説明

燃料噴射装置

【課題】 耐ノイズ性と簡易構造とを兼ね備えた別体コネクタ構造を実現することを課題とする。
【解決手段】 ピエゾアクチュエータAの正極側、負極側ピエゾリード線4およびピエゾコネクタBの正極側、負極側ピエゾターミナル12と、燃料圧力センサSの第1〜第4センサリード9およびセンサコネクタCの第1〜第4センサターミナル22とが、互いに所定の距離分だけ隔離された位置に設置されている。これにより、ピエゾアクチュエータAの駆動信号がノイズとしてアナログ圧力信号に重畳し難くなるので、耐ノイズ性の向上を図ることができる。また、複雑な形状の回転位置合わせコネクタを廃止することができるので、第1〜第4センサリード9の各センサ電極21と第1〜第4センサターミナル22との電気的な接続構造を簡素化(単純化)できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関(エンジン)の燃料噴射システムに使用される燃料噴射装置に関するもので、特にディーゼルエンジン用のインジェクタに燃料圧力センサを搭載した燃料噴射装置に係わる。
【背景技術】
【0002】
[従来の技術]
従来より、複数の気筒を有するディーゼルエンジン等の内燃機関(エンジン)の各気筒には、各気筒毎の燃焼室内に高圧燃料を噴射供給する燃料噴射弁(インジェクタ)がそれぞれ搭載されている。
インジェクタは、外部から噴孔へ高圧燃料を導入する燃料通路を形成したハウジング(ノズルボディ、インジェクタボディ)の内部に、噴孔を開閉するノズルニードル、およびこのノズルニードルを駆動するアクチュエータ等を収容して構成されている。
【0003】
ここで、インジェクタのアクチュエータとして、ピエゾスタックの伸縮に伴う変位を利用してニードルを駆動するピエゾアクチュエータが公知である。このピエゾアクチュエータは、インジェクタボディの内部にインジェクタボディの長軸方向の中心線に対して偏心した部位に設置されており、絶縁ブッシュによりインジェクタボディとの間の絶縁が確保された2つのアクチュエータリード線(インジェクタ駆動線)を介して、外部との接続を行うアクチュエータコネクタターミナル(インジェクタ駆動線)に電気的に接続されている。
【0004】
ここで、このようなインジェクタのボディ(インジェクタボディ)の軸線方向の一端部(上端部)に、各気筒毎の燃料噴射に伴って変動する燃料圧力変動を検出する圧力センサを螺子締結により固定するようにした圧力センサのターミナル構造が提案されている。
このような圧力センサのターミナル構造においては、インジェクタボディに対する圧力センサの螺子締結により回転方向の位置が決まらない複数のセンサターミナル電極(センサ信号線)と、インジェクタボディに対して位置決めされる複数のセンサコネクタターミナル(センサ信号線)との誤接続を防止するという目的で、回転方向の位置合わせを行うことが可能な回転位置合わせコネクタが採用されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0005】
ここで、インジェクタの噴孔からの燃料噴射に伴い燃料通路内の高圧燃料の圧力は変動する。この圧量変動を検出する圧力センサがインジェクタボディに取り付けられていると、圧力センサにより検出された圧力変動波形中において、噴孔からの噴射開始に伴い燃料圧力が下降を開始した時期を検出することで、実際の噴射開始時期を検出することが可能となる。
また、噴射終了に伴い燃料圧力が上昇を開始した時期を検出することで、実際の噴射終了時期を検出することが可能となる。
また、これらの噴射開始時期および噴射終了時期に加えて、噴射に伴い生じた燃料圧力下降量の最大値を検出することで、燃料噴射量を検出することが可能となる。
【0006】
[従来の技術の不具合]
ところが、特許文献1〜3に記載のインジェクタにおいては、インジェクタボディの上端部に一体形成された一体コネクタに、複数のアクチュエータコネクタターミナルと複数のセンサコネクタターミナルとを近接して収容している。
このように、アクチュエータコネクタとセンサコネクタとを一体コネクタ構造とした場合、アクチュエータコネクタターミナルと複数のセンサコネクタターミナルとが接近した状態で配線されるため、微弱アナログ信号を扱うセンサコネクタターミナルおよびセンサ電極に、高電圧を扱うアクチュエータリード線およびアクチュエータコネクタターミナルを流れるインジェクタ駆動信号がノイズとして乗る(重畳する)可能性がある。
【0007】
インジェクタ駆動信号がノイズとしてアナログ信号に重畳した場合、ECUでアナログ信号をデジタル信号または燃料圧力に変換する際に、デジタル信号または燃料圧力を誤変換または誤演算してしまう可能性がある。つまりインジェクタ駆動信号がノイズとしてアナログ信号に重畳した場合、燃料圧力の検出誤差が大きくなるので、燃料圧力センサの測定精度および信頼性を低下させるという問題があった。
また、インジェクタボディに対して圧力センサを螺子締結し、回転方向の位置が任意となるセンサターミナル電極とインジェクタボディに対して位置決めされる複数のセンサコネクタターミナルとの誤組付を防止するために、複雑な形状の回転位置合わせコネクタを圧力センサアッシーに組み付ける組付工程が必要となるので、製造コストが上昇するという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−242577号公報
【特許文献2】特開2010−242578号公報
【特許文献3】特開2010−242579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、耐ノイズ性と簡易構造とを兼ね備えた別体コネクタ構造を実現することのできる燃料噴射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明(燃料噴射装置)は、外部から駆動信号を受けるとニードルを開弁方向に駆動するアクチュエータ、およびこのアクチュエータに導通接合される第1導体群を有するインジェクタと、測定対象の情報に対応したアナログ信号を外部に対して出力するセンサ回路部、およびこのセンサ回路部に導通接合される第2導体群を有するセンサアッシーと、第1導体群と外部との接続を行う第1コネクタアッシーと、第2導体群と外部との接続を行う第2コネクタアッシーとを備え、インジェクタに対してセンサアッシーを螺子締結により固定した燃料噴射装置である。
アクチュエータの第1導体群および第1コネクタアッシーは、センサアッシーの第2導体群および第2コネクタアッシーに対して所定の距離分だけ隔離した位置に設置されている。
第2コネクタアッシーは、インジェクタに対する組付位置が、センサアッシーの締結軸を中心にした回転方向の任意の位置に設置されている。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、アクチュエータの第1導体群および第1コネクタアッシーと、センサアッシーの第2導体群および第2コネクタアッシーとが、互いに所定の距離を隔てた位置に設置されている。これにより、第1コネクタアッシーと第2コネクタアッシーとが一体コネクタ構造(例えばアクチュエータとセンサアッシーとのコネクタ端子同士が隣り合うように近接して配置されるコネクタ構造)で構成される従来の技術と比べて、所定の距離分だけアクチュエータの第1導体群および第1コネクタアッシーと、センサアッシーの第2導体群および第2コネクタアッシーとが離れることにより、アクチュエータの駆動信号がノイズとしてアナログ信号に重畳し難くなるので、センサアッシー(センサ回路部)の第2導体群の耐ノイズ性の向上を図ることができる。
