説明

物体を検査する方法および装置

【課題】光源と撮像センサとを含む光測定システムを使用して物体を検査する方法を提供すること。
【解決手段】光源(22)および撮像センサ(24)を含む光測定システム(10)を使用して物体(12)を検査する方法。この方法に、光源から光を発することと、光源から発した光を回折パターンと干渉パターンとのうちの1つに分散させることと、レンズ(38)を使用してパターン付きの光を物体上に撮像することとが含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、全般的には物体の検査に関し、より具体的には、光測定システムを使用して物体を検査する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物体は、時々、たとえば物体の全体または一部のサイズおよび/または形状を判定するために、ならびに/あるいは物体の欠陥を検出するために、検査される。たとえば、タービンブレードまたはコンプレッサブレードなどのガスタービンエンジン構成要素が、エンジンに誘導される振動応力、機械的応力、および/または熱応力によって引き起こされる可能性がある疲労亀裂を検出するために検査される。さらに、たとえば、一部のガスタービンエンジンブレードが、プラットフォーム方位、輪郭断面、スタッキング軸に沿ったそりおよびねじり、厚さ、および/または所与の断面での弦長などの変形について検査される。経時的に、1つまたは複数の欠陥を有する物体の継続動作は、物体の性能を低下させ、かつ/またはたとえば亀裂が物体を介して伝搬する時などの物体の故障につながる場合がある。したがって、できる限り早期に物体の欠陥を検出することが、物体の性能を高め、かつ/または物体故障を減らすのを容易にする可能性がある。
【0003】
物体の検査を容易にするために、少なくともいくつかの物体が、構造光パターンを物体の表面に投影する光測定システムを使用して検査される。光測定システムは、物体の表面から反射された構造光パターンを撮像し、次に、反射された光パターンの変形を分析して、物体の表面特徴を計算する。しかし、少なくともいくつかの既知の光測定システムは、物体の照らされる表面の異なる区域にわたる光の分布を調整することができず、おそらく、照らされる表面のいくつかの区域が検査に暗すぎるか明るすぎる状態を引き起こす。いくつかの既知の光測定システムは、照らされる物体表面の異なる区域にわたる光の分布を調整できる光源として、液晶ディスプレイ(LCD)デバイス、LCOS(liquid crystal on silicon)デバイス、またはDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)を使用する。しかし、少なくともいくつかの既知のLCDデバイス、LCOSデバイス、およびDMDは、光源に望まれるものより低い分解能を有する場合がある。さらに、少なくともいくつかの既知のLCDデバイス、LCOSデバイス、およびDMDは、光の滑らかなパターン、たとえば正弦波を正確に構成できない場合があり、その代わりに2進近似を作成する場合がある。フィルムタイプ減衰器も、物体の照らされる表面の異なる区域にわたる光の分布を制御して、たとえば測定するのに明るすぎる可能性がある照らされた表面の区域を暗くするのに使用されてきた。しかし、少なくともいくつかの既知の減衰器は、異なる物体が検査される時に、ならびに/あるいは物体、光源、および/または撮像センサの方向が変更される時に、変更される必要がある場合がある。
【特許文献1】米国特許第6,678,057B2号公報
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様で、光源と撮像センサとを含む光測定システムを使用して物体を検査する方法が提供される。この方法には、光源から光を発することと、光源から発した光を回折パターンと干渉パターンとのうちの1つに分散させることと、レンズを使用してパターン付きの光を物体上に撮像することとが含まれる。
【0005】
もう1つの態様で、物体を検査する構造光測定システムが、物体の表面に構造光を投影するように構成された構造光源と、物体表面から反射された構造光を受け取るように構成された撮像センサと、構造光源が発した光を回折パターンと干渉パターンとのうちの少なくとも1つに分散させるように位置決めされた格子と、格子から受け取られたパターン付きの光を物体上に撮像するように位置決めされたレンズとを含む。
【0006】
もう1つの態様で、物体を検査する構造光測定システムが、物体の表面に構造光を投影するように構成されたレーザと、物体表面から反射された構造光を受け取るように構成された撮像センサと、レーザが発した光を干渉パターンに分散させる、少なくとも部分的にレーザと物体との間に位置決めされたビームスプリッタと、ビームスプリッタから受け取られたパターン付きの光を物体上に撮像するように位置決めされたレンズとを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は、物体12の複数の表面特徴を測定するのに使用される構造光測定システム10の例示的実施形態のブロック図である。たとえば、システム10を使用して、物体12の表面を検査し、判定することができ、この表面は、物体12を表すモデルと比較した時に、傾き、曲げ、ねじれ、および/またはたわみなどの特徴を含む場合がある。
【0008】
この例示的実施形態では、物体12が、圧縮機またはタービンエンジンで利用されるタービンブレードなどであるがこれに限定されないロータブレードである。したがって、この例示的実施形態では、物体12に、プラットフォーム16から外に延びるエーロフォイル14が含まれる。次の説明は、ガスタービンエンジンブレードの検査を対象とするが、当業者は、システム10を利用して、任意の物体の構造光撮像を改善できることを諒解するであろう。
【0009】
