説明

環境に優しい車用冷却システム

【課題】燃料電池車のスタックと電気動力部品を冷却させる環境に優しい車用冷却システムを提供する。
【解決手段】本発明の環境に優しい車用冷却システムは、電気動力部品を冷却する作動流体とエアコンコンデンサを冷却する作動流体がすべて通過して冷却する統合ラジエータ、前記統合ラジエータの作動流体を前記電気動力部品または前記エアコンコンデンサにポンピングするように前記統合ラジエータと直列に設置されたポンプ、前記統合ラジエータと前記ポンプに対し、前記電気動力部品と前記水冷式エアコンコンデンサを並列に連結する第1分岐管および第2分岐管、および前記冷媒ポンプからの冷媒を前記第1分岐管と第2分岐管に調節して供給するように設置されたバルブ装置、を含んで構成されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は環境に優しい車用冷却システムに関し、より詳しくは、燃料電池車のスタックと電気動力部品を冷却させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は大気汚染物質をほぼ排出せず、二酸化炭素の発生も少なくて無公害発電であるという長所があり、従来の火力発電などに比べて高い発電効率を有しているため、このような燃料電池を動力源として用いる環境に優しい車両の開発が活発になされている。
【0003】
一方、ハイブリッド車は、車の走行状況に応じてモータとエンジンの動力を適切に車の駆動に用いることができるようにするものであって、前記モータによる車駆動の技術は前記燃料電池車に必須な技術となる。
【0004】
前記モータによる車の駆動には、前記モータの作動による放熱とインバータでの電流の相変換による放熱が問題となる。
【0005】
したがって、燃料電池車では、前記モータおよびインバータなどの電気動力部品の冷却および前記燃料電池をなすスタックの効果的な冷却が必須な技術的課題となる。
特許文献1参照。
【0006】
図1は、従来の燃料電池車の冷却システムを説明したもので、電気動力部品の冷却のために別途のウォーターポンプとリザーバータンクおよびラジエータでなされる冷却回路と、スタックの冷却のための別途のウォーターポンプとリザーバータンクおよびラジエータでなされる冷却回路を備えており、これと共にエアコンの冷却のために空冷式エアコンコンデンサを前記2つのラジエータの間に位置させて冷却ファンで冷却させる構成である。
【0007】
また、図2の冷却システムは、前記エアコンコンデンサの冷却を水冷式で構成したもので、この場合には前記水冷式エアコンコンデンサに冷却水を循環させるためのウォーターポンプとリザーバータンクおよびエアコン冷媒冷却用ラジエータでなされる別途の冷却回路を備え、前記エアコン冷媒冷却用ラジエータを前記スタック用ラジエータと電気動力部品用ラジエータの間に配置し、冷却ファンで冷却させる構成である。
【0008】
上述したような従来の冷却システムは、図1の場合、空冷式エアコンコンデンサが前記電気動力部品用ラジエータとスタック用ラジエータに対して通気抵抗を増加させる要因として作用するため、冷却性能を十分に確保し難いという側面がある。特に、前記電気動力部品とスタックは既存の内燃機関に比べて低い温度で運転され、電熱量が内燃機関の3倍大きくてそれぞれ高容量のラジエータが必要となるが、ラジエータの厚さを増加させることは通気抵抗の増加を来すため、これを最適化する技術が必要な状況である。
【0009】