【0012】
ここで、アクチュエータおよびその第1導体群は、インジェクタに対して一定の位置に設置されている。これにより、アクチュエータの第1導体群と外部との接続を行う第1コネクタアッシーは、第2コネクタアッシーに対して所定の距離を隔てた決まった位置(例えばインジェクタの側面部の決まった位置)に設置される。
一方、インジェクタに対して螺子締結されるセンサアッシー(センサ回路部)およびその第2導体群は、インジェクタに対して回転方向の位置が製品毎に任意である。これにより、センサアッシーの第2導体群と外部との接続を行う第2コネクタアッシーは、インジェクタに対する組付位置が、インジェクタに対してセンサアッシー(センサ回路部および第2導体群)を螺子締結する際の、センサアッシーの締結軸を中心にした回転方向の任意の位置に設置される。
したがって、複雑な形状を有する回転位置合わせコネクタを廃止することにより、センサアッシーの第2導体群と第2コネクタアッシーとの接続構造を簡素化できるので、製造コストを低減することができる。
この結果、耐ノイズ性と簡易構造とを兼ね備えた別体コネクタ構造を実現することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、センサアッシーの締結軸は、インジェクタの軸線方向の長軸に対して平行な方向に延びる回転中心軸のことである。
請求項3に記載の発明によれば、第1コネクタアッシーに、第1導体群に導通接合される第1端子群、およびこれらの第1端子群を保持する第1成形体を備えている。
請求項4に記載の発明によれば、第1成形体に、インジェクタの一側面からインジェクタの長軸方向の中心線に対して垂直な横方向の外側に向けて突出する筒状の第1ケースを備えている。
請求項5に記載の発明によれば、第1端子群および第1成形体が、絶縁性を有する第1モールド材による一体成形により構成されている。
【0014】
請求項6に記載の発明によれば、センサアッシーおよび第2コネクタアッシーが、第1成形体の内部に第1モールド材によるインサート成形により固定(埋設保持)されている。
請求項7に記載の発明によれば、第2コネクタアッシーに、第2導体群に導通接合される第2端子群、およびこれらの第2端子群を保持する第2成形体を備えている。
請求項8に記載の発明によれば、第2成形体に、インジェクタの一端面からインジェクタの長軸方向の中心線に対して平行な縦方向の外側に向けて突出する筒状の第2ケースを備えている。
請求項9に記載の発明によれば、第2端子群および第2成形体が、絶縁性を有する第2モールド材による一体成形により構成されている。
ここで、第1コネクタアッシーの第1端子群およびアクチュエータの第1導体群は、第2コネクタアッシーの第2端子群およびセンサアッシーの第2導体群に対して所定の距離分だけ隔離した位置に設置される。
【0015】
請求項10に記載の発明によれば、インジェクタに、センサアッシーを螺子締結により固定するセンサ支持体を備えている。
ここで、第2コネクタアッシーの第2端子群および第2成形体(第2ケース)は、インジェクタ(のセンサ支持体)に対する組付位置が、センサアッシーの締結軸の中心線を中心にした回転方向の任意の位置(任意の回転方向位置)に設置される。
請求項11に記載の発明によれば、センサ支持体(の内部)に、外部から噴孔へ燃料を供給する流路を備えている。
センサアッシーは、センサ支持体に螺子締結される有底筒状のステムを備えている。 請求項12に記載の発明によれば、センサ回路部にセンサ素子および回路基板を備えている。
センサ素子は、ステムの表面上に搭載されている。このセンサ素子は、測定対象の情報に対応した検出信号を(外部、回路基板に対して)出力する。
回路基板は、センサ素子から入力したセンサ素子の検出信号をアナログ信号に変換処理して外部(ECU等)に出力する。
【0016】
請求項13に記載の発明によれば、ステムに、流路に連通する圧力導入孔、およびこの圧力導入孔に燃料の圧力が導入されると変位するダイヤフラムを備えている。
センサ素子は、ダイヤフラムの変位に対応した検出信号を(外部、回路基板に対して)出力する圧力測定素子(半導体素子、ピエゾ抵抗素子)を備えている。
ここで、センサアッシーは、インジェクタ内部の燃料圧力に対応した圧力検出信号(例えば電圧信号)を外部(センサ回路部)に対して出力するピエゾ抵抗素子を有する半導体燃料圧力センサアッシーを採用しても良い。
また、測定対象の物理的情報(光、磁気、変位、角度、速度、温度、圧力、流量、音等)に対応した電気信号を外部に対して出力する測定素子(半導体素子、センシング素子)を有する物理的情報センサを採用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】燃料圧力センサを搭載したインジェクタの主要構造を示した断面図である(実施例1)。
【図2】燃料圧力センサを搭載したインジェクタの全体構造を示した部分断面図である(実施例1)。
【図3】燃料圧力センサの単体構造を示した断面図である(実施例1)。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
本発明は、耐ノイズ性と簡易構造とを兼ね備えた別体コネクタ構造を実現するという目的を、第1コネクタアッシーと第2コネクタアッシーとを所定の距離分だけ隔離し、且つ複雑な形状を有する回転位置合わせコネクタを廃止することで実現した。
【実施例1】
【0019】
[実施例1の構成]
図1ないし図3は本発明の実施例1を示したもので、図1は燃料圧力センサを搭載したインジェクタの主要構造を示した図で、図2は燃料圧力センサを搭載したインジェクタの全体構造を示した図で、図3は燃料圧力センサの単体構造を示した図である。
【0020】
本実施例の内燃機関の制御装置(エンジン制御システム)は、ディーゼルエンジン等の内燃機関(エンジン)用の燃料噴射システムとして知られるコモンレール式燃料噴射システム(蓄圧式燃料噴射装置)を備えている。
コモンレール式燃料噴射システムは、サプライポンプ(高圧燃料ポンプ)、コモンレールおよび複数の燃料噴射装置(インジェクタ)を備えている。このコモンレール式燃料噴射システムは、コモンレールの内部に蓄圧された高圧燃料を各インジェタを介してエンジンの各気筒毎の燃焼室内に噴射供給するように構成されている。
【0021】
サプライポンプは、燃料タンクから燃料を汲み上げる周知の構造のフィードポンプ(低圧燃料ポンプ)を内蔵している。このサプライポンプは、フィードポンプから電磁弁を経て加圧室内に吸入した燃料を加圧して高圧化し、この高圧燃料をコモンレールへ圧送供給する高圧燃料ポンプである。
コモンレールの内部には、エンジンの各気筒毎の燃焼室内に噴射供給する燃料の噴射圧力に相当する高圧燃料を蓄圧する蓄圧室が形成されている。
なお、サプライポンプまたはコモンレールは、高圧燃料を発生する高圧発生部を構成する。
