説明

現像装置、トナー粒子担持ローラ、画像形成装置、画像形成システム、及び、トナー粒子担持ローラの製造方法

【課題】トナー粒子の変形等を抑制できる現像装置、トナー粒子担持ローラ、画像形成装置、画像形成システム、及び、トナー粒子担持ローラの製造方法を実現することにある。
【解決手段】(a1)その表面にトナー粒子を担持し、該トナー粒子によって像担持体に担持された潜像を現像するトナー粒子担持ローラであって、(a2)前記表面に設けられた凸部であって、平坦な部分を有する頂面を備え、かつ、該頂面の幅が前記トナー粒子の体積平均粒径以上である凸部、を有するトナー粒子担持ローラ、(b)を備えたことを特徴とする現像装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置、トナー粒子担持ローラ、画像形成装置、画像形成システム、及び、トナー粒子担持ローラの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザビームプリンタ等の画像形成装置は既によく知られている。かかる画像形成装置は、例えば、潜像を担持するための像担持体と、現像剤(トナー粒子)によって前記像担持体に担持された潜像を現像する現像装置と、を有している。そして、画像形成装置は、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号等が送信されると、現像装置を像担持体と対向する現像位置に位置決めし、像担持体に担持された潜像を、現像装置内のトナー粒子で現像してトナー像を形成し、該トナー像を媒体に転写して、最終的に媒体に画像を形成する。
【0003】
上記の現像装置は、像担持体に担持された潜像を現像するという既述の機能等を実現するために、その表面にトナー粒子を担持し、該トナー粒子によって像担持体に担持された潜像を現像するトナー粒子担持ローラを有している。また、現像装置の中には、トナー粒子を適切に担持すべく、トナー粒子担持ローラの表面に凸部が形成されたものがある。
【特許文献1】特開2003−263018号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、トナー粒子担持ローラの表面に凸部が形成されている場合には、該凸部の形状によって、凸部から該トナー粒子の局部に力が作用することがある。例えば、前記凸部が尖っている場合には、該凸部がトナー粒子に接触する際に、凸部からトナー粒子の局部に力が集中して作用することがある。このように、凸部からトナー粒子の局部に力が集中して作用すると、該力に起因して、トナー粒子が変形したり、トナー粒子が割れる恐れがある。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、トナー粒子の変形等を抑制できる現像装置、トナー粒子担持ローラ、画像形成装置、画像形成システム、及び、トナー粒子担持ローラの製造方法を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、主たる本発明は、(a1)その表面にトナー粒子を担持し、該トナー粒子によって像担持体に担持された潜像を現像するトナー粒子担持ローラであって、(a2)前記表面に設けられた凸部であって、平坦な部分を有する頂面を備え、かつ、該頂面の幅が前記トナー粒子の体積平均粒径以上である凸部、を有するトナー粒子担持ローラ、(b)を備えたことを特徴とする現像装置である。
【0007】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
【0009】
(a1)その表面にトナー粒子を担持し、該トナー粒子によって像担持体に担持された潜像を現像するトナー粒子担持ローラであって、(a2)前記表面に設けられた凸部であって、平坦な部分を有する頂面を備え、かつ、該頂面の幅が前記トナー粒子の体積平均粒径以上である凸部、を有するトナー粒子担持ローラ、(b)を備えたことを特徴とする現像装置。
このような現像装置によれば、平坦な部分を有し、かつ、その幅がトナー粒子の体積平均粒径以上である頂面が、トナー粒子に接触する際に、凸部(頂面)からトナー粒子に力が分散して作用する。このため、上記の現像装置によれば、凸部からトナー粒子の局部に力が集中して作用することを抑制できるから、該力に起因するトナー粒子の変形等を抑制することが可能となる。
【0010】
また、かかる現像装置であって、前記トナー粒子担持ローラは、前記表面を備えた円筒部を有し、該円筒部は、単一の材料から成ることとしてもよい。
かかる場合には、簡易に、上述の凸部を有するトナー粒子担持ローラを実現することが可能となる。
【0011】
また、かかる現像装置であって、前記トナー粒子担持ローラの軸方向一端部から他端部に亘って該トナー粒子担持ローラに当接して、該トナー粒子担持ローラに担持されたトナー粒子の層厚を規制するための層厚規制部材を備え、前記層厚規制部材は、該層厚規制部材が有する平面が前記トナー粒子担持ローラに当接することにより、前記層厚を規制することとしてもよい。
層厚規制部材が有する平面がトナー粒子担持ローラに当接することにより、前記層厚が規制される場合には、層厚規制部材によってトナー粒子が凸部(頂面)に向かって押圧されるから、凸部からトナー粒子に力が作用しやすい。このため、上記の場合には、トナー粒子担持ローラの表面に前記頂面を有する凸部を設けたことによる効果、すなわち、トナー粒子の変形等を抑制できる効果が、より有効に奏される。
【0012】
また、かかる現像装置であって、前記表面に、前記トナー粒子担持ローラの軸方向及び周方向に対し傾斜を有し前記軸方向に等ピッチに形成された螺旋状の溝部が、設けられ、前記溝部は、前記傾斜の角度を異ならせて2種類形成されており、前記凸部は、前記2種類の前記溝部に囲まれて設けられていることとしてもよい。
【0013】
また、かかる現像装置であって、前記凸部は、前記頂面に繋がっている側面を備え、前記頂面と前記側面の繋ぎ部に、丸みが形成されていることとしてもよい。
頂面と側面の繋ぎ部に丸みが形成されている場合には、該繋ぎ部にエッジが形成されないから、繋ぎ部からトナー粒子に作用する力を軽減できる。このため、上記の場合には、トナー粒子の変形等を抑制できる。
【0014】
また、かかる現像装置であって、前記丸みの曲率半径は、前記トナー粒子の体積平均粒径の半分以上であることとしてもよい。
丸みの曲率半径がトナー粒子の体積平均粒径の半分(すなわち、トナー粒子の平均半径)より小さい場合には、トナー粒子が丸みに接触した際に、該丸みがトナー粒子に食い込むことによって、丸みからトナー粒子の局部に力が集中して作用することがある。これに対し、丸みの曲率半径がトナー粒子の体積平均粒径の半分以上である場合には、丸みがトナー粒子に食い込む恐れが無いから、丸みからトナー粒子に力が分散して作用する。このため、上記の場合には、トナー粒子の変形等を抑制できる。
【0015】
また、かかる現像装置であって、前記凸部に備えられている前記側面の、前記溝部の底面からの傾斜角は、45度以下であることとしてもよい。
かかる場合には、トナー粒子が側面に接触した際に、該側面から受ける力のうち鉛直上方への力成分の大きさが、水平方向への力成分の大きさ以上となる。このため、上記の場合には、トナー粒子が、前記鉛直上方への力成分によって、側面を登って頂面へ移動しやすいから、トナー粒子の転動性の低下を抑制できる。
【0016】
また、かかる現像装置であって、前記凸部及び前記溝部は、双方とも、前記トナー粒子を担持するための担持部であることとしてもよい。
かかる場合には、担持部である凸部に担持されたトナー粒子に該凸部から力が作用しやすいから、トナー粒子担持ローラの表面に凸部を設けたことによる効果、すなわち、トナー粒子の変形等を抑制できる効果が、より有効に奏される。
【0017】
また、かかる現像装置であって、前記溝部の深さは、前記トナー粒子の体積平均粒径の2倍以下であることとしてもよい。
かかる場合には、溝部内でトナー粒子担持ローラと層厚規制部材との間に位置するトナー粒子の多くが、トナー粒子担持ローラ及び層厚規制部材のうちの少なくともどちらか一方に接触するため、トナー粒子の帯電性が適切なものとなる。
【0018】
また、かかる現像装置であって、前記潜像は、格子状に区画された領域に形成されたドット状潜像を有し、格子は、前記軸方向において複数種類のピッチで形成可能であり、前記溝部の、前記軸方向におけるピッチは、前記格子における複数種類のピッチのうち最長ピッチより小さいこととしてもよい。
