現像装置、像保持体ユニットおよび画像形成装置
【課題】現像装置を小型化しつつ、画質欠陥を低減すること。
【解決手段】複数の磁極(N1)を有する磁石部材(41)と、磁石部材(41)の外周に配置された回転する円筒部材(42)とを有する現像剤保持体(G1k)と、前記円筒部材(42)表面に付着した現像剤の層厚を規制する磁性材料製で円筒状の層厚規制部材(SK)と、を備え、円筒部材(42)の直径をD、層厚規制部材(SK)を円筒部材(42)表面に投影した際の投影幅をWとし、角度α(度)=180×W/(D×π)とした場合に、層厚規制部材(SK)よりも円筒部材(42)回転方向下流側の角度αの領域外に、層厚規制部材(SK)の円筒部材(42)回転方向下流側で層厚規制部材(SK)に最も近い位置に配置された磁極(N1)の法線方向磁束密度分布(43)の極大位置(43a)が配置された現像装置(Gk)。
【解決手段】複数の磁極(N1)を有する磁石部材(41)と、磁石部材(41)の外周に配置された回転する円筒部材(42)とを有する現像剤保持体(G1k)と、前記円筒部材(42)表面に付着した現像剤の層厚を規制する磁性材料製で円筒状の層厚規制部材(SK)と、を備え、円筒部材(42)の直径をD、層厚規制部材(SK)を円筒部材(42)表面に投影した際の投影幅をWとし、角度α(度)=180×W/(D×π)とした場合に、層厚規制部材(SK)よりも円筒部材(42)回転方向下流側の角度αの領域外に、層厚規制部材(SK)の円筒部材(42)回転方向下流側で層厚規制部材(SK)に最も近い位置に配置された磁極(N1)の法線方向磁束密度分布(43)の極大位置(43a)が配置された現像装置(Gk)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置、像保持体ユニットおよび画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の複写機やプリンタ等の画像形成装置では、感光体表面に形成された潜像を現像装置で現像し、現像された可視像を媒体に転写、定着することで画像形成を行っている。前記現像装置は、感光体に対向して現像剤保持体、例えば、現像ロールが配置されており、現像ロール表面には所定の層厚の現像剤が付着し、感光体との対向領域である現像領域に搬送、供給される。
前記現像ロール表面の層厚を規制するための層厚規制部材に関する技術として、下記の特許文献1、2記載の技術が公知である。
【0003】
特許文献1(特開2003−140463号公報)には、板状の層厚規制部材(70)の先端を、現像剤担持体(232)の磁極(S3)の磁力の分布曲線の半値幅内に配置する技術が記載されている。特に、層厚規制部材が磁性材料で構成されている場合には、現像剤担持体(232)の回転方向にみて上流側の半値幅に対応した範囲内に設置することが好ましく、層厚規制部材が非磁性材料で構成されている場合には、現像剤保持体(232)の回転方向に見て下流側の半値幅に対応した範囲内に配置することが好ましいことも記載されている。
【0004】
また、特許文献2(特開平7−261557号公報)には、ブレード(80)により構成された層厚規制部材が記載されており、ブレード(80)を、現像スリーブ(71)の移動方向上流側で前記多極永久磁石(81)の静止磁界が及ぶ範囲で、下流側で静止磁界が及ばない範囲に配置する技術が記載されている。特許文献2記載の技術では、下流側の磁極と上流側の磁極との磁極間幅を相当程度広く設定する必要があり、小型化が困難であるが、下流側に静止磁界が及ばないようにすることで、層厚規制部材の下流側の現像剤が現像スリーブから離脱することを回避している。
【0005】
このほかにも、近年、画像形成装置は小型化、低コスト化の要求があり、現像装置を、低コスト化、小型扁平化する場合に、現像ロール等の各部材だけでなく、層厚規制部材を小型化することも行われている。このため、引用文献1,2に記載されているような、層厚規制部材だけでなく層厚規制部材を取り付けるための部材により配置空間が広くなる板状、ブレード状の層厚規制部材に替えて、非磁性丸棒状の層厚規制部材を採用することがあった。しかし、非磁性材料であるため比較的高価で且つ、磁性により層厚規制領域において現像剤が穂状になる、いわゆる穂立ち効果が得られないため、層厚規制部材と現像ロールとの間隔を狭くせざるを得ず、現像剤へのストレスが増加したり、部品を高精度化する必要があった。
【0006】
これに対応して、非磁性材料よりも低コストな磁性材料製の丸棒ロールを使用することで、低コスト且つ穂立ち効果を得られる構成が実現できるが、特許文献2に記載されているのと同様に、層厚規制部材の下流側で、磁気的な影響で現像剤が溜まったり穂立ちが発生し、溜まった現像剤が不定期に現像領域に搬送されて画質欠陥を引き起こしていた。
【0007】
【特許文献1】特開2003−140463号公報(「0051」〜「0077」)
【特許文献2】特開平7−261557号公報(「0014」〜「0021」、「0029」〜「0030」)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前述の事情に鑑み、現像装置を小型化しつつ、画質欠陥を低減することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の発明の現像装置は、
複数の磁極を有する磁石部材と、前記磁石部材の外周に配置された回転する円筒部材と、を有し、前記円筒部材表面に現像剤を保持する現像剤保持体と、
前記円筒部材表面に所定の間隔をあけて対向して配置され、前記円筒部材表面に付着した現像剤の層厚を規制する磁性材料製で円筒状の層厚規制部材と、
を備え、
前記円筒部材の直径をD、前記層厚規制部材を前記円筒部材表面に投影した際の投影幅をWとし、角度α(度)=180×W/(D×π)とした場合に、前記層厚規制部材よりも前記円筒部材回転方向下流側の前記角度αの領域外に、前記層厚規制部材の前記円筒部材回転方向下流側で前記層厚規制部材に最も近い位置に配置された前記磁極の法線方向磁束密度分布の極大位置が配置されたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の現像装置において、
前記層厚規制部材よりも前記円筒部材回転方向上流側に上流側磁極の法線方向磁束密度分布の極大位置が配置されると共に、
前記層厚規制部材の前記円筒部材回転方向下流側に配置された前記磁極の法線方向磁束密度分布の極大位置が、前記層厚規制部材よりも前記円筒部材回転方向下流側の前記角度α×2の領域外に配置されたことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の現像装置において、
前記層厚規制部材の周囲に配置された壁部材の一部が、前記層厚規制部材の前記円筒部材回転方向下流側の前記投影幅内で、前記円筒部材表面に近接して配置されたことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の現像装置において、
回転不能に支持された前記層厚規制部材、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の現像装置において、
前記層厚規制部材の軸方向端部の一部が切り欠かれた切り欠き部と、
前記現像装置の壁部材に設けられ前記切り欠き部に接触して前記層厚規制部材を回転不能にする回転不能接触部と、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
前記技術的課題を解決するために、請求項6に記載の発明の像保持体ユニットは、
像保持体と、
前記像保持体表面の潜像を可視像に現像する請求項1ないし5のいずれかに記載の現像装置と、
を備えたことを特徴とする。
【0015】
前記技術的課題を解決するために、請求項7に記載の発明の画像形成装置は、
像保持体と、
前記像保持体表面の潜像を可視像に現像する請求項1ないし5のいずれかに記載の現像装置と、
前記現像装置で現像された可視像を媒体に転写する転写器と、
前記媒体に転写された可視像を定着させる定着器と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、層厚規制部材を低コスト化、小型化でき、現像装置を小型化することができる。また、本発明の構成を有しない場合に比べて、層厚規制部材の円筒部材回転方向下流側に現像剤が溜まることが低減でき、不定期に溜まった現像剤が現像に使用されることにより発生する画質欠陥を低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、上流側の磁極により現像剤を穂立ちさせて層厚を規制することができると共に、下流側で現像剤が溜まることを低減できる。
請求項3に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、壁部材により囲まれた層厚規制部材の下流側に現像剤が溜まることを低減できる。
請求項4に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、層厚規制部材の回転により層厚規制部材の円筒部材回転方向下流側に現像剤が付着することを低減できる。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、簡素な構成で層厚規制部材を回転不能にできる。
請求項6に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、層厚規制部材を低コスト化、小型化でき、像保持体ユニットを小型化することができる。また、本発明の構成を有しない場合に比べて、層厚規制部材の円筒部材回転方向下流側に現像剤が溜まることが低減でき、不定期に溜まった現像剤が現像に使用されることにより発生する画質欠陥を低減することができる。
請求項7に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、層厚規制部材を低コスト化、小型化でき、画像形成装置を小型化することができる。また、本発明の構成を有しない場合に比べて、層厚規制部材の円筒部材回転方向下流側に現像剤が溜まることが低減でき、不定期に溜まった現像剤が現像に使用されることにより発生する画質欠陥を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0019】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図2は本発明の実施例1の画像形成装置の開閉部が開放された状態の説明図である。
図1において、本発明の実施例1の画像形成装置の一例としてのプリンタUは、画像が記録される媒体の一例としての記録媒体Sが収容される給紙容器TR1が下部に収容されており、上面には排紙部TRhが設けられている。また、プリンタUの上部には操作部UIが設けられている。
図1、図2において、実施例1のプリンタUは、画像形成装置本体U1と、画像形成装置本体U1の右側下端部に設けられた回転中心U2aを中心として開閉可能な開閉部U2を有する。前記開閉部U2は、現像剤の補給や故障した部材の交換や紙詰まりした記録媒体Sを除去するために画像形成装置本体U1の内部を開放する開放位置(図2の実線参照)と、画像形成動作が実行される通常時に保持される閉塞位置(図1、図2の二点鎖線参照)との間を移動可能に構成されている。
【0020】
プリンタUは、プリンタUの各種制御を行う制御部Cと、制御部Cにより作動を制御される画像処理部GS、像書込装置駆動回路DL、および電源装置E等を有している。電源装置Eは、後述の帯電器の一例としての帯電ローラCRy〜CRk、現像剤保持体の一例としての現像ローラG1y〜G1kおよび転写器の一例としての転写ローラT1y〜T1k等に電圧を印加する。
【0021】
前記画像処理部GSは、外部の画像情報送信装置等から入力された印刷情報を、K(黒),Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン)の4色の画像に対応した潜像形成用の画像情報に変換して、所定のタイミングで像書込装置駆動回路DLに出力する。像書込装置駆動回路DLは、入力された各色の画像情報に応じて駆動信号を潜像書込装置ROSに出力する。前記潜像書込装置ROSは、駆動信号に応じて、各色の画像書き込み用の画像書込光の一例としてのレーザビームLy、Lm,Lc,Lkを出射する。