一方、前記図2の場合には、スタックと電気動力部品およびエアコンコンデンサのためのそれぞれの冷却回路を構成することによってウォーターポンプとリザーバなどの部品が過度に多く必要とされ、車の重量、体積、原価の側面において悪影響を与えるという問題点を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−234902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は前記のような点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的はスタックと電気動力部品を冷却させるためのラジエータの通気抵抗を最小化し、スタックと電気動力部品およびエアコンコンデンサの円滑かつ安定した冷却性能を確保できるようにして、ウォーターポンプとリザーバータンクなどの部品が過度に多く必要とされないようにすることにより、車の重量、当該部品が占める体積、および原価を節減できるようにした環境に優しい車用冷却システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するための本発明は、電気動力部品を冷却する作動流体とエアコンコンデンサを冷却する作動流体がすべて通過して冷却されるようにする統合ラジエータ、前記統合ラジエータの作動流体を前記電気動力部品または前記エアコンコンデンサにポンピングするように前記統合ラジエータと直列に設置されたポンプ、前記統合ラジエータと前記ポンプに対し、前記電気動力部品と前記水冷式エアコンコンデンサを並列に連結する第1分岐管および第2分岐管、および前記冷媒ポンプからの冷媒を前記第1分岐管と第2分岐管に調節して供給するように設置されたバルブ装置、を含んで構成されることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る環境に優しい車用冷却システムは、電気動力部品を冷却する作動流体とエアコンコンデンサを冷却する作動流体がすべて通過して冷却されるようにする統合ラジエータ、前記統合ラジエータの作動流体を前記電気動力部品および前記水冷式エアコンコンデンサにポンピングするように前記統合ラジエータと直列に設置されたポンプ、および前記統合ラジエータと前記ポンプに対し、前記水冷式エアコンコンデンサと電気動力部品を直列に連結して単一閉回路を構成する単一冷媒流動管、を含んで構成されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る環境に優しい車用冷却システムは、スタックを冷却する作動流体とエアコンコンデンサを冷却する作動流体がすべて通過して冷却されるようにする統合ラジエータ、前記統合ラジエータの作動流体を前記スタックまたは前記水冷式エアコンコンデンサにポンピングするように前記統合ラジエータと直列に設置されたポンプ、前記統合ラジエータと前記ポンプに対し、前記スタックと前記水冷式エアコンコンデンサを並列に連結する第1分岐管および第2分岐管、および前記ポンプからの作動流体を前記第1分岐管と第2分岐管に調節して供給するように設置されたバルブ装置、を含んで構成されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る環境に優しい車用冷却システムは、スタックを冷却する作動流体とエアコンコンデンサを冷却する作動流体がすべて通過して冷却されるようにする統合ラジエータ、前記統合ラジエータの作動流体を前記スタックおよび前記水冷式エアコンコンデンサにポンピングするように前記統合ラジエータと直列に設置されたポンプ、および前記統合ラジエータと前記ポンプに対し、前記水冷式エアコンコンデンサとスタックを直列に連結して単一閉回路を構成する単一冷媒流動管、を含んで構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、スタックと電気動力部品を冷却させるためのラジエータの通気抵抗を最小化し、スタックと電気動力部品およびエアコンコンデンサの円滑かつ安定した冷却性能を確保できるようにして、ウォーターポンプとリザーバータンクなどの部品が過度に多く必要とされないようにすることにより、車の重量、当該部品が占める体積、および原価を節減できるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】従来技術に係る環境に優しい車用冷却システムの実施形態をそれぞれ示す図である。
【図2】従来技術に係る環境に優しい車用冷却システムの実施形態をそれぞれ示す図である。
【図3】本発明に係る環境に優しい車用冷却システムの実施形態をそれぞれ示す図である。
