1つ以上の制御信号をアンテナチューナに伝達する制御モジュールを含み得る。
【発明の効果】
【0006】
この開示に係る実施形態によれば、ユーザの頭部、手又はその他の人体部位の影響による無線特性劣化、又はその他の不所望効果による送信性能の劣化を抑制あるいは排除するように、アンテナが動的にチューニングされ得る。
【0007】
この開示に係る様々な実施形態は、ここに挙げる技術的利点の全て又は一部を含むこともあるし、それらの技術的利点を含まないこともある。また、図面、以下の説明及び特許請求の範囲から、この開示に係るその他の技術的利点が当業者に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
この開示に係る実施形態並びにその特徴及び利点の、より完全なる理解のため、以下の詳細な説明とともに、下記の図を含む添付図面を参照する。
【図1】本実施形態における無線通信システムを示すブロック図の一例である。
【図2】本実施形態における送信及び/又は受信要素の構成要素を示すブロック図の一例である。
【図3】本実施形態におけるアンテナチューナを制御する方法を示すフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本実施形態における無線通信システム100のブロック図の一例を示している。簡略化のため、端末110及び基地局120がそれぞれ2つのみ図2に示されている。端末110は、遠隔局、移動局、アクセス端末、ユーザ装置(user equipment;UE)、無線通信装置、携帯電話、又はその他の用語としても参照される。基地局120は固定局であってもよく、アクセスポイント、ノードB、又はその他の用語としても参照される。
【0010】
端末110は衛星130からの信号を受信することができてもよいし、そうでなくてもよい。衛星130は、例えば周知のグローバル・ポジショニング・システム(GPS)などの衛星測位システムに属し得る。各GPS衛星はGPS信号を送信することができ、GPS信号は、地球上のGPS受信機が当該GPS信号の到着時刻を測定することを可能にする情報で符号化され得る。GPS受信機の3次元位置を正確に見積もるために、十分な数のGPS衛星に関する測定が用いられ得る。端末110はまた、例えばブルートゥース送信機、ワイヤレス・フィデリティ(Wi−Fi)送信機、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)送信機、IEEE802.11送信機、及びその他の好適な送信機などのその他の種類の送信源からの信号を受信することができる。
【0011】
図1において、各端末110は、基地局120又は衛星130とし得る複数の送信源からの信号を同時に受信するように示されている。本実施形態において、端末110は送信源であってもよい。一般に、端末110は所与の瞬間に0、1又は複数の送信源からの信号を受信し得る。
【0012】
システム100は、符号分割多重アクセス(CDMA)システム、時分割多重アクセス(TDMA)システム、又はその他の無線通信システムとし得る。CDMAシステムは、例えばIS−95、IS−2000(“1x”としても広く知られる)、IS−856(“1xEV−DO”としても広く知られる)及びワイドバンドCDMA(W−CDMA)などの1つ以上のCDMA規格を実装し得る。TDMAシステムは、例えばGSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)などの1つ以上のTDMA規格を実装し得る。W−CDMA規格は3GPPとして知られるコンソーシアムによって規定され、IS−2000規格及びIS−856規格は3GPP2として知られるコンソーシアムによって規定されている。
【0013】
図2は、本実施形態における送信及び/又は受信要素200(例えば、端末110、基地局120、又は衛星130)の構成要素のうちの選択した一部のブロック図の一例を示している。要素200は送信パス(経路)201、受信パス221、及びアンテナチューナ制御パス241を含み得る。要素200の機能に応じて、要素200は、送信機、受信機又は送受信機と見なされ得る。
【0014】
図2に示すように、要素200はデジタル回路202を含み得る。デジタル回路202は、受信パス221を介して受信したデジタル信号及び情報、及び/又は送信パス201を介して送信される信号及び情報を処理するように構成された、如何なるシステム、デバイス又は装置を含んでいてもよい。このようなデジタル回路202は、1つ以上のマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ及び/又はその他の好適な装置を含み得る。図2に示すように、デジタル回路202は、デジタル信号のIチャネル(同相チャネル)及びQチャネル(直交チャネル)を送信パス201に伝達し得る。
【0015】
