生理学的モニタリングシステム及び方法
本発明の着用式使捨て生理学的モニタは、信号整形回路要素と、リアルタイムクロックと、デジタル制御論理と、回路動作モードを独立モード又は周辺機器モードに設定するモード選択論理とを含む集積回路を備える。独立モードでは、デジタル制御論理は、デジタルメモリ中の複数のセンサデータタイプを含むデータパケットを周期的に格納する。周辺機器モードでは、データパケットは処理のためにマイクロコントローラに送信される。モニタは、心電図電極や加速度計、温度センサ等のセンサを含む。モニタやファームウェアの盗用は、ユーザ認証を確認する際に現場で生理学的モニタを初期化することで低減される。初期化コンソールは、認証コード、ファームウェア、使用可能にされたセンサ、標本抽出率、カスタマイズされた声によるメッセージその他のパラメータを転送すること等によってモニタを起動し構成する。
【発明の詳細な説明】
【関連出願データ】
【0001】
[0001]本出願は、2006年3月3日出願の米国特許出願第11/367,992号、2006年3月3日出願の米国特許出願第11/367,155号、並びに2006年3月3日出願の米国特許出願第11/368,290号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
[0002]本発明は、生理学的モニタリングシステム及び方法、特に生理学的モニタに関する。
【0003】
[0003]生理学的モニタリング機器は、血中酸素濃度、体温、呼吸速度、及び心電図(ECG)測定又は脳電図(EEG)測定に対する電気的活動を含む、多数の患者の生命兆候を測定するために使用される。ECG測定を行うために使用される共通の設計では、多数の心電計リード線が患者の皮膚に接続される。電圧変動がある期間にわたって記録され、結果として得られる信号が処理され、格納され、解釈される。対象のECG信号の大きさは、電力線、蛍光光、隣接している電気的装置、又はECGリード線と患者の皮膚との間の境界面における電解質効果によって生成される環境上の電気雑音レベルよりも大幅に小さいことがある。リード線によって感知される電気信号は、一般に、有用なデータを生成するために増幅されフィルタ処理される。
【0004】
[0004]ホルターモニタは、数時間、更には数日間の心臓モニタリングを可能にする着装携行式の心電図装置である。一般的なホルターモニタは、被検者の皮膚に付着した3〜7本のリード線を用いる。モニタは、一般に、ポケットに入れて、又はベルトに取り付けて携行され、記録期間中の心臓の活動のログを保持する。
【0005】
[0005]多数の米国特許が、可搬型ECGモニタを含む生理学的モニタについて記載している。例えば、米国特許第5,701,894号では、Cherryらは、複数の選択的なプラグアンドプレイ信号入力調整装置、実行及び分析ソフトウェアを備えたマイクロプロセッサシステム、並びにデータ格納用の取外し可能なメモリモジュールを含む着装携行式の生理学的コンピュータ記録装置について記載している。システムセンサは、ECG用電極、並びに、特に体温、呼吸、皮膚コンダクタンス、及び加速度を測定するセンサを含んでもよい。
【0006】
[0006]米国特許第6,198,394号では、Jacobsenらは、人間の生理学的状態を決定するための信号を発生させるための兵士又は他の人間に対して配置可能な複数のセンサを含み、個人の状態を遠隔でモニタリングするシステムについて記載している。Jacobsenらは、複数のセンサ及びマスタコントローラ又はマスタプロセッサを含む、着用可能なセンサユニットについて記載している。Jacobsenらはまた、複数のセンサとセンサに接続されたコントローラとを含むことができるリストセンサ/表示ユニットを利用することについて記載している。リストユニットは、兵士によって携行される兵士ユニットと併せて使用される。兵士ユニットは、コントローラ、センサ、及び全世界測位システム(GPS)装置などの他の装置も含む。
【0007】
[0007]米国特許第6,454,708号では、Fergusonらは、健康パラメータをモニタリングし、被検者からのデータを捕捉するシステムについて記載している。このシステムは、全波形ECG、全波形呼吸、皮膚温度、及び運動を測定するセンサと、測定データを格納するためのメモリカード又はスマートカードを受け入れるコネクタとを備えた、コードレスのセンサバンドを含む。
【概要】
【0008】
[0008]1つの態様によれば、生理学的モニタリングシステムは、一組のリアルタイム指標を生成する集積リアルタイムクロックと、第1の組のフィルタ処理済み電気信号を生成するため、第1の組の生理学的センサから受け取った一組の電気信号を増幅しフィルタ処理する集積増幅/フィルタ処理回路要素と、リアルタイムクロック及び増幅/フィルタ処理回路要素に接続された集積デジタル制御論理とを含む、生理学的モニタリング用の特定用途向け集積回路(ASIC)を含む。増幅/フィルタ処理回路要素は、第1の組の生理学的センサから受け取った一組の電気信号をフィルタ処理するアナログフィルタ処理回路要素を含む。デジタル制御論理は、第1の組のフィルタ処理済み電気信号から派生した第1の組のデジタル生理学的データを受け取り、第1の組のデジタル生理学的データとは異なる標本抽出率で標本化された生理学的データを含む第2の組のデジタル生理学的データを受け取り、リアルタイム指標、第1の組のデジタル生理学的データ、及び第2の組のデジタル生理学的データから、タイムスタンプ付き生理学的データパケットを生成し、デジタルメモリに格納するため、データパケットを送信するように構成される。
【0009】
[0009]別の態様によれば、生理学的モニタリング集積回路は、デジタル制御論理に接続された、集積回路の動作モードを独立モード及び周辺機器モードから選択されたモードに設定するモード選択論理を含む。独立モードでは、デジタル制御論理は、一組のリアルタイム指標とフィルタ処理済み電気信号から派生した一組のデジタル心電図データとから一組のタイムスタンプ付き生理学的データパケットを生成し、デジタルメモリに格納するため、タイムスタンプ付きデータパケットを送信するように構成される。周辺機器モードでは、集積回路は、デジタル心電図データから派生した生理学的データをプログラム可能なマイクロコントローラに転送するように構成される。
【0010】
[0010]別の態様によれば、生理学的モニタリング方法は、一組の生理学的モニタ構成データを取外し可能なデジタルメモリに格納するステップと、モニタを着用している被検者に対して構成データに従って一組の生理学的測定を行うため、デジタルメモリを含む着用可能な生理学的モニタを用いるステップと、生理学的測定によって生成されたデジタル生理学的データをデジタルメモリに格納するステップとを含む。
【0011】
[0011]別の態様によれば、生理学的モニタリング方法は、一組の生理学的モニタ認証データを取外し可能なデジタルメモリに格納するステップと、取外し可能なデジタルメモリに格納された生理学的モニタ認証データを使用して、着用可能な生理学的モニタを、被検者からの一組の生理学的モニタリングデータを記録するようにユーザ操作可能ではない未初期化状態から、被検者からの一組の生理学的モニタリングデータを記録するようにユーザ操作可能である初期化状態に遷移させるステップと、生理学的モニタを着用している被検者に対する一組の生理学的モニタリングデータを記録するため、取外し可能なデジタルメモリを含む生理学的モニタを用いるステップと、一組の生理学的モニタリングデータを取外し可能なデジタルメモリに格納するステップとを含む。
【0012】
[0012]別の態様によれば、生理学的モニタリング方法は、被検者による着用可能な生理学的モニタの使用が認証されていることを確認すると、生理学的モニタの起動を行うため、初期化コンソールを用いるステップであり、起動が、生理学的モニタを、一組の生理学的測定を行うようにユーザ操作可能ではない未初期化状態から、一組の生理学的測定を行うようにユーザ操作可能である初期化状態に遷移させることであるステップと、被検者に対して一組の生理学的測定を行い、生理学的測定によって生成されたデジタル生理学的データを生理学的モニタのデジタルメモリに格納するため、生理学的モニタを使用するステップとを含む。
【0013】
[0013]本発明の上述の態様及び利点は、以下の詳細な説明を読み、図面を参照することによってより良く理解されるであろう。
【好ましい実施形態の詳細な説明】
【0014】
[0028]以下の説明では、構造間の接続の列挙されるものは全て、直接作用する接続、又は中間構造を介して間接的に作用する接続であり得ることが理解される。例えば、デジタル制御論理は、A/D変換器を介して増幅/フィルタ処理回路要素(amplification/filtering circuitry)に接続されてもよい。一組の要素は1つ又は複数の要素を含む。複数の要素は2つ以上の要素を含む。要素の列挙はいずれも少なくとも1つの要素を指すものと理解される。特に指定しない限り、用語「論理」は、専用(ハードワイヤード)論理、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又はプログラマブルマイクロコントローラなどのプログラム可能な論理の両方を包含する。特に指定しない限り、着用可能なモニタは、被検者に接着されるモニタ(例えば、パッチ)、並びに被検者に緩く取り付けられるモニタ(例えば、衣服、ベルト、紐、ウェストポーチ、又は他の構造を介して)を包含する。特に必要でない限り、記載されるあらゆる方法ステップは、必ずしも特定の説明順で行われなくてもよい。第2の要素から派生する、又は生成される第1の要素(例えば、データ)は、第2の要素に等しい第1の要素、並びに第2の要素及び任意に他のデータを処理することによって生成される第1の要素を包含する。あるデータに従って動作を行うパラメータの生成は、パラメータを生成すること、又はそのデータのみに従って動作を行うことに限定されず、他のデータも使用することを包含する。封入材(encapsulant)は、1つ又は複数の密閉された構成要素を少なくとも部分的に封入する一般に可撓性の材料であることが理解される。第1及び第2のデータにタイムスタンプを付けることは、第1及び第2のデータを含むデータパケットに共通のタイムスタンプを適用すること、並びに第1及び第2のデータに個々のタイムスタンプを別個に付けることを包含する。データパケットにタイムスタンプを付けることは、内部タイムスタンプをパケット内に含めること、並びに外部タイムスタンプをデータパケットと関連付けることを包含する。特に指定しない限り、デジタルメモリが取外し可能であるという記述は、メモリ又は噛合構成要素を分解又は破壊することなく、噛合位置へと、若しくは噛合位置から外れるように滑動させるか別の方法で動かすことによって、デジタルメモリがエンドユーザによって現場で取外し可能であることを意味するものと理解される。「増幅/フィルタ処理回路要素」が、列挙されるタイプの回路要素(circuitry)(例えば、連続時間アナログ、スイッチキャパシタ、又はDSP)を含むという記述は、増幅/フィルタ処理回路要素の少なくとも一部が、列挙されるタイプの回路要素を含み、列挙されるタイプの回路要素を含めるために増幅回路要素及びフィルタ処理回路要素の両方を必要としないことを意味する。コンピュータ読取り可能な媒体は、磁気媒体、光学媒体、及び半導体媒体(例えば、ハードドライブ、光ディスク、フラッシュメモリ、SRAM)などの記憶媒体を包含する。用語「広域ネットワーク」は、インターネット、並びに少なくとも1つのルーターを含む他のネットワークを包含する。特に指定しない限り、用語「被検者」は人間と動物両方の被検者を包含する。特に指定しない限り、モニタの「家庭内」使用は、被検者の通常の活動の間、且つ医療環境(例えば、病院又は診察室)の外での使用を指し、被検者の自宅住所における使用に限定されない。第1の治療過程を第2の治療過程と置き換えることは、第1の治療過程を修正(例えば、投薬量の修正)した第2の治療過程を用いることを包含する。代表的な説明される実施形態の態様は、説明される実施形態の他の態様を参照することなく特許性のある主題を含んでもよい。以下に記載される代表的な実施形態の態様は、説明される代表的なやり方以外のやり方で組み合わされてもよい。
【0015】
[0029]以下の記載は、一例として本発明の実施形態を説明するものであり、必ずしも限定目的のものではない。
【0016】
[0030]図1Aは、本発明のいくつかの実施形態による、被検者22の皮膚上に置かれた着用可能な生理学的モニタリングシステム20を示す。被検者22は人間又は動物の被検者であってもよい。生理学的モニタリングシステム20は、着用可能な生理学的モニタ24、被検者の皮膚に付着された複数の被検者電気的活動電極38、及び電極38を生理学的モニタ24に接続する配線28を含む。いくつかの実施形態では、電気的活動電極38は、心電図(ECG)電極、並びに呼吸及び/又は流体負荷インピーダンス電極を含む。図1Aに示される代表的な6電極構成は、LA(左腕)電極、RA(右腕)電極、IRA(呼吸/流体負荷インピーダンスRA)電極、LL(左脚)電極、V5(第5肋間隙の左前腋窩線)電極、及びIV5(呼吸/流体負荷インピーダンスV5)電極を含む。LA、RA、LL、及びV5のリード線はECG測定に使用され、IRA及びIV5のリード線は呼吸及び/又は流体負荷測定に使用される。より少数又はより多数の電極、及び他の電極配置を含む他の電極構成が、本発明の実施形態に使用するのに適している。いくつかの実施形態では、電極38は脳波図(EEG)電極を含んでもよい。
【0017】
[0031]配線28は、電極38に付着されたクリップを備えた導電性ワイヤを含んでもよい。生理学的モニタリングシステム20は、以下に詳細に記載されるように、追加の生理学的センサ及び外部パラメータセンサを含んでもよい。電極38は、生理学的モニタ24に電気的に接続される。生理学的モニタ24は、下にある接着剤及び/又は一組の可撓性ストラップ40によって患者の皮膚上で適所に保持されるパッチによって形成されてもよい。いくつかの実施形態では、生理学的モニタ24は、封入電極及び電極配線を含んでもよい使い捨ての包帯ユニットである。いくつかの実施形態では、生理学的モニタ24はワイヤを介して外部電極に取り付けられたケースを含んでもよい。
【0018】
[0032]図1Bは、本発明のいくつかの実施形態による生理学的モニタ24の平面図を示す。音及び/又は光インジケータ42、並びにユーザ起動式の(user-activated)イベントアクチュエータ(例えば、ボタン)44は、生理学的モニタ24の外面上に載置される。いくつかの実施形態では、インジケータ42は、視覚的なシステム状態の指標をユーザに提供するLEDを含む。インジケータ42はまた、状態及び/又はプロンプトの音(例えば、信号音、音楽、合成音声)をユーザに対して発するスピーカーを含む。インジケータ42は、D/A変換器、低域フィルタ、及び電力増幅器を含んでもよく、電力増幅器は、その入力側とスピーカー及び/又はLEDとの間に順に接続される。いくつかの実施形態では、光/音インジケータ42は、振動刺激若しくは他の触覚刺激を提供することができる追加の報知器に置き換えられるか、又はそれと併せて使用されてもよい。イベントアクチュエータ44により、ユーザが、アクチュエータ44を押すことによって、重要なイベント(例えば、転倒、目まいを感じる、通常と違う感覚、薬剤投与を受ける)を記録することが可能になる。いくつかの実施形態では、ユーザが現在の日付及び時間を入力できるようにするため、アクチュエータ44に加えてユーザ入力アクチュエータ又は制御が提供されてもよい。
【0019】
[0033]図1Cは、生理学的モニタ24の封入材26内に保持されるいくつかの構成要素を示す。封入材26は、ポリウレタンなどの可撓性材料を含んでもよい。封入材26は、生理学的モニタ24を部分的に密閉して、生理学的モニタ24を機械的に保護するとともに、インジケータ42、イベントアクチュエータ44及び電池34への外部アクセスを可能にする。電池34は、生理学的モニタ24の製造中に中に密閉されるか、又はユーザによって生理学的モニタ24に挿入されてもよい。可撓性基板36は、電池34及び特定用途向け集積回路(ASIC)30を支持する。集積回路30は一組の入力ピン31を含み、そのいくつかは、以下に記載されるように、集積回路30の動作モードを設定するため、所定の論理レベル(0,1)構成に接合されてもよい。基板36は、非導電性の基部及び基部上に形成された一組の導電性のトラック(ライン)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、基板36は、参照により本明細書に組み込まれるHainesらの米国特許第6,385,473号によって記載されているように形成されてもよい。
【0020】
[0034]デジタルメモリ32は、集積回路30に結合され、以下に記載されるように、処理済み生理学的データをデジタル形式で格納する。いくつかの実施形態では、デジタルメモリ32は、基板36に沿って規定されるメモリカードコネクタ(ソケット)48内に取外し可能に実装されるフラッシュメモリカードを含む。適切なフラッシュメモリカードのフォーマットとしては、特に、コンパクトフラッシュ(CF)及びxD−ピクチャーカード(xD)が挙げられる。いくつかの実施形態では、デジタルメモリは、基板36に固着されたメモリチップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、デジタルメモリは、ASIC 30に統合されたオンチップメモリ、並びに取外し不能なオフチップデジタルメモリを含んでもよい。特に、いくつかの実施形態では、以下に記載されるデータ格納は全て取外し可能なメモリカード内で行われ、いくつかの実施形態では、以下に記載されるデータ格納は全てオンチップメモリ内で行われ、また、いくつかの実施形態では、測定された大量の生理学的データは取外し可能なメモリカードに格納されるが、一組の構成/初期化データはオンチップメモリに格納される。そのような構成/初期化データは、ファームウェア、被検者ID、センサ標本抽出率、認証コード、及び認証済みの使用に関するデータなど、設定及び操作データを含んでもよい。オンチップメモリはまた、メモリカードが交換されている間、生理学的データを一時的にバッファリングするために使用されてもよい。
【0021】
[0035]集積回路30は、2つ以上の代替モードで作動することができる。対応しているモードとしては、集積回路30がデータをデジタルメモリ32に直接格納する独立モード、及び集積回路30がマイクロコントローラに対する周辺機器として使用される周辺機器モードが挙げられる。いくつかの実施形態では、動作モードは、例えば、集積回路30の入力ピンを、一方のモードに対する1つの論理レベル(例えば1、即ちVdd)と、他方のモードに対する別の論理レベル(例えば0、即ちVss)とに接合することによって、集積回路30を基板36上に実装し接続する間に設定される。集積回路30は、使い捨ての着用可能な製品に使用される場合は独立モードに、再使用可能な(着用可能な又はベッドサイド用)製品に使用される場合には周辺機器モードに設定されてもよい。
【0022】
[0036]図2Aは、本発明のいくつかの実施形態による、集積回路30の独立動作モードにおける生理学的モニタリングシステム20の一部の図を示す。集積回路30は、一組のオンチップセンサ50a、信号駆動及び信号処理回路52、アナログ/デジタル(A/D)変換器58、デジタル制御論理60、モード選択論理61、リアルタイムクロック62及びシリアルインタフェース66などのI/Oポートを含む。リアルタイムクロック62は共振器64に接続される。共振器64は、オンチップ若しくはオフチップのタイミング共振器及び/又はオフチップ水晶結晶板を含んでもよい。
【0023】
[0037]一組のオフチップセンサ50bは、アナログ出力を有する一組のセンサ45及びデジタル出力を有する一組のセンサ46を含む。アナログセンサ45は、図1Aに示される電気的活動電極38を含んでもよい。いくつかの実施形態では、一組のオンチップセンサ50aは、集積温度センサ及び集積3軸加速度計を含み、他のセンサはオフチップで提供される。いくつかの実施形態では、一組のオンチップセンサ50aは、1つ又は複数の以下に記載されるセンサタイプを含んでもよい。いくつかの実施形態では、オフチップセンサ50bは、1つ若しくは複数の加速度計及び/又は傾斜センサ、電気的若しくは機械的な呼吸及び/又は流体負荷センサ、オフチップ温度センサ、パルスオキシメータ、光強度センサ、イオン化放射線センサ、皮膚電気抵抗センサ(galvanic skin resistance sensor)、関節角度ゴニオメータ、歪みセンサ、及び/又は音響センサを含む。そのようなセンサは、当該技術において知られている生理学に関連する範囲内のパラメータを検出するように構成される。
【0024】
[0038]温度センサは、被検者の皮膚に熱的に結合され、被検者の現在の温度を示すリアルタイムの温度データを供給する。いくつかの実施形態では、オンチップ温度センサはオンチップダイオードを含んでもよい。ダイオードの順電圧の測定には、ダイオードの生来の感温性を用いて温度指示を提供する。オンチップ温度センサはまた、バンドギャップ電圧の温度依存性を用いて温度指示を提供してもよい。CMOS又はバイポーラ集積回路に統合されてもよく、接合に基づく(junction-based)温度センサに関する情報については、例えば、"Thermal Transducers," Chapter 6 of Kovacs, G. T. A.,"Micromachined Transducers Sourcebook," McGraw-Hill, Inc., New York, NY, 1998, pp. 570-577を参照のこと。好ましくは、オンチップ温度センサによって供給される読取値は、集積回路30の電力損には事実上依存しない。したがって、好ましくは、温度センサの出力側での集積回路の電力損の影響を最小限に抑えるように、集積回路30の電力損は最小限に抑えられ、センサと被検者の間の熱的な結合は最大限にされる。いくつかの実施形態では、温度センサは、0.5℃の誤差で0〜50℃の温度を測定することができる。いくつかの実施形態では、温度センサは、周囲温度センサ、皮膚温度を測定するため被検者に接触している皮膚プローブ、又は中核体温を測定するための直腸プローブを含んでもよい。
【0025】
[0039]加速度計は、着用者の相対位置(例えば、直立、仰臥)、並びに着用者の動的な動き(例えば、歩行、走行、睡眠など)に関するリアルタイムデータを供給する。x軸、y軸、及びz軸それぞれに対して、1つ又は複数の加速器が提供されてもよい。いくつかの実施形態では、加速度計は、2g〜5gであるように選択されてもよい予め定められた閾値以下の加速度値を測定することができる、DC応答性の加速度計である。DC応答性の加速度計は、一定の加速度と時間で変わる加速度の両方を測定することができる。一定の加速度は、重力加速度などの定常的な加速度である。そのような定常的な加速度の測定は、被検者の身体の向き、即ち立っているか横になっているかを判断するのに使用されてもよい。時間で変わる加速度は、歩行によって引き起こされる加速度を含んでもよい。一組の加速器は、加速度値を決定することができる加速器、並びに活動センサ、又は加速度閾値を超過したかを検出するスイッチ式の加速器を含んでもよい。スイッチ式の加速器は、加速度計が十分に高い定常的又は動的な加速度を受けたとき、一対のスイッチ接点を閉じる可動の質量を含んでもよい。感知された加速度の大きさに関する情報を供給するため、閾値が異なる複数のスイッチ式の加速器が軸線に沿って使用されてもよい。
【0026】
[0040]インピーダンスに基づく呼吸及び流体負荷/水分補給センサは、交流電流(AC)信号を被検者の皮膚上に置かれた1つの電極に加えることにより、被検者の経胸腔的インピーダンスを検出し、被検者の皮膚上に置かれた別の電極を介して、加えられた信号に対する被検者の応答を検出することができる。電極は、図1Aに示されるIRA及びIV5のリード線を含んでもよい。検出されたインピーダンスの高周波数部分は被検者の呼吸を示し、インピーダンスの低周波数部分又は安定した部分は被検者の流体負荷/水分補給を示す。機械的呼吸センサは、被検者の胸に適用される、被検者の胸の膨張に比例する抵抗を有する抵抗性のバンドを含んでもよい。代表的な呼吸センサとしては、Thought Technology Ltd.(West Chazy, NY)から入手可能なProcomp(商標)センサが挙げられる。
【0027】
[0041]パルスオキシメータは被検者の血中酸素濃度を検出することができる。適切なパルスオキシメータとしては、指、額、又は耳たぶに取り付けられてもよい、Nonin(登録商標)パルスオキシメータ(Nonin Medical Inc., Plymouth, MN)が挙げられる。光強度センサ及び音響センサはそれぞれ、周囲の光及び音のレベルを検出するのに使用されてもよい。イオン化放射線センサは、γ線放射及びX線エネルギーなどのイオン化放射線のレベルを検出するのに使用されてもよい。皮膚電気抵抗センサは、他の要因の中でも特に発汗に応じて変わる被検者の皮膚の電気抵抗を測定するのに使用されてもよい。関節角度ゴニオメータは、被検者の関節の角度を測定するのに使用されてもよい。代表的な関節角度ゴニオメータは、ADInstruments, Inc.(Colorado Springs, CO)から入手可能である。
【0028】
[0042]信号駆動及び信号処理(信号整形)回路52は、オンチップセンサ50a、並びにアナログセンサ45及びデジタルセンサ46を含むオフチップセンサ50bに接続される。図3Aは、本発明のいくつかの実施形態による駆動/処理回路52の図を示す。デジタル制御論理60から受け取ったイネーブル信号に応答して、信号駆動回路110は、1つ又は複数のアナログセンサ45(図2A)を駆動する。例えば、アナログセンサ45がインピーダンスに基づく呼吸測定電極を含む場合、信号駆動回路110は、AC駆動信号(電圧又は電流)を電極の1つに供給する。いくつかの実施形態では、信号駆動回路110はデジタル制御論理60の制御下で使用されて、緩んでしまったか偶然外れてしまったリード線など、作動していないECGリード線を識別する。作動していないECGリード線は、AC信号(電圧又は電流)源、並びに、信号源によって生成されるAC試験信号を試験されている選択されたECG電極に適用する一組のアナログスイッチを含んでもよい、ECG故障検出回路によって検出される。ECGリード線の故障は、選択された電極と参照(例えば、別の電極)との間のインピーダンスを測定することによって識別される。不適切な高いインピーダンス値は、ECGリード線の接続が切断されているか、別の形で障害があることを示す。
【0029】
[0043]アナログ増幅回路(増幅器)112は、感知された信号をオンチップセンサ50a及びオフチップアナログセンサ45から受け取り、受け取った信号を増幅する。フィルタ処理回路118は信号をフィルタ処理し、それは次にA/D変換器58(図2A)に送信される。いくつかの実施形態では、増幅回路112及びフィルタ処理回路118は、異なる信号振幅、周波数成分、及びA/D標本抽出率に対応してもよい、異なるタイプのセンサから受け取る信号を増幅しフィルタ処理するため、並列で使用される複数の構成要素を含んでもよい。そのような構成要素は、いくつかの構成でのみ使用される構成要素を含んでもよい。例えば、増幅回路112及びフィルタ処理回路118は、12本のECGリード線からの信号を処理することができる回路要素、及び多数の上述のセンサタイプを含んでもよいものの、全てのECGリード線及び/又はセンサタイプが使用されるとは限らない。所与のセンサの組み合わせは、集積回路30の一組のセンサ構成入力(例えば、ピン)を、1(例えば、Vdd、回路正供給電圧)と0(例えば、Vss、接地又は回路負供給電圧)との組み合わせに設定すること(例えば、ボンディング)によって可能になってもよい。代表的なセンサの組の構成は、12本の利用可能なECGリード線の2本のみを使用してもよい。周辺機器モード(図2Bを参照して以下に記載)では、接合されたセンサ構成ピンではなく、プログラム可能な内部レジスタを使用して、増幅回路112及びフィルタ処理回路118のセンサ構成モードが設定されてもよい。いくつかの実施形態では、所与のセンサ構成はまた、デジタル制御論理60を介して使用時に動的に構成されてもよい。
【0030】
[0044]増幅回路112は、電圧又は電流が感知されるか否かに応じて、1つ若しくは複数の電圧及び/又は相互抵抗(トランスピンピーダンス)増幅器を含んでもよい。増幅回路112はまた、特にECG信号処理のため、1つ又は複数の差動増幅回路を含んでもよい。増幅回路112は受け取った信号を増幅するので、A/D変換器58(図2A)に対する信号出力の振幅は、一般にA/D変換器58の全規模の入力信号に相当する。一般に、増幅回路112は、受け取った信号を少なくとも10倍程度、例えば数百又は数千倍に増幅することができる。例えば、電極38から受け取ったECG信号が±5mV程度の範囲を有し、A/D変換器58が5V程度の入力の全規模を有する場合、増幅回路112は、入力を0〜10mVオフセットし、結果として得られる信号を増幅してもよいので、A/D変換器58は0〜5Vの信号を受け取る。一般的なCMOS A/D変換器は、3.3V又は5Vなど、Vss(例えば、接地)値からVdd値に及ぶ全規模入力電圧を有してもよい。