トナー粒子担持ローラの表面においては、溝部と溝部以外の所では、溝部の方がトナー粒子の担持量が多い。このため、潜像を現像した際には、溝部と対向した部位が僅かに濃度が高くなる畏れがある。そして、格子における複数種類のピッチのうち最長ピッチより、溝部の軸方向におけるピッチの方が大きい場合には、格子状に区画された領域に形成されたドット状潜像を現像した際に、トナー粒子担持ローラの溝部を含む部分にて形成されるドットと、溝部を含まない部分にて形成されるドットとが生じてしまう。この場合には、潜像が現像されたトナー像に周期的な濃度ムラが発生する。ところが、上記のような現像装置によれば、各ドット状潜像を現像したドットのいずれも、トナー粒子担持ローラの溝部を含む部分にて形成されることになる。このため、現像されたトナー像に溝部による濃度ムラが発生することを抑えることが可能である。
【0019】
また、(a1)その表面にトナー粒子を担持し、該トナー粒子によって像担持体に担持された潜像を現像するトナー粒子担持ローラであって、(a2)前記表面に設けられた凸部であって、平坦な部分を有する頂面を備え、かつ、該頂面の幅が前記トナー粒子の体積平均粒径以上である凸部、を有するトナー粒子担持ローラ、(b)を備え、(c)前記トナー粒子担持ローラは、前記表面を備えた円筒部を有し、該円筒部は、単一の材料から成り、(d)前記トナー粒子担持ローラの軸方向一端部から他端部に亘って該トナー粒子担持ローラに当接して、該トナー粒子担持ローラに担持されたトナー粒子の層厚を規制するための層厚規制部材を備え、前記層厚規制部材は、該層厚規制部材が有する平面が前記トナー粒子担持ローラに当接することにより、前記層厚を規制し、(e)前記表面に、前記トナー粒子担持ローラの軸方向及び周方向に対し傾斜を有し前記軸方向に等ピッチに形成された螺旋状の溝部が、設けられ、前記溝部は、前記傾斜の角度を異ならせて2種類形成されており、前記凸部は、前記2種類の前記溝部に囲まれて設けられ、(f)前記凸部は、前記頂面に繋がっている側面を備え、前記頂面と前記側面の繋ぎ部に、丸みが形成され、(g)前記丸みの曲率半径は、前記トナー粒子の体積平均粒径の半分以上であり、(h)前記凸部に備えられている前記側面の、前記溝部の底面からの傾斜角は、45度以下であり、(i)前記凸部及び前記溝部は、双方とも、前記トナー粒子を担持するための担持部であり、(j)前記溝部の深さは、前記トナー粒子の体積平均粒径の2倍以下であり、(k)前記潜像は、格子状に区画された領域に形成されたドット状潜像を有し、格子は、前記軸方向において複数種類のピッチで形成可能であり、前記溝部の、前記軸方向におけるピッチは、前記格子における複数種類のピッチのうち最長ピッチより小さいことを特徴とする現像装置。
このような現像装置によれば、トナー粒子の変形等を抑制することが可能な効果が、最も有効に奏される。
【0020】
また、その表面にトナー粒子を担持し、該トナー粒子によって像担持体に担持された潜像を現像するトナー粒子担持ローラであって、前記表面に設けられた凸部であって、平坦な部分を有する頂面を備え、かつ、該頂面の幅が前記トナー粒子の体積平均粒径以上である凸部、を有することを特徴とするトナー粒子担持ローラ。
このようなトナー粒子担持ローラによれば、凸部からトナー粒子に作用する力が、トナー粒子に分散して作用するため、トナー粒子の局部に力が作用することを防止でき、結果として、トナー粒子の変形等を抑制することが可能となる。
【0021】
また、(a)潜像を担持するための像担持体と、(b)その表面にトナー粒子を担持し、該トナー粒子によって前記像担持体に担持された潜像を現像するトナー粒子担持ローラであって、前記表面に設けられた凸部であって、平坦な部分を有する頂面を備え、かつ、該頂面の幅が前記トナー粒子の体積平均粒径以上である凸部、を有するトナー粒子担持ローラ、を備えた現像装置と、(c)を有することを特徴とする画像形成装置。
このような画像形成装置によれば、凸部からトナー粒子に作用する力が、トナー粒子に分散して作用するため、トナー粒子の局部に力が作用することを防止でき、結果として、トナー粒子の変形等を抑制することが可能となる。
【0022】
また、(A)コンピュータ、及び、(B)このコンピュータに接続可能な画像形成装置であって、(a)潜像を担持するための像担持体と、(b)その表面にトナー粒子を担持し、該トナー粒子によって前記像担持体に担持された潜像を現像するトナー粒子担持ローラであって、前記表面に設けられた凸部であって、平坦な部分を有する頂面を備え、かつ、該頂面の幅が前記トナー粒子の体積平均粒径以上である凸部、を有するトナー粒子担持ローラ、を備えた現像装置と、(c)を有する画像形成装置、(C)を具備したことを特徴とする画像形成システム。
このような画像形成システムによれば、凸部からトナー粒子に作用する力が、トナー粒子に分散して作用するため、トナー粒子の局部に力が作用することを防止でき、結果として、トナー粒子の変形等を抑制することが可能となる。
【0023】
また、その表面にトナー粒子を担持し、該トナー粒子によって像担持体に担持された潜像を現像するトナー粒子担持ローラの製造方法であって、平坦な部分を有する頂面を備え、かつ、該頂面の幅が前記トナー粒子の体積平均粒径以上である凸部、を転造加工により前記表面に形成するステップ、を有することを特徴とするトナー粒子担持ローラの製造方法。
このようなトナー粒子担持ローラの製造方法によれば、トナー粒子の変形等を抑制できるトナー粒子担持ローラを製造することが可能となる。
【0024】
===画像形成装置の全体構成例===
次に、図1を用いて、「画像形成装置」としてレーザビームプリンタ(以下、プリンタともいう)10を例にとって、その概要について説明する。図1は、プリンタ10を構成する主要構成要素を示した図である。なお、図1には、矢印にて上下方向を示しており、例えば、給紙トレイ92は、プリンタ10の下部に配置されており、定着ユニット90は、プリンタ10の上部に配置されている。
【0025】
<<<プリンタ10の構成例>>>
本実施の形態に係るプリンタ10は、図1に示すように、「像担持体」の一例としての感光体20の回転方向に沿って、帯電ユニット30、露光ユニット40、YMCK現像ユニット50、一次転写ユニット60、中間転写体70、クリーニングユニット75を有し、さらに、二次転写ユニット80、定着ユニット90、ユーザへの報知手段をなし液晶パネルでなる表示ユニット95、及び、これらのユニット等を制御しプリンタとしての動作を司る制御ユニット100を有している。
【0026】
感光体20は、円筒状の導電性基材とその外周面に形成された感光層を有し、中心軸を中心に回転可能であり、本実施の形態においては、図1中の矢印で示すように時計回りに回転する。
【0027】
帯電ユニット30は、感光体20を帯電するための装置であり、露光ユニット40は、レーザを照射することによって帯電された感光体20上に潜像を形成する装置である。この露光ユニット40は、光としてのレーザビームを射出するための半導体レーザ、多角形のポリゴンミラーを回転させるポリゴンミラーユニット、F−θレンズ等の複数種類のレンズ等を有しており、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ等の不図示のホストコンピュータから入力された画像信号に基づいて、変調されたレーザビームを帯電された感光体20上に照射する。このとき半導体レーザから射出されたレーザビームは、ポリゴンミラーに照射される。ポリゴンミラーに照射されたレーザビームはポリゴンミラーの回転により反射角度を変更されつつレンズを通して感光体20上を走査する。そして、所定のタイミングにてレーザビームがON/OFFされて、所定の速度で回転する感光体20上の格子状に区画された領域にドット状潜像が形成される。そして、これらドット状潜像により潜像が構成される。ここで、ドット状潜像は、潜像を形成するものなので肉眼では見えない。
【0028】
YMCK現像ユニット50は、感光体20上に形成された潜像を、現像装置に収容されたトナー粒子(以下、単にトナーTとも呼ぶ)、すなわち、ブラック現像装置51に収容されたブラック(K)トナー、マゼンタ現像装置52に収容されたマゼンタ(M)トナー、シアン現像装置53に収容されたシアン(C)トナー、及び、イエロー現像装置54に収容されたイエロー(Y)トナーを用いて現像するための装置である。
【0029】
このYMCK現像ユニット50は、前記4つの現像装置51、52、53、54が装着された状態で回転することにより、前記4つの現像装置51、52、53、54の位置を動かすことを可能としている。すなわち、このYMCK現像ユニット50は、前記4つの現像装置51、52、53、54を4つの保持部55a、55b、55c、55dにより保持しており、前記4つの現像装置51、52、53、54は、中心軸50aを中心として、それらの相対位置を維持したまま回転可能となっている。そして、1ページ分の画像形成が終了する毎に選択的に感光体20に対向し、それぞれの現像装置51、52、53、54に収容されたトナーTにて、感光体20上に形成された潜像を順次現像する。なお、前述した4つの現像装置51,52,53,54の各々は、YMCK現像ユニット50の前記保持部に対して着脱可能となっている。また、各現像装置の詳細については後述する。