送信パス201は、Iチャネル及びQチャネルの各々用のデジタル−アナログ変換器(DAC)204を含み得る。各DAC204は、デジタル回路202からデジタル信号のIチャネル成分及びQチャネル成分のうちのそれぞれの一方を受信し、該チャネル成分をアナログ信号に変換するように構成され得る。そして、このアナログ信号は、アップコンバータ208を含む送信パス201の1つ以上のその他の構成要素へと渡され得る。
【0016】
アップコンバータ208は、DAC204から受信したアナログ信号を、発振器210によって提供される発振器信号に基づいて、無線周波数の無線通信信号へとアップコンバートするように構成され得る。発振器210は、アナログ信号の無線通信信号への変調若しくはアップコンバージョン、又は無線通信信号のアナログ信号への復調若しくはダウンコンバージョンのための所定周波数のアナログ波形を生成するように構成された、如何なる好適なデバイス、システム又は装置であってもよい。一部の実施形態において、発振器210はデジタル制御型水晶発振器とし得る。
【0017】
送信パス201は、アップコンバートされた信号を送信のために増幅する可変利得増幅器(variable-gain amplifier;VGA)214と、アップコンバーとされたアナログ信号を、アンテナ218を介した送信のために更に増幅する電力増幅器(パワーアンプ)220とを含み得る。電力増幅器220の出力はデュプレクサ(送受切換器)223に伝達され得る。デュプレクサ223は、アンテナスイッチ216と送信パス201及び受信パス221の各々との間に接続される。従って、デュプレクサ223は、アンテナチューナ217及びアンテナ218による双方向通信(例えば、送信パス201からアンテナ、及びアンテナ218から受信パス221)を可能にし得る。
【0018】
アンテナスイッチ216は、デュプレクサ223とアンテナチューナ217との間に接続され得る。アンテナスイッチ216は、各電力増幅器が異なる1つの帯域又は帯域クラスに対応し得る2つ以上の電力増幅器(例えば、電力増幅器220と同様のもの)の出力を多重化するように構成されてもよい。アンテナスイッチ216は、アンテナ218によって受信された信号の、複数の異なる帯域又は帯域クラスの複数の受信パスへの逆多重化を可能にしてもよい。
【0019】
アンテナチューナ217は、アンテナスイッチ216とアンテナ218との間に接続され得る。アンテナチューナ217は、送信パス201のインピーダンスをアンテナ218に整合させる(あるいは、僅差まで整合させようとする)ことによってアンテナ218と送信パス201との間での電力伝達効率を向上させるように構成された、如何なるデバイス、システム又は装置を含んでいてもよい。このようなマッチング又は僅差のマッチングは、送信パス201からアンテナ218に伝達される入射電力に対する反射電力の比を低減させ、それにより電力伝達効率を向上させ得る。図2に示すように、アンテナチューナ217は、1つ以上の可変キャパシタ215とインダクタ219とを含み得る。更に詳細に後述するように、可変キャパシタ215のキャパシタンスは、アンテナチューナ制御パス241から伝達される1つ以上の制御信号に基づいて変化され得る。これらのキャパシタンスが変化するとき、アンテナチューナ217とアンテナ218との組み合わせの実効的なインピーダンスが変化する。故に、これらキャパシタンスを適切に設定することにより、アンテナチューナ217とアンテナ218との組み合わせの実効インピーダンスが、これら以外の送信パス201の部分の実効インピーダンスにほぼ整合され得る。
【0020】
アンテナ218は、増幅された信号を受け取り、該信号を(例えば、端末110、基地局120及び/又は衛星130のうちの1つ以上に)送信し得る。図2に示すように、アンテナ218は、送信パス201及び受信パス221の各々に接続され得る。デュプレクサ223が、アンテナ218と受信パス及び送信パスの各々との間に接続され得る。
【0021】
受信パス221は、(例えば、端末110、基地局120及び/又は衛星130からの)無線通信信号をアンテナ218、アンテナチューナ217及びデュプレクサ223を介して受信するように構成された低雑音増幅器(LNA)234を含み得る。LNA234は更に、受信した信号を増幅するように構成され得る。
【0022】
受信パス221はまたダウンコンバータ228を含み得る。ダウンコンバータ228は、アンテナ218を介して受信され且つLNA234によって増幅された無線通信信号を、発振器210によって提供される発振器信号によりダウンコンバートする(例えば、ベースバンド信号にダウンコンバートする)ように構成され得る。受信パス221は更にフィルタ238を含み得る。フィルタ238は、関心ある無線周波数チャネル内の信号成分を通過させるよう、且つ/或いはダウンコンバージョン処理によって生成され得る不所望信号及び雑音を除去するよう、ダウンコンバートされた無線通信信号をフィルタリングように構成され得る。さらに、受信パス221は、フィルタ238からのアナログ信号を受け取って該アナログ信号をデジタル信号に変換するように構成されたアナログ−デジタル変換器(ADC)224を含み得る。そして、このデジタル信号は、処理のためにデジタル回路202に渡され得る。
