説明

生体認証処理装置及び方法

【課題】 認証処理を複雑化することなく、必要とされるセキュリティ性や迅速性に柔軟に対応することができる生体認証処理技術を提供する。
【解決手段】 被認証者の認証処理対象として設定された所定の生体部位の画像情報に基づいて認証処理を行なう生体認証処理装置であって、被認証者から認証処理対象の照合画像情報を取得する生体センサの複数が、複数の異なる生体部位の認証処理対象に各別に対応して設けられた照合画像情報取得手段110と、複数の生体センサが各別に取得した照合画像情報毎に、照合画像情報と登録画像情報を比較し、その一致度が所定の基準度以上である場合に、照合画像情報の一致を判定する画像照合手段210と、複数の生体センサ夫々の照合画像情報の照合状態が全体で所定の認証条件を満たす場合に被認証者を認証する生体認証手段220と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被認証者の認証処理対象として設定された所定の生体部位の画像情報に基づいて認証処理を行なう生体認証処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生体認証技術には、指紋認証や手のひらの血管の形に基づいて認証処理を行なう静脈認証、網膜の血管の形に基づいて認証処理を行なう網膜認証等がある。例えば、指紋認証では、指紋センサ(生体センサ)を用いて被認証者の指紋を読み取り、読み取った指紋の画像データを予め登録された被認証者の指紋の画像データと比較して、被認証者の認証処理を行なう(例えば、特許文献1参照)。尚、指紋認証等の生体認証技術においては、通常、認証処理対象として単一の生体部位が設定され、単一の生体センサを用いて認証処理を行っている。このような生体認証処理を行なう生体認証処理装置は、例えば、同一鉄道事業者または提携関係にある鉄道事業者間において非接触式のICカードを用いてアクセスすることにより改札処理を行なうシステムを備える自動改札装置や、金融機関における残高照会処理や入金処理を行なう金融処理装置に設けられている。
【0003】
従来技術に係る指紋認証を用いた認証処理を行なう生体認証処理装置について、図1及び図9を基に簡単に説明する。
【0004】
図1は、生体認証処理装置及びその周辺装置からなるコンピュータの一構成例を示す概略ブロック図である。図1に示すように、コンピュータ100は、被認証者の指紋を読み取る指紋センサを備える照合画像情報取得手段110、生体認証装置の設定入力操作等を行うための操作手段120、装置内の各手段を制御して認証処理等を実行するCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)130、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリから構成される主記憶装置140、液晶ディスプレイ等からなる表示手段150、フロッピー(登録商標)ディスク駆動装置やCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)駆動装置等の着脱可能に構成された外部入力装置160、認証処理のための生体認証処理プログラム等を格納する固定ディスク等の補助記憶装置170、及び、通信ネットワーク300に接続するための通信インターフェース180を備えて構成され、コンピュータ100内の各手段は、各手段間でデータ信号を転送するバスを介して互いに接続されている。生体認証処理装置は、コンピュータ100上で生体認証処理プログラムを実行することにより実現される。
【0005】
図9は、従来の生体認証処理装置における指紋認証を用いた認証処理の処理手順の一例を示している。具体的には、生体認証処理装置において、被認証者のアクセスによって認証処理が開始されると、CPU130は、生体認証処理プログラムを起動し(ステップ#101)、指紋センサに対し指紋の画像データの入力信号を送り、指紋センサから指紋の画像データの入力を受け付け(ステップ#102)、主記憶装置140に照合画像情報として記憶する。続いて、CPU130は、照合画像情報と予め登録された被認証者の指紋の登録画像情報とを照合し(ステップ#103)、一致・不一致を判定して被認証者の認証を行なう(ステップ#104)。不一致判定の場合には(ステップ#105でNO分岐)、CPU130は、不一致判定信号を送り、処理の続行を禁止する(ステップ#106)。一致判定の場合には(ステップ#105でOK分岐)、CPU130は、一致判定信号を送り、処理の続行を許可する(ステップ#107)。
【0006】
ところで、従来の生体認証では、通常、単一の生体センサを用いて認証を行っていることから、例えば、指紋認証において被認証者の指紋の画像データを取得する生体センサに対する指置きが不十分な場合や生体センサにゴミが付着している場合等、認証時の状況によっては、認証処理対象の生体情報の読み取り精度が悪化し、被認証者が何度も認証のための生体情報の入力操作をしなければならない場合があるという問題があった。特に、鉄道の自動改札装置では、特定の被認証者が何度も認証のための生体情報の入力操作を行なわなければならない事態が生じると、混雑が生じて鉄道利用者の利便性を著しく低下させる原因となる。このため、鉄道の自動改札装置等に設置される生体認証処理装置では、認証処理の迅速性が求められ、生体情報の読み取り精度の向上が課題となっていた。
【0007】
これに対し、被認証者の1つの生体部位の生体情報を取得するために、複数の生体センサを並列または積重して設けた生体認証処理装置がある(例えば、特許文献2参照)。この生体認証処理装置では、図10に示すように、複数の生体センサを並列または積重して設けたので、被認証者の1度の生体情報の入力操作で単一の生体部位から複数の生体情報を取得することができ、生体情報の読み取り精度を向上させることができる。
【0008】
【特許文献1】特開2003−323618号公報
