説明

物品アクセス管理システム

【課題】
陳列された商品へのアクセスを正確に検出して商品の管理を行い、アクセスの情報を商品の販売管理や購買意欲調査のために利用する。
【解決手段】
複数に区切られた棚10の棚の一面側にレーザ測距装置21,22を配置し、測距する面上を横切る手の輪郭を検出し、手が横切った座標を検出する。また、レーザ測距装置21,22で検出された距離データを処理するPC14は、複数に区切られた棚ごとに棚識別情報が付与され、棚識別情報に対応して、棚に置かれる物品を識別する物品コードと、手が横切る棚の座標範囲との関係を記憶する棚管理データDB143と、座標検出手段によって検出された手の座標から、棚管理データDBに記憶された座標範囲を求め、何れの棚にアクセスされたかを求めるCPU142と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品アクセス管理システムに係り、更に詳しく言えば、商品棚への人手のアクセスを検出し、そのアクセスによって検出した情報を用いて商品の販売管理を行う商品販売管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
商品棚に陳列された商品を顧客が手に取ったことを検出する技術として、例えば特開2005−314012号公報(特許文献1)や特開2005−10608号公報(特許文献2)に開示された技術が知られている。
前者は、顧客がRFIDタグを付けた商品を手に取ると、棚に取り付けられたRFIDリーダがそれを検出して、管理装置は商品を陳列棚から取り上げたと判断し、また、一定時間内にそのRFIDの記憶情報が再送信されたことを検出すると、当該商品が棚に戻されたと判断する。
【0003】
また、後者は、物品に付されたRFIDタグの管理情報に基づいて、物品が収納棚から出し入れされた日時、利用者名等の履歴情報を作成して、その履歴情報を受信した際に得られる物品の収納状況に基づいて、希望する物品が収納されていない場合、その物品の借受を予約することにより、物品の効率的な利用を促す物品管理システムである。
【0004】
【特許文献1】特開2005−314012号公報
【特許文献2】特開2005−10608号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記何れの公知例においてもRFIDタグを使用している。このため、対象となる物品全てにRFIDタグを貼り付ける作業が必要となり、そのための手間とコストがかかる。また、RFIDリーダとそのタグ間の距離によっては、人が物品を手にとったことが検知されない可能性もあり、検出範囲が環境により左右され、一定ではないと言う問題も指摘されている。また、商品陳列棚のレイアウト変更があると、その都度RFIDリーダの配置やアンテナの張り具合を調整しなければならない。
【0006】
物品へのアクセス検出精度が低下することは、顧客による物品へのアクセスを正確に検知できないことにつながり、引いては商品の販売管理や商品の購買意欲を調査するシステムの運用にも影響を及ぼすことになる。
【0007】
本発明の目的は、レーザ測距装置を用いて物品のアクセスを正確に検出して、物品の管理を行う物品アクセス管理システム及び方法を提供することにある。
また、本発明の目的は商品棚のレイアウト変更等に容易に対処でき、また商品の販売管理や購買意欲調査等にも利用できる商品販売管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る物品アクセス管理システムは、好ましくは、複数に区切られる棚に置かれた物品が人手によってアクセスされたことを管理する物品アクセス管理システムにおいて、
棚の一面側に配置され、測距する面上を横切る手の輪郭を検出し、手が横切った座標を検出する座標検出手段を有するレーザ測距装置と、
複数に区切られた棚ごとに棚識別情報が付与され、棚識別情報に対応して、棚に置かれる物品を識別する物品コードと、手が横切る棚の座標範囲との関係を記憶する棚管理データDBと、
座標検出手段によって検出された手の座標から、棚管理データDBに記憶された座標範囲を求め、何れの棚にアクセスされたかを求める棚アクセス算出手段と、を有する物品アクセス管理システムとして構成される。
好ましい例では、一面側に複数のレーザ測距装置が配置され、複数に区切られたそれぞれの棚に対する手の輪郭及び複数のレーザ測距装置からの距離を検出する。
また、好ましくは、レーザ測距装置によって得られた輪郭より、同時に複数の手を区別して検知し、それぞれの位置を出力する。