【0023】
アンテナチューナ制御パス241は、概して、アンテナ218に伝達される入射電力を表す信号とアンテナ218からの反射信号を表す信号とを検知し、少なくともこれらの検知信号に基づいて、アンテナチューナ217のインピーダンスを調整する(例えば、可変キャパシタ215を所望のキャパシタンスに調整する)ための制御信号をアンテナチューナ217に伝達するように構成され得る。図2に示すように、アンテナチューナ制御パス241は、無線周波数(RF)カプラ242を含み得る。RFカプラ242は、アンテナスイッチ216をアンテナチューナ217に接続する伝送線内の送信電力の少なくとも一部を、1つ以上の出力ポートに結合させるように構成された、如何なるシステム、デバイス又は装置であってもよい。技術的に知られるように、それら出力ポートのうちの1つは結合ポート(例えば、図2に示す結合ポート246)として知られ、その他の出力ポートは終端ポート又はアイソレートポート(例えば、図2に示す終端ポート247)として知られる。多くの場合、結合ポート246及び終端ポート247の各々は、特定の抵抗値(例えば、50Ω)の内部抵抗又は外部抵抗で終端され得る。RFカプラ242の物理特性により、要素200の動作中、結合ポート246は、アンテナ218に伝達される入射電力を表すアナログ信号(例えば、電圧)を担持することができ、終端ポート247は、アンテナ218から反射される電力を表すアナログ信号(例えば、電圧)を担持することができる。
【0024】
スイッチ250の入力端子が、結合ポート246及び終端ポート247に接続され得る。スイッチ250は、所定あるいは所望の時間間隔で、結合ポート246と可変利得増幅器(VGA)254の入力端子との間のパスを閉じることと、終端ポート247とVGA254の入力端子との間のパスを閉じることと、の間で切り替わることができる。VGA254は、スイッチ250を介して代わる代わる伝達される上記信号を増幅し、増幅された信号をダウンコンバータ248に伝達し得る。
【0025】
ダウンコンバータ248は、交互に入れ替わる入射電力信号及び反射電力信号を、発振器210によって提供される発振器信号によりダウンコンバート(例えば、ベースバンド信号にダウンコンバート)し、且つ、ベースバンド入射電力信号及びベースバンド反射電力信号各々の、Iチャネル成分及びQチャネル成分を出力するように構成され得る。また、制御パス241は、Iチャネル及びQチャネル各々に対してアナログ−デジタル変換器(ADC)244を含み、各ADC244は、ベースバンドの入射電力信号及び反射電力信号のうちの該当する成分を受信し、その成分をアナログ信号からデジタル信号に変換するように構成され得る。
【0026】
制御パス241はまた、デジタル入射電力信号及びデジタル反射電力信号のIチャネル成分及びQチャネル成分の各々に対してフィルタ258を含み得る。一部の実施形態において、各フィルタ258は、入力で受けた信号の移動平均を出力に生成するように構成された移動平均フィルタ(例えば、くし形フィルタ)を有し得る。結果として、フィルタ258は、平均されたデジタル入射電力信号のIチャネル成分及びQチャネル成分と、平均されたデジタル反射電力信号のIチャネル成分及びQチャネル成分とを出力し得る。
【0027】
図2に示すように、制御パス241はまた電力測定モジュール262を含み得る。電力測定モジュール262は、平均されたデジタル入射電力信号のIチャネル成分及びQチャネル成分と、平均されたデジタル反射電力信号のIチャネル成分及びQチャネル成分とに基づいて、アンテナ218に伝達される入射電力の大きさ|P|を表す信号と、アンテナ218から反射される反射電力の大きさ|P|を表す信号とを計算して出力するように構成された、如何なるシステム、デバイス又は装置を含んでいてもよい。例えば、電力測定モジュール262は、式|P|=√(|PiI+|PiQ)に従って入射電力を、そして式|P|=√(|PrI+|PrQ)に従って反射電力を計算し得る。ただし、|PiI|は平均デジタル入射電力信号のIチャネル成分の振幅であり、|PiQ|は平均デジタル入射電力信号のQチャネル成分の振幅であり、|PrI|は平均デジタル反射電力信号のIチャネル成分の振幅であり、|PrQ|は平均デジタル反射電力信号のQチャネル成分の振幅である。
【0028】
制御パス241は更に位相測定モジュール264を含み得る。位相測定モジュール264は、平均されたデジタル入射電力信号のIチャネル成分及びQチャネル成分と、平均されたデジタル反射電力信号のIチャネル成分及びQチャネル成分とに基づいて、アンテナ218に伝達される入射電力の位相ψを表す信号と、アンテナ218から反射される反射電力の位相ψを表す信号とを計算して出力するように構成された、如何なるシステム、デバイス又は装置を含んでいてもよい。例えば、位相測定モジュール264は、式ψ=tan−1(PiQ/PiI)に従って入射電力の位相を、そして式ψ=tan−1(PrQ/PrI)に従って反射電力の位相を計算し得る。ただし、PiIは平均デジタル入射電力信号のIチャネル成分であり、PiQは平均デジタル入射電力信号のQチャネル成分であり、PrIは平均デジタル反射電力信号のIチャネル成分であり、PrQは平均デジタル反射電力信号のQチャネル成分である。