【特許文献2】特開2005−242593号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献2に記載の生体認証処理装置では、生体センサを並列または積重して配置する構成、即ち、生体センサをほぼ同一箇所に配置する構成であることから、複数の生体センサが取得した情報を組み合わせて認証を行なう必要があり、認証処理にかかる処理が複雑になる。
【0010】
尚、例えば、金融機関に設置された残高照会処理や入金処理等を行なう金融処理装置等では、残高照会のような個人情報へのアクセスや高額の取引が行なわれる場合があるため、認証処理の迅速性よりも不正利用の防止が優先であり、非常に高いセキュリティ性が必要とされる。そうすると、金融処理装置へのアクセスに用いられる認証処理は、非常に高いセキュリティ性が必要とされるが、鉄道の自動改札装置において改札処理の許可・不許可を決定する場合に用いられる認証処理は、混雑防止のために迅速な処理が必要とされ、金融機関における認証処理と同程度の高いセキュリティ性は必要とされない。このため、従来は、金融機関等のように非常に高いセキュリティ性を必要とする場合と、自動改札装置等のようにセキュリティ性に対する要求が比較的緩い場合とで、構成の異なる生体認証処理装置を設置していた。
【0011】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、認証処理を複雑化することなく、必要とされるセキュリティ性や迅速性に柔軟に対応することができる生体認証処理装置を提供する点にある。また、認証処理を複雑化することなく、必要とされるセキュリティ性や処理の迅速性に柔軟に対応することができる生体認証処理方法を提供する。更に、認証処理装置をコンピュータ上で実現するための生体認証処理プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための本発明に係る生体認証処理装置は、被認証者の認証処理対象として設定された所定の生体部位の画像情報に基づいて認証処理を行なう生体認証処理装置であって、前記被認証者から前記認証処理対象の照合画像情報を取得する生体センサの複数が、複数の異なる前記生体部位の前記認証処理対象に各別に対応して設けられた照合画像情報取得手段と、前記複数の生体センサが各別に取得した前記照合画像情報毎に、前記照合画像情報と前記照合画像情報の前記生体部位に対応する予め登録された登録画像情報を比較し、前記照合画像情報と前記登録画像情報の一致度が所定の基準度以上である場合に、前記照合画像情報の一致を判定する画像照合手段と、前記複数の生体センサ夫々の前記照合画像情報の照合状態が全体で所定の認証条件を満たす場合に前記被認証者を認証する生体認証手段と、を備えることを第1の特徴とする。
【0013】
上記特徴の本発明に係る生体認証処理装置は、前記生体認証手段が、一致判定された前記照合画像情報の数が、所定のセキュリティ度に応じて設定された数以上である場合に、前記被認証者を認証することを第2の特徴とする。
【0014】
上記第1の特徴の本発明に係る生体認証処理装置は、前記生体認証手段が、前記複数の生体センサを所定の分類条件に応じて分類した生体センサ群毎に、前記生体センサ群夫々に対応する前記照合画像情報の内の一致判定された前記照合画像情報に基づいて認証度を算出し、前記生体センサ群夫々の前記認証度が、所定のセキュリティ度に応じて前記生体センサ群毎に各別に設定された所定のセンサ群別セキュリティ度以上である場合に、前記被認証者を認証することを第3の特徴とする。
【0015】
上記特徴の本発明に係る生体認証処理装置は、前記照合画像情報取得手段が、異なるセンサ面積を有する前記生体センサ群を備え、前記生体認証手段は、前記センサ面積に応じて前記複数の生体センサを分類し、前記センサ面積に応じて前記生体センサ群夫々の前記センサ群別セキュリティ度を設定することを第4の特徴とする。
【0016】
上記第2〜第4の特徴の本発明に係る生体認証処理装置は、前記生体認証手段が、外部入力に応じて、前記セキュリティ度を変更するセキュリティ度変更手段を備えることを第5の特徴とする。
【0017】
上記何れかの特徴の本発明に係る生体認証処理装置は、前記画像照合手段において、前記基準度の値は、前記複数の生体センサ夫々に異なる値が設定されていることを第6の特徴とする。
【0018】
上記何れかの特徴の本発明に係る生体認証処理装置は、前記画像照合手段が、外部入力に応じて、前記基準度の値を変更する基準度変更手段を備えることを第7の特徴とする。
【0019】
上記何れかの特徴の本発明に係る生体認証処理装置は、前記画像照合手段が、前記登録画像情報に設定された複数の第1部分領域毎に、前記第1部分領域の画像との部分一致度の値が最大となる前記照合画像情報における第2部分領域を抽出し、抽出した前記第2部分領域の前記照合画像情報における位置を示す照合位置情報を記憶する位置探索手段と、前記第1部分領域毎に、前記第1部分領域の前記登録画像情報における位置を示す基準位置情報と前記照合位置情報の間の位置関係を示す位置関係情報を算出し、前記位置関係情報に基づいて前記登録画像情報と前記照合画像情報の類似度を算出する類似度計算手段と、前記類似度に基づいて前記登録画像情報と前記照合画像情報が一致するか否かを判定する判定手段と、を備えることを第8の特徴とする。
【0020】
上記特徴の本発明に係る生体認証処理装置は、前記類似度計算手段が、前記基準位置情報が示す位置から前記照合位置情報が示す位置までの距離及び方向を前記位置関係情報として算出し、前記距離及び方向が所定の類似範囲内にある前記位置関係情報の数に基づいて前記類似度を算出することを第9の特徴とする。
【0021】
上記何れかの特徴の本発明に係る生体認証処理装置は、前記照合画像情報取得手段が、認証処理対象として設定された手または指の形状に対応した形状の把持部材を備え、前記把持部材の前記認証処理対象が接する箇所の夫々に前記生体センサを設けてなることを第10の特徴とする。
