説明

産業プロセスで用いられる光源に関する方法およびシステム

反応を助長する流体フローに関連して、作業対象の表面または表面下での反応に関するシステムおよび方法を開示する。いくつかの実施形態では、反応の助長は、(1)表面を所定タイプの光に露光させている間に、表面上に不活性流体の流体フローを形成するステップ、(2)作業表面または作業表面下で所定の態様で別の種と反応する反応種を含む流体フローを形成するステップ、または(3)例えば所定タイプの光に露光させている間に、所定の態様で反応の触媒作用を行う触媒種を含む流体フローを形成するステップ、のうちの少なくともいずれかによって行われる。いくつかの実施形態では、光源は、複数の固体光源の密なアレイ等の固体光源を含むものを使用する。このような実施形態のうちの少なくとも1つの実施形態では、反応は光源に関連した光化学反応である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本特許出願は、2004年12月30日出願の米国仮特許出願連続番号第60/640,925号(発明の名称「不活性または低酸素環境での固体UV硬化方法(Solid State UV curing in inert or oxygen reduced environments)」、発明者ドゥエイン・アール・アンダーソンら(Duwayne R.Anderson et al.))、および2005年1月26日出願の米国仮特許出願連続番号第60/647,749号(発明の名称「産業プロセスで用いられる光源に関する方法およびシステム(Methods and systems relating to light sources for use in industrial processes)」、発明者マーク・ディ・オーウェンら(Mark D.Owen et al.))の優先権を主張する。上記両出願は本出願に引用として組み入れる。
【0002】
本明細書に記載する発明の主題は、材料の変形等の産業プロセスで用いる光源に関する。より特定的には、本発明の主題は、光エネルギの存在下で、反応プロセスの対象である作業表面に関連した流体フローを提供する技術のためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
光を用いて様々な化学反応を開始することができる。光によって開始されるプロセスは、多数の各種産業プロセスの不可欠な部分である。プロセスの一部として光を適用できるか否かは、光源のいくつかの鍵となる特性、例えば光源から発せられる総光パワー、光源から発せられる波長、光源のコヒーレンス、光源の輝度(パワー/面積×ステラジアン)、コリメーション度、およびパワーの安定性等の光源の特性による。
【0004】
現在の産業上の応用において、経済的に重要な意味をもつ光の適用方法は、接着剤およびその他の感光材料に対する重合、硬化、またはその他の反応である。光の適用は、材料が低透過率の層を介して照射されることを企図する場合がある。光の適用は、一つ以上の特定の波長を用いることを企図する場合がある。光の適用は、光が反応の触媒作用を行うことを企図する場合がある。光の適用は一般に、プロセスで用いられる一つ以上の材料(接着剤等)によって光が吸収されないこと、または不用に吸収された場合は、その吸収の任意の熱またはその他の不用な局面に対処(作業対象の望まない加熱を低減する等)できること、またはこれら両方を企図する場合がある。いずれにしても、重合またはその他の反応(触媒ありまたは触媒なし等)によって接着、封止、または化学的変性を行う材料に関連して光を適用することは、現在の多くの産業上の応用において、多大な困難さと同時に大きな発展の機会を提する。
【0005】
いくつかの化学反応では、酸素の存在は化学反応に有害である。酸素の有害性は産業界では周知である。例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社のエル・ミセブ博士(Dr.L.Misev)は、「薄膜UVコーティング硬化における窒素不活性化の効能(Nitrogen Inerting Benefits Thin UV Coating Cure)」と題された論文において、以下のように提唱している。
UV硬化プロセス時の酸素の存在は、フリーラジカル系の硬化反応に有害な効果をもたらしうる。酸素はフリーラジカルと反応して、光重合開始剤、モノマー、または生長ラジカルとの反応によってペルオキシラジカルを生成する。ペルオキシラジカルの反応性はフリーラジカルの重合プロセスの継続には不十分であり、停止および系の硬化不足を生じる。
薄膜コーティング、一般的には印刷用インキおよびオーバプリントワニス等は、特に影響を受けやすい。なぜなら酸素の補給はフィルム表面から数マイクロメートル下でもっとも効果を受けるからである。これはフィルム表面における最大強度のUV光による光重合開始剤ラジカルの増加と相反する。従って、UV硬化が空中で発生する場合は、二重結合変換の程度は、ベール・ランバートの法則に従うコーティング内部の光強度分布だけに左右されない。
一般的にはUV露光したインキまたはコーティング表面の窒素パージによる不活性化の程度は、種々の要因によって異なり、特定の処理条件下で最良に決定できる。
【0006】
ミセブ博士によれば、酸素によって阻害された硬化の問題を解決する技術は、コーティング表面を窒素等の酸素を含まないガスで覆って酸素を除去する方法である。
【0007】
他の技術文献では、いくつかの不活性化技術が提案されている。例えば、ケイ・スチューダら(K.Studer et al.)著の論文「有機コーティングにおける進歩、二酸化炭素の不活性化によるアクリレートコーティングのUV硬化における酸素阻害の解決法、第2部(Progress in Organic Coatings,Overcoming oxygen inhibition in UV−curing of acrylate coatings by carbon dioxide inerting:Part II)」には、次のように提案されている。
酸素阻害を解決するもっとも効果的な方法は、UVオーブンに窒素[6,7]または二酸化炭素[8]を大量に流して、不活性雰囲気中で作業を行うことである。二酸化炭素ガスは空気より重いので、容易に容器中に留まることができる。
ケイ・スチューダらが説明しているように、一般的な不活性化技術は、作業対象を窒素または二酸化炭素の不活性雰囲気に浸すように容器を洗い流す方法である。
【0008】
他の技術文献を参照すると、いくつかの窒素不活性化技術が公知であると示唆しているようである。例えば、アール・ダブリュ・ジョンソン(R.W.Johnson)(DSM Desotech Inc.(米国イリノイ州エルジン60120))著の「硬化時のUV硬化可能なコーティングのダイナミックな機械的分析(DYNAMIC MECHANICAL ANALYSIS OF UV−CURABLE COATINGS WHILE CURING)」、アール・ミュラー(R.Muller)著の2001年RadTech欧州会議議事録149ページ(上記のスチューダらの参照文献で[6]として記載したもの)、およびティー・ヘンケ(T.Henke)著の2001年RadTech欧州会議議事録145ページ(上記のスチューダらの参照文献で[8]として記載したもの)等を参照されたい。
【0009】
いくつかの環境では、作業対象を酸素のない不活性雰囲気中に浸すのは危険または実用的でない。例えば、複数の人間が共有しなければならない環境中に作業対象がある場合、このような不活性化は人間にとって危険な場合がある。他の状況では、例えば作業対象が高速移動する機械的アセンブリの一部またはこのアセンブリによって移動させられている場合は、浸漬による不活性化は実用的とはいえない。かかる他の状況では、移動中の機械が不活性雰囲気を不要に混合、分布、もしくは散乱させる(例えば不活性雰囲気を酸素と混合させて、作業を空乏機能と合致しないようにする)、または効果的な分離のため適合可能なガスケットおよびシールを必要とする(すなわち経費、メンテナンス費等の付随する問題が派生する)、またはこれら両方の問題が生じる。
