説明

現像装置、回転力伝達部品、及び、電子写真画像形成装置

【課題】 電子写真画像形成装置において、ロータリの移動に応じて、電子写真画像形成装置の駆動軸の軸線と直交する方向から係合および離脱するカップリング部材を有する、現像カートリッジの構成が知られている。
上記構成において、駆動軸とカップリング部材とが離脱する際に、ロータリの回転負荷が上昇する場合がある。
本発明の目的は、駆動軸とカップリング部材とが離脱する際の、ロータリ回転負荷上昇を低減する現像カートリッジ、またはカップリング部材、または電子写真画像形成装置を提供することである。
【解決手段】 前記課題は、カップリング部材が回転力伝達角度位置から離脱角度位置に移動して駆動軸から離脱する際に、ロータリの回転負荷が最大となるカップリングの回転位相において、カップリング部材が回転力伝達角度位置から離脱角度位置に移動するのに伴いロータリの回転負荷が上昇しないようなカップリング部材によって実現される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置、回転力伝達部品、及び、前記現像装置を用いる電子写真画像形成装置に関するものである。
【0002】
電子写真画像形成装置は、電子写真画像形成プロセスを用いて記録媒体に画像を形成するものである。電子写真画像形成装置としては、例えば、電子写真複写機、電子写真プリンタ(レーザービームプリンタ、LEDプリンタ等)等である。
【0003】
また、現像装置は、電子写真画像形成装置の本体に取り外し可能に装着されるものであって、前記本体に取り付けられて、電子写真感光体に形成された静電潜像を現像するものである。そして、ユーザーが現像装置を交換することによって、前記電子写真画像形成装置のメンテナンスを行うことができる。
【背景技術】
【0004】
複写機、プリンタ、ファクシミリなどの電子写真画像形成装置においては、ドラム形状の電子写真感光体(以下、感光体ドラムと称する)に形成された静電潜像を、現像装置を用いて現像することで現像剤像として可視化している。
【0005】
従来、複数の現像装置を用いて現像する電子写真画像形成装置において、下記の構成が知られている。
【0006】
複数個の現像装置が取り付けられた状態で移動する移動部材を電子写真画像形成装置本体に設け、移動部材の移動によって現像装置を現像位置に移動させ、感光体ドラムに形成された静電潜像を現像する。このような現像装置に、回転力伝達部品が駆動伝達位置に対して傾斜可能に取り付けられている。そして、移動部材の移動に伴い、現像装置が現像位置に移動すると、電子写真画像形成装置本体に設けた駆動軸と現像装置に取り付けられた回転力伝達部品とが結合する。この際、結合前は駆動伝達位置に対して傾斜していた回転力伝達部品が、駆動軸との結合に伴い駆動伝達位置に移動する。そして、電子写真画像形成装置本体に設けられたモータの回転力を電子写真画像形成装置本体の駆動軸及び現像装置の回転力伝達部品を介して現像ローラに伝達する。これによって、現像ローラを回転させる。このような方式が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許公開2008−268927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記特許文献1に記載された従来の構成によれば、ある色の現像装置の現像動作が終了した後、次の色の現像装置を現像位置に移動させるために、移動部材を移動させる必要がある。この移動部材の移動中に、現像装置の回転力伝達部品が駆動伝達位置に対して傾斜し、電子写真画像形成装置本体の駆動軸と現像装置の回転力伝達部品との連結が解除される。この時、回転力伝達部品を傾斜させるための負荷によって、一時的に移動部材の移動負荷が上昇する場合がある。この移動部材の移動負荷上昇に伴い、移動部材を駆動するモータの負荷トルクが上昇する。一方で近年、装置本体の低コスト化、小型化が望まれており、移動部材の移動するためのモータに関しても、負荷トルクの許容上限値が低い、低コスト、小型のモータの使用が要求されている。
【0009】
そこで、本発明の目的は、上記の従来技術の課題を解決するためのものであり、電子写真画像形成装置本体の駆動軸と現像装置の回転力伝達部品との連結が解除される際の移動部材の移動負荷上昇を低減し、低コスト、小型の移動部材駆動モータを使用できる現像装置、または前記現像装置に用いられる回転力伝達部品、または前記現像装置を用いる電子写真画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するための本発明は、
回転力付与部を有する駆動軸であって、モータにより回転される駆動軸と、移動部材とを設けられた電子写真画像形成装置に用いられる現像装置であり、かつ、前記移動部材に取り付けられた状態で、前記移動部材の一方向への移動に応じて、前記駆動軸の軸線方向と実質的に直交する方向に移動する現像装置であって、
i)軸線を中心に回転可能で、電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像し、前記移動部材の移動に応じて前記電子写真感光体と接離可能な現像ローラと、
ii)前記現像ローラに回転力を伝達するためのカップリング部材であって、前記回転力付与部と係合して前記駆動軸からの回転力を受ける一対の回転力受け部と、前記回転力受け部を介して受けた前記回転力を前記現像ローラに伝達する一対の回転力伝達部と、を有し、前記現像ローラを回転させるための前記回転力を、前記回転力伝達部を介して前記現像ローラに伝達するための回転力伝達角度位置と、前記回転力伝達角度位置から傾斜した、前記カップリング部材が前記回転力付与部と係合する前の係合前角度位置と、前記回転力伝達角度位置から前記係合前角度位置とは反対側に傾斜した、前記カップリング部材が前記駆動軸から離脱する離脱角度位置と、を取り得るカップリング部材と、
iii)前記現像ローラに回転力を伝達するための駆動力伝達部材であって、前記回転力伝達部からの回転力を受ける回転力被伝達部、を有する駆動力伝達部材と、
を有し、
前記移動部材が前記一方向へ移動する際に、前記現像装置が移動するのに応じて、前記カップリング部材が前記係合前角度位置から前記回転力伝達角度位置に移動することによって、前記カップリング部材が前記駆動軸と係合する、及び、前記カップリング部材が前記駆動軸と係合する位置から前記移動部材が更に前記一方向へ移動する際には、前記現像装置が移動するのに応じて、前記カップリング部材が前記回転力伝達角度位置から前記離脱角度位置に移動することによって、前記カップリング部材が前記駆動軸から離脱し、
前記カップリング部材が前記回転力伝達角度位置から前記離脱角度位置に移動して前記駆動軸から離脱する際に、前記カップリング部材と前記駆動軸が離脱するのに要する力が最大となる前記カップリングの回転位相において、前記カップリング部材が前記回転力伝達角度位置から前記離脱角度位置に移動するのに伴い前記回転力伝達部が前記回転力被伝達部に与える力が生じない
ことを特徴とするものである。
【0011】
また、他の本発明は、
記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置において、
i)回転力付与部を有する駆動軸であって、モータにより回転される駆動軸と、
ii)移動部材と、
iii)前記移動部材に取り付けられた状態で、前記移動部材の一方向への移動に応じて、前記駆動軸の軸線方向と実質的に直交する方向に移動する現像装置であって、
軸線を中心に回転可能で、電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像し、前記移動部材の移動に応じて前記電子写真感光体ドラムと接離可能な現像ローラと、
前記現像ローラに回転力を伝達するためのカップリング部材であって、前記回転力付与部と係合して前記駆動軸からの回転力を受ける一対の回転力受け部と、前記回転力受け部を介して受けた前記回転力を前記現像ローラに伝達する一対の回転力伝達部と、を有し、前記現像ローラを回転させるための前記回転力を、前記回転力伝達部を介して前記現像ローラに伝達するための回転力伝達角度位置と、前記回転力伝達角度位置から傾斜した、前記カップリング部材が前記回転力付与部と係合する前の係合前角度位置と、前記回転力伝達角度位置から前記係合前角度位置とは反対側に傾斜した、前記カップリング部材が前記駆動軸から離脱する離脱角度位置と、を取り得るカップリング部材と、
前記現像ローラに回転力を伝達するための駆動力伝達部材であって、前記回転力伝達部からの回転力を受ける回転力被伝達部、を有する駆動力伝達部材と、
を有し、
前記移動部材が前記一方向へ移動する際に、前記現像装置が移動するのに応じて、前記カップリング部材が前記係合前角度位置から前記回転力伝達角度位置に移動することによって、前記カップリング部材が前記駆動軸と対向する、及び、前記カップリング部材が前記駆動軸と対向する位置から前記移動部材が更に前記一方向へ移動する際には、前記現像装置が移動するのに応じて、前記カップリング部材が前記回転力伝達角度位置から前記離脱角度位置に移動することによって、前記カップリング部材が前記駆動軸から離脱する現像装置と、
を有し、
前記カップリング部材が前記回転力伝達角度位置から前記離脱角度位置に移動して前記駆動軸から離脱する際に、前記カップリング部材と前記駆動軸が離脱するのに要する力が最大となる前記カップリングの回転位相において、前記カップリング部材が前記回転力伝達角度位置から前記離脱角度位置に移動するのに伴い前記回転力伝達部が前記回転力被伝達部に与える力が生じない
ことを特徴とするものである。
【0012】
また、他の本発明は、
回転力付与部を有する駆動軸であって、モータにより回転される駆動軸と、移動部材とを設けられた電子写真画像形成装置に用いられ、かつ、前記移動部材に取り付けられた状態で、前記移動部材の一方向への移動に応じて、前記駆動軸の軸線方向と実質的に直交する方向に移動する現像装置であって、軸線を中心に回転可能で、電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像し、前記移動部材の移動に応じて前記電子写真感光体と接離可能な現像ローラと、前記現像ローラに回転力を伝達するための駆動力伝達部材と、を有する現像装置、に用いられる回転力伝達部品であって、
前記回転力伝達部品は、前記回転力付与部と係合して前記駆動軸からの回転力を受ける一対の回転力受け部と、前記回転力受け部を介して受けた前記回転力を前記現像ローラに伝達する一対の回転力伝達部と、を有し、前記現像ローラを回転させるための前記回転力を、前記回転力伝達部を介して前記現像ローラに伝達するための回転力伝達角度位置と、前記回転力伝達角度位置から傾斜した、前記回転力伝達部品が前記回転力付与部と係合する前の係合前角度位置と、前記回転力伝達角度位置から前記係合前角度位置とは反対側に傾斜した、前記回転力伝達部品が前記駆動軸から離脱する離脱角度位置と、を取り得て、
前記駆動力伝達部材は、前記回転力伝達部からの回転力を受ける回転力被伝達部を有し、
前記移動部材が前記一方向へ移動する際に、前記現像装置が移動するのに応じて、前記回転力伝達部品が前記係合前角度位置から前記回転力伝達角度位置に移動することによって、前記回転力伝達部品が前記駆動軸と係合する、及び、前記回転力伝達部品が前記駆動軸と係合する位置から前記移動部材が更に前記一方向へ移動する際には、前記現像装置が移動するのに応じて、前記回転力伝達部品が前記回転力伝達角度位置から前記離脱角度位置に移動することによって、前記回転力伝達部品が前記駆動軸から離脱し、
前記回転力伝達部品が前記回転力伝達角度位置から前記離脱角度位置に移動して前記駆動軸から離脱する際に、前記回転力伝達部品と前記駆動軸が離脱するのに要する力が最大となる前記回転力伝達部品の回転位相において、前記回転力伝達部品が前記回転力伝達角度位置から前記離脱角度位置に移動するのに伴い前記回転力伝達部が前記回転力被伝達部に与える力が生じないことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、装置本体の駆動軸と現像装置の回転力伝達部品との連結が解除される際の移動部材の移動負荷上昇を低減し、低コスト、小型の移動部材駆動モータを使用できる現像装置、または前記現像装置に用いられる回転力伝達部品、または前記現像装置を用いる電子写真画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る実施例を適用した、現像装置の側断面図である。
【図2】本発明に係る実施例を適用した、現像装置の斜視図である。
【図3】本発明に係る実施例を適用した、現像装置の斜視図である。
【図4】本発明に係る実施例を適用した、電子写真画像形成装置本体の側断面図である。
【図5】本発明に係る実施例を適用した、現像ローラの斜視図である。
【図6】本発明に係る実施例を適用した、回転力伝達部品の斜視図である。
【図7A】本発明に係る実施例を適用した、回転力伝達部品の斜視図である。
【図7B】本発明に係る実施例を適用した、回転力伝達部品の斜視図である。
【図7C】本発明に係る実施例を適用した、回転力伝達部品の側面図である。
【図7D】本発明に係る実施例を適用した、回転力伝達部品の正面図である。
【図7E】本発明に係る実施例を適用した、回転力伝達部品の背面図である。
【図7F】本発明に係る実施例を適用した、回転力伝達部品の側断面図である。
【図7G】本発明に係る実施例を適用した、回転力伝達部品の側面図である。
【図7H】本発明に係る実施例を適用した、回転力伝達部品の側面図である。
【図8A】本発明に係る実施例を適用した、駆動力伝達部材の正面図である。
【図8B】本発明に係る実施例を適用した、駆動力伝達部材の側断面図である。
【図8C】本発明に係る実施例を適用した、駆動力伝達部材の斜視図である。
【図8D】本発明に係る実施例を適用した、駆動力伝達部材の背面図である。
【図8E】本発明に係る実施例を適用した、駆動力伝達部材の側断面図である。
【図9】本発明に係る実施例を適用した、現像装置の断面図である。
【図10】本発明に係る実施例を適用した、回転力伝達部品の斜視図である。
【図11】本発明に係る実施例を適用した、回転力伝達部品の縦断面図である。
【図12】本発明に係る実施例を適用した、規制部の斜視図である。
【図13】本発明に係る実施例を適用した、回転力伝達部品と規制部の位置関係を示した斜視図である。
【図14】本発明に係る実施例を適用した、弾性部材(付勢部材)と支持部材の斜視図である。
【図15】本発明に係る実施例を適用した、現像装置駆動部分の斜視図である。
【図16】本発明に係る実施例を適用した、現像装置駆動部分の組み立て方法を示した斜視図である。
【図17】本発明に係る実施例を適用した、現像待機位置での電子写真画像形成装置本体を示す縦断面図である。
【図18】本発明に係る実施例を適用した、電子写真画像形成装置本体の現像装置装着時を示す縦断面図である。
【図19】本発明に係る実施例を適用した、現像装置を移動部材に装着する過程を示した斜視図である。
【図20】本発明に係る実施例を適用した、移動部材の縦断面図である。
【図21】本発明に係る実施例を適用した、移動部材の縦断面図である。
【図22】本発明に係る実施例を適用した、移動部材の縦断面図である。
【図23】本発明に係る実施例を適用した、移動部材の縦断面図である。
【図24】本発明に係る実施例を適用した、駆動軸と回転力伝達部品との係合状態を示した縦断面図である。
【図25】本発明に係る実施例を適用した、駆動軸と回転力伝達部品との係合状態を示した縦断面図である。
【図26】本発明に係る実施例を適用した、駆動軸と回転力伝達部品の斜視図である。
【図27】本発明に係る実施例を適用した、駆動軸と回転力伝達部品が離脱する過程を示した縦断面図である。
【図28】本発明に係る実施例を適用した、駆動軸と回転力伝達部品が離脱する過程を示した縦断面図である。
【図29】本発明に係る実施例を適用した、回転力伝達部品の斜視図である。
【図30】従来例における、回転力伝達部品の側面図である。
【図31】従来例における、回転力伝達部品の正面図である。
【図32A】従来例における、回転力伝達部品の斜視図である。
【図32B】従来例における、回転力伝達部品の正面図である。
【図32C】従来例における、回転力伝達部品の正面図である。
【図32D】従来例における、回転力伝達部品の正面図である。
【図32E】従来例における、回転力伝達部品の正面図である。
【図32F】従来例における、回転力伝達部品の側断面図である。
【図33】本発明に係る実施例を適用した、回転力伝達部品の斜視図である。
【図34】本発明に係る実施例を適用した、回転力伝達部品の形状に対する、移動部材の駆動トルクへの影響の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を適用した実施例に係る現像装置、及び、前記現像装置を用いる電子写真画像形成装置について説明する。また、本発明を適用した実施例に係る回転力伝達部品について説明する。
【0016】
尚、本発明は、現像装置(例えば、図2)、及び、電子写真画像形成装置(例えば、図4)そのものに適用される。また、本発明は、回転力伝達部品(例えば、図7、図29)そのものに適用される。
【0017】
(1)現像装置の説明
まず、図1乃至図4を用いて、本発明の一実施例を適用した、現像装置としての現像カートリッジ(以下、「カートリッジ」と称する)Bについて説明する。図1は、カートリッジBの断面図である。図2、及び、図3はカートリッジBの斜視図である。また、図4はカラー電子写真画像形成装置本体(以下、「装置本体」と称す)Aの断面図である。
【0018】
ここで、本実施例においては、移動部材としてロータリCを一例に挙げて説明する。
【0019】
尚、カートリッジBは、ユーザーによって、装置本体Aに設けられたロータリCに取り付けられる、及び、ロータリCから取り外される。
【0020】
また、装置本体Aとは、電子写真画像形成装置100からカートリッジBを除いた構成を言う。
【0021】
図1乃至図3において、カートリッジBは現像ローラ110を有する。現像ローラ110は、現像作用時に、装置本体Aから後述するカップリング機構により回転力を受けて回転する。
【0022】
現像剤収納枠体114には所定色の現像剤tが収納されている。即ち、枠体114は、現像剤tを収納する現像剤収納部116を有している。現像剤tは、現像室113aにおいてスポンジ状の現像剤供給ローラ115の回転によって現像ローラ110の表面に供給される。そして、この現像剤tは、薄板状の現像ブレード112と現像ローラ110との摩擦により電荷を付与され薄層化される。薄層化された現像ローラ110上の現像剤t(即ち、現像ローラ110の周面に付着した現像剤t)は、回転により現像位置に搬送される。そして、現像ローラ110に所定の現像バイアスを印加する。これにより、現像ローラ110が電子写真感光体ドラム(以下、「感光体ドラム」と称す)107に形成された静電潜像を現像する。即ち、現像ローラ110によって、現像剤tを用いて静電潜像が現像される。収納部116に収納されている現像剤tは、供給開口116aを通過して現像室113aに供給される。尚、開口116aは、開封可能に開口116aを封止するシール部材(不図示)によって封止されている。ユーザは、カートリッジBを使用するのに先立って、シール部材を引き抜いて、開口116aを開封する。これによって、収納部116内の現像剤tは、現像室113aに供給される。
【0023】
また、前記静電潜像の現像に寄与しなかった現像剤、すなわち、現像ローラ110の表面に残留した現像剤は、現像剤供給ローラ115で剥ぎ取られる。またこれと同時に、現像剤供給ローラ115によって、新しい現像剤tが現像ローラ110表面に供給される。これによって現像動作が連続的に行われる。
【0024】
尚、カートリッジBは、現像ユニット119を有する。また、現像ユニット119は、現像枠体113と現像剤収納枠体114とを有する。また、現像ユニット119は、現像ローラ110、現像ブレード112、現像剤供給ローラ115、現像室113a、及び、現像剤収納枠体114を有する。
【0025】
尚、現像ローラ110は、回転軸線L1を中心に回転可能である(図5参照)。
【0026】
ここで、カートリッジBは、ユーザーによって、装置本体Aに設けられたロータリCに設けられたカートリッジ収容部130aに取り付けられる(図4参照)。この際に、後述するように、カートリッジBがロータリCにより所定の位置(感光体ドラム対向部)に位置決めされる動作に連動して、装置本体Aに設けられた本体側係合部(駆動軸180及び/又は回転力付与部182)とカートリッジBが有する回転力伝達部品150とが結合する。そして、現像ローラ110等は装置本体Aから回転力を受けて回転する。
【0027】
尚、現像枠体113と現像剤収納枠体114は、カートリッジBの枠体である。
【0028】