【0022】
上記何れかの特徴の本発明に係る生体認証処理装置は、前記登録画像情報の画像領域が、前記照合画像情報の画像領域より大きいことを第11の特徴とする。
【0023】
上記目的を達成するための本発明に係る生体認証処理方法は、被認証者の認証処理対象として設定された所定の生体部位の画像情報に基づいて認証処理を行なう生体認証処理方法であって、前記被認証者の入力操作に応じて、複数の前記認証処理対象に各別に対応して設けられた生体センサの複数から、前記被認証者の前記認証処理対象の照合画像情報の入力を受け付ける照合画像情報取得工程と、取得した前記照合画像情報毎に、前記照合画像情報と前記照合画像情報の前記生体部位に対応する予め登録された登録画像情報を比較し、前記照合画像情報と前記登録画像情報の一致度が所定の基準度以上である場合に、前記照合画像情報の一致を判定する画像照合工程と、前記複数の生体センサ夫々の前記照合画像情報の照合状態が全体で所定の認証条件を満たす場合に前記被認証者を認証する生体認証工程と、を実行することを第1の特徴とする。
【0024】
上記目的を達成するための本発明に係る生体認証処理プログラムは、上記第1の特徴の生体認証処理方法における前記照合画像情報取得工程、前記画像照合工程及び前記生体認証工程を、コンピュータ上で実行するプログラムステップを含むことを第1の特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る生体認証処理装置は、被認証者から認証処理対象の照合画像情報を取得する生体センサの複数が、複数の異なる生体部位の認証処理対象に各別に対応して設けられ、照合画像情報夫々の一致度を判定し、複数の照合画像情報の照合状態が全体で所定の認証条件を満たす場合に被認証者を認証するように構成したので、生体認証処理装置が設けられる状況に応じて、セキュリティ性や迅速性を任意に設定することが可能になる。
【0026】
これによって、例えば、処理の迅速が求められる場合には、複数の生体センサの内、一致判定を必要とする生体センサの数を少なく設定することで対応でき、複数の生体センサを用いて複数の生体部位の照合画像情報を取得することから、照合画像情報の取得成功確率を高めることができ、指紋認証において被認証者の指紋センサに対する指置きが不十分な場合や生体センサにゴミが付着している場合等であっても、被認証者が何度も認証のための入力操作をしなければならない状況をより効果的に防止することができる。また、必要なセキュリティ度が高い場合には、複数の生体センサの内、一致判定を必要とする生体センサの数を多く設定することで対応できる。
【0027】
従って、例えば、高いセキュリティ性を必要とする金融機関等に設置される場合にも、金融機関程度には高いセキュリティ性を必要とせず処理の迅速が求められる鉄道の自動改札装置等に設置される場合にも、本発明に係る生体認証処理装置の1台で対応することが可能になる。このため、生体認証処理装置の製造にかかるコストや時間を低減することが可能になる。
【0028】
また、本発明に係る生体認証処理方法及び生体認証処理プログラムにおいても、被認証者の複数の生体部位から各別に照合画像情報を取得して、照合画像情報夫々の一致度を判定し、複数の照合画像情報の照合状態が全体で所定の認証条件を満たす場合に被認証者を認証するように構成したので、セキュリティ性や迅速性を任意に設定することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明に係る生体認証処理装置、生体認証処理方法及び生体認証処理プログラム(以下、適宜「本発明装置」、「本発明方法」及び「本発明プログラム」と略称する)の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0030】
〈第1実施形態〉
本発明の第1実施形態について図1〜図6を基に説明する。尚、本実施形態では、認証処理対象の生体部位として親指、人差し指及び中指が設定され、各指の指紋の画像データを用いて認証処理を行なう場合を想定して説明する。
【0031】
先ず、本実施形態における本発明装置の構成について図1及び図2を基に説明する。図1は、本発明装置1及びその周辺装置からなるコンピュータ100の概略構成例を示しており、図2は、本発明装置1の概略構成を示している。尚、本発明は、指紋認証を用いた認証処理の各処理工程をコンピュータ100上で実行するプログラムステップを含む生体認証処理プログラム200をCPU130が実行することにより、後述する本発明装置1の画像照合手段210及び生体認証手段220を実現し、指紋認証を用いた認証処理を実行可能に構成されている。
【0032】
図1に示すように、コンピュータ100は、後述する本発明装置1を構成する照合画像情報取得手段110、生体認証装置の設定入力操作等を行うための操作手段120、装置内の各手段を制御して認証処理等を実行するCPU130、RAM等の半導体メモリから構成される主記憶装置140、液晶ディスプレイ等からなる表示手段150、フロッピー(登録商標)ディスク駆動装置やCD−ROM駆動装置等の着脱可能に構成された外部入力装置160、認証処理のための生体認証処理プログラムや被認証者の生体部位の登録画像情報(被認証者の指紋の画像データ)等が格納される固定ディスク等の補助記憶装置170、及び、通信ネットワーク300に接続するための通信インターフェース180を備えて構成され、コンピュータ100内の各手段は、各手段間でデータ信号を転送するバスを介して互いに接続されている。尚、操作手段120、CPU130、主記憶装置140、表示手段150、外部入力装置160、補助記憶装置170、及び、通信インターフェース180の構成は、従来技術におけるコンピュータの各構成と同じである。
【0033】