【0030】
一次転写ユニット60は、感光体20に形成された単色トナー像を中間転写体70に転写するための装置であり、4色のトナーが順次重ねて転写されると、中間転写体70にフルカラートナー像が形成される。
この中間転写体70は、PETフィルムの表面に錫蒸着層を設けさらにその表層に半導電塗料を形成、積層したエンドレスのベルトであり、感光体20とほぼ同じ周速度にて回転駆動される。
二次転写ユニット80は、中間転写体70上に形成された単色トナー像やフルカラートナー像を紙、フィルム、布等の媒体に転写するための装置である。
定着ユニット90は、媒体上に転写された単色トナー像やフルカラートナー像を媒体に融着させて永久像とするための装置である。
【0031】
クリーニングユニット75は、一次転写ユニット60と帯電ユニット30との間に設けられ、感光体20の表面に当接されたゴム製のクリーニングブレード76を有し、一次転写ユニット60によって中間転写体70上にトナー像が転写された後に、感光体20上に残存するトナーTをクリーニングブレード76により掻き落として除去するための装置である。
【0032】
制御ユニット100は、図2に示すようにメインコントローラ101と、ユニットコントローラ102とで構成され、メインコントローラ101には画像信号及び制御信号が入力され、この画像信号及び制御信号に基づく指令に応じてユニットコントローラ102が前記各ユニット等を制御して画像を形成する。
【0033】
<<<プリンタ10の動作例>>>
次に、このように構成されたプリンタ10の動作について説明する。
まず、不図示のホストコンピュータからの画像信号及び制御信号がインターフェイス(I/F)112を介してプリンタ10のメインコントローラ101に入力されると、このメインコントローラ101からの指令に基づくユニットコントローラ102の制御により感光体20、及び、中間転写体70が回転する。感光体20は、回転しながら、帯電位置において帯電ユニット30により順次帯電される。
【0034】
感光体20の帯電された領域は、感光体20の回転に伴って露光位置に至り、露光ユニット40によって、第1色目、例えばイエローYの画像情報に応じた潜像が該領域に形成される。また、YMCK現像ユニット50は、イエロー(Y)トナーを収容したイエロー現像装置54が、感光体20に対向した現像位置に位置している。
【0035】
感光体20上に形成された潜像は、感光体20の回転に伴って現像位置に至り、イエロー現像装置54によってイエロートナーで現像される。これにより、感光体20上にイエロートナー像が形成される。
感光体20上に形成されたイエロートナー像は、感光体20の回転に伴って一次転写位置に至り、一次転写ユニット60によって、中間転写体70に転写される。この際、一次転写ユニット60には、トナーTの帯電極性とは逆の極性の一次転写電圧が印加される。なお、この間、感光体20と中間転写体70とは接触しており、また、二次転写ユニット80は、中間転写体70から離間している。
【0036】
上記の処理が、第2色目、第3色目、及び、第4色目について、各々の現像装置毎に順次実行されることにより、各画像信号に対応した4色のトナー像が、中間転写体70に重なり合って転写される。これにより、中間転写体70上にはフルカラートナー像が形成される。
中間転写体70上に形成されたフルカラートナー像は、中間転写体70の回転に伴って二次転写位置に至り、二次転写ユニット80によって媒体に転写される。なお、媒体は、給紙トレイ92から、給紙ローラ94、レジローラ96を介して二次転写ユニット80へ搬送される。また、転写動作を行う際、二次転写ユニット80は中間転写体70に押圧されるとともに二次転写電圧が印加される。
媒体に転写されたフルカラートナー像は、定着ユニット90によって加熱加圧されて媒体に融着される。
【0037】
一方、感光体20は一次転写位置を経過した後に、クリーニングユニット75に支持されたクリーニングブレード76によって、その表面に付着しているトナーTが掻き落とされ、次の潜像を形成するための帯電に備える。掻き落とされたトナーTは、クリーニングユニット75が備える残存トナー回収部に回収される。
【0038】
===制御ユニットの概要===
次に、制御ユニット100の構成について図2を参照しつつ説明する。制御ユニット100のメインコントローラ101は、インターフェイス112を介してホストコンピュータと電気的に接続され、このホストコンピュータから入力された画像信号を記憶するための画像メモリ113を備えている。ユニットコントローラ102は、装置本体の各ユニット(帯電ユニット30、露光ユニット40、YMCK現像ユニット50、一次転写ユニット60、クリーニングユニット75、二次転写ユニット80、定着ユニット90、表示ユニット95)と電気的に接続され、それらが備えるセンサからの信号を受信することによって、各ユニットの状態を検出しつつ、メインコントローラ101から入力される信号に基づいて、各ユニットを制御する。
【0039】
===現像装置の概要===
次に、図3及び図4を用いて、現像装置の構成例、及び、動作例について説明する。図3は、現像装置の概念図である。図4は、現像装置の主要構成要素を示した断面図である。なお、図4に示す断面図は、図3に示す長手方向に垂直な面で現像装置を切り取った断面を表したものである。また、図4においては、図1同様、矢印にて上下方向を示しており、例えば、現像ローラ510の中心軸は、感光体20の中心軸よりも下方にある。また、図4では、イエロー現像装置54が、感光体20と対向する現像位置に位置している状態にて示されている。
【0040】
YMCK現像ユニット50には、ブラック(K)トナーを収容したブラック現像装置51、マゼンタ(M)トナーを収容したマゼンタ現像装置52、シアン(C)トナーを収容したシアン現像装置53、及び、イエロー(Y)トナーを収容したイエロー現像装置54が設けられているが、各現像装置の構成は同様であるので、以下、イエロー現像装置54について説明する。
【0041】
<<<現像装置の構成例>>>
イエロー現像装置54は、「トナー粒子担持ローラ」の一例としての現像ローラ510、上シール520、トナー収容体530、ハウジング540、トナー供給ローラ550、「層厚規制部材」の一例としての規制ブレード560等を有している。
【0042】
現像ローラ510は、その表面にトナー粒子(トナーT)を担持し、該トナー粒子によって感光体20に担持された潜像を現像するためのものである。この現像ローラ510は、アルミ合金、鉄合金等からなる部材である。現像ローラ510の表面には、「溝部」の一例としての凹部518と、凸部519とが、設けられている(図6参照)。なお、現像ローラ510の表面形状については、後で詳述する。
また、現像ローラ510は、図3に示すように、現像装置の長手方向(現像ローラ510の軸方向)両端部で支持されており、中心軸を中心として回転可能である。図4に示すように、現像ローラ510は、感光体20の回転方向(図4において時計方向)と逆の方向(図4において反時計方向)に回転する。その中心軸は、感光体20の中心軸よりも下方にある。
【0043】
また、イエロー現像装置54が感光体20と対向している状態で、現像ローラ510と感光体20との間には空隙が存在する。すなわち、イエロー現像装置54は、感光体20上に形成された潜像を非接触状態で現像する。なお、感光体20上に形成された潜像を現像する際には、現像ローラ510と感光体20との間に交番電界が形成される。
ハウジング540は、一体成型された複数の樹脂製のハウジング部、すなわち、上ハウジング部542と下ハウジング部544、とを溶着して製造されたものであり、その内部に、トナーTを収容するためのトナー収容体530が形成されている。トナー収容体530は、内壁から内方へ(図4の上下方向)突出させたトナーTを仕切るための仕切り壁545により、二つのトナー収容部、すなわち、第一トナー収容部530aと第二トナー収容部530bと、に分けられている。
【0044】
