説明

物品認識装置及びこれを用いた物品処理装置

【課題】認識対象物品の位置及び姿勢に関する配置情報を高精度に認識する。
【解決手段】認識対象物品1に設けられ、中心位置Cから周囲に向かって濃度パターンPcが順次変化するように形成される単位パターン印13を予め決められた位置関係で四以上有する認識表示体12と、認識対象物品1に対向配置されて認識表示体12を撮像する撮像具5と、この撮像具5の撮像面とこの撮像具5の視野範囲に入る認識対象物品1に設けられる認識表示体12面とが正対しない非正対計測位置Pに少なくとも撮像具5を設置可能とするように撮像具5を支持する支持機構6と、非正対計測位置Pに配置された撮像具5にて撮像された認識表示体12の撮像情報を少なくとも用い、認識対象物品1の位置及び姿勢に関する配置情報を認識する配置情報認識部7と、を備える。また、この物品認識装置を用いた物品処理装置をも含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品認識装置及びこれを用いた物品処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来における物品認識装置としては、例えば特許文献1ないし4記載のものがある。
特許文献1には、トレイの少なくとも2箇所にアライメントマークを設け、画像認識によりトレイの位置・角度を求める点が開示されている。
特許文献2には、ワーク保持具に2点以上の位置合せマークを設け、CCDカメラで位置を認識し、そのデータから位置ずれを補正処理する点が開示されている。
特許文献3には、溶接治具上に3点のマークを設け、カメラで位置を認識し、基準位置からのずれ量を補正データとしてロボットへフィードバックする点が開示されている。
特許文献4には、作業台上にある2点のマーク位置をカメラで認識し、位置ずれ量に基づいてロボットのワークに対するハンドリング位置を補正する点が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−055244号公報(発明を実施するための最良の形態,図1)
【特許文献2】特開平05−301183号公報(課題を解決するための手段,図1)
【特許文献3】特開2005−138223号公報(発明を実施するための最良の形態,図1)
【特許文献4】特開平11−156764号公報(発明の実施の形態,図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の技術的課題は、認識対象物品の位置及び姿勢に関する配置情報を高精度に認識する物品認識装置及びこれを用いた物品処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、認識対象物品に設けられ、中心位置から周囲に向かって濃度パターンが順次変化するように形成される単位パターン印を予め決められた位置関係で四以上有する認識表示体と、前記認識対象物品に対向配置されて前記認識表示体を撮像する撮像具と、この撮像具の撮像面とこの撮像具の視野範囲に入る前記認識対象物品に設けられた認識表示体面とが正対しない非正対計測位置に少なくとも前記撮像具を設置可能とするように前記撮像具を支持する支持機構と、前記非正対計測位置に配置された撮像具にて撮像された認識表示体の撮像情報を少なくとも用い、前記認識対象物品の位置及び姿勢に関する配置情報を認識する配置情報認識部と、を備えたことを特徴とする物品認識装置である。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る物品認識装置において、認識表示体は単位パターン印の濃度パターン変化を点像で表示するものであることを特徴とする物品認識装置である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る物品認識装置において、認識表示体は認識対象物品の同一平面上に四つの単位パターン印を有することを特徴とする物品認識装置である。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれかに係る物品認識装置において、認識表示体は認識対象物品に着脱自在に装着されるカードに表示されていることを特徴とする物品認識装置である。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4いずれかに係る物品認識装置において、認識表示体は、四以上の単位パターン印と、認識対象物品の位置及び姿勢に関する配置情報以外の種別情報を認識するための種別表示印とを有することを特徴とする物品認識装置である。
請求項6に係る発明は、請求項1ないし5いずれかに係る物品認識装置において、支持機構は、前記認識対象物品に設けられた認識表示体が撮像具の視野範囲に入って俯瞰可能に計測される第一の計測位置と、前記認識表示体が撮像具の視野範囲に入り且つ前記第一の計測位置よりも高精度に計測される非正対計測位置からなる第二の計測位置とに撮像具を移動させ、夫々の計測位置にて前記認識表示体を計測することを特徴とする物品認識装置である。
請求項7に係る発明は、請求項6に係る物品認識装置において、支持機構は、撮像具の撮像面とこの撮像具の視野範囲に入る前記認識対象物品に設けられた認識表示体面とが正対する正対計測位置からなる第一の計測位置を有することを特徴とする物品認識装置である。
請求項8に係る発明は、請求項6又7に係る物品認識装置において、配置情報認識部は、第一の計測位置の撮像具による撮像情報に基づいて認識対象物品の認識表示部の位置及び姿勢からなる配置情報を算出し、この算出結果に基づいて支持機構により撮像具が移動させられる第二の計測位置を決定し、この第二の計測位置の撮像具による撮像情報に基づいて認識表示体の位置及び姿勢からなる配置情報を認識することを特徴とする物品認識装置である。
【0007】
請求項9に係る発明は、請求項1ないし8いずれかに係る物品認識装置と、この物品認識装置にて認識された認識対象物品の位置及び姿勢に関する配置情報に基づいて制御信号を生成し、認識対象物品と同一又は認識対象物品に対して予め決められた位置関係にある処理対象物品に対する処理動作を制御する制御部と、この制御部にて生成された制御信号に基づいて処理対象物品に対する処理動作を実施する処理機構と、を備えたことを特徴とする物品処理装置である。
請求項10に係る発明は、請求項9に係る物品処理装置において、処理機構は、撮像具の支持機構を兼用することを特徴とする物品処理装置である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明によれば、認識対象物品の位置及び姿勢に関する配置情報を高精度に認識することができる。
請求項2に係る発明によれば、認識対象に対し認識表示体を簡単に構築することができる。
請求項3に係る発明によれば、認識表示体として単位パターン印を共通の平面に形成することができる。
請求項4に係る発明によれば、認識対象物品に対し認識表示体を容易に変更することができる。
請求項5に係る発明によれば、認識対象物品が異なる種別を有する場合でも、種別を考慮した認識表示体を付すことができる。
請求項6に係る発明によれば、認識対象物品の認識表示体につき撮像具にて複数計測し、夫々の計測位置にて両方の撮像情報を取得することができる。このため、撮像具にて一回計測する場合に比べて、認識対象物品の位置及び姿勢に関する配置情報につきより高精度のものを取得することができる。
請求項7に係る発明によれば、認識対象物品の認識表示体につき正対計測位置及び非正対計測位置にて複数計測し、夫々の計測位置にて両方の撮像情報を取得することができる。このため、撮像具にて正対計測位置だけで計測する場合に比べて、認識対象物品の位置及び姿勢に関する配置情報につきより高精度のものを取得することができる。
請求項8に係る発明によれば、認識対象物品を配置状態がある程度ラフな精度であるとしても、認識対象物品の位置及び姿勢に関する配置情報を高精度に認識することができる。
請求項9に係る発明によれば、認識対象物品の位置及び姿勢に関する配置情報を高精度に認識することができ、これに伴って、認識対象物品と同一又は認識対象物品に対して予め決められた位置関係にある処理対象物品に対する処理動作を高精度に実現することができる。
請求項10に係る発明によれば、処理機構の動きを利用し、撮像具による撮像方向を最適に移動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】(a)は本発明が適用される物品認識装置及びこれを用いた物品処理装置の実施の形態の概要を示す説明図、(b)は実施の形態で用いられる認識表示体の一例を示す説明図である。
【図2】実施の形態1に係る物品処理装置としての採取処理装置の全体構成を示す説明図である。
【図3】(a)は実施の形態1で用いられるパターンマーカの付された整列トレイの一例を示す説明図、(b)(c)はパターンマーカの一要素である単位パターン印の構成例を示す説明図である。
【図4】(a)は実施の形態1で用いられるパターンマーカの単位パターン印の特性を模式的に示す説明図、(b)は比較の形態で用いられるマーカの構成例を示す説明図である。
【図5】実施の形態1で用いられるパターンマーカによる組立部品の位置、姿勢の特定原理を示す説明図である。
【図6】実施の形態1で用いられるパターンマーカの製造例を示す説明図である。
【図7】実施の形態1で用いられるパターンマーカの構成寸法例を示す説明図である。
【図8】(a)は撮像具としてのカメラの撮像面をパターンマーカの中心原点に対して正対計測位置に設置した態様を示す説明図、(b)は撮像具としてのカメラの撮像面を(a)の正対計測位置に対し平行移動させた態様を示す説明図、(c)は撮像具としてのカメラの撮像面をパターンマーカの表示面とが非平行な位置関係にある非正対計測位置に設置した態様を示す説明図である。
【図9】(a)は撮像具としてのカメラの撮像面をパターンマーカの中心原点に対して正対計測位置に設置した態様を模式的に示す説明図、(b)は(a)の場合における計測精度を示す説明図である。
【図10】実施の形態1に係る採取処理装置によるワーク採取処理過程を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態1に係る採取処理装置の処理過程を示し、(a)は整列トレイに対する一段階目の位置・姿勢計測過程を示す説明図、(b)は高精度計測可能位置へ移動する過程を示す説明図、(c)は整列トレイに対する二段階目の位置・姿勢計測過程を示す説明図、(d)は整列トレイ内のワークの把持過程を示す説明図である。
