説明

画像処理装置、方法及びプログラム

【課題】構成や処理の複雑化を招くことなく、人物に相当する領域である確度の高い人物候補領域を画像から抽出可能とする。
【解決手段】処理対象画像の全領域を対象として人物に相当すると推定される人物候補領域を探索・抽出し(52)、抽出した個々の人物候補領域に対し、領域内のエッジ画素を抽出し(58〜68)、領域内の人工的な直線状線分や曲線状線分を探索・抽出し(70〜86)、領域内に人工的な直線状線分や曲線状線分が明瞭に存在している場合(88が肯定)は出力対象から除外(90)する処理を順に行い、出力対象から除外されずに残った人物候補領域を、人物領域である確度の高い領域として出力する(94)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像処理装置、方法及びプログラムに係り、特に、画像から人物に相当すると推定される人物候補領域を抽出する画像処理装置、該画像処理装置に適用可能な画像処理方法、及び、コンピュータを画像処理装置として機能させるための画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両に搭載したカメラによって車両の周囲を撮像し、この撮像によって得られた画像を対象として、人物に相当すると推定される画像部(人物候補領域)を探索・抽出する画像処理を行うことで、車両の周囲に存在する歩行者等の人物を検出する技術が提案されている。当該技術において、人物候補領域の探索・抽出に適用可能なアルゴリズムとしては、例えば非特許文献1に記載されているニューラルネットワーク法や部分空間法等、様々なアルゴリズムが存在しているが、これらのアルゴリズムを適用して人物候補領域の探索・抽出を行った場合、画像上での特徴が人物候補領域に類似している画像部、例えば一般道路上であれば、樹木や電柱、標識、白線、横断歩道等に相当する画像部が人物候補領域として誤抽出されることがある。
【0003】
人物候補領域の誤抽出を防止することは、人物候補領域を探索・抽出するアルゴリズムで人物候補領域か否かの判定に用いる閾値を、誤抽出を低減できる値へ変更することで実現できるが、この場合、人物候補領域の誤抽出は減少するものの、人物に相当する画像部が人物候補領域として抽出されない抽出漏れが増加する。また、人物候補領域の抽出漏れを防止することを重視して前記閾値の値を設定すると、抽出漏れは減少する一方で人物候補領域の誤抽出は増加する。このように、人物候補領域の誤抽出を防止することと、人物に相当する画像部が人物候補領域として抽出されない抽出漏れを回避することはトレードオフの関係にあり、誤抽出防止と抽出漏れ防止を両立させることは困難な課題であった。
【0004】
上記に関連して特許文献1には、検出対象範囲を撮影した赤外線画像中で輝度が人物より放射された赤外線放射量に相当する範囲の領域を人物候補領域として検出すると共に、赤外画像と画像上の位置の対応関係が明確な可視画像の中の高輝度部分を検出し、検出した高輝度部分とその周辺部に対応する赤外画像の画像領域を人物検出対象領域より除外することで、自動車のヘッドライト等のように人体の露出部と温度がほぼ同程度で画像に占める面積が同等の物を人物候補領域として誤検出する割合を低減する技術が開示されている。
【0005】
また特許文献2には、赤外線カメラで歩行者を検出するにあたり、可視光カメラで道路のレーンマーキングを撮像し、レーンマーキング位置の近傍の領域を歩行者の探索領域とすると共に、レーンマーキング位置により挟まれる領域を歩行者の探索領域に設定し、探索領域のみを歩行者の探索・検出の対象とすることで、処理時間を短縮し早期警報を可能とする技術が開示されている。
【0006】
また特許文献3には、静止画像中から人物の顔領域を抽出する技術が提案されており、顔領域を特定する前処理として、2値化後の画像上で分割した領域の輪郭に直線が存在する比率により人工物を判断することが記載されている。
【非特許文献1】石井健一郎,前田英作,上田修功,村瀬洋,「わかりやすいパターン認識」,オーム社,1998年8月
【特許文献1】特開2001−108758号公報
【特許文献2】特開2002−362302号公報
【特許文献3】特開平8−122944号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、赤外画像及び可視画像の2つの画像を用いて人物候補領域を検出するものであり、赤外線カメラ及び可視光カメラを各々設ける必要があるので装置構成が複雑化するという問題がある。特に、特許文献1に記載の技術では、赤外線画像中で輝度が人物より放射された赤外線放射量に相当する範囲の領域を人物候補領域として検出しているので、赤外画像を得るための赤外線カメラが必須であるが、可視画像は車両の周囲に存在する歩行者等の検出以外に先行車両・道路標識・レーンマークなどの検出等にも利用可能であるのに対し、赤外画像は熱源を写す機器であるため歩行者等以外の検出には向いておらず、用途も限られており汎用性が低く、歩行者等の検出のみを目的として車両に赤外線カメラを搭載することはコスト的に望ましくない。また特許文献1の技術では、赤外画像上の位置と可視画像上の位置の対応関係が明確である必要があるが、個々のカメラを収差の小さい光学系にする必要があるのと、写り方が全く異なる2種類の画像の対応関係を画像処理によって導く必要があり、装置構成の一層の複雑化、或いは処理負荷の増大を招くという問題もある。
【0008】
また、特許文献2に記載の技術についても、特許文献1に記載の技術と同様に赤外画像及び可視画像の2つの画像を用いて人物候補領域を検出するものであるので、装置構成が複雑化するという問題がある。また、特許文献2に記載の技術は、レーンマーキングが存在していない画像には適用できない(レーンマーキングが存在しない道路を走行中には適用できない)という欠点があり、画像中にレーンマーキングが存在していたとしても、画像からレーンマーキングを抽出する処理は複雑で処理装置に多大な処理負荷が加わると共に、走行中の道路にアップダウンが有る場合、このアップダウンを正確に検出しておかないと歩行者の探索領域を適正に設定できないという問題もある。
【0009】
また、特許文献3に記載の技術では、静止画像を2値化した後に領域分割を行っているが、車両の周囲を撮像することで得られる画像(動画像等)等のような複雑な画像にこの技術を適用したとしても、単一の閾値による2値化では画像の領域分割を適正に行うことは困難である。また、適正に分割されていない領域の輪郭の直線性を調べても、期待される結果は得られない。
【0010】
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、構成や処理の複雑化を招くことなく、人物に相当する領域である確度の高い人物候補領域を画像から抽出できる画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
画像には様々な被写体が写っている可能性があるが、画像に人工物が写っていた場合(例えば車両から周囲を撮像した画像であれば、上記の人工物として電柱や標識、白線、横断歩道、街路樹等が写っている可能性がある)、画像中の人工物に相当する画像部には、直線や直線に近い線分、一定曲率の曲線、一定曲率に近い曲線等の人工的な線分が存在している可能性が非常に高い。そして、人工物に相当する画像部が存在している画像中の領域には、人物に相当する画像部が存在していない可能性が非常に高い。