そして、第一トナー収容部530aと第二トナー収容部530bとは、上部が連通され、図4に示す状態で、仕切り壁545によりトナーTの移動が規制されている。しかしながら、YMCK現像ユニット50が回転する際には、第一トナー収容部530aと第二トナー収容部530bとに収容されていたトナーが、現像位置における上部側の連通している部位側に一旦集められ、図4に示す状態に戻るときには、それらのトナーが混合されて第一トナー収容部530a及び第二トナー収容部530bに戻されることになる。すなわち、YMCK現像ユニット50が回転することにより現像装置内のトナーTは適切に撹拌されることになる。
【0045】
このため、本実施の形態では、トナー収容体530に攪拌部材を設けていないが、トナー収容体530に収容されたトナーTを攪拌するための攪拌部材を設けてもよい。また、図4に示すように、ハウジング540(すなわち、第一トナー収容部530a)は下部に開口572を有しており、現像ローラ510が、この開口572に臨ませて設けられている。
【0046】
トナー供給ローラ550は、前述した第一トナー収容部530aに設けられ、当該第一トナー収容部530aに収容されたトナーTを現像ローラ510に供給するとともに、現像後に現像ローラ510に残存しているトナーTを、現像ローラ510から剥ぎ取る。このトナー供給ローラ550は、ポリウレタンフォーム等からなり、弾性変形された状態で現像ローラ510に当接している。トナー供給ローラ550は、第一トナー収容部530aの下部に配置されており、第一トナー収容部530aに収容されたトナーTは、該第一トナー収容部530aの下部にてトナー供給ローラ550によって現像ローラ510に供給される。トナー供給ローラ550は、中心軸を中心として回転可能であり、その中心軸は、現像ローラ510の回転中心軸よりも下方にある。また、トナー供給ローラ550は、現像ローラ510の回転方向(図4において反時計方向)と逆の方向(図4において時計方向)に回転する。
【0047】
上シール520は、現像ローラ510にその軸方向に沿って当接して、現像位置を通過後に現像ローラ510上に残留しているトナーTのハウジング540内への移動を許容し、かつ、ハウジング540内のトナーTのハウジング540外への移動を規制する。この上シール520は、ポリエチレンフィルム等からなるシールである。上シール520は、後述するホルダー526の上シール支持部526aによって支持されており、また、その長手方向が現像ローラ510の軸方向に沿うように設けられている。上シール520が現像ローラ510に当接する当接位置は、現像ローラ510の中心軸よりも上方である。
【0048】
また、上シール520の、現像ローラ510に当接する当接面520b、とは反対側の面(当該面を、反対面520cとも呼ぶ)と、前記上シール支持部526aとの間には、モルトプレーン等の弾性体からなる上シール付勢部材524が圧縮した状態で設けられている。この上シール付勢部材524は、その付勢力で上シール520を現像ローラ510側へ付勢することにより、上シール520を現像ローラ510に押しつけている。
【0049】
規制ブレード560は、現像ローラ510の軸方向一端部から他端部に亘って現像ローラ510に当接部562aにて当接して、現像ローラ510に担持されたトナーTの層厚を規制し、また、現像ローラ510に担持されたトナーTに電荷を付与する。この規制ブレード560は、図4に示すように、ゴム部562と、ゴム支持部564と、を有している。
ゴム部562は、シリコンゴム、ウレタンゴム等からなり、現像ローラ510に当接している。
【0050】
ゴム支持部564は、薄板564aと薄板支持部564bとから構成されており、その短手方向一端部564d(すなわち、薄板564a側の端部)でゴム部562を支持する。薄板564aは、リン青銅、ステンレス等からなり、バネ性を有している。薄板564aは、ゴム部562を支持しており、その付勢力によってゴム部562を現像ローラ510に押しつけている。薄板支持部564bは、ゴム支持部564の短手方向他端部564eに配置された金属製の板金であり、当該薄板支持部564bは、前記薄板564aの、ゴム部562を支持している側とは逆側の端、を支持した状態で、当該薄板564aに取り付けられている。
【0051】
規制ブレード560の、薄板支持部564b側とは逆側の端、すなわち、先端560aは、現像ローラ510に接触しておらず、該先端560aから所定距離だけ離れた部分(すなわち、当接部562a)が、現像ローラ510に幅を持って接触している。すなわち、規制ブレード560は、現像ローラ510にエッジにて当接しておらず、腹当たりにて当接しており、規制ブレード560が有する平面(具体的には、ゴム部562の平面)が現像ローラ510に当接することにより、前記層厚を規制する。また、規制ブレード560は、その先端560aが現像ローラ510の回転方向の上流側に向くように配置されており、いわゆるカウンタ当接している。なお、規制ブレード560が現像ローラ510に当接する当接位置は、現像ローラ510の中心軸よりも下方であり、かつ、トナー供給ローラ550の中心軸よりも下方である。また、当該規制ブレード560は、現像ローラ510にその軸方向に沿って当接することにより、トナー収容体530からのトナーTの漏れを防止する機能も発揮する。
【0052】
<<<現像装置の動作例>>>
このように構成されたイエロー現像装置54において、トナー供給ローラ550がトナー収容体530に収容されているトナーTを現像ローラ510に供給する。現像ローラ510に供給されたトナーTは、現像ローラ510の回転に伴って、規制ブレード560の当接位置に至り、該当接位置を通過する際に、層厚が規制されるとともに、電荷が付与される。層厚が規制され、電荷が付与された現像ローラ510上のトナーTは、現像ローラ510のさらなる回転によって、感光体20に対向する現像位置に至り、該現像位置にて交番電界下で感光体20上に形成された潜像の現像に供される。現像ローラ510のさらなる回転によって現像位置を通過した現像ローラ510上のトナーTは、上シール520を通過して、上シール520によって掻き落とされることなく現像装置内に回収される。さらに、未だ現像ローラ510に残存しているトナーTは、前記トナー供給ローラ550によって剥ぎ取られうる。
【0053】
===現像ローラ510の表面形状について===
次に、現像ローラ510の表面形状について、図5〜図8を用いて説明する。図5は、現像ローラ510の斜視模式図であり、凹部518を表した図である。図6は、現像ローラ510の正面模式図である。図7は、現像ローラ510の表面を示した模式図であって、図6に示す部分Aを拡大した図である。図8は、凸部519と凹部518の断面形状を示した模式図である。
【0054】
図5〜図7においては、矢印にて現像ローラ510の軸方向が、図8においては、矢印にて第一凹部518aの長手方向が、それぞれ示されている。また、図5〜図8においては、図を分かりやすくするために、凸部519等のスケールが実際のものと異なっている。また、図6及び図7において、記号Xで示した矢印の方向は、第一凹部518aの長手方向を、記号Yで示した矢印の方向は、第二凹部518bの長手方向を、それぞれ示している。そして、図8においては、図6において記号Yで示した第一凹部518aの長手方向に沿う断面を示している。なお、図6の記号Xで示した第二凹部518bの長手方向に沿って凸部519及び凹部518の断面をとった際の、該凸部519及び凹部518の断面形状も、図8に示す凸部519と凹部518の断面形状と同様である。
【0055】
現像ローラ510は、図5や図6に示すように、円筒部510aと軸部510bを有している。円筒部510aは、その表面にてトナー粒子を担持する。この円筒部510aは、アルミ合金等の単一の材料から成り、その表面に、凹凸加工部512と非凹凸加工部514が形成されている。軸部510bは、現像ローラ510の軸方向両端部に位置し、不図示の軸受けを介してハウジング540に支持されている。
【0056】
凹凸加工部512は、現像ローラ510の軸方向において中央部に位置する部分であり、トナーTを適切に担持させるために凹凸加工がその表面に施されている(凹凸加工部512の凸部519及び凹部518は、双方とも、トナー粒子(トナーT)を担持するためのトナー担持部としての機能を発揮する)。本実施の形態においては、当該凹凸加工として所謂転造加工(転造加工については、後述の現像ローラ510の製造方法の項で、詳述する)が用いられ、当該転造加工により凹凸加工部512の表面に凹部518と凸部519が形成されている。より具体的に説明すると、凹凸加工部512の表面には、転造加工により溝が形成され、このことにより、凹凸加工部512は、凹部518と凸部519とを有することとなる。
【0057】
