現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
【課題】搬送部材によって跳ね上げられた現像剤が装置から排出されることなく、外部に排出する現像剤量にバラツキが生じることがなく、出力画像の画質が安定する、プレミックス現像方式の現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供する。
【解決手段】この発明の現像装置には、搬送部材23b1による搬送経路B1に対して外部に向けて凹設されるとともに、搬送経路B1で搬送される現像剤の一部が流入され流出されるポケット部23dが設けられている。このポケット部23dには、搬送経路B1の下流側に対応する側に覆設された壁部23d2と、ポケット部23dに流入された現像剤の剤面が所定高さを超えたときにその現像剤を装置の外部に排出するための排出口23d1と、が設けられている。
【解決手段】この発明の現像装置には、搬送部材23b1による搬送経路B1に対して外部に向けて凹設されるとともに、搬送経路B1で搬送される現像剤の一部が流入され流出されるポケット部23dが設けられている。このポケット部23dには、搬送経路B1の下流側に対応する側に覆設された壁部23d2と、ポケット部23dに流入された現像剤の剤面が所定高さを超えたときにその現像剤を装置の外部に排出するための排出口23d1と、が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置とそこに設置される現像装置及びプロセスカートリッジとに関し、特に、現像装置内に新品のキャリアを適宜に供給するプレミックス現像方式の現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤(添加剤等を添加する場合も含むものとする。)を収容した現像装置に、適宜に新しいキャリアを補給する技術(これをプレミックス現像方式という。)が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【0003】
2成分現像剤を用いた現像装置は、現像装置内におけるトナー消費に応じて、現像装置の一部に設けられたトナー補給口から現像装置内に適宜にトナーが補給される。補給されたトナーは、現像装置内の現像剤とともに、搬送スクリュ等の搬送部材(撹拌部材)によって撹拌・混合される。撹拌・混合された現像剤は、その一部が現像ローラに供給される。現像ローラに担持された現像剤は、ドクターブレードによって適量に規制された後に、その2成分現像剤中のトナーが感光体ドラムとの対向位置で感光体ドラム上の潜像に付着する。
【0004】
このように、通常の現像工程において現像装置内に収容された2成分現像剤中のキャリアは消費されることなく現像装置内に残るために、キャリアに経時劣化が生じてしまう。詳しくは、キャリアが現像装置内で長時間かけて撹拌・混合されることでキャリアのコーティング層が磨耗又は剥離してキャリアの帯電能力が低下する「膜削れ現象」や、キャリアの表面にトナーの成分や添加剤が付着してキャリアの帯電能力が低下する「スペント現象」が生じてしまう。
【0005】
プレミックス現像方式は、このようなキャリアの経時劣化による出力画像の画質低下を防止するためのものである。すなわち、現像装置内に新しいキャリア(又は新しい2成分現像剤)を適宜に補給するとともに、現像装置内に収容された2成分現像剤の一部を適宜に現像装置外に排出することで、現像装置内の劣化キャリアを減じて現像装置内に収容されたキャリアの量と帯電能力とを維持するものである。
このようなプレミックス現像方式を用いた画像形成装置は、キャリアの経時劣化が生じるごとに現像装置やキャリアを新品のものに交換する必要のある装置に比べて、経時においても出力画像の画質が安定化することになる。
【0006】
一方、特許文献1、特許文献2等には、プレミックス現像方式を用いた現像装置であって、現像装置から外部への現像剤の排出手段としてオーバーフロー方式を用いたものが開示されている。詳しくは、現像装置の壁部に排出口(穴部)を設けて、その位置に搬送される現像剤の剤面が所定高さを超えたときにその現像剤(キャリアの補給によって余剰分となった現像剤である。)が排出口から外部に排出される。
【0007】
また、特許文献2等には、排出口(現像剤排出口)から排出される現像剤量を少なくすることを目的として、排出口に対向する搬送部材(撹拌搬送部材)のスクリュ部(羽根)を除去(又は小径化)する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した特許文献1等のプレミックス現像方式の現像装置では、排出されるべき現像剤に加えて必要な現像剤までもが排出口から排出されてしまい、現像装置内の現像剤が過剰に排出されて現像剤量が不足してしまうことがあった。具体的には、剤面が所定高さを超えてしまった現像剤のみが排出口から排出されるべきであるのに対して、搬送部材によって跳ね上げられた現像剤も排出口から排出されてしまっていた。
このように、現像装置内の現像剤量が不足してしまうと、現像剤の劣化状態が不安定になったりトナーの帯電量が低下したりして、出力画像上に画像濃度低下等の不具合が生じてしまうことになる。
【0009】
このような問題を解決するために、特許文献2等では、排出口に対向する搬送部材のスクリュ部を除去(又は小径化)している。しかし、本願発明者が研究を重ねた結果、排出口に対向する搬送部材のスクリュ部を除去するのみでは、搬送部材によって跳ね上げられた現像剤が排出口から排出される不具合を充分に抑止することができないことを知るに至った。
【0010】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、搬送部材によって跳ね上げられた現像剤が装置から排出されることなく、外部に排出する現像剤量にバラツキが生じることがなく、出力画像の画質が安定する、プレミックス現像方式の現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明者は、前記課題を解決するために研究を重ねた結果、次の事項を知るに至った。
すなわち、搬送経路の外部に突出する受け部(ポケット部)を設けて、搬送部材によって跳ね上げられた現像剤を受け部の壁部に衝突させるとともに、受け部に流入された現像剤の一部を排出口から排出させることで、搬送部材によって跳ね上げられた現像剤が排出口から排出される不具合を充分に抑止することができる。
【0012】
この発明は以上述べた事項に基づくものであり、すなわち、この発明の請求項1記載の発明にかかる現像装置は、キャリアとトナーとを有する現像剤を収容するとともに、像担持体上に形成される潜像を現像する現像装置であって、装置内に収容された現像剤を長手方向に搬送して循環経路を形成する複数の搬送部材と、装置内に新たにキャリアを供給する供給手段と、前記複数の搬送部材のうち1つの搬送部材による搬送経路に対して外部に向けて凹設されるとともに、当該搬送経路で搬送される現像剤の一部が流入され流出される受け部と、を備え、前記受け部は、前記搬送経路の下流側に対応する側に覆設された壁部と、当該受け部に流入された現像剤の剤面が所定高さを超えたときにその現像剤を装置の外部に排出するための排出口と、を具備し、前記1つの搬送部材は、軸部上にスクリュ部が形成されたものであるとともに、長手方向の一部に前記スクリュ部が形成されていない切欠領域を具備し、前記受け部は、前記切欠領域に対向する位置に配設されたものである。
【0013】
また、請求項2記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1に記載の発明において、前記受け部は、その底部が前記搬送経路の側に向けて下方に傾斜するように形成されたものである。
【0014】
また、請求項3記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記排出口は、前記搬送経路の上流側に対応する側に配設されたものである。
【0015】
また、請求項4記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明において、前記受け部は、その開口の長手方向の長さが前記切欠領域の長手方向の長さよりも小さくなるように形成されたものである。
【0016】
また、請求項5記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明において、前記受け部は、前記切欠領域に対して前記搬送経路の上流側に対向しないように形成されたものである。
【0017】
また、請求項6記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の発明において、前記受け部は、前記搬送経路の下流側に形成されたものである。
【0018】
また、請求項7記載の発明にかかる現像装置は、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の発明において、前記受け部に対して前記搬送経路の上流側に、前記受け部が配設された位置を通過させずに現像剤の一部を前記循環経路の上流側に戻すためのバイパス経路の開口を備え、前記バイパス経路と前記受け部とを前記搬送経路の外部で隔絶する仕切り壁を備えたものである。
【0019】
また、請求項8記載の発明にかかる現像装置は、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の発明において、前記像担持体に対向するとともに、現像剤を担持する現像剤担持体を備え、前記複数の搬送部材は、前記現像剤担持体に対向するとともに当該現像剤担持体に現像剤を供給する第1搬送部材と、前記第1搬送部材の下方であって前記現像剤担持体に対向する位置に配設されるとともに当該現像剤担持体から離脱された現像剤を搬送する第2搬送部材と、前記第2搬送部材によって搬送された現像剤を前記第1搬送部材による搬送経路の上流側に搬送する第3搬送部材と、であって、前記第1搬送部材による搬送経路と前記第2搬送部材による搬送経路と前記第3搬送部材による搬送経路とを隔絶する壁部を備え、前記1つの搬送部材を、前記第1搬送部材としたものである。
【0020】
また、請求項9記載の発明にかかる現像装置は、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の発明において、前記供給手段は、装置内に新たにトナーを前記キャリアとともに供給するものである。
【0021】
また、請求項10記載の発明にかかるプロセスカートリッジは、画像形成装置の装置本体に対して着脱自在に設置されるプロセスカートリッジであって、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とが一体化されたものである。
【0022】
また、この発明の請求項11記載の発明にかかる画像形成装置は、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とを備えたものである。
【0023】
なお、本願において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電部と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像部(現像装置)と、像担持体上をクリーニングするクリーニング部とのうち、少なくとも1つと、像担持体とが、一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱自在に設置されるユニットと定義する。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、搬送経路の外部に突出する受け部(ポケット部)を設けて、搬送部材によって跳ね上げられた現像剤を受け部の壁部に衝突させるとともに、受け部に流入された現像剤の一部を排出口から排出させているために、搬送部材によって跳ね上げられた現像剤が装置から排出されることなく、外部に排出する現像剤量にバラツキが生じることがなく、出力画像の画質が安定する、プレミックス現像方式の現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
【図2】図1の画像形成装置に設置されたプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
【図3】現像装置を示す拡大図である。
【図4】現像装置における循環経路を長手方向にみた断面図である。
【図5】図4の循環経路におけるY1−Y1断面を示す概略断面図である。
【図6】図4の循環経路におけるY2−Y2断面を示す概略断面図である。
【図7】図4の循環経路において現像剤に波状の偏りが生じた状態を示す図である。
【図8】ポケット部の近傍を示す上面図である。
【図9】ポケット部の近傍を示す斜視図である。
【図10】ポケット部の近傍を別の角度から示す斜視図である。
【図11】ポケット部の近傍をさらに別の角度から示す斜視図である。
【図12】第1搬送部材によって跳ね上げられた現像剤が排出口に侵入する状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
実施の形態.