【0012】
上記に基づき請求項1記載の発明に係る画像処理装置は、処理対象の可視画像中に存在している人工的線分を検出する人工的線分検出手段と、前記処理対象の可視画像のうち前記人工的線分検出手段によって検出された人工的線分が存在している領域を除外した領域に存在する、人物に相当すると推定される人物候補領域を抽出する人物候補領域抽出手段と、を含んで構成されている。
【0013】
請求項1記載の発明では、処理対象の可視画像中に存在している人工的線分を検出しているので、人工的線分の検出結果に基づき、処理対象の可視画像のうち、人工物に相当する画像部が存在している確度が高い領域を判断することができる。そして、請求項1記載の発明では、処理対象の可視画像のうち人工的線分検出手段によって検出された人工的線分が存在している領域、すなわち人物に相当する画像部が存在していない可能性が非常に高い領域を除外した領域を対象として、人物に相当すると推定される人物候補領域を抽出するので、人工物に相当する画像部が存在している人工物領域を人物候補領域として誤抽出することを防止することができ、人物に相当する領域である確度の高い人物候補領域を抽出することができる。
【0014】
また、請求項1記載の発明では、可視画像を用いて人物候補領域の抽出を行うので、人物候補領域の抽出にあたって赤外画像は不要であり、赤外画像を取得するために構成が複雑化したり、赤外画像上の位置と可視画像上の位置を対応付けるための処理を行う必要もない。従って、請求項1記載の発明によれば、構成や処理の複雑化を招くことなく、人物に相当する領域である確度の高い人物候補領域を画像から抽出することができる。
【0015】
なお、請求項1記載の発明は、特許文献3に記載の技術のように2値化・領域分割を経て得られた領域の輪郭に基づいて人工物を判断するものではなく、複雑な画像においても安定して検出できる画像のエッジ(微分値)を利用して検出可能な人工的線分(直線や曲線等)を検出し、人工的線分の検出結果に基づいて人物候補領域を抽出している。画像のエッジは、上記のように2値化・領域分割を行った場合の領域の輪郭としても現れるが、それ以外の部分にも現れる。また特許文献3に記載の技術では、人工物の判断精度が二値化や領域分割の処理精度によって左右されるが、画像のエッジを利用して人工的線分を検出する場合は人工的線分の検出精度が二値化等の他の処理の精度の影響を受けることもない。従って、請求項1記載の発明は人工的線分を正確に検出することができ、人物に相当する領域である確度の高い人物候補領域を精度良く抽出することができる。
【0016】
なお、請求項1記載の発明において、例えば請求項2に記載したように、人工的線分検出手段は、人物候補領域抽出手段により処理対象の可視画像の全領域を対象として人物候補領域の探索が行われた後に、当該探索で抽出された人物候補領域を対象として人工的線分を検出し、人物候補領域抽出手段は、処理対象の可視画像の全領域を対象として人物候補領域の探索を行い、人工的線分検出手段により前記人工的線分の検出が行われた後に、前記探索で抽出された人物候補領域のうち人工的線分検出手段によって領域内で人工的線分が検出された人物候補領域を人物候補から除外するように構成することができる。請求項2記載の発明は、まず処理対象の可視画像の全領域を対象として人物候補領域の探索を行うので、処理対象の可視画像中に人物候補領域が存在していなかった場合(探索の結果、人物候補領域が抽出されなかった場合)は以降の処理を中止することで、処理対象の可視画像中に人物候補領域が存在していなかった場合の処理負荷を軽減することが可能となる。
【0017】
また、請求項1記載の発明において、例えば請求項3に記載したように、人工的線分検出手段は、処理対象の可視画像の全領域を対象として人工的線分の検出を行い、人物候補領域抽出手段は、処理対象の可視画像のうち人工的線分検出手段によって検出された人工的線分が存在している領域を除外した領域を対象として人物候補領域の探索を行うように構成してもよい。請求項3記載の発明は、処理対象の可視画像のうち人工的線分が存在している領域を除外した領域を対象として人物候補領域の探索を行うので、一般にアルゴリズムが複雑で処理時間が長時間化し易い人物候補領域の探索における探索範囲が請求項2記載の発明よりも狭くなり、人物候補領域の探索に要する時間を短縮することができる。
【0018】
また、請求項1記載の発明において、人工的線分検出手段は、例えば請求項4に記載したように、人工的線分として、処理対象の可視画像中のエッジがほぼ直線状に連続して成る直線状線分、又は、処理対象の可視画像中のエッジが連続して成りエッジの連続における曲率の変動が基準値に対して所定範囲内で推移している曲線状線分を検出するように構成することができる。人工的線分として上記の直線状線分や曲線状線分を検出することにより、画像中の人工物領域に存在している人工的線分を確実に検出することができる。
【0019】
また、請求項4記載の発明において、人工的線分検出手段は、例えば処理対象の可視画像中に存在する直線状線分及び曲線状線分を全て(線分の延びる方向等に拘わらず)抽出するように構成してもよいが、例えば請求項5に記載したように、人工的線分として、直線状線分のうち、実空間上での鉛直方向に対応する処理対象の可視画像中の縦方向にほぼ沿って延びる直線状線分のみを検出するように構成してもよい。この場合、曲線状成分が全て検出対象外になると共に、可視画像中の縦方向とは異なる方向に沿って延びる直線状成分も検出対象外になり、処理対象の可視画像中に存在する人工的線分を全て検出することはできないが、人工的線分検出手段による人工的線分の検出を短時間で行うことが可能となる。また、車両から周囲を撮像した画像等では、画像に写る可能性のある人工物は、画像中の縦方向にほぼ沿って延びる直線状線分を生じさせる人工物が殆どであり、このような画像を処理対象とする場合は、上記のように処理対象の可視画像中の縦方向にほぼ沿って延びる直線状線分のみを検出するように人工的線分検出手段を構成したとしても、人物に相当する領域の抽出精度が低下することを回避することができる。
【0020】
また、請求項4記載の発明において、人工的線分検出手段による直線状線分又は曲線状線分の抽出は、具体的には、例えば請求項6に記載したように、処理対象の可視画像を微分することで処理対象の画像中のエッジに相当するエッジ画素を抽出した後に、抽出したエッジ画素の中から単一のエッジ画素を処理対象として選択し、処理対象のエッジ画素の近傍かつ処理対象のエッジ画素に対して直線状成分又は曲線状成分に対応する角度範囲内に他のエッジ画素が存在しているか否か判定し、該当するエッジ画素が存在していれば該当するエッジ画素を新たな処理対象として選択する処理を繰り返すことで、人工的線分として、エッジ画素が連なって構成される直線状線分又は曲線状線分を検出することで実現することができる。
【0021】
また、請求項4記載の発明において、人工的線分検出手段による直線状線分又は曲線状線分の抽出は、上記に限られるものではなく、例えば請求項7に記載したように、処理対象の可視画像を微分することで処理対象の画像中のエッジに相当するエッジ画素を抽出した後に、抽出したエッジ画素に対してハフ変換を適用することで、人工的線分として、エッジ画素が連なって構成される直線状線分又は曲線状線分を検出することによっても実現することができる。
【0022】
