説明

画像処理方法、画像処理装置、医用画像診断支援システム、及び時間軸方向フィルタリング方法

医用画像撮影装置により所定時間にわたって被検体を撮影することにより得られた時系列に並んだ画像データが入力される入力工程と、前記画像データに含まれる各画素について、画素座標位置毎に前記時系列に並んだ全画素の中から所定の条件に合致する画素を時間軸方向抽出する時間軸方向抽出工程と、前記時間軸方向抽出工程により時間軸方向抽出された画素に基づいて2次元又は3次元画像を構成する構成工程と、を含むことを特徴とする画像処理方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理方法、画像処理装置、医用画像診断支援システム、及び時間軸方向フィルタリング方法に係り、特に、X線CT(computed tomography)装置、MRI(magnetic resonance imaging)装置、及びUS(ultrasound)撮影装置に代表される医用画像撮影装置で取得した画像データに基づいて特定の表示を行なうために、画像データに含まれる画素を抽出したり再配列したりすることができる画像処理方法、画像処理装置、医用画像診断支援システム、及び時間軸方向フィルタリング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
造影剤を使用した血管撮影は、X線CT装置、MRI装置、US装置等で行われている。
【0003】
X線CT装置を用いて造影剤を用いた血管撮影を行うことはCTA(computed tomography angiography)と呼ばれ、MRI装置を用いて造影剤を用いた血管撮影を行うことはMRA(magnetic resonance imaging angiography) と呼ばれている。
【0004】
特許文献1は、この応用として、造影画像表示によって造影剤流入の経時表示を行なう造影画像表示方法を開示している。この方法は、造影血管のみを抽出するために、DigitalSubtraction Angiography (以下「DSA」という。)方法を使用する。このDSAは、造影前と造影後との画像を撮影して差分を表示する方法である。特許文献1に開示された造影画像表示方法は、ある断面を通過する造影剤像をDSAにより所定時間ごとに求め、これら造影剤像を経時的に並べて、その断面における造影剤像の時間推移を表示する。造影剤像は、造影剤の量を表すので、その断面における造影剤量の時間推移が得られる。
【0005】
しかし、この造影画像表示方法は、断面における造影剤の量を確認することはできるが、造影された血管などの空間的3次元画像を表示することはできない。
【特許文献1】特開平11−137552号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明が解決しようとする課題は、時系列に沿って撮影された画像データに基づいて所望する画像、例えば、造影された血管の全体像を空間的3次元画像として表示することである。
【0007】
また、造影剤の量を従来と変えることなく、撮影のタイミングや撮影位置の誤差や造影剤の血管内の濃度値に起因する不均一なムラが生じない造影血管の表示画像を提供し、撮影のやり直しによる被検体の被曝量の増大を防ぐことである。
【0008】
更に、特定領域を抽出する場合に、演算の所要時間をより短くし、かつ、操作者の個人差による領域の抽出精度のばらつきをなくすことである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、医用画像撮影装置により所定時間にわたって被検体を撮影することにより得られた時系列に並んだ画像データが入力される入力工程と、前記画像データに含まれる各画素について、画素座標位置毎に前記時系列に並んだ全画素の中から所定の条件に合致する画素を時間軸方向抽出する時間軸方向抽出工程と、前記時間軸方向抽出工程により時間軸方向抽出された画素に基づいて2次元又は3次元画像を構成する構成工程と、を含むことを特徴とする画像処理方法に係る。
【0010】
本発明における「2次元又は3次元画像」とは、位置座標を2座標または3座標を用いて表した画像をいう。
【0011】
また本発明における「2次元画像」には、特定断面を撮影した断面像の他、被検体を撮影して得られた3次元画像データを投影して得られた2次元投影画像を含む。
【0012】
また本発明における「画素を抽出する」とは、所定時間内のある時刻における画素を特定するためのデータを抽出することであり、画素座標位置毎に時系列に並んだ全画素の中から、ある時刻における画素を特定するために画素座標位置及び時間座標を抽出したり、ある時刻を指定するデータのみを抽出したり、ある時刻における画素に対応した画素値を時間軸方向抽出したりすることを含む。
【0013】
また本発明に係る「時間軸方向フィルタ」とは、時系列に並んだ画像データまたは画素に対し、時間軸方向に所定の作用を生じさせるための処理を行なうものであり、例えば時系列に並んだ画像データから時間軸方向で最大値、最小値等の所定の条件を満たす画素を抽出する時間軸方向抽出と、時系列に並んだ画像データに対して時間軸方向に重み付けを行う時間軸方向重み付けとがある。時間軸方向重み付けには、例えば撮影した所定時間のうち中央時刻付近に撮影された画像データの重みを大きくしたり、撮影開始時刻及び撮影終了時刻に撮影された画像データの重みを小さくしたりするものがある。
【0014】
また、医用画像撮影装置により所定時間にわたって造影剤を注入された被検体を撮影して得られた時系列に並んだ画像データが入力される入力工程と、前記画像データに基づいて時系列に並んだ3次元画像を再構成する画像再構成工程と、前記時系列に並んだ3次元画像を構成する各画素について、画素座標位置毎に前記時系列に並んだ全画素の中から前記造影剤による造影像が最も鮮明な最大値画素と、前記造影剤が残存していないかあるいはほとんど残っていない最小値画素と、を時間軸方向抽出する時間軸方向抽出工程と、前記最大値画素に基づいて造影剤による造影像が最も鮮明な2次元又は3次元画像と、前記最小値画素に基づいて前記造影剤が残存しないかあるいはほとんど残っていない2次元又は3次元画像と、を構成する構成工程と、前記造影剤による造影像が最も鮮明な2次元又は3次元画像と、前記造影剤が残存しないかあるいはほとんど残っていない2次元又は3次元画像と、の差分演算を行なう差分演算工程と、前記差分演算の結果に基づいて差分画像を作成する差分画像作成工程と、
を含むことを特徴とする画像処理方法に係る。
【0015】
また、医用画像撮影装置により所定時間にわたって被検体を撮影することにより得られた時系列に並んだ画像データが入力される入力工程と、前記画像データに含まれる各画素について、画素座標位置毎に前記時系列に並んだ全画素に対して時間軸方向フィルタ処理を行い、前記時系列に沿って所定の時間軸方向重み付けを行う時間軸方向フィルタリング工程と、前記時間軸方向フィルタリング工程により時間軸方向フィルタ処理をされた前記画像データに基づいて2次元又は3次元画像を構成する構成工程と、を含むことを特徴とする画像処理方法に係る。
【0016】
また、医用画像撮影装置により所定時間にわたって被検体を撮影して得られた時系列に並んだ画像データが入力される入力工程と、前記所定時間内の第一時刻における前記画像データに含まれる各画素の画素値と、前記所定時間内の第二時刻における前記画像データに含まれる各画素の画素値と、の変化量を算出する算出工程と、前記変化量が所定値以下である領域に含まれる各画素について、画素座標位置毎に前記第一時刻から前記第二時刻までの画素値の平均値を算出する工程と、前記変化量が所定値以下である領域に含まれる各画素の画素値は前記平均値であり、前記変化量が所定値よりも大きい領域に含まれる各画素の画素値は前記画像データの画素値である加工画像を作成する工程と、を含むことを特徴とする画像処理方法に係る。
【0017】
また、医用画像撮影装置により所定時間にわたって被検体を撮影することにより得られた時系列に並んだ画像データが入力される入力手段と、前記画像データに含まれる各画素について、画素座標位置毎に前記時系列に並んだ全画素の中から所定の条件に合致する画素を時間軸方向抽出する時間軸方向抽出手段と、前記時間軸方向抽出手段により時間軸方向抽出された画素に基づいて2次元又は3次元画像を構成する構成手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置に係る。
【0018】
また、医用画像撮影装置により所定時間にわたって造影剤を注入された被検体を撮影して得られた時系列に並んだ画像データが入力される入力手段と、前記画像データに基づいて時系列に並んだ3次元画像を再構成する画像再構成手段と、前記時系列に並んだ3次元画像を構成する各画素について、画素座標位置毎に前記時系列に並んだ全画素の中から前記造影剤による造影像が最も鮮明な最大値画素と、前記造影剤が残存していないかあるいはほとんど残っていない最小値画素と、を時間軸方向抽出する時間軸方向抽出手段と、前記最大値画素に基づいて造影剤による造影像が最も鮮明な2次元又は3次元画像と、前記最小値画素に基づいて前記造影剤が残存しないかあるいはほとんど残っていない2次元又は3次元画像と、を構成する構成手段と、前記造影剤による造影像が最も鮮明な2次元又は3次元画像と、前記造影剤が残存しないかあるいはほとんど残っていない2次元又は3次元画像と、の差分演算を行なう差分演算手段と、前記差分演算の結果に基づいて差分画像を作成する差分画像作成手段と、を含むことを特徴とする画像処理装置に係る。
【0019】
また、医用画像撮影装置により所定時間にわたって被検体を撮影することにより得られた時系列に並んだ画像データが入力される入力手段と、前記画像データに含まれる各画素について、画素座標位置毎に前記時系列に並んだ全画素に対して時間軸方向フィルタ処理を行い、前記時系列に沿って所定の時間軸方向重み付けを行う時間軸方向フィルタリング手段と、前記時間軸方向フィルタリング手段により時間軸方向フィルタ処理をされた前記画像データに基づいて2次元又は3次元画像を構成する構成手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置に係る。