【0022】
図1において、前記潜像書込装置ROSの右方(+Y方向)にはY(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(黒)の各色の可視像の一例としてのトナー像を形成する像保持体ユニットの一例としての可視像形成装置UY,UM,UC,UKが配置されている。
図3は本発明の実施例1の着脱体の一例である可視像形成装置の説明図である。
図3において、K(黒)の可視像形成装置UKは回転する像保持体の一例としての感光体Pkを有する。前記感光体Pkの周囲には、帯電器の一例としての帯電ロールCRk、感光体表面の静電潜像を可視像に現像する現像装置Gk、感光体Pk表面を除電する除電部材Jk、感光体Pk表面に残留した現像剤を除去する像保持体清掃器の一例としての感光体クリーナCLk等が配置されている。
【0023】
前記感光体Pkは、帯電ロールCRkと対向する帯電領域Q1kで帯電ロールCRkにより表面を一様に帯電された後、潜像形成領域Q2kでレーザビームLkにより潜像が書き込まれる。書き込まれた静電潜像は現像装置Gkと対向する現像領域Qgkにおいて静電潜像が可視像化される。
実施例1の黒色の可視像形成装置UKは、感光体Pk、帯電器CRk、現像装置Gk、除電部材Jk、感光体クリーナCLk、現像剤補給容器(11+16+18)等が一体的に構成された着脱体、いわゆるプロセスカートリッジUKにより構成されており、図2に示すように、開閉部U2を開放位置に移動した状態で画像形成装置本体U1に対して着脱可能に構成されている。
他の色の可視像形成装置UY,UM,UCも、黒色の可視像形成装置UKと同様に、画像形成装置本体U1に対して着脱可能な着脱体、いわゆる、プロセスカートリッジUY,UM,UCにより構成されている。
【0024】
図1、図2において、前記感光体Py〜Pkの右方には、開閉部U2に支持された記録媒体搬送装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、記録媒体保持搬送部材の一例としての媒体搬送ベルトBと、媒体搬送ベルトBを支持する駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRd、従動部材の一例としての従動ロールRjを含む保持搬送部材支持系の一例としてのベルト支持ロール(Rd+Rj)と、各感光体Py〜Pkに対向して配置された転写器の一例としての転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kと、画像濃度検出部材の一例としての画像濃度センサSN1と、保持搬送部材清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbと、前記従動ロールRjに対向して配置されて記録媒体Sを媒体搬送ベルトBに吸着させる記録媒体吸着部材の一例としての媒体吸着ロールRkとを有する。前記媒体搬送ベルトBは、前記ベルト支持ロール(Rd+Rj)により回転可能に支持されている。なお、前記画像濃度センサSN1は、所定の時期に、制御部Cの図示しない画像濃度調整手段により形成される濃度検出用の画像、いわゆるパッチ画像の濃度を検出するためのものであり、画像濃度調整手段は、前記画像濃度検出部材で検出された画像濃度に基づいて、帯電器CRy〜CRkや現像装置Gy〜Gk、転写ロールT1y〜T1kへ印加する電圧の調整、潜像書込光Ly〜Lkの強度の調整を行うことにより、画像濃度の調整や補正、いわゆる、プロセスコントロールを行う。
【0025】
媒体搬送ベルトBの下方に配置された給紙容器TR1の記録媒体Sは、給紙部材Rpにより取り出され、記録媒体搬送路SHに搬送される。
記録媒体搬送路SHの記録媒体Sは、記録媒体搬送部材の一例としての媒体搬送ロールRaにより搬送され、給紙時期調整部材の一例としてのレジロールRrに送られる。レジロールRrは、所定のタイミングで、従動ロールRjと媒体吸着ロールRkとの対向領域である記録媒体吸着位置Q6に前記記録媒体Sを搬送する。前記記録媒体吸着位置Q6に搬送された記録媒体Sは、前記媒体搬送ベルトBに静電吸着される。
手差し給紙部TR0から給紙される場合、手差し給紙部材Rp1により給紙された記録媒体Sは、媒体搬送ロールRaにより前記レジロールRrに搬送され、媒体搬送ベルトBに搬送される。
【0026】
前記媒体搬送ベルトBに吸着された記録媒体Sは、前記感光体Py〜Pkと接触する前記転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kを順次通過する。
前記転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて媒体搬送ベルトBの裏面側に配置された転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kには、制御部Cにより制御される電源回路Eから所定のタイミングでトナーの帯電極性と逆極性の転写電圧が印加される。
多色画像の場合、前記各感光体Py〜Pk上のトナー像は前記転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kにより媒体搬送ベルトB上の記録媒体Sに重ねて転写される。また、単色画像、いわゆる、モノクロ画像の場合、感光体Pk上にK(黒)のトナー像のみが形成され、このK(黒)のトナー像のみが転写器T1kにより記録媒体Sに転写される。
トナー像転写後の感光体Py〜Pkは、除電領域Qjy〜Qjkで除電部材Jy〜Jkにより除電された後、清掃領域Q4y〜Q4kにおいて感光体クリーナCLy〜CLkにより表面に残留したトナーが回収されて清掃され、再び帯電ロールCRy〜CRkにより帯電される。
【0027】
前記トナー像が転写された記録媒体Sは、定着器の一例としての定着装置Fの加熱定着部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧定着部材の一例としての加圧ロールFpとが圧接して形成する定着領域Q5で定着される。画像が定着された記録媒体Sは、案内部材の一例としてのガイドコロRgkにより案内されて、媒体排出部材の一例としての排出ローラRhから媒体排出部TRhに排出される。
記録媒体Sが離隔した後の前記媒体搬送ベルトBは、前記ベルトクリーナCLbにより清掃される。
両面印刷が行われる場合には、排紙ローラRhが逆回転駆動して、切替部材GT1により媒体反転路SH2に記録媒体Sが搬送され、表裏が反転した状態でレジロールRrに再送される。
なお、実施例1の定着装置F、排紙ロールRhの下側の駆動ロール、切替部材GT1、媒体反転路SH2の下側のガイド面は、一体化された交換可能な定着装置、いわゆる、定着ユニットU3により構成されている。また、排紙ロールRhの上側の従動部材は、開閉部U2に支持されている。
【0028】
(可視像形成装置の説明)
図4は図3のIV−IV線断面図である。
以下、可視像形成装置UY〜UKの詳細な説明をするが、各色の可視像形成装置UY〜UKは同様に構成されているため、黒色の可視像形成装置UKについてのみ説明し、その他の可視像形成装置UY,UM,UCについては説明を省略する。
図3,図4において、可視像形成装置UKは、感光体Pkや現像装置Gkを有する現像部Uk1と、帯電ロールCRkや感光体クリーナCLk、除電ロールJkを有する清掃帯電部Uk2と、が組付けられて構成されており、現像部Uk1と清掃帯電部Uk2との間にはレーザビームLkが通過する書込光通過路Uk3が形成されている。
前記現像部Ukは、現像剤が収容される現像剤収容容器1を有する。前記現像剤収容容器1は、下側の現像容器本体1aと、現像容器本体1aの上面を閉塞する蓋部材1bと、前記現像容器本体1aの左右方向中央部を仕切って後述する現像剤搬送室を形成するための中央仕切部材1cとを有する。
【0029】
前記現像剤収容容器1には、感光体Pkに対向する現像剤保持体の一例としての現像ロールG1kが支持される現像剤保持体収容室2と、現像剤保持体収容室2の左側に隣接し現像剤が収容される第1撹拌搬送室3と、第1撹拌搬送室3の左側に隣接する第2撹拌搬送室4とを有する。また、前記現像剤保持体収容室2には、現像ロールG1kに対向して配置され、現像ロールG1k表面に担持された現像剤の厚みである層厚を規制する層厚規制部材SKが配置されている。
現像剤収容室の一例としての前記第1撹拌搬送室3と第2撹拌搬送室4との間は、仕切壁6により仕切られており、第1撹拌搬送室3と第2撹拌搬送室4は前後両端部で現像剤が移動可能に構成されている。
実施例1の現像剤収容容器1には、前記現像剤として、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤が収容されている。また、前記現像剤保持体収容室2、第1撹拌搬送室3および第2撹拌搬送室4により現像剤収容室(2〜4)が構成されている。
なお、図4において、第1撹拌搬送室3の後端部、すなわち、現像剤搬送方向上流端部には、トナーとキャリアとの混合割合、いわゆる、トナー濃度を検出するために、現像剤濃度検出部材の一例としてのトナー濃度センサSN2が配置されている。
【0030】
前記第1撹拌搬送室3および第2撹拌搬送室4には、現像剤を撹拌しながら互いに逆方向に搬送する現像剤搬送部材の一例としての撹拌搬送部材7,8が配置されている。実施例1の撹拌搬送部材7,8は、回転軸7a,8aと、前記回転軸7a,8aに固定支持された螺旋状の搬送羽根7b,8bとを有する撹拌搬送部材、いわゆるオーガにより構成されている。
なお、実施例1の撹拌搬送部材7,8は、回転軸が直径4mm、搬送羽根7b,8bの外形の直径である螺旋径は8mm、搬送羽根7b,8bの螺旋が一回転する間に軸方向に進む距離であるピッチが15mm、回転数が408.39rpmに設定されている。なお、これらの値は、設計に応じて任意に変更可能である。
図3において、前記蓋部材1bには、第2撹拌搬送室4の上方に配置される初期現像剤収容室9が形成されている。図4の破線で示すように、前記初期現像剤収容室9の下端部には前後方向に延びる開口9aが形成されている。
【0031】
前記第2撹拌搬送室4の左側には、円筒状の現像剤搬送室11が形成されている。前記現像剤搬送室11の前端部には第2撹拌室4に接続する現像剤補給口11aが形成されており、後端部には現像剤流入口11bが形成されている。前記現像剤搬送室11には、現像剤搬送室11内の現像剤を現像剤補給口11a側に搬送する現像剤補給部材12が配置されている。
なお、実施例1の現像剤補給部材12は、回転軸12aが直径4mm、搬送羽根12bの外形の直径である螺旋径は8mm、搬送羽根12bの螺旋が一回転する間に軸方向に進む距離であるピッチが8mm、回転数が100rpmに設定されている。なお、これらの値は、設計に応じて任意に変更可能である。
【0032】
前記現像剤搬送室11の左側には、第1現像剤補給室16が形成されており、第2現像剤補給室16の上方には、前後方向端部に形成された現像剤落下路17を介して接続された第2現像剤補給室18が配置されている。前記第1現像剤補給室16には、第2現像剤補給室16の現像剤を現像剤流入口11bに搬送する第1現像剤搬送部材(現像剤補給部材)21および第2現像剤搬送部材(現像剤補給部材)22が配置されている。
前記第1現像剤搬送部材21は、回転軸部21aと、前記回転軸部21aに支持されたPET(ポリエチレンテレフタレート)等の可撓性のある樹脂薄膜により構成された搬送薄膜部21bとを有する。搬送薄膜部21bには、軸方向に対して傾斜した切込21cが形成されており、搬送薄膜部21bの現像剤流入口11bに対向する位置には強度を高めて現像剤流入口11bへ現像剤を流入しやすくするための補助薄膜23が貼り付けられている。したがって、第1現像剤搬送部材21の回転時に、切込21cが形成された搬送薄膜部21bにより、後側の現像剤流入口11b側に現像剤が搬送され、補助薄膜23の部分で現像剤が現像剤搬送室11に搬送される。
【0033】
前記第2現像剤搬送部材22は前記第1現像剤搬送部材21側に現像剤を搬送する。前記第2現像剤補給室18内に配置された第3現像剤搬送部材(現像剤補給部材)24、第4現像剤搬送部材(現像剤補給部材)26は、第2現像剤補給室18内の現像剤を現像剤落下路17側に搬送する。
