説明

画像処理装置、画像処理方法、および撮像装置

【課題】画像合成を行う際に、WBモードに応じて適切なWB補正を行うことができる画像処理装置、画像処理方法、および撮像装置を提供する。
【解決手段】ホワイトバランス補正処理のための設定に応じて、記録されている複数の画像データのそれぞれに対する画像WBゲインを算出し(S125)、複数の画像データを合成して合成画像データを生成し(S131)、複数の画像データの合成方法と、複数の画像データのそれぞれに対応する画像WBゲインと、に応じて合成画像データに対応する合成画像WBゲインを算出し(S133)、この算出された合成画像WBゲインに応じて合成画像データのホワイトバランス補正を行う(S137、S93)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影画像等の複数の画像を合成する画像処理装置、画像処理方法、および撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等の画像処理装置では、複数のJPEG画像やRAW画像に係数を乗じて輝度を調節してから加算することで合成し、1つの画像に複数のシーンが写ったような画像を生成する画像合成(多重露出ともいう)機能が搭載されているものがある。
【0003】
例えば、特許文献1には、JPEG画像などの画像処理された画像を用いて合成する場合、画像処理前の画像に変換して合成し、再度、画像処理を行うことにより、ガンマ変換などの影響を排除した画像合成装置が開示されている。また、特許文献2には、RAW画像に対して予めホワイトバランス(以下、「WB」と称す)補正を行った画像データを合成することで、異なる光源かで撮影されたRAW画像を合成する場合であっても、WBが補正された画像合成を可能にした画像処理装置が開示されている。
【0004】
デジタルカメラのような撮影装置においては、撮影時の光源を自動的に推定し、WBを適切に補正するオートホワイトバランス(AWB)モードや、ユーザが光源に合わせてモードを選択するプリセットWBモード、特定の被写体にWBをあわせるワンタッチWBモードなどの様々なWBモードが搭載され、ユーザが選択したWBモードに応じてWB補正を行っている。
【0005】
ユーザは撮影時の光源に適したWBモードやAWBモードを選択することで、無彩色(白色や灰色)の被写体のWBがとれた写真を撮影することができる。また、意図的に異なるWBモードを選択することで、無彩色の被写体に色彩をつけることもできる。このように、WBモードの設定次第で写真の色味を変えることができ、写真に対する印象を変えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3800192号公報
【特許文献2】特開2010−124411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述の特許文献1や特許文献2に開示の画像合成では、合成した画像データを画像処理する際に、複数のWBモードのそれぞれに対してどのようなWBゲインを用いてWB補正するべきかについて何ら示唆されていない。そのため、合成した画像データのWBを変更して画像処理を行う場合、どのようなWBゲインを用いてWB補正するのが適切であるかが分からなかった。
【0008】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、画像合成を行う際に、WBモードに応じて適切なWB補正を行うことができる画像処理装置、画像処理方法、および撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため第1の発明に係わる画像処理装置は、複数の合成用画像データを合成し、合成画像データを生成する画像合成部と、ホワイトバランス補正処理のための設定を行うWB設定部と、上記WB設定部の設定に応じて、上記複数の合成用画像データのそれぞれに対するWBゲインを算出する画像WBゲイン算出部と、上記画像合成部における合成方法と、上記画像WBゲイン算出部で算出された上記複数の合成用画像データのそれぞれに対する画像WBゲインと、に応じ、上記合成画像データに対するWBゲインを算出する合成画像WBゲイン算出部と、WBゲインに応じて画像データのホワイトバランス補正を行うWB補正部と、を具備し、上記WB補正部は、上記WB設定部の設定に応じ、上記合成画像WBゲイン算出部で算出された合成画像WBゲインを用いて、上記合成画像データに対するホワイトバランス補正を行う。
【0010】
第2の発明に係わる画像処理装置は、上記第1の発明において、上記画像合成部は、上記複数の合成用画像データに対する合成時の合成係数を設定する合成係数設定部を含み、上記画像合成部は、上記合成係数に応じ上記複数の合成用画像データを合成して合成画像データを生成し、上記合成画像WBゲイン算出部は、上記合成係数と、上記画像WBゲイン算出部で算出された上記複数の画像データのそれぞれに対する画像WBゲインと、に応じ、上記合成画像データに対する合成画像WBゲインを算出する。
【0011】
第3の発明に係わる画像処理装置は、上記第2の発明において、上記画像合成部は、画像データに対し所定の値を乗じる乗算部と、複数の画像データを加算する加算部を含み、上記乗算部は、上記複数の合成用画像データに対し上記合成係数を乗じて複数の中間画像データを生成し、上記加算部は、上記複数の中間画像データを加算することで、上記合成画像データを生成し、上記合成画像WBゲイン算出部は、上記合成係数に応じ、上記画像WBゲイン算出部で算出された上記複数の合成用画像データのそれぞれに対する画像WBゲインの加重平均を算出することで、上記合成画像データに対する合成画像WBゲインを算出する。
【0012】
第4の発明に係わる画像処理装置は、上記第1ないし第3の発明において、上記WB補正部は、上記複数の画像データのそれぞれに対し、少なくともホワイトバランス補正処理を行った複数の画像データを上記複数の合成用画像データとして上記画像合成部に入力させ、上記WB補正部は、上記WB設定部の設定に応じ、上記合成画像WBゲイン算出部で算出された合成画像WBゲインを所定の値で除算した換算合成画像WBゲインを用いて、上記合成画像データデータに対するホワイトバランス補正を行う。
【0013】
第5の発明に係わる画像処理装置は、上記第4の発明において、上記WB設定部は、少なくとも晴天に対するWBモードを含み、上記所定の値は、上記晴天に対するWBモードに対して上記合成画像WBゲイン算出部で算出された合成画像WBである。
【0014】
第6の発明に係わる画像処理装置は、上記第1ないし第5の発明において、上記WB設定部で設定可能なWBモードの少なくとも1つ以上に対し算出された上記合成画像データに対する合成画像WBゲインまたは換算合成画像WBゲインと、上記合成画像データと、を同一のファイルとして保存する画像データ記録部をさらに具備する。
【0015】
第7の発明に係わる画像処理方法は、撮影により得られる、または記録されている複数の画像データを合成して合成画像データを生成し、ホワイトバランス補正処理のための設定に応じて、上記複数の画像データのそれぞれに対する画像WBゲインを算出し、上記複数の画像データの合成方法と、上記複数の画像データのそれぞれに対応する画像WBゲインと、に応じて上記合成画像データに対応する合成画像WBゲインを算出し、該合成画像WBゲインに応じて上記合成画像データのホワイトバランス補正を行う。
【0016】