【0031】
[0045]フィルタ処理回路118は受け取った信号をフィルタ処理し、結果として得られる信号をA/D変換器58に送信する。フィルタ処理回路118によって行われるフィルタ処理動作としては、アンチエイリアシング、雑音除去、及び帯域整形が挙げられる。一般に、フィルタ処理回路118の性質は、一組の対応する使用可能のセンサに応じて変わってもよい、対象の信号周波数及び標本抽出率に従って選択されてもよい。フィルタ処理回路118の少なくとも一部は、キャパシタ及び抵抗器を含む連続時間アナログ回路を使用して実装される。いくつかの実施形態では、フィルタ処理回路118の少なくとも一部は、スイッチキャパシタ回路要素などの離散時間型アナログ回路を使用して実装されてもよい。いくつかの実施形態では、フィルタ処理回路118の少なくとも一部は、デジタル信号プロセッサ(DSP)を使用して実装されてもよく、そのような実施形態では、A/D変換器は、アナログの生理学的信号をDSPフィルタに入力する前にデジタル化してもよく、信号をA/D変換器に送信する前に処理するため、フロントエンドフィルタ処理回路要素が設けられてもよい。いくつかの実施形態では、フィルタ処理回路118の様々な部品は、連続時間アナログ回路要素、スイッチキャパシタ回路要素、及び/又はDSPを使用して実装されてもよい。例えば、フィルタ処理回路118は、連続時間アナログアンチエイリアシング及び雑音除去フィルタの段階と、その後に続く連続時間アナログ、スイッチキャパシタ、及び/又はDSP帯域整形フィルタとを含んでもよい。
【0032】
[0046]図3Bは、本発明のいくつかの実施形態によるフィルタ処理回路118の図を示す。フィルタ処理回路118がDSPを含む実施形態では、フィルタ処理回路118のDSP部はA/D変換器58(図2A)の下流であってもよい。フィルタ処理回路118は、ECG信号フィルタ処理回路150、ペースメーカーパルス検出回路152、加速度フィルタ処理回路154、及びインピーダンスフィルタ処理回路156を含む。
【0033】
[0047]ECG信号フィルタ処理回路150は、受け取ったデータをフィルタ処理して、帯域外雑音を低減し、エイリアシングを防ぐ1つ又は複数の帯域フィルタを含む。ECG信号フィルタ処理回路150は、結果として得られる信号をA/D変換器58(図2A)に送信する。共通のECGフィルタの遮断周波数は0.5〜100Hzであってもよい。低域遮断周波数が100Hzで標本抽出率が256サンプル/秒(128Hzのナイキスト周波数に対応する)のフィルタの場合、100Hz〜128Hzでのロールオフが72dBのフィルタ処理回路を使用して、ビット当たり6dBのダイナミックレンジを有する12ビットのA/D変換器のダイナミックレンジを下回る、望ましくない高周波数信号が減衰されてもよい。いくつかの実施形態では、ECGフィルタ処理回路150は、標準的なECGリード線データを使用して代数的組み合わせを行うことにより、拡張ECGリード線データを導出するなど、リード線間の計算を実施する回路要素を含んでもよい。ECGの適用に対して規定される従来の周波数応答規格データに関する情報については、ANSI standard document "Ambulatory Electrocardiographs,"ANSI/AAMI EC38-98を参照のこと。代表的なECGフィルタ処理回路の説明については、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,206,602号及び同第5,382,956号を参照のこと。
【0034】
[0048]ペースメーカーパルス検出回路152は、ペースメーカーパルスを検出し、ペースメーカーパルスにそれぞれ対応する一連のデジタルパルスを出力する。ペースメーカー回路152は、ECG電極38(図1A)の1つ又は複数に接続されてもよい。ペースメーカーパルスは、一般に、心臓からの正常なECG波形よりもはるかに狭い。いくつかの実施形態では、ペースメーカーパルス検出回路152は、直列に接続されたいくつかの回路、すなわち、高域又は帯域通過フィルタ処理回路(フィルタ)160、整流回路(整流器)162、低域フィルタ処理回路164、及びコンパレータ回路166を含む。
【0035】
[0049]フィルタ処理回路160は、kHz〜数十kHz程度(例えば、約30kHz)のより低い通過周波数と、数十〜数百kHz程度(例えば、約100kHz)のより高い通過周波数とを有して、高周波雑音を制限してもよい。整流回路162は、AC電流を受け取り、整流された正電圧波形を生成する。低域フィルタ処理回路164は、個々のペーシングパルスをまとめて不明瞭にしたり曖昧にしたりしないように選択された、Hz程度、例えば約5Hzの通過周波数を有する。低域フィルタ処理回路164は、各パルスが1つのペースメーカーパルス信号に対応する拍動性波形を作成する。コンパレータ回路166は、拍動性波形を受け取り、各ペースメーカーパルスに対応するデジタル出力を出力する。コンパレータ回路166はシュミットトリガを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ペースメーカーパルス検出信号が数十Hz程度(例えば、50Hz)の比率で標本化される場合、低域フィルタ処理回路164の出力はA/D変換器58(図2A)に送られてもよい。代表的なペースメーカーパルス検出回路の説明については、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,448,997号を参照のこと。
【0036】
[0050]いくつかの実施形態では、加速度フィルタ処理回路154は低域フィルタを含む。いくつかの実施形態では、インピーダンスフィルタ処理回路156は、帯域外雑音を低減する帯域フィルタを含む。帯域フィルタの後にはホモダイン又は同期式受信器が続き、それは、帯域フィルタから受け取った信号を、電極駆動回路110(図3A)によって電極38を駆動するのに使用される信号と混合する。ホモダイン又は同期式受信器の後には低域フィルタが続く。低域フィルタの出力は、検出されたインピーダンスに比例する信号であり、それは整流され、A/D変換器58に送信される。
【0037】
[0051]いくつかの実施形態では、増幅回路112及びフィルタ処理回路118は、ECGリード線の故障を検出する回路要素を含む。リード線故障検出回路は、電極駆動回路110を使用してAC試験信号を適用したことに応答して検出される信号(電圧又は電流)のレベルを測定することにより、ECGリード線と、他方のECG電極であってもよい参照との間のインピーダンスを測定する増幅器及び復調器を含んでもよい。故障検出回路はまた、選択された電極インピーダンスが予め定められた閾値をいつ上回るかを判断する閾値検出回路を含んでもよい。代表的なECG故障検出回路の説明については、例えば、米国特許第5,206,602号を参照のこと。
【0038】
[0052]A/D変換器58(図2A)は、駆動/信号処理回路52からフィルタ処理済み信号を受け取り、デジタル制御論理60に送信するための対応するデジタル信号を生成する。いくつかの実施形態では、A/D変換器58は、12ビット、多チャンネル、低周波数、且つ低電力の装置、例えば逐次近似装置又はシグマデルタ型装置であってもよい。A/D変換器58は、異なる比率で標本化されてもよい、複数のセンサから受け取った信号をデジタル化することができる。A/D変換器58は、全てのセンサから最大限の総合データ率でデジタル化することができるように選択される。例えば、いくつかの実施形態では、ECGデータは256サンプル/秒で、呼吸データは64サンプル/秒で、加速度は16サンプル/秒で標本化され、被検者温度、SpO2、及び心拍数は1サンプル/秒で標本化される。A/D変換器58は、複数のアナログチャンネルに接続された、デジタル化時に所与のデータチャンネルを選択するマルチプレクサを含んでもよい。いくつかの実施形態では、A/D変換器58は、アナログ信号のスナップショットを取り、それに対応するアナログ/デジタル変換が完了するまでその値を保持する、サンプルアンドホールド回路を含んでもよい。
【0039】
[0053]モード選択論理61は、デジタル制御論理60及び入力ピン31に接続される。モード選択論理61は、一組のモード選択入力ピン31の論理レベル構成に従ってデジタル制御論理60の動作モードを設定する。利用可能な動作モードとしては、以下に詳細に記載される、独立モード並びに受動型及び自己クロック式周辺機器モードが挙げられる。
【0040】
[0054]リアルタイムクロック62(図2A)は、リアルタイムデジタル報時信号を生成し、それはデジタル制御論理60に送信される。リアルタイムクロック62はまた、日付信号を生成してもよい。初期の実際の時間及び日付は、システム初期化中に、デジタル制御論理60によってリアルタイムクロック62に対して設定される。いくつかの実施形態では、リアルタイムクロック62は、24時間で0.01秒〜1秒、例えば約0.1秒の誤差に留まる。いくつかの実施形態では、リアルタイムクロック62は、デジタル制御論理60及び集積回路30の他の構成要素に同期クロック信号を供給する主要な集積回路同期クロックから、周期的なベースタイミング信号を受け取ってもよい。いくつかの実施形態では、リアルタイムクロック62は、タイミング共振器64から周期的なベースタイミング信号を受け取る。いくつかの実施形態では、タイミング共振器64は、32,768Hzの水晶などの外部水晶結晶板であってもよい。いくつかの実施形態では、タイミング共振器64は、回路30内に集積されたオンチップシリコン共振器であってもよい。集積MEMSシリコン共振器に関する情報については、Nguyen et al., "An Integrated CMOS Micromechanical ResonatorHigh-Q Oscillator," IEEE J. Solid State Circuits 34(4):440-455, April 1999、Nguyen, "TransceiverFront End Architectures using Vibrating Micromechanical SignalProcessors," Dig. of Papers, Topical Meeting on Silicon MonolithicIntegrated Circuits in RF Systems, Sept. 12-14 2001, p. 23-32、Nguyen et al.,"Micromachined Devices for Wireless Communications," Proc. IEEE86(8):1756-1768, Aug. 1998、及びNguyen, "Frequency-Selective MEMS for Miniaturized Low PowerCommunication Devices, IEEE Trans. Microwave Theory Tech. 47(8):1486-1503, Aug.1999を参照のこと。
【0041】
[0055]リアルタイムクロック62は、受け取ったベースタイミング信号をデジタル的に分割して、周波数1Hzのリアルタイムデジタル信号を生成する、ディバイダ構成要素(例えば、フリップフロップ、カウンタ)を含む。例えば、1Hzのリアルタイムクロック信号は、直列に接続された21個のフリップフロップを使用して、2.097152MHzの集積回路同期クロック信号を221=2.097152×106で割ることによって生成されてもよい。1Hzのチック信号はさらに、1つ又は複数のデジタルカウンタに入力されて、デジタル制御論理60に送信されるリアルタイムデジタルタイムスタンプが生成される。
【0042】
[0056]1Hzのチック信号は、信号処理回路52によって処理される対象のいくつかの生理学的周波数と同程度の大きさの周波数を有する。一連のフリップフロップディバイダによって生成された1Hzの倍数(例えば、2、4、8Hzなど)も、対象のいくつかの生理学的周波数と同程度であってもよい。好ましくは、信号処理回路52は、リアルタイムクロック62によって生成される漏れ又は雑音による影響をほぼ受けない。いくつかの実施形態では、信号処理回路52に対するリアルタイムクロック62の影響は、集積回路30の表面に沿ってリアルタイムクロック62と信号処理回路52の距離を物理的に離すことによって、例えば、リアルタイムクロックと信号処理回路52を集積回路30の対向する面に沿って、又は他の回路ユニットの対向する面上に置くことによって低減される。さらに、いくつかの実施形態では、低周波数リアルタイムクロックのチック信号は、直角のエッジではなく和らげられた(例えば、鈍角、台形)エッジを含んでもよい。いくつかの実施形態では、デカップリングオフチップキャパシタ、並びに別個の電源を使用して、信号処理回路52がリアルタイムクロック62からさらに分離されてもよい。
【0043】
[0057]シリアルインタフェース66は、デジタル制御論理60及びリアルタイムクロック62に接続される。シリアルインタフェース66により、集積回路30を外部コンピュータに二方向的に接続して、多数の初期化ステップを行い、及び/又は別の方法でデジタル制御論理60を構成することが可能になる。いくつかの実施形態では、シリアルインタフェース66はまた、デジタル制御論理60を外部マイクロコントローラ(例えば、図2Bに示されるマイクロコントローラ80)に接続するために使用されてもよい。
【0044】
[0058]音/光インジケータ42及びイベントアクチュエータ44は、デジタル制御論理60に接続される。デジタル制御論理60は、ユニット42の視覚及び/又は音響出力を制御し、記録のためにイベントアクチュエータ44からイベント信号を受け取る。視覚及び/又は音響インジケータ(例えば、LEDの点滅若しくは色の変化、スピーカーの発信音、音楽の再生、又は発話による指示の提供)は、電極の不適当な位置付けを示すエラー信号、或いはモニタリングされた生理学的パラメータが予め定められた範囲外にあることを示す警戒信号など、警報又はエラー信号を示すために設けられる。いくつかの実施形態では、音/光インジケータ42は、スピーカー及びスピーカーに接続された処理回路を含む。処理回路は、D/A変換器、低域フィルタ、及びデジタル制御論理60とスピーカーの間に順に接続された電力増幅器を含んでもよい。
【0045】
[0059]デジタル制御論理60はさらにデジタルメモリ32に接続される。いくつかの実施形態では、デジタルメモリ32は、オンチップで設けられ、回路30内に統合されてもよい。いくつかの実施形態では、デジタルメモリ32は、約24時間以上の期間にわたって対象のセンサデータを格納するのに十分な容量を有する、フラッシュメモリカードなどの不揮発性メモリを含む。例えば、1サンプル当たり2バイトで毎秒100サンプルのデータ率は、1日約17MBの格納要件に相当する。そのような用途では、32〜64MB程度の容量を有するメモリにより、数日間にわたってデータを格納することが可能になる。表1は、12ビットのA/D変換器及び1サンプル当たり2バイトを使用するシステムにおける、いくつかの標本抽出率及び合計格納期間に対する概算の格納要件(バイト単位)を列挙する。
【表1】
【0046】
[0060]電池34は、デジタルメモリ32、音/光インジケータ42、及び集積回路30に接続される。いくつかの実施形態では、電池34によって供給されるDC電圧は0.5V〜9V程度であってもよい。電池34によって供給される電圧よりも高いオンチップ電圧が求められる場合、電池34はオンチップチャージポンプ(電圧変換器)に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の電池が、デジタルメモリ32、音/光インジケータ42、及び集積回路30に接続されてもよい。
【0047】
[0061]図2Bは、本発明のいくつかの実施形態による、周辺機器動作モードに設定された集積回路30を含む生理学的モニタリングシステム20’の一部の図を示す。周辺機器動作モードは、ベッドサイド又は使い捨てではない装置用途に特に適している。周辺機器動作モードでは、デジタル制御論理60はマイクロコントローラ80に接続される。いくつかの実施形態では、マイクロコントローラ80は、基板上にはんだ付けされ、結合されたピンを介して集積回路30に接続される。いくつかの実施形態では、マイクロコントローラ80は、シリアルインタフェース66を介して、集積回路30の専用ポートを介して、又は別の方法では取外し可能なメモリカードを集積回路30に接続するのに使用されるメモリカードコネクタを介して、集積回路30に接続されてもよい。マイクロコントローラ80は、基板36(図1C)に沿って規定されるソケットに取り付けられてもよい。マイクロコントローラ80は、電源34’及びデジタルメモリ32’にさらに接続される。デジタルメモリ32’は、メモリカード、ハードディスクドライブ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び/又は他のタイプのデジタルメモリを含んでもよい。電源34’は、1つ又は複数の電池、並びに電力線AC電流によって駆動される電力変換器を含んでもよい。
【0048】
[0062]周辺機器モードでは、マイクロコントローラ80は、以下に詳細に記載される、別の方法ではデジタル制御論理60によって行われる多数の機能を扱う。いくつかの実施形態では、周辺機器モードは、デジタル制御論理60がほぼ非活動状態であって、マイクロコントローラ80が集積回路30の低次機能のほとんどを管理する受動的周辺機器モードと、デジタル制御論理60が以下に記載される多数の低次機能を行い、集合データパケットをさらなる処理のためにマイクロコントローラ80に転送するため、マイクロコントローラ80に対するハードウェア割り込みを生成する自己クロック式周辺機器モードとの、2つのサブモードを含んでもよい。独立モード(図2A)及び周辺機器モード(図2B)は、デジタル制御論理60の代表的な構成及び動作を考慮することによってより良く理解されてもよい。
【0049】
[0063]図4は、本発明のいくつかの実施形態によるデジタル制御論理60の図を示す。デジタル制御論理60は有限状態機械(FSM)である。図4の図は、デジタル制御論理60の機能性を実現する機能ブロックの代表的な構成を示す。デジタル制御論理60の内部機能ブロックは、本発明のいくつかの実施形態によるデジタル制御論理60の機能性の系統的な説明を容易にするために示されるものであり、必ずしもデジタル制御論理60内で求められる明確な構造的境界を示唆するものではない。技術者は、電子自動設計(EDA)ソフトウェアによって生成された構造に合成し実装することができる、デジタル制御論理60のハードウェア記述言語(例えばVerilog、VHDL)の記述を生成してもよい。そのようなEDAソフトウェアは、図4の代表的な構成以外の方法でデジタル制御論理60の機能性を分割してもよい。
【0050】
[0064]以下に記載されるデジタル制御論理60の機能ブロックは、モード選択論理61(図2A)に接続され、それに応答する。以下の記載は、独立モードにおけるデジタル制御論理60の動作に焦点を当てる。周辺機器モードでは、モード選択論理61は、以下に記載されるデジタル制御論理60の機能ブロックの少なくともいくつかを使用不能にし、またそこで迂回する。明瞭にするため、データ獲得に関する以下の記載はA/D変換器58(図2A)から受け取られるデータに焦点を当てるが、追加のデータがデジタルセンサ46(図2A)から受け取られてもよい。
【0051】
[0065]デジタル制御論理60は、獲得制御論理120、初期化論理122、条件検出論理124、パケット組立て及びタイムスタンピング論理126(簡潔にするため、以下、パケット組立て論理126と呼ぶ)、音声/映像出力制御論理130、デバウンス及びスイッチインタフェース回路要素132、並びにデジタルメモリインタフェース134を含む。いくつかの実施形態では、デジタル制御論理60はハードワイヤード論理によって形成される。いくつかの実施形態では、デジタル制御論理60は、駆動/信号処理回路52(図2A)のハードワイヤード論理を含む、集積回路30の他の構成要素と共通の基板上に統合された、マイクロコントローラコアを含んでもよい。
【0052】
[0066]デジタルメモリインタフェース134は、デジタル制御論理60をデジタルメモリ32(図2A)に接続する。デジタルメモリインタフェース134は、タイムスタンプ付き生理学的データパケットをパケット組立て論理126から受け取り、データパケットをデジタルメモリ32に格納するよう指令する。デジタルメモリインタフェース134は、格納前に各パケットに対してフォーマッティング/ファイルシステム情報を付加してもよい。フォーマッティング情報は、デジタルメモリ32にデータを格納するのに使用されるファイルシステムに応じて変わってもよい。いくつかの実施形態では、FAT16又はFAT32フォーマットなどのパーソナルコンピュータ及びDOS互換フォーマットが使用される。デジタルメモリインタフェース134は、格納される各パケットに対してデジタルメモリアドレスを選択する。いくつかの実施形態では、アドレスの選択は、本発明又は別のモニタリングユニットによって取外し可能なメモリに既に書き込まれているデータの上書きを防ぐことを含むので、取外し可能なメモリは、データの事実上の損失を引き起こすことなく、取り外され、1つ又は複数のモニタリングユニットに再び着脱することができる。デジタルメモリインタフェース134は、最後に書き込まれたデータのアドレスを決定し、有効にフォーマットされたファイルを維持しながら、その最後に書き込まれたデータの後に続くデータの付加を開始する。いくつかの実施形態では、デジタルメモリインタフェース134は、単一の取外し可能なデジタルメモリのフォーマットに対応してもよい。いくつかの実施形態では、デジタルメモリインタフェース134は、多数の取外し可能なデジタルメモリのフォーマットに対応してもよく、使用されるメモリフォーマットを選択するため、ピン設定可能なフォーマット選択論理を含んでもよい。
【0053】
[0067]初期化論理122は、シリアルインタフェース66(図2A)、リアルタイムクロック62、駆動/信号処理回路52、A/D変換器58、及び以下に記載されるデジタル制御論理60の多数の機能ブロックに接続される。特に、初期化論理122は、生理学的モニタリングシステム20が被検者データを獲得及び/又は格納できるようになる前に、シリアルインタフェース66を介して初期化コンソールに接続することができる。
【0054】
[0068]図6Aは、汎用コンピュータ上で稼動するソフトウェアを使用して実現されてもよい、代表的な初期化及び分析コンソール260を示す。いくつかの実施形態では、コンソール260は、生理学的モニタ24の初期化中に生理学的モニタ24に接続される。いくつかの実施形態では、コンソール260は、生理学的モニタ24の残りの部分がコンソール260に接続されていない状態で、認証データをデジタルメモリ32にロードし、生理学的モニタ24はその後、認証データをデジタルメモリ32から取得することによって初期化される。いくつかの実施形態では、コンソール260はまた、記録セッションが終了し、デジタルメモリ32からのデータがコンソール260にダウンロードされた後に、生理学的データ表示262を生成するのに使用される。いくつかの実施形態では、コンソール260は内科医の診察室又は他の医療施設に提供される。コンソール260はまた、外部認証サーバ264に接続することができる。
【0055】
[0069]図6Bは、本発明のいくつかの実施形態による初期化コンソール260の代表的な構造を示す。デジタルメモリ/生理学的モニタアクセスユニット270は、生理学的モニタ24及び/又はデジタルメモリ32との通信を制御して、生理学的モニタ24の初期化及び後に続く生理学的データのダウンロードを行う。いくつかの実施形態では、以下に記載される初期化ステップ及び生理学的データのダウンロードステップは、生理学的モニタ24の残りの部分を除いてデジタルメモリ32のみが初期化コンソール260に接続された状態で行われる。したがって、アクセスユニット270は、デジタルメモリ32へのアクセスを可能にするソフトウェア及び/又は取外し可能なデジタルメモリの読取り機を含んでもよい。いくつかの実施形態では、記載される初期化及び/又はダウンロードステップは、集積回路30及び/又はマイクロコントローラ80(図2A〜2B)が初期化コンソール260に接続された状態で行われてもよい。したがって、アクセスユニット270は、生理学的モニタ24に接続するためのソフトウェア及び/又はコネクタを含んでもよい。
【0056】
[0070]サーバ認証及び/又は支払い確認ユニット272は、安全な広域ネットワーク(例えば、インターネット)又は電話接続などの通信リンクを介して、初期化コンソール260を外部認証サーバ264(図6A)に接続する。支払い確認ユニット272は、認証サーバ264に、一組の生理学的モニタリング使用について、支払いデータ(例えば、クレジットカード若しくはデビットカードの番号、又は別の支払い指示)、生理学的モニタ識別データ(例えば、対応する使用可能にされていない生理学的モニタを一意に識別する1つ若しくは複数のシリアル番号)、及びユーザ識別データ(例えば、ユーザ名)を提示する。いくつかの実施形態では、支払人は被検者であってもよく、他の実施形態では、支払人は被検者とは異なる人又は団体であってもよい。一組の支払い済みの使用は、生理学的モニタ24が対応している一組のモニタリング使用全体、又は対応しているモニタリング使用の部分集合を含んでもよい。ユーザが認証されていることを確認すると、例えば、支払人が生理学的モニタリングシステム20の一組の使用に対してクレジット/デビットカードでの支払いを提示している場合、認証サーバ264は、生理学的モニタ24の一組の認証及び/又は他の初期化データを初期化コンソール260に送信する。
【0057】
[0071]いくつかの実施形態では、認証データは、装置特有の認証コード、並びに他の被検者及びセッション特有の認証データを含む。いくつかの実施形態では、以下に記載されるように、生理学的モニタ24をユーザ操作可能にして、生理学的モニタリングデータを収集するため、一意の装置特有の認証コードが求められる。認証コードは、認証済み生理学的モニタに由来するものとして格納データを識別する。認証データは、監査証跡の作成を容易にするため、個々の生理学的モニタ、被検者、及び支払い認証へ逆に追跡可能であってもよい。初期化コンソール260又は外部サーバ(例えば、認証サーバ264)は、様々な被検者及びセッションに属し、一意の認証データによって識別される大量の被検者データをプールしてもよい。いくつかの実施形態では、デジタルメモリ32に格納されたデータが認証されていない人によってアクセスされた場合であっても、被検者のプライバシーを保護し、機密性を維持するため、認証データと被検者の識別(例えば、名前)との一致は、安全な中央サーバ上で、例えば医療従事者の診察室内で遠隔で維持される。
【0058】
[0072]いくつかの実施形態では、認証データは、被検者が支払いを行った使用、及び/又は被検者の病状に関連する使用であってもよい、認証済みの使用の部分集合(例えば、使用可能にされたセンサの部分集合)を識別する。例えば、ECG測定は、不整脈がある心臓病患者、鬱血性心不全を患っている患者の流体負荷インピーダンス測定、呼吸モニタリングが望ましい患者の呼吸インピーダンス測定、及びカロリー消費がモニタリングされるべき、又は意識喪失の危険性がある患者のための加速度計に対して使用可能にされてもよい。所望の用途に応じて、多数のセンサの組み合わせ又は部分集合が用いられてもよい。
【0059】
[0073]生理学的モニタ認証/構成ユニット274は、一組の認証及び/又は構成データをデジタルメモリ32に送信する。送信された認証及び構成データは、認証コード、生理学的モニタ及び/又は被検者のID、暗号化鍵識別子(暗号化鍵自体、又は暗号化鍵を取得若しくは生成するのに使用されてもよい他の識別データ)、ファームウェア、生理学的モニタ24の多数の構成要素に対する構成設定、初期の実際の日付及び時間、音声/映像プロンプト、注意喚起(reminder)及び警報、並びに他のデータを含んでもよい。送信された認証及び構成データは、初期化論理122(図4)を参照して詳細に以下に記載される。いくつかの実施形態では、送信された認証及び/又は構成データの少なくとも一部は認証サーバ264から受け取られてもよく、少なくとも一部は認証/構成ユニット274によって生成されてもよい。
【0060】