前記現像剤搬送室11、第1現像剤補給室16および第2現像剤補給室18により実施例1の現像剤補給容器(11+16+18)が構成されている。
前記第2現像剤補給室18の右側には、前記感光体クリーナCLkが配置されており、感光体クリーナCLkは感光体Pk表面に接触する板状の現像剤清掃部材、いわゆる、クリーニングブレード31と、クリーニングブレード31により掻き取られた現像剤を回収現像剤収容室32に搬送する回収現像剤搬送部材33とを有する。
【0034】
前記可視像形成装置Ukには、仕切部材兼開口閉塞部材の一例としてのフィルムシールFSが設けられている。前記フィルムシールFSは、外端側が可視像形成装置Ukの図示しない貫通孔を介して外部に導き出されており、内端側は二又状に分かれており、一方は、前記開口9aの下面に、現像剤堰き止め部材10が収容位置、すなわち回転中心10bが堰き止め部材支持孔9bに嵌め込まれ、且つ前記堰き止め部材本体10aが収容位置規制部材9cの下側に接触した状態で、貼り付けられる。また、図4に示すように、フィルムシールFSの内端側の他方は、前記現像剤搬送室11の現像剤補給口11aを閉塞するように貼り付けられる。
したがって、開口9aはフィルムシールFSにより閉塞され、初期現像剤収容室9は密封されると共に、現像剤搬送室11と現像剤収容室(2〜4)との間も封がされる。
【0035】
なお、実施例1では、密封された初期現像剤収容室9には、トナーとキャリアとが予め設定された所定の割合で混合された二成分現像剤、いわゆる、初期現像剤が収容され、現像剤補給容器(11+16+18)には、補給用の現像剤としてトナーが収容されている。そして、現像剤収容室(2〜4)には、現像剤が無い状態で保持される。したがって、フィルムシールFSが装着された状態では、現像剤収容室(2〜4)に現像剤が存在せず、封もされているため、倉庫での保管や輸送中に現像剤が漏れることが防止され、可視像形成装置Ukを画像形成装置本体U1に装着する前に、フィルムシールFSを可視像形成装置Ukから取り外すことにより、現像剤収容室(2〜4)に初期現像剤収容室9の現像剤が流入すると共に現像剤補給容器(11+16+18)から現像剤が補給可能になる。
前記符号1〜26やFSが付された各部材等により、実施例1の現像剤搬送装置が構成されている。
【0036】
(現像ロールと層厚規制部材との位置関係の説明)
図5は実施例1の現像剤担持体および層厚規制部材の部分の要部拡大説明図である。
図3において、前記現像ロールG1kは、回転不能に支持された磁石部材41と、前記磁石部材41の外周に配置された回転駆動される円筒部材の一例としての現像スリーブ42とを有する。図3、図5において、実施例1の磁石ロール41は、現像剤収容室(2〜4)の現像剤を現像スリーブ42表面に付着させる汲上げ磁極S1と、汲上げ磁極S1の現像スリーブ42回転方向下流側に配置された層厚規制極N1と、層厚規制極N1の現像スリーブ42回転方向下流側且つ現像領域Qgkの近傍に配置された現像極S2と、現像極S2の現像スリーブ42回転方向下流側に配置された搬送極N2と、搬送極N2の現像スリーブ42回転方向下流側に配置された現像剤離脱極S3と、の5つの磁極を有する。
したがって、汲上げ磁極S1、いわゆるピックアップ磁極で現像剤収容室(2〜4)の現像剤が現像スリーブ表面42に付着し、現像スリーブ42の回転に伴って、搬送され、層厚規制部材SKにより層厚が規制された後、現像領域Qgkで現像に使用される。現像領域Qgk通過後に現像スリーブ42表面に付着した現像剤は、現像剤離脱極S3、いわゆる、ピックオフ磁極で現像スリーブ42から離脱し、現像剤収容室(2〜4)に戻される。
【0037】
図6は磁束密度分布のピーク位置と層厚規制部材との位置関係の説明図であり、図6Aは実施例1の場合の位置関係の説明図、図6Bは従来技術の位置関係の説明図である。
図3、図5、図6において、実施例1の層厚規制部材SKは、層厚規制領域Qskにおいて現像スリーブ41に所定の間隔をあけて対向して配置されており、磁性材料製の円筒状(丸棒状)の部材により構成されている。
図6において、実施例1の現像装置Gkでは、現像スリーブ42の直径をD、層厚規制部材SKを現像スリーブ42表面に投影した際の投影幅をWとし、角度α(度)=180×W/(D×π)とした場合に、層厚規制部材SKよりも現像スリーブ42回転方向下流側の前記角度αの領域外に、層厚規制部材SKの現像スリーブ42回転方向下流側で層厚規制部材SKに最も近い位置に配置された磁極である層厚規制極N1の法線方向磁束密度分布43の極大位置43a、いわゆる、ピーク位置43aが配置されている。すなわち、実施例1では層厚規制極N1のピーク位置43aが、層厚規制部材SKの中心と現像ロールG1kの中心とを結ぶ線分44に対して、現像スリーブ42の回転方向下流側且つ角度αの外側に配置されている。
【0038】
(実施例1の作用)
図7は実施例1の作用説明図であり、図7Aは実施例1の磁極および層厚規制部材と現像剤との関係の作用説明図、図7Bは下流側の現像剤が少ない状態の従来の磁極および層厚規制部材と現像剤との関係の作用説明図、図7Cは層厚規制部材の下流側に現像剤が多く付着した状態の従来の磁極および層厚規制部材と現像剤との関係の作用説明図、図7Dは層厚規制部材の下流側に付着した現像剤が崩れて下流側に搬送された状態の従来の磁極および層厚規制部材と現像剤との関係の作用説明図である。
前記構成要件を備えた実施例1の画像形成装置の一例としてのプリンタUでは、現像スリーブ42表面に付着した現像剤は、磁性材料製の丸棒状で小型化、低コスト化された層厚規制部材SKにより規制され、層厚規制部材SKと現像スリーブ42との間隔により所定の層厚の現像剤が現像領域Qgkに搬送される。このとき、図7Aに示すように、実施例1の磁性材料製の層厚規制部材SKでは、層厚規制極N1との間で、磁界が発生し、所定量の穂立ちが発生して効果的に層厚が規制される。
【0039】
ここで、図6B、図7B〜図7Dにおいて、従来の層厚規制部材01では、層厚規制部材01の近傍で穂立ちを発生させて効率的に層厚を規制していたため、図7Cに示すように、層厚規制部材01の現像スリーブ02回転方向下流側において、層厚規制部材01に現像剤03が付着していた。この現像剤03は、現像スリーブ02回転に伴って、不定期に崩れ、図7Dに示すように下流側に搬送され、現像時に濃度が不均一、いわゆる濃度ムラとなる画質低下の原因となっていた。
図7Aにおいて、実施例1の現像装置Gy〜Gkでは、層厚規制極N1の法線方向磁束密度分布の極大位置43aにおいて最も大きな穂立ちが発生するが、層厚規制部材SKに対して、角度αの領域外に配置された層厚規制極N1とにより、層厚規制部材SKに現像剤が付着することが低減される。すなわち、図7C、図7Dの状況となることが低減される。
【0040】
(実験例1)
図8は実施例1の実験例1の説明図であり、図8Aは実験結果の一覧表、図8Bはスリーブ外径12mmの実験について横軸に層厚規制極のピーク位置を取り且つ縦軸に濃度ムラ発生状況の結果を取った実験結果のグラフであり、図8Cはスリーブ外径16mmの実験について横軸に層厚規制極のピーク位置を取り且つ縦軸に濃度ムラ発生状況の結果を取った実験結果のグラフである。
次に、実施例1の構成の効果を確かめるための実験例1を行った。実験例1では、以下の条件(1)〜(4)で行った。
(1)層厚規制部材SKとして、直径5mmのSUS416製の磁性ロールを使用した。
(2)現像剤として、平均粒径6.5μmの非磁性トナーと、平均粒径35μmの磁性キャリアを使用し、前記磁性キャリアとして、フェライト粒子の表面に樹脂をコーティングした比重4.6g/cm3の樹脂コートキャリアを使用した。なお、トナー濃度は、4%、8%、12%の場合で実験を行った。
(3)現像条件として、感光体帯電電位(VH)=300Vとし、現像ロールG1kに200Vの直流電圧と、ピーク間電圧1.1kVで周波数4kHzの交流電圧とを重畳して印加した。
(4)現像ロールとして、2つの現像ロールを使用し、外径が12mmの非磁性の現像スリーブ42と、外径が約10mmで中心軸が5mmの磁石ロール41とを有する現像ロールと、外径が16mmの非磁性の現像スリーブ42と、外径が約13.8mmで中心軸が5mmの磁石ロール41とを有する現像ロールと、で実験を行った。なお、各現像ロールでの角度αは、それぞれ、24.6度、18.2度となった。
【0041】
前記実験条件で、層厚規制極N1のピーク位置43aと、丸棒状の層厚規制部材SKの中心との成す角度を−5度、0度、5度、10度、15度、22度、27度、30度として、実験を行った。なお、現像スリーブ回転方向下流側を+、上流側を−とした。
そして、この条件で、ハーフトーン画像を印字した際の濃度ムラの発生状況を、濃度ムラが未発生で実用上問題無い場合を「○」、濃度ムラが軽微に発生し実用上懸念がある場合を「△」、実用上問題がある濃度ムラが発生した場合を「×」で評価した。
実験結果を図8A〜図8Cに示す。
図8Bに示すように、層厚規制極N1のピーク位置43aが下流側でα=24.6度の領域外にある27度と30度の場合に、トナー濃度が低濃度〜高濃度のいずれの場合でも濃度ムラが発生しなかった。
また、図8Cに示すように、層厚規制極N1のピーク位置が下流側でα=18.2度の領域外にある22度、27度、30度の場合に、トナー濃度が低濃度〜高濃度のいずれの場合でも濃度ムラが発生しなかった。
【実施例2】
【0042】
図9は本発明の実施例2の磁束密度分布のピーク位置と層厚規制部材との位置関係の説明図であり、図9Aは実施例1の図6Aに対応する実施例2の位置関係の説明図、図9Bは実施例1の図6Bに対応する従来技術の位置関係の説明図である。
次に本発明の実施例2の画像形成装置の説明を行うが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図9Aにおいて、実施例2の現像装置Gy〜Gkでは、上流側磁極の一例としての層厚規制極N1のピーク位置43aが層厚規制部材SKの現像スリーブ42回転方向上流側に配置されている。また、層厚規制極N1と現像極S2との間に、下流側の磁極の一例である隣接極S4が設けられ、前記隣接極S4の法線方向磁束密度分布46の極大位置46a、いわゆるピーク位置46aは、層厚規制部材SKよりも現像スリーブ42回転方向下流側の角度2αの領域外に配置されている。
【0043】
(実施例2の作用)
図10は実施例1の図7に対応する実施例2の作用説明図であり、図10Aは実施例2の磁極および層厚規制部材と現像剤との関係の作用説明図、図10Bは層厚規制部材の下流側に現像剤が多く付着した状態の従来の磁極および層厚規制部材と現像剤との関係の作用説明図である。
前記構成を備えた実施例2の画像形成装置Uでは、図10Aに示すように、上流側の層厚規制極N1により穂立ちが発生し、層厚規制部材SKにより層厚が規制される。そして、下流側の隣接極S4が角度2αよりも外側に配置されているので、図10Bに示すように従来のように内側に配置されている場合に比べて、磁性材料製の層厚規制部材SKの下流側で現像剤が穂立ちされ、溜まることが低減される。すなわち、実施例2の画像形成装置Uも実施例1の画像形成装置Uと同様の作用を有する。
【0044】
(実験例2)
図11は実施例2の実験例2の説明図であり、図11Aは実験結果の一覧表、図11Bは図11Aの実験結果について横軸に隣接極のピーク位置を取り且つ縦軸に濃度ムラ発生状況の結果を取った実験結果のグラフである。
次に、実施例2の構成の効果を確かめるための実験例2を行った。実験例2では、前記実験例1と同じ実験条件(1)〜(3)と、以下の実験条件(4′)とで実験を行った。
(4′)現像ロールとして、外径が12mmの非磁性の現像スリーブ42と、外径が約10mmで中心軸が5mmの磁石ロール41とを有する現像ロールで実験を行った。なお、このときの角度αは、24.6度となった。
【0045】
前記実験条件で、層厚規制極N1のピーク位置43aと、丸棒状の層厚規制部材SKの中心との成す角度が−15度の場合に、隣接極S4のピーク位置46aと丸棒状の層厚規制部材SKの中心との成す角度を34.7度、41.3度、47.0度として実験をした。また、ピーク位置43aの成す角度が−8度の場合に、隣接極S4のピーク位置46aの成す角度を41.7度、48.3度、54.0度として実験を行い、ピーク位置43aの成す角度が−3度の場合に、隣接極S4のピーク位置46aの成す角度を44.7度、53.3度、59.0度として実験を行った。