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0027】
まず、図1にて、実施の形態における画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
書込み部2A〜2Dは、画像情報に基いて帯電工程後の感光体ドラム21(像担持体)に静電潜像を書き込むための装置である。書込み部2A〜2Dは、ポリゴンミラー3A〜3Dや光学素子4A〜4D等を用いた光走査装置である。なお、書込み部として、光走査装置の替わりにLEDアレイを用いることもできる。
給紙部61は、記録紙、OHP等の被転写材Pを格納して、画像形成時には被転写材Pを転写ベルト30に向けて給送する。
【0028】
転写ベルト30は、被転写材Pをその表面に静電的に吸着させて搬送して感光体ドラム21上に形成されたトナー像を被転写材P上に転写するための無端状ベルトであって、その外周面上に吸着ローラ64とベルトクリーナ65とを設けている。
転写ベルト30を介して感光体ドラム21に対向する転写ローラ24は、芯金と芯金を被覆する導電性弾性層とを有する。転写ローラ24の導電性弾性層は、ポリウレタンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンポリエチレン(EPDM)等の弾性材料に、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化スズ等の導電性付与剤を配合分散して電気抵抗値(体積抵抗率)を中抵抗に調整した弾性体である。
【0029】
定着部66は、加熱ローラ68および加圧ローラ67を有し、被転写材P上のトナー像を圧力と熱とによって被転写材Pに定着させる。
転写ベルト30に沿って縦方向に配設された4つのプロセスカートリッジ20Y、20C、20M、20BKは、それぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのトナー像を形成するためのものである。
【0030】
各プロセスカートリッジ20Y、20C、20M、20BK上には、キャリア(磁性キャリア)と各色(イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック)のトナー(トナー粒子)とを現像装置23に供給する供給手段としての剤カートリッジ28Y、28C、28M、28BKが設置されている。
プロセスカートリッジ20Y、20C、20M、20BK、及び、剤カートリッジ28Y、28C、28M、28BKは、転写ベルト30を回転支軸を中心に開放して装置本体1から着脱することができる。
【0031】
本実施の形態の画像形成装置は、複写機及びプリンタとして機能する複合型の画像形成装置である。複写機として機能する場合には、スキャナから読み込まれた画像情報に対してA/D変換、MTF補正、階調処理等の種々の画像処理が施されて書込みデータに変換される。プリンタとして機能する場合には、コンピュータ等から送信されるページ記述言語やビットマップ等の形式の画像情報に対して画像処理が施されて書込みデータに変換される。
【0032】
画像形成時には、書込み部2A〜2Dからプロセスカートリッジ20BK、20M、20C、20Yに対して、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローの画像情報に応じた露光光がそれぞれ照射される。すなわち、各光源から発せられた露光光(レーザ光)がポリゴンミラー3A〜3D、光学素子4A〜4D等を通過して、各感光体ドラム21上に照射される。これによって、各プロセスカートリッジ20BK、20M、20C、20Yの感光体ドラム21(像担持体)上に、露光光に応じたトナー像が形成される。そして、このトナー像が、被転写材Pに転写されることになる。
【0033】
給紙部61から給送された被転写材Pは、レジストローラ63の位置で一旦タイミングを合わせて、転写ベルト30の位置に搬送される。転写ベルト30の送入位置に配設された吸着ローラ64は、電圧の印加によって送入された被転写材Pを転写ベルト30に吸着させる。転写ベルト30の矢印方向の走行にともない移動する被転写材Pは、各プロセスカートリッジ20Y、20C、20M、20BKの位置を順次通過して各色のトナー像が重ねて転写される。
【0034】
カラーのトナー像が転写された被転写材Pは、転写ベルト30から分離して定着部66に達する。被転写材P上のトナー像は、加熱ローラ68及び加圧ローラ67に挟まれつつ加熱されることで被転写材P上に定着される。一方、被転写材Pが分離した後の転写ベルト30表面は、その後にベルトクリーナ65の位置に達して、その表面に付着したトナー等の汚れがクリーニングされる。
【0035】
次に、画像形成装置におけるプロセスカートリッジ及び剤カートリッジについて詳述する。
なお、各プロセスカートリッジ20Y、20C、20M、20BKはほぼ同一構造であって、各剤カートリッジ28Y、28C、28M、28BKもほぼ同一構造であるために、図2にてプロセスカートリッジ及び剤カートリッジは符号のアルファベット(Y、C、M、BK)を除して図示する。また、書込み部は符号のアルファベット(A〜D)を除して図示する。
【0036】
図2は、装置本体1に設置されたプロセスカートリッジ20及び剤カートリッジ28を示す概略構成図である。図3は、プロセスカートリッジ20に設置された現像装置23を示す拡大図である。図4は、現像装置23における循環経路を図3に示す矢印X方向から長手方向にみた断面図である。図5は、図4の現像装置23における循環経路のY1−Y1断面を示す概略断面図である。図6は、図4の現像装置23における循環経路のY2−Y2断面を示す概略断面図である。
【0037】
図2に示すように、プロセスカートリッジ20は、像担持体としての感光体ドラム21、帯電部22、現像装置23(現像部)、クリーニング部25が一体化されたものであって、プレミックス現像方式(キャリアの補給・排出を適宜におこなう現像方式である。)が採用されている。
像担持体としての感光体ドラム21は、負帯電の有機感光体であって、不図示の回転駆動機構によって反時計方向に回転駆動される。
【0038】
帯電部22は、芯金上に、ウレタン樹脂、導電性粒子としてのカーボンブラック、硫化剤、発泡剤等を処方した中抵抗の発泡ウレタン層をローラ状に形成した弾性を有する帯電ローラである。帯電部22の中抵抗層の材質としては、ウレタン、エチレン−プロピレン−ジエンポリエチレン(EPDM)、ブタジエンアクリロニトリルゴム(NBR)、シリコーンゴムや、イソプレンゴム等に抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム材や、またこれらを発泡させたものを用いることもできる。
クリーニング部25は、感光体ドラム21に摺接するクリーニングブラシ(又は、クリーニングブレード)が設置されていて、感光体ドラム21上の未転写トナーを機械的に除去・回収する。
【0039】
現像装置23は、現像剤担持体としての2つの現像ローラ23a1、23a2が感光体ドラム21に近接するように配置されていて、双方の対向部分には感光体ドラム21と磁気ブラシとが接触する現像領域が形成される。現像装置23内には、トナーTとキャリアCとからなる現像剤G(2成分現像剤)が収容されている。そして、現像装置23は、感光体ドラム21上に形成される静電潜像を現像する(トナー像を形成する。)。なお、現像装置23の構成・動作については、後で詳しく説明する。
【0040】
ここで、本実施の形態における現像装置23は、プレミックス現像方式のものであって、現像装置23内に適宜に新品のキャリアC(現像剤G)が剤カートリッジ28から供給されるとともに、劣化した現像剤Gが現像装置23の外部に設置された剤貯留容器70に向けて排出される。
図2を参照して、剤カートリッジ28は、その内部に現像装置23内に供給するための現像剤G(トナーT及びキャリアC)を収容している。そして、剤カートリッジ28は、現像装置23に新品のトナーTを供給するトナーカートリッジとして機能するとともに、現像装置23に新品のキャリアCを供給する供給手段として機能する。具体的に、現像装置23に設置された磁気センサ26(図4を参照できる。)によって検知されるトナー濃度(現像剤G中のトナーの割合である。)の情報に基いて、シャッタ機構80の開閉動作をおこなって、供給手段としての剤カートリッジ28から現像装置23内に向けて現像剤Gを適宜に供給する。
なお、本実施の形態では、剤カートリッジ28の現像剤Gにおける、キャリアCに対するトナーTの混合率(トナー濃度)が比較的高く設定されている。
【0041】
供給手段としての供給管29は、剤カートリッジ28から供給される現像剤G(トナーT及びキャリアC)を現像装置23内に確実に導くためのものである。すなわち、剤カートリッジ28から排出された現像剤Gは、供給管29を介して、現像装置23内に供給される。
【0042】
次に、感光体ドラム21上でおこなわれる作像プロセスについて説明する。
図2を参照して、感光体ドラム21が反時計方向に回転駆動されると、まず、帯電部22の位置で感光体ドラム21の表面が一様に帯電される。その後、帯電された感光体ドラム21表面は、露光光Lの照射位置に達して、書込み部2による露光工程がおこなわれる。すなわち、露光光Lの照射によって感光体ドラム21上を画像情報に応じて選択的に除電することで、照射されなかった非画像部の電位との差(電位コントラスト)を発生させて静電潜像を形成する。なお、この露光工程は、感光体ドラム21の感光層中で電荷発生物質が光を受けて電荷を発生して、このうち正孔が感光体ドラム21表面の帯電電荷と打ち消しあうものである。
【0043】
その後、潜像が形成された感光体ドラム21表面は、現像装置23との対向位置に達する。感光体ドラム21上の静電潜像は、現像ローラ23a1、23a2上の磁気ブラシと接触して、磁気ブラシ中の負帯電されたトナーTが付着されて可視化される。
詳しくは、上方の現像ローラ23a1の磁極による磁力で汲み上げられた現像剤Gは、ドクターブレード23cによって適量化された後に、感光体ドラム21との対向部である現像領域(2つの現像ローラ23a1、23a2と感光体ドラム21との対向領域である。)に搬送される。現像領域において穂立ちされたキャリアCが感光体ドラム21を摺擦する。このとき、キャリアCに混合されているトナーTは、キャリアCとの摩擦によって負帯電されている。これに対して、キャリアCは正帯電されている。不図示の電源部から現像ローラ23a1、23a2に対して、所定の現像バイアスが印加される。これによって、現像ローラ23a1、23a2と感光体ドラム21との間に電界が形成されて、負帯電されたトナーTが電界によって感光体ドラム21上の画像部にのみ選択的に付着してトナー像を形成する。
【0044】
その後、トナー像が形成された感光体ドラム21表面は、転写ベルト30及び転写ローラ24との対向位置に達する。そして、このタイミングに合わせてその対向位置に搬送された被転写材P上に、感光体ドラム21上のトナー像が転写される。このとき、転写ローラ24には、所定の電圧が印加されている。
その後、トナー像が転写された被転写材Pは、定着部66を通過して、排出ローラ69から装置外部に排出される。
【0045】
一方、転写工程時に被転写材Pに転写されずに感光体ドラム21上に残留したトナーT(未転写トナー)は、感光体ドラム21上に付着したままクリーニング部25との対向部に達する。そして、感光体ドラム21上の未転写トナーは、クリーニング部25で除去・回収される。
その後、感光体ドラム21表面は、不図示の除電部を通過して、感光体ドラム21における一連の作像プロセスが終了する。
【0046】
以下、現像装置23の構成・動作について詳述する。
図3を参照して、現像装置23は、現像剤担持体としての現像ローラ23a1、23a2、搬送部材としての搬送スクリュ23b1〜23b3(オーガスクリュ)、ドクターブレード23c、キャリア捕集ローラ23k、スクレーパ23m、排出スクリュ23n、等で構成されている。また、現像装置23内には、現像剤Gを搬送して循環経路を形成する3つの現像剤搬送部B1〜B3(搬送経路)が形成されている。
【0047】
現像ローラ23a1、23a2は、アルミニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹脂等の非磁性体を円筒形に形成してなるスリーブが不図示の回転駆動機構によって時計方向に回転されるように構成されている。現像ローラ23a1、23a2のスリーブ内には、スリーブの周面に現像剤Gの穂立ちを生じるように磁界を形成するマグネットが固設されている。マグネットから発せられる法線方向磁力線に沿うように、現像剤G中のキャリアCがスリーブ上にチェーン状に穂立ちする。このチェーン状に穂立ちしたキャリアCに帯電したトナーTが付着されて、磁気ブラシが形成される。磁気ブラシは、スリーブの回転によってスリーブと同方向(時計方向)に移送される。
ドクターブレード23cは、現像領域の上流側に設置されていて、第1の現像ローラ23a1上の現像剤を適量に規制する。