また、好ましくは、前記物品アクセス管理システムは、更に警報手段を有し、
棚管理データDBは、指定されたある棚がアクセス制限の対象となっていることを示すアクセス制限情報を棚識別情報に対応して記憶しており、
棚管理データDBのアクセス制限情報を参照して、前記棚アクセス算出手段によって求められたアクセス先の棚がアクセス制限の対象となっているかを判断し、判断の結果、アクセス制限の対象となっている場合、警報手段を起動させる。
更に好ましくは、前記物品アクセス管理システムは、更にログ情報を記憶する物品アクセスログDBを有し、前記棚アクセス算出手段は、アクセス先の棚を算出する度に、棚識別情報及びアクセス時の時間情報を含む情報をログ情報として作成し、作成されたログ情報をアクセスログDBに記憶する。
【0009】
本発明に係る商品販売管理システムは、好ましくは、少なくとも棚に陳列された複数の商品に関する販売情報を処理する第1の処理装置を有する商品販売管理システムにおいて、
棚の一面側に配置され、測距する面上を横切る手の輪郭を検出し、手が横切った座標を検出して距離データとして出力する座標検出手段を有するレーザ測距装置と、
レーザ測距装置によって検出された距離データを処理する第2の処理装置であって、処理装置は、複数に区切られた棚ごとに棚識別情報が付与され、棚識別情報に対応して、棚に置かれる商品を識別する商品識別情報と、手が横切る棚の座標範囲との関係を記憶する棚管理データDBと、座標検出手段によって検出された手の座標から、棚管理データDBに記憶された座標範囲を求め、手が何れの棚にアクセスされたかを求める棚アクセス算出手段と、
アクセス先の棚を算出する度に、棚識別情報及びアクセス時の時間情報を含む情報をログ情報として作成し、作成されたログ情報を記憶するアクセスログDBとを有し、
更に、第1の処理装置は、商品の販売情報として、販売された商品の識別情報、金額、個数及び販売時刻に関する情報を記憶する販売管理DBと、アクセスログDBから取得したログ情報、及び販売管理DBから取得した販売情報に基づいて、販売された商品の個数及び商品に対する棚へのアクセスした回数を算出する計算手段と、計算手段によって求められた商品の販売個数及びアクセス回数を表示する表示装置と、を有する商品販売管理システムとして構成される。
本発明はまた、上記物品アクセス管理システムにおけるアクセス管理方法としても把握される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、レーザ測距装置を用いて物品へのアクセスを正確に検出でき、物品の管理を容易に行うことができる。また、レーザ測距装置を用いているので、商品棚のレイアウト変更にも容易に対応できる。また、商品のアクセスの検出結果を商品の販売管理や購買意欲調査のために利用することができ、商品の販売戦略に役立てることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、一実施例による物品アクセス管理システムの一例を示す。
この例は、商品の陳列棚に陳列された商品への人手のアクセスを検出し、商品管理のために処理するシステムである。物品アクセス管理システムは、物品アクセス処理装置1と、その装置1にLAN(ローカルエリアネットワーク)17等を介して接続された、商品販売管理のための処理を行うサーバ7を含んで構成される。
【0012】
物品アクセス処理装置1は、商品を陳列する商品棚10と、商品棚10の一面側、即ち顧客が手を伸ばして商品を取る側(前面側)に配置された2台のレーザ測距装置21,22と、レーザ測距装置21,22から送られる距離データを受け、商品管理のために情報処理するPC(パーソナルコンピュータ)14を有して構成される。
【0013】
商品棚10は、複数の棚(m×n)に仕切られ、それぞれ異なる棚番号11〜33が付与される。各仕切られた棚にそれぞれ商品6が陳列される。棚のある範囲をそのまま調査範囲Wとし、調査範囲Wの左上の頂点を原点(XY座標の(0,0))としている。なお、座標の原点位置の設定は、このシステムの起動時にPC14により行う。
レーザ測距装置21,22は商品棚にアクセスする人手との距離を測定することで、アクセス先の棚の座標を検出し、その測定結果である距離データ23をPC14へ送る。
【0014】
図2にレーザ測距装置による距離測定の原理を示す。