【0020】
また、医用画像撮影装置により所定時間にわたって被検体を撮影して得られた時系列に並んだ画像データが入力される入力手段と、前記所定時間内の第一時刻における前記画像データに含まれる各画素の画素値と、前記所定時間内の第二時刻における前記画像データに含まれる各画素の画素値と、の変化量を算出する算出手段と、前記変化量が所定値以下である領域に含まれる各画素について、画素座標位置毎に前記第一時刻から前記第二時刻までの画素値の平均値を算出する手段と、前記変化量が所定値以下である領域に含まれる各画素の画素値は前記平均値であり、前記変化量が所定値よりも大きい領域に含まれる各画素の画素値は前記画像データの画素値である加工画像を作成する手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置に係る。
【0021】
また、所定時間にわたって被検体を撮影することにより、時系列に並んだ画像データを取得する医用画像撮影装置と、前記画像データに基づいて2次元又は3次元画像を構成する演算装置と、前記演算装置が作成した画像を表示する表示装置と、を備えた医用画像診断支援システムにおいて、前記演算装置は、前記時系列に並んだ画像データが入力される入力手段と、前記画像データに含まれる各画素について、画素座標位置毎に前記時系列に並んだ全画素の中から所定の条件に合致する画素を時間軸方向抽出する時間軸方向抽出手段と、前記時間軸方向抽出手段により時間軸方向抽出された画素に基づいて2次元又は3次元画像を構成する構成手段と、を備え、前記表示装置は、前記構成手段が構成した2次元又は3次元画像を表示する、ことを特徴とする医用画像診断支援システムに係る。
【0022】
また、所定時間にわたって被検体を撮影することにより、時系列に並んだ画像データを取得する医用画像撮影装置と、前記画像データに基づいて2次元又は3次元画像を構成する演算装置と、前記演算装置が作成した画像を表示する表示装置と、を備えた医用画像診断支援システムにおいて、前記演算装置は、医用画像撮影装置により所定時間にわたって造影剤を注入された被検体を撮影して得られた時系列に並んだ画像データが入力される入力手段と、前記画像データに基づいて時系列に並んだ3次元画像を再構成する画像再構成手段と、前記時系列に並んだ3次元画像を構成する各画素について、画素座標位置毎に前記時系列に並んだ全画素の中から前記造影剤による造影像が最も鮮明な最大値画素と、前記造影剤が残存していないかあるいはほとんど残っていない最小値画素と、を時間軸方向抽出する時間軸方向抽出手段と、前記最大値画素に基づいて造影剤による造影像が最も鮮明な2次元又は3次元画像と、前記最小値画素に基づいて前記造影剤が残存しないかあるいはほとんど残っていない2次元又は3次元画像と、を構成する構成手段と、前記造影剤による造影像が最も鮮明な2次元又は3次元画像と、前記造影剤が残存しないかあるいはほとんど残っていない2次元又は3次元画像と、の差分演算を行なう差分演算手段と、前記差分演算の結果に基づいて差分画像を作成する差分画像作成手段と、を備え、前記表示装置は、前記差分画像作成手段が作成した差分画像を表示する、ことを特徴とする医用画像診断支援システムに係る。
【0023】
また、所定時間にわたって被検体を撮影することにより、時系列に並んだ画像データを取得する医用画像撮影装置と、前記画像データに基づいて2次元又は3次元画像を構成する演算装置と、前記演算装置が作成した画像を表示する表示装置と、を備えた医用画像診断支援システムにおいて、前記演算装置は、前記時系列に並んだ画像データが入力される入力手段と、前記画像データに含まれる各画素について、画素座標位置毎に前記時系列に並んだ全画素に対して時間軸方向フィルタ処理を行い、前記時系列に沿って所定の時間軸方向重み付けを行う時間軸方向フィルタリング手段と、前記時間軸方向フィルタリング手段により時間軸方向フィルタ処理をされた前記画像データに基づいて2次元又は3次元画像を構成する構成手段と、を備え、前記表示装置は、前記構成手段が構成した2次元又は3次元画像を表示する、ことを特徴とする医用画像診断支援システムに係る。
【0024】
また、医用画像撮影装置により所定時間にわたって被検体を撮影することにより得られた時系列に並んだ画像データが入力される入力工程と、前記画像データに含まれる各画素について、画素座標位置毎に前記時系列に並んだ全画素に対して時間軸方向フィルタ処理を行い、前記時系列に沿って所定の時間軸方向重み付けを行なう時間軸方向フィルタリング工程と、を含むことを特徴とする時間軸方向フィルタリング方法に係る。
【0025】
また、医用画像撮影装置により所定時間にわたって被検体を撮影することにより得られた時系列に並んだ画像データが入力される入力工程と、前記画像データに含まれる各画素について、画素座標位置毎に前記時系列に並んだ全画素に対して時間軸方向にフィルタ処理を行い、各画素座標位置を代表する画素値を取得する時間軸方向フィルタリング工程と、を含むことを特徴とする時間軸方向フィルタリング方法に係る。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、時系列に沿って撮影された画像データのうち、造影剤が好適に存在している部位を時間軸方向に抽出して、その部位の画像を合成することにより、造影剤が経由した軌跡を広範囲にわたり明瞭に描出することができる。そのため、撮影における造影効果の時間的推移の影響を低減し、また使用する造影剤量を低減したまま造影画像の明瞭化及び広範囲化を図ることができる。
【0027】
また、本発明によれば、経時的な画素値のゆらぎを低減するように、2次元または3次元画像内のある画素値の時間軸方向変化を加工して時間軸方向フィルタ関数を作成することができる。この時間軸方向フィルタ関数を画素値の時間的変化が実質的にない画像上の領域に適用することにより、濃度分解能及び空間分解能を低下させることなく、ノイズの影響を低減することができる。
【0028】
また、本発明によれば、経時的な2次元または3次元画像の中から、造影剤に最もよく染まっている画像と造影剤の入っていない画像との差分から造影剤が入っている部分だけを抽出することができる。そのため、周辺臓器に囲まれた特定臓器のみを抽出するにあたり、短い演算時間で簡単な操作により、操作者の能力の個人差による領域の抽出精度のばらつきをなくし、所望の領域を正確に抽出することができる。また、造影剤の量を従来と変えることなく、撮影のタイミングや撮影位置の誤差や造影剤の濃度値に起因する不均一なムラが生じない造影像の表示画像を提供し、再度の撮影による被曝量の増大及びコストアップを防ぐことができる。
【0029】
また、本発明によれば、時間軸方向フィルタ関数によりノイズ量を低減しながら、動態部に色などをつけて表示することにより動態部の様子を把握しやすくすることができる。そのため、動態下にある機能情報の評価を容易化する画像処理技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1(a)】図1(a)は、本発明の一実施の形態によるX線CT装置の全体構成図である。
【図1(b)】図1(b)は、本発明の一実施の形態によるX線CT装置の内部構成を示すための機能毎に分解したブロック図である。
【図2(a)】図2(a)は、本発明の一実施の形態によるMRI装置の全体構成図である。
【図2(b)】図2(b)は、本発明の一実施の形態によるMRI装置の内部構成を示すための機能毎に分解したブロック図である。
【図3】図3は、造影剤が注入された血管内においてその画素値が経時間的に変動し、そこから最大値画像を作成する様子を示した概念図である。
【図4】図4は、造影剤が注入された血管内においてその画素値が経時間的に変動し、そこから最小値画像を作成する様子を示した概念図である。
【図5】図5は、3次元画像データにおいて、画素値が経時的に最大値となる画像の取得方法を示した概念図である。
【図6】図6は、2次元画像データにおいて、画素値が経時的に最大値となる画像の取得方法を示した概念図である。
【図7】図7は、3次元画像データに時間軸方向のフィルタ処理を行なう工程を示す概念図である。
【図8】図8は、3次元画像データに対して時間軸方向のフィルタ処理を行なう様子を示した概念図である。
【図9(a)】図9(a)は、加算平均時間軸方向フィルタの一例を示す概念図である。
【図9(b)】図9(b)は、加重加算平均時間軸方向フィルタの一例を示す概念図である。
【図9(c)】図9(c)は、メディアン時間軸方向フィルタの一例を示す概念図である。
【図9(d)】図9(d)は、微分時間軸方向フィルタの一例を示す概念図である。
【図9(e)】図9(e)は、高域強調時間軸方向フィルタの一例を示す概念図である。
【図10】図10は、2次元画像データに対して時間軸方向のフィルタ処理を行なう様子を示した概念図である。
【図11(a)】図11(a)は、対象物の動きによって画素値が経時的に変化するシネ表示の一例を示す概念図である。
【図11(b)】図11(b)は、対象物に注入した造影剤の濃度値が経時的に変化するシネ表示の一例を示す概念図である。
【図12】図12は、本発明に係わる造影血管や造影臓器内の造影血流の外殻を抽出するための工程を示すフローチャートである。
【図13】図13は、本発明の一実施の形態による差分画像の作成処理を示すフローチャートであり、MIP法を用いて生成した2次元投影画像データに時間軸方向のフィルタ処理をかけて複数の画像を作成し、それらの画像を差分した差分画像を作成する一例を示す。
【図14】図14は、本発明の一実施の形態による医用画像診断支援システムの全体構成図である。
【符号の説明】
【0031】
1 X線CT装置
2 被検体
3 医用画像撮影装置
4 MRI装置
5 ネットワーク
6 画像DB
10 スキャナ
51 造影血管
52 造影剤
53 最大値画像
54 最小値画像
61 時刻t1における3次元画像データ
62 時刻t2における3次元画像データ