凹部518は、図5に示すように、現像ローラ510の軸方向及び周方向に対し傾斜を有し、前記軸方向に等ピッチに形成された螺旋状の溝部である。この凹部518は、現像ローラ510の軸方向及び周方向に対する傾斜の角度を異ならせて、2種類形成されている(第一凹部518aと第二凹部518bが形成されている)。
【0058】
すなわち、第一凹部518aは、現像ローラ510の軸方向と反時計方向に45度の角度を成すように、螺旋状に形成され、第二凹部518bは、現像ローラ510の軸方向と時計方向に45度の角度を成すように、螺旋状に形成されている。このため、第一凹部518aと第二凹部518bの交差する角度は、90度となる。また、第一凹部518a及び第二凹部518bの、現像ローラ510の軸方向におけるピッチは、等しく形成されており、本実施形態においては、図7に示すように約112μmである。
【0059】
凸部519は、図6に示すように、前記2種類の凹部(すなわち、第一凹部518aと第二凹部518b)に囲まれて設けられている。この凸部519は、頂面519aと、該頂面519aに繋がっている側面519bと、を備えている。
【0060】
頂面519aは、図8に示すように、平坦な部分を有している。この頂面519aの形状は、図7に示すように、ほぼ正方形となっている。そして、頂面519aは、該頂面519aの正方形の2本の対角線のうちの一方の対角線が、現像ローラ510の軸方向に、他方の対角線が、現像ローラ510の周方向に、それぞれ沿うように、形成されている。また、頂面519aの幅Hは、トナー粒子の体積平均粒径(7μm)以上であり、本実施形態においては、約30μmである。
【0061】
側面519bは、図8に示すように、凹部518の平坦な底面518cとも繋がっており、かつ、該底面518cに対して傾斜している斜面である。そして、側面519bの、凹部518の底面518cからの傾斜角(図8において、記号βで表される角度)は、45度以下であり、本実施形態においては、前記傾斜角が45度である。
【0062】
また、図8に示すように、頂面519aと側面519bの繋ぎ部519cに、丸み519dが形成されている。この丸み519dの曲率半径は、トナー粒子の体積平均粒径(7μm)の半分以上であり、本実施形態においては、20μmである。なお、本実施形態において、丸み519dの断面形状は、図8に示すように、頂面519aと側面519bを結ぶ円弧である。かかる際に、上述の曲率半径の大きさは、該円弧の半径と同じ大きさとなる。
【0063】
また、凸部519の高さ(凹部518の深さ)、すなわち、凸部519の頂面519aと凹部518の底面518cとの距離は、トナー粒子の体積平均粒径(7μm)の2倍以下である。なお、本実施形態において、凹部518の深さは、約7μmであるため、トナー粒子の体積平均粒径と同じ大きさである。また、凹部518の幅は、約30μmであり、溝角度(図8において、記号αで表される角度)は、約90度である。
【0064】
非凹凸加工部514は、図6に示すように、前述した凹凸加工(転造加工)がその表面に施されていない部分である。この非凹凸加工部514は、現像ローラ510の軸方向において凹凸加工部512と軸部510bの間に位置しており、その表面が滑らかな状態となっている(当該表面の十点平均粗さRzは、1μm以下)。
【0065】
===現像ローラ510の製造方法について===
次に、上述の表面形状(凹部518と凸部519)を有する現像ローラ510の製造方法について、図9、図10A〜図10E、及び、図11を用いて説明する。図9は、現像ローラ510の製造方法を示したフローチャートである。図10A〜図10Eは、現像ローラ510の製造工程における、現像ローラ510の変遷を示した模式図である。図11は、現像ローラ510の転造加工を説明するための説明図である。なお、図10A〜図10Cでは、パイプ材600の断面が、図10Dと図10Eでは、パイプ材600の外周が、それぞれ示されている。
【0066】
先ず、図10Aに示すように、現像ローラ510の円筒部510aの基材としてのパイプ材600を準備する(ステップs102)。当該パイプ材600の肉厚は0.5〜3mmである。
次に、図10Bに示すように、当該パイプ材600の長手方向両端部にフランジ圧入部602を作る(ステップs104)。当該フランジ圧入部602は、切削加工により作られる。
次に、図10Cに示すように、当該フランジ圧入部602に、現像ローラ510の軸部510bを構成するフランジ604を圧入する(ステップs106)。フランジ604のパイプ材600への固定を確実にするために、フランジ604の圧入後、フランジ604をパイプ材600へ接着又は溶接するようにしてもよい。
次に、図10Dに示すように、フランジ604が圧入されたパイプ材600の表面にセンタレス研磨を施す(ステップs108)。当該センタレス研磨は、当該表面の全面に亘って実施され、センタレス研磨後の当該表面の十点平均粗さRzは、1.0μm以下となる。
次に、図10Eに示すように、フランジ604が圧入されたパイプ材600の前記凹凸加工部512に相当する部分に、転造加工により凹部518及び凸部519を形成する(ステップs110)。本実施の形態においては、2つの丸ダイス650、652を用いた所謂スルーフィード転造(歩み転造、通し転造とも呼ばれている)加工が実施される。
【0067】
すなわち、図11に示すように、ワークとしての前記パイプ材600を挟むように配置された二つの丸ダイス650、652、を当該パイプ材600に所定の圧力(当該圧力の方向を、図11中記号Pで示す)で押し付けた状態で、当該二つの丸ダイス650、652を同方向(図11参照)に回転させる。丸ダイス650、652の表面には、凹部518を形成するための凸650a、652aが備えられており、当該凸650a、652aがパイプ材600を変形させることにより、パイプ材600に凹部518と凸部519が形成される。なお、スルーフィード転造においては、丸ダイス650、652が回転することにより、パイプ材600が丸ダイス650、652の回転方向とは逆方向(図11参照)に回転しながら、図11中記号Hで示した方向に移動する。そして、前記凹凸加工部512に相当する部分において、凹部518のうち前記第一凹部518aが丸ダイス650の凸650aにより、前記第二凹部518bが丸ダイス652の凸652aにより、それぞれ形成されることとなる。また、前述したように、現像ローラ510の凸部519の繋ぎ部519cには丸み519d(図8)が形成されているが、丸ダイスの凸650a及び凸652aは、前記丸み519dを形成する形状となっている。
【0068】
上述した現像ローラ510の製造方法において、転造加工(ステップs110)により、現像ローラ510の表面には、平坦な部分を有する頂面519aを備え、かつ、該頂面519aの幅がトナー粒子の体積平均粒径以上である凸部519、が形成されることとなる。
【0069】
===本実施の形態に係る現像装置の有効性について===
上述したとおり、本実施の形態に係る現像装置51、52、53、54のトナー粒子担持ローラ(現像ローラ510)は、図8に示すように、平坦な部分を有する頂面519aを備え、かつ、該頂面519aの幅Hがトナー粒子の体積平均粒径以上である凸部519、を有している。これにより、トナー粒子の変形等を抑制することが可能となる。以下において、詳細に説明する。
【0070】
現像ローラ510の表面に凸部が形成されている場合には、該凸部の形状によって、凸部からトナー粒子の局部に力が作用することがある。例えば、前記凸部が尖っている場合には、該凸部がトナー粒子に接触する際に、凸部からトナー粒子の局部に力が集中して作用することがある。このように、凸部からトナー粒子の局部に力が集中して作用すると、該力に起因して、トナー粒子が変形したり、トナー粒子が割れる恐れがある。
【0071】
これに対し、本実施の形態のように、平坦な部分を有する頂面519aを備え、かつ、該頂面519aの幅がトナー粒子の体積平均粒径以上である凸部519を設けた場合には、前記頂面519aがトナー粒子に接触する際に、凸部519(頂面519a)からトナー粒子に力が分散して作用する。このため、本実施形態に係る現像ローラ510によれば、凸部519からトナー粒子の局部に力が集中して作用することを抑制できるから、該力に起因するトナー粒子の変形等を抑制することが可能となる。
【0072】
===凹部518と潜像との関係について===
ところで、レーザビームプリンタは、前述したようにレーザビームを用いて感光体20に潜像を形成し、形成された潜像を現像ローラ510に担持されたトナーによりトナー像として可視化させる。このとき、感光体20上に、主走査方向に走査されるレーザビームのON/OFFにより、ドット状潜像が、格子状に区画された領域、所謂スクリーンに形成される。そして、これらドット状潜像により潜像が構成される。