【0048】
3つの搬送スクリュ23b1〜23b3は、軸部上に螺旋状にスクリュ部が形成されたものであって、現像装置23内に収容された現像剤Gを長手方向(図2の紙面垂直方向である。)に循環しながら撹拌・混合する。
第1搬送部材(1つの搬送部材)としての第1搬送スクリュ23b1は、第1現像剤搬送部B1であって現像ローラ23a1に対向する位置に配設されていて、現像剤Gを水平方向に搬送する(図4の白矢印に示す左方向の搬送である。)とともに、現像ローラ23a1上に現像剤23aを供給する。換言すると、第1現像剤搬送部B1は、現像ローラ23a1に対向するとともに、現像ローラ23a1に現像剤Gを長手方向(現像ローラ23a1の回転軸方向である。)に搬送しながら供給する。
【0049】
第2搬送部材としての第2搬送スクリュ23b2は、第2現像剤搬送部B2に設置されている。第2搬送スクリュ23b2は、第1搬送スクリュ23b1の下方であって現像ローラ23a2に対向する位置に配設されている。そして、現像ローラ23a2から離脱した現像剤G(現像工程後に剤離れ極によって現像ローラ23a2上から強制的に離脱された現像剤Gある。)を水平方向に搬送する(図4の白矢印に示す左方向の搬送である。)。換言すると、第2現像剤搬送部B2は、第1現像剤搬送部B1の下方であって現像ローラ23a2に対向する位置に配設されるとともに、現像ローラ23a2から離脱された現像剤Gを長手方向に搬送する。
第1搬送スクリュ23b1及び第2搬送スクリュ23b2は、現像ローラ23a1、23a2や感光体ドラム21と同様に、回転軸がほぼ水平になるように配設されている。
【0050】
第3搬送部材としての第3搬送スクリュ23b3は、第3現像剤搬送部B3に設置されている。第3搬送スクリュ23b3は、第2搬送スクリュ23b2による搬送経路の下流側と、第1搬送部材23b1による搬送経路の上流側と、を直線的に結ぶように、水平方向に対して斜めに配設されている(図4を参照できる。)。そして、第3搬送スクリュ23b3は、第2搬送スクリュ23b2によって搬送された現像剤Gを第1搬送部材23b1による搬送経路の上流側に搬送するとともに、第1搬送スクリュ23b1による搬送経路の下流側から落下経路23fを介して循環される現像剤Gを第1搬送部材23b1による搬送経路の上流側に搬送する(図4の白矢印に示す右斜め上方への搬送である。)。換言すると、第3現像剤搬送部B3は、第2現像剤搬送部B2によって搬送された現像剤Gを第1現像剤搬送部B1の上流側に搬送するとともに、第1現像剤搬送部B1の下流側に達した現像剤Gを第1現像剤搬送部B1の上流側に搬送する。
【0051】
なお、第1搬送スクリュ23b1による搬送経路(第1現像剤搬送部B1)と、第2搬送スクリュ23b2による搬送経路(第2現像剤搬送部B2)と、第3搬送スクリュ23b3による搬送経路(第3現像剤搬送部B3)と、は壁部によって隔絶されている。
図4を参照して、第2現像剤搬送部B2の下流側と、第3現像剤搬送部B3の上流側と、は第1中継部23gを介して連通している。また、第3現像剤搬送部B3の下流側と、第1現像剤搬送部B1の上流側と、は第2中継部23hを介して連通している。また、第1現像剤搬送部B1の下流側と、第3現像剤搬送部B3の上流側と、は落下経路23fを介して連通している。
【0052】
このような構成により、3つの現像剤搬送部B1〜B3(搬送スクリュ23b1〜23b3)によって、現像装置23において現像剤Gを長手方向に循環させる循環経路が形成されることになる。ここで、現像装置23が稼動されると、装置内に収容された現像剤は図4中の斜線で示すような状態で流動する。図4を参照して、第1現像剤搬送部B1において、下流側における現像剤の剤面が上流側の剤面に比べて低くなっているのは、搬送中の現像剤の一部が現像ローラ23a1に供給されているためである。すなわち、現像ローラ23a1に供給されなかった現像剤は、落下経路23fを介して第3現像剤搬送部B3の上流側に移動することになる。
なお、第3現像剤搬送部B3にはトナー濃度センサとしての磁気センサ26が設置されている。そして、磁気センサ26によって検知されるトナー濃度の情報に基いて、供給手段としての剤カートリッジ28から現像装置23内に向けて所定のトナー濃度の現像剤Gが供給される。本実施の形態では、現像装置23内の現像剤Gのトナー濃度が4〜7重量%になるように制御されている。
【0053】
ここで、図4及び図5を参照して、第1現像剤搬送部B1の壁部には、現像装置23内に収容された現像剤Gの一部を外部(剤貯溜容器70)に排出するためのポケット部23d(排出口23d1)が設けられている。詳しくは、ポケット部23dの排出口23d1は、供給手段28、29によって現像装置23内に現像剤Gが供給されて装置内の現像剤量が増加してポケット部23dに流入される現像剤の剤面(上面)が所定高さを超えたときに、その余剰分の現像剤Gを剤貯留容器70に向けて排出するためのものである。すなわち、余剰分の現像剤Gは、排出口23d1の下部の高さを超えて、排出口23d1から排出されて排出経路71を経由して剤貯留容器70に向けて搬送されていく。このように、トナーTの母体樹脂や外添剤によって汚染されて劣化したキャリアが自動的に現像部の外部に排出されるので、経時においても画像品質の劣化を抑止することができる。
なお、図2、図4等では図示を省略しているが、排出経路71中には、排出口23d1から排出された現像剤を水平方向に搬送するための排出スクリュ23nが設置されている(図3、図8、図9を参照できる。)。
【0054】
また、現像装置23における現像剤の循環経路において、上述したポケット部23d(排出口23d1)が配設された位置を通過せずに現像剤Gの一部を循環経路の上流側に戻すためのバイパス経路が形成されている。具体的には、図4及び図6を参照して、第1現像剤搬送部B1であって、ポケット部23d(排出口23d1)の上流側(ポケット部23dの開口に比較的近接した位置である。)に、開口23eが設けられている。そして、この開口23eがバイパス経路の入口となって、バイパス経路の出口が第3搬送スクリュ23b3による搬送経路中(長手方向中央近傍である。)に配設されている。
【0055】
このように、現像装置23における現像剤の循環経路にバイパス経路を設けることで、現像装置内の現像剤に波状の偏り等が生じても、排出口23d1から排出される現像剤量にバラツキが生じて、必要量を超えた現像剤が現像装置23から排出される不具合を抑止することができる。
【0056】
図7は、現像装置23における現像剤の循環経路において、現像剤に波状の偏りが生じた状態を示す図である。このように、現像剤の循環経路では、高低差の大きな波状の偏りが生じる場合がある。このような波状の偏りは、現像装置23の稼動を開始した直後(再起動直後)に顕著にあらわれる。そして、このような波状の偏りが生じた場合には、バイパス経路がないと、排出口23d1の下部よりも高い位置にある現像剤(図7中の高さH2の現像剤である。)のすべてが排出口23d1から排出されてしまう。このようにして排出されてしまう現像剤は本来的に排出を予定していないものであるために、このような現象が繰り返し生じると現像装置23内の現像剤量が不足してしまい、現像剤の劣化状態が不安定になったりトナーの帯電量が低下したりして、出力画像上に画像濃度低下等の不具合が生じてしまうことになる。
【0057】
これに対して、本実施の形態では、ポケット部23d(排出口23d1)の上流側にバイパス経路に通じる開口23eを設けているために、排出口23d1の下部よりも高い位置にある現像剤の一部が排出口23d1から排出されることなく、開口23eを通じて第3搬送スクリュ23b3における搬送経路に戻されることになる。これにより、排出口23d1から過剰に現像剤が排出される不具合を抑止することができる。
【0058】
ここで、バイパス経路における開口23eの下部の高さが、排出口23d1の下部の高さよりも高さH1だけ高くなるように構成されている。
これにより、排出口23d1の下部よりも高い位置にある現像剤のうち、高さ(H2−H1)分の現像剤は排出口23d1から排出されることなく、開口23eを通じて第3搬送スクリュ23b3における搬送経路に戻されることになる。これにより、排出手段の本来の機能を維持しつつ、排出口23d1から過剰に現像剤が排出される不具合を確実に抑止することができる。ここで、排出口23d1と開口23eとの長手方向の距離Wは、なるべく短い方が好ましい。
【0059】
ここで、図3を参照して(図2、図4等では図示を省略している。)、本実施の形態では、第2の現像ローラ23a2の下方(回転方向下流側)であって、感光体ドラム21に対向する位置に、キャリア捕集ローラ23kが設置されている。さらに、キャリア捕集ローラ23kに当接する位置に、スクレーパ23mが設置されている。
キャリア捕集ローラ23kは、ステンレス等からなる円筒体内に所定の磁界を形成するマグネットが固設されたものであって、現像装置23内から移動(飛翔)して感光体ドラム21に付着したキャリアを捕集するためのものである。キャリア捕集ローラ23kは、図3の反時計方向に回転駆動される。キャリア捕集ローラ23kによって捕集されて担持されたキャリアは、そのほとんどが第2の現像ローラ23a2との対向位置で現像ローラ23a2上に移行して、現像ローラ23a2の剤離れ極の位置で現像ローラ23a2から離脱して第2現像剤搬送部B2内に回収される。一方、現像ローラ23a2上に移行せずにキャリア捕集ローラ23k上に残留・担持されたキャリアは、スクレーパ23mによって機械的に掻き取られて、第2現像剤搬送部B2内に回収される。このように、キャリア捕集ローラ23kを設置することで、感光体ドラム21上に付着したキャリアを現像装置23内に回収できるために、異常画像(ホタル画像、白抜け画像)の発生が抑止されるとともに、現像装置23内のキャリアが不足する不具合が抑止される。
【0060】
なお、本実施の形態では、現像ローラ23a1、23a2の外径が30mm、現像ローラ23a1、23a2の外周面上の線速が748mm/秒、キャリア捕集ローラ23kの外径が16mm、キャリア捕集ローラ23kの外周面上の線速が10.6mm/秒、プロセス線速(感光体ドラム21の外周面上の線速、及び、被転写材Pの搬送速度である。)が440mm/秒、程度に設定されている。
また、本実施の形態において用いられるキャリアCは、粒径が55μm、飽和磁化が96emu/g、程度のものである。さらに、本実施の形態において用いられるトナーTは、粒径が6.8μm程度のものである。
【0061】
以下、図8〜図11にて、本実施の形態において特徴的な、現像装置23の構成・動作について詳述する。
図8は、ポケット部23dの近傍を示す上面図である。図9は、ポケット部23dの近傍を示す斜視図である。図10は、ポケット部23dの近傍を別の角度から示す斜視図である。図11は、ポケット部23dの近傍をさらに別の角度から示す斜視図である。
【0062】
図8〜図11に示すように、第1搬送スクリュ23b1による搬送経路(第1現像剤搬送部B1)の壁部には、第1現像剤搬送部B1に対して外部に向けてポケット部23dが凹設されている。そして、ポケット部23dには、第1現像剤搬送部B1で搬送される現像剤(図8の白矢印方向に流動する現像剤である。)の一部が流入され流出されることになる。詳しくは、ポケット部23dの開口(第1現像剤搬送部B1の壁部に設けられた開口である。)からポケット部23d内に現像剤が流入して、ポケット部23dの底部23d4の傾斜に沿ってポケット部23d内の現像剤が第1現像剤搬送部B1に向けて流出されて、ポケット部23d内には一定量以上の現像剤が流動しながら貯留されている。
ここで、図10及び図11を参照して、ポケット部23dの底部23d4は、第1現像剤搬送部B1の側に向けて下方に所定角度(現像剤が底部23d4を滑落するのに充分な角度である。)で傾斜するように形成されているために、ポケット部23dの流入・流出がスムーズにおこなわれる。
【0063】
図8を参照して、ポケット部23dには、第1現像剤搬送部B1の上流側に対応する側(中央から上流に至る範囲である。)に、排出口23d1が配設されている。そして、ポケット部23dに流入された現像剤の剤面が所定高さ(排出口23d1の下部の高さである。)を超えたときに、その現像剤が排出口23d1から現像装置23の外部に排出される。詳しくは、排出口23d1から排出された現像剤は、排出経路上に自重落下した後に排出スクリュ23nによって剤貯留容器に向けて搬送される。
【0064】
また、ポケット部23dには、第1現像剤搬送部B1の下流側に対応する側(中央から下流に至る範囲である。)に、壁部23d2が覆設されている。これにより、第1搬送スクリュ23b1のスクリュ部23b1bによって跳ね上げられた現像剤は、ポケット部23d内に侵入して壁部23d2に衝突することになる(図8の破線矢印に示す現像剤の動きである。)。壁部23d2に衝突した現像剤は、ポケット部23d内に貯留された流動状態の現像剤中に堆積されることになる。すなわち、図12に示すように、従来のように搬送経路の壁部に排出口23sを直接的に形成した場合には、第1搬送スクリュ23b1のスクリュ部23b1bによって跳ね上げられた現像剤が排出口23sから外部に排出されてしまっていた。これに対して、本実施の形態では、第1搬送スクリュ23b1によって跳ね上げられてポケット部23d内に侵入した現像剤を壁部23d2にて受け止めるとともに、跳ね上げられた現像剤が直接的に入り込まない位置に排出口23d1を設けているために、現像装置23から現像剤が過剰に排出される不具合を抑止することができる。