(2)電子写真画像形成装置の説明
図4を用いて、カートリッジBを用いるカラー電子写真画像形成装置100について説明する。尚、以下、カラー電子写真画像形成装置100として、カラーレーザービームプリンターを例に挙げて説明する。
【0029】
図4に示すように、色の異なる現像剤t(トナー)を収納した複数のカートリッジB(B1、B2、B3、B4)をロータリC上に取り付ける。尚、カートリッジBのロータリCに対する取り付け、及び、取り外しはユーザーによって行われる。そして、モータ(不図示)からの回転力でロータリCが回転することにより、所定色の現像剤を収納したカートリッジBを感光体ドラム107に対向させる。そして、カートリッジBの有する現像ローラ110でもって、感光体ドラム107に形成された静電潜像を現像する。次に、現像された現像像を転写ベルト104aに転写する。さらに、これらの現像転写動作を各色について行う。これにより、カラー画像を得る。以下に詳細を説明する。ここで記録媒体Sは、画像を形成することができるものであって、例えば紙、OHPシート等である。
【0030】
図4に示すように、露光手段101から画像情報に基づいた光を感光体ドラム107に照射する。これによって、感光体ドラム107に静電潜像を形成する。そして、前記潜像を現像剤を用いて、現像ローラ110によって現像する。即ち、感光体ドラム107に現像剤像を形成する。感光体ドラム107に形成された現像剤像は、中間転写体に転写される。
【0031】
次にその中間転写体である中間転写ベルト104a上に転写された現像剤像が、第二の転写手段としての二次転写ローラ104bによって記録媒体Sに転写される。そして、現像剤像が転写された記録媒体Sを、加圧ローラ105aと加熱ローラ105bとを有する定着手段105に搬送する。そして、記録媒体Sに転写された現像剤像を記録媒体Sに定着する。定着後、記録媒体Sをトレイ106へ排出する。
【0032】
さらに画像形成工程を説明する。
【0033】
転写ベルト(中間転写体)104aの回転と同期して、感光体ドラム107を反時計回り(図4矢印A方向)に回転させる。そして、感光体ドラム107の表面を帯電ローラ108によって均一に帯電する。その後、露光手段101によって、画像情報に応じて、例えばイエロー画像の光照射を感光体ドラム107に行う。これによって、感光体ドラム107にイエロー色に応じた静電潜像を形成する。
【0034】
露光手段は次のように構成される。露光手段101は外部装置(不図示)から読み込んだ画像情報(色情報を含む、画像信号)に基づいて、感光体ドラム107に光照射を行う。これによって、感光体ドラム107に静電潜像を形成する。尚、露光手段は、レーザーダイオード、及びポリゴンミラー、スキャナモータ、結像レンズ、反射ミラー(いずれも不図示)を有する。
【0035】
より詳細には、前記レーザーダイオードが前記画像情報に応じて発光し、前記ポリゴンミラーに画像光として照射する。前記ポリゴンミラーはスキャナモータによって高速回転し、前記ポリゴンミラーで反射した画像光が結像レンズ及び反射ミラーを介して感光体ドラム107の表面を選択的に露光する。これによって、感光体ドラム107に画像情報に応じた静電潜像を形成する。
【0036】
この潜像の形成と同時にロータリCを回転させる。これによって、イエローカートリッジB1を現像位置に移動させる。そして、カートリッジB1の有する現像ローラ110に所定のバイアス電圧を印加する。これによって、潜像にイエロー現像剤を付着させる。そして、潜像がイエロー現像剤によって現像される。その後、転写ベルト104aの押えローラ(一次転写ローラ)104jに現像剤と逆極性のバイアス電圧を印加する。これによって、感光体ドラム107に形成されたイエロー色の現像剤像を中間転写ベルト104aに一次転写する。
【0037】
上述のようにイエロー現像剤像の一次転写が終了すると、ロータリCが図4に示す矢印X4方向に再び回転する。そして、次のカートリッジB2が移動し、感光体ドラム107に対向した位置に位置決めされる。以上の工程を、マゼンタカートリッジB2、シアンカートリッジB3、ブラックカートリッジB4の各カートリッジについて行う。このように、マゼンダ、シアン、そしてブラックの各色について繰り返すことによって、転写ベルト104a上に4色の現像剤像を重ね合わせる。
【0038】
尚、イエローカートリッジB1は、イエロー色の現像剤を収納しているものであり、イエロー現像剤像を形成する。マゼンタカートリッジB2は、マゼンタ色の現像剤を収納しているものであり、マゼンタ現像剤像を形成する。シアンカートリッジB3は、シアン色の現像剤を収納しているものであり、シアン現像剤像を形成する。ブラックカートリッジB4は、ブラック色の現像剤を収納しているものであり、ブラック現像剤像を形成する。各カートリッジBは、収納している現像剤の色が異なるのみで、構成は同じである。
【0039】
この間、二次転写ローラ104bは、転写ベルト104aとは非接触状態である。この時、クリーニング帯電ローラ104fも転写ベルト104aとは非接触状態である。
【0040】
そして、転写ベルト104a上に4色の現像剤像が形成された後、転写ローラ104bが転写ベルト104aに圧接される(図4)。更に転写ローラ104bの圧接と同期して、レジストローラ対103e近傍で待機していた記録媒体Sが、転写ベルト104aと転写ローラ104bのニップ部に送り出される。そして、同時に次の記録媒体Sが搬送手段103としての給送ローラ103b、搬送ローラ対103cによってカセット103aから搬送される。
【0041】
ここで、レジストローラ対103eの直前にはセンサ(不図示)が配置されている。センサは、記録媒体Sの先端を検知して、レジストローラ対103eの回転を停止し、記録媒体Sを所定の位置で待機させる。
【0042】
また、転写ローラ104bには、現像剤と逆極性のバイアス電圧が印加される。これによって、転写ベルト104a上の現像剤像が、搬送されてきた記録媒体Sに一括して二次転写される。
【0043】
現像剤像が転写された記録媒体Sは、定着手段105に搬送される。これによって、記録媒体Sに現像剤像の定着が行われる。そして、定着が行われた記録媒体Sは、排出ローラ対103gによって、装置本体上部の排出トレイ106に排出される。これによって、記録媒体Sに対する画像の形成が完了する。
【0044】
一方、二次転写終了後に、クリーニング帯電ローラ104fが転写ベルト104aに圧接される。これによって、ベルト104aの表面に残留した現像剤に、所定のバイアス電圧が印加される。そして残留電荷が除電される。
【0045】
除電された残留現像剤は、一次転写ニップ部を介してベルト104aから感光体ドラム107へ静電気的に再転写される。これによって、ベルト104aの表面がクリーニングされる。なお、感光体ドラム107に再転写された二次転写後の残留現像剤は、感光体ドラム107に接触しているクリーニングブレード117aによって除去される。
【0046】
除去された現像剤は、搬送経路(不図示)をたどり、除去現像剤ボックス107dに回収される。
【0047】
尚、収容部130aは先に説明したカートリッジBが収納される空間で、ロータリCに複数箇所設けられている。カートリッジBがこの空間に取り付けられた状態で、ロータリCが一方向へ回転する。これによって、カートリッジBの回転力伝達部品150(後述する)が、装置本体Aに設けられた本体側係合部(駆動軸180及び/又は回転力付与部182)に連結(係合)し及び本体側係合部(駆動軸180及び又は回転力付与部182)から離脱する。ここで、カートリッジB(現像ローラ110)は、収容部130aに取り付けられた状態で、ロータリCの一方向への移動に応じて、駆動軸180の回転軸線L3方向と実質的に直交する方向に移動する。これによって、現像ローラ110が感光体ドラム107に対して接離可能になっている。
【0048】
(3)現像ローラの構成
次に、図5を用いて、現像ローラの構成について説明する。図5(a)は、現像ローラ110を現像ローラ110が本体Aから駆動力(回転力)を受ける側(以下単に「駆動側」と称す)から見た斜視図である。図5(b)は非駆動側(現像ローラの軸線方向において、駆動側とは反対側を「非駆動側」と称す)から見た斜視図である。
【0049】
現像ローラ110は軸部110b、ゴム部(弾性部材)110aを有する。
【0050】
軸部110bは鉄等の導電性の細長い軸状であり、ゴム部110aで覆われている。また軸部110bは、両端の軸部110b1、110b2が、現像枠体113に軸受(不図示)を介して回転可能に支持されている。即ち、現像ローラ110は、現像枠体113に回転可能に取り付けられている。
【0051】
ゴム部110aは軸部110bと同軸となるように軸部110bに被覆されている。ゴム部110aは、現像剤tを担持し、即ち、表面に現像剤tを付着した状態で、軸部110bにバイアスを印加されることにより、前記静電潜像を現像する。
【0052】
ニップ幅規制部材136、137は、現像ローラ110が感光ドラム107に接触した状態で、感光ドラム107とゴム部110aとの当接によるニップ幅を一定に規制する部材である。
【0053】
前記軸受(不図示)は、現像ローラ110の両端部(軸部)110b1、110b2に配置され、現像枠体113(図1参照)に現像ローラ110を回転自在に支持している。
【0054】
また、ニップ幅規制部材136は現像ローラ110の一端に、ニップ幅規制部材137は現像ローラ110の他端に配置されている。
【0055】
本実施例の現像ローラ110は、感光体ドラム107と接触した状態で、前記潜像の現像を行う(所謂、接触現像方式を用いている)。
【0056】
(4)駆動伝達機構(回転力伝達機構)の説明
現像ギア145は現像ローラ110の端部に、及び、現像剤供給ローラギア146は、供給ローラ115(図1)の端部に配置されている。そして、現像ギア145、現像剤供給ローラギア146はそれぞれ軸に対して固定されている。これによって、装置本体Aからカップリング部材としての回転力伝達部品(以下、「カップリング」と称する)150が受けた回転力は、現像ギア145を介して現像ローラ110に、及び、現像剤供給ローラギア146を介して現像剤供給ローラ115に伝達される。尚、カップリング150が装置本体Aから受けた回転力は、現像ローラ110、及び、現像剤供給ローラ115以外の回転部材に伝達しても良い。
【0057】
次に、カップリング150を取り付けられた(支持する)駆動力伝達部材(以下、「駆動入力ギア」と称する)147について説明する。
【0058】
図6に示すように、駆動入力ギア147は現像ギア145、現像剤供給ローラギア146と噛み合う位置で回転可能に現像ユニット119に取り付けられている。駆動入力ギア147は、現像ギア部(第1ギア部)147a及び現像剤供給ギア部(第2ギア部)147bを有する。現像ギア部147aは、現像ギア145と噛合しており、カップリング150が装置本体Aから受けた回転力を現像ローラ110に伝える。また、現像剤供給ギア部147bは、現像剤供給ローラギア146と噛合しており、カップリング150が装置本体Aから受けた回転力を現像剤供給ローラ115に伝える。尚、現像ギア145は、現像ローラ110の一端に取り付けられている。また、現像剤供給ローラギア146は、現像剤供給ローラ115の一端に設けられている。そして、駆動入力ギア147は、その内部にカップリング取り付け部(カップリング収納部)147jを有している(図8参照)。取り付け部147jは、カップリング150の有する駆動部150bを収納している(取り付けている)。カップリング150は駆動入力ギア147の内側に設けられた抜け止め部147k(147k1、147k2、147k3、147k4)によって、駆動入力ギア147に対し図8C矢印X34方向への移動を規制されている。また、カップリング150は、取り付け部147jに対して、駆動入力ギア147の回転軸線L4(図16(a)(b))に対して傾斜可能に取り付けられている。即ち、カップリング150は、抜け止め部147kによって、取り付け部147jに対して、駆動部150bが被駆動部150aの方向へ移動を規制された状態で、かつ、軸線L4に対して傾斜可能に取り付けられている。
【0059】
尚、軸線L4は、現像ローラ110の回転軸線L1(図5参照)と平行である。
【0060】
更にカートリッジBは現像枠体113と支持部材157とを有しており、現像枠体113に支持部材157が取り付けられている(図2参照)。
【0061】
支持部材157には穴157jが設けられており、その内周面157mが駆動入力ギア147と嵌合している(図16(c)(d)(e)参照)。
【0062】
(5)回転力伝達部品(カップリング、カップリング部材)の説明
次に、図7を用いて、本発明を適用した一実施例である回転力伝達部品であるカップリング(カップリング部材)の一例について説明する。図7Aはカップリング150を装置本体側から見た斜視図であり、図7Bはカップリング150を現像ローラ側から見た斜視図である。また、図7Cはカップリング150を回転軸線L2方向と直交する方向から見た図である。また、図7Dはカップリング150を装置本体側から見た側面図であり、図7Eは図7Dと逆側から見た側面図である。また、図7Fは図7DをS3で切った断面図である。図7Gはカップリング150を回転軸線L2と直交する方向から見た図であり、図7Hはカップリング150が本体側係合部(駆動軸180及び/又は回転力付与部182)と係合した状態を、図7Gと同様の方向から見た図である。
【0063】
カートリッジBを装置本体Aに設けられたロータリCの有するカートリッジ収容部130aに取り外し可能に取り付ける。これは、ユーザーによって行われる。そして、収容部130aにカートリッジBを取り付けた状態で、ロータリCをモータ(不図示)の回転力によって回転させる。そして、カートリッジBが所定位置(感光体ドラム107と対向する位置、現像位置)に達した位置で、ロータリCの回転を停止させる。これによって、カップリング150は、装置本体Aに設けられた前記本体側係合部と係合する。そして、カップリング150は、前記本体側係合部(駆動軸180)と係合した状態で、装置本体Aに設けられたモータ(不図示)から回転力を受ける。そして、カップリング150は、その回転力を現像ローラ110に伝達する。これによって、現像ローラ110が装置本体Aから受けた回転力で回転する。
【0064】
更に、ロータリCを一方向へ回転することによって、カートリッジBを前記所定位置(現像位置)から移動させる。即ち、所定位置から退避させる。これによって、カップリング150は、前記本体側係合部(駆動軸180)から離脱する。本実施例によれば、カップリング150は、現像ローラ110を回転させるための外力を受ける。そして、カップリング150は、前記外力を現像ローラ110に伝達することによって、現像ローラ110を回転させる。ここで、本実施例によれば、前記外力は、駆動軸180によってカップリング150に伝えられる回転力である。即ち、カップリング150は、駆動軸180によってカップリング150に伝えられる前記外力を受けて回転する。
【0065】
カートリッジBは、収容部130aに取り付けられた状態で、ロータリCの回転に応じて、駆動軸180の回転軸線L3方向と実質的に直交する方向に移動する。そして、ロータリCの一方向への回転に応じて、カップリング150は、駆動軸180と係合する、また、駆動軸180から離脱する。
【0066】
前述した通り、駆動軸180はピン182(回転力付与部)を有しており、モータ(不図示)により回転される。
【0067】
尚、カップリング150の材質は樹脂が望ましく、例えばポリアセタールが望ましい。なぜならば、剛性、靭性、加工性のバランスが、本実施例に適しているためである。但し、カップリング150の剛性を上げるために、負荷トルクに応じて、樹脂にガラス繊維等を配合して剛性を上げても良い。また、金属材料を使用しても良い。その材質は、適宜選択可能である。但し、樹脂であれば加工が行い易いため、本実施例の各カップリングは樹脂製である。
【0068】
カップリング150は主に3つの部分を有する。第一の部分は、被駆動部150aである。被駆動部150aは、図7Cに示すように、駆動軸180(後述する)と係合する。そして、被駆動部150aは、駆動軸180に設けられた回転力付与部(本体側回転力伝達部)である回転力伝達ピン182と係合して、ピン182から回転力を受ける。また第二の部分は、駆動部150bである。駆動部150bは、ピン(回転力伝達部)155が駆動入力ギア(回転力受け部、回転力被伝達部)147と係合して、回転力をギア147に伝える。尚、具体的には、駆動部150bは、取り付け部147jに回転力を伝達する。また、第三の部分は、被駆動部150aと駆動部150bとをつなぐ中間部150cである。
尚、ピン182は、駆動軸180の回転軸線L3と直交する方向に向い合って2箇所突出して設けられている(182a1、182a2)(図11)。
【0069】
図7Fに示すように、被駆動部150aは、カップリング150の回転軸線L2に対して広がった駆動軸挿入開口部150mを有する。また、駆動部150bは、球状の球面形状部150i、駆動伝達ピン155、およびカップリング被規制部150jを有する。ここで、被規制部150jは、軸線L2と略同軸線上にあり、後述する被規制部収納部160b(図12)と係合する。これによって、被規制部150jは、軸線L2の傾斜方向を規制することができる。尚、詳細は後述する。
【0070】
開口部150mは、駆動軸180側に向かって(駆動入力ギア147の設けられている側とは反対側に向かって)拡開した円錐形状の駆動軸受け面150fを有する。駆動軸受け面150fは、図7Fに示すように凹部150zを構成している。尚、凹部150zは、軸線L2方向において、駆動入力ギア147の設けられている側とは反対側に開口部150m(開口)を有する。
【0071】
これにより、現像ローラ110のカートリッジB内での回転位相に関わらず、駆動軸180の先端部180bに阻止されることなく、カップリング150が駆動軸180の回転軸線L3に対して移動(傾動)できる。即ち、カップリング150は、係合前角度位置(図24(a)に示す位置)、回転力伝達角度位置(図24(d)に示す位置)、及び、離脱角度位置(図27(c)(d)に示す位置)の間を移動(傾動)できる。
【0072】
尚、詳細は後述する。
【0073】
そして、円形の凹部150zの端面であって、軸線L2を中心とする円周上には、2個の突起(突出部)(係合部)150d(150d1、150d2)が等間隔に配置されている。また、各々の突起150dの間には、進入部150k(150k1、150k2)が設けられている。ここで、突起150d1、150d2の間隔は、この間隔内に、駆動軸180に設けられたピン182が位置できるように、ピン182の外径よりも大きく設定されている。尚、ピン182が回転力付与部である。この突起の間が、進入部150k1、150k2である。カップリング150に駆動軸180から回転力が伝達される際には、進入部150k1、150k2にピン182が位置する。更に、図7Dにおいて、各突起150dの時計周りの方向において、その下流側には、回転力受け面(回転力受け部)150e(150e1、150e2)が設けられている。この回転力受け面150eは、カップリング150の回転方向と交差して設けられている。即ち、突起150d1には受け面150e1、及び、突起150d2には受け面150e2が設けられている。駆動軸180が回転している状態では、ピン182a1、182a2が、受け面150eのいずれかに接触する。これによって、ピン182a1、182a2が接触している受け面150eがピン182に押される。これによって、カップリング150は、軸線L2を中心にして回転する。
【0074】
即ち、カップリング150は、現像ローラ110を回転させるための外力を受ける。そして、カップリング150は、前記外力を現像ローラに伝達することによって、現像ローラ110を回転させる。ここで、本実施例によれば、前記外力は、駆動軸180によってカップリング150に伝えられる回転力である。即ち、カップリング150は、駆動軸180によってカップリング150に伝えられる前記外力を受けて回転する。
【0075】
尚、本実施例においては、突起150d(回転力受け面150e)を軸線L2を中心とする仮想円周上に配置し、かつ、前記中心を挟んで向い合って配置している。従って、カップリング150には、駆動軸180から均等に力が伝達されることになる。これによって、カップリング150は安定して精度良く回転することができる。また、本実施例においては、突起150d(回転力受け面150e)は、2箇所のみとしたので、進入部150kの間隔を広くすることができる。これによって、進入部150kにピン182が進入し易い。従って、回転力受面150eとピン182とを確実に接触させることができる。
【0076】
