説明

現像装置、及び画像形成装置

【課題】画質の劣化や、現像ユニットの破損を防止する現像装置を提供する。
【解決手段】像担持体11の潜像をトナーで現像する現像部31と、この現像部31にトナーを補給するトナーカートリッジ32とを横方向に配列し、このトナーカートリッジ32を自在に脱着できる現像装置において、トナーカートリッジ32と現像部31との間にトナーを通過させる連通口33と、その通過させるトナー量を制御する制御弁34を設け、櫛歯状のフィルム31eと矩形状のフィルム31fとを備えるトナー搬送パドル31dが制御弁34を駆動し、制御弁34の下方にトナーを検出するトナー検出手段39を設けるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の静電複写プロセスによる画像形成に用いられる現像装置と、この現像装置を用いるプロセスカートリッジを搭載する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスにおけるOA化、カラー化が一段と進み、従来の文字のみからなる原稿の複写だけではなく、パーソナルコンピュータで作成したグラフ等を含む原稿をプリンタにて出力し、プレゼンテーション用の資料として多数枚複写する機会が増している。
プリンタ出力画像は、ベタ画像、ライン画像、ハーフトーン画像が多く、それにともない画像品質に求められる市場の要求が変化しつつあり、また、高信頼性の要求もさらに高まっている。
電子写真、静電記録、静電印刷等の電子写真方式に使用される現像剤は、その現像工程において、例えば、静電潜像が形成されている像担持体(代表的には感光体)にいったん付着され、次に転写工程において感光体から転写紙である転写媒体に転写された後、定着工程において転写媒体面に定着される。
その際、像担持体上に形成される静電潜像を現像するための現像剤としては、キャリアとトナーからなる2成分系現像剤、及びキャリアを必要としないでトナーのみからなる1成分系現像剤(磁性トナー、非磁性トナー)が知られている。
【0003】
2成分系現像剤は、トナー粒子がキャリア表面に付着することにより現像剤が劣化し、また、トナーのみが消費されるため現像剤中のトナー濃度が低下するので、キャリアとトナーとの混合比を一定割合に保持しなければならず、そのため現像装置が大型化するといった欠点がある。
一方、1成分系現像剤は、装置の小型化が可能である利点を有しており、あらゆる環境下(低温低湿、高温高湿)での使用が容易であるなどの理由から現像方式の主流になりつつある。
ところで、1成分系現像剤は、磁性トナーを用いる磁性1成分現像剤と、非磁性トナーを用いる非磁性1成分現像剤とに分類される。磁性1成分現像剤を用いる磁性1成分現像方式は、内部にマグネットなどの磁界発生手段を設けた現像スリーブを用いている。
現像スリーブはマグネタイトなどの磁性体を含有する磁性トナーを保持し、層厚規制部材により、薄層化し現像するもので、近年、小型プリンタなどで多数実用化されている。
【0004】
これに対して、非磁性1成分剤を用いる非磁性1成分現像方式は、トナーが磁気力を持たないため、現像スリーブにトナー補給ローラなどを圧接して現像スリーブ上にトナーを供給する。そして現像スリーブ上にトナーを静電気的に保持させ、層厚規制部材により、薄層化して現像するものである。
非磁性1成分現像方式は、有色の磁性体を含有しないためカラー化に対応できるという利点があり、また、現像スリーブにマグネットを用いないため、装置のより軽量化、低コスト化が可能となり、近年、小型フルカラープリンタ等で実用化されている。
しかしながら、1成分現像方式では、未だ改善すべき課題が多いのが現状である。2成分現像方式では、トナーの帯電、搬送手段としてキャリアを用い、トナーとキャリアは現像装置内部において十分撹拌、混合された後、現像スリーブに搬送されて現像に供される。
このため、比較的長時間の使用においても安定した帯電、搬送を持続することが可能であり、また、高速の現像装置にも対応し易い。これに比べ、1成分現像方式ではキャリアのような安定した帯電、搬送手段がないため、長時間使用や高速化による帯電、搬送不良が起こり易い。
【0005】
特に、非1成分現像方式は現像スリーブ上へトナーを搬送した後、層厚規制部材にてトナーを薄層化させて現像する。しかし、トナーと現像スリーブ又は層厚規制部材などの摩擦帯電部材との接触・摩擦帯電時間が非常に短いため、キャリアを用いた2成分現像方式より低帯電、逆帯電トナーが多くなり易い。
また、少なくとも1つのトナー搬送部材によってトナーを搬送し、かつ、搬送されたトナーによって像担持体に形成された静電潜像を現像する方法が採られているが、その際、トナー搬送部材表面のトナーの層厚は極力薄くしなければならない。このために、層厚規制部材による押圧力を受けるために、トナー表面に外添された外添剤のトナー内部への埋没が激しく、トナーの帯電性、流動性が大きく低下するという不具合がある。
かかる外添剤のトナー内部への埋没によるトナーの帯電性、及び流動性の大きな低下という不具合を解消するために、従来から幾つかの技術が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0006】
例えば、特許文献1では、トナー補給タンクとトナーホッパとの補給口近傍位置に補給ローラとしてのマグネットローラと、穂切り手段としてのスクレーパとを有したものにおいて、上記補給ローラを正転及び逆転させることができる補給ローラ駆動手段を有し、該補給ローラ駆動手段は、所定時間内の補給ローラの正転方向の回転角Aと、逆転方向の回転角Bとの関係が、A<Bとなるように補給ローラを駆動する画像形成装置が開示されている。
これによって、ホッパ内のトナーの流動性の悪化を防止することができ、現像ローラに対するトナー供給量を常に一定することができ、小型で、かつ画像かすれのない画像形成装置にすることができる。
また、特許文献2では、現像スリーブは、表面に現像剤の帯電極性と同極性の帯電極性を有する導電性樹脂層が備えられ、導電性樹脂層は、少なくとも結着樹脂、導電性微粉末、及び荷電制御剤を含有し、撹拌部材の回転中心Xが、現像スリーブの回転中心を横切る水平面Hに対して下側に位置する現像装置が開示されている。
【特許文献1】特開平08−122559号公報
【特許文献2】特開2005−062215公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来において開示された技術では、現像装置内にあるトナーの帯電性、流動性を長期にわたって安定化させることは困難であるという問題点がある。
本出願人の未公開の技術には、像担持体の潜像をトナーで現像する現像ユニットと、現像ユニットにトナーを補給するトナーカートリッジとを横方向に配列し、トナーカートリッジを自在に着脱できる現像装置が提案され、トナーカートリッジと現像ユニットとの間でトナーを通過させる連通口と、その通過させるトナー量を制御する制御弁とを設けている。
また、トナーカートリッジの連通口に対応して制御弁を設ける。さらに、現像ユニットに設けられるトナー搬送パドルが制御弁を駆動させる。また、隣り合う制御弁を交互に駆動させる。さらに、現像ユニットのパドルに設けられるフィルムが櫛歯状である。さらにまた、現像ユニットのパドルに設けられるフィルムが矩形状である。
さらに、制御弁が動作部をそれぞれ剛体の支持部と弾性体の動作部とを備える。また、さらに、制御弁の幅を、連通口の幅より0mm〜20mm大きくする。さらに、制御弁の間隔を、2mm〜20mmとする。また、制御弁の長さを、10mm〜25mmとする。さらに、制御弁の角度を、10°〜45°とする構成を含んでいる。
【0008】
かかる未公開の本出願人の現像装置では、トナーの帯電性が保たれることで、長期にわたって安定した帯電量が得られることで高品位の画像を得ることができた。また、トナーの流動性の低下を抑えられることで、現像スリーブに安定してトナーを供給できることで、長期にわたって濃度の高い画像を安定して得ることができた。
しかし、現像ユニットのホッパ部とトナー担持体(現像ローラ)のスペースを、最小限に抑えられるという1成分現像装置の長所を生かすために、1室からなる現像ホッパで現像ユニットを構成するのがごく自然な姿であり、その点において、上記制御弁の構造を入れることは、制御弁やパドルのような可動部材で、現像ホッパのほとんどのスペースを占有してしまうことになる。