そして、この条件で、ハーフトーン画像を印字した際の濃度ムラの発生状況を、濃度ムラが未発生で実用上問題無い場合を「○」、濃度ムラが軽微に発生し実用上懸念がある場合を「△」、実用上問題がある濃度ムラが発生した場合を「×」で評価した。
実験結果を図11A〜図11Cに示す。
図11Bに示すように、トナー濃度が低濃度では、2α=49.2度の領域でも濃度ムラが発生しない場合もあるが、少なくとも、隣接極S4のピーク位置46aが下流側で2α=49.2度の領域外にある53.3度、54.0度、59.0度の場合には、トナー濃度が低濃度〜高濃度のいずれの場合でも濃度ムラが発生しなかった。
【実施例3】
【0046】
図12は本発明の実施例3の現像装置の説明図であり、実施例1の図5に対応する図である。
次に本発明の実施例3の画像形成装置の説明を行うが、この実施例3の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この実施例3は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図12において、実施例3の現像装置Gy〜Gkでは、層厚規制部材SKの現像スリーブ42回転方向下流側において、現像剤収容容器1の壁部材の一例としての蓋部材1bは、前記投射幅W内、すなわち、角度αの領域において、現像スリーブ42に近接して配置された近接部51を有する。
【0047】
(実施例3の作用)
図13は実施例3の作用説明図であり、実施例1の図7Aに対応する図である。
図7において、前記構成を備えた実施例3の画像形成装置Uでは、層厚規制部材SKの下流側において、前記近接部51により層厚規制部材SKが被覆されており、層厚規制部材SKの下流側表面との間に現像剤が進入することが妨げられる。すなわち、磁力により現像剤が層厚規制部材SKの下流側に付着して溜まることが低減され、実施例3の画像形成装置Uも実施例1の画像形成装置Uと同様の作用を有する。
【実施例4】
【0048】
図14は本発明の実施例4の層厚規制部材の説明図であり、図14Aは層厚規制部材の端部の説明図、図14Bは図14Aの矢印XIVB方向から見た図である。
次に本発明の実施例4の画像形成装置の説明を行うが、この実施例4の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この実施例4は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図14において、実施例4の層厚規制部材SKの一端部には、被支持部の一例としての被支持軸61が設けられている。前記被支持軸61の端部には、切り欠き部61aが形成されており、前記切り欠き部61aは、いわゆるDカットにより構成されている。現像装置Gy〜Gkの壁部材の一例としての現像容器本体1aには、層厚規制部材SKの被支持軸61を支持する支持部の一例として支持孔62が形成されている。前記支持孔62には、前記切り欠き部61aに対応して形成され、前記層厚規制部材SKが支持された状態で、切り欠き部61aに接触して、層厚規制部材SKを回転不能な状態で支持する回転不能接触部62aが形成されている。
【0049】
(実施例4の作用)
図15は実施例4の作用説明図であり、層厚規制部材が回転可能に支持されている場合の作用説明図である。
前記構成を備えた実施例4の画像形成装置Uでは、層厚規制部材SKが回転不能に支持されている。図15に示すように、層厚規制部材SKが回転可能に支持されている場合、現像スリーブ42の回転に伴って、層厚規制部材SKが回転することがある。層厚規制部材SKが回転すると、層厚規制部材SK表面に現像剤が付着した状態で回転し、層厚規制部材SKの下流側に現像剤が付着することが考えられる。これに対し、層厚規制部材SKを回転不能とすることで、層厚規制部材SKの下流側に現像剤が付着して溜まることが低減され、実施例4の画像形成装置Uも実施例1の画像形成装置Uと同様の作用を有する。
【0050】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H08)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置としてのプリンタを例示したが、これに限定されず、FAXや複写機あるいはこれらすべてまたは複数の機能を備えた複合機とすることも可能である。また、多色現像の画像形成装置に限定されず、単色、いわゆる、モノクロの画像形成装置により構成することも可能である。
【0051】
(H02)前記実施例において、現像ロールG1kの各磁極の数や、N極、S極は、設計や仕様等に応じて任意に変更可能である。他にも、実施例2において、隣接極S4と現像極S1を共通化することも可能である。
(H03)前記実施例において、現像装置Gと、現像剤補給容器(11+16+18)を一体化し、一体的に交換可能な構成を例示したが、これに限定されず、現像装置と現像剤補給容器が別個に構成し、その間を現像剤搬送部材で連結し、現像剤を搬送するように構成することも可能である。すなわち、いわゆる、現像ユニットと、トナーカートリッジとによる構成を採用することも可能である。
【0052】
(H04)前記実施例において、現像ロールG1kや層厚規制部材SKの具体的な材料名や大きさ等の具体的な数値等は、設計等に応じて任意のものを使用可能である。
(H05)前記実施例において、層厚規制部材SKを回転不能に支持することが望ましいが、回転可能に支持することも可能である。
(H06)前記実施例において、層厚規制部材SKを回転不能に支持する構成は、実施例4で例示したDカットと対応する孔との組み合わせに限定されず、回転不能な状態で支持する任意の構成を採用可能である。
(H07)前記実施例において、現像剤搬送部材として、回転軸と螺旋状の搬送羽根とを有する現像剤搬送部材、いわゆる、オーガにより構成したが、この構成に限定されず、つるまきばね状、いわゆる、コイルばね状の現像剤搬送部材や、回転軸に半月状の搬送羽根が斜めに支持された現像剤搬送部材等、任意の形状の現像剤搬送部材を使用可能である。
【0053】
(H08)前記実施例において、現像剤として初期現像剤収容室にトナーとキャリアとを含む二成分現像剤が収容され、現像剤補給容器(11+16+18)にはトナーのみが収容されていたが、この構成に限定されず、現像装置から少しずつ劣化した現像剤を排出すると共に、現像装置内のトナー濃度よりも高濃度のトナーとキャリアとを含む高濃度現像剤を現像装置に補給する構成とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図2】図2は本発明の実施例1の画像形成装置の開閉部が開放された状態の説明図である。
【図3】図3は本発明の実施例1の着脱体の一例である可視像形成装置の説明図である。
【図4】図4は図3のIV−IV線断面図である。
【図5】図5は実施例1の現像剤担持体および層厚規制部材の部分の要部拡大説明図である。
【図6】図6は磁束密度分布のピーク位置と層厚規制部材との位置関係の説明図であり、図6Aは実施例1の場合の位置関係の説明図、図6Bは従来技術の位置関係の説明図である。
【図7】図7は実施例1の作用説明図であり、図7Aは実施例1の磁極および層厚規制部材と現像剤との関係の作用説明図、図7Bは下流側の現像剤が少ない状態の従来の磁極および層厚規制部材と現像剤との関係の作用説明図、図7Cは層厚規制部材の下流側に現像剤が多く付着した状態の従来の磁極および層厚規制部材と現像剤との関係の作用説明図、図7Dは層厚規制部材の下流側に付着した現像剤が崩れて下流側に搬送された状態の従来の磁極および層厚規制部材と現像剤との関係の作用説明図である。
【図8】図8は実施例1の実験例1の説明図であり、図8Aは実験結果の一覧表、図8Bはスリーブ外径12mmの実験について横軸に層厚規制極のピーク位置を取り且つ縦軸に濃度ムラ発生状況の結果を取った実験結果のグラフであり、図8Cはスリーブ外径16mmの実験について横軸に層厚規制極のピーク位置を取り且つ縦軸に濃度ムラ発生状況の結果を取った実験結果のグラフである。
【図9】図9は本発明の実施例2の磁束密度分布のピーク位置と層厚規制部材との位置関係の説明図であり、図9Aは実施例1の図6Aに対応する実施例2の位置関係の説明図、図9Bは実施例1の図6Bに対応する従来技術の位置関係の説明図である。
【図10】図10は実施例1の図7に対応する実施例2の作用説明図であり、図10Aは実施例2の磁極および層厚規制部材と現像剤との関係の作用説明図、図10Bは層厚規制部材の下流側に現像剤が多く付着した状態の従来の磁極および層厚規制部材と現像剤との関係の作用説明図である。
【図11】図11は実施例2の実験例2の説明図であり、図11Aは実験結果の一覧表、図11Bは図11Aの実験結果について横軸に隣接極のピーク位置を取り且つ縦軸に濃度ムラ発生状況の結果を取った実験結果のグラフである。
【図12】図12は本発明の実施例3の現像装置の説明図であり、実施例1の図5に対応する図である。
【図13】図13は実施例3の作用説明図であり、実施例1の図7Aに対応する図である。
【図14】図14は本発明の実施例4の層厚規制部材の説明図であり、図14Aは層厚規制部材の端部の説明図、図14Bは図14Aの矢印XIVB方向から見た図である。
【図15】図15は実施例4の作用説明図であり、層厚規制部材が回転可能に支持されている場合の作用説明図である。
【符号の説明】
【0055】
1a,1b…壁部材、
41…磁石部材、
42…円筒部材、
43,46…法線方向磁束密度分布、
43a,46a…極大位置、
61a…切り欠き部、
62a…回転不能接触部、
D…円筒部材の半径、
F…定着器、
G1y,G1m,G1c,G1k…現像剤保持体、
Gy,Gm,Gc,Gk…現像装置、
N1…上流側磁極、
N1,N2,S1,S2,S3,S4…磁極、
Py,Pm,Pc、Pk…像保持体、
S…媒体、
SK…層厚規制部材、
T1y,T1m,T1c,T1k…転写器、
Uy,Um,Uc,Uk…像保持体ユニット、
W…投影幅、
α…角度。
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置、像保持体ユニットおよび画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の複写機やプリンタ等の画像形成装置では、感光体表面に形成された潜像を現像装置で現像し、現像された可視像を媒体に転写、定着することで画像形成を行っている。前記現像装置は、感光体に対向して現像剤保持体、例えば、現像ロールが配置されており、現像ロール表面には所定の層厚の現像剤が付着し、感光体との対向領域である現像領域に搬送、供給される。
前記現像ロール表面の層厚を規制するための層厚規制部材に関する技術として、下記の特許文献1、2記載の技術が公知である。
【0003】
特許文献1(特開2003−140463号公報)には、板状の層厚規制部材(70)の先端を、現像剤担持体(232)の磁極(S3)の磁力の分布曲線の半値幅内に配置する技術が記載されている。特に、層厚規制部材が磁性材料で構成されている場合には、現像剤担持体(232)の回転方向にみて上流側の半値幅に対応した範囲内に設置することが好ましく、層厚規制部材が非磁性材料で構成されている場合には、現像剤保持体(232)の回転方向に見て下流側の半値幅に対応した範囲内に配置することが好ましいことも記載されている。
【0004】
また、特許文献2(特開平7−261557号公報)には、ブレード(80)により構成された層厚規制部材が記載されており、ブレード(80)を、現像スリーブ(71)の移動方向上流側で前記多極永久磁石(81)の静止磁界が及ぶ範囲で、下流側で静止磁界が及ばない範囲に配置する技術が記載されている。特許文献2記載の技術では、下流側の磁極と上流側の磁極との磁極間幅を相当程度広く設定する必要があり、小型化が困難であるが、下流側に静止磁界が及ばないようにすることで、層厚規制部材の下流側の現像剤が現像スリーブから離脱することを回避している。
【0005】
