説明

現像装置および画像形成装置

【課題】現像部の外部に設けられた現像剤収容部を備え、現像部と現像剤収容部との間で現像剤を循環させる現像装置おいて、現像剤の状態によらず、現像剤収容部から現像部に向けてエアの流れにより現像剤搬送経路内を搬送される現像剤量を安定させて現像部内の現像剤量の変化を抑制する。
【解決手段】攪拌部40から現像部10に現像剤を搬送するよう、エアポンプ60より攪拌部から現像剤が排出される排出部54にエアを供給して現像剤を搬送するものであって、エア供給チューブ64中のエア圧力を検知する圧力計61と、圧力計により検知したエア圧力に基づき、エア供給チューブ64中に流れるエア流量が所定値になるようエアポンプの駆動モータ62を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置、および、これに採用される現像装置に関するものである。詳しくは、像担持体上の潜像を現像する現像剤担持体を備えた現像部から離れた場所に、現像剤を収容する現像剤収容部を備えた現像装置およびこれを採用する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、像担持体上の潜像を現像する現像剤担持体を備えた現像部から離れた場所に現像剤収容部を備え、現像部と現像剤収容部との間で現像剤を循環させる構成の現像装置が知られている。この現像装置では、スペースの限られる像担持体周りに配置される現像部を小型化可能であるという利点がある。また、現像剤として2成分現像剤を用いた場合は、現像剤収容部にて現像剤の状態に応じた撹拌を行い、トナー濃度及び帯電量を適切に調整した現像剤を現像部に供給できるという利点がある。特許文献1には、このような現像装置で、現像部と現像剤収容部との間で現像剤を循環させるよう、現像部を現像剤収容部より上方に設け、重力により現像剤を上方の現像部より下方の現像剤収容部に向けて搬送し、エアポンプより供給されたエアの流れ(空気流)により下方の現像剤収容部から上方の現像部に向けて現像剤を搬送する構成が記載されている。また、エアポンプより供給されたエアの流れによる現像剤収容部から現像部への現像剤エア搬送手段としては、エアを吐出するエアポンプと、現像剤収容部と現像部とを連結する現像剤搬送経路と、現像剤収容部から現像剤搬送経路に現像剤を排出する排出手段と、エアポンプから吐出されたエアを、現像剤搬送経路内の排出手段により現像剤が排出された位置から現像部に向けて流すエア流路とを備えた構成が記載されている。
【0003】
このような、現像部と、これより下方の現像剤収容部との間で、現像剤を循環させて現像をおこなう現像装置では、循環する現像剤の嵩密度等の状態が経時で変化することによって、次の問題が生じる。上記現像剤エア搬送手段によって、エアポンプより供給されたエアの流れにより下方の現像剤収容部から上方の現像部に向けて現像剤を搬送するときは、現像剤の状態によって単位時間あたりの搬送量が変化し易い。一方、重力により上方の現像部より下方の現像剤収容部に向けて現像剤を搬送するときは、現像剤の状態によって単位時間あたりの搬送量が変化し難い。これらの結果、現像剤の状態によって現像部内の現像剤量が変化してしまい、現像等に支障をきたし易い。例えば、現像部内の現像剤量が少なくなりすぎると、現像に用いられる現像剤不足による画像品質の低下が生じるおそれがある。また、現像部内の現像剤量が多くなりすぎると現像部から外部に現像剤が漏れて現像剤による環境の汚染が生じるおそれがある。
【0004】
上記現像剤エア搬送手段によって下方の現像剤収容部から上方の現像部に向けて現像剤を搬送する構成の現像装置において、現像部内の現像剤量の変化を抑制する手段として、特許文献2の現像装置が提案されている。この現像装置は、現像部内と現像剤収容部内の現像剤量割合の変化を検出し、検出した現像剤量割合に基づき、現像剤量割合が一定になるように、現像剤収容部から現像剤搬送経路内へ現像剤を排出する排出手段を制御して、現像剤搬送経路内に供給する現像剤供給量を調整するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2のように、現像剤搬送経路内に供給する現像剤量を調整しても、上記現像剤エア搬送手段により現像剤の搬送をおこなう構成では、現像剤搬送経路内に供給された現像剤が安定して搬送されるとは限らない。現像剤の状態によって単位時間あたりの搬送量が変化し易ため、現像剤搬送経路内に供給された現像剤のうち、実際に現像部に搬送される単位時間あたりの現像剤量が変化してしまう。この結果、現像部内の現像剤量の変化を抑制する効果は十分とは言えない。
【0006】
本発明は、現像部の外部に設けられた現像剤収容部を備え、現像部と現像剤収容部との間で現像剤を循環させる現像装置おいて、現像剤の状態によらず、現像剤収容部から現像部に向けてエアの流れにより現像剤搬送経路内を搬送される現像剤量を安定させて現像部内の現像剤量の変化を良好に抑制できる現像装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、像担持体近傍に配置され、像担持体上に形成された潜像を現像する現像部と、該現像部の下方に配置され、現像剤を収容する現像剤収容部を備え、該現像部と該現像剤収容部との間で現像剤を循環させる現像装置であって、該現像剤収容部から該現像部に現像剤を搬送する現像剤搬送手段として、エアを吐出するエアポンプと、該現像剤収容部と該現像部とを連結する現像剤搬送経路と、該現像剤収容部内の現像剤を該現像剤搬送経路に排出する排出手段と、該エアポンプから吐出されたエアを、該現像剤搬送経路内の排出手段により現像剤が排出された位置から該現像部に向けて流すエア流路とを備えた現像装置において、上記エア流路中のエア圧力を検知するエア圧力検知手段と、該エア圧力検知手段により検知したエア圧力に基づき上記エアポンプによるエア供給量を制御するエア流量制御手段を設けたことを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の現像装置において、上記エア流路中のエア圧力と上記エアポンプから該エア流路中に供給できるエア流量値との関係を記憶したエア供給特性記憶手段を備え、上記エア流量制御手段は、上記エア圧力検知手段により検知したエア圧力と、該エア供給特性記憶手段に記憶されたエア圧力とエア流量値との関係に基づき、該エア流路中のエア流量値を求め、求めたエア流量値に基づき該エア流路に流れるエア流量が所定値になるよう該エアポンプを制御することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の現像装置において、上記エア流路の途中から分岐し、下流端部が大気開放される分岐エア流路と、上記エアの流れを上記現像剤搬送経路側または該分岐エア流路側の何れかに切替えるエア流路切り替え手段と、該分岐エア流路内のエア流量を検知するエア流量検知手段と、上記エア圧力検知手段の設置位置より下流側でエアの流れを遮断するエア遮断手段とを設け、上記エア流量制御手段は現像剤搬送を行わないタイミングで、該エア遮断手段により下流側を遮断して該エア圧力検知手段によりエア圧力の最大値を検知し、且つ、該エア流路路切り替え手段によりエアの流れを該分岐エア流路側に切替えて該分岐エア流路の下流部が大気開放された状態で該エア流量計によりエア流量を検知し、検知したエア圧力の最大値と検知したエア流量とに基づき該エア流路中のエア圧力と該エアポンプから該エア流路に供給できるエア流量値との関係を取得するエア供給特性取得モードを有し、該エア供給特性取得モードで取得したエア供給特性を上記エア供給特性記憶手段に記憶することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項2または3の現像装置において、上記エア圧力検知手段で検知したエア圧力が基準値より低い場合、上記エア流量制御手段は上記エアポンプのエア吐出量を減少させるように、検知したエア圧力が基準値より高い場合、上記エア流量制御手段は該エアポンプのエア吐出量を増加させるように制御することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3または4の何れかの現像装置において、上記エア流量制御手段によるエア供給量の制御は、上記エアポンプを駆動するモータの回転数を変化させることによりおこなうことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4または5の何れかの現像装置において、上記エア圧力検知手段で検知したエア圧力が、予め決められた範囲外となったとき、異常と判断し駆動を停止することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5または6の何れかの現像装置において、上記現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段を設け、前記トナー濃度検知手段の情報に基づき上記エア圧力検知手段の誤検知を判定することを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、像担持体と、該像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、該像担持体を現像する現像手段とを備えた画像形成装置において、上記現像手段として請求項1、2、3、4、5、6または7の何れかの現像装置を採用することを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項8の画像形成装置において、上記現像装置を複数備え、一つのエア流量計が該複数の現像装置のエア流量計を兼ねることを特徴とするものである。
【0008】
本発明者は検討の結果、エアポンプにより供給されたエアの流れにより現像剤収容部から現像部へ現像剤を搬送する構成で、現像剤の状態によって搬送量が変化し易いのは、現像剤搬送経路内の現像剤の状態によりエアポンプに対する負荷が変わって、エアポンプからエア流路を介して現像剤搬送経路内の現像剤に供給されるエア流量が変化することに起因することを見出した。このため、エアポンプにより供給されるエア流量の調整手段を有しない上述の特許文献2の現像装置では、現像剤搬送経路内の現像剤に供給されるエア流量が変化して、現像剤搬送経路内に供給された現像剤のうち実際に現像部に搬送される現像剤量が変化してしまうと考えられる。
現像剤搬送経路内を搬送される現像剤量を安定させるには、現像剤搬送中にエア流路を流れているエア流量を検出して、これを一定にするようエアポンプを制御することが有効と考えられる。
しかしながら、エア流路中にエア流量計を設けてエア流量を検出する構成では、エア流路中の正確なエア流量を検出することが難しい。一般的なエア流量計は熱線式であり、その原理は流路中の設けた素子に電流を流して加熱し、素子が流路中を流れるエアによって冷やされたことによる熱量を電流値の変化により測定して、風量に変換している。このため、ゴミや現像剤が素子に付着すると流れる電流量が変化し、正確な流量を測定できないという欠点がある。エア流路は、エアポンプと現像剤搬送経路とを連結するものであり、搬送停止直後には現像剤が流れ込み易く、エア流量計の素子に現像剤が付着することは避けられない。また、熱線式のエア流量計は、下流側に負荷があると、その大きさによって測定されるエア流量が大きく誤差を含んでしまうことが解った。このため、負荷となる現像剤がある現像剤搬送経路を下流側に有するエア流路では、一般的なエア流量計を用いて正確なエア流量を検出することは困難である。
そこで、本発明では、エア流路中にエア圧力検知手段を設けてエア圧力を検知し、エア流量制御手段がエア圧力検知手段により検知したエア圧力に基づきエアポンプを制御する。例えば、予め求めたエア圧力とエアポンプからエア流路中に供給できるエア流量値との関係に基づき、エア流路中に供給されているエア流量を求め、求めたエア流量に基づき、エアポンプから供給されるエア流量が所定値になるようエアポンプを制御する。このように、エア圧力検知手段により検知したエア圧力に基づき求めたエア流量は、エア流量計を用いて検出したエア流量に較べ、経時でも正確な値となっていることが後述する実験で確認された。このため、本発明の構成では、現像剤の状態が変化しても、エアポンプからエア流路を介して現像剤搬送経路内の現像剤に供給されるエア流量の変動は抑えられ、現像剤収容部から現像部へ向けてエアの流れにより現像剤搬送経路内を搬送される現像剤量が安定する。これにより現像部内の現像剤量の変化を良好に抑制できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、現像部の外部に設けられた現像剤収容部を備え、現像部と現像剤収容部との間で現像剤を循環させる現像装置おいて、現像剤の状態によらず、現像剤収容部から現像部に向けてエアの流れにより現像剤搬送経路内を搬送される現像剤量を安定させて現像部内の現像剤量の変化を良好に抑制できるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置の全体概略構成図。
【図2】現像装置全体の概略構成図。
【図3】現像装置の現像部の断面図。
【図4】現像装置の攪拌部と搬送部の断面図。
【図5】現像剤の嵩密度に対する現像剤搬送量の変化を示すグラフ。
【図6】現像剤のトナー濃度に対する嵩密度の変化を示すグラフ。
【図7】エア供給チューブを流れるエア流量と現像剤搬送量の関係を示すグラフ
【図8】エア流量計の設置位置の説明図。
【図9】エア圧力に対するバルブ前後のエア流量計によるエア流量計測値を示すグラフ。
【図10】搬送している現像剤の嵩密度に依存してエアポンプにかかる負荷圧力の変化を示すグラフ。
【図11】エアポンプに係る負荷圧力に対する吐出流量を示すグラフ。
【図12】実施例1に係るエア流量制御手段のフローチャート。
【図13】エアポンプのエア吐出特性を示すグラフ。
【図14】現像剤の嵩密度の変化によるエア圧力範囲と異常時のエア圧力値を示すグラフ。
【図15】エアポンプのエア吐出特性の動作時間に対する変化を示したグラフ。
【図16】経時におけるエアポンプのエア吐出特性を示すグラフ。
【図17】エアポンプの駆動モータ回転数に対するエア吐出流量特性を示すグラフ。
【図18】エアポンプの吐出特性を取得するための構成図。
【図19】複数の現像装置のエアポンプの吐出特性を一つのエア流量計で取得するための構成図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を適用したの画像形成装置の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の全体概略構成図である。図1の画像形成装置は、イエロー(Y)、シアン(M)、マゼンタ(C)、ブラック(Bk)の各色の画像を形成するための4つの画像形成ユニット1Y、M、C、Bkを備え、これらを所定のピッチで配列した、所謂、タンデム型の画像形成装置である。尚、Y、M、C、Bkの色順は、図1に限るものでなく、他の並び順であっても構わない。