従来の制御弁無しの構成は、制御弁の位置に長手方向に光ファイバやライトガイドなどを配して、光透過式のトナー残量検知センサを設けていたが、従来と同様に、センサを入れると、制御弁やパドルと干渉して、制御弁やパドルの動きを阻害し、上記の現像装置の安定性を達成することが困難になる。
【0009】
しかし、一方、トナー残量を検知する手段を、除去してしまうと、現像ホッパ内で、最小限必要なトナー量を下回った場合でも、画像形成装置本体がその認識をしないので、ユーザーに対しては使用可能というメッセージを表示しつづけることとなってしまう。
その状態で、画像形成装置をさらに使用すると、トナーカートリッジのトナーが無くなり、さらに、トナーカートリッジからトナーの供給がないまま現像ユニットホッパのトナーを消費していくと、急激なトナー劣化が起こり、それによる画像劣化、ホッパトナーが現像ローラへ供給不足を来たすまで少なくなると、現像ユニットの破損、トナー飛散、感光体の破損、といった大きなダメージに繋がることになる。
従って、良好な画質を維持するためには、トナーカートリッジからのトナー供給が保たれている状態を検出して、その状態のうちに、トナーカートリッジを新品に交換する必要がある。
そこで、本発明の目的は、上述した実情を考慮して、制御弁の下方に配置したトナー検出手段で、トナーカートリッジから現像ホッパに流入してきたトナーを検出し、消費に伴う現像ホッパのトナー残量の減少の状況を把握し、画質の劣化や、現像ユニットの破損を防止する現像装置及びこれを搭載した画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、像担持体の潜像をトナーで現像する現像部と、該現像部にトナーを補給するトナーカートリッジとを横方向に配列し、前記トナーカートリッジを自在に脱着できる現像装置において、前記トナーカートリッジと前記現像部との間に、トナーを通過させる連通口と、その通過させるトナー量を制御する制御弁を設け、櫛歯状のフィルムと矩形状のフィルムとを備えるトナー搬送パドルが前記制御弁を駆動し、前記制御弁の下方にトナーを検出するトナー検出手段を設けることを特徴とする。
また請求項2に記載の発明は、前記トナー検出手段として、圧電センサを用いる請求項1記載の現像装置を特徴とする。
また請求項3に記載の発明は、前記制御弁が、前記圧電センサの検出面に接触する請求項1記載の現像装置を特徴とする。
また請求項4に記載の発明は、前記制御弁が接触する前記圧電センサの検出面、もしくは前記制御弁が接触する圧電センサを支持する現像ホッパ底面のどちらか一方、又は両方の表面の動摩擦係数を0.4以下とする請求項3記載の現像装置を特徴とする。
【0011】
また請求項5に記載の発明は、前記制御弁先端部を弾性体で構成した請求項3又は4記載の現像装置を特徴とする。
また請求項6に記載の発明は、前記制御弁先端部の弾性体が、ゴムである請求項5記載の現像装置を特徴とする。
また請求項7に記載の発明は、前記制御弁先端部の弾性体が、スポンジである請求項5記載の現像装置を特徴とする。
また請求項8に記載の発明は、潜像を担持する像担持体と、像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、帯電した前記像担持体の表面に静電潜像を書き込む露光装置と、前記像担持体表面に形成された静電潜像を可視像化する現像装置と、前記像担持体表面の可視像を直接又は中間転写体を介して記録部材に転写する転写装置と、前記像担持体上のトナーをクリーニングするクリーニング装置と、前記記録部材上の可視像を熱及び又は圧力で定着させる定着装置とを備える画像形成装置において、前記現像装置として請求項1乃至7のいずれか1項記載の現像装置を用いる画像形成装置を特徴とする。
また請求項9に記載の発明は、前記像担持体と請求項1乃至7のいずれか1項記載の現像装置とを一体に支持し、着脱可能なプロセスカートリッジを備える画像形成装置を特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、制御弁の下方に配置したトナー検出手段で、トナーカートリッジから現像ホッパに流入してきたトナーを検出することにより、消費に伴う現像ホッパのトナー残量の減少の状況が正確に推定でき、トナー残量が低下した時に、それ以上使い進むことがなく、画質の劣化や、現像ユニットの破損を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の画像形成装置の構成を示す概略図である。この画像形成装置1は、感光体ユニット10、書き込み光学ユニット20、現像ユニット30、中間転写ユニット40、2次転写ユニット50、定着ユニット60、両面印刷用紙反転ユニット70等で構成されている。
そして、黒(以下、Bkという)、シアン(以下、Cという)、マゼンタ(以下、Mという)、イエロー(以下、Yという)のカラー画像を感光体ユニット10の感光体ベルト11上に順次顕像化し、これらを重ね合わせて最終的な4色フルカラー画像を形成する。
感光体ベルト11の周りには、感光体クリーニング装置12、帯電ローラ13、複数の現像装置30Y、30M、30C、30K、中間転写ユニット40の中間転写ベルト41などが配置されている。感光体ベルト11は、駆動ローラ14、1次転写対向ローラ15、張架ローラ16間に張架され、駆動モータ(図示せず)によって回転する。
【0014】
また、上記書き込み光学ユニット20は、カラー画像データを光信号に変換して、各色画像に対応した光書き込みを行い、感光体ベルト11に静電潜像を形成する。この書き込み光学ユニット20は、光源としての半導体レーザ21、ポリゴンミラー22、3つの反射ミラー23a、23b、23cなどで構成されている。
また、上記現像ユニット30は、画像形成装置1本体の下側から順に、黒トナーを収容したBk現像装置30K、シアントナーを収容したC現像装置30C、マゼンタトナーを収容したM現像装置30M、イエロートナーを収容したY現像装置30Yを含んでいる。ここでは、さらに、図示してないが各現像装置を図中左右方向に移動させ、感光体ベルト11に対して接離動作を行う接離機構を備えている。
各現像装置30K、30C、30M、30Y内のトナーは所定の極性に帯電され、現像スリーブ(後述)には、現像バイアス電源によって現像バイアスが印加され、現像スリーブが感光体ベルト11に対して所定電位にバイアスされている。
また、接離機構は、モータから各現像装置30K、30C、30M、30Yに駆動を伝達するための図示しない電磁クラッチがオンになると、その駆動力で各現像装置30K、30C、30M、30Yを感光体ベルト11側に移動させるようになっている。
【0015】
現像時には、各現像装置30K、30C、30M、30Yのうち選択されたいずれか1つが移動し、感光体ベルト11に当接する。一方、電磁クラッチをオフにして駆動伝達を解除すると、感光体ベルト11に当接していた現像装置が感光体ベルト11から離間する方向に移動する。
画像形成装置1本体の待機状態では、現像装置30K、30C、30M、30Yも感光体ベルト11と離間した位置にセットされており、画像形成動作が開始されると、カラー画像データに基づきレーザ光による光書き込み、静電潜像の形成が開始される(以下、Bk画像データによる静電潜像をBk静電潜像という。C、M、Yについても同様)。
このBk静電潜像の先端部から現像可能とすべくBk現像位置に静電潜像先端部が到達する前に、Bk現像スリーブを回転開始して、Bk静電潜像をBkトナーで現像する。
そして、以後、Bk静電潜像領域の現像動作が続行されるが、Bk静電潜像後端部がBk現像位置を通過した時点で、Bk現像装置30Kが感光体ベルト11から離間し、次の色の現像に備えて該当する色の現像装置が感光体ベルト11に当接する。これは少なくとも、次の画像データによる静電潜像先端部が現像位置に到達する前に完了される。
【0016】
また、上記中間転写ユニット40は、中間転写ベルト41、ベルトクリーニング装置42、位置検出用センサ43などで構成されている。中間転写ベルト41は駆動ローラ44、1次転写ローラ45、2次転写対向ローラ46、クリーニング対向ローラ47及びテンションローラ48に張架されており、図示しない駆動モータによりに駆動制御される。
中間転写ベルト41端部の非画像形成領域には複数の位置検出用マーク(図示せず)が設けられており、これらの位置検出用マークのうちのいずれか1つを位置出用センサ43で検出し、この検出タイミングで画像形成を開始する。