【0065】
また、図8〜図10に示すように、第1搬送スクリュ23b1は、軸部23b1a上に螺旋状にスクリュ部23b1bが形成されたものである。そして、本実施の形態では、第1搬送スクリュ23b1の長手方向の一部に、スクリュ部23b1bが形成されていない切欠領域23b10(図中のMの範囲であって、軸部23b1aのみで形成された領域である。)を設けている。このスクリュ部23b1bが形成されていない切欠領域23b10は、第1現像剤搬送部B1(第1搬送スクリュ23b1による搬送経路)の下流側であって、非画像領域(画像形成に関与しない領域である。)に設けられている。
また、ポケット部23dは、第1搬送スクリュ23b1の切欠領域23b10に対向するとともに、切欠領域23b10の長手方向(回転軸方向)の長さMよりも開口の長手方向の長さNが小さくなるように形成されている(M>Nである。)。なお、ポケット部23dも、第1現像剤搬送部B1の下流側であって、非画像領域に設けられている。
【0066】
このように、第1搬送スクリュ23b1に切欠領域23b10を設けることで、その近傍にて跳ね上がる現像剤の量を軽減できる。さらに、ポケット部23dの開口の長手方向長さNを切欠領域23b10の長手方向長さMよりも小さくするとともに切欠領域23b10の範囲内に対向させることで、切欠領域23b10の上流側で跳ね上がった現像剤がポケット部23dに侵入する量を効率的に軽減することができる。このように、跳ね上がりによりポケット部23dに侵入する現像剤量を軽減できるために、上述したポケット部23d(壁部23d2)の効果がさらに確実なものになって、現像装置23内の現像剤が過剰に排出されて現像剤量が不足してしまう不具合が抑止される。
【0067】
本願発明者が実験をおこなったところ、上述の構成によれば、図12のように搬送経路の壁部に排出口23sを直接的に形成した場合に比べて、第1搬送スクリュ23b1によって跳ね上げられた現像剤が排出口23d1から排出される量が格段に減少することが確認された。
なお、本実施の形態では、第1搬送スクリュ23b1に切欠領域23b10を形成したが、第1搬送スクリュ23b1に切欠領域23b10を形成しない場合でも、本実施の形態と同様のポケット部23dを設けることで、第1搬送スクリュ23b1によって跳ね上げられた現像剤が排出口23d1から排出される量が格段に減少することが確認された。
【0068】
他方、第1搬送スクリュ23b1に切欠領域23b10を設けることで、切欠領域23b10を設けない場合に比べて、第1現像剤搬送部B1における現像剤の傾き(先に図4にて説明した、下流側における現像剤の剤面が上流側の剤面に比べて低くなる現象である。)が小さくなり、オーガスジ(下流側で剤面が低くなるときにスクリュ部23b1bのピッチで生じる画像ムラである。)が発生しにくくなることも確認した。
【0069】
ここで、本実施の形態では、ポケット部23dや切欠領域23b10を、第1現像剤搬送部B1の下流側であって、非画像領域に設けている。これにより、第1搬送スクリュ23b1のスクリュ部23b1bを切欠いたことによる出力画像への影響や、ポケット部23dを設けたことによる出力画像への影響をなくすことができる。
【0070】
なお、図8及び図9に示すように、ポケット部23dは、切欠領域23b10に対して上流側(第1現像剤搬送部B1の上流側である。)に対向しないように形成することが好ましい。すなわち、切欠領域23b10の上流側端部から離間させた位置に、ポケット部23dの上流側端部を設けることが好ましい。さらに換言すると、ポケット部23dは、切欠領域23b10の中央から下流側に至る範囲に対向するように配設することが好ましい。
このように構成することで、第1搬送スクリュ23b1の回転によって切欠領域23b10の上流側で跳ね上がった現像剤がポケット部23dに侵入する量がさらに確実に軽減される。
【0071】
また、本実施の形態では、先に図4及び図6で説明したように、ポケット部23dの上流側に、ポケット部23dが配設された位置を通過させずに現像剤の一部を循環経路の上流側に戻すためのバイパス経路の開口23eが設けられている。そして、バイパス経路とポケット部23dとの間には、バイパス経路とポケット部23dとを第1現像剤搬送部B1の外部で隔絶する仕切り壁23d3が設置されている。これにより、バイパス経路とポケット部23dとが近接する場合であっても、バイパス経路を流動する現像剤と、ポケット部23d(排出口23d1)から排出される現像剤と、が混入する不具合を抑止することができる。なお、本実施の形態では、図9及び図11に示すように、仕切り壁23d3の下端がポケット部23d側にクの字状に曲がっているために、排出口23d1から排出された現像剤が排出経路に向けて確実に排出されることになる。
【0072】
以上説明したように、本実施の形態では、第1現像剤搬送部B1(搬送経路)の外部に突出するポケット部23dを設けて、第1搬送スクリュ23b1(搬送部材)によって跳ね上げられた現像剤をポケット部23dの壁部23d2に衝突させるとともに、ポケット部23dに流入された現像剤の一部を排出口23d1から排出させているために、第1搬送スクリュ23b1によって跳ね上げられた現像剤が現像装置23から排出されることなく、外部に排出する現像剤量にバラツキが生じることがなく、出力画像の画質が安定する、プレミックス現像方式の現像装置23を提供することができる。
【0073】
なお、本実施の形態では、現像剤搬送部B1〜B3が3つ設置された現像装置23に対して本発明を適用したが、現像剤搬送部が2つ以下又は4つ以上設置された現像装置に対しても本発明を適用することができる。その場合も、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、第3搬送スクリュ23b3を水平方向に対して斜めに配設したが、第3搬送スクリュ23b3を水平に配設することもできる。
さらに、本実施の形態では、ポケット部23dを第1現像剤搬送部B1の壁部に設けたが、ポケット部23dをその他の現像剤搬送部B2、B3の壁部に設けることもできる。
【0074】
また、本実施の形態では、供給手段としての剤カートリッジ28から現像装置23に向けて現像剤G(トナーT及びキャリアC)を供給したが、供給手段からキャリアCのみを現像装置23に向けて供給することもできる。その場合、トナーのみが収容されたトナーカートリッジを剤カートリッジ(キャリアカートリッジ)とは別に設置して、磁気センサ26の検知結果に基いてトナーカートリッジに収容されたトナーを現像装置23に向けて適宜に補給することになる。このような場合であっても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0075】
また、本実施の形態においては、作像部の一部がプロセスカートリッジ20で構成される画像形成装置に対して、本発明を適用した。しかし、本発明の適用はこれに限定されることなく、作像部がプロセスカートリッジ化されていない画像形成装置に対しても、当然に本発明を適用することができる。具体的に、現像装置23が単体で画像形成装置本体に着脱されるユニットして構成されている場合であっても、当然に本発明を適用することができる。
さらに、本実施の形態では、現像ローラ23a1、23a2が2つ設置された現像装置23に対して本発明を適用したが、現像ローラが1つ又は3つ以上設置された現像装置に対しても当然に本発明を適用することができる。その場合にも、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0076】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0077】
1 画像形成装置本体(装置本体)、
20、20Y、20C、20M、20BK プロセスカートリッジ、
21 感光体ドラム(像担持体)、
23 現像装置(現像部)、
23a1、23a2 現像ローラ(現像剤担持体)、
23b1 第1搬送スクリュ(第1搬送部材)、 23b10 切欠領域、
23b2 第2搬送スクリュ(第2搬送部材)、
23b3 第3搬送スクリュ(第3搬送部材)、
23d ポケット部、
23d1 排出口、 23d2 壁部、
23d3 仕切り壁、 23d4 底部、
G 現像剤(2成分現像剤)、 T トナー、 C キャリア。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0078】
【特許文献1】特開2001−183893号公報
【特許文献2】特開2000−112238号公報
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置とそこに設置される現像装置及びプロセスカートリッジとに関し、特に、現像装置内に新品のキャリアを適宜に供給するプレミックス現像方式の現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤(添加剤等を添加する場合も含むものとする。)を収容した現像装置に、適宜に新しいキャリアを補給する技術(これをプレミックス現像方式という。)が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【0003】
2成分現像剤を用いた現像装置は、現像装置内におけるトナー消費に応じて、現像装置の一部に設けられたトナー補給口から現像装置内に適宜にトナーが補給される。補給されたトナーは、現像装置内の現像剤とともに、搬送スクリュ等の搬送部材(撹拌部材)によって撹拌・混合される。撹拌・混合された現像剤は、その一部が現像ローラに供給される。現像ローラに担持された現像剤は、ドクターブレードによって適量に規制された後に、その2成分現像剤中のトナーが感光体ドラムとの対向位置で感光体ドラム上の潜像に付着する。
【0004】
このように、通常の現像工程において現像装置内に収容された2成分現像剤中のキャリアは消費されることなく現像装置内に残るために、キャリアに経時劣化が生じてしまう。詳しくは、キャリアが現像装置内で長時間かけて撹拌・混合されることでキャリアのコーティング層が磨耗又は剥離してキャリアの帯電能力が低下する「膜削れ現象」や、キャリアの表面にトナーの成分や添加剤が付着してキャリアの帯電能力が低下する「スペント現象」が生じてしまう。
【0005】
プレミックス現像方式は、このようなキャリアの経時劣化による出力画像の画質低下を防止するためのものである。すなわち、現像装置内に新しいキャリア(又は新しい2成分現像剤)を適宜に補給するとともに、現像装置内に収容された2成分現像剤の一部を適宜に現像装置外に排出することで、現像装置内の劣化キャリアを減じて現像装置内に収容されたキャリアの量と帯電能力とを維持するものである。
このようなプレミックス現像方式を用いた画像形成装置は、キャリアの経時劣化が生じるごとに現像装置やキャリアを新品のものに交換する必要のある装置に比べて、経時においても出力画像の画質が安定化することになる。
【0006】
一方、特許文献1、特許文献2等には、プレミックス現像方式を用いた現像装置であって、現像装置から外部への現像剤の排出手段としてオーバーフロー方式を用いたものが開示されている。詳しくは、現像装置の壁部に排出口(穴部)を設けて、その位置に搬送される現像剤の剤面が所定高さを超えたときにその現像剤(キャリアの補給によって余剰分となった現像剤である。)が排出口から外部に排出される。
【0007】
また、特許文献2等には、排出口(現像剤排出口)から排出される現像剤量を少なくすることを目的として、排出口に対向する搬送部材(撹拌搬送部材)のスクリュ部(羽根)を除去(又は小径化)する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した特許文献1等のプレミックス現像方式の現像装置では、排出されるべき現像剤に加えて必要な現像剤までもが排出口から排出されてしまい、現像装置内の現像剤が過剰に排出されて現像剤量が不足してしまうことがあった。具体的には、剤面が所定高さを超えてしまった現像剤のみが排出口から排出されるべきであるのに対して、搬送部材によって跳ね上げられた現像剤も排出口から排出されてしまっていた。
このように、現像装置内の現像剤量が不足してしまうと、現像剤の劣化状態が不安定になったりトナーの帯電量が低下したりして、出力画像上に画像濃度低下等の不具合が生じてしまうことになる。
【0009】