【0012】
4つの画像形成ユニット1Y、M、C、Bkは、使用されるトナーの色が異なる以外は同じ構成である。例えば、イエロー用の画像形成ユニット1Yは、像担持体としての感光体ドラム2Yの周りに、帯電手段3Y、後述する現像装置の現像部10Y、クリーニング手段7Y等を備えている。他の画像形成ユニット1M、C、Bkも同様の構成である。
【0013】
画像形成ユニット1Y、M、C、Bkの下方には、画像データに基づいて各感光体ドラム2Y、M、C、Bkの表面にレーザー光を走査しながら照射する光書込ユニット(不図示)が配置されている。また、画像形成ユニット1Y、M、C、Bkの上方には各画像形成ユニットのトナー像を重ね合わせて転写するように搬送する中間転写ベルト5が配置されている。中間転写ベルト5の左側には、記録媒体にトナー像を転写する二次転写ローラ6が配置されている。その上方には定着装置80が配置されている。中間転写ベルト5の右側には、外周面に接触するようにベルトクリーニング装置が接触するように配置されている。このベルトクリーニング装置により中間転写ベルト5上に付着したトナー等の異物が除去される。また、画像形成装置下部には、転写媒体である記録媒体が載置された給紙カセット80を備えている。
【0014】
次に、画像形成装置の動作について説明する。
例えば、画像形成ユニット1Yでは、帯電手段3Yにより感光体ドラム2Y表面を帯電する。所定の電位に帯電した各感光体ドラム2Y表面には、引き続いて光書込ユニット(不図示)により画像データに基づくレーザー光が走査され、静電潜像が書き込まれる。静電潜像を担持した各感光体ドラム2Y表面が現像部10Yに到達すると、各感光体ドラム2Y表面の静電潜像にトナーが供給されて、トナー像が形成される。上記の動作が画像形成ユニット1Y、M、C、Bkに同様にして所定のタイミングで行われ、感光体ドラム2Y、M、C、Bk表面にはそれぞれ所定の色のトナー像が形成される。
【0015】
画像形成ユニット1Y、M、C、Bkの画像形成動作タイミングで中間転写ベルト5上に、各感光体ドラム2Y、M、C、Bk上のトナー像を順次転写していく。このトナー像の転写は、中間転写ベルト5を挟んで各感光体ドラム2Y、M、C、Bkと対向配置されている一次転写ローラ9Y、M、C、Bkにより行われる。
【0016】
記録媒体は、給紙カセット80から搬送され、レジストローラ18に到達したところで一端停止する。前述の画像形成動作タイミングに合せて、記録媒体はレジストローラ18より二次転写ローラ6へ搬送される。
【0017】
二次転写ローラ6は中間転写ベルト5に接触して、中間転写ベルト5の張架ローラの一つと対向配置されている。中間転写ベルト5上に重ね合わされた4色のトナー像は、二次転写ローラ6と中間転写ベルト5とのニップで記録媒体に転写される。トナー像が転写された記録媒体は、定着装置90へ搬送される。
【0018】
定着装置90は、トナー像が転写された記録媒体に熱と圧力との作用によりトナー像の定着を行う。トナー像が定着された記録媒体は機外に排出される。
【0019】
また、画像形成装置、図示しないCPUと、ROM、RAM等の記憶手段等とを備え画像形成装置の動作全般を制御する図示しない制御部と、液晶表示パネル等によって構成された、所定の表示を行う図示しない表示手段とを有している。
【0020】
次に、現像装置について説明する。
現像装置は、各感光体ドラム2Y、M、C、Bkに対向して配置さる現像部10Y、M、C、Bkと、現像部10Y、M、C、Bkから離れて、画像形成ユニット1Y、M、C、Bkの下方に配置され、現像剤を収容しながら攪拌する現像剤収容部としての攪拌部40Y、M、C、Bkと、現像部10Y、M、C、Bkと攪拌部40Y、M、C、Bkとの間で現像剤をそれぞれ循環させる現像剤循環手段を備えている。なお、Y、M、C、Bkの各現像装置は、現像剤の色が異なる以外は同一であるので、以下、符号を省略して説明する。
【0021】
図2は、現像装置全体の概略構成図である。図2に示すように、現像部10は、感光体ドラム2と対向しており、トナーとキャリアとを含む乾式の2成分現像剤である現像剤を担持する現像剤担持体としての現像ローラ11を備えている。現像部10の下方に攪拌部40が配置され、攪拌部40内の現像剤に補給するトナーを収容するトナーボトル22を取り替え可能に備えている。このように、現像装置は、現像撹拌分離型の現像装置である。
【0022】
また、現像装置は、現像部10から攪拌部40へ向けての現像剤搬送経路を形成する現像剤移送管30を有しており、現像部10から下方の攪拌部40に向けて、現像剤を重力により現像剤移送管30内で移動させる。一方、下方の攪拌部から現像部に向けての現像剤に移動は、エアの流れにより現像剤を搬送する現像剤エア搬送手段を有している。現像剤エア搬送手段としては、撹拌部40の下方に接続され撹拌部40の現像剤を適量づつ排出する現像剤排出手段としてのロータリフィーダ50と、ロータリフィーダ50に接続され現像剤を供給される排出部54と、排出部54と現像部10とを連結する現像剤搬送チューブ31と、エアを吐出するエアポンプ60と、エアポンプ60から吐出されたエアを、排出部54を介して現像剤搬送チューブ31に向けて流すエア流路としてのエア供給チューブ64とを備えている。このような構成の現像剤エア搬送手段では、排出部54と現像剤搬送チューブ31とが、攪拌部40から現像部10へ向けての現像剤搬送経路を形成している。
【0023】
図3、現像装置の現像部の断面図である。現像部10は、現像ローラ11と、現像ローラ11上の現像剤を規制する規制部材としてのドクタブレード12と、現像剤を攪拌搬送しながら現像ローラ11に供給する供給スクリュウ14と、現像剤を攪拌搬送しながら現像ローラ11から使用後の現像剤を回収する回収スクリュウ13とを備えている。供給スクリュウ14と回収スクリュウ13とは上下に配置され、その間には仕切り壁16が形成されている。また、供給スクリュウ14の近傍には、供給スクリュウにより搬送される現像剤のトナー濃度を検知するためのトナー濃度検知手段63を有している。
【0024】
現像ローラ11は、外周部を構成する非磁性で円筒状の現像スリーブと、その内側に配置された磁界発生手段(複数の磁極が着磁されたマグネットローラ、あるいは複数の磁石)とからなる。現像ローラ11を構成する現像スリーブは、固定(非回転)された磁界発生手段のまわりを回転駆動可能に構成される。現像ローラ11は、現像スリーブを回転しながら、供給スクリュウ14により供給された現像剤を磁力によってローラ表面に担持して、ドクタブレード12で現像剤の高さを規制された後、感光体ドラム2上の潜像を現像剤中のトナーで現像する。
【0025】
供給スクリュウ14は、図3中手前側から奥側に現像剤を攪拌しながら搬送するとともに、現像ローラ11に現像剤を供給する。現像ローラ11に供給されずに供給スクリュウ14により奥側まで搬送された現像剤は、仕切り壁16の奥側端部に形成された開口部(不図示)を通って落下し、回収スクリュウ13に受け渡される。回収スクリュウ13は、図3中奥側から手前側に現像剤を攪拌しながら搬送するとともに、現像ローラ11から現像に使用後の現像剤を回収する。このように、現像部10内では、現像ローラ11に現像剤を供給・回収しながら、現像剤を攪拌しつつ循環搬送している。