【0022】
エンジンの各気筒毎に対応して搭載されるインジェクタは、コモンレールの内部に蓄圧された高圧燃料を、直接燃焼室内に霧状に噴射供給する直接噴射タイプの燃料噴射弁(自動車部品、エンジン部品)である。
インジェクタは、燃料を噴射する噴孔およびこの噴孔に連通する燃料流路を有し、噴孔を開閉するノズルニードルを内蔵するノズルボディ1と、このノズルボディ1の燃料流路を介して噴孔に連通する燃料流路を有するインジェクタボディ2と、このインジェクタボディ2の長軸方向の先端部(図示下端部)にノズルボディ1を螺子締結により固定するリテーニングナット3とを備えている。
【0023】
インジェクタボディ2の内部には、外部からインジェクタ(ピエゾ)駆動信号を受けるとノズルニードルを開弁方向に駆動するピエゾアクチュエータAと、このピエゾアクチュエータAにより駆動されてノズルニードルの背圧を制御する背圧制御機構とが収容されている。
インジェクタボディ2の長軸方向の後端部(図示上端部)には、インジェクタボディ2の燃料流路を流れる燃料の圧力を測定(検出)する燃料センサアッシー(以下燃料圧力センサSと言う)と、ピエゾアクチュエータAと外部回路との電気的な接続を行う第1コネクタアッシー(以下ピエゾコネクタBと言う)と、燃料圧力センサSと外部回路との電気的な接続を行う第2コネクタアッシー(以下センサコネクタCと言う)とが設置されている。
【0024】
インジェクタボディ2には、ピエゾアクチュエータAに導通接合される正極側、負極側ピエゾリード線(第1導体群)4が配線されている。
燃料圧力センサSは、ステム5に搭載されるセンサチップ6、このセンサチップ6より出力される圧力検出信号を処理してアナログ信号を出力するモールドIC7、およびこのモールドIC7の回路基板8に導通接合される第1〜第4センサリード(第2導体群)9を有している。
【0025】
ピエゾコネクタBは、正極側、負極側ピエゾリード線4の導電芯線(第1導体)11にそれぞれ導通接合される一対の正極側、負極側ピエゾターミナル(第1端子群)12、およびこれらの正極側、負極側ピエゾターミナル12を保持する樹脂成形体(第1成形体)13を備えている。このピエゾコネクタBは、センサコネクタCに対して所定の距離分だけ隔離した位置に設置されている。
正極側、負極側ピエゾターミナル12の両端には、コネクタ接続端子14、15がそれぞれ形成されている。
樹脂成形体13には、ピエゾコネクタケース(第1ケース)16、ターミナル・リード線配線部17およびセンサ・コネクタ保持部18がモールド樹脂材により一体成形されている。
【0026】
センサコネクタCは、第1〜第4センサリード9の各センサ電極21にそれぞれ導通接合される複数の第1〜第4センサターミナル22、およびこれらのセンサターミナル22を保持する樹脂成形体23を備えている。このセンサコネクタCは、インジェクタボディ2に対する組付位置が、燃料圧力センサSの締結軸の中心線を中心にした回転方向の任意の位置(任意の回転位置)に設置されている。
第1〜第4センサターミナル22の両端には、コネクタ接続端子24、25がそれぞれ形成されている。
樹脂成形体23には、センサコネクタケース(第2ケース)26およびターミナル配線部27がモールド樹脂材により一体成形されている。
【0027】
次に、本実施例のピエゾアクチュエータAの詳細を図1および図2に基づいて簡単に説明する。
ピエゾアクチュエータAは、各種エンジン制御を行うエンジン制御ユニット(電子制御装置:以下ECUと呼ぶ)によって電子制御されるピエゾ駆動回路(外部回路)を介して、自動車等の車両に搭載された外部電源(バッテリ)に電気的に接続されている。このピエゾアクチュエータAは、ピエゾ素子をその軸線方向に多数積層してなる積層体(ピエゾスタック)、このピエゾスタックに圧縮方向(収縮方向)の予荷重(プリセット荷重)を付与するスリットスプリング、ピエゾスタックの伸縮に伴う変位を受けて軸線方向に往復移動するロッド、およびピエゾスタックの伸縮に伴う変位を加圧ピストンに伝達するプレート等により構成されている。
なお、ピエゾアクチュエータAの代わりに、ステータおよびアーマチャにより構成された電磁アクチュエータを採用しても良い。
【0028】
ピエゾアクチュエータAの主要部であるピエゾスタックは、インジェクタボディ2の内部(アクチュエータ(ピエゾ)収容孔31)に収容保持されている。
ピエゾアクチュエータAは、ピエゾスタックの伸縮に伴う変位を加圧ピストンに伝達し、この加圧ピストンの往復変位に伴って圧力制御室内の燃料圧力を増減させてノズルニードルの開閉動作(燃料噴射)を制御するニードルアクチュエータとして利用される。
また、ノズルボディ1およびインジェクタボディ2の燃料流路には、外部(コモンレール)から高圧燃料が導入される。
ピエゾアクチュエータAの正極電極には、正極側ピエゾリード線4が導通接合されている。また、ピエゾアクチュエータAの負極電極には、負極側ピエゾリード線4が導通接合されている。
ピエゾアクチュエータAは、正極側、負極側ピエゾリード線4を介して、正極側、負極側ピエゾターミナル12に電気的に接続されている。
なお、正極側、負極側ピエゾリード線4および正極側、負極側ピエゾターミナル12の詳細は後述する。
【0029】
ここで、インジェクタのインジェクタボディ2には、ピエゾ収容孔31に連通するアクチュエータリード線(ピエゾリード線)収容孔32が形成されている。このピエゾリード線収容孔32には、絶縁性を有する合成樹脂製のモールド樹脂材よりなる筒状の絶縁部材33が挿入(圧入)されている。
インジェクタボディ2は、その軸線方向の反噴孔側(図示上端側)の端部に円筒状のセンサ支持部34を有している。
センサ支持部34には、外部回路に相当するECUのマイクロコンピュータへアナログ圧力信号を出力する燃料圧力センサSが組み付けられる。
センサ支持部34には、センサ支持部34の図示上端面(反噴孔側端面)で開口し、この開口部側から奥側まで軸線方向に延びる嵌合凹部35が形成されている。この嵌合凹部35の内周には、雌螺子部36が形成されている。また、嵌合凹部35の底面には、インジェクタボディ2の燃料流路から分岐した分岐流路(燃料流路)37の出口(圧力導入ポート)が開口している。嵌合凹部35には、各気筒毎の燃料噴射に伴って変動する燃料圧力変動を検出する燃料圧力センサSが組み付けられている。
【0030】
次に、本実施例の燃料圧力センサSの詳細を図1ないし図3に基づいて簡単に説明する。
燃料圧力センサSは、インジェクタボディ2の分岐流路37内の高圧燃料の圧力を受けて弾性変形するステム(起歪体)5と、このステム5にて生じた歪みの大きさを電気信号に変換して圧力検出値として出力する複数の歪みゲージ(半導体ピエゾ抵抗素子)を有するセンサチップ6と、このセンサチップ6から出力される検出信号を処理するモールドIC(センサ回路部)7とを備えている。
燃料圧力センサSは、センサコネクタCと共に、樹脂成形体13のセンサ・コネクタ保持部18の内部にモールド樹脂材によるインサート成形により固定(埋設保持)されている。
【0031】
ステム5は、有底円筒状の金属によって形成されている。このステム5は、インジェクタボディ2の嵌合凹部35の雌螺子部36に螺子締結される締結体である。