尚、駆動軸受け面150fは、図7Fに示すように、軸線L2を中心にして先端の角度がα2の円錐となっている。これにより、カップリング150と駆動軸180が係合し、カップリング150が回転力伝達角度位置にある場合に、駆動軸の先端180b(図24参照)が駆動軸受け面150fに接触する。そして、円錐の軸、即ちカップリング150の軸線L2と、駆動軸180の軸線L3(図26参照)とが略同軸線となる。これによって、カップリング150と駆動軸180とが調芯され、カップリング150に伝達される回転トルクが安定する。本実施例において、α2は60°〜150°である。α2の角度によって、開口部150mの非円錐部150n(図7A、図7D)は、広い場合(図8B参照)や、存在しない場合がある。
【0077】
また、回転力受け面150eは軸線L2上に中心を有する仮想円上(同一円周上)C1に配置されていることが望ましい(図7D)。これにより、回転力伝達半径が一定となり、伝達される回転トルクが安定する。また、突起150dは、カップリング150の受ける力の釣り合いにより、カップリング150の位置ができるだけ安定する方が好ましい。そのため本実施例では、各回転力受け面150eを180°対向した位置に配置している。即ち、本実施例では、回転力受け面150e1と回転力受け面150e2を軸線L2を中心にして、対向させて対で構成している。なぜなら、180°でもって対向した位置に配置することにより、カップリング150の受ける力は偶力となる。そのため、カップリング150は偶力を与えるだけで回転運動を続けることができる。そこで、軸線L2の位置を規定しなくとも、カップリング150は回転することができるからである。
【0078】
更に、本実施例においては、回転力受け面150eが、平坦部150xに対して一定の角度α5をもって面している(図7G参照)。ここで、90°>α5>0°である。回転力受け面150eがピン182から駆動力F2を受ける際、図30(b)に示すように、角度αによって、カップリング150に軸線L2方向の分力F3が発生する。この分力F3によって、カップリング150が、駆動軸180の方に引き込まれる。すなわち、カップリング150が駆動軸180方向に移動する。こうすることにより、凹部150zが駆動軸先端部180bと係合し易くなり、カップリング150と駆動軸180の係合がより確実となる。尚、本実施例においては、α5は約10°である。
【0079】
ここで、本実施例の場合には、前記ピン182の直径を約2mmとした。この場合に、進入部150kの周長は、約8mmとした。尚、進入部150kの周長とは、隣り合う突起150dの円弧上(仮想円上)の間隔である。但し、これに限定されるものではない。これによって、進入部150kにピン182を進入させ易くしている。
【0080】
また、突起150dは、凹部150zの先端側(駆動入力ギア147の設けられている側とは反対側)に設けられている。即ち、カップリング150の先端側に設けられている。そして、突起(突出部)150dは、カップリング150が回転する回転方向と交差する交差方向に突出して、及び、前記回転方向に沿って間隔をあけて2箇所設けられている。即ち、突起150dを2個配置することにより、回転した状態の駆動軸180と係合する際、より確実な係合が可能となる。
【0081】
そして、ロータリC(収容部130a)が、カートリッジBを取り付けられた状態で回転する。そして、ロータリCが回転しながら、カップリング150が駆動軸180と係合する。そして、回転力受け面150eはピン182と係合して、回転力受け面150eは、回転する駆動軸180から力を受けるピン182によって押される。これによって、回転力受け面150eは、駆動軸180からの回転力を受ける。更に、ロータリCが回転し、所望のカートリッジBの有する現像ローラ110が感光体ドラム107と向い合う現像位置に到達してロータリCは回転を停止する。また、受け面150eは、軸線L2から等距離に、及び、軸線L2を挟んで対になって位置するように、各突起150dにおいて、前記交差方向に設けられた面に設けられている。
【0082】
また、進入部(窪み)150kが、前記回転方向に沿って、及び、軸線L2方向に窪んで設けられている。進入部150kは、突起150dと突起150dとの間に設けられている。尚、駆動軸180が回転を停止している場合に、カートリッジBがロータリCに取り付けられた状態で、カップリング150が駆動軸180と係合すると、ピン182が進入部150kに進入する。そして、回転する駆動軸180のピン182によって、受け面150eが押される。あるいは、カップリング150が駆動軸180と係合する際に、駆動軸180が既に回転している場合には、ピン182が進入部150kに進入して、ピン182が受け面150eを押す。これによって、カップリング150が回転する。尚、回転力受け面(回転力受け部)150eは、駆動軸受け面150fの内側に配置されていても良い。或いは、受け面150eは、軸線L2方向において、駆動軸受け面150fから外方へ突出した箇所に配置されていても良い。受け面150eが、駆動軸受け面150fの内側に配置されている場合には、進入部150kも駆動軸受け面150fの内側に配置される。即ち、進入部150kは、駆動軸受け面150fの円弧部の内側で、且つ、突起150d間に位置する窪みである。また、受け面150eが、前記外方へ突出した箇所に配置されている場合には、進入部150kは、突起150d間に位置する窪みである。尚、ここで、窪みとは、軸線L2方向において、貫通している穴であっても、或いは、底部を有している場合であっても含まれる。即ち、窪みとは、突起150d間に位置している空間領域であれば良い。そして、カートリッジBがロータリCに取り付けられた状態で、前記領域に、ピン182が進入できればよい。
【0083】
駆動部150bは、駆動入力ギア147のカートリッジB内での回転位相がどこであっても、駆動入力ギア147の軸線L1(図10参照)に対して、回転力伝達角度位置と、係合前角度位置(または、離脱角度位置)の間を移動できるように球面部を有する。尚、前記回転力伝達角度位置は第1の角度位置である。また、前記係合前角度位置は第2の角度位置である。また、離脱角度位置は第3の角度位置である。図示例では、駆動部150bは、軸線L2を軸線とする球状の抜け止め部150iを有する。そして、駆動部150bの中心を通る位置に伝達ピン155を通す固定穴150gが設けてある。さらに、軸線L2を軸線とする円柱状のカップリング被規制部150jは、駆動部150bの球状部を中心として、中間部150cの反対側に設けてある。尚、この被規制部150jは、後述する被規制部収納部160b(図12)と係合する。これにより、カップリングの軸線L2の傾斜方向を規制する。尚、詳細は後述する。
【0084】
この実施例では、カップリング150は一体であるが、被駆動部150a、中間部150cと駆動部150bとに分割され、結合することによって一体化することも可能である。その他、様々な分割が可能であるが、カップリングとして一体的に動作可能であれば、どのように分割しても良い。
【0085】
尚、カップリング150は、先端側には、円形の平坦部150xと、平坦部150xの中心Oに円形の凹部150zと、を有している。そして、回転力受け部150eを平坦部150xの縁から突出させて、かつ、平坦部150xの中心を挟んで互いに向い合って設けている(図6等)。即ち、回転力受け面(回転力受け部)150eが設けられた先端側には、円形の平坦部150xと、平坦部150xの中心に設けられた円形の凹部150zが設けられている。
【0086】
尚、平坦部150xは設けなくても良い。しかしながら、本実施例のように、ロータリCの回転中心が揺動するような場合には、平坦部150xを設けることによって、カップリング150が駆動軸180と係合する際に、より確実に係合することができる。
【0087】
前述した通り、回転力伝達部品としてのカップリング150はカートリッジBに用いられる。カートリッジBは、電子写真画像形成装置の装置本体Aに、駆動軸180の軸線L3方向と実質的に直交する方向に移動させて取り外し、及び、取り付けられる。即ち、カートリッジBは、駆動軸180の軸線L3方向と実質的に直交する方向に移動する。尚、駆動軸180は装置本体Aに設けられている。また、カートリッジBは、許容部160b2と規制部160b1とを有する規制部材160を有する。許容部160b2は、カップリング150が実質的に旋回することを許容する。また、規制部160b1は、カップリング150の傾斜角度位置を規制する。尚、突出部としての被規制部150jが、許容部160b2に位置する状態では、被規制部150jは、規制部材160と係合(接触)していない。
【0088】
そして、カップリング150は、球面形状部(抜け止め部)150iと、カップリング150の長手方向において、球面形状部150iの一端側に凹部150zを有する。即ち、凹部150zは、前記長手方向において、一端側に設けられている。また、球面形状部150iは、前記一端側とは反対側の他端側に設けられている。そして、凹部150zは、カートリッジBが装置本体Aに装着された状態で駆動軸180と係合する。また、カップリング150は、突起150dを有する。突起150dは、凹部150zの中心O(回転軸線L1)を挟んで向い合って、かつ、長手方向において、球面形状部150iとは反対側に突出して設けられている。即ち、突起150dは、前記長手方向において、前記一端側の先端に前記長手方向に突出して設けられている。突起150dは、カートリッジBが装置本体Aに装着された状態で駆動軸180から回転力を受ける。尚、突起150dは、複数箇所に配置されている。また、カップリング150は、前記長手方向において、球面形状部150iに対して前記一端側とは反対側に突出して設けられた突出部としての被規制部150jを有する。被規制部150jは、カップリング150がカートリッジBに取り付けられた状態で、カップリング150が実質的に旋回することを許容する許容部160b2と、カップリング150の傾斜角度位置を規制する規制部160b1との間を移動可能に設けられる。
【0089】
また、カップリング150は、カップリング150の長手方向において、突起150dと被規制部150jとの間に、かつ、球面形状部150iを間に挟んで球面形状部150iから外側に突き出て設けられた複数のピン(回転力伝達部)(突き出し部)155を有する。ピン155は、カートリッジBが装置本体Aに装着された状態で、突起150dが駆動軸180から受けた回転力を現像ローラ110に伝達する。即ち、ピン155は、回転力受け面(回転力被伝達部)147hと係合して、回転力受け面147hに回転力を伝達する。これによって、駆動入力ギア147が回転し、駆動入力ギア147が有する第1ギア部147aを介して現像ローラ110に回転力を伝達する。また、駆動入力ギア147が有する第2ギア部147bを介して現像剤供給ローラ115に回転力を伝達する。
【0090】
ここで、カップリング150の長手方向とは、被規制部150jの先端から突起150dの先端に至る方向である。
【0091】
また、カップリング150の一対の突起部150dに設けられた一対の回転力受け面150eは、カップリング150の回転軸線L2と直交する軸L5と平行に設けられている。一方、カップリング150の一対のピン(回転力伝達部)155は、カップリング150の回転軸線L2を中心に対向して突出しており、ピン155の中心軸L6はカップリング150の回転軸線L2と直交する。ここで、この回転力受け面150eと平行で、カップリングの回転軸線L2と直交する直線L5に対して、ピン155の中心軸L6がなす、カップリング150の回転軸線L2回りの角度をα7とする(図33(b)参照)。カップリング150が回転力を受けて回転する回転方向X5を正とすると、α7の値は0°≦α7≦60°および150°≦α7<180°である。尚、詳細は後述する。
【0092】
更に、カップリング150は、突起150dが設けられている先端側に、円形の平坦部150xを有している。そして、凹部150zは平坦部150xの中心Oに設けられている。また、突起150dは平坦部150xの縁から突出して、かつ、平坦部150xの中心Oを挟んで互いに向い合って設けられている。
【0093】
ここで、突起150dは、中心Oを中心とする仮想円C1上に配置されている。尚、被規制部150jは円柱形状である。
【0094】
次に、図8を用いて、カップリング150を取り付ける(支持する)駆動入力ギア147について説明する。
【0095】
図8Aに示した開口部147g1、147g2は駆動入力ギア147の回転軸方向に沿った溝になっている。カップリング150を取り付ける際、回転力伝達ピン(回転力伝達部)(突き出し部)155がこの開口部147g1、147g2に進入する。
【0096】
開口部147g1、147g2の中で伝達ピン155が移動する。これによって、カートリッジB内で駆動入力ギア147の回転位相がどこであっても、カップリング150が、回転力伝達角度位置と、係合前角度位置(または、離脱角度位置)の間を移動可能となる。
【0097】
また、図8Aにおいて、開口部147(147g1、147g2)の時計周り方向上流側には、回転力受け面(回転力被伝達部)147h(147h1、147h2)が設けられている。そして、回転力受け面147hに、カップリング150の伝達ピン(回転力伝達部)155の側面が接触する。これにより、現像ローラ110に回転力が伝達される。つまり、回転力受け面147h1〜147h2は、駆動入力ギア147の回転方向と交差した面である。これによって、回転力受け面147h(147h1、147h2)は、伝達ピン155の側面に押されて回転軸線L1(図8B参照)を中心に回転する。尚、軸線L4は、駆動入力ギア147の回転軸線である。
【0098】
また、カップリング150は、後述する通り、軸線L4に対して実質的に全方向にわたって傾斜可能なように、ピン(回転力伝達部)155と係合する回転力受け面(回転力被伝達部)147hとの間に隙間を有している(図8D)。
【0099】
このように、カップリング150は、カートリッジBの長手方向端部に取り付けられている。従って、カップリング150は、回転軸線L4に対して実質的に全方向にわたって傾斜可能である。前述した通り、カップリング150は、カートリッジBがロータリCに装着された状態で、駆動軸180から回転力を受け、その回転力を現像ローラ110(及び現像剤供給ローラ115)に伝達するものである。そして、カップリング150は、ピン182と係合して駆動軸180からの回転力を受ける回転力受け面150eと、回転力受け面150eを介して受けた前記回転力を現像ローラ110に伝達するためのピン(突き出し部)155を有する。尚、ピン182は回転力付与部である。また、回転力受け面150eは回転力受け部である。また、ピン155は回転力伝達部である。ピン155は、回転力受け面(回転力被伝達部)147hと係合して、回転力受け面147hに回転力を伝達する。これによって、駆動入力ギア147が回転し、駆動入力ギア147が有する第1ギア部147aを介して現像ローラ110に回転力を伝達する。また、駆動入力ギア147が有する第2ギア部147bを介して現像剤供給ローラ115に回転力を伝達する。
【0100】
そして、ロータリCが回転する際に、カートリッジBが移動するのに応じて、カップリング150が駆動軸180と接触する。これによって、カップリング150が規制部160b1から許容部160b2へ移動するのに伴って、カップリング150が前記係合前角度位置から前記回転力伝達角度位置に移動する。これによって、カップリング150が駆動軸180と対向して駆動軸180から回転力を受ける。及び、カップリング150が駆動軸180と対向する位置からロータリCが更に回転する際には、カートリッジBが移動するのに応じて、カップリング150が前記回転力伝達角度位置から前記離脱角度位置に移動する。これによって、カップリング150が駆動軸180から離脱する。
【0101】
図8Bに示したように、駆動入力ギア147にはカップリング150の駆動伝達部150bを収納するカップリング取り付け部147jが設けられている。
【0102】
また、カップリング取り付け部147jには、収納した伝達部150bが、駆動入力ギア147から抜ける(脱落する)事を防止するための、抜け止め部147k(147k1〜147k4)が設けられている。
【0103】
図8Bは、カップリング150を駆動入力ギア147に固定する工程を示す断面図である。
【0104】
まず、カップリング150をX33方向に移動させる。そして、伝達部150bを取り付け部147jに挿入する。挿入前において、抜け止め部(球面形状部)150iの直径φZ6は、抜け止め部147kの内側稜線147m(147m1〜147m4)によって構成される円の直径φD15(図8A)より大きい。即ち、Z6>D15の関係にある。
【0105】
伝達部150bの挿入に従い、抜け止め部147k(147k1〜147k4)が、弾性変形により一時的に駆動入力ギア147の半径方向外側に退避する。これによって、伝達部150bが取り付け部147jに挿入可能となる。即ち、一時的にD15>Z6の関係となる。取り付け部147jへの伝達部150bの挿入が完了すると、弾性変形していた抜け止め部147k(147k1〜147k4)は、元の状態に戻る。即ち、Z6>D15の関係となる。
【0106】
次に、抜け止め部材156を矢印X33方向から挿入して、駆動入力ギア147に固定する。ここで、被駆動部150aの外径φD10は、抜け止め部材156の開口156iの直径φD16よりも小さい。即ち、D16>D10の関係にある。この関係により、カップリング150を駆動入力ギア147に挿入した状態で、抜け止め部材156を駆動入力ギア147へ挿入することができる。また、図8Cに示すように、抜け止め部材の挿入により、抜け止め部147k(147k1〜147k4)の、駆動入力ギア147の半径方向外側への弾性変形が防止される。これによって、Z6>D15の関係が保たれる。この状態において、カップリング150に挿入方向とは反対方向の力が働いた場合であっても、カップリング150が駆動入力ギア147から抜ける(脱落する)のを防ぐことができる。尚、挿入方向とは反対方向の力が働いた場合とは、カップリング150(伝達部150b)が取り付け部147jから抜け出るX34方向に力が働いた場合である。なぜならば、伝達部150bが抜け止め部147k(147k1〜147k4)の抜け止め面147l(147l1〜147l4(但し、147l3、147l4は不図示)、図8B参照)に接触して、それ以上の移動を規制されるからである。取り付け部147jは、駆動入力ギア147の内側に設けられている。
【0107】
これにより、カップリング150と駆動入力ギア147、及び、抜け止め部材156が一体となった駆動ユニットU(図8C、図16(a)(b))となる。
【0108】
尚、図8Eに示すように、支持部材157のカップリング抜け止め部157aとして後述する抜け止め部材156を支持部材157と一体とすることもできる。この場合、前記説明した工程の、抜け止め部材156を駆動入力ギア147に固定する工程が省略される。そして、後述するカップリング150を現像枠体(カートリッジ枠体)113に取り付ける際に、支持部材157の有するカップリング抜け止め部157aが駆動入力ギア147に挿入される(図8Eに示す状態)。図8Eに示す状態において、抜け止め部157aは、ギア147の抜け止め部147k(147k1〜147k4)の、半径方向外側への弾性変形を防止する。これによって、抜け止め部157aは、カップリング150が駆動入力ギア147から抜ける(脱落する)ことを防ぐ。尚、前述した抜け止め部157aの機能は、抜け止め部材156の機能と同様である。
【0109】
カップリング150は、駆動入力ギア147内において、回転力伝達角度位置と係合前角度位置、及び離脱角度位置の間を移動(傾動)可能に取り付けられている。また、抜け止め部147k(147k1〜147k4)は、カップリング150が、駆動入力ギア147に対してX34方向に移動するのを規制する。つまり、開口の内側稜線147m(147m1〜147m4)は、抜け止め部150iの直径φZ6よりも小さな直径φD15である。
【0110】
即ち、前述した通り、軸受部160aには、現像ギア部(第1ギア部)147aと現像剤供給ローラギア部(第2ギア部)147bとを有する駆動入力ギア147(回転部材)が回転可能に嵌合している。そして、駆動入力ギア147の内側にはカップリング150が取り付けられている。そして、カップリング150は、カップリング150(被規制部150j)が許容部160b2に位置している場合には、実質的に旋回可能となるように取り付けられている。このような構成によって、カップリング取り付け構成をコンパクトにすることができる。尚、突起150dと同様に、回転力伝達面(回転力伝達部)150h1、150h2は同一円周上に180°対向して配置されていることが望ましい。
【0111】