【0029】
制御パス241は更に、入射電力の大きさ|P|を表す信号、反射電力の大きさ|P|を表す信号、入射電力の位相ψを表す信号、及び反射電力の位相ψを表す信号を受信し、少なくともこれら受信信号に基づいて、(例えば、可変キャパシタ215のキャパシタンスを制御することによって)アンテナチューナ217のインピーダンスを制御するための1つ以上の制御信号をアンテナチューナ217に出力するように構成された制御モジュール266を含み得る。例えば、入射電力に対して反射電力を低減する(故に、電力伝達率を向上させる)ため、制御モジュール266は、反射電力対入射電力比が最小化されるようにアンテナチューナ217の実効インピーダンスを制御する制御信号をアンテナチューナ217に伝達し得る。一具体例として、アンテナ218の複素反射係数は、
【数1】

によって与えられ得る。ただし、A及びBはそれぞれ複素反射係数の実部及び虚部であり、V及びVはそれぞれ反射電圧及び入射電圧である。反射係数は反射減衰量を記述し、上に示したように、反射電力と入射電力との比として与えられ得る。電圧定在波比(voltage standing wave ratio;VSWR)は、(1+|Γ|)/(1−|Γ|)として与えられ得る。Zはアンテナチューナの現在の複素インピーダンスであり、Zはアンテナ218に接続された伝送線の既知の特性インピーダンス(多くの用途で50Ωに等しいことが多い)を表すとして、Γ=(Z−Z)/(Z+Z)が与えられると、制御モジュール266は、インピーダンスZを解いて、複素反射係数Γを低減するように該インピーダンスを然るべく変更することができる。更に説明すると、反射係数の大きさは|Γ|=√(|P|/|P|)によって与えられ、アンテナ負荷Zに送達される電力の割合は1−|Γ|として与えられ得る。
【0030】
故に、入射電力に対して反射電力を低減する(故に、電力伝達率を向上させる)ために、制御モジュール266は、制御信号をアンテナチューナ217に伝達して、複素反射係数Γを低減し得る。
【0031】
制御パス241の部分群(例えば、フィルタ258、電力測定モジュール262、位相測定モジュール264、及び/又は制御モジュール266)は、1つ以上のマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ及び/又はその他の好適な装置として実装され得る。
【0032】
図3は、本実施形態におけるアンテナチューナを制御する方法300のフローチャートの一例を示している。一実施形態によれば、方法300は好ましくはステップ302で開始する。上述のように、本開示に係る教示は、多様な構成のシステム100にて実現され得る。故に、方法300の好適な開始点、及び方法300を構成するステップ302−322の順序は、選択された実施構成に依存し得る。
【0033】
ステップ302にて、制御パス241が、アンテナチューナ217のチューナステップサイズ(刻み幅)を設定し得る(例えば、バラクタ215のキャパシタンスを変化させることによって得られるキャパシタンスの最小変化量に基づく)。
【0034】
ステップ304にて、スイッチ250が、結合ポート246を制御パス241のその他の素子に結合するように切り換わり得る。ステップ306にて、電力測定モジュール262、位相測定モジュール264、及び/又は制御パス241のその他の構成要素が、結合ポート電力を表す信号を検知し、その測定結果を、1mWを基準としたデシベル(dBm)に変換し、且つ入射電力Pを(例えば、図2を参照して説明したように)計算する。
【0035】
ステップ308にて、スイッチ250が、終端ポート247を制御パス241のその他の素子に結合するように切り換わり得る。ステップ310にて、電力測定モジュール262、位相測定モジュール264、及び/又は制御パス241のその他の構成要素が、終端ポート電力を表す信号を検知し、その測定結果を、1mWを基準としたデシベル(dBm)に変換し、且つ反射電力Pを(例えば、図2を参照して説明したように)計算する。
【0036】
ステップ312にて、制御モジュール266が、計算された入射電力P及び計算された反射電力Pに基づいて、(例えば制御モジュール266によって)反射係数の二乗Γを推定し得る(例えば、全ての数量がdBmに変換された後には、Γ=|P−P|)。
【0037】
ステップ314にて、制御モジュール266は、ε=指向性−Γを見積もり得る。ただし、指向性(directivity)は、入射電力と反射電力との理想的な比であり、2つの反対方向に進行する(入射及び反射)信号を分離する際のカプラの有効性を測定するRFカプラ242の特性である。伝送線の不整合を有しないシステムでは、指向性=Γである。従って、εは、アンテナ負荷に関して見積もられた反射減衰量を指し示す誤差値を表し得る。ここで、nは、アンテナチューナ217の現在のステップ(刻み)設定に対応する。