63 時刻t3における3次元画像データ
64 時刻tnにおける3次元画像データ
65 時刻t1からtnまでの最大値画素を集めた3次元画像データ
71 時刻t1における2次元画像データ
72 時刻t2における2次元画像データ
73 時刻t3における2次元画像データ
74 時刻tnにおける2次元画像データ
75 時刻t1からtnまでの最大値画素を集めた2次元画像データ
81 3次元画像データ
82 フィルタ処理
83 フィルタ処理後の画像データ
91 時刻t1における3次元画像データ
92 時刻t2における3次元画像データ
93 時刻t3における3次元画像データ
94 時刻tnにおける3次元画像データ
95 時間軸方向重み付けフィルタ処理後の3次元画像データ
96 時間軸方向重み付けフィルタ
101 時刻t1における2次元画像データ
102 時刻t2における2次元画像データ
103 時刻t3における2次元画像データ
104 時刻tnにおける2次元画像データ
105 時間軸方向重み付けフィルタ処理後の2次元画像データ
106 時間軸方向重み付けフィルタ
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0033】
図1(a)は、本発明の一実施の形態によるX線CT装置の全体構成図であり、図1(b)は、本発明の一実施の形態によるX線CT装置の内部構成を機能毎に分解したブロック図である。
【0034】
図1(a)、図1(b)のX線CT装置1は、主に、スキャナ10と操作ユニット30とを電源・信号線33により互いに接続することにより構成される。
【0035】
スキャナ10は、X線発生装置11、高圧スイッチングユニット111、高電圧発生装置112、X線制御装置113等で構成したX線源と、被検体2を載置する寝台20と、被検体2を挟んでX線源に対向したX線検出器12と、X線検出器12で検出したX線を電流に変換して増幅し投影データ信号として演算装置31に出力するプリアンプ121とを備える。またスキャナ10は、X線源と被検体2との間に配置されてX線を制限するコリメータ13およびコリメータ制御装置131によって構成された制限手段を備える。
【0036】
更に、被検体2の外周に位置するスキャナ10を周方向に回転する駆動装置14と、スキャナ制御装置15と、これらを制御する中央制御装置16とを備える。
【0037】
操作者が、マウス等のポインティングデバイスやキーボードからなる入力装置322により撮影条件、例えば寝台移動速度、管電流値、管電圧値、スライス位置、また再構成条件(再構成高画質モード、再構成高速モード、再構成間隔、再構成FOV、画像サイズなど)を入力すると、中央制御装置16は、その撮影条件に基づいて撮影に必要な制御信号をX線制御装置113、寝台制御装置21およびスキャナ制御装置15に送る。そして、X線CT装置1は、撮影スタート信号を受けて撮影を開始する。撮影を開始すると、X線制御装置113により高電圧発生装置112に制御信号が送られ、高圧スイッチングユニット111を介して高電圧がX線発生装置11に印加される。そして、X線発生装置11は、X線を被検体2に照射する。
【0038】
これと同時に、スキャナ制御装置15は、駆動装置14に制御信号を送る。これにより、X線発生装置11、X線検出器12、およびプリアンプ121などが被検体2の外周を周方向に回転する。
【0039】
一方、寝台制御装置21は、被検体2を乗せた寝台20を、ダイナミックスキャン時には静止状態、ヘリカルスキャン時にはX線発生装置11等の周軸方向に平行移動させる。このとき平行移動する寝台20の移動速度は、寝台移動計測装置22によって計測されて演算装置31に入力される。また、透視(被検体2の平面透視像を撮影する)場合には、X線発生装置11、X線検出器12、およびプリアンプ121等を静止させた状態で、寝台20のみが周軸方向に平行移動する。
【0040】
X線発生装置11から照射されたX線は、コリメータ13等の制限手段により照射領域を制限される。そして、被検体2を透過したX線は、X線検出器12により検出される。X線検出器12で検出されたX線は、電流に変換された後、プリアンプ121で増幅され、投影データ信号として演算装置31に入力される。
【0041】
操作ユニット30は、画像再構成処理を行ったり、その他の画像処理を行なったりする演算装置31と、マウスなどのポインティングデバイスやキーボードからなる入力装置322及びCRT等の表示装置321を備えた入出力装置32とを備える。
【0042】
演算装置31は、画像再構成処理を行う再構成演算装置311と、その他の画像処理を行なったりする画像処理装置322と、必要なデータを記憶する記憶装置313とを備える。
【0043】
再構成演算装置 311は、演算装置31に入力された投影データ信号に基づいて再構成処理を行い、再構成画像を生成する。画像処理装置312は、再構成画像に画像処理を行ない、画像処理した再構成画像を記憶装置313に格納すると共に、表示装置321にCT画像として表示する。
【0044】
近年の高性能X線CT装置は、高い時間分解能および/または高い空間分解能の画像を短時間に取得するために、1度に撮影可能な撮影範囲の拡大、スキャン速度の向上、体軸分解能の向上、および時間分解能の向上が図られている。このような性能向上により時系列に並んだ3次元画像データ、すなわち、3次元の空間座標に時間座標を加えた4座標により表される画像データを取得することができる。
【0045】
また、ヨードなどの造影剤を被検体2に注入し、検査部位にそれが到達するタイミングで撮影を行うことにより、検査部位のコントラストが高い画像を得ることができる。
【0046】
次に、図2に基づいて、本発明の一実施の形態によるMRI装置について説明する。図2(a)は、本発明の一実施の形態によるMRI装置の全体構成図、図2(b)は、本発明の一実施の形態によるMRI装置の内部構成を示すための機能毎に分解したブロック図ある。
【0047】
図2のMRI装置4は、垂直磁場方式(開放型)のMRI装置であるが、その他の型、例えばトンネル型のMRI装置でもよい。
【0048】
MRI装置4は、静磁場内に配置した被検体2に振動する磁場(電磁波)を与えることにより、核磁気共鳴(NMR)をさせる。そして、共鳴信号を検出コイル(RFコイル)により電気信号として検出し、これを投影データとして再構成することにより被検体2内部を非破壊的に画像化する。
【0049】
MRI装置4は、ガントリー40、ガントリー40内の各種装置を駆動する電源や制御する各種制御装置を収納した筐体41、上記被検体2を載置する寝台50、および受信したNMR信号を処理して被検体2の断層画像を再構成する操作ユニット60からなる。ガントリー40と筐体41とは電源・信号線70により接続される。同様に、操作ユニット60と筐体41とは、電源・信号線70により接続される。
【0050】
ガントリー40と寝台50とは、図示しない高周波電磁波と静磁場とを遮蔽するシールドルーム内に配置される。又、筐体41と操作ユニット60とは、シールドルーム外に配置される。
【0051】
次に、図2(b)に基づいて、MRI装置4の構成をより詳細に説明する。
MRI装置4は、静磁場発生系42と、磁場勾配発生系43と、シーケンサ44と、送信系45と、受信系46と、操作部を含む信号処理系47と、中央処理装置(CPU)48とを備える。
【0052】
静磁場発生系42は、被検体2の周りに、被検体2の体軸方向または体軸と直交する方向に均一な静磁場を発生させるためのものである。静磁場発生系42は、被検体2の周りのある広がりをもった空間に、永久磁石方式または常電導方式あるいは超電導方式の磁場発生手段を配置して構成される。
【0053】
磁場勾配発生系43は、X,Y,Zの三軸方向に巻かれた二つの傾斜磁場コイル49と、それぞれの傾斜磁場コイル49を駆動する傾斜磁場電源491により構成される。後述のシーケンサ44からの命令に従ってそれぞれの傾斜磁場コイル49の傾斜磁場電源491を駆動することにより、X,Y,Zの三軸方向の傾斜磁場GX,GY,GZが被検体2に印加される。この傾斜磁場の加え方により、被検体2に対するスライス面が設定される。
【0054】
シーケンサ44は、被検体2の生体組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせる高周波磁場パルスを、ある所定のパルスシーケンスで繰り返し印加する。シーケンサ44は、CPU48の制御で動作し、被検体2の断層像のデータ収集に必要な種々の命令を、送信系45、磁場勾配発生系43、及び受信系46に送る。
【0055】
送信系45は、シーケンサ44から送り出される高周波パルスにより、被検体2の生体組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせるための高周波磁場を照射するためのものである。送信系45は、高周波発振器451と、変調器452と、高周波増幅器453と、送信側の高周波コイル454とを備える。そして、高周波発振器451から出力された高周波パルスは、シーケンサ44の命令にしたがって変調器452で振幅変調される。この振幅変調された高周波パルスは、高周波増幅器453で増幅された後、被検体2に近接して配置された高周波コイル454に供給される。これにより、電磁波が被検体2に照射される。
【0056】
受信系46は、被検体2の生体組織の原子核の核磁気共鳴により放出されるエコー信号(NMR信号)を検出するためものである。受信側の高周波コイル464と、増幅器465と、直交位相検波器466と、A/D変換器467とにより構成される。そして、送信側の高周波コイル454から照射された電磁波による被検体2の応答の電磁波(NMR信号)は、被検体2に近接して配置された高周波コイル464により検出される。検出されたNMR信号は、増幅器465及び直交位相検波器466を介してA/D変換器467に入力されて、デジタル信号に変換される。さらに、直交位相検波器466は、検出されたNMR信号を、シーケンサ44からの命令によるタイミングでサンプリングされた二系列の収集データにする。その収集データは、信号処理系47に送られる。