このほかにも、近年、画像形成装置は小型化、低コスト化の要求があり、現像装置を、低コスト化、小型扁平化する場合に、現像ロール等の各部材だけでなく、層厚規制部材を小型化することも行われている。このため、引用文献1,2に記載されているような、層厚規制部材だけでなく層厚規制部材を取り付けるための部材により配置空間が広くなる板状、ブレード状の層厚規制部材に替えて、非磁性丸棒状の層厚規制部材を採用することがあった。しかし、非磁性材料であるため比較的高価で且つ、磁性により層厚規制領域において現像剤が穂状になる、いわゆる穂立ち効果が得られないため、層厚規制部材と現像ロールとの間隔を狭くせざるを得ず、現像剤へのストレスが増加したり、部品を高精度化する必要があった。
【0006】
これに対応して、非磁性材料よりも低コストな磁性材料製の丸棒ロールを使用することで、低コスト且つ穂立ち効果を得られる構成が実現できるが、特許文献2に記載されているのと同様に、層厚規制部材の下流側で、磁気的な影響で現像剤が溜まったり穂立ちが発生し、溜まった現像剤が不定期に現像領域に搬送されて画質欠陥を引き起こしていた。
【0007】
【特許文献1】特開2003−140463号公報(「0051」〜「0077」)
【特許文献2】特開平7−261557号公報(「0014」〜「0021」、「0029」〜「0030」)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前述の事情に鑑み、現像装置を小型化しつつ、画質欠陥を低減することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の発明の現像装置は、
複数の磁極を有する磁石部材と、前記磁石部材の外周に配置された回転する円筒部材と、を有し、前記円筒部材表面に現像剤を保持する現像剤保持体と、
前記円筒部材表面に所定の間隔をあけて対向して配置され、前記円筒部材表面に付着した現像剤の層厚を規制する磁性材料製で円筒状の層厚規制部材と、
を備え、
前記円筒部材の直径をD、前記層厚規制部材を前記円筒部材表面に投影した際の投影幅をWとし、角度α(度)=180×W/(D×π)とした場合に、前記層厚規制部材よりも前記円筒部材回転方向下流側の前記角度αの領域外に、前記層厚規制部材の前記円筒部材回転方向下流側で前記層厚規制部材に最も近い位置に配置された前記磁極の法線方向磁束密度分布の極大位置が配置されたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の現像装置において、
前記層厚規制部材よりも前記円筒部材回転方向上流側に上流側磁極の法線方向磁束密度分布の極大位置が配置されると共に、
前記層厚規制部材の前記円筒部材回転方向下流側に配置された前記磁極の法線方向磁束密度分布の極大位置が、前記層厚規制部材よりも前記円筒部材回転方向下流側の前記角度α×2の領域外に配置されたことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の現像装置において、
前記層厚規制部材の周囲に配置された壁部材の一部が、前記層厚規制部材の前記円筒部材回転方向下流側の前記投影幅内で、前記円筒部材表面に近接して配置されたことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の現像装置において、
回転不能に支持された前記層厚規制部材、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の現像装置において、
前記層厚規制部材の軸方向端部の一部が切り欠かれた切り欠き部と、
前記現像装置の壁部材に設けられ前記切り欠き部に接触して前記層厚規制部材を回転不能にする回転不能接触部と、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
前記技術的課題を解決するために、請求項6に記載の発明の像保持体ユニットは、
像保持体と、
前記像保持体表面の潜像を可視像に現像する請求項1ないし5のいずれかに記載の現像装置と、
を備えたことを特徴とする。
【0015】
前記技術的課題を解決するために、請求項7に記載の発明の画像形成装置は、
像保持体と、
前記像保持体表面の潜像を可視像に現像する請求項1ないし5のいずれかに記載の現像装置と、
前記現像装置で現像された可視像を媒体に転写する転写器と、
前記媒体に転写された可視像を定着させる定着器と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、層厚規制部材を低コスト化、小型化でき、現像装置を小型化することができる。また、本発明の構成を有しない場合に比べて、層厚規制部材の円筒部材回転方向下流側に現像剤が溜まることが低減でき、不定期に溜まった現像剤が現像に使用されることにより発生する画質欠陥を低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、上流側の磁極により現像剤を穂立ちさせて層厚を規制することができると共に、下流側で現像剤が溜まることを低減できる。
請求項3に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、壁部材により囲まれた層厚規制部材の下流側に現像剤が溜まることを低減できる。
請求項4に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、層厚規制部材の回転により層厚規制部材の円筒部材回転方向下流側に現像剤が付着することを低減できる。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、簡素な構成で層厚規制部材を回転不能にできる。
請求項6に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、層厚規制部材を低コスト化、小型化でき、像保持体ユニットを小型化することができる。また、本発明の構成を有しない場合に比べて、層厚規制部材の円筒部材回転方向下流側に現像剤が溜まることが低減でき、不定期に溜まった現像剤が現像に使用されることにより発生する画質欠陥を低減することができる。
請求項7に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、層厚規制部材を低コスト化、小型化でき、画像形成装置を小型化することができる。また、本発明の構成を有しない場合に比べて、層厚規制部材の円筒部材回転方向下流側に現像剤が溜まることが低減でき、不定期に溜まった現像剤が現像に使用されることにより発生する画質欠陥を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0019】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図2は本発明の実施例1の画像形成装置の開閉部が開放された状態の説明図である。
図1において、本発明の実施例1の画像形成装置の一例としてのプリンタUは、画像が記録される媒体の一例としての記録媒体Sが収容される給紙容器TR1が下部に収容されており、上面には排紙部TRhが設けられている。また、プリンタUの上部には操作部UIが設けられている。
図1、図2において、実施例1のプリンタUは、画像形成装置本体U1と、画像形成装置本体U1の右側下端部に設けられた回転中心U2aを中心として開閉可能な開閉部U2を有する。前記開閉部U2は、現像剤の補給や故障した部材の交換や紙詰まりした記録媒体Sを除去するために画像形成装置本体U1の内部を開放する開放位置(図2の実線参照)と、画像形成動作が実行される通常時に保持される閉塞位置(図1、図2の二点鎖線参照)との間を移動可能に構成されている。
【0020】
プリンタUは、プリンタUの各種制御を行う制御部Cと、制御部Cにより作動を制御される画像処理部GS、像書込装置駆動回路DL、および電源装置E等を有している。電源装置Eは、後述の帯電器の一例としての帯電ローラCRy〜CRk、現像剤保持体の一例としての現像ローラG1y〜G1kおよび転写器の一例としての転写ローラT1y〜T1k等に電圧を印加する。
【0021】
前記画像処理部GSは、外部の画像情報送信装置等から入力された印刷情報を、K(黒),Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン)の4色の画像に対応した潜像形成用の画像情報に変換して、所定のタイミングで像書込装置駆動回路DLに出力する。像書込装置駆動回路DLは、入力された各色の画像情報に応じて駆動信号を潜像書込装置ROSに出力する。前記潜像書込装置ROSは、駆動信号に応じて、各色の画像書き込み用の画像書込光の一例としてのレーザビームLy、Lm,Lc,Lkを出射する。
【0022】
図1において、前記潜像書込装置ROSの右方(+Y方向)にはY(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(黒)の各色の可視像の一例としてのトナー像を形成する像保持体ユニットの一例としての可視像形成装置UY,UM,UC,UKが配置されている。
図3は本発明の実施例1の着脱体の一例である可視像形成装置の説明図である。
図3において、K(黒)の可視像形成装置UKは回転する像保持体の一例としての感光体Pkを有する。前記感光体Pkの周囲には、帯電器の一例としての帯電ロールCRk、感光体表面の静電潜像を可視像に現像する現像装置Gk、感光体Pk表面を除電する除電部材Jk、感光体Pk表面に残留した現像剤を除去する像保持体清掃器の一例としての感光体クリーナCLk等が配置されている。
【0023】
前記感光体Pkは、帯電ロールCRkと対向する帯電領域Q1kで帯電ロールCRkにより表面を一様に帯電された後、潜像形成領域Q2kでレーザビームLkにより潜像が書き込まれる。書き込まれた静電潜像は現像装置Gkと対向する現像領域Qgkにおいて静電潜像が可視像化される。
実施例1の黒色の可視像形成装置UKは、感光体Pk、帯電器CRk、現像装置Gk、除電部材Jk、感光体クリーナCLk、現像剤補給容器(11+16+18)等が一体的に構成された着脱体、いわゆるプロセスカートリッジUKにより構成されており、図2に示すように、開閉部U2を開放位置に移動した状態で画像形成装置本体U1に対して着脱可能に構成されている。
他の色の可視像形成装置UY,UM,UCも、黒色の可視像形成装置UKと同様に、画像形成装置本体U1に対して着脱可能な着脱体、いわゆる、プロセスカートリッジUY,UM,UCにより構成されている。
【0024】
図1、図2において、前記感光体Py〜Pkの右方には、開閉部U2に支持された記録媒体搬送装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、記録媒体保持搬送部材の一例としての媒体搬送ベルトBと、媒体搬送ベルトBを支持する駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRd、従動部材の一例としての従動ロールRjを含む保持搬送部材支持系の一例としてのベルト支持ロール(Rd+Rj)と、各感光体Py〜Pkに対向して配置された転写器の一例としての転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kと、画像濃度検出部材の一例としての画像濃度センサSN1と、保持搬送部材清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbと、前記従動ロールRjに対向して配置されて記録媒体Sを媒体搬送ベルトBに吸着させる記録媒体吸着部材の一例としての媒体吸着ロールRkとを有する。前記媒体搬送ベルトBは、前記ベルト支持ロール(Rd+Rj)により回転可能に支持されている。なお、前記画像濃度センサSN1は、所定の時期に、制御部Cの図示しない画像濃度調整手段により形成される濃度検出用の画像、いわゆるパッチ画像の濃度を検出するためのものであり、画像濃度調整手段は、前記画像濃度検出部材で検出された画像濃度に基づいて、帯電器CRy〜CRkや現像装置Gy〜Gk、転写ロールT1y〜T1kへ印加する電圧の調整、潜像書込光Ly〜Lkの強度の調整を行うことにより、画像濃度の調整や補正、いわゆる、プロセスコントロールを行う。
【0025】
媒体搬送ベルトBの下方に配置された給紙容器TR1の記録媒体Sは、給紙部材Rpにより取り出され、記録媒体搬送路SHに搬送される。