【図4】本発明に係る環境に優しい車用冷却システムの実施形態をそれぞれ示す図である。
【図5】本発明に係る環境に優しい車用冷却システムの実施形態をそれぞれ示す図である。
【図6】本発明に係る環境に優しい車用冷却システムの実施形態をそれぞれ示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図3を参照すれば、本発明の第1実施形態は、電気動力部品を冷却する作動流体と水冷式エアコンコンデンサを冷却する作動流体がすべて通過して冷却されるようにする統合ラジエータ、前記統合ラジエータの作動流体を前記電気動力部品または前記水冷式エアコンコンデンサにポンピングするように前記統合ラジエータと直列に設置されたポンプ、前記統合ラジエータと前記ポンプに対し、前記電気動力部品と前記水冷式エアコンコンデンサを並列に連結する第1分岐管1および第2分岐管2、および前記ポンプからの作動流体を前記第1分岐管1と第2分岐管2に調節して供給するように設置されたバルブ装置5、を含んで構成される。
【0019】
すなわち、従来の別途に構成されていた水冷式エアコンコンデンサを冷却するためのラジエータを電気動力部品を冷却させるためのラジエータと統合して1つの単一統合ラジエータで構成し、この統合ラジエータで冷却された冷却水を前記バルブ装置5を介して前記第1分岐管1および第2分岐管2に適切に調節して供給できるように構成した。
【0020】
勿論、スタックは別途の冷却回路を構成しているため、図に示すように、スタック用ラジエータと冷媒ポンプおよびリザーバータンクを含んでなされた冷却回路を有している。
【0021】
前記統合ラジエータはスタックのみを冷却するための前記スタック用ラジエータの前方に位置し、冷却ファンは前記スタック用ラジエータの後方に位置し、冷却風が前記統合ラジエータを通過した後に前記スタック用ラジエータを通過するように設置されているが、これは前記スタックの作動温度が相対的に高いため、冷却風が前記電気動力部品とエアコンコンデンサのための統合ラジエータを先に冷却した後に前記スタック用ラジエータを冷却するようにした。
【0022】
また、前記統合ラジエータは前記スタック用ラジエータと一体に構成され、作動流体の流路のみが分離するように構成することもできる。
【0023】
前記ポンプは前記統合ラジエータと前記バルブ装置5の間に設置され、前記統合ラジエータからの作動流体を前記バルブ装置5側にポンピングするように設置されており、前記第1分岐管1の前記電気動力部品の下流には作動流体を貯蔵するリザーバータンクが備えられており、この他に前記第2分岐管2に別途のリザーバータンクが追加で備えられる構成も可能であり、前記第1分岐管1と第2分岐管2が合流した後に1つのリザーバータンクのみ装着される構成も可能である。
【0024】
前記バルブ装置5は流量制御バルブなどで構成し、前記第1分岐管1に流動する作動流体の流量と第2分岐管2に流動する作動流体の流量を独立的に制御できるようにすることにより、前記電気動力部品とエアコンの負荷によって供給される作動流体の流量を調節し、必要時に水冷式エアコンシステムの熱負荷を減らすことにより、前記電気動力部品の冷却性能を向上させることができる。
【0025】
また、エアコンの負荷が最も大きくなる外気高温状態の低速走行またはアイドリング状態のような場合には電気動力部品の熱負荷が相対的に小さいため、このような場合には前記水冷式エアコンコンデンサに流入する冷却水温を低くして、エアコン圧力の低減または電動コンプレッサの圧縮を縮小させることにより、究極的に燃費向上に寄与するようにもできる。
【0026】
さらに、上述したようなシステムでは、従来の電気動力部品用の冷却回路と水冷式エアコンコンデンサ用の冷却回路が別途に備えられた場合に比べ、ポンプの所要個数が低減し、リザーバータンクの数量も低減させることができ、車の重量低減、エンジンルームの空間確保が可能となり、究極的には車の原価を低減させることができる。
【0027】