【0010】
このような状況は、光学記憶媒体の作製時に材料間の接着に使用される接着剤が硬化する際にみられる。かかる光学記憶媒体の代表的なものには、コンパクトディスク(CD)またはディジタル・バーサタイル/ビデオ・ディスク(DVD)がある。一般にCDまたはDVD(CD/DVD)は、2枚のディスク状の透明な材料片から形成される。一般的には、一方または両方のディスクの平坦な表面を、一般には金属製の反射性の表面でコーティングする。コーティングされた平坦な材料片をUV硬化可能な接着樹脂を用いて従来方法で接着する。
【0011】
図2A〜図2Cは、3つの従来型DVDの例210,220および230の断面をそれぞれ示す。このような従来型DVDは、従来型CDと同様の断面をもつ。特定的には、図2Aは、一般にDVD−5と称される片面一層ディスク210の一部断面を示す。DVD−5は最大4.38Gバイトのデータを収容できる。図2Aに示すように、DVD210は、一般的にそれぞれ厚さ600マイクロメートルのポリカーボネート(PC)製の2つの層211および212を含む。ポリカーボネート層211と212間には、一般的に厚さ20マイクロメートル〜50マイクロメートルのUV硬化可能な樹脂層213と、一般的に厚さ45nm〜60nmのアルミニウム層214とが挟まれる。図2Bは、一般にDVD−9と称される片面二層ディスク220の一部断面を示す。DVD−9は、最大約7.95Gバイトのデータを収容できる。ディスク220は、一般的にそれぞれ厚さ600マイクロメートルのポリカーボネート材の2つの層221および222を含む。ポリカーボネート層221と222間には、一般的に厚さ50nm〜60nmのアルミニウム層223と、一般的に厚さ40マイクロメートル〜70マイクロメートルのUV硬化可能な樹脂層224と、一般的に厚さ10nm〜15nmのシリコン、銀、または金製の層225とが挟まれる。図2Cは、一般にDVD−10と称される両面DVDディスク230の一部断面を示す。DVD−10は、片面にそれぞれ4.38Gバイトずつ、合計最大約8.75Gバイトのデータを収容できる。ディスク230は、一般的にそれぞれ厚さ600マイクロメートルのポリカーボネート材の2つの層231および232を含む。ポリカーボネート層231と232間には、一般的に厚さ50nmの第1のアルミニウム層233と、一般的に厚さ40マイクロメートル〜70マイクロメートルのUV硬化可能な樹脂層234と、一般的に厚さ50nmの第2のアルミニウム層235とが挟まれる。上記のディスクは光学記憶ディスクの代表的なものであり、上記およびその他の構造は、各種要因(例えば種類や製造施設等の要因)によって異なることを企図する。例えば、上記の構造では、反射層は場合によってはシリコンを選択してもよい。
【0012】
光学記憶媒体構造の中心となる側面は、構成要素同士を接着剤で貼り合わせることである。この側面は、たとえ構成要素の材質または他の性質が変化したとしても(例えば業界標準がブルーレイおよびHD−DVD(高密度ディジタル・バーサタイル・ビデオディスク)等に移行しても)変わらない。
【0013】
CD/DVDでは、2つのポリカーボネート層の間に直接挿入したUV硬化可能な接着剤樹脂は、好適には周囲の雰囲気中の酸素から分離されるため、酸素の存在によって生じる悪影響を排除できる。だがこのような場合でも、2つのポリカーボネート層をUV硬化可能な樹脂を間に配置した状態で設けると、樹脂の一部が漏れ出す、または流れ出す、またはそれ以外の態様で2つのポリカーボネート層の外側に定着して、ポリカーボネート層の一つまたは複数の端縁上または端縁沿いに(例えば外縁上または外縁沿いに)ビーズを形成してしまう。端縁上または端縁沿いの樹脂ビーズは、硬化プロセス時に酸素にさらされる場合が多い。使用する樹脂と酸素への露出とによって不完全な硬化が生じ、出来上がりのCD/DVDの端縁を不要に「粘着性に」してしまう。
【0014】
CD/DVDの製造に用いられる機械は複雑で、高速移動する部品を含む。このため、このような機械は技術文献に提唱されている浸漬不活性化には一般に適合しないと考えられている。
【0015】
CD/DVDの製造に関連した他の問題は、ポリカーボネート層に挟まれた接着剤樹脂が硬化する際のポリカーボネート層への入熱(熱ローディング)である。ポリカーボネート層の熱ローディングは、出来上がりのCD/DVDの偏りまたは歪み(軸方向、横方向、および厚さの寸法等の)を生じる場合があり、ひいては、一般に出来上がりのCD/DVDの読出し/書込み特性の劣化につながる。熱ローディングはまた、関連した材料の不要な化学的特性(例えば特性の変更等)を生じる場合がある。さらに、CD/DVD業界が開始剤の濃度を低く、かつCD/DVD上の情報の読出し/書込み用の波長を短く(高エネルギ線化)するように移行すると、接着剤の硬化動作時に2つの異なるパワー密度、すなわち好気性環境(CD/DVDの端縁での有酸素環境)用のパワー密度と、嫌気性環境(CD/DVD内部の低酸素または無酸素環境)用のパワー密度とを用いる場合がある。
【0016】
硬化の他のケースでは、希望の結果を、CD/DVDの製造に望ましいパラメータ以外のパラメータをもつように特徴付けてもよい。一例として、ディジタルグラフィックスにおいてアクリレートインキを硬化する際には、ドライで輝度の高い仕上げが望まれる。これには、ポリマーインキの調剤に大量のエネルギを放散させる方法か、または不活性化方法の少なくともいずれかを行う。印刷媒体は多様な材料から構成されている場合が多く、あるものは高エネルギ法で対処できるが、高エネルギ法は一般には他の材料、例えば塩化ポリビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチック、および各種の感熱性基板等と適合しない。
【0017】
上述した光学記憶媒体の製造およびディジタルグラフィックスにおける課題および問題は、産業上の処理過程、特に光の存在下での処理過程における代表的な問題および課題である。従って、このような処理を助長するように環境条件を改善する方法およびシステムが必要とされている。上記の代表的問題で例示したような上記のより一般的な必要性に限定しなければ、ワークピースまたは基板の選択部分の不活性化が必要とされる。一例として、かかる不活性化を光硬化性の材料と関連した、またはかかる材料を含むワークピースまたは基板(例えば高速移動するワークピースまたは基板)の表面または端縁で行い、反応が適正に行われるように、材料はインキ、コーティング、または接着剤等のUV硬化可能な材料を含むようにしてもよい(例えば反応は、酸素または他の阻害剤、または他の不純物、汚染物、または存在もしくはある計測値以上存在すれば反応の妨げとなる材料の存在によって生じる有害な効果なく、またはほとんどなく、開始、進行、および/または完了する)。
【0018】
さらに、上記の不活性化に関連して光を提供する技術が必要とされている。さらに、環境的、物理的、または化学的特性が異なるワークピースまたは基板、例えば好気性環境および嫌気性環境をもつワークピースまたは基板の光化学反応中に光の属性を変更可能にする技術が必要とされている。
【0019】
ワークピースの表面または表面下で反応を可能にする技術が必要とされており、このワークピースの表面に関連して流体フローが与えられ、かつワークピースが露光された状態で、反応がワークピースの表面または表面下で助長される。また、上述したような反応を可能にする技術が必要とされており、反応は露光に関連した光化学反応である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0020】