ステム5は、一端側に薄肉状の平面部であるダイヤフラム41を有し、且つ他端側にダイヤフラム41へ燃料圧力を導くための圧力導入孔42を有している。
ステム5の中間部よりも図示下方側の外周面には、インジェクタボディ2の嵌合凹部35の雌螺子部36に螺合する雄螺子部43が形成されている。インジェクタボディ2の嵌合凹部35にステム5の雄螺子部43を螺子締結することで、燃料圧力センサSがインジェクタボディ2のセンサ支持部34に取り付けられる。
ステム5の中間部よりも図示上方側(一端側)の外周には、ハウジング44が一体的に形成されている。このハウジング44の外周部には、トルクレンチ等の工具が係合可能な多角環状の工具係合部45が形成されている。また、ハウジング44の図示上端面には、モールドIC7が接着等の手段を用いて支持固定されている。
なお、ステム5とハウジング44とを別体で構成し、ステム5とハウジング44とを溶接等の手段を用いて固定しても良い。
【0032】
ステム5のダイヤフラム41の外面(表面、センサ搭載面)には、センサチップ6が低融点ガラスにより接合されている。このセンサチップ6は、ステム5の圧力導入孔42内に導入された燃料圧力によってダイヤフラム41が変形した時に発生する歪みを検出する歪みゲージとして機能するものである。
センサチップ6は、正方形状の半導体基板(単結晶シリコン基板)上に4つのピエゾ抵抗素子R1〜R4である長方形状の歪みゲージを形成したものである。
4つのピエゾ抵抗素子R1〜R4は、インジェクタボディ2に対して燃料圧力センサSを螺子締結する際の、燃料圧力センサSの回転中心線上に位置する、ダイヤフラム41の中心点を中心とする同一円周上に配置されている。
【0033】
センサチップ6には、4つのピエゾ抵抗素子R1〜R4がブリッジ回路を構成し、外部回路と接続するための配線や電極パッド、さらには保護膜が形成される。そして、センサチップ6は、ステム5のダイヤフラム41の表面上に低融点ガラスを用いて接着される。これにより、センサチップ6は、ステム5の圧力導入孔42内に流入した高圧燃料の圧力の作用により変位する(撓む)ダイヤフラム41の変位(ダイヤフラム41に生じた歪み)を電気的な信号(本実施例では、ピエゾ抵抗素子の抵抗変化に伴うブリッジ回路の電位差)に変換することができる。この電気的な信号は、モールドIC7の回路基板8の処理回路で処理されて燃料圧力が検出される。
【0034】
モールドIC7は、4つのピエゾ抵抗素子R1〜R4が形成されるセンサチップ6を有し、センサチップ6の周囲を取り囲むように円環状または多角環状に形成されている。このモールドIC7は、ハウジング44の図示上端面(環状のセンサ回路部搭載面)に対して位置決めされた状態で接着剤等を用いて固定されている。
モールドIC7は、燃料圧力センサSにおけるセンサ信号処理回路を構成する回路基板8を、絶縁性を有する合成樹脂製のモールド樹脂材10により樹脂封止(モールド)することで形成されている。
モールド樹脂材10は、ハウジング44のステム5の外周面に沿って環状に延びる円筒形状に形成されている。
燃料圧力センサSは、ステム5、センサチップ6およびモールドIC7とを備えている。モールドIC7の回路基板8上に形成される第1〜第4電極パッドには、第1〜第4センサリード9が導通接合されている。
【0035】
回路基板8は、センサチップ6上の第1〜第4電極パッドにボンディングワイヤ等を介して導通接合されている。ボンディングワイヤは、回路基板8上の電子部品(導体)およびセンサチップ6上の第1〜第4電極パッドに半田材を介して導通接合(半田付け)される。
センサチップ6上の第1〜第4電極パッドおよび回路基板8上の第1〜第4電極パッドは、真空蒸着やスパッタリングによって形成された白金膜、ポリシリコン膜、単結晶シリコン膜等である。
電子部品は、センサチップ6から出力される圧力検出信号を増幅する増幅回路や、検出信号に重畳するノイズを除去するフィルタリング回路、および歪みゲージに電圧を印加する電圧印加回路等により構成される。
増幅回路は、センサチップ6(ブリッジ回路)から出力される圧力検出信号を増幅し、増幅した圧力検出信号をアナログ圧力信号に変換処理して外部に対して出力する。
なお、電圧印加回路から電圧が印加された歪みゲージは、上述したように、ダイヤフラム41にて生じた歪みの大きさに応じて電気抵抗値が変化するブリッジ回路(センサ回路)を構成している。これにより、ダイヤフラム41の歪みに応じてブリッジ回路の出力電圧が変化し、当該出力電圧が高圧燃料の圧力検出値としてモールドIC7の増幅回路に出力される。
【0036】
モールドIC7のモールド樹脂材10の上端面には、合成樹脂(または金属)製のプレートカバー46が接着剤等を用いて固定されている。
なお、プレートカバー46の図示上端面(モールドIC7のセンサコネクタ搭載面47)の、燃料圧力センサSの締結軸(締め付け軸)の中心線上に、センサコネクタケース26の図示下端面に設けられる嵌合凹部(孔)または嵌合凸部(ピン)と回転方向に摺動可能に嵌合する嵌合凸部(ピン)または嵌合凹部(孔)を設けても良い。この場合、センサコネクタCを燃料圧力センサS上で燃料圧力センサSの締結軸(締め付け軸)の中心線を中心に回転させることが可能となる。これにより、センサコネクタCの回転方向の位置を燃料圧力センサSの回転方向の位置に合わせ易くなるので、対応したセンサ電極とコネクタターミナルとの接続作業がし易くなる。
【0037】
また、複数のセンサ電極と複数のコネクタターミナルとの導通接合部、センサチップ6、回路基板8およびモールド樹脂材10の周囲を覆うように筒状のシールドケースを設けても良い。このシールドケースは、外部(外乱)ノイズを遮断して、センサチップ6およびモールドIC7を保護するものである。
モールド樹脂材10の外周面からは、回路基板8上の第1〜第4電極パッドに半田材を介して導通接合(半田付け)される第1〜第4センサリード9が延出している。これらのセンサ電極21は、モールドIC7の内部にて電子部品と電気接続されている。また、モールドIC7の回路基板8は、第1〜第4センサリード9を介して、第1〜第4センサターミナル22に電気的に接続されている。
なお、第1〜第4センサリード9および第1〜第4センサターミナル22の詳細は後述する。
【0038】
次に、本実施例のピエゾコネクタ(第1コネクタアッシー)Bの詳細を図1および図2に基づいて簡単に説明する。
ピエゾコネクタBは、正極側電線(ワイヤハーネス)を介して、ピエゾ駆動回路または外部電源(バッテリ)の正極側(Vcc側)電極に電気接続される正極側ピエゾターミナル12、負極側電線(ワイヤハーネス)を介して、ピエゾ駆動回路またはバッテリの負極側(グランド側、GND側)電極に電気接続される負極側ピエゾターミナル12、およびこれらの正極側、負極側ピエゾターミナル12を保持する樹脂成形体13を備えている。 樹脂成形体13には、角筒状のピエゾコネクタケース16、ターミナル・リード線配線部17、および筒状のセンサ・コネクタ保持部18が一体的に設置されている。
ピエゾコネクタケース16は、そのフード部分が、相手側コネクタとの嵌合方向(接続方向:図示左方向)へ向けて延設されている。