【0026】
回収スクリュウ13により回収された現像剤は、現像によりトナーが消費されているのでトナー濃度が低下している。回収スクリュウ13により、図3中手前側端部まで搬送されたトナー濃度の低下した現像剤は、ケーシング底部に設けられた開口(不図示)から、図2に示す現像剤移送管30を通って攪拌部40に落下する。
【0027】
図4は、現像装置の攪拌部および現像剤エア搬送手段の断面図である。攪拌部40は、現像剤を収容する上下に長い円筒状をした容器からなり、内部に収容された現像剤を攪拌する攪拌手段を備えており、この攪拌手段は攪拌用モータ45により駆動される。図4は、撹拌手段として、攪拌スクリュウ43と板状の回転羽根44とを用いた構成である。攪拌スクリュウ43の軸心部は、攪拌部40の上部に設けられた攪拌用モータ45の回転軸45aに直結さており、回転軸45aには回転羽根44が回転可能な緩い嵌合で装着されている。攪拌用モータ45の回転軸45aには第1駆動ギヤG1が固定され、第1駆動ギヤG1は第1中間ギヤG2に噛み合わされ、第1中間ギヤG2はフレームおよび容器間に軸支された中間軸に固定されている。中間軸には第2中間ギヤG3が固定され、第2中間ギヤG3には第2駆動ギヤG4が噛み合わされている。第2駆動ギヤG4は回転軸45aに対して回転自在に緩く嵌合しており、かつ、第1駆動ギヤG1に対して回転フリーであり、また、回転羽根44と一体化されている。攪拌用モータ45が回転されると、攪拌用モータ45の回転軸45aに直結された攪拌スクリュウ43が回転する。同時に、第1駆動ギヤG1、第1中間ギヤG2、第2中間ギヤG3、第2駆動ギヤG4の順に動力が伝達されて、攪拌スクリュウ43とは異なる回転方向で回転羽根44が回転される。攪拌スクリュウ43はその回転により容器内の現像剤を下から上に向けて搬送する。回転羽根44は攪拌スクリュウ43のまわり容器の内周面に沿って回転する。
【0028】
攪拌部40の上部には現像部10から現像剤が移送される現像剤移送管30と、トナーボトル22(図2参照)から現像により消費されたトナーの不足分を補給するトナー補給管21が接続されている。現像部10に設けられたトナー濃度検知手段63でトナー濃度の不足が検知されると、トナー補給管21内に設けた搬送手段としてのスクリュウ(不図示)がトナー補給用モータ28(図2参照)で駆動され、トナーボトル22内の補給用トナーが攪拌部40に供給される。トナー補給管21による現像剤の補給量はトナー濃度検知手段63の検知結果に応じて制御手段により決定される。攪拌部40の内部では、トナーボトル22からトナー補給管21を介して供給された補給用のトナーと、現像剤移送管30から移送された現像剤とが攪拌混合されて分散及びトナーへの帯電がなされる。具体的には、回転羽根44を回転させて、現像剤とトナーとをかき回すとともに、攪拌スクリュウ43により下から上に向けて搬送し、対流を生じさせて立体的に攪拌をする。このようにして、トナーボトル22に収容された補給用のトナーと現像部10内の回収スクリュウ13から搬送された現像残余現像剤とが攪拌混合されて適切なトナー濃度、帯電量に調整される。撹拌後の現像剤は撹拌部40下部に形成された流出口からロータリフィーダ50に受け渡される。
【0029】
攪拌部40の下部の現像剤排出位置には、ロータリフィーダ50と排出部54とが位置している。ロータリフィーダ50は、軸のまわりに複数の羽を持ったロータ51を有している。このロータ51をロータ用モータ55(図2参照)で回転させて上流に配置された攪拌部40で攪拌された現像剤を一定量ずつ下方の排出部54に排出する働きをする。排出部54では、図中右側に接続したエア供給チューブ64を介してエアポンプ60より供給されたエアと、ロータリフィーダ50より供給された現像剤とが混合され、エアの流れにより現像剤搬送チューブ31に送られる。現像剤はエアの流れにより現像剤搬送チューブ31を介して現像部10に搬送される。現像部10には、現像剤搬送チューブ31の排出部54と反対側端部に接続された現像剤供給口15が設けられており、搬送された現像剤は現像部10の供給スクリュウ14に受け渡され、上述のように現像部10内で循環搬送される。このようにして、現像剤は現像部10と攪拌部40との間で循環させている。
【0030】
さらに、本実施形態の攪拌部40から現像部10へ現像剤を搬送する現像剤エア搬送手段は、エアポンプ60と排出部54の間のエア供給チューブ64に、エア供給チューブ64を流れるエア圧力を検知する圧力計61が設けている。また、エアポンプ60は、ポンプを駆動するポンプ駆動モータ62の回転数を可変として、エア吐出能力が調整可能な構成である。また、制御手段65は、エア供給チューブ64中のエア圧力とエアポンプ60からエア供給チューブ64中に供給できるエア流量値との関係を記憶するエア供給特性記憶手段(不図示)と、圧力計61により検知したエア圧力と、エア供給特性記憶手段に記憶されたエア圧力値とエア流量値との関係に基づき、エア供給チューブ64中のエア流量値を求め、求めたエア流量値に基づきエア供給チューブ64に流れるエア流量が所定値になるようエアポンプ60を制御するエア流量制御手段(不図示)を設けている。
【0031】
圧力計61で検知したエア圧力は、エア流量制御手段に送られる。エア流量制御手段は、エア供給特性記憶手段から、圧力計61により検知したエア圧力と、エア供給特性記憶手段に記憶されたエア圧力値とエア流量値との関係に基づき、エア供給チューブ64中のエア流量値を求める。求められたエア流量が所定範囲にない場合、ポンプ駆動モータ62の回転数を変更して、ポンプの吐出能力を調整する。
【0032】
ここで、現像剤の搬送量はエアの流量とロータリフィーダ50の回転数で決まるが、従来の装置では、エア供給ポンプのエア吐出能力、ロータリフィーダ50の回転数が同一の条件であっても現像剤の嵩密度によって現像剤搬送量は変化する。図5は、エアポンプ60のエア吐出能力を調整した3つの条件、設定(A)、設定(B)、設定(C)に対して現像剤の嵩密度に対する現像剤搬送量の変化を示すグラフである。なお、図5では、ロータリフィーダ50の回転数は一定で、設定(A)、(B)、(C)の順にエアポンプ60の吐出能力は高くなっているものである。図5において、エアポンプの吐出能力が一定の場合、現像剤の嵩密度が大きくなると現像剤の搬送量が減少する。図6は、現像剤のトナー濃度に対する嵩密度の変化を示すグラフである。現像剤の嵩密度の変化は、搬送する現像剤のトナー濃度が変わることによって起こる。
【0033】
図7は、エア供給チューブ64を流れるエア流量と現像剤搬送量の関係を示すグラフである。現像剤の搬送量は搬送するエア流量によって一様に変化することから、現像剤の嵩密度の変化によって、現像剤搬送量が変化してしまうのは、現像剤を搬送するエア流量自体が変わってしまうためと考えられる。
【0034】