以上のようにユニット化することにより、カップリング150と駆動入力ギア147を一体的に扱うことができる。これによって、カップリング150をカートリッジBに組み付ける際の取り扱いが容易になる。従って、組み立て性の向上が実現できる。尚、抜け止め部147kの強度が充分であれば、抜け止め部材を無くすことも可能である。
【0112】
前述した通り、カップリング150は、後端側が、駆動入力ギア(回転部材)147の内側に旋回可能に、かつ、カップリング150が駆動入力ギア147から抜け出さないように、駆動入力ギア147に取り付けられている。即ち、カップリング150は、カップリング150の長手方向(軸線L2方向)において先端側に向かう移動を規制するように抜け止め部(球面形状部)150iを有している。そして、ピン(回転力伝達部)155を抜け止め部150iから前記長手方向と直交する方向へ突出して設けている。この抜け止め部150iの先端側に向かう移動を抜け止め部147kによって規制している。このような構成によって、カップリング取り付け構成をコンパクトにすることができる。
【0113】
尚、カップリング150の先端側とは、カートリッジBがロータリCに取り付けられた状態で、駆動軸180と対向する側(駆動軸180と係合する側)である。また、後端側とは、先端側とは反対側であって、現像ローラ110に回転力を伝達する側(駆動入力ギア147に取り付けられる側)である。
【0114】
次に、図10を用いて、カップリング150の、駆動入力ギア147に対する移動範囲に関して説明する。
【0115】
図10は、駆動入力ギア147とカップリング150の結合状態を表した図である。図10(a1)〜(a5)は駆動軸180の方向から見た図であり、図10(b1)〜(b5)はその斜視図である。
【0116】
ここで、図10に示すように、カップリング150は、その回転軸線L2が軸線L4に対して、どのような方向にも傾斜できるように取り付けられている。尚、駆動軸180は、ロータリCの長手方向一端に位置して、装置本体Aに設けられている。駆動軸180は、回転可能に装置本体Aに位置決めして設けられている。即ち、駆動軸180は、その回転軸線と実質的に直交する方向に移動しないように装置本体Aに固定されている。図10(a1)、(b1)において、軸線L2は軸線L4と同軸線上にある。図10(a2)(b2)には、この状態から、カップリング150を上向きに傾斜させたときの状態を示した。カップリング150が、開口部147gが設けられた方向へ傾斜している。この状態で、伝達ピン155は開口部147gに沿って移動する(図10(a2)(b2))。その結果、カップリング150は、開口部147gと直交する軸線AXを中心に傾斜する。
【0117】
図10(a3)(b3)においては、カップリング150を右向きに傾斜させた状態を示している。このようにカップリング150が、開口部147gと直交する直交方向へ傾斜しているとき、ピン155は開口部147gの中で回転する。ピン155が回転する際のピン155の軸線は、ピン155の中心軸線AYである。
【0118】
図10(a4)(b4)及び図10(a5)(b5)において、カップリング150を下向きに傾けた状態及び左向きに傾けた状態を示した。カップリング150は、各々回転軸線AX、AYを中心にして傾斜する。
【0119】
ここで説明した傾斜方向と異なる方向、及び、中間位置では、カップリング150は、軸線AX回りの回転と、軸線AY回りの回転とが合わさって傾斜する。尚、前記傾斜方向と異なる方向とは、例えば図10(a2)と(a3)、(a3)と(a4)、(a4)と(a5)、(a5)と(a2)である。このように、軸線L1に対して、軸線L2はどのような方向にも傾斜することができる。
【0120】
尚、軸線L2は軸線L4に対してどのような方向にも傾斜可能であると説明した。しかしながら、軸線L2は軸線L4に対して、必ずしも360°いずれの方向にも所定の角度まで傾斜可能である必要はない。その場合、例えば、開口部147gを円周方向に広めに設定しておけばよい。このように設定しておけば、軸線L2が軸線L4に対して傾斜する際、直線的に所定の角度傾斜できない場合であっても、カップリング150が軸線L2まわりに少し回転する。これにより、軸線L2は軸線L4に対して、所定の角度まで傾斜することができる。つまり、開口部147gの回転方向のガタ(遊び)は、必要に応じて適宜選択できる。
【0121】
先に説明したように(図8参照)、抜け止め部150iが抜け止め面147lに接触している。そのため、カップリング150は抜け止め部(球面形状部)150iの球中心P2を回動中心にして取り付けられている。つまり、駆動入力ギア147の位相に関わらず、軸線L2は傾斜可能に取り付けられている。即ち、カップリング150は、軸線L4に対して旋回可能である。また、後述するが、カップリング150が駆動軸180と係合するためには、係合直前において、軸線L2は軸線L4に対して、回転方向X4において下流側に傾斜している必要がある。つまり、図11に示すように、被駆動部150aの位置が、ロータリCの回転方向X4において下流側となるように、カップリング150は、軸線L4に対して、軸線L2が傾斜している必要がある。
【0122】
図2は軸線L2が軸線L4に対して傾斜した状態を示している。また、図9は、図2をS24−S24で切った断面図を示している。
【0123】
これまで説明した構成により、図9に示す軸線L2が傾斜した状態から、軸線L2が軸線L4と略平行な状態になることも可能である。また、軸線L4と軸線L2の最大傾斜可能角度α4(図9)は、駆動部150a及び中間部150cが端部部材151や支持部材157に接触するまでである。そして、角度α4は、装置本体へ着脱する際に必要な値にすることができる。ここで、最大傾斜可能角度α4は、本実施例の場合は20°〜80°である。
先に、カップリング150が駆動軸180と係合する直前において、軸線L2は軸線L4に対して、回転方向X4において下流側へ傾斜する必要があると述べた。次に、その規制方法について説明する。
【0124】
(6)角度位置規制部材の説明
次に、図12及び図13を用いて、カップリング150の傾斜方向を規制する角度位置規制部材(以下、「規制部材」と称す。)160について説明する。
【0125】
尚、回転力伝達角度位置は第1の角度位置である。また、係合前角度位置は第2の角度位置である。また、離脱角度位置は第3の角度位置である。
【0126】
本実施例を適用した規制部材160によれば、カートリッジBが、ロータリCに取り付けられる前であっても、カップリング150を係合前角度位置(第2の角度位置)に維持することができる。即ち、カートリッジBが単独で存在する場合であっても、カップリング150を係合前角度位置(第2の角度位置)に維持することができる。従って、カートリッジBを運搬する際等に、カップリング150が不用意に移動することを防止できる。
【0127】
これは、本発明を適用した本実施例の顕著な効果の一つである。
【0128】
図12(a)は、規制部材160を現像ローラ110の長手方向外側から見た斜視図である。図12(b)は、規制部材160を前記外側から見た側面図である。図12(c)、図12(d)は、規制部材160の形状の他の実施例を示している。図13(a)は、カップリング150が回転力伝達角度位置(後述)にある場合の、カップリング150と規制部材160との位置関係を示す斜視図である。図13(b)は、カップリング150が係合前角度位置(後述)にある場合の、カップリング150と規制部材160との位置関係を示す斜視図である。また、図13(c)、図13(d)は、それぞれ図13(a)、図13(b)の状態における、駆動入力ギア147と抜け止め部材156の状態を示したものである。図13(e)は、カップリング被規制部150jが位置決め部(規制部)160b1に位置した状態を示した斜視図である。図13(f)は、被規制部150jが許容部160b2に位置した状態を示した斜視図である。図13(g)は、規制部材160に係合したカップリング150を下から見た斜視図である。尚、図13(g)においては、規制部材160の底の図示を省略している。実際には、規制部材160には底が有るので、被規制部150jは見ることができない。
【0129】
規制部材160は、円形の軸受部160aと、被規制部収納部160bとを有する。ここで、規制部材160は溝160gを有する。そして収納部160bは溝である。そして、軸受部160aは、溝160gを囲んで設けられている。更に、収納部160bは、位置決め部160b1と、許容部160b2とを有する。尚、規制部材160は、前述の軸受138と一体となっている。即ち、規制部材160は、軸受138の外側表面に設けられている。
【0130】
軸受部160aは、駆動入力ギア147の内周面147i(図8B参照)を、回転自在に支持する。即ち、軸受部160aの外周面に内周面147iを嵌合する。これによって、駆動入力ギア147は、軸受部160aに回転可能に取り付けられる。更に、収納部160bに、被規制部150jが収納される。この状態において、カップリング150は、被規制部150jが収納部の壁160b3と干渉しない範囲で、自由に移動可能となる。尚、被規制部150jは円柱形状である。被規制部150jは、駆動部150bから軸線L2と同軸線上に中間部150cとは反対側に突出している。即ち、被規制部150jは、カップリング150の端部から、突出している。具体的には、被規制部150jは、抜け止め部(球面形状部)150iと同軸線上に設けられており、かつ、抜け止め部150iから中間部150cとは反対側に突出している。このような構成によって、カップリング取り付け構成をコンパクトにすることができる。カップリング150は、駆動軸180と係合する前に、弾性部材(付勢部材)等(後述する)により係合前角度位置をとる。その時、被規制部150jが位置決め部(規制部)160b1に接触する。即ち、カップリング150は、被規制部(突出部)150jの円柱部分が、位置決め部160b1としてのV溝部の壁160b4に突き当たって傾斜方向が規制される。カップリング150の有する被規制部(突出部)150jは、回転力受け面(回転力受け部)150eが設けられているのとは反対側の後端に、突出して設けられている。すなわち、被規制部150jは、位置決め部160b1としての幅の狭い部分160b7のV溝部160b4に突き当たって傾斜方向が規制される。また、カップリング150は、規制部150jの先端が位置決め部160b1に接触して傾斜角度が規制される。従って、カップリング150は、駆動軸180との係合に最適な係合前角度位置に位置決めされる。すなわち、規制部150jが位置決め部160b1によって傾斜方向を規制される。これによって、カップリング150は、係合前角度位置に位置決めされる(図13(e)は、傾斜して図示しているカップリング150が、係合前角度位置に位置決めされている状態を示している)。この位置については後述する。即ち、位置決め部160b1は、カップリング150が係合前角度位置に存在する場合のみ、位置決めとして作用する。
【0131】
そして、カップリング150が係合前角度位置以外の位置にある場合には、規制部150jが許容部160b2の壁160b3と干渉しない範囲で、自由に移動可能となる。即ち、カップリング150が、係合前角度位置と回転力伝達角度位置の間、回転力伝達角度位置、回転力伝達角度位置と離脱角度位置の間、離脱角度位置にある場合には、規制部150jが許容部160b2の壁1603と干渉しない範囲で、自由に移動可能となる。言い換えると、被規制部150jが位置決め部(規制部)160b1と接触していない場合には、カップリング150は旋回可能である(図13(f)及び、図13(e)において垂直に図示したカップリング150がこの状態のカップリングである)。こうすることで、カップリング150が駆動軸180と係合した状態で、係合前角度位置から回転力伝達角度位置に移動する際、または回転力伝達位置から離脱角度位置に移動する際に、カップリング150は駆動軸180に倣って移動することができる。従って、カップリング150は、ロータリC(後述する)が半径方向に移動する場合であっても、即ち、カップリング150がロータリCの半径方向に移動する場合であっても、カップリング150にかかるストレスを少なく抑えることができる。従って、カップリング150は、駆動軸180と円滑に係合することができ、また、駆動軸180から離脱することができる。尚、許容部160b2は、許容部160b2としての幅の広い部分160b8を有している。
【0132】
また、カップリング150が前記付勢部材によって、係合前角度位置以外の位置から係合前角度位置に移動する場合には、被規制部150jが許容部160b2の壁160b3にガイドされ、位置決め部160b1に導かれる。そして、カップリング150は、係合前角度位置に傾斜する。
【0133】
前述した通り、規制部材160は、カップリング150を駆動軸180と係合する前の係合前角度位置に規制する位置決め部(規制部)160b1と、カップリング150部材が実質的に旋回することを許容する許容部160b2を有する。
【0134】
尚、被規制部収納部160bの形状は、位置決め部162aと許容部162bとが上述の機能を満たせば、図12(c)及び図12(d)のような形状にすることも可能である。即ち、図12(c)に示した実施例は、位置決め部(規制部)160b1の形状を円弧形状160b6にし、また、許容部160b2の形状を曲面にしたものである。また、図12(d)に示した実施例は、許容部160b2の形状を湾曲させたものである。
【0135】
前述した通り、規制部材160は溝160gを有している。そして、溝160gは規制部としての位置決め部160b1としての幅の狭い部分160b7と許容部160b2としての幅の広い部分160b8とを有している。また、カップリング150は後端に、突出した被規制部150j(突出部)を有している。そして、カップリング150は、被規制部150jが幅の狭い部分160b7に位置する状態で傾斜方向を係合前角度位置に規制され、被規制部150jが幅の広い部分160b8に位置する状態で係合前角度位置から回転力伝達角度位置に傾斜することを許容される。ここで、被規制部150jは幅の狭い部分160b7の壁160b4に接触することによって規制される。また、カップリング150は、被規制部150jが許容部160b2に位置する場合には、旋回可能である。即ち、軸線L4に対して旋回することを許容される。カップリング150が旋回可能な状態は、被規制部150jが幅の広い部分160b8に位置しており、かつ、壁160b3には接触していない状態である。
【0136】
溝160gは周面が円形の軸受部(円形部)160aに囲まれて設けられている。軸受部160aには、現像ギア部(第1ギア部)147aと供給ローラギア部(第2ギア部)147bとを有する駆動入力ギア147(回転部材)が回転可能に嵌合している。駆動入力ギア147の内側にはカップリング150が取り付けられており、かつ、カップリング150(被規制部150j)が許容部160b2に位置している場合には、実質的に旋回可能となるように取り付けられている。
【0137】
前述した通り、本実施例を適用した規制部材160によれば、カートリッジBが、ロータリCに取り付けられる前であっても、カップリング150を係合前角度位置(第2の角度位置)に維持することができる。即ち、カートリッジBが単独で存在する場合であっても、カップリング150を係合前角度位置(第2の角度位置)に維持することができる。従って、カートリッジBを運搬する際等に、カップリング150が不用意に移動することを防止できる。
【0138】
次に、図14、15を用いて、カップリングを係合前角度位置に移動させるためのカップリング弾性部材(付勢部材)について説明する。図14は、支持部材157に弾性部材159を取り付けた状態を示した斜視図である。図15は、支持部材157に付勢部材(以下、「バネ」と称する)159を取り付けたカートリッジBの斜視図である。
【0139】
図14に示すように、支持部材(取り付け部材)157の外側面157iに、バネ取り付け部157e1、及び、バネ回転止め157e2を設けている。また、取り付け部157e1に、ねじりコイルバネであるバネ(付勢部材、弾性部材)159のコイル部(一端)159bを取り付けている(固定している)。そして、バネ回転止めe2に、バネ159の回転止めアーム159cが接触している。そして、図15に示すように、バネ159の接触部159aが、カップリング150の中間部150cに接触している。この状態で、バネ159がねじれて弾性力を発生させる。これにより、カップリング150は軸線L2を軸線L4に対して傾斜させている(図15に示す状態)。即ち、カップリング150は、係合前角度位置に傾斜している。尚、バネ159の中間部150cに対する接触位置は、回転方向X4において、カップリング150の駆動部150bの中心よりも上流側に設定している。そのため、軸線L2は、軸線L4に対して、被駆動部150a側が回転方向X4において下流側に向くように傾斜する。尚、回転方向X4は、ロータリCの回転方向である。
【0140】
尚、本実施例ではバネ159として、ねじりコイルバネを用いたが、この限りではない。例えば、弾性部材(付勢部材)として、板ばね、ゴム、スポンジ等、弾性力を発生させるものであれば良い。但し、軸線L2を傾斜させるためにある程度ストロークを必要とする。そのために、ストロークを得られるものが望ましい。バネ(付勢部材、弾性部材)159は、カップリング150を係合前角度位置(第1の角度位置)に位置させるために、カップリング150が規制部160b1に位置するように弾性力によってカップリング150を付勢している。バネ(付勢部材、弾性部材)の弾性力でカップリングを付勢することによって、より確実にカップリング150を係合前角度位置(第1の角度位置)に維持させることができる。即ち、バネ(付勢部材、弾性部材)159によって、カップリング150が位置決め部(規制部)160b1に位置するように、カップリング150を弾性的に付勢している。
【0141】
そして、ロータリCが回転する際に、カートリッジBが移動するのに応じて、カップリング150が駆動軸180と接触する。これによって、カップリング150がバネ(弾性部材)159の弾性力に抗して規制部160b1から許容部160b2へ移動する。それに伴って、カップリング150が前記係合前角度位置から前記回転力伝達角度位置に移動する。これによって、カップリング150が駆動軸180と対向して駆動軸180から前記回転力を受ける。また、カップリング150が駆動軸180と対向する位置からロータリCが更に回転する際には、カートリッジBが移動するのに応じて、カップリング150がバネ159の前記弾性力に抗して前記回転力伝達角度位置から前記離脱角度位置に移動する。これによって、カップリング150が駆動軸180から離脱する。
【0142】
(7)カップリングのカートリッジ枠体への組み付け
次に、図16を用いて、カップリング150を、現像枠体(カートリッジ枠体)に組み付ける方法について説明する。図16(a)は、駆動入力ギア147(カップリング150、抜け止め部材156を含む)、支持部材157、バネ159を取り付ける前の、カートリッジBの斜視図である。図16(b)は、支持部材157及びバネ159を取り付ける前の、カートリッジBの斜視図である。図16(c)は、バネ159を取り付ける前の、カートリッジBの斜視図である。図16(d)は、組み付けが完了した状態のカートリッジBの斜視図である。図16(e)は、組み付けが完了した状態のカートリッジBを、短手の位置関係はそのままに、長手方向に分解した斜視図である。
【0143】
現像枠体113(カートリッジ枠体)には、規制部材160を備えた軸受138、現像ローラ110、現像剤供給ローラ115が取り付けてある。更に、現像ローラ110には、駆動入力ギア147から現像ローラ110に回転力を伝達するための現像ローラギア145が取り付けられている。また、現像剤供給ローラ115には、駆動入力ギア147から現像剤供給ローラ115に回転力を伝達するための現像剤供給ローラギア146が取り付けられている。
【0144】
尚、軸受138は、現像枠体113の長手方向一端にビス138aによって取り付けられている(図16(a)(b))。
【0145】
まず、駆動ユニットU(カップリング150と抜け止め部材156を取り付けた駆動入力ギア147)を、規制部材160に取り付ける(図16(a)(b))。このとき、被規制部(突出部)150jとしての円柱部分が、収納部160bとしての溝に収まるように組む(図13(b)参照)。また、軸受部(円形部)160aの円形外周面に内周面147iを嵌合する。これによって、駆動入力ギア147は、軸受部160aに回転可能に取り付けられる(図16(a)(b))。この状態で、駆動入力ギア147の有する現像ギア部147aは現像ギア145と噛み合い、現像ローラ110に回転力を伝達可能である。また、駆動入力ギア147の有する現像剤供給ギア部147bは、現像剤供給ギア146と噛み合い、現像剤供給ローラ115に回転力を伝達可能である。また、カップリング150は、被規制部150jが規制部材160内の収納部160bの壁と干渉しない範囲で、自由に移動可能である。尚、円形部としての軸受部160aは、溝160gを囲んで設けられている(図12(a)乃至(d))。