【0073】
また、本実施形態のように、明確に区別された凹部518と凸部519とを有する現像ローラ510の場合には、たとえば、凸部519より凹部518に、より多くのトナー粒子Tが入り込む畏れがある。この場合には、トナー像において、凹部518により現像された部位と凸部519にて現像された部位とで濃度が異なる畏れがある。特に、文字や線画のように、広い面積を持たない画像では影響は少ないが、写真やイラストなど広い面積を有する画像の場合には濃度のむらが目立ちやすい場合がある。このような現象は、現像ローラ510に形成された凹部518の軸方向におけるピッチが、前述したスクリーンの主走査方向(現像ローラ510の軸方向に対応する方向)における格子のピッチより大きい場合に、より顕著となる。これは本来同じ濃度にて形成されるべきドットであっても、現像ローラ510の凹部518にて現像されたか、凸部519にて現像されたかによって濃度が相違してしまうからである。
【0074】
このため、本実施形態の現像ローラ510は、凹部518の、軸方向におけるピッチを、写真やイラストなど面積を有する画像を形成する際の格子の最長ピッチより、小さくしている。ここで、写真やイラストなど広い面積を有する画像を形成する際の潜像の主走査方向(現像ローラ510の軸方向に対応する方向)における格子のピッチは、レーザビームプリンタが形成可能な最高解像度の画像におけるドット間ピッチではない(すなわち、格子は、主走査方向(軸方向)において複数種類のピッチで形成可能となっている)。これは、レーザビームプリンタにて写真やイラストなど広い面積を有する画像を形成する際には、プリンタが有する最高解像度より低い解像度にてドットを形成し、かつ、各ドットに階調性を持たせることにより、全体としての画質を向上させるためである。
【0075】
図12は、スクリーン及び潜像におけるピッチを説明するための図である。図示するように、例えば、プリンタの最高解像度が600dpi(ピッチ42.5μm)であった場合に、潜像の解像度を600dpiとしてしまうと、ドット状潜像を形成しうる領域が42.5μmピッチの格子状に区画される。このため、各々の区画された領域には、ドット状潜像の有、無でしか階調を表現することができない(図12上段)。
【0076】
そこで、広い面積を有する画像を形成する際には、例えば、解像度600dpiにおける3つのドット状潜像分を1つのドット状潜像として、解像度600dpiにおいて半導体レーザが3つのドット状潜像分応答可能な時間内においてレーザビームを発光する時間の長さを変化させることにより階調を表現している(図12下段)。この場合には広い面積を有する画像を形成する際の解像度は200dpiとなり、ドット状潜像を形成しうる領域は127.5μmピッチの格子状に区画されることになる。このため、本実施形態の現像ローラ510は、図8に示すように、軸方向における凹部518のピッチを約112μmとすることにより、200dpi、すなわち、127.5μmピッチの格子状に区画される領域に形成される潜像の各ドット状潜像が、いずれも現像ローラ510の凹部518と凸部519とを含む部位で現像され、現像されたトナー像に濃度ムラが発生することを抑えている。
【0077】
本実施形態においては、レーザビームプリンタの最高解像度を600dpi,写真等の画像を形成する際にドット状潜像を形成可能な、格子状に区画された領域の軸方向におけるピッチを127.5μmとし、現像ローラ510の凹部518の軸方向におけるピッチを112μmとした例について説明したが、これに限らず、現像ローラ510の凹部518の軸方向におけるピッチが、写真等の画像を形成する際の潜像にてドット状潜像が形成される、格子状に区画された領域の軸方向におけるピッチ、より小さければ構わない。
【0078】
===その他の実施の形態===
以上、上記実施の形態に基づき本発明に係る現像装置等を説明したが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【0079】
上記実施の形態においては、画像形成装置として中間転写型のフルカラーレーザビームプリンタを例にとって説明したが、本発明は、中間転写型以外のフルカラーレーザビームプリンタ、モノクロレーザビームプリンタ、複写機、ファクシミリなど、各種の画像形成装置に適用可能である。
【0080】
また、感光体についても、円筒状の導電性基材の外周面に感光層を設けて構成した、いわゆる感光ローラに限られず、ベルト状の導電性基材の表面に感光層を設けて構成した、いわゆる感光ベルトであってもよい。
【0081】
また、上記実施の形態において、トナー粒子の体積平均粒径が7μmであることとして説明したが、これに限定されるものではなく、トナー粒子の体積平均粒径が5〜10μmであればよい。
【0082】
さらに、上記実施の形態において、図5に示すように、現像ローラ510は、前記表面を備えた円筒部510aを有し、該円筒部510aは、単一の材料から成ることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、円筒部510aは、複数の材料から成ることとしてもよい。
ただし、円筒部510aが単一の材料から成る場合には、簡易に、上述の凸部519を有する現像ローラ510を製造することができる。従って、上記実施の形態の方がより望ましい。
【0083】
さらに、上記実施の形態において、図4に示すように、現像装置51、52、53、54は、現像ローラ510の軸方向一端部から他端部に亘って該現像ローラ510に当接して、該現像ローラ510に担持されたトナー粒子の層厚を規制するための層厚規制部材(規制ブレード560)を備えることとした。そして、規制ブレード560は、該規制ブレード560が有する平面が現像ローラ510に当接することにより、前記層厚を規制することとした。しかし、上記に限定されるものではない。例えば、規制ブレード560は、現像ローラ510にエッジにて当接することにより、前記層厚を規制することとしてもよい。
規制ブレード560が現像ローラ510にエッジにて当接することにより、前記層厚が規制される場合には、凸部519に担持されたトナーが、該規制ブレード560に掻き取られる。これに対し、上記実施の形態のように、規制ブレード560が有する平面が現像ローラ510に当接することにより、前記層厚が規制される場合には、規制ブレード560によってトナー粒子が凸部519(頂面519a)に向かって押圧されるから、トナー粒子が規制ブレード560に掻き取られ難い。そして、規制ブレード560がトナー粒子を押圧する際に、凸部519から該凸部519に担持されたトナー粒子に力が作用しやすい。このため、上記の場合には、現像ローラ510の表面に頂面519aを有する凸部519を設けたことによる効果、すなわち、トナー粒子の変形等を抑制できる効果が、より有効に奏される。従って、上記実施の形態の方がより望ましい。
【0084】
さらに、上記実施の形態において、図5に示すように、前記表面に、現像ローラ510の軸方向及び周方向に対し傾斜を有し前記軸方向に等ピッチ(具体的には、該等ピッチの大きさは、112μm)に形成された螺旋状の溝部(凹部518)が、設けられていることとした。また、凹部518は、前記傾斜の角度を異ならせて2種類形成されていることとした(すなわち、第一凹部518aと第二凹部518bが形成されていることとした)。そして、凸部519は、前記2種類の凹部518a、518bに囲まれて設けられていることとした。しかし、上記に限定されるものではない。例えば、凸部519は、一種類の凹部(一例として、第一凹部518a)のみに囲まれて設けられていることとしてもよい。
【0085】
さらに、上記実施の形態において、図8に示すように、凸部519は、頂面519aに繋がっている側面519bを備えることとした。そして、頂面519aと側面519bの繋ぎ部519cに、丸み519dが形成されていることとした。しかし、上記に限定されるものではない。例えば、図13に示すように、繋ぎ部519cには丸み519dが形成されておらず、該繋ぎ部519cは、角になっていることとしてもよい。
繋ぎ部519cが角になっている場合には、トナー粒子が該角に接触した際に、エッジである角からトナー粒子の局部に力が集中して作用しやすい。これに対し、繋ぎ部519cに丸み519dが形成されている場合には、繋ぎ部519cにエッジが形成されないから、繋ぎ部519cからトナー粒子に作用する力を軽減できる。このため、トナー粒子の変形等を抑制できる点で、上記実施の形態の方がより望ましい。
【0086】