【0057】
信号処理系47は、CPU48と、磁気ディスク471及び光ディスク472等の記録装置と、CRT等のディスプレイ473と、マウス474等のポインティングデバイス及びそのコントローラと、キーボード475等の入力装置とを備える。CPU48は、フーリエ変換、補正係数計算像再構成等の処理を行い、任意断面の信号強度分布あるいは複数の信号に基づいて適当な演算を行うことにより得られた分布を画像化することにより断層像を生成する。ディスプレイ473は、その断層像を表示する。
【0058】
このようなMRI装置4においても、近年の性能向上により、例えば1.5T(テスラ)などの高磁場機が登場し、実用レベルのノイズで高時間分解能な4次元画像データを取得できるようになってきている。
【0059】
MRI装置4においても、造影剤を使用することにより、検査部位のコントラストの高い画像を得ることができる。
【0060】
[実施例1]
次に図3乃至5に基づいて、本発明による第一の実施の形態について説明する。図3は、造影剤が注入された血管内においてその画素値が経時間的に変動し、そこから最大値画像を作成する様子を示した概念図である。図4は、造影剤が注入された血管内においてその画素値が経時間的に変動し、そこから最小値画像を作成する様子を示した概念図である。図5は、画素値が経時間的に最大値MXIとなる画像の取得方法を示した概念図である。
【0061】
図3から5までは、本発明による第一の実施の形態を示し、時系列に並んだ3次元画像データにおける最大値画像53と最小値画像54とを作成する工程を示している。
【0062】
図1のX線CT装置1による画像データ又は図2のMRI装置4により時系列に沿って撮影された画像データに基づいて再構成された被検体2の所定範囲の2次元画像(断面像)データ又は3次元画像データのうち、所定の範囲を関心領域に設定する。関心領域の設定は、表示装置321又は473に表示された再構成画像のうち、所定の領域をマウス322又は474によりドラッグして範囲指定することにより行う。
【0063】
実施例1では、再構成画像に含まれる関心領域を構成する画素に基づいて画像処理を行なうが、再構成画像の全部領域を構成する画素に基づいて画像処理を行なっても良い。また、再構成画像に代えて、X線撮影装置が撮影した投影画像を用いても良い。
【0064】
図3乃至図4は、関心領域として設定された領域に含まれる血管を示す。また図5の画像データは、上記の関心領域を構成する画像データであり、画素I(X,Y,Z)は、関心領域に含まれる画素の座標を示す。
図3及び図4において、51は造影血管を、52は造影剤を示す。造影血管51は、X線CT装置1又はMRI装置4が撮影して得た画像データに基づいて再構成した3次元画像である。
【0065】
また、図3及び図4において、511から518までは造影剤注入後の所定時間経過毎の造影血管を示す。図3及び図4において、511は時刻t1における造影血管51を、512は時刻t2における造影血管51を示す。他の造影血管513乃至518も同様であり、518は時刻tnにおける造影血管51を示す。図3及び図4は、造影剤52を注入した造影血管51の画素値が変動する様子を、濃淡により示す。最大値画像53は、本発明を適用した結果得られる画像であって、造影剤が充分に入った造影血管、すなわち造影像が最も鮮明な3次元画像である。また図4の最小値画像54は、同様に本発明を適用した結果得られる画像であって、造影剤が入っていない造影血管、すなわち造影剤による造影像が写っていない3次元画像である。
【0066】
ここで造影剤52注入後の経過時間は、t1<t2<...<tnの関係にある。
【0067】
時刻t1からtnへの時間経過に伴い、血管中の造影剤52は、図中上から下のほうに移動しているため、造影血管51の画素値が最大となる位置も移動する。このため、ある時刻における造影血管51の画像には、512から517のいずれかのように、造影ムラが濃淡の違いという形で表示される。
【0068】
図3では、造影血管51を構成する全画素について、画素座標位置毎に、時刻t1から時刻tnまでの間で画素値が最大値である画素を時間軸方向抽出する。そして、時間軸方向抽出した画素を集約し、最大値画像53を取得する。
【0069】
最大値画像の取得について図5をもとに説明する。
【0070】
図5中、61から64までは、時系列に並んだ3次元画像データである。各3次元画像データは、ある時刻における同じ画素座標位置に相当する画素I(X,Y,Z)を含む。別の言い方をすれば、画素I(X,Y,Z)の集合が3次元画像データ61から64である。
【0071】
各画素は、位置的な3次元座標に時間座標を加えた4次元座標で表される。
【0072】
たとえば画像データ64内のI(X,Y,Z,tn)のうち、X,Y,Zは3次元の位置的な座標を示し、tnは造影剤注入後の経過時間を示す。
【0073】
図1及び図2に示す医用画像撮影装置を稼動して、被検体2の撮影を開始する。撮影を開始後、造影剤52を被検体2の血管に注入する。
【0074】
ここで、3次元画像データ65内のMXI(X1,Y1,Z1)は、求めようとする最大値画素である。
【0075】
数1式は、時系列に並んだ3次元画像データの各画素について、画素座標位置毎に所定時間、すなわち時刻t1から時刻tnまでの画素値のうち最大値に該当する画素を時間軸方向抽出する時間軸方向の関数である。
【0076】
【数1】


図5に示すように、空間座標(X,Y,Z)における初期の最大値画素は、時刻t1における画素値、MXI(X,Y,Z)=I(X,Y,Z,t1)としておく。
この時点では、まだ撮影範囲内に造影剤52は到達していない。
【0077】
その後、徐徐に造影剤52が撮影範囲内に流入してくる。たとえば、時間の経過に伴って3次元画像データの画素値がもし、MXI(X,Y,Z)<I(X,Y,Z,t)となればMXI(X,Y,Z)=I(X,Y,Z,t)として最大値画素を置き換える。
【0078】
X,Y,Zの座標で決まる画素座標位置毎に、開始時刻t1から最終時刻tnまでのデータを順次最大値画素と比較することにより、画素値が経時的に最大値となる画像MXI(X,Y,Z)を取得する。
【0079】
これにより、各画素座標位置についての時間軸方向における最大値が求められ、これらを3次元の各画素座標位置に並べると最大値画像53が完成する。
【0080】
この方法を造影血管51に適用することにより、造影剤52の抜けによるムラがない鮮明な造影血管51全体の画像が得られる。
【0081】
次に、画素毎に時間軸方向に画素値が最小値である最小値画像54を作成する方法を説明する。
【0082】
図3及び図5で示した処理と同様にして、空間座標(X,Y,Z)における初期の最小値画素は、時刻t1における画素値、MNI(X,Y,Z)=I(X,Y,Z,t1)としておく。そして、時刻t2、…、tnの画素値と順次比較する。その結果、MNI(X,Y,Z)<I(X,Y,Z,t)であれば、MNI(X,Y,Z)=I(X,Y,Z,t)とする。この処理を、画素毎に、最終時刻tnの3次元画像データまで繰り返すことによって最小値画素を集める。
【0083】
これら最小値画素を3次元の各画素座標位置に並べると最小値画像54が得られる。
【0084】
この方法を造影血管に適用すれば、ムラがない鮮明な非造影血管の全貌の画像が得られる。
【0085】
また、時間軸方向に窓関数を適用して時間軸方向重み付けを行うことにより、ある時間区間の画素を切り出すことが可能となる。
造影剤52は動脈と静脈とでは流入する時刻が異なるため、時間区間の画素切り出しにより静脈を除外して動脈だけ抽出することができる。すなわち、造影剤の進入時間差などの時間的違いを利用して、抽出部位を限定できる。
【0086】
次に最大値画像53と最小値画像54との差分を取ることについて説明する。差分は必ず取らなくてはならないものではなく、上記最大値画像53と最小値画像54とをそのまま使用してもよい。なお簡単のため、本実施の形態では、対象物が不動なものとして説明する。
【0087】
3次元座標(X,Y,Z)で決まる画素座標位置ごとに、上記最大値画像53と最小値画像54との対応画素同士を引き算することにより、撮影範囲内の造影剤52が濃淡の変化なしに描出される。
【0088】
この描出された造影剤52の分布(像)血流量と血流路(血管腔)とは同じ形状であるため、血流路(血管腔)の正確な評価が可能となる。
【0089】
既述のとおり従来技術では、閾値やリージョングローイングで血流以外の部分を取り除いて表示するため閾値の設定によって結果が異なり正確な描出が困難であったのに対して、本実施の形態によれば、閾値の設定及びリージョングローイングのような複雑な計算をしなくても、単純な減算によって造影剤52の経路すなわち血流路(血管腔)の形状などを正確に描出できる。
【0090】
なお、もし撮影の対象物が動いている場合には、各時刻において対象物の位置の関連づけを行い、関連しあう画素間で処理を行う。対象物が動いている場合に位置の関連付けを行う方法として、例えば、画素値、重心、空間周波数差分値、又は微分値などの特徴量を抽出し、特徴量を基に画像の回転、変形、移動などのアフィン変換処理を行い、画像位置が同じ画像マトリクス位置において相互に関連しあうようにする方法がある。これにより、対象物が動いていても造影剤52の経路と形状とを把握可能となり、たとえば心臓冠動脈の血流評価が可能となる。
【0091】
[実施例2]
上記の実施例1においては、3次元の画素座標位置I(X,Y,Z)に時刻データを加えた4次元座標からなる画像データI(X,Y,Z,tn)を用いて造影血管像を作成したが、2次元の画素座標位置I(X,Y)に時刻データを加えた3次元座標からなる画像データI(X,Y,tn)を用いて造影血管像を作成してもよい。
【0092】
図6の71から74は、時系列に並んだ2次元画像データである。71は時刻t1における2次元画像データ、72は時刻t1における2次元画像データを示し、74は時刻tnにおける2次元画像データである。
【0093】
2次元画像データ75は、求めようとする最大値画像である。
【0094】