また、上述したような統合ラジエータは、従来の電気動力装置用ラジエータよりも容量が大きくなり、それ自体の通気抵抗は多少増加するが、従来の空冷式エアコンコンデンサやエアコン冷媒冷却用ラジエータを別途で備えることによって通気抵抗が増加する量よりは小さくなるので、通気抵抗低減による冷却効率向上も期待できる。
【0028】
図4は本発明の第2実施形態を示すもので、電気動力部品を冷却する作動流体とエアコンコンデンサを冷却する作動流体がすべて通過して冷却されるようにする統合ラジエータ、前記統合ラジエータの冷媒を前記電気動力部品および前記水冷式エアコンコンデンサにポンピングするように前記統合ラジエータと直列に設置されたポンプ、および前記統合ラジエータと前記ポンプに対し、前記水冷式エアコンコンデンサと電気動力部品を直列に連結して単一閉回路を構成する単一冷媒流動管7、を含んで構成される。
【0029】
すなわち、前記第1実施形態が並列型で構成されたことに比べ、本実施形態は直列型で構成されたものであり、前記統合ラジエータを通過した作動流体が前記ポンプによってポンピングされ前記水冷式エアコンコンデンサと電気動力部品を順に冷却するようにした。
【0030】
前記ポンプは前記統合ラジエータと前記水冷式エアコンコンデンサの間に設置され、前記統合ラジエータからの作動流体が前記水冷式エアコンコンデンサ側にポンピングするように設置されている。
【0031】
また、前記エアコンコンデンサは前記単一冷媒流動管7で前記電気動力部品の上流に位置するように設置され、前記単一冷媒流動管7の前記電気動力部品の下流には作動流体を貯蔵するリザーバータンクが備えられている。
【0032】
これは、前記水冷式エアコンコンデンサの作動温度が前記電気動力部品よりも低いため、前記作動流体が前記エアコンコンデンサを先に冷却させた後、前記電気動力部品を冷却させるようにするためである。
【0033】
本実施形態では、前記電気動力部品の運転温度に応じて前記エアコンの作動流体を圧縮させる電動コンプレッサの回転数を低く調節してエアコンシステムの熱負荷を減らすことにより、前記電気動力部品の冷却性能を向上させることができる。
【0034】
また、エアコンの負荷が最も大きくなる外気高温状態の低速走行またはアイドリング状態のような場合には電気動力部品の熱負荷が相対的に小さいため、このような場合には前記水冷式エアコンコンデンサに流入する冷却水温を低くして、エアコン圧力の低減または電動コンプレッサの圧縮を縮小させることにより、究極的に燃費向上に寄与するようにもできる。
【0035】
前記統合ラジエータも前記スタックのみを冷却するスタック用ラジエータと一体に構成し、作動流体の流路のみが分離するように構成することもできる。
【0036】
図5は本発明に係る第3実施形態を示すもので、スタックを冷却する作動流体と水冷式エアコンコンデンサを冷却する作動流体がすべて通過して冷却されるようにする統合ラジエータ、前記統合ラジエータの冷媒を前記スタックまたは前記水冷式エアコンコンデンサにポンピングするように前記統合ラジエータと直列に設置されたポンプ、前記統合ラジエータと前記ポンプに対し、前記スタックと前記水冷式エアコンコンデンサを並列に連結する第1分岐管1および第2分岐管2、および前記ポンプからの冷媒を前記第1分岐管1と第2分岐管2に調節して供給するように設置されたバルブ装置5、を含んで構成される。
【0037】
すなわち、従来に別途に構成されていた水冷式エアコンコンデンサを冷却するためのラジエータをスタックを冷却させるためのラジエータと統合して1つの単一統合ラジエータで構成し、この統合ラジエータで冷却された作動流体を前記バルブ装置5を介して前記第1分岐管1および第2分岐管2に適切に調節して供給できる構成とした。
【0038】
勿論、電気動力部品は別途の冷却回路を構成しているため、図に示すように、電気動力部品用ラジエータとポンプおよびリザーバータンクを含む冷却回路を有する。
【0039】