また、請求項1〜請求項7の何れかに記載の発明において、処理対象の可視画像としては、例えば請求項8に記載したように、車両に搭載された撮像手段により車両の周囲を撮像することで得られた動画像が好適である。
【0023】
請求項9記載の発明に係る画像処理方法は、処理対象の可視画像の全領域を対象として人物に相当すると推定される人物候補領域を探索し、当該探索で抽出された人物候補領域を対象として前記人工的線分を検出し、前記探索で抽出された人物候補領域のうち領域内で前記人工的線分が検出された人物候補領域を人物候補から除外することで、前記処理対象の可視画像のうち人工的線分が存在している領域を除外した領域に存在する人物候補領域を抽出するので、請求項1,2に記載の発明と同様に、構成や処理の複雑化を招くことなく、人物に相当する領域である確度の高い人物候補領域を画像から抽出できると共に、処理対象の可視画像中に人物候補領域が存在していなかった場合の処理負荷を軽減することが可能となる。
【0024】
請求項10記載の発明に係る画像処理方法は、処理対象の可視画像の全領域を対象して人工的線分を検出し、前記処理対象の可視画像のうち前記人工的線分が存在している領域を除外した領域を対象として人物に相当すると推定される人物候補領域を探索することで、前記処理対象の可視画像のうち人工的線分が存在している領域を除外した領域に存在する人物候補領域を抽出するので、請求項1,3に記載の発明と同様に、構成や処理の複雑化を招くことなく、人物に相当する領域である確度の高い人物候補領域を画像から抽出できると共に、人物候補領域の探索に要する時間を短縮することができる。
【0025】
請求項11記載の発明に係る画像処理プログラムは、コンピュータを、処理対象の可視画像中に存在している人工的線分を検出する人工的線分検出手段、及び、前記処理対象の可視画像のうち前記人工的線分検出手段によって検出された人工的線分が存在している領域を除外した領域に存在する、人物に相当すると推定される人物候補領域を抽出する人物候補領域抽出手段として機能させる。
【0026】
請求項11記載の発明に係る画像処理プログラムは、コンピュータを、上記の人工的線分検出手段、人物候補領域抽出手段として機能させるためのプログラムであるので、コンピュータが請求項11記載の発明に係る画像処理プログラムを実行することで、コンピュータが請求項1に記載の画像処理装置として機能することになり、請求項1記載の発明と同様に、構成や処理の複雑化を招くことなく、人物に相当する領域である確度の高い人物候補領域を画像から抽出することができる。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように本発明は、処理対象の可視画像中に存在している人工的線分を検出し、処理対象の可視画像のうち人工的線分を除外した領域に存在する人物候補領域を抽出するようにしたので、構成や処理の複雑化を招くことなく、人物に相当する領域である確度の高い人物候補領域を画像から抽出できる、という優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
【0029】
〔第1実施形態〕
図1には本実施形態に係る物体検出装置10が示されている。物体検出装置10は車両12(図2参照)に搭載され、車両12の周囲(例えば車両12の前方)に存在する物体を検出する装置であり、可視光カメラ14と画像処理部24がバス26を介して接続されて構成されている。なお、物体検出装置10は、車両12に搭載され各種の機能を備えた車両制御システムの一部であり、バス26には実際は各種のセンサや各種の制御部が接続されているが、図1ではこれらの図示は省略している。
【0030】
可視光カメラ14は、CCDイメージセンサやMOS型固体撮像素子等から成り可視光域に感度を有する撮像素子16、アナログ処理部18、A/D(アナログデジタル)変換器20、デジタル処理部22を備え、これらが順に接続されて構成されている。図2に示すように、可視光カメラ14は車両12の室内のうち、車両12のウインドシールドガラスの上端近傍でかつ車両12の左右方向およそ中央の位置(例えばルームミラーの近傍)に、車両12の前方が撮像範囲となる向きで配置されている。撮像素子16は、車両12前方の撮像範囲内からの光が受光面に入射され、受光面に入射された光を光電変換することで、車両12前方の撮像範囲内の状況を表すアナログの画像信号を一定のフレームレートで出力する。
【0031】
アナログ処理部18は、撮像素子16から出力された画像信号を増幅すると共に、増幅した画像信号に対してホワイトバランス等の補正を行う。アナログ処理部18から出力された画像信号は、A/D変換器20によってデジタルの画像データに変換されてデジタル処理部22へ入力され、デジタル処理部22によって色補正等の処理が行われた後に、バス26を介して画像処理部24へ出力される。なお、可視光カメラ14から画像処理部24へ出力される画像データは、本発明に係る処理対象の可視画像(より詳しくは請求項8に記載の動画像)に対応している。
【0032】
画像処理部24はマイクロコンピュータ等から成り、CPU24A、ROMやRAM等から成るメモリ24B、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等から成る不揮発性の記憶部24Cを備えており、可視光カメラ14からバス26を介して入力された画像データは記憶部24Cに順に記憶される。なお、記憶部24Cの記憶容量節減のため、可視光カメラ14から入力された画像データは一旦圧縮した後に記憶部24Cに記憶させるようにしてもよい。また記憶部24Cには、CPU24Aによって後述する人物候補領域抽出処理を行うための人物候補領域抽出プログラムが予めインストールされている。この人物候補領域抽出プログラムは請求項11に記載の画像処理プログラムに対応しており、画像処理部24は、CPU24Aによって人物候補領域抽出プログラムが実行されることで本発明に係る画像処理装置として機能する。
【0033】
次に本第1実施形態の作用として、本第1実施形態に係る人物候補領域抽出処理について図3を参照して説明する。なお、この人物候補領域抽出処理は、車両12のイグニッションスイッチがオンされている間、画像処理部24によって繰り返し実行される。また、人物候補領域抽出処理の実行周期は、撮像素子16からの画像信号の出力周期(フレームレートの逆数)と同一であってもよいし、画像信号の出力周期よりも長くてもよい。また、第1実施形態に係る人物候補領域抽出処理は請求項9に記載の画像処理方法が適用された処理である。
【0034】
第1実施形態に係る人物候補領域抽出処理では、まずステップ50において、可視光カメラ14から入力されて記憶部24Cに一旦記憶された1フレーム分の画像データを記憶部24Cから読み出し、処理対象画像の画像データとしてメモリ24Bに記憶させる。また、次のステップ52では、画像データをメモリ24Bに記憶させた処理対象画像の全領域を対象として、パターン認識により処理対象画像中に存在している人物に相当すると推定される領域(人物候補領域)の探索・抽出を行う。ステップ52におけるパターン認識としては、例えば非特許文献1に記載されているニューラルネットワーク法や部分空間法等に代表される統計的機械学習によるパターン認識が好適であるが、他の手法を適用してもよい。
【0035】