本発明装置1は、図2に示すように、被認証者から認証処理対象の照合画像情報を取得する生体センサの複数が、複数の異なる生体部位の認証処理対象に各別に対応して設けられた照合画像情報取得手段110、複数の生体センサが各別に取得した照合画像情報毎に、照合画像情報と照合画像情報の生体部位に対応する予め登録された登録画像情報を比較し、照合画像情報と登録画像情報の一致度が所定の基準度以上である場合に、照合画像情報の一致を判定する画像照合手段210、及び、複数の生体センサ夫々の照合画像情報の照合状態が全体で所定の認証条件を満たす場合に被認証者を認証する生体認証手段220を備えて構成される。画像照合手段210及び生体認証手段220は、図2に示すように、本発明プログラム200内に構築されている。尚、本実施形態では、登録画像情報の画像領域は、照合画像情報の画像領域より大きく設定されている。これによって、例えば、指紋センサに対する指置き位置がずれる等して入力状況が良好ではない場合でも、認証成功確率を高めることができる。
【0034】
照合画像情報取得手段110は、本実施形態では、認証処理対象として設定された手または指の形状に対応した形状の把持部材114を備え、把持部材114の認証処理対象が接する箇所の夫々に生体センサが設けられている。本実施形態の各生体センサは、被認証者の指紋を読み取る指紋センサであり、読み取った指紋の画像データ(照合画像情報)を出力するように構成されている。ここで、図3は、照合画像情報取得手段110の一例を示す概略構成図である。本実施形態では、把持部材114の上面に、親指の指紋を読み取る指紋センサ111と被認証者が暗証番号等の情報入力を行なう入力部115等が設けられ、把持部材114の側面に、被認証者の人差し指の指紋を読み取る指紋センサ112と中指の指紋を読み取る指紋センサ113が設けられている。そして、親指、人差し指及び中指の指紋の画像データが同時に取得可能となるように、指紋センサ111〜113の配置が設定されている。尚、指紋センサとしては、光学式、圧力式または静電容量方式等の何れの方式の指紋センサを用いても良い。また、同じ照合画像情報取得手段110において、同一方式の指紋センサだけでなく、複数種類の指紋センサを設けるように構成しても良い。
【0035】
画像照合手段210は、本実施形態では、登録画像情報に設定された複数の第1部分領域毎に、第1部分領域の画像との部分一致度の値が最大となる照合画像情報における第2部分領域を抽出し、抽出した第2部分領域の照合画像情報における位置を示す照合位置情報を記憶する位置探索手段211、第1部分領域毎に、第1部分領域の登録画像情報における位置を示す基準位置情報と照合位置情報の間の位置関係を示す位置関係情報を算出し、位置関係情報に基づいて登録画像情報と照合画像情報の類似度を算出する類似度計算手段212、及び、類似度に基づいて登録画像情報と照合画像情報が一致するか否かを判定する判定手段213を備えている。
【0036】
生体認証手段220は、本実施形態では、画像照合手段210において一致判定された照合画像情報の数が、所定のセキュリティ度に応じて設定された数以上である場合に、被認証者を認証する。尚、本実施形態では、セキュリティ度は、コンピュータ100の用途別に複数段階に設定されており、本実施形態では、本発明装置1の補助記憶装置170に予め設定されている。また、セキュリティ度に応じて、被認証者の生体認証に必要な一致判定された照合画像情報の数、または、被認証者の生体認証に必要な全照合画像情報に対する一致判定された照合画像情報の割合が設定されている。
【0037】
ここで、図4は、本実施形態におけるセキュリティ度と被認証者の認証に必要な一致判定された照合画像情報の数の間の対応関係の一例を示している。尚、本実施形態のセキュリティ度は“低”、“高”の2段階に設定されている。具体的には、鉄道の自動改札装置における認証処理や、電話機の発着信制御装置における認証処理等、セキュリティ性の要求が比較的緩い場合には、セキュリティ度が低く設定され、被認証者の認証に必要な一致判定された照合画像情報の数は1/3以上となっている。即ち、セキュリティ度が低く設定されている場合には、3つの指紋センサ111〜113の内の1つ以上の指紋センサの照合画像情報が一致判定されれば良い。この場合には、3つの異なる場所に配置された3つの指紋センサから指紋の画像データを取得するので、指紋の画像データの取得成功率を高めることができる。これに対し、金融機関の残高照会処理や入金処理を行なう金融処理装置へのアクセスに対する認証処理や、携帯電話等の機器において個人情報が記載されたアドレス帳へのアクセスに対する認証処理等、高いセキュリティ性が要求される場合には、セキュリティ度が高く設定され、被認証者の認証に必要な一致判定された照合画像情報の数は100%となっている。即ち、セキュリティ度が高く設定されている場合には、3つの指紋センサ111〜113の照合画像情報の全てが一致判定されなければならないため、被認証者に対する認証処理のセキュリティ性を高めることができる。
【0038】
続いて、本発明装置1における本発明方法の各処理について、図5及び図6のフローチャートを基に説明する。
【0039】
本発明装置1は、先ず、被認証者からの認証要求に応じて本発明プログラム200を起動する(ステップ#10)。本発明プログラム200が起動されると、CPU130は、生体認証手段220により、補助記憶装置170から本発明装置1が搭載されているコンピュータ100に応じたセキュリティ度を読み出す(ステップ#20)。コンピュータ100としては、鉄道の自動改札装置、電話機の発着信制御装置、金融機関の金融処理装置及び個人情報を備える機器を想定しており、図4に示す表から、コンピュータ100の認証処理で必要とするセキュリティ度を取得する。
【0040】
続いて、コンピュータ100のCPU130は、被認証者の入力操作に応じて、画像情報取得手段の指紋センサ111〜113から、照合画像情報として被認証者の親指、人差し指及び中指の指紋の画像データの入力を受け付ける(ステップ#30、照合画像情報取得工程に相当)。