[0074]生理学的モニタ24がある期間にわたって被検体の生理学的モニタリングデータを記録するために使用された後、デジタルメモリ32はコンソール260に再接続され、記録されたデータはコンソール260にダウンロードされる。復号ユニット276(図6B)は、アクセスユニット270から、生理学的モニタ24によって記録された暗号化済み生理学的モニタリングデータを受け取り、記録セッションと関連付けられた復号鍵を使用してデータを復号する。復号済みデータは、データ分析/視覚化ユニット278に送信され、それが表示262(図6A)などの生理学的データ表示を生成する。いくつかの実施形態では、データ分析/視覚化ユニット278は、受信した生理学的データが、データ分析/視覚化の前に認証済み生理学的モニタを使用して記録されたことを確認する。確認プロセスは、認証コード、生理学的モニタID、及び/又は被検者IDが認証されていることを確認することを含んでもよい。確認プロセスは、認証サーバ264に接続することを含んでもよい。
【0061】
[0075]生理学的モニタ側では、初期化論理122(図4)は、コンソール260若しくはデジタルメモリ32から初期化コマンド及び/又は初期化データを受け取り、生理学的測定を行う前に、初期化コマンド及び/又はデータに応答して初期化シーケンスを指令する。いくつかの実施形態では、盗用を防ぐため、デジタル制御論理60は、初期化シーケンスの前は生理学的モニタリングデータを収集するようにユーザ操作可能ではない。いくつかの実施形態では、初期化ステップは、自己試験及び校正シーケンスを実施し、デバイス認証シーケンスを実施し、ファームウェアをダウンロードしてマイクロコントローラ80を構成し、動作パラメータを設定して、信号処理回路52、デジタル制御論理60、及びリアルタイムクロック62を使用可能にし、及び/又はそれを構成し、並びに、必要であれば初期の構成データをデジタルメモリ32に書き込むことを含む。
【0062】
[0076]いくつかの実施形態では、初期化論理122は、電池34の電圧をチェックし、デジタルメモリ32がデータを受け入れる能力を試験し(例えば、デジタルメモリ32が十分であるか、且つ機能しているかをチェックする)、センサ50a〜bに対して試験測定及び/又は故障検出ステップを行うことによってセンサ機能をチェックし、並びに、試験結果を集積回路30内若しくはデジタルメモリ32内に格納することを含む、診断自己試験シーケンスを行う。初期化論理122は、センサ50a〜bを使用して校正データを獲得し、校正計数を、メモリ内、集積回路30内、又はデジタルメモリ32内に格納することを含む校正シーケンスを行う。校正係数は、生理学的モニタリングシステム20が被検者に接続されていない状態で行われたセンサ測定から生成されたデータを含む。
【0063】
[0077]いくつかの実施形態では、初期化論理122は、特定の使用に対して生理学的モニタリングシステム20を認証する装置認証シーケンスを行う。装置認証シーケンスは、初期化コンソール260又はデジタルメモリ32から、認証コードと、記録された生理学的データと関連付けられる他の認証データとを取得し、必要があれば、認証コード及び他の認証データをデジタルメモリ32内及び/又はデジタル制御論理60内に格納することを含む。上述したように、いくつかの実施形態では、初期化コンソール260は、デジタルメモリ32が生理学的モニタ24から取り外された状態で、デジタルメモリ32に認証及び/又は構成データを事前ロードし、そのような実施形態では、初期化論理122は認証データをデジタルメモリ32から取得する。いくつかの実施形態では、認証データは、初期化論理122によって初期化コンソール260から直接取得されてもよい。
【0064】
[0078]いくつかの実施形態では、初期化論理122は、予め定められた生理学的モニタ特有の認証コードを受け取った場合のみ、生理学的モニタ24を、生理学的データを記録するように操作可能にする。特に、いくつかの実施形態では、初期化論理122のプログラム可能な論理アレイを形成する部分の一部は、装置特有の認証コードのみに応答する認証コード検出論理を含み、正しい認証コードを受け取った場合に生理学的モニタ24の起動を許可するように、製造時にプログラミングされる。
【0065】
[0079]いくつかの実施形態では、認証データは、パケット組立て論理126によって使用される暗号化鍵を含むか、別の方法で識別して、デジタルメモリ32に格納する前に生理学的データを暗号化してもよい。いくつかの実施形態では、認証データは、デジタルメモリ32に格納された生理学的データを復号するのに適した復号鍵を識別する。そのような復号鍵識別は、記録セッションが終了した後の分析のため、デジタルメモリ32に格納された生理学的データとともに、生理学的データ分析ソフトウェアに提供されてもよい。
【0066】
[0080]いくつかの実施形態では、ユーザが認証されたことが判断された場合、初期化論理122はデジタルメモリ32又は初期化コンソール260から、マイクロコントローラ80(図2B)用のファームウェア、デジタル制御論理60の構成設定、並びにフィルタ係数、トポロジー、及び/又は、フィルタ処理回路118がDSP回路要素を含む場合はフィルタ処理回路118のための状態機械命令を取得する。特に、マイクロコントローラ80、デジタル制御論理60、及びフィルタ処理回路118は、試験モードのときのみ動作可能であるか、又は製造時は動作不能であってもよく、初期化の際に生理学的モニタリング動作を行うためにのみ使用可能にされる。デジタル制御論理60は、システム初期化中にのみプログラミングされるブランクの(再)プログラム可能な論理アレイを含んでもよい。例えば、デジタル制御論理60のいくつかの論理機能は、EEPROM又はフラッシュメモリを使用して実現されてもよい。いくつかの実施形態では、獲得制御論理120、条件検出論理124、及びパケット組立て/タイムスタンピング論理126(図4)の部分は全て、(再)プログラム可能な論理アレイの部分を含んでもよい。マイクロコントローラ80及び集積回路30は、初期化コンソールによる認証の際にのみ生理学的データを獲得することができるようになるので、ファームウェアのダウンロード及びデジタル制御論理、並びにフィルタ処理回路要素のプログラミングは、付加的な盗用保護をもたらす。デジタル制御論理60の部分のプログラミングを可能にすることにより、将来の設計変更も容易になる。
【0067】
[0081]初期化論理122は、初期の時間/日付設定を初期化コンソール260から受け取り、受け取った初期の時間/日付設定を使用して、リアルタイムクロック62(図2A)に対して現在の時間/日付を設定する。信号処理回路52及びデジタル制御論理60の構成パラメータの設定は、標本抽出率を設定し、動作機構を使用可能にすることを含んでもよい。動作機構を使用可能にすることは、使用可能にされたセンサの組を規定すること、及び/又は信号処理回路52及びデジタル制御論理60によって行われる動作(例えば、インピーダンス感知動作)を感知することを含んでもよい。使用可能にされたセンサの組は、どのセンサタイプ又は部分集合が(例えば、どのECGリード線若しくは他のセンサタイプが)認証済みの使用に対して使用可能にされるかを特定してもよい。様々な動作機構及び/又は標本抽出率が、様々な用途に対して使用可能にされるか、又は設定されてもよく、例えば、一流のスポーツ選手のトレーニングをモニタリングする場合には、高齢の患者の日常的なモニタリング又は獣医学的使用の場合よりも高い標本抽出率が使用されてもよい。フィルタ処理回路118(図3A)がデジタル信号処理(DSP)回路要素を含む場合、信号処理回路52の構成パラメータの設定は、フィルタ係数、トポロジー、及び/又は状態機械命令をプログラミングして、初期化の際に信号処理回路52をカスタマイズし、操作可能にすることを含んでもよい。
【0068】
[0082]デジタルメモリ32に書き込まれる初期の構成データは、上述の認証コード、並びに生理学的モニタ及び/又は被検者のIDを含んでもよい。いくつかの実施形態では、デジタルメモリ32に書き込まれる初期の構成データは、信号処理回路52及びデジタル制御論理60の構成パラメータ(例えば、使用可能にされた動作機構、標本抽出率)を含む。デジタルメモリ32に書き込まれる初期の構成データは、さらに、ユーザに対して再生されるカスタマイズされた音声/映像警報、プロンプト、及び注意喚起、並びに格納された音声/映像データの構成設定を含んでもよい。音声プロンプトは、薬剤を摂取するようにという、また、デジタルメモリ32が一杯になったとき若しくはプログラミングされた記録セッションが終わったときにモニタリングユニット20及び/又はデジタルメモリ32を取り外すようにという発話による注意喚起、並びに、センサの故障又は生理学的パラメータ条件の指示(例えば、測定された心拍数が高いことの警告、若しくは目的の運動心拍数を満たしていると褒めること)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、音声プロンプトは、被検者、家族、医療専門家(例えば、被検者の主治医若しくは被検者を良く知っている看護師)、公的人格(例えば、俳優若しくはプロスポーツ選手)、有名人の真似、又は漫画のキャラクターの声など、声を使用して記録される。いくつかの実施形態では、プログラミングされた発話データは、ユーザの識別と、センサの部分集合又は用途に適応された多数の発話メッセージとの両方を用いて個別化されたデータを含む。例えば、ユーザの名前がボブの場合、またボブの生理学的モニタが一組のECGリード線を使用する場合、プログラミングされた発話データは、「ボブ、リード線が外れていますよ!(Bob, a lead has fallen off!)」などの語句を含んでもよい。音声プロンプトはまた、音楽及び/又は音響効果を含んでもよい。いくつかの実施形態では、格納された音声/映像データのための構成設定は、予め定められた時間(例えば、慣習的な睡眠時間の間)は音声出力量をより弱くする、又は耳が遠い患者に対してはより強くする、音声量構成データを含む。
【0069】
[0083]獲得制御論理120は、処理されるアナログ信号及びそれらの標本抽出率を規定するパラメータを含む、多数の構成パラメータに従って、A/D変換器58及び信号処理回路52(図2A)の動作を制御する論理を含む。信号処理回路52がアナログ回路要素を使用する実施形態では、獲得制御論理120は、主にA/D変換器58のタイミングを扱う。特に、獲得制御論理120は、A/D変換器58のマルチプレクサに選択信号を送って、複数のアナログ信号のどれがデジタル化されるべきであるかを決定する。A/D変換器58がサンプルアンドホールド回路を含む場合、獲得制御論理120は、ホールドパルスを送って、又はホールド論理レベルを設定して、サンプルアンドホールド回路に所与のアナログ信号を保持するように指令する。獲得制御論理120は更に、デジタル化コマンドをA/D変換器58に送って、A/D変換器58に所与の信号チャンネルからのデータをデジタル化するように指令する。例えば、A/D変換器58が逐次近似装置の場合、獲得制御論理120は、デジタル化開始信号をA/D変換器58に送って、サンプルのデジタル化を始めてもよい。いくつかの実施形態では、サンプルは、そのデジタル化を開始した後、予め定められた数の同期クロックサイクルに追随する準備ができているものと見なされる。いくつかの実施形態では、サンプルは、サンプルレディ信号がA/D変換器58から受け取られたとき、準備ができているものと見なされる。
【0070】
[0084]信号処理回路52がスイッチキャパシタ信号処理を使用する実施形態では、獲得制御論理120はさらに、1つ又は複数のクロック信号を信号処理回路52のフィルタ素子に供給してもよい。獲得制御論理120の信号処理回路52内のハードワイヤード論理は、所望のスイッチング頻度を信号処理回路52のフィルタ素子に供給するのに使用されてもよい。
【0071】
[0085]信号処理回路52がデジタル信号処理を使用する実施形態では、獲得制御論理120はさらに、連続的なサンプルストリームを異なるフィルタチャンネルへと経路を定め、フィルタ係数及び結果として得られる中間データをロードし、及び/又は再循環させ、また、標準的なECGリード線信号の代数的組み合わせを行うことにより、拡張ECGリード線データを導出するなど、リード線間の計算を実施するのに使用されてもよい。
【0072】
[0086]条件検出論理124は、A/D変換器58、信号処理回路52、及びリアルタイムクロック62から信号を受け取り、予め定められた生理学的状態、リアルタイム条件、及び/又はセンサの故障若しくは他の条件が起こったかを検出する。条件検出論理124はまた、電極駆動回路110(図3A)を制御して、AC故障検出信号を選択されたECG電極に適用するのに使用されてもよい。ECGリード線故障検出ステップは、ECG電極を被検者上に最初に置いた後に、且つその後の周期的間隔において行われてもよい。いくつかの実施形態では、条件検出論理124は、選択されたECGリード線と参照(例えば、別のECGリード線)との間の測定されたインピーダンスが予め定められた閾値を超えるか否かを判断する。いくつかの実施形態では、条件検出論理124は、A/D変換器58から受け取った生理学的データ(例えば、測定された被検者温度若しくは心拍数、測定されたイオン化放射線レベル、加速度計データから派生した推定カロリー消費)が予め定められた範囲外にあるか否か、或いはそうでなければ予め定められた条件を満たすか否かを判断する。いくつかの実施形態では、条件検出論理124は、現在のリアルタイム及び測定された周囲光レベルが予め定められた条件を満たすか否か(例えば、予め定められた値を有するか、予め定められた値よりも低い若しくは高いか)を判断する。条件検出論理124は、故障又は他の条件タイプの指標を含んでもよい条件指標を、音声/映像出力制御論理130及びパケット組立て論理126に送る。例えば、練習期間中の推定カロリー消費が300カロリーを超えたとき、条件検出論理124は、被検者を激励するため、対応する条件指標を出力制御論理130に送ってもよい。リアルタイムが十分に遅く、及び/又は検出された周囲光レベルが十分に低いとき、条件検出論理124は、音声指標の音量を下げるか消音するため、静音指標を出力制御論理130に送ってもよい。ECGデータについては、センサの故障は、1つ又は複数のECGリード線が外れてしまっていること、或いは適切に接続されていないことの指標を含んでもよい。故障指標は、音声及び/又は映像の警告をユーザに対して生成するため、音声/映像出力制御論理130によって使用されてもよい。条件指標は、以下に記載されるように、対応するデータパケットに条件検出フラグを含めるため、パケット組立て論理126によって使用されてもよい。
【0073】
[0087]パケット組立て論理126は、様々な生理学的データタイプに対応するデータストリームをA/D変換器58及びデジタルセンサ46から受け取り、リアルタイム指標をリアルタイムクロック62(図2A)から受け取る。データストリームは様々な比率で受け取られる。パケット組立て論理126は、メモリインタフェース134に送信し、デジタルメモリ32(図2A)に格納するため、受け取ったデータをフォーマット済みパケットに組み立てる。パケット組立て論理126は、メモリインタフェース134に送信する前に、組み立てられたデータを格納する1つ又は複数のバッファを含む。メモリインタフェース134に送られた各パケットは、一組の対象の生理学的データ、一組のデータタイプ、関連するタイムスタンプ、及び故障検出フラグを含む。
【0074】
[0088]いくつかの実施形態では、パケットは、一定間隔で、例えば毎秒1パケットでデジタルメモリ32に格納される。パケットは、異なる比率で標本化された様々なタイプの生理学的データを含んでもよい。例えば、毎秒ごとに格納された代表的なパケットは、512個のECGサンプル(2本のリード線について毎秒256サンプル)、64個の呼吸インピーダンスサンプル、48個の加速度サンプル(3軸それぞれが16個)、及び1つ若しくは2つのSpO2サンプルなどの他のサンプル、イベントマーカー、及び光、音響、イオン化放射線、並びに関節角度ゴニオメータサンプルを含んでもよい。ECGサンプルは12ビットのサンプルであってもよく、他のサンプルは8ビットのサンプルであってもよい。タイムスタンプ及びフォーマッティングデータとともに、そのような代表的なパケットは1000バイト程度を含んでもよい。
【0075】
[0089]図5は、本発明のいくつかの実施形態による代表的な生理学的データパケット200のコンテンツを示す。パケット200は、フォーマッティングフィールド202、タイムスタンプフィールド206、複数のECGデータサンプル216を含むECGデータフィールド212、他の生理学的データフィールド220、224、230、232、並びにイベントマーキング及び故障検出フィールド234を含む。
【0076】
[0090]いくつかの実施形態では、格納されたパケットはそれぞれ、パケット内にリアルタイム指標を含めることによってタイムスタンプが付けられる。いくつかの実施形態では、パケットの少なくともいくつかは格納されたタイムスタンプを含む必要はなく、より正確に言えば、各パケットの時間は、タイムスタンプ付きパケットに対するその規則正しい位置から抽出することができる。例えば、最初のパケットに初期のリアルタイムのタイムスタンプが付けられ、毎秒1つのパケットが格納される場合、最初のパケットに続く10番目のパケットは、初期のリアルタイムの10秒後のリアルタイムと関連付けることができる。いくつかの実施形態では、タイムスタンプは、イベントアクチュエータ44(図2A)を使用して報知された外部イベントの指標を含む任意のパケットに挿入される。いくつかの実施形態では、外部イベントマーカーなどの非同期イベントは、明示的なタイムスタンプではなく挿入されたフラグによってマークされる。いくつかの実施形態では、タイムスタンプはパケットシーケンス内で周期的に挿入される。いくつかの実施形態では、タイムスタンプは、記録が停止又は終了したときは常に最終パケットに、また、記録が開始又は再開されたときは常に最初のパケットに挿入される。
【0077】
[0091]いくつかの実施形態では、パケット組立て論理126又はメモリインタフェース134は、デジタルメモリ32に格納する前に生理学的モニタリングデータを暗号化する暗号化論理を含んでもよい。暗号化論理は、対称鍵暗号(例えば、RC4、AES)、又は公開鍵暗号(例えば、RSA)などの暗号を実現してもよい。
【0078】
[0092]音声/映像出力制御論理130は、条件検出論理124及びデジタルメモリ32から受け取ったトリガ信号に応答して、且つリアルタイムクロック62から受け取ったリアルタイムデータに応答して、光/音インジケータ42(図2A)の駆動信号を生成する。いくつかの実施形態では、A/V出力制御論理130は、デジタルメモリ32に格納された音声(例えば、発話)データをデコードすることができる音声デコード論理を含む。発話データは、システムのリアルタイムクロックの設定などのステップを含んでもよいシステムの初期化中に、デジタルメモリ32内にプログラミングされてもよい。いくつかの実施形態では、A/V出力制御論理130は、局所的に格納された時間参照値をリアルタイムクロック62から受け取ったリアルタイムデータと比較し、事前設定された比較条件(例えば、N分若しくは時間ごとに、又は予め設定された時間/日にちで)を満たしたとき、駆動信号を生成するように構成された論理を含む。A/V出力制御論理130は、デコードされたデジタル信号を、集積回路30又は光/音インジケータ42の一部として設けられてもよいデジタル/アナログ変換器(DAC)に送る。
【0079】
[0093]A/V出力制御論理130によって生成される駆動信号は、光/音インジケータ42を駆動して、LEDを点滅させるかLED表示の色を変える、発信音を生成する、音楽を再生する、又はデジタル化若しくは合成された声によるプロンプトを再生する信号を含んでもよい。駆動信号を生成するのに使用されるデータは、集積回路30内でハードコード化されたデータ、及び/又はデジタルメモリ32に格納されたデータを含んでもよい。いくつかの実施形態では、A/V出力制御論理130は、デジタルメモリ32内のデジタル発話フラグの値をチェックする。フラグが使用可能値に設定されている場合、A/V出力制御論理130は、光/音インジケータ42に送信するため発話を取得する。デジタル発話フラグはシステム初期化中に設定される。
【0080】
[0094]デバウンス及びスイッチインタフェース回路要素132は、外部のアナログイベント信号をイベントアクチュエータ44(図2A〜2B)から受け取り、明瞭なデジタルイベントマーカー信号を生成する。イベントマーカー信号は、関連するパケットの形に組み立てるため、パケット組立て論理126に送信される。いくつかの実施形態では、デバウンス及びスイッチインタフェース回路要素132はデジタル制御論理60の外部にあってもよい。
【0081】
[0095]集積回路30が独立モードで構成された場合、上述のデジタル制御論理60の様々な部分は活動状態である。集積回路30が周辺機器モードで構成された場合、デジタル制御論理60の部分の少なくとも一部は迂回されるか、使用不能にされる。自己クロック式周辺機器モードでは、パケット組立て論理126は、組み立てられたデータパケットの準備ができているとき、マイクロコントローラ80に対するハードウェア割り込みを生成する。自己クロック式周辺機器モードでは、デジタル制御論理60は、さらなる処理及び/又は格納のため、デジタルメモリ32に直接ではなくマイクロコントローラ80にデータを転送する。マイクロコントローラ80は、組み立てられたデータパケットを受け取り、データに対してさらなる処理を行い、結果として得られるデータをデジタルメモリに格納する。受動的周辺機器モードでは、マイクロコントローラ80(図2B)はデジタル制御論理60に対して上述の機能を行い、デジタル制御論理60は基本的に使用不能にされるか、迂回される。例えば、受動的周辺機器モードでは、マイクロコントローラ80は、同期タイミング信号をリアルタイムクロック62に供給し、デジタル化された発話データを光/音インジケータ42に供給し、A/D変換器58のタイミングを制御し、インピーダンス測定及び故障検出に使用される信号を生成するように駆動/信号処理回路52を制御してもよい。
【0082】
[0096]いくつかの実施形態では、上述のような初期化シーケンスは集積回路30の動作モードに従って行われる。集積回路30が独立モードで構成された場合、いくつかの実施形態では、初期化シーケンスはマイクロコントローラ80のためのファームウェアをダウンロードすることを含まなくてもよい。集積回路30が受動的周辺機器モードで構成された場合、初期化シーケンスはデジタル制御論理60を構成することを含まなくてもよい。集積回路30が自己クロック式周辺機器モードで構成された場合、初期化シーケンスは、マイクロコントローラ80のためのファームウェアをダウンロードすることと、デジタル制御論理60内のプログラム可能な論理アレイをプログラミングすることの両方を含んでもよい。
【0083】
[0097]いくつかの実施形態では、集積回路30が周辺機器モードで構成された場合、上述のような初期化シーケンスは、初期化論理122(図4)が非活動状態のままである間に、マイクロコントローラ80と初期化コンソール260(図6)の間の通信に従って行われてもよい。マイクロコントローラ80は、回路プログラムモードにされた初期化コンソール260に接続されてもよく、マイクロコントローラ80のための動作ファームウェア全体は、内部メモリ又はデジタルメモリ32にダウンロードされてもよい。初期化の前は、ファームウェアの盗用をより困難にするため、マイクロコントローラ80はブランクであってもよい。初期のプログラミングの後、マイクロコントローラ80は、ファームウェアに対する変更を無効にした状態で、使用可能にされたセンサの組、標本抽出率、リアルタイム、暗号化鍵、認証コード、被検者/装置ID、音声/音によるプロンプト、及びデジタルメモリ32又はマイクロコントローラ80に格納された他のカスタマイズデータなどの、生理学的モニタ構成パラメータに対する変更を可能にしてもよい。
【0084】
[0098]いくつかの実施形態では、上述のような初期化/構成シーケンスは、マイクロコントローラを含む生理学的モニタ内で使用され、個別の構成要素を接続してもよい。そのような初期化シーケンスは、デジタル制御論理及び上述のような他の構成要素を含まない生理学的モニタに使用されてもよい。
【0085】
[0099]図7は、本発明のいくつかの実施形態による、短距離無線接続を介して着用可能な生理学的モニタ524に接続された着用可能な表示装置90を含む、着用可能な生理学的モニタシステム520を示す。表示装置90は、被検者によって手首に着用されてもよく、リアルタイムを表示することができる時計の一部を含むか、形成してもよい。短距離無線接続は、10メートルの距離にわたる接続を可能にする、クラス2(2.5mW)のブルートゥース規格などの標準規格を使用して実現されてもよい。或いは、コスト又は望ましくないRF放射線を最小限に抑えるため、有線接続が使用されてもよい。
【0086】
[0100]図8は、本発明のいくつかの実施形態による生理学的モニタ524の図である。生理学的モニタ524は、オフチップ無線インタフェース568に接続された集積回路530を含む。無線インタフェース568は、インタフェース568を表示装置90に結合するのに使用される、無線アンテナに接続されるか、又はそれを含んでもよい。無線インタフェース568はデジタル制御論理560に接続される。デジタル制御論理560は、表示装置90に送信するために生理学的データパケットを組み立てる無線パケット組立て論理を含んでもよい。表示データは、デジタルメモリ32に格納されたセンサデータタイプの部分集合を含んでもよく、デジタルメモリ32に格納されたデータパケットよりも高い又は低い頻度の時間間隔で無線インタフェース568に送られてもよい。
【0087】
[0101]図9は、本発明のいくつかの実施形態による、記録されたリアルタイムの時間依存性生理学的データを示す代表的な表示装置90を示す。表示装置90は、ユーザに対して、特に、心拍数表示304、現在の被検体の体温表示308、及び現在の被検者の血液酸素濃度310を含む、生理学的モニタ524(図7)によって決定されたいくつかの生理学的パラメータの指示を提示する。表示装置90はまた、リアルタイム指標312及び現在の日付指標316を提示する。いくつかの実施形態では、表示装置90は、数秒間に及ぶ現在のECG波形、又は1時間にわたって1分間に一度サンプリングされた心拍数プロットなど、時間依存性の信号波形又は傾向を受け取り、表示してもよい。
【0088】
[0102]1つの態様によれば、上述の好ましいシステム及び方法により、コンパクト、低コスト、且つ着用可能なマルチパラメータ生理学的モニタを生産することが可能になる。そのようなモニタは、生理学的センサ、処理集積回路、及びセンサ配線を封入する使い捨てパッチを含んでもよい。信号処理回路要素、リアルタイムクロック、A/D変換器、I/Oポート、デジタルメモリインタフェース、及びデジタル制御論理は、単一の集積回路に統合され、それは、信号整形、タイムスタンピング、多重データ率ストリーム処理、及びフラッシュメモリカードなどの取外し可能なデジタルメモリに格納するためのデータパケット組立てを提供する。プログラム可能なマイクロコントローラ及び個別のフロントエンド回路要素ではなく、統合された専用信号整形回路群及びデジタル制御論理を含む特定用途向け集積回路(ASIC)を使用することにより、容易に使い捨てにすることができる、コンパクトで電力効率の良い生理学的モニタリングパッチを生産することが可能になる。データを取外し可能なデジタルメモリに格納することにより、さらに、比較的複雑で消費電力の多い無線送信回路要素を必要とせずに装置を可搬型にすることができる、単純化された集積回路設計が可能になる。デジタルメモリは複数の生理学的モニタリングパッチに再使用されてもよく、着用可能なパッチ並びにそれに組み込まれたセンサ及びASICは、一定間隔で、例えば24時間ごとに廃棄されてもよい。
【0089】
[0103]1つの態様によれば、同じ生理学的モニタ及び組み込まれた集積回路設計が、生理学的モニタの製造時にそれぞれ選択されてもよい複数のモードで使用されてもよい。独立モードでは、生理学的モニタのデジタル制御論理は、タイムスタンピング及びパケット組立てを行い、データをデジタルメモリに格納する。独立モードは、可搬性、廃棄性、及び低コスト性が主要な関心事である用途に特に適している。一連の周辺機器モードでは、モニタのデジタル制御論理は、被検者上に取り付けられるかその付近(例えば、ベッドサイドのより大型のユニット内)に配置されてもよい、マイクロコントローラと併せて使用される。プログラム可能なマイクロコントローラを使用することにより、行われるデータ処理をより柔軟にすることができるが、モニタリングシステムの可搬性は低減され、コストは増加する。周辺機器モードは、より安定した環境、例えば病院内のベッドサイドでの使用に特に適している。受動的周辺機器モードでは、生理学的モニタのデジタル制御論理は基本的に迂回され、マイクロコントローラは、A/D変換器、時間スタンピング、及びパケット組立ての制御などの動作を行う。自己クロック式周辺機器モードでは、生理学的モニタのデジタル制御論理は、ハードウェア割り込みをマイクロコントローラに送って、時間スタンプ付きの組み立てられたデータパケットをマイクロコントローラに周期的に転送する。単一の集積回路設計を複数のモードで使用できるようにすることにより、より単純な独立用途とより複雑なベッドサイド用途の両方で共通の設計を共有し、コストを固定することが可能になる。そのようなベッドサイド用途の場合、集積回路は、マイクロコントローラなどのプログラム可能なマイクロプロセッサのための信号処理フロントエンドとして有効に働く。