【0146】
次に、支持部材157を現像枠体113に取り付ける(図16(c))。取り付けの際は、カップリング150が、支持部材157の開口部157jを通過し、軸受138と支持部材157とが接する。支持部材157は、現像枠体113に対して1ヶ所の位置決め(不図示)と、1ヶ所の回転止め(不図示)を有する。そして、支持部材157は、現像枠体113の短手方向に対して位置が決まる。また、ギア支持部としての軸受部160aによって駆動入力、ギア147を回転自在に支持する。更に、抜け止め部157k、157l部によって、駆動入力ギア147から抜け止め部材(抜け止めリング)156が脱落するのを防ぐ。尚、支持部材157は、ビス157a、157bによって、現像枠体113に取り付けられる。尚、現像枠体113に軸受138、支持部材157を取り付ける方法は適宜の方法を適用できる。最後に、バネ159を、支持部材157の有するバネ支持部157e1に取り付ける(図16(d))。このとき、バネ159の接触部159aの付勢方向下流側に、カップリング150の中間部150cが接触するように組む。この状態で、カップリング150は、バネ159によって、ロータリCの回転方向X4の下流側を向いて傾斜する。この状態で、被規制部150jが位置決め部160b1に接触している。尚、位置決め部160b1は、V字形状であって、被規制部150jがV溝部160b4に接触している。即ち、カップリング150は、係合前角度位置に固定されている(位置決めされている)。
【0147】
尚、前述した組み付け方法に関しては、支持部材(回転部材)157に駆動入力ギア147を取り付けた後、これらを現像枠体113に取り付けるなど、その順番の変更が可能である。
【0148】
前述した通り、溝160gは周面が円形の軸受部(円形部)160aに囲まれて設けられている。そして、円形部としての軸受部160aには、第1のギア部147aと第2のギア部147bを有する駆動入力ギア(回転部材)147が回転可能に嵌合している。そして、駆動入力ギア147の内側にカップリング150が取り付けられており、かつ、被規制部150jが許容部160b2に位置している場合には、カップリング150が実質的に旋回可能に取り付けられている。
【0149】
また、被規制部150jが許容部160b2に位置する際は、カップリング150は、実質的に旋回可能なように、ピン(回転力伝達部)155とピン155から回転力を受ける回転力受け面(回転力被伝達部)147hとの間に隙間を有している。そして、回転力受け面147hに対してピン155は可動状態である。そして、カップリング150が回転する回転方向において、ピン155と受け回転力面147hとが接触するように設けられている。また、カップリング150は、カートリッジBの端部に設けられている。
【0150】
即ち、カップリング150は、被規制部150jが許容部160b2に位置する状態では、実質的に旋回可能なように、ピン(回転力伝達部)155と回転力受け面(回転力被伝達部)147hとの間に隙間を有している。そして、回転力受け面(回転力被伝達部)147hに対してピン(回転力伝達部)155は可動状態である。そして、カップリング150が回転する回転方向において、ピン155と回転力受け面147hとが接触するように設けられている。尚、ピン155は、回転力受け面(回転力受け部)150eを介して駆動軸180から受けた回転力を現像ローラ110及び現像剤供給ローラ115に伝達する。ピン155は、カップリング150に設けられている。また、回転力受け面147hは、回転部材としての駆動入力ギア147の内側に設けられている。
【0151】
(8)カラー電子写真画像形成装置本体に対するカートリッジの着脱方法
次に、図17乃至19を用いて、装置本体Aに対するカートリッジBの着脱操作について説明する。
【0152】
図17は、ロータリCを現像位置DPよりも一定角度位相をずらした、カートリッジ着脱及び待機位置(以下、待機位置と称す)HPを示した断面図である。ロータリCは、現像動作中以外は位相をずらした待機位置HP(ホームポジション)を取り、さらにカートリッジB(B1〜B4)の着脱作業も上記位置で行う。本実施例では、現像位置DPから45°上流の位置を待機位置HPとしている。
【0153】
尚、ロータリCに対するカートリッジBの着脱動作は、ロータリCが待機位置HPに停止した状態で、ユーザーが行う。
【0154】
カートリッジB(B1〜B4)をロータリCに対して着脱する際には、まずカバー13を開く。これによって、ユーザーがカートリッジB(B1〜B4)をロータリCに対して着脱可能となる。図17は、4つのカートリッジBのうち、イエローのカートリッジB1が待機位置HPに位置している状態を示した断面図である。尚、カバー13が開かれている。カバー13はインターロックSW(不図示)と連動している。即ち、カバー13を開放することで、SWがOFFとなり、装置本体Aにおける駆動が解除される。19は、カートリッジ係合解除部材である(図4、図17)。係合解除部材19は、カートリッジBをロータリCにロックする係止部材(不図示)を動作するものである。即ち、係合解除部材19によって、係止部材(不図示)が、ガイド部(被係止部)60b(図19)と係合することによって、カートリッジBをロータリCにロックする。尚、ガイド部60bは、カートリッジBに設けられている。カバー13を開放することによって、係合解除部材19は係止部材(不図示)をガイド部60bと係合しない位置まで移動する。これにより、待機位置HPに位置しているカートリッジB1のみ、ロータリCとの係合が解除される。従って、ユーザーがカートリッジB1をロータリCから取り外すことができる(図17、図18)。前述した通り、カートリッジBは、現像ローラ110の軸線L1の方向(現像ローラ110の長手方向)と直交する方向にガイドされるガイド部60bを有している。
【0155】
ユーザーがカバー13を閉めると、図4に示したように、カバー13に設けられた突起部13aが係合解除部材19を反時計回りに回転させる。これによって、係合解除部材19は、係止部材(不図示)をガイド部60bと係合させる。よって、カバー13を閉めると、カートリッジBはロータリCにロックされる。尚、SWがONの時は、ロータリCに装着されたカートリッジB(B1〜B4)の全てが必ずロックされた状態にある。そのため、カートリッジB(B1〜B4)のロックが掛からないままの状態で、装置本体Aの駆動機構が動き始めるトラブルを確実に防ぐことができる。
【0156】
次に、カートリッジBを装置本体Aに装着する状態を説明する。
【0157】
図18に示すように、ユーザーが把手54を把持したときに、カートリッジBは、カートリッジ独自の重心によって、姿勢が概ね決まる。この姿勢は、カートリッジBが装置本体Aの上部に位置する開口部30を通過するときに必要な姿勢にほぼ近い姿勢である。
【0158】
カートリッジBは、カートリッジB(現像ローラ110)の長手方向の一端に細長形状のカートリッジ側ガイド60bと軸部60aを有する(図2)。また、カートリッジBは、前記長手方向の他端に細長形状のカートリッジ側ガイド61bと軸部61aを有する(図3)。尚、軸部60a、61aは、現像ローラ110の軸線L1と同軸線上に設けられている。尚、軸部60a、及び、ガイド60bは、支持部材157の外側表面に設けられている。また、軸部61a、及び、ガイド61bは、サイド部材139の外側表面に設けられている。
【0159】
また、ロータリCは、各カートリッジBを装着するロータリCの長手方向の一端と他端とにロータリ側ガイドC2を有する。
【0160】
また、装置本体Aには、本体ガイド17が設けられている(図19(a)(b))。尚、本体ガイド17は、図4、図17においては、図示を省略している。
【0161】
カートリッジBをロータリCに装着する際には、このとき、カートリッジBの両端部に固定された軸部60aが本体ガイド17の規制リブ17a上をガイドされ、また、軸部61aが本体ガイド17の規制リブ17b上をガイドされて移動する(図19(a))。そして、図19(a)に示すように、カートリッジBが、ガイド17からロータリC内に移動する際には、ガイド60b、61bの先端が、ロータリCのガイド溝C2(図19(b))に係合する。その状態で、ユーザーが装着方向に力を加えることで、カートリッジBをロータリC内に移動させる。そして、カートリッジBは、装着位置に装着される。この際に、軸部60a、軸部61aがロータリCに設けられた位置決め部(不図示)に位置決められる。即ち、カートリッジBは、現像ローラ110を中心にして、装置本体Aに位置決められる。
【0162】
尚、カートリッジBを装置本体Aから取り外す場合には、装着する場合と反対の操作を行う。
【0163】
前述した構成によって、カートリッジBは、ロータリC(収容部130a)にカートリッジBの長手方向と交差する方向から装着される。また、駆動軸180は、ロータリCの長手方向の端部に配置されている。従って、ロータリC(収容部130a)に装着されたカートリッジBは、ロータリCの回転に応じて、駆動軸180の軸線L3方向と実質的に直交する方向に移動させることで、駆動軸180とカップリング150とが係合状態、及び、離脱状態となる。
【0164】
尚、本実施例のロータリCは、回転中心が揺動可能である。
【0165】
(9)カートリッジ(現像装置)の切換構成
次に、図20乃至図23を用いて、ロータリCの構成について説明する。
【0166】
図20(a)、図22(a)、図23(a)は、駆動伝達機構の構成を、駆動軸180側から見た正面図である。図20(a)は、カートリッジB1の現像ローラ110−1が、感光体ドラム107と対向する現像位置DPに位置している状態を図示している。図21は図20(a)を右方向から見た右側面図である。図22(a)及び図23(a)は、それぞれ図20の状態からロータリCがX4方向に回転して、カートリッジB1が現像後退避位置18Y、現像前退避位置18Zに位置している状態を図示している。但し、図20(a)、図22(a)及び図23(a)では、図21に示す本体フレーム171は図示していない。また、図21では、図20(a)、図22(a)及び図23(a)に示す転写ベルト104a、転写ローラ104j、カップリング150、駆動軸180は図示していない。
【0167】
尚、図20(b)、図22(b)、及び図23(b)は、それぞれ図20(a)、図22(a)、及び図23(a)の状態における駆動軸180側から見た斜視図である。この図において、カップリング150、規制部160、駆動軸180の関係を示している。
【0168】
図20乃至図23に示す駆動伝達機構は、ロータリCを回転させることにより、ロータリCに支持された4つの各カートリッジB1〜B4を、感光体ドラム2と対向する現像位置DPへ順次移動させる。以下、駆動伝達機構の構成を説明する。
【0169】
駆動ギア172は装置本体Aに対して回転自在に支持されたシャフト107に回転自在に支持されている(設けられている)。ギア172は、モータM(駆動源)から回転力を受けて回転する。
【0170】
尚、モータMからギア172に回転力を伝達する回転力伝達機構M1は、例えば、ギア列、歯付きベルト等であって、回転力を伝達できる構成ならば適宜用いることができる。
【0171】
アーム103は、装置本体Aに対して揺動可能に支持されている(設けられている)揺動部材である。即ち、アーム103の一端側は、本体フレーム171に設けられたシャフト107に回転可能に設けられている。また、ロータリCを回転可能に支持しているアーム103の他端側先端には、一端を装置本体Aに固定されたアームバネ(例えば圧縮バネ)(弾性部材)104の他端が取り付けられている。これによって、アーム103は、アームバネ104の弾性力によって、シャフト107の中心に矢印A方向(図20、図22、図23)への付勢力(弾性力、回転力)を受けている。
【0172】
ロータリCは、先に述べたように4つのカートリッジB(B1〜B4)を支持し、アーム103に回転可能に支持されている。即ち、カートリッジBは、ロータリCに取り付けられている。さらに、ロータリCが支持しているカートリッジB(B1〜B4)のカップリング150(150−1〜150−4)は、ロータリCから露出する構造となっている(図20、図22、図23)。これにより、ロータリCとは別体である駆動軸180から、カップリング150(150−1〜150−4)に回転力の伝達が可能である。即ち、駆動軸180からカートリッジB(B1〜B4)に回転力の伝達が可能である。尚、カートリッジB1には、カップリング150−1が設けられている。また、カートリッジB2にはカップリング150−2、カートリッジB3にはカップリング150−3、及び、カートリッジB4にはカップリング150−4が設けられている。これら各カップリングは、前述したカップリング150と同様の構成である。
【0173】
また、ロータリCには、ギア部(回転支持体ギア)102aがロータリCの回転方向に沿って設けられている。ギア部102aは駆動ギア172と噛み合っている。つまり、駆動ギア172が矢印A方向(図20、図22、図23)に回転すれば、ロータリCは矢印X4方向に回転する。そして、ギア172が回転を停止すればロータリCも回転を停止する。
【0174】
規制コロ105は装置本体Aに設置されたコロホルダ106に回転可能に支持されている。この規制コロ105は、ロータリCの揺動を規制する規制部材である。また、規制コロ105の表層が弾性を有したゴム層であれば、騒音低減や高摩擦係数による確実な回転が可能となる。
【0175】
また、コロ105は装置本体Aに固設された軸106aに回転可能に支持された弾性コロである。コロ105を支持する軸106aはロータリCの回転軸線と平行になるように配置されている。コロ105は、ロータリCが回転する際に、後述するカム101の有する接触部101e〜101hと接触して従動回転する。
【0176】
カム(回転部材)101は、ロータリCと一体に回転する回転部材(ガイド部材)である。カム101は、コロ105に接触する接触部101e〜101hと、コロ105とは接触しない離間部(当接解除部)101a〜101dとを有している。離間部101a〜101dは、コロ105の外形と略同形状の凹部である。接触部101e〜101hと離間部(凹部)101a〜101dは、カム101の回転中心101iから略等角度に、カム101の外周面に沿って交互に配置されている。カム101はロータリCに支持されるカートリッジB1〜B4の長手方向の一端に位置して、かつ、ロータリCと一体に設けられている。
【0177】
また、離間部101a〜101dは、カム101の回転方向X4(図20、図22、図23)に沿って複数箇所に凹んで設けられた凹部である。前記凹部は、回転方向X4において、上流側に、下流側から上流側に向かって上昇する斜面101mを有する。斜面101m(図20、図22、図23)を有することによって、ロータリCの回転に応じて、カートリッジB1〜B4が回転方向と交差する方向へ遠ざかる際に、円滑に遠ざかることができる。即ち、ロータリCの回転に応じて、カートリッジB1〜B4が現像位置DPから、ロータリCの半径方向(ラジアル方向)へ遠ざかる際に、円滑に移動することができる。
【0178】
同様に、前記凹部は、回転方向X4において、下流側に、下流側から上流側に向かって下降する斜面101n(図20、図22、図23)を有する。斜面101nを有することによって、ロータリCの回転に応じて、カートリッジB1〜B4が現像位置DPへ向かって、回転方向X4と交差する方向へ近づく際に、円滑に近づくことができる。即ち、ロータリCの回転に応じて、カートリッジB1〜B4が現像位置DPへ向かって、ロータリCの半径方向(ラジアル方向)へ近づく際に、円滑に移動することができる。
【0179】
カム101は、ロータリCと一体に回転する。そして、接触部101eが規制コロ(規制部材)105と接触することによって、カートリッジB1の有する現像ローラ110−1が感光体ドラム107から離間された状態となる。なお、他の接触部101f〜101hがそれぞれ規制コロ105に接触しても、各カートリッジB1〜B4の有する現像ローラ110−1〜110−4がそれぞれ感光体ドラム107から離れた状態となる(図22、図23)。
【0180】
ここで、図21に示すとおり、カム(回転部材)101、ロータリ(回転支持体)C、アーム(揺動部材)103、および、規制コロ(規制部材)105は、支持される前記カートリッジB1の長手方向の一端側と他端側とに配置されている。
【0181】
尚、図22及び図23に示す状態は、後述する通り、ロータリCが回転している状態を示している。しかしながら、図22及び図23に示す状態は、ロータリCが回転を停止して、ロータリCが退避位置に位置している状態でもある。ここで、退避位置とは、前記各カートリッジB1〜B4が現像を行わない状態である。図22及び図23に示すとおり、この状態では、各現像ローラ110−1〜110−4が感光体ドラム107と接触していない。例えば、図22において、現像ローラ110−1は、コロ105の下流側の退避位置18Yに位置している。同様に、図23において、現像ローラ110−1は、コロ105の上流側の退避位置18Zに位置している。また、退避位置において、コロ105が前記一端側に配置されたロータリCの下方を支持している。また、コロ105が前記他端側に配置されたロータリCの下方を支持している。これによって、各カートリッジB1〜B4を支持しているロータリCは、コロ105によって揺動を規制されている。尚、退避位置18Zは、前述した待機位置HPと同じ位置である。
【0182】
一方、図20に示すように、現像ローラ110−1が感光体ドラム107に接触した状態では、コロ105が凹部(離間部)101aの底面と離れた状態で対向している。この状態が、カートリッジB1が現像位置DPに位置した状態である。尚、現像ローラ110−2が感光体ドラム107に接触した現像位置DPに位置した状態では、コロ105が凹部101bの底面と離れた状態で対向している。同様に、現像ローラ110−3が現像位置DPに位置した状態では、コロ105が凹部101cの底面と離れた状態で対向している。また、現像ローラ110−4が現像位置DPに位置した状態では、コロ105が凹部101dの底面と離れた状態で対向している。即ち、カム101が規制コロ105から離間した状態である。
【0183】
カートリッジB1が現像中の状態を表した図20及び図21において、コロ105は凹部101a(〜101d)の近傍に配置されている。そして、凹部101a(〜101d)は、コロ105とカム101とが接触しないように配置されている。よって、バネ104の弾性力によって付勢されたアーム103は、ロータリCを付勢する。そして、この付勢力(弾性力)は、現像ローラ110−1(〜110−4)と感光体ドラム107との接触圧となる。
【0184】
駆動ギア172がモータMからの回転力を受けて矢印A方向に回転する。すると、前述したように、ロータリCは矢印X4方向に回転する。そして、ロータリCに設けられているカム101もロータリCと一体に矢印X4方向に回転する。図22及び図23には、駆動ギア172の回転力を受けてロータリCが回転している状態を示す。図22は、カートリッジB1の現像が終了して、カートリッジB1が現像位置DPから現像後退避位置18Yに退避し、カートリッジB2が現像前退避位置18Zから現像位置DPに向かう状態を図示している。同様に、図23は、カートリッジB4の現像が終了して、カートリッジB4が現像位置DPから現像後退避位置18Yに退避し、カートリッジB1が現像前退避位置18Zから現像位置DPに向かう状態を示している。
【0185】
また、ロータリCは、その回転方向に沿って全周に設けられたギア部(回転支持体ギア)102aを有している。そして、アーム103を装置本体Aに回転可能に支持している回転中心103aと同軸線上に駆動ギア(揺動部材ギア)172が設けられている。これによって、ギア172とギア部102aは噛合している。従って、アーム103が揺動しても、ギア172とギア部102aは常に噛合状態を維持できる。
【0186】
尚、回転中心103aは、ギア172を回転可能に支持している軸172aの軸線である。軸172aは、本体フレーム171に固設されている。そして、軸172aには、アーム103の一端が回転可能に取り付けられている。
【0187】
前述したように、図20、図22及び図23に示すとおり、バネ104の弾性力(付勢力)は、現像ローラ110−1が感光体ドラム107に圧接する力として作用する。この状態から、ロータリCが回転することによって、現像ローラ110−1と感光体ドラム107との圧接状態が解除される。そして、前記圧接状態が解除されると、バネ104の付勢力はカム101がコロ105に圧接する力として作用する。これによって、カム101はコロ105に確実に接触することができる。
