説明

燃料タンク製造方法及び燃料タンク

【課題】筒部における燃料透過を抑制すると共に強度を確保可能な燃料タンクを製造する燃料タンク製造方法と、筒部における燃料透過を抑制されると共に強度が確保された燃料タンクを得る。
【解決手段】燃料タンク12のポート部18における外側樹脂層22Aの厚みT1が、一般部32における外側樹脂層22Aの厚みT0よりも薄くなるようにポート部18を成形する。ポート部18の内側では、内側樹脂層22Cの実質的な厚みを厚くする筒部厚肉部34を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料タンク製造方法及び燃料タンクに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両に備えられる燃料タンクには、樹脂製のものがある。たとえば特許文献1では、合成樹脂シートをあらかじめ賦形して形成した外面樹脂層の内面に内面樹脂層を射出成形する燃料タンクの製造方法が記載されている。特許文献1では、さらに、内面樹脂層と外面樹脂層との間に接着シートを介在させることで、燃料の透過を防止する点も記載されている。
【0003】
ところで、特許文献1に記載の燃料タンクの製造方法において、燃料タンクの外側に突出する筒部(パイプ取付孔が形成された筒状の部分)を形成した場合、この筒部において燃料透過を抑制することが望まれる。たとえば、筒部の樹脂層の厚みを単に薄くすると、筒部の強度低下を招く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−192919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、筒部における燃料透過を抑制すると共に強度を確保可能な燃料タンクを製造する燃料タンク製造方法と、筒部における燃料透過を抑制されると共に強度が確保された燃料タンクを得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明では、燃料タンクの外側を構成する外側樹脂層と、該燃料タンクの内側を構成する内側樹脂層と、前記外側樹脂層及び前記内側樹脂層よりも燃料透過性が低い材料によって外側樹脂層と内側樹脂層との間に配置されたバリアー層と、を備えた燃料タンク構成体で構成された燃料タンクを製造する燃料タンク製造方法であって、前記燃料タンク構成体の一部を、外型に設けられた凹部に対し内型の可動押圧部で押し込みながら、内型から燃料タンク構成体の内側樹脂層側に溶融材料を供給して筒部を形成する。
【0007】
本発明では、燃料タンクを構成する燃料タンク構成体が外側樹脂層及び内側樹脂層を備えると共に、これらの樹脂層よりも燃料透過性が低い材料で構成されたバリアー層を備えており、製造された燃料タンクにおいては、燃料タンク構成体を通じての燃料透過が抑制される。
【0008】
また、この燃料タンク製造方法では、燃料タンク構成体の一部を、外型に設けられた凹部に対し内型の可動押圧部で押し込みながら筒部を形成する。筒部では、外側樹脂層の厚みが、燃料タンクの一般部(筒部が形成されていない部分)と比較して薄くなるので、筒部における燃料透過を抑制した燃料タンクを製造することができる。
【0009】
また、筒部形成時には、内型から燃料タンク構成体の内側樹脂層側に溶融材料を供給している。したがって、このように溶融材料を供給しない構成と比較して、筒部の内側が溶融材料によって厚肉となり、筒部の強度が確保された燃料タンクを製造できる。
【0010】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記溶融材料により、前記筒部の先端側を径方向外側に押し広げることで外周面が拡径された拡径部を形成する。
【0011】
このように拡径部を形成することと、拡径部においては外側樹脂層の厚みが、拡径部以外の筒部における外側樹脂層の厚みよりもさらに薄くなり、燃料透過をより効果的に抑制可能な燃料タンクを製造できる。
【0012】
