説明

画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び画像形成システム

【課題】再印刷処理を効率的に実行することができる。
【解決手段】入力された画像と画像IDとを記憶する画像記憶部302と、画像を印刷した記録媒体の媒体IDと印刷単位を識別する単位IDと印刷単位に含まれる画像の画像IDとを対応づけたID情報を記憶するID記憶部303と、記録媒体から複数の媒体IDを検出する検出部309と、検出された複数の媒体IDのそれぞれに対応付けられた単位IDで識別される印刷単位に含まれるすべての画像の画像IDをID記憶部303から取得するID取得部307と、取得された画像IDを、対応付けられた媒体ID毎に一致するか否か判断する判断部312と、一致すると判断された場合に、一致すると判断された画像IDと、前記画像機億部302で対応付けられた前記画像を一度のみ印刷するプリンタエンジン322と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷用紙のIDを符号化したマーキングを検出し、当該IDに対応付けられた画像を再印刷する画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び画像形成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この発明は、印刷用紙のIDを符号化したマーキングを検出し、当該IDに対応付けられた画像を再印刷する画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び画像形成システムに関するものである。
【0003】
近年、原稿画像を読み取るスキャナ、スキャナで読み取った原稿画像を印刷する複写機、外部から入力された画像データを印刷するプリンタやファクシミリ装置、あるいは、これらの機能を兼ね備えたいわゆるMFP(Multi Function Peripheral)と称される複合機が用いられている。また、各種情報が埋め込まれた2次元バーコードなどのマーキングを原稿から読み取り、埋め込まれた情報に基づいて、その後の印刷処理等を制御する技術が知られている。
【0004】
例えば、特許文献1では、原稿に付加された2次元バーコードを検出し、検出した2次元バーコードに符号化されているコマンド情報をデコードし、デコードしたコマンド情報に従って、読取った原稿に対する処理を決定する技術が提案されている。
【0005】
また、特許文献2では、読取った画像データに2次元コード情報が含まれる場合に、当該2次元コード情報からウェブサーバへのアクセス情報をデコードし、デコードしたアクセス情報に従ってコンテンツデータを取得して印刷する技術が提案されている。
【0006】
【特許文献1】特開2000−80939号公報
【特許文献2】特開2006−115020号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1および特許文献2の方法では、印刷ジョブ単位または部単位などの所定の単位で印刷された原稿を、印刷時の印刷設定を再現して当該単位ごとに印刷することができないという問題があった。
【0008】
例えば、特許文献1の技術では、原稿それぞれに対する処理内容を規定したコマンド情報を付加するのみであるため、例えば部単位で一括して印刷する場合、当該部に属するすべての原稿を用意して、各原稿から2次元バーコードを検出する必要がある。
【0009】
また、特許文献2の技術では、アクセス情報を参照して取得したコンテンツデータ全体を一括して印刷することが可能となるが、コンテンツデータ印刷時の印刷設定を再現して再印刷することができない。これは、そもそも特許文献2が、外部装置から情報を取得するときの手間を軽減することを目的としており、印刷時に原稿に付加したバーコード等を読み取って当該原稿を再印刷することを目的としていないことに起因する。
【0010】
さらには、これら特許文献1及び特許文献2の技術では、複数のバーコードを検出した場合については考慮されておらず、複数のバーコードを検出した場合に同じ原稿が複数印刷されることも考えられる。
【0011】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、再印刷処理を効率的に実行することができる画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、入力された画像と、前記画像を識別する画像IDとを対応付けて記憶する画像記憶手段と、前記画像を印刷した記録媒体を識別する媒体IDと、複数の前記記録媒体を有する印刷単位を識別する単位IDと、前記印刷単位に含まれる前記画像の前記画像IDと、を対応付けたID情報を記憶するID記憶手段と、1つまたは複数の前記記録媒体から、複数の前記媒体IDを検出する検出手段と、前記ID記憶手段において、検出された複数の前記媒体IDのそれぞれに対応付けられた前記単位IDで識別される前記印刷単位に含まれるすべての前記画像の前記画像IDを、それぞれの前記媒体ID毎に対応付けて取得するID取得手段と、前記ID取得手段により取得された前記画像IDを、対応付けられた前記媒体ID毎に一致するか否か判断する判断手段と、前記判断手段により一致すると判断された場合に、一致すると判断された画像IDと、前記画像記憶手段で対応付けられた前記画像を一度のみ出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記判断手段は、さらに、前記画像IDが一致するか否かの判断結果に基づいて、複数の前記媒体IDのうち、第1の前記媒体IDに対応付けられた前記画像IDの全てが、第2の前記媒体IDに対応付けられた前記画像IDに含まれているか否か判断し、前記出力手段は、前記判断手段が含まれていると判断した場合に、第2の前記媒体IDに対応付けられた前記画像IDと、前記画像記憶手段において対応付けられた前記画像を1度のみ出力すること、を特徴とする。
【0014】
また、請求項3にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記ID記憶手段は、さらに前記ID情報に対して、前記印刷単位に対する印刷条件を対応付けて記憶し、前記ID取得手段は、さらに前記検出手段により検出された前記媒体IDに対応付けられた前記印刷条件を前記ID記憶手段から取得し、前記判断手段は、さらに前記ID取得手段により取得された前記印刷条件を、対応付けられた前記媒体ID毎に一致するか否か判断し、前記出力手段は、前記判断手段により前記画像ID及び前記印刷条件が一致すると判断された場合に、一致すると判断された画像IDと対応付けられた前記画像を一度のみ出力すること、を特徴とする。
【0015】
また、請求項4にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記判断手段により前記印刷条件が一致しないと判断された場合に、いずれかの前記印刷条件を選択する選択手段をさらに備え、前記出力手段は、選択された前記印刷条件で、前記判断手段により一致すると判断された前記画像IDと対応付けられた前記画像を一度のみ出力すること、を特徴とする。
【0016】
また、請求項5にかかる発明は、請求項3にかかる発明において、前記判断手段は、前記印刷条件が一致しないと判断した場合、当該一致しない印刷条件が予め定められた印刷条件であるか否か判断し、前記出力手段は、前記判断手段により前記予め定められた印刷条件の場合、一致した前記画像IDと対応付けられた前記画像を一度のみ出力すること、を特徴とする。
【0017】
また、請求項6にかかる発明は、請求項5にかかる発明において、前記判断手段が判断する前記予め定められた印刷条件が、当該印刷条件で前記画像が記録媒体に出力された後に利用者が前記記録媒体に対して作業を行うことで状態を一致させることができる前記印刷条件であること、を特徴とする。
【0018】
また、請求項7にかかる発明は、請求項6にかかる発明において、前記判断手段が判断する前記予め定められた印刷条件が、シフトスタック、仕切り、回転ソート、ステープルの有無、及びパンチの有無のうちいずれか一つ以上であること、を特徴とする。
【0019】
また、請求項8にかかる発明は、請求項5にかかる発明において、前記判断手段が判断する前記予め定められた印刷条件が、前記画像の出力対象である記録媒体に対して行う処理に関する前記印刷条件であること、を特徴とする。
【0020】
また、請求項9にかかる発明は、請求項8にかかる発明において、前記予め定められた印刷条件が、モノクロ若しくはカラー、両面、等倍集約、集約時の面付け順番、ステープルの数若しくは位置の違い、及びパンチの穴の数若しくは位置の違いのうちいずれか一つ以上であること、を特徴とする。
【0021】
また、請求項10にかかる発明は、請求項5にかかる発明において、前記判断手段が判断する前記予め定められた印刷条件が、出力される画像において前記画像IDと対応付けられた前記画像以外の出力内容が変更される前記印刷条件であること、を特徴とする。
【0022】
また、請求項11にかかる発明は、請求項10にかかる発明において、前記予め定められた印刷条件が、スタンプの色、濃度、解像度若しくは位置、ページ印字のフォント、フォントサイズ若しくは位置、日付印字のフォント、フォントサイズ若しくは位置、及び集約時の仕切り線のうちいずれか一つ以上であること、を特徴とする。
【0023】
また、請求項12にかかる発明は、請求項5乃至11のいずれか一つにかかる発明において、前記判断手段で用いられる前記予め定められた印刷条件の設定を、利用者から受け付ける入力受付手段をさらに備えることを特徴とする。
【0024】
また、請求項13にかかる発明は、請求項5乃至12のいずれか一つにかかる発明において、前記出力手段は、前記判断手段により前記予め定められた印刷条件の場合、一致しない印刷条件のうち機能が多く設定されている印刷条件と対応付けられた前記画像IDと、前記画像記憶手段において対応付けられた前記画像を一度のみ出力すること、を特徴とする。
【0025】
また、請求項14にかかる発明は、入力された画像と、前記画像を識別する画像IDとを対応づけて記憶する画像記憶手段と、前記画像を印刷した記録媒体を識別する媒体IDと、複数の前記記録媒体を有する印刷単位を識別する単位IDと、前記印刷単位に含まれる前記画像の前記画像IDと、を対応づけたID情報を記憶するID記憶手段と、を備えた画像処理装置における画像処理方法であって、1つまたは複数の前記記録媒体から、複数の前記媒体IDを検出する検出ステップと、前記ID記憶手段において、検出された複数の前記媒体IDのそれぞれに対応付けられた前記単位IDで識別される前記印刷単位に含まれるすべての前記画像の前記画像IDを、それぞれの前記媒体ID毎に対応付けて取得するID取得ステップと、前記ID取得ステップにより取得された前記画像IDを、対応付けられた前記媒体ID毎に一致するか否か判断する判断ステップと、前記判断ステップにより一致すると判断された場合に、一致すると判断された画像IDと、前記画像記憶手段で対応付けられた前記画像を一度のみ出力する出力ステップと、を有することを特徴とする。
【0026】
また、請求項15にかかる発明は、請求項14にかかる発明において、前記判断ステップは、さらに、前記画像IDが一致するか否かの判断結果に基づいて、複数の前記媒体IDのうち、第1の前記媒体IDに対応付けられた前記画像IDの全てが、の第2の前記媒体IDに対応付けられた前記画像IDに含まれているか否か判断し、前記出力ステップは、前記判断ステップが含まれていると判断した場合に、第2の前記媒体IDに対応付けられた前記画像IDと、前記画像記憶手段において対応付けられた前記画像を1度のみ出力すること、を特徴とする。