システム10に、白色光ランプ、レーザ、発光ダイオード(LED)、液晶ディスプレイ(LCD)デバイス、LCOS(liquid crystal on silicon)デバイス、および/またはDMD(digital micromirror device)などであるがこれらに限定されない構造光源22が含まれる。システム10に、物体12から反射された構造光を受け取る1つまたは複数の撮像センサ24も含まれる。この例示的実施形態では、撮像センサ24は、物体12から反射された構造光を受け取り、これを使用してイメージを作成するカメラであるが、システム10は、他の撮像センサ24を利用することができる。1つまたは複数のコンピュータ26が、センサ24から受け取ったイメージを処理し、モニタ28は、オペレータに情報を表示するのに利用することができる。一実施形態で、コンピュータ26に、たとえば、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、DVD、および/またはネットワークもしくはインターネットなどの別のディジタル供給源ならびにこれから開発されるディジタル手段などのコンピュータ可読媒体32から命令および/またはデータを読み取るための、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、CD−ROMドライブ、DVDドライブ、光磁気ディスク(MOD)デバイス、および/またはイーサネット(登録商標)デバイスなどのネットワーク接続デバイスを含むすべての他のディジタルデバイスなどのデバイス30が含まれる。もう1つの実施形態で、コンピュータ26は、ファームウェア(図示せず)に保管された命令を実行する。コンピュータ26は、本明細書で説明する機能を実行するようにプログラムされ、本明細書で使用される用語コンピュータは、当技術分野でコンピュータと称する集積回路に限定されるのではなく、コンピュータ、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラム可能ロジックコントローラ、特定用途向け集積回路、および他のプログラム可能な回路を幅広く指し、これらの単語は、本明細書で交換可能に使用される。
【0010】
システム10に、レンズ34、格子36、およびレンズ38も含まれる。他のレンズ34を使用することができるが、いくつかの実施形態で、レンズ34は、両凸レンズなどであるがこれに限定されない視野レンズである。レンズ34は、少なくとも部分的に光源22と格子36との間に位置決めされ、光源22から発する光を受け取り、格子36を通るように導く。格子36は、少なくとも部分的にレンズ34とレンズ38との間に位置決めされ、いくつかの実施形態で、それを通って導かれる光を回折パターンに分散させるパターン(図示せず)を含む。より具体的には、いくつかの実施形態で、格子36に、光を回折パターンに分散させる、基板上に形成された線および余白のパターンが含まれる。いくつかの実施形態で、格子36に、たとえばロンチルーリング(ronchi ruling)などの周期的な線および余白のパターンが含まれる。格子36は、他のパターンを有することができるが、いくつかの実施形態で、格子36に、それぞれが約10μと約15μとの間の幅を有する線が含まれ、パターンに、1ミリメートルあたり約50個と約100個との間の線対が含まれるようになっている。他の実施形態で、格子36に、線および余白のパターンが含まれ、ここで、線の間の余白が、たとえば長方形スリット回折パターンなど、格子36の縁に隣接して徐々に小さくなる。線および余白のパターンは、任意の適当な方法および/または構造を使用して基板上に形成することができる。たとえば、いくつかの実施形態で、線および余白のパターンが、基板に取り付けられかつ/または基板内に埋め込まれる金属素線(たとえば、クロム素線)などであるがこれに限定されない、材料の複数の素線から形成される。他の実施形態では、線および余白のパターンが、基板にエッチングされる。各エッチングされた線に、いくつかの実施形態で、金属(たとえば、クロム)などであるがこれに限定されない適当な材料を充てんすることができる。格子36の基板を他の材料から製造することができるが、いくつかの実施形態で、格子36の基板は、ガラスおよび/または石英から製造される。
【0011】
他の実施形態で、格子36に、それを通って導かれる光を、等間隔の線の均一な正弦波パターンなどであるがこれに限定されない干渉パターンに分散させるパターン(図示せず)が含まれる。いくつかの実施形態で、格子36は、強度パターンが記録上で直接には見えないが、線が存在した場所の記録に残された小さな屈折率変化が一連のプリズムとして働いて、光をあるプラスおよびマイナスの角度に向けなおし、この光が干渉して干渉パターンを作るように、漂白された単純な一連の正方形の線の写真記録などであるがこれに限定されない位相格子である。
【0012】
レンズ38は、パターン付きの光を受け取り、物体12に撮像して、光源22から発した光を用いて物体12を照らす。この例示的実施形態では、レンズ38が、「高分解能」レンズであり、あるいは、より具体的には、約50%を超えるコントラストを有するイメージの生成を容易にするレンズである。他のレンズ38を使用することができるが、いくつかの実施形態で、レンズ38は、引伸し機レンズおよび/またはリソグラフィ用レンズなどであるがこれに限定されない平面視野レンズである。
【0013】
上で説明したように、いくつかの実施形態で、光源22に、LCDデバイス、LCOSデバイス、および/またはDMDデバイスが含まれる。たとえばレーザ、発光ダイオード(LED)、および白色光ランプなどのいくつかの他の既知の光源は、物体12の照らされる表面の異なる区域にわたる光の分布を調整することができない。より具体的には、そのような他の既知の光源のいくつかは、物体12の照らされる表面の異なる区域に投影される光のレベルを調整できない場合がある。したがって、LCDデバイス、LCOSデバイス、および/またはDMDデバイス以外の光源を使用すると、照らされる物体表面のいくつかの区域が、検査に暗すぎるか明るすぎる場合がある。しかし、いくつかの既知のLCDデバイス、LCOSデバイス、およびDMDデバイスは、そこから発する光の分布を調整することができる。したがって、LCDデバイス、LCOSデバイス、および/またはDMDデバイスを光源22として使用することによって、システム10は、物体12の照らされる表面の異なる区域に投影される光レベルの分布を調整することができる。しかし、いくつかの既知のLCDデバイス、LCOSデバイス、およびDMDデバイスは、物体12の検査について望まれるおよび/または適するものより低い分解能の光を物体12に投影する場合がある。さらに、いくつかの既知のLCDデバイス、LCOSデバイス、およびDMDデバイスは、光の滑らかなパターン、たとえば正弦波を正確に構成できない場合があり、その代わりに2進近似を作成する場合がある。
【0014】