また、ベルトクリーニング装置42は、クリーニングブラシ42a、接離機構等で構成されており、1色目のBk画像を中間転写ベルト41に転写している間、及び、2、3、4色目の画像を中間転写ベルト41に転写している間は接離機構によって中間転写ベルト41面からクリーニングブラシ42aを離間させておく。
【0017】
さらに、2次転写ユニット50は、2次転写ローラ51、この2次転写ローラ51を中間転写ベルト41に対して接離するためのクラッチ等を備えた接離機構等で構成されている。転写紙(記録部材)が転写位置に到達するタイミングに合致させて2次転写ローラ51が接離機構の回転軸を中心に揺動する。
この2次転写ローラ51と2次転写対向ローラ46とにより転写紙と中間転写ベルト41とを一定の圧力で接触させる。2次転写ローラ51は中間転写ユニット40に設けられた図示しない位置決め部材により2次転写対向ローラ46との平行度の位置精度が保たれている。
また、2次転写ローラ51に設けた図示しない位置決めコロにより中間転写ベルト41に対する2次転写ローラ51の接触圧を一定にしている。2次転写ローラ51を中間転写ベルト41に接触させると同時に、2次転写ローラ51はトナーと逆極性の転写バイアスが印加され、中間転写ベルト41上の重ねトナー像を転写紙に一括転写する。
【0018】
一方、画像形成動作が開始される時期に、転写紙は転写紙カセット80又は手差しトレイ83のいずれかから給送され、レジストローラ82対のニップで待機している。
そして、2次転写ローラ51に中間転写ベルト41上の4色重ねのトナー像先端がさしかかる時に、ちょうど転写紙の先端がこのトナー像の先端に一致するようにレジストローラ対82が駆動され、転写紙とトナー像との位置合わせが行われる。そして、転写紙が中間転写ベルト41上のトナー像と重ねられて2次転写位置を通過する。
この時、2次転写ローラ51による転写バイアスで転写紙が荷電され、トナー画像のほとんどが転写紙上に転写される。中間転写ベルト41から4色重ねトナー像を一括転写された転写紙は、定着ユニット60に搬送され、所定温度に制御された定着ベルト61と加圧ローラ62のニップ部でトナー像が溶融定着され、装置本体外に送り出され、排紙トレイ84 に裏向きにスタックされ、フルカラーコピーを得る。
【0019】
さらに、両面印刷を行う場合には、定着ユニット60を通過した転写紙は両面切り換え爪65により両面印刷用紙反転ユニット70に送られる。両面印刷用紙反転ユニット70においては、転写紙はまず反転切り換え爪71によって矢印D方向に案内され、転写紙後端が反転切り換え爪71を通過した後、反転ローラ対72が停止し、転写紙も停止する。
そして、反転ローラ対72が一定のブランク時間の後逆転を開始し、転写紙はスイッチバックを始める。この時に、反転切り換え爪71が切り換わり、転写紙はレジストローラ対82に送られる。レジストローラ対82に送られた転写紙は表裏反転した状態でレジストローラ対82のニップで待機する。
その後、所定のタイミングでレジストローラ対82が駆動され、転写紙は2次転写位置に送られて中間転写ベルト41から4色重ねトナー像を一括転写された後、定着ユニット60でトナー像が溶融定着され、画像形成装置本体外に送り出される。
一方、1次転写後の感光体ベルト11の表面は、感光体クリーニング装置12でクリーニングされ、除電ランプで均一に除電して、クリーニングし易くすることもできる。
また、転写紙にトナー像を転写した後の中間転写ベルト41の表面は、ベルトクリーニング装置42のクリーニングブラシ42aを接離機構で押圧することによってクリーニングされる。中間転写ベルト41からクリーングされたトナーは廃トナータンク49に蓄えられる。
【0020】
図2は現像ユニットを構成する本発明による現像装置の実施の形態の構成を示す概略図である。図1では本発明を適用する画像形成装置の概略を説明した。次に、図1及び図2を参照して本発明による現像装置の実施の形態について説明する。
図1に示すように、現像ユニット30は各現像装置30Y、30M、30C、30Kを含んでいるが、これらは同一であるので、現像装置にはY、M、C、Kを付さず、現像ユニットと同様に符号30で示す。現像装置30は、像担持体である感光体(図示せず)の潜像を現像剤であるトナーで現像する現像部(現像ホッパ)31とこの現像部31にトナーを補給するトナーカートリッジ32とを備えている。
現像部31は、感光体ベルト11(図1)に対向していて、この感光体ベルト11との間に形成される現像領域にトナーを搬送する現像剤担持体である現像スリーブ31aと、この現像スリーブ31a上にトナーを供給する供給ローラ31bと、現像スリーブ31a上のトナー量を規制する層厚規制部材である規制ローラ31cと、トナーを搬送する第1搬送パドル(現像ホッパパドル)31dとを備えている。
トナーカートリッジ32は、トナーを収納している第1及び第2収納室32c、32d、現像部31へトナーを搬送する第2及び第3搬送パドル32a、32bと、また、第2搬送パドル32aが回転している部分のトナーカートリッジ32の底部には突き出たリブ35を備えている。
【0021】
ここで、現像剤としては、1成分現像剤を用いる。後述するように現像剤を入れ替えることに対して、2成分現像剤ではいったん混合した後にキャリアからトナーを分離するのは非常に困難である。
1成分現像剤であればトナーカートリッジ32と現像部31内にある現像剤は基本的には同じであり、入れ替えすることが可能であり、本発明の現像装置30に適用させることができる。特に、1成分現像剤でも非磁性1成分現像剤を用いることが好ましい。
非磁性1成分現像剤では、トナー表面の外添剤が、トナーの帯電性、流動性に与える影響が大きい。磁性1成分現像剤では、磁性材料の量による磁化の強さで現像性を制御することができる。非磁性1成分現像剤では、外添剤による帯電量、流動性によって現像性が大きく影響されることから、本発明の現像装置30に用いることで、安定したトナー表面状態を得ることができる。
【0022】
また、この現像装置30は、現像部31とトナーカートリッジ32とを水平方向の横方向に並列させて配置している。さらに、トナーカートリッジ32と現像部31とには、トナーカートリッジ32と現像部31との間をトナーが通過する連通口33が設けられている。さらに、現像部31側の連通口33に制御弁34が設けられている。
本発明の現像装置30は、この連通口33を介してトナーを通過させる。これによって、現像部31で消費されたトナー量に相当するトナーをトナーカートリッジ32から現像部31へ補給し、また、この連通口33を介して、現像部31で劣化したトナーを現像部31からトナーカートリッジ32へ排出する。また、このトナーカートリッジ32は、現像部31とは別に単独で独立して交換することが可能である。
トナーは、現像部31におけるトナー供給ローラ31b、規制ローラ31cで押圧力を受ける。この押圧力を受けることによって、トナー表面の凸凹が欠けて表面が滑らかになり、感光体との付着力が大きくなりクリーニングされにくくなる。
そのために、環境が低湿になるとクリーニング不良が発生することがある。また、転写性は向上するが、従来転写されても目視上表れなかった白地背景部にカブリが表れるようになる。また、トナーが押圧を受けることで、トナー表面に存在する外添剤がトナー内部に埋没する。
これは、後で外添剤に関しては詳説するが、外添剤はトナーより硬度が高いために、トナー内部に埋没する。トナー表面に存在する外添剤が少なくなることで、トナーの帯電性が変わる。特に、外添剤として用いるシリカは、比表面積が大きいので帯電量が高く埋没によるトナー表面の外添剤量によってトナーの帯電量は大きく変化する。
【0023】
また、もう1つの影響として、外添剤埋没によってトナーの流動性が低下する。この流動性は、トナーの付着力を示すもので、流動性が高ければ、トナーと、例えば、感光体等との間の付着力を小さくする。
同様に、現像スリーブ31aとトナーとの間の付着力を小さくして現像性を高める。逆に、埋没でトナー表面に存在する外添剤量が少なくなると、すなわち、トナーの流動性が低下し、現像性が低下する。