ターミナル・リード線配線部17は、正極側、負極側ピエゾリード線4および正極側、負極側ピエゾリード線4と正極側、負極側ピエゾターミナル12との導通接合部を樹脂封止する部分である。
センサ・コネクタ保持部18は、燃料圧力センサSおよびセンサコネクタケース26の周囲を周方向に取り囲むと共に、第1〜第4センサリード9と第1〜第4センサターミナル22との導通接合部を樹脂封止する部分である。
【0039】
一対の正極側、負極側ピエゾターミナル12は、例えば銅合金またはアルミニウム合金等の金属導体板(第1端子群、アクチュエータ外部接続部材)である。
これらの正極側、負極側ピエゾターミナル12は、導電性を有する金属薄板をプレス成形機で打ち抜き成形を行うことで製造される。
また、正極側、負極側ピエゾターミナル12は、樹脂成形体13のターミナル・リード線配線部17の内部にモールド樹脂材による一体成形により構成されている。具体的には、樹脂成形体13を構成するモールド樹脂材の内部にインサート成形により正極側、負極側ピエゾターミナル12の一端部(正極側、負極側ピエゾリード線4との導通接合部であるコネクタ接続端子14)が固定(埋設保持)されている。
正極側、負極側ピエゾターミナル12の他端側、つまり正極側、負極側ピエゾリード線4との導通接合部側に対して反対側には、ピエゾアクチュエータAとECU、ピエゾ駆動回路やバッテリとの電気的な接続を行うコネクタ接続端子15がそれぞれ一体的に形成されている。
コネクタ接続端子15は、ピエゾコネクタケース16の底面(モールド樹脂材の表面)からピエゾコネクタケース16の内部空間(収容凹部19)内に突出して露出した端子露出部を有している。
【0040】
次に、本実施例のセンサコネクタ(第2コネクタアッシー)Cの詳細を図1および図2に基づいて簡単に説明する。
センサコネクタCは、複数の第1〜第4電線(ワイヤハーネス)を介して、外部回路であるECUのA/D変換回路や電源回路等にそれぞれ電気接続される第1〜第4センサターミナル22、およびこれらの第1〜第4センサターミナル22を保持する樹脂成形体23を備えている。
樹脂成形体23には、角筒状のセンサコネクタケース26およびターミナル配線部27が一体的に設置されている。
センサコネクタケース26は、そのフード部分が、相手側コネクタとの嵌合方向(接続方向、図示上方向)へ向けて延設されている。
ターミナル配線部27は、第1〜第4センサターミナル22を保持する部分である。
センサコネクタC(第1〜第4センサターミナル22、樹脂成形体23のターミナル配線部27)は、燃料圧力センサSと共に、樹脂成形体13のセンサ・コネクタ保持部18の内部にモールド樹脂材によるインサート成形により固定(埋設保持)されている。
【0041】
複数の第1〜第4センサターミナル22は、例えば銅合金またはアルミニウム合金等の金属導体板(第2端子群、センサ外部接続部材)である。
これらの第1〜第4センサターミナル22は、導電性を有する金属薄板をプレス成形機で打ち抜き成形を行い、この打ち抜き成形と同時または打ち抜き成形後に所定の部位で折り曲げ成形を行うことで製造される。
また、第1〜第4センサターミナル22は、樹脂成形体23のターミナル配線部27の内部にモールド樹脂材による一体成形により構成されている。具体的には、樹脂成形体23を構成するモールド樹脂材の内部にインサート成形により第1〜第4センサターミナル22の中間部が固定(埋設保持)されている。
【0042】
第1〜第4センサターミナル22の一端側には、第1〜第4センサリード9がレーザー溶接等の手段を用いて導通接合されるコネクタ接続端子24がそれぞれ一体的に形成されている。コネクタ接続端子24は、センサコネクタケース26の図示下方側の側面(モールド樹脂材の表面)から水平方向の一方側(図示右方向)に突出して露出した端子露出部を有している。
第1〜第4センサターミナル22の中間部には、樹脂成形体23のターミナル配線部27の内部にインサートされるターミナルインサート(埋設部)の形成方向に対して垂直な方向に直角に折り曲げられる屈曲部28が一体的に形成されている。
第1〜第4センサターミナル22の他端側、つまりコネクタ接続端子24側に対して反対側には、燃料圧力センサSとECUのA/D変換回路や電源回路等との電気的な接続を行うコネクタ接続端子25がそれぞれ一体的に形成されている。
コネクタ接続端子25は、センサコネクタケース26の底面(モールド樹脂材の表面)からセンサコネクタケース26の内部空間(収容凹部29)内に突出して露出した端子露出部を有している。
【0043】
次に、本実施例の一対の正極側、負極側ピエゾリード線4の詳細を図1および図2に基づいて簡単に説明する。
正極側、負極側ピエゾリード線4は、絶縁被膜により被覆された導線である。
正極側ピエゾリード線4は、ピエゾアクチュエータAの正極電極と正極側ピエゾターミナル12とを電気接続する導体である。この正極側ピエゾリード線4は、正極側(プラス側)給電線(インジェクタ(ピエゾ)駆動線)である。
負極側ピエゾリード線4は、ピエゾアクチュエータAの負極電極と負極側ピエゾターミナル12とを電気接続する導体である。この負極側ピエゾリード線4は、負極側(マイナス側)給電線(インジェクタ(ピエゾ)駆動線)である。
【0044】
正極側、負極側ピエゾリード線4は、その配線方向の絶縁被膜の一端部を剥いで導電芯線を露出させ、この露出された導電芯線が、ピエゾアクチュエータAの正極、負極電極に電気接続される。
正極側、負極側ピエゾリード線4は、その配線方向の絶縁被膜の他端部を剥いで導電芯線11を露出させ、この露出された導電芯線11が、正極側、負極側ピエゾターミナル12のコネクタ接続端子14に電気接続される。
正極側、負極側ピエゾリード線4は、正極側、負極側ピエゾターミナル12のコネクタ接続端子14との導通接合部(導電芯線11近傍)が、モールド樹脂材(樹脂成形体13のターミナル・リード線配線部17)により樹脂封止されている。
正極側、負極側ピエゾリード線4の中間部分は、インジェクタボディ2のピエゾリード線収容孔32内に挿入(圧入)された筒状の絶縁部材33を貫通している。
【0045】
次に、本実施例の第1〜第4センサリード9の詳細を図1ないし図3に基づいて簡単に説明する。
第1〜第4センサリード9は、例えば銅合金等の金属薄板(リードフレーム)により形成されている。
リードフレームは、回路基板8上の第1〜第4電極パッドとの導通接合部が、モールドIC7のモールド樹脂材10により樹脂封止されるインナリードを備えている。また、リードフレームは、モールド樹脂材10の一側面から外部(外側)へ向けて突出してモールド樹脂材10の外部に露出したアウターリードを備えている。
本実施例では、リードフレームのアウターリードを、第1〜第4センサリード9として使用している。つまり第1〜第4センサリード9は、モールド樹脂材10の一側面から外部(外側)へ向けて突出するように延設されている。
【0046】
第1〜第4センサリード9は、アウターリードの突出方向(延長方向)に対して垂直な方向で、且つ燃料圧力センサSの締結軸の中心線と平行な方向の一方側(インジェクタの反噴孔側、第1〜第4センサターミナル22のコネクタ接続端子24側)に直角に折り曲げられている。