前記統合ラジエータは電気動力部品のみを冷却するための前記電気動力部品用ラジエータの後方に位置し、冷却ファンは前記統合ラジエータの後方に位置し、冷却風が前記電気動力装置用ラジエータを通過した後に前記統合ラジエータを通過するように設置されているが、これは前記スタックの作動温度が相対的に高いため、冷却風が前記電気動力部品用ラジエータを先に冷却した後に前記統合ラジエータを冷却するように構成するためである。
【0040】
また、前記統合ラジエータは前記電気動力部品用ラジエータと一体に構成され、作動流体の流路のみが分離するように構成することもできる。
【0041】
前記ポンプは前記統合ラジエータと前記バルブ装置5の間に設置され、前記統合ラジエータからの作動流体を前記バルブ装置5側にポンピングするように設置されており、前記第1分岐管1の前記スタックの下流には作動流体を貯蔵するリザーバータンクが備えられており、この他に前記第2分岐管2に別途のリザーバータンクが追加で備えられる構成も可能であり、前記第1分岐管1と第2分岐管2が合流した後に1つのリザーバータンクのみ装着される構成も可能である。
【0042】
前記バルブ装置5は流量制御バルブなどで構成し、前記第1分岐管1に流動する作動流体の流量と第2分岐管2に流動する作動流体の流量を独立的に制御できるようにすることにより、前記スタックの運転温度に応じて前記エアコンコンデンサに供給される作動流体の流量を調節し、エアコンシステムの熱負荷を減らすことにより、前記スタックの冷却性能を向上させることができる。
【0043】
また、エアコンの負荷が最も大きくなる外気高温状態の低速走行またはアイドリング状態のような場合にはスタックの熱負荷が相対的に小さいため、このような場合には前記水冷式エアコンコンデンサに流入する冷却水温を低くして、エアコン圧力の低減または電動コンプレッサの圧縮を縮小させることにより、究極的に燃費向上に寄与するようにもできる。
【0044】
さらに、上述したようなシステムでは、従来のスタック用冷却回路と水冷式エアコンコンデンサ用冷却回路が別途で備えられた場合に比べ、ポンプの所要個数が低減し、リザーバータンクの数量も低減させることができ、車の重量低減、エンジンルームの空間確保が可能となり、究極的に車両の原価を低減させることができる。
【0045】
また、上述したような統合ラジエータは、従来のスタック用ラジエータよりも容量が大きくなり、それ自体の通気抵抗は多少増加するが、従来の空冷式エアコンコンデンサやエアコン冷媒冷却用ラジエータを別途で備えることによって通気抵抗が増加する量よりは小さくなるため、通気抵抗低減による冷却効率向上も期待できる。
【0046】
図6は本発明に係る第4実施形態を示すもので、スタックを冷却する作動流体と水冷式エアコンコンデンサを冷却する作動流体がすべて通過して冷却されるようにする統合ラジエータ、前記統合ラジエータの冷媒を前記スタックおよび前記水冷式エアコンコンデンサにポンピングするように前記統合ラジエータと直列に設置されたポンプ、および前記統合ラジエータと前記ポンプに対し、前記水冷式エアコンコンデンサとスタックを直列に連結して単一閉回路を構成する単一冷媒流動管7、を含んで構成される。
【0047】
すなわち、前記第3実施形態が並列型で構成されたことに比べ、本実施形態は直列型で構成されたもので、前記統合ラジエータを通過した作動流体が前記ポンプによってポンピングされて前記水冷式エアコンコンデンサとスタックを順に冷却するようにした。
【0048】
前記ポンプは前記統合ラジエータと前記水冷式エアコンコンデンサの間に設置され、前記統合ラジエータからの作動流体を前記水冷式エアコンコンデンサ側にポンピングするように設置されている。
【0049】
また、前記水冷式エアコンコンデンサは前記単一冷媒流動管7で前記スタックの上流に位置するように設置され、前記単一冷媒流動管7の前記スタックの下流には作動流体を貯蔵するリザーバータンクが備えられている。
【0050】
これは、前記水冷式エアコンコンデンサの作動温度が前記スタックよりも低いため、前記冷媒が前記エアコンコンデンサを先に冷却させた後に前記スタックを冷却させるようにするためである。
【0051】