【0038】
ステップ316にて、制御モジュール266は、εが所定の閾値(例えば、3デシベル)以上であるかを決定し得る。εが所定の閾値以上である場合、方法300はステップ318に進み得る。そうでない場合には、方法300はステップ304に戻り得る。
【0039】
ステップ318にて、εが所定の閾値以上であるとの決定を受けて、制御モジュール266は、εがεn−1以上であるかを決定し得る。ここで、n−1は、アンテナチューナ217の1つ低いステップ設定である。εがεn−1以上である場合、方法300はステップ320に進み得る。そうでない場合には、方法300はステップ322に進み得る。
【0040】
ステップ320にて、εがεn−1以上であるとの決定を受けて、制御モジュール266は、アンテナチューナ217が1つ高い設定にステッピングされる(例えば、バラクタ215のキャパシタンスが最小可能量だけ増大する)よう、アンテナチューナ217に制御信号を伝達し得る。ステップ320の完了後、方法300は再びステップ304に進み得る。
【0041】
ステップ322にて、εがεn−1以上でないとの決定を受けて、制御モジュール266は、アンテナチューナ217が1つ低い設定にステッピングされる(例えば、バラクタ215のキャパシタンスが最小可能量だけ減少する)よう、アンテナチューナ217に制御信号を伝達し得る。ステップ322の完了後、方法300は再びステップ304に進み得る。
【0042】
図3は特定数のステップが方法300に関して行われることを示しているが、方法300は、図3に示したものより多いステップ又は少ないステップで実行されてもよい。また、図3は特定順序のステップ群が方法300に関して行われることを示しているが、方法300を構成するステップ群は如何なる好適順序で実行されてもよい。
【0043】
方法300は、システム100、又は方法300を実行可能なその他のシステムを用いて実行され得る。一部の実施形態において、方法300は部分的あるいは全体的に、コンピュータ読み取り可能媒体に具現化されるソフトウェアに実装され得る。
【0044】
システム100には、この開示の範囲内で、変更、付加又は省略が為され得る。システム100の構成要素群は、一体化されてもよいし、別個にされてもよい。また、システム100の動作は、より多い、より少ない、あるいはその他の構成要素によって実行されてもよい。本明細書において、“各”は、集合の各メンバー、又は集合の部分集合の各メンバーを意味する。
【0045】
この開示は幾つかの実施形態を用いて説明されたものであるが、様々な変形及び変更が当業者に示唆され得る。この開示は、添付の請求項の範囲に入る全ての変形及び変更を包含するものである。
【0046】
以上の説明に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
第1の無線通信信号を受信し、前記第1の無線通信信号を、少なくとも発振器信号に基づいて、第1のデジタル信号に変換する受信パスと、
第2のデジタル信号を、少なくとも前記発振器信号に基づいて、第2の無線通信信号に変換する送信パスと、
前記受信パス及び前記送信パスに接続され、前記第2の無線通信信号を送信するアンテナと、
前記送信パス及び前記アンテナに接続されるアンテナチューナと、
前記アンテナ及び前記アンテナチューナに接続される制御パスであり:
前記送信パスから前記アンテナに伝達される電力を表す1つ以上の信号を検知し、且つ
少なくとも前記1つ以上の信号に基づいて、前記アンテナチューナのインピーダンスを制御するための1つ以上の制御信号を前記アンテナチューナに伝達する
ように構成された制御パスと、
を有する無線通信装置。
(付記2)
前記アンテナチューナは1つ以上の可変キャパシタを有し、前記アンテナチューナへの前記1つ以上の制御信号は、前記1つ以上の可変キャパシタのキャパシタンスを制御する、ことを特徴とする付記1に記載の無線通信装置。
(付記3)
前記制御パスは、結合ポートと終端ポートとを有する無線周波数カプラを有し、前記無線周波数カプラは、前記第2の無線通信信号の伝送電力の少なくとも一部を、前記結合ポート及び前記終端ポートに結合する、ことを特徴とする付記1又は2に記載の無線通信装置。
(付記4)
前記結合ポートは、前記アンテナに伝達される入射電力を表す第1の信号を担持し、前記終端ポートは、前記アンテナによって反射される反射電力を表す第2の信号を担持し、前記制御パスは、少なくとも前記第1の信号及び前記第2の信号に基づいて、前記アンテナチューナのインピーダンスを制御するための前記1つ以上の制御信号を前記アンテナチューナに伝達する、ことを特徴とする付記3に記載の無線通信装置。
(付記5)
前記制御パスは更に、
前記第1の信号を、Iチャネル成分とQチャネル成分とを有するベースバンド入射電力信号へとダウンコンバートし、
前記第2の信号を、Iチャネル成分とQチャネル成分とを有するベースバンド反射電力信号へとダウンコンバートし、且つ