【0090】
[0104]別の態様によれば、初期化シーケンス、初期化論理、及び初期化コンソール、並びに上述の他の態様は、上述の集積回路を使用するシステムではなく、信号整形回路要素及びデジタル制御論理に個別の構成要素を使用する生理学的モニタリングシステムに使用されてもよい。別の態様によれば、そのような初期化アプローチは、例えば、周辺機器モードで構成されたシステムにおいて、又はプログラム可能なマイクロコントローラを別の方法で使用するシステムにおいて、ハードワイヤードのデジタル制御論理ではなくマイクロコントローラを初期化するのに使用されてもよい。そのようなシステムでは、初期化シーケンスは、マイクロコントローラ上で稼動する初期化ソフトウェアを使用して実現されてもよい。上述の認証済みファームウェアをダウンロードする態様は、マイクロコントローラを使用するシステムにおいて特に重要なものである。別の態様によれば、そのような初期化アプローチは、固定のデジタルメモリを使用するシステムに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、そのような初期化アプローチにより、現場での、例えば医師の診察室内での様々な使用のための共通の設計の柔軟なカスタマイズ化及び貨幣化が可能になり、装置の盗用を低減することが可能になる。
【0091】
[0105]別の態様によれば、上述のような代表的な回路要素は、被検者に接着されるパッチではなく、被検者に緩く取り付けられる(例えば、衣服の中に着用される、若しくは被検者から垂れ下がる)ケース又は他の構造を含む、着用可能な生理学的モニタリングシステムに使用されてもよい。
【0092】
[0106]別の態様によれば、本発明は、命令をエンコードするコンピュータ読取り可能な媒体と、上述の初期化及び/又は構成ステップ並びに他の生理学的モニタリングステップを行う命令がプログラミングされたコンピュータシステムとを提供する。
【0093】
[0107]別の態様によれば、本発明は、再使用可能且つ取外し可能なデジタルメモリ、及び上述のような複数の使い捨て且つ着用可能な生理学的モニタを含むキットを提供する。例えば、1つのデジタルメモリは、被検者によって1日間使用される7個又は10個の使い捨て生理学的モニタとともに提供されてもよい。キットの形で提供される生理学的モニタは、ブランクであるか、又は別の方法として、被検者生理学的データを記録するようにユーザ操作可能ではない。デジタルメモリには、被検者特有の生理学的モニタ認証及び構成データが事前ロードされる。事前ロードは、例えば内科医の診察室で、上述のような初期化コンソールを使用して、被検者特有のモニタリング要件に従って行われてもよい。ブランクの生理学的モニタを取外し可能なデジタルメモリに接続することで、上述のように生理学的モニタの起動及び構成が引き起こされる。起動によって、モニタは、生理学的モニタリングデータを記録するようにユーザ操作可能になる。続いて、記録された生理学的モニタリングデータは取外し可能なデジタルメモリに格納される。
【0094】
[0108]いくつかの実施形態によれば、上述のような生理学的モニタリングシステムは、上述のようなコンパクトで低コストの設計が特に有効である、慢性疾患に対する患者管理の滴定(titration of care)を提供する長期的に患者に施される方法に用いられる。代表的な方法では、内科医は、1つ又は複数の上述のような生理学的モニタリング装置を第1の治療状態にある患者に支給する。第1の治療状態は、患者が治療を受けていない状態、又は患者が治療過程を受けている、例えば特定の薬剤投与を受けている状態であってもよい。患者は、モニタ(1つ若しくは複数)を使用して、医療施設外にいる被検者の正常な活動期間の間、数日間、数週間、又は数か月間の期間にわたって生理学的モニタリングパラメータを記録し格納する。そのような生理学的モニタリングは、正常な被検者の活動及び生理学的パラメータの検出、並びに意識喪失(失神)又は不整脈などのそれほど一般的ではない発症の検出を含んでもよい。検出された生理学的パラメータは、上述のパラメータ、並びに測定データから派生したパラメータを含んでもよい。例えば、物理的活動による患者のカロリー消費は記録された加速度計データから推定されてもよく、患者の心不全の進行は流体負荷インピーダンス測定を使用して推定することができる。データの生成は、患者が医療施設に戻ることを必ずしも必要としない。ある期間にわたって生成された定量的データは、患者に対する治療効果を評価し、治療過程(例えば、投薬量)を変更するため、治療前のベースラインデータを含む他のデータと併せて使用される。次に、変更された治療過程の新しいデータが記録される。次に、異なる治療過程によって生成された定量的データが比較される。
【0095】
[0109]定量的データ評価は、治療過程が進むにしたがって関連パラメータの時間依存性をモニタリングすること、そのような測定パラメータを治療前のベースラインデータと比較すること、及び測定パラメータに対する治療の変化の効果を評価することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、定量的データ評価は、治療中/治療後のデータを治療前のベースラインと比較すること、2つ以上の薬剤投与又は他の治療を互いに比較すること、2つ以上の薬剤投与又は他の治療を治療前のベースラインと比較すること、1つ若しくは複数の薬剤投与の異なる投与量又は他の治療を、単独で又は組み合わせて互いに、及び/又は治療前のベースラインと比較すること、薬剤投与又は他の治療の異なる組み合わせを比較すること、埋め込み可能な装置(例えば、ペースメーカー)の設定など、非薬剤投与治療のパラメータを評価すること、1つ若しくは薬剤投与と組み合わせた埋め込み可能な装置設定を評価すること、外科手術前後に記録されたデータを比較することの、1つ又は複数を含んでもよい。上述の好ましい生理学的設計は、そのような方法に、また特に、上述のような定量的評価を行うことによって患者の健康を長期的に(数週間若しくは数か月間にわたって)追跡するのに特に適している。
【0096】
[0110]ホルターモニタなどの一般に利用可能な生理学的モニタは、通常、そのようなモニタを患者が医療施設外で自身で使用するために、便利に広範に分配するのには、複雑性及びコストが高すぎる。患者による定量的評価(例えば、「気分が良い」などの記述)は、患者に対する薬剤投与又は他の治療の微妙な効果を評価するのには特に有用ではない。被検者は、データが記録されている間、自身の日課を行い、数日間若しくは数週間の期間だけ間を空けた間隔で内科医の診察室に戻ってもよく、それによって、内科医が格納された生理学的データをダウンロードし、ダウンロードしたデータに従って治療過程の定量的評価を行い、評価に従って治療過程を調整することができるようになる。
【0097】
[0111]別の態様によれば、基本的な生理学的モニタの集積回路設計は複数のセンサタイプに対応する。生理学的モニタの製造中に、又は生理学的モニタをI/O(例えば、シリアル)ポートを介して初期化する間に、所望のセンサの部分集合を使用可能にすることにより、同じ生理学的モニタ設計が、特定の用途における必要に応じて複数の異なるセンサの部分集合で使用されてもよい。
【0098】
[0112]より高度なデータ分析の場合、デジタルメモリは、生理学的モニタから取り外され、汎用CPU及び関連する分析ソフトウェアを含むパーソナルコンピュータ又は他の装置に接続されてもよい。例えば、コンピュータ画面を使用して、時間依存性のECG追跡などのデータ集約的なセンサ表示が視覚化されてもよい。
【0099】
[0113]いくつかの実施形態では、着用可能な表示装置ユニットに短距離接続するため、無線送信回路要素が生理学的モニタに付加され、データ処理集積回路に接続されてもよい。無線送信回路要素を生理学的モニタに付加することは、大幅な複雑性、電力損失、及び雑音をシステムに付加する可能性がある。したがって、現在好ましい実装は無線送信回路要素を含まない。
【0100】
[0114]雑音は、被検者ECG信号を測定するシステムにおいて特に懸念される点であり、1mV程度の全規模であってHz程度の対象周波数を含むことがある。電力線、マイクロ波、及び無線源などの一般に存在する雑音源、並びに被検者の皮膚における電解質効果に加えて、上述のように設計された集積回路は、オンチップリアルタイムクロックのチック信号又はその高調波からの雑音による影響を受けることもある。生理学的信号処理回路要素に対するそのような雑音の影響は、好ましくは、特に、共通基板の対向する領域上でリアルタイムクロックを生理学的信号処理回路要素から物理的に分離することによって、及び/又はリアルタイムチック信号のエッジを和らげることによって最小限に抑えられる。
【0101】
[0115]統合温度センサもまた、被検者の皮膚からの熱放射ではなく、集積回路自体からの電力損失による雑音又は外部からの入力に影響される可能性がある。そのような雑音源を最小限に抑えるため、集積回路からの電力損失を最小限に抑え、且つ温度センサと被検者の間の熱的な結合を最適化することが好ましい。
【0102】
[0116]当業者には、本発明の範囲から逸脱することなく、上述の実施形態が様々な形で変更されてもよいことが明白であろう。例えば、上述のような生理学的モニタリングシステムは何らかの非同期回路要素又は論理を含んでもよい。いくつかの実施形態では、生理学的モニタを外部のコンピュータ又はマイクロコントローラに接続するため、有線(例えば、シリアル、USB、パラレル)接続及び無線(光学、RF)接続を含む、様々な接続が使用されてもよい。したがって、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲及びそれらの法的等価物によって決定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1A】本発明のいくつかの実施形態による被検者の上に置かれた着用可能な生理学的モニタの概略図である。
【図1B】本発明のいくつかの実施形態による図1Aの生理学的モニタのさらに詳細な図である。
【図1C】本発明のいくつかの実施形態による図1Bの生理学的モニタの多数の構成要素を示す図である。
【図2A】本発明のいくつかの実施形態による独立動作モードにおける図1A〜1Cの生理学的モニタの図である。
【図2B】本発明のいくつかの実施形態による周辺機器動作モードにおける生理学的モニタの図である。
【図3A】本発明のいくつかの実施形態による図1A〜1Cの生理学的モニタの信号駆動及び信号処理回路の図である。
【図3B】本発明のいくつかの実施形態による図3Aの回路のフィルタ処理回路の図である。
【図4】本発明のいくつかの実施形態による図1A〜1Cの生理学的モニタの代表的なデジタル制御論理ユニットの図である。
【図5】本発明のいくつかの実施形態による代表的なデータパケットコンテンツを示す図である。
【図6A】本発明のいくつかの実施形態による生理学的モニタの代表的な初期化及び分析コンソール並びに認証サーバを示す図である。
【図6B】本発明のいくつかの実施形態による図6Aの初期化コンソールの一組のソフトウェアサブシステムを示す図である。
【図7】本発明のいくつかの実施形態による着用可能な生理学的モニタに接続された着用可能な表示装置を含む着用可能な生理学的モニタシステムを示す図である。
【図8】本発明のいくつかの実施形態による図7の生理学的モニタの図である。
【図9】本発明のいくつかの実施形態による生理学的データの代表的なリアルタイム表示装置を示す。
【関連出願データ】
【0001】
[0001]本出願は、2006年3月3日出願の米国特許出願第11/367,992号、2006年3月3日出願の米国特許出願第11/367,155号、並びに2006年3月3日出願の米国特許出願第11/368,290号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
[0002]本発明は、生理学的モニタリングシステム及び方法、特に生理学的モニタに関する。
【0003】
[0003]生理学的モニタリング機器は、血中酸素濃度、体温、呼吸速度、及び心電図(ECG)測定又は脳電図(EEG)測定に対する電気的活動を含む、多数の患者の生命兆候を測定するために使用される。ECG測定を行うために使用される共通の設計では、多数の心電計リード線が患者の皮膚に接続される。電圧変動がある期間にわたって記録され、結果として得られる信号が処理され、格納され、解釈される。対象のECG信号の大きさは、電力線、蛍光光、隣接している電気的装置、又はECGリード線と患者の皮膚との間の境界面における電解質効果によって生成される環境上の電気雑音レベルよりも大幅に小さいことがある。リード線によって感知される電気信号は、一般に、有用なデータを生成するために増幅されフィルタ処理される。
【0004】
[0004]ホルターモニタは、数時間、更には数日間の心臓モニタリングを可能にする着装携行式の心電図装置である。一般的なホルターモニタは、被検者の皮膚に付着した3〜7本のリード線を用いる。モニタは、一般に、ポケットに入れて、又はベルトに取り付けて携行され、記録期間中の心臓の活動のログを保持する。
【0005】
[0005]多数の米国特許が、可搬型ECGモニタを含む生理学的モニタについて記載している。例えば、米国特許第5,701,894号では、Cherryらは、複数の選択的なプラグアンドプレイ信号入力調整装置、実行及び分析ソフトウェアを備えたマイクロプロセッサシステム、並びにデータ格納用の取外し可能なメモリモジュールを含む着装携行式の生理学的コンピュータ記録装置について記載している。システムセンサは、ECG用電極、並びに、特に体温、呼吸、皮膚コンダクタンス、及び加速度を測定するセンサを含んでもよい。
【0006】
[0006]米国特許第6,198,394号では、Jacobsenらは、人間の生理学的状態を決定するための信号を発生させるための兵士又は他の人間に対して配置可能な複数のセンサを含み、個人の状態を遠隔でモニタリングするシステムについて記載している。Jacobsenらは、複数のセンサ及びマスタコントローラ又はマスタプロセッサを含む、着用可能なセンサユニットについて記載している。Jacobsenらはまた、複数のセンサとセンサに接続されたコントローラとを含むことができるリストセンサ/表示ユニットを利用することについて記載している。リストユニットは、兵士によって携行される兵士ユニットと併せて使用される。兵士ユニットは、コントローラ、センサ、及び全世界測位システム(GPS)装置などの他の装置も含む。
【0007】
[0007]米国特許第6,454,708号では、Fergusonらは、健康パラメータをモニタリングし、被検者からのデータを捕捉するシステムについて記載している。このシステムは、全波形ECG、全波形呼吸、皮膚温度、及び運動を測定するセンサと、測定データを格納するためのメモリカード又はスマートカードを受け入れるコネクタとを備えた、コードレスのセンサバンドを含む。
【概要】
【0008】
[0008]1つの態様によれば、生理学的モニタリングシステムは、一組のリアルタイム指標を生成する集積リアルタイムクロックと、第1の組のフィルタ処理済み電気信号を生成するため、第1の組の生理学的センサから受け取った一組の電気信号を増幅しフィルタ処理する集積増幅/フィルタ処理回路要素と、リアルタイムクロック及び増幅/フィルタ処理回路要素に接続された集積デジタル制御論理とを含む、生理学的モニタリング用の特定用途向け集積回路(ASIC)を含む。増幅/フィルタ処理回路要素は、第1の組の生理学的センサから受け取った一組の電気信号をフィルタ処理するアナログフィルタ処理回路要素を含む。デジタル制御論理は、第1の組のフィルタ処理済み電気信号から派生した第1の組のデジタル生理学的データを受け取り、第1の組のデジタル生理学的データとは異なる標本抽出率で標本化された生理学的データを含む第2の組のデジタル生理学的データを受け取り、リアルタイム指標、第1の組のデジタル生理学的データ、及び第2の組のデジタル生理学的データから、タイムスタンプ付き生理学的データパケットを生成し、デジタルメモリに格納するため、データパケットを送信するように構成される。
【0009】
[0009]別の態様によれば、生理学的モニタリング集積回路は、デジタル制御論理に接続された、集積回路の動作モードを独立モード及び周辺機器モードから選択されたモードに設定するモード選択論理を含む。独立モードでは、デジタル制御論理は、一組のリアルタイム指標とフィルタ処理済み電気信号から派生した一組のデジタル心電図データとから一組のタイムスタンプ付き生理学的データパケットを生成し、デジタルメモリに格納するため、タイムスタンプ付きデータパケットを送信するように構成される。周辺機器モードでは、集積回路は、デジタル心電図データから派生した生理学的データをプログラム可能なマイクロコントローラに転送するように構成される。
【0010】
[0010]別の態様によれば、生理学的モニタリング方法は、一組の生理学的モニタ構成データを取外し可能なデジタルメモリに格納するステップと、モニタを着用している被検者に対して構成データに従って一組の生理学的測定を行うため、デジタルメモリを含む着用可能な生理学的モニタを用いるステップと、生理学的測定によって生成されたデジタル生理学的データをデジタルメモリに格納するステップとを含む。
【0011】
[0011]別の態様によれば、生理学的モニタリング方法は、一組の生理学的モニタ認証データを取外し可能なデジタルメモリに格納するステップと、取外し可能なデジタルメモリに格納された生理学的モニタ認証データを使用して、着用可能な生理学的モニタを、被検者からの一組の生理学的モニタリングデータを記録するようにユーザ操作可能ではない未初期化状態から、被検者からの一組の生理学的モニタリングデータを記録するようにユーザ操作可能である初期化状態に遷移させるステップと、生理学的モニタを着用している被検者に対する一組の生理学的モニタリングデータを記録するため、取外し可能なデジタルメモリを含む生理学的モニタを用いるステップと、一組の生理学的モニタリングデータを取外し可能なデジタルメモリに格納するステップとを含む。
【0012】
[0012]別の態様によれば、生理学的モニタリング方法は、被検者による着用可能な生理学的モニタの使用が認証されていることを確認すると、生理学的モニタの起動を行うため、初期化コンソールを用いるステップであり、起動が、生理学的モニタを、一組の生理学的測定を行うようにユーザ操作可能ではない未初期化状態から、一組の生理学的測定を行うようにユーザ操作可能である初期化状態に遷移させることであるステップと、被検者に対して一組の生理学的測定を行い、生理学的測定によって生成されたデジタル生理学的データを生理学的モニタのデジタルメモリに格納するため、生理学的モニタを使用するステップとを含む。
【0013】
[0013]本発明の上述の態様及び利点は、以下の詳細な説明を読み、図面を参照することによってより良く理解されるであろう。
【好ましい実施形態の詳細な説明】
【0014】
[0028]以下の説明では、構造間の接続の列挙されるものは全て、直接作用する接続、又は中間構造を介して間接的に作用する接続であり得ることが理解される。例えば、デジタル制御論理は、A/D変換器を介して増幅/フィルタ処理回路要素(amplification/filtering circuitry)に接続されてもよい。一組の要素は1つ又は複数の要素を含む。複数の要素は2つ以上の要素を含む。要素の列挙はいずれも少なくとも1つの要素を指すものと理解される。特に指定しない限り、用語「論理」は、専用(ハードワイヤード)論理、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又はプログラマブルマイクロコントローラなどのプログラム可能な論理の両方を包含する。特に指定しない限り、着用可能なモニタは、被検者に接着されるモニタ(例えば、パッチ)、並びに被検者に緩く取り付けられるモニタ(例えば、衣服、ベルト、紐、ウェストポーチ、又は他の構造を介して)を包含する。特に必要でない限り、記載されるあらゆる方法ステップは、必ずしも特定の説明順で行われなくてもよい。第2の要素から派生する、又は生成される第1の要素(例えば、データ)は、第2の要素に等しい第1の要素、並びに第2の要素及び任意に他のデータを処理することによって生成される第1の要素を包含する。あるデータに従って動作を行うパラメータの生成は、パラメータを生成すること、又はそのデータのみに従って動作を行うことに限定されず、他のデータも使用することを包含する。封入材(encapsulant)は、1つ又は複数の密閉された構成要素を少なくとも部分的に封入する一般に可撓性の材料であることが理解される。第1及び第2のデータにタイムスタンプを付けることは、第1及び第2のデータを含むデータパケットに共通のタイムスタンプを適用すること、並びに第1及び第2のデータに個々のタイムスタンプを別個に付けることを包含する。データパケットにタイムスタンプを付けることは、内部タイムスタンプをパケット内に含めること、並びに外部タイムスタンプをデータパケットと関連付けることを包含する。特に指定しない限り、デジタルメモリが取外し可能であるという記述は、メモリ又は噛合構成要素を分解又は破壊することなく、噛合位置へと、若しくは噛合位置から外れるように滑動させるか別の方法で動かすことによって、デジタルメモリがエンドユーザによって現場で取外し可能であることを意味するものと理解される。「増幅/フィルタ処理回路要素」が、列挙されるタイプの回路要素(circuitry)(例えば、連続時間アナログ、スイッチキャパシタ、又はDSP)を含むという記述は、増幅/フィルタ処理回路要素の少なくとも一部が、列挙されるタイプの回路要素を含み、列挙されるタイプの回路要素を含めるために増幅回路要素及びフィルタ処理回路要素の両方を必要としないことを意味する。コンピュータ読取り可能な媒体は、磁気媒体、光学媒体、及び半導体媒体(例えば、ハードドライブ、光ディスク、フラッシュメモリ、SRAM)などの記憶媒体を包含する。用語「広域ネットワーク」は、インターネット、並びに少なくとも1つのルーターを含む他のネットワークを包含する。特に指定しない限り、用語「被検者」は人間と動物両方の被検者を包含する。特に指定しない限り、モニタの「家庭内」使用は、被検者の通常の活動の間、且つ医療環境(例えば、病院又は診察室)の外での使用を指し、被検者の自宅住所における使用に限定されない。第1の治療過程を第2の治療過程と置き換えることは、第1の治療過程を修正(例えば、投薬量の修正)した第2の治療過程を用いることを包含する。代表的な説明される実施形態の態様は、説明される実施形態の他の態様を参照することなく特許性のある主題を含んでもよい。以下に記載される代表的な実施形態の態様は、説明される代表的なやり方以外のやり方で組み合わされてもよい。
【0015】
[0029]以下の記載は、一例として本発明の実施形態を説明するものであり、必ずしも限定目的のものではない。
【0016】
[0030]図1Aは、本発明のいくつかの実施形態による、被検者22の皮膚上に置かれた着用可能な生理学的モニタリングシステム20を示す。被検者22は人間又は動物の被検者であってもよい。生理学的モニタリングシステム20は、着用可能な生理学的モニタ24、被検者の皮膚に付着された複数の被検者電気的活動電極38、及び電極38を生理学的モニタ24に接続する配線28を含む。いくつかの実施形態では、電気的活動電極38は、心電図(ECG)電極、並びに呼吸及び/又は流体負荷インピーダンス電極を含む。図1Aに示される代表的な6電極構成は、LA(左腕)電極、RA(右腕)電極、IRA(呼吸/流体負荷インピーダンスRA)電極、LL(左脚)電極、V5(第5肋間隙の左前腋窩線)電極、及びIV5(呼吸/流体負荷インピーダンスV5)電極を含む。LA、RA、LL、及びV5のリード線はECG測定に使用され、IRA及びIV5のリード線は呼吸及び/又は流体負荷測定に使用される。より少数又はより多数の電極、及び他の電極配置を含む他の電極構成が、本発明の実施形態に使用するのに適している。いくつかの実施形態では、電極38は脳波図(EEG)電極を含んでもよい。
【0017】
[0031]配線28は、電極38に付着されたクリップを備えた導電性ワイヤを含んでもよい。生理学的モニタリングシステム20は、以下に詳細に記載されるように、追加の生理学的センサ及び外部パラメータセンサを含んでもよい。電極38は、生理学的モニタ24に電気的に接続される。生理学的モニタ24は、下にある接着剤及び/又は一組の可撓性ストラップ40によって患者の皮膚上で適所に保持されるパッチによって形成されてもよい。いくつかの実施形態では、生理学的モニタ24は、封入電極及び電極配線を含んでもよい使い捨ての包帯ユニットである。いくつかの実施形態では、生理学的モニタ24はワイヤを介して外部電極に取り付けられたケースを含んでもよい。
【0018】
[0032]図1Bは、本発明のいくつかの実施形態による生理学的モニタ24の平面図を示す。音及び/又は光インジケータ42、並びにユーザ起動式の(user-activated)イベントアクチュエータ(例えば、ボタン)44は、生理学的モニタ24の外面上に載置される。いくつかの実施形態では、インジケータ42は、視覚的なシステム状態の指標をユーザに提供するLEDを含む。インジケータ42はまた、状態及び/又はプロンプトの音(例えば、信号音、音楽、合成音声)をユーザに対して発するスピーカーを含む。インジケータ42は、D/A変換器、低域フィルタ、及び電力増幅器を含んでもよく、電力増幅器は、その入力側とスピーカー及び/又はLEDとの間に順に接続される。いくつかの実施形態では、光/音インジケータ42は、振動刺激若しくは他の触覚刺激を提供することができる追加の報知器に置き換えられるか、又はそれと併せて使用されてもよい。イベントアクチュエータ44により、ユーザが、アクチュエータ44を押すことによって、重要なイベント(例えば、転倒、目まいを感じる、通常と違う感覚、薬剤投与を受ける)を記録することが可能になる。いくつかの実施形態では、ユーザが現在の日付及び時間を入力できるようにするため、アクチュエータ44に加えてユーザ入力アクチュエータ又は制御が提供されてもよい。
【0019】
[0033]図1Cは、生理学的モニタ24の封入材26内に保持されるいくつかの構成要素を示す。封入材26は、ポリウレタンなどの可撓性材料を含んでもよい。封入材26は、生理学的モニタ24を部分的に密閉して、生理学的モニタ24を機械的に保護するとともに、インジケータ42、イベントアクチュエータ44及び電池34への外部アクセスを可能にする。電池34は、生理学的モニタ24の製造中に中に密閉されるか、又はユーザによって生理学的モニタ24に挿入されてもよい。可撓性基板36は、電池34及び特定用途向け集積回路(ASIC)30を支持する。集積回路30は一組の入力ピン31を含み、そのいくつかは、以下に記載されるように、集積回路30の動作モードを設定するため、所定の論理レベル(0,1)構成に接合されてもよい。基板36は、非導電性の基部及び基部上に形成された一組の導電性のトラック(ライン)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、基板36は、参照により本明細書に組み込まれるHainesらの米国特許第6,385,473号によって記載されているように形成されてもよい。
【0020】
[0034]デジタルメモリ32は、集積回路30に結合され、以下に記載されるように、処理済み生理学的データをデジタル形式で格納する。いくつかの実施形態では、デジタルメモリ32は、基板36に沿って規定されるメモリカードコネクタ(ソケット)48内に取外し可能に実装されるフラッシュメモリカードを含む。適切なフラッシュメモリカードのフォーマットとしては、特に、コンパクトフラッシュ(CF)及びxD−ピクチャーカード(xD)が挙げられる。いくつかの実施形態では、デジタルメモリは、基板36に固着されたメモリチップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、デジタルメモリは、ASIC 30に統合されたオンチップメモリ、並びに取外し不能なオフチップデジタルメモリを含んでもよい。特に、いくつかの実施形態では、以下に記載されるデータ格納は全て取外し可能なメモリカード内で行われ、いくつかの実施形態では、以下に記載されるデータ格納は全てオンチップメモリ内で行われ、また、いくつかの実施形態では、測定された大量の生理学的データは取外し可能なメモリカードに格納されるが、一組の構成/初期化データはオンチップメモリに格納される。そのような構成/初期化データは、ファームウェア、被検者ID、センサ標本抽出率、認証コード、及び認証済みの使用に関するデータなど、設定及び操作データを含んでもよい。オンチップメモリはまた、メモリカードが交換されている間、生理学的データを一時的にバッファリングするために使用されてもよい。
【0021】