格子36およびレンズ38を光源22としてのLCDデバイス、LCOSデバイス、および/またはDMDデバイスと組み合わせることによって、システム10は、光の滑らかなパターンによる物体12の照明を容易にし、LCDデバイス、LCOSデバイス、および/またはDMDデバイスを使用する既知の光測定システムと比較して、物体12から反射された光の分解能を高めるのを容易にする。より具体的には、光が格子36を通過する時に、格子36は、光源22から発した光を光の滑らかなパターン、たとえば滑らかな回折パターンまたは滑らかな干渉パターンに分散させるのを容易にする。格子36に線および余白のパターンが含まれる場合に、LCDデバイス、LCOSデバイス、および/またはDMDデバイスを使用する既知の光測定システムと比較して、物体12から反射された光の分解能を高めるように、レンズ38によって生成されるコントラストと組み合わせて、線および余白のサイズを選択することができる。さらに、格子36が位相格子である場合に、LCDデバイス、LCOSデバイス、および/またはDMDデバイスを使用する既知の光測定システムと比較して、物体12から反射された光の分解能を高めるように、レンズ38によって生成されるコントラストと組み合わせて、格子36によって作成される干渉を選択することができる。
【0015】
光源22にLCDデバイス、LCOSデバイス、および/またはDMDデバイスが含まれるので、システム10は、物体12の照らされる表面の異なる区域に投影される光レベルを調整することができる。したがって、明るすぎるか暗すぎる、物体12の照らされる表面の区域を調整でき、これらが、システム10によって測定可能になり、より具体的には撮像センサ24によって見ることができるようになる。さらに、いくつかの実施形態で、電子マスクおよび/または物理的マスク(図示せず)を光源22と組み合わせて使用して、光源22が物体12の検査すべき部分以外の位置の表面を照らさないようにするのを容易にすることができる。そのようなマスクは、これによって、周囲の構造、たとえば試験用治具と物体12の検査すべき表面の間の相互反射を減らすのを容易にすることができる。さらに、そのようなマスクは、光源22の位置から見た、物体12の検査すべき部分のプロファイルと実質的に一致する、物体12上の照明パターンを作るのを容易にすることができる。
【0016】
図2は、物体12の複数の表面特徴を測定するのに使用される構造光測定システム50の代替実施形態のブロック図である。より具体的には、システム50を使用して、物体12の表面を検査し、判定することができ、この表面は、物体12を表すモデルと比較した時に、傾き、曲げ、ねじれ、および/またはたわみなどの特徴を含む場合がある。
【0017】
この例示的実施形態では、物体12が、圧縮機またはタービンエンジンで利用されるタービンブレードなどであるがこれに限定されないロータブレードである。したがって、この例示的実施形態では、物体12に、プラットフォーム16から外に延びるエーロフォイル14が含まれる。次の説明は、ガスタービンエンジンブレードの検査を対象とするが、当業者は、システム50を利用して、任意の物体の構造光撮像を改善できることを諒解するであろう。
【0018】
システム50に、レーザ、白色光ランプ、発光ダイオード(LED)、液晶ディスプレイ(LCD)デバイス、LCOS(liquid crystal on silicon)デバイス、および/またはDMD(digital micromirror device)などであるがこれらに限定されない構造光源52が含まれる。システム50に、物体12から反射された構造光を受け取る1つまたは複数の撮像センサ54も含まれる。この例示的実施形態では、撮像センサ54は、物体12から反射された構造光を受け取り、これを使用してイメージを作成するカメラであるが、システム50は、他の撮像センサ54を利用することができる。1つまたは複数のコンピュータ56が、センサ54から受け取ったイメージを処理し、モニタ58は、オペレータに情報を表示するのに利用することができる。一実施形態で、コンピュータ56に、たとえば、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、DVD、および/またはネットワークもしくはインターネットなどの別のディジタル供給源ならびにこれから開発されるディジタル手段などのコンピュータ可読媒体62から命令および/またはデータを読み取るための、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、CD−ROMドライブ、DVDドライブ、光磁気ディスク(MOD)デバイス、および/またはイーサネット(登録商標)デバイスなどのネットワーク接続デバイスを含むすべての他のディジタルデバイスなどのデバイス60が含まれる。もう1つの実施形態で、コンピュータ56は、ファームウェア(図示せず)に保管された命令を実行する。コンピュータ56は、本明細書で説明する機能を実行するようにプログラムされ、本明細書で使用される用語コンピュータは、当技術分野でコンピュータと称する集積回路に限定されるのではなく、コンピュータ、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラム可能ロジックコントローラ、特定用途向け集積回路、および他のプログラム可能な回路を幅広く指し、これらの単語は、本明細書で交換可能に使用される。
【0019】
システム50に、レンズ64、格子66、液晶ディスプレイ(LCD)デバイス68、およびレンズ70も含まれる。他のレンズ64を使用することができるが、いくつかの実施形態で、レンズ64は、両凸レンズなどであるがこれに限定されない視野レンズである。レンズ64は、少なくとも部分的に光源52と格子66との間に位置決めされ、光源52から発する光を受け取り、格子66を通るように導く。格子66は、少なくとも部分的にレンズ64とLCDデバイス68との間に位置決めされ、いくつかの実施形態で、それを通って導かれる光を回折パターンに分散させるパターン(図示せず)を含む。より具体的には、いくつかの実施形態で、格子66に、光を回折パターンに分散させる、基板上に形成された線および余白のパターンが含まれる。いくつかの実施形態で、格子66に、たとえばロンチルーリングなどの周期的な線および余白のパターンが含まれる。格子66は、他のパターンを有することができるが、いくつかの実施形態で、格子66に、それぞれが約10μと約15μとの間の幅を有する線が含まれ、パターンに、1ミリメートルあたり約50個と約100個との間の線対が含まれるようになっている。他の実施形態で、格子66に、線および余白のパターンが含まれ、ここで、線の間の余白が、たとえば長方形スリット回折パターンなど、格子66の縁に隣接して徐々に小さくなる。線および余白のパターンは、任意の適当な方法および/または構造を使用して基板上に形成することができる。たとえば、いくつかの実施形態で、線および余白のパターンが、基板に取り付けられかつ/または基板内に埋め込まれる金属素線(たとえば、クロム素線)などであるがこれに限定されない、材料の複数の素線から形成される。他の実施形態では、線および余白のパターンが、基板にエッチングされる。各エッチングされた線に、いくつかの実施形態で、金属(たとえば、クロム)などであるがこれに限定されない適当な材料を充てんすることができる。格子66の基板を他の材料から製造することができるが、いくつかの実施形態で、格子66の基板は、ガラスおよび/または石英から製造される。