第8の発明に係わる撮像装置は、被写体像を撮像して撮像データを生成する撮像部と、上記撮像部の出力する撮像データを画像処理して画像データを作成し記録を行う画像作成・記録部と、複数の合成用画像データを合成し、合成画像データを生成する画像合成部と、ホワイトバランス補正処理のための設定を行うWB設定部と、上記WB設定部の設定に応じて、上記複数の合成用画像データのそれぞれに対するWBゲインを算出する画像WBゲイン算出部と、上記画像合成部における合成方法と、上記画像WBゲイン算出部で算出された上記複数の合成用画像データのそれぞれに対する画像WBゲインと、に応じ、上記合成画像データに対するWBゲインを算出する合成画像WBゲイン算出部と、WBゲインに応じて画像データのホワイトバランス補正を行うWB補正部と、を具備し、上記WB補正部は、上記WB設定部の設定に応じ、上記合成画像WBゲイン算出部で算出された合成画像WBゲインを用いて、上記合成画像データに対するホワイトバランス補正を行う。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、合成前の画像データのそれぞれに対して算出されたWBゲインを用いて、合成後の画像データを画像処理するときのWBゲインを算出するようにしている。このため、合成後の画像データを画像処理するときに、設定されたWBモードに応じて適切なWB補正を行うことができ、WBモードに応じて印象の異なる写真を生成することができる画像処理装置、画像処理方法、および撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態に係わるデジタルカメラの主として電気的構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係わるデジタルカメラのメイン動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1実施形態に係わるデジタルカメラの静止画撮影・画像処理の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態に係わるデジタルカメラの動画撮影・画像処理の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施形態に係わるデジタルカメラの現像処理の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1実施形態に係わるデジタルカメラの画像合成の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1実施形態に係わるデジタルカメラのRAW編集の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2実施形態に係わるデジタルカメラの画像合成の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に従って本発明を適用したカメラを用いて好ましい実施形態について説明する。本発明の好ましい実施形態に係わるカメラは、デジタルカメラであり、撮像部を有し、この撮像部によって被写体像を画像データに変換し、この変換された画像データに基づいて、被写体像を本体の背面に配置した表示部にライブビュー表示する。撮影者はライブビュー表示を観察することにより、構図やシャッタチャンスを決定する。レリーズ操作時には、画像データが記録媒体に記録される。記録媒体に記録された画像データは、再生モードを選択すると、表示部に再生表示することができる。
【0020】
図1は、本発明の第1実施形態に係わるカメラの主として電気的構成を示すブロック図である。このカメラは、カメラ本体100と、これに脱着可能な交換式レンズ200とから構成される。
【0021】
交換式レンズ200は、撮影レンズ201、絞り203、ドライバ205、マイクロコンピュータ207、フラッシュメモリ209から構成され、後述するカメラ本体100との間にインターフェース(以後、I/Fと称す)999を有する。
【0022】
撮影レンズ201は、被写体像を形成するための光学レンズであって、単焦点レンズまたはズームレンズで構成される。この撮影レンズ201の光軸の後方には、絞り203が配置されており、絞り203は口径が可変であり、撮影レンズ201の通過した被写体光束を制限する。また、撮影レンズ201はドライバ205によって光軸方向に移動可能であり、マイクロコンピュータ207からの制御信号に基づいて、撮影レンズ201のピント位置が制御され、ズームレンズの場合には、焦点距離も制御される。このドライバ205は、絞り204の口径の制御も行う。
【0023】
ドライバ205に接続されたマイクロコンピュータ207は、I/F999およびフラッシュメモリ209に接続されている。マイクロコンピュータ207は、フラッシュメモリ209に記憶されているプログラムに従って動作し、後述するカメラ本体100内のマイクロコンピュータ121と通信を行い、マイクロコンピュータ121からの制御信号に基づいて交換式レンズ200の制御を行う。
【0024】
フラッシュメモリ209には、前述したプログラムの他、交換式レンズ200の光学的特性や調整値等の種々の情報が記憶されている。I/F999は、交換式レンズ200内のマイクロコンピュータ207とカメラ本体100内のマイクロコンピュータ121の相互間の通信を行うためのインターフェースである。
【0025】
カメラ本体100内であって、撮影レンズ201の光軸上には、メカシャッタ101が配置されている。このメカシャッタ101は、被写体光束の通過時間を制御し、公知のレンズシャッタまたはフォーカルプレーンシャッタが採用される。このメカシャッタ101の後方であって、撮影レンズ201によって被写体像が形成される位置には、撮像素子103が配置されている。
【0026】
撮像素子103は、各画素を構成するフォトダイオードが二次元的にマトリックス状に配置されており、各フォトダイオードは受光量に応じた光電変換電流を発生し、この光電変換電流は各フォトダイオードに接続するキャパシタによって電荷蓄積される。各画素の前面には、ベイヤー配列のカラーフィルタが配置されている。ベイヤー配列は、水平方向にR画素とG(Gr)画素が交互に配置されたラインと、G(Gb)画素とB画素が交互に配置されたラインを有し、さらにその3つのラインを垂直方向にも交互に配置することで構成されている。
【0027】
撮像素子103はアナログ処理部105に接続されており、このアナログ処理部105は、撮像素子103から読み出した光電変換信号(アナログ画像信号)に対し、リセットノイズ等を低減した上で波形整形を行い、さらに適切な輝度になるようにゲインアップを行う。アナログ処理部105はA/D変換部107に接続されており、このA/D変換部107は、アナログ画像信号をアナログ―デジタル変換し、デジタル画像信号(以後、画像データという)をバス109に出力する。
【0028】
バス109は、カメラ本体100の内部で読み出され若しくは生成された各種データをカメラ本体100の内部に転送するための転送路である。バス109は、前述のA/D変換部107の他、画像処理部111、AE処理部113、AF処理部115、画像圧縮展開部117、マイクロコンピュータ121、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)127、メモリインターフェース(以後、メモリI/Fという)129、液晶(以後、LCDという)ドライバ133が接続されている。
【0029】
バス109に接続された画像処理部111は、オプティカルブラック減算部(以下、OB減算部という)111a、ホワイトバランス補正部(以後、WB補正部という)111b、同時化処理部111c、ガンマ・色再現処理部111d、カラーマトリックス演算部111e、エッジ強調処理部111f、ノイズリダクション処理部(以後、NR処理部という)111gを含み、SDRAM127に一時記憶された画像データを読出し、この画像データに対して種々の画像処理を施す。