[0035]集積回路30は、2つ以上の代替モードで作動することができる。対応しているモードとしては、集積回路30がデータをデジタルメモリ32に直接格納する独立モード、及び集積回路30がマイクロコントローラに対する周辺機器として使用される周辺機器モードが挙げられる。いくつかの実施形態では、動作モードは、例えば、集積回路30の入力ピンを、一方のモードに対する1つの論理レベル(例えば1、即ちVdd)と、他方のモードに対する別の論理レベル(例えば0、即ちVss)とに接合することによって、集積回路30を基板36上に実装し接続する間に設定される。集積回路30は、使い捨ての着用可能な製品に使用される場合は独立モードに、再使用可能な(着用可能な又はベッドサイド用)製品に使用される場合には周辺機器モードに設定されてもよい。
【0022】
[0036]図2Aは、本発明のいくつかの実施形態による、集積回路30の独立動作モードにおける生理学的モニタリングシステム20の一部の図を示す。集積回路30は、一組のオンチップセンサ50a、信号駆動及び信号処理回路52、アナログ/デジタル(A/D)変換器58、デジタル制御論理60、モード選択論理61、リアルタイムクロック62及びシリアルインタフェース66などのI/Oポートを含む。リアルタイムクロック62は共振器64に接続される。共振器64は、オンチップ若しくはオフチップのタイミング共振器及び/又はオフチップ水晶結晶板を含んでもよい。
【0023】
[0037]一組のオフチップセンサ50bは、アナログ出力を有する一組のセンサ45及びデジタル出力を有する一組のセンサ46を含む。アナログセンサ45は、図1Aに示される電気的活動電極38を含んでもよい。いくつかの実施形態では、一組のオンチップセンサ50aは、集積温度センサ及び集積3軸加速度計を含み、他のセンサはオフチップで提供される。いくつかの実施形態では、一組のオンチップセンサ50aは、1つ又は複数の以下に記載されるセンサタイプを含んでもよい。いくつかの実施形態では、オフチップセンサ50bは、1つ若しくは複数の加速度計及び/又は傾斜センサ、電気的若しくは機械的な呼吸及び/又は流体負荷センサ、オフチップ温度センサ、パルスオキシメータ、光強度センサ、イオン化放射線センサ、皮膚電気抵抗センサ(galvanic skin resistance sensor)、関節角度ゴニオメータ、歪みセンサ、及び/又は音響センサを含む。そのようなセンサは、当該技術において知られている生理学に関連する範囲内のパラメータを検出するように構成される。
【0024】
[0038]温度センサは、被検者の皮膚に熱的に結合され、被検者の現在の温度を示すリアルタイムの温度データを供給する。いくつかの実施形態では、オンチップ温度センサはオンチップダイオードを含んでもよい。ダイオードの順電圧の測定には、ダイオードの生来の感温性を用いて温度指示を提供する。オンチップ温度センサはまた、バンドギャップ電圧の温度依存性を用いて温度指示を提供してもよい。CMOS又はバイポーラ集積回路に統合されてもよく、接合に基づく(junction-based)温度センサに関する情報については、例えば、"Thermal Transducers," Chapter 6 of Kovacs, G. T. A.,"Micromachined Transducers Sourcebook," McGraw-Hill, Inc., New York, NY, 1998, pp. 570-577を参照のこと。好ましくは、オンチップ温度センサによって供給される読取値は、集積回路30の電力損には事実上依存しない。したがって、好ましくは、温度センサの出力側での集積回路の電力損の影響を最小限に抑えるように、集積回路30の電力損は最小限に抑えられ、センサと被検者の間の熱的な結合は最大限にされる。いくつかの実施形態では、温度センサは、0.5℃の誤差で0〜50℃の温度を測定することができる。いくつかの実施形態では、温度センサは、周囲温度センサ、皮膚温度を測定するため被検者に接触している皮膚プローブ、又は中核体温を測定するための直腸プローブを含んでもよい。
【0025】
[0039]加速度計は、着用者の相対位置(例えば、直立、仰臥)、並びに着用者の動的な動き(例えば、歩行、走行、睡眠など)に関するリアルタイムデータを供給する。x軸、y軸、及びz軸それぞれに対して、1つ又は複数の加速器が提供されてもよい。いくつかの実施形態では、加速度計は、2g〜5gであるように選択されてもよい予め定められた閾値以下の加速度値を測定することができる、DC応答性の加速度計である。DC応答性の加速度計は、一定の加速度と時間で変わる加速度の両方を測定することができる。一定の加速度は、重力加速度などの定常的な加速度である。そのような定常的な加速度の測定は、被検者の身体の向き、即ち立っているか横になっているかを判断するのに使用されてもよい。時間で変わる加速度は、歩行によって引き起こされる加速度を含んでもよい。一組の加速器は、加速度値を決定することができる加速器、並びに活動センサ、又は加速度閾値を超過したかを検出するスイッチ式の加速器を含んでもよい。スイッチ式の加速器は、加速度計が十分に高い定常的又は動的な加速度を受けたとき、一対のスイッチ接点を閉じる可動の質量を含んでもよい。感知された加速度の大きさに関する情報を供給するため、閾値が異なる複数のスイッチ式の加速器が軸線に沿って使用されてもよい。
【0026】
[0040]インピーダンスに基づく呼吸及び流体負荷/水分補給センサは、交流電流(AC)信号を被検者の皮膚上に置かれた1つの電極に加えることにより、被検者の経胸腔的インピーダンスを検出し、被検者の皮膚上に置かれた別の電極を介して、加えられた信号に対する被検者の応答を検出することができる。電極は、図1Aに示されるIRA及びIV5のリード線を含んでもよい。検出されたインピーダンスの高周波数部分は被検者の呼吸を示し、インピーダンスの低周波数部分又は安定した部分は被検者の流体負荷/水分補給を示す。機械的呼吸センサは、被検者の胸に適用される、被検者の胸の膨張に比例する抵抗を有する抵抗性のバンドを含んでもよい。代表的な呼吸センサとしては、Thought Technology Ltd.(West Chazy, NY)から入手可能なProcomp(商標)センサが挙げられる。
【0027】
[0041]パルスオキシメータは被検者の血中酸素濃度を検出することができる。適切なパルスオキシメータとしては、指、額、又は耳たぶに取り付けられてもよい、Nonin(登録商標)パルスオキシメータ(Nonin Medical Inc., Plymouth, MN)が挙げられる。光強度センサ及び音響センサはそれぞれ、周囲の光及び音のレベルを検出するのに使用されてもよい。イオン化放射線センサは、γ線放射及びX線エネルギーなどのイオン化放射線のレベルを検出するのに使用されてもよい。皮膚電気抵抗センサは、他の要因の中でも特に発汗に応じて変わる被検者の皮膚の電気抵抗を測定するのに使用されてもよい。関節角度ゴニオメータは、被検者の関節の角度を測定するのに使用されてもよい。代表的な関節角度ゴニオメータは、ADInstruments, Inc.(Colorado Springs, CO)から入手可能である。
【0028】
[0042]信号駆動及び信号処理(信号整形)回路52は、オンチップセンサ50a、並びにアナログセンサ45及びデジタルセンサ46を含むオフチップセンサ50bに接続される。図3Aは、本発明のいくつかの実施形態による駆動/処理回路52の図を示す。デジタル制御論理60から受け取ったイネーブル信号に応答して、信号駆動回路110は、1つ又は複数のアナログセンサ45(図2A)を駆動する。例えば、アナログセンサ45がインピーダンスに基づく呼吸測定電極を含む場合、信号駆動回路110は、AC駆動信号(電圧又は電流)を電極の1つに供給する。いくつかの実施形態では、信号駆動回路110はデジタル制御論理60の制御下で使用されて、緩んでしまったか偶然外れてしまったリード線など、作動していないECGリード線を識別する。作動していないECGリード線は、AC信号(電圧又は電流)源、並びに、信号源によって生成されるAC試験信号を試験されている選択されたECG電極に適用する一組のアナログスイッチを含んでもよい、ECG故障検出回路によって検出される。ECGリード線の故障は、選択された電極と参照(例えば、別の電極)との間のインピーダンスを測定することによって識別される。不適切な高いインピーダンス値は、ECGリード線の接続が切断されているか、別の形で障害があることを示す。
【0029】
[0043]アナログ増幅回路(増幅器)112は、感知された信号をオンチップセンサ50a及びオフチップアナログセンサ45から受け取り、受け取った信号を増幅する。フィルタ処理回路118は信号をフィルタ処理し、それは次にA/D変換器58(図2A)に送信される。いくつかの実施形態では、増幅回路112及びフィルタ処理回路118は、異なる信号振幅、周波数成分、及びA/D標本抽出率に対応してもよい、異なるタイプのセンサから受け取る信号を増幅しフィルタ処理するため、並列で使用される複数の構成要素を含んでもよい。そのような構成要素は、いくつかの構成でのみ使用される構成要素を含んでもよい。例えば、増幅回路112及びフィルタ処理回路118は、12本のECGリード線からの信号を処理することができる回路要素、及び多数の上述のセンサタイプを含んでもよいものの、全てのECGリード線及び/又はセンサタイプが使用されるとは限らない。所与のセンサの組み合わせは、集積回路30の一組のセンサ構成入力(例えば、ピン)を、1(例えば、Vdd、回路正供給電圧)と0(例えば、Vss、接地又は回路負供給電圧)との組み合わせに設定すること(例えば、ボンディング)によって可能になってもよい。代表的なセンサの組の構成は、12本の利用可能なECGリード線の2本のみを使用してもよい。周辺機器モード(図2Bを参照して以下に記載)では、接合されたセンサ構成ピンではなく、プログラム可能な内部レジスタを使用して、増幅回路112及びフィルタ処理回路118のセンサ構成モードが設定されてもよい。いくつかの実施形態では、所与のセンサ構成はまた、デジタル制御論理60を介して使用時に動的に構成されてもよい。
【0030】
[0044]増幅回路112は、電圧又は電流が感知されるか否かに応じて、1つ若しくは複数の電圧及び/又は相互抵抗(トランスピンピーダンス)増幅器を含んでもよい。増幅回路112はまた、特にECG信号処理のため、1つ又は複数の差動増幅回路を含んでもよい。増幅回路112は受け取った信号を増幅するので、A/D変換器58(図2A)に対する信号出力の振幅は、一般にA/D変換器58の全規模の入力信号に相当する。一般に、増幅回路112は、受け取った信号を少なくとも10倍程度、例えば数百又は数千倍に増幅することができる。例えば、電極38から受け取ったECG信号が±5mV程度の範囲を有し、A/D変換器58が5V程度の入力の全規模を有する場合、増幅回路112は、入力を0〜10mVオフセットし、結果として得られる信号を増幅してもよいので、A/D変換器58は0〜5Vの信号を受け取る。一般的なCMOS A/D変換器は、3.3V又は5Vなど、Vss(例えば、接地)値からVdd値に及ぶ全規模入力電圧を有してもよい。
【0031】
[0045]フィルタ処理回路118は受け取った信号をフィルタ処理し、結果として得られる信号をA/D変換器58に送信する。フィルタ処理回路118によって行われるフィルタ処理動作としては、アンチエイリアシング、雑音除去、及び帯域整形が挙げられる。一般に、フィルタ処理回路118の性質は、一組の対応する使用可能のセンサに応じて変わってもよい、対象の信号周波数及び標本抽出率に従って選択されてもよい。フィルタ処理回路118の少なくとも一部は、キャパシタ及び抵抗器を含む連続時間アナログ回路を使用して実装される。いくつかの実施形態では、フィルタ処理回路118の少なくとも一部は、スイッチキャパシタ回路要素などの離散時間型アナログ回路を使用して実装されてもよい。いくつかの実施形態では、フィルタ処理回路118の少なくとも一部は、デジタル信号プロセッサ(DSP)を使用して実装されてもよく、そのような実施形態では、A/D変換器は、アナログの生理学的信号をDSPフィルタに入力する前にデジタル化してもよく、信号をA/D変換器に送信する前に処理するため、フロントエンドフィルタ処理回路要素が設けられてもよい。いくつかの実施形態では、フィルタ処理回路118の様々な部品は、連続時間アナログ回路要素、スイッチキャパシタ回路要素、及び/又はDSPを使用して実装されてもよい。例えば、フィルタ処理回路118は、連続時間アナログアンチエイリアシング及び雑音除去フィルタの段階と、その後に続く連続時間アナログ、スイッチキャパシタ、及び/又はDSP帯域整形フィルタとを含んでもよい。
【0032】
[0046]図3Bは、本発明のいくつかの実施形態によるフィルタ処理回路118の図を示す。フィルタ処理回路118がDSPを含む実施形態では、フィルタ処理回路118のDSP部はA/D変換器58(図2A)の下流であってもよい。フィルタ処理回路118は、ECG信号フィルタ処理回路150、ペースメーカーパルス検出回路152、加速度フィルタ処理回路154、及びインピーダンスフィルタ処理回路156を含む。
【0033】
[0047]ECG信号フィルタ処理回路150は、受け取ったデータをフィルタ処理して、帯域外雑音を低減し、エイリアシングを防ぐ1つ又は複数の帯域フィルタを含む。ECG信号フィルタ処理回路150は、結果として得られる信号をA/D変換器58(図2A)に送信する。共通のECGフィルタの遮断周波数は0.5〜100Hzであってもよい。低域遮断周波数が100Hzで標本抽出率が256サンプル/秒(128Hzのナイキスト周波数に対応する)のフィルタの場合、100Hz〜128Hzでのロールオフが72dBのフィルタ処理回路を使用して、ビット当たり6dBのダイナミックレンジを有する12ビットのA/D変換器のダイナミックレンジを下回る、望ましくない高周波数信号が減衰されてもよい。いくつかの実施形態では、ECGフィルタ処理回路150は、標準的なECGリード線データを使用して代数的組み合わせを行うことにより、拡張ECGリード線データを導出するなど、リード線間の計算を実施する回路要素を含んでもよい。ECGの適用に対して規定される従来の周波数応答規格データに関する情報については、ANSI standard document "Ambulatory Electrocardiographs,"ANSI/AAMI EC38-98を参照のこと。代表的なECGフィルタ処理回路の説明については、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,206,602号及び同第5,382,956号を参照のこと。
【0034】
[0048]ペースメーカーパルス検出回路152は、ペースメーカーパルスを検出し、ペースメーカーパルスにそれぞれ対応する一連のデジタルパルスを出力する。ペースメーカー回路152は、ECG電極38(図1A)の1つ又は複数に接続されてもよい。ペースメーカーパルスは、一般に、心臓からの正常なECG波形よりもはるかに狭い。いくつかの実施形態では、ペースメーカーパルス検出回路152は、直列に接続されたいくつかの回路、すなわち、高域又は帯域通過フィルタ処理回路(フィルタ)160、整流回路(整流器)162、低域フィルタ処理回路164、及びコンパレータ回路166を含む。
【0035】
[0049]フィルタ処理回路160は、kHz〜数十kHz程度(例えば、約30kHz)のより低い通過周波数と、数十〜数百kHz程度(例えば、約100kHz)のより高い通過周波数とを有して、高周波雑音を制限してもよい。整流回路162は、AC電流を受け取り、整流された正電圧波形を生成する。低域フィルタ処理回路164は、個々のペーシングパルスをまとめて不明瞭にしたり曖昧にしたりしないように選択された、Hz程度、例えば約5Hzの通過周波数を有する。低域フィルタ処理回路164は、各パルスが1つのペースメーカーパルス信号に対応する拍動性波形を作成する。コンパレータ回路166は、拍動性波形を受け取り、各ペースメーカーパルスに対応するデジタル出力を出力する。コンパレータ回路166はシュミットトリガを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ペースメーカーパルス検出信号が数十Hz程度(例えば、50Hz)の比率で標本化される場合、低域フィルタ処理回路164の出力はA/D変換器58(図2A)に送られてもよい。代表的なペースメーカーパルス検出回路の説明については、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,448,997号を参照のこと。
【0036】
[0050]いくつかの実施形態では、加速度フィルタ処理回路154は低域フィルタを含む。いくつかの実施形態では、インピーダンスフィルタ処理回路156は、帯域外雑音を低減する帯域フィルタを含む。帯域フィルタの後にはホモダイン又は同期式受信器が続き、それは、帯域フィルタから受け取った信号を、電極駆動回路110(図3A)によって電極38を駆動するのに使用される信号と混合する。ホモダイン又は同期式受信器の後には低域フィルタが続く。低域フィルタの出力は、検出されたインピーダンスに比例する信号であり、それは整流され、A/D変換器58に送信される。
【0037】
[0051]いくつかの実施形態では、増幅回路112及びフィルタ処理回路118は、ECGリード線の故障を検出する回路要素を含む。リード線故障検出回路は、電極駆動回路110を使用してAC試験信号を適用したことに応答して検出される信号(電圧又は電流)のレベルを測定することにより、ECGリード線と、他方のECG電極であってもよい参照との間のインピーダンスを測定する増幅器及び復調器を含んでもよい。故障検出回路はまた、選択された電極インピーダンスが予め定められた閾値をいつ上回るかを判断する閾値検出回路を含んでもよい。代表的なECG故障検出回路の説明については、例えば、米国特許第5,206,602号を参照のこと。
【0038】
[0052]A/D変換器58(図2A)は、駆動/信号処理回路52からフィルタ処理済み信号を受け取り、デジタル制御論理60に送信するための対応するデジタル信号を生成する。いくつかの実施形態では、A/D変換器58は、12ビット、多チャンネル、低周波数、且つ低電力の装置、例えば逐次近似装置又はシグマデルタ型装置であってもよい。A/D変換器58は、異なる比率で標本化されてもよい、複数のセンサから受け取った信号をデジタル化することができる。A/D変換器58は、全てのセンサから最大限の総合データ率でデジタル化することができるように選択される。例えば、いくつかの実施形態では、ECGデータは256サンプル/秒で、呼吸データは64サンプル/秒で、加速度は16サンプル/秒で標本化され、被検者温度、SpO2、及び心拍数は1サンプル/秒で標本化される。A/D変換器58は、複数のアナログチャンネルに接続された、デジタル化時に所与のデータチャンネルを選択するマルチプレクサを含んでもよい。いくつかの実施形態では、A/D変換器58は、アナログ信号のスナップショットを取り、それに対応するアナログ/デジタル変換が完了するまでその値を保持する、サンプルアンドホールド回路を含んでもよい。
【0039】
[0053]モード選択論理61は、デジタル制御論理60及び入力ピン31に接続される。モード選択論理61は、一組のモード選択入力ピン31の論理レベル構成に従ってデジタル制御論理60の動作モードを設定する。利用可能な動作モードとしては、以下に詳細に記載される、独立モード並びに受動型及び自己クロック式周辺機器モードが挙げられる。
【0040】
[0054]リアルタイムクロック62(図2A)は、リアルタイムデジタル報時信号を生成し、それはデジタル制御論理60に送信される。リアルタイムクロック62はまた、日付信号を生成してもよい。初期の実際の時間及び日付は、システム初期化中に、デジタル制御論理60によってリアルタイムクロック62に対して設定される。いくつかの実施形態では、リアルタイムクロック62は、24時間で0.01秒〜1秒、例えば約0.1秒の誤差に留まる。いくつかの実施形態では、リアルタイムクロック62は、デジタル制御論理60及び集積回路30の他の構成要素に同期クロック信号を供給する主要な集積回路同期クロックから、周期的なベースタイミング信号を受け取ってもよい。いくつかの実施形態では、リアルタイムクロック62は、タイミング共振器64から周期的なベースタイミング信号を受け取る。いくつかの実施形態では、タイミング共振器64は、32,768Hzの水晶などの外部水晶結晶板であってもよい。いくつかの実施形態では、タイミング共振器64は、回路30内に集積されたオンチップシリコン共振器であってもよい。集積MEMSシリコン共振器に関する情報については、Nguyen et al., "An Integrated CMOS Micromechanical ResonatorHigh-Q Oscillator," IEEE J. Solid State Circuits 34(4):440-455, April 1999、Nguyen, "TransceiverFront End Architectures using Vibrating Micromechanical SignalProcessors," Dig. of Papers, Topical Meeting on Silicon MonolithicIntegrated Circuits in RF Systems, Sept. 12-14 2001, p. 23-32、Nguyen et al.,"Micromachined Devices for Wireless Communications," Proc. IEEE86(8):1756-1768, Aug. 1998、及びNguyen, "Frequency-Selective MEMS for Miniaturized Low PowerCommunication Devices, IEEE Trans. Microwave Theory Tech. 47(8):1486-1503, Aug.1999を参照のこと。
【0041】
[0055]リアルタイムクロック62は、受け取ったベースタイミング信号をデジタル的に分割して、周波数1Hzのリアルタイムデジタル信号を生成する、ディバイダ構成要素(例えば、フリップフロップ、カウンタ)を含む。例えば、1Hzのリアルタイムクロック信号は、直列に接続された21個のフリップフロップを使用して、2.097152MHzの集積回路同期クロック信号を221=2.097152×106で割ることによって生成されてもよい。1Hzのチック信号はさらに、1つ又は複数のデジタルカウンタに入力されて、デジタル制御論理60に送信されるリアルタイムデジタルタイムスタンプが生成される。
【0042】
[0056]1Hzのチック信号は、信号処理回路52によって処理される対象のいくつかの生理学的周波数と同程度の大きさの周波数を有する。一連のフリップフロップディバイダによって生成された1Hzの倍数(例えば、2、4、8Hzなど)も、対象のいくつかの生理学的周波数と同程度であってもよい。好ましくは、信号処理回路52は、リアルタイムクロック62によって生成される漏れ又は雑音による影響をほぼ受けない。いくつかの実施形態では、信号処理回路52に対するリアルタイムクロック62の影響は、集積回路30の表面に沿ってリアルタイムクロック62と信号処理回路52の距離を物理的に離すことによって、例えば、リアルタイムクロックと信号処理回路52を集積回路30の対向する面に沿って、又は他の回路ユニットの対向する面上に置くことによって低減される。さらに、いくつかの実施形態では、低周波数リアルタイムクロックのチック信号は、直角のエッジではなく和らげられた(例えば、鈍角、台形)エッジを含んでもよい。いくつかの実施形態では、デカップリングオフチップキャパシタ、並びに別個の電源を使用して、信号処理回路52がリアルタイムクロック62からさらに分離されてもよい。
【0043】
[0057]シリアルインタフェース66は、デジタル制御論理60及びリアルタイムクロック62に接続される。シリアルインタフェース66により、集積回路30を外部コンピュータに二方向的に接続して、多数の初期化ステップを行い、及び/又は別の方法でデジタル制御論理60を構成することが可能になる。いくつかの実施形態では、シリアルインタフェース66はまた、デジタル制御論理60を外部マイクロコントローラ(例えば、図2Bに示されるマイクロコントローラ80)に接続するために使用されてもよい。
【0044】
[0058]音/光インジケータ42及びイベントアクチュエータ44は、デジタル制御論理60に接続される。デジタル制御論理60は、ユニット42の視覚及び/又は音響出力を制御し、記録のためにイベントアクチュエータ44からイベント信号を受け取る。視覚及び/又は音響インジケータ(例えば、LEDの点滅若しくは色の変化、スピーカーの発信音、音楽の再生、又は発話による指示の提供)は、電極の不適当な位置付けを示すエラー信号、或いはモニタリングされた生理学的パラメータが予め定められた範囲外にあることを示す警戒信号など、警報又はエラー信号を示すために設けられる。いくつかの実施形態では、音/光インジケータ42は、スピーカー及びスピーカーに接続された処理回路を含む。処理回路は、D/A変換器、低域フィルタ、及びデジタル制御論理60とスピーカーの間に順に接続された電力増幅器を含んでもよい。
【0045】
[0059]デジタル制御論理60はさらにデジタルメモリ32に接続される。いくつかの実施形態では、デジタルメモリ32は、オンチップで設けられ、回路30内に統合されてもよい。いくつかの実施形態では、デジタルメモリ32は、約24時間以上の期間にわたって対象のセンサデータを格納するのに十分な容量を有する、フラッシュメモリカードなどの不揮発性メモリを含む。例えば、1サンプル当たり2バイトで毎秒100サンプルのデータ率は、1日約17MBの格納要件に相当する。そのような用途では、32〜64MB程度の容量を有するメモリにより、数日間にわたってデータを格納することが可能になる。表1は、12ビットのA/D変換器及び1サンプル当たり2バイトを使用するシステムにおける、いくつかの標本抽出率及び合計格納期間に対する概算の格納要件(バイト単位)を列挙する。
【表1】
【0046】
[0060]電池34は、デジタルメモリ32、音/光インジケータ42、及び集積回路30に接続される。いくつかの実施形態では、電池34によって供給されるDC電圧は0.5V〜9V程度であってもよい。電池34によって供給される電圧よりも高いオンチップ電圧が求められる場合、電池34はオンチップチャージポンプ(電圧変換器)に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の電池が、デジタルメモリ32、音/光インジケータ42、及び集積回路30に接続されてもよい。
【0047】
[0061]図2Bは、本発明のいくつかの実施形態による、周辺機器動作モードに設定された集積回路30を含む生理学的モニタリングシステム20’の一部の図を示す。周辺機器動作モードは、ベッドサイド又は使い捨てではない装置用途に特に適している。周辺機器動作モードでは、デジタル制御論理60はマイクロコントローラ80に接続される。いくつかの実施形態では、マイクロコントローラ80は、基板上にはんだ付けされ、結合されたピンを介して集積回路30に接続される。いくつかの実施形態では、マイクロコントローラ80は、シリアルインタフェース66を介して、集積回路30の専用ポートを介して、又は別の方法では取外し可能なメモリカードを集積回路30に接続するのに使用されるメモリカードコネクタを介して、集積回路30に接続されてもよい。マイクロコントローラ80は、基板36(図1C)に沿って規定されるソケットに取り付けられてもよい。マイクロコントローラ80は、電源34’及びデジタルメモリ32’にさらに接続される。デジタルメモリ32’は、メモリカード、ハードディスクドライブ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び/又は他のタイプのデジタルメモリを含んでもよい。電源34’は、1つ又は複数の電池、並びに電力線AC電流によって駆動される電力変換器を含んでもよい。
【0048】
[0062]周辺機器モードでは、マイクロコントローラ80は、以下に詳細に記載される、別の方法ではデジタル制御論理60によって行われる多数の機能を扱う。いくつかの実施形態では、周辺機器モードは、デジタル制御論理60がほぼ非活動状態であって、マイクロコントローラ80が集積回路30の低次機能のほとんどを管理する受動的周辺機器モードと、デジタル制御論理60が以下に記載される多数の低次機能を行い、集合データパケットをさらなる処理のためにマイクロコントローラ80に転送するため、マイクロコントローラ80に対するハードウェア割り込みを生成する自己クロック式周辺機器モードとの、2つのサブモードを含んでもよい。独立モード(図2A)及び周辺機器モード(図2B)は、デジタル制御論理60の代表的な構成及び動作を考慮することによってより良く理解されてもよい。
【0049】