統計的機械学習によるパターン認識は、認識対象の画像を多数集め、集めた多数の画像から機械学習により共通する特徴を幾つか抽出しておき、抽出した特徴を用いてパターン認識を行うものである。機械学習によって多数の画像から抽出された複数の特徴の集合は学習モデルと称されている。ステップ52のようにパターン認識によって人物候補領域の探索・抽出を行う場合は、学習モデルとして、例として図4(B)に示すような人物候補領域の輪郭を表す学習モデルが用いられる。なお、学習モデルの外形形状は、図4(B)に示す例のように矩形状であることが多いが、それ以外の形状を用いることも可能である。また、人物候補領域の探索・抽出を行う際の学習モデルとしては、図4(B)に示すように直立している人物の輪郭形状を表す学習モデル以外に、例えば歩行している人物の輪郭形状を表す学習モデルや、自転車等の二輪車に乗車している人物の輪郭形状を表す学習モデル等も用いてもよい。
【0036】
統計的機械学習によるパターン認識は、処理対象画像上の任意の位置に上記の学習モデルを配置し、配置した学習モデルと処理対象画像上の学習モデルが重なっている領域との類似度の評価値を演算することを、処理対象画像上での学習モデルの配置位置、及び、処理対象画像に対する学習モデルの相対サイズを変化させながら繰り返すことによって為される。なお、学習モデルのサイズ変更は、通常、図4(A)に示すように、処理対象画像のうち車両12からの距離が大きい物体の画像部が存在している領域では学習モデルのサイズを小さくし、車両12からの距離が小さい物体の画像部が存在している領域では学習モデルのサイズを大きくする。
【0037】
そして、演算した評価値が閾値以上になった場合、そのとき学習モデルと重なっている領域を人物候補領域と判断し、人物候補領域と判断した領域の位置や大きさ等をメモリ24Bに記憶させる。例えば処理対象画像が図4(A)に示す画像であった場合は、処理対象画像のうち、例として図4(C)に矩形で囲んで示す領域が人物候補領域として抽出され、その位置や大きさ等がメモリ24Bに記憶されることになる。
【0038】
次のステップ54では、ステップ52における処理によって処理対象画像から人物候補領域が抽出されたか否か判定する。この判定が否定された場合は人物候補領域抽出処理を終了する。これにより、車両12の周囲に人物が存在しておらず、処理対象画像が人物に相当する人物領域が存在していない画像であった場合に、画像処理部24に加わる負荷を軽減することができる。また、ステップ54の判定が肯定された場合はステップ56へ移行し、ステップ52の処理によって処理対象画像から抽出された人物候補領域の中から、処理対象として単一の人物候補領域を選択する。
【0039】
次のステップ58では、ステップ56で処理対象として選択した人物候補領域内の各画素のエッジ強度及び方向を演算する。すなわち、まず処理対象の人物候補領域内の各画素に対し、縦方向のエッジ強度及び横方向のエッジ強度を各々演算する。この縦方向及び横方向のエッジ強度の演算には、例えば図5(A)に示す縦方向及び横方向のプレヴィットオペレータや、図5(B)に示す縦方向及び横方向のソーベルオペレータ等の微分オペレータを用いて行うことができる。次に、処理対象の人物候補領域内の各画素について、演算した縦方向のエッジ強度Diff及び横方向のエッジ強度Diffを次の(1),(2)式に代入することでエッジ強度E、エッジ方向θを各々演算し、演算結果をメモリ24Bに記憶させる。
エッジ強度E=√((Diff)+(Diff)) …(1)
エッジ方向θ=tan−1(Diff/Diff) …(2)
なお、(2)式で算出されるエッジ方向θは、演算対象の画素においてエッジ強度が最大となる方向、すなわち図6に示すように、演算対象の画素を通る低濃度領域と高濃度領域の境界線に対する法線方向を表し、(1)式で算出されるエッジ強度Eは演算対象の画素におけるエッジ方向θについてのエッジ強度を表している。上記の演算により、例えば図4(C)に示す人物候補領域からは、例として図7に示すようなエッジ画像が得られることになる。なお、図7に示すエッジ画像は、図4(C)に示す人物候補領域の各画素の濃度を、エッジ強度Eの値が大きくなるに従って低濃度となる値へ置き換えて可視化したものである。
【0040】
次のステップ60〜ステップ68では、ステップ58で演算した処理対象の人物候補領域内の各画素のエッジ強度E及びエッジ方向θに基づき、前記各画素の中から低濃度領域と高濃度領域の境界線上に位置していると推定される画素(エッジ画素:図7に示すエッジ画像において低濃度で示されている画素)を抽出する。すなわち、まずステップ60では処理対象の人物候補領域内の各画素の中から注目画素を選択する。次のステップ62では、ステップ60で選択した注目画素のエッジ方向θに基づき、注目画素に対し、注目画素のエッジ方向θとおよそ同方向に存在している隣接画素を選択し、注目画素のエッジ強度Eを選択した隣接画素のエッジ強度Eと比較する。
【0041】
ステップ62における隣接画素の選択は、例えば、
(1)エッジ方向θ: 0°±22.5°又は180°±22.5°→隣接画素:右隣及び左隣の画素
(2)エッジ方向θ: 45°±22.5°又は225°±22.5°→隣接画素:右上及び左下の画素
(3)エッジ方向θ: 90°±22.5°又は270°±22.5°→隣接画素:上隣及び下隣の画素
(4)エッジ方向θ:135°±22.5°又は315°±22.5°→隣接画素:右下及び左上の画素
上記のように、エッジ方向θの角度範囲(0〜360°)を4種類の角度範囲に分割し、各角度範囲毎に選択する隣接画素を定めた隣接画素選択条件を定めておき、エッジ方向θが4種類の角度範囲のうちの何れに属しているかに応じて隣接画素を選択することで行うことができる。
【0042】
なお、上記の条件ではエッジ方向θの値に拘わらず隣接画素として2個の画素が選択されるが、これに限られるものではなく、例えば個々の角度範囲±22.5°を若干広げる(例えば±30°等)ことで個々の角度範囲を一部オーバラップさせ、エッジ方向θが2種類の角度範囲に跨るオーバラップ領域に相当する角度であった場合には、2種類の角度範囲の何れかに対応する合計4個の画素を隣接画素として選択し、注目画素とのエッジ強度Eの比較を各々行うようにしてもよい。
【0043】
次のステップ64では、ステップ62でエッジ強度Eを比較した結果、注目画素のエッジ強度Eが最大であったか(注目画素のエッジ強度Eが複数の隣接画素のエッジ強度Eよりも大きかったか)否か判定する。なお、複数の隣接画素の中にエッジ強度Eが注目画素と等しい画素が存在していた場合には、エッジ強度Eが注目画素と等しい隣接画素に隣接する新たな隣接画素を前述の隣接画素選択条件を用いて選択し、選択した新たな隣接画素と注目画素のエッジ強度Eを比較する。ステップ64の判定が否定された場合はステップ68へ移行するが、ステップ64の判定が肯定された場合はステップ66へ移行し、注目画素がエッジ画素であることを表す情報をメモリ24Bに記憶させた後にステップ68へ移行する。
【0044】
ステップ68では、処理対象の人物候補領域内の全ての画素を対象としてステップ60〜ステップ68の処理を行ったか否か判定する。判定が否定された場合はステップ60に戻り、ステップ68の判定が肯定される迄ステップ60〜ステップ68を繰り返す。これにより、処理対象の人物候補領域内に存在する全てのエッジ画素が抽出される。
【0045】