【0027】
また、請求項16にかかる発明は、請求項14にかかる発明において、前記ID記憶手段は、さらに前記ID情報に対して、前記印刷単位に対する印刷条件を対応付けて記憶し、前記ID取得ステップは、さらに前記検出ステップにより検出された前記媒体IDに対応付けられた前記印刷条件を前記ID記憶手段から取得し、前記判断ステップは、さらに前記ID取得ステップにより取得された前記印刷条件を、対応付けられた前記媒体ID毎に一致するか否か判断し、前記出力ステップは、前記判断ステップにより前記画像ID及び前記印刷条件が一致すると判断された場合に、一致すると判断された画像IDと対応付けられた前記画像を一度のみ出力すること、を特徴とする。
【0028】
また、請求項17にかかる発明は、請求項14にかかる発明において、前記判断ステップにより前記印刷条件が一致しないと判断された場合に、いずれかの前記印刷条件を選択する選択ステップをさらに有し、前記出力ステップは、選択された前記印刷条件で、前記判断ステップにより一致すると判断された前記画像IDと対応付けられた前記画像を一度のみ出力すること、を特徴とする。
【0029】
また、請求項18にかかる発明は、請求項16にかかる発明において、前記判断ステップは、前記印刷条件が一致しないと判断した場合、当該一致しない印刷条件が予め定められた印刷条件であるか否か判断し、前記出力ステップは、前記判断ステップにより前記予め定められた印刷条件の場合、一致した前記画像IDと対応付けられた前記画像を一度のみ出力すること、を特徴とする。
【0030】
また、請求項19にかかる発明は、入力された画像と、前記画像を識別する画像IDとを対応づけて記憶する画像記憶手段と、前記画像を印刷した記録媒体を識別する媒体IDと、複数の前記記録媒体を有する印刷単位を識別する単位IDと、前記印刷単位に含まれる前記画像の前記画像IDと、を対応づけたID情報を記憶するID記憶手段と、を備えたコンピュータに実行させるプログラムであって、1つまたは複数の前記記録媒体から、複数の前記媒体IDを検出する検出ステップと、前記ID記憶手段において、検出された複数の前記媒体IDのそれぞれに対応付けられた前記単位IDで識別される前記印刷単位に含まれるすべての前記画像の前記画像IDを、それぞれの前記媒体ID毎に対応付けて取得するID取得ステップと、前記ID取得ステップにより取得された前記画像IDを、対応付けられた前記媒体ID毎に一致するか否か判断する判断ステップと、前記判断ステップにより一致すると判断された場合に、一致すると判断された画像IDと、前記画像記憶手段で対応付けられた前記画像を一度のみ出力する出力ステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0031】
また、請求項20にかかる発明は、印刷した画像を記憶する第1画像処理装置と、前記第1画像処理装置とネットワークを介して接続され、前記画像を印刷する第2画像処理装置と、を備えた画像形成システムであって、前記第1画像処理装置は、入力された画像と、前記画像を識別する画像IDとを対応づけて記憶する画像記憶手段と、前記画像を印刷した記録媒体を識別する媒体IDと、複数の前記記憶媒体を有する印刷単位を識別する単位IDと、前記印刷単位に含まれる前記画像の前記画像IDと、を対応づけたID情報を記憶するID記憶手段と、複数の前記媒体IDを前記第2画像処理装置から受信する第1受信手段と、前記ID記憶手段において、受信した複数の前記媒体IDのそれぞれに対応付けられた前記単位IDで識別される前記印刷単位に含まれるすべての前記画像の前記画像IDを取得するID取得手段と、前記画像記憶手段において、取得した前記画像IDを、対応付けられた前記媒体IDと共に前記第2画像処理装置に送信する第1送信手段と、前記第2画像処理装置から送信された前記画像IDに対応付けられたすべての前記画像を、前記第2画像処理装置に送信する第2送信手段と、を備え、前記第2画像処理装置は、1つまたは複数の前記記録媒体から、複数の前記媒体IDを検出する検出手段と、検出された複数の前記媒体IDを前記第1画像処理装置に送信する第3送信手段と、前記画像IDを、対応付けられた前記媒体IDと共に前記第1画像処理装置から受信する第2受信手段と、前記第2受信手段により受信した前記画像IDを、対応付けられた前記媒体ID毎に一致するか否か判断する判断手段と、前記判断手段により一致すると判断された場合に、一致すると判断された画像IDを前記第1画像処理装置に送信する第4送信手段と、前記第1の画像処理装置から受信した前記画像を印刷する印刷手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
請求項1〜4にかかる発明によれば、重複する画像の出力を抑止するので、再出力処理を効率的に実行することができるという効果を奏する。
【0033】
請求項5〜13にかかる発明によれば、所定の印刷条件を一致するとみなして重複する画像の出力を抑止するので、再出力処理を効率的に実行することができるという効果を奏する。
【0034】
請求項14〜17にかかる発明によれば、重複する画像の出力を抑止するので、再出力処理を効率的に実行することができるという効果を奏する。
【0035】
請求項18にかかる発明によれば、所定の印刷条件を一致するとみなして重複する画像の出力を抑止するので、再出力処理を効率的に実行することができるという効果を奏する。
【0036】
請求項19〜20にかかる発明によれば、重複する画像の出力を抑止するので、再出力処理を効率的に実行することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び画像形成システムの最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0038】
(第1の実施の形態)
本発明の実施の形態として、画像処理装置であってコピー機能、ファクシミリ(FAX)機能、プリント機能、スキャナ機能及び入力画像(スキャナ機能による読み取り原稿画像やプリンタあるいはFAX機能により入力された画像)を配信する機能等を複合したいわゆるMFP(Multi Function Peripheral)と称される複合機に適用した例を示す。
【0039】
第1の実施の形態にかかる複合機は、所定の印刷単位で画像を印刷するときに、プリント用紙の識別情報を符号化した符号画像(以下、マーキングという。)を各プリント用紙に印刷することを前提とし、プリント用紙のマーキングをスキャナで再読込みすることにより、関連する印刷単位の全画像を再印刷可能とするものである。
【0040】
なお、印刷した画像は所定の記憶部に記憶しておき、再印刷時には当該記憶部に記憶された画像を元に印刷処理を行う。これにより、印刷された用紙に対して通常のコピー処理を実行する場合に比較して画像の劣化を防止できる。
【0041】
まず、第1の実施の形態にかかる複合機の特徴について図1および図2を用いて説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる複合機において文書Aを印刷する例を示した模式図である。
【0042】
同図に示すように、複数の用紙からなる文書Aをコピーまたは印刷すると、用紙を一意に識別する識別情報(以下、PIDという。)と、印刷した装置を特定する情報と、を符号化したマーキングが各用紙に出力される。
【0043】
図1に示すように、利用者が3枚同時に用紙の印刷を行った場合、先頭の用紙にはPID=a1がマーキングされ、2枚目、3枚目の用紙には、それぞれPID=a2、a3がマーキングされる。
【0044】
また、マーキングに含まれている装置を特定する情報の例としては、例えば装置のIPアドレスなどが考えられる。これにより、いずれの装置に蓄積されている画像か、またはいずれの装置で印刷した用紙かを追跡可能になる。
【0045】
なお、マーキングの生成処理では、PIDを符号化したQRコード(登録商標)や、その他の2次元バーコードを生成する方法などの従来から用いられているあらゆるコード生成方法を用いることができる。
【0046】
図2は、第1の実施の形態にかかる複合機による再印刷処理を説明するための模式図である。図2に示すように、利用者が、図1で印刷された用紙の1枚であり、PID=a1がマーキングされた用紙を、本実施の形態にかかる複合機に対してスキャンと再印刷を指示すると、第1の実施の形態にかかる複合機が、PID=a1の用紙だけでなく、同時に印刷された印刷単位に含まれるすべての用紙を一括して印刷できる。
【0047】
すなわち、スキャンしたPID=A1の用紙だけでなく、文書Aに含まれている図1のPID=A2、A3に対応する用紙を含むすべての画像が再印刷される。なお、再印刷時の用紙には、それぞれ新たなPID(a’1、a’2、a’3)と、当該複合機を特定する情報と、を符号化したマーキングが印刷される。
【0048】
図3は、第1の実施の形態にかかる複合機300および複合機350の構成を示すブロック図である。そして、図3に示すように、両者がネットワーク360を介して接続された例が示されている。これにより、一方の複合機がマーキング印刷した場合に、他方の複合機でも上述した再印刷を行うことができる。なお、接続される複合機の個数は2つに限らず、マーキング印刷を行う複合機、再印刷する複合機をそれぞれ複数備えるように構成してもよい。また、複合機がマーキング印刷および再印刷のいずれか一方のみの機能を備えるようにしてもよい。なお、同図に示すように、複合機300と複合機350は同様の構成を備えているので、複合機300についてのみ説明する。
【0049】
図3に示すように、第1の実施の形態の複合機300は、画像記憶部302と、ID記憶部303と、操作パネル321と、プリンタエンジン322と、スキャナエンジン325と、ネットワークインターフェース(I/F)326と、ID管理部304と、送受信部305と、スキャナ制御部306と、ID取得部307と、印刷制御部308と、検出部309と、表示入力制御部310と、印刷ジョブ管理部311と、判断部312と、を備えている。
【0050】
ネットワークI/F326は、ネットワーク360と接続する通信インターフェースである。
【0051】
送受信部305は、ネットワークI/F326を制御して、複合機350などの外部装置に対する情報の送信や、当該外部装置からの情報の受信を行うものである。なお、送受信する情報については後述する。また、送受信部305は、マーキング印刷を行う際に行われる問い合わせ等の送受信を行う。この際に、送受信部305は、以下に示す様々なID(例えば、PID、BID、JID及びEID)や画像データ等の送受信も行う。
【0052】
画像記憶部302は、スキャナによって読込まれた画像を記憶するものであり、画像と、画像を一意に識別する画像ID(以下、EIDという。)と、を対応づけて格納している。なお、複合機300は、ネットワークI/F326で取り込んで画像記憶部302に保存するように構成してもよい。
【0053】
ID記憶部303は、EIDなどの、画像の再印刷に必要な各種識別情報を対応付けたID情報を記憶するものである。図4は、第1の実施の形態のID記憶部303に格納されたID情報のデータ構造の一例を示す説明図である。
【0054】
同図に示すように、ID情報は、用紙のPIDと、当該用紙に印刷した画像のEIDと、親PIDと、BIDと、部キャンセルフラグと、JIDと、ジョブキャンセルフラグと、印刷設定とを対応づけて格納している。
【0055】
ここで、ID情報に含まれる各IDについて説明する。まず、入力された一連の原稿画像群に対して印刷出力が完了するまでを1ジョブとすると、ジョブごとに機器内で一意に割り当てられたIDをJIDと呼ぶ。