【図12】(a)は比較の形態における整列トレイの位置・姿勢計測過程を示す説明図、(b)(c)は整列トレイの計測精度が低い場合に生じ得る不具合例を示す説明図である。
【図13】(a)は実施の形態1に係る採取処理装置の変形の形態1を示す説明図、(b)は(a)中B方向から見た矢視図である。
【図14】実施の形態2に係る物品処理装置としての採取処理装置の全体構成を示す説明図である。
【図15】(a)は整列トレイの平面説明図、(b)は整列トレイに付加されたパターンマーカの概要を示す説明図である。
【図16】(a)(b)は実施の形態2で用いられるパターンマーカの構成例を示す説明図である。
【図17】(a)(b)は実施の形態2で用いられるパターンマーカの固定例を示す説明図であり、(I)は断面説明図、(II)はその平面説明図である。
【図18】(a)(b)は実施の形態3で用いられるパターンマーカの別の固定例を示す説明図であり、(I)は断面説明図、(II)はその平面説明図である。
【図19】(a)(b)は実施の形態2で用いられるパターンマーカの配置例を示す説明図である。
【図20】(a)は実施の形態3に係る物品処理装置としての採取処理装置の全体構成を示す説明図、(b)は採取処理装置の処理ステージの平面説明図である。
【図21】実施の形態3に係る採取処理装置の空トレイ回収処理過程を示すフローチャートである。
【図22】(a)はワーク取出し完了時の整列トレイの状態を示す説明図、(b)は空トレイの配置計測過程を示す説明図である。
【図23】(a)は空トレイ把持過程を示す説明図、(b)は空トレイ置き場への移動過程を示す説明図である。
【図24】(a)は空トレイ置き場の配置計測過程を示す説明図、(b)は空トレイ積み重ね過程を示す説明図である。
【図25】(a)は比較の形態に係る整列トレイによるワーク取出装置を示す説明図、(b)はその処理ステージの平面説明図である。
【図26】実施の形態4に係る物品処理装置としての採取処理装置の処理過程を示し、(a)は採取対象物品に対する一段階目の位置・姿勢計測過程を示す説明図、(b)は高精度計測可能位置へ移動する過程を示す説明図、(c)は採取対象物品に対する二段階目の位置・姿勢計測過程を示す説明図、(d)は採取対象物品の把持過程を示す説明図である。
【図27】実施の形態5に係る物品処理装置としての採取処理装置に用いられる採取対象物品の一例としてトナーカートリッジの認識構造を示す説明図である。
【図28】図27に示すトナーカートリッジの認識構造の好ましい態様を示す説明図である。
【図29】(a)は多数のトナーカートリッジを収容する収容箱を示す説明図、(b)は収容箱に収容されたトナーカートリッジの認識構造例を示す説明図である。
【図30】実施の形態6に係る物品処理装置としての組立処理装置の全体構成を示す説明図である。
【図31】(a)は実施の形態6に係る組立処理装置でのカメラによる計測動作を示す説明図、(b)は組立パレットの平面説明図である。
【図32】実施の形態6に係る組立処理装置による組立処理過程を示すフローチャートである。
【図33】(a)は組立パレットの位置決め処理過程を示す説明図、(b)はその平面説明図、(c)は組立パレットの姿勢が傾斜した場合における組立処理を模式的に示す説明図である。
【図34】(a)は比較の形態に係る組立処理装置の位置決め構造の一例を示す説明図、(b)は比較の形態に係る組立処理装置の位置決め構造の一例を示す説明図であり、(I)は正面説明図、(II)はその平面説明図である。
【図35】(a)(b)は実施の形態6に係る組立処理装置に設けられる組立パレットのパターンマーカの変形形態を夫々示す説明図である。
【図36】(a)は実施の形態6に係る組立処理装置のカメラの支持構造の変形形態を示す説明図、(b)は組立パレットの平面説明図である。
【図37】(a)は実施の形態6に係る組立処理装置に設けられる組立パレットのパターンマーカの更に別の変形形態を夫々示す説明図、(b)は組立パレットの平面説明図である。
【図38】実施の形態7に係る物品処理装置としての組立処理装置の全体構成を示す説明図である。
【図39】(a)は実施の形態7で用いられるパターンマーカの付された組付部品の一例を示す説明図、(b)はパターンマーカの全体構成を示す説明図、(c)(d)単位パターン印の構成例を示す説明図である。
【図40】実施の形態7に係る組立処理装置による組立処理過程を示すフローチャートである。
【図41】図40の組立処理過程を模式的に示す説明図である。
【図42】(a)〜(d)は組立検査過程で検査可能な位置・姿勢に関する配置情報を示し、(a)はZ軸方向の浮き、(b)はY軸回りの傾き、(c)はX軸方向及びY軸方向の位置ずれ、(d)はZ軸回りの回転ずれである。
【図43】(a)は比較の形態に係る組立処理装置の一例を模式的に示す説明図、(b)はその正常な組付け状態を示す説明図である。
【図44】(a)〜(d)は比較の形態における組立検査装置の一例を示し、(a)はZ軸方向の浮き、(b)はX軸、Y軸回りの傾き、(c)はX軸方向及びY軸方向の位置ずれ、(d)はZ軸回りの回転ずれを検査する態様を夫々示す。
【図45】実施の形態8に係る物品処理装置としての組立処理装置の要部を示す説明図である。
【図46】実施の形態8に係る組立処理装置による組立処理過程を示すフローチャートである。
【図47】図46の組立処理過程を模式的に示す説明図である。
【図48】(a)は実施の形態9に係る物品処理装置としての組立処理装置の要部を示す説明図、(b)は実施の形態9に係る組立処理装置の変形形態の要部を示す説明図である。
【図49】実施の形態4に係る物品処理装置としての組立処理装置(コネクタ装置)の要部を示し、(a)は組付前のコネクタ装置を示す説明図、(b)は組立後のコネクタ装置を示す説明図である。
【図50】実施例1に係る物品処理装置において、カメラの計測位置を変化させ、そのときのカメラ移動距離と測定誤差との関係を調べて説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
◎実施の形態の概要
本実施の形態において、物品処理装置は、図1(a)(b)に示すように、認識対象物品1に設けられ、中心位置Cから周囲に向かって濃度パターンPcが順次変化するように形成される単位パターン印13を予め決められた位置関係で四以上有する認識表示体12と、前記認識対象物品1に対向配置されて前記認識表示体12を撮像する撮像具5と、この撮像具5の撮像面とこの撮像具5の視野範囲に入る前記認識対象物品1に設けられた認識表示体12面(認識基準面11)とが正対しない非正対計測位置Pに少なくとも前記撮像具5を設置可能とするように前記撮像具5を支持する支持機構6と、前記非正対計測位置Pに配置された撮像具5にて撮像された認識表示体12の撮像情報を少なくとも用い、前記認識対象物品1の位置及び姿勢に関する配置情報を認識する配置情報認識部7と、を備えている。
【0011】
このような技術的手段において、認識表示体12は少なくとも四つの単位パターン印13を必要とする。三つの単位パターン印13の場合、姿勢について3次元位置が複数個存在することがあり得るため、三次元位置を特定し得ない懸念がある。
また、認識表示体12の単位パターン印13は濃度パターンPcが順次変化するものであればよく、中心位置Cが周囲よりも高濃度である態様に限られず、中心位置Cが周囲よりも低濃度である態様も含む。単位パターン印13の濃度パターン変化についてはグラデーションで表示する手法が挙げられるが、これに限られず点像(ドット)で表示するようにしても差し支えない。尚、単位パターン印13は印刷技術を用いて直接描いてもよいが、刻印などで再帰反射を利用して表記するようにしてもよい。
更に、撮像具5は複数設けてもよいが、装置構成を簡略化するという観点からすれば一つが好ましい。
更にまた、支持機構6としては、非正対計測位置Pに撮像具5を固定的に設ける構成でもよいが、撮像具5の撮像面とこの撮像具5の視野範囲に入る前記認識対象物品1に設けられた認識表示体12面とが正対する正対計測位置Pと非正対計測位置Pとを含む計測を可能にするように撮像具5を移動可能に支持する構成を採用するようにしてもよいし、あるいは、非正対計測位置Pを複数段階計測可能にするように撮像具5を移動可能に支持する構成を採用してもよい。
ここで、‘正対計測位置P’に撮像具5を設置する場合には、認識表示体(マーカ)12の角度が微小に変化しても、画像の変化が小さいため、計測精度が低い。この点、‘非正対計測位置P’に撮像具5を設置すると、認識表示体(マーカ)12の角度が微小に変化すると、‘正対計測位置P’に設置された場合に比べて、画像の変化が大きくなるため、その分、計測精度が高い。
また、配置情報認識部7としては、認識対象物品1の位置及び姿勢に関する配置情報を認識するアルゴリズムであれば、どのような認識手法を採用しても差し支えない。
【0012】
次に、認識表示体12の好ましい態様について説明する。
先ず、認識表示体12の好ましい態様としては、単位パターン印13の濃度パターンPc変化を点像で表示するものが挙げられる。本態様では、点像表示であるため、インクジェット方式や電子写真方式の画像形成装置にて認識表示体12の単位パターン印13を形成することが可能である。
また、認識表示体12としては認識対象物品1の同一平面上に四つの単位パターン印13を有する態様が挙げられる。例えば四つの単位パターン印13の1つを他の三つと異なる平面に形成するなどしなくても、認識対象物品1の位置及び姿勢を特定することが可能である。
更に、認識表示体12を簡単に変更するという観点からすれば、認識対象物品1に着脱自在に装着されるカードに表示されているように構成すればよい。
更にまた、認識対象物品1が異なる種別を有する場合には、認識表示体12として、図1(b)に示すように、四以上の単位パターン印13と、認識対象物品1の位置及び姿勢に関する配置情報以外の種別情報を認識するための種別表示印14とを有するようにすればよい。
【0013】