少なくとも前記ベースバンド入射電力信号及び前記ベースバンド反射電力信号に基づいて、前記アンテナチューナのインピーダンスを制御するための前記1つ以上の制御信号を前記アンテナチューナに伝達する、
ことを特徴とする付記4に記載の無線通信装置。
(付記6)
前記制御パスは更に、
前記ベースバンド入射電力信号を、Iチャネル成分とQチャネル成分とを有するデジタル入射電力信号へと変換し、
前記ベースバンド反射電力信号を、Iチャネル成分とQチャネル成分とを有するデジタル反射電力信号へと変換し、且つ
少なくとも前記デジタル入射電力信号及び前記デジタル反射電力信号に基づいて、前記アンテナチューナのインピーダンスを制御するための前記1つ以上の制御信号を前記アンテナチューナに伝達する、
ことを特徴とする付記5に記載の無線通信装置。
(付記7)
前記制御パスは更に、
前記デジタル入射電力信号をフィルタリングして、Iチャネル成分とQチャネル成分とを有する平均化されたデジタル入射電力信号を生成し、
前記デジタル反射電力信号をフィルタリングして、Iチャネル成分とQチャネル成分とを有する平均化されたデジタル反射電力信号を生成し、且つ
少なくとも前記平均化されたデジタル入射電力信号及び前記平均化されたデジタル反射電力信号に基づいて、前記アンテナチューナのインピーダンスを制御するための前記1つ以上の制御信号を前記アンテナチューナに伝達する、
ことを特徴とする付記6に記載の無線通信装置。
(付記8)
前記制御パスは更に、
少なくとも前記平均化されたデジタル入射電力信号の前記Iチャネル成分及び前記Qチャネル成分に基づいて、入射電力を計算し、
少なくとも前記平均化されたデジタル反射電力信号の前記Iチャネル成分及び前記Qチャネル成分に基づいて、反射電力を計算し、且つ
少なくとも該入射電力及び該反射電力に基づいて、前記アンテナチューナのインピーダンスを制御するための前記1つ以上の制御信号を前記アンテナチューナに伝達する、
ことを特徴とする付記7に記載の無線通信装置。
(付記9)
前記制御パスは更に、
少なくとも前記平均化されたデジタル入射電力信号の前記Iチャネル成分及び前記Qチャネル成分に基づいて、入射電力の位相を計算し、
少なくとも前記平均化されたデジタル反射電力信号の前記Iチャネル成分及び前記Qチャネル成分に基づいて、反射電力の位相を計算し、且つ
少なくとも該入射電力の位相及び該反射電力の位相に基づいて、前記アンテナチューナのインピーダンスを制御するための前記1つ以上の制御信号を前記アンテナチューナに伝達する、
ことを特徴とする付記7に記載の無線通信装置。
(付記10)
アンテナチューナの制御用の制御パスであって、
結合ポートと終端ポートとを有する無線周波数カプラであり、前記結合ポートが、前記アンテナチューナに接続されるアンテナに伝達される入射電力を表す第1の信号を担持し、且つ前記終端ポートが、前記アンテナによって反射される反射電力を表す第2の信号を担持するように、前記アンテナチューナに接続された伝送線の伝送電力の少なくとも一部を結合する、無線周波数カプラと、
少なくとも前記第1の信号及び前記第2の信号に基づいて、前記アンテナチューナのインピーダンスを制御するための1つ以上の制御信号を前記アンテナチューナに伝達する制御モジュールと、
を有する制御パス。
(付記11)
ダウンコンバータを更に有し、該ダウンコンバータは、
前記第1の信号を、Iチャネル成分とQチャネル成分とを有するベースバンド入射電力信号へとダウンコンバートし、且つ
前記第2の信号を、Iチャネル成分とQチャネル成分とを有するベースバンド反射電力信号へとダウンコンバートし、
前記制御モジュールは、少なくとも前記ベースバンド入射電力信号及び前記ベースバンド反射電力信号に基づいて、前記アンテナチューナのインピーダンスを制御するための前記1つ以上の制御信号を前記アンテナチューナに伝達する、
ことを特徴とする付記10に記載の制御パス。
(付記12)
1つ以上のアナログ−デジタル変換器を更に有し、該1つ以上のアナログ−デジタル変換器は、
前記ベースバンド入射電力信号を、Iチャネル成分とQチャネル成分とを有するデジタル入射電力信号へと変換し、且つ
前記ベースバンド反射電力信号を、Iチャネル成分とQチャネル成分とを有するデジタル反射電力信号へと変換し、
前記制御モジュールは、少なくとも前記デジタル入射電力信号及び前記デジタル反射電力信号に基づいて、前記アンテナチューナのインピーダンスを制御するための前記1つ以上の制御信号を前記アンテナチューナに伝達する、
ことを特徴とする付記11に記載の制御パス。
(付記13)
1つ以上のフィルタを更に有し、該1つ以上のフィルタは、
前記デジタル入射電力信号をフィルタリングして、Iチャネル成分とQチャネル成分とを有する平均化されたデジタル入射電力信号を生成し、且つ
前記デジタル反射電力信号をフィルタリングして、Iチャネル成分とQチャネル成分とを有する平均化されたデジタル反射電力信号を生成し、
前記制御モジュールは、少なくとも前記平均化されたデジタル入射電力信号及び前記平均化されたデジタル反射電力信号に基づいて、前記アンテナチューナのインピーダンスを制御するための前記1つ以上の制御信号を前記アンテナチューナに伝達する、