しかしながら、単にエア流路中にエア流量計を設けてエア流量を検出する方法では、正確な流量が検出することが難しいことが解った。図8(a)に、エア供給チューブ64にエアの流量を測定するエア流量計を設けて、現像剤搬送中のエア流量を直接計測することが考えられる。しかし、一般的なエア流量計は熱線式であり、その原理は管の中に電流を流して加熱した素子を設け、管の中を流れるエアによって冷やされた熱量を流れている風量に変換している。このため、ゴミや現像剤が素子に付着すると流れる電流量が変化し、正確な流量を測定できない。エア供給チューブ64は、エアポンプ60と排出部54とを連結するものであり、搬送停止直後には現像剤が流れ込み易く、エア流量計の素子に現像剤が付着することは避けられない。したがって、排出部54や現像剤搬送チューブ31から現像剤の一部が逆流する危険のあるエア供給チューブ64にエア流量計を設置することは、信頼性確保の点で好ましくない。
【0035】
また、熱線式のエア流量計は、下流側に負荷があると、その大きさによって測定されるエア流量が大きく外れてしまうことが解った。例えば、図8(b)に示すように、現像剤の搬送負荷を想定したバルブ70の前後にエア流量計65a,bと、エアポンプ60からエア供給チューブ64に供給されるエア圧力を測定する圧力計61とを設け、エア圧力とエア流量特性を測定する。図9は、エア圧力に対するバルブ70前後のエア流量計65a,bによるエア流量計測値を示すグラフである。図9に示すように、バルブ70直前に設置したエア流量計65aによるエア流量計測値は、真の流量値を示すバルブの直後に設置した流量計に比較して、小さな数値を示すようになる。これは、流量計の下流に搬送負荷である現像剤搬送経路を有する場合、負荷圧力が中程度の状況で、実際に流れる流量を大きく下回った誤検知を引き起こすことを示しており、好ましくない。このため、負荷となる現像剤を有する現像剤搬送経路を下流側に有するエア供給チューブ64では、一般的なエア流量計を用いて正確なエア流量を検出することは難しい。
【0036】
一方、発明者らが鋭意検討したところ、図10に示すように、搬送している現像剤の嵩密度に依存してエアポンプ60にかかる負荷圧力が変化することがわかった。このような負荷圧力の変化により、エアポンプ60の吐出特性(エアポンプから排出されるエア量)は変化する。図11は、搬送負荷等によりエアポンプ60にかかる負荷圧力に対するエアポンプ60の吐出流量を示すグラフである。図11に示すように、負荷圧力の増加に対し、エアポンプ60の吐出流量は負の傾きを持つ直線となる。エアポンプが同一であれば、吐出流量がゼロとなる最大圧力は一定で、負荷による圧力がゼロとなる状態で、最大の流量を示す特性となる。この際、最大の流量は、エアポンプの吐出能力の調整、本実施形態では、エアポンプ60を駆動するポンプ駆動モータ62の回転数を可変することによる調整により変化し、設定(A)では8L/分、設定(B)では10L/分、設定(C)では12L/分の最大流量を持つ特性となる。
【0037】
ここで、図11中に、上記エアポンプ設定(A)、(B)、(C)における、現像剤搬送中のエア圧力と、そのときの搬送路を流れるエア流量をプロットした。それぞれ、現像剤の嵩密度が1.93、1.77、1.65の場合のデータであり、搬送する現像剤の嵩密度に対して、図10のようにエア圧力が変化すると、それぞれのエアポンプの設定で示される吐出特性ライン上を推移して、吐出されるエア流量が変化するようになったものである。
【0038】
そこで、本実施形態の現像装置のエア流量制御手段では、この吐出特性を推移してエアの吐出流量が変化することを利用して、図2のように、現像剤搬送中のエア供給チューブ64のエア圧力を圧力計61により検知し、この検知結果に基づきエアの流量を推定し、搬送量が一定になるように制御する。
【0039】
また、本実施形態の構成は、エア圧力を検知してエア流量を制御する方法は、現像剤を外部に排出する機構を有する現像剤量の総和が一定ではない構成でも使用できるというメリットがある。これに対して、上述の特許文献2の構成では、現像部及び現像剤収容部に存在する現像剤量の総和がおよそ一定であることが前提となっており、劣化した現像剤を外部に排出する機構を有する現像装置のように、現像剤量の総和が一定ではない構成では使用できない。
【0040】
また、特許文献2では、現像部内と現像剤収容部内の現像剤量割合の変化を検出する手段として、現像剤収容部内の現像剤の上面位置を検知するレベルセンサを用いた構成が記載されている。しかし、現像部へ搬送する現像剤のトナー濃度及び帯電量の調整のため、現像剤収容部内で現像剤を攪拌すると、現像剤の上面位置が上下し易く、正確な検知が難しい。このため、現像部内の現像剤量の変化を良好に抑制することは難しい。これに対して、本実施形態の構成では、現像剤搬送中のエア供給チューブ64のエア圧力を圧力計61により検知し、この検知結果に基づきエアの流量を推定し、搬送量が一定になるように制御するので、良好に現像部内の現像剤量の変化を良好に抑制することができる。
【0041】
以下、実施例に基づき更に詳しく説明する。
【0042】
<実施例1>
予め使用するエアポンプ60に関して、最大圧力値と、駆動モータ回転数に対する無負荷時のエア吐出流量特性(図17参照)調べておき、エアポンプの特性ライン(図13参照)の情報を、上述のエア供給特性記憶手段(不図示)に記憶させる。使用しているモータの回転数における無負荷(圧力0)のエア流量情報と、現像剤搬送中に計測されるエア圧力が分かれば、この特性ラインを用いて、搬送中のエア流量を求めることができる。
【0043】
図12は、実施例1のエア流量制御手段のフローチャートである。以下、フローの手順を説明する。
先ず、エア流量制御手段はエア供給特性記憶手段から、設定されているポンプ駆動モータの回転数に見合う、無負荷時の流量L1を取得する(S1)。なお、設定されている回転数は設定可能な上限以下の値に設定されていることは言うまでもない。次に、現像装置を駆動し始め、現像剤のエア搬送を開始する(S2)。現像剤のエア搬送が始まったら圧力計61を用いて現像剤搬送中のエア圧力Pをモニターする(S3)。エア圧力Pが所定の範囲かどうかを判断し(S4)、所定の範囲外のときは、後述するように現像剤の循環動作が異常と判断して現像装置の駆動を停止する(S5)。
【0044】
一方、所定の範囲内のときは現像剤の循環動作が安定状態と判断して、次の現像剤搬送制御をおこなう。検知したエア圧力Pと無負荷時の流量L1をもとに、図13のエアポンプの特性ラインから搬送エア流量L2を算出する(S6)。このとき、エア流量制御手段は、図7の関係から、必要な現像剤搬送量を得るために必要なエア流量としての基準値Ls値を求め、取得している。
【0045】
エア圧力Pから求められた流量L2と基準値Lsとを比較し、流量L2が基準値Lsに基づく所定範囲以下の場合は(S7)、搬送される現像剤の嵩密度が高く、現像剤搬送量が基準量より減少していることを意味する。現像剤搬送量が減少すると現像部10内の現像剤が減少し、画像濃度ムラなどの不具合が生じる恐れがある。そこで、計算された搬送エアの流量L2が基準値Lsに基づく所定範囲以下の場合は、現像部10への現像剤搬送量が不足していると判断し、計測されたエア圧力Pで流量Lsが得られる特性となる回転数までエアポンプ60の駆動モータ61の回転数を上げる(S8)。一方、流量L2が基準値Lsに基づく所定範囲以上の高い場合は(S9)、搬送される現像剤の嵩密度が低く、現像剤搬送量が基準量より増加していることを意味する。そこで、計算された搬送エアの流量L2が基準値Lsに基づく所定範囲以上の場合は、現像部10への現像剤搬送量が過剰になっていると判断し、計測されたエア圧力Pで流量Lsが得られる特性となる回転数までエアポンプ60の駆動モータ61の回転数を下げる(S10)。(S8)または(S10)でモータ回転数を変えた場合、その回転数に見合う無負荷時のエア流量L1’を、エア供給特性記憶手段から取得し、無負荷時のエア流量L1をL1’に書き換え更新する。なお、流量L2が基準値Lsに基づく所定範囲内の場合は、現像剤搬送量が適正範囲であると判断し、エアポンプ60の駆動モータ61の回転数はそのままとする。以上のような制御を行うことによって、エア流量が安定し、現像部への現像剤搬送量を一定にすることができる。