【0188】
離間部(凹部)101a〜101dが設けられた箇所を除くカム101の外周面は、前述したように、コロ105が接触する接触部101e〜101hである。接触部101e〜101hが、コロ105と接触している状態では、カートリッジB1〜B4が感光体ドラム107と接触しないように構成されている。よって、感光体ドラム107に何ら影響を及ぼすことなくカートリッジB1〜B4を順次現像位置に移動させることができる。接触部101e〜101hと離間部101a〜101dは、カム101(ロータリC)の回転方向に沿って交互に配置されている。そして、離間部101a〜101dとカム101の回転中心101iとの距離L10は、接触部101e〜101hとカム101の回転中心101iとの距離L2よりも短い(図22、図23)。そして、カートリッジB1(〜B4)を現像位置DPに移動させると、コントローラ(不図示)が駆動ギア172の回転力を遮断して、ロータリCが回転を停止する。そして、カートリッジB1が現像位置DPに達する。この現像位置DPでは、現像ローラ110−1(〜110−4)と感光体ドラム107が圧接する。この状態では、図20に示すように、コロ105がカム101の離間部(凹部)101b(〜101d)と離れた状態で対向している。即ち、離間部101b(〜101d)とコロ105とは離間した状態となる。そして、このような動作を繰り返しつつ、各カートリッジB1〜B4が現像位置DPに順次移動する。尚、本実施形態では、コロ105と離間部としての凹部101bの底面との隙間G(図2)は、約1.5mm離れている。
【0189】
このように、本実施形態では、ロータリCに接触部101e〜101hと離間部101a〜101dとを有するカム101を一体に設け、装置本体Aにコロ105を設けた。これにより、ロータリCを回転するだけで、カートリッジB1〜B4を回転移動させつつ、カートリッジB1〜B4(現像ローラ110−1〜110−4)を感光体ドラム107に対して接触又は離間させることができる。
【0190】
ここで、カップリング150の動作に関して、図20、図22及び図23を用いて説明する。
【0191】
カートリッジBが現像前退避位置18Z(図23)にある場合においては、カップリング150は前述したバネ159の弾性力により、係合前角度位置に位置している(図23に示す状態)。この時、図23(b)に示すように、被規制部150jが収納部160bの位置決め部160b1に接触して、カップリング150の角度位置は規制されている。即ち、カップリング150は、係合前角度位置に規制されている。このように、カップリング150は、中間部150cがバネ159の弾性力により付勢されている。このように、カップリング150は、バネ159の弾性力によって、被規制部150jが位置決め部160b1に接触するように付勢されている。そして、カップリング150は、被規制部150jが位置決め部160b1によって位置決めされた状態で(規制された状態で)、傾斜方向が前記係合前角度位置に規制されている。従って、カップリング150は、前記弾性力によって、前記係合前角度位置に傾斜している(図23に示す状態)。
【0192】
この状態で、ロータリCがX4方向に回転し、カートリッジB1が、現像前退避位置18Z(図23)から現像位置DP(図20)に移動する過程において、カップリング150は、駆動軸180と係合する。そして、カップリング150は係合前角度位置(図23に示す状態)から回転力伝達角度位置(図20に示す状態)に移動する。
【0193】
カートリッジB1が現像位置DP(図20)に位置している場合には、カップリング150は回転力伝達角度位置にあり、駆動軸180と係合している。更に、カップリング150は、駆動軸180から回転力を伝達される。この時、図20(b)に示すように、被規制部150jが収納部160bの許容部160b2内に、壁163b3に接触せずに存在する。そして、カップリング150は、駆動軸180と係合することによって位置が決まる。
【0194】
カップリング150は、ロータリCがX4方向に回転しつつ駆動軸180と係合するのに伴って、係合前角度位置から回転力伝達角度位置に移動する。これに伴って、被規制部150jは、バネ159の弾性力に抗して、位置決め部160b1に接触していた状態から、許容部160b2に移動する。そして、被規制部150jは、許容部160b2の壁163b3とは接触しない状態となる。
【0195】
これによって、カップリング150は、係合前角度位置に位置していた状態から、実質的に旋回可能な状態となる。
【0196】
尚、ロータリCは、カップリング150が駆動軸180と係合した状態で回転を停止する。即ち、ロータリCが現像位置DPで停止する位置で、カップリング150と係合するように駆動軸180が配置されている。
【0197】
図20に示す状態でロータリCがX4方向に回転する。そして、カートリッジBが、現像位置DP(図20)から現像後退避位置18Y(図22)に移動する過程において、カップリング150は回転力伝達角度位置(図20(b))から離脱角度位置(図22(b))に移動する。これに伴い、カップリング150と駆動軸180との係合が解除され、駆動軸180からカップリング150への回転力の伝達が解除される。即ち、カップリング150は駆動軸180から離脱する。
【0198】
カップリング150が駆動軸180から離脱した直後は、カップリングは離脱角度位置にある(図22)。この時、図22(b)に示すように、被規制部150jは、収納部160bの許容部160b2内に、内壁163b3に接触せずに存在する。そして、カップリング150は、駆動軸180から離脱する離脱角度位置(図22(b))となる。
【0199】
離脱角度位置にあるカップリング150は、駆動軸180とは干渉しない位置に来ると、規制部材160とバネ159の作用により、係合前角度位置方向に移動する。即ち、カップリング150は、係合前角度位置に傾斜する。そして、図23(b)に示すように、被規制部150jが位置決め部160b1に接触して、カップリング150の角度位置は係合前角度位置に位置決めされる。これは、前述したとおりである。
【0200】
尚、ロータリCは、X4方向への回転に伴い、前述のカム101とコロ105の作用により、X4と直交する方向、即ちロータリCの半径方向への移動も行う。これに伴い、カートリッジBが係合前角度位置から回転力伝達角度位置へ移動する場合と、回転力伝達角度位置から離脱角度位置に移動する場合に、カートリッジBは、ロータリCの回転方向X4への移動のみならず、ロータリCの半径方向への移動も行う。尚、カートリッジBが係合前角度位置から回転力伝達角度位置へ移動する場合とは、カートリッジBが、現像前退避位置18Z(図23)から現像位置DP(図20)に移動する過程である。また、カートリッジBが回転力伝達角度位置から離脱角度位置に移動する場合とは、カートリッジBが、現像位置DP(図20)から現像後退避位置18Y(図22)に移動する過程である。
【0201】
ここで、カップリング150の駆動部150bは、カートリッジBと同様に、ロータリCの円周方向X4と、それに直交するロータリCの半径方向の移動を組み合わせた軌道を描く。一方で、カップリング150の被駆動部150aは、駆動軸180に倣って移動する。即ち、カップリング150は、その傾動支点である駆動部150bと傾動先端である被駆動部150aとが連動しない、傾動軌道をとる。即ち、カップリング150の傾動軌道(移動軌道)は、その傾動支点である駆動部150bと傾動先端である被駆動部150aとが連動しない。このとき、カップリング150の傾動方向を規制する被規制部150jは、許容部160b2内に存在している。従って、被規制部150jは、その壁160b3とは接触せずに、自由に動くことができる。即ち、カップリング150は、実質的に旋回可能である。即ち、収納部160bの形状は、カップリング150が係合前角度位置以外の位置にある場合においてはその傾動を妨げず、カップリング150が係合前角度位置にある場合にのみ、カップリング150の傾斜方向を規制する。これにより、被規制部150jに作用するストレスを最小に抑えることができる。
【0202】
つまり、カップリング150が係合前角度位置に位置している場合には、規制部150jと位置決め部160b1とによって、係合前角度位置が決まる。即ち、カップリング150の傾斜方向が決まる。また、カップリング150が駆動軸180と係合・離脱動作を行う場合には、被規制部150jは、許容部160b2内に位置しており、その動作を規制されることがない。即ち、カップリング150は、被規制部150jが許容部160b2内に位置している場合には、実質的に旋回可能である。従って、カップリング150に大きなストレスをかけることなく、カップリング150は駆動軸180と係合・離脱動作を行うことができる。
【0203】
前述した通り、本実施例のロータリCは、回転中心101iが揺動可能である。このような、回転中心101iが揺動するロータリCにおいても、本実施例を適用したカートリッジBは駆動軸180とカップリング150とを確実に係合することができる。また、駆動軸180とカップリング150とを確実に離脱することができる。
【0204】
これは、本発明を適用した前述実施例の顕著な効果の一つである。
【0205】
尚、前述した通り、カップリング150は、軸線L4に対して実質的にその全周に渡って旋回可能(揺動可能)である。即ち、カップリング150は、軸線L4に対して実質的にその全方向にわたって傾動可能である。
【0206】
ここで、カップリングの旋回とは、カップリングの軸線L2の周りにカップリング自身が回転するのではなくて、傾斜した軸線L2が軸線L4の周りに回転することである(図13(f)に旋回の状態を示している)。但し、遊び或いは積極的に設けた間隙の範囲で、軸線L2の周りにカップリング自身が回転することを排除しない。
【0207】
尚、軸線L2は軸線L1に対してどのような方向にも傾斜可能であると述べた。しかしながら、カップリング150は、必ずしも360°いずれの方向にも所定の角度まで直線的に傾斜可能である必要はない。
【0208】
また、前述した通り、カップリングは、実質的に旋回可能である。即ち、カップリングは実質的に全方向にわたって傾動可能である。カップリングが、実質的に旋回可能とは、使用者が、カートリッジBを装置本体Aに取り付ける際に、回転力付与部を有する駆動軸がどのような位相で停止していたとしても、カップリングが回転力伝達角度位置まで移動(傾動)することができる範囲を意味する。
【0209】
また、使用者が、カートリッジを装置本体Aから取り外す際に、前記駆動軸がどのような位相で停止していたとしても、カップリングが前記離脱角度位置まで移動(傾動)することができる範囲を意味する。
【0210】
また、カップリング150は、軸線L4に対して実質的に全方向にわたって傾斜可能なように、ピン(回転力伝達部)155と係合する回転力受け面(回転力被伝達部)147hとの間に隙間を有している(図8D)。このように、カップリング150は、カートリッジBの長手方向端部に取り付けられている。従って、カップリング150は、軸線L4に対して実質的に全方向にわたって傾斜可能である。
【0211】
また、本実施例では、これまで説明したように、ロータリCが回転している途中もしくはロータリCの回転が停止した直後に、駆動軸180とカップリング150の係合動作が完了する。そして、現像ローラ110が回転可能な状態あるいは回転を開始する。
【0212】
即ち、カップリング150が駆動軸180と係合する動作に入る前に、すでに駆動軸180が回転している場合には、カップリング150は駆動軸180と係合するのと同時に回転を始める。これに伴って、現像ローラ110は回転を始める。また、駆動軸180が停止している場合には、カップリング150が駆動軸180と係合を完了させても、カップリング150は回転することなく、停止している。そして、駆動軸180が回転を始めると、カップリング150も回転を始める。そして、現像ローラ110も回転を始める。
【0213】
いずれの場合であっても、本実施例によれば、本体側の回転力を伝達する部材(例えば、本体側カップリング)をその軸線方向に進退させなくて良い。従って、画像形成(現像)に要する時間を短縮することができる。尚、本実施例では、カップリング150が駆動軸180と係合する動作に入る前にすでに駆動軸180を回転させている。従って、画像形成を速やかに開始することができる。よって、駆動軸180が停止している場合と比較して、画像形成に要する時間を更に短縮することができる。
【0214】
また、本実施例では、駆動軸180が回転している状態で、カップリング150は駆動軸180から離脱することができる。
【0215】
従って、本実施例では、駆動軸180がその回転軸線と直交する方向に移動させないように装置本体Aに固定された状態であっても、現像ローラ110を回転させたままの状態で、現像ローラ110を感光体ドラム107と接触させることができる。また、駆動軸180が前述したように固定された状態であっても、現像ローラ110を回転させたままの状態で、現像ローラ110を感光体ドラム107から離すことができる。これは、カップリング150が回転力伝達角度位置(現像ローラ110と感光体ドラム107が当接する角度位置)を中心として所定の角度範囲(回転力伝達可能な角度範囲)内で駆動軸180から駆動を受けることができるからである。これによって、現像ローラ110の接触時及び、離間時に、感光体ドラム107に与える負荷を軽減させることができる。
【0216】
また、本実施例では、カップリング150を駆動軸180と係合する、あるいは、駆動軸180から離脱させるために、駆動軸180の停止を行わなくても良い。
【0217】
即ち、本実施例のカップリング150によれば、駆動軸180が回転していても、駆動軸180と係合する、あるいは、駆動軸180から離脱することができる。
【0218】
これも、本発明を適用した前述本実施例の顕著な効果の一つである。
【0219】
そして、本実施例では、ロータリCは次の工程を経る。即ち、ロータリCがその半径方向において感光体ドラム107方向へ揺動→イエロー画像形成→ロータリCが前記半径方向において感光体ドラム107から遠ざかる方向へ揺動→現像ローラ110の回転停止の各工程を経る。尚、ロータリCがその半径方向において感光体ドラム107方向へ揺動とは、現像ローラ110が感光体ドラム107と接触する方向である。また、ロータリCが感光体ドラム107から遠ざかる方向へ揺動とは、現像ローラ110が感光体ドラム107から離れる方向である。そして、ロータリCが回転を開始すると同時に、駆動軸180から、カップリング150が離脱動作を行い、2色目の現像動作の準備を行う。
【0220】
即ち、本実施例では、カップリング150の駆動軸180との係合、離脱動作は、ロータリCの回転に連動して行うことができる。従って、1色目の現像と2色目の現像の間に必要な時間を短くすることができる。同様に2色目の現像と3色目の現像、3色目の現像と4色目の現像、ホームポジションから1色目の現像、4色目の現像からホームポジションに至るまでの時間を短縮することができる。従って、1枚のカラー画像を得るのに必要な時間を短縮することができる。
【0221】
これも、本発明を適用した前述本実施例の顕著な効果の一つである。
【0222】
尚、本実施例においては、ロータリCが回転方向X4とは反対方向に回転する場合にも適用することができる。
【0223】
即ち、図20に示した状態でロータリCが回転方向X4とは反対方向に回転し、カートリッジB1が現像位置DP(図20)から現像前退避位置18Z(図23)に移動する過程において、カップリング150と駆動軸180の係合を解除することも可能である。即ち、ロータリCの逆回転により、カップリング150が駆動軸180から離脱することができる。この場合、カップリング150は、駆動軸180から離脱する過程で、駆動伝達角度位置から係合前角度位置に移動する。そして、再びロータリCを回転方向X4方向に回転することで、カップリング150が駆動軸180と係合可能な状態となる。
【0224】
(10)カップリングの係合動作/回転力伝達動作/離脱動作
先に説明したように、カートリッジBが、装置本体Aの所定の位置に停止する直前もしくは所定の位置に停止すると略同時に、カップリング150は駆動軸180と係合する(図23から図20にいたる動作)。そして、カップリング150は一定時間回転後、カートリッジBが、装置本体Aの前記所定の位置から移動する際に、カップリング150は駆動軸180から離脱する(図20から図22に至る動作)。
【0225】
次に、図24乃至図28を用いて、カップリングの駆動軸180との係合動作、回転力伝達動作、離脱動作に関して説明する。
【0226】
図24は駆動軸180、カップリング150、駆動入力ギア147を示した縦断面図である。図25は駆動軸180、カップリング150、駆動入力ギア147の位相違いを示した縦断面図である。図27は駆動軸180、カップリング150、駆動入力ギア147を示した縦断面図である。図28(a)は、カップリング150が係合前角度位置に位置する場合の、カップリング150、現像ローラ110、現像剤供給ローラ115を示した、駆動軸180側から見た正面図である。図28(b)は、カップリング150が係合前角度位置に位置する場合の、カップリング150、カートリッジB、ロータリCを示した、駆動軸180側から見た正面図である。
【0227】
ロータリCの回転によって、カートリッジBが現像位置DPに至る過程において、カップリング150は、係合前角度位置に位置している。即ち、カップリング150は、軸線L2が、あらかじめ駆動入力ギア147の軸線L4に対して、被駆動部150aが回転方向X4において下流側に位置するように、バネ(付勢部材、弾性部材)159により付勢され、傾斜している。即ち、係合前角度位置では、回転方向X4において被駆動部150aが駆動部150bよりも下流側に位置している。尚、本実施例において、カップリング150が係合前角度位置に位置している場合には、駆動軸180側から見ると、カップリング150の軸線L2は、直線L5と直線L6との間に位置する(図28(a))。ここで、直線L5は、駆動入力ギア147の中心(軸線L4)と現像ローラ110の中心(軸線L1)とを通る直線である。また、直線L6は、駆動入力ギア147の中心と現像剤供給ローラ115の中心とを通る直線である。即ち、軸線L2は、現像ローラ110と現像剤供給ローラ115との間に位置する(図28(a))。更に、軸線L2は、ロータリCと同心で駆動部150bの中心を通る円C3の接線L5に対して、ロータリCの回転方向X4において下流側で、かつ、ロータリCの半径方向外側を向いている(図28(b))。カップリング150が傾斜することで、ロータリCの回転方向X4の下流側先端位置150A1は、軸線L4方向において駆動軸先端180b3よりもギア147方向側に位置する。また、方向X4において上流側先端位置150A2は、軸線L1方向において駆動軸先端180b3よりもピン182方向側に位置する(図24(a)、(b))。ここで言う先端位置とは、図7A、Cに示す被駆動部150aにおける、軸線L2方向に対して最も駆動軸側であり、かつ、軸線L2から最も離れた位置である。つまり、カップリング150の回転位相により、被駆動部150aの一稜線もしくは被駆動突起150dの一稜線のどちらかとなる(図7A、Cにおいて、150Aとした)。
【0228】
まず、ロータリCの回転方向(X4)において、下流側先端位置150A1が、軸線端180b3を通過する。そして、カップリング150は、駆動軸180を通過した後、カップリング150の円錐形状をしている駆動軸受け面150fもしくは突起部150dが、駆動軸180の先端部180もしくはピン182に接触する。
【0229】
そして、ロータリCの回転に応じて、軸線L2が軸線L4と平行になるように傾斜していく(図24(c))。ここで、図24(c)の状態でロータリCは一時回転を停止する。このとき、カップリング150は係合前角度位置と駆動伝達角度位置との中間の位置にある。そして、カップリング150は、2箇所に設けられた突起150dとピン182とが接触すれば、回転力を伝達できる角度位置となっている。ロータリCが回転を停止している間に、駆動軸180は回転し、進入部150kに位置するピン182は、突起150dとの隙間を詰める。カップリング150と駆動軸180との回転位相差によっては、この一時停止中に、駆動軸180からカップリング150への回転力の伝達が開始される。そして、少なくとも次に述べるロータリCが停止する位置(図24(d))までには、駆動軸180からカップリング150への回転力の伝達が開始される。
【0230】