実施形態では、本明細書に記載する発明の主題は、ワークピース表面の選択された箇所、または選択された箇所下での反応のためのシステムおよび方法を提供し、これにより流体フローが形成されて反応を助長する。実施形態では、反応は光化学反応(例えば光エネルギの適用に関連した反応)でありうる。(本願では、(a)「流体フロー」とは、特定の反応を助長するため、ワークピースまたは基板上、もしくはワークピースまたは基板の少なくとも一つの選択表面に関連し、1回以上の選択回数だけ流れる、一つ以上の選択した流体のフローを意味し、(b)「助長する」とは、反応が適正に実行されるように、反応を促進、可能化、またはそれ以外の態様で寄与することを指す(例えば反応は、酸素または他の阻害剤、および/または場合によっては、他の不純物、汚染物、または存在もしくはある計測値以上存在すれば反応の妨げとなる材料の存在によって生じる阻害、干渉、またはその他の有害な効果なく、またはほとんどなく、開始、進行、および/または完了する)。)
【0021】
実施形態では、反応は、作業対象の少なくとも一つの選択箇所に関連して流体フローを形成することによって助長される。流体フローは、選択した流体が選択箇所上を流れることによって、選択箇所に関連付けられる。
【0022】
実施形態では、流体は不活性化流体を含みうる。不活性化流体の例には、窒素またはその他の不活性ガスもしくは液体を単独または組み合わせたものがある。不活性化流体の例にはまた、不活性産物(例えば、反応を阻害しない、またはその他の態様で反応の助長を妨げない生成物)を生成するように、酸素または他の阻害剤または材料と反応するよう選択された気体または液体が含まれる。
【0023】
実施形態では、流体は反応種を含みうる。かかる実施形態では、流体は他の種と所定の態様で反応(例えば光化学反応)する。一般的には、他の種は作業対象の一成分であるか、または作業対象の作製に使用されるものである。他の種はまた、阻害剤、不純物、汚染物、または他の不要な材料でもよい。
【0024】
実施形態では、流体は、所定の態様でその反応(光化学反応等)に対し触媒作用をする触媒種を含みうる。
【0025】
実施形態では、流体は、1つ以上の不活性化種、反応種、触媒種、またはその他の種の組み合わせを含みうる。このような任意の組み合わせは、一度に(例えば混合物またはその他の化学的組み合わせで)、連続して(例えば別個に、または混合物またはその他の組み合わせで)、またはこれら両方で与えることができる。かかる任意の組み合わせは、一度に、連続して、またはこれら両方で、ワークピースの異なる箇所に様々に付与できる。
【0026】
実施形態では、反応は、選択した光源を用いる光化学反応を含む。選択した光源は、光化学反応に適した光を与えるための任意の公知の光源から構成できる。かかる光源は、一般には、例えば特定の波長と特定の光化学反応用のパワー等の各種パラメータに対処する。
【0027】
実施形態では、光源は固体光源である。上述の一般性に限定しなければ、固体光源は発光ダイオード(LED)群の密なアレイを含みうる。
【0028】
実施形態では、流体フローは、ワークピース表面の少なくとも1つの選択箇所に希望の不活性化剤または反応種を付与して、ワークピースまたは基板の表面または表面中で、光化学反応または他の所定の反応または処理を阻害、干渉、もしくは有害な効果を与える、またはそれ以外の態様で妨げる所定薬剤の動作を、転置、排除、またはそれ以外の態様で実質的に軽減または克服する。
【0029】
他の実施形態では、流体は他の種と組み合わせて、不活性種、反応種、または触媒種のいずれかを形成する。他の実施形態では、流体フローは一方向の流体フローでもよい。さらに他の実施形態では、流体フローは多方向の流体フローでもよい(例えば、一般的には2つの異なる位置で同時に2方向に流れる、または、ある時は一方方向に別の時は他方向に、またはこれら両方で流れる)。さらに他の実施形態では、流体フローは半径方向の流体フローでもよい。さらに他の実施形態では、流体フローは乱流なく、またはほぼ乱流なく流れる(このような場合、流体フローは「層流フロー」と称される)。または、流体フローは、ある選択した乱流度をもってもよい。
【0030】
他の実施形態では、1つ以上の特徴を付与するように、流体、流れの方向と性質、およびその他の流体パラメータを選択できる。この選択は、一般的には流体フローの適用に関連する。この関連選択の例として、一般的には、選択は反応、作業製品の成分、環境(阻害剤およびその他の材料を含む)および光源に応答する。かかる選択は、上述した流体のタイプ、流れの方向、流れの性質、およびその他のパラメータのうちの任意の1つ以上のものを、他の流体のタイプ、流れの方向、流れの性質、およびその他のパラメータとともに、または別個に含むことを企図する。
【0031】
本明細書に記載する本発明の主題の利点は、ワークピースまたは基板の表面または表面下で反応(光化学反応等)を可能化させる装置および方法を提供することによって得られ、ワークピースが光源に露光された状態で、ワークピースの表面上またはその他の態様で表面に関連して流体フローを付与して、ワークピースまたは基板の表面または表面下の反応を助長させる。一実施形態では、流体は不活性種を含み、反応は好気性環境中だが流体フロー用の光化学反応である。不活性種は、例えば窒素、二酸化炭素、アルゴン、またはヘリウムの少なくともいずれかでありうる。他の実施形態では、反応は重合反応である。さらに他の実施形態では、流体は反応種を含む。さらに他の実施形態では、流体は触媒種を含む。一実施形態では、流体フローはワークピースの一部とほぼ平行である。
【0032】
反応(光化学反応等)は、基板上でインク調剤を硬化させる反応でありうる。または、反応はワークピース上のコーティングを硬化させる反応でありうる。または、反応はインクを定着させる反応でありうる。
【0033】
一実施形態では、ワークピースは、第1および第2の材料層と、これら第1層と第2層との間に挟まれた第3の材料層とを含み、反応(光化学反応等)によって、第3の材料層を第1および第2の材料層に接着させる。例えば、ワークピースは、CD型装置、DVD型装置、ブルーレイDVD型装置、またはHD−DVD型装置等の光学記憶媒体の前駆体を含みうる。
【0034】
他の実施形態では、光の波長は、約250nm〜450nmの間の1つ以上の波長である。かかる実施形態の一例では、光は固体光源を含む光源から発せられる。または、光源は固体光源群の密なアレイを含みうる。
【0035】
本明細書に記載する本発明の主題はまた、流体フローに関する各種方法を提供する。一実施形態では、窒素または二酸化炭素等の不活性流体を、インキ、コーティング、または接着剤等のUV硬化材料を含む高速移動基板の端縁部に適用して、化学反応を(例えば、酸素の存在によって生じる有害な効果にさらすことなく、またはそれ以外の態様でかかる有害な効果を軽減して)助長できる。
【0036】
さらに、本明細書に記載する本発明の主題は、光化学反応に関して異なる光パワー密度を与える方法を提供する。この実施形態の方法では、異なる光パワー密度は、異なる時間に、またはワークピースの異なる箇所に、またはこれらの組み合わせで提供できる。かかる方法の一実施形態では、ワークピースは好気性の環境と嫌気性の環境とをもつことができ、それぞれの環境に対して選択的にパワー密度を与えることができる。
【0037】
上記の説明は本明細書に記載する本発明の実施形態すべてを記すものではない。本明細書に記載する本発明の主題は例示であり、添付図面の記載に限定するものではない。図中、同一参照番号は同じ構成要素を示すものとする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
本明細書に記載する発明の概念は、反応、光化学反応、またはその他の処理(光処理等)のための様々な環境、物理および化学条件に適応できる方法およびシステムを提供して、従来技術の問題および課題を解決する。以下の説明では、本明細書に記載する発明の主題の実施形態の原理を説明する。
【0039】
一つ以上の実施形態において、本明細書に記載する発明の主題は、ワークピース表面の選択された箇所、または選択された箇所下での反応のためのシステムおよび方法を提供し、これにより流体フローが形成されて反応を助長する。このような実施形態では、反応は光化学反応(例えば光エネルギの適用に関連した反応)でありうる。(本願では、(a)「流体フロー」とは、特定の反応を助長するため、ワークピースもしくは基板上、またはワークピースもしくは基板の少なくとも1つの選択表面に関連し、1回以上の選択回数だけ流れる、1つ以上の選択した流体のフローを意味し、(b)「助長する」とは、反応が適正に実行されるように、反応を促進、可能化、またはそれ以外の態様で寄与することを指す(例えば反応は、酸素または他の阻害剤、および/または場合によっては、他の不純物、汚染物、または存在もしくはある測値以上存在すれば反応の妨げとなる材料の存在によって生じる阻害、干渉、またはその他の有害な効果なく、またはほとんどなく、開始、進行、および/または完了する)。)