【0041】
引き続き、CPU130は、画像照合手段210により、指紋センサ111〜113から取得した3つの照合画像情報夫々について、登録画像情報との画像照合処理を行い、照合画像情報と登録画像情報の一致・不一致を判定する(ステップ#40、画像照合工程に相当)。
【0042】
ここで、図6は、画像照合手段210による画像照合処理の処理手順を示しており、図6を基に画像照合処理について説明する。画像照合処理では、先ず、CPU130は、画像照合手段210により、入力された照合画像情報夫々の画像データの補正を行う(ステップ#41)。具体的には、指置き時の指紋センサに対する指の圧力や指の乾燥度等の照合画像情報の入力状況によって、照合画像情報の各画素の濃淡値や濃度分布が一様ではないことから、登録画像情報との比較照合を行なえるように、照合画像情報の画像データに対しヒストグラムの平坦化処理や画像の二値化処理等の画像処理を行なう。続いて、CPU130は、画像照合手段210により、補助記憶装置170から予め登録された被認証者の親指、人差し指及び中指の指紋の登録画像情報を読み出し、主記憶装置140の所定の領域に記憶する(ステップ#42)。
【0043】
引き続き、CPU130は、画像照合手段210の位置探索手段211により、登録画像情報に予め設定された複数の第1部分領域毎に、第1部分領域の画像との部分一致度の値が最大となる照合画像情報における第2部分領域を抽出し、抽出した第2部分領域の照合画像情報における位置を示す照合位置情報を取得する(ステップ#43)。具体的には、本実施形態では、比較する2つの画像データにおける各画素の画素濃度の差に基づいて部分一致度を算出する。ここで、本実施形態では、登録画像情報の画像データ上における第1部分領域の左上角の座標を、第1部分領域の登録画像情報における位置を示す基準位置とし、照合画像情報の画像データ上における第2部分領域の左上角の座標を、第2部分領域の照合画像情報における位置を示す照合位置とする。更に、登録画像情報には、幅w高さhの同一形状の矩形領域Ri(i=1〜nの整数、nは整数)がn個設定されており、夫々が第1部分領域を構成している。そして、矩形領域Riの左上角を基準点(0,0)とした矩形領域Ri上の座標(x,y)の画素濃度をRi(x,y)とする。また、照合画像情報の画像データの左上角を基準点(0,0)とした照合画像情報の画像データ上の座標(s,t)の画素濃度をB(s,t)とする。更に、照合画像情報の画像データ及び登録画像情報の画像データの各画素が取り得る最大濃度をV0とすると、照合画像情報の画像データにおいて左上角の座標が座標(s,t)となる幅w高さhの矩形領域と矩形領域Riとの部分一致度Ci(s,t)は以下の数1で表される。
【0044】
【数1】

【0045】
引き続き、CPU130は、位置探索手段211により、矩形領域Riについて、座標(s,t)を順次変更して各座標(s,t)における部分一致度Ci(s,t)を算出し、部分一致度Ciの最大値Cimaxを求める。CPU130は、最大値Cimaxをとる照合画像情報の画像データ上の矩形領域Miを第2部分領域とし、この矩形領域Miの左上角の座標(Mix,Miy)を照合位置として、最大値Cimaxと照合位置を示す座標(Mix,Miy)を主記憶装置140の所定領域に記憶する。
【0046】
引き続き、CPU130は、画像照合手段210の類似度計算手段212により、本実施形態では、矩形領域Ri毎に、矩形領域Riの基準位置を示す座標(Rix,Riy)と、矩形領域Miの照合位置を示す座標(Mix,Miy)の間の位置関係を示す位置関係情報を算出し、位置関係情報に基づいて登録画像情報と照合画像情報の類似度を算出する(ステップ#44)。より具体的には、矩形領域Ri毎に、基準位置の座標(Rix,Riy)から照合位置の座標(Mix,Miy)までの距離及び方向を示す移動ベクトルViを位置関係情報として算出する。更に、移動ベクトルVi夫々について、他の矩形領域Rj(j=1〜nの整数、j≠i)の移動ベクトルVjとのベクトル差dVijを算出し、ベクトル差dVijが定数e以下の場合に移動ベクトルViと移動ベクトルVjを同一判定する。そして、移動ベクトルViの夫々について移動ベクトルViと同一判定された移動ベクトルVjを持つ矩形領域Rjの数を求め、この内の最大値を類似度とする。移動ベクトルViは、例えば、以下の数2で表され、ベクトル差dVijは、例えば、以下の数3で表される。
【0047】
【数2】

【0048】
【数3】

【0049】
引き続き、CPU130は、画像照合手段210の判定手段213により、類似度に基づいて登録画像情報と照合画像情報が一致するか否かを判定する(ステップ#45)。具体的には、類似度計算手段212が算出した類似度から一致度Pを算出し、一致度が予め設定された基準度T以上である場合に照合画像情報の一致を判定する。
【0050】
同様にして、CPU130は、画像照合手段210により、指紋センサ111〜113の照合画像情報全てについて、ステップ#43〜#45の処理を繰り返し実行して一致・不一致を判定する(ステップ#46)。
【0051】
次に、CPU130は、生体認証手段220により、複数の指紋センサ夫々の照合画像情報の照合状態が全体で所定の認証条件を満たす場合に被認証者を認証する(ステップ#50、生体認証工程に相当)。具体的には、本実施形態では、生体認証手段220は、一致判定された照合画像情報の数が、ステップ#20で読み出したセキュリティ度に応じて設定された数以上である場合に、被認証者を認証する。
【0052】