【0020】
他の実施形態で、格子66に、それを通って導かれる光を、等間隔の線の均一な正弦波パターンなどであるがこれに限定されない干渉パターンに分散させるパターン(図示せず)が含まれる。いくつかの実施形態で、格子66は、強度パターンが記録上で直接には見えないが、線が存在した場所の記録に残された小さな屈折率変化が一連のプリズムとして働いて、光をあるプラスおよびマイナスの角度に向けなおし、この光が干渉して干渉パターンを作るように、漂白された単純な一連の正方形の線の写真記録などであるがこれに限定されない位相格子である。
【0021】
格子66から分散されたパターン付きの光が、LCDデバイス68を介して、たとえば光の分布の制御および/またはマスキングのために導かれる。レンズ70は、パターン付きの光を受け取り、物体12に撮像して、光源52から発した光を用いて物体12を照らす。この例示的実施形態では、レンズ70が、「高分解能」レンズであり、あるいは、より具体的には、約50%を超えるコントラストを有するイメージの生成を容易にするレンズである。他のレンズ70を使用することができるが、いくつかの実施形態で、レンズ70は、引伸し機レンズおよび/またはリソグラフィ用レンズなどであるがこれに限定されない平面視野レンズである。
【0022】
格子66およびレンズ70をLCDデバイス68と組み合わせることによって、システム50は、光の滑らかなパターンによる物体12の照明を容易にし、光源としてLCDデバイス、LCOSデバイス、および/またはDMDデバイスを使用する既知の光測定システムと比較して、物体12から反射された光の分解能を高めるのを容易にする。より具体的には、光が格子66を通過する時に、格子66は、光源52から発した光を光の滑らかなパターン、たとえば滑らかな回折パターンまたは滑らかな干渉パターンに分散させるのを容易にする。格子66に線および余白のパターンが含まれる場合に、光源としてLCDデバイス、LCOSデバイス、および/またはDMDデバイスを使用する既知の光測定システムと比較して、物体12から反射された光の分解能を高めるように、レンズ70によって生成されるコントラストと組み合わせて、線および余白のサイズを選択することができる。さらに、格子66が位相格子である場合に、LCDデバイス、LCOSデバイス、および/またはDMDデバイスを使用する既知の光測定システムと比較して、物体12から反射された光の分解能を高めるように、レンズ70によって生成されるコントラストと組み合わせて、格子66によって作成される干渉を選択することができる。
【0023】
システム50はLCDデバイス68を介して光を導くので、システム50は、物体12の照らされる表面の異なる区域に投影される光レベルを調整することができる。したがって、明るすぎるか暗すぎる、物体12の照らされる表面の区域を調整でき、これらが、システム50によって測定可能になり、より具体的には撮像センサ54によって見ることができるようになる。さらに、いくつかの実施形態で、電子マスクおよび/または物理的マスク(図示せず)を光源52および/またはLCDデバイス68と組み合わせて使用して、光源52が物体12の検査すべき部分以外の位置の表面を照らさないようにするのを容易にすることができる。そのようなマスクは、これによって、周囲の構造、たとえば試験用治具と物体12の検査すべき表面の間の相互反射を減らすのを容易にすることができる。さらに、そのようなマスクは、光源52の位置から見た、物体12の検査すべき部分のプロファイルと実質的に一致する、物体12上の照明パターンを作るのを容易にすることができる。さらに、LCDデバイス68が光源52として使用されないので、システム50は、LCDデバイス68の動作寿命を延ばすのを容易にすることができる。
【0024】
図3は、物体12の複数の表面特徴を測定するのに使用される構造光測定システム80のもう1つの実施形態のブロック図である。より具体的には、システム80を使用して、物体12の表面を検査し、判定することができ、この表面は、物体12を表すモデルと比較した時に、傾き、曲げ、ねじれ、および/またはたわみなどの特徴を含む場合がある。
【0025】
この例示的実施形態では、物体12が、圧縮機またはタービンエンジンで利用されるタービンブレードなどであるがこれに限定されないロータブレードである。したがって、この例示的実施形態では、物体12に、プラットフォーム16から外に延びるエーロフォイル14が含まれる。次の説明は、ガスタービンエンジンブレードの検査を対象とするが、当業者は、システム80を利用して、任意の物体の構造光撮像を改善できることを諒解するであろう。
【0026】
システム80に、レーザ、白色光ランプ、発光ダイオード(LED)、液晶ディスプレイ(LCD)デバイス、LCOS(liquid crystal on silicon)デバイス、および/またはDMD(digital micromirror device)などであるがこれらに限定されない構造光源82が含まれる。システム80に、物体12から反射された構造光を受け取る1つまたは複数の撮像センサ84も含まれる。この例示的実施形態では、撮像センサ84は、物体12から反射された構造光を受け取り、これを使用してイメージを作成するカメラであるが、システム80は、他の撮像センサ84を利用することができる。1つまたは複数のコンピュータ86が、センサ84から受け取ったイメージを処理し、モニタ88は、オペレータに情報を表示するのに利用することができる。一実施形態で、コンピュータ86に、たとえば、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、DVD、および/またはネットワークもしくはインターネットなどの別のディジタル供給源ならびにこれから開発されるディジタル手段などのコンピュータ可読媒体92から命令および/またはデータを読み取るための、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、CD−ROMドライブ、DVDドライブ、光磁気ディスク(MOD)デバイス、および/またはイーサネット(登録商標)デバイスなどのネットワーク接続デバイスを含むすべての他のディジタルデバイスなどのデバイス90が含まれる。もう1つの実施形態で、コンピュータ86は、ファームウェア(図示せず)に保管された命令を実行する。コンピュータ86は、本明細書で説明する機能を実行するようにプログラムされ、本明細書で使用される用語コンピュータは、当技術分野でコンピュータと称する集積回路に限定されるのではなく、コンピュータ、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラム可能ロジックコントローラ、特定用途向け集積回路、および他のプログラム可能な回路を幅広く指し、これらの単語は、本明細書で交換可能に使用される。