また、支持機構6の好ましい態様としては、認識対象物品1に設けられた認識表示体12が撮像具5の視野範囲に入って俯瞰可能に計測される第一の計測位置と、前記認識表示体12が撮像具5の視野範囲に入り且つ前記第一の計測位置よりも高精度に計測される非正対計測位置Pからなる第二の計測位置とに撮像具5を移動させ、夫々の計測位置にて前記認識表示体12を計測する態様が好ましい。
本態様によれば、第一の計測位置にて粗計測し、第二の計測位置にて高精度計測することができる点で好ましい。
ここで、第二の計測位置は第一の計測位置に比べて高精度に計測される非正対計測位置Pであればよく、第一の計測位置が正対計測位置P、非正対計測位置Pのいずれでもよい。例えば第一の計測位置が非正対計測位置Pである場合には、第一の計測位置と第二の計測位置とは、認識対象物品1の認識表示体12面に対する撮像具5の撮像面の角度、撮像具5の撮像面と前記認識表示体12面との距離の少なくともいずれか一方を変化させたものであればよい。
更に、非正対計測位置Pからなる第二の計測位置は通常一箇所設定すればよいが、超精密計測あるいは微細部品の計測にあっては、必要に応じて複数箇所設定し、第二の計測位置にて複数段階計測を行うようにしてもよい。
また、複数計測方式を採用する態様にあっては、配置情報認識部の好ましい態様としては、第一の計測位置の撮像具による撮像情報に基づいて認識対象物品の認識表示部の位置及び姿勢からなる配置情報を算出し、この算出結果に基づいて支持機構により撮像具が移動させられる第二の計測位置を決定し、この第二の計測位置の撮像具による撮像情報に基づいて認識表示体の位置及び姿勢からなる配置情報を認識する態様が挙げられる。
本態様では、認識対象物品1の認識表示部12の位置・姿勢が変化したとしても、第一の計測位置での撮像具5による撮像情報に基づいて認識対象物品1の配置情報を算出することにより、認識対象物品1に対して相対的に決められた位置関係の第二の計測位置を決定することが可能である点で好ましい。
更に、上述した物品認識装置を利用すれば、物品処理装置が構築される。
この物品処理装置は、上述した物品認識装置と、この物品認識装置にて認識された認識対象物品1の位置及び姿勢に関する配置情報に基づいて制御信号を生成し、認識対象物品1と同一又は認識対象物品1に対して予め決められた位置関係にある処理対象物品2に対する処理動作を制御する制御部8と、この制御部8にて生成された制御信号に基づいて処理対象物品2に対する処理動作を実施する処理機構9と、を備えたものである。
このような技術的手段において、‘処理対象物品2’は‘認識対象物品1’と同一である態様に限られず、認識対象物品1に対して予め決められた位置関係にある別物品をも含む。
また、処理機構9は例えばロボットハンド等のマニピュレータを指す。
更に、‘処理対象物品2に対する処理動作’とは、処理対象物品2を把持したり、処理対象物品2を組み付けたり、処理対象物品2の組付状態する検査する等の各種処理動作を広く含む。
更に、撮像具5の好ましい支持機構6としては、処理機構9が撮像具5の支持機構を兼用する態様が挙げられる。
【0014】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2は実施の形態1に係る物品処理装置としての採取処理装置の全体構成を示す説明図である。
<採取処理装置の全体構成>
同図において、採取処理装置は、整列トレイ20上に整列配置された採取対象物品であるワークWを順次採取し、所定の部位まで移動させるものである。
本実施の形態において、採取処理装置は、前記整列トレイ20に位置及び姿勢からなる配置情報を認識するために設けられた認識表示体としてのパターンマーカ30と、この整列トレイ20のパターンマーカを撮像するカメラ40と、前記整列トレイ20上のワークWを採取し且つ所定部位まで移動させるロボット50と、前記カメラ40の撮像タイミングを制御し、前記カメラ40からの撮像情報を入力して前記整列トレイ20の位置及び姿勢からなる配置情報を認識すると共に、この認識した配置情報に基づいて後述する図10のフローチャートに従ってロボット50の動きを制御する制御装置60とを備えている。
【0015】
本例では、整列トレイ20は、図2及び図3(a)に示すように、積み重ね可能な皿状のトレイ本体21を有し、このトレイ本体21には縦横に整列されたワーク収容凹部25を形成すると共に、各ワーク収容凹部25には夫々ワークWを採取可能に収容するようにしたものである。
また、ロボット50は多軸関節にて可動するロボットアーム51の先端に把持動作可能なロボットハンド52を有し、モーションキャプチャ等の入力軌跡情報に従ってロボットハンド52による処理動作を教示すると共に、前記カメラ40からの撮像情報に基づいて前記ロボットハンド52による処理動作に補正を施すようにしたものである。
そして、本例では、前記カメラ40はロボットハンド52の一部に固着され、ロボットハンド52によって予め決められた計測位置に設置されるようになっている。
【0016】
<パターンマーカ>
本実施の形態において、パターンマーカ30は、図3(a)に示すように、整列トレイ20のトレイ本体21の頂部面22を認識基準面とし、この頂部面22の四隅に設けられる単位パターン印31と、トレイ品本体21の頂部面の隣接する二辺に沿って設けられる種別表示印36とを有している。
ここで、単位パターン印31の一つの代表的態様は、例えば図3(b)及び図4(a)に示すように、中心位置Cが最も高濃度で周辺に向かって順次薄く変化する濃度パターンPcのグラデーション32として表示されている。
また、単位パターン印31の別の代表的態様は、図3(c)及び図4(a)に示すように、中心位置Cが最も密にドット33が分布して高濃度領域34を形成し且つ周囲に向かってドット33の分布が次第に粗くなって低濃度領域35を形成するドットパターンとして表示されている。この場合、ドット33の直径サイズ及びドット同士の間隔、配置位置を変えることで濃度分布を持たせることが可能である。
特に、ドットパターン方式は、インクジェットや電子写真方式の画像形成装置を利用した印刷により容易に形成される点で好ましい。
一方、種別表示印36は、例えば収容すべきワークWが複数の種類ある場合(例えば色による種別や、サイズによる種別など)に、該当する種別のワークWとの整合を図る上でのID(Identification)表示となるものである。尚、本例では、種別表示印36は二箇所に設けられているが、一箇所に設けるようにしてもよいし、あるいは、三箇所以上に分割して設けるようにしても差し支えない。
【0017】
−LED表示板との対比−
図4(b)に示すLED表示板180は、パターンマーカ30と異なり、基板181上に四つのLED182(182a〜182d)を設け、四つのLED182のうち三つのLED182(182a〜182c)を基板181の同一面に設置し、この三つのLED182を頂点とする三角形参照面183に対してhだけ離間した垂線v上に他の一つのLED182(182d)を設置し、前記三角形参照面183とこれの垂線上のLED182(182d)との位置関係から前記三角形参照面183の位置及び姿勢を求めるようにしたものである。尚、符号184はID用LEDである。
このLED表示板180でも、確かに整列トレイ20の位置及び姿勢は認識されるが、LED182を使用するための電源が必要であることから、このような電源が不要である点において本例のパターンマーカ30の方が好ましい。
また、LED表示板180では、四つのLED182を立体的に配置することで位置及び姿勢の認識精度を高める手法を採用しているが、パターンマーカ30では単位パターン印31の夫々は中心位置Cの周囲に順次変化する濃度分布を具備していることから、濃度分布の近似式から濃度分布の中心位置C(濃度の一番高い点)を高精度に算出することが可能である。このため、単位パターン印31に対する認識精度が高いことに伴って、四つの単位パターン印31を同一面に配置したとしても、四つの単位パターン印31の中心位置に相当する頂点の位置を認識することで、図5に示すように、仮に、整列トレイ20がA位置からB位置へ回転角αの回転を伴って変化した場合でも、整列トレイ20の認識基準面である頂部面22の位置及び姿勢が正確に認識される。
尚、本例では、単位パターン印31は同一平面上に四つ設けられているが、これに限られるものではなく、例えば任意の六点に単位パターン印31を設ける等してもよい。つまり、三次元の位置及び姿勢を認識することが可能であれば、適宜選定して差し支えなく、単位パターン印31の数を四以上設けるようにすればよく、また、単位パターン印31の設置箇所については同一平面に限らず、異なる平面にわたって設けるようにしてもよい。
【0018】
−パターンマーカの製造例−
本実施の形態において、パターンマーカ30は、例えば図6に示すように、整列トレイ20の頂部面22の四隅並びに二辺に沿った箇所に夫々取付凹部37を形成し、この取付凹部37に前記単位パターン印31及び種別表示印36が印刷されたラベル38を貼付するようにしたものである。このとき、例えば取付凹部37の深さはラベル38の厚さに相当するように選定され、単位パターン印31及び種別表示印36が認識基準面になる頂部面22と面一になるように設定されている。尚、パターンマーカ30は認識基準面となる頂部面22と面一に設定されているが、必ずしも面一でなくても差し支えない。また、本例では、取付凹部37を介してラベル38を貼付するようにしているが、取付凹部37を介さずに直接認識基準面となる頂部面22に貼付するようにしても差し支えない。
また、本例では、パターンマーカ30の単位パターン印31は、整列トレイ20の頂部面22の縁部からある程度離間して設けることが好ましい。
例えば図7に示すように、単位パターン印31の半径をR、単位パターン印31の最外郭と頂部面22の縁部との間隔をSとすると、S>2Rを満たすことが好ましい。これは、単位パターン印31の中心位置Cを高精度に検出するためのアルゴリズムに基づくもので、単位パターン印31の円パターンにかぶせる検出用の矩形ウィンドウが前記整列トレイ20の頂部面22の縁部(黒い縁取り部分で表示)と重ならないようにS>2Rという関係を満たすようにしたものである。尚、パターンマーカ30について異なる検出アルゴリズムを用いるようにすれば単位パターン印31のレイアウトについては任意に設定できることは勿論である。
【0019】
<カメラの計測位置>
本例では、カメラ40は整列トレイ20のパターンマーカ30を撮像可能にすべき当該パターンマーカ30に対向配置されている。