レーザ測距装置は、回転するレーザにより1つの平面を連続的に測距する装置である。本実施例では、2台のレーザ測距装置21,22が同じ物品を互いに別の角度から測距するように配置され、商品棚10全ての棚を包含する範囲を調査範囲Wとしている。前方180°の範囲を0.5°刻みで角度を変えながら物品までの距離を連続的に測定し、距離データ23を出力する。距離データは、0.5°ずつの角度と距離を180°分纏めたデータである。
【0015】
レーザ測距装置21,22が測距する平面を人手や物品が横切ると、測距されたデータの近接する点を結ぶことでその物の輪郭を抽出する。この物の輪郭の大きさが一定の範囲(一定以上かつ一定以下の範囲)である場合に、人の手でありかつその手がレーザ検出面を横切ったと判断し、その手の輪郭Hとその手の中心座標を求める。レーザ測距装置による物の検出は、一定時間間隔ごとに連続的に行われており、求められた距離データ23は逐次PC14へ送られる。これよって、物品への人手のアクセスが時系列に検出され、商品棚に対する手の動きが把握される。また、手の大きさ(輪郭)も検出されるので、人手が商品を取ったか否かも検出できる。
【0016】
PC14は、商品へのアクセスを管理するための情報を処理する処理装置としてのCPU142と、それら種々の情報を記憶する管理データベース(DB)143を有する。また、人手が商品棚10の内、アクセス制限されている棚に人手がアクセスした場合、アラーム信号145を発して警報ブザー16を鳴動する。なお、PC14は入力装置や表示装置を持つが、それらの図示は省略している。
【0017】
図3〜図5は商品アクセス管理DB143内に形成される種々のDBの記憶フォーマットを示す。
図3の棚管理データDB3は、商品棚と各商品棚に陳列される商品との関係を登録するDBであり、棚を識別する棚番号31に対応して、その棚の座標範囲32、各棚に陳列される商品を識別する物品コード33、及び棚がアクセス許可されているか又は禁止されているかを示すアクセス制限34の各情報を記憶する。この例では、商品棚は9個に区分され、夫々の棚の範囲を示す座標範囲が登録されている。レーザ測距装置21,22で検出された距離データ23が何れの座標範囲に属するかを、CPU142で判定することで、アクセスする人手が何れの棚の物品をアクセスするかを判定することができることになる。また、アクセス制限34を参照することで、アクセス先の棚がアクセス許可か禁止かを判定できる。
【0018】
なお、棚管理データDB3の内容は、PC14の入力装置からの操作により変更できる。例えば、ある棚の商品を他の棚へ移したり、又はある棚の商品を入れ替えたりした場合、管理者は入力装置から棚番号と物品コードの対応関係を変更する。
また、棚のレイアウトを変更する場合、例えば棚番号11と21の壁を取って1つの棚とし、そこに他の商品を陳列することも可能である。この場合には、入力装置を操作して、棚番号21も棚番号11とし両方の棚に共通の物品コード33を記憶させるようなことも可能である。
【0019】
図4の物品コードDB4は、物品コード41と商品名42との関係を登録する。なお、この物品コードDB4はサーバ7にも有していてもよい。
また、図5の物品アクセスログDB5は、商品棚にアクセスがあったことを履歴として記憶するDBであり、アクセスを検出する度に、アクセスの日時51、アクセス先となった棚番号52、物品コード53、商品名54、アクセス制限55の各情報を記憶する。これらの情報は、後述する図6の処理フローを実行するCPU142で処理されて記憶される。
【0020】
図7は本発明の応用例となる商品販売管理システムの一例を示す。
このシステムは、複数の物品アクセス処理装置1、及び複数のPOS端末60が、LAN17を介してサーバ7に接続して構成される。物品アクセス処理装置1は物品のアクセスログ50(図5のデータ)を一定時間毎(例えば1時間毎に)にサーバ7へ送信する。POS端末60は、商品が販売される度に、販売情報90(すなわち商品の物品コード92、金額93、販売個数94及び販売日時91)をサーバ7へ送信する。なお、LAN17である必要なく、専用線又はインターネットなどのネットワークでもよい。
【0021】
サーバ7は商品の売り上げや在庫管理を行う。そのために、商品販売管理DB9(図9)を有し、POS端末60から送られた商品の販売情報(商品の物品コード92、金額93、販売個数94、販売日時91を記憶する。サーバ7はまた、商品の販売情報及びアクセスログを利用して更に商品の購買意欲を把握するための処理を行う。