記録媒体搬送路SHの記録媒体Sは、記録媒体搬送部材の一例としての媒体搬送ロールRaにより搬送され、給紙時期調整部材の一例としてのレジロールRrに送られる。レジロールRrは、所定のタイミングで、従動ロールRjと媒体吸着ロールRkとの対向領域である記録媒体吸着位置Q6に前記記録媒体Sを搬送する。前記記録媒体吸着位置Q6に搬送された記録媒体Sは、前記媒体搬送ベルトBに静電吸着される。
手差し給紙部TR0から給紙される場合、手差し給紙部材Rp1により給紙された記録媒体Sは、媒体搬送ロールRaにより前記レジロールRrに搬送され、媒体搬送ベルトBに搬送される。
【0026】
前記媒体搬送ベルトBに吸着された記録媒体Sは、前記感光体Py〜Pkと接触する前記転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kを順次通過する。
前記転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて媒体搬送ベルトBの裏面側に配置された転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kには、制御部Cにより制御される電源回路Eから所定のタイミングでトナーの帯電極性と逆極性の転写電圧が印加される。
多色画像の場合、前記各感光体Py〜Pk上のトナー像は前記転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kにより媒体搬送ベルトB上の記録媒体Sに重ねて転写される。また、単色画像、いわゆる、モノクロ画像の場合、感光体Pk上にK(黒)のトナー像のみが形成され、このK(黒)のトナー像のみが転写器T1kにより記録媒体Sに転写される。
トナー像転写後の感光体Py〜Pkは、除電領域Qjy〜Qjkで除電部材Jy〜Jkにより除電された後、清掃領域Q4y〜Q4kにおいて感光体クリーナCLy〜CLkにより表面に残留したトナーが回収されて清掃され、再び帯電ロールCRy〜CRkにより帯電される。
【0027】
前記トナー像が転写された記録媒体Sは、定着器の一例としての定着装置Fの加熱定着部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧定着部材の一例としての加圧ロールFpとが圧接して形成する定着領域Q5で定着される。画像が定着された記録媒体Sは、案内部材の一例としてのガイドコロRgkにより案内されて、媒体排出部材の一例としての排出ローラRhから媒体排出部TRhに排出される。
記録媒体Sが離隔した後の前記媒体搬送ベルトBは、前記ベルトクリーナCLbにより清掃される。
両面印刷が行われる場合には、排紙ローラRhが逆回転駆動して、切替部材GT1により媒体反転路SH2に記録媒体Sが搬送され、表裏が反転した状態でレジロールRrに再送される。
なお、実施例1の定着装置F、排紙ロールRhの下側の駆動ロール、切替部材GT1、媒体反転路SH2の下側のガイド面は、一体化された交換可能な定着装置、いわゆる、定着ユニットU3により構成されている。また、排紙ロールRhの上側の従動部材は、開閉部U2に支持されている。
【0028】
(可視像形成装置の説明)
図4は図3のIV−IV線断面図である。
以下、可視像形成装置UY〜UKの詳細な説明をするが、各色の可視像形成装置UY〜UKは同様に構成されているため、黒色の可視像形成装置UKについてのみ説明し、その他の可視像形成装置UY,UM,UCについては説明を省略する。
図3,図4において、可視像形成装置UKは、感光体Pkや現像装置Gkを有する現像部Uk1と、帯電ロールCRkや感光体クリーナCLk、除電ロールJkを有する清掃帯電部Uk2と、が組付けられて構成されており、現像部Uk1と清掃帯電部Uk2との間にはレーザビームLkが通過する書込光通過路Uk3が形成されている。
前記現像部Ukは、現像剤が収容される現像剤収容容器1を有する。前記現像剤収容容器1は、下側の現像容器本体1aと、現像容器本体1aの上面を閉塞する蓋部材1bと、前記現像容器本体1aの左右方向中央部を仕切って後述する現像剤搬送室を形成するための中央仕切部材1cとを有する。
【0029】
前記現像剤収容容器1には、感光体Pkに対向する現像剤保持体の一例としての現像ロールG1kが支持される現像剤保持体収容室2と、現像剤保持体収容室2の左側に隣接し現像剤が収容される第1撹拌搬送室3と、第1撹拌搬送室3の左側に隣接する第2撹拌搬送室4とを有する。また、前記現像剤保持体収容室2には、現像ロールG1kに対向して配置され、現像ロールG1k表面に担持された現像剤の厚みである層厚を規制する層厚規制部材SKが配置されている。
現像剤収容室の一例としての前記第1撹拌搬送室3と第2撹拌搬送室4との間は、仕切壁6により仕切られており、第1撹拌搬送室3と第2撹拌搬送室4は前後両端部で現像剤が移動可能に構成されている。
実施例1の現像剤収容容器1には、前記現像剤として、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤が収容されている。また、前記現像剤保持体収容室2、第1撹拌搬送室3および第2撹拌搬送室4により現像剤収容室(2〜4)が構成されている。
なお、図4において、第1撹拌搬送室3の後端部、すなわち、現像剤搬送方向上流端部には、トナーとキャリアとの混合割合、いわゆる、トナー濃度を検出するために、現像剤濃度検出部材の一例としてのトナー濃度センサSN2が配置されている。
【0030】
前記第1撹拌搬送室3および第2撹拌搬送室4には、現像剤を撹拌しながら互いに逆方向に搬送する現像剤搬送部材の一例としての撹拌搬送部材7,8が配置されている。実施例1の撹拌搬送部材7,8は、回転軸7a,8aと、前記回転軸7a,8aに固定支持された螺旋状の搬送羽根7b,8bとを有する撹拌搬送部材、いわゆるオーガにより構成されている。
なお、実施例1の撹拌搬送部材7,8は、回転軸が直径4mm、搬送羽根7b,8bの外形の直径である螺旋径は8mm、搬送羽根7b,8bの螺旋が一回転する間に軸方向に進む距離であるピッチが15mm、回転数が408.39rpmに設定されている。なお、これらの値は、設計に応じて任意に変更可能である。
図3において、前記蓋部材1bには、第2撹拌搬送室4の上方に配置される初期現像剤収容室9が形成されている。図4の破線で示すように、前記初期現像剤収容室9の下端部には前後方向に延びる開口9aが形成されている。
【0031】
前記第2撹拌搬送室4の左側には、円筒状の現像剤搬送室11が形成されている。前記現像剤搬送室11の前端部には第2撹拌室4に接続する現像剤補給口11aが形成されており、後端部には現像剤流入口11bが形成されている。前記現像剤搬送室11には、現像剤搬送室11内の現像剤を現像剤補給口11a側に搬送する現像剤補給部材12が配置されている。
なお、実施例1の現像剤補給部材12は、回転軸12aが直径4mm、搬送羽根12bの外形の直径である螺旋径は8mm、搬送羽根12bの螺旋が一回転する間に軸方向に進む距離であるピッチが8mm、回転数が100rpmに設定されている。なお、これらの値は、設計に応じて任意に変更可能である。
【0032】
前記現像剤搬送室11の左側には、第1現像剤補給室16が形成されており、第2現像剤補給室16の上方には、前後方向端部に形成された現像剤落下路17を介して接続された第2現像剤補給室18が配置されている。前記第1現像剤補給室16には、第2現像剤補給室16の現像剤を現像剤流入口11bに搬送する第1現像剤搬送部材(現像剤補給部材)21および第2現像剤搬送部材(現像剤補給部材)22が配置されている。
前記第1現像剤搬送部材21は、回転軸部21aと、前記回転軸部21aに支持されたPET(ポリエチレンテレフタレート)等の可撓性のある樹脂薄膜により構成された搬送薄膜部21bとを有する。搬送薄膜部21bには、軸方向に対して傾斜した切込21cが形成されており、搬送薄膜部21bの現像剤流入口11bに対向する位置には強度を高めて現像剤流入口11bへ現像剤を流入しやすくするための補助薄膜23が貼り付けられている。したがって、第1現像剤搬送部材21の回転時に、切込21cが形成された搬送薄膜部21bにより、後側の現像剤流入口11b側に現像剤が搬送され、補助薄膜23の部分で現像剤が現像剤搬送室11に搬送される。
【0033】
前記第2現像剤搬送部材22は前記第1現像剤搬送部材21側に現像剤を搬送する。前記第2現像剤補給室18内に配置された第3現像剤搬送部材(現像剤補給部材)24、第4現像剤搬送部材(現像剤補給部材)26は、第2現像剤補給室18内の現像剤を現像剤落下路17側に搬送する。
前記現像剤搬送室11、第1現像剤補給室16および第2現像剤補給室18により実施例1の現像剤補給容器(11+16+18)が構成されている。
前記第2現像剤補給室18の右側には、前記感光体クリーナCLkが配置されており、感光体クリーナCLkは感光体Pk表面に接触する板状の現像剤清掃部材、いわゆる、クリーニングブレード31と、クリーニングブレード31により掻き取られた現像剤を回収現像剤収容室32に搬送する回収現像剤搬送部材33とを有する。
【0034】
前記可視像形成装置Ukには、仕切部材兼開口閉塞部材の一例としてのフィルムシールFSが設けられている。前記フィルムシールFSは、外端側が可視像形成装置Ukの図示しない貫通孔を介して外部に導き出されており、内端側は二又状に分かれており、一方は、前記開口9aの下面に、現像剤堰き止め部材10が収容位置、すなわち回転中心10bが堰き止め部材支持孔9bに嵌め込まれ、且つ前記堰き止め部材本体10aが収容位置規制部材9cの下側に接触した状態で、貼り付けられる。また、図4に示すように、フィルムシールFSの内端側の他方は、前記現像剤搬送室11の現像剤補給口11aを閉塞するように貼り付けられる。
したがって、開口9aはフィルムシールFSにより閉塞され、初期現像剤収容室9は密封されると共に、現像剤搬送室11と現像剤収容室(2〜4)との間も封がされる。
【0035】
なお、実施例1では、密封された初期現像剤収容室9には、トナーとキャリアとが予め設定された所定の割合で混合された二成分現像剤、いわゆる、初期現像剤が収容され、現像剤補給容器(11+16+18)には、補給用の現像剤としてトナーが収容されている。そして、現像剤収容室(2〜4)には、現像剤が無い状態で保持される。したがって、フィルムシールFSが装着された状態では、現像剤収容室(2〜4)に現像剤が存在せず、封もされているため、倉庫での保管や輸送中に現像剤が漏れることが防止され、可視像形成装置Ukを画像形成装置本体U1に装着する前に、フィルムシールFSを可視像形成装置Ukから取り外すことにより、現像剤収容室(2〜4)に初期現像剤収容室9の現像剤が流入すると共に現像剤補給容器(11+16+18)から現像剤が補給可能になる。
前記符号1〜26やFSが付された各部材等により、実施例1の現像剤搬送装置が構成されている。
【0036】
(現像ロールと層厚規制部材との位置関係の説明)
図5は実施例1の現像剤担持体および層厚規制部材の部分の要部拡大説明図である。
図3において、前記現像ロールG1kは、回転不能に支持された磁石部材41と、前記磁石部材41の外周に配置された回転駆動される円筒部材の一例としての現像スリーブ42とを有する。図3、図5において、実施例1の磁石ロール41は、現像剤収容室(2〜4)の現像剤を現像スリーブ42表面に付着させる汲上げ磁極S1と、汲上げ磁極S1の現像スリーブ42回転方向下流側に配置された層厚規制極N1と、層厚規制極N1の現像スリーブ42回転方向下流側且つ現像領域Qgkの近傍に配置された現像極S2と、現像極S2の現像スリーブ42回転方向下流側に配置された搬送極N2と、搬送極N2の現像スリーブ42回転方向下流側に配置された現像剤離脱極S3と、の5つの磁極を有する。
したがって、汲上げ磁極S1、いわゆるピックアップ磁極で現像剤収容室(2〜4)の現像剤が現像スリーブ表面42に付着し、現像スリーブ42の回転に伴って、搬送され、層厚規制部材SKにより層厚が規制された後、現像領域Qgkで現像に使用される。現像領域Qgk通過後に現像スリーブ42表面に付着した現像剤は、現像剤離脱極S3、いわゆる、ピックオフ磁極で現像スリーブ42から離脱し、現像剤収容室(2〜4)に戻される。
【0037】
図6は磁束密度分布のピーク位置と層厚規制部材との位置関係の説明図であり、図6Aは実施例1の場合の位置関係の説明図、図6Bは従来技術の位置関係の説明図である。