ことを特徴とする付記12に記載の制御パス。
(付記14)
電力測定モジュールを更に有し、該電力測定モジュールは、
少なくとも前記平均化されたデジタル入射電力信号の前記Iチャネル成分及び前記Qチャネル成分に基づいて、入射電力を計算し、且つ
少なくとも前記平均化されたデジタル反射電力信号の前記Iチャネル成分及び前記Qチャネル成分に基づいて、反射電力を計算し、
前記制御モジュールは、少なくとも該入射電力及び該反射電力に基づいて、前記アンテナチューナのインピーダンスを制御するための前記1つ以上の制御信号を前記アンテナチューナに伝達する、
ことを特徴とする付記13に記載の制御パス。
(付記15)
位相測定モジュールを更に有し、該位相測定モジュールは、
少なくとも前記平均化されたデジタル入射電力信号の前記Iチャネル成分及び前記Qチャネル成分に基づいて、入射電力の位相を計算し、且つ
少なくとも前記平均化されたデジタル反射電力信号の前記Iチャネル成分及び前記Qチャネル成分に基づいて、反射電力の位相を計算し、
前記制御モジュールは、少なくとも該入射電力の位相及び該反射電力の位相に基づいて、前記アンテナチューナのインピーダンスを制御するための前記1つ以上の制御信号を前記アンテナチューナに伝達する、
ことを特徴とする付記13に記載の制御パス。
(付記16)
無線周波数カプラをアンテナチューナに結合するステップであり、前記無線周波数カプラの結合ポートが、前記アンテナチューナに接続されるアンテナに伝達される入射電力を表す第1の信号を担持し、且つ前記無線周波数カプラの終端ポートが、前記アンテナによって反射される反射電力を表す第2の信号を担持するように結合するステップと、
少なくとも前記第1の信号及び前記第2の信号に基づいて、前記アンテナチューナのインピーダンスを制御するための1つ以上の制御信号を前記アンテナチューナに伝達するステップと、
を有する方法。
(付記17)
前記第1の信号を、Iチャネル成分とQチャネル成分とを有するベースバンド入射電力信号へとダウンコンバートするステップと、
前記第2の信号を、Iチャネル成分とQチャネル成分とを有するベースバンド反射電力信号へとダウンコンバートするステップと、
少なくとも前記ベースバンド入射電力信号及び前記ベースバンド反射電力信号に基づいて、前記アンテナチューナのインピーダンスを制御するための前記1つ以上の制御信号を前記アンテナチューナに伝達するステップと、
を有することを特徴とする付記16に記載の方法。
(付記18)
前記ベースバンド入射電力信号を、Iチャネル成分とQチャネル成分とを有するデジタル入射電力信号へと変換するステップと、
前記ベースバンド反射電力信号を、Iチャネル成分とQチャネル成分とを有するデジタル反射電力信号へと変換するステップと、
少なくとも前記デジタル入射電力信号及び前記デジタル反射電力信号に基づいて、前記アンテナチューナのインピーダンスを制御するための前記1つ以上の制御信号を前記アンテナチューナに伝達するステップと、
を有することを特徴とする付記17に記載の方法。
(付記19)
前記デジタル入射電力信号をフィルタリングして、Iチャネル成分とQチャネル成分とを有する平均化されたデジタル入射電力信号を生成するステップと、
前記デジタル反射電力信号をフィルタリングして、Iチャネル成分とQチャネル成分とを有する平均化されたデジタル反射電力信号を生成するステップと、
少なくとも前記平均化されたデジタル入射電力信号及び前記平均化されたデジタル反射電力信号に基づいて、前記アンテナチューナのインピーダンスを制御するための前記1つ以上の制御信号を前記アンテナチューナに伝達するステップと、
を有することを特徴とする付記18に記載の方法。
(付記20)
少なくとも前記平均化されたデジタル入射電力信号の前記Iチャネル成分及び前記Qチャネル成分に基づいて、入射電力を計算するステップと、
少なくとも前記平均化されたデジタル反射電力信号の前記Iチャネル成分及び前記Qチャネル成分に基づいて、反射電力を計算するステップと、
少なくとも該入射電力及び該反射電力に基づいて、前記アンテナチューナのインピーダンスを制御するための前記1つ以上の制御信号を前記アンテナチューナに伝達するステップと、
を有することを特徴とする付記19に記載の方法。
(付記21)
少なくとも前記平均化されたデジタル入射電力信号の前記Iチャネル成分及び前記Qチャネル成分に基づいて、入射電力の位相を計算するステップと、
少なくとも前記平均化されたデジタル反射電力信号の前記Iチャネル成分及び前記Qチャネル成分に基づいて、反射電力の位相を計算するステップと、
少なくとも該入射電力の位相及び該反射電力の位相に基づいて、前記アンテナチューナのインピーダンスを制御するための前記1つ以上の制御信号を前記アンテナチューナに伝達するステップと、
を有することを特徴とする付記19に記載の方法。
【符号の説明】
【0047】
200 送信及び/又は受信要素
201 送信パス
202 デジタル回路
204 デジタル−アナログ変換器(DAC)