第1〜第4センサリード9は、直角に折り曲げられた屈曲部28よりもコネクタ接続端子側の先端部を、第1〜第4センサターミナル22のコネクタ接続端子24に導通接合されるセンサ電極21として使用している。つまり第1〜第4センサリード9の各センサ電極21は、屈曲部28から図示上方側へ向けて突出するように延設されている。
【0047】
第1センサリード9の一端側は、回路基板8上に形成される第1電極パッド(センサチップ6に形成されるブリッジ回路の圧力信号出力端子Vout+に対応して設けられる電極パッド)に半田材を介して導通接合(半田付け)されている。この第1センサリード9は、アナログ圧力信号(Vout+)を取り出す出力信号線である。
第2センサリード9の一端側は、回路基板8上に形成される第2電極パッド(ブリッジ回路の圧力信号出力端子Vout−に対応して設けられる電極パッド)に半田材を介して導通接合(半田付け)されている。この第2センサリード9は、アナログ圧力信号(Vout−)を取り出す出力信号線である。
【0048】
第3センサリード9の一端側は、回路基板8上に形成される第3電極パッド(センサチップ6に形成されるブリッジ回路の外部電源端子Vddに対応して設けられる電極パッド)に半田材を介して導通接合(半田付け)されている。この第3センサリード9は、正極側(プラス側)給電線である。
第4センサリード9の一端側は、回路基板8上に形成される第4電極パッド(ブリッジ回路のグランド(接地)端子GNDに対応して設けられる電極パッド)に半田材を介して導通接合(半田付け)されている。この第4センサリード9は、負極側(マイナス側)給電線である。
第1〜第4センサリード9の中間部は、モールドIC7のモールド樹脂材10の一側面からの突出方向に対して垂直な方向で、且つ燃料圧力センサSの締結軸の中心線と平行な方向の一方側(インジェクタの反噴孔側、図示上方側)に直角に折り曲げられている。
第1〜第4センサリード9の他端側は、第1〜第4センサターミナル22のコネクタ接続端子24にそれぞれ導通接合される導通接合部が一体的に形成されている。
第1〜第4センサリード9は、コネクタ接続端子24との導通接合部が、直角に折り曲げられた屈曲部28よりもセンサコネクタ側(図示上方側)の端部に設けられている。
【0049】
第1センサリード9のセンサ電極21は、第1センサターミナル22のコネクタ接続端子24にレーザー溶接等の手段を用いて導通接合されている。
第2センサリード9のセンサ電極21は、第2センサターミナル22のコネクタ接続端子24にレーザー溶接等の手段を用いて導通接合されている。
第3センサリード9のセンサ電極21は、第3センサターミナル22のコネクタ接続端子24にレーザー溶接等の手段を用いて導通接合されている。
第4センサリード9のセンサ電極21は、第4センサターミナル22のコネクタ接続端子24にレーザー溶接等の手段を用いて導通接合されている。
また、第1〜第4センサリード9は、第1〜第4センサターミナル22のコネクタ接続端子24との導通接合部(センサ電極21の周辺)が、モールド樹脂材(樹脂成形体13のターミナル・リード線配線部17)により樹脂封止されている。
【0050】
[実施例1の特徴]
次に、本実施例のインジェクタボディ2に対する燃料圧力センサS、ピエゾコネクタBおよびセンサコネクタCの組付方法を図1ないし図3に基づいて簡単に説明する。
【0051】
先ず、燃料圧力センサSを組み立てる。ステム5のダイヤフラム41の表面上に低融点ガラスを用いてセンサチップ6を接着する。
次に、ステム5の外周に一体的に形成されたハウジング44の回路搭載面上に回路基板8を有する環状のモールドIC7を接着等により固定する。
次に、センサチップ6上の第1〜第4電極パッドと回路基板8上の第1〜第4電極パッドとをボンディングワイヤ等を介して導通接合する。
このとき、第1〜第4センサリード9の一端側(導通接合部)は、モールドIC7のモールド樹脂材10の内部にモールド(インサート)されている。また、第1〜第4センサリード9の他端側(導通接合部)は、モールド樹脂材10の一側面から外部(外側)へ向けて突出してモールド樹脂材10の外部に露出している。
【0052】
次に、トルクレンチ等の工具をハウジング44の工具係合部45に係合させてハウジング44を回転させると、ステム5が一体回転し、ステム5の雄螺子部43がインジェクタのインジェクタボディ2のセンサ支持部34の嵌合凹部35に螺子締結される。
これにより、インジェクタボディ2に対して燃料圧力センサSが、インジェクタボディ2の軸線方向の長軸と平行な方向に延びる回転中心軸(燃料圧力センサSの回転中心軸)である締結軸を中心にして螺子締結される。
このとき、燃料圧力センサSは、インジェクタボディ2に対して回転方向の組付位置が任意となっている。つまり第1〜第4センサリード9は、インジェクタボディ2に対する燃料圧力センサSの螺子締結によりインジェクタボディ2の軸線方向の長軸に対し、回転方向の組付位置が任意となっている。
【0053】
次に、樹脂成形体23の内部に第1〜第4センサターミナル22をインサート成形したセンサコネクタCの中心部が、燃料圧力センサSの締結軸の中心線上に位置するようにセンサコネクタCをプレートカバー46の図示上端面(モールドIC7のセンサコネクタ搭載面47)上に配置する。
次に、センサコネクタCを燃料圧力センサSの締結軸の中心線を中心に回転させて、第1〜第4センサリード9の各センサ電極21と第1〜第4センサターミナル22のコネクタ接続端子24とを電気的に接続する。
燃料圧力センサSとセンサコネクタCとの電気接続は、第1〜第4センサリード9の各センサ電極21をコネクタ接続端子24にレーザー溶接等によりとられる。
これにより、螺子締結により回転方向の組付位置がインジェクタボディ2に対して任意となっている燃料圧力センサSの組付位置に合わせるようにセンサコネクタCが組み付けられる。
このとき、センサコネクタCは、インジェクタボディ2に対する組付位置が、燃料圧力センサSの締結軸の中心線を中心にして回転方向の任意の位置に、燃料圧力センサSの組付位置に合わせるように設置される。
【0054】
また、燃料圧力センサSの螺子締結方向に対応して、インジェクタボディ2に対する回転方向の組付位置が決定されたセンサコネクタCがインジェクタボディ2のセンサ支持部34の上部(燃料圧力センサSの上部)に形成(搭載)される。つまり、センサコネクタCの樹脂成形体23に設けられる角筒状のセンサコネクタケース26は、相手側コネクタとの嵌合方向(接続方向、図示上方向)へ向けて開口するように、インジェクタボディ2のセンサ支持部34の上部(燃料圧力センサSの上部)に形成(搭載)される。
一方、インジェクタボディ2のピエゾ収容孔31の内部には、ピエゾアクチュエータAのピエゾスタック等が収容保持されている。また、ピエゾ収容孔31に連通するピエゾリード線収容孔32の内部には、正極側、負極側ピエゾリード線4が挿通されている。また、正極側、負極側ピエゾリード線4の他端側は、ピエゾ収容孔31内に挿入される絶縁部材33の図示上端面からインジェクタボディ2の外部へ向けて突出してインジェクタボディ2の外部で露出している。
そして、インジェクタボディ2の嵌合凹部35に対する燃料圧力センサSの螺子締結が終了した後に、正極側、負極側ピエゾリード線4の他端側(導通接合部)を正極側、負極側ピエゾターミナル12のコネクタ接続端子14に電気的に接続する。