詳細には、コンピュータ100が、例えば、鉄道の自動改札装置等、認証処理の迅速性が求められる装置であり、セキュリティ度が低く設定されている場合、図4に示すように、被認証者を認証するために必要な一致判定された照合画像の数は1/3以上と規定されている。ここでは、3つの指紋センサ111〜113が設けられていることから、CPU130は、画像照合手段210が一致判定した照合画像情報の数が1以上の場合、つまり、親指、人差し指及び中指の何れかの指紋の画像データ(照合画像情報)が一致判定されていれば、被認証者を認証する。親指、人差し指及び中指の何れの指紋の画像データも一致判定されていない場合は、認証不成立となる。更に、コンピュータ100が、例えば、金融機関に設置された金融処理装置にアクセスする端末装置等、不正利用防止が最優先で求められる装置であり、セキュリティ度が高く設定されている場合、図4に示すように、被認証者を認証するために必要な一致判定された照合画像の数は100%と規定されている。ここでは、3つの指紋センサ111〜113が設けられていることから、CPU130は、画像照合手段210が、全ての照合画像情報に対して一致判定を行なった場合にのみ、被認証者を認証する。親指、人差し指及び中指の指紋の画像データの内、何れか1つでも一致判定されていない照合画像情報がある場合は、認証不成立となる。
【0053】
CPU130は、被認証者を認証した場合(ステップ#60でOK分岐)は、コンピュータ100の処理続行を許可し(ステップ#80)、認証不成立の場合(ステップ#60でNO分岐)は、コンピュータ100の処理続行を禁止する(ステップ#70)。尚、認証不成立の際に、コンピュータ100の表示手段150やスピーカ等を通じて、認証不成立の旨を通知するように構成しても良い。
【0054】
〈第2実施形態〉
本発明の第2実施形態について図7を基に説明する。尚、本実施形態では、上記第1実施形態とは、被認証者の認証条件が異なる場合について説明する。
【0055】
本実施形態の照合画像情報取得手段110は、異なるセンサ面積を有する指紋センサ群を備えている。具体的には、本実施形態の指紋センサ111〜113は、指の大きさに応じてセンサ面積の大きさが設定されており、親指の指紋を読み取る指紋センサ111は、人差し指の指紋を読み取る指紋センサ112と中指の指紋を読み取る指紋センサ113より、センサ面積が大きく設定されている。人差し指の指紋を読み取る指紋センサ112と中指の指紋を読み取る指紋センサ113は同じ大きさに設定されている。
【0056】
本実施形態の生体認証手段220は、複数の指紋センサ111〜113を所定の分類条件に応じて分類した指紋センサ群毎に、指紋センサ群夫々に対応する照合画像情報の内の一致判定された照合画像情報に基づいて認証度を算出し、指紋センサ群夫々の認証度が、コンピュータ100のセキュリティ度に応じて指紋センサ群毎に各別に設定された所定のセンサ群別セキュリティ度以上である場合に、被認証者を認証するように構成されている。尚、本実施形態では、認証度は、センサ群中における一致判定された照合画像情報の数、または、センサ群中の全照合画像情報に対する一致判定された照合画像情報の割合であり、センサ群別セキュリティ度は、被認証者の生体認証に必要なセンサ群中における一致判定された照合画像情報の数、または、被認証者の生体認証に必要なセンサ群中の全照合画像情報に対する一致判定された照合画像情報の割合で表される。
【0057】
具体的には、本実施形態の生体認証手段220は、センサ面積に応じて複数の指紋センサを分類し、センサ面積に応じて指紋センサ群夫々のセンサ群別セキュリティ度を設定するように構成されている。ここでは、センサ面積の大きい親指用の指紋センサ111をセンサ群S1、人差し指用の指紋センサ112と中指用の指紋センサ113をセンサ群S2として説明する。一般的に、センサ面積の小さい指紋センサ群よりセンサ面積の大きい指紋センサ群の方が取得可能な画像データの領域が大きく、認証処理における信頼度が高いと考えられることから、本実施形態では、センサ面積の大きい指紋センサ群のセンサ群別セキュリティ度を高く設定する。
【0058】
ここで、図7は、本実施形態におけるセキュリティ度と被認証者の認証に必要な一致判定された照合画像情報の数の間の対応関係の一例を示している。詳細には、鉄道の自動改札装置における認証処理や、電話機の発着信制御装置における認証処理等、セキュリティ性の要求が比較的緩い場合には、上記第1実施形態と同様に、コンピュータ100のセキュリティ度が低く設定されている。この場合の本実施形態における被認証者の認証条件は、全ての指紋センサ、即ち、センサ群S1及びセンサ群S2全体で、1以上の指紋センサの照合画像情報が一致判定されている場合に、被認証者を認証するように設定されている。つまり、指紋センサ111〜113の内の何れか1つの指紋センサの照合画像情報が一致判定されている場合に、被認証者を認証する。
【0059】
更に、金融機関の残高照会処理や入金処理を行なう金融処理装置へのアクセスに対する認証処理や、携帯電話等の機器において個人情報が記載されたアドレス帳へのアクセスに対する認証処理等、高いセキュリティ性が要求される場合には、上記第1実施形態と同様に、コンピュータ100のセキュリティ度が高く設定されており、センサ群S1のセンサ群別セキュリティ度が100%であり、センサ群S2のセンサ群別セキュリティ度が1/2に設定されている。即ち、この場合の本実施形態における被認証者の認証条件は、センサ群S1に分類された全指紋センサの照合画像情報が一致判定され、且つ、センサ群S2に分類された全指紋センサの内、1以上の指紋センサの照合画像情報が一致判定されている場合に、被認証者を認証するように設定されている。つまり、親指用の指紋センサ111の照合画像情報が一致判定され、且つ、人差し指用の指紋センサ112及び中指用の指紋センサ113の内の何れか一方の照合画像情報が一致判定されている場合に、被認証者を認証する。このように構成することにより、より柔軟に生体認証処理における柔軟性及びセキュリティ性に対応することが可能になる。
【0060】
〈第3実施形態〉
本発明の第3実施形態について図8を基に説明する。本実施形態では、上記第1及び第2実施形態とは、画像照合手段210及び生体認証手段220の構成が異なる場合について説明する。