[0063]図4は、本発明のいくつかの実施形態によるデジタル制御論理60の図を示す。デジタル制御論理60は有限状態機械(FSM)である。図4の図は、デジタル制御論理60の機能性を実現する機能ブロックの代表的な構成を示す。デジタル制御論理60の内部機能ブロックは、本発明のいくつかの実施形態によるデジタル制御論理60の機能性の系統的な説明を容易にするために示されるものであり、必ずしもデジタル制御論理60内で求められる明確な構造的境界を示唆するものではない。技術者は、電子自動設計(EDA)ソフトウェアによって生成された構造に合成し実装することができる、デジタル制御論理60のハードウェア記述言語(例えばVerilog、VHDL)の記述を生成してもよい。そのようなEDAソフトウェアは、図4の代表的な構成以外の方法でデジタル制御論理60の機能性を分割してもよい。
【0050】
[0064]以下に記載されるデジタル制御論理60の機能ブロックは、モード選択論理61(図2A)に接続され、それに応答する。以下の記載は、独立モードにおけるデジタル制御論理60の動作に焦点を当てる。周辺機器モードでは、モード選択論理61は、以下に記載されるデジタル制御論理60の機能ブロックの少なくともいくつかを使用不能にし、またそこで迂回する。明瞭にするため、データ獲得に関する以下の記載はA/D変換器58(図2A)から受け取られるデータに焦点を当てるが、追加のデータがデジタルセンサ46(図2A)から受け取られてもよい。
【0051】
[0065]デジタル制御論理60は、獲得制御論理120、初期化論理122、条件検出論理124、パケット組立て及びタイムスタンピング論理126(簡潔にするため、以下、パケット組立て論理126と呼ぶ)、音声/映像出力制御論理130、デバウンス及びスイッチインタフェース回路要素132、並びにデジタルメモリインタフェース134を含む。いくつかの実施形態では、デジタル制御論理60はハードワイヤード論理によって形成される。いくつかの実施形態では、デジタル制御論理60は、駆動/信号処理回路52(図2A)のハードワイヤード論理を含む、集積回路30の他の構成要素と共通の基板上に統合された、マイクロコントローラコアを含んでもよい。
【0052】
[0066]デジタルメモリインタフェース134は、デジタル制御論理60をデジタルメモリ32(図2A)に接続する。デジタルメモリインタフェース134は、タイムスタンプ付き生理学的データパケットをパケット組立て論理126から受け取り、データパケットをデジタルメモリ32に格納するよう指令する。デジタルメモリインタフェース134は、格納前に各パケットに対してフォーマッティング/ファイルシステム情報を付加してもよい。フォーマッティング情報は、デジタルメモリ32にデータを格納するのに使用されるファイルシステムに応じて変わってもよい。いくつかの実施形態では、FAT16又はFAT32フォーマットなどのパーソナルコンピュータ及びDOS互換フォーマットが使用される。デジタルメモリインタフェース134は、格納される各パケットに対してデジタルメモリアドレスを選択する。いくつかの実施形態では、アドレスの選択は、本発明又は別のモニタリングユニットによって取外し可能なメモリに既に書き込まれているデータの上書きを防ぐことを含むので、取外し可能なメモリは、データの事実上の損失を引き起こすことなく、取り外され、1つ又は複数のモニタリングユニットに再び着脱することができる。デジタルメモリインタフェース134は、最後に書き込まれたデータのアドレスを決定し、有効にフォーマットされたファイルを維持しながら、その最後に書き込まれたデータの後に続くデータの付加を開始する。いくつかの実施形態では、デジタルメモリインタフェース134は、単一の取外し可能なデジタルメモリのフォーマットに対応してもよい。いくつかの実施形態では、デジタルメモリインタフェース134は、多数の取外し可能なデジタルメモリのフォーマットに対応してもよく、使用されるメモリフォーマットを選択するため、ピン設定可能なフォーマット選択論理を含んでもよい。
【0053】
[0067]初期化論理122は、シリアルインタフェース66(図2A)、リアルタイムクロック62、駆動/信号処理回路52、A/D変換器58、及び以下に記載されるデジタル制御論理60の多数の機能ブロックに接続される。特に、初期化論理122は、生理学的モニタリングシステム20が被検者データを獲得及び/又は格納できるようになる前に、シリアルインタフェース66を介して初期化コンソールに接続することができる。
【0054】
[0068]図6Aは、汎用コンピュータ上で稼動するソフトウェアを使用して実現されてもよい、代表的な初期化及び分析コンソール260を示す。いくつかの実施形態では、コンソール260は、生理学的モニタ24の初期化中に生理学的モニタ24に接続される。いくつかの実施形態では、コンソール260は、生理学的モニタ24の残りの部分がコンソール260に接続されていない状態で、認証データをデジタルメモリ32にロードし、生理学的モニタ24はその後、認証データをデジタルメモリ32から取得することによって初期化される。いくつかの実施形態では、コンソール260はまた、記録セッションが終了し、デジタルメモリ32からのデータがコンソール260にダウンロードされた後に、生理学的データ表示262を生成するのに使用される。いくつかの実施形態では、コンソール260は内科医の診察室又は他の医療施設に提供される。コンソール260はまた、外部認証サーバ264に接続することができる。
【0055】
[0069]図6Bは、本発明のいくつかの実施形態による初期化コンソール260の代表的な構造を示す。デジタルメモリ/生理学的モニタアクセスユニット270は、生理学的モニタ24及び/又はデジタルメモリ32との通信を制御して、生理学的モニタ24の初期化及び後に続く生理学的データのダウンロードを行う。いくつかの実施形態では、以下に記載される初期化ステップ及び生理学的データのダウンロードステップは、生理学的モニタ24の残りの部分を除いてデジタルメモリ32のみが初期化コンソール260に接続された状態で行われる。したがって、アクセスユニット270は、デジタルメモリ32へのアクセスを可能にするソフトウェア及び/又は取外し可能なデジタルメモリの読取り機を含んでもよい。いくつかの実施形態では、記載される初期化及び/又はダウンロードステップは、集積回路30及び/又はマイクロコントローラ80(図2A〜2B)が初期化コンソール260に接続された状態で行われてもよい。したがって、アクセスユニット270は、生理学的モニタ24に接続するためのソフトウェア及び/又はコネクタを含んでもよい。
【0056】
[0070]サーバ認証及び/又は支払い確認ユニット272は、安全な広域ネットワーク(例えば、インターネット)又は電話接続などの通信リンクを介して、初期化コンソール260を外部認証サーバ264(図6A)に接続する。支払い確認ユニット272は、認証サーバ264に、一組の生理学的モニタリング使用について、支払いデータ(例えば、クレジットカード若しくはデビットカードの番号、又は別の支払い指示)、生理学的モニタ識別データ(例えば、対応する使用可能にされていない生理学的モニタを一意に識別する1つ若しくは複数のシリアル番号)、及びユーザ識別データ(例えば、ユーザ名)を提示する。いくつかの実施形態では、支払人は被検者であってもよく、他の実施形態では、支払人は被検者とは異なる人又は団体であってもよい。一組の支払い済みの使用は、生理学的モニタ24が対応している一組のモニタリング使用全体、又は対応しているモニタリング使用の部分集合を含んでもよい。ユーザが認証されていることを確認すると、例えば、支払人が生理学的モニタリングシステム20の一組の使用に対してクレジット/デビットカードでの支払いを提示している場合、認証サーバ264は、生理学的モニタ24の一組の認証及び/又は他の初期化データを初期化コンソール260に送信する。
【0057】
[0071]いくつかの実施形態では、認証データは、装置特有の認証コード、並びに他の被検者及びセッション特有の認証データを含む。いくつかの実施形態では、以下に記載されるように、生理学的モニタ24をユーザ操作可能にして、生理学的モニタリングデータを収集するため、一意の装置特有の認証コードが求められる。認証コードは、認証済み生理学的モニタに由来するものとして格納データを識別する。認証データは、監査証跡の作成を容易にするため、個々の生理学的モニタ、被検者、及び支払い認証へ逆に追跡可能であってもよい。初期化コンソール260又は外部サーバ(例えば、認証サーバ264)は、様々な被検者及びセッションに属し、一意の認証データによって識別される大量の被検者データをプールしてもよい。いくつかの実施形態では、デジタルメモリ32に格納されたデータが認証されていない人によってアクセスされた場合であっても、被検者のプライバシーを保護し、機密性を維持するため、認証データと被検者の識別(例えば、名前)との一致は、安全な中央サーバ上で、例えば医療従事者の診察室内で遠隔で維持される。
【0058】
[0072]いくつかの実施形態では、認証データは、被検者が支払いを行った使用、及び/又は被検者の病状に関連する使用であってもよい、認証済みの使用の部分集合(例えば、使用可能にされたセンサの部分集合)を識別する。例えば、ECG測定は、不整脈がある心臓病患者、鬱血性心不全を患っている患者の流体負荷インピーダンス測定、呼吸モニタリングが望ましい患者の呼吸インピーダンス測定、及びカロリー消費がモニタリングされるべき、又は意識喪失の危険性がある患者のための加速度計に対して使用可能にされてもよい。所望の用途に応じて、多数のセンサの組み合わせ又は部分集合が用いられてもよい。
【0059】
[0073]生理学的モニタ認証/構成ユニット274は、一組の認証及び/又は構成データをデジタルメモリ32に送信する。送信された認証及び構成データは、認証コード、生理学的モニタ及び/又は被検者のID、暗号化鍵識別子(暗号化鍵自体、又は暗号化鍵を取得若しくは生成するのに使用されてもよい他の識別データ)、ファームウェア、生理学的モニタ24の多数の構成要素に対する構成設定、初期の実際の日付及び時間、音声/映像プロンプト、注意喚起(reminder)及び警報、並びに他のデータを含んでもよい。送信された認証及び構成データは、初期化論理122(図4)を参照して詳細に以下に記載される。いくつかの実施形態では、送信された認証及び/又は構成データの少なくとも一部は認証サーバ264から受け取られてもよく、少なくとも一部は認証/構成ユニット274によって生成されてもよい。
【0060】
[0074]生理学的モニタ24がある期間にわたって被検体の生理学的モニタリングデータを記録するために使用された後、デジタルメモリ32はコンソール260に再接続され、記録されたデータはコンソール260にダウンロードされる。復号ユニット276(図6B)は、アクセスユニット270から、生理学的モニタ24によって記録された暗号化済み生理学的モニタリングデータを受け取り、記録セッションと関連付けられた復号鍵を使用してデータを復号する。復号済みデータは、データ分析/視覚化ユニット278に送信され、それが表示262(図6A)などの生理学的データ表示を生成する。いくつかの実施形態では、データ分析/視覚化ユニット278は、受信した生理学的データが、データ分析/視覚化の前に認証済み生理学的モニタを使用して記録されたことを確認する。確認プロセスは、認証コード、生理学的モニタID、及び/又は被検者IDが認証されていることを確認することを含んでもよい。確認プロセスは、認証サーバ264に接続することを含んでもよい。
【0061】
[0075]生理学的モニタ側では、初期化論理122(図4)は、コンソール260若しくはデジタルメモリ32から初期化コマンド及び/又は初期化データを受け取り、生理学的測定を行う前に、初期化コマンド及び/又はデータに応答して初期化シーケンスを指令する。いくつかの実施形態では、盗用を防ぐため、デジタル制御論理60は、初期化シーケンスの前は生理学的モニタリングデータを収集するようにユーザ操作可能ではない。いくつかの実施形態では、初期化ステップは、自己試験及び校正シーケンスを実施し、デバイス認証シーケンスを実施し、ファームウェアをダウンロードしてマイクロコントローラ80を構成し、動作パラメータを設定して、信号処理回路52、デジタル制御論理60、及びリアルタイムクロック62を使用可能にし、及び/又はそれを構成し、並びに、必要であれば初期の構成データをデジタルメモリ32に書き込むことを含む。
【0062】
[0076]いくつかの実施形態では、初期化論理122は、電池34の電圧をチェックし、デジタルメモリ32がデータを受け入れる能力を試験し(例えば、デジタルメモリ32が十分であるか、且つ機能しているかをチェックする)、センサ50a〜bに対して試験測定及び/又は故障検出ステップを行うことによってセンサ機能をチェックし、並びに、試験結果を集積回路30内若しくはデジタルメモリ32内に格納することを含む、診断自己試験シーケンスを行う。初期化論理122は、センサ50a〜bを使用して校正データを獲得し、校正計数を、メモリ内、集積回路30内、又はデジタルメモリ32内に格納することを含む校正シーケンスを行う。校正係数は、生理学的モニタリングシステム20が被検者に接続されていない状態で行われたセンサ測定から生成されたデータを含む。
【0063】
[0077]いくつかの実施形態では、初期化論理122は、特定の使用に対して生理学的モニタリングシステム20を認証する装置認証シーケンスを行う。装置認証シーケンスは、初期化コンソール260又はデジタルメモリ32から、認証コードと、記録された生理学的データと関連付けられる他の認証データとを取得し、必要があれば、認証コード及び他の認証データをデジタルメモリ32内及び/又はデジタル制御論理60内に格納することを含む。上述したように、いくつかの実施形態では、初期化コンソール260は、デジタルメモリ32が生理学的モニタ24から取り外された状態で、デジタルメモリ32に認証及び/又は構成データを事前ロードし、そのような実施形態では、初期化論理122は認証データをデジタルメモリ32から取得する。いくつかの実施形態では、認証データは、初期化論理122によって初期化コンソール260から直接取得されてもよい。
【0064】
[0078]いくつかの実施形態では、初期化論理122は、予め定められた生理学的モニタ特有の認証コードを受け取った場合のみ、生理学的モニタ24を、生理学的データを記録するように操作可能にする。特に、いくつかの実施形態では、初期化論理122のプログラム可能な論理アレイを形成する部分の一部は、装置特有の認証コードのみに応答する認証コード検出論理を含み、正しい認証コードを受け取った場合に生理学的モニタ24の起動を許可するように、製造時にプログラミングされる。
【0065】
[0079]いくつかの実施形態では、認証データは、パケット組立て論理126によって使用される暗号化鍵を含むか、別の方法で識別して、デジタルメモリ32に格納する前に生理学的データを暗号化してもよい。いくつかの実施形態では、認証データは、デジタルメモリ32に格納された生理学的データを復号するのに適した復号鍵を識別する。そのような復号鍵識別は、記録セッションが終了した後の分析のため、デジタルメモリ32に格納された生理学的データとともに、生理学的データ分析ソフトウェアに提供されてもよい。
【0066】
[0080]いくつかの実施形態では、ユーザが認証されたことが判断された場合、初期化論理122はデジタルメモリ32又は初期化コンソール260から、マイクロコントローラ80(図2B)用のファームウェア、デジタル制御論理60の構成設定、並びにフィルタ係数、トポロジー、及び/又は、フィルタ処理回路118がDSP回路要素を含む場合はフィルタ処理回路118のための状態機械命令を取得する。特に、マイクロコントローラ80、デジタル制御論理60、及びフィルタ処理回路118は、試験モードのときのみ動作可能であるか、又は製造時は動作不能であってもよく、初期化の際に生理学的モニタリング動作を行うためにのみ使用可能にされる。デジタル制御論理60は、システム初期化中にのみプログラミングされるブランクの(再)プログラム可能な論理アレイを含んでもよい。例えば、デジタル制御論理60のいくつかの論理機能は、EEPROM又はフラッシュメモリを使用して実現されてもよい。いくつかの実施形態では、獲得制御論理120、条件検出論理124、及びパケット組立て/タイムスタンピング論理126(図4)の部分は全て、(再)プログラム可能な論理アレイの部分を含んでもよい。マイクロコントローラ80及び集積回路30は、初期化コンソールによる認証の際にのみ生理学的データを獲得することができるようになるので、ファームウェアのダウンロード及びデジタル制御論理、並びにフィルタ処理回路要素のプログラミングは、付加的な盗用保護をもたらす。デジタル制御論理60の部分のプログラミングを可能にすることにより、将来の設計変更も容易になる。
【0067】
[0081]初期化論理122は、初期の時間/日付設定を初期化コンソール260から受け取り、受け取った初期の時間/日付設定を使用して、リアルタイムクロック62(図2A)に対して現在の時間/日付を設定する。信号処理回路52及びデジタル制御論理60の構成パラメータの設定は、標本抽出率を設定し、動作機構を使用可能にすることを含んでもよい。動作機構を使用可能にすることは、使用可能にされたセンサの組を規定すること、及び/又は信号処理回路52及びデジタル制御論理60によって行われる動作(例えば、インピーダンス感知動作)を感知することを含んでもよい。使用可能にされたセンサの組は、どのセンサタイプ又は部分集合が(例えば、どのECGリード線若しくは他のセンサタイプが)認証済みの使用に対して使用可能にされるかを特定してもよい。様々な動作機構及び/又は標本抽出率が、様々な用途に対して使用可能にされるか、又は設定されてもよく、例えば、一流のスポーツ選手のトレーニングをモニタリングする場合には、高齢の患者の日常的なモニタリング又は獣医学的使用の場合よりも高い標本抽出率が使用されてもよい。フィルタ処理回路118(図3A)がデジタル信号処理(DSP)回路要素を含む場合、信号処理回路52の構成パラメータの設定は、フィルタ係数、トポロジー、及び/又は状態機械命令をプログラミングして、初期化の際に信号処理回路52をカスタマイズし、操作可能にすることを含んでもよい。
【0068】
[0082]デジタルメモリ32に書き込まれる初期の構成データは、上述の認証コード、並びに生理学的モニタ及び/又は被検者のIDを含んでもよい。いくつかの実施形態では、デジタルメモリ32に書き込まれる初期の構成データは、信号処理回路52及びデジタル制御論理60の構成パラメータ(例えば、使用可能にされた動作機構、標本抽出率)を含む。デジタルメモリ32に書き込まれる初期の構成データは、さらに、ユーザに対して再生されるカスタマイズされた音声/映像警報、プロンプト、及び注意喚起、並びに格納された音声/映像データの構成設定を含んでもよい。音声プロンプトは、薬剤を摂取するようにという、また、デジタルメモリ32が一杯になったとき若しくはプログラミングされた記録セッションが終わったときにモニタリングユニット20及び/又はデジタルメモリ32を取り外すようにという発話による注意喚起、並びに、センサの故障又は生理学的パラメータ条件の指示(例えば、測定された心拍数が高いことの警告、若しくは目的の運動心拍数を満たしていると褒めること)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、音声プロンプトは、被検者、家族、医療専門家(例えば、被検者の主治医若しくは被検者を良く知っている看護師)、公的人格(例えば、俳優若しくはプロスポーツ選手)、有名人の真似、又は漫画のキャラクターの声など、声を使用して記録される。いくつかの実施形態では、プログラミングされた発話データは、ユーザの識別と、センサの部分集合又は用途に適応された多数の発話メッセージとの両方を用いて個別化されたデータを含む。例えば、ユーザの名前がボブの場合、またボブの生理学的モニタが一組のECGリード線を使用する場合、プログラミングされた発話データは、「ボブ、リード線が外れていますよ!(Bob, a lead has fallen off!)」などの語句を含んでもよい。音声プロンプトはまた、音楽及び/又は音響効果を含んでもよい。いくつかの実施形態では、格納された音声/映像データのための構成設定は、予め定められた時間(例えば、慣習的な睡眠時間の間)は音声出力量をより弱くする、又は耳が遠い患者に対してはより強くする、音声量構成データを含む。
【0069】
[0083]獲得制御論理120は、処理されるアナログ信号及びそれらの標本抽出率を規定するパラメータを含む、多数の構成パラメータに従って、A/D変換器58及び信号処理回路52(図2A)の動作を制御する論理を含む。信号処理回路52がアナログ回路要素を使用する実施形態では、獲得制御論理120は、主にA/D変換器58のタイミングを扱う。特に、獲得制御論理120は、A/D変換器58のマルチプレクサに選択信号を送って、複数のアナログ信号のどれがデジタル化されるべきであるかを決定する。A/D変換器58がサンプルアンドホールド回路を含む場合、獲得制御論理120は、ホールドパルスを送って、又はホールド論理レベルを設定して、サンプルアンドホールド回路に所与のアナログ信号を保持するように指令する。獲得制御論理120は更に、デジタル化コマンドをA/D変換器58に送って、A/D変換器58に所与の信号チャンネルからのデータをデジタル化するように指令する。例えば、A/D変換器58が逐次近似装置の場合、獲得制御論理120は、デジタル化開始信号をA/D変換器58に送って、サンプルのデジタル化を始めてもよい。いくつかの実施形態では、サンプルは、そのデジタル化を開始した後、予め定められた数の同期クロックサイクルに追随する準備ができているものと見なされる。いくつかの実施形態では、サンプルは、サンプルレディ信号がA/D変換器58から受け取られたとき、準備ができているものと見なされる。
【0070】
[0084]信号処理回路52がスイッチキャパシタ信号処理を使用する実施形態では、獲得制御論理120はさらに、1つ又は複数のクロック信号を信号処理回路52のフィルタ素子に供給してもよい。獲得制御論理120の信号処理回路52内のハードワイヤード論理は、所望のスイッチング頻度を信号処理回路52のフィルタ素子に供給するのに使用されてもよい。
【0071】
[0085]信号処理回路52がデジタル信号処理を使用する実施形態では、獲得制御論理120はさらに、連続的なサンプルストリームを異なるフィルタチャンネルへと経路を定め、フィルタ係数及び結果として得られる中間データをロードし、及び/又は再循環させ、また、標準的なECGリード線信号の代数的組み合わせを行うことにより、拡張ECGリード線データを導出するなど、リード線間の計算を実施するのに使用されてもよい。
【0072】
[0086]条件検出論理124は、A/D変換器58、信号処理回路52、及びリアルタイムクロック62から信号を受け取り、予め定められた生理学的状態、リアルタイム条件、及び/又はセンサの故障若しくは他の条件が起こったかを検出する。条件検出論理124はまた、電極駆動回路110(図3A)を制御して、AC故障検出信号を選択されたECG電極に適用するのに使用されてもよい。ECGリード線故障検出ステップは、ECG電極を被検者上に最初に置いた後に、且つその後の周期的間隔において行われてもよい。いくつかの実施形態では、条件検出論理124は、選択されたECGリード線と参照(例えば、別のECGリード線)との間の測定されたインピーダンスが予め定められた閾値を超えるか否かを判断する。いくつかの実施形態では、条件検出論理124は、A/D変換器58から受け取った生理学的データ(例えば、測定された被検者温度若しくは心拍数、測定されたイオン化放射線レベル、加速度計データから派生した推定カロリー消費)が予め定められた範囲外にあるか否か、或いはそうでなければ予め定められた条件を満たすか否かを判断する。いくつかの実施形態では、条件検出論理124は、現在のリアルタイム及び測定された周囲光レベルが予め定められた条件を満たすか否か(例えば、予め定められた値を有するか、予め定められた値よりも低い若しくは高いか)を判断する。条件検出論理124は、故障又は他の条件タイプの指標を含んでもよい条件指標を、音声/映像出力制御論理130及びパケット組立て論理126に送る。例えば、練習期間中の推定カロリー消費が300カロリーを超えたとき、条件検出論理124は、被検者を激励するため、対応する条件指標を出力制御論理130に送ってもよい。リアルタイムが十分に遅く、及び/又は検出された周囲光レベルが十分に低いとき、条件検出論理124は、音声指標の音量を下げるか消音するため、静音指標を出力制御論理130に送ってもよい。ECGデータについては、センサの故障は、1つ又は複数のECGリード線が外れてしまっていること、或いは適切に接続されていないことの指標を含んでもよい。故障指標は、音声及び/又は映像の警告をユーザに対して生成するため、音声/映像出力制御論理130によって使用されてもよい。条件指標は、以下に記載されるように、対応するデータパケットに条件検出フラグを含めるため、パケット組立て論理126によって使用されてもよい。
【0073】
[0087]パケット組立て論理126は、様々な生理学的データタイプに対応するデータストリームをA/D変換器58及びデジタルセンサ46から受け取り、リアルタイム指標をリアルタイムクロック62(図2A)から受け取る。データストリームは様々な比率で受け取られる。パケット組立て論理126は、メモリインタフェース134に送信し、デジタルメモリ32(図2A)に格納するため、受け取ったデータをフォーマット済みパケットに組み立てる。パケット組立て論理126は、メモリインタフェース134に送信する前に、組み立てられたデータを格納する1つ又は複数のバッファを含む。メモリインタフェース134に送られた各パケットは、一組の対象の生理学的データ、一組のデータタイプ、関連するタイムスタンプ、及び故障検出フラグを含む。
【0074】
[0088]いくつかの実施形態では、パケットは、一定間隔で、例えば毎秒1パケットでデジタルメモリ32に格納される。パケットは、異なる比率で標本化された様々なタイプの生理学的データを含んでもよい。例えば、毎秒ごとに格納された代表的なパケットは、512個のECGサンプル(2本のリード線について毎秒256サンプル)、64個の呼吸インピーダンスサンプル、48個の加速度サンプル(3軸それぞれが16個)、及び1つ若しくは2つのSpO2サンプルなどの他のサンプル、イベントマーカー、及び光、音響、イオン化放射線、並びに関節角度ゴニオメータサンプルを含んでもよい。ECGサンプルは12ビットのサンプルであってもよく、他のサンプルは8ビットのサンプルであってもよい。タイムスタンプ及びフォーマッティングデータとともに、そのような代表的なパケットは1000バイト程度を含んでもよい。
【0075】
[0089]図5は、本発明のいくつかの実施形態による代表的な生理学的データパケット200のコンテンツを示す。パケット200は、フォーマッティングフィールド202、タイムスタンプフィールド206、複数のECGデータサンプル216を含むECGデータフィールド212、他の生理学的データフィールド220、224、230、232、並びにイベントマーキング及び故障検出フィールド234を含む。
【0076】
[0090]いくつかの実施形態では、格納されたパケットはそれぞれ、パケット内にリアルタイム指標を含めることによってタイムスタンプが付けられる。いくつかの実施形態では、パケットの少なくともいくつかは格納されたタイムスタンプを含む必要はなく、より正確に言えば、各パケットの時間は、タイムスタンプ付きパケットに対するその規則正しい位置から抽出することができる。例えば、最初のパケットに初期のリアルタイムのタイムスタンプが付けられ、毎秒1つのパケットが格納される場合、最初のパケットに続く10番目のパケットは、初期のリアルタイムの10秒後のリアルタイムと関連付けることができる。いくつかの実施形態では、タイムスタンプは、イベントアクチュエータ44(図2A)を使用して報知された外部イベントの指標を含む任意のパケットに挿入される。いくつかの実施形態では、外部イベントマーカーなどの非同期イベントは、明示的なタイムスタンプではなく挿入されたフラグによってマークされる。いくつかの実施形態では、タイムスタンプはパケットシーケンス内で周期的に挿入される。いくつかの実施形態では、タイムスタンプは、記録が停止又は終了したときは常に最終パケットに、また、記録が開始又は再開されたときは常に最初のパケットに挿入される。
【0077】
[0091]いくつかの実施形態では、パケット組立て論理126又はメモリインタフェース134は、デジタルメモリ32に格納する前に生理学的モニタリングデータを暗号化する暗号化論理を含んでもよい。暗号化論理は、対称鍵暗号(例えば、RC4、AES)、又は公開鍵暗号(例えば、RSA)などの暗号を実現してもよい。
【0078】