【0030】
OB減算部111aは、オプティカルブラック減算処理を行う。このオプティカルブラック減算処理では、画像データを構成する各画素の画素値から、撮像素子103の暗電流等に起因するオプティカルブラック値を減算する。
【0031】
WB補正部111bは、画像データに対して、ホワイトバランス補正を行う。ホワイトバランス補正は、さまざまな色温度の光源のもとで、白色を正確に白く映し出すように補正する。晴天、曇天、日陰、電球、蛍光灯などの光源モードをユーザが設定するか、若しくはカメラ側で自動的にホワイトバランス補正量を算出するオートホワイトバランスモード、水中ホワイトバランスモードを選択するので、この設定されたモードに応じて、画像データに対してホワイトバランス補正を行う。水中ホワイトバランスモードは、水中において水深や天候など様々な要因で変化する水中の色味を自動的に検出し、ホワイトバランス補正量を自動的に算出するモードである。
【0032】
同時化処理部111cは、ベイヤー配列の下で取得された画像データに対して、1画素あたりR、G、Bの情報からなる画像データへ同時化処理を行う。ガンマ・色再現処理部111dは、ガンマ補正処理、および画像の色味を変化させる色再現処理を行う。カラーマトリクス演算部111eは、画像データに対してカラーマトリックスを乗じる線形変換を行って画像データの色を補正する。エッジ強調処理部111fは、画像データからエッジを抽出し、画像データのエッジを強調するエッジ強調を行う
【0033】
NR処理部111gは、高周波を低減するフィルタを用いたり、またコアリング処理等により、画像データのノイズを低減する処理を行う。画像処理部111は、必要に応じて、各部111a〜111gを選択し各処理を行い、画像処理を施された画像データは、バス109を介してSDRAM127に一時記憶される。
【0034】
AE処理部113は、被写体輝度を測定し、バス109を介してマイクロコンピュータ121に出力する。被写体輝度測定のために専用の測光センサを設けても良いが、本実施形態においては、撮像素子103の出力に基づく画像データに基づいて被写体輝度を算出する。AF処理部115は、画像データから高周波成分の信号を抽出し、積算処理により合焦評価値を取得し、バス109を介してマイクロコンピュータ121に出力する。本実施形態においては、いわゆるコントラスト法によって撮影レンズ201のピント合わせを行う。
【0035】
画像圧縮展開部117は、画像データの記録媒体131への記録時に、SDRAM127から画像データを読み出し、この読み出した画像データをJPEG圧縮方式等の各種圧縮方式に従って圧縮し、この圧縮した画像データをSDRAM127に一旦記憶する。マイクロコンピュータ121は、SDRAM127に一時記憶されたJPEG画像データに対して、JPEGファイルを構成するために必要なJPEGヘッダを付加してJPEGファイルを作成し、この作成したJPEGファイルをメモリI/F129を介して記録媒体131に記録する。
【0036】
また、画像圧縮展開部117は、画像再生表示用にJPEG画像データの伸張も行う。伸張にあたっては、記録媒体131に記録されているJPEGファイルを読み出し、画像圧縮展開部117において伸張処理を施した上で、伸張した画像データをSDRAM127に一時記憶する。なお、本実施形態においては、画像圧縮方式としては、JPEG圧縮方式を採用するが、圧縮方式はこれに限らずTIFF、MPEG、H.264等、他の圧縮方式でも勿論かまわない。記録媒体131は、例えば、カメラ本体100に着脱自在なメモリカード等の記録媒体であるが、これに限らず、カメラ本体100に内蔵されたハードディスク等であっても良い。
【0037】
マイクロコンピュータ121は、このカメラ全体の制御部としての機能を果たし、カメラの各種シーケンスを総括的に制御する。マイクロコンピュータ121には、前述のI/F999以外に、操作部123およびフラッシュメモリ125が接続されている。
【0038】
操作部123は、電源釦、レリーズ釦、動画釦、再生釦、メニュー釦、十字釦、OK釦等、各種入力釦や各種入力キー等の操作部材を含み、これらの操作部材の操作状態を検知し、検知結果をマクロコンピュータ121に出力する。マイクロコンピュータ121は、操作部123からの操作部材の検知結果に基づいて、ユーザの操作に応じた各種シーケンスを実行する。電源釦は、当該デジタルカメラの電源のオン/オフを指示するための操作部材である。電源釦が押されると当該デジタルカメラの電源はオンとなり、再度、電源釦が押されると当該デジタルカメラの電源はオフとなる。
【0039】
レリーズ釦は、半押しでオンになるファーストレリーズスイッチと、半押しから更に押し込み全押しとなるとオンになるセカンドレリーズスイッチからなる。マイクロコンピュータ121は、ファーストレリーズスイッチがオンとなると、AE処理やAF処理等の撮影準備シーケンスを実行する。また、セカンドレリーズスイッチがオンとなると、メカシャッタ101等を制御し、撮像素子103等から被写体画像に基づく画像データを取得し、この画像データを記録媒体131に記録する一連の撮影シーケンスを実行して撮影を行う。
【0040】
動画釦は、動画の撮影を開始させ、また終了させるための釦である。初期状態では動画未撮影状態であるので、この状態で動画釦を押すと動画の撮影を開始し、動画撮影中に動画釦を押すと、動画の撮影を終了する。従って、動画釦を押すたびに、動画の撮影開始と終了を交互に繰り返す。再生釦は、再生モードの設定と解除するための操作釦であり、再生モードが設定されると、記録媒体131から撮影画像の画像データを読み出し、LCD135に撮影画像を再生表示する。
【0041】
メニュー釦は、メニュー画面をLCD135に表示させるための操作釦である。メニュー画面上では、カメラの各種モードの設定が可能であり、例えば、晴天、曇天、日陰、電球、蛍光灯等のホワイトバランスモードや、オートホワイトバランス、水中オートホワイトバランス等のホワイトバランスモードの設定を行うことができる。また、メニュー画面において、画像合成およびRAW編集を設定することができる。
【0042】
フラッシュメモリ125は、マイクロコンピュータ121の各種シーケンスを実行するためのプログラムを記憶している。マイクロコンピュータ121はこのプログラムに基づいて当該デジタルカメラの制御を行う。また、フラッシュメモリ125は、被写体輝度に対して適正露光となる露出制御値(ISO感度、絞り値、シャッタ速度)の組合せを示すテーブル(露出条件決定テーブル)、ホワイトバランス補正を行うためのホワイトバランスゲインや、カラーマトリックス係数を記憶している。
【0043】
SDRAM127は、画像データ等の一時記憶用の電気的書き換え可能な揮発性メモリである。このSDRAM127は、A/D変換部107から出力された画像データや、画像処理部111や画像圧縮展開部117等において処理された画像データを一時記憶する。
【0044】
メモリI/F129は、記録媒体131に接続されており、画像データや画像データに添付されたヘッダ等のデータを、記録媒体131に書き込みおよび読出しの制御を行う。記録媒体131は、カメラ本体に脱着可能なメモリであるが、ハードディスク等、カメラ本体に内蔵のメモリであってもよい。
【0045】
LCDドライバ133は、LCD135に接続されており、SDRAM127や記録媒体131から読み出され、画像圧縮展開部117によって伸張された画像データに基づいて画像をLCD135において表示させる。LCD135は、カメラ本体100の背面等に配置された液晶パネルを含み、画像表示を行う。画像表示としては、撮影直後、記録される画像データを短時間だけ表示するレックビュー表示、記録媒体131に記録された静止画や動画の画像ファイルの再生表示、およびライブビュー表示等の動画表示が含まれる。なお、圧縮されている画像データを表示する場合には、前述したように、画像圧縮展開部117によって伸張処理を施した後に表示する。また、表示部としては、LCDに限らず、有機EL等、他の表示パネルを採用しても勿論かまわない。