ここで、図13に示す変形例に係る現像ローラ510の表面構成について、説明する。図13は、現像ローラ510の変形例を示した図であって、凸部519の断面形状を示した模式図である。図13に示す現像ローラ510は、繋ぎ部519cが角となっていることを除けば、図8に示す現像ローラ510と同様な表面構成を有している(すなわち、凸部519と凹部518を有している)。このため、変形例に係る現像ローラ510も、図13に示すように、頂面519aを有している。そして、該頂面519aの幅Hは、トナー粒子の体積平均粒径以上である(具体的には、前記幅Hは、約36μmである)。
【0087】

さらに、上記実施の形態において、図8に示すように、丸み519dの曲率半径は、トナー粒子の体積平均粒径の半分以上であることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、丸み519dの曲率半径は、トナー粒子の体積平均粒径の半分より小さいこととしてもよい。
丸みの曲率半径がトナー粒子の体積平均粒径の半分より小さい場合には、トナー粒子が丸みに接触した際に、該丸みがトナー粒子に食い込むことによって、丸みからトナー粒子の局部に力が集中して作用することがある。これに対し、上記実施の形態のように、丸み519dの曲率半径がトナー粒子の体積平均粒径の半分以上である場合には、丸み519dがトナー粒子に食い込む恐れが無いから、丸み519dからトナー粒子に力が分散して作用する。このため、トナー粒子の変形等を抑制できる点で、上記実施の形態の方がより望ましい。
【0088】
さらに、上記実施の形態において、図8に示すように、凸部519に備えられている側面519bの、凹部518の底面518cからの傾斜角βは、45度以下であることとした。しかし、上記に限定されるものではない。例えば、前記傾斜角βが、45度より大きいこととしてもよい。
側面519bの傾斜角βが45度以下である場合には、トナー粒子が側面519bに接触した際に、該側面519bから受ける力のうち鉛直上方への力成分の大きさが、水平方向への力成分の大きさ以上となる。このため、上記の場合には、トナー粒子が、前記鉛直方向への力成分によって、側面519bを登って頂面519aへ移動しやすいから、トナー粒子の転動性の低下を抑制できる。従って、上記実施の形態の方がより望ましい。
【0089】
さらに、上記実施の形態において、凸部519及び凹部518は、双方とも、トナー粒子を担持するための担持部であることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、凹部518は担持部であるのに対し、凸部519は担持部でないこととしてもよい。
ただし、凸部519が担持部である場合には、担持部である凸部519に担持されたトナー粒子に該凸部519から力が作用しやすいから、現像ローラ510の表面に凸部519を設けたことによる効果、すなわち、トナー粒子の変形等を抑制できる効果が、より有効に奏される。従って、上記実施の形態の方がより望ましい。
【0090】
さらに、上記実施の形態において、図8に示すように、凹部518の深さは、トナー粒子の体積平均粒径の2倍以下であることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、凹部518の深さは、トナー粒子の体積平均粒径の2倍より大きいこととしてもよい。
凹部518の深さがトナー粒子の体積平均粒径の2倍以下である場合には、凹部518内で現像ローラ510と規制ブレード560との間に位置するトナー粒子の多くが、現像ローラ510及び規制ブレード560のうちの少なくともどちらか一方に接触するため、トナー粒子の帯電性が適切なものとなる。かかる点で、上記実施の形態の方がより望ましい。なお、凹部518の深さが、トナー粒子の体積平均粒径(の1倍)以下である場合には、凹部518内で現像ローラ510と規制ブレード560との間に位置するトナー粒子の多くが、現像ローラ510及び規制ブレード560の双方に接触することとなるため、より一層望ましい。
【0091】
===画像形成システム等の構成===
次に、本発明に係る実施の形態の一例である「画像形成システム」の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0092】
図14は、画像形成システムの外観構成を示した説明図である。画像形成システム700は、コンピュータ702と、表示装置704と、プリンタ706と、入力装置708と、読取装置710とを備えている。コンピュータ702は、本実施形態ではミニタワー型の筐体に収納されているが、これに限られるものではない。表示装置704は、CRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)やプラズマディスプレイや液晶表示装置等が用いられるのが一般的であるが、これに限られるものではない。プリンタ706は、上記に説明されたプリンタが用いられている。入力装置708は、本実施形態ではキーボード708Aとマウス708Bが用いられているが、これに限られるものではない。読取装置710は、本実施形態ではフレキシブルディスクドライブ装置710AとCD−ROMドライブ装置710Bが用いられているが、これに限られるものではなく、例えばMO(Magneto Optical)ディスクドライブ装置やDVD(Digital Versatile Disk)等の他のものであっても良い。
【0093】
図15は、図14に示した画像形成システムの構成を示すブロック図である。コンピュータ702が収納された筐体内にRAM等の内部メモリ802と、ハードディスクドライブユニット804等の外部メモリがさらに設けられている。
【0094】
なお、以上の説明においては、プリンタ706が、コンピュータ702、表示装置704、入力装置708、及び、読取装置710と接続されて画像形成システムを構成した例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、画像形成システムが、コンピュータ702とプリンタ706から構成されても良く、画像形成システムが表示装置704、入力装置708及び読取装置710のいずれかを備えていなくても良い。
【0095】
また、例えば、プリンタ706が、コンピュータ702、表示装置704、入力装置708、及び、読取装置710のそれぞれの機能又は機構の一部を持っていても良い。一例として、プリンタ706が、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部等を有する構成としても良い。
【0096】
このようにして実現された画像形成システムは、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】プリンタ10を構成する主要構成要素を示した図である。
【図2】図1のプリンタ10の制御ユニットを示すブロック図である。
【図3】現像装置の概念図である。
【図4】現像装置の主要構成要素を示した断面図である。
【図5】現像ローラ510の斜視模式図であり、互いに巻き方向の異なる螺旋状の第一溝部518a及び第二溝部518bを表した図である。
【図6】現像ローラ510の正面模式図である。
【図7】現像ローラ510の表面を示した模式図であって、図6に示す部分Aを拡大した図である。
【図8】凸部519と凹部518の断面形状を示した模式図である。
【図9】現像ローラ510の製造方法を示したフローチャートである。
【図10】現像ローラ510の製造工程における、現像ローラ510の変遷を示した模式図である。
【図11】現像ローラ510の転造加工を説明するための説明図である。
【図12】スクリーン及び潜像におけるピッチを説明するための図である。
【図13】現像ローラ510の変形例を示した図であって、凸部519の断面形状を示した模式図である。
【図14】画像形成システムの外観構成を示した説明図である。
【図15】図14に示した画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0098】
10 プリンタ、20 感光体、30 帯電ユニット、40 露光ユニット、
50 YMCK現像ユニット、50a 中心軸、51 ブラック現像装置、
52 マゼンタ現像装置、53 シアン現像装置、54 イエロー現像装置、
55a、55b、55c、55d 保持部、60 一次転写ユニット、
70 中間転写体、75 クリーニングユニット、76 クリーニングブレード、
80 二次転写ユニット、90 定着ユニット、92 給紙トレイ、
94 給紙ローラ、95 表示ユニット、96 レジローラ、
100 制御ユニット、101 メインコントローラ、
102 ユニットコントローラ、112 インターフェイス、113 画像メモリ、
510 現像ローラ、510a 円筒部、510b 軸部、