そして、最終的に装置本体Aに対してカートリッジBの位置が決まる。即ち、ロータリCが回転を停止する。この際、駆動軸180と駆動入力ギア147とが略同一直線上に位置する(軸線L3と軸線L4とが略直線となる)。即ち、カップリング150は、その先端位置150A1が駆動軸180を迂回することを許容するように、前記係合前角度位置から前記回転力伝達角度位置に移動する(傾動する、揺動する)。そして、カップリング150は回転力伝達角度位置として、軸線L2が軸線L1と略直線となるように、前記係合前角度位置から傾斜する。そして、カップリング150と駆動軸180は係合する(図24(d))。つまり、被駆動部150aの一部がロータリCの移動方向に沿って見て駆動軸180の後ろに移動する。即ち、凹部150zが先端部180bにかぶさる。これによって、駆動軸180からカップリング150に安定した回転力が伝達される。またこの時、ピン155は開口147gに位置する。また、ピン182は進入部150kに位置する。
【0231】
尚、本実施例では、カップリング150が駆動軸180と係合を開始する状態では、駆動軸180はすでに回転している。そのため、カップリング150は直ちに回転を始める。
【0232】
以上で説明したように、本実施例によれば、カップリング150が、軸線L4に対して傾斜可能に取り付けられている。即ち、カップリング150は、被規制部150jが許容部160b2内に位置している場合には、軸線L4に対して実質的に旋回可能に取り付けられている。従って、ロータリCの回転に応じて、カップリング150は駆動軸180と干渉せずにカップリング150自身が傾斜することによって、駆動軸180に対して係合(連結)することができる。
【0233】
さらに、本実施例では、先に説明したように、駆動軸180が常に回転している。つまり、係合動作時に、駆動軸180の位相が常に変化しており、駆動軸180とカップリング150の位相は様々な関係をとる。このような場合であっても、上述したカップリング150の係合動作は、駆動軸180とカップリング150の位相に関係なく可能である。これについて、図25を用いて説明する。図25はカップリング150と駆動軸180との夫々の位相を表した図である。図25(a)は、ロータリCの回転方向X4において上流側で、ピン182と駆動軸受け面150fとが相対している場合である。図25(b)はピン182とカップリング150の突起150dとが相対している場合である。図25(c)は駆動軸の先端部180bとカップリング150の突起150dが相対している場合である。図25(d)は先端部180bと駆動軸受け面150fとが相対している場合である。図10に示したように、カップリング150は駆動入力ギア147に対して、どのような方向にも傾斜可能に取り付けられている。即ち、カップリング150は、実質的に旋回可能である。そのため、図25に示すように、カップリング150は、回転方向X4に対して、駆動入力ギア147がどのような位相であっても、装着方向X4に傾斜可能である。また、駆動軸180とカップリング150の夫々の位相に関係なく、ロータリCの回転方向X4において下流側先端位置150A1は、駆動軸先端180b3よりも、カートリッジB方向側(かつ、ロータリCの回転方向X4において下流側)に位置している。また、回転方向X4において上流側先端位置150A2は、駆動軸先端180b3よりもピン182方向側に位置するように、カップリング150の傾斜角度を設定している。このような設定にしておけば、ロータリCの回転動作に応じて、回転方向X4において下流側先端位置150A1は、駆動軸先端180b3を通過する。そして、図25(a)の場合は、駆動軸受け面150fがピン182に接触する。図25(b)に示す場合は、突起150dがピン182に接触する。図25(c)に示す場合は、突起150dが先端部180bに接触する。図25(d)に示す場合は、駆動軸受け面150fが先端部180bに接触する。更に、ロータリCが回転する際に発生する接触力(付勢力)により、軸線L2が軸線L4と平行な位置に近づき、両者は係合(連結)する。従って、駆動軸180とカップリング150、または、カップリング150と駆動入力ギア147がどのような位相であっても、両者は係合することができる。
【0234】
次に、図26を用いて、現像ローラ110を回転する際の回転力伝達動作について説明する。
【0235】
モータ(不図示)から受けた回転力によって駆動軸180は、図中X8の方向に、ギア(はす歯ギア)181とともに回転する。そして、駆動軸180と一体のピン182がカップリング150の回転力受け面150e1、150e2に接触して、カップリング150を回転させる。さらに、前述したように、カップリング150は、現像ローラ110と駆動入力ギア147を介して回転力が伝達可能に連結されている。そのため、カップリング150が回転することで、駆動入力ギア147を介して、現像ローラ110の軸110bに取り付けてあるギア145に回転力が伝達される。これによって、現像ローラ110を回転させる。
【0236】
また仮に、軸線L3と軸線L4とが多少同一直線からずれていたとしても、カップリング150が少し傾斜することで、現像ローラ110、及び、駆動軸180に大きな負荷をかけずにカップリングは回転することができる。
【0237】
これは、本発明を適用したカップリングの実施例の顕著な効果の一つである。
【0238】
次に、図27を用いて、ロータリCが一方向に回転することにより、カートリッジBが所定の位置(現像位置DP)から移動するのに応じて、カップリング150が駆動軸180から離脱する動作について説明する。
【0239】
まず、カートリッジBが所定の位置から移動する際の、各々の回転力伝達ピンの位置について説明する。画像形成が終了すると、これまでの説明から明らかなように、ピン182は、進入部150k1、150k2の2ヵ所に位置する。そして、ピン155は開口150g1、150g2内に位置している。
【0240】
次に、カートリッジBが画像形成動作を終了し、次のカートリッジBに切り替わる動作(図20から図22にいたる動作)に連動して、駆動軸180に対するカップリング150の係合が解除される動作について説明する。
【0241】
画像形成動作が終了した状態では、カップリング150は回転力伝達角度位置として、軸線L2が軸線L4に対して、略同軸線上に位置している(図27(a))。そして、カートリッジBとともにギア147が回転方向X4に移動する。そして、回転方向X4において上流側の駆動軸受け面150fもしくは、突起150dが駆動軸180の先端部180bに、もしくは、ピン182に接触する。そして、軸線L2が回転方向X4の上流側に傾斜を開始する(図27(b))。この傾斜する方向は、カップリング150が駆動軸180に係合する際に、カップリング150が傾斜している方向とは、ギア147に対して反対方向である。即ち、前記傾斜する方向は、係合前角度位置とは軸線L4に対して反対方向である。ロータリCの回転動作により、回転方向X4において上流側先端部150A2が駆動軸180の先端部180bに接触しながら移動する。そして、軸線L2が離脱角度位置として、上流側先端部150A2が先端180b3に至るまで傾斜する(図27(c))。そして、この状態でカップリング150は先端180b3に接触しながら、先端180b3を通過する(図27(d))。即ち、回転方向X4において、駆動軸180の上流側に位置しているカップリング150の一部分(上流側先端位置150A2)が駆動軸180を迂回することを許容するように、カップリング150は前記回転力伝達角度位置から前記離脱角度位置に移動する。言い換えれば、回転方向X4とは反対方向に沿って見た際に駆動軸180の後ろに位置する被駆動部150aの一部が、駆動軸180の後ろから退避し、回転方向X4において駆動軸180の下流側へ移動する。これによってその後、図22に至るように、カートリッジBがロータリCの回転に応じて移動する。
【0242】
更に、ロータリCが1回転するまでに、カップリング150は、前述した付勢部材159により、その軸線L2が回転方向X4において下流側に傾斜する。つまり、カップリング150は離脱角度位置から係合前角度位置に移動する。それにより、ロータリCが1回転した後、カップリング150が駆動軸180に再び係合可能な状態となる。
【0243】
以上の説明から明らかなように、軸線L4に対するカップリング150の係合前角度位置の角度は、離脱角度位置の角度より大きい。なぜなら、カップリングの係合時には、予め係合前角度位置は、回転方向X4において下流側先端位置150A1と駆動軸の先端部180b3との距離をやや広めにとるように、設定するからである。(図24(b)参照)。これは、各部品の寸法公差を考慮するからである。それに対して、カップリング離脱時には、ロータリCの回転に連動して軸線L2が傾斜する(離脱角度位置)。そのため、回転方向X4において、上流側先端位置150A2と駆動軸先端部180b3とは軸線L1方向でほぼ一致する(図27(c)参照)。
【0244】
また、カップリング150が駆動軸180から離脱するときにおいても、カップリング150とピン182の位相は、どのような位相であっても、カップリング150は駆動軸180から離脱することができる。
【0245】
尚、カップリング150の回転力伝達角度位置とは、カートリッジBが所定の位置に位置し、カップリング150が駆動軸180からの回転力を受けて回転することができる、カップリング150のギア軸線L4に対する角度位置である。ここで、前記所定の位置とは、感光体ドラムと対向した位置(現像位置DP)である。即ち、回転力伝達角度位置とは、カップリング150が駆動軸180からの回転力を受けて回転することができる、軸線L4に対する角度位置である。また、カップリング150の係合前角度位置とは、ロータリCの回転に応じて、カートリッジBが前記所定位置へ移動する過程において、カップリング150が駆動軸180に係合する直前のカップリング150の軸線L4に対する角度位置である。即ち、係合前角度位置とは、カップリング150が駆動軸180に係合する直前の軸線L4に対する角度位置である。また、カップリング150の離脱角度位置とは、ロータリCの回転に応じて、カートリッジBが前記所定位置から移動する過程において、カップリング150が駆動軸180から離脱するときの、カップリング150の軸線L4に対する角度位置である。即ち、離脱角度位置とは、カップリング150が駆動軸180から離脱するときの、軸線L4に対する角度位置である。
【0246】
尚、前記係合角度位置、あるいは、前記離脱角度位置において、軸線L2が軸線L4となす角度β2、β3(図24、図27)は、前記回転力伝達角度位置において、軸線L2が軸線l1となす角度β1よりも大である。尚、角度β1は0°が好ましい。また、角度β2.β3は20°〜60°が好ましい。尚、前述した「回転力伝達可能な角度範囲」であるβ4は、回転力伝達角度位置を中心として、20°〜60°位で設定されている。
【0247】
尚、本実施例においては、係合前角度位置は、現像ローラ110の回転中心と現像剤供給ローラ115の回転中心との間である。即ち、本実施例においては、前記係合前角度位置に位置するカップリング150の傾斜する方向が、現像ローラ110の回転中心と現像剤供給ローラ115の回転中心との間である。
【0248】
これによって、本実施例においては、回転中心101iが揺動するロータリにおいても、カップリング150を駆動軸180と確実に係合させることができる。
【0249】
また、前述した実施例によれば、ロータリCに装着されたカートリッジBは、ロータリCの回転に応じて、軸線L3方向と実質的に直交する方向に移動させることで、駆動軸180とカップリング150とが係合状態、及び、離脱状態となる。カートリッジBは、ロータリCに設けられた収容部130aに装着される。
【0250】
ここで「実質的に直交」の意味について説明する。
【0251】
カートリッジBとロータリCの間には、カートリッジBをスムーズに着脱する為に、両者の間には若干の隙間を持たせてある。具体的に言えば、例えば、ガイド60bとガイドC2との前記長手方向の間、及び、ガイド61bとガイドC2との前記間に若干の隙間を持たせてある。従ってカートリッジBをロータリCに取り付けた際に、カートリッジB全体がその隙間の範囲内で若干斜めになることもあり得る。また、ロータリCが回転する際に若干位置がずれることがあり得る。従って、カートリッジBを厳密に直交方向する方向に移動させることで、駆動軸180とカップリング150とが係合状態、及び、離脱状態とならないともある。しかしそういった場合でも、本発明の作用効果は達成可能である。従ってカートリッジBが若干斜めになった場合も含めて、「実質的に直交」と称している。
【0252】
(11)カップリング係合動作及び回転力伝達の説明
先に述べたように、カートリッジBは、装置本体Aの所定の位置に位置決めされる直前、もしくは、所定の位置に位置決めされると略同時に、カップリング150は駆動軸180に係合する。この際、カップリング150が、回転力伝達角度位置に位置する。ここで、カートリッジBが前記所定の位置に位置決めされた状態で、カップリング150は駆動軸180と係合する。
【0253】
前述した通り、カップリング150は、ロータリCが回転する際に、カートリッジBが移動するのに応じて、駆動軸180と接触する。これによって、被規制部150jは、規制部160b1から許容部160b2へ移動する(カップリング150は係合前角度位置から回転力伝達角度位置へ移動する)。そして、カップリング150が回転力伝達角度位置に位置した状態で、カップリング150が、駆動軸180から受けた回転力を現像ローラ110に伝達する。そして、現像ローラ110が回転する。
【0254】
更に、ロータリCが回転する際には、カートリッジBが移動するのに応じて、カップリング150は、前記回転力伝達角度位置から前記離脱角度位置に移動する。これによって、カップリング150が駆動軸180から離脱する。
【0255】
以上説明したように、カップリング150が、駆動入力ギア147の軸線L4に対して傾斜可能に取り付けられており、ロータリCの回転動作に応じて、駆動軸180と干渉せずにカップリング150が傾斜する。これにより、駆動軸180よりカップリング150を離脱することができる。
【0256】
次に、カップリング150が駆動軸180から離脱する際の、ロータリ駆動トルク上昇について説明する。以下では、まず〔1〕と〔2〕で、従来のカップリングにおける第1と第2のロータリ駆動トルク上昇要因をそれぞれ述べる。そして、〔3〕で、本発明に係るカップリングにおける、第2のロータリ駆動トルク上昇要因への対策を述べる。
【0257】
〔1〕従来のカップリングにおける、第1のロータリ駆動トルク上昇要因
まず、図30と図31を用いて、従来のカップリングにおける、カップリング離脱時の第1のロータリ駆動トルク上昇要因について説明する。ここで、回転力受け面1150e(1150e1、1150e2)と平行で、カップリング1150の回転軸線L12と直交する直線をL15とする。この場合、従来のカップリングとは、L15に対してピン1155の中心軸L16がなす角度α17が、カップリング1150の回転方向であるX15方向に約90°のものを示す。図30(a)と図30(b)は、カップリング1150が回転力伝達角度位置をとっており、駆動軸1180と係合したカップリング1150を、それぞれ装置本体側とカップリング1150の回転軸線L12方向と直交する方向から見た図である。図30(c)は、図30(b)の状態からカップリング1150がロータリ回転方向であるX14方向に移動し、カップリング1150が回転力伝達角度位置と離脱角度位置との中間の傾斜角度位置をとっている図である。図30(d)は、図30(c)の状態からカップリング1150が更にX14方向に移動し、カップリング1150が離脱角度位置で駆動軸1180から離脱する様子を示す図である。図31は、カップリング1150が、図30の状態からカップリング1150の回転軸線L12まわりに、カップリングが駆動伝達される方向であるX15方向に約120°回転した状態の図である。図31(a)〜(d)は、カップリング1150が駆動軸180と係合している状態から離脱する様子を、図30(a)〜(d)と同様に示している。
【0258】
図30(a)(b)の状態から、カップリング1150がロータリ回転方向であるX14方向に移動して駆動軸1180より離脱する際、カップリング1150は駆動軸1180に対して回転軸線L12と略同軸方向に移動し、回転力受け面1150e(1150e1、1150e2)とピン1182(1182a1、1182a2)が離れる。この時、回転力受け面1150eとピン1182間で発生している分力F3(前述の発明 図7H参照)と大きさが等しくて向きが逆の離脱力F5が、カップリング1150に作用する。この離脱力F5は、ロータリCがカップリング1150を回転軸線L12方向に引っ張る力である。すなわち、ロータリCの回転に伴うカップリング1150のX14方向への移動によって、カップリング1150に離脱力F5が作用する。つまり、ロータリCの回転によって、カップリング1150に離脱力F5が作用する。そして、カップリング1150に離脱力F5を作用させるために、ロータリCを回転させる駆動トルクが上昇する。よって、離脱力F5の大小により、離脱力F5をカップリング1150に作用させるためのロータリCの駆動トルクの大小も変化する。
【0259】
この離脱力F5は、カップリングの移動方向X14(ロータリ回転方向)に対する、回転力受け面1150eと平行でカップリング1150の回転軸線L12と直交する直線L15の、カップリング1150の回転軸線L12まわりの回転位相α16(図31参照、カップリングが駆動伝達される方向が正)によって異なる。例えば図30のように、α16=0°の場合を考える。すなわち、X14とL15が平行な場合を考える。この場合、カップリングが回転力伝達角度位置から離脱角度位置へ移動するのに伴い、まず回転力受け面1150e1からピン1182a1が外れる(図30(c))。この際の離脱力F5は、図30(b)における分力F3−1と等しい。次いで、回転力受面1150e2がピン1182a2から外れる(図30(c))。この際の離脱力F5も、図30(c)における分力F3−2と等しい。よってこの場合、カップリング離脱時に必要な力F5は、離脱開始から離脱終了まで分力F3(F3−1、F3−2)と等しくなる。
【0260】
一方、図31に示すように、回転力受け面150eの平坦部150xに対する角度α5が約10°(図7G参照)で、α16が約90°〜150°の場合を考える。このとき、カップリング1150が回転力伝達角度位置から離脱角度位置へ移動しても、回転力受け面1150e1とピン1182a1の係り量、および回転力受け面1150e2とピン1182a2の係り量がほぼ等しい。そのため、カップリング回転力受け面1150e1と1150e2からほぼ同時にピン1182a1、1182a2が抜ける(図31(c)(d))。よって、カップリング離脱時に必要な力F5は、図31(c)に示すF3−1とF3−2の合力となる。すなわち、カップリング1150の離脱に必要な離脱力F5は、分力F3の2倍と等しくなる。
【0261】
このように、ロータリCがカップリング1150を引き込む離脱力F5は、α16が約90°〜150°の場合大きくなる。図31においてもα16=約120°となっており、離脱力F5が大きくなる上記範囲に該当する。
【0262】
前述のように、離脱力F5はロータリCがカップリング1150を、カップリング1150の回転軸線L12方向に引き込む力である。よって、従来のカップリングにおいては、離脱力F5が大きくなると、ロータリCの駆動トルクが大きくなる。
【0263】
〔2〕従来のカップリングにおける、第2のロータリ駆動トルク影響要因
次に、図32を用いて、従来のカップリングにおける、カップリング離脱時の第2のロータリ駆動トルク上昇要因について説明する。これは、カップリング1150が駆動軸1180から離脱する際に、回転力伝達角度位置から離脱角度位置へ移動するのに伴う、ロータリ駆動トルクの上昇である。この従来のカップリングとは、〔1〕同様L15に対してピン1155の中心軸L16がなす角度α17が、カップリング1150の回転方向であるX15方向に約90°のものを示す。また、ここでは〔1〕で説明した、ロータリ駆動トルクが大きくなる場合についてのみ述べる。すなわち、α16が約90°〜150°の場合で、特にα16=約120°の場合についてのみ述べる(図31、図32参照)。また、ここではわかり易いように、駆動軸1180は不図示とする。図32Aと図32Bは、回転力伝達角度位置におけるカップリング1150と駆動入力ギア1147を、それぞれ装置本体側とカップリング1150の回転軸線L12方向から見た図である。図32Cは、図32Bの状態からカップリング1150と駆動入力ギア1147がロータリ回転方向X14に移動し、カップリング1150が離脱角度位置をとっている図である。図32Dは、図32Cの状態から駆動入力ギア1147が、カップリング1150に駆動伝達される方向であるX15方向に回転した図である。図32Eは、回転力伝達角度位置、離脱角度位置、回転力伝達角度位置と離脱角度位置の中間の角度位置、の3種類の位置をとっているカップリング1150を同時に示した様子を、カップリング150の回転軸線L12方向から見た図である。図32Fは、図32EをS4断面で切った断面図である。