数2式は、時系列に並んだ2次元画像データの各画素について、画素座標位置毎に所定時間、すなわち時刻t1から時刻tnまでの画素値のうち最大値に該当する画素を時間軸方向抽出する時間軸方向の関数である。
【0095】
【数2】

図6に示すように、平面座標(X、Y)における初期の最大値画素は、時刻t1における画素、MXI(X,Y)= I(X,Y,t1)とする。そして、時間の経過に伴って2次元画像データの画素値が、MXI(X,Y)<I(X,Y,t)となると、最大値画素をMXI(X,Y)=I(X,Y,t)に置き換える。各画素について、時刻t1からtnまでの画素の中から、最大値画素を時間軸方向抽出し、これらの最大値画素を2次元の各座標に並べることにより、最大値画像が完成する。
【0096】
同様に、平面座標(X、Y)における初期の最小値画素は、時刻t1における画素は、MNI(X,Y)= I(X,Y,t1)とする。そして、時間の経過に伴って2次元画像の画素値が、MNI(X,Y)>I(X,Y,t)となると、最小値画素をMNI(X,Y)=I(X,Y,t)に置き換える。各画素について、時刻t1からtnまでの画素の中から、最小値画素を時間軸方向抽出し、これらの最小値画素を2次元の各座標に並べることにより、最小値画像が完成する。
【0097】
[実施例3]
実施例3は、時系列に並んだ3次元画像データに対して、時間軸方向にフィルタ処理を行う。
【0098】
この時間軸方向のフィルタにより、ノイズ量に対して空間分解能と時間分解能とを任意に調整した画像を得ることができる。またさらに、時間軸方向に沿った濃度値の変化量を視覚化することもできる。
【0099】
図7から図9に基づいて本実施の形態を説明する。図7は、時系列に並んだ3次元画像データに対して、時間軸方向に沿ってフィルタ(時間軸方向フィルタカーネル)処理を行なうことを示す概念図である。
【0100】
図7の81は、時間座標及び空間座標により特定できる画素I(X,Y,Z,t)を示す。82は、時間軸方向フィルタ処理を示す。83は81の画素に時間軸方向フィルタ処理をして得られた時間軸方向フィルタ関数を示す。時間軸方向の情報を使用して統合するため、fI(X,Y,Z)空間座標に取りまとめられる。
【0101】
また、図8においては、異なる時相における3次元画像データの対応する画素に対して時間軸方向フィルタ処理が行われる。その結果得られた時間軸方向フィルタ結果を集約する(ここでは加算する)ことにより、fI(X,Y,Z)が得られる。図8中、91から94は、時系列に並んだ3次元画像データである。それぞれの3次元画像データは、同じ画素座標位置に相当する画素I(X,Y,Z)を含む。別の言い方をすれば、画素I(X,Y,Z)の集合が3次元画像データ91から94である。
【0102】
ここで画素は、空間位置的な3次元座標に時間座標を加えた4次元座標で表わされている。
【0103】
たとえば画像データ94内のI(X,Y,Z,tn)のうち、X,Y,Zは3次元の位置的な座標を示し、tnは造影剤注入後の経過時間を示す。
数3式は、時系列に並んだ3次元画像データの各画素について、画素座標位置毎に所定時間、すなわち時刻t1から時刻tnまでの画素値に対し、時間軸方向に沿って時間軸方向フィルタ(時間軸方向フィルタカーネル)処理を行なう関数であり、f(t)が時間軸方向フィルタ(時間軸方向フィルタカーネル)である。
【0104】
【数3】

図1及び図2に示す医用画像撮影装置を稼動して被検体2の撮影を開始する。開始後、造影剤52を被検体2に注入する。
【0105】
ここで、3次元画像データ95内のfI(X1,Y1,Z1) が、画素座標位置I(X1,Y1,Z1)に対する時間軸方向フィルタ処理結果を集約した画素である。
【0106】
ここで、仮に注目画素をI(X1,Y1,Z1,t1)からI(X1,Y1,Z1,tn)までとする。これらは注目画素I(X1,Y1,Z1)が経時的にt1からtnまで並んだものである。この配列にたとえば台形形状の時間軸方向フィルタ96を適用し加算すると時間軸方向フィルタ結果fIが得られ、これを集めると画像表示できる。
【0107】
ここでは、実空間上での畳み込み処理によって時間軸方向フィルタ処理を行う方法を用いるが、フーリエ変換を用いて周波数空間上で時間軸方向フィルタ処理を行う方法などの数学的に等価な他の方法も適用可能である。
【0108】
次に時間軸方向フィルタの種類とその本発明における作り方とその効果とを図9に基づいてそれぞれ説明する。図9中、Nは注目時刻を示す。注目時刻とは結果的に画像化したい時相をいう。
【0109】
(1)加算平均時間軸方向フィルタ
前記時間軸方向フィルタ関数として、加算平均時間軸方向フィルタを使用することで、空間分解能を低下させることなく、時間的な画素値のゆらぎを低減した画像の取得、すなわち、ノイズを低減した画像を取得することが可能となる。この場合、注目時刻Nの注目画素を中心として、時間軸方向に図9-(a)に示すような時間軸方向フィルタを重畳する。言い換えれば、注目時刻Nの前後のデータを加算平均するような時間軸方向フィルタ処理結果を表示画素として得て画像化する。こうして得られた画像はゆらぎノイズが少ないものになる。
【0110】
(2)加重加算時間軸方向フィルタ
前記時間軸方向フィルタ関数として、加重加算時間軸方向フィルタを使用することで、加算平均時間軸方向フィルタと同様に、空間分解能を低下することなく、時間的な画素値のゆらぎを低減した画像の取得、すなわち、ノイズ低減した画像の取得が可能となる。この場合、図9-(b)に示すように注目時刻位置の寄与率が高くなるような台形状の重みを同一位置の異なる時間データに乗算した時間軸方向フィルタ処理結果を加算したものを集めて画像化する。こうして得られた画像はゆらぎノイズの少ないものとなる。
【0111】
(3)メディアン時間軸方向フィルタ
このメディアン時間軸方向フィルタは、各画素座標位置を代表する画素値として、図9-(c)のように特定時間範囲taからtbまでの画素を画素値の大きさの順に並べたときに中央に来る画素値を取得する時間軸方向フィルタである。
【0112】
このメディアン時間軸方向フィルタを使用することで、加算平均時間軸方向フィルタや加重加算時間軸方向フィルタと同様に、空間分解能を低下することなく、時間的な画素値のゆらぎを低減した画像の取得、すなわち、ノイズ低減した画像の取得が可能となる。メディアン時間軸方向フィルタは、加算平均時間軸方向フィルタ及び加重加算時間軸方向フィルタに比較してスパイク状の(粒状性の高い)ノイズをより効果的に低減することができる。こうして得られた画像は、特にスパイク状のゆらぎノイズの少ないものとなる。
【0113】
なお、メディアン時間軸方向フィルタでは、特定時間範囲taからtbまでを画素値の大きさの順に並べたときに中央に来る画素値を出力したが、出力値を例えば大きいものから2番目などと指定することにより時系列に並んだ各画素に対する画素値のうちの任意の画素値を出力することもできる。
【0114】
(4)微分時間軸方向フィルタ
前記時間軸方向フィルタ関数として、微分時間軸方向フィルタを使用することで、時相間の対象物体の変動量を画像化(視覚化)することができる。この場合、図9-(d)に示すように、注目時刻Nをはさむ近接時刻データの差分値を時間軸方向フィルタ処理結果として画像化する。
【0115】
(5)高域強調時間軸方向フィルタ
前記時間軸方向フィルタ関数として、高域強調時間軸方向フィルタを使用することにより、実効的な時間分解能を向上した画像を得ることが可能となる。
【0116】
この場合、図9-(e)に示すように注目時刻Nに高い重み(正の重み)を乗算し、近接データに負の重みを乗算しそれらの加算値を時間軸方向フィルタ処理結果として画像化する。
【0117】
(6)高次時間軸方向フィルタ
前記時間軸方向フィルタには、複数の時間軸方向フィルタを組み合わせた高次時間軸方向フィルタを適用することも可能である。また、公知のフィルタ処理と共に窓関数を適用することで、任意の時間帯における処理結果を得てもよい。たとえば、時間軸方向類似度フィルタとメディアン時間軸方向フィルタとを組み合わせることで高度なノイズ低減が可能である。注目時刻Nを挟む特定時間範囲において注目時刻の画素値により近いデータを複数点時間軸方向抽出し、それらの中間値を時間軸方向フィルタ処理結果として画像化する
(7)時間軸方向類似度フィルタ
注目時刻Nを挟む特定時間範囲taからtbまでの間で、注目時刻位置の画素値により近い複数点のデータを加算平均した値を時間軸方向フィルタ処理結果として画像化する。このとき、加算平均するデータ数は時間軸方向フィルタサイズに依存する任意の数である。
【0118】
以上のように経時方向のフィルタを適用することで、ノイズ低減をすることが可能となる。時間軸方向フィルタ適用は画像の関心領域ごとであってもよいし画像全体であってもよい。
【0119】
[実施例4]
上記実施例3においては、3次元の空間座標に時間座標を加えた4次元座標からなる画像データに基づいて時間軸方向フィルタ処理を行なった。しかし、2次元の空間座標に時間座標を加えた3次元座標からなる画像データに基づいて時間軸方向フィルタ処理を行なっても良い。
【0120】
図10は、時系列に並んだ2次元画像データ101,102,103,104の各画素に対して、例えば台形状の時間軸方向フィルタ106を適用し、時間軸方向フィルタ処理後の画像105を得る。図10の2次元画像101,102,103,104は、2次元の空間座標(X,Y)に時間座標tを加えた3次元座標I(X,Y,t)により表わされる。そして、上記実施の形態と同様に、時間軸方向に沿ってフィルタ処理を行ない、時刻データを含む3次座標で表された画像データ105が時間軸方向フィルタ結果fIとして得られる。
【0121】
数4式は、上記台形状の時間軸方向フィルタ106であって、時刻t1から時刻tnまでの画素値に対し、時間軸方向に沿って例えば台形状の時間軸方向フィルタ106を適用する時間軸方向フィルタ(時間軸方向フィルタカーネル)処理を行なう関数であり、f(t)が時間軸方向フィルタ(時間軸方向フィルタカーネル)である。
【0122】
【数4】

[実施例5]
図11に基づいて、実施例5について説明する。