ステップ68の判定が肯定されるとステップ70へ移行する。ステップ70〜ステップ86では、ステップ60〜ステップ68で抽出された個々のエッジ画素を判定対象として順に選択しながら、処理対象の人物候補領域内で、人工物に相当する線分である可能性の高い人工的線分(人工的な直線状線分及び曲線状線分)を探索する。すなわち、まずステップ70では、ステップ60〜ステップ68で抽出された全てのエッジ画素を判定対象として選択したか否か判定する。当初はこの判定が否定されてステップ72へ移行し、ステップ60〜ステップ68で抽出された処理対象の人物候補領域のエッジ画素の中から、単一のエッジ画素を判定対象のエッジ画素として抽出する。次のステップ74では、ステップ72で選択した判定対象のエッジ画素のエッジ方向θに基づき、判定対象のエッジ画素に対し、判定対象のエッジ画素のエッジ方向θに対しておよそ90°又は-90°の方向に存在している隣接画素を選択する。
【0046】
ステップ74における隣接画素の選択についても、例えば、
(1)エッジ方向θ: 0°±30°又は180°±30°→隣接画素:上隣及び下隣の画素
(2)エッジ方向θ: 45°±30°又は225°±30°→隣接画素:右下及び左上の画素
(3)エッジ方向θ: 90°±30°又は270°±30°→隣接画素:右隣及び左隣の画素
(4)エッジ方向θ:135°±30°又は315°±30°→隣接画素:右上及び左下の画素
上記のように、エッジ方向θの角度範囲(0〜360°)を4種類の角度範囲に分割し、各角度範囲毎に選択する隣接画素を定めた隣接画素選択条件を定めておき、エッジ方向θが4種類の角度範囲のうちの何れに属しているかに応じて隣接画素を選択することで行うことができる。上記の条件では個々の角度範囲にオーバラップ領域が設けられており、エッジ方向θが2種類の角度範囲に跨るオーバラップ領域に相当する角度であった場合には、2種類の角度範囲の何れかに対応する合計4個の画素が隣接画素として選択される。
【0047】
なお、上記の条件における個々の角度範囲は±30°に限られるものではない。オーバラップ領域が広すぎると処理時間が長時間化する一方で、オーバラップ領域が狭すぎるとステップ70〜ステップ86で探索対象となる人工的線分の延びる方向が0°や45°等に限られてしまうことになるので、個々の角度範囲±30°を若干広げ(例えば±40°等)、個々の角度範囲に跨るオーバラップ領域の角度範囲を若干拡大するようにしてもよい。
【0048】
ステップ76ではステップ74で選択した隣接画素がエッジ画素か否か判定する。判定が否定された場合、判定対象のエッジ画素は他のエッジ画素から孤立しており、人工的線分を構成するエッジ画素ではないと判断できるのでステップ70に戻る。この場合、ステップ72で判定対象のエッジ画素として他のエッジ画素が選択されて以降の処理が繰り返されることになる。
【0049】
一方、ステップ76の判定が肯定された場合はステップ78へ移行し、先のステップ74で選択した隣接画素のエッジ方向θを判定対象のエッジ画素のエッジ方向θと比較し、両者の角度差が、エッジがほぼ直線状に連続して成る人工的な直線状線分に相当する角度範囲内か否か判定する。なお、人工的な直線状線分に相当する角度範囲としては、例えば0°±2°やその前後の範囲を適用することができる。この判定が肯定された場合、判定対象のエッジ画素及びステップ78の判定を満たす隣接画素(エッジ画素)は人工物に相当する人工的な直線状線分の一部を構成する画素である可能性が高いので、ステップ82へ移行し、これらの画素の情報を人工的な直線状線分の一部を構成する画素の情報としてメモリ24Bに記憶させる。
【0050】
また、次のステップ86ではメモリ24Bに情報を記憶させた隣接画素(エッジ画素)を次の判定対象のエッジ画素として選択し、ステップ74に戻る。なお、先のステップ78の判定は、先のステップ74で選択された複数個の隣接画素の中に、ステップ78の判定条件を満足する隣接画素が1個以上存在していれば肯定されるが、ステップ78の判定条件を満足する隣接画素が複数個存在していた場合、ステップ86では、判定条件を満足する複数個の隣接画素の中から単一の隣接画素を判定対象として選択すると共に、判定条件を満足する複数個の隣接画素のうちの残りの隣接画素については、判定対象候補画素としてメモリ24Bに情報を記憶させる。この判定対象候補画素については、後でステップ72が再度実行された際に、判定対象のエッジ画素として優先的に選択される。
【0051】
上記処理により、ステップ72で選択した判定対象のエッジ画素が人工的な直線状線分を構成するエッジ画素(図8に「判定対象のエッジ画素」と表記して示すように、人工的な直線状線分上に位置しているエッジ画素)である場合は、ステップ74〜78,82,86が繰り返されることで、当初の判定対象のエッジ画素に対応する直線状線分が一定方向へ追跡(トレース)され、図8に「連結1」〜「連結4」と表記して示すように、当初の判定対象のエッジ画素と同一の直線状線分を構成し、かつ当初の判定対象のエッジ画素に対して追跡方向側に存在しているエッジ画素が順に抽出され、抽出されたエッジ画素の情報が、同一の直線状線分を構成するエッジ画素の情報としてメモリ24Bに順次記憶されることで、抽出された個々のエッジ画素が同一の直線状線分を構成するエッジ画素として連結される。
【0052】
また、判定対象のエッジ画素の位置が直線状線分の一端に到達すると、一旦はステップ76の判定が否定されてステップ70に戻った後に、当初の判定対象のエッジ画素を挟んで直線状線分の当初の追跡方向と反対側に存在している隣接エッジ画素(判定対象候補画素としてメモリ24Bに記憶されたエッジ画素)がステップ72で判定対象のエッジ画素として選択され、ステップ74〜78,82,86が再度繰り返されることで、当初の判定対象のエッジ画素に対応する直線状線分が当初の追跡方向と逆方向へ追跡(トレース)され、図8に「連結n」〜「連結n+3」と表記して示すように、当初の判定対象のエッジ画素と同一の直線状線分を構成し、かつ当初の判定対象のエッジ画素に対して当初の追跡方向と反対側に存在しているエッジ画素が順に抽出され、抽出されたエッジ画素の情報が、同一の直線状線分を構成するエッジ画素の情報としてメモリ24Bに順次記憶されることで、同一の直線状線分を構成する全てのエッジ画素が連結されることになる。
【0053】
また、先のステップ78の判定が否定された場合(ステップ74で選択した隣接画素と判定対象のエッジ画素のエッジ方向θの角度差が直線状線分に相当する角度範囲から外れていた場合)はステップ80へ移行し、ステップ74で選択した隣接画素と判定対象のエッジ画素のエッジ方向θの角度差が、エッジが連続して成りエッジの連続における曲率の変動が基準値に対して所定範囲内で推移している人工的な曲線状線分に相当する角度範囲内か否か判定する。なお、人工的な曲線状線分に相当する角度範囲としては、例えば5°±2°やその前後の範囲を適用することができる。
【0054】
ステップ80の判定が肯定された場合、判定対象のエッジ画素及びステップ80の判定を満たす隣接画素(エッジ画素)は人工物に相当する人工的な曲線状線分の一部を構成する画素である可能性が高いので、ステップ84へ移行し、これらの画素の情報を人工的な曲線状線分の一部を構成する画素の情報としてメモリ24Bに記憶させる。また、次のステップ86ではメモリ24Bに情報を記憶させた隣接画素(エッジ画素)を次の判定対象のエッジ画素として選択し、ステップ74に戻る。なお、ステップ80の判定についても、先のステップ74で選択された複数個の隣接画素の中に、ステップ80の判定条件を満足する隣接画素が1個以上存在していれば肯定されるが、ステップ86では、ステップ80の判定条件を満足する隣接画素が複数個存在していた場合にも、判定条件を満足する複数個の隣接画素の中から単一の隣接画素を判定対象として選択すると共に、判定条件を満足する複数個の隣接画素のうちの残りの隣接画素については、判定対象候補画素としてメモリ24Bに情報を記憶させる。