【0040】
実施形態では、反応は、作業対象の少なくとも1つの選択箇所に関連して流体フローを形成することによって助長される。流体フローは、選択した流体が選択箇所上を流れることによって、選択箇所に関連付けられる。
【0041】
実施形態では、流体は不活性化流体を含みうる。不活性化流体の例には、窒素またはその他の不活性ガスもしくは液体を単独または組み合わせたものがある。不活性化流体の例にはまた、不活性産物(例えば、反応を阻害しない、またはその他の態様で反応の助長を妨げない生成物)を生成するように、酸素または他の阻害剤または材料と反応するよう選択された気体または液体が含まれる。
【0042】
実施形態では、流体は反応種を含みうる。かかる実施形態では、流体は他の種と所定の態様で反応(例えば光化学反応)する。一般的には、他の種は作業対象の一成分であるか、または作業対象の作製に使用されるものである。他の種はまた、阻害剤、不純物、汚染物、または他の不要な材料でもよい。
【0043】
実施形態では、流体は、所定の態様で反応(光化学反応等)を触媒する触媒種を含みうる。
【0044】
実施形態では、流体は、1つ以上の不活性化種、反応種、触媒種、またはその他の種の組み合わせを含みうる。このような任意の組み合わせは、一度に(例えば混合物またはその他の化学的組み合わせで)、連続して(例えば別個に、または混合物もしくはその他の組み合わせで)、またはこれら両方で与えることができる。かかる任意の組み合わせは、一度に、連続して、またはこれら両方で、ワークピースの異なる箇所に様々に供給できる。
【0045】
実施形態では、反応は、選択した光源を用いる光化学反応を含む。選択した光源は、光化学反応に適した光を与えるための任意の公知の光源から構成できる。かかる光源は、一般には、例えば特定の波長と特定の光化学反応用のパワー等の各種パラメータに対処する。
【0046】
実施形態では、光源は固体光源である。上述の一般性に限定しなければ、固体光源は発光ダイオード(LED)群の密なアレイを含みうる。この場合、密なアレイは、1つの選択波長、複数の選択波長、または1つの選択波長帯域の光を発するように実現できる。さらに、一般にかかる密なアレイは、ワークピース等において、選択した光パワー密度を提供するように実現できる。また、一般にかかる密なアレイは、例えば選択した1つまたは複数の波長の光を発する際に、(他の波長を発光しない、またはほとんど発光しないことによって)不要な加熱(ワークピース等の)をコントロールするように実現できる。
【0047】
実施形態では、流体フローは、ワークピース表面の少なくとも1つの選択箇所に希望の不活性化剤または反応種を付与して、ワークピースまたは基板の表面または表面中で、光化学反応または他の所定の反応もしくは処理を阻害、干渉、または有害な効果を与える、またはそれ以外の態様で妨げる所定の薬剤の動作を、転置、排除、またはそれ以外の態様で実質的に軽減または克服する。
【0048】
他の実施形態では、流体は他の種と組み合わせて、不活性種、反応種、または触媒種のいずれかを形成する。他の実施形態では、流体フローは一方向の流体フローでもよい。さらに他の実施形態では、流体フローは多方向の流体フローでもよい(例えば、一般的には2つの異なる位置で同時に2方向に流れる、および/またはある時は一方方向に、別の時は他方向に流れる)。さらに他の実施形態では、流体フローは半径方向の流体フローでもよい。さらに他の実施形態では、流体フローは乱流なく、またはほぼ乱流なく流れる(このような場合、流体フローは「層流フロー」と称される)。または、流体フローは、選択したある乱流度をもってもよい。
【0049】
他の実施形態では、1つ以上の特徴を付与するように、流体、流れの方向と性質、およびその他の流体パラメータを選択できる。この選択は、一般的には流体フローの適用に関連する。この関連選択の例として、一般的には、選択は反応、作業製品の成分、環境(阻害剤およびその他の材料を含む)および光源に応答する。かかる選択は、上述した流体のタイプ、流れの方向、流れの性質、およびその他のパラメータのうちの任意の1つ以上のものを、他の流体のタイプ、流れの方向、流れの性質、およびその他のパラメータとともに、または別個に含むことを企図する。
【0050】
本明細書に記載する本発明の主題の利点は、ワークピースまたは基板の表面または表面下で反応(光化学反応等)を可能化させる装置および方法を提供することによって得られ、ワークピースが光源に露光された状態で、ワークピースの表面上またはその他の態様で表面に関連して流体フローを付与して、ワークピースまたは基板の表面または表面下の反応を助長させる。一実施形態では、流体は不活性種を含み、反応は好気性環境中だが流体フロー用の光化学反応である。不活性種は、例えば窒素、二酸化炭素、アルゴン、またはヘリウムの少なくともいずれかでありうる。他の実施形態では、反応は重合反応である。さらに他の実施形態では、流体は反応種を含む。さらに他の実施形態では、流体は触媒種を含む。一実施形態では、流体フローはワークピースの一部とほぼ平行である。
【0051】
反応(光化学反応等)は、基板上でインク調剤を硬化させる反応でありうる。または、反応はワークピース上のコーティングを硬化させる反応でありうる。または、反応はインクを定着させる反応でありうる。
【0052】
一実施形態では、ワークピースは、第1および第2の材料層と、これら第1層と第2層との間に挟まれた第3の材料層とを含み、反応(光化学反応等)によって、第3の材料層を第1および第2の材料層に接着させる。例えば、ワークピースは、CD型装置、DVD型装置、ブルーレイDVD型装置、またはHD−DVD型装置等の光学記憶媒体の前駆体を含みうる。
【0053】
他の実施形態では、光の波長は、約250nm〜450nmの間の1つ以上の波長である。かかる実施形態の一例では、光は固体光源を含む光源から発せられる。または、光源は固体光源群の密なアレイを含みうる。
【0054】
本明細書に記載する本発明の主題はまた、流体フローに関する各種方法を提供する。一実施形態では、窒素または二酸化炭素等の不活性流体を、インキ、コーティング、または接着剤等のUV硬化材料を含む高速移動基板の端縁部に付与して、化学反応を(例えば、酸素の存在によって生じる有害な効果にさらすことなく、またはそれ以外の態様でかかる有害な効果を軽減して)助長できる。
【0055】
さらに、本明細書に記載する本発明の主題は、光化学反応に関して異なる光パワー密度を与える方法を提供する。この実施形態の方法では、異なる光パワー密度は、異なる時間に、またはワークピースの異なる箇所に、またはこれらの組み合わせで付与できる。かかる方法の一実施形態では、ワークピースは好気性の環境と嫌気性の環境とをもつことができ、それぞれの環境に対して選択的にパワー密度を与えることができる。
【0056】
以下の説明では、本明細書に記載する発明の主題の実施形態の原理を説明し、例えば、1つ以上の選択波長をもつ光等の適切な形式の電磁放射にさらされる作業対象の表面または表面内部における光化学反応の実施例に関連して行う。ここに記載する実施例は本発明の主題の範囲を限定するものではないことを理解されたい。例えば、以下に記載する実施形態は、不活性流体、特に窒素を特定の方法で使用することを説明するが、他の流体または流体の組み合わせの少なくともいずれかを異なる方法で用いてもよい(例えばかかる流体および方法は上述したようなものである)ことを理解されたい。
【0057】