このような問題を解決するために、特許文献2等では、排出口に対向する搬送部材のスクリュ部を除去(又は小径化)している。しかし、本願発明者が研究を重ねた結果、排出口に対向する搬送部材のスクリュ部を除去するのみでは、搬送部材によって跳ね上げられた現像剤が排出口から排出される不具合を充分に抑止することができないことを知るに至った。
【0010】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、搬送部材によって跳ね上げられた現像剤が装置から排出されることなく、外部に排出する現像剤量にバラツキが生じることがなく、出力画像の画質が安定する、プレミックス現像方式の現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明者は、前記課題を解決するために研究を重ねた結果、次の事項を知るに至った。
すなわち、搬送経路の外部に突出する受け部(ポケット部)を設けて、搬送部材によって跳ね上げられた現像剤を受け部の壁部に衝突させるとともに、受け部に流入された現像剤の一部を排出口から排出させることで、搬送部材によって跳ね上げられた現像剤が排出口から排出される不具合を充分に抑止することができる。
【0012】
この発明は以上述べた事項に基づくものであり、すなわち、この発明の請求項1記載の発明にかかる現像装置は、キャリアとトナーとを有する現像剤を収容するとともに、像担持体上に形成される潜像を現像する現像装置であって、装置内に収容された現像剤を長手方向に搬送して循環経路を形成する複数の搬送部材と、装置内に新たにキャリアを供給する供給手段と、前記複数の搬送部材のうち1つの搬送部材による搬送経路に対して外部に向けて凹設されるとともに、当該搬送経路で搬送される現像剤の一部が流入され流出される受け部と、を備え、前記受け部は、前記搬送経路の下流側に対応する側に覆設された壁部と、当該受け部に流入された現像剤の剤面が所定高さを超えたときにその現像剤を装置の外部に排出するための排出口と、を具備し、前記1つの搬送部材は、軸部上にスクリュ部が形成されたものであるとともに、長手方向の一部に前記スクリュ部が形成されていない切欠領域を具備し、前記受け部は、前記切欠領域に対向する位置に配設されたものである。
【0013】
また、請求項2記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1に記載の発明において、前記受け部は、その底部が前記搬送経路の側に向けて下方に傾斜するように形成されたものである。
【0014】
また、請求項3記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記排出口は、前記搬送経路の上流側に対応する側に配設されたものである。
【0015】
また、請求項4記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明において、前記受け部は、その開口の長手方向の長さが前記切欠領域の長手方向の長さよりも小さくなるように形成されたものである。
【0016】
また、請求項5記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明において、前記受け部は、前記切欠領域に対して前記搬送経路の上流側に対向しないように形成されたものである。
【0017】
また、請求項6記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の発明において、前記受け部は、前記搬送経路の下流側に形成されたものである。
【0018】
また、請求項7記載の発明にかかる現像装置は、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の発明において、前記受け部に対して前記搬送経路の上流側に、前記受け部が配設された位置を通過させずに現像剤の一部を前記循環経路の上流側に戻すためのバイパス経路の開口を備え、前記バイパス経路と前記受け部とを前記搬送経路の外部で隔絶する仕切り壁を備えたものである。
【0019】
また、請求項8記載の発明にかかる現像装置は、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の発明において、前記像担持体に対向するとともに、現像剤を担持する現像剤担持体を備え、前記複数の搬送部材は、前記現像剤担持体に対向するとともに当該現像剤担持体に現像剤を供給する第1搬送部材と、前記第1搬送部材の下方であって前記現像剤担持体に対向する位置に配設されるとともに当該現像剤担持体から離脱された現像剤を搬送する第2搬送部材と、前記第2搬送部材によって搬送された現像剤を前記第1搬送部材による搬送経路の上流側に搬送する第3搬送部材と、であって、前記第1搬送部材による搬送経路と前記第2搬送部材による搬送経路と前記第3搬送部材による搬送経路とを隔絶する壁部を備え、前記1つの搬送部材を、前記第1搬送部材としたものである。
【0020】
また、請求項9記載の発明にかかる現像装置は、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の発明において、前記供給手段は、装置内に新たにトナーを前記キャリアとともに供給するものである。
【0021】
また、請求項10記載の発明にかかるプロセスカートリッジは、画像形成装置の装置本体に対して着脱自在に設置されるプロセスカートリッジであって、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とが一体化されたものである。
【0022】
また、この発明の請求項11記載の発明にかかる画像形成装置は、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とを備えたものである。
【0023】
なお、本願において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電部と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像部(現像装置)と、像担持体上をクリーニングするクリーニング部とのうち、少なくとも1つと、像担持体とが、一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱自在に設置されるユニットと定義する。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、搬送経路の外部に突出する受け部(ポケット部)を設けて、搬送部材によって跳ね上げられた現像剤を受け部の壁部に衝突させるとともに、受け部に流入された現像剤の一部を排出口から排出させているために、搬送部材によって跳ね上げられた現像剤が装置から排出されることなく、外部に排出する現像剤量にバラツキが生じることがなく、出力画像の画質が安定する、プレミックス現像方式の現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
【図2】図1の画像形成装置に設置されたプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
【図3】現像装置を示す拡大図である。
【図4】現像装置における循環経路を長手方向にみた断面図である。
【図5】図4の循環経路におけるY1−Y1断面を示す概略断面図である。
【図6】図4の循環経路におけるY2−Y2断面を示す概略断面図である。
【図7】図4の循環経路において現像剤に波状の偏りが生じた状態を示す図である。
【図8】ポケット部の近傍を示す上面図である。
【図9】ポケット部の近傍を示す斜視図である。
【図10】ポケット部の近傍を別の角度から示す斜視図である。
【図11】ポケット部の近傍をさらに別の角度から示す斜視図である。
【図12】第1搬送部材によって跳ね上げられた現像剤が排出口に侵入する状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
実施の形態.
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0027】
まず、図1にて、実施の形態における画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
書込み部2A〜2Dは、画像情報に基いて帯電工程後の感光体ドラム21(像担持体)に静電潜像を書き込むための装置である。書込み部2A〜2Dは、ポリゴンミラー3A〜3Dや光学素子4A〜4D等を用いた光走査装置である。なお、書込み部として、光走査装置の替わりにLEDアレイを用いることもできる。
給紙部61は、記録紙、OHP等の被転写材Pを格納して、画像形成時には被転写材Pを転写ベルト30に向けて給送する。
【0028】
転写ベルト30は、被転写材Pをその表面に静電的に吸着させて搬送して感光体ドラム21上に形成されたトナー像を被転写材P上に転写するための無端状ベルトであって、その外周面上に吸着ローラ64とベルトクリーナ65とを設けている。
転写ベルト30を介して感光体ドラム21に対向する転写ローラ24は、芯金と芯金を被覆する導電性弾性層とを有する。転写ローラ24の導電性弾性層は、ポリウレタンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンポリエチレン(EPDM)等の弾性材料に、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化スズ等の導電性付与剤を配合分散して電気抵抗値(体積抵抗率)を中抵抗に調整した弾性体である。
【0029】
定着部66は、加熱ローラ68および加圧ローラ67を有し、被転写材P上のトナー像を圧力と熱とによって被転写材Pに定着させる。
転写ベルト30に沿って縦方向に配設された4つのプロセスカートリッジ20Y、20C、20M、20BKは、それぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのトナー像を形成するためのものである。
【0030】
各プロセスカートリッジ20Y、20C、20M、20BK上には、キャリア(磁性キャリア)と各色(イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック)のトナー(トナー粒子)とを現像装置23に供給する供給手段としての剤カートリッジ28Y、28C、28M、28BKが設置されている。
プロセスカートリッジ20Y、20C、20M、20BK、及び、剤カートリッジ28Y、28C、28M、28BKは、転写ベルト30を回転支軸を中心に開放して装置本体1から着脱することができる。
【0031】
本実施の形態の画像形成装置は、複写機及びプリンタとして機能する複合型の画像形成装置である。複写機として機能する場合には、スキャナから読み込まれた画像情報に対してA/D変換、MTF補正、階調処理等の種々の画像処理が施されて書込みデータに変換される。プリンタとして機能する場合には、コンピュータ等から送信されるページ記述言語やビットマップ等の形式の画像情報に対して画像処理が施されて書込みデータに変換される。
【0032】
画像形成時には、書込み部2A〜2Dからプロセスカートリッジ20BK、20M、20C、20Yに対して、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローの画像情報に応じた露光光がそれぞれ照射される。すなわち、各光源から発せられた露光光(レーザ光)がポリゴンミラー3A〜3D、光学素子4A〜4D等を通過して、各感光体ドラム21上に照射される。これによって、各プロセスカートリッジ20BK、20M、20C、20Yの感光体ドラム21(像担持体)上に、露光光に応じたトナー像が形成される。そして、このトナー像が、被転写材Pに転写されることになる。
【0033】
給紙部61から給送された被転写材Pは、レジストローラ63の位置で一旦タイミングを合わせて、転写ベルト30の位置に搬送される。転写ベルト30の送入位置に配設された吸着ローラ64は、電圧の印加によって送入された被転写材Pを転写ベルト30に吸着させる。転写ベルト30の矢印方向の走行にともない移動する被転写材Pは、各プロセスカートリッジ20Y、20C、20M、20BKの位置を順次通過して各色のトナー像が重ねて転写される。
【0034】
カラーのトナー像が転写された被転写材Pは、転写ベルト30から分離して定着部66に達する。被転写材P上のトナー像は、加熱ローラ68及び加圧ローラ67に挟まれつつ加熱されることで被転写材P上に定着される。一方、被転写材Pが分離した後の転写ベルト30表面は、その後にベルトクリーナ65の位置に達して、その表面に付着したトナー等の汚れがクリーニングされる。
【0035】
次に、画像形成装置におけるプロセスカートリッジ及び剤カートリッジについて詳述する。
なお、各プロセスカートリッジ20Y、20C、20M、20BKはほぼ同一構造であって、各剤カートリッジ28Y、28C、28M、28BKもほぼ同一構造であるために、図2にてプロセスカートリッジ及び剤カートリッジは符号のアルファベット(Y、C、M、BK)を除して図示する。また、書込み部は符号のアルファベット(A〜D)を除して図示する。