図3、図5、図6において、実施例1の層厚規制部材SKは、層厚規制領域Qskにおいて現像スリーブ41に所定の間隔をあけて対向して配置されており、磁性材料製の円筒状(丸棒状)の部材により構成されている。
図6において、実施例1の現像装置Gkでは、現像スリーブ42の直径をD、層厚規制部材SKを現像スリーブ42表面に投影した際の投影幅をWとし、角度α(度)=180×W/(D×π)とした場合に、層厚規制部材SKよりも現像スリーブ42回転方向下流側の前記角度αの領域外に、層厚規制部材SKの現像スリーブ42回転方向下流側で層厚規制部材SKに最も近い位置に配置された磁極である層厚規制極N1の法線方向磁束密度分布43の極大位置43a、いわゆる、ピーク位置43aが配置されている。すなわち、実施例1では層厚規制極N1のピーク位置43aが、層厚規制部材SKの中心と現像ロールG1kの中心とを結ぶ線分44に対して、現像スリーブ42の回転方向下流側且つ角度αの外側に配置されている。
【0038】
(実施例1の作用)
図7は実施例1の作用説明図であり、図7Aは実施例1の磁極および層厚規制部材と現像剤との関係の作用説明図、図7Bは下流側の現像剤が少ない状態の従来の磁極および層厚規制部材と現像剤との関係の作用説明図、図7Cは層厚規制部材の下流側に現像剤が多く付着した状態の従来の磁極および層厚規制部材と現像剤との関係の作用説明図、図7Dは層厚規制部材の下流側に付着した現像剤が崩れて下流側に搬送された状態の従来の磁極および層厚規制部材と現像剤との関係の作用説明図である。
前記構成要件を備えた実施例1の画像形成装置の一例としてのプリンタUでは、現像スリーブ42表面に付着した現像剤は、磁性材料製の丸棒状で小型化、低コスト化された層厚規制部材SKにより規制され、層厚規制部材SKと現像スリーブ42との間隔により所定の層厚の現像剤が現像領域Qgkに搬送される。このとき、図7Aに示すように、実施例1の磁性材料製の層厚規制部材SKでは、層厚規制極N1との間で、磁界が発生し、所定量の穂立ちが発生して効果的に層厚が規制される。
【0039】
ここで、図6B、図7B〜図7Dにおいて、従来の層厚規制部材01では、層厚規制部材01の近傍で穂立ちを発生させて効率的に層厚を規制していたため、図7Cに示すように、層厚規制部材01の現像スリーブ02回転方向下流側において、層厚規制部材01に現像剤03が付着していた。この現像剤03は、現像スリーブ02回転に伴って、不定期に崩れ、図7Dに示すように下流側に搬送され、現像時に濃度が不均一、いわゆる濃度ムラとなる画質低下の原因となっていた。
図7Aにおいて、実施例1の現像装置Gy〜Gkでは、層厚規制極N1の法線方向磁束密度分布の極大位置43aにおいて最も大きな穂立ちが発生するが、層厚規制部材SKに対して、角度αの領域外に配置された層厚規制極N1とにより、層厚規制部材SKに現像剤が付着することが低減される。すなわち、図7C、図7Dの状況となることが低減される。
【0040】
(実験例1)
図8は実施例1の実験例1の説明図であり、図8Aは実験結果の一覧表、図8Bはスリーブ外径12mmの実験について横軸に層厚規制極のピーク位置を取り且つ縦軸に濃度ムラ発生状況の結果を取った実験結果のグラフであり、図8Cはスリーブ外径16mmの実験について横軸に層厚規制極のピーク位置を取り且つ縦軸に濃度ムラ発生状況の結果を取った実験結果のグラフである。
次に、実施例1の構成の効果を確かめるための実験例1を行った。実験例1では、以下の条件(1)〜(4)で行った。
(1)層厚規制部材SKとして、直径5mmのSUS416製の磁性ロールを使用した。
(2)現像剤として、平均粒径6.5μmの非磁性トナーと、平均粒径35μmの磁性キャリアを使用し、前記磁性キャリアとして、フェライト粒子の表面に樹脂をコーティングした比重4.6g/cm3の樹脂コートキャリアを使用した。なお、トナー濃度は、4%、8%、12%の場合で実験を行った。
(3)現像条件として、感光体帯電電位(VH)=300Vとし、現像ロールG1kに200Vの直流電圧と、ピーク間電圧1.1kVで周波数4kHzの交流電圧とを重畳して印加した。
(4)現像ロールとして、2つの現像ロールを使用し、外径が12mmの非磁性の現像スリーブ42と、外径が約10mmで中心軸が5mmの磁石ロール41とを有する現像ロールと、外径が16mmの非磁性の現像スリーブ42と、外径が約13.8mmで中心軸が5mmの磁石ロール41とを有する現像ロールと、で実験を行った。なお、各現像ロールでの角度αは、それぞれ、24.6度、18.2度となった。
【0041】
前記実験条件で、層厚規制極N1のピーク位置43aと、丸棒状の層厚規制部材SKの中心との成す角度を−5度、0度、5度、10度、15度、22度、27度、30度として、実験を行った。なお、現像スリーブ回転方向下流側を+、上流側を−とした。
そして、この条件で、ハーフトーン画像を印字した際の濃度ムラの発生状況を、濃度ムラが未発生で実用上問題無い場合を「○」、濃度ムラが軽微に発生し実用上懸念がある場合を「△」、実用上問題がある濃度ムラが発生した場合を「×」で評価した。
実験結果を図8A〜図8Cに示す。
図8Bに示すように、層厚規制極N1のピーク位置43aが下流側でα=24.6度の領域外にある27度と30度の場合に、トナー濃度が低濃度〜高濃度のいずれの場合でも濃度ムラが発生しなかった。
また、図8Cに示すように、層厚規制極N1のピーク位置が下流側でα=18.2度の領域外にある22度、27度、30度の場合に、トナー濃度が低濃度〜高濃度のいずれの場合でも濃度ムラが発生しなかった。
【実施例2】
【0042】
図9は本発明の実施例2の磁束密度分布のピーク位置と層厚規制部材との位置関係の説明図であり、図9Aは実施例1の図6Aに対応する実施例2の位置関係の説明図、図9Bは実施例1の図6Bに対応する従来技術の位置関係の説明図である。
次に本発明の実施例2の画像形成装置の説明を行うが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図9Aにおいて、実施例2の現像装置Gy〜Gkでは、上流側磁極の一例としての層厚規制極N1のピーク位置43aが層厚規制部材SKの現像スリーブ42回転方向上流側に配置されている。また、層厚規制極N1と現像極S2との間に、下流側の磁極の一例である隣接極S4が設けられ、前記隣接極S4の法線方向磁束密度分布46の極大位置46a、いわゆるピーク位置46aは、層厚規制部材SKよりも現像スリーブ42回転方向下流側の角度2αの領域外に配置されている。
【0043】
(実施例2の作用)
図10は実施例1の図7に対応する実施例2の作用説明図であり、図10Aは実施例2の磁極および層厚規制部材と現像剤との関係の作用説明図、図10Bは層厚規制部材の下流側に現像剤が多く付着した状態の従来の磁極および層厚規制部材と現像剤との関係の作用説明図である。
前記構成を備えた実施例2の画像形成装置Uでは、図10Aに示すように、上流側の層厚規制極N1により穂立ちが発生し、層厚規制部材SKにより層厚が規制される。そして、下流側の隣接極S4が角度2αよりも外側に配置されているので、図10Bに示すように従来のように内側に配置されている場合に比べて、磁性材料製の層厚規制部材SKの下流側で現像剤が穂立ちされ、溜まることが低減される。すなわち、実施例2の画像形成装置Uも実施例1の画像形成装置Uと同様の作用を有する。
【0044】
(実験例2)
図11は実施例2の実験例2の説明図であり、図11Aは実験結果の一覧表、図11Bは図11Aの実験結果について横軸に隣接極のピーク位置を取り且つ縦軸に濃度ムラ発生状況の結果を取った実験結果のグラフである。
次に、実施例2の構成の効果を確かめるための実験例2を行った。実験例2では、前記実験例1と同じ実験条件(1)〜(3)と、以下の実験条件(4′)とで実験を行った。
(4′)現像ロールとして、外径が12mmの非磁性の現像スリーブ42と、外径が約10mmで中心軸が5mmの磁石ロール41とを有する現像ロールで実験を行った。なお、このときの角度αは、24.6度となった。
【0045】
前記実験条件で、層厚規制極N1のピーク位置43aと、丸棒状の層厚規制部材SKの中心との成す角度が−15度の場合に、隣接極S4のピーク位置46aと丸棒状の層厚規制部材SKの中心との成す角度を34.7度、41.3度、47.0度として実験をした。また、ピーク位置43aの成す角度が−8度の場合に、隣接極S4のピーク位置46aの成す角度を41.7度、48.3度、54.0度として実験を行い、ピーク位置43aの成す角度が−3度の場合に、隣接極S4のピーク位置46aの成す角度を44.7度、53.3度、59.0度として実験を行った。
そして、この条件で、ハーフトーン画像を印字した際の濃度ムラの発生状況を、濃度ムラが未発生で実用上問題無い場合を「○」、濃度ムラが軽微に発生し実用上懸念がある場合を「△」、実用上問題がある濃度ムラが発生した場合を「×」で評価した。
実験結果を図11A〜図11Cに示す。
図11Bに示すように、トナー濃度が低濃度では、2α=49.2度の領域でも濃度ムラが発生しない場合もあるが、少なくとも、隣接極S4のピーク位置46aが下流側で2α=49.2度の領域外にある53.3度、54.0度、59.0度の場合には、トナー濃度が低濃度〜高濃度のいずれの場合でも濃度ムラが発生しなかった。
【実施例3】
【0046】
図12は本発明の実施例3の現像装置の説明図であり、実施例1の図5に対応する図である。
次に本発明の実施例3の画像形成装置の説明を行うが、この実施例3の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この実施例3は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図12において、実施例3の現像装置Gy〜Gkでは、層厚規制部材SKの現像スリーブ42回転方向下流側において、現像剤収容容器1の壁部材の一例としての蓋部材1bは、前記投射幅W内、すなわち、角度αの領域において、現像スリーブ42に近接して配置された近接部51を有する。
【0047】
(実施例3の作用)
図13は実施例3の作用説明図であり、実施例1の図7Aに対応する図である。
図7において、前記構成を備えた実施例3の画像形成装置Uでは、層厚規制部材SKの下流側において、前記近接部51により層厚規制部材SKが被覆されており、層厚規制部材SKの下流側表面との間に現像剤が進入することが妨げられる。すなわち、磁力により現像剤が層厚規制部材SKの下流側に付着して溜まることが低減され、実施例3の画像形成装置Uも実施例1の画像形成装置Uと同様の作用を有する。
【実施例4】
【0048】
図14は本発明の実施例4の層厚規制部材の説明図であり、図14Aは層厚規制部材の端部の説明図、図14Bは図14Aの矢印XIVB方向から見た図である。
次に本発明の実施例4の画像形成装置の説明を行うが、この実施例4の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この実施例4は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図14において、実施例4の層厚規制部材SKの一端部には、被支持部の一例としての被支持軸61が設けられている。前記被支持軸61の端部には、切り欠き部61aが形成されており、前記切り欠き部61aは、いわゆるDカットにより構成されている。現像装置Gy〜Gkの壁部材の一例としての現像容器本体1aには、層厚規制部材SKの被支持軸61を支持する支持部の一例として支持孔62が形成されている。前記支持孔62には、前記切り欠き部61aに対応して形成され、前記層厚規制部材SKが支持された状態で、切り欠き部61aに接触して、層厚規制部材SKを回転不能な状態で支持する回転不能接触部62aが形成されている。
【0049】
(実施例4の作用)
図15は実施例4の作用説明図であり、層厚規制部材が回転可能に支持されている場合の作用説明図である。
前記構成を備えた実施例4の画像形成装置Uでは、層厚規制部材SKが回転不能に支持されている。図15に示すように、層厚規制部材SKが回転可能に支持されている場合、現像スリーブ42の回転に伴って、層厚規制部材SKが回転することがある。層厚規制部材SKが回転すると、層厚規制部材SK表面に現像剤が付着した状態で回転し、層厚規制部材SKの下流側に現像剤が付着することが考えられる。これに対し、層厚規制部材SKを回転不能とすることで、層厚規制部材SKの下流側に現像剤が付着して溜まることが低減され、実施例4の画像形成装置Uも実施例1の画像形成装置Uと同様の作用を有する。