このとき、カメラ40の計測位置について検討すると、図8(a)〜(c)の態様が挙げられる。
先ず、図8(a)に示す態様は、カメラ40の撮像面中心位置(視野範囲の中心位置)が整列トレイ20のパターンマーカ30のうち四つの単位パターン印31の中心位置を含み、認識基準面である頂部面22に正対した正対計測位置である場合である。
この態様では、カメラ40とパターンマーカ30との間の距離方向の計測精度が低下する懸念がある。
今、図9(a)(b)に示すように、カメラ40がパターンマーカ30に正対している場合、パターンマーカ30の単位パターン印31間の幅寸法をカメラ40で撮像される画像サイズLとし、仮に、整列トレイ20の認識基準面である頂部面22上のパターンマーカ30がθだけ微小に変化したときの画像サイズ変化をL’とすれば、L’=L×cosθという関係を満たす。
このことからすれば、画像サイズ変化L’は当初の画像サイズLよりも小さくなることから、計測精度が低下することが理解される。
【0020】
次に、図8(b)に示す態様は、図8(a)の位置からカメラ40の視野範囲中心位置がパターンマーカ30の四つの単位パターン印31の中心位置から外れるように、パターンマーカ30の面に沿ってカメラ40を平行移動させ、図8(a)の正対計測位置からオフセットした場合である。
この場合には、図8(a)の場合に比べて、カメラ40の計測精度は向上する。但し、パターンマーカ30がカメラ40の視野範囲の中心位置から外れた位置となるため、カメラ40のレンズ歪の影響により計測精度が低下する懸念がある。このとき、レンズ歪補正を行ったとしても、計測精度は低下する傾向にあるため、更に改善策を講ずることが好ましい。
これに対し、図8(c)に示す態様は、カメラ40の撮像面とパターンマーカ30の面(認識基準面である整列トレイ20の頂部面22に相当)とが正対せず、カメラ40の視野範囲中心がパターンマーカ30の四つの単位パターン印31の中心位置に対応して配置されている場合である。これは、図8(c)に示すように、パターンマーカ30の認識基準面に対してカメラ40の撮像面を予め決められた角度だけ傾斜配置したものであり、カメラ40の計測精度は向上する。つまり、図9(a)(b)に示す場合を想定すれば、図8(c)に示す態様は画像サイズL’に傾いたものと仮定することができ、これがθだけ回転して画像サイズ変化がLに至ったものと考えられる。この場合、画像サイズの変化は、L=L’/cosθであることから、θの変化が大きい程、cosθの値の変化が大きくなり、それに従い画像サイズの変化が大きいものとして与えられる。
よって、図8(c)に示す態様ではカメラ40の計測精度が向上することが理解される。
本実施の形態では、カメラ40の計測位置として、図8(a)の正対計測位置と、図8(c)の非正対計測位置とで二段階計測方式が採用される(図11参照)。
【0021】
<ワーク採取処理>
次に、本実施の形態に係る採取処理装置によるワーク採取処理について説明する。
先ず、制御装置60は、図10に示すフローチャートを実行し、カメラ40及びロボット50に対して制御信号を送出する。
同図において、制御装置60は、先ずカメラ40にて整列トレイ20のパターンマーカ30を計測し、この後、整列トレイ20の位置及び姿勢からなる配置情報を認識すると共に、整列トレイ20に収容されている各ワークWの位置及び姿勢からなる配置情報を間接的に認識する。
特に、本実施の形態では、カメラ40による計測方式は、図11(a)に示すように、一段階位置(本例ではホームポジションである正対計測位置P)に位置するカメラ40にて整列トレイ20のパターンマーカ30を計測し、次いで、図11(b)に示すように、ロボットハンド52にて予め決められた高精度計測可能位置としての二段階位置(非正対計測位置P)にカメラ40を移動させ、図11(c)に示すように、二段階位置に位置するカメラ40にて整列トレイ20のパターンマーカ30を高精度計測する。
【0022】
このとき、非正対計測位置Pは、正対計測位置Pに対しカメラの40撮像面とパターンマーカ30の認識基準面とが予め決められた角度βだけ傾斜するように設定されるが、この傾斜角度βの選定については適宜選定して差し支えないが、15°〜75°の範囲が好ましく、計測精度を高めるという点では、特には45°付近に選定することがよい。
但し、例えば図11に示すように、カメラ40がロボットハンド52に取り付けられている態様では、傾斜角度βが大きい程、計測後にロボットハンド52を整列トレイ20のワークW位置まで移動させる距離が大きくなり、生産タクトに影響することから、生産タクトを考慮すれば、計測精度が確保できる範囲で可能な限り傾斜角度βは小さい方が好ましい。
このため、本実施の形態では、整列トレイ20の位置及び姿勢からなる配置情報を認識するに当たって、カメラ40の正対計測位置Pによる計測情報を考慮し、非正対計測位置Pによる計測による計測情報を更に補正し、高精度な計測情報を取得することが可能である。
この後、制御装置60は、ロボットハンド52の移動動作を決定し、図11(d)に示すように、ロボットハンド52にてワークWを所定の部位へ移動させるべく採取(把持)する。
更に、制御装置60は、ロボットハンド52による整列トレイ20のワークWの採取処理が終了したか否かをチェックし、整列トレイWの全てのワークWの採取処理が終了した時点で、空整列トレイ20の回収処理を実施する。
尚、空整列トレイ20の回収処理の詳細例ついては、後述する実施の形態3で説明する。
【0023】
この点、図12(a)に示すように、カメラ40の計測位置を正対計測位置Pに固定的に設置する比較の形態を仮定すると、カメラ40による正対計測位置Pでの計測情報が非正対計測位置Pでの計測情報に比べてラフな精度であることから、その計測精度が不十分である場合には、例えば図12(b)に示すように、ロボットハンド52による把持位置に誤差が生じて整列トレイ20上のワークWを把持できなかったり、逆に、図12(c)に示すように、ロボットハンド52がワークWに対し接近し過ぎて整列トレイ20に衝突してしまう懸念が起こり得る。
【0024】
◎変形の形態1
図13は実施の形態1に係る採取処理装置の変形の形態1の全体構成を示す説明図である。
同図において、採取処理装置の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異なり、カメラ40をロボットハンド52とは切り離して固定的に設けたものである。尚、実施の形態1と同様な要素については、実施の形態1と同様な符号を付し、ここでは詳細な説明を省略する。
本実施の形態においては、整列トレイ20のパターンマーカ30につき撮像可能な非正対計測位置Pにカメラ40を予め設置しておけばよく、カメラ40にてパターンマーカ30を撮像することにより、整列トレイ20の位置及び姿勢からなる配置情報を認識し、これに伴って、整列トレイ20の各ワークWの位置及び姿勢からなる配置情報を間接的に認識することが可能である。
このため、実施の形態1と略同様に、整列トレイ20のワーク採取処理が実施される。
尚、この変形の形態1にあっても、ロボット50とは別に可動支持機構を設け、この可動支持機構にて正対計測位置Pと非正対計測位置Pとで二段階計測するようにしてもよい。
【0025】
◎実施の形態2
図14は実施の形態2に係る物品処理装置としての採取処理装置の全体構成を示す。
同図において、採取処理装置の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、整列トレイ20に付加されるパターンマーカ110の構成が実施の形態1のパターンマーカ30と異なるものである。尚、実施の形態1と同様な要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
本実施の形態において、パターンマーカ110は、図14及び図15(a)(b)に示すように、カード120表面に印刷されており、整列トレイ20の頂部面22の一部(例えば一隅部)に形成された取付凹部23にカード120を固定するようにしたものである。
ここで、パターンマーカ110としては、図16(a)に示すように、カード120の表面の四隅に設けられる例えばグラデーション112からなる単位パターン印111と、カード120表面の二辺に沿って設けられる種別表示印116とを有する態様や、あるいは、図16(b)に示すように、カード120の表面の四隅に設けられる例えばドット113パターンからなる単位パターン印111と、カード120表面の二辺に沿って設けられる種別表示印116とを有する態様が挙げられる。
【0026】
<パターンマーカの固定方法>
パターンマーカ110の固定方法としては以下のものが挙げられる。
図17(a)に示す態様は、整列トレイ20の頂部面22に形成された取付凹部23の周壁に弾性変形可能な押さえ突片130を設け、パターンマーカ110が印刷されたカード120を前記押さえ突片130を弾性変形させながら取付凹部23内に収容し、取付凹部23内のカード120の周囲を押さえ突片130で押さえ込むようにしたものである。尚、本例では、前記押さえ突片130を弾性変形させながら、前記カード120を取り外すことは可能である。
また、図17(b)に示す態様は、整列トレイ20の頂部面22に形成された取付凹部23の底部及びパターンマーカ110が印刷されたカード120の四隅に取付孔131,132を開設し、図示外の止め具にて前記取付凹部23内にカード120を固定するようにしたものである。
更に、図18(a)に示す態様は、紙や樹脂製のラベル140にパターンマーカ110を印刷し、整列トレイ20の取付凹部23の底部にラベル140を貼り付けるようにしたものである。
更にまた、図18(b)に示す態様は、整列トレイ20の頂部面22の取付凹部23の底部にパターンマーカ110を直接印刷するようにしたものである。
【0027】
このように、本実施の形態では、整列トレイ20の一部にパターンマーカ110を設けるようにしたので、カメラ40にて整列トレイ20の一部のパターンマーカ110を計測することにより、整列トレイ20の位置及び姿勢からなる配置情報を認識し、これに基づいて、ワークWの位置及び姿勢からなる配置情報を認識することが可能であり、実施の形態1と同様に、ワークWの採取処理が実施される。