【0055】
上記処理により、ステップ72で選択した判定対象のエッジ画素が人工的な曲線状線分を構成するエッジ画素(人工的な曲線状線分上に位置しているエッジ画素)である場合は、ステップ74〜80,84,86が繰り返されることで、当初の判定対象のエッジ画素に対応する曲線状線分が一定方向へ追跡(トレース)され、当初の判定対象のエッジ画素と同一の直線状線分を構成し、かつ当初の判定対象のエッジ画素に対して追跡方向側に存在しているエッジ画素が順に抽出され、抽出されたエッジ画素の情報が、同一の曲線状線分を構成するエッジ画素の情報としてメモリ24Bに順次記憶されることで、抽出された個々のエッジ画素が同一の曲線状線分を構成するエッジ画素として連結される。
【0056】
また、判定対象のエッジ画素の位置が直線状線分の一端に到達すると、ステップ76の判定が一旦否定されてステップ70に戻った後に、当初の判定対象のエッジ画素を挟んで曲線状線分の当初の追跡方向と反対側に存在している隣接エッジ画素(判定対象候補画素としてメモリ24Bに記憶されたエッジ画素)がステップ72で判定対象のエッジ画素として選択され、ステップ74〜80,84,86が再度繰り返されることで、当初の判定対象のエッジ画素に対応する曲線状線分が当初の追跡方向と逆方向へ追跡(トレース)され、当初の判定対象のエッジ画素と同一の曲線状線分を構成し、かつ当初の判定対象のエッジ画素に対して当初の追跡方向と反対側に存在しているエッジ画素が順に抽出され、抽出されたエッジ画素の情報がメモリ24Bに順次記憶されることで、同一の曲線状線分を構成する全てのエッジ画素が連結されることになる。
【0057】
上述した処理により、処理対象の人物候補領域内に存在している人工的な直線状線分及び曲線状線分が探索され、処理対象の人物候補領域内に人工的な直線状線分や曲線状線分が存在していれば、当該直線状線分や曲線状線分が処理対象の人物候補領域から抽出される。なお、ステップ54〜ステップ86は本発明に係る人工的線分検出手段(より詳しくは請求項2,4,6に記載の人工的線分検出手段)に対応している。 処理対象の人物候補領域内の全てのエッジ画素を判定対象として選択すると、ステップ70の判定が肯定されてステップ88へ移行し、ステップ70〜ステップ86で抽出された人工的な直線状線分や曲線状線分の数及び大きさに基づいて、処理対象の人物候補領域が人工物に相当する人工物領域か否か判定する。ステップ88の判定は、例えば「抽出された直線状線分の数が第1閾値以上かつ抽出された直線状線分の長さが第2閾値以上」という第1の条件と、「抽出された曲線状線分の数が第3閾値以上かつ抽出された曲線状線分の長さが第4閾値以上」という第2の条件を各々判定することで行うことができ、第1の条件及び第2の条件の少なくとも一方を満足した場合に肯定されるようにすることができる。
【0058】
ステップ88の判定が肯定された場合、処理対象の人物候補領域内には人工的な直線状線分又は曲線状線分が明瞭に存在しているので、処理対象の人物候補領域は人工物に相当する人工物領域である(人物に相当する人物領域ではない)と判断できる。このため、ステップ88の判定が肯定された場合はステップ90へ移行し、処理対象の人物候補領域を出力対象から除外した後にステップ92へ移行する。また、ステップ88の判定が否定された場合は、処理対象の人物候補領域内には人工的な直線状線分や曲線状線分が存在していないか、人工的な直線状線分や曲線状線分が存在していたとしても少数又は長さが短いので、処理対象の人物候補領域は人工物に相当する人工物領域ではない(人物に相当する人物領域である確度が高い)と判断できる。このため、ステップ88の判定が否定された場合はステップ90をスキップしてステップ92へ移行する。
【0059】
ステップ92では、先のステップ52で処理対象画像から抽出された人物候補領域の中に、先のステップ56で処理対象として未選択の人物候補領域が存在しているか否か判定する。判定が肯定された場合はステップ56に戻り、ステップ92の判定が否定される迄ステップ56〜ステップ92を繰り返す。これにより、ステップ52で抽出された全ての人物候補領域に対してステップ58以降の処理が各々行われ、結果として、処理対象画像のうち人工的な直線状線分又は曲線状線分が明瞭に存在している領域を除外した領域に存在する人物候補領域のみが除外されずに残存することになる。ステップ92の判定が否定されるとステップ94へ移行し、ステップ52で抽出された人物候補領域のうちステップ90で出力対象から除外されずに残存している人物候補領域の情報を、人物領域である確度が高い領域の情報として出力し、人物候補領域抽出処理を終了する。上記のステップ88〜ステップ92は、先に説明したステップ52と共に本発明に係る人物候補領域抽出手段(より詳しくは請求項2に記載の人物候補領域抽出手段)に対応している。
【0060】
なお、人物候補領域抽出処理の処理結果の出力先としては、例えば物体検出装置10と共に車両12に搭載された車両制御システムの一部を構成し、車両12の周囲に存在する人物の位置や距離等に応じた所定の制御(一例として、自車両が歩行者に衝突することが予測される場合に歩行者への衝撃を緩和するためのエアバッグを展開させる制御等)を行う制御部が挙げられる。本実施形態では、パターン認識によって抽出した人物候補領域のうち、領域内に人工的線分が明瞭に存在している人物候補領域を出力対象から除外しているので、人物に相当する領域である確度の高い領域を抽出・出力することができ、人物候補領域抽出処理の処理結果を受け取って所定の制御を行う場合にも、所定の制御の精度を向上させることができる。
【0061】
また、本実施形態では可視画像から人物に相当する領域である確度の高い領域を抽出することができ、赤外画像を用いる必要がないので、物体検出装置10の構成も簡略化することができる。
【0062】
なお、上記では処理対象の人物候補領域内に存在する人工的な直線状線分及び曲線状線分を全て(線分の延びる方向等に拘わらず)探索・抽出する態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、実空間上での鉛直方向に相当する処理対象画像の縦方向にほぼ沿って延びる人工的な直線状線分(縦方向の直線状線分)のみを対象として探索・抽出を行うようにしてもよい。
【0063】
縦方向の直線状線分のみを探索・抽出することは、具体的には、例えば図3のステップ60〜ステップ68において、エッジ方向θが縦方向に対しておよそ90°又は-90°の画素(縦方向の直線状線分を構成するエッジ画素である可能性の有るエッジ方向θの画素)のみを判定対象とし、隣接画素とエッジ強度Eを比較してエッジ画素を抽出する(当該処理の結果の一例を図9(A)に示す)と共に、図3のステップ70〜ステップ86で直線状線分の探索・抽出のみを行う(ステップ78の判定が否定された場合はステップ70に戻り、ステップ80,84は行わない)ように構成することで実現できる。なお、図9(A)に示すエッジ画素の抽出結果に対して直線状線分の探索を行うことで抽出される縦方向の直線状線分の一例を図9(B)に示す。
【0064】