【0056】
また、上記印刷出力で複数部を印刷出力する場合に、その部ごとに機器内で一意に割り当てられたIDをBIDとする。1つのジョブで複数部数の印刷を指定できるため、1つのJIDには複数のBIDが対応しうる。
【0057】
さらに、入力画像1ページごとに画像記憶部302に画像データを記憶するが、この記憶画像に対して機器内で一意に割り当てられたIDをEID(電子画像ごとのID)とする。
【0058】
PIDは、上述のように、印刷出力する用紙に対して機器内で一意に割り当てられた用紙ごとのIDをいう。
【0059】
親PIDとは、再印刷処理の場合に設定されるものであり、再印刷の元となった用紙のPIDを表すものである。同図では、PID=1の用紙をスキャンすることによってPID=1〜4の用紙が属するジョブ単位で再印刷されたPID=5〜8の用紙に対し、対応する親PIDとしてそれぞれPID=1〜4が設定された例が示されている。
【0060】
部キャンセルフラグとは、印刷対象となる画像が属する部の印刷が中断されたか否かを表す情報である。部キャンセルフラグは、ユーザの指定やジャムの発生により印刷が中断されたときに1が設定され、正常に印刷が完了したときに0が設定される。同様に、ジョブキャンセルフラグとは、印刷対象となる画像が属するジョブの印刷が中断されたか否かを表す情報を表す。
【0061】
部キャンセルフラグおよびジョブキャンセルフラグは、部単位またはジョブ単位の印刷が中断されたか否かを判断し、中断された部またはジョブの再印刷が指定されたときには、親PIDを辿ることにより適切なEIDを取得するために参照される。
【0062】
ID記憶部303にこのような情報を対応づけて格納することにより、任意の用紙のPIDを検出するだけで、部単位またはジョブ単位で、対応する全画像を再印刷することが可能となる。
【0063】
図1に戻り、画像記憶部302およびID記憶部303は、HDD(Hard Disk Drive)301に格納される。画像記憶部302およびID記憶部303は、HDD301以外に、光ディスク、メモリカード、RAM(Random Access Memory)などの一般的に利用されているあらゆる記憶媒体により構成することができる。装置の電源が切られた後でも蓄積された画像情報を読み出すために、HDDなどの不揮発の記憶媒体であることが望ましい。
【0064】
操作パネル321は、機能設定キー、部数、および複合機300の状態を示すメッセージを表示する表示部(図示せず)と、テンキー、クリア/ストップキー、スタートキー、予熱キー、リセットキー、初期設定キー、印刷キー、送信キー、保存キーなどのキー入力を受付ける入力部(図示せず)とを有する。表示部は、画像を表示するとともにタッチパネル方式で操作入力可能な入力部も兼ねている。
【0065】
操作パネル321により、画像のスキャンと印刷処理の指示、再印刷処理の指示、および印刷時の印刷条件の設定などが行われる。
【0066】
プリンタエンジン322は、マーキング部323と、画像取得部324とを備え、インクジェット式、または電子写真式などの手法により、記録用紙等に画像データを形成する。
【0067】
マーキング部323は、印刷制御部308から指定されたPIDと、自装置(複合機300)を特定する情報と、を符号化したマーキングを生成するものである。プリンタエンジン322は、マーキング部323が生成したマーキングの画像(符号画像)を、原稿の画像データと合成して印刷する。
【0068】
画像取得部324は、ID取得部307により取得されたEIDに対応する画像を画像記憶部302から取得するものである。プリンタエンジン322は、画像取得部324により取得した画像を印刷する。
【0069】
なお、マーキング部323および画像取得部324をプリンタエンジン322の外部に備え、画像取得部324により取得した画像データに、マーキング部323により生成した符号画像を合成した画像を、プリンタエンジン322に送出し、印刷を行うように構成してもよい。
【0070】
スキャナエンジン325は、スキャナを駆動し、原稿のスキャン処理を実行するものである。
【0071】
表示入力制御部310は、選択部331を備え、操作パネル321の表示部への各種画面の表示制御、入力部からのキー入力イベントの受付けを行うものである。また、表示入力制御部310は、後述する判断部312の要求に応じて印刷ジョブを、操作パネル321の表示部に複数表示する。なお、印刷ジョブを表示する際の手順については後述する。
【0072】
選択部331は、表示入力制御部310が操作パネル321の表示部に印刷ジョブを複数表示した場合に、利用者がこれら複数の印刷ジョブから選択した印刷ジョブを受け付けて、印刷対象となる印刷ジョブを選択する。
【0073】
印刷制御部308は、プリンタエンジン322を制御するものである。また、本実施の形態では、印刷が指示されてスキャナエンジン325から入力された画像を一旦画像記憶部302に保存した後、保存した画像を印刷するため、印刷制御部308は画像記憶部302に対する画像の保存処理の制御も行う。
【0074】
スキャナ制御部306は、スキャナエンジン325を制御するものである。
【0075】
ID管理部304は、ID記憶部303に記憶する各種IDの管理を行うものである。例えば、ID管理部304は、画像入力・印刷出力ごとに、JID、BIDなどの印刷単位のIDを生成し、ID記憶部303に保存する。また、印刷のために入力した各画像のEIDを生成して、JID等に対応付けてID記憶部303に保存する。
【0076】
また、ID管理部304は、問合せに応じて対応する各種IDをID記憶部303から取得して応答する処理を行う。例えば、ID管理部304は、検出部309により検出されたPIDに対応付けられたJID(なおBIDでもよい)の問合せを受けた場合、当該PIDに対応付けられたJIDをID記憶部303から取得して問合せ元に返す。
【0077】
検出部309は、スキャナエンジン325によって読取られた原稿画像からマーキングを検出し、検出したマーキングを復号化することにより、原稿のPID、装置を特定する情報を検出するものである。つまり、検出部309は、再印刷を行う場合に利用される。
【0078】
また、検出部309が原稿用紙から複数のマーキングを検出した場合、各マーキングからPID及び装置を特定する情報を検出する。そして、検出部309は、検出した複数のPIDを、ID取得部307に出力する。これにより、複合機300は、マーキングのそれぞれから文書を印刷する。
【0079】
そして、本実施の形態にかかる複合機300では、検出部309により検出された複数のPIDに対応付けられたJIDが同一の場合、同じ画像が複数印刷されないように制御する。
【0080】
例えば、複合機300が図1に示したマーキングを付す印刷を行った後、再び文書Aに対してマーキングを付す印刷を行ったものとする。図5は、第1の実施の形態にかかる複合機300において文書Aを印刷する例を示した模式図である。同図に示すように、利用者が再び文書Aの印刷を行った場合、先頭の用紙にはPID=b1がマーキングされ、2枚目、3枚目の用紙には、それぞれPID=b2、b3がマーキングされる。
【0081】
その後、利用者が、図1に示すマーキング印刷を行った原稿と、図5に示すマーキング印刷を行った原稿とに対して再印刷処理を行うこととする。
【0082】
図6は、第1の実施の形態にかかる複合機350において、同じJIDと対応付けられた複数のマーキングから文書を再印刷する例を示した模式図である。同図に示すように、PID=a1のマーキング601が付された原稿用紙と、PID=b1のマーキング602が付された原稿用紙とを同時に複合機350のコンタクトガラスに載せて再印刷処理の要求が行われたものとする。
【0083】
この場合、検出部309はPID=a1とPID=b1とを検出する。そして、複合機300は、PID=a1及びPID=b1に対応付けられた文書が同一と判断した場合、当該文書を一回だけ再印刷する。なお、再印刷された文書Aの各用紙にはPID=c1、c2及びc3のマーキングが付さることとなる。このように、複合機300では、検出した複数のPIDのそれぞれと対応付けられた文書の再印刷を行う際に印刷される画像が重複すると判断した場合、重複する画像については一回だけ再印刷するように制御を行う。次に、このような再印刷に必要な構成について説明する。
【0084】
ID取得部307は、検出部309により検出されたPIDが属する印刷単位(部単位またはジョブ単位)に含まれるすべての画像のEIDを取得することにより、再印刷する画像を特定するものである。また、ID取得部307は、検出されたPIDが属する印刷単位の印刷時の印刷条件である印刷設定を取得する。
【0085】
具体的には、ID取得部307は、まず、検出されたPIDに対応付けられたJID(BID)をID管理部304に問い合わせて取得する。次に、取得したJID(BID)に対応付けられたすべてのEIDをID管理部304に問合せて取得する。また、取得したJID(BID)に対応付けられた印刷設定をID管理部304に問合せて取得する。
【0086】
また、原稿の画像データの格納先が異なる複合機の場合、ID取得部307は、再印刷要求を利用者から受け付けた後、検出部309により検出されたPIDが属する印刷単位に含まれるすべての画像のEID、および印刷単位に対応付けられた印刷設定を、送受信部305を介して他の複合機のID記憶部303から取得する。
【0087】
また、ID取得部307は、他の複合機から再印刷するための情報の送信要求を受信した場合、送受信部305により受信されたPIDに対応付けられたEIDと、JID(BID)と、印刷設定とをID管理部304に問い合わせて取得する。そして、取得した情報を他の複合機(例えば複合機350)に送信することで、当該他の複合機においてPIDに対応付けられた情報を取得できる。
【0088】
印刷ジョブ管理部311は、印刷制御部308による制御に従って取得した印刷ジョブを管理する。印刷ジョブとしては、利用者により選択された再印刷処理や、複写処理等が考えられる。また、印刷ジョブ管理部311は、図示しない印刷ジョブ管理テーブルを用いて印刷ジョブを管理する。図7は、印刷ジョブ管理部311が管理している印刷ジョブの例を示した図である。図7に示すように、印刷ジョブ管理テーブルでは、検出マーキングから抽出されたPID、PIDのジョブ情報と、PIDが属するJIDと、JIDに属するEID群とを対応付けて格納している。また、検出したPIDから親PID、ジョブ情報、JID等を取得する手順については後述する。なお、印刷ジョブ管理テーブルの格納先は、複合機300が作業領域として用いる図示しないRAM上に展開されることとする。
【0089】
判断部312は、ID取得部307が取得して印刷ジョブ管理部311に格納された複数の印刷ジョブのそれぞれのEIDが一致するか否か判断する。なお、印刷ジョブは検出部309が検出したPID毎に生成されている。つまり、判断部312は、EIDを、対応付けられたPID毎に一致するか否か判断していることになる。
【0090】
さらに判断部312は、印刷ジョブのEIDが一致すると判断した場合に、これら印刷ジョブ毎の印刷設定が一致するか否か判断する。そして、印刷設定が一致すると判断した場合、印刷制御部308が、同一の画像を複数回出力しないように制御を行う。
【0091】
なお、判断部312が、EIDが一致すると判断し、印刷設定が異なると判断した場合には、表示入力制御部310がこれら印刷ジョブを表示し、利用者の入力に応じて選択部331が印刷対象となる印刷ジョブを選択する。これにより印刷制御部308が、選択された印刷ジョブで印刷処理を行う。