【0264】
カップリング1150は、駆動軸1182から駆動力を伝達されている状態(図32A、B)から、ロータリ回転方向であるX14方向に移動し、駆動軸1182から離脱する(図32C、D)。このようにカップリング1150がX14方向に移動する間に、カップリング1150は回転力伝達角度位置から離脱角度位置に移動する。この場合、カップリング1150が回転力伝達角度位置から離脱角度位置に移動するのに伴い、カップリング1150の回転力伝達ピン1155が、ギア1147の回転力受け面1147hに侵入する方向に移動する(図32Cに示す斜線部E)。ここで、カップリング1150は、回転力伝達角度位置から離脱角度位置に移動する際、図32E、Fに示すような軌跡をとる。このとき、ギア1147は侵入量に応じて、カップリング1150の回転力伝達ピン1155とギア1147の回転力受け面1147hが干渉しない位置まで、X15方向に回転する(図32D)。つまり、カップリング1150の回転力伝達角度位置から離脱角度位置への移動により、駆動入力ギア1147がX15方向に回転する。すなわち、カップリング1150が回転力伝達角度位置をとる場合において、カップリング1150と駆動入力ギア1147の回転速度は同じであったが、カップリング1150が離脱角度位置へ移動することによって、カップリング1150の回転速度に対し、駆動入力ギア1147の回転速度が増すことになる。つまり、カップリング1150の回転に対して駆動入力ギア1147が増速される。この増速は、カップリング1150が回転力伝達角度位置から離脱角度位置に移動することによるものである。さらに、その傾斜角度位置の移動は、カップリング1150のX14方向への移動、すなわちロータリの回転によるものである。すなわち、ロータリの回転によって、駆動入力ギア1147が増速される。ここで、駆動入力ギア1147を増速させる、すなわちギア1147に加速度を与えるためには力が必要となり、その力は、ロータリ駆動トルクによって与えられる。すなわち、駆動入力ギア1147が増速されるのに必要なトルクによって、ロータリの駆動トルクが上昇する。
【0265】
〔3〕本発明に係るカップリングにおける、第2のロータリ駆動トルク上昇要因への対策
次に、本発明に係るカップリングにおける、先に〔2〕において説明した第2のロータリ駆動トルク上昇要因に対する対策について、図33を用いて説明する。すなわち、カップリング150が駆動軸180からの離脱時に、回転力伝達角度位置から離脱角度位置へ移動するのに伴う、ロータリ駆動トルクの上昇に対する対策を述べる。この場合のカップリング150の形状は、先に説明したように、0≦α7≦60°および150°≦α7<180°である。ここで、α7は先に説明したように、カップリング150の回転力受け面150eと平行で、カップリングの回転軸線L2と直交する直線L5に対して、ピン155の中心軸線L6がなすカップリング150の回転軸線L2まわりの回転位相であり、カップリング150が駆動伝達されて回転する方向X5が正である。また、ロータリ回転方向X4に対するL5との位置関係については、先に〔1〕において示したロータリ駆動トルクが大きくなる場合についてのみ述べる。すなわち、X4に対するL5の角度であるα6が、90°〜150°の場合についてのみ述べる。
【0266】
図33(a)〜(c)は、従来のカップリングとは異なる形状のカップリング150が回転力伝達角度位置から離脱角度位置方向に移動する様子を、図32A〜Cと同様に示している。図33(d)は、図33(c)の状態から駆動入力ギア147が、X5方向と逆の方向に回転した図である。また、ここではわかり易いように、駆動軸180は不図示とする。
【0267】
この場合、カップリング150は、駆動軸182から駆動力を伝達されている状態(図33(a)(b))から、ロータリ回転方向であるX4方向に移動し、駆動軸182から離脱する(図33(c)(d))。このようにカップリング150がX4方向に移動する間に、カップリング150は、回転力伝達角度位置から離脱角度位置に移動する。この場合、カップリング150が回転力伝達角度位置から離脱角度位置に移動するのに伴い、カップリング150の回転力伝達ピン155が、ギア147の回転力受け面147hから離れる方向に移動する(図33(c)に示す斜線部F)。つまり、ピン155と回転力受け面147hは離れる。このとき、ギア147はピン155が回転力受け面147から離れた量に応じて、回転力伝達ピン155と回転力受け面147hが接する位置まで、カップリングが駆動伝達されて回転する方向であるX5方向と逆の方向に回転する(図33(d))。つまり、カップリング150の回転力伝達角度位置から離脱角度位置への移動に伴い、駆動入力ギア147が、カップリングが駆動伝達されて回転する方向であるX5方向と逆の方向に回転する。従って、カップリング150の回転に対して、駆動入力ギア147が減速される。この減速は、カップリング150が回転力伝達角度位置から離脱角度位置に移動することによるものである。さらに、その傾斜角度位置の移動は、カップリング150のX4方向への移動、すなわちロータリの回転によるものである。すなわち、ロータリの回転によって、ギア147が減速される。ここで、ギア147の減速に伴い、ギア147の駆動トルクが下降する。このトルク下降によって、減速要因となっているロータリの駆動トルクが下降する。
【0268】
先に〔1〕において、α16が90°〜150°の値をとる場合を述べた。この場合、カップリング150が駆動軸180から離脱する際のロータリの駆動トルクが高くなる(図31参照)。更に、この場合において、〔2〕において述べた従来のカップリング、すなわちα17=約90°の場合について考える。このとき、カップリング150の駆動軸180からの離脱に伴い、カップリングの回転力伝達角度位置から離脱角度位置への移動に伴い、更にロータリ駆動トルクが上昇していた(図32参照)。
【0269】
一方で〔3〕で述べた、本発明に係る、α7の値が0≦α7≦60°および150°≦α7<180°となるカップリングについて考える。ここで、上述の角度α16(またはα6)が90°〜150°の値をとり、カップリング150が駆動軸180から離脱する際のロータリの駆動トルクが高くなる場合について述べる。この場合においても、カップリング150が駆動軸180からの離脱する際の、カップリングの回転力伝達角度位置から離脱角度位置への移動に伴うロータリ駆動トルクが下降する。すなわち、カップリング150が駆動軸180から離脱する際、従来のカップリングにおいて、上述の〔1〕と〔2〕が合わさった分だけロータリ駆動トルクが上昇していた。つまり、ロータリ駆動トルクの上昇分は、〔1〕(カップリング150が駆動軸180から抜ける際のロータリ駆動トルク上昇分)によるもの以上であった。それに対して、本発明に係るカップリングを用いれば、上述の〔1〕と〔3〕(カップリングの回転力伝達角度位置から離脱角度位置への移動に伴うロータリ駆動トルクの下降分)が合わさった分だけロータリ駆動トルクが上昇する。つまり、ロータリ駆動トルクの上昇分は、〔1〕によるもの以下となる。つまり、本発明に係るカップリングを用いれば、カップリング150が駆動軸180から離脱する際の、ロータリ駆動トルクの上昇を、従来のカップリング以下にすることができる。これは、本発明を適用した本実施例の顕著な効果の一つである。
【0270】
ここで、本実施例における、カップリング150の回転力受け面150eと平行で、カップリングの回転軸線L2と直交する直線L6に対する、回転力伝達ピン155の中心軸L7の、カップリング150の回転軸線L2まわりの角度位相α7(図33参照)と、ロータリ駆動トルクとの関係を図34に示す。ここで、図34において、縦軸はロータリの駆動トルク上昇ΔTを示し、横軸はα7を示している。尚、α7は、カップリングが駆動伝達を受けて回転する方向X5を正とする。図34において、縦軸であるロータリの駆動トルク上昇ΔTが0より大きい場合、カップリングの傾斜角度位置の変化によって、ロータリの駆動トルク上昇が発生していることを示す。よって、ΔT<0であれば、ロータリ駆動トルクの低減を達成できる。本実施例においてこれを実現するα7は、0≦α7≦60°および150°≦α7<180°である(図34に示す斜線部G、H)。
【0271】
以上説明した通り、前述した各実施例は、次のとおりである。
【0272】
前述実施例によれば、カートリッジBが、駆動軸180の軸線L3方向と実質的に直交する方向に移動する構成であっても、カップリング150が、駆動軸180に連結し(係合し)、及び、駆動軸180から離脱することができる。また、カートリッジBは、ロータリCの回転に応じて、駆動軸180の軸線L3方向と実質的に直交する方向に移動する。これは、前述したように、カップリング150が、回転力伝達角度位置(第1の角度位置)、係合前角度位置(第2の角度位置)、離脱角度位置(第3の角度位置)を取り得るからである。ここで、回転力伝達角度位置は、装置本体Aから回転力を現像ローラ110に伝達するための角度位置である。また、係合前角度位置は、前記回転力伝達角度位置から傾斜した、前記カップリング150が前記駆動軸180と係合する前の角度位置である。また、離脱角度位置は、前記回転力伝達角度位置から前記係合前角度位置とは反対側に傾斜した、前記カップリング150が前記駆動軸180から離脱する角度位置である。
【0273】
ここで、前述した通り、回転力伝達角度位置(第1の角度位置)とは、現像ローラ110を回転させるための回転力を、現像ローラ110に伝達するための、カップリング150の角度位置である。
【0274】
また、係合前角度位置(第2の角度位置)とは、前記回転力伝達角度位置から傾斜した、前記カップリング150が駆動軸と係合する前のカップリング150の角度位置である。
【0275】
また、離脱角度位置(第3の角度位置)とは、前記回転力伝達角度位置から、前記係合前角度位置とは反対側に傾斜した、前記カップリング150が駆動軸180から離脱するカップリング150の角度位置である。
【0276】
以上説明した実施例によれば、装置本体の駆動軸と現像装置の回転力伝達部品との連結が解除される際の移動部材の移動負荷上昇を低減し、低コスト、小型の移動部材駆動モータを使用できる現像装置、回転力伝達部品、電子写真画像形成装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0277】
A 電子写真画像形成装置本体
B カートリッジ(現像装置)
C ロータリ(移動部材)
t 現像剤
L1 現像ローラの回転軸線
L2 カップリングの回転軸線
L3 駆動軸の回転軸線
L4 駆動入力ギアの回転軸線
X4 ロータリ回転方向(ロータリ移動方向)
100 電子写真画像形成装置
110 現像ローラ
115 現像剤供給ローラ
138 軸受
147 駆動入力ギア
147g(147g1、147g2) 開口部
147h(147h1、147h2) 回転力受け面(回転力被伝達部、伝達面)
150 カップリング(回転力伝達部品)
150d(150d1、150d2) 突起
150e(150e1、150e2) 回転力受面(回転力受け部)
150h(150h1、150h2) 回転力伝達面(回転力伝達部)
150i 抜け止め部(球面形状部)
150j カップリング被規制部
150x 平坦部150x平坦部
150z 凹部
155 回転力伝達ピン
156 抜け止め部材
157 支持部材
159 弾性部材(付勢部材)(ねじりコイルバネ)
160 規制部材
160a 軸受部(駆動入力ギア支持部)
160b 被規制部収納部
160b1 位置決め部(規制部)
160b2 許容部
160b3 収納部の壁
160b4 V溝部
180 駆動軸
182 回転力伝達ピン
150A1 下流側先端位置
150A2 上流側先端位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転力付与部を有する駆動軸であって、モータにより回転される駆動軸と、移動部材とを設けられた電子写真画像形成装置に用いられる現像装置であり、かつ、前記移動部材に取り付けられた状態で、前記移動部材の一方向への移動に応じて、前記駆動軸の軸線方向と実質的に直交する方向に移動する現像装置であって、
i)軸線を中心に回転可能で、電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像し、前記移動部材の移動に応じて前記電子写真感光体と接離可能な現像ローラと、
ii)前記現像ローラに回転力を伝達するためのカップリング部材であって、前記回転力付与部と係合して前記駆動軸からの回転力を受ける一対の回転力受け部と、前記回転力受け部を介して受けた前記回転力を前記現像ローラに伝達する一対の回転力伝達部と、を有し、前記現像ローラを回転させるための前記回転力を、前記回転力伝達部を介して前記現像ローラに伝達するための回転力伝達角度位置と、前記回転力伝達角度位置から傾斜した、前記カップリング部材が前記回転力付与部と係合する前の係合前角度位置と、前記回転力伝達角度位置から前記係合前角度位置とは反対側に傾斜した、前記カップリング部材が前記駆動軸から離脱する離脱角度位置と、を取り得るカップリング部材と、
iii)前記現像ローラに回転力を伝達するための駆動力伝達部材であって、前記回転力伝達部からの回転力を受ける回転力被伝達部を有する駆動力伝達部材と、
を有し、
前記移動部材が前記一方向へ移動する際に、前記現像装置が移動するのに応じて、前記カップリング部材が前記係合前角度位置から前記回転力伝達角度位置に移動することによって、前記カップリング部材が前記駆動軸と係合する、及び、前記カップリング部材が前記駆動軸と係合する位置から前記移動部材が更に前記一方向へ移動する際には、前記現像装置が移動するのに応じて、前記カップリング部材が前記回転力伝達角度位置から前記離脱角度位置に移動することによって、前記カップリング部材が前記駆動軸から離脱し、
前記カップリング部材が前記回転力伝達角度位置から前記離脱角度位置に移動して前記駆動軸から離脱する際に、前記カップリング部材と前記駆動軸が離脱するのに要する力が最大となる前記カップリングの回転位相において、前記カップリング部材が前記回転力伝達角度位置から前記離脱角度位置に移動するのに伴い前記回転力伝達部が前記回転力被伝達部に与える力が生じないことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置において、
i)回転力付与部を有する駆動軸であって、モータにより回転される駆動軸と、
ii)移動部材と、
iii)前記移動部材に取り付けられた状態で、前記移動部材の一方向への移動に応じて、前記駆動軸の軸線方向と実質的に直交する方向に移動する現像装置であって、
軸線を中心に回転可能で、電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像し、前記移動部材の移動に応じて前記電子写真感光体ドラムと接離可能な現像ローラと、
前記現像ローラに回転力を伝達するためのカップリング部材であって、前記回転力付与部と係合して前記駆動軸からの回転力を受ける一対の回転力受け部と、前記回転力受け部を介して受けた前記回転力を前記現像ローラに伝達する一対の回転力伝達部と、を有し、前記現像ローラを回転させるための前記回転力を、前記回転力伝達部を介して前記現像ローラに伝達するための回転力伝達角度位置と、前記回転力伝達角度位置から傾斜した、前記カップリング部材が前記回転力付与部と係合する前の係合前角度位置と、前記回転力伝達角度位置から前記係合前角度位置とは反対側に傾斜した、前記カップリング部材が前記駆動軸から離脱する離脱角度位置と、を取り得るカップリング部材と、
前記現像ローラに回転力を伝達するための駆動力伝達部材であって、前記回転力伝達部からの回転力を受ける回転力被伝達部、を有する駆動力伝達部材と、
を有し、
前記移動部材が前記一方向へ移動する際に、前記現像装置が移動するのに応じて、前記カップリング部材が前記係合前角度位置から前記回転力伝達角度位置に移動することによって、前記カップリング部材が前記駆動軸と対向する、及び、前記カップリング部材が前記駆動軸と対向する位置から前記移動部材が更に前記一方向へ移動する際には、前記現像装置が移動するのに応じて、前記カップリング部材が前記回転力伝達角度位置から前記離脱角度位置に移動することによって、前記カップリング部材が前記駆動軸から離脱する現像装置と、
を有し、
前記カップリング部材が前記回転力伝達角度位置から前記離脱角度位置に移動して前記駆動軸から離脱する際に、前記カップリング部材と前記駆動軸が離脱するのに要する力が最大となる前記カップリングの回転位相において、前記カップリング部材が前記回転力伝達角度位置から前記離脱角度位置に移動するのに伴い前記回転力伝達部が前記回転力被伝達部に与える力が生じないことを特徴とする電子写真画像形成装置。
【請求項3】
回転力付与部を有する駆動軸であって、モータにより回転される駆動軸と、移動部材とを設けられた電子写真画像形成装置に用いられ、かつ、前記移動部材に取り付けられた状態で、前記移動部材の一方向への移動に応じて、前記駆動軸の軸線方向と実質的に直交する方向に移動する現像装置であって、軸線を中心に回転可能で、電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像し、前記移動部材の移動に応じて前記電子写真感光体と接離可能な現像ローラと、前記現像ローラに回転力を伝達するための駆動力伝達部材と、を有する現像装置、に用いられる回転力伝達部品であって、
前記回転力伝達部品は、前記回転力付与部と係合して前記駆動軸からの回転力を受ける一対の回転力受け部と、前記回転力受け部を介して受けた前記回転力を前記現像ローラに伝達する一対の回転力伝達部と、を有し、前記現像ローラを回転させるための前記回転力を、前記回転力伝達部を介して前記現像ローラに伝達するための回転力伝達角度位置と、前記回転力伝達角度位置から傾斜した、前記回転力伝達部品が前記回転力付与部と係合する前の係合前角度位置と、前記回転力伝達角度位置から前記係合前角度位置とは反対側に傾斜した、前記回転力伝達部品が前記駆動軸から離脱する離脱角度位置と、を取り得て、
前記駆動力伝達部材は、前記回転力伝達部からの回転力を受ける回転力被伝達部を有し、
前記移動部材が前記一方向へ移動する際に、前記現像装置が移動するのに応じて、前記回転力伝達部品が前記係合前角度位置から前記回転力伝達角度位置に移動することによって、前記回転力伝達部品が前記駆動軸と係合する、及び、前記回転力伝達部品が前記駆動軸と係合する位置から前記移動部材が更に前記一方向へ移動する際には、前記現像装置が移動するのに応じて、前記回転力伝達部品が前記回転力伝達角度位置から前記離脱角度位置に移動することによって、前記回転力伝達部品が前記駆動軸から離脱し、
前記回転力伝達部品が前記回転力伝達角度位置から前記離脱角度位置に移動して前記駆動軸から離脱する際に、前記回転力伝達部品と前記駆動軸が離脱するのに要する力が最大となる前記回転力伝達部品の回転位相において、前記回転力伝達部品が前記回転力伝達角度位置から前記離脱角度位置に移動するのに伴い前記回転力伝達部が前記回転力被伝達部に与える力が生じないことを特徴とする回転力伝達部品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図7C】
image rotate

【図7D】
image rotate

【図7E】
image rotate

【図7F】
image rotate

【図7G】
image rotate

【図7H】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図8C】
image rotate

【図8D】
image rotate

【図8E】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32A】
image rotate

【図32B】
image rotate

【図32C】
image rotate

【図32D】
image rotate

【図32E】
image rotate

【図32F】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate


【公開番号】特開2011−95604(P2011−95604A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−250820(P2009−250820)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】