そこで、本発明の現像装置30では、現像部31で消費されたトナーを、トナーカートリッジ32から、トナーを補給する連通口33を介して、現像部31へ補給する。現像部31にあるトナーをいったんトナーカートリッジ32に排出して戻し、トナーカートリッジ32にある劣化していないトナーと混合して、劣化したトナー量の存在比率を低下させた上で、再度、連通口33を介して現像部31に供給して補給する。
【0024】
図3は本発明の現像装置における現像部に配置される制御弁の構造を示す概略斜視図である。図2及び図3を参照して、制御弁34は、現像部31の連通口33に対応して設けられ、制御弁34は支持部34aに貼着されていて、現像部31の筐体に配置されている。
制御弁34の形態は、図3に示すように、各連通口33に対応して矩形状にして連通口33が無い部分は制御弁34を設けず交互にする。支持部34aは、剛性を有する金属製で、例えば、SUS、Cu、Alを用いる。また、制御弁34は、弾性のある樹脂フィルム34bで、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂を用いる。
現像部31の第1搬送パドル31dは、パドル用フィルムを備える。このフィルムは、1枚であっても、複数枚設けてもよい。第1搬送パドル31dは、回転してトナーカートリッジ32側から供給されたトナーを現像スリーブ31aに供給する。また、このフィルムは、板状であってもよい。
さらに、連通口33に対応して設けられた櫛歯状の矩形状の制御弁34に対して、同様に制御弁34に当たる部分のみを矩形形状にしたものであってもよい。また、複数枚設ける時はこれらを組み合わせて用いてもよい。
【0025】
図4はトナーカートリッジ側から現像部にトナーが供給される状態を示す模式図である。図において、トナーはトナーカートリッジ32側から現像部31に供給される。第1搬送パドル31dは、回転して制御弁34に当たり、制御弁34が押さえられる。
その後、第1搬送パドル31dが通過して、弾性を有する制御弁34が素早く弾かれて戻り、その時、同時に、トナーカートリッジ32側から押し込まれていたトナーは連通口33を介して現像部31側に引き付けられて、トナーが供給される。
【0026】
図5はトナーカートリッジ側のトナーが供給される状態を説明する模式図である。このトナーカートリッジ32には、図2に示すように、第2収納室32cの第3搬送パドル32bで第1収納室32dに搬送して、さらに、第2搬送パドル32aで現像部31側に搬送する。
第2搬送パドル32aは、単数のパドル用フィルムを備えていて、このフィルムを回転させることでトナーを現像部31側に搬送する。さらに、第1収納室32dにリブ35を設けておくことで、図5に示すように、前述のパドル用フィルムがリブ35に当たると、このリブ35の部分でトナーが堰き止められ、リブ35とパドル用フィルムとの間にトナーの無い空間が形成される。
この空間は、流動性の良いトナーの侵入によって少しずつ埋められていくが、或る一定時間はトナー内部に空間が形成される。さらに、パドル用フィルムが回転すると上部からもトナーが空間に侵入するために、トナー内部に空間のない状態になる。
この状態で回転して行くと、パドル用フィルムがトナーを現像部31側に押し込む状態になっている時と、現像部31の制御弁34(図4)が第1搬送パドル31dのパドル用フィルムに押さえられておらず制御弁34が開放されている時とが重なる。これによってトナーは、連通口33を通してトナーカートリッジ32側から現像部31側に移動して供給される。
【0027】
次に、開放された制御弁34には現像部31にあるトナーが入り込んでくる。その後、第1搬送パドル31dのパドル用フィルムが回転して制御弁34を押し込む。
トナーを現像部31側からトナーカートリッジ32側に押し込んでいる時と第1収納室32dで第2搬送パドル32aのパドル用フィルムによってトナー内部に空間ができ、その空間がちょうど連通口33にかかった時が重なる。これによってトナーは、連通口33を通して現像部31側からトナーカートリッジ32側に移動して排出される。
この時の現像装置30における現像部31とトナーカートリッジ32の第1、第2及び第3搬送パドル31d、32a、32bの動きとトナーの移動についてさらに詳細に説明する。
【0028】
図6は現像部31とトナーカートリッジ32との間におけるトナーの移動について示す模式図である。なお、ここでは、現像部31内の現像スリーブ31a、その他は省略してある。
現像装置30では、図6(1)に示すように、現像部31内にある制御弁34は、連通口33に対応するように、支持体(図示せず)に貼着されていて一定の角度を有している。
第1搬送パドル31dは複数のパドル用フィルムを回転させている。また、トナーカートリッジ32内の第2及び第3搬送パドル32a、32bは、単数のパドル用フィルムを回転させている。
【0029】
図6(2)に示すように、現像部31内で、第1搬送パドル31dは複数のパドル用フィルムが制御弁34を押し込み、この時に、制御弁34と連通口33との間にあるトナーは、トナーカートリッジ32側もトナーで満たされていることで、連通口33を移動することができず、現像部31内の制御弁34から横方向で、現像部31内に戻る。
次に、図6(3)に示すように、第1搬送パドル31dは複数のパドル用フィルムが制御弁34をさらに押し込み、制御弁34と連通口33との間にはほとんど隙間がない状態になる。
次いで、図6(4)及び図6(5)に示すように、第1搬送パドル31dは複数のパドル用フィルムが制御弁34から外れることで、制御弁34が元の角度まで戻り、この時に、大きな隙間ができ、空間を形成することでトナーカートリッジ32側から連通口33を通してトナーが移動して供給される。
【0030】
さらに、図7(6)に示すように、複数枚有することで第1搬送パドル31dのパドル用フィルムが、再度、制御弁34を押し込んでいく。この時に、トナーカートリッジ32内の第1収納室32dで第2搬送パドル32aのパドル用フィルムがリブ35に当たっている。
さらに回転すると、図7(7)に示すように、第1搬送パドル31dのパドル用フィルムが制御弁34をさらに押し込み、制御弁34と連通口33で隙間のない状態を形成してゆく。この時に、第2搬送パドル32aのパドル用フィルムがリブ35から先に回転した時にリブ35が障害になってトナーが搬送されないために、トナー内部に空間を形成する。
さらに、図7(8)及び図7(9)に示すように、第1搬送パドル31dは複数のパドル用フィルムが制御弁34から外れることで、制御弁34が元の角度まで戻り、この時に、大きな隙間ができて空間を形成することで、さらに、第2搬送パドル32aのパドル用フィルムによって持ち上げられたトナーが、トナーカートリッジ32側から連通口33を通してトナーが移動して供給される。
しかし、次に、図7(10)に示すように、複数枚有することで第1搬送パドル31dのパドル用フィルムが、再度、制御弁34を押し込んでいく。これまでは、トナーカートリッジ32側の連通口33付近にはトナーがあったが、トナー内部に形成された空間が存在する場合は、現像部31内の制御弁34から横方向で、現像部31内に戻るのではなく、連通口33を通して現像部31側からトナーカートリッジ32側に移動して排出される。
【0031】
図8(11)及び図8(12)に示すように、第1搬送パドル31dのパドル用フィルムが、再度、制御弁34を押し込んでいくことで、さらに、現像部31側からトナーカートリッジ32側に移動して排出される。
さらに、第1搬送パドル31dの回転スピードを第2搬送パドル32aより早くすることで、図8(13)から図8(16)に示すように、現像部31側からトナーカートリッジ32側に移動して排出させることができる。これを繰り返すことで、現像部31とトナーカートリッジ32との間で連通口33を通してトナーを移動させることができる。
ここでは、現像部31内の第1搬送パドル31dとトナーカートリッジ32内の第2搬送パドル32aの回転数を制御することでトナーの移動による供給・排出の量を調整することができる。
特に、現像ユニット31内の第1搬送パドル31dの回転数をトナーカートリッジ32内の第2搬送パドル32aよりも早くすることで、トナー内部に形成される空間が連通口33に接する回数を少なくする。これによって、第1搬送パドル31dが制御弁34を押し込む回数を多くすることで、連通口33を通してトナーを供給させる回数を多くすることができる。
【0032】