【0061】
本実施形態の画像照合手段210は、基準度の値が、複数の指紋センサ毎に異なる値が設定されている。具体的には、センサ面積に応じてセンサ群別に基準度が設定されており、センサ面積の大きい親指用の指紋センサ111における基準度を、人差し指用の指紋センサ112及び中指用の指紋センサ113における基準度より高く設定している。これにより、より柔軟にコンピュータ100が必要とする迅速性及びセキュリティ性に対応することが可能になる。
【0062】
更に、本実施形態の画像照合手段210は、図8に示すように、外部入力に応じて基準度の値を変更する基準度変更手段214を備えている。基準度変更手段214は、本実施形態では、指紋センサ毎または指紋センサ群毎に、照合画像情報の一致・不一致判定のための基準度を変更可能に構成されている。
【0063】
本実施形態の生体認証手段220は、図8に示すように、外部入力に応じてセキュリティ度を変更するセキュリティ度変更手段221を備えている。具体的には、セキュリティ度変更手段221は、外部入力に応じて、セキュリティ度、応用処理例、或いは、認証に必要な条件の変更要求(追加、削除要求を含む)及び変更内容を受け付け、図4または図7に示すセキュリティ度の設定に反映させる。また、変更要求及び変更内容は、例えば、図1に示すコンピュータ100において、操作手段120から受け付けるように構成しても良いし、通信ネットワーク300を介して他のコンピュータから受け付けるように構成しても良い。
【0064】
〈別実施形態〉
〈1〉上記各実施形態では、認証処理対象として指の指紋が設定されており、指紋認証を行なう場合について説明したが、例えば、指紋認証に加え、認証処理対象として手のひらの血管の形を設定し、静脈認証を行うように構成しても良いし、網膜認証等の他の認証処理を組み合わせて行なうように構成しても良い。静脈認証や網膜認証を行なう場合には、静脈を検出する生体センサ及び網膜の血管の形を検出する生体センサを夫々用いる。また、指紋認証を行なう場合において、認証処理対象として設定する指は、左右の何れの指であっても良い。認証処理対象は、照合画像情報取得手段110の構成を考慮し、1度で照合画像情報が取得できるように適切に選択する。この場合には、照合画像情報取得手段110の形状を、認証処理対象として設定した生体部位夫々の照合画像情報全体を1度で良好に取得できるように構成することが望ましい。
【0065】
〈2〉上記各実施形態では、補助記憶装置170に格納された本発明プログラム200をコンピュータ100のCPU130が実行することにより認証処理を行なう構成としたが、本発明プログラム200は、コンピュータ100で読取可能な記録媒体に格納されていれば良い。例えば、磁気テープやフロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM等の記録媒体に格納された本発明プログラム200を、磁気テープ装置、フロッピー(登録商標)ディスク駆動装置及びCD−ROM駆動装置等の外部入力装置160を介して読み出す構成であっても良いし、通信ネットワーク300を介して本発明プログラム200をダウンロードするように構成しても良い。
【0066】
〈3〉上記各実施形態では、セキュリティ度は“低”、“高”の2段階に設定したが、これに限るものではなく、本発明を適用するコンピュータ100の用途の多様性に応じて適切な段階数を設定する。また、上記第2実施形態において、センサ群別セキュリティ度をセンサ面積に応じて設定したがこれに限るものではなく、例えば、認証処理対象の生体部位に応じて設定する等、コンピュータ100の用途や構成に応じて設定するように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に係る生体認証処理装置及びその周辺装置からなるコンピュータの概略構成例を示す概略ブロック図
【図2】本発明に係る生体認証処理装置の第1実施形態における概略構成を示す概略ブロック図
【図3】本発明に係る生体認証処理装置の照合画像情報取得手段の一例を示す概略構成図
【図4】本発明に係る生体認証処理装置の第1実施形態におけるセキュリティ度と認証に必要な一致判定された照合画像情報数の対応関係の一例を示す表
【図5】本発明に係る生体認証処理装置の第1実施形態における認証処理手順を示すフローチャート
【図6】本発明に係る生体認証処理装置の画像照合手段の第1実施形態における認証処理手順を示すフローチャート
【図7】本発明に係る生体認証処理装置の第2実施形態におけるセキュリティ度と認証に必要な一致判定された照合画像情報数の対応関係の一例を示す表
【図8】本発明に係る生体認証処理装置の第3実施形態における概略構成を示す概略ブロック図
【図9】従来技術に係る生体認証処理装置の認証処理手順を示すフローチャート
【図10】従来技術に係る生体認証処理装置の生体センサの構成を示す概略図
【符号の説明】
【0068】
1 本発明に係る生体認証処理装置
100 コンピュータ
110 照合画像情報取得手段
111 生体センサ(指紋センサ)
112 生体センサ(指紋センサ)
113 生体センサ(指紋センサ)
114 把持部材
115 入力部
120 操作手段
130 CPU
140 主記憶装置
150 表示手段
160 外部入力装置
170 補助記憶装置
180 通信インターフェース
200 本発明に係る生体認証処理プログラム
210 画像照合手段
211 位置探索手段
212 類似度計算手段
213 判定手段
214 基準度変更手段
220 生体認証手段
221 セキュリティ度変更手段
300 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被認証者の認証処理対象として設定された所定の生体部位の画像情報に基づいて認証処理を行なう生体認証処理装置であって、