【0046】
なお、作像開始のタイミングは現像部への現像剤搬送量が一定になった後が好ましい。さらに、作像中は画像形成動作毎に圧力計61によりエア圧力を検知し、エアポンプ60のポンプ駆動モータ62の回転数を調整して供給するエア流量を一定に制御する。その結果、作像中もトナー濃度の変動によって現像剤の嵩密度が変化しても現像部への現像剤搬送量を安定に保つことができる。
【0047】
また、図12のフローでは、検知されたエア圧力Pが予め決まれれた所定範囲かどうかを判断し(S4)、範囲外の時は異常と判断して現像装置の駆動を停止(S5)している。これは、現像剤の搬送中は現像剤搬送チューブ31内には適度な空気が存在するが、なんらかの不具合によって現像剤搬送チューブ31内に現像剤が詰まった場合、負荷が大きくなり、検知されるエア圧力が、現像剤の通常搬送時の2倍以上に上昇する。また、ロータリフィーダ50に現像剤が投入されすぎ、回転がロックした場合は、排出部54に現像剤が供給されないため、エアのみが供給され、検知されるエア圧力はほぼ0となる。図14は、通常使用される現像剤の嵩密度の変化によるエア圧力範囲と、詰まり、現像剤なしのときのエア圧力値の一例を示すものである。このように、検知されたエア圧力が通常使用する範囲から大きく逸脱している場合は、不具合が発生していると推測される。さらに、そのままの状態で動かしつづけると現像部10または撹拌部40から現像剤があふれる恐れがある。そこで、上述のように、通常搬送に使用する圧力の範囲を決めておき、圧力がその範囲内かどうかを判断し、範囲外のときは異常と判断して現像装置の駆動を停止し、さらに異常であることを操作パネルに表示し使用者に知らせる。
【0048】
しかし、圧力計61が故障等で誤検知していると、誤った判断で現像装置を停止することになってしまう。そこで、現像部10に配置されたトナー濃度検知手段63の検知情報に基づき、図6のトナー濃度と嵩密度の関係、図10の嵩密度と負荷圧力の関係を用いて、圧力計61が検知すべき圧力値を推定する。このトナー濃度検知手段63の検知情報に基づき推定した圧力推定値が、圧力計61の検知結果と大幅に異なる場合に、圧力計61が故障しているというアラームを使用者に知らせることもでき、誤作動を防止できる。
【0049】
<実施例2>
実施例1は、エア吐出特性が経時で変化し難いエアポンプ60を用いた場合に有効な制御である。一方、実施例2は、エア吐出特性が経時で変化してしまうエアポンプ60では、下記に示す動作を加えて、エアポンプ60のエア吐出特性を更新していくことが望ましい。
【0050】
図15は、エアポンプ60の駆動モータ61の最大回転数で、動作時間に対するエアポンプのエア吐出特性の変化を示したグラフである。図15に示すように、エア吐出特性を決める無負荷時のエア流量と最大圧力とは、それぞれ独立した傾向を持って変化する。無負荷時と最大圧力の間のエア吐出特性は、両者を直線で結ぶことによって得られる。図16に、図15中の(a)時点、(b)時点、(c)時点、(d)時点のそれぞれの特性値から得たエア吐出特性を示す。図16より、このエアポンプは、それぞれの時点において異なった傾きを持つエア吐出特性を示しており、実施例1で示したように予め使用するエアポンプ60に関して調べてエア供給特性記憶手段に記憶したエアポンプの特性ライン(図13参照)の情報のみから、エア流量を制御して現像剤の搬送量を制御することができなくなる。
【0051】
このような経時でエアポンプ60のエア吐出特性が変化してしまうものでは、エア供給特性記憶手段に記憶したエアポンプ60のエア吐出特性を逐次更新していく動作が必要となる。図18に、エアポンプ60の吐出特性を取得するための構成図を示す。
【0052】
図18(a)に示す構成では、エア供給チューブ64の圧力計61より下流側にエア供給チューブ64のエアの流れを遮断する遮断弁66を設ける。さらに、現像剤の搬送経路である排出部54につながるエア供給チューブ64の途中から分岐して下流末端が大気解放された無負荷の分岐エアチューブ68と、エアの流れを排出部54側と分岐エアチューブ68側の何れかに切替える経路切替弁67と、分岐エアチューブ68のエア流量を測定するエア流量計65とを設ける。
【0053】
また、図18(b)は、エアポンプ60の吐出特性を取得するための他の構成図である。図18(b)の、図18(a)との違いは、遮断弁66を分岐エアチューブ68のエア流量計65の直後に配置したものである。
【0054】
図18(a)、(b)、何れの構成でも、この構成で、例えば現像装置の初期化時などの現像剤搬送が行われない所定のタイミングで、エア供給チューブ64の遮断弁66を閉じ、エアポンプ60の最大圧力値を圧力計61で計測する。次いで、遮断弁66を開放し、経路切替弁67によりエアの流れを分岐エアチューブ68に切り替え、エアポンプ60の駆動モータ回転数を変えて、エア流量計により無負荷のエア流量を計測する。このようにエア流量計65を現像剤搬送経路である排出部54側に繋がるエア供給チューブから分岐・隔離することにより、現像剤の逆流によるエア流量計65の検知部素子の汚染がなくなる。また、エア流量計65の下流末端を大気解放することができ、上述の図8、図9で示したようなエア流量計65の計測誤差の発生を回避できる。これら計測された情報を、エア供給特性記憶手段に記憶された情報と入れ替えて、更新していく。このように、更新したエアポンプ60のエア吐出特性に基づき、上記実施例1と同様の制御を行うことにより、経時でもエア流量が安定し、現像部10への現像剤搬送量を一定にすることができる。
【0055】
<実施例3>
実施例3は、実施例2のエア吐出特性が経時で変化してしまうエアポンプ60での制御で、複数の現像装置のエアポンプ60の吐出特性を取得するための流量情報を一つのエア流量計で検出するものである。
【0056】
図19は、複数の現像装置それぞれのエアポンプ60の吐出特性を一つのエア流量計で取得するための構成図である。この構成では、4つの現像部10Y、M、C、Bkへ現像剤を搬送する排出部54Y、M、C、Bkや現像剤搬送チューブ31Y、M、C、Bkへエアを供給するエアポンプ60Y、M、C、Bkと、エア供給チューブ64Y、M、C、Bkと、圧力計61Y、M、C、Bkとをそれぞれ有している。また、各エア供給チューブ64Y、M、C、Bkの途中から分岐した分岐エアチューブ68Y、M、C、Bkと、エアの流れを排出部54Y、M、C、Bk側と分岐エアチューブ68Y、M、C、Bk側の何れかに切替える経路切替弁67Y、M、C、Bkとを備えている。各分岐エアチューブ68Y、M、C、Bkは下流側で、共通の下流末端が大気解放される下流エアチューブ69と、分岐エアチューブ68のエア流量を測定するエア流量計65と、下流エアチューブ69のエアの流れを遮断する遮断弁66とを設ける。
【0057】