さらに、UV硬化に関するプロセスにおける酸素阻害の問題を克服するために窒素の不活性化を用いる従来技術は、反応化学物質を窒素バスに浸漬させるか、または表面を一気に流して酸素を減じる方法を含む。だが、従来の方法はどれも、CD/DVDまたはグラフィック媒体等の端縁部の硬化に関する要件に適用できない。さらに、一般にこのような従来方法は、静止不活性化(ある設定量の不活性流体を充填しているが、本明細書に記載する流体フローはない容器を設ける等)を示唆していることを理解されたい。
【0058】
図1は、UV光硬化プロセス100の一実施形態を示す。図1では、材料シートまたはワークピース101が、2つのローラ部材102aおよび102b(ローラ部材102aは一部のみ示す)によって形成される移動装置に把持され、図1では時計回りに移動させられる。材料シート101は、進行にともない低酸素エリア103を通ってUV光露光エリア104へ進む。シート101を露光するためのUV光を生成するUV光源105は、UVランプ106と、CMK(コールドミラー)リフレクタ107と、クォーツガラスプレート108と、水冷シャッタ109aおよび109b(開位置で示す)とを含む。UV光に露光した後、材料シート101は窒素チャンバ110を通過する。
【0059】
これまで、光化学反応の開始に使用されてきたUV光源はアーク光源で、これは電力消費量が非常に高く、大量の赤外線を出力して、CD/DVDまたはグラフィック媒体の温度を許容できないほど上昇させてしまう。過剰な熱は硬化プロセス時にディスクおよび印刷媒体を歪曲させて不良品にしてしまうため、過剰な熱の吸収はCD/DVD作製において特に有害である。この問題に対処するためのアプローチにはシャッタおよびフィルタの使用があるが、どちらも複雑で、高価で、複雑な冷却システムを必要とする。これに加えて、通常、製造プロセスは不活性ガスのリザーバを収容することはできず、かつ大容量のパージを用いなければならないため、費用がかかり、危険な条件という点で作業環境に影響をおよぼしうる。
【0060】
UVスペクトル中に集中した(すなわち、水銀蒸気アークランプから発せられる電磁放射よりも高い度合いで集中した)電磁放射を発する固体UV光源が企図される。このような固体UV光源は本質的には赤外線を発しないので、CD/DVDの温度は、光化学反応に必要なUV光の吸収からの固有の温度上昇より高くならない。このようなUV光源は一般的には半導体を含み、半導体の接合部を電流が通過する際にUVフォトンが発せられるように適正な半導体材料を選ぶことによって、バンドギャップエネルギが選択される。このような固体UV光源は、CD/DVDの2枚のディスク間のバルク材料を硬化する場合等に現在使用されているアークランプシステムに代わるものとして有利である。
【0061】
従来のCD/DVD製造技術を用いる場合、CD/DVDの端縁上または端縁沿いに薄い樹脂のビーズが形成され、このビーズが酸素にさらされる場合があり、この酸素への露出のために、このビーズは(例えば使用する樹脂によっては)非粘着性の硬化部を設けるように硬化させるのが困難である。この問題を克服するために、本明細書に記載する発明の主題は、CD/DVDが硬化機械中で高速回転している、または複雑で不規則なパターン(すなわち非均一な態様で)で移動している、またはこれら両方の場合においても、CD/DVDの端縁部を不活性雰囲気(窒素等)で取り囲むメカニズムを提供する。一実施形態では、本明細書に記載する発明の主題は、製造の各段階においてCD/DVDを保持かつ移動させる機械的アセンブリ中に収容される、方向性をもった窒素(ただし二酸化炭素ガスまたは他の不活性ガスを用いてもよい)の流体フロージェットを提供する。ただし、本明細書に記載する発明の主題は、窒素の使用に限定するものではなく、二酸化炭素、および他の不活性ガス、または流体、またはこれら両方を使用してもよいことを理解されたい。
【0062】
CD/DVDの端縁部に不活性雰囲気を付与するには、様々な問題を克服しなければならない。まず、光化学反応プロセスのためにCD全面を均一に露光するには、露光中にCD/DVDを、CD/DVDを設置するスピンドルまたはプラター(円盤)に接続した電動モータで回転させ続けなければならない。だが回転動作は不活性流体と酸素とを混合させてしまう。この結果、回転中のCDの端縁部に単に窒素ジェットを当てるという簡単なアプローチでは、大きな乱流が発生して、一般には過剰な酸素が窒素と混ざりあい、これにより硬化不良が避けられないほど酸素濃度が高くなってしまう。アセンブリ全体を窒素に浸す方法は、製造ボリュームが大きすぎ、また人体への危険なく人間が処理エリアにアクセスできなければならないため、一般には実際的ではない。
【0063】
本明細書に記載する発明の主題によれば、固定具はCD/DVDの端縁部に付与される窒素の流体フローを提供する。固定具は、窒素投与系を正確にコントロールして、フロー状態が乱流を示さない(例えば層流を確立するように)低レイノルズ数を維持する。本明細書に記載する発明の主題に従う流体フロージェットを用いることにより、CD/DVDの端縁部は窒素のブランケットに浸され、これによりCD/DVDの形成に用いられる接着樹脂のUV硬化に関する酸素阻害の問題を解決する。
【0064】
図3Aは、本明細書に記載する発明の主題に従う流体フロープロセス用の固定具300の一実施形態の上面図である。図3Bは、図3AのA−A線に沿った固定具300の一実施形態の断面図である。固定具300は、スピンドル301と、外リング部材302と、内リング部材303と、プラター304とを含む。スピンドルベース301は半径方向に配向された第1の流体チャネル305を含み、これは軸線方向に配向された流体チャネル306に接続される。固定具300の実施形態で用いる「半径方向に配向」という用語は、図3Aに示すスピンドル312(図3B)からほぼ離れていく方向であることを指す。さらに、固定具300の実施形態で「軸線方向に配向」という用語は、図3Bではほぼ上下方向を指す。軸線方向の流体チャネル306は、第2の、半径方向に配向された流体チャネル307に接続される。流体チャネル307は流体キャビティ308に接続される。流体キャビティ308は、外リング部材302と内リング部材303との間の隙間すなわちフローチャネル309に接続される。一実施形態では、フローチャネル309の幅は名目上は2mmである。
【0065】
図4は、固体UV光源等の光源400と固定具300との構成の一実施形態を示す。光源400は、固定具またはノズル300上に配置されたCD/DVDワークピース(図示せず)に向かって光エネルギ401を発する。図4は固定具300の一実施形態を示すが、他の固定具を用いて(不活性、反応性、または触媒流体等の)流体フローを形成してもよいことを理解されたい。一実施形態では、光エネルギ401は約250nm〜450nmの波長をもつ。
【0066】
光源400は任意の種類の光源で構成できることを理解されたい。例えば、光源400は、シングルエミッタの光源でもよいし、または複数のシングルエミッタ光源からなるアレイでもよい。光源400に用いることができる固体光源の一例は、本願に引用して組み入れる2003年5月8日出願のPCT特許出願PCT/US03/14625号(発明の名称「高効率固体光源およびその使用・製造方法(High Efficiency Solid−State Light Source and Methods of Use and Manufacture)」、発明者マーク・ディ・オーウェンらに記載されている。このPCT特許出願PCT/US03/14625号は特に、基板上に密に配置されて、最低50mW/cm2の出力密度を得ることができるLED、レーザダイオード、またはVCSEL等の半導体光源の微細アレイから形成される高強度光源を記載している。この半導体装置は、一般的には基板上の導電パターンに接合プロセスによって取り付けられ、マイクロプロセッサ制御型の電源で駆動される。微細アレイの上には光学要素が設置され、出力ビームの指向性、強度、またはスペクトルの純度、または少なくともこれらのいずれかを改善する。光モジュールは、例えば蛍光検査および測定、光重合、イオン化、殺菌、デブリ除去、および他の光化学プロセス等に使用できる。
【0067】