512 凹凸加工部、514 非凹凸加工部、518 凹部、
518a 第一凹部、518b 第二凹部、519 凸部、
519a 頂面、519b 側面、519c 繋ぎ部、519d 丸み、
520 上シール、520a 短手方向端部、520b 当接面、
520c 反対面、524 上シール付勢部材、
530 トナー収容体、530a 第一トナー収容部、
530b 第二トナー収容部、540 ハウジング、542 上ハウジング部、
544 下ハウジング部、545 仕切り壁、550 トナー供給ローラ、
560 規制ブレード、560a 先端、562 ゴム部、562a 当接部、
564 ゴム支持部、564a 薄板、564b 薄板支持部、
564c 長手方向両端部、564d 短手方向一端部、
564e 短手方向他端部、572 開口、
600 パイプ材、602 フランジ圧入部、604 フランジ、
650 丸ダイス、650a 凸、652 丸ダイス、652a 凸、
700 画像形成システム、702 コンピュータ、704 表示装置、
706 プリンタ、708 入力装置、708A キーボード、708B マウス、
710 読取装置、710A フレキシブルディスクドライブ装置、
710B CD−ROMドライブ装置、
802 内部メモリ、804 ハードディスクドライブユニット、
T トナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a1)その表面にトナー粒子を担持し、該トナー粒子によって像担持体に担持された潜像を現像するトナー粒子担持ローラであって、
(a2)前記表面に設けられた凸部であって、平坦な部分を有する頂面を備え、かつ、該頂面の幅が前記トナー粒子の体積平均粒径以上である凸部、
を有するトナー粒子担持ローラ、
(b)を備えたことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の現像装置であって、
前記トナー粒子担持ローラは、前記表面を備えた円筒部を有し、
該円筒部は、単一の材料から成ることを特徴とする現像装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の現像装置であって、
前記トナー粒子担持ローラの軸方向一端部から他端部に亘って該トナー粒子担持ローラに当接して、該トナー粒子担持ローラに担持されたトナー粒子の層厚を規制するための層厚規制部材を備え、
前記層厚規制部材は、該層厚規制部材が有する平面が前記トナー粒子担持ローラに当接することにより、前記層厚を規制することを特徴とする現像装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の現像装置であって、
前記表面に、前記トナー粒子担持ローラの軸方向及び周方向に対し傾斜を有し前記軸方向に等ピッチに形成された螺旋状の溝部が、設けられ、
前記溝部は、前記傾斜の角度を異ならせて2種類形成されており、
前記凸部は、前記2種類の前記溝部に囲まれて設けられていることを特徴とする現像装置。
【請求項5】
請求項4に記載の現像装置であって、
前記凸部は、前記頂面に繋がっている側面を備え、
前記頂面と前記側面の繋ぎ部に、丸みが形成されていることを特徴とする現像装置。
【請求項6】
請求項5に記載の現像装置であって、
前記丸みの曲率半径は、前記トナー粒子の体積平均粒径の半分以上であることを特徴とする現像装置。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の現像装置であって、
前記凸部に備えられている前記側面の、前記溝部の底面からの傾斜角は、45度以下であることを特徴とする現像装置。
【請求項8】
請求項4〜請求項7のいずれかに記載の現像装置であって、
前記凸部及び前記溝部は、双方とも、前記トナー粒子を担持するための担持部であることを特徴とする現像装置。
【請求項9】
請求項4〜請求項8のいずれかに記載の現像装置であって、
前記溝部の深さは、前記トナー粒子の体積平均粒径の2倍以下であることを特徴とする現像装置。
【請求項10】
請求項4〜請求項9のいずれかに記載の現像装置であって、
前記潜像は、格子状に区画された領域に形成されたドット状潜像を有し、
格子は、前記軸方向において複数種類のピッチで形成可能であり、
前記溝部の、前記軸方向におけるピッチは、前記格子における複数種類のピッチのうち最長ピッチより小さいことを特徴とする現像装置。
【請求項11】
(a1)その表面にトナー粒子を担持し、該トナー粒子によって像担持体に担持された潜像を現像するトナー粒子担持ローラであって、
(a2)前記表面に設けられた凸部であって、平坦な部分を有する頂面を備え、かつ、該頂面の幅が前記トナー粒子の体積平均粒径以上である凸部、
を有するトナー粒子担持ローラ、
(b)を備え、
(c)前記トナー粒子担持ローラは、前記表面を備えた円筒部を有し、
該円筒部は、単一の材料から成り、
(d)前記トナー粒子担持ローラの軸方向一端部から他端部に亘って該トナー粒子担持ローラに当接して、該トナー粒子担持ローラに担持されたトナー粒子の層厚を規制するための層厚規制部材を備え、
前記層厚規制部材は、該層厚規制部材が有する平面が前記トナー粒子担持ローラに当接することにより、前記層厚を規制し、
(e)前記表面に、前記トナー粒子担持ローラの軸方向及び周方向に対し傾斜を有し前記軸方向に等ピッチに形成された螺旋状の溝部が、設けられ、
前記溝部は、前記傾斜の角度を異ならせて2種類形成されており、
前記凸部は、前記2種類の前記溝部に囲まれて設けられ、
(f)前記凸部は、前記頂面に繋がっている側面を備え、
前記頂面と前記側面の繋ぎ部に、丸みが形成され、
(g)前記丸みの曲率半径は、前記トナー粒子の体積平均粒径の半分以上であり、
(h)前記凸部に備えられている前記側面の、前記溝部の底面からの傾斜角は、45度以下であり、
(i)前記凸部及び前記溝部は、双方とも、前記トナー粒子を担持するための担持部であり、
(j)前記溝部の深さは、前記トナー粒子の体積平均粒径の2倍以下であり、
(k)前記潜像は、格子状に区画された領域に形成されたドット状潜像を有し、
格子は、前記軸方向において複数種類のピッチで形成可能であり、
前記溝部の、前記軸方向におけるピッチは、前記格子における複数種類のピッチのうち最長ピッチより小さいことを特徴とする現像装置。
【請求項12】
その表面にトナー粒子を担持し、該トナー粒子によって像担持体に担持された潜像を現像するトナー粒子担持ローラであって、
前記表面に設けられた凸部であって、平坦な部分を有する頂面を備え、かつ、該頂面の幅が前記トナー粒子の体積平均粒径以上である凸部、
を有することを特徴とするトナー粒子担持ローラ。
【請求項13】
(a)潜像を担持するための像担持体と、
(b)その表面にトナー粒子を担持し、該トナー粒子によって前記像担持体に担持された潜像を現像するトナー粒子担持ローラであって、
前記表面に設けられた凸部であって、平坦な部分を有する頂面を備え、かつ、該頂面の幅が前記トナー粒子の体積平均粒径以上である凸部、
を有するトナー粒子担持ローラ、
を備えた現像装置と、
(c)を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
(A)コンピュータ、及び、
(B)このコンピュータに接続可能な画像形成装置であって、
(a)潜像を担持するための像担持体と、
(b)その表面にトナー粒子を担持し、該トナー粒子によって前記像担持体に担持された潜像を現像するトナー粒子担持ローラであって、
前記表面に設けられた凸部であって、平坦な部分を有する頂面を備え、かつ、該頂面の幅が前記トナー粒子の体積平均粒径以上である凸部、
を有するトナー粒子担持ローラ、
を備えた現像装置と、
(c)を有する画像形成装置、
(C)を具備したことを特徴とする画像形成システム。
【請求項15】
その表面にトナー粒子を担持し、該トナー粒子によって像担持体に担持された潜像を現像するトナー粒子担持ローラの製造方法であって、
平坦な部分を有する頂面を備え、かつ、該頂面の幅が前記トナー粒子の体積平均粒径以上である凸部、を転造加工により前記表面に形成するステップ、
を有することを特徴とするトナー粒子担持ローラの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−127800(P2007−127800A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−319930(P2005−319930)
【出願日】平成17年11月2日(2005.11.2)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】