【0027】
システム80に、レンズ94、格子96、鏡98、DMD(digital micromirror device)100、およびレンズ102も含まれる。他のレンズ94を使用することができるが、いくつかの実施形態で、レンズ94は、両凸レンズなどであるがこれに限定されない視野レンズである。レンズ94は、少なくとも部分的に光源82と格子96との間に位置決めされ、光源82から発する光を受け取り、格子96を通るように導く。格子96は、少なくとも部分的にレンズ94と鏡98との間に位置決めされ、いくつかの実施形態で、それを通って導かれる光を回折パターンに分散させるパターン(図示せず)を含む。より具体的には、いくつかの実施形態で、格子96に、光を回折パターンに分散させる、基板上に形成された線および余白のパターンが含まれる。いくつかの実施形態で、格子96に、たとえばロンチルーリングなどの周期的な線および余白のパターンが含まれる。格子96は、他のパターンを有することができるが、いくつかの実施形態で、格子96に、それぞれが約10μと約15μとの間の幅を有する線が含まれ、パターンに、1ミリメートルあたり約50個と約100個との間の線対が含まれるようになっている。他の実施形態で、格子96に、線および余白のパターンが含まれ、ここで、線の間の余白が、たとえば長方形スリット回折パターンなど、格子96の縁に隣接して徐々に小さくなる。線および余白のパターンは、任意の適当な方法および/または構造を使用して基板上に形成することができる。たとえば、いくつかの実施形態で、線および余白のパターンが、基板に取り付けられかつ/または基板内に埋め込まれる金属素線(たとえば、クロム素線)などであるがこれに限定されない、材料の複数の素線から形成される。他の実施形態では、線および余白のパターンが、基板にエッチングされる。各エッチングされた線に、いくつかの実施形態で、金属(たとえば、クロム)などであるがこれに限定されない適当な材料を充てんすることができる。格子96の基板を他の材料から製造することができるが、いくつかの実施形態で、格子96の基板は、ガラスおよび/または石英から製造される。
【0028】
他の実施形態で、格子96に、それを通って導かれる光を、等間隔の線の均一な正弦波パターンなどであるがこれに限定されない干渉パターンに分散させるパターン(図示せず)が含まれる。いくつかの実施形態で、格子96は、強度パターンが記録上で直接には見えないが、線が存在した場所の記録に残された小さな屈折率変化が一連のプリズムとして働いて、光をあるプラスおよびマイナスの角度に向けなおし、この光が干渉して干渉パターンを作るように、漂白された単純な一連の正方形の線の写真記録などであるがこれに限定されない位相格子である。
【0029】
格子96から分散されたパターン付きの光が、鏡98から反射され、たとえば光の分布の制御および/またはマスキングのために、DMD 100に向けられる。他の鏡98を使用することができるが、いくつかの実施形態で、鏡98は、銀の半透明鏡である。DMD 100から反射された光は、鏡98を通って導かれ、レンズ102によって受け取られる。いくつかの実施形態で、波長板104が、DMD 100と鏡98の間に位置決めされて、鏡98およびDMD 100から反射される光の損失を減らすのを容易にする。レンズ102は、パターン付きの光を受け取り、物体12に撮像して、光源82から発した光を用いて物体12を照らす。この例示的実施形態では、レンズ102が、「高分解能」レンズであり、あるいは、より具体的には、約50%を超えるコントラストを有するイメージの生成を容易にするレンズである。他のレンズ102を使用することができるが、いくつかの実施形態で、レンズ102は、引伸し機レンズおよび/またはリソグラフィ用レンズなどであるがこれに限定されない平面視野レンズである。
【0030】
格子96およびレンズ102をDMD 100と組み合わせることによって、システム80は、光の滑らかなパターンによる物体12の照明を容易にし、光源としてLCDデバイス、LCOSデバイス、および/またはDMDデバイスを使用する既知の光測定システムと比較して、物体12から反射された光の分解能を高めるのを容易にする。より具体的には、光が格子96を通過する時に、格子96は、光源82から発した光を光の滑らかなパターン、たとえば滑らかな回折パターンまたは滑らかな干渉パターンに分散させるのを容易にする。格子96に線および余白のパターンが含まれる場合に、光源としてLCDおよび/またはDMDプロジェクタを使用する既知の光測定システムと比較して、物体12から反射された光の分解能を高めるように、レンズ102によって生成されるコントラストと組み合わせて、線および余白のサイズを選択することができる。さらに、格子96が位相格子である場合に、LCDデバイス、LCOSデバイス、および/またはDMDデバイスを使用する既知の光測定システムと比較して、物体12から反射された光の分解能を高めるように、レンズ102によって生成されるコントラストと組み合わせて、格子96によって作成される干渉を選択することができる。
【0031】
システム80はDMD 100から光を反射するので、システム80は、物体12の照らされる表面の異なる区域に投影される光レベルを調整することができる。したがって、明るすぎるか暗すぎる、物体12の照らされる表面の区域を調整でき、これらが、システム80によって測定可能になり、より具体的には撮像センサ84によって見ることができるようになる。さらに、いくつかの実施形態で、電子マスクおよび/または物理的マスク(図示せず)を光源82および/またはDMD 100と組み合わせて使用して、光源82が物体12の検査すべき部分以外の位置の表面を照らさないようにするのを容易にすることができる。そのようなマスクは、これによって、周囲の構造、たとえば試験用治具と物体12の検査すべき表面の間の相互反射を減らすのを容易にすることができる。さらに、そのようなマスクは、光源82の位置から見た、物体12の検査すべき部分のプロファイルと実質的に一致する、物体12上の照明パターンを作るのを容易にすることができる。さらに、DMD 100が光源82として使用されないので、システム80は、DMD 100の動作寿命を延ばすのを容易にすることができる。