【0036】
図2は、装置本体1に設置されたプロセスカートリッジ20及び剤カートリッジ28を示す概略構成図である。図3は、プロセスカートリッジ20に設置された現像装置23を示す拡大図である。図4は、現像装置23における循環経路を図3に示す矢印X方向から長手方向にみた断面図である。図5は、図4の現像装置23における循環経路のY1−Y1断面を示す概略断面図である。図6は、図4の現像装置23における循環経路のY2−Y2断面を示す概略断面図である。
【0037】
図2に示すように、プロセスカートリッジ20は、像担持体としての感光体ドラム21、帯電部22、現像装置23(現像部)、クリーニング部25が一体化されたものであって、プレミックス現像方式(キャリアの補給・排出を適宜におこなう現像方式である。)が採用されている。
像担持体としての感光体ドラム21は、負帯電の有機感光体であって、不図示の回転駆動機構によって反時計方向に回転駆動される。
【0038】
帯電部22は、芯金上に、ウレタン樹脂、導電性粒子としてのカーボンブラック、硫化剤、発泡剤等を処方した中抵抗の発泡ウレタン層をローラ状に形成した弾性を有する帯電ローラである。帯電部22の中抵抗層の材質としては、ウレタン、エチレン−プロピレン−ジエンポリエチレン(EPDM)、ブタジエンアクリロニトリルゴム(NBR)、シリコーンゴムや、イソプレンゴム等に抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム材や、またこれらを発泡させたものを用いることもできる。
クリーニング部25は、感光体ドラム21に摺接するクリーニングブラシ(又は、クリーニングブレード)が設置されていて、感光体ドラム21上の未転写トナーを機械的に除去・回収する。
【0039】
現像装置23は、現像剤担持体としての2つの現像ローラ23a1、23a2が感光体ドラム21に近接するように配置されていて、双方の対向部分には感光体ドラム21と磁気ブラシとが接触する現像領域が形成される。現像装置23内には、トナーTとキャリアCとからなる現像剤G(2成分現像剤)が収容されている。そして、現像装置23は、感光体ドラム21上に形成される静電潜像を現像する(トナー像を形成する。)。なお、現像装置23の構成・動作については、後で詳しく説明する。
【0040】
ここで、本実施の形態における現像装置23は、プレミックス現像方式のものであって、現像装置23内に適宜に新品のキャリアC(現像剤G)が剤カートリッジ28から供給されるとともに、劣化した現像剤Gが現像装置23の外部に設置された剤貯留容器70に向けて排出される。
図2を参照して、剤カートリッジ28は、その内部に現像装置23内に供給するための現像剤G(トナーT及びキャリアC)を収容している。そして、剤カートリッジ28は、現像装置23に新品のトナーTを供給するトナーカートリッジとして機能するとともに、現像装置23に新品のキャリアCを供給する供給手段として機能する。具体的に、現像装置23に設置された磁気センサ26(図4を参照できる。)によって検知されるトナー濃度(現像剤G中のトナーの割合である。)の情報に基いて、シャッタ機構80の開閉動作をおこなって、供給手段としての剤カートリッジ28から現像装置23内に向けて現像剤Gを適宜に供給する。
なお、本実施の形態では、剤カートリッジ28の現像剤Gにおける、キャリアCに対するトナーTの混合率(トナー濃度)が比較的高く設定されている。
【0041】
供給手段としての供給管29は、剤カートリッジ28から供給される現像剤G(トナーT及びキャリアC)を現像装置23内に確実に導くためのものである。すなわち、剤カートリッジ28から排出された現像剤Gは、供給管29を介して、現像装置23内に供給される。
【0042】
次に、感光体ドラム21上でおこなわれる作像プロセスについて説明する。
図2を参照して、感光体ドラム21が反時計方向に回転駆動されると、まず、帯電部22の位置で感光体ドラム21の表面が一様に帯電される。その後、帯電された感光体ドラム21表面は、露光光Lの照射位置に達して、書込み部2による露光工程がおこなわれる。すなわち、露光光Lの照射によって感光体ドラム21上を画像情報に応じて選択的に除電することで、照射されなかった非画像部の電位との差(電位コントラスト)を発生させて静電潜像を形成する。なお、この露光工程は、感光体ドラム21の感光層中で電荷発生物質が光を受けて電荷を発生して、このうち正孔が感光体ドラム21表面の帯電電荷と打ち消しあうものである。
【0043】
その後、潜像が形成された感光体ドラム21表面は、現像装置23との対向位置に達する。感光体ドラム21上の静電潜像は、現像ローラ23a1、23a2上の磁気ブラシと接触して、磁気ブラシ中の負帯電されたトナーTが付着されて可視化される。
詳しくは、上方の現像ローラ23a1の磁極による磁力で汲み上げられた現像剤Gは、ドクターブレード23cによって適量化された後に、感光体ドラム21との対向部である現像領域(2つの現像ローラ23a1、23a2と感光体ドラム21との対向領域である。)に搬送される。現像領域において穂立ちされたキャリアCが感光体ドラム21を摺擦する。このとき、キャリアCに混合されているトナーTは、キャリアCとの摩擦によって負帯電されている。これに対して、キャリアCは正帯電されている。不図示の電源部から現像ローラ23a1、23a2に対して、所定の現像バイアスが印加される。これによって、現像ローラ23a1、23a2と感光体ドラム21との間に電界が形成されて、負帯電されたトナーTが電界によって感光体ドラム21上の画像部にのみ選択的に付着してトナー像を形成する。
【0044】
その後、トナー像が形成された感光体ドラム21表面は、転写ベルト30及び転写ローラ24との対向位置に達する。そして、このタイミングに合わせてその対向位置に搬送された被転写材P上に、感光体ドラム21上のトナー像が転写される。このとき、転写ローラ24には、所定の電圧が印加されている。
その後、トナー像が転写された被転写材Pは、定着部66を通過して、排出ローラ69から装置外部に排出される。
【0045】
一方、転写工程時に被転写材Pに転写されずに感光体ドラム21上に残留したトナーT(未転写トナー)は、感光体ドラム21上に付着したままクリーニング部25との対向部に達する。そして、感光体ドラム21上の未転写トナーは、クリーニング部25で除去・回収される。
その後、感光体ドラム21表面は、不図示の除電部を通過して、感光体ドラム21における一連の作像プロセスが終了する。
【0046】
以下、現像装置23の構成・動作について詳述する。
図3を参照して、現像装置23は、現像剤担持体としての現像ローラ23a1、23a2、搬送部材としての搬送スクリュ23b1〜23b3(オーガスクリュ)、ドクターブレード23c、キャリア捕集ローラ23k、スクレーパ23m、排出スクリュ23n、等で構成されている。また、現像装置23内には、現像剤Gを搬送して循環経路を形成する3つの現像剤搬送部B1〜B3(搬送経路)が形成されている。
【0047】
現像ローラ23a1、23a2は、アルミニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹脂等の非磁性体を円筒形に形成してなるスリーブが不図示の回転駆動機構によって時計方向に回転されるように構成されている。現像ローラ23a1、23a2のスリーブ内には、スリーブの周面に現像剤Gの穂立ちを生じるように磁界を形成するマグネットが固設されている。マグネットから発せられる法線方向磁力線に沿うように、現像剤G中のキャリアCがスリーブ上にチェーン状に穂立ちする。このチェーン状に穂立ちしたキャリアCに帯電したトナーTが付着されて、磁気ブラシが形成される。磁気ブラシは、スリーブの回転によってスリーブと同方向(時計方向)に移送される。
ドクターブレード23cは、現像領域の上流側に設置されていて、第1の現像ローラ23a1上の現像剤を適量に規制する。
【0048】
3つの搬送スクリュ23b1〜23b3は、軸部上に螺旋状にスクリュ部が形成されたものであって、現像装置23内に収容された現像剤Gを長手方向(図2の紙面垂直方向である。)に循環しながら撹拌・混合する。
第1搬送部材(1つの搬送部材)としての第1搬送スクリュ23b1は、第1現像剤搬送部B1であって現像ローラ23a1に対向する位置に配設されていて、現像剤Gを水平方向に搬送する(図4の白矢印に示す左方向の搬送である。)とともに、現像ローラ23a1上に現像剤23aを供給する。換言すると、第1現像剤搬送部B1は、現像ローラ23a1に対向するとともに、現像ローラ23a1に現像剤Gを長手方向(現像ローラ23a1の回転軸方向である。)に搬送しながら供給する。
【0049】
第2搬送部材としての第2搬送スクリュ23b2は、第2現像剤搬送部B2に設置されている。第2搬送スクリュ23b2は、第1搬送スクリュ23b1の下方であって現像ローラ23a2に対向する位置に配設されている。そして、現像ローラ23a2から離脱した現像剤G(現像工程後に剤離れ極によって現像ローラ23a2上から強制的に離脱された現像剤Gある。)を水平方向に搬送する(図4の白矢印に示す左方向の搬送である。)。換言すると、第2現像剤搬送部B2は、第1現像剤搬送部B1の下方であって現像ローラ23a2に対向する位置に配設されるとともに、現像ローラ23a2から離脱された現像剤Gを長手方向に搬送する。
第1搬送スクリュ23b1及び第2搬送スクリュ23b2は、現像ローラ23a1、23a2や感光体ドラム21と同様に、回転軸がほぼ水平になるように配設されている。
【0050】
第3搬送部材としての第3搬送スクリュ23b3は、第3現像剤搬送部B3に設置されている。第3搬送スクリュ23b3は、第2搬送スクリュ23b2による搬送経路の下流側と、第1搬送部材23b1による搬送経路の上流側と、を直線的に結ぶように、水平方向に対して斜めに配設されている(図4を参照できる。)。そして、第3搬送スクリュ23b3は、第2搬送スクリュ23b2によって搬送された現像剤Gを第1搬送部材23b1による搬送経路の上流側に搬送するとともに、第1搬送スクリュ23b1による搬送経路の下流側から落下経路23fを介して循環される現像剤Gを第1搬送部材23b1による搬送経路の上流側に搬送する(図4の白矢印に示す右斜め上方への搬送である。)。換言すると、第3現像剤搬送部B3は、第2現像剤搬送部B2によって搬送された現像剤Gを第1現像剤搬送部B1の上流側に搬送するとともに、第1現像剤搬送部B1の下流側に達した現像剤Gを第1現像剤搬送部B1の上流側に搬送する。
【0051】
なお、第1搬送スクリュ23b1による搬送経路(第1現像剤搬送部B1)と、第2搬送スクリュ23b2による搬送経路(第2現像剤搬送部B2)と、第3搬送スクリュ23b3による搬送経路(第3現像剤搬送部B3)と、は壁部によって隔絶されている。
図4を参照して、第2現像剤搬送部B2の下流側と、第3現像剤搬送部B3の上流側と、は第1中継部23gを介して連通している。また、第3現像剤搬送部B3の下流側と、第1現像剤搬送部B1の上流側と、は第2中継部23hを介して連通している。また、第1現像剤搬送部B1の下流側と、第3現像剤搬送部B3の上流側と、は落下経路23fを介して連通している。
【0052】
このような構成により、3つの現像剤搬送部B1〜B3(搬送スクリュ23b1〜23b3)によって、現像装置23において現像剤Gを長手方向に循環させる循環経路が形成されることになる。ここで、現像装置23が稼動されると、装置内に収容された現像剤は図4中の斜線で示すような状態で流動する。図4を参照して、第1現像剤搬送部B1において、下流側における現像剤の剤面が上流側の剤面に比べて低くなっているのは、搬送中の現像剤の一部が現像ローラ23a1に供給されているためである。すなわち、現像ローラ23a1に供給されなかった現像剤は、落下経路23fを介して第3現像剤搬送部B3の上流側に移動することになる。
なお、第3現像剤搬送部B3にはトナー濃度センサとしての磁気センサ26が設置されている。そして、磁気センサ26によって検知されるトナー濃度の情報に基いて、供給手段としての剤カートリッジ28から現像装置23内に向けて所定のトナー濃度の現像剤Gが供給される。本実施の形態では、現像装置23内の現像剤Gのトナー濃度が4〜7重量%になるように制御されている。
【0053】
ここで、図4及び図5を参照して、第1現像剤搬送部B1の壁部には、現像装置23内に収容された現像剤Gの一部を外部(剤貯溜容器70)に排出するためのポケット部23d(排出口23d1)が設けられている。詳しくは、ポケット部23dの排出口23d1は、供給手段28、29によって現像装置23内に現像剤Gが供給されて装置内の現像剤量が増加してポケット部23dに流入される現像剤の剤面(上面)が所定高さを超えたときに、その余剰分の現像剤Gを剤貯留容器70に向けて排出するためのものである。すなわち、余剰分の現像剤Gは、排出口23d1の下部の高さを超えて、排出口23d1から排出されて排出経路71を経由して剤貯留容器70に向けて搬送されていく。このように、トナーTの母体樹脂や外添剤によって汚染されて劣化したキャリアが自動的に現像部の外部に排出されるので、経時においても画像品質の劣化を抑止することができる。