【0055】
次に、インジェクタボディ2のセンサ支持部34を樹脂成形金型の一部として使用し、燃料圧力センサSおよびセンサコネクタCを中子として使用して、インジェクタボディ2のセンサ支持部34の上部に樹脂成形体13をモールド樹脂材による射出成形により形成する。
これにより、燃料圧力センサSおよびセンサコネクタC(第1〜第4センサターミナル22、樹脂成形体23のターミナル配線部27)が、樹脂成形体13のセンサ・コネクタ保持部18の内部にモールド樹脂材によるインサート成形により固定(埋設保持)される。
また、正極側、負極側ピエゾリード線4と正極側、負極側ピエゾターミナル12との接続部分(導通接合部)が、モールド樹脂材(樹脂成形体13のターミナル・リード線配線部17)により樹脂封止される。
また、第1〜第4センサターミナル22と第1〜第4センサリード9との接続部分(導通接合部)が、モールド樹脂材(樹脂成形体13のターミナル・リード線配線部17)により樹脂封止されている。
【0056】
これにより、ピエゾコネクタBは、インジェクタの側面部にモールド樹脂材による一体成形により形成される。つまり、ピエゾコネクタBの樹脂成形体13に設けられる角筒状のピエゾコネクタケース16は、相手側コネクタとの嵌合方向(接続方向、図示左方向)へ向けて開口するように、インジェクタボディ2のセンサ支持部34の側面部(燃料圧力センサSの側方部)に形成(搭載)される。
なお、インジェクタに対するピエゾコネクタBの組付(取付)位置は、インジェクタボディ2のセンサ支持部34に対して一義的に決定される。
以上により、インジェクタボディ2に対する燃料圧力センサS、ピエゾコネクタBおよびセンサコネクタCの取り付け、および内部電気配線、接続が完了する。
【0057】
[実施例1の効果]
以上のように、インジェクタボディ2の嵌合凹部35に燃料圧力センサSを螺子締結したインジェクタにおいては、ピエゾアクチュエータAの正極側、負極側ピエゾリード線4およびピエゾコネクタBの正極側、負極側ピエゾターミナル12と、燃料圧力センサSの第1〜第4センサリード9およびセンサコネクタCの第1〜第4センサターミナル22とが、互いに所定の距離分だけ隔離された位置に設置されている。
【0058】
これによって、ピエゾコネクタBとセンサコネクタCとが一体コネクタ構造(例えばアクチュエータとセンサアッシーとのコネクタ接続端子同士が隣り合うように近接して配置されるコネクタ構造)で構成される従来の技術と比べて、所定の距離分だけピエゾコネクタBの樹脂成形体13のターミナル・リード線配線部17に保持される正極側、負極側ピエゾターミナル12および正極側、負極側ピエゾリード線4と、センサコネクタCの樹脂成形体23のターミナル配線部27に保持される第1〜第4センサターミナル22および第1〜第4センサリード9とが所定の距離分だけ隔離される。
これにより、ピエゾアクチュエータAの駆動信号がノイズとしてアナログ圧力信号に重畳し難くなるので、センサコネクタCの第1〜第4センサターミナル22および燃料圧力センサSのモールドIC7の第1〜第4センサリード9の耐ノイズ性の向上を図ることができる。
【0059】
ここで、ピエゾアクチュエータAおよびその正極側、負極側ピエゾリード線4は、インジェクタに対して一定の位置(インジェクタボディ2の側方部の決まった位置)に一義的に設置されている。これにより、ピエゾアクチュエータAの正極側、負極側ピエゾリード線4およびピエゾコネクタBの正極側、負極側ピエゾターミナル12は、燃料圧力センサSの第1〜第4センサリード9およびセンサコネクタCの第1〜第4センサターミナル22に対して所定の距離を隔てた決まった位置(例えばインジェクタボディ2の側面部の決まった位置)に設置される。
一方、インジェクタボディ2のセンサ支持部34に対して螺子締結される燃料圧力センサSのモールドIC7およびその第1〜第4センサリード9は、インジェクタボディ2のセンサ支持部34に対して回転方向の位置が製品毎に任意である。これにより、燃料圧力センサSの第1〜第4センサリード9と外部との接続を行うセンサコネクタCは、インジェクタボディ2のセンサ支持部34に対する組付位置が、インジェクタボディ2のセンサ支持部34に対して燃料圧力センサSを螺子締結する際の、燃料圧力センサSの締結軸の中心軸を中心にした回転方向の任意の位置に設置される。
【0060】
したがって、従来の技術のような、複雑な形状のコネクタターミナルを有する回転位置合わせコネクタを廃止することができるので、燃料圧力センサSの第1〜第4センサリード9とセンサコネクタCの第1〜第4センサターミナル22との電気的な接続構造を簡素化(単純化)できるので、燃料圧力センサSを搭載したインジェクタ製造コストを低減することができる。
この結果、耐ノイズ性と簡易構造とを兼ね備えた別体コネクタ構造を実現することができる。
【0061】
[変形例]
本実施例では、本発明の燃料噴射装置を、内燃機関(エンジン)の各気筒毎に対応して搭載されるインジェクタ内部の燃料圧力を測定可能な燃料圧力センサSをインジェクタボディ2に螺子締結する燃料圧力測定装置に適用しているが、本発明の燃料噴射装置を、サプライポンプ、コモンレール等の他の燃料供給機器(燃料噴射機器)内部の燃料圧力を測定可能な圧力センサを燃料噴射機器のボディに螺子締結する燃料圧力測定装置に適用しても良い。
【0062】
本実施例では、燃料を噴射する噴孔を開閉するニードルをその軸線方向に開閉動作させるアクチュエータを、ピエゾアクチュエータAによって構成しているが、ニードルをその軸線方向に開閉動作させるアクチュエータを、モータ、減速機構、変換機構を備えた電動アクチュエータによって構成しても良い。また、電磁式または電動式負圧制御弁を備えた負圧作動式アクチュエータによって構成しても良い。
また、エンジンとして、ディーゼルエンジンだけでなく、ガソリンエンジンを用いても良い。また、エンジンとして、多気筒エンジンだけでなく、単気筒エンジンを用いても良い。
【0063】
本実施例では、ステム5のダイヤフラム41の変位に対応した信号を外部に対して出力するピエゾ抵抗素子(半導体素子、圧力測定素子)をセンサチップ6上に形成(搭載)しているが、ステム5のダイヤフラム41の変位に対応した信号を外部に対して出力する圧力測定素子をダイヤフラム41の表面(センサ搭載面)上に直接形成(搭載)しても良い。また、プレートカバー46は設けなくても良い。
また、センサ電極数は、測定素子(センサ素子、センシング素子)のリード端子数や、センサ回路(信号処理回路や信号増幅回路等)の電極数に応じて、2、3または5以上任意である。
【0064】
本実施例では、測定対象の情報に対応した信号を外部に対して出力する測定素子(センシング素子)として、インジェクタ内部の燃料圧力に対応した圧力検出信号(例えば電圧信号)を外部回路(ECU等)に対して出力するピエゾ抵抗素子を有する半導体燃料圧力センサSを採用しているが、測定対象の物理的情報(光、磁気、変位、角度、速度、温度、圧力、流量、音等)に対応した電気信号を外部に対して出力する測定素子(半導体素子、センシング素子)を有する物理的情報センサを採用しても良い。
【0065】
また、センサアッシーSの締結軸が、インジェクタの軸線方向の長軸に対して所定の角度分だけ傾斜していても良い。