請求項3に記載の発明では、燃料タンクの外側を構成する外側樹脂層と、該燃料タンクの内側を構成する内側樹脂層と、前記外側樹脂層及び前記内側樹脂層よりも燃料の透過性が低い材料によって外側樹脂層と内側樹脂層との間に配置されたバリアー層と、を備えた燃料タンク構成体で構成され、燃料タンクの外殻形状を構成する燃料タンク本体と、前記燃料タンク構成体が前記燃料タンク本体から筒状に突出された筒部と、を備え、前記筒部における前記外側樹脂層の厚みが、燃料タンク本体の一般部における外側樹脂層の厚みよりも薄くされ、前記筒部における前記内側樹脂層の厚みが、筒部における前記外側樹脂層の厚みよりも厚くされている。
【0013】
すなわち、この燃料タンクでは、燃料タンク構成体が外側樹脂層及び内側樹脂層を備えると共に、これらの樹脂層よりも燃料透過性が低い材料で構成されたバリアー層を備えているので、燃料タンク構成体を通じての燃料透過が抑制される。
【0014】
また、この燃料タンクでは、筒部を有しているので、筒部を用いて他の部材(取付部材)を取り付けることが可能となる。
【0015】
筒部における外側樹脂層の厚みは、燃料タンク本体の一般部における外側樹脂層の厚みよりも薄くされている。したがって、筒部における外側樹脂層の厚みを一般部における外側樹脂層の厚みよりも薄くしていない燃料タンクと比較して、筒部での燃料透過を抑制できる。
【0016】
しかも、筒部における前記内側樹脂層の厚みが、筒部における外側樹脂層の厚みよりも厚くされている。したがって、このように内側樹脂層の厚みが厚くされていない構成と比較して、筒部の強度を確保できる、
【0017】
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の発明において、前記筒部の先端側に、外周面が拡径された拡径部が形成され、前記拡径部における前記外側樹脂層の厚みが、拡径部以外の前記筒部における外側樹脂層の厚みよりも薄くされている。
【0018】
拡径部では、外側樹脂層の厚みが、拡径部以外の筒部における外側樹脂層の厚みよりも薄くされているので、燃料透過をより効果的に抑制できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は上記構成としたので、筒部における燃料透過を抑制すると共に強度を確保可能な燃料タンクを製造する燃料タンク製造方法と、筒部における燃料透過を抑制されると共に強度が確保された燃料タンクが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態の燃料タンクを示す縦断面図である。
【図2】本発明の一実施形態の燃料タンクをポート部及びその近傍で拡大して示す縦断面図である。
【図3】本発明の一実施形態の燃料タンクをポート部で図2よりもさらに拡大して示す縦断面図である。
【図4】本発明の一実施形態の変形例の燃料タンクをポート部及びその近傍で拡大して示す縦断面図である。
【図5】本発明の一実施形態の燃料タンクを製造する工程を示す断面図である。
【図6】本発明の一実施形態の燃料タンクを製造する工程を図5よりも進んだ状態で示す断面図である。
【図7】本発明の一実施形態の燃料タンクを製造する工程を図6よりも進んだ状態で示す断面図である。
【図8】第1比較例の燃料タンクをポート部及びその近傍で拡大して示す縦断面図である。
【図9】第2比較例の燃料タンクをポート部及びその近傍で拡大して示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1には、本発明の第1実施形態の燃料タンク12が示されている。本実施形態に係る燃料タンク12は、一例として、略直方体状の燃料タンク本体14が、上下に分割された2つの燃料タンク構成体16(上側燃料タンク構成体16A及び下側燃料タンク構成体16B)によって構成されたものを挙げている。上側燃料タンク構成体16Aは全体として上に凸に、下側燃料タンク構成体16Bは全体として下に凸に形成されており、これらの外周部分を接合することで、略直方体状の燃料タンク本体14となる。
【0022】
燃料タンク構成体16は、図2及び図3にも詳細に示すように、たとえば高密度ポリエチレン(HDPE)製の樹脂層22(外側樹脂層22A及び内側樹脂層22C)と、これら樹脂層22の間のバリアー層24Aとが重層され、図示しない接着層により接着されて構成されている。バリアー層24Aは、たとえば、EVOH(エチレンビニルアルコール)等、樹脂層22よりも燃料透過性の低い(燃料が透過しづらい)材料で構成されている。