このように、4つの現像部10Y、M、C、Bkへ現像剤を搬送するため、エアポンプ60Y、M、C、Bk、エア供給チューブ64Y、M、C、Bk、および、圧力計61Y、M、C、Bk等はそれぞれ有しているが、無負荷時のエア流量を計測するためのエア流量計65および遮断弁66は一つで構成されている。
【0058】
この構成において、各エアポンプ60Y、M、C、Bk、の吐出特性取得手順を説明する。まずY用のエア供給チューブ64Yの経路切替弁67Yを作動して、エアの流れを分岐エアチューブ68Y側にし、エアポンプ60Yのポンプ駆動モータ62Yの回転数を変えながら、下流エアチューブ69でエア流量計65により無負荷のエア流量を計測する。次いで、下流エアチューブ69の遮断弁66を閉じて、エア供給チューブ64Yの圧力計61Yでエア圧力の最大値を計測する。このようにして計測したエア流量とエア圧力の最大値に基づきY用のエアポンプ60Yの吐出特性を取得できる。次いで、下流エアチューブ69の遮断弁66を開けて、M用のエアポンプ60Mの吐出特性取得をおこなう。M用のエア供給チューブ64Mの経路切替弁67Mを作動して、エアの流れを分岐エアチューブ68M側にし、エアポンプ60Mのポンプ駆動モータ62Mの回転数を変えながら、下流エアチューブ69でエア流量計65により無負荷のエア流量を計測する。次いで、下流エアチューブ69の遮断弁66を閉じて、エア供給チューブ64Mの圧力計61Mで最大圧力を計測する。このようにして、順次M用、C用、Bk用のエアポンプの特性を取得していく。この構成では、4つのエア供給経路に4つの流量計を設置する必要がなくなり、コストの低減が図れる。
【0059】
以上、本実施形態によれば、像担持体としての感光体ドラム2近傍に配置され、感光体ドラム2上に形成された潜像を現像する現像部10と、現像部10の下方に配置され、現像剤を収容する現像剤収容部としての攪拌部40を備え、現像部10と攪拌部40との間で現像剤を循環させる現像装置であって、攪拌部40から現像部10に現像剤を搬送する現像剤搬送手段として、撹拌部40の下方に接続され撹拌部40の現像剤を適量づつ排出する現像剤排出手段としてのロータリフィーダ50と、ロータリフィーダ50に接続され現像剤を供給される排出部54と、排出部54と現像部10とを連結する現像剤搬送チューブ31と、エアを吐出するエアポンプ60と、エアポンプ60から吐出されたエアを、排出部54を介して現像剤搬送チューブ31に向けて流すエア流路としてのエア供給チューブ64とを備えている。このような構成の現像剤エア搬送手段では、排出部54と現像剤搬送チューブ31とが、攪拌部40から現像部10へ向けての現像剤搬送経路を形成している。この現像装置5で、エア供給チューブ64中のエア圧力を検知するエア圧力検知手段としての圧力計61と、圧力計61により検知したエア圧力に基づきエアポンプ60によるエア供給量を制御するエア流量制御手段を設ける。これにより、現像剤の状態が変化しても、エアポンプ60からエア供給チューブ64を介して現像剤搬送経路内の現像剤に供給されるエア流量の変動は抑えられ、攪拌部40から現像部10へ向けてエアの流れにより現像剤搬送経路内を搬送される現像剤量が安定する。これにより現像部10内の現像剤量の変化を良好に抑制できる。
また、実施例1によれば、エア供給チューブ64中のエア圧力とエアポンプ60からエア供給チューブ64中に供給できるエア流量値との関係を記憶したエア供給特性記憶手段を設け、圧力計61により検知したエア圧力と、エア供給特性記憶手段に記憶されたエア圧力とエア流量値との関係に基づき、エア供給チューブ64中のエア流量値を求める。このようにして求めたエア流量は、エア流量計を用いて検出したエア流量に較べ、経時でも正確な値となっていることが後述する実験で確認された。エア流量制御手段は、求めたエア流量値に基づきエア供給チューブ64中に流れるエア流量が所定値になるようエアポンプ60を制御する。このため、エア流量制御手段による制御が正確に行え、攪拌部40から現像部10へ向けてエアの流れにより現像剤搬送経路内を搬送される現像剤量が安定する。これにより現像部10内の現像剤量の変化を良好に抑制できる。
また、実施例2によれば、エア供給チューブ64の途中から分岐し、下流端部が大気開放される分岐エアチューブ68と、エアの流れを排出部54または分岐エアチューブ68側の何れかに切替えるエア流路切り替え手段としての経路切替弁67と、分岐エアチューブ68内のエア流量を検知するエア流量検知手段としてのエア流量計65と、圧力計61の設置位置より下流側でエアの流れを遮断するエア遮断手段としての遮断弁66とを設ける。そして、エア流量制御手段は現像剤搬送を行わないタイミングでエアポンプ60のエア供給特性を取得するエア供給特性取得モードを有し、エア供給特性取得モードは遮断弁66により下流側を遮断して圧力計によりエア圧力の最大値を検知し、且つ、経路切替弁67によりエアの流れを分岐エアチューブ68側に切替えて分岐エアチューブ68の下流部が大気開放された状態で、エア流量計65によりエア流量を検知する。そして、検知したエア圧力の最大値と検知したエア流量とに基づきエア供給チューブ64中のエア圧力とエアポンプ60からエア供給チューブ64に供給できるエア流量値との関係を取得し、エア供給特性記憶手段に記憶する。このように、エア供給特性取得モードで、エア圧力とエアポンプ60からエア供給チューブ64に供給できるエア流量値との関係であるエアポンプ60のエア吐出特性を取得して、逐次更新していながら、上記制御を行うことにより、経時でもエアポンプ60の吐出特性が変化する場合でも、エア流量が安定し、現像部10への現像剤搬送量を一定にすることができる。
また、本実施形態によれば、圧力計61で検知したエア圧力が基準値より低い場合、エア流量制御手段はエアポンプ60のエア吐出量を減少させ、検知したエア圧力が基準値より高い場合、エア流量制御手段はエアポンプ60のエア吐出量を増加させるよう制御する。詳しくは、エア圧力が基準値より低い場合、搬送される現像剤の嵩密度が低く、現像剤搬送量が基準量より増加していることを意味するので、エアポンプ60の駆動モータ61の回転数を下げて、エア吐出量を減少させてエア供給量を減らし、搬送量を減らす。一方、エア圧力が基準値より低い場合、搬送される現像剤の嵩密度が高く、現像剤搬送量が基準量より減少していることを意味するので、エアポンプ60の駆動モータ61の回転数を上げて、エア吐出量を増加させてエア供給量を増やし、搬送量を増やす。これにより、搬送される現像剤量が変化を抑えら、現像部10内の現像剤量の変化を抑制できる。
また、本実施形態によれば、エア流量制御手段によるエア供給量の制御は、エアポンプ60を駆動するポンプ駆動モータ62の回転数を変化させることによりおこなう。このようにポンプ駆動モータ62の回転数を変化させる方法は、エア供給量の調整を簡単且つ正確に行うことができる。
また、本実施形態によれば、圧力計61で検知したエア圧力が、予め決められた範囲外となったとき、異常と判断し駆動を停止する。現像剤搬送チューブ31内に現像剤が詰まった場合、負荷が大きくなり、検知されるエア圧力が、現像剤の通常搬送時の2倍以上に上昇する。また、ロータリフィーダ50に現像剤が投入されすぎ、回転がロックした場合は、排出部54に現像剤が供給されないため、エアのみが供給され、検知されるエア圧力はほぼ0となる。このように、検知されたエア圧力が通常使用する範囲から大きく逸脱している場合は、不具合が発生していると推測される。さらに、そのままの状態で動かしつづけると現像部10または撹拌部40から現像剤があふれる恐れがある。そこで、通常搬送に使用する圧力の範囲を決めておき、圧力がその範囲内かどうかを判断し、範囲外のときは異常と判断して現像装置の駆動を停止することで、不具合が発生したまま動作が続けられることを防止できる。