【0046】
次に、図2に示すメインのフローチャートを用いて、本実施形態におけるカメラのメイン処理について説明する。電源釦が操作され、電源オンとなると、図2に示すメインフローが動作を開始する。動作を開始すると、まず、記録中フラグをオフに初期化する(S11)。この記録中フラグは、動画の記録中であるか否かを示すフラグであり、オンの場合には動画を記録中であることを示し、オフの場合には動画の記録を行っていないことを示す。
【0047】
記録中フラグをオフに初期化すると、次に、再生釦が押されたか否かを判定する(S13)。ここでは、操作部123内の再生釦の操作状態を検知し、判定する。この判定の結果、再生釦が押された場合には、再生モードを実行する(S15)。ここでは、記録媒体131から画像データを読み出し、LCD135に静止画と動画の一覧を表示する。ユーザは十字釦を操作することにより、一覧の中から画像を選択し、OK釦により画像を確定する。確定された画像が動画の場合には、時系列的に先頭フレームから順次動画再生を行う。確定された画像が静止画の場合には、確定した静止画を表示する。
【0048】
ステップS15において再生を行うと、またはステップS13における判定の結果、再生釦が押されていなかった場合には、次に、画像合成が選択されたか否かを判定する(S17)。画像合成は、記録媒体131に複数のRAWデータが記録されている場合に、メニュー画面で設定可能である。この判定の結果、画像合成が選択されていた場合には、画像合成を行う(S19)。画像合成は、選択された複数のRAWデータを合成して、あたかも多重露出写真のような画像を生成する。ここでRAWデータは、撮像素子103から読み出し、画像処理前の同時化されていない画像データである。この画像合成の詳しい動作については、図6を用いて後述する。
【0049】
ステップS19において画像合成を行うと、またはステップS17における判定の結果、画像合成が選択されていなかった場合には、次に、RAW編集が選択されたか否かを判定する(S21)。RAW編集は、記録媒体131にRAWデータが記録されている場合に、メニュー画面において設定可能である。
【0050】
ステップS21における判定の結果、RAW編集が選択されていた場合には、RAW編集を行う(S23)。RAW編集は、RAWデータを画像処理してJPEGファイルを作成する。このRAW編集の詳しい動作については、図7を用いて後述する。
【0051】
ステップS23においてRAW編集を行うと、またはステップS21における判定の結果、RAW編集が選択されていなかった場合には、次に、動画釦が押されたか否かの判定を行う(S25)。このステップでは、操作部123において、動画釦の操作状態を検知し、この検知結果に基づいて判定する。
【0052】
ステップS25における判定の結果、動画釦が押された場合には、次に、記録中フラグの反転を行う(S27)。前述したように、動画釦は押されるたびに、動画撮影開始と終了を交互に繰り返すので、このステップでは、記録中フラグがオフであった場合にはオンに、またオンであった場合にはオフに、記録中フラグを反転させる。
【0053】
ステップS27において記録中フラグの反転を行うと、またはステップS25における判定の結果、動画釦が押されていなかった場合には、次に、動画の記録中か否かの判定を行う(S31)。記録中フラグが動画の記録状態を示しているので、このステップでは、記録中フラグがオンであるか否かの判定を行う。
【0054】
ステップS31における判定の結果、動画記録中でなかった場合には、次に、ファーストレリーズが押されたか否か、言い換えると、ファーストレリーズスイッチがオフからオンとなったか否かの判定を行う(S33)。この判定は、レリーズ釦に連動するファーストレリーズスイッチの状態を操作部123によって検知し、この検知結果に基づいて行う。検知の結果、ファーストレリーズスイッチがオフからオンに変化した場合には判定結果はYesとなり、一方、オン状態またはオフ状態が維持されている場合には、判定結果はNoとなる。
【0055】
ステップS33における判定の結果、ファーストレリーズが押され、オフからファーストレリーズに遷移した場合には、AE動作を実行する(S35)。ここでは、AE処理部113によって、撮像素子103によって取得された画像データに基づいて被写体輝度を測光し、この被写体輝度に基づいて、適正露出となるシャッタ速度、絞り値等を算出する。
【0056】
AE動作を行うと、次に、AF(オートフォーカス)動作を実行する(S37)。ここでは、AF処理部115によって取得された合焦評価値がピーク値となるように、交換式レンズ200内のマイクロコンピュータ207を介してドライバ205が撮影レンズ201のピント位置を制御する。したがって、動画記録中ではない場合に、レリーズ釦が半押しされると、その時点で、撮影レンズ201のピント合わせを1回行う。
【0057】
ステップS33における判定の結果、ファーストレリーズがオフからオンに遷移しなかった場合には、セカンドレリーズが押されたか否か、言い換えると、レリーズ釦が全押しされセカンドレリーズスイッチがオンであるか否かの判定を行う(S37)。このステップでは、レリーズ釦に連動するセカンドレリーズスイッチの状態を操作部123によって検知し、この検知結果に基づいて判定を行う。
【0058】
ステップS39における判定の結果、セカンドレリーズが押された場合には、静止画撮影およびその画像処理を行う(S41)。ここでは、撮像素子103からの画像信号に基づく静止画の画像データについて画像処理および画像圧縮処理を行った後、記録媒体131に記録する。この静止画撮影・画像処理の詳しい動作については、図3を用いて後述する。
【0059】
ステップS31における判定の結果、動画記録中であった場合、またはステップS39における判定の結果、セカンドレリーズが押されていない場合には、動画撮影および画像処理を行う(S43)。このステップでは、動画記録中であった場合には、撮像素子103からの画像信号に基づく動画の画像データについて画像処理および画像圧縮を行った後、記録媒体に131に記録する。また、動画記録中ではない場合には、静止画撮影における被写体構図やシャッタタイミングの決定を行うためにライブビュー表示を行う。この動画撮影・画像処理の詳しい動作については、図4を用いて後述する。
【0060】
ステップS37におけるAF動作を実行すると、またはステップS41における静止画撮影・画像処理を実行すると、またはステップS43における動画撮影・画像処理を実行すると、次に、電源オフか否かの判定を行う(S45)。このステップでは、操作部123の電源釦が再度、押されたか否かを判定する。この判定の結果、電源オフではなかった場合には、ステップS13に戻る。一方、判定の結果、電源オフであった場合には、メインのフローの終了動作を行ったのち、メインフローを終了する。
【0061】
次に、ステップS41における静止画撮影・画像処理について、図3を用いて説明する。静止画撮影・画像処理のフローに入ると、撮影動作を行う(S51)。ここでは、ステップS35において算出された露出制御値に基づいて、メカシャッタ101や絞り203等の制御を行い、また、撮像素子103の光電電流の電荷蓄積制御を行う。撮像素子103における露光動作が終了すると、画像信号の読み出しを行う。
【0062】