【0023】
燃料タンク本体14の角部14C(天板14Tと側板14Sの境界部分)には、斜め上方に突出する略円筒状のポート部18が形成されている。ポート部18の先端は開口部20とされており、接続部材26(たとえばインレットパイプの下端)等が接続される。
【0024】
図2に示すように、ポート部18は、全体において略一定の内径D4及び外径D2を有しているが、ポート部18の先端では、外径が局所的に大きくされて、スプール部28が形成されている。スプール部28は、上記した接続部材26が接続されたときに、接続部材の抜け止めとして作用する。
【0025】
また、ポート部18の内径は、図2に示した例では、ポート部18の根元から先端まで一定とされているが、たとえば図4に示した本実施形態の変形例のように、先端側(開口部20が形成された位置)では漸増されて内径拡大部30とされていてもよい(先端における内径をD5と示す)。このように内径がさらに大きくされた内径拡大部30をポート部18の先端側に形成すると、たとえば接続部材26(インレットパイプ)から流入する燃料の流路抵抗がより小さくなる。
【0026】
ポート部18における外側樹脂層22Aの厚みT1は、一般部32(ポート部18が形成されていない部分、図2参照)における外側樹脂層22Aの厚みT0よりも薄くされている。これにより、ポート部18と接続部材26との間から、図3に矢印PPで示す燃料の透過経路を想定した場合の透過面積が狭くなり、燃料透過性も低くなる。
【0027】
さらに、スプール部28では、バリアー層24Aが径方向外側に湾曲しており、スプール部28における外側樹脂層22Aの厚みT2が、ポート部18における外側樹脂層22Aの厚みT1よりもさらに薄くなっている。したがって、スプール部28では、バリアー層24Aの外側での燃料の透過面積がさらに狭くなり、燃料透過性もより低くなっている。
【0028】
ポート部18の内側では、内側樹脂層22Cの実質的な厚みを厚くする筒部厚肉部34が形成されている。すなわち、ポート部18における内側樹脂層22Cの実質的な厚みT3は、ポート部18における外側樹脂層22Aの厚みT1よりも厚くなっている。本実施形態では特に、この厚みT3が、一般部32における内側樹脂層22Cの厚みT4(図2参照)と同程度あるいはそれ以上とされている。
【0029】
図3にも詳細に示すように、ポート部18の先端では、バリアー層24Aが内側に湾曲されており、バリアー層24Aの先端部分は、ポート部18の内周面に露出している。
【0030】
次に、本実施形態の燃料タンク12を製造する燃料タンク製造方法、及び燃料タンク12の作用を説明する。
【0031】
まず、上側燃料タンク構成体16Aを、外型62及び内型52を用いて、全体として上に凸の形状に形成する。図5に示すように、外型62には、ポート部18を形成するための略円柱状の凹部64が形成されている。また、外型62は、このポート部18の中心線CLで上下に分割可能な分割型とされている。凹部64の内径D1は、ポート部18の外径D2(図2参照)と等しくされている。凹部64の奥側には、スプール部28を形成するための拡径部66が形成されている。
【0032】
これに対し、内型52には、矢印S1方向及びその反対方向に移動することで凹部64内に進退可能な略円柱状の可動押圧部54が設けられている。可動押圧部54の外径D3はポート部18の内径D4と等しくされている。
【0033】
可動押圧部54の中心部分には、可動押圧部54の先端に樹脂材料を供給するための材料供給ゲート56が形成されている。
【0034】
このような構造とされた内型52及び外型62を用いて、まず、図5に示すように、上側燃料タンク構成体16Aを上下に挟み、所定の熱を加えながら成形する。これにより、燃料タンク構成体16Aは、全体として上に凸の形状とされる。
【0035】
また、このとき、図6に示すように、材料供給ゲート56から可動押圧部54の先端に樹脂材料58を供給しつつ、可動押圧部54を矢印S1方向に移動させて凹部64内に進入させる。この樹脂材料58としては、樹脂層22と同一の材料であってもよいが、樹脂層22と溶融可能であれば異なる種類の材料であってもよい。これにより、供給された樹脂材料58が成形時の熱で溶融されてポート部18における内側樹脂層22Cと一体化する。