【0092】
本実施の形態にかかる複合機300において、画像情報は以下のような伝送経路によって伝送される。まず、スキャナまたはネットワークI/F326により入力された画像は、印刷制御部308からの指示により、画像記憶部302に伝送される。また、画像記憶部302に蓄積されている画像は、印刷制御部308からの指示により、プリンタエンジン322に伝送され、印刷が行われる。さらに、外部装置から画像転送が要求された場合は、送受信部305によりネットワークI/F326を介して外部装置に伝送される。
【0093】
また、画像の転送を受けた複合機350側では、送受信部305により受信した画像が画像記憶部302に伝送される。また、印刷制御部308からの指示により、画像記憶部302に蓄積されている画像がプリンタエンジン322に伝送され、印刷が行われる。
【0094】
以下に、複合機300がマーキングを印刷し、複合機350が再印刷を行う場合の処理手順について説明する。
【0095】
次に、このように構成された第1の実施の形態にかかる複合機300による印刷処理について説明する。図8は、第1の実施の形態にかかる複合機300における印刷処理の全体の流れを示すフローチャートである。
【0096】
まず、操作パネル321からユーザによりジョブスタートの指示が入力されると(ステップS701)、印刷制御部308が、JIDの生成指示をID管理部304に送信する(ステップS702)。ID管理部304は、新たにJIDを生成し、ID記憶部303に保存する(ステップS703)。
【0097】
次に、印刷制御部308は、画像をスキャナにより読込んで画像記憶部302に保存する画像蓄積処理を、入力画像数分繰り返す(ステップS704〜ステップS711)。
【0098】
具体的には、まず、印刷制御部308は、EIDの生成指示をID管理部304に送信する(ステップS704)。ID管理部304は、新たにEIDを生成し、ID記憶部303に保存する(ステップS705)。
【0099】
なお、マーキング印刷対象がスキャンした画像ではなく、蓄積されている画像である場合、当該蓄積されている画像が以前印刷されているのであれば、ID管理部304は、以前印刷した時に生成されたPIDを親PIDとして、ID記憶部303に保存する。
【0100】
次に、印刷制御部308は、画像記憶部302に対して画像蓄積の開始を指示する(ステップS706)。なお、このとき、画像記憶部302は1ページ分の画像データを記憶する準備を行う。次に、印刷制御部308は、スキャナエンジン325に対して画像入力の開始を指示する(ステップS707)。指示を受けたスキャナエンジン325は、読み取った画像の画像記憶部302に対する転送を開始する(ステップS708)。
【0101】
転送が完了した場合、画像記憶部302は、画像の転送完了をスキャナエンジン325に通知する(ステップS709)。また、スキャナエンジン325は、画像入力が完了したことを印刷制御部308に通知する(ステップS710)。さらに、印刷制御部308は、1ページ分の画像データの蓄積完了を画像記憶部302に対して通知する(ステップS711)。
【0102】
画像蓄積処理が終了すると、印刷制御部308は、保存した画像を印刷する蓄積画像印刷処理を、出力が指定された部数分、および出力が指定された画像分繰り返す(ステップS712〜ステップS720)。
【0103】
具体的には、まず、印刷制御部308は、印刷する部数に応じてBIDの生成指示をID管理部304に送信する(ステップS712)。ID管理部304は、新たにBIDを生成し、ID記憶部303に保存する(ステップS713)。
【0104】
次に、印刷制御部308は、PIDの生成指示をID管理部304に送信する(ステップS714)。ID管理部304は、新たにPIDを生成し、ID記憶部303に保存する(ステップS715)。
【0105】
続いて、印刷制御部308は、プリンタエンジン322に対して画像の印刷を指示する(ステップS716)印刷の指示には、印刷する画像のEIDと、印刷する用紙に符号化して合成すべきPIDと、複合機300を特定する情報と、が含まれる。
【0106】
プリンタエンジン322の画像取得部324は、印刷が指示されたEIDに対応する画像を画像記憶部302から読み出す処理を開始する(ステップS717)。画像記憶部302からの画像の読み出しが終了すると(ステップS718)、マーキング部323がPIDを符号化したマーキングを生成し、プリンタエンジン322が生成されたマーキングを印刷画像に合成して印刷する(ステップS719)。
【0107】
印刷が完了すると、プリンタエンジン322から印刷制御部308に対して印刷完了が通知される(ステップS720)。
【0108】
また、すべての部および画像に対して、蓄積画像印刷処理が完了すると、印刷制御部308は、表示入力制御部310を介してジョブの完了を操作パネル321に表示し(ステップS721)、印刷処理を終了する。
【0109】
次に、複合機300に格納された画像を用いて、複合機350が再印刷処理を行う処理手順について説明する。図9は、第1の実施の形態にかかる複合機300及び複合機350における再印刷処理の全体の流れを示すフローチャートである。
【0110】
まず、操作パネル321等を介してユーザにより再印刷処理が指定されると、印刷制御部308が、マーキング検出を開始することを検出部309に対して指示する(ステップS901)。本処理手順では、ユーザは、複合機350のコンタクトガラスに2枚の印刷用紙(例えば、PID=a1がマーキングされた印刷用紙と、PID=b1がマーキングされた印刷用紙)をスキャンしたものとする。
【0111】
指示を受けた検出部309は、コンタクトガラス上に配置された原稿画像から複数のマーキングを検出し、検出したマーキング毎に復号化を行い、マーキング毎にPID、印刷時間及び機器を特定する情報を検出する。そして、検出部309は、検出したPID等を印刷制御部308に通知する(ステップS902)。また、印刷制御部308は、機器を特定する情報により、画像を蓄積している機器を特定できる。なお、本処理手順では、複合機300が特定されたものとする。
【0112】
次に、印刷制御部308は、再印刷する画像を特定する画像特定処理をID取得部307に対して指示する(ステップS903)。この指示には、検出された全てのPIDが含まれている。これにより、ID取得部307は、以下に示すステップS904〜ステップS910の処理を検出されたPID数分繰り返す。
【0113】
画像特定処理の開始が指示された後(ステップS903)、ID取得部307は、複合機350の送受信部305、および複合機300の送受信部305を介して、複合機300のID管理部304に対して検出されたPIDに対応付けられたJIDを問合せる(ステップS904)。また、問合せ先の装置は、検出されたマーキングに含まれるIPアドレスなどの装置を特定する情報により決定する。
【0114】
問合せを受けたID管理部304は、PIDに対応付けられたJID、ジョブキャンセルフラグ、および印刷設定をID記憶部303から取得する。
【0115】
そして、ID管理部304は、JIDと、ジョブキャンセルフラグと、印刷設定とを、複合機300の送受信部305および複合機350の送受信部305を介して、複合機350のID取得部307に通知する(ステップS905)。
【0116】
ID取得部307は、受け取ったジョブキャンセルフラグが1であるか否か、すなわち、PIDが属するジョブの印刷が中断されたか否かを判断する(ステップS906)。ジョブキャンセルフラグが1の場合は(ステップS906:Yes)、ID取得部307は、当該PIDの親PIDに対するJIDを、複合機300のID管理部304に対して問合せる(ステップS907)。
【0117】
具体的には、ID取得部307は、まず、PIDに対応付けられた親PIDをID管理部304に対して問合せる。そして、通知された親PIDに対応付けられたJIDをさらにID管理部304に対して問合せる。
【0118】
なお、同図では省略しているが、ジョブキャンセルフラグが1であるが親PIDを取得できなかった場合は、親PIDを元にした再印刷が実行できないため、再印刷処理を終了する。また、親PIDに対して取得されたジョブキャンセルフラグについては、さらに1であるか否かが判断され、1の場合はさらに親PIDを探索する処理が繰り返される。
【0119】
親PIDに対するJIDが取得された場合(ステップS907)、または、ステップS906でジョブキャンセルフラグが1でないと判断された場合は(ステップS906:No)、ID取得部307は、JIDで識別されるジョブに属するすべてのEIDを、複合機300のID管理部304に対して問合せる(ステップS908)。
【0120】
ID管理部304は、JIDに対応づけられているすべてのEIDをID記憶部303から取得し、取得したEIDのリストをID取得部307に通知する(ステップS909)。通知を受けたID取得部307は、ステップS905で取得した印刷設定及びJIDと、ステップS909で通知されたEIDリストと、を印刷制御部308に通知する(ステップS910)。
【0121】
そして、印刷制御部303は、ステップS904〜S910により、PID毎に複数のEIDのリストを取得した場合、当該複数のEIDリスト及びEIDリストに対応する印刷設定と共に、EIDの重複判定を判断部312に対して要求する(ステップS911)。
【0122】
そして、判断部312が、複数のEIDリストに含まれているEID群が一致するか否か判断する(ステップS912)。判断部312が一致しないと判断した場合(ステップS912:No)、EIDリストが一致しない旨を印刷制御部308に対して通知する(ステップS913)。なお、重複判定は、EIDリストに含まれるEIDが全て一致する場合に制限するものではない。他の例については第1の実施の形態の変形例1で説明する。これにより、印刷制御部308は、複数のEIDリストに含まれている各EIDに対して、ステップS917〜ステップS927までの処理を行うことになる。
【0123】
また、判断部312が、複数のEIDリストに含まれているEID群が一致すると判断した場合(ステップS912:Yes)。それぞれのEIDリストに対応する印刷設定が一致するか否か判断する(ステップS914)。
【0124】
判断部312は印刷設定が一致すると判断した場合(ステップS914:Yes)、いずれか一方のEIDリストのEID群のみ印刷処理を行えばよい旨を印刷制御部308に対して通知する(ステップS915)。これにより、印刷制御部308は、いずれか一方のEIDリストに含まれている各EIDに対して、ステップS917〜ステップS927までの処理を行うことになる。
【0125】
また、判断部312は印刷設定が一致しないと判断した場合(ステップS914:No)、表示入力制御部310に対して、これら各EIDリストに対応する印刷ジョブの一覧表示を要求する(ステップS916)。
【0126】
これにより表示入力制御部310は、印刷設定は異なるが、同じEID群を含む印刷ジョブを一覧表示する。図10は、表示入力制御部310が表示する印刷ジョブ一覧の画面例である。利用者は、当該印刷ジョブ一覧の画面を参照して、印刷したい印刷ジョブを選択する。そして、選択部331は、利用者により選択された印刷ジョブを印刷対象として選択し、当該選択された印刷ジョブを、判断部312に対して通知する(ステップS917)。
【0127】
次に、判断部312は、通知された印刷に対応するEIDのリストのみ印刷処理を行えばよい旨を印刷制御部308に対して通知する(ステップS918)。これにより、印刷制御部308は、通知されたEIDリストに含まれている各EIDに対して、ステップS917〜ステップS927までの処理を行うことになる。