【0123】
実施例5は、動きのあるものを含む2次元画像が経時的に表示される場合に発生するノイズを除去することにより、鮮明な画像が供給される。
【0124】
図11(a)及び図11 (b)の画像201から画像204は、シネ表示された画像であって、この順に時間が経過している。同様に画像205から画像208もシネ表示された画像であって、この順に時間が経過している。
2001は領域1を、2002は領域2を、2003は領域3、2004は領域1を、2005は領域2をそれぞれ示す。
【0125】
図11(a)及び図11 (b)は、本発明に係る時間座標を含む3次元以上の画像データにおける時刻tの画素値と時刻t+Δtの画素値とを差分して得られた変化量が所定の閾値以下である領域に関して、時刻tから時刻t+Δtにわたり画素値の平均値を取得する行程を示す図である。図11-(a)は、対象物の動きによって画素値が経時的に変化する場合を例示し、画像201から画像204まで動きによる画素値の変化のない(閾値Tより小さい)領域2001、動きにより画素値が変化する領域2002、および領域2003(閾値T以上)から構成される。この場合、領域2001に対して加算平均、またはノイズを低減する時間軸方向フィルタ処理を適用することで動きに対して影響を与えず全体としてノイズを低減することができる。
【0126】
また画素値と、色度値、彩度値、明度値のうち少なくとも一つとを対応付けてもよい。
【0127】
図11(b)は、対象物内に注入した造影剤の濃度値が経時的に変化する場合を示す。画像205から画像208までは、造影剤による濃度値の変化のない領域2004(閾値Tより小さい)と、造影剤により濃度値が変化する領域2005(閾値T以上)とにより構成される。この場合、領域2004に対して加算平均またはノイズを低減する時間軸方向フィルタ処理を適用することにより、造影剤による濃度値の変化(造影剤の広がり)に影響を与えることなく、全体としてノイズを低減することができる。この場合も、画素値と、色度値、彩度値、明度値のうち少なくとも一つとを対応付けてもよい。
【0128】
このように、時間軸方向に変化を伴うデータにおいて画素値の変化量が小さい場合は、その変化の原因が、変化量内の動き成分よりもノイズ成分(ゆらぎ)であると仮定できる。このように動き成分が小さい領域間で加算平均やノイズ低減(平滑化)時間軸方向フィルタリングを行うことにより、時間軸方向にノイズ成分を集中して除去した画像が得られる。
【0129】
ただし、造影剤による濃度変動がある場合、濃度変動領域は高画素値信号を示すため、ノイズの影響は無視できる場合が多い。そのため、全体としてノイズの影響が問題とならなくなる。しかし、ノイズの影響が小さいところでさらにノイズ低減をできるため、ほぼ完全な画像が得られる。
【0130】
[実施例6]
図12は、本発明による造影血管および造影臓器を抽出する手順(アルゴリズム)を示すフローチャートである。
【0131】
以下、図12の各ステップに沿って説明する。
【0132】
まず、ステップS1201で開始する。
【0133】
ステップS1202では、経時的に各画素の画素値が変化する画像データにおいて、時間軸方向に画素の画素値が最大値を示す最大値画素MXI(X,Y,Z)を各画素座標位置において時間軸方向抽出する。この最大値画素は、造影剤の効果が最も高い時相時の画素値である。続いて、ステップS1203では、画像データに対し時間軸方向に画素の画素値が最小値を示す最小値画素MNI(X,Y,Z)を時間軸方向抽出する。又は、時間軸方向フィルタ処理によって画素の画素値が小さい画素を時間軸方向抽出する。ここでいう画素値が小さい画素は、造影剤の効果が最も小さい時相時の画素値に一致する。
【0134】
これら最大値画素MXI(X,Y,Z)と最小値画素MNI(X,Y,Z)とは、たとえば第一の実施の形態で説明した方法により取得可能である。
【0135】
次にステップS1204で、これら2者の画素値の差MXI(X,Y,Z)−MNI(X,Y,Z)を利用して差分することで、造影血管を取得することができる。ここで、処理速度を重視すると、最大値画像及び最小値画像を抽出し後、差分するのが望ましいが、ノイズを含む画像間の差分処理では、ノイズ量が増大する傾向にある。
【0136】
そのため、ノイズを勘案した画質の高さを重視する場合には、時間軸方向フィルタ処理より抽出した比較的画素値の大きい画像と、時間軸方向フィルタ処理より時間軸方向抽出した比較的画素値の小さい画像と、を差分するとよい。
【0137】
なお、時間軸方向フィルタ処理によっても造影血管の時間軸方向抽出時にノイズが抽出され問題となる場合には、差分処理後に閾値処理や時間軸方向フィルタ処理を用いてノイズ成分を低減もしくは除去する。
【0138】
また、時系列に並んだ画像データに含まれる画素座標位置毎に最大画素値を時間軸方向抽出する時間軸方向フィルタと、時間軸方向にノイズを除去する時間軸方向フィルタとをかけて、ノイズを除去した最大値画像を生成してもよい。同様に、時系列に並んだ画像データに含まれる画素座標位置毎に最小画素値を時間軸方向抽出する時間軸方向フィルタと、時間軸方向にノイズを除去する時間軸方向フィルタとをかけて、ノイズを除去した最小値画像を生成してもよい。そして、最大値画像と最小値画像とを差分処理することにより差分画像を作成しても良い。
【0139】
さらに、時間軸方向の窓関数を使用することで、動脈と静脈の分離などを行なうことも可能である。
【0140】
[実施例7]
図13に基づいて、MIP(Maximun Intensity Projection)法を用いて生成した複数の2次元投影画像データを差分する方法について説明する。図13は、本発明の一実施の形態による差分画像の作成処理を示す概念図であり、MIP法を用いて生成した2次元投影画像データに時間軸方向のフィルタ処理をかけて複数の画像を作成し、それらの画像を差分した差分画像を作成する一例を示すフローチャートである。
【0141】
以下、図13の各ステップ順に沿って説明する。
【0142】
ステップS1301で開始する。
【0143】
ステップS1302において、X線CT装置1やMRI装置4が撮影して得た時系列に並んだ画像データ(スライスデータ)に含まれる第一のCT値、例えば最も低いCT値に該当するデータだけを2次元に展開して時系列に並んだ2次元投影データを生成する。
【0144】
ステップS1303において、ステップS1302で作成した時系列に並んだ2次元投影データを構成する各画素について、画素座標位置毎に時間軸方向にフィルタ処理を行い、時系列に沿って所定の時間軸方向重み付けを行なう。その時間軸方向重み付けを行なった画像データに基づいて第一画像を作成する。
【0145】
ステップS1304において、時系列に並んだ画像データ(スライスデータ)に含まれる第二のCT値、例えば最も高いCT値に該当するデータだけを2次元に展開して時系列に並んだ2次元投影データを生成する。
【0146】
ステップS1305において、ステップS1304で作成した時系列に並んだ2次元投影データを構成する各画素について、画素座標位置毎に時間軸方向にフィルタ処理を行い、時系列に沿って所定の時間軸方向重み付けを行なう。その時間軸方向重み付けを行なった画像データに基づいて第二画像を作成する。
【0147】
そして、ステップS1307において終了する。
【0148】
ステップS1306において、第一画像と第二画像との差分画像を生成する。
これにより、時間軸方向フィルタ処理より時間軸方向抽出した比較的画素値の大きい画像と、時間軸方向フィルタ処理より時間軸方向抽出した比較的画素値の小さい画像と、を抽出してから差分し、ノイズを勘案した画質の高い画像を提供することができる。
【0149】
また、時間軸方向重み付けを行った2次元投影データに対して、ノイズを除去するための時間軸方向フィルタをかけて第一画像及び第二画像を生成してもよい。
【0150】
以上、本発明の様々な実施例に関する以上の記述から、本発明の目的が達成されることは明らかである。ここまで本発明を詳細に記述および図示したが、これらは例示を意図したものであって、本発明はこれら実施の形態に限定されるものではない。さらに、本発明は造影血管の描出に限定されず、造影剤の組織への広がり具合の評価など経時的に画素の画素値が変化する領域を有する画像に対して種々の目的で適用することができる。
【0151】
また、上記実施例は、X線CT装置1やMRI装置4が撮影して得た画像データに基づいて3次元画像を再構成し、その3次元画像に含まれる関心領域について画像処理を行なった。しかし、関心領域を設定せずに、画像データにより設定される画像の全領域についても同様の画像処理を行なうことができる。
【0152】
また、上記実施例では、X線CT装置1やMRI装置4を用いて説明しているが、その他の医用画像撮影装置、例えばPET装置、SPECT装置、ガンマカメラのように陽電子、ガンマ線を用いたCT装置、中性子線や光を用いたCT装置、超音波診断装置、DSA装置、X線撮影装置、など被検体の画像データを取得可能な装置にも適用可能である。
【0153】
また、上記実施の形態では、X線CT装置1及びMRI装置4は、電源・信号線33及び電源・信号線70を介して接続された操作ユニット30及び操作ユニット60に備えられた演算装置31及びCPU48により画像処理を行なった。しかし、例えば図14に示すように、X線CT装置1、MRI装置4、又はその他の医用画像撮影装置3が、ネットワーク5を介して画像処理装置、例えば演算装置31や操作ユニット60と接続された医用画像診断支援システムにおいても本発明を適用することができる。この場合、X線CT装置1、MRI装置4、又はその他の医用画像撮影装置3が撮影した画像データは、ネットワーク5を介して画像処理装置、例えば演算装置31や操作ユニット60に入力される。そして、画像処理装置、例えば演算装置31や操作ユニット60は、入力された画像データに基づいて本発明に係る画像処理を行う。
【0154】