【0032】
図4は、物体12の複数の表面特徴を測定するのに使用される構造光測定システム110のもう1つの実施形態のブロック図である。より具体的には、システム110を使用して、物体12の表面を検査し、判定することができ、この表面は、物体12を表すモデルと比較した時に、傾き、曲げ、ねじれ、および/またはたわみなどの特徴を含む場合がある。
【0033】
この例示的実施形態では、物体12が、圧縮機またはタービンエンジンで利用されるタービンブレードなどであるがこれに限定されないロータブレードである。したがって、この例示的実施形態では、物体12に、プラットフォーム16から外に延びるエーロフォイル14が含まれる。次の説明は、ガスタービンエンジンブレードの検査を対象とするが、当業者は、システム110を利用して、任意の物体の構造光撮像を改善できることを諒解するであろう。
【0034】
システム110に、レーザ112と、物体12から反射された構造光を受け取る1つまたは複数の撮像センサ114とが含まれる。この例示的実施形態では、撮像センサ114は、物体12から反射された構造光を受け取り、これを使用してイメージを作成するカメラであるが、システム110は、他の撮像センサ114を利用することができる。1つまたは複数のコンピュータ116が、センサ114から受け取ったイメージを処理し、モニタ118は、オペレータに情報を表示するのに利用することができる。一実施形態で、コンピュータ116に、たとえば、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、DVD、および/またはネットワークもしくはインターネットなどの別のディジタル供給源ならびにこれから開発されるディジタル手段などのコンピュータ可読媒体122から命令および/またはデータを読み取るための、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、CD−ROMドライブ、DVDドライブ、光磁気ディスク(MOD)デバイス、および/またはイーサネット(登録商標)デバイスなどのネットワーク接続デバイスを含むすべての他のディジタルデバイスなどのデバイス120が含まれる。もう1つの実施形態で、コンピュータ116は、ファームウェア(図示せず)に保管された命令を実行する。コンピュータ116は、本明細書で説明する機能を実行するようにプログラムされ、本明細書で使用される用語コンピュータは、当技術分野でコンピュータと称する集積回路に限定されるのではなく、コンピュータ、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラム可能ロジックコントローラ、特定用途向け集積回路、および他のプログラム可能な回路を幅広く指し、これらの単語は、本明細書で交換可能に使用される。
【0035】
システム110に、レンズ124、ビームスプリッタ126、液晶ディスプレイ(LCD)デバイス128、およびレンズ130も含まれる。他のレンズ124を使用することができるが、いくつかの実施形態で、レンズ124は、両凸レンズなどであるがこれに限定されない視野レンズである。レンズ124は、少なくとも部分的にレーザ112とビームスプリッタ126との間に位置決めされ、レーザ112から発する光を受け取り、ビームスプリッタ126を通るように導く。ビームスプリッタ126は、レーザ112から発する光を分割し、再組み合わせすることによって、この光を干渉パターンに分散させるように位置決めされる。他のビームスプリッタ126を使用することができるが、いくつかの実施形態で、ビームスプリッタ126は、銀の半透明鏡である。
【0036】
ビームスプリッタ126から分散されたパターン付きの光が、LCDデバイス128を介して、たとえば光の分布の制御および/またはマスキングのために導かれる。レンズ130は、パターン付きの光を受け取り、物体12に撮像して、レーザ112から発した光を用いて物体12を照らす。この例示的実施形態では、レンズ130が、「高分解能」レンズであり、あるいは、より具体的には、約50%を超えるコントラストを有するイメージの生成を容易にするレンズである。他のレンズ130を使用することができるが、いくつかの実施形態で、レンズ130は、引伸し機レンズおよび/またはリソグラフィ用レンズなどであるがこれに限定されない平面視野レンズである。
【0037】
ビームスプリッタ126およびレンズ130をLCDデバイス128と組み合わせることによって、システム110は、光の滑らかなパターンによる物体12の照明を容易にし、光源としてLCDデバイス、LCOSデバイス、および/またはDMDデバイスを使用する既知の光測定システムと比較して、物体12から反射された光の分解能を高めるのを容易にする。より具体的には、ビームスプリッタ126は、レーザ112から発した光を光の滑らかな干渉パターンに分散させるのを容易にする。LCDデバイス、LCOSデバイス、および/またはDMDデバイスを使用する既知の光測定システムと比較して、物体12から反射された光の分解能を高めるように、レンズ130によって生成されるコントラストと組み合わせて、ビームスプリッタ126によって作成される干渉を選択することができる。
【0038】
システム110はLCDデバイス128を介して光を導くので、システム110は、物体12の照らされる表面の異なる区域に投影される光レベルを調整することができる。したがって、明るすぎるか暗すぎる、物体12の照らされる表面の区域を調整でき、これらが、システム110によって測定可能になり、より具体的には撮像センサ114によって見ることができるようになる。さらに、いくつかの実施形態で、電子マスクおよび/または物理的マスク(図示せず)をレーザ112および/またはLCDデバイス128と組み合わせて使用して、レーザ112が物体12の検査すべき部分以外の位置の表面を照らさないようにするのを容易にすることができる。そのようなマスクは、これによって、周囲の構造、たとえば試験用治具と物体12の検査すべき表面の間の相互反射を減らすのを容易にすることができる。さらに、そのようなマスクは、レーザ112の位置から見た、物体12の検査すべき部分のプロファイルと実質的に一致する、物体12上の照明パターンを作るのを容易にすることができる。さらに、LCDデバイス128が光源として使用されないので、システム110は、LCDデバイス128の動作寿命を延ばすのを容易にすることができる。
【0039】