【0036】
これにより、上側タンク構成体16は部分的に凹部64内に張り出される。そして、図7に示すように、可動押圧部54が所定位置まで進入すると、ポート部18が形成される(但し、この段階では開口部20は未形成である)。特に、凹部64の先端では、供給された樹脂材料58によってバリアー層24Aが部分的に拡径部66に入り込み、スプール部28が形成される。
【0037】
このようにしてポート部18を形成すると、ポート部18においてバリアー層24Aよりも外側では、外側樹脂層22Aが引き伸ばされるため、その厚みT1が、一般部32における外側樹脂層22Aの厚みT0よりも薄くなる。特に、スプール部28では、外側樹脂層22Aの厚みT2が、ポート部18における外側樹脂層22Aの厚みT1よりもさらに薄くなっている。
【0038】
これに対し、ポート部18においてバリアー層24Aよりも内側では、樹脂材料58が材料供給ゲート56から供給されながらポート部18が形成されるので、成形後のポート部18における内側樹脂層22Cに、所定の厚みT3が確保される(本実施形態では、一般部32における外側樹脂層22Aの厚みT0よりも厚い)。換言すれば、樹脂材料58を供給しない場合には、ポート部18における内側樹脂層22Cの厚みは、外側樹脂層の厚みT1と同程度あるいは厚みT1に近い程度に薄くなるが、本実施形態では、このようにポート部18において内側樹脂層22Cが薄くならず、むしろ内側樹脂層22Cに所定の厚みT3を有するポート部18の形状としている。
【0039】
なお、ポート部18を形成する途中では、ポート部18の内側樹脂層22Cと可動押圧部54との間に一時的に生じたクリアランスに直ちに樹脂材料58が充填されていく。そして、可動押圧部54が所定位置(図7に示す位置)に至ると樹脂材料58はそれ以上充填されなくなるため、樹脂材料58の必要量をあらかじめ推定しておく必要がない。すなわち樹脂材料58の過不足がなく、高い寸法精度でポート部18を形成できる。
【0040】
ポート部18を形成した後、可動押圧部54を矢印S1と反対の方向に移動させて凹部64から退避させ、外型62及び内型52を脱型する。外型62は、ポート部18の中心線CLで上下方向(矢印S2方向)に分割可能な分割型とされているので、スプール部28が形成されていても、矢印S2方向に脱型することで、いわゆるアンダーカットにならずにスムーズに脱型できる。
【0041】
そして、ポート部18の中央に開口部20を形成する。このとき、開口部20をポート部18の内径D4と同じ内径に形成してもよいが、ポート部18の先端側に向かって内径が漸増されるように形成し、図4に示す変形例の形状としてもよい。以上により、所望の形状に成形された上側燃料タンク構成体16Aが得られる。実質的に、外側樹脂層22A及び内側樹脂層22Cが所望の厚みT1及びT3とされたポート部18が、上側燃料タンク構成体16Aを成形する途中の1回の成形工程(樹脂材料58を供給しながら可動押圧部54を進退させるプロセス)で形成でき、しかも、成形に用いる金型としても、内型及び外型62だけで足りる。
【0042】
しかも、樹脂材料58の供給時には、ポート部18を形成する際の熱が樹脂材料58にも作用するため、樹脂材料58の温度低下を抑制でき、樹脂材料58を溶融状態に維持するための熱エネルギーが少なくて済む。
【0043】
また、下側燃料タンク構成体16Bについても、図示しない内型および外側を用いて、所望の形状(下に凸の形状)に成形する。そして、上側燃料タンク構成体16Aと下側燃料タンク構成体16Bとを接合して、全体として略箱状の燃料タンク12が得られる。
【0044】
このようにして製造された本実施形態の燃料タンク12では、接続部材26の内周側にポート部18がはめ込まれるようにして、ポート部18に接続部材26が接続される。ここで、たとえば図8に示す第1比較例のポート部48のように、バリアー層24Aの先端がポート部18あるいはスプール部28の外周面に露出していると、接続途中の接続部材26がバリアー層24Aの先端と擦れあう。
【0045】
また、図9に示す第2比較例のポート部50のように、バリアー層24Aの先端がポート部18の先端に露出していると、接続初期に接続部材26がポート部18の先端に当たったときに、バリアー層24Aの先端にも触れてしまう。