なお、図2、図4等では図示を省略しているが、排出経路71中には、排出口23d1から排出された現像剤を水平方向に搬送するための排出スクリュ23nが設置されている(図3、図8、図9を参照できる。)。
【0054】
また、現像装置23における現像剤の循環経路において、上述したポケット部23d(排出口23d1)が配設された位置を通過せずに現像剤Gの一部を循環経路の上流側に戻すためのバイパス経路が形成されている。具体的には、図4及び図6を参照して、第1現像剤搬送部B1であって、ポケット部23d(排出口23d1)の上流側(ポケット部23dの開口に比較的近接した位置である。)に、開口23eが設けられている。そして、この開口23eがバイパス経路の入口となって、バイパス経路の出口が第3搬送スクリュ23b3による搬送経路中(長手方向中央近傍である。)に配設されている。
【0055】
このように、現像装置23における現像剤の循環経路にバイパス経路を設けることで、現像装置内の現像剤に波状の偏り等が生じても、排出口23d1から排出される現像剤量にバラツキが生じて、必要量を超えた現像剤が現像装置23から排出される不具合を抑止することができる。
【0056】
図7は、現像装置23における現像剤の循環経路において、現像剤に波状の偏りが生じた状態を示す図である。このように、現像剤の循環経路では、高低差の大きな波状の偏りが生じる場合がある。このような波状の偏りは、現像装置23の稼動を開始した直後(再起動直後)に顕著にあらわれる。そして、このような波状の偏りが生じた場合には、バイパス経路がないと、排出口23d1の下部よりも高い位置にある現像剤(図7中の高さH2の現像剤である。)のすべてが排出口23d1から排出されてしまう。このようにして排出されてしまう現像剤は本来的に排出を予定していないものであるために、このような現象が繰り返し生じると現像装置23内の現像剤量が不足してしまい、現像剤の劣化状態が不安定になったりトナーの帯電量が低下したりして、出力画像上に画像濃度低下等の不具合が生じてしまうことになる。
【0057】
これに対して、本実施の形態では、ポケット部23d(排出口23d1)の上流側にバイパス経路に通じる開口23eを設けているために、排出口23d1の下部よりも高い位置にある現像剤の一部が排出口23d1から排出されることなく、開口23eを通じて第3搬送スクリュ23b3における搬送経路に戻されることになる。これにより、排出口23d1から過剰に現像剤が排出される不具合を抑止することができる。
【0058】
ここで、バイパス経路における開口23eの下部の高さが、排出口23d1の下部の高さよりも高さH1だけ高くなるように構成されている。
これにより、排出口23d1の下部よりも高い位置にある現像剤のうち、高さ(H2−H1)分の現像剤は排出口23d1から排出されることなく、開口23eを通じて第3搬送スクリュ23b3における搬送経路に戻されることになる。これにより、排出手段の本来の機能を維持しつつ、排出口23d1から過剰に現像剤が排出される不具合を確実に抑止することができる。ここで、排出口23d1と開口23eとの長手方向の距離Wは、なるべく短い方が好ましい。
【0059】
ここで、図3を参照して(図2、図4等では図示を省略している。)、本実施の形態では、第2の現像ローラ23a2の下方(回転方向下流側)であって、感光体ドラム21に対向する位置に、キャリア捕集ローラ23kが設置されている。さらに、キャリア捕集ローラ23kに当接する位置に、スクレーパ23mが設置されている。
キャリア捕集ローラ23kは、ステンレス等からなる円筒体内に所定の磁界を形成するマグネットが固設されたものであって、現像装置23内から移動(飛翔)して感光体ドラム21に付着したキャリアを捕集するためのものである。キャリア捕集ローラ23kは、図3の反時計方向に回転駆動される。キャリア捕集ローラ23kによって捕集されて担持されたキャリアは、そのほとんどが第2の現像ローラ23a2との対向位置で現像ローラ23a2上に移行して、現像ローラ23a2の剤離れ極の位置で現像ローラ23a2から離脱して第2現像剤搬送部B2内に回収される。一方、現像ローラ23a2上に移行せずにキャリア捕集ローラ23k上に残留・担持されたキャリアは、スクレーパ23mによって機械的に掻き取られて、第2現像剤搬送部B2内に回収される。このように、キャリア捕集ローラ23kを設置することで、感光体ドラム21上に付着したキャリアを現像装置23内に回収できるために、異常画像(ホタル画像、白抜け画像)の発生が抑止されるとともに、現像装置23内のキャリアが不足する不具合が抑止される。
【0060】
なお、本実施の形態では、現像ローラ23a1、23a2の外径が30mm、現像ローラ23a1、23a2の外周面上の線速が748mm/秒、キャリア捕集ローラ23kの外径が16mm、キャリア捕集ローラ23kの外周面上の線速が10.6mm/秒、プロセス線速(感光体ドラム21の外周面上の線速、及び、被転写材Pの搬送速度である。)が440mm/秒、程度に設定されている。
また、本実施の形態において用いられるキャリアCは、粒径が55μm、飽和磁化が96emu/g、程度のものである。さらに、本実施の形態において用いられるトナーTは、粒径が6.8μm程度のものである。
【0061】
以下、図8〜図11にて、本実施の形態において特徴的な、現像装置23の構成・動作について詳述する。
図8は、ポケット部23dの近傍を示す上面図である。図9は、ポケット部23dの近傍を示す斜視図である。図10は、ポケット部23dの近傍を別の角度から示す斜視図である。図11は、ポケット部23dの近傍をさらに別の角度から示す斜視図である。
【0062】
図8〜図11に示すように、第1搬送スクリュ23b1による搬送経路(第1現像剤搬送部B1)の壁部には、第1現像剤搬送部B1に対して外部に向けてポケット部23dが凹設されている。そして、ポケット部23dには、第1現像剤搬送部B1で搬送される現像剤(図8の白矢印方向に流動する現像剤である。)の一部が流入され流出されることになる。詳しくは、ポケット部23dの開口(第1現像剤搬送部B1の壁部に設けられた開口である。)からポケット部23d内に現像剤が流入して、ポケット部23dの底部23d4の傾斜に沿ってポケット部23d内の現像剤が第1現像剤搬送部B1に向けて流出されて、ポケット部23d内には一定量以上の現像剤が流動しながら貯留されている。
ここで、図10及び図11を参照して、ポケット部23dの底部23d4は、第1現像剤搬送部B1の側に向けて下方に所定角度(現像剤が底部23d4を滑落するのに充分な角度である。)で傾斜するように形成されているために、ポケット部23dの流入・流出がスムーズにおこなわれる。
【0063】
図8を参照して、ポケット部23dには、第1現像剤搬送部B1の上流側に対応する側(中央から上流に至る範囲である。)に、排出口23d1が配設されている。そして、ポケット部23dに流入された現像剤の剤面が所定高さ(排出口23d1の下部の高さである。)を超えたときに、その現像剤が排出口23d1から現像装置23の外部に排出される。詳しくは、排出口23d1から排出された現像剤は、排出経路上に自重落下した後に排出スクリュ23nによって剤貯留容器に向けて搬送される。
【0064】
また、ポケット部23dには、第1現像剤搬送部B1の下流側に対応する側(中央から下流に至る範囲である。)に、壁部23d2が覆設されている。これにより、第1搬送スクリュ23b1のスクリュ部23b1bによって跳ね上げられた現像剤は、ポケット部23d内に侵入して壁部23d2に衝突することになる(図8の破線矢印に示す現像剤の動きである。)。壁部23d2に衝突した現像剤は、ポケット部23d内に貯留された流動状態の現像剤中に堆積されることになる。すなわち、図12に示すように、従来のように搬送経路の壁部に排出口23sを直接的に形成した場合には、第1搬送スクリュ23b1のスクリュ部23b1bによって跳ね上げられた現像剤が排出口23sから外部に排出されてしまっていた。これに対して、本実施の形態では、第1搬送スクリュ23b1によって跳ね上げられてポケット部23d内に侵入した現像剤を壁部23d2にて受け止めるとともに、跳ね上げられた現像剤が直接的に入り込まない位置に排出口23d1を設けているために、現像装置23から現像剤が過剰に排出される不具合を抑止することができる。
【0065】
また、図8〜図10に示すように、第1搬送スクリュ23b1は、軸部23b1a上に螺旋状にスクリュ部23b1bが形成されたものである。そして、本実施の形態では、第1搬送スクリュ23b1の長手方向の一部に、スクリュ部23b1bが形成されていない切欠領域23b10(図中のMの範囲であって、軸部23b1aのみで形成された領域である。)を設けている。このスクリュ部23b1bが形成されていない切欠領域23b10は、第1現像剤搬送部B1(第1搬送スクリュ23b1による搬送経路)の下流側であって、非画像領域(画像形成に関与しない領域である。)に設けられている。
また、ポケット部23dは、第1搬送スクリュ23b1の切欠領域23b10に対向するとともに、切欠領域23b10の長手方向(回転軸方向)の長さMよりも開口の長手方向の長さNが小さくなるように形成されている(M>Nである。)。なお、ポケット部23dも、第1現像剤搬送部B1の下流側であって、非画像領域に設けられている。
【0066】
このように、第1搬送スクリュ23b1に切欠領域23b10を設けることで、その近傍にて跳ね上がる現像剤の量を軽減できる。さらに、ポケット部23dの開口の長手方向長さNを切欠領域23b10の長手方向長さMよりも小さくするとともに切欠領域23b10の範囲内に対向させることで、切欠領域23b10の上流側で跳ね上がった現像剤がポケット部23dに侵入する量を効率的に軽減することができる。このように、跳ね上がりによりポケット部23dに侵入する現像剤量を軽減できるために、上述したポケット部23d(壁部23d2)の効果がさらに確実なものになって、現像装置23内の現像剤が過剰に排出されて現像剤量が不足してしまう不具合が抑止される。
【0067】
本願発明者が実験をおこなったところ、上述の構成によれば、図12のように搬送経路の壁部に排出口23sを直接的に形成した場合に比べて、第1搬送スクリュ23b1によって跳ね上げられた現像剤が排出口23d1から排出される量が格段に減少することが確認された。
なお、本実施の形態では、第1搬送スクリュ23b1に切欠領域23b10を形成したが、第1搬送スクリュ23b1に切欠領域23b10を形成しない場合でも、本実施の形態と同様のポケット部23dを設けることで、第1搬送スクリュ23b1によって跳ね上げられた現像剤が排出口23d1から排出される量が格段に減少することが確認された。
【0068】
他方、第1搬送スクリュ23b1に切欠領域23b10を設けることで、切欠領域23b10を設けない場合に比べて、第1現像剤搬送部B1における現像剤の傾き(先に図4にて説明した、下流側における現像剤の剤面が上流側の剤面に比べて低くなる現象である。)が小さくなり、オーガスジ(下流側で剤面が低くなるときにスクリュ部23b1bのピッチで生じる画像ムラである。)が発生しにくくなることも確認した。
【0069】
ここで、本実施の形態では、ポケット部23dや切欠領域23b10を、第1現像剤搬送部B1の下流側であって、非画像領域に設けている。これにより、第1搬送スクリュ23b1のスクリュ部23b1bを切欠いたことによる出力画像への影響や、ポケット部23dを設けたことによる出力画像への影響をなくすことができる。
【0070】
なお、図8及び図9に示すように、ポケット部23dは、切欠領域23b10に対して上流側(第1現像剤搬送部B1の上流側である。)に対向しないように形成することが好ましい。すなわち、切欠領域23b10の上流側端部から離間させた位置に、ポケット部23dの上流側端部を設けることが好ましい。さらに換言すると、ポケット部23dは、切欠領域23b10の中央から下流側に至る範囲に対向するように配設することが好ましい。
このように構成することで、第1搬送スクリュ23b1の回転によって切欠領域23b10の上流側で跳ね上がった現像剤がポケット部23dに侵入する量がさらに確実に軽減される。
【0071】
また、本実施の形態では、先に図4及び図6で説明したように、ポケット部23dの上流側に、ポケット部23dが配設された位置を通過させずに現像剤の一部を循環経路の上流側に戻すためのバイパス経路の開口23eが設けられている。そして、バイパス経路とポケット部23dとの間には、バイパス経路とポケット部23dとを第1現像剤搬送部B1の外部で隔絶する仕切り壁23d3が設置されている。これにより、バイパス経路とポケット部23dとが近接する場合であっても、バイパス経路を流動する現像剤と、ポケット部23d(排出口23d1)から排出される現像剤と、が混入する不具合を抑止することができる。なお、本実施の形態では、図9及び図11に示すように、仕切り壁23d3の下端がポケット部23d側にクの字状に曲がっているために、排出口23d1から排出された現像剤が排出経路に向けて確実に排出されることになる。