ステップS51における撮影動作が終了すると、次に、画像処理を行う(S53)。このステップでは撮像素子103から読み出された画像信号に対して、画像処理部111において、オプティカルブラック補正、ホワイトバランス補正、同時化処理、カラーマトリックス演算等、種々の画像処理を行い、ベイヤー配列の下で得られたベイヤーデータをYCbCrデータに変換する。なお、YCbCrデータへの変換に代えて、RGBデータへの変換でも構わない。この画像処理の詳しい動作については、図5を用いて後述する。
【0063】
ステップS53における画像処理が終わると、次に、LCD表示を行う(S55)。ここでは、ステップS51において取得し、ステップS53において画像処理を施した画像データに基づいて、レックビュー画像としてLCD135に表示する。
【0064】
LCD表示を行うと、次に、RAW記録を行うか否かの判定を行う(S57)。メニュー画面で予め、画像データの記録方式が設定されるので、ここでは設定状態に応じて判定する。なお、画像データの記録方式としては、JPEGのみ、またはRAWおよびJPEG等がある。少なくともRAWが選択されていれば、RAW記録と判定される。したがって、RAWおよびJPEGが設定された場合には、ステップS57における判定はYesとなる。なお、記録方式としては、これ以外に、RAWのみの記録モードを設けてもよい。
【0065】
ステップS57における判定の結果、RAW記録であった場合には、次に、RAWファイルの生成を行う(S59)。ここでは、撮像素子103から読み出されたベイヤーデータ(画像信号)に画像処理したYCbCrデータを縮小したサムネール画像と、OB値と、各WBモードに対応するWBゲインと、その他画像サイズなどの情報をヘッダとして付加して、RAWファイルを生成する。ベイヤーデータは圧縮しても問題ない。
【0066】
RAWファイルを生成すると、次に、RAWファイルを記録する(S61)。ここでは、ステップS59において生成したRAWファイルを、メモリI/F129を介して記録媒体131に記録する。
【0067】
ステップS61においてRAWファイルを記録すると、またはステップS57における判定の結果、RAW記録でなかった場合には、次に、JPEGファイル生成を行う(S63)。このステップでは、YCbCrデータ形式の静止画の画像データを、画像圧縮展開部117によってJPEG圧縮を行う。そして、画像サイズや撮影条件等の情報をヘッダ情報として作成し、このヘッダ情報をJPEG圧縮された画像データに付加し、JPEGファイルを生成する。
【0068】
続いて、JPEGファイルの記録を行う(S65)。このステップでは、ステップS63において生成されたJPEGファイルをメモリI/F129を介して記録媒体131に記録する。JPEGファイルの記録を行うと、元のフローに戻る。
【0069】
次に、ステップS43における動画撮影・画像処理について、図4を用いて説明する。動画撮影・画像処理のフローに入ると、まず、AE処理を行う(S71)。このステップでは、AE処理部113によって被写体輝度を測定し、この被写体輝度に基づいて適正露光となる露出制御値を決定する。露出制御値の決定にあたっては、動画撮影におけるAE処理であることから、メカシャッタ101は開放のままで、露光時間の制御は電子シャッタのシャッタ速度を用い、適正露光となるシャッタ速度、絞り値やISO感度値を決定する。これらのシャッタ速度、絞り値、ISO感度は、被写体輝度に基づいて、フラッシュメモリ125に予め記録されている露出条件決定テーブルを参照して決定する。
【0070】
次に、撮影動作を行う(S73)。このステップでは、ステップS71で算出された露出制御値に従って絞り値、電子シャッタ、およびISO感度等の制御を行い、また、撮像素子103の光電電流の電荷蓄積制御を行う。1フレーム分の露光が終わると、画像信号の読み出しを行う。
【0071】
撮影を行うと、画像処理を行う(S75)。この画像処理は、ステップS53と同様であり、ベイヤーデータを画像処理し、YCbCrデータに変換するが、静止画の場合と同様、RGBデータでも構わない。詳しくは、図5を用いて説明するが、動画用の画像処理であることから、パラメータ等は適宜動画に相応しい値とする。
【0072】
画像処理を行うと、次に、LCD表示を行う(S77)。ここでは、ステップS73で取得され、ステップS75において画像処理された動画の1フレームをLCD135に表示する。
【0073】
LCDに表示すると、次に、ステップS31と同様に、動画記録中であるか否かの判定を行う(S79)。このステップでは、記録中フラグがオンとなっているか否かの判定を行う。この判定の結果、動画記録中であった場合には、次に、動画ファイルの保存を行う(S81)。ステップS73で取得され、ステップS75において画像処理された動画の画像データを、画像圧縮展開部117によって動画ファイルの形式に合わせた圧縮を行い、記録媒体131に記録する。なお、動画記録中でなかった場合には、静止撮影モードであることから、ステップS77においてライブビュー表示を行い、ステップS81はスキップする。
【0074】
ステップS81において動画ファイルへの保存を行うと、またはステップS79における判定の結果、動画記録中でなかった場合には、動画撮影・画像処理のフローを終了し、元のフローに戻る。
【0075】
次に、ステップS53およびS75における画像処理について、図5を用いて説明する。画像処理のフローに入ると、まず、オプティカルブラック(OB)演算を行う(S91)。このステップでは、OB演算部111aによって、画像データを構成する各画素の画素値から、撮像素子103の暗電流等に起因するオプティカルブラック値をそれぞれ減算する。
【0076】
OB演算を行うと、次に、ホワイトバランス(WB)補正を行う(S93)。このステップでは、WB補正部111bによって、設定されているホワイトバランスモードに応じて、画像データに対してWB補正を行う。具体的には、ベイヤー配列の画像データに対して、ユーザが設定したホワイトバランスモードに応じたRゲインとBゲインをカメラ本体のフラッシュメモリ125から読み出し、その値を乗じることで補正を行う。またはオートホワイトバランスの場合には、RAWデータからRゲインおよびBゲインを算出し、これらを用いて補正する。なお、後述する画像合成の際に行われる画像処理(図6参照のS137)中のWB補正においては、合成WBゲインを用いて行う。また、後述するRAW編集の際に行われる画像処理(図7参照のS155)中のWB補正においては、画像データのヘッダ部に記録されているWBゲインを用いて行う。
【0077】
続いて、同時化処理を行う(S95)。このステップでは、ホワイトバランス補正を行った画像データに対して、同時化処理部111cによって、各画素がRGBデータで構成されるデータに変換する。具体的には、その画素にないデータを周辺から補間によって求め、RGBデータに変換する。
【0078】
同時化処理を行うと、次に、カラーマトリックス演算を行う(S97)。このステップでは、カラーマトリックス演算部111eによって、画像データに対して設定されているホワイトバランスモードに応じたカラーマトリックス係数を乗じる線形変換を行って画像データの色を補正する。カラーマトリックス係数はフラッシュメモリ125に記憶されているので、読み出して使用する。
【0079】
カラーマトリックス演算を行うと、次に、ガンマ変換を行う(S99)。このステップでは、ガンマ・色再現処理部111dによって、画像データに対して、ガンマ補正処理を行う。続いて、色補正を行う(S101)。このステップでは、ガンマ・色再現処理部111dによって、画像データに対して、彩度や色相の補正処理を行う。
【0080】
色補正を行うと、次に、エッジ強調を行う(S103)。このステップでは、ガンマ補正および色再現処理の行われた画像データに対して、エッジ強調処理部111fが、バンドパスフィルタによりエッジ成分を抽出し、エッジ強調度に応じて係数を乗じて画像データに加算することにより、画像データのエッジを強調する。