208 アップコンバータ
210 発振器
215 可変キャパシタ(バラクタ)
217 アンテナチューナ
218 アンテナ
219 インダクタ
221 受信パス
224 アナログーデジタル変換器(ADC)
228 ダウンコンバータ
241 制御パス
242 RFカプラ
244 アナログーデジタル変換器(ADC)
246 結合ポート
247 終端ポート
248 ダウンコンバータ
250 スイッチ
258 フィルタ
262 電力測定モジュール
264 位相測定モジュール
266 制御モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の無線通信信号を受信し、前記第1の無線通信信号を、少なくとも発振器信号に基づいて、第1のデジタル信号に変換する受信パスと、
第2のデジタル信号を、少なくとも前記発振器信号に基づいて、第2の無線通信信号に変換する送信パスと、
前記受信パス及び前記送信パスに接続され、前記第2の無線通信信号を送信するアンテナと、
前記送信パス及び前記アンテナに接続されるアンテナチューナと、
前記アンテナ及び前記アンテナチューナに接続される制御パスであり:
前記送信パスから前記アンテナに伝達される電力を表す1つ以上の信号を検知し、且つ
少なくとも前記1つ以上の信号に基づいて、前記アンテナチューナのインピーダンスを制御するための1つ以上の制御信号を前記アンテナチューナに伝達する
ように構成された制御パスと、
を有する無線通信装置。
【請求項2】
前記アンテナチューナは1つ以上の可変キャパシタを有し、前記アンテナチューナへの前記1つ以上の制御信号は、前記1つ以上の可変キャパシタのキャパシタンスを制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記制御パスは、結合ポートと終端ポートとを有する無線周波数カプラを有し、前記無線周波数カプラは、前記第2の無線通信信号の伝送電力の少なくとも一部を、前記結合ポート及び前記終端ポートに結合する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記結合ポートは、前記アンテナに伝達される入射電力を表す第1の信号を担持し、前記終端ポートは、前記アンテナによって反射される反射電力を表す第2の信号を担持し、前記制御パスは、少なくとも前記第1の信号及び前記第2の信号に基づいて、前記アンテナチューナのインピーダンスを制御するための前記1つ以上の制御信号を前記アンテナチューナに伝達する、ことを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記制御パスは更に、
前記第1の信号を、Iチャネル成分とQチャネル成分とを有するベースバンド入射電力信号へとダウンコンバートし、
前記第2の信号を、Iチャネル成分とQチャネル成分とを有するベースバンド反射電力信号へとダウンコンバートし、且つ
少なくとも前記ベースバンド入射電力信号及び前記ベースバンド反射電力信号に基づいて、前記アンテナチューナのインピーダンスを制御するための前記1つ以上の制御信号を前記アンテナチューナに伝達する、
ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
【請求項6】
アンテナチューナの制御用の制御パスであって、
結合ポートと終端ポートとを有する無線周波数カプラであり、前記結合ポートが、前記アンテナチューナに接続されるアンテナに伝達される入射電力を表す第1の信号を担持し、且つ前記終端ポートが、前記アンテナによって反射される反射電力を表す第2の信号を担持するように、前記アンテナチューナに接続された伝送線の伝送電力の少なくとも一部を結合する、無線周波数カプラと、
少なくとも前記第1の信号及び前記第2の信号に基づいて、前記アンテナチューナのインピーダンスを制御するための1つ以上の制御信号を前記アンテナチューナに伝達する制御モジュールと、
を有する制御パス。
【請求項7】
無線周波数カプラをアンテナチューナに結合するステップであり、前記無線周波数カプラの結合ポートが、前記アンテナチューナに接続されるアンテナに伝達される入射電力を表す第1の信号を担持し、且つ前記無線周波数カプラの終端ポートが、前記アンテナによって反射される反射電力を表す第2の信号を担持するように結合するステップと、
少なくとも前記第1の信号及び前記第2の信号に基づいて、前記アンテナチューナのインピーダンスを制御するための1つ以上の制御信号を前記アンテナチューナに伝達するステップと、
を有する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−199923(P2012−199923A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−63394(P2012−63394)
【出願日】平成24年3月21日(2012.3.21)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】