前記被認証者から前記認証処理対象の照合画像情報を取得する生体センサの複数が、複数の異なる前記生体部位の前記認証処理対象に各別に対応して設けられた照合画像情報取得手段と、
前記複数の生体センサが各別に取得した前記照合画像情報毎に、前記照合画像情報と前記照合画像情報の前記生体部位に対応する予め登録された登録画像情報を比較し、前記照合画像情報と前記登録画像情報の一致度が所定の基準度以上である場合に、前記照合画像情報の一致を判定する画像照合手段と、
前記複数の生体センサ夫々の前記照合画像情報の照合状態が全体で所定の認証条件を満たす場合に前記被認証者を認証する生体認証手段と、を備えることを特徴とする生体認証処理装置。
【請求項2】
前記生体認証手段は、一致判定された前記照合画像情報の数が、所定のセキュリティ度に応じて設定された数以上である場合に、前記被認証者を認証することを特徴とする請求項1に記載の生体認証処理装置。
【請求項3】
前記生体認証手段は、前記複数の生体センサを所定の分類条件に応じて分類した生体センサ群毎に、前記生体センサ群夫々に対応する前記照合画像情報の内の一致判定された前記照合画像情報に基づいて認証度を算出し、
前記生体センサ群夫々の前記認証度が、所定のセキュリティ度に応じて前記生体センサ群毎に各別に設定された所定のセンサ群別セキュリティ度以上である場合に、前記被認証者を認証することを特徴とする請求項1に記載の生体認証処理装置。
【請求項4】
前記照合画像情報取得手段は、異なるセンサ面積を有する前記生体センサ群を備え、
前記生体認証手段は、前記センサ面積に応じて前記複数の生体センサを分類し、前記センサ面積に応じて前記生体センサ群夫々の前記センサ群別セキュリティ度を設定することを特徴とする請求項3に記載の生体認証処理装置。
【請求項5】
前記生体認証手段は、外部入力に応じて、前記セキュリティ度を変更するセキュリティ度変更手段を備えることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の生体認証処理装置。
【請求項6】
前記画像照合手段において、前記基準度の値は、前記複数の生体センサ夫々に異なる値が設定されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の生体認証処理装置。
【請求項7】
前記画像照合手段は、外部入力に応じて、前記基準度の値を変更する基準度変更手段を備えることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の生体認証処理装置。
【請求項8】
前記画像照合手段は、
前記登録画像情報に設定された複数の第1部分領域毎に、前記第1部分領域の画像との部分一致度の値が最大となる前記照合画像情報における第2部分領域を抽出し、抽出した前記第2部分領域の前記照合画像情報における位置を示す照合位置情報を記憶する位置探索手段と、
前記第1部分領域毎に、前記第1部分領域の前記登録画像情報における位置を示す基準位置情報と前記照合位置情報の間の位置関係を示す位置関係情報を算出し、前記位置関係情報に基づいて前記登録画像情報と前記照合画像情報の類似度を算出する類似度計算手段と、
前記類似度に基づいて前記登録画像情報と前記照合画像情報が一致するか否かを判定する判定手段と、を備えることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の生体認証処理装置。
【請求項9】
前記類似度計算手段は、前記基準位置情報が示す位置から前記照合位置情報が示す位置までの距離及び方向を前記位置関係情報として算出し、前記距離及び方向が所定の類似範囲内にある前記位置関係情報の数に基づいて前記類似度を算出することを特徴とする請求項8に記載の生体認証処理装置。
【請求項10】
前記照合画像情報取得手段は、認証処理対象として設定された手または指の形状に対応した形状の把持部材を備え、前記把持部材の前記認証処理対象が接する箇所の夫々に前記生体センサを設けてなることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の生体認証処理装置。
【請求項11】
前記登録画像情報の画像領域が、前記照合画像情報の画像領域より大きいことを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の生体認証処理装置。
【請求項12】
被認証者の認証処理対象として設定された所定の生体部位の画像情報に基づいて認証処理を行なう生体認証処理方法であって、
前記被認証者の入力操作に応じて、複数の前記認証処理対象に各別に対応して設けられた生体センサの複数から、前記被認証者の前記認証処理対象の照合画像情報の入力を受け付ける照合画像情報取得工程と、
取得した前記照合画像情報毎に、前記照合画像情報と前記照合画像情報の前記生体部位に対応する予め登録された登録画像情報を比較し、前記照合画像情報と前記登録画像情報の一致度が所定の基準度以上である場合に、前記照合画像情報の一致を判定する画像照合工程と、
前記複数の生体センサ夫々の前記照合画像情報の照合状態が全体で所定の認証条件を満たす場合に前記被認証者を認証する生体認証工程と、を実行することを特徴とする生体認証処理方法。
【請求項13】
請求項12に記載の生体認証処理方法における前記照合画像情報取得工程、前記画像照合工程及び前記生体認証工程を、コンピュータ上で実行するプログラムステップを含むことを特徴とする生体認証処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−97097(P2008−97097A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−275035(P2006−275035)
【出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】