また、トナーの移動による供給・排出の量は、連通口33の数によって調整することができ、従って、連通口33は、1以上設けることができる。この連通口33は、画像形成装置本体の画像形成する速度によってその数を適宜決定することができる。また、連通口33に対応して設けられる制御弁34は、櫛の歯状に設け、隣り合う制御弁34を交互に動作させることができる。
これは、第1搬送パドル31dのパドル用フィルムを櫛の歯状の制御弁34に対応させて櫛の歯状に1つおきに設け、それを2枚のパドル用フィルムですべての制御弁34に対応させて制御弁34を交互に動作させることができる。交互に動作させることで、現像部31内のトナーのデッドスペースを形成することなく、均等に排出させることができる。
【0033】
図9は本発明に係る第1搬送パドルを示す概略斜視図である。図10はトナーカートリッジと現像部との間の連通口を示す斜視図である。図9及び図10を参照して、第1搬送パドル31dは、断面4角形の軸にフィルム31e、31fが取り付けられており、そのうち2枚は対向する面に、それぞれ逆方向に伸びている。
この対向するフィルム31eは凹凸形状(櫛歯状)であり、2枚の凸部をずらすような形状である。このようにすることで隣り合う制御弁34(図2)を交互に駆動させることが可能になる。この凹凸部は連通口33の位置に対応しており、連通口33に設けた制御弁34をフィルム31eの凸部が押し込める長さとし、また凹部においては制御弁34に接触しないような形状とする。
さらに、フィルム31eの凸部の根元部分は、先端部分よりも広くなるよう「ハの字型」にしてあり、第1搬送パドル31dが回転することによって、フィルム31eの凸部でトナーを横方向にも移動させる力を発生させ、現像部31(図2)内の横方向の攪拌を生じさせている。
また、第1搬送パドル31dの回転で、フィルム31eの凸部が制御弁34を押して、この制御弁34下のトナーをトナーカートリッジ32側に戻す作用をする。この動きは後述する。
【0034】
第1搬送パドル31dは、第2搬送パドル32a(図2)より速く回転するように設定しているので、トナーカートリッジ32に空間ができている時間内に第1搬送パドル31dで何度か制御弁34を動作させることができ、効率良くトナーをトナーカートリッジ32に戻すことができる。
フィルム31eの凸部が制御弁34を通過すると、この制御弁34は押圧力から解放され、弾性によって元に戻り、制御弁34上のトナーを現像部31(図2)側に送るとともに、制御弁34下側にトナーカートリッジ32のトナーを引き込む空間を形成する。
第1搬送パドル31dの2枚のフィルム31eの凸部をずらすことで、制御弁34の押し込み・解放動作を交互に行う、すなわち、隣り合う制御弁34を交互に駆動させることで現像部31内のトナーの動きが良くなり、トナーカートリッジ32(図2)内のトナーとの循環性を向上させることができる。
【0035】
ここで、上記のような櫛歯状のフィルム2枚構成のパドルを採用することにより、トナーの循環、横攪拌性が向上したが、この2枚のみの構成では、連通口33にトナーが多くなる傾向があり、現像部31内のトナー面が上下方向に波打ち、山と谷ができる。連通口33に山ができるとトナーカートリッジ32からのトナーの供給が阻害されるので、現像部31全体へのトナーの供給量が低下する。さらに、トナーの山の裾野付近にトナーカートリッジ32からのトナーの流れができるため、若干ではあるが、トナー攪拌の均一性が確保されないという現象が見られた。
この点を改善するために、検討した結果、櫛歯状の2枚のフィルム31eの間に、この櫛歯状フィルム31eと90度の角度で、櫛歯状フィルムの凸部より短い長さで凹凸の無いフィルム、すなわち、矩形状のフィルム31fを第1搬送パドル31dに追加することにより、連通口33のトナーの山を崩し、現像部31内のトナー面をほぼ水平にすることができた。
このように、第1搬送パドル31dにおいて、櫛歯状の2枚のフィルム31eの間に、矩形状のフィルム31fを配置することにより、トナーカートリッジ32からのトナーの補給量及びトナーカートリッジ32へのトナーの戻し量ともに安定し、十分な循環作用を達成することができる。また、局所的なトナーの流れを形成しないので、現像部31内で均一な攪拌性を維持することができる。
【0036】
制御弁34の幅は、連通口33の幅より0mm〜20mm大きくする。制御弁34が連通口33より小さいとトナーが供給される連通口33を現像部31側のトナーで塞がれるためにトナーが供給されにくくなる。
また、トナーの排出においても、制御弁34と連通口33との間にトナーが入り込み、その入り込んだトナーを排出することで、連通口33を通して大量のトナーが現像部31側からトナーカートリッジ32側に排出されるのを防止しているが、制御弁34の幅が小さくなることで大量のトナーが排出され、現像部31内のトナーが少なくなる。
一方、トナーの排出は、制御弁34の脇から制御弁34と連通口33との間に入ったトナーが第1搬送パドル31dの押し込みで連通口33を通して排出される。このために、制御弁34の幅が連通口33より大きくなると、連通口33付近に回り込むトナー量が少なくなり排出されるトナー量が少なくなり、トナーの入れ替えが少なくなる。
また、連通口33から供給されたトナーは、連通口33から下の方に移動して、制御弁34の下にあるトナーと混合される。従って、制御弁34の幅が大きくなると、供給されるトナーの箇所が少なくなり、トナーの混合による均質性が低下する。
これらのために、制御弁34の幅は、少なくとも連通口33の幅以上であって、20mm未満にする。この幅にすることで、トナーの供給・排出の制御を容易にし、さらに、供給後のトナーの混合による均質性を高めることができる。
【0037】
また、制御弁34の間隔を、2mm〜20mmとする。制御弁34の間隔が、2mm未満では制御弁34と連通口33との間に入り込む量が少なくなるために、排出できるトナー量が少なくなる。また、20mmを越えると、設けることができる連通口33が少なくなり、トナーの供給・排出する量が少なくなる。
さらに、制御弁34の長さを10mm〜25mmとする。制御弁34の長さによって、制御弁34と連通口33との間にできる空間の大きさが決定される。従って、制御弁34が10mm未満では、排出されるトナー量が少なくなるために、トナーの入れ替えが不十分になる。25mmを越えると排出する量が多くなり、現像ホッパ内のトナー量が少なくなる。
また、制御弁34の角度を、10°〜45°とする。制御弁34の角度によって、制御弁34と連通口33との間にできる空間の大きさが決定される。従って、制御弁34の角度が10°未満では、排出されるトナー量が少なくなるために、トナーの入れ替えが不十分になる。45°を越えると排出する量が多くなり、現像ホッパ内のトナー量が少なくなる。
【0038】
ここで、現像装置についてさらに詳述する。図2に示すように、現像装置30は、感光体ベルト11(図1)表面の静電潜像を現像するためにトナーを表面に担持して回転する現像スリーブ31aと、トナーを汲み上げて撹拌するために回転するトナー第1搬送パドル31dとを含む現像部(現像ホッパ)31と、トナーを収容するトナーカートリッジ32で構成されている。
このように2つのユニットに分割されている理由は、現像部31は、トナーカートリッジ32を数回交換して使用しても耐えうる耐久性を有しているからである。
【0039】
図11は本発明の現像装置における連通口の構成を示す概略図である。図11(A)は現像装置30の現像部31側の構成を示し、そして図11(B)はトナーカートリッジ32側の構成を示している。現像部31の筐体の外側にはスライドシャッタ31gを備え、そのスライドシャッタには弾性部材31hを貼付している。
このスライドシャッタを開閉することで現像部31の連通口33の開閉を行う。また、トナーカートリッジ32側は、筐体に設けられた連通口33に対応して開けた部分のある弾性部材32e、連通口33からトナーがこぼれるのを防止し、又はトナーを補給できるように開放するスライドシャッタ32f、及びこれらを筐体に固定する固定シール32gが設けられている。
トナーカートリッジ32を現像装置30に配置して、現像部31側のスライドシャッタ31gを開け、また、トナーカートリッジ32側のスライドシャッタ32fを開けることによって、トナーを通過させることができる連通口33(図示せず)ができる。
【0040】