また、本実施の形態では、整列トレイ20の頂部面22の一隅部にパターンマーカ110を設置しているが、パターンマーカ110の設置箇所については適宜変更して差し支えなく、例えば図19(a)に示すように、例えばワークW収容数の多い整列トレイ20にあっては、整列トレイ20の頂部面22の中央付近にパターンマーカ110を設置するようにしたり、あるいは、図19(b)に示すように、整列トレイ20の頂部面22の対角位置にある隅部に一対のパターンマーカ110を設置する等複数のパターンマーカ110を設置するようにしてもよい。
特に、複数のパターンマーカ110を設置する場合には、夫々のパターンマーカ110に対応した部位の位置及び姿勢からなる配置情報を認識することが可能になるため、整列トレイ20の配置情報がより正確に認識される。
【0028】
◎実施の形態3
図20(a)(b)は実施の形態3に係る物品処理装置としての採取処理装置の全体構成を示す。
同図において、採取処理装置は、実施の形態1と略同様に、整列トレイ20に収容されたワークWに対して採取処理すると共に、ワークWの採取処理が完了して空になった空整列トレイ20’を回収処理(採取処理の一態様)するものである。
同図において、符号150はワークWが収容されている整列トレイ(本実施の形態では必要に応じて実トレイと称する)20及びワークWの採取処理が終了して空になった空整列トレイ(本実施の形態では必要に応じて空トレイと称する)20’を置くトレイ置き台であり、このトレイ置き台150上には実トレイ置き場151及び空トレイ置き場152が隣接して確保されている。
また、本実施の形態において、図示外の制御装置は、カメラ40の撮像タイミングを制御すると共に、ロボット50を制御し、実施の形態1と略同様なワークWの採取処理を実施し、更に、図21に示すフローチャートに従って空トレイ回収処理を実施する。
【0029】
次に、本実施の形態に係る採取処理装置による空トレイ回収処理を模式的に示す。
先ず、制御装置は、整列トレイ20内の各ワークWに対して採取処理を順次繰り返す。
そして、制御装置は、図21に示すように、例えばカメラ40で整列トレイ20全体を監視し、所定の整列トレイ20からのワークW採取処理(ワーク取出処理)が全て終了したか否かをチェックし、図22(a)に示すように、整列トレイ20が空トレイ20’に至ったと仮定すると、カメラ40にて実トレイ置き場151の空トレイ20’のパターンマーカ30を二段階計測(正対計測位置による計測+非正対計測位置による計測:図11参照)する(図22(b)参照)。
この結果、制御装置は、空トレイの一及び姿勢からなる配置情報を認識し、ロボットハンド52に空トレイ回収動作を指示し、ロボットハンド52にて空トレイ20’のワーク収容凹部25間の被把持部26を把持し(図23(a)参照)、空トレイ置き場152に前記空トレイ20’を移動させる(図23(b)参照)。
次いで、制御装置は、空トレイ置き場152にて既に回収されて積み重ねられている最上部の空トレイ20’のパターンマーカ30を二段階計測(正対計測位置による計測+非正対計測位置による計測:図11参照)し(図24(a)参照)、当該空トレイ20’の位置及び姿勢からなる配置情報を認識する。
【0030】
この状態において、制御装置は、空トレイ置き場152の配置情報に基づいてロボットハンド52の動きを制御し、空トレイ置き場152に移動した空トレイ20’を既に置いてある空トレイ20’の上に正確に積み重ねる(図24(b)参照)。
このように、本実施の形態では、整列トレイ20の位置及び姿勢からなる配置情報が認識されることから、位置決め機構や空トレイの回収機構等は必要なく、単にトレイ置き台150を用意すれば、空トレイ20’の回収処理が実現される。
尚、本実施の形態では、ワークWの採取処理に加えて、空トレイ20’の回収処理の全てにつき、整列トレイ20,空トレイ20’のパターンマーカ30に対しカメラ40による二段階計測を実施しているが、例えばロボットハンド52による処理精度の高低に応じて、例えばより高精度が要求されるワークWの採取処理については、整列トレイ20のパターンマーカ30に対しカメラ40による二段階計測を実施し、高精度を要するが少しラフ精度でよい空トレイ20’の回収処理については、空トレイ20’のパターンマーカ30に対しカメラ40による一段階計測(正対計測位置による計測又は非正対計測位置による計測)を実施するようにしてもよい。
【0031】
−比較の形態に係る整列トレイによるワーク取出装置−
これに対し、図25に示す比較の形態に係る整列トレイによるワーク取出装置200は、実トレイ20を搬送する実トレイ搬送コンベア201と、空トレイ20’を搬送する空トレイ搬送コンベア202と、実トレイ搬送コンベア201から搬入された実トレイ20をワーク取出ステージにて供給すると共に空トレイ20’になったものを空トレイ搬送コンベア202に回収するように昇降する昇降台203と、前記ワーク取出ステージにて実トレイ20内のワークを取出す取出しロボット205とを備えている。
本例においては、ワーク取出ステージにて実トレイ20の位置決めを高精度に行うために、二方向にて位置決めする位置決め基準部材206,207に対し実トレイ20を二方向から押し付ける位置決め機構208を設けることが必要になるばかりか、空トレイ20’を回収するために昇降台205や空トレイ搬送コンベア202が必要不可欠になり、その分、設備が複雑化する懸念がある。
また、仮に、実トレイ20の位置決めをラフにした場合には、取出しロボット205側に高精度の位置決め機構を設けたり、位置決め用の治具に一旦実トレイ20をセットしてからワークWを再度把持するなど、設備構成が複雑化する懸念がある。
【0032】
◎実施の形態4
図26(a)〜(d)は実施の形態4に係る物品処理装置としての採取処理装置の採取処理過程を模式的に示す説明図である。
本実施の形態において、採取処理装置の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異なり、採取対象物品としてのワークWにパターンマーカ170を付加したものである。
ここで、パターンマーカ170としては、実施の形態1〜3に示す各種方式(ラベル式やカード式など)で付加するようにしても差し支えないが、これに限られるものではなく、例えば本実施の形態のように、ワークWの表面に例えば型成形時に表面刻印模様としてパターンマーカ170を施すことは可能である。
この場合、パターンマーカ170は、例えばコーナーキューブ(立方体内面の隅の性質を利用した光などを元の方向へ反射する器具)のように、再帰反射を利用して必要な各機能部(単位パターン印、種別表示印)を構成し、カメラ40に撮像可能とすればよい。
【0033】
次に、本実施の形態に係る採取処理装置によるワーク採取処理について説明する。
本実施の形態では、図示外の制御装置は、図26(a)〜(c)に示すように、先ずカメラ40にてワークWに形成されたパターンマーカ170を二段階計測(正対計測位置Pによる計測+非正対計測位置Pによる計測)し、この後、ワークWの位置及び姿勢からなる配置情報を直接認識する。
本例では、ワークWの位置及び姿勢からなる配置情報を認識するに当たって、カメラ40の正対計測位置Pによる計測情報を考慮し、非正対計測位置Pによる計測による計測情報を更に補正し、高精度な計測情報を取得することが可能である。
この後、図示外の制御装置は、ロボットハンド52の移動動作を決定し、図26(d)に示すように、ロボットハンド52にてワークWを所定の部位へ移動させるべくワークWを採取(把持)する。
【0034】
◎実施の形態5
図27は実施の形態5に係る物品処理装置としての採取処理装置で用いられる採取対象物品の認識構造を示す。
同図において、採取対象物品であるワークとしては、例えば電子写真方式の画像形成装置において用いられるトナーを供給するためのトナーカートリッジ160が挙げられている。
このトナーカートリッジ160は、トナーが収容されるトナー容器161を有し、このトナー容器161の一側面162にパターンマーカ170を付加したものである。
本例において、パターンマーカ170は、トナー容器161の一側面162の一部に正方形領域Uの頂点に対応する四箇所に単位パターン印171を設けると共に、前記正方形領域Uの二辺に沿って種別表示印176を設けたものである。
ここで、単位パターン印171及び種別表示印176はラベルやカードに付加して取り付けるようにしてもよいが、本例では、型成形時の表面刻印模様として形成されており、例えばコーナーキューブ(立方体内面の隅の性質を利用した光などを元の方向へ反射する器具)のように、再帰反射を利用して必要な各機能部がトナー容器161に直接刻印されて設けられている。特に、単位パターン印171は例えばドット173の大きさや配置関係を変えるドットパターンによって、中心位置Cが高濃度領域174で周囲に向かって次第に低下する濃度分布を有するものとして構成されている。また、種別表示印176はトナーの色や種類を種別するために設けられるものであって、例えばバーコード形式や符号形式にて構成されている。
このようなパターンマーカ170をトナーカートリッジ160に付加するようにすれば、トナーカートリッジ160の一及び姿勢からなる配置情報を認識することが可能になるため、例えばロボットにてトナーカートリッジ160を自動装着するようなシステムが容易に構築される。
【0035】
また、トナー容器161の一側面162にパターンマーカ170を設ける態様では、図28に示すように、単位パターン印171はトナー容器161の一側面162の周縁部やテーパ部などの段差部163との間にある程度の空間領域Qを確保することが好ましい。これは、単位パターン印171の中心位置Cを高精度に検出するためのアルゴリズムに基づくもので、単位パターン印171の円パターンにかぶせる検出用の矩形ウィンドウが前記段差部163と重ならないようにS>2Rという関係を満たすようにしたものである。尚、パターンマーカ170について異なる検出アルゴリズムを用いるようにすれば単位パターン印171のレイアウトについては任意に設定できることは勿論である。
更に、トナーカートリッジ160に対しパターンマーカ170を形成する箇所については、必ずしもトナー容器161の一側面162である必要はなく、例えば図29(b)に示すように、トナー容器161の一端部164にパターンマーカ170を設けるようにしてもよい。この場合、例えば図29(a)に示すように、整列収容箱190に多数のトナーカートリッジ160を生産ライン等で整列収容した場合であっても、整列収容箱190に収容されているトナーカートリッジ160の位置及び姿勢からなる配置情報を正確に認識することが可能になる。