さらに、任意により、使用可能な光源は、本願に引用して組み入れる2004年11月1日出願のPCT特許出願PCT/US2004/036370号(発明の名称「埋込みゲルを用いて微細光学アレイを作製する方法(Use of Potting Gels For Fabricating Microoptic Arrays)」、発明者ドゥエイン・アール・アンダーソンら)に記載された特徴を光学的に含む。このPCT出願PCT/US2004/036370号は特に、光源から光を集めるレンズアレイであって、硬化後も柔軟なままである硬化可能ゲルから形成されるレンズアレイを記載している。このレンズアレイは単独で、ハードエポキシマトリックスオーバコートなしで用いてもよい。このレンズアレイは、固体発光装置およびレンズアレイを覆うガラス窓を含む固体発光装置中で用いることができ、これによりレンズアレイが物理的に干渉または直接触れられないようにする。集光微細光学レンズ、またはプリズム、またはこれら両方のアレイをゲル中で成型して、ゲルレンズを、固体発光装置アレイからの光の集光(collect and condense)のために、安価な発光装置アレイとして用いてもよい。
【0068】
さらに、任意により、使用可能な光源は、本願に引用して組み入れる2004年10月28日出願のPCT特許出願PCT/US2004/036260号(発明の名称「ずれた半球面または小面構造をもつLEDアレイ用の集光光学系(Collection Optics For LED Array With Offset Hemispherical or Faceted Surfaces)」、発明者ドゥエイン・アール・アンダーソンら)に記載された特徴を光学的に含む。このPCT/US2004/036260号は特に、各LEDからの発散光を集光するレンズアレイを備えたLEDのアレイを記載している。アレイの各レンズはそれぞれのLEDと関連づけられ、球形の曲面を含む合成形状か、または、ずれた非球形の形状でもよい。またはレンズは曲面のレンズ表面に近似した小面構成を含んでもよい。
【0069】
さらに、任意により、使用可能な光源は、本願に引用して組み入れる2005年3月18日出願の米国特許非仮出願連続番号第11/083,525号(発明の名称「LEDの直接冷却(Direct Cooling of LEDs)」、発明者マーク・ディ・オーウェンら)に記載される特徴を光学的に含む。この米国特許非仮出願連続番号第11/083,525号は特に、冷却材をLEDに直接適用する、LEDアレイ等の半導体装置用の熱管理システムを記載する。一実施形態では、冷却材はLEDアレイを横切って流れる光透過性の冷却流体であり、LEDアレイから発せられる熱を除去するシステム中を循環する。
【0070】
さらに、任意により、使用可能な光源は、本願に引用して組み入れる2005年3月18日出願の米国特許非仮出願連続番号第11/084,466号(発明の名称「高密度LEDアレイ用の基板上の微細反射器(Micro−reflectors on a Substrate for High Density LED Array)」、発明者マーク・ディ・オーウェンら)に記載される特徴を光学的に含む。この米国特許非仮出願連続番号第11/084,466号は特に、微細反射器として機能する複数の開口とともに形成される熱基板上に設置され、各微細反射器は反射材および導電材の層を含み、光を反射して関連の半導体装置に電力を供給する複数の半導体装置を含む光学アレイモジュールを記載している。
【0071】
さらに、任意により、使用可能な光源は、本願に引用して組み入れる2005年4月12日出願の米国特許非仮出願連続番号第11/104,954号(発明の名称「高密度LEDアレイ(High Density LED Array)」、発明者ドゥエイン・アール・アンダーソンら)に記載された特徴を光学的に含む。この米国特許非仮出願連続番号第11/104,954号は特に、微細反射器のアレイを備え、微細反射器がアレイの放射出力の集光およびコリメート(視準)と平衡してアレイを密に詰めることを助ける特徴をもつ半導体装置の密なアレイを記載している。
【0072】
図3および図4に戻って、窒素は第1の半径方向に配向された流体チャネル305に導入される。窒素はチャネル305から軸線方向に配向された流体チャネル306へ進み、さらに第2の半径方向に配向された流体チャネル307へ入る。窒素は、内リング部材303中の開口を通って流体チャネル307から流体キャビティ308へ接続される(図7A〜図7D参照)。
【0073】
本実施形態で特に企図される流体の流量は、約0.5〜6リットル/分である。流量は様々に制定可能である。例えばこの流量は、固定具中のノズル間隔、流れの距離、および体積のうち1つ以上を選択して制定できる。
【0074】
上記の気体フロー条件に対して、温度範囲約25℃〜125℃以下でのレイノルズ数の目標値は約1000未満である。窒素濃度は0.89g/lとする。固定具の物理的深さによって流れの長さを制限し(例えば上記の実施形態に基づけば約10mm)、これがレイノルズ数を計算する上での特徴的長さとなる。
【0075】
レイノルズ数は次式
R=ρVD/μ・・・(1)
で得られる。式中、ρはg/lで表す密度、Vは流速、Dはmで表す代表距離、μはポアズ(Pa・s)で表す粘度である。
【0076】
固定具を通過する流速は、固定具の内シリンダと外シリンダとの間のフローエリアの体積を計算し(外シリンダの体積から内シリンダの体積を引く)、上述した流れの体積中の滞在時間を計算し、次いで流れの距離を滞在時間で除算する。例えば、内チャネルと外チャネルとの間のフローチャネルが1mmの場合、体積は0.00102リットル、滞在時間は0.0102s(0.1 l/sフロー)、流速は0.98m/sである。従って、
R=0.89g/l(0.98m/s)0.010m/0.000018
=484・・・(2)
である。
【0077】
同様に、内チャネルと外チャネル間のフローチャネルが2mmの場合では、体積は0.0038リットル、滞在時間は0.038s(0.1 l/sフロー)、流速は0.26m/sである。従って、
R=0.89g/l(0.26m/s)0.010m/0.000018
=128・・・(3)
である。
【0078】
一実施形態では、フローチャネル309(図3)は流速が速くてもレイノルズ数を低くできるように2mmに選択される。
【0079】
図3に戻って、窒素は外リング部材302と内リング部材303との間の隙間309を通過して、この場合は窒素である不活性流体の流体フローをCD/DVDワークピース(図示せず)の端縁部に付与する。すなわち、固定具300によって生成される不活性流体の流体フローは、この場合はCD/DVDであるワークピースの端縁面とほぼ平行となる。固体UV光源400からのUV光エネルギ401は、CD/DVDのディスク間の接着樹脂を光化学反応させて硬化させる。このような光エネルギの付与によって、流体フローは、CD/DVDの端縁部に粘着性の硬化部を形成することなく、光化学反応および硬化を行う。これ以外の他の不活性流体を用いてもよいことを理解されたい。
【0080】
図9は、LEDチップ901等の複数の固体発光装置が、基板902に密なアレイで設置または他の態様で配置された投光モジュール900の一実施形態の基本構造を示す。LEDチップ901と基板902とは、ヒートシンク903に熱的に接続される。可視および不可視光のスペクトル範囲に対して各種LEDチップが市場入手可能であり、同業者であれば意図する使用法に応じてLEDチップを選択できる。硬化等の材料変成応用に適したLEDチップの一例は、Cree,Inc(米国ノースカロライナ州ダーラム)製のP/N C395−XB290−E0400−Xである。モジュール900は、希望の動作を実行するための波長および強度をもつ光出力を生成するLEDチップ901に電力を供給するため、電源904に接続される。ヒートシンク903は、例えばアルミニウムで構成できる。LEDチップ901の基板902上の間隔または密度は、特に希望の動作に必要な出力のパワー密度によって決定される。
【0081】