本実施形態では、前記スタックの運転温度に応じて前記エアコンの冷媒を圧縮させる電動コンプレッサの回転数を低く調節してエアコンシステムの電熱量を減らすことにより、前記スタックの冷却性能を向上させることができる。
【0052】
また、エアコンの負荷が最も大きくなる外気高温状態の低速走行またはアイドリング状態のような場合にはスタックの熱負荷が相対的に小さいため、このような場合には前記水冷式エアコンコンデンサに流入する冷却水温を低くして、エアコン圧力の低減または電動コンプレッサの圧縮を縮小させることにより、究極的に燃費向上に寄与するようにもできる。
【0053】
前記統合ラジエータも前記電気動力部品のみを冷却するための電気動力部品用ラジエータと一体に構成し、作動流体の流路のみが分離するように構成することもできる。
【0054】
また、前記第3実施形態と第4実施形態では、前記電気動力部品のみを冷却するための電気動力部品用ラジエータを統合ラジエータの前方に配置したり並列に配置することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は環境に優しい車用冷却システムに関し、燃料電池車のスタックと電気動力部品を冷却させる分野に適用できる。
【符号の説明】
【0056】
1 ・・・第1分岐管
2 ・・・第2分岐管
5 ・・・バルブ装置
7 ・・・単一冷媒流動管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気動力部品を冷却する作動流体とエアコンコンデンサを冷却する作動流体がすべて通過して冷却されるようにする統合ラジエータ、
前記統合ラジエータの作動流体を前記電気動力部品または前記水冷式エアコンコンデンサにポンピングするように前記統合ラジエータと直列に設置されたポンプ、
前記統合ラジエータと前記ポンプに対し、前記電気動力部品と前記エアコンコンデンサを並列に連結する第1分岐管および第2分岐管、および
前記ポンプからの作動流体を前記第1分岐管と第2分岐管に調節して供給するように設置されたバルブ装置、
を含んで構成されることを特徴とする環境に優しい車用冷却システム。
【請求項2】
前記第1分岐管の前記電気動力部品の下流に作動流体を加圧式で貯蔵したり、または別途の大気開放式で作動流体を貯蔵するリザーバータンクがさらに備えられること
を特徴とする、請求項1に記載の環境に優しい車用冷却システム。
【請求項3】
電気動力部品を冷却する作動流体とエアコンコンデンサを冷却する作動流体がすべて通過して冷却されるようにする統合ラジエータ、
前記統合ラジエータの作動流体を前記電気動力部品および前記水冷式エアコンコンデンサにポンピングするように前記統合ラジエータと直列に設置されたポンプ、および
前記統合ラジエータと前記ポンプに対し、前記水冷式エアコンコンデンサと電気動力部品を直列に連結して単一閉回路を構成する単一冷媒流動管、
を含んで構成されることを特徴とする環境に優しい車用冷却システム。
【請求項4】
前記エアコンコンデンサは前記単一冷媒流動管で前記電気動力部品の上流に位置するように設置されること
を特徴とする、請求項3に記載の環境に優しい車用冷却システム。
【請求項5】
前記単一冷媒流動管の前記電気動力部品の下流に作動流体を加圧式で貯蔵したり、または別途の大気開放式で作動流体を貯蔵するリザーバータンクがさらに備えられること
を特徴とする、請求項4に記載の環境に優しい車用冷却システム。
【請求項6】
スタックを冷却する作動流体とエアコンコンデンサを冷却する作動流体がすべて通過して冷却されるようにする統合ラジエータ、
前記統合ラジエータの作動流体を前記スタックまたは前記水冷式エアコンコンデンサにポンピングするように前記統合ラジエータと直列に設置されたポンプ、
前記統合ラジエータと前記ポンプに対し、前記スタックと前記水冷式エアコンコンデンサを並列に連結する第1分岐管および第2分岐管、および
前記ポンプからの作動流体を前記第1分岐管と第2分岐管に調節して供給するように設置されたバルブ装置、
を含んで構成されることを特徴とする環境に優しい車用冷却システム。
【請求項7】