【0036】
◎実施の形態6
図30は実施の形態6に係る物品処理装置としての組立処理装置の全体構成を示す説明図である。
<組立処理装置の全体構成>
同図において、組立処理装置は、組立パレット(組立基台に相当)80上の予め決められた部位に組付受部品70を配置し、この組付受部品70に組付部品100を組み付けるようにしたものである。
本実施の形態において、組立処理装置は、前記組立パレット80に位置及び姿勢からなる配置情報を認識するために設けられた認識表示体としてのパターンマーカ30と、この組立パレット80のパターンマーカ30を撮像するカメラ40と、前記組立パレット80の組付受部品70に対し組付部品100を所定部位まで移動させるロボット50と、前記カメラ40の撮像タイミングを制御し、前記カメラ40からの撮像情報を入力して前記組立パレット80の位置及び姿勢からなる配置情報を認識すると共に、この認識した配置情報に基づいて後述する図10のフローチャートに従ってロボット50の動きを制御する制御装置60とを備えている。
本例では、組立パレット80は、図30及び図31(a)に示すように、搬送コンベア85に沿って移動する板状のパレット本体81を有し、このパレット本体81の予め切れられた部位に前記組付受部品70を位置決め固定したものである。
また、ロボット50は多軸関節にて可動するロボットアーム51の先端に把持動作可能なロボットハンド52を有し、モーションキャプチャ等の入力軌跡情報に従ってロボットハンド52による処理動作を教示すると共に、前記カメラ40からの撮像情報に基づいて前記ロボットハンド52による処理動作に補正を施すようにしたものである。
本例では、ロボットハンド52に組付部品100が把持され、組立パレット80上の組付受部品70に対し組付部品100が組付けられるようになっている。尚、本例の組付受部品70は組付用凹部71を有しており、この組付用凹部71に前記組付部品100が嵌り込んで組み付けられるものである。
そして、本例では、前記カメラ40はロボットハンド52の一部に固着され、ロボットハンド52によって予め決められた計測位置に設置されるようになっている。
【0037】
<パターンマーカ>
本実施の形態において、パターンマーカ30は、図31(a)に示すように、組立パレット80のパレット本体81の頂部面82を認識基準面とし、この頂部面82の四隅に設けられる単位パターン印31と、パレット本体81の頂部面82の隣接する二辺に沿って設けられる種別表示印36とを有している。
ここで、単位パターン印31の一つの代表的態様は、例えば図31(b)に示すように、中心位置Cが最も高濃度で周辺に向かって順次薄く変化する濃度パターンPcのグラデーション32として表示されている(図3(b)参照)。
また、単位パターン印31の別の代表的態様は、中心位置Cが最も密にドット33が分布して高濃度領域34を形成し且つ周囲に向かってドット33の分布が次第に粗くなって低濃度領域35を形成するドットパターンとして表示されている(図3(b)参照)。この場合、ドット33の直径サイズ及びドット同士の間隔、配置位置を変えることで濃度分布を持たせることが可能である。
特に、ドットパターン方式は、インクジェットや電子写真方式の画像形成装置を利用した印刷により容易に形成される点で好ましい。
一方、種別表示印36は、例えば組立パレット80に配置すべき組付受部品70が複数の種類ある場合(例えば色による種別や、サイズによる種別など)に、該当する種別の組付受部品70との整合を図る上でのID(Identification)表示となるものである。また、本例では、種別表示印36は二箇所に設けられているが、一箇所に設けるようにしてもよいし、あるいは、三箇所以上に分割して設けるようにしても差し支えない。
尚、パターンマーカ30の製造例や、カメラ40の計測方式になどについては実施の形態1と略同様である。
【0038】
<組立処理>
次に、本実施の形態に係る組立処理装置による組立処理(組立受部品への組付部品の組付処理)について説明する。
先ず、制御装置60は、図32に示すフローチャートを実行し、カメラ40及びロボット50に対して制御信号を送出する。
同図において、制御装置60は、先ずカメラ40にて組立パレット80のパターンマーカ30を二段階計測(正対計測位置による計測+非正対計測位置による計測)し、この後、組立パレット80の位置及び姿勢からなる配置情報を認識すると共に、組立パレット80に位置決めされている組付受部品70の位置及び姿勢からなる配置情報を間接的に認識する。
この後、制御装置60は、ロボットハンド52の移動動作を決定し、ロボットハンド52にて組付部品100を所定の部位へ移動させるべく把持する。
この後、制御装置60は、ロボットハンド52にて組立パレット80上の組付受部品70に対して組付部品100を組付け、当該組付動作が終了した時点でロボットハンド52を予め決められた退避位置(例えばホームポジション)に退避させる。
【0039】
−組立パレットの位置精度−
このような組立処理において、組立パレット80は組立処理ステージに到達すると停止させることが必要である。この種の停止構造としては、例えば図33(a)(b)に示すように、搬送コンベア85の予め決められた部位に出没自在なストッパ86を設けると共に、このストッパ86に対向する組立パレット80の縁部にはV字状のストッパ溝87を設け、このストッパ溝87にストッパ86を当接させるようにすればよい。
このとき、図33(b)に示すように、組立パレット80がストッパ86を支点として回転角θ1だけ回転ずれを生じたり、あるいは、図33(c)に示すように、搬送コンベア85の位置精度に伴って組立パレット80の姿勢が水平姿勢からある程度傾く懸念があり、組立パレット80の停止時の位置精度はある程度ラフになる。
しかしながら、仮に、組立パレット80が回転角θ1の回転ずれを生じたり、搬送コンベア85上で傾斜角θ2にて傾斜配置されたとしても、カメラ40にて組立パレット80のパターンマーカ30を撮像することにより、組立パレット80の位置及び姿勢からなる配置情報が認識されることため、組立パレット80の回転ずれ量や傾き量について、ロボット50にフィードバックすることにより、組立パレット80上の組付受部品70に対し組付部品100は正確に組み付けられる。
【0040】
−比較の形態に係る組立パレットの位置決め、停止機構−
また、搬送コンベア85を流れる組立パレット80’を工程毎に停止させて組立作業を行うに当たり、組立パレット80’を高精度で位置決めする手法としては、図34(a)に示すように、組立パレット80’の搬送方向側にストッパ86’を設けると共に、組立パレット80’の搬送方向に交差する交差方向に対し一対の位置決め部材88’を設け、組立パレット80’を3点方向から位置決め拘束する態様を採用するか、あるいは、図34(b)に示すように、前記ストッパ86’に加えて、昇降機構89’にて前記ストッパ86’で停止させた組立パレット80’を搬送コンベア85から上昇させて配置する態様が挙げられるが、これらは装置構成上複雑化するという懸念がある。
このように、本実施の形態に係る組立パレット80を用いた組立処理によれば、比較の形態のように装置構成上複雑にすることなく、組立パレット80の位置及び姿勢からなる配置情報を正確に認識することが可能であるため、この組立パレット80の配置情報をロボット50側にフィードバックすることで、組立パレット80上の組付受部品70に対する組付部品100の組付位置が正確に割り出される点で好ましい。
【0041】
◎変形の形態6−1
図35(a)は実施の形態6に係る組立処理装置の変形の形態6−1の要部を示す。
同図において、組立処理装置の基本的構成は、実施の形態6と略同様であるが、組立パレット80に付加されるパターンマーカ110の構成が実施の形態6のパターンマーカ30と異なるものである。尚、実施の形態6と同様な要素については実施の形態6と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
本実施の形態において、パターンマーカ110は、図35(a)に示すように、カード120表面に印刷されており、組立パレット80の頂部面82の一部(例えば一隅部)に形成された取付凹部83にカード120を固定するようにしたものである。
ここで、パターンマーカ110としては、例えば図16(a)に示すように、カード120の表面の四隅に設けられる例えばグラデーション112からなる単位パターン印111と、カード120表面の二辺に沿って設けられる種別表示印116とを有する態様や、あるいは、図16(b)に示すように、カード120の表面の四隅に設けられる例えばドット113パターンからなる単位パターン印111と、カード120表面の二辺に沿って設けられる種別表示印116とを有する態様が挙げられる。
尚、パターンマーカ110の固定方法やレイアウトについては、図17〜図19に示す態様と同様に適宜設計変更して差し支えない。
【0042】
◎変形の形態6−2
図36(a)(b)は実施の形態6に係る組立処理装置の変形の形態6−2の要部を示す説明図である。
この変形の形態6−2は、カメラ40とロボット50とを切り離し、非正対計測位置にカメラ40を固定的に設置し、組立パレット80上のパターンマーカ30を高精度に計測するようにしたり、ロボット50とは別の可動支持機構にて支持する等適宜設計変更して差し支えない。
◎変形の形態6−3
図37(a)(b)は実施の形態6に係る組立処理装置の変形の形態6−3の要部を示す説明図である。
この変形の形態6−3は、組立パレット80の頂部面82の隅部にパターンマーカ110の付されたカード120を傾斜支持台145を介して水平方向に対し傾斜角θだけ傾斜配置する一方、前記組立パレット80の頂部面82に撮像面が対向するようにカメラ40を設置し、カメラ40の撮像面とカード120上のパターンマーカ110面とが非正対しないようにしたものである。
本態様にあっても、実施の形態6や変形の形態6−1,6−2に示す態様と同様に、組立パレット80のパターンマーカ110面に対してカメラ40の撮像面をθだけ傾斜配置したことになるため、この非正対計測位置にてパターンマーカ110を計測した場合には、パターンマーカ110の配置情報につき高精度の計測結果が得られる。
【0043】
◎実施の形態7