図5は、物体12の複数の表面特徴を測定するのに使用される構造光測定システム150のもう1つの実施形態のブロック図である。より具体的には、システム150を使用して、物体12の表面を検査し、判定することができ、この表面は、物体12を表すモデルと比較した時に、傾き、曲げ、ねじれ、および/またはたわみなどの特徴を含む場合がある。
【0040】
例示的実施形態では、物体12が、圧縮機またはタービンエンジンで利用されるタービンブレードなどであるがこれに限定されないロータブレードである。したがって、この例示的実施形態では、物体12に、プラットフォーム16から外に延びるエーロフォイル14が含まれる。次の説明は、ガスタービンエンジンブレードの検査を対象とするが、当業者は、システム150を利用して、任意の物体の構造光撮像を改善できることを諒解するであろう。
【0041】
システム150に、レーザ152と、物体12から反射された構造光を受け取る1つまたは複数の撮像センサ154が含まれる。例示的実施形態では、撮像センサ154は、物体12から反射された構造光を受け取り、これを使用してイメージを作成するカメラであるが、システム150は、他の撮像センサ154を利用することができる。1つまたは複数のコンピュータ156が、センサ154から受け取ったイメージを処理し、モニタ158は、オペレータに情報を表示するのに利用することができる。一実施形態で、コンピュータ156に、たとえば、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、DVD、および/またはネットワークもしくはインターネットなどの別のディジタル供給源ならびにこれから開発されるディジタル手段などのコンピュータ可読媒体162から命令および/またはデータを読み取るための、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、CD−ROMドライブ、DVDドライブ、光磁気ディスク(MOD)デバイス、および/またはイーサネット(登録商標)デバイスなどのネットワーク接続デバイスを含むすべての他のディジタルデバイスなどのデバイス160が含まれる。もう1つの実施形態で、コンピュータ156は、ファームウェア(図示せず)に保管された命令を実行する。コンピュータ156は、本明細書で説明する機能を実行するようにプログラムされ、本明細書で使用される用語コンピュータは、当技術分野でコンピュータと称する集積回路に限定されるのではなく、コンピュータ、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラム可能ロジックコントローラ、特定用途向け集積回路、および他のプログラム可能な回路を幅広く指し、これらの単語は、本明細書で交換可能に使用される。
【0042】
システム150に、レンズ164、ビームスプリッタ166、鏡168、DMD(digital micromirror device)170、およびレンズ172も含まれる。他のレンズ164を使用することができるが、いくつかの実施形態で、レンズ164は、両凸レンズなどであるがこれに限定されない視野レンズである。レンズ164は、少なくとも部分的にレーザ152とビームスプリッタ166との間に位置決めされ、レーザ152から発する光を受け取り、ビームスプリッタ166に導く。ビームスプリッタ166は、レーザ152から発する光を分割し、再組み合わせすることによって、この光を干渉パターンに分散させるように位置決めされる。他のビームスプリッタ166を使用することができるが、いくつかの実施形態で、ビームスプリッタ166は、銀の半透明鏡である。
【0043】
ビームスプリッタ166から分散されたパターン付きの光が、鏡168から反射され、たとえば光の分布の制御および/またはマスキングのために、DMD 170に向けられる。他の鏡168を使用することができるが、いくつかの実施形態で、鏡168は、銀の半透明鏡である。DMD 170から反射された光は、鏡168を通って導かれ、レンズ172によって受け取られる。いくつかの実施形態で、波長板174が、DMD 170と鏡168の間に位置決めされて、鏡168およびDMD 170から反射される光の損失を減らすのを容易にする。レンズ172は、パターン付きの光を受け取り、物体12に撮像して、レーザ152から発した光を用いて物体12を照らす。この例示的実施形態では、レンズ172が、「高分解能」レンズであり、あるいは、より具体的には、約50%を超えるコントラストを有するイメージの生成を容易にするレンズである。他のレンズ172を使用することができるが、いくつかの実施形態で、レンズ172は、引伸し機レンズおよび/またはリソグラフィ用レンズなどであるがこれに限定されない平面視野レンズである。
【0044】
ビームスプリッタ166およびレンズ172をDMD 170と組み合わせることによって、システム150は、光の滑らかなパターンによる物体12の照明を容易にし、光源としてLCDデバイス、LCOSデバイス、および/またはDMDデバイスを使用する既知の光測定システムと比較して、物体12から反射された光の分解能を高めるのを容易にする。より具体的には、ビームスプリッタ166は、レーザ152から発した光を光の滑らかな干渉パターンに分散させるのを容易にする。LCDデバイス、LCOSデバイス、および/またはDMDデバイスを使用する既知の光測定システムと比較して、物体12から反射された光の分解能を高めるように、レンズ172によって生成されるコントラストと組み合わせて、ビームスプリッタ166によって作成される干渉を選択することができる。
【0045】
システム150はDMD 170から光を反射するので、システム150は、物体12の照らされる表面の異なる区域に投影される光レベルを調整することができる。したがって、明るすぎるか暗すぎる、物体12の照らされる表面の区域を調整でき、これらが、システム150によって測定可能になり、より具体的には撮像センサ154によって見ることができるようになる。さらに、いくつかの実施形態で、電子マスクおよび/または物理的マスク(図示せず)をレーザ152および/またはDMD 170と組み合わせて使用して、レーザ152が物体12の検査すべき部分以外の位置の表面を照らさないようにするのを容易にすることができる。そのようなマスクは、これによって、周囲の構造、たとえば試験用治具と物体12の検査すべき表面の間の相互反射を減らすのを容易にすることができる。さらに、そのようなマスクは、レーザ152の位置から見た、物体12の検査すべき部分のプロファイルと実質的に一致する、物体12上の照明パターンを作るのを容易にすることができる。さらに、DMD 170が光源として使用されないので、システム150は、DMD 170の動作寿命を延ばすのを容易にすることができる。