【0128】
次に、印刷制御部308は、判断部312からの通知により、再印刷の対象とされた画像を複合機300から転送して画像記憶部302に保存する画像転送保存処理を実行する(ステップS919〜ステップS924)。
【0129】
具体的には、まず、印刷制御部308は、画像記憶部302に対して画像蓄積の開始を指示する(ステップS919)。次に、印刷制御部308は、送受信部305を介して、複合機300の画像記憶部302に対して画像の転送要求を通知する(ステップS920)。
【0130】
転送要求を受けた複合機300の画像記憶部302は、画像の転送を開始し(ステップS921)、転送が完了すると(ステップS922)転送の完了を複合機350の印刷制御部308に通知する(ステップS923)。通知を受けた印刷制御部308は、画像蓄積の完了を画像記憶部302に通知する(ステップS924)。
【0131】
このようにして複合機300から再印刷する画像データが取得されて自装置内の画像記憶部302に保存された後、保存した画像データについての画像再印刷処理が実行される。
【0132】
次に、印刷制御部308は、取得したEIDに対応する画像についての画像再印刷処理を実行する(ステップS925〜ステップS929)。なお、画像再印刷処理では、印刷処理と同様に、再印刷する用紙のPID、および再印刷するジョブのJIDの生成処理が行われるが、同図では省略している。
【0133】
また、再印刷時にも部数の指定などの印刷設定を変更可能であり、変更された部数を参照して再印刷時のBIDが生成される。これにより、前回の印刷時と再印刷時に必要な部数が異なる場合でも、必要な部数を指定して印刷することが可能となる。
【0134】
具体的には、まず、印刷制御部308は、プリンタエンジン322に対して再印刷を指示する(ステップS925)。この指示には、印刷する画像のEIDと、生成されたPIDが含まれる。
【0135】
次に、プリンタエンジン322の画像取得部324は、指示されたEIDに対応する画像を画像記憶部302から読み出す処理を開始する(ステップS926)。画像記憶部302からの画像の読み出しが完了すると(ステップS927)、マーキング部323がPIDを符号化したマーキングを生成し、プリンタエンジン322が生成されたマーキングを印刷画像に合成して印刷する(ステップS928)。
【0136】
再印刷が完了すると、プリンタエンジン322から印刷制御部308に対して再印刷完了が通知される(ステップS929)。
【0137】
なお、上述した処理手順では、ジョブ(JID)単位で再印刷処理について説明したが、部(BID)単位で再印刷処理を行ってもよい。この場合、JIDの代わりにBIDを用いて処理を行う点のみ異なるので説明を省略する。
【0138】
本実施形態にかかる複合機300及び複合機350によれば、マーキング印刷済みの任意の用紙から、当該用紙が属する印刷単位に含まれるすべての画像を特定して印刷するとともに、重複している画像の印刷を抑止することができるため、マーキングを利用した再印刷処理を効率的に実行することができる。また、複数のマーキングが付された用紙から、マーク毎に設定された印刷単位で印刷できるので、一回の読み取り処理で複数の印刷単位に対して再印刷できるので、効率的に再印刷を可能にすると共に、利用者の作業負担が軽減する。
【0139】
また、本実施の形態にかかる複合機300及び複合機350においては、同一印刷設定の重複している画像の印刷を抑止することができる。さらには、異なる印刷設定の場合は利用者からの選択に基づいて、利用者が所望している画像のみ印刷できる。
【0140】
(第1の実施の形態の変形例1)
上述した第1の実施の形態において、複合機350は再印刷を行う際に、取得した複数のEIDリストのEID群が一致している場合について説明した。そこで、第1の実施の形態の変形例1では、一方のEIDリストのEID群に、他方のEIDリストのEID群が含まれている場合に、印刷を抑止する例について説明する。なお、本変形例1にかかる複合機の構成は第1の実施の形態と同様として説明を省略する。
【0141】
本変形例では、複合機300が図1に示したマーキングを付す印刷を行った後、再び文書Aと文書Bを一度にマーキングを付す印刷を行ったものとする。図11は、第1の実施の形態の変形例1にかかる複合機300において文書A及び文書Bを印刷する例を示した模式図である。同図に示すように、利用者が文書A及び文書Bを一度に印刷を行った場合、先頭の用紙にはPID=b1がマーキングされ、2枚目〜6枚目の用紙には、それぞれPID=b2、b3、b4、b5、b6がマーキングされる。
【0142】
その後、利用者が、図1に示すマーキング印刷を行った原稿と、図11に示すマーキング印刷を行った原稿とに対して再印刷処理を行うこととする。
【0143】
図12は、本変形例にかかる複合機350において、一方のJIDに対応するEID群が他方のJIDに対応するEID群に含まれている複数のマーキングから文書を再印刷する例を示した模式図である。同図に示すように、PID=a1のマーキング1201が付された原稿用紙と、PID=b1のマーキング1202が付された原稿用紙とを同時に複合機350のコンタクトガラスに載せて再印刷処理の要求が行われたものとする。
【0144】
この場合、検出部309はPID=a1とPID=b1とを検出する。そして、PID=a1に対応する文書が、PID=b1に対応する文書に含まれているので、複合機300は、PID=b1に対応する文書Bに対応する文書を再印刷する。なお、再印刷された文書Aの各用紙にはPID=c1、c2、c3、c4、c5及びc6のマーキングが付さることとなる。このように、複合機300では、複数のPIDが検出された場合、一方の印刷ジョブの画像が他方の印刷ジョブの画像に含まれていると判断した場合、当該他方の印刷ジョブの画像群の再印刷を行う。
【0145】
図13は、印刷ジョブ管理部311が、上述した再印刷処理で格納された印刷ジョブの例を示した図である。図13に示す印刷ジョブ管理テーブルでは、上段のPID=a1の印刷ジョブでは文書Aに対応するEID及びJIDが格納され、下段のPID=b1の印刷ジョブでは文書A及び文書Bに対応するEID及びJIDが格納されている。そして、本変形例の複合機350では、下段のPID=b1の印刷ジョブのみ印刷される。
【0146】
次に、複合機300に格納された画像を用いて、複合機350が再印刷処理を行う処理手順について説明する。図14は、本変形例にかかる複合機300及び複合機350における再印刷処理の全体の流れを示すフローチャートである。
【0147】
まず、複合機300及び複合機350は、第1の実施の形態の図9のステップS901〜ステップS910と同様に、複合機300から複合機350の印刷制御部308に対して、検出したマーキングに対応するEIDリストと印刷設定とが通知される(ステップS1401〜S1410)。
【0148】
そして、印刷制御部303は、PID毎に複数のEIDのリストを取得した場合、当該複数のEIDリスト及びEIDリストに対応する印刷設定と共に、EIDの重複判定を判断部312に対して要求する(ステップS1411)。
【0149】
そして、判断部312が、複数のEIDリストのうち、一方のEIDリストに含まれているEID群が、他方のEIDリストに含まれているEID群に含まれているか否か判断する(ステップS1412)。判断部312が含まれていないと判断した場合(ステップS1412:No)、EIDリストが重複していない旨を印刷制御部308に対して通知する(ステップS1413)。これにより、印刷制御部308は、複数のEIDリストに含まれている各EIDに対して、ステップS917〜ステップS927までの処理を行うことになる。
【0150】
また、判断部312が、一方のEIDリストに含まれているEID群に、他方のEIDリストに含まれているEID群が含まれていると判断した場合(ステップS1412:Yes)。それぞれのEIDリストに対応する印刷設定が一致するか否か判断する(ステップS1414)。
【0151】
判断部312は印刷設定が一致すると判断した場合(ステップS914:Yes)、上述した他方のEIDリストに含まれるEID群のみ印刷処理を行えばよい旨を印刷制御部308に対して通知する(ステップS1415)。これにより、印刷制御部308は、他方のEIDリストに含まれている各EIDに対して、ステップS917〜ステップS927までの処理を行うことになる。
【0152】
つまり、他方のEIDリストのEID群(例えば文書A及び文書B)のみ再印刷すれば、一方のEIDリストのEID群(例えば文書A)の画像と同一の画像も印刷されたことになるため、一方のEIDリストのEID群の再印刷は不要となる。
【0153】
また、判断部312は印刷設定が一致しないと判断した場合(ステップS1414:No)、表示入力制御部310に対して、これら各EIDリストに対応する印刷ジョブの一覧表示を要求する(ステップS1416)。
【0154】
これにより表示入力制御部310は、印刷設定は異なるが、同じEID群を含む印刷ジョブを一覧表示する。図15は、表示入力制御部310が表示する印刷ジョブ一覧の画面例である。利用者は、当該印刷ジョブ一覧の画面を参照して、印刷したい印刷ジョブを選択する。そして、選択部331は、利用者により選択された印刷ジョブを印刷対象として選択し、当該選択された印刷ジョブを、判断部312に対して通知する(ステップS1417)。
【0155】
次に、判断部312は、通知された印刷に対応するEIDのリストのみ印刷処理を行えばよい旨を印刷制御部308に対して通知する(ステップS918)。これにより、印刷制御部308は、通知されたEIDリストに含まれている各EIDに対して、ステップS1417〜ステップS1427までの処理を行うことになる。
【0156】
そして、複合機350は、第1の実施の形態のステップS919〜S929と同様の処理で再印刷を行っていく(ステップS1419〜S1429)。
【0157】
上述した説明により、本変形例にかかる複合機300及び複合機350においては、同一印刷設定の重複している画像の印刷を抑止することができる。
【0158】
(第2の実施の形態)
図16は、第2の実施の形態にかかる複合機1600及び複合機1650の構成を示すブロック図である。なお、同図に示すように、複合機1600と複合機1650は同様の構成を備えているので、複合機1600についてのみ説明する。
【0159】
図16に示す複合機1600は、第1の実施の形態にかかる複合機300とは、印刷設定管理部1602が追加されていること、表示入力制御部310とは処理が異なる表示入力制御部1603に変更され、そして判断部312とは処理が異なる判断部1601に変更された構成を有している点で異なる。以下の説明では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。
【0160】
図17は、印刷設定管理部1602が管理している印刷設定管理テーブルの例を示した図である。図17に示すように、印刷設定管理テーブルでは、印刷設定と、当該印刷設定が異なる場合の処理とを対応付けて保持している。
【0161】
印刷設定A〜Dは、それぞれ利用者が設定可能な印刷設定を示している。印刷設定Aは、当該印刷設定で印刷された後に、ユーザが印刷用紙に対して何らかの作業を行うことで状態を一致させることができる条件とする。当該印刷設定Aに含まれる設定としては、シフトスタック、仕切り、回転ソート、ステープルの有無、及びパンチの有無とする。
【0162】