【0046】
これに対し、本実施形態では、バリアー層24Aの先端はポート部18の内周面に露出している。このため、接続途中の接続部材26がバリアー層24Aの端部に接触せず、バリアー層24Aの損傷や、バリアー層24Aと外側樹脂層22A又は内側樹脂層22Cとの剥がれを防止することができ、信頼性が向上している。
【0047】
また、本実施形態の燃料タンク12では、ポート部18の内径よりも、開口部20の内径が大きくなっているので、接続部材26から燃料等が燃料タンク内に流入するときの流路抵抗が小さくなる。
【0048】
ポート部18における外側樹脂層22Aの厚みT1は、一般部32における外側樹脂層22Aの厚みT0よりも薄いので、ポート部18と接続部材26との間からの燃料透過を想定した場合の透過面積が狭くなり、燃料透過性も低くなる。特に、スプール部28における外側樹脂層22Aの厚みT2は、ポート部18における外側樹脂層22Aの厚みT1よりもさらに薄くなっている。スプール部28では、燃料の透過面積がさらに狭くなっているので、燃料透過をより確実に抑制することができる。
【0049】
しかも、ポート部18における内側樹脂層22Cの実質的な厚みT3は、一般部32における内側樹脂層22Cの厚みT4と同程度あるいはこの厚みT4以上とされている。すなわち、図6及び図7に示すように上側燃料タンク構成体16Aを外側に張り出させてポート部18を形成したことによる厚みの減少を、樹脂材料58を供給することで防止しているので、ポート部18の強度が確保されている。
【符号の説明】
【0050】
12 燃料タンク
14 燃料タンク本体
16 燃料タンク構成体
18 ポート部(筒部)
20 開口部
22A 外側樹脂層
22C 内側樹脂層
24A バリアー層
26 接続部材
28 スプール部
30 内径拡大部
32 一般部
34 筒部厚肉部
52 内型
54 可動押圧部
56 材料供給ゲート
58 樹脂材料
62 外型

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料タンクの外側を構成する外側樹脂層と、該燃料タンクの内側を構成する内側樹脂層と、前記外側樹脂層及び前記内側樹脂層よりも燃料透過性が低い材料によって外側樹脂層と内側樹脂層との間に配置されたバリアー層と、を備えた燃料タンク構成体で構成された燃料タンクを製造する燃料タンク製造方法であって、
前記燃料タンク構成体の一部を、外型に設けられた凹部に対し内型の可動押圧部で押し込みながら、内型から燃料タンク構成体の内側樹脂層側に溶融材料を供給して筒部を形成する燃料タンク製造方法。
【請求項2】
前記溶融材料により、前記筒部の先端側を径方向外側に押し広げることで外周面が拡径された拡径部を形成する請求項1に記載の燃料タンク製造方法。
【請求項3】
燃料タンクの外側を構成する外側樹脂層と、該燃料タンクの内側を構成する内側樹脂層と、前記外側樹脂層及び前記内側樹脂層よりも燃料の透過性が低い材料によって外側樹脂層と内側樹脂層との間に配置されたバリアー層と、を備えた燃料タンク構成体で構成され、燃料タンクの外殻形状を構成する燃料タンク本体と、
前記燃料タンク構成体が前記燃料タンク本体から筒状に突出された筒部と、
を備え、
前記筒部における前記外側樹脂層の厚みが、燃料タンク本体の一般部における外側樹脂層の厚みよりも薄くされ、
前記筒部における前記内側樹脂層の厚みが、筒部における前記外側樹脂層の厚みよりも厚くされている燃料タンク。
【請求項4】
前記筒部の先端側に、外周面が拡径された拡径部が形成され、
前記拡径部における前記外側樹脂層の厚みが、拡径部以外の前記筒部における外側樹脂層の厚みよりも薄くされている請求項3に記載の燃料タンク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−218693(P2011−218693A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91397(P2010−91397)
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】