また、サーバ7は、物品アクセス処理装置1から送信され、受信した物品アクセスログ50を記憶するためのアクセスログDBを有する。このDBは、図5に示した物品アクセスログDB5と同じ形式のDBである。なお、サーバ7は入力装置及び表示装置を有しているが、その図示は省略してある。
【0022】
次に、図6のフローチャートを参照して、商品のアクセス管理の処理動作について説明する。この処理は、物品アクセス処理装置1におけるレーザ測距装置21、22及びPC14による処理である。
まず、CPU142は、その内部に有するタイマから現在時刻を取得して(S1)、その時刻が物品のアクセスログの送信タイミングであるかを判断する(S2)。判断の結果、物品アクセスログの送信タイミングである時には、サーバ14は物品アクセスログ(すなわち今回送付すべき時間相当分のログ)をサーバ7へ送信する(S3)。
【0023】
その後、CPU142は、レーザ測距装置21,22から受信した距離データを座標データに変換して、検出対象物の輪郭を抽出する(S4)。抽出した物の輪郭が一定範囲にあり、かつそれが人の手の輪郭を検出したかを判断する(S5)。その判断の結果、人の手であることを検出した場合、その手の中心座標を求める(S6)。
【0024】
その後、CPU142は、棚管理DB3を参照して、算出した手の中心座標が調査対象の座標範囲の何れであるかを判断する(S7)。この処理は手の中心座標と棚の座標範囲32を逐次比較し、範囲内に入った場合その該当する棚番号31を出力する(S8)。更に、その棚番号31に対応するアクセス制限34を読み出して(S9)、その棚がアクセス禁止か否かを判断する(S10)。判断の結果、もしアクセス禁止となっていた場合、CPU142はアラーム信号145を送出して警報ブザー16を鳴らす(S11)。
【0025】
更に、CPU142は、棚管理DB3より当該棚番号に対応する物品コード33を読み出し(S12)、更に物品コードDB4から当該物品コードに対応する商品名を読み出して(S13)、それらのデータ、すなわち棚番号52、商品コード53、商品名54、及びアクセス制限55を日時51と共に、アクセスログとして物品アクセスログDB5に記憶する(S14)。以上の処理を営業時間内、更には24時間継続して繰り返す。
この処理によって、区分された各商品棚へのアクセスを把握することができ、またアクセスの検出結果に従ってアラームを発することで陳列された商品の管理を行うことができる。
また、物品アクセスログを蓄積することで、そのログを商品の販売管理に利用できる。これについては、図7及び図8以降を参照して以下に述べる。
【0026】
図7の商品販売管理システムにおいて、サーバ7は、物品アクセス処理装置1及びPOS端末60から送信されて取得した物品アクセスログ、及び商品販売データ(商品販売管理DB)から商品の販売状況ないし顧客の商品購買意欲を算出する。
物品アクセスログデータ50及び商品販売データ90の両方とも時刻情報を含んでいる。そこで、サーバ7の入力装置から販売状況を把握したい時間帯を入力する。例えば、時刻AM10:00〜AM11:00を入力する。すると、サーバ7は、アクセスログデータを参照して、当該時間帯内でアクセスされた商品名及びその商品のアクセス回数を求めることができる。また、商品販売データ90を参照して、その時間帯内に販売された商品名及び販売数を求めることができる。求められたアクセス数及び販売数を、商品名ごとにサーバ7の表示装置に表示すると、例えば図10のような画面になる。販売管理者はこの表示内容を見て、当該商品名の商品については4回アクセスされ、その内2つが販売されたことを認識できる。すなわち、興味があって商品を手にとった(商品棚にアクセスされた)が、2つは売れなかったこと(購買意欲の程度)がわかる。
【0027】
また、サーバ7は単位時間(例えば1時間)ごとに上記の処理を行い、商品ごとにアクセス数及び販売数を集計することもできる。その結果、商店の開店時刻(AM10:00)から閉店時刻(PM8:00)までの間の、商品ごとのアクセス数及び販売数の推移を時系列的求めて、図11のように表示装置に表示することができる。販売管理者はこのトレンドを見て販売戦略を立てたり、商品の陳列を変更したりするために利用することができる。
なお、調査対象の時間帯や商品名はサーバ7の入力装置から適宜指定することができる。
【0028】
次に図8を参照して、上記実施例の変形例について説明する。