また、相手側コネクタに対する、ピエゾコネクタケース(第1ケース)16の嵌合方向をインジェクタの軸線方向の長軸に対して平行な方向の一方側(図示上方側)とした場合、相手側コネクタに対する、センサコネクタケース(第2ケース)26の嵌合方向をインジェクタの軸線方向の長軸に対して径方向の一方側(図示左側または図示右側)としても良い。
【符号の説明】
【0066】
A ピエゾアクチュエータ
B ピエゾコネクタ(第1コネクタアッシー)
C センサコネクタ(第2コネクタアッシー)
S 燃料圧力センサ(センサアッシー)
1 ノズルボディ
2 インジェクタボディ(センサ支持体)
4 正極側、負極側ピエゾリード線(第1導体群)
5 ステム
6 センサ素子(圧力測定素子)を有するセンサチップ
7 モールドIC(センサ回路部)
8 モールドICの回路基板
9 第1〜第4センサリード(第2導体群)
12 正極側、負極側ピエゾターミナル(第1端子群)
13 樹脂成形体(第1成形体)
14 正極側、負極側ピエゾターミナルの各コネクタ接続端子
15 正極側、負極側ピエゾターミナルの各コネクタ接続端子
16 樹脂成形体のピエゾコネクタケース(第1ケース)
17 樹脂成形体のターミナル・リード線配線部
18 樹脂成形体のセンサ・コネクタ保持部
21 第1〜第4センサリードの各センサ電極
22 第1〜第4センサターミナル(第2端子群)
23 樹脂成形体(第2成形体)
24 第1〜第4センサターミナルの各コネクタ接続端子
25 第1〜第4センサターミナルの各コネクタ接続端子
26 樹脂成形体のセンサコネクタケース(第2ケース)
27 樹脂成形体のターミナル配線部
41 ステムのダイヤフラム
42 ステムの圧力導入孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から駆動信号を受けるとニードルを開弁方向に駆動するアクチュエータ(A)、およびこのアクチュエータ(A)に導通接合される第1導体群(4)を有するインジェクタと、
測定対象の情報に対応したアナログ信号を外部に対して出力するセンサ回路部(7、8)、およびこのセンサ回路部(7、8)に導通接合される第2導体群(9)を有するセンサアッシー(S)と、
前記第1導体群(4)と外部との接続を行う第1コネクタアッシー(B)と、
前記第2導体群(9)と外部との接続を行う第2コネクタアッシー(C)と
を備え、
前記インジェクタに対して前記センサアッシー(S)を螺子締結により固定した燃料噴射装置において、
前記第1導体群(4)および前記第1コネクタアッシー(B)は、前記第2導体群(9)および前記第2コネクタアッシー(C)に対して所定の距離分だけ隔離した位置に設置され、
前記第2コネクタアッシー(C)は、前記インジェクタに対する組付位置が、前記センサアッシー(S)の締結軸を中心にした回転方向の任意の位置に設置されていることを特徴とする燃料噴射装置。
【請求項2】
請求項1に記載の燃料噴射装置において、
前記センサアッシー(S)の締結軸は、前記インジェクタの軸線方向の長軸に対して平行な方向に延びる回転中心軸のことであることを特徴とする燃料噴射装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の燃料噴射装置において、
前記第1コネクタアッシー(B)は、前記第1導体群(4)に導通接合される第1端子群(12)、およびこれらの第1端子群(12)を保持する第1成形体(13)を有していることを特徴とする燃料噴射装置。
【請求項4】
請求項3に記載の燃料噴射装置において、
前記第1成形体(13)は、前記インジェクタの一側面から前記インジェクタの長軸方向の中心線に対して垂直な横方向の外側に向けて突出する筒状の第1ケース(16)を有していることを特徴とする燃料噴射装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の燃料噴射装置において、
前記第1端子群(12)および前記第1成形体(13)は、絶縁性を有する第1モールド材による一体成形により構成されていることを特徴とする燃料噴射装置。
【請求項6】
請求項5に記載の燃料噴射装置において、
前記センサアッシー(S)および前記第2コネクタアッシー(C)は、前記第1成形体(13)の内部に前記第1モールド材によるインサート成形により固定(埋設保持)されていることを特徴とする燃料噴射装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載の燃料噴射装置において、
前記第2コネクタアッシー(C)は、前記第2導体群(9)に導通接合される第2端子群(22)、およびこれらの第2端子群(22)を保持する第2成形体(23)を有していることを特徴とする燃料噴射装置。
【請求項8】
請求項7に記載の燃料噴射装置において、
前記第2成形体(23)は、前記インジェクタの一端面から前記インジェクタの長軸方向の中心線に対して平行な縦方向の外側に向けて突出する筒状の第2ケース(26)を有していることを特徴とする燃料噴射装置。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載の燃料噴射装置において、
前記第2端子群(22)および前記第2成形体(23)は、絶縁性を有する第2モールド材による一体成形により構成されていることを特徴とする燃料噴射装置。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のうちのいずれか1つに記載の燃料噴射装置において、
前記インジェクタは、前記センサアッシー(S)を螺子締結により固定するセンサ支持体(2)を有していることを特徴とする燃料噴射装置。
【請求項11】
請求項10に記載の燃料噴射装置において、
前記センサ支持体(2)は、外部から噴孔へ燃料を供給する流路を有し、
前記センサアッシー(S)は、前記センサ支持体(2)に螺子締結される有底筒状のステム(5)を有していることを特徴とする燃料噴射装置。
【請求項12】
請求項11に記載の燃料噴射装置において、
前記センサ回路部(7)は、前記ステム(5)の表面上に搭載されて、測定対象の情報に対応した検出信号を出力するセンサ素子(6)、およびこのセンサ素子(6)の検出信号をアナログ信号に変換処理して出力する回路基板(8)を有していることを特徴とする燃料噴射装置。
【請求項13】
請求項12に記載の燃料噴射装置において、
前記ステム(5)は、前記流路に連通する圧力導入孔(42)、およびこの圧力導入孔(42)に燃料の圧力が導入されると変位するダイヤフラム(41)を有し、
前記センサ素子は、前記ダイヤフラム(41)の変位に対応した検出信号を出力する圧力測定素子(6)を有していることを特徴とする燃料噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−237220(P2012−237220A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−105976(P2011−105976)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】