図38は実施の形態8に係る物品処理装置としての組立処理装置の全体構成を示す説明図である。
<組立処理装置の全体構成>
同図において、組立処理装置は、図示外の組付受部品に対し組付部品100を自動組付けし、その組付け状態を検査するものである。
本実施の形態では、組立処理装置は、組付部品100に位置及び姿勢からなる配置情報を認識するために設けられた認識表示体としてのパターンマーカ30と、この組付部品100のパターンマーカ30を撮像するカメラ40と、組付部品100を把持し且つ組付受部品に対して前記組付部品100を組付ける支持機構としてのロボット50と、前記カメラ40の撮像タイミングを制御し、前記カメラ40からの撮像情報を入力して前記組付部品100の位置及び姿勢からなる配置情報を認識すると共に、この認識した配置情報に基づいて後述する図40に示すフローチャートに従ってロボット50の動きを制御する制御装置60とを備えている。
本例では、ロボット50は多軸関節にて可動するロボットアーム51の先端に把持動作可能なロボットハンド52を有し、モーションキャプチャ等の入力軌跡情報に従ってロボットハンド52による処理動作を教示すると共に、前記カメラ40からの撮像情報に基づいて前記ロボットハンド52による処理動作に補正を施すようにしたものである。
そして、本例では、前記カメラ40はロボットハンド52の一部に固着され、ロボットハンド52によって予め決められた計測位置に設置されるようになっている。
また、組付部品100は用途に応じて任意に選定されるが、本実施の形態では、例えば略直方体状の部品本体101の底部に一対の位置決め脚部103を有し、組付受部品70(図41参照)の位置決め凹部73に挿入される形で組付けられるようになっている。
【0044】
<パターンマーカ>
本実施の形態において、パターンマーカ30は、図39(a)(b)に示すように、組付部品100の部品本体101の頂部面102を認識基準面とし、この頂部面102の四隅に設けられる単位パターン印31と、部品本体101の頂部面102の隣接する二辺に沿って設けられる種別表示印36とを有している。尚、図39(a)中、符号70は組付受部品を指す。
ここで、単位パターン印31の一つの代表的態様は、例えば図39(c)及び図4(a)に示すように、中心位置Cが最も高濃度で周辺に向かって順次薄く変化する濃度パターンPcのグラデーション32として表示されている。
また、単位パターン印31の別の代表的態様は、図39(d)及び図4(a)に示すように、中心位置Cが最も密にドット33が分布して高濃度領域34を形成し且つ周囲に向かってドット33の分布が次第に粗くなって低濃度領域35を形成するドットパターンとして表示されている。この場合、ドット33の直径サイズ及びドット同士の間隔、配置位置を変えることで濃度分布を持たせることが可能である。
特に、ドットパターン方式は、インクジェットや電子写真方式の画像形成装置を利用した印刷により容易に形成される点で好ましい。
一方、種別表示印36は、例えば組付受部品70が複数の種類ある場合(例えば色による種別や、サイズによる種別など)に、該当する種別の組付受部品との整合を図る上でのID(Identification)表示となるものである。また、本例では、種別表示印36は二箇所に設けられているが、一箇所に設けるようにしてもよいし、あるいは、三箇所以上に分割して設けるようにしても差し支えない。
尚、パターンマーカ30の製造例や、カメラ40の計測方式になどについては実施の形態1と略同様である。
【0045】
<組立処理>
次に、本実施の形態に係る組立処理装置による組立処理について説明する。
−組付部品の組付処理−
先ず、制御装置60は、図40に示すフローチャートを実行し、カメラ40及びロボット50に対して制御信号を送出する。
同図において、制御装置60は、先ずカメラ40にて組付前の組付部品100のパターンマーカ30を二段階計測(正対計測位置による計測+非正対計測位置による計測)し(図41の部品認識過程参照)、この後、組付前の組付部品100の位置及び姿勢からなる配置情報を認識する。
この後、制御装置60は、ロボットハンド52の移動動作を決定し、ロボットハンド52にて組付部品100を把持する(図41の部品把持過程を参照)と共に、ロボットハンド52にて組付受部品70に組付部品100を組付ける(図41の部品組付過程参照)。
この後、制御装置60は、ロボットハンド52による組付部品20の組付処理動作を終了したものと判断し、ロボットハンド52を予め決められた退避位置に退避させる。
【0046】
−組付部品の組立検査−
次いで、制御装置60は、カメラ40にて組付後の組付部品のパターンマーカ30を二段階計測(正対計測位置による計測+非正対計測位置による計測)し、組付後の組付部品100の位置及び姿勢に関する配置情報を認識する(図41の部品確認過程参照)。
そして、計測値が予め定めた許容レベルか否かをチェックし、許容レベル内であれば組立検査は良好(OK)と判断し、一方、許容レベルを超える場合には組立検査は不良(NG)と判断する。
より具体的には、図42(a)に示すように、カメラ40がパターンマーカ30の各単位パターン印31の撮像情報からZ軸方向の位置データを取得することで、Z軸方向の浮き(ΔZ)を算出することができる。
また、図42(b)に示すように、カメラ40がパターンマーカ30の各単位パターン印31の撮像情報からY軸回りの位置データを取得することで、Y軸回りの傾き(θy)を算出することができる。
更に、図42(c)に示すように、カメラ40がパターンマーカ30の各単位パターン印31の撮像情報からX軸方向、Y軸方向の位置データを取得することで、X軸方向、Y軸方向の位置ずれ(ΔX、ΔY)を算出することができる。
更にまた、図42(d)に示すように、カメラ40がパターンマーカ30の各単位パターン印31の撮像情報からZ軸回りの位置データを取得することで、Z軸回りの回転ずれ(θz)を算出することができる。
【0047】
<比較の形態による組付部品の組立検査>
図43(a)は組付部品100’にパターンマーカを付さない比較の形態を示し、図43(b)に示すように、組付受部品70’に組付部品100’が正常に組付けられれば、組付部品100’が例えばZ軸方向に浮いたり、Y軸回りに傾くことはない。
しかしながら、組付受部品70’に対して組付部品100’が正常に組付けられない場合には、例えば図44(a)に示すように、Z軸方向の変位センサ(例えば非接触式のレーザ変位センサ又は接触式の変位センサ)211にてZ軸方向の位置データを取得することで、Z軸方向の浮き(ΔZ)を算出する必要がある。
また、図44(b)に示すように、X軸方向及びY軸方向に離間した2台のZ軸方向の変位センサ(非接触式のレーザ変位センサ又は接触式変位センサ)212,213からの計測値の差分に基づいてX軸回りの傾きθx、Y軸回りの傾きθyを算出する必要がある。
更に、図44(c)に示すように、X軸方向、Y軸方向の変位センサ(例えば非接触式のレーザ変位センサ又は接触式の変位センサ)214,215にてX軸方向、Y軸方向の位置データを取得することにで、X軸方向の位置ずれ(ΔX)、Y軸方向の位置ずれ(ΔY)を算出する必要がある。
更にまた、図44(d)に示すように、例えばX軸方向に離間したY軸方向の変位センサ(例えば非接触式のレーザ変位センサ又は接触式の変位センサ)216,217からの計測値の差分に基づいてZ軸回りの回転ずれθzを算出する必要がある。
このように、夫々の変位を算出するには、一部共用することは可能かも知れないが、多くの変位センサ211〜217を要することから、設備構成が複雑化する懸念がある。
【0048】
◎実施の形態8
図45は実施の形態8に係る物品処理装置としての組立処理装置の要部を示す説明図である。
本実施の形態において、組立処理装置の基本的構成は、実施の形態7と略同様であるが、実施の形態7と異なり、組付受部品70の頂部面72にも、組付部品100のパターンマーカ30と略同様な構成のパターンマーカ230が設けられている。本例では、パターンマーカ230は、頂部面72の四隅に設けられる単位パターン印231と、頂部面72の二辺に沿って設けられる種別表示印236とを有している。
そして、本例では、カメラ40が組付部品100のパターンマーカ30を撮像すると共に、組付受部品70のパターンマーカ230をも撮像するようになっており、実施の形態7と同様な制御装置60は図46に示すフローチャートに従ってカメラ40及びロボット50(実施の形態6参照)を制御するものである。
【0049】
次に、図46に基づいて本実施の形態の組立処理装置の作動について説明する。
先ず、制御装置60は、図46に示すフローチャートを実行し、カメラ40及びロボット50に対して制御信号を送出する。
同図において、制御装置60は、先ずカメラ40にて組付前の組付部品100のパターンマーカ30を二段階計測(正対計測位置による計測+非正対計測位置による計測)し(図47の部品認識過程参照)、この後、組付前の組付部品100の位置及び姿勢からなる配置情報を認識する。
この後、制御装置60は、ロボットハンド52の移動動作を決定し、ロボットハンド52にて組付部品20を把持する(図47の部品把持過程を参照)。
次いで、制御装置60は、カメラ40にて組付受部品70のパターンマーカ230を二段階計測し、組付受部品70の位置及び姿勢からなる配置情報を認識すると共に、ロボットハンド52の移動動作を補正し、ロボットハンド52にて組付受部品70に組付部品100を組付ける(図47の部品組付過程を参照)。
この後、制御装置60は、ロボットハンド52による組付部品20の組付処理動作を終了したものと判断し、ロボットハンド52を予め決められた退避位置に退避させる。
【0050】
次いで、制御装置60は、カメラ40にて組付後の組付部品100、組付受部品70のパターンマーカ30、230を二段階計測し、組付後の組付部品100、組付受部品70の位置及び姿勢に関する配置情報を認識する(図47の部品確認過程参照)。
そして、両者の相対位置関係から、計測値が予め定めた許容レベルか否かをチェックし、許容レベル内であれば組立検査は良好(OK)と判断し、一方、許容レベルを超える場合には組立検査は不良(NG)と判断する。
特に、本実施の形態では、組付受部品70についても、位置及び姿勢の配置情報を認識するので、組付受部品70への組付部品100の組付精度が良好に保たれるばかりが、組付け後の組立検査過程でも、組付部品100及び組付受部品70の相対位置関係が認識されることから、組付受部品70に対する組付部品100の組付け状態が実施の形態7よりも正確に検査される。