また、本実施形態によれば、現像剤のトナー濃度検知手段63を設け、トナー濃度検知手段63の情報に基づき、圧力計61の誤検知を判定する。上記制御では、圧力計61が故障等で誤検知していると、誤った判断で現像装置を停止することになってしまう。そこで、トナー濃度検知手段63の検知情報に基づき、図6のトナー濃度と嵩密度の関係、図10の嵩密度と負荷圧力の関係を用いて、圧力計61が検知すべき圧力値を推定する。このトナー濃度検知手段63の検知情報に基づき推定した圧力推定値が、圧力計61の検知結果と大幅に異なる場合に、誤作動を防止できる。
また、本実施形態によれば、現像装置を複数備えた画像形成装置で、図19に示すように、一つのエア流量計65が複数の現像装置のエア流量計を兼ねることにより、4つのエア供給経路に4つの流量計を設置する必要がなくなり、コストの低減が図れる。
【符号の説明】
【0060】
1Y、M、C、Bk 画像形成ユニット
2Y、M、C、Bk 感光体ドラム
3 帯電手段
4 光書込ユニット
5 中間転写ベルト
6 二次転写ローラ
7 クリーニング手段
8 ベルトクリーニング装置
9Y、M、C、Bk 一次転写ローラ
10 現像部
11 現像ローラ
12 ドクタブレード
13 回収スクリュウ
14 供給スクリュウ
15 現像剤供給口
16 仕切り壁
18 レジストローラ
21 トナー補給管
22 トナーボトル
28 トナー補給用モータ
30 現像剤移送管
31 現像剤搬送チューブ
40 撹拌部
43 攪拌スクリュウ
44 回転羽根
45 攪拌用モータ
45a 回転軸
50 ロータリフィーダ
51 ロータ
54 排出部
55 ロータ用モータ
60 エアポンプ
62 ポンプ駆動モータ
63 トナー濃度検知手段
64 エア供給チューブ
65 エア流量計
66 遮断弁
67 経路切替弁
68 分岐エアチューブ
69 下流エアチューブ
70 バルブ
80 給紙カセット
90 定着装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0061】
【特許文献1】特開2009−047989号公報
【特許文献2】特開2010−139564号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体近傍に配置され、像担持体上に形成された潜像を現像する現像部と、該現像部の下方に配置され、現像剤を収容する現像剤収容部を備え、該現像部と該現像剤収容部との間で現像剤を循環させる現像装置であって、該現像剤収容部から該現像部に現像剤を搬送する現像剤搬送手段として、エアを吐出するエアポンプと、該現像剤収容部と該現像部とを連結する現像剤搬送経路と、該現像剤収容部内の現像剤を該現像剤搬送経路に排出する排出手段と、該エアポンプから吐出されたエアを、該現像剤搬送経路内の排出手段により現像剤が排出された位置から該現像部に向けて流すエア流路とを備えた現像装置において、
上記エア流路中のエア圧力を検知するエア圧力検知手段と、該エア圧力検知手段により検知したエア圧力に基づき上記エアポンプによるエア供給量を制御するエア流量制御手段を設けたことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
請求項1の現像装置において、上記エア流路中のエア圧力と上記エアポンプから該エア流路中に供給できるエア流量値との関係を記憶したエア供給特性記憶手段を備え、上記エア流量制御手段は、上記エア圧力検知手段により検知したエア圧力と、該エア供給特性記憶手段に記憶されたエア圧力とエア流量値との関係に基づき、該エア流路中のエア流量値を求め、求めたエア流量値に基づき該エア流路に流れるエア流量が所定値になるよう該エアポンプを制御することを特徴とする現像装置。
【請求項3】
請求項2の現像装置において、上記エア流路の途中から分岐し、下流端部が大気開放される分岐エア流路と、上記エアの流れを上記現像剤搬送経路側または該分岐エア流路側の何れかに切替えるエア流路切り替え手段と、該分岐エア流路内のエア流量を検知するエア流量検知手段と、上記エア圧力検知手段の設置位置より下流側でエアの流れを遮断するエア遮断手段とを設け、上記エア流量制御手段は現像剤搬送を行わないタイミングで、該エア遮断手段により下流側を遮断して該エア圧力検知手段によりエア圧力の最大値を検知し、且つ、該エア流路路切り替え手段によりエアの流れを該分岐エア流路側に切替えて該分岐エア流路の下流部が大気開放された状態で該エア流量計によりエア流量を検知し、検知したエア圧力の最大値と検知したエア流量とに基づき該エア流路中のエア圧力と該エアポンプから該エア流路に供給できるエア流量値との関係を取得するエア供給特性取得モードを有し、該エア供給特性取得モードで取得したエア供給特性を上記エア供給特性記憶手段に記憶することを特徴とする現像装置。
【請求項4】
請求項2または3の現像装置において、上記エア圧力検知手段で検知したエア圧力が基準値より低い場合、上記エア流量制御手段は上記エアポンプのエア吐出量を減少させるように、検知したエア圧力が基準値より高い場合、上記エア流量制御手段は該エアポンプのエア吐出量を増加させるように制御することを特徴とする現像装置。
【請求項5】
請求項1、2、3または4の何れかの現像装置において、上記エア流量制御手段によるエア供給量の制御は、上記エアポンプを駆動するモータの回転数を変化させることによりおこなうことを特徴とする現像装置。
【請求項6】
請求項1、2、3、4または5の何れかの現像装置において、上記エア圧力検知手段で検知したエア圧力が、予め決められた範囲外となったとき、異常と判断し駆動を停止することを特徴とする現像装置。
【請求項7】
請求項1、2、3、4、5または6の何れかの現像装置において、上記現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段を設け、前記トナー濃度検知手段の情報に基づき上記エア圧力検知手段の誤検知を判定することを特徴とする現像装置。
【請求項8】
像担持体と、該像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、該像担持体を現像する現像手段とを備えた画像形成装置において、上記現像手段として請求項1、2、3、4、5、6または7の何れかの現像装置を採用することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項8の画像形成装置において、上記現像装置を複数備え、一つのエア流量計が該複数の現像装置のエア流量計を兼ねることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−189898(P2012−189898A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−54645(P2011−54645)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】