前記第1分岐管の前記スタックの下流に作動流体を加圧式で貯蔵したり、または別途の大気開放式で作動流体を貯蔵するリザーバータンクがさらに備えられること
を特徴とする、請求項6に記載の環境に優しい車用冷却システム。
【請求項8】
スタックを冷却する作動流体とエアコンコンデンサを冷却する作動流体がすべて通過して冷却されるようにする統合ラジエータ、
前記統合ラジエータの作動流体を前記スタックおよび前記エアコンコンデンサにポンピングするように前記統合ラジエータと直列に設置されたポンプ、および
前記統合ラジエータと前記ポンプに対し、前記水冷式エアコンコンデンサとスタックを直列に連結して単一閉回路を構成する単一冷媒流動管、
を含んで構成されることを特徴とする環境に優しい車用冷却システム。
【請求項9】
前記水冷式エアコンコンデンサは前記単一冷媒流動管で前記スタックの上流に位置するように設置されること
を特徴とする、請求項8に記載の環境に優しい車用冷却システム。
【請求項10】
前記単一冷媒流動管の前記スタックの下流に作動流体を加圧式で貯蔵したり、または別途の大気開放式で作動流体を貯蔵するリザーバータンクがさらに備えられること
を特徴とする、請求項9に記載の環境に優しい車用冷却システム。
【請求項11】
前記ポンプは前記統合ラジエータと前記バルブ装置の間に設置され、前記統合ラジエータからの作動流体を前記バルブ装置側にポンピングするように設置されること
を特徴とする、請求項1または6に記載の環境に優しい車用冷却システム。
【請求項12】
前記ポンプは前記統合ラジエータと前記水冷式エアコンコンデンサの間に設置され、前記統合ラジエータからの作動流体を前記水冷式エアコンコンデンサ側にポンピングするように設置されること
を特徴とする、請求項3または8に記載の環境に優しい車用冷却システム。
【請求項13】
前記統合ラジエータはスタックのみを冷却するためのスタック用ラジエータの前方に位置し、
冷却ファンは前記スタック用ラジエータの後方に位置し、冷却風が前記統合ラジエータを通過した後に前記スタック用ラジエータを通過するように設置されること
を特徴とする、請求項1または3に記載の環境に優しい車用冷却システム。
【請求項14】
前記統合ラジエータは電気動力部品のみを冷却するための電気動力部品用ラジエータの後方に位置し、
前記冷却ファンは前記統合ラジエータの後方に位置し、冷却風が前記電気動力部品用ラジエータを通過した後に前記統合ラジエータを通過するように設置されること
を特徴とする、請求項6または8に記載の環境に優しい車用冷却システム。
【請求項15】
前記統合ラジエータは電気動力部品のみを冷却するための電気動力部品用ラジエータの上側に並列に位置すること
を特徴とする、請求項6または8に記載の環境に優しい車用冷却システム。
【請求項16】
流動する作動流体を貯蔵するリザーバータンクが少なくとも1つ以上備えられること
を特徴とする、請求項1、3、6、8のいずれか一項に記載の環境に優しい車用冷却システム。
【請求項17】
前記統合ラジエータはスタックのみを冷却するためのスタック用ラジエータと一体に構成され、作動流体の流路のみが分離するように構成されること
を特徴とする、請求項1または3に記載の環境に優しい車用冷却システム。
【請求項18】
前記統合ラジエータは電気動力部品のみを冷却するための電気動力部品用ラジエータと一体に構成され、作動流体の流路のみが分離するように構成されること
を特徴とする、請求項6または8に記載の環境に優しい車用冷却システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−116347(P2011−116347A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−189110(P2010−189110)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(591251636)現代自動車株式会社 (1,064)
【出願人】(500518050)起亞自動車株式会社 (449)
【Fターム(参考)】