【0081】
エッジ強調を行うと、次に、ノイズ低減処理(NR)を行う(S105)。このステップでは、NR処理部111gによって、高周波を低減するフィルタを用いたり、またコアリング処理等により、画像データのノイズを低減させる。ノイズ低減処理を行うと、元のフローに戻る。
【0082】
次に、ステップS19における画像合成について、図6を用いて説明する。画像合成のフローに入ると、まず、ホワイトバランス(WB)モードの設定を行う(S111)。ここでは、メニュー画面においてユーザが設定したWBモードを選択する。WBモードとしては、オートホワイトバランス(AWB)、晴天、曇天、日陰、電球、蛍光灯、水中オート等のモードがある。
【0083】
WBモードの設定を行うと、次に、RAWファイルの選択を行う(S113)。記録媒体131に記録されているRAWファイルのサムネールを、RAWファイル一覧として、LCD135に表示する。ユーザは、N個(N≧2)のRAWファイルを十字釦とOK釦を操作することにより選択する。
【0084】
RAWファイルの選択を行うと、次に、合成係数自動設定か否かを判定する(S115)。合成係数は、2以上の画像を合成する際、各画像がどの程度、強く現われるかを設定するための係数である。自動設定は、この合成係数を自動的に設定するものであり、本実施形態においては、各画像が等分の比となるようにしている。
【0085】
ステップS115における判定の結果、合成係数が自動設定であった場合には、合成係数を1/Nに設定する(S117)。自動設定の場合には、選択した全てのRAWファイルに対して1/Nを係数として設定する。もちろん、1/N以外の数値でもよく、また、画像ごとに異なる係数を自動的に設定するようにしても構わない。
【0086】
一方、ステップS115における判定の結果、合成係数が自動設定でなかった場合には、合成係数をユーザ設定とする(S119)。ここでは、係数設定用の画面をLCD135に表示し、ユーザが各RAWファイルに対する係数(Ki>0、1≦i≦N、i整数)を設定する。
【0087】
ステップS117またはS119において、合成係数の設定を行うと、次に、ステップS121からS129において、iを1からNまで順次、変更しながら、演算を行う。まず、RAW読み込みを行う(S123)。ここでは、i番目に選択したRAWファイルのRAWデータを、記録媒体131から読み出す。
【0088】
i番目のRAWデータを読み出すと、次に、読み出されたRAWデータにおける、WBゲインの算出を行う(S125)。設定されたWBモードに応じて、i番目のRAWデータに対応するWBゲイン(RGi:Rゲイン、BGi:Bゲイン)を算出する。RAWファイルと一緒に各WBモードに対応するWBゲインが記録媒体131に記録されている場合には、RAWファイルのヘッダからWBゲインを取得するようにしてもよい。
【0089】
WBゲインの算出を行うと、次に、係数乗算を行う(S127)。ここでは、ステップS117またはステップS119において設定した合成係数Kiを、RAWデータに乗算する。すなわち、RAWデータは、各画素からの生データであり、それぞれの各画素の値に対して合成係数Kiを乗算する。
【0090】
係数乗算を行うと、次に、変数iが選択RAWファイル数Nに達したかを判定する(S129)。この判定の結果、変数iがNに達していなかった場合には、変数iに1を加算して、ステップS121に戻り、前述の演算等を繰り返す。
【0091】
ステップS129において変数iがNに達すると、次に、加算を行う(S131)。ここでは、RAWファイルの同一の画素(ベイヤーデータ)ごとに、ステップS127において係数乗算された画素データを加算する。
【0092】
加算を行うと、次に、合成WBゲインを算出する(S133)。ここでは、各RAWファイルに対応するWBゲインの加重平均を算出する。RゲインをRG、BゲインをBGとすると、下記の(1)(2)式
RG=Σ(Ki×RGi)/Σ(Ki) (1)
BG=Σ(Ki×BGi)/Σ(Ki) (2)
により求める。
【0093】
合成WBゲインを算出すると、次に、OB値算出を行う(S135)。ここでは、各RAWデータのOB値を示すOBiを読み込み、合成画像に対するOB値を下記の(3)式で算出する。
OB=Σ(Ki×OBi) (3)
【0094】
OB値を算出すると、画像処理を行う(S137)。ここでは、ステップS131において合成したデータと、ステップS133において加重平均により算出したWBゲインと、ステップS135において算出したOB値を用いて画像処理を行う。この画像処理は、図5を用いて説明したフローと同じであるので、詳しい説明は省略する。
【0095】
画像処理を行うと、次に、ステップS57と同様に、RAW記録か否かの判定を行う(S139)。この判定の結果、RAW記録であった場合には、RAWファイルの生成を行う(S141)。ここでのRAWファイルの生成にあたっては、ステップS135において算出したOB値を、またステップS131においてベイヤーデータとして合成した画像データを生成する。また、各WBゲインは、ステップS133において算出した方法と同じ方法で算出されたWBゲインを生成する。RAWファイルを生成すると、ここで生成されたRAWファイルを記録媒体131に記録する(S143)。
【0096】
ステップS143においてRAWファイルを記録すると、またはステップS139における判定の結果、RAW記録がない場合には、次に、ステップS63と同様に、JPEGファイルを生成する(S145)。続いて、生成JPEGファイルを記録日値131に記録する(S147)。JPEGファイルを記録すると、元のフローに戻る。
【0097】
このように、本実施形態における画像合成のフローにおいては、合成するための複数のRAWファイルが選択されると(S113)、RAWデータごとに、設定されたWBモードに応じてWBゲインを算出、またはヘッダから取得し(S125)、合成したRAWデータに対応する合成WBゲインを算出し(S133)、画像処理にあたっては(S137)、合成WBゲインを用いて画像処理を行うようにしている(S93)。このため、画像合成を行うにあたって、WBモードに応じて適切なWB補正を行うことができる。
【0098】
次に、ステップS23におけるRAW編集について、図7を用いて説明する。RAW編集のフローに入ると、まず、ステップS111と同様に、WBモード設定を行う(S151)。続いて、RAWファイル選択を行う(S153)。ここでは、記録媒体131に記録されているRAWファイルのサムネールを、RAWファイル一覧として表示する。ユーザが1個のRAWファイルを十字釦とOK釦を操作することにより選択する。
【0099】
RAWファイルを選択すると、次に、選択したRAWファイルの画像処理を行う(S155)。ここでは、選択されたRAWファイルに記録されている情報を読み取り、図5に示した画像処理のフローに従って処理する。画像処理を行うと、次に、ステップS63と同様に、JPEGファイルを生成する(S157)。続いて、生成したJPEGファイルを記録媒体131に記録する(S159)。JPEGファイルを記録すると、元のフローに戻る。
【0100】
このように、本実施形態においては、RAWファイルを選択して(S113)、合成係数を各RAWデータに乗じて(S127)、加算して合成している(S131)。合成画像に対するWBゲインは、各RAWデータに対して算出したWBゲインを、係数の加重平均により求めている(S133)。このため、合成前のRAWデータでWBモードを変えてRAW編集した場合に生成されるJPEGの色味の変化と同様の変化を、合成したRAW画像に対して行うことができる。
【0101】