[0092]音声/映像出力制御論理130は、条件検出論理124及びデジタルメモリ32から受け取ったトリガ信号に応答して、且つリアルタイムクロック62から受け取ったリアルタイムデータに応答して、光/音インジケータ42(図2A)の駆動信号を生成する。いくつかの実施形態では、A/V出力制御論理130は、デジタルメモリ32に格納された音声(例えば、発話)データをデコードすることができる音声デコード論理を含む。発話データは、システムのリアルタイムクロックの設定などのステップを含んでもよいシステムの初期化中に、デジタルメモリ32内にプログラミングされてもよい。いくつかの実施形態では、A/V出力制御論理130は、局所的に格納された時間参照値をリアルタイムクロック62から受け取ったリアルタイムデータと比較し、事前設定された比較条件(例えば、N分若しくは時間ごとに、又は予め設定された時間/日にちで)を満たしたとき、駆動信号を生成するように構成された論理を含む。A/V出力制御論理130は、デコードされたデジタル信号を、集積回路30又は光/音インジケータ42の一部として設けられてもよいデジタル/アナログ変換器(DAC)に送る。
【0079】
[0093]A/V出力制御論理130によって生成される駆動信号は、光/音インジケータ42を駆動して、LEDを点滅させるかLED表示の色を変える、発信音を生成する、音楽を再生する、又はデジタル化若しくは合成された声によるプロンプトを再生する信号を含んでもよい。駆動信号を生成するのに使用されるデータは、集積回路30内でハードコード化されたデータ、及び/又はデジタルメモリ32に格納されたデータを含んでもよい。いくつかの実施形態では、A/V出力制御論理130は、デジタルメモリ32内のデジタル発話フラグの値をチェックする。フラグが使用可能値に設定されている場合、A/V出力制御論理130は、光/音インジケータ42に送信するため発話を取得する。デジタル発話フラグはシステム初期化中に設定される。
【0080】
[0094]デバウンス及びスイッチインタフェース回路要素132は、外部のアナログイベント信号をイベントアクチュエータ44(図2A〜2B)から受け取り、明瞭なデジタルイベントマーカー信号を生成する。イベントマーカー信号は、関連するパケットの形に組み立てるため、パケット組立て論理126に送信される。いくつかの実施形態では、デバウンス及びスイッチインタフェース回路要素132はデジタル制御論理60の外部にあってもよい。
【0081】
[0095]集積回路30が独立モードで構成された場合、上述のデジタル制御論理60の様々な部分は活動状態である。集積回路30が周辺機器モードで構成された場合、デジタル制御論理60の部分の少なくとも一部は迂回されるか、使用不能にされる。自己クロック式周辺機器モードでは、パケット組立て論理126は、組み立てられたデータパケットの準備ができているとき、マイクロコントローラ80に対するハードウェア割り込みを生成する。自己クロック式周辺機器モードでは、デジタル制御論理60は、さらなる処理及び/又は格納のため、デジタルメモリ32に直接ではなくマイクロコントローラ80にデータを転送する。マイクロコントローラ80は、組み立てられたデータパケットを受け取り、データに対してさらなる処理を行い、結果として得られるデータをデジタルメモリに格納する。受動的周辺機器モードでは、マイクロコントローラ80(図2B)はデジタル制御論理60に対して上述の機能を行い、デジタル制御論理60は基本的に使用不能にされるか、迂回される。例えば、受動的周辺機器モードでは、マイクロコントローラ80は、同期タイミング信号をリアルタイムクロック62に供給し、デジタル化された発話データを光/音インジケータ42に供給し、A/D変換器58のタイミングを制御し、インピーダンス測定及び故障検出に使用される信号を生成するように駆動/信号処理回路52を制御してもよい。
【0082】
[0096]いくつかの実施形態では、上述のような初期化シーケンスは集積回路30の動作モードに従って行われる。集積回路30が独立モードで構成された場合、いくつかの実施形態では、初期化シーケンスはマイクロコントローラ80のためのファームウェアをダウンロードすることを含まなくてもよい。集積回路30が受動的周辺機器モードで構成された場合、初期化シーケンスはデジタル制御論理60を構成することを含まなくてもよい。集積回路30が自己クロック式周辺機器モードで構成された場合、初期化シーケンスは、マイクロコントローラ80のためのファームウェアをダウンロードすることと、デジタル制御論理60内のプログラム可能な論理アレイをプログラミングすることの両方を含んでもよい。
【0083】
[0097]いくつかの実施形態では、集積回路30が周辺機器モードで構成された場合、上述のような初期化シーケンスは、初期化論理122(図4)が非活動状態のままである間に、マイクロコントローラ80と初期化コンソール260(図6)の間の通信に従って行われてもよい。マイクロコントローラ80は、回路プログラムモードにされた初期化コンソール260に接続されてもよく、マイクロコントローラ80のための動作ファームウェア全体は、内部メモリ又はデジタルメモリ32にダウンロードされてもよい。初期化の前は、ファームウェアの盗用をより困難にするため、マイクロコントローラ80はブランクであってもよい。初期のプログラミングの後、マイクロコントローラ80は、ファームウェアに対する変更を無効にした状態で、使用可能にされたセンサの組、標本抽出率、リアルタイム、暗号化鍵、認証コード、被検者/装置ID、音声/音によるプロンプト、及びデジタルメモリ32又はマイクロコントローラ80に格納された他のカスタマイズデータなどの、生理学的モニタ構成パラメータに対する変更を可能にしてもよい。
【0084】
[0098]いくつかの実施形態では、上述のような初期化/構成シーケンスは、マイクロコントローラを含む生理学的モニタ内で使用され、個別の構成要素を接続してもよい。そのような初期化シーケンスは、デジタル制御論理及び上述のような他の構成要素を含まない生理学的モニタに使用されてもよい。
【0085】
[0099]図7は、本発明のいくつかの実施形態による、短距離無線接続を介して着用可能な生理学的モニタ524に接続された着用可能な表示装置90を含む、着用可能な生理学的モニタシステム520を示す。表示装置90は、被検者によって手首に着用されてもよく、リアルタイムを表示することができる時計の一部を含むか、形成してもよい。短距離無線接続は、10メートルの距離にわたる接続を可能にする、クラス2(2.5mW)のブルートゥース規格などの標準規格を使用して実現されてもよい。或いは、コスト又は望ましくないRF放射線を最小限に抑えるため、有線接続が使用されてもよい。
【0086】
[0100]図8は、本発明のいくつかの実施形態による生理学的モニタ524の図である。生理学的モニタ524は、オフチップ無線インタフェース568に接続された集積回路530を含む。無線インタフェース568は、インタフェース568を表示装置90に結合するのに使用される、無線アンテナに接続されるか、又はそれを含んでもよい。無線インタフェース568はデジタル制御論理560に接続される。デジタル制御論理560は、表示装置90に送信するために生理学的データパケットを組み立てる無線パケット組立て論理を含んでもよい。表示データは、デジタルメモリ32に格納されたセンサデータタイプの部分集合を含んでもよく、デジタルメモリ32に格納されたデータパケットよりも高い又は低い頻度の時間間隔で無線インタフェース568に送られてもよい。
【0087】
[0101]図9は、本発明のいくつかの実施形態による、記録されたリアルタイムの時間依存性生理学的データを示す代表的な表示装置90を示す。表示装置90は、ユーザに対して、特に、心拍数表示304、現在の被検体の体温表示308、及び現在の被検者の血液酸素濃度310を含む、生理学的モニタ524(図7)によって決定されたいくつかの生理学的パラメータの指示を提示する。表示装置90はまた、リアルタイム指標312及び現在の日付指標316を提示する。いくつかの実施形態では、表示装置90は、数秒間に及ぶ現在のECG波形、又は1時間にわたって1分間に一度サンプリングされた心拍数プロットなど、時間依存性の信号波形又は傾向を受け取り、表示してもよい。
【0088】
[0102]1つの態様によれば、上述の好ましいシステム及び方法により、コンパクト、低コスト、且つ着用可能なマルチパラメータ生理学的モニタを生産することが可能になる。そのようなモニタは、生理学的センサ、処理集積回路、及びセンサ配線を封入する使い捨てパッチを含んでもよい。信号処理回路要素、リアルタイムクロック、A/D変換器、I/Oポート、デジタルメモリインタフェース、及びデジタル制御論理は、単一の集積回路に統合され、それは、信号整形、タイムスタンピング、多重データ率ストリーム処理、及びフラッシュメモリカードなどの取外し可能なデジタルメモリに格納するためのデータパケット組立てを提供する。プログラム可能なマイクロコントローラ及び個別のフロントエンド回路要素ではなく、統合された専用信号整形回路群及びデジタル制御論理を含む特定用途向け集積回路(ASIC)を使用することにより、容易に使い捨てにすることができる、コンパクトで電力効率の良い生理学的モニタリングパッチを生産することが可能になる。データを取外し可能なデジタルメモリに格納することにより、さらに、比較的複雑で消費電力の多い無線送信回路要素を必要とせずに装置を可搬型にすることができる、単純化された集積回路設計が可能になる。デジタルメモリは複数の生理学的モニタリングパッチに再使用されてもよく、着用可能なパッチ並びにそれに組み込まれたセンサ及びASICは、一定間隔で、例えば24時間ごとに廃棄されてもよい。
【0089】
[0103]1つの態様によれば、同じ生理学的モニタ及び組み込まれた集積回路設計が、生理学的モニタの製造時にそれぞれ選択されてもよい複数のモードで使用されてもよい。独立モードでは、生理学的モニタのデジタル制御論理は、タイムスタンピング及びパケット組立てを行い、データをデジタルメモリに格納する。独立モードは、可搬性、廃棄性、及び低コスト性が主要な関心事である用途に特に適している。一連の周辺機器モードでは、モニタのデジタル制御論理は、被検者上に取り付けられるかその付近(例えば、ベッドサイドのより大型のユニット内)に配置されてもよい、マイクロコントローラと併せて使用される。プログラム可能なマイクロコントローラを使用することにより、行われるデータ処理をより柔軟にすることができるが、モニタリングシステムの可搬性は低減され、コストは増加する。周辺機器モードは、より安定した環境、例えば病院内のベッドサイドでの使用に特に適している。受動的周辺機器モードでは、生理学的モニタのデジタル制御論理は基本的に迂回され、マイクロコントローラは、A/D変換器、時間スタンピング、及びパケット組立ての制御などの動作を行う。自己クロック式周辺機器モードでは、生理学的モニタのデジタル制御論理は、ハードウェア割り込みをマイクロコントローラに送って、時間スタンプ付きの組み立てられたデータパケットをマイクロコントローラに周期的に転送する。単一の集積回路設計を複数のモードで使用できるようにすることにより、より単純な独立用途とより複雑なベッドサイド用途の両方で共通の設計を共有し、コストを固定することが可能になる。そのようなベッドサイド用途の場合、集積回路は、マイクロコントローラなどのプログラム可能なマイクロプロセッサのための信号処理フロントエンドとして有効に働く。
【0090】
[0104]別の態様によれば、初期化シーケンス、初期化論理、及び初期化コンソール、並びに上述の他の態様は、上述の集積回路を使用するシステムではなく、信号整形回路要素及びデジタル制御論理に個別の構成要素を使用する生理学的モニタリングシステムに使用されてもよい。別の態様によれば、そのような初期化アプローチは、例えば、周辺機器モードで構成されたシステムにおいて、又はプログラム可能なマイクロコントローラを別の方法で使用するシステムにおいて、ハードワイヤードのデジタル制御論理ではなくマイクロコントローラを初期化するのに使用されてもよい。そのようなシステムでは、初期化シーケンスは、マイクロコントローラ上で稼動する初期化ソフトウェアを使用して実現されてもよい。上述の認証済みファームウェアをダウンロードする態様は、マイクロコントローラを使用するシステムにおいて特に重要なものである。別の態様によれば、そのような初期化アプローチは、固定のデジタルメモリを使用するシステムに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、そのような初期化アプローチにより、現場での、例えば医師の診察室内での様々な使用のための共通の設計の柔軟なカスタマイズ化及び貨幣化が可能になり、装置の盗用を低減することが可能になる。
【0091】
[0105]別の態様によれば、上述のような代表的な回路要素は、被検者に接着されるパッチではなく、被検者に緩く取り付けられる(例えば、衣服の中に着用される、若しくは被検者から垂れ下がる)ケース又は他の構造を含む、着用可能な生理学的モニタリングシステムに使用されてもよい。
【0092】
[0106]別の態様によれば、本発明は、命令をエンコードするコンピュータ読取り可能な媒体と、上述の初期化及び/又は構成ステップ並びに他の生理学的モニタリングステップを行う命令がプログラミングされたコンピュータシステムとを提供する。
【0093】
[0107]別の態様によれば、本発明は、再使用可能且つ取外し可能なデジタルメモリ、及び上述のような複数の使い捨て且つ着用可能な生理学的モニタを含むキットを提供する。例えば、1つのデジタルメモリは、被検者によって1日間使用される7個又は10個の使い捨て生理学的モニタとともに提供されてもよい。キットの形で提供される生理学的モニタは、ブランクであるか、又は別の方法として、被検者生理学的データを記録するようにユーザ操作可能ではない。デジタルメモリには、被検者特有の生理学的モニタ認証及び構成データが事前ロードされる。事前ロードは、例えば内科医の診察室で、上述のような初期化コンソールを使用して、被検者特有のモニタリング要件に従って行われてもよい。ブランクの生理学的モニタを取外し可能なデジタルメモリに接続することで、上述のように生理学的モニタの起動及び構成が引き起こされる。起動によって、モニタは、生理学的モニタリングデータを記録するようにユーザ操作可能になる。続いて、記録された生理学的モニタリングデータは取外し可能なデジタルメモリに格納される。
【0094】
[0108]いくつかの実施形態によれば、上述のような生理学的モニタリングシステムは、上述のようなコンパクトで低コストの設計が特に有効である、慢性疾患に対する患者管理の滴定(titration of care)を提供する長期的に患者に施される方法に用いられる。代表的な方法では、内科医は、1つ又は複数の上述のような生理学的モニタリング装置を第1の治療状態にある患者に支給する。第1の治療状態は、患者が治療を受けていない状態、又は患者が治療過程を受けている、例えば特定の薬剤投与を受けている状態であってもよい。患者は、モニタ(1つ若しくは複数)を使用して、医療施設外にいる被検者の正常な活動期間の間、数日間、数週間、又は数か月間の期間にわたって生理学的モニタリングパラメータを記録し格納する。そのような生理学的モニタリングは、正常な被検者の活動及び生理学的パラメータの検出、並びに意識喪失(失神)又は不整脈などのそれほど一般的ではない発症の検出を含んでもよい。検出された生理学的パラメータは、上述のパラメータ、並びに測定データから派生したパラメータを含んでもよい。例えば、物理的活動による患者のカロリー消費は記録された加速度計データから推定されてもよく、患者の心不全の進行は流体負荷インピーダンス測定を使用して推定することができる。データの生成は、患者が医療施設に戻ることを必ずしも必要としない。ある期間にわたって生成された定量的データは、患者に対する治療効果を評価し、治療過程(例えば、投薬量)を変更するため、治療前のベースラインデータを含む他のデータと併せて使用される。次に、変更された治療過程の新しいデータが記録される。次に、異なる治療過程によって生成された定量的データが比較される。
【0095】
[0109]定量的データ評価は、治療過程が進むにしたがって関連パラメータの時間依存性をモニタリングすること、そのような測定パラメータを治療前のベースラインデータと比較すること、及び測定パラメータに対する治療の変化の効果を評価することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、定量的データ評価は、治療中/治療後のデータを治療前のベースラインと比較すること、2つ以上の薬剤投与又は他の治療を互いに比較すること、2つ以上の薬剤投与又は他の治療を治療前のベースラインと比較すること、1つ若しくは複数の薬剤投与の異なる投与量又は他の治療を、単独で又は組み合わせて互いに、及び/又は治療前のベースラインと比較すること、薬剤投与又は他の治療の異なる組み合わせを比較すること、埋め込み可能な装置(例えば、ペースメーカー)の設定など、非薬剤投与治療のパラメータを評価すること、1つ若しくは薬剤投与と組み合わせた埋め込み可能な装置設定を評価すること、外科手術前後に記録されたデータを比較することの、1つ又は複数を含んでもよい。上述の好ましい生理学的設計は、そのような方法に、また特に、上述のような定量的評価を行うことによって患者の健康を長期的に(数週間若しくは数か月間にわたって)追跡するのに特に適している。
【0096】
[0110]ホルターモニタなどの一般に利用可能な生理学的モニタは、通常、そのようなモニタを患者が医療施設外で自身で使用するために、便利に広範に分配するのには、複雑性及びコストが高すぎる。患者による定量的評価(例えば、「気分が良い」などの記述)は、患者に対する薬剤投与又は他の治療の微妙な効果を評価するのには特に有用ではない。被検者は、データが記録されている間、自身の日課を行い、数日間若しくは数週間の期間だけ間を空けた間隔で内科医の診察室に戻ってもよく、それによって、内科医が格納された生理学的データをダウンロードし、ダウンロードしたデータに従って治療過程の定量的評価を行い、評価に従って治療過程を調整することができるようになる。
【0097】
[0111]別の態様によれば、基本的な生理学的モニタの集積回路設計は複数のセンサタイプに対応する。生理学的モニタの製造中に、又は生理学的モニタをI/O(例えば、シリアル)ポートを介して初期化する間に、所望のセンサの部分集合を使用可能にすることにより、同じ生理学的モニタ設計が、特定の用途における必要に応じて複数の異なるセンサの部分集合で使用されてもよい。
【0098】
[0112]より高度なデータ分析の場合、デジタルメモリは、生理学的モニタから取り外され、汎用CPU及び関連する分析ソフトウェアを含むパーソナルコンピュータ又は他の装置に接続されてもよい。例えば、コンピュータ画面を使用して、時間依存性のECG追跡などのデータ集約的なセンサ表示が視覚化されてもよい。
【0099】
[0113]いくつかの実施形態では、着用可能な表示装置ユニットに短距離接続するため、無線送信回路要素が生理学的モニタに付加され、データ処理集積回路に接続されてもよい。無線送信回路要素を生理学的モニタに付加することは、大幅な複雑性、電力損失、及び雑音をシステムに付加する可能性がある。したがって、現在好ましい実装は無線送信回路要素を含まない。
【0100】
[0114]雑音は、被検者ECG信号を測定するシステムにおいて特に懸念される点であり、1mV程度の全規模であってHz程度の対象周波数を含むことがある。電力線、マイクロ波、及び無線源などの一般に存在する雑音源、並びに被検者の皮膚における電解質効果に加えて、上述のように設計された集積回路は、オンチップリアルタイムクロックのチック信号又はその高調波からの雑音による影響を受けることもある。生理学的信号処理回路要素に対するそのような雑音の影響は、好ましくは、特に、共通基板の対向する領域上でリアルタイムクロックを生理学的信号処理回路要素から物理的に分離することによって、及び/又はリアルタイムチック信号のエッジを和らげることによって最小限に抑えられる。
【0101】
[0115]統合温度センサもまた、被検者の皮膚からの熱放射ではなく、集積回路自体からの電力損失による雑音又は外部からの入力に影響される可能性がある。そのような雑音源を最小限に抑えるため、集積回路からの電力損失を最小限に抑え、且つ温度センサと被検者の間の熱的な結合を最適化することが好ましい。
【0102】
[0116]当業者には、本発明の範囲から逸脱することなく、上述の実施形態が様々な形で変更されてもよいことが明白であろう。例えば、上述のような生理学的モニタリングシステムは何らかの非同期回路要素又は論理を含んでもよい。いくつかの実施形態では、生理学的モニタを外部のコンピュータ又はマイクロコントローラに接続するため、有線(例えば、シリアル、USB、パラレル)接続及び無線(光学、RF)接続を含む、様々な接続が使用されてもよい。したがって、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲及びそれらの法的等価物によって決定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1A】本発明のいくつかの実施形態による被検者の上に置かれた着用可能な生理学的モニタの概略図である。
【図1B】本発明のいくつかの実施形態による図1Aの生理学的モニタのさらに詳細な図である。
【図1C】本発明のいくつかの実施形態による図1Bの生理学的モニタの多数の構成要素を示す図である。
【図2A】本発明のいくつかの実施形態による独立動作モードにおける図1A〜1Cの生理学的モニタの図である。
【図2B】本発明のいくつかの実施形態による周辺機器動作モードにおける生理学的モニタの図である。
【図3A】本発明のいくつかの実施形態による図1A〜1Cの生理学的モニタの信号駆動及び信号処理回路の図である。
【図3B】本発明のいくつかの実施形態による図3Aの回路のフィルタ処理回路の図である。
【図4】本発明のいくつかの実施形態による図1A〜1Cの生理学的モニタの代表的なデジタル制御論理ユニットの図である。
【図5】本発明のいくつかの実施形態による代表的なデータパケットコンテンツを示す図である。
【図6A】本発明のいくつかの実施形態による生理学的モニタの代表的な初期化及び分析コンソール並びに認証サーバを示す図である。
【図6B】本発明のいくつかの実施形態による図6Aの初期化コンソールの一組のソフトウェアサブシステムを示す図である。
【図7】本発明のいくつかの実施形態による着用可能な生理学的モニタに接続された着用可能な表示装置を含む着用可能な生理学的モニタシステムを示す図である。
【図8】本発明のいくつかの実施形態による図7の生理学的モニタの図である。
【図9】本発明のいくつかの実施形態による生理学的データの代表的なリアルタイム表示装置を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一組の生理学的モニタ構成データを取外し可能なデジタルメモリに格納するステップと、
着用可能な生理学的モニタを着用している被検者に対して前記構成データに従って一組の生理学的測定を行うため、前記取外し可能なデジタルメモリを含む前記生理学的モニタを用いるステップと、
前記一組の生理学的測定によって生成されたデジタル生理学的データを前記取外し可能なデジタルメモリに格納するステップとを含む、生理学的モニタリング方法。
【請求項2】
前記一組の生理学的測定が一組の心電図測定を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記一組の生理学的測定が一組の加速度測定を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記一組の加速度測定が前記被検者の向き及び活動を示す3軸加速度計測定を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
一組の被検者フィードバックデータを前記取外し可能なデジタルメモリに格納するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記被検者フィードバックデータが前記被検者に動作を行わせる注意喚起を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記被検者フィードバックデータが、前記生理学的モニタによって決定された被検者生理学的パラメータ値が予め定められた条件を満たすことを示す警報を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記生理学的モニタが初期化コンソールに接続されていない状態で前記一組の生理学的モニタ構成データを前記取外し可能なデジタルメモリに格納するため、前記取外し可能なデジタルメモリを前記初期化コンソールに接続するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
一組の生理学的センサ、前記センサに接続された信号整形回路要素、及び前記信号整形回路要素に接続されたデジタル制御論理を備える着用可能な生理学的モニタと、
前記デジタル制御論理に接続された取外し可能なデジタルメモリであり、前記生理学的モニタによって行われる一組の生理学的感知動作を構成する生理学的モニタ構成データ、及び前記生理学的モニタによって記録された被検者生理学的モニタリングデータを格納する前記デジタルメモリとを備える、着用可能な生理学的モニタリングシステム。
【請求項10】
一組の生理学的モニタ認証データを取外し可能なデジタルメモリに格納するステップと、
前記取外し可能なデジタルメモリに格納された前記生理学的モニタ認証データを使用して、着用可能な生理学的モニタを、被検者からの一組の生理学的モニタリングデータを記録するようにユーザ操作可能ではない未初期化状態から、前記被検者からの前記一組の生理学的モニタリングデータを記録するようにユーザ操作可能である初期化状態に遷移させるステップと、
前記生理学的モニタを着用している前記被検者に対する前記一組の生理学的モニタリングデータを記録するため、前記取外し可能なデジタルメモリを含む前記生理学的モニタを用いるステップと、
前記一組の生理学的モニタリングデータを前記取外し可能なデジタルメモリに格納するステップとを含む、生理学的モニタリング方法。
【請求項11】
前記一組の生理学的測定が一組の心電図測定を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記一組の生理学的測定が一組の加速度測定を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記一組の加速度測定が前記被検者の向き及び活動を示す3軸加速度計測定を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
一組の被検者フィードバックデータを前記取外し可能なデジタルメモリに格納するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記被検者フィードバックデータが前記被検者に動作を行わせる注意喚起を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記被検者フィードバックデータが、前記生理学的モニタによって決定された被検者生理学的パラメータ値が予め定められた条件を満たすことを示す警報を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記生理学的モニタが初期化コンソールに接続されていない状態で前記一組の生理学的モニタ認証データを前記取外し可能なデジタルメモリに格納するため、前記取外し可能なデジタルメモリを前記初期化コンソールに接続するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
一組の生理学的モニタ認証データを格納して、一組の生理学的モニタリングデータを受け取るように構成された取外し可能なデジタルメモリと、
未初期化状態にある複数の使い捨て可能かつ着用可能な生理学的モニタとを備え、
各生理学的モニタが、前記取外し可能なデジタルメモリに接続するように構成されるとともに、前記デジタルメモリから前記生理学的モニタ認証データを受け取ると、前記未初期化状態から初期化状態に遷移するように構成され、前記未初期化状態にある各生理学的モニタは被検者からの一組の生理学的モニタリングデータを記録するようにユーザ操作可能ではなく、前記初期化状態にある各生理学的モニタは前記被検者からの前記一組の生理学的モニタリングデータを記録するようにユーザ操作可能である、生理学的モニタリングキット。
【請求項19】
被検者による着用可能な生理学的モニタの使用が認証されていることを確認すると、前記生理学的モニタの起動を行うため、初期化コンソールを用いるステップであり、前記起動が、前記生理学的モニタを、一組の生理学的測定を行うようにユーザ操作可能ではない未初期化状態から、前記一組の生理学的測定を行うようにユーザ操作可能である初期化状態に遷移させることである、前記ステップと、
前記被検者に対して一組の生理学的測定を行い、前記生理学的測定によって生成されたデジタル生理学的データを前記生理学的モニタのデジタルメモリに格納するため、前記生理学的モニタを使用するステップとを含む、生理学的モニタリング方法。
【請求項20】