尚、本実施の形態では、組立検査過程で組付受部品70の位置及び姿勢に関する配置情報をも認識するようにしているが、組付受部品70へ組付部品100を組付ける際に、組付受部品70の位置及び姿勢に関する配置情報を認識するようにしているため、組立検査過程では、組付受部品70の配置情報の認識処理を省略してもよい。
【0051】
◎実施の形態9
図48(a)は実施の形態9に係る物品処理装置としての組立処理装置の要部を示す。
同図において、組立処理装置は、実施の形態8と略同様であるが、実施の形態8と異なり、組立治具(組立基台に相当)300の予め決められた部位に組付受部品70を位置決めし、前記組立治具300の一部にパターンマーカ230と同様なパターンマーカ310を設けるようにしたものである。
本実施の形態において、パターンマーカ310はカード320表面に印刷されており、組立治具300の頂部面301の一部に形成された取付凹部302にカード320を固定するようにしたものである。
ここで、パターンマーカ310としては、図48(a)に示すように、カード320の表面の四隅に設けられる例えばグラデーションからなる単位パターン印311と、カード320表面の二辺に沿って設けられる種別表示印316とを有する態様や、あるいは、カード320の表面の四隅に設けられる例えばドットパターンからなる単位パターン印311と、カード320表面の二辺に沿って設けられる種別表示印316とを有する態様が挙げられる。尚、パターンマーカの固定方法などは適宜選定して差し支えない。
【0052】
このように、本実施の形態では、組立治具300にパターンマーカ310を設けるようにしたので、カメラ40にて組立治具300のパターンマーカ310を計測することにより、組立治具300の位置及び姿勢に関する配置情報を認識し、これに基づいて、組付受部品70の位置及び配置情報を認識することが可能である。このため、組付受部品70に組付部品100を組付けるに当たり、組付受部品70に対する組付部品100の組付処理が正確に行われる。
また、組付受部品70に対する組付部品100の組付けが完了した後、組付部品100のパターンマーカ30及び組立治具300のパターンマーカ310を計測することで、組付部品100及び組立治具300の位置及び姿勢からなる配置情報に基づいて、組付部品0及び組付受部品70の相対位置関係を認識し、もって、組付受部品70に対する組付部品100の組付け状態をチェックすることが可能である。
尚、本実施の形態では、図48(a)に示すように、組立治具300の頂部面301の一部の取付凹部302にパターンマーカ310を設けるようにしているが、これに限られるものではなく、図48(b)に示すように、組立治具300の頂部面301の四隅及び二辺に沿ってパターンマーカ310(単位パターン印311+種別表示印316)を設けるようにしてもよいことは勿論である。
【0053】
◎実施の形態10
図49(a)(b)はコネクタ装置の挿入状態を検査するための組立検査装置の要部を示す。
図49(a)はコネクタ装置350の要素である雄コネクタ351と雌コネクタ352とが未挿入な状態を示す説明図、同図(b)は両者が挿入された状態を示す説明図である。
本例では、雄コネクタ351及び雌コネクタ352の同じ側に位置する一側面には夫々パターンマーカ360,370が設けられている。これらのパターンマーカ360,370はいずれも一側面の四隅に設けられる単位パターン印361,371と、一側面の二辺に沿って設けられる種別表示印366,376とを有する。
これらのパターンマーカ360,370は、図49(b)に示すように、雌コネクタ352に雄コネクタ351が挿入組付けられた後にカメラ40にて二段階計測(正対計測位置による計測+非正対計測位置による計測)又は非正対計測位置による高精度計測される。
そして、図示外の制御装置は、計測された撮像情報に基づいて、雄コネクタ351及び雌コネクタ352のパターンマーカ360,370の位置及び姿勢からなる配置情報を認識し、両者の相対位置関係を演算することで両者の組付け状態をチェックする。
尚、雄コネクタ351、雌コネクタ352の夫々のパターンマーカ360,370に異なる種別表示印(ID)を割り付けることで夫々の雄コネクタ351,雌コネクタ352の配置情報を正確に認識することが可能である。
また、本実施の形態では、雄コネクタ351、雌コネクタ352に夫々パターンマーカ360,370を設けるようにしているが、例えばプリント基板355上の予めきめられた部位に雌コネクタ352が設けられる態様では、雌コネクタ352に変えてプリント基板355にパターンマーカを設け、これと雌コネクタ352に挿入組付けされた雄コネクタ351のパターンマーカ360とで両者の相対位置関係を認識するようにしても差し支えない。
【実施例】
【0054】
◎実施例1
実施の形態1に係る物品処理装置としての採取処理装置を用い、カメラの傾きを変化させた際のカメラの移動距離と測定誤差(カメラ移動距離と測定値との差)との関係を調べたところ、図50に示す結果が得られた。
図50において、カメラの傾きが0°とは、カメラの撮像面と整列トレイのパターンマーカが形成された面とが平行である態様(正対計測位置に相当)を指し、カメラの傾きが15°、30°とは、整列トレイのパターンマーカに対してカメラの撮像面が15°、30°傾いている態様(正対計測位置に対して非正対計測位置に相当)を指す。
同図によれば、正対計測位置による計測では、カメラの移動距離が大きくなることに伴って測定誤差が大きく現れるのに対し、非正対計測位置による計測では、カメラの移動距離が大きくなっても、測定誤差は小さく抑えられていることが理解される。
尚、本例では、非正対計測位置として、カメラの傾きが15°、30°の例を示しているが、45°について同様に行ったところ、更に測定誤差が小さく抑えられることが確認された。
【符号の説明】
【0055】
1…認識対象物品,2…処理対象物品,5…撮像具,6…支持機構,7…配置情報認識部,8…制御部,9…処理機構,11…認識基準面,12…認識表示体,13…単位パターン印,14…種別表示印,C…中心位置,Pc…濃度パターン,P…正対計測位置,P…非正対計測位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
認識対象物品に設けられ、中心位置から周囲に向かって濃度パターンが順次変化するように形成される単位パターン印を予め決められた位置関係で四以上有する認識表示体と、
前記認識対象物品に対向配置されて前記認識表示体を撮像する撮像具と、
この撮像具の撮像面とこの撮像具の視野範囲に入る前記認識対象物品に設けられた認識表示体面とが正対しない非正対計測位置に少なくとも前記撮像具を設置可能とするように前記撮像具を支持する支持機構と、
前記非正対計測位置に配置された撮像具にて撮像された認識表示体の撮像情報を少なくとも用い、前記認識対象物品の位置及び姿勢に関する配置情報を認識する配置情報認識部と、
を備えたことを特徴とする物品認識装置。
【請求項2】
請求項1記載の物品認識装置において、
認識表示体は単位パターン印の濃度パターン変化を点像で表示するものであることを特徴とする物品認識装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の物品認識装置において、
認識表示体は認識対象物品の同一平面上に四つの単位パターン印を有することを特徴とする物品認識装置。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれかに記載の物品認識装置において、
認識表示体は認識対象物品に着脱自在に装着されるカードに表示されていることを特徴とする物品認識装置。
【請求項5】
請求項1ないし4いずれかに記載の物品認識装置において、
認識表示体は、4以上の単位パターン印と、認識対象物品の位置及び姿勢に関する配置情報以外の種別情報を認識するための種別表示印とを有することを特徴とする物品認識装置。
【請求項6】
請求項1ないし5いずれかに記載の物品認識装置において、
支持機構は、前記認識対象物品に設けられた認識表示体が撮像具の視野範囲に入って俯瞰可能に計測される第一の計測位置と、前記認識表示体が撮像具の視野範囲に入り且つ前記第一の計測位置よりも高精度に計測される非正対計測位置からなる第二の計測位置とに撮像具を移動させ、夫々の計測位置にて前記認識表示体を計測することを特徴とする物品認識装置。
【請求項7】
請求項6記載の物品認識装置において、
支持機構は、撮像具の撮像面とこの撮像具の視野範囲に入る前記認識対象物品に設けられた認識表示体面とが正対する正対計測位置からなる第一の計測位置を有することを特徴とする物品認識装置。
【請求項8】
請求項6又7記載の物品認識装置において、
配置情報認識部は、第一の計測位置の撮像具による撮像情報に基づいて認識対象物品の認識表示部の位置及び姿勢からなる配置情報を算出し、この算出結果に基づいて支持機構により撮像具が移動させられる第二の計測位置を決定し、この第二の計測位置の撮像具による撮像情報に基づいて認識表示体の位置及び姿勢からなる配置情報を認識することを特徴とする物品認識装置。
【請求項9】
請求項1ないし8いずれかに記載の物品認識装置と、
この物品認識装置にて認識された認識対象物品の位置及び姿勢に関する配置情報に基づいて制御信号を生成し、認識対象物品と同一又は認識対象物品に対して予め決められた位置関係にある処理対象物品に対する処理動作を制御する制御部と、
この制御部にて生成された制御信号に基づいて処理対象物品に対する処理動作を実施する処理機構と、
を備えたことを特徴とする物品処理装置。
【請求項10】
請求項9記載の物品処理装置において、
処理機構は、撮像具の支持機構を兼用することを特徴とする物品処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【公開番号】特開2011−209064(P2011−209064A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−76238(P2010−76238)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】