【0046】
本明細書で説明し、かつ/または図示したシステムおよび方法は、ガスタービンエンジン構成要素、より具体的にはガスタービンエンジンのエンジンブレードに関して説明され、かつ/または図示されたが、本明細書で説明し、かつ/または図示したシステムおよび方法の実践は、ガスタービンエンジンブレードにもガスタービンエンジン構成要素全般にも限定されない。そうではなく、本明細書で説明し、かつ/または図示したシステムおよび方法は、すべての物体に適用可能である。
【0047】
システムおよび方法の例示的実施形態を、本明細書で詳細に説明し、かつ/または図示した。これらのシステムおよび方法は、本明細書で説明した特定の実施形態に限定されるのではなく、各システムの構成要素ならびに各方法の段階を、本明細書で説明した他の構成要素および段階と独立に、別々に利用することができる。各構成要素および各方法段階を、他の構成要素および/または方法段階と組み合わせて使用することもできる。
【0048】
本明細書で説明され、かつ/または図示されたアセンブリおよび方法の要素/構成要素/などを説明する時に、冠詞が無いこと又は冠詞「前記」、「該」は、1つまたは複数の要素/構成要素/などがあることを意味することが意図されている。単語「からなる」、「含む」、および「有する」は、包含的であり、列挙された要素/構成要素/など以外の追加の要素/構成要素/などがある場合があることを意味することが意図されている。
【0049】
本発明をさまざまな特定の実施形態に関して説明したが、当業者は、特許請求の範囲の精神および範囲の中で変更を加えて本発明を実践できることを認めるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】構造光測定システムの例示的実施形態を示すブロック図である。
【図2】構造光測定システムの代替実施形態を示すブロック図である。
【図3】構造光測定システムのもう1つの実施形態を示すブロック図である。
【図4】構造光測定システムのもう1つの実施形態を示すブロック図である。
【図5】構造光測定システムのもう1つの実施形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0051】
10 構造光測定システム
12 物体
14 エーロフォイル
16 プラットフォーム
22 光源
24 撮像センサ
26 コンピュータ
28 モニタ
30 デバイス
32 コンピュータ可読媒体
34 レンズ
36 格子
38 レンズ
50 構造光測定システム
52 光源
54 撮像センサ
56 コンピュータ
58 モニタ
60 デバイス
62 コンピュータ可読媒体
64 レンズ
66 格子
68 LCDデバイス
70 レンズ
80 構造光測定システム
82 光源
84 撮像センサ
86 コンピュータ
88 モニタ
90 デバイス
92 コンピュータ可読媒体
94 レンズ
96 格子
98 鏡
100 DMD
102 レンズ
104 波長板
110 構造光測定システム
112 レーザ
114 撮像センサ
116 コンピュータ
118 モニタ
120 デバイス
122 コンピュータ可読媒体
124 レンズ
126 ビームスプリッタ
128 LCDデバイス
130 レンズ
150 構造光測定システム
152 レーザ
154 撮像センサ
156 コンピュータ
158 モニタ
160 デバイス
162 コンピュータ可読媒体
164 レンズ
166 ビームスプリッタ
168 鏡
170 DMD
172 レンズ
174 波長板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体(12)を検査する構造光測定システム(10)であって、
前記物体の表面に構造光を投影するように構成された構造光源(22)と、
前記物体表面から反射された構造光を受け取るように構成された撮像センサ(24)と、
前記構造光源が発した光を回折パターンと干渉パターンとのうちの少なくとも1つに分散させるように位置決めされた格子(36)と、
前記格子から受け取られたパターン付きの光を前記物体上に撮像するように位置決めされたレンズ(38)と
を含むシステム(10)。
【請求項2】
前記構造光源(22)が、LCDデバイス(68)、DMD(100)、LCOSデバイス、レーザ(112)、白色光ランプ、およびLEDのうちの1つを含む、請求項1記載のシステム(10)。
【請求項3】
前記格子(36)が、回折格子および位相格子のうちの1つを含む、請求項1記載のシステム(10)。
【請求項4】
前記レンズ(38)が、平面視野レンズを含む、請求項1記載のシステム(10)。
【請求項5】
少なくとも部分的に前記格子(36)と前記レンズ(38)との間に位置決めされたLCDデバイス(68)をさらに含む、請求項1記載のシステム(10)。
【請求項6】
DMD(100)と、
前記格子(36)からパターン付きの光を受け取り、前記パターン付きの光を前記DMDから反射し、前記DMDから反射されたパターン付きの光を前記レンズ(38)に向けるように位置決めされた鏡(98)と
をさらに含む、請求項1記載のシステム(10)。
【請求項7】
前記鏡(98)が、銀の半透明鏡を含む、請求項6記載のシステム(10)。
【請求項8】
少なくとも部分的に前記DMD(100)と前記鏡(98)との間に位置決めされた波長板(104)をさらに含む、請求項6記載のシステム(10)。
【請求項9】
物体(12)を検査する構造光測定システム(10)であって、
前記物体の表面に構造光を投影するように構成されたレーザ(112)と、
前記物体表面から反射された構造光を受け取るように構成された撮像センサ(24)と、
前記レーザが発した光を干渉パターンに分散させる、少なくとも部分的に前記レーザと前記物体との間に位置決めされたビームスプリッタ(126)と、
前記ビームスプリッタから受け取られたパターン付きの光を前記物体上に撮像するように位置決めされたレンズ(38)と
を含むシステム(10)。
【請求項10】
前記ビームスプリッタ(126)が、銀の半透明鏡(98)を含む、請求項9記載のシステム(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−121292(P2007−121292A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−287189(P2006−287189)
【出願日】平成18年10月23日(2006.10.23)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】