【0050】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H08)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置としてのプリンタを例示したが、これに限定されず、FAXや複写機あるいはこれらすべてまたは複数の機能を備えた複合機とすることも可能である。また、多色現像の画像形成装置に限定されず、単色、いわゆる、モノクロの画像形成装置により構成することも可能である。
【0051】
(H02)前記実施例において、現像ロールG1kの各磁極の数や、N極、S極は、設計や仕様等に応じて任意に変更可能である。他にも、実施例2において、隣接極S4と現像極S1を共通化することも可能である。
(H03)前記実施例において、現像装置Gと、現像剤補給容器(11+16+18)を一体化し、一体的に交換可能な構成を例示したが、これに限定されず、現像装置と現像剤補給容器が別個に構成し、その間を現像剤搬送部材で連結し、現像剤を搬送するように構成することも可能である。すなわち、いわゆる、現像ユニットと、トナーカートリッジとによる構成を採用することも可能である。
【0052】
(H04)前記実施例において、現像ロールG1kや層厚規制部材SKの具体的な材料名や大きさ等の具体的な数値等は、設計等に応じて任意のものを使用可能である。
(H05)前記実施例において、層厚規制部材SKを回転不能に支持することが望ましいが、回転可能に支持することも可能である。
(H06)前記実施例において、層厚規制部材SKを回転不能に支持する構成は、実施例4で例示したDカットと対応する孔との組み合わせに限定されず、回転不能な状態で支持する任意の構成を採用可能である。
(H07)前記実施例において、現像剤搬送部材として、回転軸と螺旋状の搬送羽根とを有する現像剤搬送部材、いわゆる、オーガにより構成したが、この構成に限定されず、つるまきばね状、いわゆる、コイルばね状の現像剤搬送部材や、回転軸に半月状の搬送羽根が斜めに支持された現像剤搬送部材等、任意の形状の現像剤搬送部材を使用可能である。
【0053】
(H08)前記実施例において、現像剤として初期現像剤収容室にトナーとキャリアとを含む二成分現像剤が収容され、現像剤補給容器(11+16+18)にはトナーのみが収容されていたが、この構成に限定されず、現像装置から少しずつ劣化した現像剤を排出すると共に、現像装置内のトナー濃度よりも高濃度のトナーとキャリアとを含む高濃度現像剤を現像装置に補給する構成とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図2】図2は本発明の実施例1の画像形成装置の開閉部が開放された状態の説明図である。
【図3】図3は本発明の実施例1の着脱体の一例である可視像形成装置の説明図である。
【図4】図4は図3のIV−IV線断面図である。
【図5】図5は実施例1の現像剤担持体および層厚規制部材の部分の要部拡大説明図である。
【図6】図6は磁束密度分布のピーク位置と層厚規制部材との位置関係の説明図であり、図6Aは実施例1の場合の位置関係の説明図、図6Bは従来技術の位置関係の説明図である。
【図7】図7は実施例1の作用説明図であり、図7Aは実施例1の磁極および層厚規制部材と現像剤との関係の作用説明図、図7Bは下流側の現像剤が少ない状態の従来の磁極および層厚規制部材と現像剤との関係の作用説明図、図7Cは層厚規制部材の下流側に現像剤が多く付着した状態の従来の磁極および層厚規制部材と現像剤との関係の作用説明図、図7Dは層厚規制部材の下流側に付着した現像剤が崩れて下流側に搬送された状態の従来の磁極および層厚規制部材と現像剤との関係の作用説明図である。
【図8】図8は実施例1の実験例1の説明図であり、図8Aは実験結果の一覧表、図8Bはスリーブ外径12mmの実験について横軸に層厚規制極のピーク位置を取り且つ縦軸に濃度ムラ発生状況の結果を取った実験結果のグラフであり、図8Cはスリーブ外径16mmの実験について横軸に層厚規制極のピーク位置を取り且つ縦軸に濃度ムラ発生状況の結果を取った実験結果のグラフである。
【図9】図9は本発明の実施例2の磁束密度分布のピーク位置と層厚規制部材との位置関係の説明図であり、図9Aは実施例1の図6Aに対応する実施例2の位置関係の説明図、図9Bは実施例1の図6Bに対応する従来技術の位置関係の説明図である。
【図10】図10は実施例1の図7に対応する実施例2の作用説明図であり、図10Aは実施例2の磁極および層厚規制部材と現像剤との関係の作用説明図、図10Bは層厚規制部材の下流側に現像剤が多く付着した状態の従来の磁極および層厚規制部材と現像剤との関係の作用説明図である。
【図11】図11は実施例2の実験例2の説明図であり、図11Aは実験結果の一覧表、図11Bは図11Aの実験結果について横軸に隣接極のピーク位置を取り且つ縦軸に濃度ムラ発生状況の結果を取った実験結果のグラフである。
【図12】図12は本発明の実施例3の現像装置の説明図であり、実施例1の図5に対応する図である。
【図13】図13は実施例3の作用説明図であり、実施例1の図7Aに対応する図である。
【図14】図14は本発明の実施例4の層厚規制部材の説明図であり、図14Aは層厚規制部材の端部の説明図、図14Bは図14Aの矢印XIVB方向から見た図である。
【図15】図15は実施例4の作用説明図であり、層厚規制部材が回転可能に支持されている場合の作用説明図である。
【符号の説明】
【0055】
1a,1b…壁部材、
41…磁石部材、
42…円筒部材、
43,46…法線方向磁束密度分布、
43a,46a…極大位置、
61a…切り欠き部、
62a…回転不能接触部、
D…円筒部材の半径、
F…定着器、
G1y,G1m,G1c,G1k…現像剤保持体、
Gy,Gm,Gc,Gk…現像装置、
N1…上流側磁極、
N1,N2,S1,S2,S3,S4…磁極、
Py,Pm,Pc、Pk…像保持体、
S…媒体、
SK…層厚規制部材、
T1y,T1m,T1c,T1k…転写器、
Uy,Um,Uc,Uk…像保持体ユニット、
W…投影幅、
α…角度。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の磁極を有する磁石部材と、前記磁石部材の外周に配置された回転する円筒部材と、を有し、前記円筒部材表面に現像剤を保持する現像剤保持体と、
前記円筒部材表面に所定の間隔をあけて対向して配置され、前記円筒部材表面に付着した現像剤の層厚を規制する磁性材料製で円筒状の層厚規制部材と、
を備え、
前記円筒部材の直径をD、前記層厚規制部材を前記円筒部材表面に投影した際の投影幅をWとし、角度α(度)=180×W/(D×π)とした場合に、前記層厚規制部材よりも前記円筒部材回転方向下流側の前記角度αの領域外に、前記層厚規制部材の前記円筒部材回転方向下流側で前記層厚規制部材に最も近い位置に配置された前記磁極の法線方向磁束密度分布の極大位置が配置されたことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記層厚規制部材よりも前記円筒部材回転方向上流側に上流側磁極の法線方向磁束密度分布の極大位置が配置されると共に、
前記層厚規制部材の前記円筒部材回転方向下流側に配置された前記磁極の法線方向磁束密度分布の極大位置が、前記層厚規制部材よりも前記円筒部材回転方向下流側の前記角度α×2の領域外に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記層厚規制部材の周囲に配置された壁部材の一部が、前記層厚規制部材の前記円筒部材回転方向下流側の前記投影幅内で、前記円筒部材表面に近接して配置されたことを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
【請求項4】
回転不能に支持された前記層厚規制部材、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の現像装置。
【請求項5】
前記層厚規制部材の軸方向端部の一部が切り欠かれた切り欠き部と、
前記現像装置の壁部材に設けられ前記切り欠き部に接触して前記層厚規制部材を回転不能にする回転不能接触部と、
を備えたことを特徴とする請求項4に記載の現像装置。
【請求項6】
像保持体と、
前記像保持体表面の潜像を可視像に現像する請求項1ないし5のいずれかに記載の現像装置と、
を備えたことを特徴とする像保持体ユニット。
【請求項7】
像保持体と、
前記像保持体表面の潜像を可視像に現像する請求項1ないし5のいずれかに記載の現像装置と、
前記現像装置で現像された可視像を媒体に転写する転写器と、
前記媒体に転写された可視像を定着させる定着器と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
複数の磁極を有する磁石部材と、前記磁石部材の外周に配置された回転する円筒部材と、を有し、前記円筒部材表面に現像剤を保持する現像剤保持体と、
前記円筒部材表面に所定の間隔をあけて対向して配置され、前記円筒部材表面に付着した現像剤の層厚を規制する磁性材料製で円筒状の層厚規制部材と、
を備え、
前記円筒部材の直径をD、前記層厚規制部材を前記円筒部材表面に投影した際の投影幅をWとし、角度α(度)=180×W/(D×π)とした場合に、前記層厚規制部材よりも前記円筒部材回転方向下流側の前記角度αの領域外に、前記層厚規制部材の前記円筒部材回転方向下流側で前記層厚規制部材に最も近い位置に配置された前記磁極の法線方向磁束密度分布の極大位置が配置されたことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記層厚規制部材よりも前記円筒部材回転方向上流側に上流側磁極の法線方向磁束密度分布の極大位置が配置されると共に、
前記層厚規制部材の前記円筒部材回転方向下流側に配置された前記磁極の法線方向磁束密度分布の極大位置が、前記層厚規制部材よりも前記円筒部材回転方向下流側の前記角度α×2の領域外に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記層厚規制部材の周囲に配置された壁部材の一部が、前記層厚規制部材の前記円筒部材回転方向下流側の前記投影幅内で、前記円筒部材表面に近接して配置されたことを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
【請求項4】
回転不能に支持された前記層厚規制部材、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の現像装置。
【請求項5】
前記層厚規制部材の軸方向端部の一部が切り欠かれた切り欠き部と、
前記現像装置の壁部材に設けられ前記切り欠き部に接触して前記層厚規制部材を回転不能にする回転不能接触部と、
を備えたことを特徴とする請求項4に記載の現像装置。
【請求項6】
像保持体と、
前記像保持体表面の潜像を可視像に現像する請求項1ないし5のいずれかに記載の現像装置と、
を備えたことを特徴とする像保持体ユニット。
【請求項7】
像保持体と、
前記像保持体表面の潜像を可視像に現像する請求項1ないし5のいずれかに記載の現像装置と、
前記現像装置で現像された可視像を媒体に転写する転写器と、
前記媒体に転写された可視像を定着させる定着器と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図8】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図8】
【図11】
【公開番号】特開2008−275719(P2008−275719A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−116454(P2007−116454)
【出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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