車両から周囲を撮像した画像では、画像に写る可能性のある人工物は、画像中の縦方向にほぼ沿って延びる直線状線分を生じさせる人工物が殆どであるので、上記のように縦方向の直線状線分のみを対象として探索・抽出を行うことで、人物に相当する領域の抽出精度が低下することを回避しつつ、人物候補領域抽出処理を簡略化することができる。なお、上記態様は請求項5記載の発明に対応している。
【0065】
〔第2実施形態〕
次に本発明の第2実施形態について説明する。なお、本第2実施形態は第1実施形態と同一の構成であるので、各部分に同一の符号を付して構成の説明を省略し、以下図10を参照し、第2実施形態の作用として、本第2実施形態に係る人物候補領域抽出処理について、第1実施形態で説明した人物候補領域抽出処理(図3)と異なる部分についてのみ説明する。なお、第2実施形態に係る人物候補領域抽出処理は請求項10に記載の画像処理方法が適用された処理である。
【0066】
本第2実施形態に係る人物候補領域抽出処理では、ステップ50で処理対象画像の画像データを記憶部24Cから読み出してメモリ24Bに記憶させた後に、次のステップ59において、処理対象画像の全画素についてエッジ強度及びエッジ方向を各々演算する。なお、エッジ強度及びエッジ方向の演算自体は、第1実施形態に係る人物候補領域抽出処理(図3)のステップ58と同様にして行うことができる。
【0067】
次のステップ61〜ステップ68では、ステップ58で演算した各画素のエッジ強度E及びエッジ方向θに基づき、第1実施形態に係る人物候補領域抽出処理(図3)のステップ60〜ステップ68と同様にして、各画素の中からエッジ画素を抽出するが、本第2実施形態に係る人物候補領域抽出処理のステップ61〜ステップ68は、ステップ61で処理対象画像の全画素の中から注目画素を選択することで、処理対象画像の全領域を対象としてエッジ画素の抽出を行う点で第1実施形態に係る人物候補領域抽出処理(図3)のステップ60〜ステップ68と相違している。これにより、処理対象画像が例として図11(A)に示すような画像であった場合、上述したステップ61〜ステップ68により、例として図11(B)に示すように、処理対象画像の全領域を対象としてエッジ画素が抽出されることになる。
【0068】
次のステップ70〜ステップ86では、第1実施形態に係る人物候補領域抽出処理(図3)のステップ70〜ステップ86と同様にして、ステップ61〜ステップ68で抽出された個々のエッジ画素を判定対象として順に選択して人工的な直線状線分及び曲線状線分を探索するが、本第2実施形態に係る人物候補領域抽出処理では、ステップ61〜ステップ68で処理対象画像の全領域を対象としてエッジ画素が抽出されるので、本第2実施形態に係る人物候補領域抽出処理のステップ70〜ステップ86についても、ステップ73で処理対象画像中の全てのエッジ画素の中から判定対象のエッジ画素を選択することで、処理対象画像の全領域を対象として人工的な直線状線分及び曲線状線分の探索・抽出を行う点で第1実施形態に係る人物候補領域抽出処理(図3)のステップ70〜ステップ86と相違している。
【0069】
これにより、例として図11(A)に示すような処理対象画像から、例として図11(B)に示すようにエッジ画素が抽出された場合、上述したステップ70〜ステップ86により、例として図12に示すように、処理対象画像の全領域を対象として人工的な直線状線分及び曲線状線分が抽出されることになる。なお、本第2実施形態に係る人物候補領域抽出処理におけるステップ59〜ステップ86は本発明に係る人工的線分検出手段(より詳しくは請求項3,4,6に記載の人工的線分検出手段)に対応している。
【0070】
また、本第2実施形態に係る人物候補領域抽出処理では、処理対象画像の全領域を対象とする人工的な直線状線分及び曲線状線分の探索・抽出が終了することでステップ70の判定が肯定されると、ステップ96へ移行し、ステップ70〜ステップ86で人工的な直線状線分及び曲線状線分が抽出された結果に基づき、処理対象画像の全領域を対象として第1実施形態に係る人物候補領域抽出処理(図3)のステップ88と同様の判定を行うことで、処理対象画像の全領域のうち人工的な直線状線分又は曲線状線分が明瞭に存在している領域を判定し、処理対象画像の全領域から判定した領域(人工的な直線状線分又は曲線状線分が明瞭に存在している領域)を除外した領域を、人物候補領域の探索範囲として設定する。
【0071】
これにより、処理対象画像の全領域から図12に示す直線状線分及び曲線状線分が抽出された場合には、処理対象画像のうち、例として図13に示す人工的な直線状線分や曲線状線分及びその周囲の領域(図13に高濃度で示す領域)が、人工的な直線状線分又は曲線状線分が明瞭に存在している領域と判定され、処理対象画像のうち当該領域を除外した範囲(図13に低濃度で示す範囲)が人物候補領域の探索範囲として設定されることになる。
【0072】
次のステップ98では、処理対象画像のうちステップ96で設定した探索範囲内で人物候補領域の探索を行う。この人物候補領域の探索は、第1実施形態に係る人物候補領域抽出処理(図3)のステップ52と同様にパターン認識を適用して行うことができる。このように、本第2実施形態に係る人物候補領域抽出処理では、人工的な直線状成分や曲線状線分が明瞭に存在している領域を除外した探索範囲内で人物候補領域の探索を行うので、人物候補領域として人物領域である確度が高い領域を抽出できると共に、人物候補領域の探索に要する処理時間も短縮することができる。そして、次のステップ100では、ステップ98で抽出された人物候補領域の情報を、人物領域である確度が高い領域の情報として出力し、人物候補領域抽出処理を終了する。なお、上述したステップ96,98は本発明に係る人物候補領域抽出手段(より詳しくは請求項3に記載の人物候補領域抽出手段)に対応している。
【0073】
なお、第2実施形態においても、処理対象画像の縦方向にほぼ沿って延びる人工的な直線状線分(縦方向の直線状線分)のみを対象として探索・抽出を行い、縦方向の直線状線分が明瞭に存在している領域を人物候補領域の探索範囲から除外するようにしてもよい。この場合も、人物に相当する領域の抽出精度が低下することを回避しつつ、人物候補領域抽出処理を簡略化することができる。上記態様も請求項5記載の発明に対応している。
【0074】
また、上記ではエッジ画素を抽出した後に、判定対象のエッジ画素と隣接するエッジ画素のエッジ方向θの角度差に基づいて、判定対象のエッジ画素及び隣接するエッジ画素が同一の直線状線分又は曲線状線分に対応するエッジ画素か否かを判定し、判定が肯定された場合は隣接するエッジ画素を新たな判定対象のエッジ画素として選択することを繰り返し、直線状線分又は曲線状線分を追跡していくことで直線状線分又は曲線状線分を抽出する態様を説明したが、これに限定されるものではなく、エッジ画素を抽出した後に、抽出したエッジ画素に対してハフ(Hough)変換を適用することで直線状線分又は曲線状線分を抽出するようにしてもよい。なお、この態様は請求項7記載の発明に対応している。
【0075】
また、上記では本発明に係る画像処理プログラムに相当する人物候補領域抽出プログラムが画像処理部24の記憶部24Cに予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、本発明に係る画像処理プログラムは、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体に記録されている形態で提供することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本実施形態に係る物体検出装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】可視光カメラによる撮像範囲を示す、(A)は側面図、(B)は平面図である。