現像部31側の連通口33は複数あり、現像部31とトナーカートリッジ32との間には弾性部材を貼着したスライドシャッタを設けている。このスライドシャッタを移動させることで、現像部31筐体に設けた連通口33の開閉を行う。トナーカートリッジ32がない場合又は画像形成装置本体に装着していない場合は、スライドシャッタで連通口33を閉じておくことで現像部31からトナーのこぼれるのを防止する。
また、トナーカートリッジ32も、現像部31がない場合又は画像形成装置本体に装着していない場合は、トナーカートリッジ32からトナーのこぼれるのを防止するために、連通口33を閉じておくためにスライドシャッタを設ける。トナーカートリッジ32に対して、弾性部材、スライドシャッタ、固定シールを設ける。弾性部材は、ウレタン樹脂、シリコン樹脂等の発泡材が好ましい。
図11に示すように、現像部31とトナーカートリッジ32に設けられた連通口33に対応してスライドシャッタに開放した窓部を設ける。連通口33を閉じる時はスライドシャッタの窓部のないところで連通口33を塞ぎ、連通口33を開放する時はスライドシャッタを移動させて、窓部と連通口33を合わせて、連通口33全体を連通させる。
【0041】
図1に示した画像形成装置1において、現像装置30は、図2に示すように、現像部31内にある第1搬送パドル31dで、トナーを攪拌しつつ現像剤供給ローラ31bに搬送し、供給ローラ31bが現像スリーブ31aに摺擦しながら、同時にトナーを摺擦させて摩擦帯電させて、トナーを帯電させる。
帯電したトナーは、現像スリーブ31aに鏡像力で吸着されて搬送される。その後、規制ローラ31cで現像領域に搬送されるトナー量を規制する。現像スリーブ31a上に形成されるトナー薄層が現像領域における現像バイアスで感光体ベルト11に現像される。
この時に、供給ローラ31bで現像スリーブ31aに摺擦されたトナーは大きな押圧力を受けて、トナー表面の凸凹が削られて球形化しトナーの付着力が大きくなる。また、この押圧力でトナー表面の外添剤が埋没して流動性が低下し、さらに、外添剤による帯電量調整ができなくなるために帯電量が変わってくる。これらの影響でトナーの現像性が低下し、さらに、転写性、クリーニング性が低下する。
このように、現像ホッパ内に劣化したトナーが多くなり、また、トナーが現像によって消費されるために現像部31内のトナーが少なくなる。そこで、連通口33を通過してトナーカートリッジ32から、現像部31へとトナーが補給される。
【0042】
トナーカートリッジ32内には、図2に示すように、このトナーカートリッジ本体32の内壁に先端が摺接する第2搬送パドル32a、第3搬送パドル32bがそれぞれ第1収納室32dと第2収納室32cに設けられており、第2又は第3搬送パドル32a、32bが回転することによりトナーを現像部31側に押し込んで、この現像部31に連通口33からトナーが補給される。
さらに、連通口33を通して現像部31内のトナーがトナーカートリッジ32側に排出されて、このトナーがトナーカートリッジ32内のトナーと混合される。トナーカートリッジ32内には、未使用のトナーが多く収納されており、現像部31内で劣化したトナーと混合される。
この混合によって、未使用トナーの表面に多く存在する外添剤が劣化したトナーに再分配されることで、劣化したトナーの帯電量、流動性が元の未使用トナーの状態に近くなる。
これは、現像部31から第1収納室32dに排出されたトナーは、さらに、第2搬送パドル32aで第2収納室32cに搬送されて、次に、第3搬送パドル32bで第1収納室32dに戻される。この間に、外添剤の再分配を受けることになる。
【0043】
この元の未使用の状態に近づいたトナーを、トナーカートリッジ32の第1収納室32dから現像部31に、再度供給する。この元の状態に近づいたトナーと未使用のトナーで、現像スリーブ31aに薄層を形成してトナーを現像することで、長期にわたって高品位の画像を得ることができる。
以上が、制御弁34によって、トナーカートリッジ32から現像ホッパへのトナーの供給と、現像ホッパからトナーカートリッジ32へのトナーの排出作用によるトナー劣化防止、画質の維持安定化の説明である。
ここで、技術課題で述べたように、制御弁34を導入することで、従来型の長手方向に光透過してトナー残量検知する手段が入れにくくなった。もし入れるとすると、トナーカートリッジ32と接する制御弁34を有する現像ホッパと、光透過式トナー残量検知手段を配置した現像ホッパの2室に現像ホッパを分割して、広い空間が必要となってしまう。
【0044】
図12は制御弁の下方にトナー検出手段を設けた現像装置の実施の形態を示す概略断面図である。上述したように、トナー残量検知手段を除去してしまうと、技術課題で述べたような問題が発生するので、ここでは、制御弁によって流入したトナーの検知手段を提案する。
図12はトナー検出手段が透過窓を経て、光量を検出する例である。受光センサ36によって光源38から出射された光を受光するが、受光センサ36の上に透過窓37があり、この透過窓37上に乗ったトナーの量に応じて、光量が減少するので、受光光量を測定することによって、制御弁34下方の透過窓37上のトナー量を検出することができる。
【0045】
図13は圧電センサをトナー検出手段に用いた実施の形態を示す概略断面図である。図14は圧電センサと制御弁を示す斜視図である。図13及び図14を参照して、圧電センサ39は現像ホッパ31の制御弁34の下方に固定されていて、圧電センサ39に外部から交流電圧を加えることにより、圧電センサ39の共振周波数で他励振動させる(2端子方式)。
ここで、圧電センサ39上にトナーが無い場合(無負荷の状態)は、共振周波数近傍では誘導性を示し、位相が(+)であるが、トナーが接触すると、容量性に変化し、位相は(−)に変化する。接触するトナー量が多いほど、位相のマイナスへの変化が大きくなる。
ここで、共振周波数の前後で、周波数を変えてスイープし、圧電センサ39の位相を調べることで、どの程度のトナーが圧電センサ39の上に乗っているかを検出することができる。ここで、制御弁34は、図3と同様に、剛性を有する支持部34aに支持された及び弾性のある樹脂フィルム34bから構成されている。
ここで検出するトナーは、制御弁34の動きに応じて制御弁34と連通口33の間に空間を作り、その空間にトナーカートリッジ32から送られたトナーが、制御弁34の下方に設けたトナー検出手段である圧電センサ39の上に達した状態のトナーである。圧電センサ39を用いることで、スペースを取らず、高感度でトナーを検出することができる。
【0046】
トナーカートリッジ32から送られるトナー量は、制御弁34の作る空間と、トナーカートリッジ32に入っているトナー量で決まってくるが、そのうち制御弁34の作る空間は、以下の説明のように現像ホッパ31のトナー量がほぼ一定の特性を示すので、その空間はトナーカートリッジ32のライフ内で、制御弁34のトナー供給に対して十分な大きさを確保しているといえる。
一方、トナーカートリッジ32のトナー量は暫時減少していくので、それに応じてトナーカートリッジ32からの供給量は変化するが、ただし、トナー量が或る一定量以上ある場合は、トナーカートリッジ32から現像ホッパ31に送られるトナー量はさほど変わらない。
トナーカートリッジ32の残量が一定量以下に減ってきた時に、トナーカートリッジ32から現像ホッパ31に送られるトナー量は減少していく。これはトナーカートリッジ32のトナーの粉体面(粉体の上面)と関連性がある。
【0047】
図15は現像ユニットの現像ホッパ内トナーの挙動を補足説明する概略断面図である。図15では、現像ホッパトナーの粉体面の差と、現像部である現像ホッパ31に対するトナーの占有状態を示すために、例としてトナーが170g入った時のレベルと、100g入っている時のレベルを示している。
100gのレベルが、ほぼトナーエンドのレベルに対応し、これ以上下がると供給ローラ31bにトナーが供給され難くなり、現像ローラ(現像スリーブ)31a上に適正なトナー層を形成できなくなる。
また、170gのレベル付近は、ほぼ通常の使用状態にあるレベルで、トナーの供給性、及び攪拌性が適正な状態にある。適正なレベルは140g〜200gの範囲である。
なお、現像ホッパ31の容積によって、同じレベルに相当するトナー量は異なるので、170g等の数値は本例に限ったトナーのレベルの違いを説明するための、指標である。トナーのレベルが、ホッパの上部まで達してしまうと(この例では、220g以上)、ホッパに隙間がなくなることで、トナーの攪拌が低下し、トナーの劣化が進んでしまう。