印刷設定Bは、画像を印刷する印刷用紙に対して行う処理に関する条件とする。当該印刷設定で印刷された後に、ユーザが印刷用紙に対して何らかの作業を行うことで状態を一致させることができる条件とする。当該印刷設定Bに含まれる設定としては、モノクロ若しくはカラー、両面、等倍集約、集約時の面付け順番、ステープルの数若しくは位置の違い、及びパンチの穴の数若しくは位置の違いとする。
【0163】
印刷設定Cは、画像以外の出力内容が変更される第1の処理であり、特にレイアウトに関する条件とする。当該印刷設定Cに含まれる設定としては、スタンプの場所、ページ印字の位置、日付印字の位置、集約時の仕切り線とする。
【0164】
印刷設定Dは、画像以外の出力内容が変更される第2の処理であり、特に合成画像の合成方法や印刷サイズに関する条件とする。当該印刷設定Dに含まれる設定としては、スタンプの色・濃さ・解像度・透明/透かし、ページ印字のフォント・フォントサイズ、日付印字のフォント・フォントサイズとする。
【0165】
これら印刷設定A〜Dについては、画像の内容が変更されるわけではない。そこで、複合機1600及び複合機1650では、これら印刷設定が異なる場合でも、ユーザの要求に応じて、一致するとみなして、印刷処理を行うこととしている。
【0166】
このため、印刷設定管理部1602が管理している印刷設定管理テーブルでは、これら印刷設定が異なる場合に一致とみなすか否か保持している。
【0167】
表示入力制御部1603は、表示入力制御部310の機能を備えるほか、印刷設定管理テーブルに対する一致するか否かの設定の入力の受付、当該印刷設定管理テーブルが保持する情報を利用するか否かを示す初期設定画面の表示、及び当該初期設定画面に対する入力の受付を行う。
【0168】
図18は、表示入力制御部1603が、表示する初期設定画面の例を示した図である。同図に示すように、複数マークを検出し、それぞれの印刷設定が異なる場合にどのように処理を行うのか設定可能となっている。「一致とみなす場合、新しい方の印刷ジョブを処理する」を選択した場合、印刷設定管理テーブルにおいて一致するとみなす旨の設定がなされた印刷設定のみ異なるのであれば、複数のマークに対応する印刷ジョブのうち新しい方の印刷ジョブのみ印刷処理する。「必ず不一致とする。」を選択した場合、印刷設定が異なるのであれば、必ず利用者に印刷対象とする印刷ジョブを選択させるものとする。
【0169】
判断部1601は、複数の印刷ジョブのそれぞれのEIDが一致するか否かの判断については第1の実施の形態と同様として説明を省略する。そして、判断部1601は、複数の印刷ジョブのそれぞれのEIDが一致すると判断した場合に、印刷設定が一致するか否か判断する。そして、判断部1601が、印刷設定が一致しないと判断した場合に、当該印刷設定を一致としてみなしてよいか否か判断する。判断部1601が一致するとみなして良いと判断した場合、複合機1600において一致した場合と同様の処理が行われる。判断部1601が一致するとみなせないと判断した場合は、複合機1600において第1の実施の形態と同様に印刷ジョブ等の表示が行われる。
【0170】
次に、複合機1600に格納された画像を用いて、複合機1650が再印刷処理を行う処理手順について説明する。図19は、本実施の形態にかかる複合機1600及び複合機1650における再印刷処理の全体の流れを示すフローチャートである。
【0171】
まず、複合機1600及び複合機1650は、第1の実施の形態の図9のステップS901〜ステップS913と同様に、検出したマーキングに対応するEIDリストにおいて重複判定まで行われる(ステップS1901〜S1913)。
【0172】
そして、判断部1601が、一方のEIDリストに含まれるEID群が、他方のEIDリストに含まれるEID群と一致していると判断された場合(ステップS1913:Yes)、それぞれのEIDリストに対応する印刷設定が一致、または一致するとみなせるか否か判断する(ステップS1914)。なお、詳細な手順については後述する。
【0173】
そして、判断部1601は、印刷設定が一致又は一致するとみなせると判断した場合(ステップS1914:Yes)、検出したマーキングに対応する印刷ジョブのうち、新しい方の印刷ジョブに対応するEIDリストに含まれるEID群のみ印刷する旨を、印刷制御部308に対して通知する(ステップS1915)。
【0174】
また、判断部1601は印刷設定が一致しないと判断した場合(ステップS1914:No)、表示入力制御部310に対して、これら各EIDリストに対応する印刷ジョブの一覧表示を要求する(ステップS1916)。
【0175】
そして、複合機1650においては、図9のステップS916〜S929と同様の処理を行うこととする(ステップS1916〜S1929)。
【0176】
次に、判断部1601が図19のステップS1914で行った判断処理について説明する。図20は、本実施の形態にかかる判断部1601における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
【0177】
まず、判断部1601は、複数のマーキングにそれぞれに対応する印刷設定が完全に一致するか否か判断する(ステップS2001)。
【0178】
そして、判断部1601が、完全には一致しないと判断した場合(ステップS2001:No)、印刷設定管理部1602に格納されている印刷設定毎の一致とみなすか否かを示す情報を取得する(ステップS2002)。
【0179】
次に、判断部1601は、取得した印刷設定毎に一致とみなすか否かを示す情報を用いて、ステップS2001で一致しないと判断された印刷設定を一致するとみなしてよいか否かを判断する(ステップS2003)。
【0180】
そして、判断部1601は、印刷設定が完全に一致すると判断した場合(ステップS2001:Yes)、又は印刷設定を一致するとみなしてよいと判断した場合(ステップS2003:Yes)、印刷制御部308に複数のマーキングに対応する印刷ジョブのうち、新しい方の印刷ジョブに対応するEIDリストに含まれるEID群のみ印刷する旨を、印刷制御部308に対して通知する(ステップS2004)。そして、図19のステップS1915以降の処理が行われることになる。
【0181】
また、判断部1601は、印刷設定を一致するとみなすべきではないと判断した場合(ステップS2003:No)、表示入力制御部1603に対して、これら各EIDリストに対応する印刷ジョブの一覧表示を要求する(ステップS2005)。これにより、図19のステップS1916以降の処理が行われることになる。
【0182】
本実施の形態にかかる複合機1600及び複合機1650においては、印刷設定が異なる場合に、所定の印刷設定については一致とみなすことで、利用者が印刷ジョブを選択する操作が省けるので操作負担が軽減すると共に、重複する画像の印刷を抑止することができる。
【0183】
(第2の実施形態の変形例1)
上述した第2の実施の形態にかかる複合機1600及び複合機1650において、印刷設定が一致すると見なされた場合、複数の印刷ジョブのうち新しい方の印刷ジョブに対応するEIDリストに含まれるEID群が印刷された。しかしながら、複数の印刷ジョブのうち新しい方の印刷ジョブを用いることに制限するものではない。
【0184】
そこで第2の実施形態の変形例1にかかる複合機では、複数の印刷ジョブのうち機能の多い方の印刷ジョブを印刷するものとする。なお、構成および処理手順は第2の実施形態と同様として説明を省略する。
【0185】
また、上述した各実施の形態に限定されるものではなく、以下に例示するような種々の変形が可能である。
【0186】
(変形例1)
また、上述した実施の形態では、マーキングに含まれる装置を特定する情報がIPアドレスの場合について説明した。しかしながら、IPアドレスは機器に対して必ず固定されているものではなく、ネットワークに機器が接続される度に異なるIPアドレスが割り当てられる場合もある。そこで、変形例1では、IPアドレスが変更されても印刷を行った複合機を特定することを可能とする例について説明する。本変形例にかかる複合機は、印刷処理を行う際に、複合機を特定する機器IDをマーキングに含める例とする。なお、機器IDは、あらかじめ複合機毎にユニークに割り当てられているものとする。
【0187】
そして、マーキングから検出された機器IDでIPアドレスを特定するために、複合機は、自装置の機器IDと、自装置に割り当てられたIPアドレスと、上述した実施形態で説明した処理を行うポート番号と、を対応付けて、DNSサーバ等の機器に対して登録を要求する。これにより、DNSサーバが、機器IDと、IPアドレスと、ポート番号とを対応付けて保持することになる。
【0188】
また、本変形例では、当該登録処理は、複合機に電源が投入され、複合機にIPアドレスが割り当てられた後に、DNSサーバに対して行うこととする。
【0189】
また、上述した情報の登録先としては、DNSサーバや、登録を要求した複合機と同一サブネットワーク内の複合機など様々な機器が考えられる。
【0190】
そして、DNSサーバ等の機器は、複合機から上述した情報の登録の要求を受け付けた場合、当該情報をSRVレコードや、Aレコード等に保持する。例えば、SRVレコードの“Name”フィールドに機器IDを格納し、“Port”フィールドにポート番号を格納し、Aレコードの“Name”フィールドに機器IDを格納し、“Addr”フィールドにIPアドレスを格納することで、機器IDとポート番号とIPアドレスの対応関係を保持できる。さらに“TXT”レコードを用いた場合、再印刷を行う際の条件等も格納できる。
【0191】
また、登録する際の送信手法としては、ユニキャスト送信を用いてもよいし、マルチキャスト送信を用いても良い。マルチキャスト送信を行った場合、同一サブネットワーク内に含まれている全ての複合機及びDNSサーバ等に対して機器IDとIPアドレスとポート番号との対応関係を登録できる。ユニキャスト送信を行った場合、同一サブネットワークを超えたDNSサーバ等に対して登録することができる。つまり、ユニキャスト送信を行って登録した場合、同一サブネット外のネットワークから複合機を特定することが可能となる。これにより、例えば、事業所のネットワーク内で代表的なDNSサーバに対して、上述した情報を登録することができる。
【0192】
そして、利用者が任意の複合機で原稿用紙をスキャンした際に、機器IDとPIDとを検出する。そして、当該複合機が、当該機器IDを含めた検索クエリーを用いて、他の機器(例えば、DNSサーバやネットワーク内の他の複合機)に対してIPアドレス等の問い合わせを行う。この問い合わせには、ユニキャスト送信を用いても良いし、マルチキャスト送信を用いてもよい。
【0193】
なお、ユニキャスト送信の場合、送信先を特定する際に、利用者に当該原稿用紙を印刷した事業所などを選択させても良い。これにより、スキャンを行った複合機は、利用者に選択された事業所のネットワークを代表するDNSサーバに対して、上記検索クエリーによる問い合わせを、ユニキャスト送信できる。
【0194】
そして、問い合わせを受信したDNSサーバや複合機が、上述した対応関係を保持していれば、機器IDと対応付けられているIPアドレスとポート番号とを、原稿用紙をスキャンした複合機に対して送信する。
【0195】
これにより、原稿用紙をスキャンした複合機は、再印刷するための原稿データを格納している複合機のIPアドレスとポート番号とを特定できる。あとの処理は、上述した実施形態と同様の処理手順を行うことで、再印刷処理を実現することができる。
【0196】