【図3】第1実施形態に係る人物候補領域抽出処理を示すフローチャートである。
【図4】(A)はパターン認識による人物候補領域の探索、(B)は当該探索に用いる学習モデル(パターン)の一例、(C)は抽出された人物候補領域の一例を各々示すイメージ図である。
【図5】エッジ強度の演算に用いる微分オペレータの一例を示すイメージ図である。
【図6】演算対象画素のエッジ強度及びエッジ方向の演算を説明するためのイメージ図である。
【図7】人物候補領域に対するエッジ抽出結果の一例を示すイメージ図である。
【図8】エッジ画素の追跡(人工的線分を形成するエッジ画素の連結)を説明するためのイメージ図である。
【図9】縦方向に延びるエッジのみ抽出する場合の処理結果の一例を示すイメージ図である。
【図10】第2実施形態に係る人物候補領域抽出処理を示すフローチャートである。
【図11】(A)は処理対象画像の一例、(B)は(A)の画像に対するエッジ抽出結果の一例を各々示すイメージ図である。
【図12】直線状線分・曲線の検出結果の一例を示すイメージ図である。
【図13】直線状線分・曲線の検出結果に基づいて設定される人物候補領域の探索領域の一例を示すイメージ図である。
【符号の説明】
【0077】
10 物体検出装置
12 車両
14 可視光カメラ
24 画像処理部
24A CPU
24B メモリ
24C 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象の可視画像中に存在している人工的線分を検出する人工的線分検出手段と、
前記処理対象の可視画像のうち前記人工的線分検出手段によって検出された人工的線分が存在している領域を除外した領域に存在する、人物に相当すると推定される人物候補領域を抽出する人物候補領域抽出手段と、
を含む画像処理装置。
【請求項2】
前記人工的線分検出手段は、前記人物候補領域抽出手段により前記処理対象の可視画像の全領域を対象として前記人物候補領域の探索が行われた後に、当該探索で抽出された人物候補領域を対象として前記人工的線分を検出し、
前記人物候補領域抽出手段は、前記処理対象の可視画像の全領域を対象として前記人物候補領域の探索を行い、前記人工的線分検出手段により前記人工的線分の検出が行われた後に、前記探索で抽出された人物候補領域のうち前記人工的線分検出手段によって領域内で前記人工的線分が検出された人物候補領域を人物候補から除外する請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記人工的線分検出手段は、前記処理対象の可視画像の全領域を対象として前記人工的線分の検出を行い、
前記人物候補領域抽出手段は、前記処理対象の可視画像のうち前記人工的線分検出手段によって検出された人工的線分が存在している領域を除外した領域を対象として前記人物候補領域の探索を行う請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記人工的線分検出手段は、前記人工的線分として、前記処理対象の可視画像中のエッジがほぼ直線状に連続して成る直線状線分、又は、前記処理対象の可視画像中のエッジが連続して成りエッジの連続における曲率の変動が基準値に対して所定範囲内で推移している曲線状線分を検出する請求項1記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記人工的線分検出手段は、前記人工的線分として、前記直線状線分のうち、実空間上での鉛直方向に対応する前記処理対象の可視画像中の縦方向にほぼ沿って延びる直線状線分のみを検出する請求項4記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記人工的線分検出手段は、前記処理対象の可視画像を微分することで前記処理対象の画像中のエッジに相当するエッジ画素を抽出した後に、抽出したエッジ画素の中から単一のエッジ画素を処理対象として選択し、処理対象のエッジ画素の近傍かつ処理対象のエッジ画素に対して前記直線状成分又は前記曲線状成分に対応する角度範囲内に他のエッジ画素が存在しているか否か判定し、該当するエッジ画素が存在していれば該当するエッジ画素を新たな処理対象として選択する処理を繰り返すことで、前記人工的線分として、エッジ画素が連なって構成される前記直線状線分又は前記曲線状線分を検出する請求項4記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記人工的線分検出手段は、前記処理対象の可視画像を微分することで前記処理対象の画像中のエッジに相当するエッジ画素を抽出した後に、抽出したエッジ画素に対してハフ変換を適用することで、前記人工的線分として、エッジ画素が連なって構成される前記直線状線分又は前記曲線状線分を検出する請求項4記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記処理対象の可視画像は、車両に搭載された撮像手段により前記車両の周囲を撮像することで得られた動画像である請求項1〜請求項7の何れか1項記載の画像処理装置。
【請求項9】
処理対象の可視画像の全領域を対象として人物に相当すると推定される人物候補領域を探索し、
当該探索で抽出された人物候補領域を対象として前記人工的線分を検出し、
前記探索で抽出された人物候補領域のうち領域内で前記人工的線分が検出された人物候補領域を人物候補から除外することで、前記処理対象の可視画像のうち人工的線分が存在している領域を除外した領域に存在する人物候補領域を抽出する画像処理方法。
【請求項10】
処理対象の可視画像の全領域を対象して人工的線分を検出し、
前記処理対象の可視画像のうち前記人工的線分が存在している領域を除外した領域を対象として人物に相当すると推定される人物候補領域を探索することで、前記処理対象の可視画像のうち人工的線分が存在している領域を除外した領域に存在する人物候補領域を抽出する画像処理方法。
【請求項11】
コンピュータを、
処理対象の可視画像中に存在している人工的線分を検出する人工的線分検出手段、
及び、前記処理対象の可視画像のうち前記人工的線分検出手段によって検出された人工的線分が存在している領域を除外した領域に存在する、人物に相当すると推定される人物候補領域を抽出する人物候補領域抽出手段
として機能させるための画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図10】
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【図4】
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【図7】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−276910(P2009−276910A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−126134(P2008−126134)
【出願日】平成20年5月13日(2008.5.13)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】