【0048】
なお、図15では、図2と同様に、現像ユニット30は潜像を現像剤であるトナーで現像する現像部(現像ホッパ)31とこの現像部31に連通口33を介してトナーを補給するトナーカートリッジ32とを備えている。
現像部31は、感光体ベルト11(図1)に対向していて、この感光体ベルト11との間に形成される現像領域にトナーを搬送する現像剤担持体である現像スリーブ31aと、この現像スリーブ31a上にトナーを供給する供給ローラ31bと、現像スリーブ31a上のトナー量を規制する層厚規制部材である規制ローラ31cと、トナーを搬送する第1搬送パドル(現像ホッパパドル)31dとを備えている。
トナーカートリッジ32は、トナーを収納している第1及び第2収納室32d、32c、現像部31へトナーを搬送する第2及び第3搬送パドル32a、32bと、また、第2搬送パドル32aが回転している部分のトナーカートリッジ32の底部には突き出たリブ35を備えている。
【0049】
図16は現像ホッパのトナー量と、トナーカートリッジのトナー量の推移をグラフで示す図である。図16には、新しいトナーカートリッジに交換してから、そのトナーをほぼ使いきり、(望ましくは、トナーカートリッジに一定量残した状態まで使いきり)、トナーエンドを迎える期間までの、現像ホッパのトナー量と、トナーカートリッジのトナー量の推移を示している。
図16のグラフの左側の縦軸にトナーカートリッジのトナー量を示し、右側の縦軸に現像ホッパのトナー量を示している。また、横軸は、印刷枚数(もしくは、現像回数)を表している。本データは、画像面積が2%〜20%程度まで、ランダムに振って、平均画像面積が5%程度になるように現像ユニットを使用した時の、各々のトナー量である。
トナーカートリッジのトナー量は、ほぼ単調に減少していき、一方、現像ホッパのトナー量は初期100gより若干多い状態(前のトナーカートリッジでトナーエンドの状態)から、始めのうちは徐々に増加する。
【0050】
180g程度を最大として、ほぼ160g〜180gの範囲で安定する領域がトナーカートリッジ寿命の約90%程度あり、最後に、トナーカートリッジ寿命に近づいてきたところで、現像ホッパのトナー量は徐々に減少して、トナーカートリッジ寿命(トナーエンド)の時には、現像ホッパは約120g程度になる動きをしている。
この時、トナーカートリッジには、完全にトナーを使いきらず多少残るようにトナー充填量が調整されている。その理由は、完全に使いきると、トナーカートリッジからホッパにトナーの供給がなくなり、ホッパのトナーが新しいトナーと混ざらない状態で、衝突や圧縮などの機械力を受けながら攪拌されるので、著しくトナーの劣化が進行するためである。それを防ぐために、トナーカートリッジがトナー切れを起こさないようにするためにトナー充填量を調整している。
すなわち、このグラフから、ホッパのトナー量はトナーカートリッジ寿命のほとんどの状態で、160gから180gで安定していて、トナーカートリッジのトナー量に依らずホッパにはホッパ内のトナーが動けるだけの空間を確保していて、トナーカートリッジのトナーエンドに近づいた時に、ホッパのトナー量が減少していく特性を有している。
【0051】
図17は現像ホッパパドルの羽根と制御弁の第1の位置関係を示す概略断面図である。図18は現像ホッパパドルの羽根と制御弁の第2の位置関係を示す概略断面図である。図19は現像ホッパパドルの羽根と制御弁の第3の位置関係を示す概略断面図である。
図17乃至図19を参照して、制御弁とトナー検出について、もう少し説明を加える。図15乃至図17で、トナー検出センサ(ここでは圧電センサ)39は、センサ面を制御弁34の上方の空間に向けて配置されている。
前述したように、現像ホッパパドル(第1搬送パドル)31dの回転で、この現像ホッパパドル31dの羽根(フィルム)によって制御弁34は前後方向(図では左右方向)に動くが、羽根による押し込み状態と、羽根の圧力から開放されて反発力で制御弁34が戻るという運動を繰り返す。この制御弁34が戻る時に、制御弁34と連通口33の間に空間を形成する。
この空間形成時にタイミングが合って、トナーカートリッジ32側のパドル(図示せず)でトナーカートリッジ32の連通口33部分にトナーが持ち上げられた状態になっていると、上記空間にトナーカートリッジ32のトナーを送り込むことができる。そのトナーは、ちょうど、制御弁34の下方に配置した圧電センサ39上に乗って、この圧電センサ39で検出することができる。
【0052】
その際、圧電センサ39表面は制御弁34が押し込まれた時の動きで、制御弁34先端部で既に上に乗っているトナーを除去する(図18)ことで、新たにトナーカートリッジ32から送られたトナーのみを、検出することができる。
このトナー除去動作を、制御弁34に加えてさらに現像ホッパパドル31dで行わせることで除去性を上げることも可能である。この場合、制御弁34は圧電センサ39の検出面に接触する。これによりトナー除去性を向上して、圧電センサ39の検出精度を向上させることができる。
トナーカートリッジ32のトナー残量が一定量を下回るまでは、トナーカートリッジ32から送られるトナーの量はほぼ一定と考えられる。ただ、トナーカートリッジパドルの位置の影響で、1回1回の供給量は或る程度ばらつくことが考えられる。
ここでは複数回の制御弁動作を1周期としてトナー供給量の平均値を取ってほぼ一定となるということであり、このような処理を行うことで、トナーカートリッジ32からのトナーの供給量を適正に把握することができる。
【0053】
トナーカートリッジ32の残量が一定量を下回ると、トナーカートリッジ32の連通口33部分に供給のために準備されるトナー量が減るので、1回1回の供給量が減少する。検出面上のトナーを除去することで、センサの検出精度が向上する。また、センサ検出のタイミングを正確化することができる。
さらに、トナーカートリッジ32から現像ホッパ31へトナーを送り出すことが可能な状態(すなわち、連通口33付近にトナー溜りを形成し、トナーカートリッジパドルでそのトナーを支え持ち上げている状態)を維持している時間が相対的に短くなるので、制御弁34の動きで、或る時はほとんどトナーが供給されない場合も発生し、さらに、トナーカートリッジ32のトナー残量が少なくなると、そのようなトナーが供給されない回数も増えてくる。
従って、トナー供給量の検出をトナーカートリッジ32のライフ期間で行っていくと、制御弁動作複数回のトナー検出の平均値は、トナーカートリッジ32のトナー量に応じて減少していくので、それをもってトナーカートリッジ32の寿命を判定する指標とすることができる。
【0054】
図20は経過時間とトナー検出センサの出力状態をグラフで示す図である。制御弁の動作及び現像ホッパパドルの動作で、トナー検出センサの検出面のトナーが除去され、トナー検出センサの出力は低下する。
その後、制御弁が戻り、連通口部に空間を作って、トナーカートリッジからトナーが入り込み、センサ検出面に接触して、トナー検出センサの出力が発生する。この時の出力の立ち上がりレベルが供給されるトナー量に対応するので、これによりカートリッジのトナー残量を推測することができる。
なお、本構成の現像ユニットでは、現像ホッパとトナーカートリッジの間でトナーの行き来を可能とするものなので、トナーカートリッジのトナーが極めて少なくなっても、図20のグラフ中の線(c)で示したように、トナー検出センサの出力は発生する。
従って、カートリッジのトナー量としては、まだ十分残って問題なく使用できるレベルから、或る程度残量が少なくなって、これ以上使い進むと現像ホッパのトナーの劣化をきたすレベル(トナーエンドと判定して、カートリッジ交換を必要とするレベル)、さらにカートリッジのトナーがほとんどゼロのレベルの範囲で検出が可能であるので、画像劣化が発生する前に確実にトナーエンド検出をすることができる。
【0055】
図18を再度参照して、制御弁34が接触する圧電センサ39の検出面、もしくは制御弁34が接触する圧電センサ39を支持する現像ホッパ31底面のどちらか一方、又は両方の表面の動摩擦係数を0.4以下とする。
このように、圧電センサ39の検出面もしくは、制御弁34が接触する圧電センサ39を固定する現像ホッパ31底面の少なくともどちらか一方の動摩擦係数を0.4以下とするためには、以下の方法がある。
第1に、フッ素系樹脂をコーティングする。第2に、シリコン系樹脂をコーティングする。第3に、圧電センサ39の検出面は金属電極であり、この表面粗さを抑える(突起等の凹凸を除去する)。