本変形例では、複合機が上述した処理を行うことで、IPアドレス等を変更しても、再印刷するための画像データを格納している複合機と、再印刷するための機能を提供しているポート番号と、を特定できる。ユニキャスト送信を用いて登録した場合、再印刷した複合機とは異なるネットワークからであっても、上述した複合機と、ポート番号とを特定できる。
【0197】
図21は、かかる複合機(300、350、1600、1650)のハードウェア構成を示すブロック図である。本図に示すように、この複合機(300、350、1600、1650)は、コントローラ10とエンジン部(Engine)60とをPCI(Peripheral Component Interconnect)バスで接続した構成となる。コントローラ10は、複合機1全体の制御と描画、通信、操作部(操作パネル)321からの入力を制御するコントローラである。エンジン部60は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジン等であり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニット等である。なお、このエンジン部60には、プロッタ等のいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換等の画像処理部分が含まれる。
【0198】
コントローラ10は、CPU11と、ノースブリッジ(NB)13と、システムメモリ(MEM−P)12と、サウスブリッジ(SB)14と、ローカルメモリ(MEM−C)17と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)16と、ハードディスクドライブ(HDD)18とを有し、ノースブリッジ(NB)13とASIC16との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス15で接続した構成となる。また、MEM−P12は、ROM(Read Only Memory)12aと、RAM(Random Access Memory)12bとをさらに有する。
【0199】
CPU11は、複合機1の全体制御をおこなうものであり、NB13、MEM−P12及びSB14からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0200】
NB13は、CPU11とMEM−P12、SB14、AGP15とを接続するためのブリッジであり、MEM−P12に対する読み書き等を制御するメモリコントローラと、PCIマスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0201】
MEM−P12は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリ等として用いるシステムメモリであり、ROM12aとRAM12bとからなる。ROM12aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM12bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリ等として用いる書き込み及び読み出し可能なメモリである。
【0202】
SB14は、NB13とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB14は、PCIバスを介してNB13と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部等も接続される。
【0203】
ASIC16は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGP15、PCIバス、HDD18及びMEM−C17をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC16は、PCIターゲット及びAGPマスタと、ASIC16の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C17を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジック等により画像データの回転等をおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部60との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC16には、PCIバスを介してFCU(Fax Control Unit)30、USB(Universal Serial Bus)40、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インターフェース50が接続される。
【0204】
MEM−C17は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD(Hard Disk Drive)18は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
【0205】
AGP15は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P12に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
【0206】
なお、第1及び2の実施の形態及び変形例にかかる複合機で実行される画像処理プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
【0207】
第1及び2の実施の形態及び変形例にかかる複合機で実行される画像処理プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0208】
さらに、第1及び2の実施の形態にかかる複合機で実行される画像処理プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、第1及び2の実施の形態及び変形例にかかる複合機で実行される画像処理プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0209】
第1及び2の実施の形態及び変形例にかかる複合機で実行される画像処理プログラムは、上述した各部(表示入力制御部、印刷制御部、スキャナ制御部、ID管理部、検出部、ID取得部、送受信部、判断部、印刷ジョブ管理部等)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから画像処理プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、上記各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【産業上の利用可能性】
【0210】
以上のように、本発明にかかる画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び画像形成システムは、印刷用紙に印刷されたマーキングを利用して印刷処理を制御する複合機に適している。
【図面の簡単な説明】
【0211】
【図1】第1の実施の形態にかかる複合機において文書Aを印刷する例を示した模式図である。
【図2】第1の実施の形態にかかる複合機による再印刷処理を説明するための模式図である。
【図3】第1の実施の形態にかかる複合機の構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施の形態にかかる複合機のID記憶部に格納されたID情報のデータ構造の一例を示す説明図である。
【図5】第1の実施の形態にかかる複合機において文書Aを印刷する例を示した模式図である。
【図6】第1の実施の形態にかかる複合機において、同じJIDと対応付けられた複数のマーキングから文書を再印刷する例を示した模式図である。
【図7】第1の実施の形態にかかる複合機の印刷ジョブ管理部が管理している印刷ジョブの例を示した図である。
【図8】第1の実施の形態にかかる複合機における印刷処理の全体の流れを示すフローチャートである。
【図9】第1の実施の形態にかかる複数の複合機における再印刷処理の全体の流れを示すフローチャートである。
【図10】第1の実施の形態にかかる複合機の表示入力制御部が表示する印刷ジョブ一覧の画面例を示す図である。
【図11】第1の実施の形態の変形例1にかかる複合機において文書A及び文書Bを印刷する例を示した模式図である。
【図12】第1の実施の形態の変形例1にかかる複合機において、一方のJIDに対応するEID群が他方のJIDに対応するEID群に含まれている複数のマーキングから文書を再印刷する例を示した模式図である。
【図13】第1の実施の形態の変形例1にかかる複合機の印刷ジョブ管理部が管理している印刷ジョブの例を示した図である。
【図14】第1の実施の形態の変形例1にかかる複合機及び複合機における再印刷処理の全体の流れを示すフローチャートである。
【図15】第1の実施の形態の変形例1にかかる複合機の表示入力制御部が表示する印刷ジョブ一覧の画面例を示す図である。
【図16】第2の実施の形態にかかる複合機の構成を示すブロック図である。
【図17】第2の実施の形態にかかる複合機の印刷設定管理部が管理している印刷設定管理テーブルの例を示した図である。
【図18】第2の実施の形態にかかる複合機の表示入力制御部が、表示する初期設定画面の例を示した図である。
【図19】第2の実施の形態にかかる複合機における再印刷処理の全体の流れを示すフローチャートである。
【図20】第2の実施の形態にかかる判断部における印刷設定が一致するか否かの判断処理の手順を示すフローチャートである。
【図21】複合機のハードウェア構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0212】
10 コントローラ
11 CPU
12 システムメモリ(MEM−P)
12a ROM
12b RAM
13 ノースブリッジ(NB)
14 サウスブリッジ(SB)
15 AGPバス
16 ASIC
17 ローカルメモリ(MEM−C)
30 FCU
40 USB
50 IEEE1394インターフェース
60 エンジン部
300、350、1600、1650 複合機
301 HDD
302 画像記憶部
303 印刷制御部
303 ID記憶部
304 ID管理部
305 送受信部
306 スキャナ制御部
307 ID取得部
308 印刷制御部
309 検出部
310、1630 表示入力制御部
311 印刷ジョブ管理部
312、1601 判断部
321 操作パネル
322 プリンタエンジン
323 マーキング部
324 画像取得部
325 スキャナエンジン
326 ネットワークI/F
331 選択部
360 ネットワーク
1602 印刷設定管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された画像と、前記画像を識別する画像IDとを対応付けて記憶する画像記憶手段と、
前記画像を印刷した記録媒体を識別する媒体IDと、複数の前記記録媒体を有する印刷単位を識別する単位IDと、前記印刷単位に含まれる前記画像の前記画像IDと、を対応付けたID情報を記憶するID記憶手段と、
1つまたは複数の前記記録媒体から、複数の前記媒体IDを検出する検出手段と、
前記ID記憶手段において、検出された複数の前記媒体IDのそれぞれに対応付けられた前記単位IDで識別される前記印刷単位に含まれるすべての前記画像の前記画像IDを、それぞれの前記媒体ID毎に対応付けて取得するID取得手段と、