図5Aは、図3Aおよび図3Bに示すスピンドルベース301の一実施形態の上面図である。図5Bは、図5Aに示すスピンドルベース301の一実施形態のB−B線に沿った断面図である。図5Cは、図5Aに示すスピンドルベース301の一実施形態の側面図である。図5Dは、図5Aに示すスピンドルベース301の一実施形態の斜視図である。スピンドルベース301は、基部310と、肩部311と、スピンドル312とを含む。基部310は、半径方向に配向された流体チャネル305と、軸線方向に配向された流体チャネル306とを含む。肩部311は、内リング部材303を肩部311に取り付けるのに用いられる隠しネジ穴313と、プラター304を肩部311に取り付けるのに用いられる隠しネジ穴314とを含む。
【0082】
図6Aは、図3Aおよび図3Bに示す外リング部材302の一実施形態の上面図である。図6Bは、図6Aに示す外リング部材302の一実施形態のC−C線に沿った断面図である。図6Cは、図6Aに示す外リング部材302の一実施形態の斜視図である。外リング部材302は、底部315と、側壁部316と、底部315に形成される中央開口部317とを含む。
【0083】
図7Aは、図3Aおよび図3Bに示す内リング部材303の一実施形態の上面図である。図7Bは、図7Aに示す内リング部材303の一実施形態のD−D線に沿った断面図である。図7Cは、図7Aに示す内リング部材303の一実施形態の側面図である。図7Dは、図7Aに示す内リング部材303の一実施形態の斜視図である。内リング部材303は、中心部318と、側壁部319と、中心部318に形成される中央開口部320とを含む。中心部はまた、流体通過用の開口321と、取り付け用の開口322とを含む。流体は、第2の半径方向流体チャネル307から、流体通過用の開口321を通って流体キャビティ308へ進む。取り付け用開口322はスピンドルベース301の肩部311の隠しネジ穴313と整列し、これにより内リング部材303をネジ(図示せず)を用いてスピンドルベース301上に設置できる。
【0084】
図8Aは、図3Aおよび図3Bに示すプラター304の一実施形態の上面図である。図8Bは、図8Aに示すプラター304の一実施形態の側面図である。図8Cは、図8Aに示すプラター304の一実施形態の斜視図である。プラター304は、中心部323と外縁部324とを含む。さらに、プラター304は、プラター304をスピンドルベース301の肩部311に取り付けるための開口325(図中、1つの開口のみに参照番号を付す)と、スピンドル312用の中央開口部326とを含む。
【0085】
本明細書に記載する発明の主題は、各種の不活性流体源とともに便利に使用できる。一実施形態では、流体はオンサイト(現場)で生成してもよい。例えばこの実施形態では、もし不活性流体が地球環境中で最も一般的な気体である窒素を含むならば、窒素源は任意の従来技術を用いて窒素を製造するオンサイト型装置でもよい。さらに、一般に圧縮空気はCD/DVD製造装置による他の用途が示されるので、例えば不活性流体として窒素の流体フローを確立するポンプを駆動するパワーを付与するために、一般的には圧縮空気システムを窒素の供給に関して容易に適合可能である。
【0086】
いくつかの実施形態では、窒素のオンサイトでの製造、または流体の供給に関連した圧縮空気の使用のいずれか一方または両方は、化学反応のため、または化学反応に関連して、極めて高い流体純度が必要なので、問題となりうる。従来の低酸素環境でのUVシート供給型乾燥では、残留酸素濃度1%〜3%ならば印刷インキまたはコーティングを十分に架橋すると仮定すると、印刷またはコーティングしたシート表面にUV装置通過前に窒素の流体フローを誘導することによって、必要な効果を達成することが可能である。酸素阻害の問題を克服するには、やや低い純度(半導体業界で要求される基準に基づいて)で十分なことが公知である。従って本明細書に記載する発明の主題では、CD/DVDの製造用に窒素をオンサイトで製造すること、または窒素供給部の駆動に関連して圧縮空気を使用すること、またはこれら両方は、このような製造/駆動を任意の必要な流体フロー純度(例えば表面の不活性化に付与される窒素純度等)を維持しながら用いれば、費用効率よく容易に実現できる。
【0087】
他の実施形態では、本明細書に記載する発明の主題に従う技術を用いて、ポリマー剤でコーティングされた平らな表面をもつ材料を不活性化できる。一例として、感熱性の印刷媒体をピエゾインクジェットヘッドを用いて印刷する場合が挙げられる。この場合、インクの印刷または定着はUV光への低出力の露光によって行われ、最終的な硬化はグラフィック媒体用の流体フローの一実施形態を用いて行うことができる。動作は上述したプロセスと同様のものである。ある実施例では、希望の流体フローを確立するための規準としてレイノルズ数を用いる動作でもよい。
【0088】
このようなアプローチは、希望位置(1箇所または複数箇所)での酸素濃度を希望レベルまで下げる。例えば、酸素濃度を約0.5%未満に下げることができる。いずれの場合も、この引き下げは、一般に印刷媒体のポリマー上の酸素の阻害行動を軽減(または排除)させるためであり、これにより希望の時間枠(例えば数秒)内でドライで高輝度の仕上げを希望する多数の印刷プロセス方法を可能にする。上述した応用は一例であり、本明細書に記載する発明の主題は、ガントリープリンタ、またはロール・トゥ・ロールプロセス、またはこれら両方を含む応用に限定されないことを理解されたい。
【0089】
さらに本明細書に記載する発明の主題は、CD/DVD層に、追加の不要な、または望ましくない、またはこれら両方のエネルギを負荷しない場合が多い。これは、例えば選択した波長帯域をもつ光源を提供することによって達成できる。これにより、部品が受ける波長を光化学反応の発生に有用な波長帯域に限定する。例えば本明細書に記載する発明の主題の一実施形態は、LED等の特定波長向け光源を用いて、前面/背面ディスク中の吸光損失にかかわらず、十分な放射エネルギをCD/DVDのポリカーボネート製のディスク層の前面と背面との間の接着層に選択的に結合する。本明細書に記載する発明の主題の他の実施形態では、軸対象の高伝導率表面を通ってCD/DVD等の嫌気エリアおよび好気エリアに結合するLEDアレイまたはレーザ等の光源を用いる。本明細書に記載する発明の主題の第3の実施形態は、CD/DVDの端縁部等の嫌気箇所を硬化する第1の光源と、CD/DVDのバルク領域等の嫌気箇所を硬化する第2の光源とを用いる。第3の実施形態では、第1の光源にはLEDを使用し、CD/DVDの嫌気箇所の硬化に用いられるよりも高いエネルギ密度を達成するにはレーザを用いる。
【0090】
以上の説明では、CD/DVD用の接合動作に関する特定の実施形態を記載したが、本明細書に記載する発明の主題は、任意の数のインキ、グラフィックアート、産業用コーティング、ペンキ、接合技術、接着応用に関する他の応用、およびその他の同種の応用に適用可能であることを理解されたい。例えば本明細書に記載する発明の主題は、基板上でインク調剤を硬化させる光化学反応、例えばラベル、店頭ディスプレイ、ポリエチレン基板、ポリウレタン基板、パッケージ用基板、コーティングしたパッケージ用基板、スクリーンインキ、紙基板、およびプラスチック基板等に適用可能であるが、これらの応用に限定するものではない。さらに、本明細書に記載する発明の主題は、クリアーコート、ペンキコート、保護コート、カプセル材料、等角コーティング、および誘電コーティング等のコーティングを硬化する光化学反応に応用できるが、これらの応用に限定するものではない。
【0091】
当業者であれば、上述した実施形態の各部品および動作を含む詳細および構成に対して、各種変形および変更が可能であること、および前掲の特許請求の範囲に含まれるかかる変形および変更を実行可能であることを理解できると考える。従って上記の実施形態は例示であり、本発明を制約するもの、または本発明の唯一の実施形態と考えるべきではない。さらに本明細書に記載する発明の主題は、本明細書に記載した各実施形態、またはその詳細ならびに構成に限定されず、かつされるべきではなく、特許請求の範囲は元出願の範囲およびその等価物内に変形できると考える。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】UV光硬化プロセスの一例を示す図である。