次に、本発明の第2実施形態について、図8を用いて説明する。第1実施形態においては、各RAWデータに対して、WBゲイン補正およびOB減算を行うことがなかったが、第2実施形態においては、各RAWデータに対してOB減算とWB補正を処理行うようにしている。第2実施形態における構成は、図1に示した構成と略同様であり、また、フローチャートは図6に示した画像合成のフローを、図8に示す画像合成のフローに変更するだけであるので、異なる点を中心に説明する。
【0102】
本実施形態における画像合成にフローに入り、ステップS111からステップS119までは、第1実施形態において図6に示したフローと同様であることから、詳しい説明を省略する。
【0103】
ステップS117またはS119において合成係数の設定を行うと、次に、ステップS221からS235において、iを1からNまで順次、変更しながら、演算を行う。まず、RAW読み込みを行う(S223)。ここでは、i番目に選択したRAWファイルのRAWデータを、記録媒体131から読み出す。
【0104】
RAWファイルのデータを読み込むと、次に、WBゲイン算出を行う(S225)。ここでは、WBモード設定に応じて、i番目のRAWデータに対応するWBゲイン(RGi:Rゲイン、BGi:Bゲイン)と、晴天に対応するWBゲイン(RGi’、BGi’)を算出する。RAWファイルと一緒に各WBモードに対応するWBゲインが記録媒体131に記録されている場合には、RAWファイルのヘッダからWBゲインを取得するようにしてもよい。なお、本実施形態においては、晴天に対するWBゲインを算出しているが、晴天に限らず、他のWBモードに対するWBゲインでも構わない。
【0105】
WBゲインを算出すると、次に、撮影時WBゲインの算出を行う(S227)。撮影時のWBモード設定に応じて、i番目のRAWファイルに対応するWBゲインを算出する。RAWファイルと一緒に各WBモードに対応するWBゲインを記録するようにし、RAWファイルのヘッダから取得するようにしてもよい。もちろん、撮影時のWBモードでなく、例えば、AWBなどでもよい。
【0106】
撮影時WBゲインの算出を行うと、次に、OB減算を行う(S229)。ここでは、i番目のRAWファイルのベイヤーデータに対するOB値をRAWファイルから取得し、OB減算を行う。
【0107】
OB減算を行うと、次に、WB補正を行う(S231)。ここでは、OB減算されたベイヤーデータに、ステップS227において算出した撮影時WBゲインを乗算することによりWB補正を行う。
【0108】
WB補正を行うと、次に、係数乗算を行う(S233)。ここでは、WB補正されたベイヤーデータにステップS117またはS119において設定された合成係数Kiを乗算する。
【0109】
係数乗算を行うと、次に、変数iが選択RAWファイル数Nに達したかを判定する(S235)。この判定の結果、変数iがNに達していなかった場合には、変数iに1を加算して、ステップS221に戻り、前述の演算等を繰り返す。
【0110】
ステップS235において変数iがNに達すると、次に、加算を行う(S237)。ここでは、RAWファイルの同一の画素(ベイヤーデータ)ごとに、OB減算、WB補正、および係数乗算された画素データを加算する。
【0111】
加算を行うと、次に、合成WBゲインの算出を行う(S237)。ここでは、下記の(4)(5)式に基づいて、各RAWファイルに対応するWBゲインの加重平均を算出する。ここでは、現在のWB設定モードに応じた各RAWデータに対応するWBゲインを合成係数で加重平均した値を、所定のWB設定モード(ここでは、晴天モード)に応じた各RAWデータに対応するWBゲインを合成係数で加重平均した値で、除算して得られる「換算合成画像WBゲイン」を算出する。
RG={Σ(Ki×RGi)/Σ(Ki)}/{Σ(Ki×RGi’)/Σ(Ki)} (4)
BG={Σ(Ki×BGi)/Σ(Ki)}/{Σ(Ki×BGi’)/Σ(Ki)} (5)
【0112】
合成WBゲインを算出すると、次に、画像処理を行う(S239)。図5を用いて説明した画像処理のフローに基づいて行う。この画像処理にあたって、ステップS237において加算により合成したデータと、ステップS237において算出した合成WBゲインを用いて行う。なお、OBは既に減算して合成しているために(S229参照)、ここでの処理ではOB値は0として行う。
【0113】
画像処理を行うと、次に、ステップS139と同様に、RAW記録か否かの判定を行う(S241)。この判定の結果、RAW記録であった場合には、RAWファイルの生成を行う(S243)。ここで、OBはすでに減算して(S229)合成しているため(S237)、OB値は0とRAWファイルに記録する。これ以外は、ステップS141と同様に、RAWファイルを生成する。RAWファイルを生成すると、続いて、ステップS143と同様に、RAWファイルの記録を行う(S245)。
【0114】
RAWファイルの記録を行うと、またはステップS241における判定の結果、RAW記録でなかった場合には、次に、ステップS145と同様に、JPEGファイルの生成を行う(S247)。続いて、ステップS147と同様に、JPEGファイルの記録を行う(S249)。JPEGファイルの記録が終わると、元のフローに戻る。
【0115】
以上説明したように、第2実施形態においては、合成時に、撮影時のWBゲインを乗算したRAWデータを合成している(S231)。このため、合成画像に対するWBゲインは、本実施形態の例では、各RAWに対して算出したWBゲインを係数の加重平均したものを、同様に算出した晴天モードにおけるゲインでそれぞれ除算した値を用いている。もちろん、晴天モードに限られるものではなく、他のWBモードを用いてもよく、また、常に固定値を用いるようにしてもよい。
【0116】
合成画像は、異なるシーン撮影された画像が合成されたものであり、どのような光源下で撮影したものなのか明確ではない。しかしながら、撮影時設定に応じて、WB補正されたRAWデータを合成しているため、WBは適切なものとなる。そこで、本実施形態においては、合成画像は、自然光で、一般的な晴天モードでWB補正された画像データとみなし、晴天モードに対応するWBゲインで除算したゲインを用いている。その結果、WBモードの設定に応じ、色味を適切に変えることができる。
【0117】
以上説明したように、本発明の各実施形態においては、WB補正部111bは、操作部123によってWBの設定に応じて、合成画像WBゲイン(S133、S237)を用いて、合成画像データに対するホワイトバランス補正を行うようにしている(S93)。このため、画像合成を行う場合に、WBモードに応じて適切なWB補正を行うことができる。
【0118】
また、本発明の各実施形態においては、WB設定部で設定可能なWBモードの少なくとも1つ以上に対し算出された合成画像データに対する合成画像WBゲインまたは換算合成画像WBゲインと、上記合成画像データと、を同一のファイルとして保存するようにしている。すなわち、合成画像に対する各WBモードのゲインを算出し、合成した画像データと一緒に、RAW画像形式で記録するようにしている。このため、合成画像とRAW画像の区別なく、同じ処理で画像処理ができる。
【0119】
なお、本発明の各実施形態においては、RAWデータとしてベイヤーデータを用いた例について説明した。しかしながらRAWデータとしては、ベイヤーデータに限らず、例えば、ホビオン(Fovion)配列された撮像素子から得られるデータであっても構わない。
【0120】
また、本発明の各実施形態においては、画像合成用のRAWファイルを選択して合成するフローを示した。しかし、これに限らず、画像合成モードをカメラに設け、画像合成モードが選択されると、撮影して得られる複数のベイヤーデータを用いて同様の処理をしてもよい。また、撮影済みの画像に限らず、ライブビュー表示中の画像を複数選択し、この選択した画像を用いて、撮影前に画像合成を行って表示するようにしてもよい。