図8は、図3に示した棚管理データDB3に、更に調査対象フラグ81を追加したものである。この調査対象フラグ81とは、商品棚へのアクセスを無効にできる機能を有する。すなわち、調査対象フラグが「ON」のときは、この棚に置かれた商品に対するアクセス検知を行い、「OFF」のときは、この棚に置かれた商品に対するアクセス検知を行わないことを意味する。商品棚内の商品を変えようとする場合には、そのための作業時間が必要となる。その作業の間、フラグ81を「OFF」にして、PC14からの調査の対象外とできる。
【0029】
本発明は上記実施例に限定されることなく、更に種々変形して実施し得る。
例えば、PC14における処理をサーバ7で統合して行ってもよい。逆にサーバ7の処理をPC14で行ってもよい。その場合、物品アクセスログDB5は1つで足り、PC14とサーバ7間での情報の送受信が不要となる。
また、商品の店舗内で主に商品へのアクセスを管理するシステムの場合には、サーバ7は不要である。この場合、例えば図6のステップS2〜S3等の処理は不要となる。
【0030】
また、レーザ測距装置は2台である必然性はなく、1台または3台以上でもよい。また、警報ブザー16は無くてもよい。
更に、図3〜5、及び図8、9に示したDBは一例であり、これに限定されない。例えば、PC14内に物品コードDB4は無くてもよい。その場合、棚管理DB3に物品コード33に対応して商品名を記憶するようにしてもよい。
また、他の例として、サーバ7にのみ物品コードDB4を有するようにし、必要な時にPC14はサーバ7から商品名をダウンロードするようにしてもよい。
また、上記実施例において使用された用語は一例であり、上記表現に限定されない。例えば、PC142やサーバ7を述べたが、これは要するに計算機或いは計算手段であればよい。また、DBは表現上、テーブル或いは記憶領域、記憶手段と述べてもよい。
【0031】
本実施例によれば、レーザ測距装置を用いて、物品への人手のアクセスを検知するので、手の輪郭と位置でどの物品にアクセスしたかを判断できる。従来技術のように、RFIDタグを用いていないので、そのタグを物品に貼り付ける等の作業が不要となる。また、レーザを利用するため、RFIDタグに比べ、電波伝搬環境に左右されずに安定で高精度な検知が可能となり、商品の配置場所の管理及びそれへのアクセスを正確に検出できる。また、商品棚へのアクセスの検出を利用することで、正確な商品管理及び顧客の商品購買意欲を調査するシステムを構築できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】一実施例による物品アクセス管理システムの構成例を示す図、
【図2】レーザ測距装置による手の輪郭及び距離の検出の原理を示す図、
【図3】一実施例における棚データDB3の記憶フォーマットを示す図、
【図4】一実施例における物品コードデータDB4の記憶フォーマットを示す図、
【図5】一実施例における物品アクセスログDB5の記憶フォーマットを示す図、
【図6】一実施例における棚アクセスの処理動作フローを示す図、
【図7】一実施例による商品販売管理システムの一例を示す図、
【図8】一実施例における棚管理データDB3の記憶フォーマットを示す図、
【図9】一実施例における物品販売管理DB9の記憶フォーマットを示す図、
【図10】一実施例におけるサーバ7の処理時の表示画面の一例を示す図、
【図11】一実施例におけるサーバ7の処理時の表示画面の一例を示す図。
【符号の説明】
【0033】
1:物品アクセス処理装置 10:商品棚 21,22:レーザ測距装置 23:距離データ 14:PC 142:CPU 143:管理DB 145:アラーム信号 16:警報ブザー 146:物品アクセスログ 17:LAN回線 6:商品 60:POS端末 7:サーバ 3:棚管理データDB 4:物品コードDB 5:物品アクセスログDB 9:物品販売管理DB W:調査範囲。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数に区切られる棚に置かれた物品が人手によってアクセスされたことを管理する物品アクセス管理システムにおいて、
該棚の一面側に配置され、測距する面上を横切る手の輪郭を検出し、手が横切った座標を検出する座標検出手段を有するレーザ測距装置と、
複数に区切られた棚ごとに棚識別情報が付与され、該棚識別情報に対応して、該棚に置かれる物品を識別する物品コードと、手が横切る棚の座標範囲との関係を記憶する棚管理データDBと、
該座標検出手段によって検出された手の座標から、該棚管理データDBに記憶された座標範囲を求め、何れの棚にアクセスされたかを求める棚アクセス算出手段と、
を有することを特徴とする物品アクセス管理システム。
【請求項2】