【0072】
以上説明したように、本実施の形態では、第1現像剤搬送部B1(搬送経路)の外部に突出するポケット部23dを設けて、第1搬送スクリュ23b1(搬送部材)によって跳ね上げられた現像剤をポケット部23dの壁部23d2に衝突させるとともに、ポケット部23dに流入された現像剤の一部を排出口23d1から排出させているために、第1搬送スクリュ23b1によって跳ね上げられた現像剤が現像装置23から排出されることなく、外部に排出する現像剤量にバラツキが生じることがなく、出力画像の画質が安定する、プレミックス現像方式の現像装置23を提供することができる。
【0073】
なお、本実施の形態では、現像剤搬送部B1〜B3が3つ設置された現像装置23に対して本発明を適用したが、現像剤搬送部が2つ以下又は4つ以上設置された現像装置に対しても本発明を適用することができる。その場合も、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、第3搬送スクリュ23b3を水平方向に対して斜めに配設したが、第3搬送スクリュ23b3を水平に配設することもできる。
さらに、本実施の形態では、ポケット部23dを第1現像剤搬送部B1の壁部に設けたが、ポケット部23dをその他の現像剤搬送部B2、B3の壁部に設けることもできる。
【0074】
また、本実施の形態では、供給手段としての剤カートリッジ28から現像装置23に向けて現像剤G(トナーT及びキャリアC)を供給したが、供給手段からキャリアCのみを現像装置23に向けて供給することもできる。その場合、トナーのみが収容されたトナーカートリッジを剤カートリッジ(キャリアカートリッジ)とは別に設置して、磁気センサ26の検知結果に基いてトナーカートリッジに収容されたトナーを現像装置23に向けて適宜に補給することになる。このような場合であっても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0075】
また、本実施の形態においては、作像部の一部がプロセスカートリッジ20で構成される画像形成装置に対して、本発明を適用した。しかし、本発明の適用はこれに限定されることなく、作像部がプロセスカートリッジ化されていない画像形成装置に対しても、当然に本発明を適用することができる。具体的に、現像装置23が単体で画像形成装置本体に着脱されるユニットして構成されている場合であっても、当然に本発明を適用することができる。
さらに、本実施の形態では、現像ローラ23a1、23a2が2つ設置された現像装置23に対して本発明を適用したが、現像ローラが1つ又は3つ以上設置された現像装置に対しても当然に本発明を適用することができる。その場合にも、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0076】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0077】
1 画像形成装置本体(装置本体)、
20、20Y、20C、20M、20BK プロセスカートリッジ、
21 感光体ドラム(像担持体)、
23 現像装置(現像部)、
23a1、23a2 現像ローラ(現像剤担持体)、
23b1 第1搬送スクリュ(第1搬送部材)、 23b10 切欠領域、
23b2 第2搬送スクリュ(第2搬送部材)、
23b3 第3搬送スクリュ(第3搬送部材)、
23d ポケット部、
23d1 排出口、 23d2 壁部、
23d3 仕切り壁、 23d4 底部、
G 現像剤(2成分現像剤)、 T トナー、 C キャリア。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0078】
【特許文献1】特開2001−183893号公報
【特許文献2】特開2000−112238号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアとトナーとを有する現像剤を収容するとともに、像担持体上に形成される潜像を現像する現像装置であって、
装置内に収容された現像剤を長手方向に搬送して循環経路を形成する複数の搬送部材と、
装置内に新たにキャリアを供給する供給手段と、
前記複数の搬送部材のうち1つの搬送部材による搬送経路に対して外部に向けて凹設されるとともに、当該搬送経路で搬送される現像剤の一部が流入され流出される受け部と、
を備え、
前記受け部は、
前記搬送経路の下流側に対応する側に覆設された壁部と、
当該受け部に流入された現像剤の剤面が所定高さを超えたときにその現像剤を装置の外部に排出するための排出口と、
を具備し、
前記1つの搬送部材は、軸部上にスクリュ部が形成されたものであるとともに、長手方向の一部に前記スクリュ部が形成されていない切欠領域を具備し、
前記受け部は、前記切欠領域に対向する位置に配設されたことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記受け部は、その底部が前記搬送経路の側に向けて下方に傾斜するように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記排出口は、前記搬送経路の上流側に対応する側に配設されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記受け部は、その開口の長手方向の長さが前記切欠領域の長手方向の長さよりも小さくなるように形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の現像装置。
【請求項5】
前記受け部は、前記切欠領域に対して前記搬送経路の上流側に対向しないように形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の現像装置。
【請求項6】
前記受け部は、前記搬送経路の下流側に形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の現像装置。
【請求項7】
前記受け部に対して前記搬送経路の上流側に、前記受け部が配設された位置を通過させずに現像剤の一部を前記循環経路の上流側に戻すためのバイパス経路の開口を備え、
前記バイパス経路と前記受け部とを前記搬送経路の外部で隔絶する仕切り壁を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の現像装置。
【請求項8】
前記像担持体に対向するとともに、現像剤を担持する現像剤担持体を備え、
前記複数の搬送部材は、前記現像剤担持体に対向するとともに当該現像剤担持体に現像剤を供給する第1搬送部材と、前記第1搬送部材の下方であって前記現像剤担持体に対向する位置に配設されるとともに当該現像剤担持体から離脱された現像剤を搬送する第2搬送部材と、前記第2搬送部材によって搬送された現像剤を前記第1搬送部材による搬送経路の上流側に搬送する第3搬送部材と、であって、
前記第1搬送部材による搬送経路と前記第2搬送部材による搬送経路と前記第3搬送部材による搬送経路とを隔絶する壁部を備え、
前記1つの搬送部材は、前記第1搬送部材であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の現像装置。
【請求項9】
前記供給手段は、装置内に新たにトナーを前記キャリアとともに供給することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の現像装置。
【請求項10】
画像形成装置の装置本体に対して着脱自在に設置されるプロセスカートリッジであって、
請求項1〜請求項9のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とが一体化されたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項11】
請求項1〜請求項9のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
キャリアとトナーとを有する現像剤を収容するとともに、像担持体上に形成される潜像を現像する現像装置であって、
装置内に収容された現像剤を長手方向に搬送して循環経路を形成する複数の搬送部材と、
装置内に新たにキャリアを供給する供給手段と、
前記複数の搬送部材のうち1つの搬送部材による搬送経路に対して外部に向けて凹設されるとともに、当該搬送経路で搬送される現像剤の一部が流入され流出される受け部と、
を備え、
前記受け部は、
前記搬送経路の下流側に対応する側に覆設された壁部と、
当該受け部に流入された現像剤の剤面が所定高さを超えたときにその現像剤を装置の外部に排出するための排出口と、
を具備し、
前記1つの搬送部材は、軸部上にスクリュ部が形成されたものであるとともに、長手方向の一部に前記スクリュ部が形成されていない切欠領域を具備し、
前記受け部は、前記切欠領域に対向する位置に配設されたことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記受け部は、その底部が前記搬送経路の側に向けて下方に傾斜するように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記排出口は、前記搬送経路の上流側に対応する側に配設されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記受け部は、その開口の長手方向の長さが前記切欠領域の長手方向の長さよりも小さくなるように形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の現像装置。
【請求項5】
前記受け部は、前記切欠領域に対して前記搬送経路の上流側に対向しないように形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の現像装置。
【請求項6】
前記受け部は、前記搬送経路の下流側に形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の現像装置。
【請求項7】
前記受け部に対して前記搬送経路の上流側に、前記受け部が配設された位置を通過させずに現像剤の一部を前記循環経路の上流側に戻すためのバイパス経路の開口を備え、
前記バイパス経路と前記受け部とを前記搬送経路の外部で隔絶する仕切り壁を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の現像装置。
【請求項8】
前記像担持体に対向するとともに、現像剤を担持する現像剤担持体を備え、
前記複数の搬送部材は、前記現像剤担持体に対向するとともに当該現像剤担持体に現像剤を供給する第1搬送部材と、前記第1搬送部材の下方であって前記現像剤担持体に対向する位置に配設されるとともに当該現像剤担持体から離脱された現像剤を搬送する第2搬送部材と、前記第2搬送部材によって搬送された現像剤を前記第1搬送部材による搬送経路の上流側に搬送する第3搬送部材と、であって、
前記第1搬送部材による搬送経路と前記第2搬送部材による搬送経路と前記第3搬送部材による搬送経路とを隔絶する壁部を備え、
前記1つの搬送部材は、前記第1搬送部材であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の現像装置。
【請求項9】
前記供給手段は、装置内に新たにトナーを前記キャリアとともに供給することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の現像装置。
【請求項10】
画像形成装置の装置本体に対して着脱自在に設置されるプロセスカートリッジであって、
請求項1〜請求項9のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とが一体化されたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項11】
請求項1〜請求項9のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−234217(P2012−234217A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−194405(P2012−194405)
【出願日】平成24年9月4日(2012.9.4)
【分割の表示】特願2007−232456(P2007−232456)の分割
【原出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年9月4日(2012.9.4)
【分割の表示】特願2007−232456(P2007−232456)の分割
【原出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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