前記ID取得手段により取得された前記画像IDを、対応付けられた前記媒体ID毎に一致するか否か判断する判断手段と、
前記判断手段により一致すると判断された場合に、一致すると判断された画像IDと、前記画像記憶手段で対応付けられた前記画像を一度のみ出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記判断手段は、さらに、前記画像IDが一致するか否かの判断結果に基づいて、複数の前記媒体IDのうち、第1の前記媒体IDに対応付けられた前記画像IDの全てが、第2の前記媒体IDに対応付けられた前記画像IDに含まれているか否か判断し、
前記出力手段は、前記判断手段が含まれていると判断した場合に、第2の前記媒体IDに対応付けられた前記画像IDと、前記画像記憶手段において対応付けられた前記画像を1度のみ出力すること、
を特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記ID記憶手段は、さらに前記ID情報に対して、前記印刷単位に対する印刷条件を対応付けて記憶し、
前記ID取得手段は、さらに前記検出手段により検出された前記媒体IDに対応付けられた前記印刷条件を前記ID記憶手段から取得し、
前記判断手段は、さらに前記ID取得手段により取得された前記印刷条件を、対応付けられた前記媒体ID毎に一致するか否か判断し、
前記出力手段は、前記判断手段により前記画像ID及び前記印刷条件が一致すると判断された場合に、一致すると判断された画像IDと対応付けられた前記画像を一度のみ出力すること、
を特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記判断手段により前記印刷条件が一致しないと判断された場合に、いずれかの前記印刷条件を選択する選択手段をさらに備え、
前記出力手段は、選択された前記印刷条件で、前記判断手段により一致すると判断された前記画像IDと対応付けられた前記画像を一度のみ出力すること、
を特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記判断手段は、前記印刷条件が一致しないと判断した場合、当該一致しない印刷条件が予め定められた印刷条件であるか否か判断し、
前記出力手段は、前記判断手段により前記予め定められた印刷条件の場合、一致した前記画像IDと対応付けられた前記画像を一度のみ出力すること、
を特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記判断手段が判断する前記予め定められた印刷条件が、当該印刷条件で前記画像が記録媒体に出力された後に利用者が前記記録媒体に対して作業を行うことで状態を一致させることができる前記印刷条件であること、
を特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記判断手段が判断する前記予め定められた印刷条件が、シフトスタック、仕切り、回転ソート、ステープルの有無、及びパンチの有無のうちいずれか一つ以上であること、
を特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記判断手段が判断する前記予め定められた印刷条件が、前記画像の出力対象である記録媒体に対して行う処理に関する前記印刷条件であること、
を特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記予め定められた印刷条件が、モノクロ若しくはカラー、両面、等倍集約、集約時の面付け順番、ステープルの数若しくは位置の違い、及びパンチの穴の数若しくは位置の違いのうちいずれか一つ以上であること、
を特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記判断手段が判断する前記予め定められた印刷条件が、出力される画像において前記画像IDと対応付けられた前記画像以外の出力内容が変更される前記印刷条件であること、
を特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記予め定められた印刷条件が、スタンプの色、濃度、解像度若しくは位置、ページ印字のフォント、フォントサイズ若しくは位置、日付印字のフォント、フォントサイズ若しくは位置、及び集約時の仕切り線のうちいずれか一つ以上であること、
を特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記判断手段で用いられる前記予め定められた印刷条件の設定を、利用者から受け付ける入力受付手段をさらに備えることを特徴とする請求項5乃至11のいずれか一つに記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記出力手段は、前記判断手段により前記予め定められた印刷条件の場合、一致しない印刷条件のうち機能が多く設定されている印刷条件と対応付けられた前記画像IDと、前記画像記憶手段において対応付けられた前記画像を一度のみ出力すること、
を特徴とする請求項5乃至12のいずれか一つに記載の画像処理装置。
【請求項14】
入力された画像と、前記画像を識別する画像IDとを対応づけて記憶する画像記憶手段と、
前記画像を印刷した記録媒体を識別する媒体IDと、複数の前記記録媒体を有する印刷単位を識別する単位IDと、前記印刷単位に含まれる前記画像の前記画像IDと、を対応づけたID情報を記憶するID記憶手段と、を備えた画像処理装置における画像処理方法であって、
1つまたは複数の前記記録媒体から、複数の前記媒体IDを検出する検出ステップと、
前記ID記憶手段において、検出された複数の前記媒体IDのそれぞれに対応付けられた前記単位IDで識別される前記印刷単位に含まれるすべての前記画像の前記画像IDを、それぞれの前記媒体ID毎に対応付けて取得するID取得ステップと、
前記ID取得ステップにより取得された前記画像IDを、対応付けられた前記媒体ID毎に一致するか否か判断する判断ステップと、
前記判断ステップにより一致すると判断された場合に、一致すると判断された画像IDと、前記画像記憶手段で対応付けられた前記画像を一度のみ出力する出力ステップと、
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項15】
前記判断ステップは、さらに、前記画像IDが一致するか否かの判断結果に基づいて、複数の前記媒体IDのうち、第1の前記媒体IDに対応付けられた前記画像IDの全てが、の第2の前記媒体IDに対応付けられた前記画像IDに含まれているか否か判断し、
前記出力ステップは、前記判断ステップが含まれていると判断した場合に、第2の前記媒体IDに対応付けられた前記画像IDと、前記画像記憶手段において対応付けられた前記画像を1度のみ出力すること、
を特徴とする請求項14に記載の画像処理方法。
【請求項16】
前記ID記憶手段は、さらに前記ID情報に対して、前記印刷単位に対する印刷条件を対応付けて記憶し、
前記ID取得ステップは、さらに前記検出ステップにより検出された前記媒体IDに対応付けられた前記印刷条件を前記ID記憶手段から取得し、
前記判断ステップは、さらに前記ID取得ステップにより取得された前記印刷条件を、対応付けられた前記媒体ID毎に一致するか否か判断し、
前記出力ステップは、前記判断ステップにより前記画像ID及び前記印刷条件が一致すると判断された場合に、一致すると判断された画像IDと対応付けられた前記画像を一度のみ出力すること、
を特徴とする請求項14に記載の画像処理方法。
【請求項17】
前記判断ステップにより前記印刷条件が一致しないと判断された場合に、いずれかの前記印刷条件を選択する選択ステップをさらに有し、
前記出力ステップは、選択された前記印刷条件で、前記判断ステップにより一致すると判断された前記画像IDと対応付けられた前記画像を一度のみ出力すること、
を特徴とする請求項14に記載の画像処理方法。
【請求項18】
前記判断ステップは、前記印刷条件が一致しないと判断した場合、当該一致しない印刷条件が予め定められた印刷条件であるか否か判断し、
前記出力ステップは、前記判断ステップにより前記予め定められた印刷条件の場合、一致した前記画像IDと対応付けられた前記画像を一度のみ出力すること、
を特徴とする請求項16に記載の画像処理方法。
【請求項19】
入力された画像と、前記画像を識別する画像IDとを対応づけて記憶する画像記憶手段と、前記画像を印刷した記録媒体を識別する媒体IDと、複数の前記記録媒体を有する印刷単位を識別する単位IDと、前記印刷単位に含まれる前記画像の前記画像IDと、を対応づけたID情報を記憶するID記憶手段と、を備えたコンピュータに実行させるプログラムであって、
1つまたは複数の前記記録媒体から、複数の前記媒体IDを検出する検出ステップと、
前記ID記憶手段において、検出された複数の前記媒体IDのそれぞれに対応付けられた前記単位IDで識別される前記印刷単位に含まれるすべての前記画像の前記画像IDを、それぞれの前記媒体ID毎に対応付けて取得するID取得ステップと、
前記ID取得ステップにより取得された前記画像IDを、対応付けられた前記媒体ID毎に一致するか否か判断する判断ステップと、
前記判断ステップにより一致すると判断された場合に、一致すると判断された画像IDと、前記画像記憶手段で対応付けられた前記画像を一度のみ出力する出力ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項20】
印刷した画像を記憶する第1画像処理装置と、前記第1画像処理装置とネットワークを介して接続され、前記画像を印刷する第2画像処理装置と、を備えた画像形成システムであって、
前記第1画像処理装置は、
入力された画像と、前記画像を識別する画像IDとを対応づけて記憶する画像記憶手段と、
前記画像を印刷した記録媒体を識別する媒体IDと、複数の前記記憶媒体を有する印刷単位を識別する単位IDと、前記印刷単位に含まれる前記画像の前記画像IDと、を対応づけたID情報を記憶するID記憶手段と、
複数の前記媒体IDを前記第2画像処理装置から受信する第1受信手段と、
前記ID記憶手段において、受信した複数の前記媒体IDのそれぞれに対応付けられた前記単位IDで識別される前記印刷単位に含まれるすべての前記画像の前記画像IDを取得するID取得手段と、
前記画像記憶手段において、取得した前記画像IDを、対応付けられた前記媒体IDと共に前記第2画像処理装置に送信する第1送信手段と、
前記第2画像処理装置から送信された前記画像IDに対応付けられたすべての前記画像を、前記第2画像処理装置に送信する第2送信手段と、を備え、
前記第2画像処理装置は、
1つまたは複数の前記記録媒体から、複数の前記媒体IDを検出する検出手段と、
検出された複数の前記媒体IDを前記第1画像処理装置に送信する第3送信手段と、
前記画像IDを、対応付けられた前記媒体IDと共に前記第1画像処理装置から受信する第2受信手段と、
前記第2受信手段により受信した前記画像IDを、対応付けられた前記媒体ID毎に一致するか否か判断する判断手段と、
前記判断手段により一致すると判断された場合に、一致すると判断された画像IDを前記第1画像処理装置に送信する第4送信手段と、
前記第1の画像処理装置から受信した前記画像を印刷する印刷手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2008−225981(P2008−225981A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−64817(P2007−64817)
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】