また、ネットワーク5に接続された画像データを格納するための画像データベース(画像DB)6に、X線CT装置1、MRI装置4、又はその他の医用画像撮影装置3が撮影した画像データを格納してもよい。そして、画像処理装置は、画像DB6から画像データを取得し、取得した画像データに基づいて画像処理を行なっても良い。
【0155】
また、画像処理装置は、画像処理装置に接続された記憶装置、例えばFDD、ハードディスクドライブ、CD−ROMドライブ、光磁気ディスク(MO)ドライブ、ZIPドライブ、PDドライブ、DVDドライブ等から読み出した画像データに基づいて上記実施例と同様の画像処理を行なってもよい。
【0156】
また、本実施の形態で示した各実施の形態は、それぞれ単体で使用するに限らず、組み合わせて使用することが可能で、その場合特に高い効果を発揮する。
【産業上の利用可能性】
【0157】
以上説明したように本発明によれば、医用画像撮影装置により時系列に沿って撮影された画像データに基づいて、所望する画像、例えば時間軸方向にノイズが低減された画像、造影された血管などの空間的3次元画像、を表示する用途に適用できる。また、画像データから特定領域を抽出する用途にも適用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像撮影装置により所定時間にわたって被検体を撮影することにより得られた時系列に並んだ画像データが入力される入力工程と、
前記画像データに含まれる各画素について、画素座標位置毎に前記時系列に並んだ全画素の中から所定の条件に合致する画素を時間軸方向抽出する時間軸方向抽出工程と、
前記時間軸方向抽出工程により時間軸方向抽出された画素に基づいて2次元又は3次元画像を構成する構成工程と、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項2】
前記画像データに基づいて、前記被検体の2次元又は3次元範囲に対応する2次元又は3次元画像を再構成する画像再構成工程と、
前記2次元又は3次元画像について、少なくとも一つの関心領域を設定する関心領域設定工程と、を更に含み、
前記時間軸方向抽出工程は、前記関心領域を構成する各画素について、画素座標位置毎に前記時系列に並んだ全画素の中から所定の条件に合致する画素を時間軸方向抽出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
【請求項3】
前記所定の条件は、各画素座標位置における前記時系列に並んだ全画素の中から最大画素値に相当する画素を時間軸方向抽出するという条件である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理方法。
【請求項4】
前記所定の条件は、各画素座標位置における前記時系列に並んだ各画素に対応する画素値のうちの任意の画素値に相当する画素を時間軸方向抽出するという条件である、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像処理方法。
【請求項5】
前記時間軸方向抽出工程は、前記画像データに含まれる各画素について、画素座標位置毎に前記所定時間内に含まれる第一時刻における画素値と、前記所定時間内に含まれる第二時刻における画素値とを時系列に沿って順次比較し、 所定の条件に合致する画素を時間軸方向抽出する、
ことを特徴とするとする請求項1乃至4の一つに記載の画像処理方法。
【請求項6】
前記時間軸方向抽出工程は、画素座標位置毎に前記時系列に並んだ全画素に対して、時間軸方向に所定のフィルタ処理を行い、各画素座標位置を代表する画素を取得する時間軸方向フィルタ処理を含む、
ことを特徴とする請求項1乃至4の一つに記載の画像処理方法。
【請求項7】
前記時間軸方向抽出工程は、画素座標位置毎に前記時系列に並んだ全画素の中から第一の特徴を有する画素を時間軸方向から抽出する第一の時間軸方向抽出工程と、前記時系列に並んだ全画素の中から第二の特徴を有する画素を時間軸方向から抽出する第二の時間軸方向抽出工程と、を含み、
前記構成工程は、前記第一の特徴を有する画素に基づいて第一画像を構成する第一の構成工程と、前記第二の特徴を有する画素に基づいて第二画像を構成する第二の構成工程と、を含み、
前記第一画像と前記第二画像との差分演算を行う差分演算工程と、
前記差分演算の結果に基づいて差分画像を作成する差分画像作成工程と、
を更に含む、
ことを特徴とする請求項1、2、5又は6の一つに記載の画像処理方法。
【請求項8】
前記第一の特徴を有する画素は、各画素座標位置における前記時系列に並んだ全画素の画素値のうちの最大画素値であり、前記第二の特徴を有する画素は、各画素座標位置における前記時系列に並んだ全画素の画素値のうちの最小画素値である、
ことを特徴とする請求項7に記載の画像処理方法。
【請求項9】
医用画像撮影装置により所定時間にわたって造影剤を注入された被検体を撮影して得られた時系列に並んだ画像データが入力される入力工程と、
前記画像データに基づいて時系列に並んだ3次元画像を再構成する画像再構成工程と、
前記時系列に並んだ3次元画像を構成する各画素について、画素座標位置毎に前記時系列に並んだ全画素の中から前記造影剤による造影像が最も鮮明な最大値画素と、前記造影剤が残存していないかあるいはほとんど残っていない最小値画素と、を時間軸方向抽出する時間軸方向抽出工程と、
前記最大値画素に基づいて造影剤による造影像が最も鮮明な2次元又は3次元画像と、前記最小値画素に基づいて前記造影剤が残存しないかあるいはほとんど残っていない2次元又は3次元画像と、を構成する構成工程と、
前記造影剤による造影像が最も鮮明な2次元又は3次元画像と、前記造影剤が残存しないかあるいはほとんど残っていない2次元又は3次元画像と、の差分演算を行なう差分演算工程と、
前記差分演算の結果に基づいて差分画像を作成する差分画像作成工程と、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項10】
医用画像撮影装置により所定時間にわたって被検体を撮影することにより得られた時系列に並んだ画像データが入力される入力工程と、
前記画像データに含まれる各画素について、画素座標位置毎に前記時系列に並んだ全画素に対して時間軸方向フィルタ処理を行い、前記時系列に沿って所定の時間軸方向重み付けを行う時間軸方向フィルタリング工程と、
前記時間軸方向フィルタリング工程により時間軸方向フィルタ処理をされた前記画像データに基づいて2次元又は3次元画像を構成する構成工程と、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項11】
前記時間軸方向フィルタリング工程は、前記画像データに対して少なくとも一つの時間軸方向フィルタ処理を行ない第一フィルタリング画像データを生成するための第一のフィルタリング工程と、前記画像データに対して少なくとも一つの時間軸方向フィルタ処理を行ない第二フィルタリング画像データを生成する第二のフィルタリング工程と、を含み、
前記構成工程は、前記第一フィルタリング画像データに基づいて第一画像を構成する工程と、前記第二フィルタリング画像データに基づいて第二画像を構成する工程と、を含み
前記第一画像と前記第二画像との差分演算を行う差分演算工程と、
前記差分演算の結果に基づいて差分画像を作成する差分画像作成工程と、
を更に含むことを特徴とする請求項10に記載の画像処理方法。
【請求項12】
医用画像撮影装置により所定時間にわたって被検体を撮影して得られた時系列に並んだ画像データが入力される入力工程と、
前記所定時間内の第一時刻における前記画像データに含まれる各画素の画素値と、前記所定時間内の第二時刻における前記画像データに含まれる各画素の画素値と、の変化量を算出する算出工程と、
前記変化量が所定値以下である領域に含まれる各画素について、画素座標位置毎に前記第一時刻から前記第二時刻までの画素値の平均値を算出する工程と、
前記変化量が所定値以下である領域に含まれる各画素の画素値は前記平均値であり、前記変化量が所定値よりも大きい領域に含まれる各画素の画素値は前記画像データの画素値である加工画像を作成する工程と、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項13】
前記画像データに含まれる各画素は、画素値と、色度値、彩度値、明度値のうちの少なくとも一つと、を対応付けられる、
ことを特徴とする請求項12に記載の画像処理方法。
【請求項14】
医用画像撮影装置により所定時間にわたって被検体を撮影することにより得られた時系列に並んだ画像データが入力される入力手段と、
前記画像データに含まれる各画素について、画素座標位置毎に前記時系列に並んだ全画素の中から所定の条件に合致する画素を時間軸方向抽出する時間軸 方向抽出手段と、
前記時間軸方向抽出手段により時間軸方向抽出された画素に基づいて2次元又は3次元画像を構成する構成手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項15】
医用画像撮影装置により所定時間にわたって造影剤を注入された被検体を撮影して得られた時系列に並んだ画像データが入力される入力手段と、
前記画像データに基づいて時系列に並んだ3次元画像を再構成する画像再構成手段と、
前記時系列に並んだ3次元画像を構成する各画素について、画素座標位置毎に前記時系列に並んだ全画素の中から前記造影剤による造影像が最も鮮明な最大値画素と、前記造影剤が残存していないかあるいはほとんど残っていない最小値画素と、を時間軸方向抽出する時間軸方向抽出手段と、
前記最大値画素に基づいて造影剤による造影像が最も鮮明な2次元又は3次元画像と、前記最小値画素に基づいて前記造影剤が残存しないかあるいはほとんど残っていない2次元又は3次元画像と、を構成する構成手段と、
前記造影剤による造影像が最も鮮明な2次元又は3次元画像と、前記造影剤が残存しないかあるいはほとんど残っていない2次元又は3次元画像と、の差分演算を行なう差分演算手段と、
前記差分演算の結果に基づいて差分画像を作成する差分画像作成手段と、
を含むことを特徴とする画像処理装置。
【請求項16】
医用画像撮影装置により所定時間にわたって被検体を撮影することにより得られた時系列に並んだ画像データが入力される入力手段と、