一面側に複数のレーザ測距装置が配置され、複数に区切られたそれぞれの棚に対する手の輪郭及び該複数のレーザ測距装置からの距離を検出することを特徴とする請求項1の物品アクセス管理システム。
【請求項3】
該レーザ測距装置によって得られた輪郭より、同時に複数の手を区別して検知し、それぞれの位置を出力することを特徴とする請求項1又は2の物品アクセス管理システム。
【請求項4】
前記物品アクセス管理システムは、更に警報手段を有し、
該棚管理データDBは、指定されたある棚がアクセス制限の対象となっていることを示すアクセス制限情報を該棚識別情報に対応して記憶しており、
該該棚管理データDBの該アクセス制限情報を参照して、前記棚アクセス算出手段によって求められたアクセス先の棚がアクセス制限の対象となっているかを判断し、該判断の結果、アクセス制限の対象となっている場合、該警報手段を起動させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの物品アクセス管理システム。
【請求項5】
前記物品アクセス管理システムは、更にログ情報を記憶する物品アクセスログDBを有し、
前記棚アクセス算出手段は、アクセス先の棚を算出する度に、該棚識別情報及びアクセス時の時間情報を含む情報をログ情報として作成し、作成された該ログ情報をアクセスログDBに記憶することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの物品アクセス管理システム。
【請求項6】
少なくとも棚に陳列された複数の商品に関する販売情報を処理する第1の処理装置を有する商品販売管理システムにおいて、
該棚の一面側に配置され、測距する面上を横切る手の輪郭を検出し、手が横切った座標を検出して距離データとして出力する座標検出手段を有するレーザ測距装置と、
該レーザ測距装置によって検出された距離データを処理する第2の処理装置であって、該処理装置は、複数に区切られた棚ごとに棚識別情報が付与され、該棚識別情報に対応して、該棚に置かれる商品を識別する商品識別情報と、手が横切る棚の座標範囲との関係を記憶する棚管理データDBと、該座標検出手段によって検出された手の座標から、該棚管理データDBに記憶された座標範囲を求め、手が何れの棚にアクセスされたかを求める棚アクセス算出手段と、
アクセス先の棚を算出する度に、該棚識別情報及びアクセス時の時間情報を含む情報をログ情報として作成し、作成された該ログ情報を記憶するアクセスログDBとを有し、
更に、該第1の処理装置は、
商品の該販売情報として、販売された商品の識別情報、金額、個数及び販売時刻に関する情報を記憶する販売管理DBと、該アクセスログDBから取得したログ情報、及び該販売管理DBから取得した該販売情報に基づいて、販売された商品の個数及び該商品に対する該棚へのアクセスした回数を算出する計算手段と、該計算手段によって求められた該商品の販売個数及びアクセス回数を表示する表示装置と、
を有することを特徴とする商品販売管理システム。
【請求項7】
前記計算手段は、商品の販売情報を管理するPOSから取得した販売情報を該販売管理DBに記憶することを特徴とする請求項6の商品販売管理システム。
【請求項8】
前記第1の処理装置と前記第2の処理装置は、共通の計算機であることを特徴とする請求項6の商品販売管理システム。
【請求項9】
複数に区切られる棚に置かれた物品が人手によってアクセスされたことを管理する物品アクセス管理方法において、
該棚の一面側に配置されたレーザ測距装置を用いて、測距する面上を横切る手の輪郭を検出し、手が横切った座標を検出するステップと、
複数に区切られた棚ごとに棚識別情報が付与され、該棚識別情報に対応して、該棚に置かれる物品を識別する物品コードと、手が横切る棚の座標範囲との関係を棚管理データDBに記憶して管理するステップと、
該レーザ測距装置によって検出された手の座標から、該棚管理データDBに記憶された座標範囲を求め、何れの棚にアクセスされたかを求める棚アクセス算出ステップと、
を有することを特徴とする物品アクセス管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−323471(P2007−323471A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−154458(P2006−154458)
【出願日】平成18年6月2日(2006.6.2)
【出願人】(000233295)日立情報通信エンジニアリング株式会社 (195)
【Fターム(参考)】