前記一組の生理学的測定が一組の心電図測定を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記一組の生理学的測定が一組の加速度測定を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記一組の加速度測定が前記被検者の向き及び活動を示す3軸加速度計測定を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記起動を行うステップが、前記生理学的モニタが前記一組の生理学的測定を行うことを可能にする一組のファームウェアコードを、前記初期化コンソールから前記生理学的モニタに転送するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
被検者識別子を前記デジタルメモリに格納するため、前記初期化コンソールを用いるステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記被検者による前記生理学的モニタの使用に対する支払取引の識別子を前記デジタルメモリに格納するため、前記初期化コンソールを用いるステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記デジタル生理学的データを暗号化するため、前記生理学的モニタによって使用される暗号化鍵を前記デジタルメモリに格納するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項27】
着用可能な生理学的モニタのユーザ特異的な一組の認証済みモニタリング使用のため、支払人から支払いを受け取るステップと、
一組の構成データを前記生理学的モニタのデジタルメモリ内にプログラミングすることにより、前記生理学的モニタの前記一組の認証済みモニタリング使用を起動するステップと、
被検者が前記生理学的モニタを着用している状態で前記被検者に対して前記構成データに従って一組の生理学的測定を行うため、前記デジタルメモリを含む前記生理学的モニタを用いるステップと、
前記生理学的測定によって生成されたデジタル生理学的データを前記デジタルメモリに格納するステップとを含む、生理学的モニタリング方法。
【請求項28】
被検者による着用可能な生理学的モニタの使用が認証されていることを確認するため、広域ネットワーク上の認証サーバに接続するサーバ認証ユニットと、
前記サーバ認証ユニットに接続されて、前記被検者による前記着用可能な生理学的モニタの使用が認証されていることを確認すると前記生理学的モニタの起動を行う生理学的モニタ認証ユニットであり、前記起動が、前記生理学的モニタを、一組の生理学的測定を行うようにユーザ操作可能ではない未初期化状態から、前記生理学的モニタが前記一組の生理学的測定を行うようにユーザ操作可能である初期化状態に遷移させることである、前記生理学的モニタ認証ユニットとを備える、生理学的モニタ初期化コンソール。
【請求項29】
生理学的モニタリング用の特定用途向け集積回路を含む生理学的モニタリングシステムであって、
前記集積回路が、
一組のリアルタイム指標を生成する集積リアルタイムクロックと、
第1の組のフィルタ処理済み電気信号を生成するため、第1の組の生理学的センサから受け取った一組の電気信号を増幅しフィルタ処理する集積増幅/フィルタ処理回路要素であり、前記第1の組の生理学的センサから受け取った前記一組の電気信号をフィルタ処理するアナログフィルタ処理回路要素を備える前記集積増幅/フィルタ処理回路要素と、
前記リアルタイムクロック及び前記増幅/フィルタ処理回路要素に接続された集積デジタル制御論理とを備え、
前記デジタル制御論理が、
前記第1の組のフィルタ処理済み電気信号から派生した第1の組のデジタル生理学的データを受け取り、
前記第1のデジタル生理学的データとは異なる標本抽出率で標本化された生理学的データを含む第2の組のデジタル生理学的データを受け取り、
リアルタイム指標、前記第1の組のデジタル生理学的データ、及び前記第2の組のデジタル生理学的データから、タイプスタンプ付き生理学的データパケットを生成し、
デジタルメモリに格納するため、前記生理学的データパケットを送信するように構成された、生理学的モニタリングシステム。
【請求項30】
前記集積回路が、前記デジタル制御論理に接続されて、前記集積回路の動作モードを独立モード及び周辺機器モードから選択されたモードに設定するモード選択論理をさらに備える、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記集積回路が、被検者の皮膚に付着されるように構成された着用可能なパッチの形で集積される、請求項29に記載のシステム。
【請求項32】
前記第1の組のデジタル生理学的データが心電図生理学的データを含む、請求項29に記載のシステム。
【請求項33】
前記被検者に熱的に結合されるとともに前記デジタル制御論理に接続された、一組の被検者温度指標を生成する生理学的温度センサをさらに備え、前記第2の組のデジタルデータが前記被検者温度指標から派生した被検者温度データを含む、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記デジタル制御論理に接続されて、一組の加速度指標を生成する加速度計をさらに備え、前記第2の組のデジタルデータが前記加速度指標から派生した加速度データを含む、請求項32に記載のシステム。
【請求項35】
前記加速度計が3軸加速度計であり、前記一組の加速度指標が、前記生理学的モニタリングシステムを着用している被検者の向き及び活動を示す3軸加速度指標を含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記集積回路が、前記被検者に結合されるとともに前記デジタル制御論理に接続された、一組のインピーダンス指標を生成するインピーダンス測定回路をさらに備え、前記第2の組のデジタルデータが前記インピーダンス指標から派生した被検者インピーダンスデータを含む、請求項32に記載のシステム。
【請求項37】
前記増幅/フィルタ処理回路要素が、一組のペースメーカーパルスを検出するペースメーカーパルス検出回路を備える、請求項32に記載のシステム。
【請求項38】
前記デジタル制御論理に接続されて、知覚の指示を被検者に提供する被検者知覚インジケータ装置をさらに備える、請求項29に記載のシステム。
【請求項39】
前記デジタル制御論理が、生理学的パラメータ値が予め定められた条件を満たすとき知覚インジケータ装置を起動するように構成された生理学的状態検出論理を含む、請求項29に記載のシステム。
【請求項40】
前記デジタル制御論理が、前記リアルタイム指標が予め定められた条件を満たすとき知覚インジケータ装置を起動するように構成されたリアルタイム検出論理を含む、請求項29に記載のシステム。
【請求項41】
電池と、
複数の心電図電極と、
デジタルメモリと、
前記電池、前記複数の心電図電極、及び前記デジタルメモリに接続された集積回路を備える生理学的モニタリングシステムであって、
前記集積回路が、
一組のリアルタイム指標を生成するリアルタイムクロックと、
一組のフィルタ処理済み電気信号を生成するため、前記複数の心電図電極から受け取った一組の生理学的電気信号を増幅しフィルタ処理する増幅/フィルタ処理回路要素と、
前記リアルタイムクロック及び前記増幅/フィルタ処理回路要素に接続されたデジタル制御論理と、
前記デジタル制御論理に接続されて、前記集積回路の動作モードを独立モード及び周辺機器モードから選択されたモードに設定するモード選択論理とを備え、
前記独立モードでは、前記デジタル制御論理が、
前記一組のリアルタイム指標と前記フィルタ処理済み電気信号から派生した一組のデジタル心電図データとから一組のタイムスタンプ付き生理学的データパケットを生成し、
前記デジタルメモリに格納するため、前記タイムスタンプ付きデータパケットを送信するように構成され、
前記周辺機器モードでは、前記集積回路が、前記デジタル心電図データから派生した生理学的データをプログラム可能なマイクロコントローラに転送するように構成される、生理学的モニタリングシステム。
【請求項42】
前記周辺機器モードが自己クロック式周辺機器モードであり、前記自己クロック式周辺機器モードでは、前記デジタル制御論理が、前記一組のリアルタイム指標及び前記デジタル心電図データから前記一組のタイムスタンプ付き生理学的データパケットを生成し、前記一組のタイムスタンプ付きデータパケットを前記プログラム可能なマイクロコントローラに送信するように構成される、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記周辺機器モードが受動的周辺機器モードであり、前記受動的周辺機器モードでは、前記デジタル制御論理がほぼ使用不能になる、請求項42に記載のシステム。
【請求項44】
被検者に熱的に結合されるとともに前記デジタル制御論理に接続されて、一組の被検者温度指標を生成する生理学的温度センサをさらに備える、請求項42に記載のシステム。
【請求項45】
前記デジタル制御論理に接続されて、一組の加速度指標を生成する加速度計をさらに備える、請求項42に記載のシステム。
【請求項46】
前記加速度計が3軸加速度計であり、前記一組の加速度指標が、前記生理学的モニタリングシステムを着用している前記被検者の向き及び活動を示す3軸加速度指標を含む、請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
第1の治療状態にある被検者の第1の生理学的状態を示す第1の組の心電図データ及び第1の組の非心電図データを含む第1の組の被検者生理学的データを記録するため、一組の心電図センサ及び一組の非心電図生理学的センサ、デジタルメモリ、並びに、前記心電図センサ、前記非心電図生理学的センサ、及び前記デジタルメモリに接続されたデジタル制御論理であって、前記デジタルメモリに格納するため前記心電図センサ及び前記非心電図生理学的センサによって感知された生理学的データを送信する前記デジタル制御論理を含む、第1の着用可能な生理学的モニタを使用するステップと、
前記第1の組の生理学的データに従って前記第1の生理学的状態の第1の定量的評価を行うステップと、
第2の治療状態にある前記被検者の第2の生理学的状態を示し、第2の組の心電図データ及び第2の組の非心電図データを含む第2の組の被検者生理学的データを記録するステップと、
前記第2の組の生理学的データに従って前記第2の生理学的状態の第2の定量的評価を行うステップと、
前記第1の定量的評価と前記第2の定量的評価との量的比較を行うステップと、
前記比較に従って前記被検者に対する治療を決定するステップとを含む、患者管理の定量的滴定を被検者に提供する方法。
【請求項1】
一組の生理学的モニタ構成データを取外し可能なデジタルメモリに格納するステップと、
着用可能な生理学的モニタを着用している被検者に対して前記構成データに従って一組の生理学的測定を行うため、前記取外し可能なデジタルメモリを含む前記生理学的モニタを用いるステップと、
前記一組の生理学的測定によって生成されたデジタル生理学的データを前記取外し可能なデジタルメモリに格納するステップとを含む、生理学的モニタリング方法。
【請求項2】
前記一組の生理学的測定が一組の心電図測定を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記一組の生理学的測定が一組の加速度測定を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記一組の加速度測定が前記被検者の向き及び活動を示す3軸加速度計測定を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
一組の被検者フィードバックデータを前記取外し可能なデジタルメモリに格納するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記被検者フィードバックデータが前記被検者に動作を行わせる注意喚起を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記被検者フィードバックデータが、前記生理学的モニタによって決定された被検者生理学的パラメータ値が予め定められた条件を満たすことを示す警報を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記生理学的モニタが初期化コンソールに接続されていない状態で前記一組の生理学的モニタ構成データを前記取外し可能なデジタルメモリに格納するため、前記取外し可能なデジタルメモリを前記初期化コンソールに接続するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
一組の生理学的センサ、前記センサに接続された信号整形回路要素、及び前記信号整形回路要素に接続されたデジタル制御論理を備える着用可能な生理学的モニタと、
前記デジタル制御論理に接続された取外し可能なデジタルメモリであり、前記生理学的モニタによって行われる一組の生理学的感知動作を構成する生理学的モニタ構成データ、及び前記生理学的モニタによって記録された被検者生理学的モニタリングデータを格納する前記デジタルメモリとを備える、着用可能な生理学的モニタリングシステム。
【請求項10】
一組の生理学的モニタ認証データを取外し可能なデジタルメモリに格納するステップと、
前記取外し可能なデジタルメモリに格納された前記生理学的モニタ認証データを使用して、着用可能な生理学的モニタを、被検者からの一組の生理学的モニタリングデータを記録するようにユーザ操作可能ではない未初期化状態から、前記被検者からの前記一組の生理学的モニタリングデータを記録するようにユーザ操作可能である初期化状態に遷移させるステップと、
前記生理学的モニタを着用している前記被検者に対する前記一組の生理学的モニタリングデータを記録するため、前記取外し可能なデジタルメモリを含む前記生理学的モニタを用いるステップと、
前記一組の生理学的モニタリングデータを前記取外し可能なデジタルメモリに格納するステップとを含む、生理学的モニタリング方法。
【請求項11】
前記一組の生理学的測定が一組の心電図測定を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記一組の生理学的測定が一組の加速度測定を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記一組の加速度測定が前記被検者の向き及び活動を示す3軸加速度計測定を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
一組の被検者フィードバックデータを前記取外し可能なデジタルメモリに格納するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記被検者フィードバックデータが前記被検者に動作を行わせる注意喚起を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記被検者フィードバックデータが、前記生理学的モニタによって決定された被検者生理学的パラメータ値が予め定められた条件を満たすことを示す警報を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記生理学的モニタが初期化コンソールに接続されていない状態で前記一組の生理学的モニタ認証データを前記取外し可能なデジタルメモリに格納するため、前記取外し可能なデジタルメモリを前記初期化コンソールに接続するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
一組の生理学的モニタ認証データを格納して、一組の生理学的モニタリングデータを受け取るように構成された取外し可能なデジタルメモリと、
未初期化状態にある複数の使い捨て可能かつ着用可能な生理学的モニタとを備え、
各生理学的モニタが、前記取外し可能なデジタルメモリに接続するように構成されるとともに、前記デジタルメモリから前記生理学的モニタ認証データを受け取ると、前記未初期化状態から初期化状態に遷移するように構成され、前記未初期化状態にある各生理学的モニタは被検者からの一組の生理学的モニタリングデータを記録するようにユーザ操作可能ではなく、前記初期化状態にある各生理学的モニタは前記被検者からの前記一組の生理学的モニタリングデータを記録するようにユーザ操作可能である、生理学的モニタリングキット。
【請求項19】
被検者による着用可能な生理学的モニタの使用が認証されていることを確認すると、前記生理学的モニタの起動を行うため、初期化コンソールを用いるステップであり、前記起動が、前記生理学的モニタを、一組の生理学的測定を行うようにユーザ操作可能ではない未初期化状態から、前記一組の生理学的測定を行うようにユーザ操作可能である初期化状態に遷移させることである、前記ステップと、
前記被検者に対して一組の生理学的測定を行い、前記生理学的測定によって生成されたデジタル生理学的データを前記生理学的モニタのデジタルメモリに格納するため、前記生理学的モニタを使用するステップとを含む、生理学的モニタリング方法。
【請求項20】
前記一組の生理学的測定が一組の心電図測定を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記一組の生理学的測定が一組の加速度測定を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記一組の加速度測定が前記被検者の向き及び活動を示す3軸加速度計測定を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記起動を行うステップが、前記生理学的モニタが前記一組の生理学的測定を行うことを可能にする一組のファームウェアコードを、前記初期化コンソールから前記生理学的モニタに転送するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
被検者識別子を前記デジタルメモリに格納するため、前記初期化コンソールを用いるステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記被検者による前記生理学的モニタの使用に対する支払取引の識別子を前記デジタルメモリに格納するため、前記初期化コンソールを用いるステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記デジタル生理学的データを暗号化するため、前記生理学的モニタによって使用される暗号化鍵を前記デジタルメモリに格納するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項27】
着用可能な生理学的モニタのユーザ特異的な一組の認証済みモニタリング使用のため、支払人から支払いを受け取るステップと、
一組の構成データを前記生理学的モニタのデジタルメモリ内にプログラミングすることにより、前記生理学的モニタの前記一組の認証済みモニタリング使用を起動するステップと、
被検者が前記生理学的モニタを着用している状態で前記被検者に対して前記構成データに従って一組の生理学的測定を行うため、前記デジタルメモリを含む前記生理学的モニタを用いるステップと、
前記生理学的測定によって生成されたデジタル生理学的データを前記デジタルメモリに格納するステップとを含む、生理学的モニタリング方法。
【請求項28】
被検者による着用可能な生理学的モニタの使用が認証されていることを確認するため、広域ネットワーク上の認証サーバに接続するサーバ認証ユニットと、
前記サーバ認証ユニットに接続されて、前記被検者による前記着用可能な生理学的モニタの使用が認証されていることを確認すると前記生理学的モニタの起動を行う生理学的モニタ認証ユニットであり、前記起動が、前記生理学的モニタを、一組の生理学的測定を行うようにユーザ操作可能ではない未初期化状態から、前記生理学的モニタが前記一組の生理学的測定を行うようにユーザ操作可能である初期化状態に遷移させることである、前記生理学的モニタ認証ユニットとを備える、生理学的モニタ初期化コンソール。
【請求項29】
生理学的モニタリング用の特定用途向け集積回路を含む生理学的モニタリングシステムであって、
前記集積回路が、
一組のリアルタイム指標を生成する集積リアルタイムクロックと、
第1の組のフィルタ処理済み電気信号を生成するため、第1の組の生理学的センサから受け取った一組の電気信号を増幅しフィルタ処理する集積増幅/フィルタ処理回路要素であり、前記第1の組の生理学的センサから受け取った前記一組の電気信号をフィルタ処理するアナログフィルタ処理回路要素を備える前記集積増幅/フィルタ処理回路要素と、
前記リアルタイムクロック及び前記増幅/フィルタ処理回路要素に接続された集積デジタル制御論理とを備え、
前記デジタル制御論理が、
前記第1の組のフィルタ処理済み電気信号から派生した第1の組のデジタル生理学的データを受け取り、
前記第1のデジタル生理学的データとは異なる標本抽出率で標本化された生理学的データを含む第2の組のデジタル生理学的データを受け取り、
リアルタイム指標、前記第1の組のデジタル生理学的データ、及び前記第2の組のデジタル生理学的データから、タイプスタンプ付き生理学的データパケットを生成し、
デジタルメモリに格納するため、前記生理学的データパケットを送信するように構成された、生理学的モニタリングシステム。
【請求項30】
前記集積回路が、前記デジタル制御論理に接続されて、前記集積回路の動作モードを独立モード及び周辺機器モードから選択されたモードに設定するモード選択論理をさらに備える、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記集積回路が、被検者の皮膚に付着されるように構成された着用可能なパッチの形で集積される、請求項29に記載のシステム。
【請求項32】
前記第1の組のデジタル生理学的データが心電図生理学的データを含む、請求項29に記載のシステム。
【請求項33】
前記被検者に熱的に結合されるとともに前記デジタル制御論理に接続された、一組の被検者温度指標を生成する生理学的温度センサをさらに備え、前記第2の組のデジタルデータが前記被検者温度指標から派生した被検者温度データを含む、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記デジタル制御論理に接続されて、一組の加速度指標を生成する加速度計をさらに備え、前記第2の組のデジタルデータが前記加速度指標から派生した加速度データを含む、請求項32に記載のシステム。
【請求項35】
前記加速度計が3軸加速度計であり、前記一組の加速度指標が、前記生理学的モニタリングシステムを着用している被検者の向き及び活動を示す3軸加速度指標を含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記集積回路が、前記被検者に結合されるとともに前記デジタル制御論理に接続された、一組のインピーダンス指標を生成するインピーダンス測定回路をさらに備え、前記第2の組のデジタルデータが前記インピーダンス指標から派生した被検者インピーダンスデータを含む、請求項32に記載のシステム。
【請求項37】
前記増幅/フィルタ処理回路要素が、一組のペースメーカーパルスを検出するペースメーカーパルス検出回路を備える、請求項32に記載のシステム。
【請求項38】
前記デジタル制御論理に接続されて、知覚の指示を被検者に提供する被検者知覚インジケータ装置をさらに備える、請求項29に記載のシステム。
【請求項39】
前記デジタル制御論理が、生理学的パラメータ値が予め定められた条件を満たすとき知覚インジケータ装置を起動するように構成された生理学的状態検出論理を含む、請求項29に記載のシステム。
【請求項40】
前記デジタル制御論理が、前記リアルタイム指標が予め定められた条件を満たすとき知覚インジケータ装置を起動するように構成されたリアルタイム検出論理を含む、請求項29に記載のシステム。
【請求項41】
電池と、
複数の心電図電極と、
デジタルメモリと、
前記電池、前記複数の心電図電極、及び前記デジタルメモリに接続された集積回路を備える生理学的モニタリングシステムであって、
前記集積回路が、
一組のリアルタイム指標を生成するリアルタイムクロックと、
一組のフィルタ処理済み電気信号を生成するため、前記複数の心電図電極から受け取った一組の生理学的電気信号を増幅しフィルタ処理する増幅/フィルタ処理回路要素と、
前記リアルタイムクロック及び前記増幅/フィルタ処理回路要素に接続されたデジタル制御論理と、
前記デジタル制御論理に接続されて、前記集積回路の動作モードを独立モード及び周辺機器モードから選択されたモードに設定するモード選択論理とを備え、
前記独立モードでは、前記デジタル制御論理が、
前記一組のリアルタイム指標と前記フィルタ処理済み電気信号から派生した一組のデジタル心電図データとから一組のタイムスタンプ付き生理学的データパケットを生成し、
前記デジタルメモリに格納するため、前記タイムスタンプ付きデータパケットを送信するように構成され、
前記周辺機器モードでは、前記集積回路が、前記デジタル心電図データから派生した生理学的データをプログラム可能なマイクロコントローラに転送するように構成される、生理学的モニタリングシステム。
【請求項42】
前記周辺機器モードが自己クロック式周辺機器モードであり、前記自己クロック式周辺機器モードでは、前記デジタル制御論理が、前記一組のリアルタイム指標及び前記デジタル心電図データから前記一組のタイムスタンプ付き生理学的データパケットを生成し、前記一組のタイムスタンプ付きデータパケットを前記プログラム可能なマイクロコントローラに送信するように構成される、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記周辺機器モードが受動的周辺機器モードであり、前記受動的周辺機器モードでは、前記デジタル制御論理がほぼ使用不能になる、請求項42に記載のシステム。
【請求項44】
被検者に熱的に結合されるとともに前記デジタル制御論理に接続されて、一組の被検者温度指標を生成する生理学的温度センサをさらに備える、請求項42に記載のシステム。
【請求項45】
前記デジタル制御論理に接続されて、一組の加速度指標を生成する加速度計をさらに備える、請求項42に記載のシステム。
【請求項46】
前記加速度計が3軸加速度計であり、前記一組の加速度指標が、前記生理学的モニタリングシステムを着用している前記被検者の向き及び活動を示す3軸加速度指標を含む、請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
第1の治療状態にある被検者の第1の生理学的状態を示す第1の組の心電図データ及び第1の組の非心電図データを含む第1の組の被検者生理学的データを記録するため、一組の心電図センサ及び一組の非心電図生理学的センサ、デジタルメモリ、並びに、前記心電図センサ、前記非心電図生理学的センサ、及び前記デジタルメモリに接続されたデジタル制御論理であって、前記デジタルメモリに格納するため前記心電図センサ及び前記非心電図生理学的センサによって感知された生理学的データを送信する前記デジタル制御論理を含む、第1の着用可能な生理学的モニタを使用するステップと、
前記第1の組の生理学的データに従って前記第1の生理学的状態の第1の定量的評価を行うステップと、
第2の治療状態にある前記被検者の第2の生理学的状態を示し、第2の組の心電図データ及び第2の組の非心電図データを含む第2の組の被検者生理学的データを記録するステップと、
前記第2の組の生理学的データに従って前記第2の生理学的状態の第2の定量的評価を行うステップと、
前記第1の定量的評価と前記第2の定量的評価との量的比較を行うステップと、
前記比較に従って前記被検者に対する治療を決定するステップとを含む、患者管理の定量的滴定を被検者に提供する方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2009−528909(P2009−528909A)
【公表日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−558484(P2008−558484)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【国際出願番号】PCT/US2007/063244
【国際公開番号】WO2007/103835
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.コンパクトフラッシュ
【出願人】(508266719)フィジオウェイヴ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【国際出願番号】PCT/US2007/063244
【国際公開番号】WO2007/103835
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.コンパクトフラッシュ
【出願人】(508266719)フィジオウェイヴ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
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