前記画像データに含まれる各画素について、画素座標位置毎に前記時系列に並んだ全画素に対して時間軸方向フィルタ処理を行い、前記時系列に沿って所定の時間軸方向重み付けを行う時間軸方向フィルタリング手段と、
前記時間軸方向フィルタリング手段により時間軸方向フィルタ処理をされた前記画像データに基づいて2次元又は3次元画像を構成する構成手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項17】
医用画像撮影装置により所定時間にわたって被検体を撮影して得られた時系列に並んだ画像データが入力される入力手段と、
前記所定時間内の第一時刻における前記画像データに含まれる各画素の画素値と、前記所定時間内の第二時刻における前記画像データに含まれる各画素の画素値と、の変化量を算出する算出手段と、
前記変化量が所定値以下である領域に含まれる各画素について、画素座標位置毎に前記第一時刻から前記第二時刻までの画素値の平均値を算出する手段と、
前記変化量が所定値以下である領域に含まれる各画素の画素値は前記平均値であり、前記変化量が所定値よりも大きい領域に含まれる各画素の画素値は前記画像データの画素値である加工画像を作成する手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項18】
所定時間にわたって被検体を撮影することにより、時系列に並んだ画像データを取得する医用画像撮影装置と、
前記画像データに基づいて2次元又は3次元画像を構成する演算装置と、
前記演算装置が作成した画像を表示する表示装置と、
を備えた医用画像診断支援システムにおいて、
前記演算装置は、
前記時系列に並んだ画像データが入力される入力手段と、
前記画像データに含まれる各画素について、画素座標位置毎に前記時系列に並んだ全画素の中から所定の条件に合致する画素を時間軸方向抽出する時間軸方向抽出手段と、
前記時間軸方向抽出手段により時間軸方向抽出された画素に基づいて2次元又は3次元画像を構成する構成手段と、
を備え、
前記表示装置は、前記構成手段が構成した2次元又は3次元画像を表示する 、ことを特徴とする医用画像診断支援システム。
【請求項19】
所定時間にわたって被検体を撮影することにより、時系列に並んだ画像データを取得する医用画像撮影装置と、
前記画像データに基づいて2次元又は3次元画像を構成する演算装置と、
前記演算装置が作成した画像を表示する表示装置と、
を備えた医用画像診断支援システムにおいて、
前記演算装置は、
医用画像撮影装置により所定時間にわたって造影剤を注入された被検体を撮影して得られた時系列に並んだ画像データが入力される入力手段と、
前記画像データに基づいて時系列に並んだ3次元画像を再構成する画像再構成手段と、
前記時系列に並んだ3次元画像を構成する各画素について、画素座標位置毎に前記時系列に並んだ全画素の中から前記造影剤による造影像が最も鮮明な最大値画素と、前記造影剤が残存していないかあるいはほとんど残っていない最小値画素と、を時間軸方向抽出する時間軸方向抽出手段と、
前記最大値画素に基づいて造影剤による造影像が最も鮮明な2次元又は3次元画像と、前記最小値画素に基づいて前記造影剤が残存しないかあるいはほとんど残っていない2次元又は3次元画像と、を構成する構成手段と、
前記造影剤による造影像が最も鮮明な2次元又は3次元画像と、前記造影剤が残存しないかあるいはほとんど残っていない2次元又は3次元画像と、の差分演算を行なう差分演算手段と、
前記差分演算の結果に基づいて差分画像を作成する差分画像作成手段と、
を備え、
前記表示装置は、前記差分画像作成手段が作成した差分画像を表示する、
ことを特徴とする医用画像診断支援システム
【請求項20】
所定時間にわたって被検体を撮影することにより、時系列に並んだ画像データを取得する医用画像撮影装置と、
前記画像データに基づいて2次元又は3次元画像を構成する演算装置と、
前記演算装置が作成した画像を表示する表示装置と、
を備えた医用画像診断支援システムにおいて、
前記演算装置は、
前記時系列に並んだ画像データが入力される入力手段と、
前記画像データに含まれる各画素について、画素座標位置毎に前記時系列に並んだ全画素に対して時間軸方向フィルタ処理を行い、前記時系列に沿って所定の時間軸方向重み付けを行う時間軸方向フィルタリング手段と、
前記時間軸方向フィルタリング手段により時間軸方向フィルタ処理をされた前記画像データに基づいて2次元又は3次元画像を構成する構成手段と、
を備え、
前記表示装置は、前記構成手段が構成した2次元又は3次元画像を表示する、
ことを特徴とする医用画像診断支援システム。
【請求項21】
医用画像撮影装置により所定時間にわたって被検体を撮影することにより得られた時系列に並んだ画像データが入力される入力工程と、
前記画像データに含まれる各画素について、画素座標位置毎に前記時系列に並んだ全画素に対して時間軸方向フィルタ処理を行い、前記時系列に沿って所定の時間軸方向重み付けを行なう時間軸方向フィルタリング工程と、
を含むことを特徴とする時間軸方向フィルタリング方法。
【請求項22】
医用画像撮影装置により所定時間にわたって被検体を撮影することにより得られた時系列に並んだ画像データが入力される入力工程と、
前記画像データに含まれる各画素について、画素座標位置毎に前記時系列に並んだ全画素に対して時間軸方向にフィルタ処理を行い、各画素座標位置を代表する画素値を取得する時間軸方向フィルタリング工程と、
を含むことを特徴とする時間軸方向フィルタリング方法。
【請求項23】
前記時間軸方向フィルタ処理は、前記所定時間に含まれる注目時刻における前記画像データの画素値と、前記注目時刻よりも前の時刻における前記画像データの画素値と、前記注目時刻よりも後の時刻における前記画像データの画素値と、の加算平均値を算出し、前記加算平均値を時間軸方向フィルタ処理結果として出力する、
ことを特徴とする請求項22に記載の時間軸方向フィルタリング方法。
【請求項24】
前記時間軸方向フィルタ処理は、前記所定時間に含まれる注目時刻における前記画像データの画素値と、前記注目時刻よりも前の時刻における前記画像データの画素値と、前記注目時刻よりも後の時刻における前記画像データの画素値と、に対して所定の重み係数を乗算処理し、乗算処理後の画素値に基づいて加重加算平均値を算出し、前記加重加算平均値を時間軸方向フィルタ処理結果として出力する、
ことを特徴とする請求項22に記載の時間軸方向フィルタリング方法。
【請求項25】
前記時間軸方向フィルタ処理は、前記所定時間内に含まれる全画素を画素値の大きさ順に並べた場合に、中央値となる画素値を時間軸方向フィルタ処理結果として出力する、
ことを特徴とする請求項22に記載の時間軸方向フィルタリング方法。
【請求項26】
前記時間軸方向フィルタ処理は、前記所定時間に含まれる注目時刻よりも前の時刻における前記画像データに含まれる画素の画素値と、前記注目時刻よりも後の時刻における前記画像データに含まれる画素の画素値と、の差分値を算出し、前記差分値を時間軸方向フィルタ処理結果として出力する、
ことを特徴とする請求項22に記載の時間軸方向フィルタリング方法。
【請求項27】
前記時間軸方向フィルタ処理は、前記所定時間に含まれる注目時刻における画像データに含まれる画素の画素値に所定の正の重み係数を乗算処理し、前記注目時刻よりも前の時刻における前記画像データに含まれる画素の画素値及び前記注目時刻よりも後の時刻における前記画像データに含まれる画素の画素値に所定の負の重み係数を乗算処理し、前記所定の正の重み係数を乗算処理した前記注目時刻における画像値と、前記負の重み係数を乗算処理した前記近接時刻よりも前の時刻における画素値及び前記近接時刻よりも後の時刻における画素値と、を加算した加算値を算出し、前記加算値を時間軸方向フィルタ処理結果として出力する、
ことを特徴とする請求項22に記載の時間軸方向フィルタリング方法。

【図1(a)】
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【図1(b)】
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【図2(a)】
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【図2(b)】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9(a)】
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【図9(b)】
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【図9(c)】
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【図9(d)】
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【図9(e)】
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【図10】
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【図11(a)】
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【図11(b)】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【国際公開番号】WO2005/046478
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【発行日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−515419(P2005−515419)
【国際出願番号】PCT/JP2004/016537
【国際出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】