【図2A】通常DVD−5と称される片面単層ディスクの一部の断面図である。
【図2B】通常DVD−9と称される片面二層ディスクの一部の断面図である。
【図2C】通常DVD−10と称される両面DVDディスクの一部の断面図である。
【図3A】流体フロープロセスの固定部の一実施形態の上面図である。
【図3B】図3AのA−A線に沿った固定部の一実施形態の断面図である。
【図4】光源を含む固定部の一実施形態の構成図である。
【図5A】図3Aおよび図3Bに示すスピンドルベースの一実施形態の上面図である。
【図5B】図5AのB−B線に沿ったスピンドルベースの一実施形態の断面図である。
【図5C】図5Aのスピンドルベースの一実施形態の側面図である。
【図5D】図5Aのスピンドルベースの一実施形態の斜視図である。
【図6A】図3Aおよび図3Bの外リング部材の一実施形態の上面図である。
【図6B】図6AのC−C線に沿った外リング部材の一実施形態の断面図である。
【図6C】図6Aの外リング部材の一実施形態の斜視図である。
【図7A】図3Aおよび図3Bの内リング部材の一実施形態の上面図である。
【図7B】図7AのD−D線に沿った内リング部材の一実施形態の断面図である。
【図7C】図7Aの内リング部材の一実施形態の側面図である。
【図7D】図7Aの内リング部材の一実施形態の斜視図である。
【図8A】図3Aおよび図3Bのプラターの一実施形態の上面図である。
【図8B】図8Aのプラターの一実施形態の側面図である。
【図8C】図8Aのプラターの一実施形態の斜視図である。
【図9】複数の固体発光装置(エミッタ)を備えた投光モジュールの一実施形態の基本構造を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークピースの少なくとも一つの表面上に流体の流体フローを供給するステップと、
前記ワークピースの前記少なくとも一つの表面に関連して、反応を助長する光で前記ワークピースを露光するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記流体は不活性種を含み、前記反応は、前記流体のフローがなかったら望ましくない環境中でのものとなる、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、前記不活性種は、窒素、二酸化炭素、アルゴン、およびヘリウムのうちのいずれか一つを含む方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、前記反応は重合反応である方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、前記反応は光化学反応である方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、前記流体は反応種を含む方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、前記流体は触媒種を含む方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、前記流体は一つ以上の種の組み合わせを含み、前記種の組み合わせは、不活性種、反応種、および触媒種のうちの一つ以上の種の組み合わせである方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法において、前記光は固体光源を含む光源によって発生する方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法において、前記光源は固体光源の密なアレイを含む方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法において、前記ワークピースは、CD型装置、DVD型装置、ブルーレイDVD型装置、およびHD−DVD型装置のうちの一つを含み、前記少なくとも一つの表面は、前記ワークピースの少なくとも一つの周辺端縁部を含む方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法において、前記反応は、インク情報の定着および硬化の少なくともいずれかのための反応である方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法において、前記反応はコーティングの硬化のための反応である方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法において、前記流体フローは層流によって特徴付けられる方法。
【請求項15】
ワークピースの少なくとも一つの表面に関連して流体の流体フローを供給する排出口と、
前記ワークピースの前記少なくとも一つの表面に関連して、反応を助長する光で前記ワークピースを露光する光源と、
を含む装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置において、前記流体は不活性種を含み、前記反応は、前記流体のフローがなかったら望ましくない環境中でのものとなる、装置。
【請求項17】
請求項16に記載の装置において、前記不活性種は、窒素、二酸化炭素、アルゴン、およびヘリウムのうちのいずれか一つを含む装置。
【請求項18】
請求項15に記載の装置において、前記反応は重合反応を含む装置。
【請求項19】
請求項15に記載の装置において、前記反応は光化学反応である装置。
【請求項20】
請求項15に記載の装置において、前記流体は反応種を含む装置。
【請求項21】
請求項15に記載の装置において、前記流体は触媒種を含む装置。
【請求項22】
請求項15に記載の装置において、前記流体は一つ以上の種の組み合わせを含み、前記種の組み合わせは、不活性種、反応種、および触媒種のうちの一つ以上の種の組み合わせである装置。
【請求項23】
請求項15に記載の装置において、前記光源は固体光源を含む装置。
【請求項24】
請求項22に記載の装置において、前記光源は固体光源の密なアレイを含む装置。
【請求項25】
請求項15に記載の装置において、前記ワークピースは、光学記憶媒体の前駆体を含む装置。
【請求項26】
請求項25に記載の装置において、前記光学記憶媒体は、CD型装置、DVD型装置、ブルーレイDVD型装置、およびHD−DVD型装置のうちの一つを含み、前記少なくとも一つの表面は、前記ワークピースの少なくとも一つの周辺端縁部を含む装置。
【請求項27】
請求項15に記載の装置において、前記反応は、インク情報の定着および硬化の少なくともいずれかのための反応である装置。
【請求項28】
請求項15に記載の装置において、前記流体フローは層流によって特徴付けられる装置。
【請求項29】
請求項15に記載の装置において、前記反応はコーティングの硬化のための反応である装置。
【請求項30】
請求項15に記載の装置において、前記ワークピースは、第1の材料層と、第2の材料層と、前記第1層と前記第2層との間の第3の材料層とを含み、
前記反応は、前記第3の材料層が前記第1の材料層と前記第2の材料層とに接着できるようにする装置。
【請求項31】
請求項30に記載の装置において、前記光源は、約250nm〜450nmの一つ以上の波長または一つ以上の波長帯域を含むUV光を発する固体光源を含み、前記流体フローは前記光源と前記ワークピースとの間に配される装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−535679(P2008−535679A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−549689(P2007−549689)
【出願日】平成17年12月30日(2005.12.30)
【国際出願番号】PCT/US2005/047605
【国際公開番号】WO2006/072071
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(504412255)フォーセン テクノロジー インク (5)
【Fターム(参考)】