第4に、制御弁34が接触する現像ホッパ31の底面を、高摺動性を有する樹脂、例えば、ナイロン、POM等で構成する。第5に、制御弁34が接触する現像ホッパ31の底面を摺動性が通常レベルの樹脂、例えば、PET、PS、PMA等でも、表面粗さを抑え、平滑性を保つ。
以上の方法において、PETフィルム(t=0.1)で構成した制御弁34でも、圧電センサ39の検出面上のトナーを十分除去することができ、上記のトナーカートリッジから送られたトナーを精度良く検出することができる。
【0056】
図21は制御弁の先端部に配置した弾性体の第1の実施の形態を示す概略図である。図22は制御弁の先端部に配置した弾性体の第2の実施の形態を示す概略図である。
さらに、圧電センサ39(図17)の検出面上の残留トナーの除去性能を上げるために、図21及び図22に示すように、制御弁34の先端部を弾性体34a又は34bで構成する。
ここで、先端の弾性体の要求される特性としては、弾性体が圧電センサ39の検出面に隙間なく接触するように変形し、弾性体の一部稜線によって圧電センサ39の検出面を掃き取ることを可能にすることである。
このため、図21の第1の実施の形態では、制御弁34の先端に、板状ゴム部材34a、例えば、ウレタンゴム、シリコンゴム等を貼り付けて、掻き取り能力を上げる。
【0057】
また、図22の第2の実施の形態では、制御弁34の先端に、板状スポンジ部材34b、例えば、ウレタンフォーム、シリコンフォーム等を貼り付けて、掻き取り能力を上げる。スポンジ材の場合は、その細孔部で、トナーを掻き寄せて除去することが可能である。
上述のごとく、制御弁34の動作によるトナー除去性能を向上し、上記のトナーカートリッジから送られたトナーを精度良く検出することができる。また、制御弁34で圧電センサ39の検出面のトナー除去能力が上げられるので、圧電センサ39の検出精度を向上させることができる。
以上、一連の動作説明を行ってきた本発明の現像装置を、図1で説明した画像形成装置に用いることで、もしくは本現像装置を像担持体と一体に支持したプロセスカートリッジを画像形成装置に用いることで、長期にわたってトナーの帯電が安定し、また、安定したトナー量を供給できる。
また、トナーエンド検出の高精度検出によって、トナーの劣化を進ませることがないので、長期にわたって出力画像の濃度が安定し、地汚れの発生もなく、また、機内のトナー飛散も少ない、画質の安定した画像形成装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図2】現像ユニットを構成する本発明による現像装置の実施の形態の構成を示す概略図である。
【図3】本発明の現像装置における現像部に配置される制御弁の構造を示す概略斜視図である。
【図4】トナーカートリッジ側から現像部にトナーが供給される状態を示す模式図である。
【図5】トナーカートリッジ側のトナーが供給される状態を説明する模式図である。
【図6】現像部31とトナーカートリッジ32との間におけるトナーの移動について示す模式図(その1)である。
【図7】現像部31とトナーカートリッジ32との間におけるトナーの移動について示す模式図(その2)である。
【図8】現像部31とトナーカートリッジ32との間におけるトナーの移動について示す模式図(その3)である。
【図9】本発明に係る第1搬送パドルを示す概略斜視図である。
【図10】トナーカートリッジと現像部との間の連通口を示す斜視図である。
【図11】本発明の現像装置における連通口の構成を示す概略図である。
【図12】制御弁の下方にトナー検出手段を設けた現像装置の実施の形態を示す概略断面図である。
【図13】圧電センサをトナー検出手段に用いた実施の形態を示す概略断面図である。
【図14】圧電センサと制御弁を示す斜視図である。
【図15】現像ユニットの現像ホッパ内トナーの挙動を補足説明する概略断面図である。
【図16】現像ホッパのトナー量と、トナーカートリッジのトナー量の推移をグラフで示す図である。
【図17】現像ホッパパドルの羽根と制御弁の第1の位置関係を示す概略断面図である。
【図18】現像ホッパパドルの羽根と制御弁の第2の位置関係を示す概略断面図である。
【図19】現像ホッパパドルの羽根と制御弁の第3の位置関係を示す概略断面図である。
【図20】経過時間とトナー検出センサの出力状態をグラフで示す図である。
【図21】制御弁の先端部に配置した弾性体の第1の実施の形態を示す概略図である。
【図22】制御弁の先端部に配置した弾性体の第2の実施の形態を示す概略図である。
【符号の説明】
【0059】
1…画像形成装置、11…像担持体(感光体ベルト)、12…クリーニング装置(感光体クリーニング装置)、13…帯電装置(帯電ローラ)、20…露光装置(書き込み光学ユニット)、30…現像ユニット(現像装置)、31…現像部(現像ホッパ)、31a…現像ローラ(現像スリーブ)、31d…第1トナー搬送パドル(現像ホッパパドル)、31e…櫛歯状のフィルム、31f…矩形状のフィルム、32…トナーカートリッジ、32a…第2トナー搬送パドル、32b…第3トナー搬送パドル、33…連通口、34…制御弁、34a…弾性体(ゴム部材)、34b…弾性体(スポンジ部材)、39…トナー検出手段(圧電センサ)、40…転写装置(中間転写ユニット)、50…転写装置(2次転写ユニット)、60…定着装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体の潜像をトナーで現像する現像部と、該現像部にトナーを補給するトナーカートリッジとを横方向に配列し、前記トナーカートリッジを自在に脱着できる現像装置において、前記トナーカートリッジと前記現像部との間に、トナーを通過させる連通口と、その通過させるトナー量を制御する制御弁を設け、櫛歯状のフィルムと矩形状のフィルムとを備えるトナー搬送パドルが前記制御弁を駆動し、前記制御弁の下方にトナーを検出するトナー検出手段を設けることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記トナー検出手段として、圧電センサを用いることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
【請求項3】
前記制御弁が、前記圧電センサの検出面に接触することを特徴とする請求項1記載の現像装置。
【請求項4】
前記制御弁が接触する前記圧電センサの検出面、もしくは前記制御弁が接触する圧電センサを支持する現像ホッパ底面のどちらか一方、又は両方の表面の動摩擦係数を0.4以下とすることを特徴とする請求項3記載の現像装置。
【請求項5】
前記制御弁先端部を弾性体で構成したことを特徴とする請求項3又は4記載の現像装置。
【請求項6】
前記制御弁先端部の弾性体は、ゴムであることを特徴とする請求項5記載の現像装置。
【請求項7】
前記制御弁先端部の弾性体は、スポンジであることを特徴とする請求項5記載の現像装置。
【請求項8】
潜像を担持する像担持体と、像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、帯電した前記像担持体の表面に静電潜像を書き込む露光装置と、前記像担持体表面に形成された静電潜像を可視像化する現像装置と、前記像担持体表面の可視像を直接又は中間転写体を介して記録部材に転写する転写装置と、前記像担持体上のトナーをクリーニングするクリーニング装置と、前記記録部材上の可視像を熱及び又は圧力で定着させる定着装置とを備える画像形成装置において、前記現像装置として請求項1乃至7のいずれか1項記載の現像装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記像担持体と請求項1乃至7のいずれか1項記載の現像装置とを一体に支持し、着脱可能なプロセスカートリッジを備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2008−107502(P2008−107502A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−289216(P2006−289216)
【出願日】平成18年10月24日(2006.10.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】