【0121】
また、本発明の各実施形態においては、撮影のための機器として、デジタルカメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタル一眼レフカメラでもコンパクトデジタルカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)、ゲーム機器等に内蔵されるカメラでも構わない。
【0122】
また、本発明の各実施形態においては、画像処理装置としてカメラに適用した例について説明したが、カメラ以外の画像処理装置に適用しても勿論かまわない。たとえば、撮影画像を記録媒体に格納したパーソナルコンピュータに適用することも可能である。
【0123】
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0124】
100・・・カメラ本体、101・・・メカシャッタ、103・・・撮像素子、105・・・アナログ処理部、107・・・A/D変換部、109・・・バス、111・・・画像処理部、111a・・・OB減算部、111b・・・WB補正部、111c・・・同時化処理部、111d・・・ガンマ・色再現処理部、111e・・・カラーマトリクス演算部、111f・・・エッジ強調処理部、111g・・・NR処理部、113・・・AE処理部、115・・・AF処理部、117・・・画像圧縮展開部、121・・・マイクロコンピュータ、123・・・操作部、125・・・フラッシュメモリ、127・・・SDRAM、129・・・メモリI/F、131・・・記録媒体、133・・・LCDドライバ、135・・・LCD、200・・・交換式レンズ、201・・・撮影レンズ、203・・・絞り、205・・・ドライバ、207・・・マイクロコンピュータ、209・・・フラッシュメモリ、999・・・I/F

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の合成用画像データを合成し、合成画像データを生成する画像合成部と、
ホワイトバランス補正処理のための設定を行うWB設定部と、
上記WB設定部の設定に応じて、上記複数の合成用画像データのそれぞれに対するWBゲインを算出する画像WBゲイン算出部と、
上記画像合成部における合成方法と、上記画像WBゲイン算出部で算出された上記複数の合成用画像データのそれぞれに対する画像WBゲインと、に応じ、上記合成画像データに対するWBゲインを算出する合成画像WBゲイン算出部と、
WBゲインに応じて画像データのホワイトバランス補正を行うWB補正部と、
を具備し、
上記WB補正部は、上記WB設定部の設定に応じ、上記合成画像WBゲイン算出部で算出された合成画像WBゲインを用いて、上記合成画像データに対するホワイトバランス補正を行うことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
上記画像合成部は、上記複数の合成用画像データに対する合成時の合成係数を設定する合成係数設定部を含み、
上記画像合成部は、上記合成係数に応じ上記複数の合成用画像データを合成して合成画像データを生成し、
上記合成画像WBゲイン算出部は、上記合成係数と、上記画像WBゲイン算出部で算出された上記複数の画像データのそれぞれに対する画像WBゲインと、に応じ、上記合成画像データに対する合成画像WBゲインを算出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
上記画像合成部は、画像データに対し所定の値を乗じる乗算部と、複数の画像データを加算する加算部を含み、
上記乗算部は、上記複数の合成用画像データに対し上記合成係数を乗じて複数の中間画像データを生成し、上記加算部は、上記複数の中間画像データを加算することで、上記合成画像データを生成し、
上記合成画像WBゲイン算出部は、上記合成係数に応じ、上記画像WBゲイン算出部で算出された上記複数の合成用画像データのそれぞれに対する画像WBゲインの加重平均を算出することで、上記合成画像データに対する合成画像WBゲインを算出する、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
上記WB補正部は、上記複数の画像データのそれぞれに対し、少なくともホワイトバランス補正処理を行った複数の画像データを上記複数の合成用画像データとして上記画像合成部に入力させ、
上記WB補正部は、上記WB設定部の設定に応じ、上記合成画像WBゲイン算出部で算出された合成画像WBゲインを所定の値で除算した換算合成画像WBゲインを用いて、上記合成画像データデータに対するホワイトバランス補正を行う、
ことを特徴とする請求項1から3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
上記WB設定部は、少なくとも晴天に対するWBモードを含み、
上記所定の値は、上記晴天に対するWBモードに対して上記合成画像WBゲイン算出部で算出された合成画像WBであることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
上記WB設定部で設定可能なWBモードの少なくとも1つ以上に対し算出された上記合成画像データに対する合成画像WBゲインまたは換算合成画像WBゲインと、上記合成画像データと、を同一のファイルとして保存する画像データ記録部をさらに具備することを特徴とする請求項1から5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
撮影により得られる、または記録されている複数の画像データを合成して合成画像データを生成し、
ホワイトバランス補正処理のための設定に応じて、上記複数の画像データのそれぞれに対する画像WBゲインを算出し、
上記複数の画像データの合成方法と、上記複数の画像データのそれぞれに対応する画像WBゲインと、に応じて上記合成画像データに対応する合成画像WBゲインを算出し、
該合成画像WBゲインに応じて上記合成画像データのホワイトバランス補正を行う、
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項8】
被写体像を撮像して撮像データを生成する撮像部と、
上記撮像部の出力する撮像データを画像処理して画像データを作成し記録を行う画像作成・記録部と、
複数の合成用画像データを合成し、合成画像データを生成する画像合成部と、
ホワイトバランス補正処理のための設定を行うWB設定部と、
上記WB設定部の設定に応じて、上記複数の合成用画像データのそれぞれに対するWBゲインを算出する画像WBゲイン算出部と、
上記画像合成部における合成方法と、上記画像WBゲイン算出部で算出された上記複数の合成用画像データのそれぞれに対する画像WBゲインと、に応じ、上記合成画像データに対するWBゲインを算出する合成画像WBゲイン算出部と、
WBゲインに応じて画像データのホワイトバランス補正を行うWB補正部と、
を具備し、
上記WB補正部は、上記WB設定部の設定に応じ、上記合成画像WBゲイン算出部で算出された合成画像WBゲインを用いて、上記合成画像データに対するホワイトバランス補正を行うことを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−85043(P2012−85043A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−228529(P2010−228529)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】